説明

クレーンの吊り荷の振れ角度検出装置

【課題】制御器での角度変換の必要がなく、検出ロッドの長さを一定以上に長くするなどの組み込みの制約もなく、コンパクトかつ簡単な機構で高精度かつリアルタイムに吊り荷の振れ角を検出することができるクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置を提供する。
【解決手段】クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸13周りとこれと直交する水平な旋回軸14周りの2軸の角度または角速度を検出するMEMS慣性センサが設けられた検出器本体17をクレーン先端部1から吊り下げ部材16を介して吊り下げるとともに、吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープ2に相対移動可能かつワイヤロープの振れ角に追従可能に検出器本体17を設ける。これにより、吊り下げ部材16で吊り下げた検出器本体17をワイヤロープ2の振れに追従させ、検出器本体17に設けたMEMS慣性センサによりリアルタイムで精度良く振れ角度を検出することで、装置をコンパクトにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クレーンの吊り荷の振れ角度検出装置に関し、ジブクレーンなどの吊り荷の振れ止め制御に必要なワイヤロープの振れ角度をコンパクトで高精度、リアルタイムで検出できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来から建築現場や港湾に設置されるクレーンなどでは、吊り荷の振れ止め制御を行って振れを抑えた状態でクレーン作業が行われており、吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープの振れ角度の検出装置を用いて吊り荷の振れ角度を検出し、検出角度に基づいて振れ止め制御が行われている。
【0003】
従来の振れ角度検出装置としては、種々の形式ものが提案されているが、例えば特許文献1には、クレーンのジブの先端部にジンバル機構を介して直交する2軸回りに回動可能な検出ロッドを支持し、この検出ロッドの下端部に押えローラ機構を設けて吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープを挟持し、ワイヤロープの振れに検出ロッドが追従するようにしておき、この検出ロッドの直交する2軸回り(起伏軸、旋回軸)の回転角を検出する角度検出手段を設け、検出角度に基づいて制御器で演算して吊り荷の振れ角度を求めるようにしている。
これにより、押えローラ機構でワイヤロープを挟圧してワイヤロープの撚りの影響を抑えて検出ロッドをワイヤロープの振れに追従させ、精度良く振れ角度を検出するとともに、可動部分を最小限とし、装置をコンパクトにするとともに、摩擦抵抗の影響を抑えて高精度に振れ角度を検出するようにしている。
【0004】
また、特許文献2には、クレーンからワイヤロープを介して吊り下げられたフックの胴体部の側面に、吊り荷の振れ角を計測するための振れ角センサとして光ファイバージャイロを設けるようにし、フックの振れ角を計測して吊り荷の振れ止め制御を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−159106号公報
【特許文献2】特開平08−143272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この特許文献1のロープ振れ角検出装置では、振れの変位を検出し、後段の制御器にて角度に変換しなければならないため制御器での負担が大きく、高度の演算処理能力をもつ制御器としなければならず、しかも振れの変位を検出するためワイヤロープの高さ方向に、ある一定以上の距離が必要となって検出ロッドの長さを長くしなければならず、機構的に大型になるという問題がある。
また、光ファイバージャイロセンサを用いる場合には、組み込みのためにスペースが必要であり、組み込みに制約があるという問題がある。
【0007】
この発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたもので、制御器での角度変換の必要がなく、検出ロッドの長さなど設置のための高さ方向の制約などの組み込みの制約がなく、簡単な機構でコンパクトにでき、高精度かつリアルタイムに吊り荷の振れ角を検出することができるクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来技術が有する課題を解決するため、この発明の請求項1記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置は、クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸周りとこれと直交する旋回軸周りの2軸の角度または角速度を検出するMEMS慣性センサが設けられた検出器本体をクレーン先端部から吊り下げ部材を介して吊り下げるとともに、吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープに相対移動可能かつワイヤロープの振れ角に追従可能に前記検出器本体を設けて構成したことを特徴とするものである。
【0009】
この発明の請求項2記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置は、請求項1記載の構成に加え、前記検出器本体と前記MEMS慣性センサとの間に、ばねおよびダンパで構成した振動低減機構を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
この発明の請求項3記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置は、請求項1または2記載の構成に加え、前記検出器本体に、V溝ローラと、このV溝ローラと対向し前記ワイヤロープを挟圧方向に付勢する押えローラとを設けて構成したことを特徴とするものである。
【0011】
この発明の請求項4記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記吊り下げ部材を、吊り下げロッドで構成し、この吊り下げロッドの一端をユニバーサルジョイントを介してクレーン先端部に取り付け、他端に前記検出器本体を取り付けたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明の請求項5記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記吊り下げ部材を、一端が間隔をあけてクレーン先端部に取り付けられ他端が前記検出器本体に取り付けられて自転を防止し得る非自転性ワイヤで構成したことを特徴とするものである。
【0013】
この発明の請求項6記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記検出器本体に、鉛直軸周りの角度または角速度を検出するMEMS慣性センサを取り付けて構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明の請求項1記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置によれば、クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸周りとこれと直交する旋回軸周りの2軸の角度または角速度を検出するMEMS慣性センサが設けられた検出器本体をクレーン先端部から吊り下げ部材を介して吊り下げるとともに、吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープに相対移動可能かつワイヤロープの振れ角に追従可能に前記検出器本体を設けて構成したので、吊り下げ部材で吊り下げた検出器本体をワイヤロープの振れに追従させることができ、検出器本体に設けたMEMS慣性センサにより制御器での変換の必要をなくしてリアルタイムで精度良く振れ角度を検出することができるとともに、装置をコンパクトにすることができる。
これにより、リアルタイムで得られる振れ角度を用いることで、高精度に吊り荷の振れ止め制御を行なうことができる。
【0015】
この発明の請求項2記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置によれば、前記検出器本体と前記MEMS慣性センサとの間に、ばねおよびダンパで構成した振動低減機構を設けたので、ワイヤロープの巻き上げ下げによって生じる振動の影響を極力押えて振れ角度を検出することができる。
これにより、一層高精度に振れ角度を検出して吊り荷の振れ止め制御を行うことができる。
【0016】
この発明の請求項3記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置によれば、前記検出器本体に、V溝ローラと、このV溝ローラと対向し前記ワイヤロープを挟圧方向に付勢する押えローラとを設けて構成したので、V溝ローラにより一層ワイヤロープの撚りによるロープ径の変化の影響を抑えることができ、ワイヤロープの振れに確実に追従させることができ、一層精度良く振れ角度を検出することができる。
【0017】
この発明の請求項4記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置によれば、前記吊り下げ部材を、吊り下げロッドで構成し、この吊り下げロッドの一端をユニバーサルジョイントを介してクレーン先端部に取り付け、他端に前記検出器本体を取り付けたので、吊り下げロッドおよびユニバーサルジョイントを介して検出器本体を取り付けることで、確実にワイヤロープの振れに追従させることができ、吊り下げロッドを短くしても高精度に振れ角を検出することができる。
【0018】
この発明の請求項5記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置によれば、前記吊り下げ部材を、一端が間隔をあけてクレーン先端部に取り付けられ他端が前記検出器本体に取り付けられて自転を防止し得る非自転性ワイヤで構成したので、複数のワイヤによる非自転性ワイヤで吊り下げ部材を構成することで、検出器本体の自転を防止して高精度に振れ角度を検出することができる。
【0019】
この発明の請求項6記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置によれば、前記検出器本体に、鉛直軸周りの角度または角速度を検出するMEMS慣性センサを取り付けて構成したので、この鉛直軸周り(地軸周り)の角度または角速度から絶対座標系の起伏軸周りと旋回軸周りの振れ角を換算して求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明のクレーンの振れ角度検出装置の一実施の形態にかかるクレーンに取り付けた状態の概略側面図である。
【図2】この発明のクレーンの振れ角度検出装置の一実施の形態にかかる正面図および側面図である。
【図3】この発明のクレーンの振れ角度検出装置の他の一実施の形態にかかる正面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
このクレーンの振れ角度検出装置10は、例えば、クレーンを構成する基台上で鉛直軸を中心に旋回可能な旋回台に、水平な起伏中心軸を中心に起伏されるジブを設け、クレーンの先端部であるジブの先端部から吊り下げ部材として吊り下げロッドを介して検出器本体を設け、この検出器本体に起伏中心軸と平行な起伏軸周りと、これと直交する旋回軸周りとの直交する2軸方向の角度または角速度を検出するMEMS慣性センサを取り付け、この検出器本体を吊り荷用のワイヤーロープに、例えば押えローラ機構を介してワイヤロープに相対移動(摺動)可能かつ振れ角に追従可能に挟持することで、ワイヤロープの振れ角度を直接求めるようにしたものであり、検出器本体に設けたMEMS慣性センサにより制御器での変換の必要をなくしてリアルタイムで精度良く振れ角度を検出することができるとともに、検出精度を確保するために長い吊り下げロッドを必要とせず、装置をコンパクトにすることができる。
これにより、リアルタイムで得られる振れ角度を用いることで、高精度に吊り荷の振れ止め制御を行なうことができるようにするものである。
【0022】
このクレーンの振れ角度検出装置10では、クレーンの先端部であるジブ1の先端部に取り付ける取付枠11を備えており、上端の取付板12を2本のボルトナットでジブ1に取り付けることで、取付枠11をジブ1に固定できるようにしてある。
【0023】
取付枠11には、ジブの起伏中心軸と平行な起伏軸13とこれと直交するジブの旋回中心軸と平行で水平な旋回軸14とがユニバーサルジョイント15を介して設置され、下方が開口したコ字状の外枠15aの内側に、下方が開口した箱状の内枠15bが配置され、外枠15aにジブ1の旋回中心軸と平行に配置される起伏軸13が両側に分割されて軸受を介して回動可能に取り付けられ、2つに分割された起伏軸13の間に内枠15bが取り付けてある。そして、この内枠15bに起伏軸13と直交して水平な旋回軸14が軸受を介して回動可能に取り付けられ、旋回軸14の中心線上で起伏軸13の中心線上となるように吊り下げロッド16がフランジ16aを介して取り付けてある。
これにより、吊り下げロッド16は、その上端がジブ1の起伏中心軸と平行な起伏軸13およびこれと直交する水平な旋回軸14を中心に回動可能に支持され、直交する2軸方向に振れ動くことができ、旋回中心軸方向と平行な軸(鉛直軸)周りの回動は規制されるようになっている。
【0024】
この吊り下げロッド16には、その下端のフランジ16bを介して検出器本体17が取り付けられ、この検出器本体17にMEMS(micro electro mechanical systems)慣性センサ18が取り付けられ、起伏軸13周りおよび旋回軸14周りの角度または角速度を検出できるようにしてある。そして、このMEMS慣性センサ17の検出信号が図示しない振れ止め制御装置に入力されるようになっている。
【0025】
さらに、このクレーンの振れ角度検出装置10では、検出器本体17に外乱振動を低減するためのばねおよびダンパで構成される振動低減機構19を介してMEMS慣性センサ17が取り付けてある。
【0026】
このような検出器本体17には、吊りワイヤロープ2に追従させるため押えローラ機構21が設けられるとともに、垂直な板状のベース22が備えられ、ベース22の上端に取り付けた連結板23を介して吊り下げロッド16の下端のフランジ16bと連結されるようになっており、連結板23をベース22に対してわずかに傾けて取り付けることで、クレーンの振れ角度検出装置10をジブ1の先端部にセットした状態でベース22がほぼ垂直となるようにしてある。このベース22には、水平な固定回転軸が設けられて固定ローラ24が回転可能に支持され、ここでは、V溝ローラで構成してあり、吊りワイヤロープ2をV溝内でガイドしながら摺動させることができるようにしてある。
このV溝ローラで構成した固定ローラ24の中央と対向して水平な回転軸周りに回転する押えローラ25が配置され、V溝ローラ24側に付勢され、吊りワイヤロープ2を挟むとともに、吊りワイヤロープ2が摺動できるようになっている。
このため、ベース22の端部に回動板26の上端部が回動可能に支持され、回動板26の中間部に押えローラ25の両端部が回動可能に取り付けられ、回動板26の回動中心と押えローラ25の回転中心との間にスプリングユニット27の一端が連結され、他端がベース22に連結してあり、互いを接近するよう付勢する。また、回動板26の下端部にアーム部28が形成してあり、回動板26と反対側のベース22側から吊りワイヤロープ2を入れてV溝ローラ24に吊りワイヤロープ2を当てるようにした後、回動板26を閉じるように回動操作することで、吊りワイヤロープ2を押えローラ25で挟むことができるとともに、スプリングユニット27で挟圧して押えることができるようにしてある。
【0027】
このような押えローラ機構21をV溝ローラ24とこれと対向する押えローラ25とで吊りワイヤロープ2を挟むようにすることで、例えば吊りワイヤロープ2に撚りがあり、繰り出しや巻き上げによって吊りワイヤロープ2が摺動してもその影響を極力抑えることができ、検出器本体17のMEMS慣性センサ18への振動の伝達を抑えることができる。
【0028】
このようなクレーンの振れ角度検出装置10によれば、MEMS慣性センサ18を用いて吊りワイヤロープ2の起伏軸13周りと旋回軸14周りの振れ角度または角速度を直接検出することができ、この検出結果を振れ止め制御に用いることで、演算処理を必要とせずに簡単に振れ止め制御を行うことができる。
また、これまでのクレーンの振れ角度検出装置では、例えば精度を0.1±0.01degや分解能0.01degを確保するためには、検出ロッドを一定以上の長さにしなければならず、吊りワイヤーロープの長さを40mとした場合、吊り荷の振れ幅(両振幅)1mを上記分解能で正確に計測するためには、検出ロッドを2m以上にする必要があることが検証されていることに比較し、吊り下げロッド16を数分の1程度にすることができ、装置をコンパクトにすることができる。
また、振動低減機構19を介してMEMS慣性センサ18を検出器本体17に取り付けてあるので、吊りワイヤロープ2と押えローラ機構21のV溝ローラ25との接触などで生じる外乱振動を低減することができ、高精度に吊りワイヤロープ2の振れ角度を検出することができる。
【0029】
なお、外乱振動に対してカルマンフィルタ演算機能をMEMS慣性センサに持たせるようにしても良く、演算により検出精度を向上することが可能となる。
【0030】
次に、この発明のクレーンの振れ角度検出装置の他の実施の形態について、図3により説明するが、すでに説明した実施の形態と同一部分には、同一記号を記し、重複する説明は省略する。
このクレーンの振れ角度検出装置10Aでは、ジブ1から検出器本体17を吊り下げる吊り下げ部材が吊り下げロッド16に替えて非自転性ワイヤロープ16Aで構成してある。
この非自転性ワイヤロープ16Aは、例えば図3に示すように、2本のワイヤロープ16Aa,16Abを、その上端部を取付枠11の取付板12に起伏軸13と平行な方向に間隔をあけて取り付ける一方、その下端部を検出器本体17に1本にまとめたり、僅かに間隔をあけて取り付けてある。これにより、検出器本体17は、起伏軸13周りと水平な旋回軸14周りには、回転できるものの、鉛直軸(地軸)周りには、拘束された非自転状態に吊り下げられることになる。
なお、クレーンの振れ角度検出装置10Aの他の構成は、既に説明したクレーンの振れ角度検出装置10と同一であり、同様に吊りワイヤロープ2の振れ角度または角速度を直接MEMS慣性センサ18で検出することができるなど、同一の作用・効果を奏する。
【0031】
また、この発明のクレーンの振れ角度検出装置として、上記2つの実施の形態のクレーンの振れ角度検出装置10,10Aでは、検出器本体17にMEMS慣性センサ18を取り付ける場合に、検出器本体17の自転をユニバーサルジョイント15や非自転性ワイヤロープ16Aで拘束して吊り下げるようにし、ジブ1の起伏軸13周りと水平な旋回軸14周りの吊りワイヤロープ2の振れ角度または角速度を検出できるようにしたが、拘束せずに吊り下げ、直交する3軸周りの角度または角速度を検出し、鉛直軸(地軸)周りに検出器本体16が回転(自転)しても、MEMS慣性センサ18からの鉛直軸(地軸)周りの角度または角速度で、絶対座標系の起伏軸周りと水平な旋回軸周りの振れ角に換算するようにすることもできる。
【0032】
なお、上記実施の形態では、クレーンとしてジブクレーンを例に説明したが、これに限らず、他の形式のクレーンであっても吊りワイヤロープを用いるものであれば同様に適用することができる。
さらに、押さえローラ機構の押えローラによる付勢は、スプリングユニットを用いる場合に限らず、他の付勢手段を用いるようにしても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 ジブ(クレーンの先端部)
2 吊りワイヤロープ
10 クレーンの吊荷の振れ角度検出装置
11 取付枠
12 取付板
13 起伏軸
14 旋回軸
15 ユニバーサルジョイント
15a 外枠
15b 内枠
16 吊り下げロッド
16a フランジ
16b フランジ
16A 非自転性ワイヤロープ
16Aa ワイヤロープ
16Ab ワイヤロープ
17 検出器本体
18 MEMS慣性センサ
19 振動低減機構
21 押えローラ機構
22 ベース
23 連結板
24 V溝ローラ(固定ローラ)
25 押えローラ
26 回動板
27 スプリングユニット(付勢手段)
28 アーム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーン起伏中心軸と平行な起伏軸周りとこれと直交する旋回軸周りの2軸の角度または角速度を検出するMEMS慣性センサが設けられた検出器本体をクレーン先端部から吊り下げ部材を介して吊り下げるとともに、吊り荷を巻き上げ下げするワイヤロープに相対移動可能かつワイヤロープの振れ角に追従可能に前記検出器本体を設けて構成したことを特徴とするクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置。
【請求項2】
前記検出器本体と前記MEMS慣性センサとの間に、ばねおよびダンパで構成した振動低減機構を設けたことを特徴とする請求項1記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置。
【請求項3】
前記検出器本体に、V溝ローラと、このV溝ローラと対向し前記ワイヤロープを挟圧方向に付勢する押えローラとを設けて構成したことを特徴とする請求項1または2記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置。
【請求項4】
前記吊り下げ部材を、吊り下げロッドで構成し、この吊り下げロッドの一端をユニバーサルジョイントを介してクレーン先端部に取り付け、他端に前記検出器本体を取り付けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置。
【請求項5】
前記吊り下げ部材を、一端が間隔をあけてクレーン先端部に取り付けられ他端が前記検出器本体に取り付けられて自転を防止し得る非自転性ワイヤで構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置。
【請求項6】
前記検出器本体に、鉛直軸周りの角度または角速度を検出するMEMS慣性センサを取り付けて構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクレーンの吊り荷の振れ角度検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−18556(P2013−18556A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150697(P2011−150697)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】