説明

クロスした4個の縦方向に連結された慣性センサ

【課題】慣性センサを提供する。
【解決手段】慣性センサは、クロスした4個の構成の4つの相互接続されたセンサ素子50A、50B、50C、50Dを含んでいる。各センサ素子は、フレーム、52A,52B、52C、52Dおよびフレーム内にサスペンドされている共振器54A、54B、54C、54Dを含んでいる。隣接するセンサ素子のフレームが、互いに逆位相で動くことを可能にするが、互いに同位相で動くことを実質的に防止するように、センサ素子は配置されている。センサ素子は、横方向に連結された配置、縦方向に連結された配置、または完全に連結された配置で構成されている。一組の対のセンサ素子は、縦方向に連結され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概ねセンサに関し、さらに詳細には、本発明は慣性センサに関する。
【背景技術】
【0002】
慣性センサ、例えば、MEMSジャイロスコープは、多くの場合に、駆動周波数における回転振動ノイズ(多くの場合に「ゆらぎ」と呼ばれている)によって悪影響を及ぼされる。特に、ジャイロスコープが、回転振動と、ジャイロスコープが検出しようとしている実際の動きとを区別することが可能ではない場合に、MEMSジャイロスコープは誤った表示を生成し得る。
また、振動する質量を有するMEMSデバイス、例えば、ジャイロスコープの幾何形状の歪は、長手方向の駆動指針に対して横方向の力における不均衡を生成し得る。この不均衡は、コリオリの力と区別することのできない正味の力をもたらし得る。その結果、ジャイロスコープは誤った出力を生成し得る。これらの幾何形状の歪は少なくとも2つの原因を有する。1つは、基板の表面のずれ(例えば、ダイシングの際の解放/ウエハの湾曲)から生じる。もう1つは、パッケージの膨張差と適用された加速度(例えば、対角的、GxG)とから生じる。GxGエラーの原因の一部は、非特許文献1において述べられており、その全体が本明細書において参考として援用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Green、J.A.、「Progress in Integrated Gyroscopes」、IEEE PLANS 2004 Proceedings、pp.1〜6
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特定の実施形態は、クロスした4個の構成の4個のセンサ素子を有する慣性センサを提供する。各センサ素子は、フレームとフレーム内にサスペンドされている可動な質量を有する。少なくとも二組の対の隣接するフレームが連結器によって相互接続されており、該連結器は、フレームが互いに逆位相で動くことを可能にするが、フレームが同位相で動くことを実質的に防止する。センサ素子は、横方向に連結された配置、縦方向に連結された配置、または完全に連結された(横方向と縦方向に連結された)配置で構成され得る。本発明の特定の実施形態は、一組の対の縦方向に連結されたセンサ素子を有する慣性センサを提供する。
【0005】
本発明の一局面に従って、少なくとも1つの基板と、少なくとも1つの基板の上方の面に実質的にクロスした4個の構成で配置されている4個のセンサ素子を有する慣性センサが提供される。4つのジャイロスコープは、第1のフレーム内にサスペンドされている第1の共振器を有する第1のセンサ素子と、第2のフレーム内にサスペンドされている第2の共振器を有する第2のセンサ素子と、第3のフレーム内にサスペンドされている第3の共振器を有する第3のセンサ素子と、第4のフレーム内にサスペンドされている第4の共振器を有する第4のセンサ素子を含んでいる。第1および第3のフレームは、前記面の第1の軸に沿って共通直線上を動くように構成されている。第2および第4のフレームは、第1の軸に平行である、前記面の第2の軸に沿って共通直線上を動くように構成されている。少なくとも二組の対の隣接するセンサ素子のフレームは、連結器によって相互接続されており、該連結器は、フレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止する。
【0006】
一般的な実施形態において、第1および第2の共振器は、面の第1および第2の軸に対して垂直な第3の軸に沿って、共通直線上を互いに逆位相で動かされ、第3および第4の共振器は、面の第3の軸に対して平行な第4の軸に沿って、共通直線上を互いに逆位相で動かされ、第1と第3の共振器は、共通直線上を互いに逆位相で動かされ、第2と第4の共振器は、共通直線上を互いに逆位相で動かされる。
【0007】
そのような構成において、面に垂直な軸の周りでの基板の回転は、フレームの動きをもたらす。特に、第1の方向への基板の回転は、第1と第3のフレームを互いに向けて動かし、第2と第4のフレームを互いから離れるように動かし、一方、第1と第2の質量が互いに向けて動き、第2の方向への基板の回転は、第1と第3のフレームを互いから離れるように動かし、第2と第4のフレームを互いに向けて動かし、同時に、第1と第2の質量が互いに向けて動く。
【0008】
特定の実施形態において、第1と第2のフレームは、第1の横方向連結器によって相互接続されており、該第1の横方向連結器は、フレームのそれぞれの軸に沿ったフレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止し、一方、第3と第4のフレームは、第2の横方向連結器によって相互接続されており、該第2の横方向連結器は、フレームのそれぞれの軸に沿ったフレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止する。
【0009】
第1と第2の横方向連結器のそれぞれは、フレーム間で連結されている少なくとも1つの棒を備えており、該少なくとも1つの棒は、少なくとも1つの基板に固定されている構造によって支持されている。フレームが互いに逆位相で動くが、フレームの同位相の動きを実質的に防止するときに、該構造は、少なくとも1つの棒がピボットポイントにおいて回転することを可能にする。
【0010】
1つの例示的な実施形態において、第1と第2の横方向連結器のそれぞれは、フレームのうちの1つから延伸し、第1の長いフレクシャによって相互接続されている短いフレクシャの第1の対と、フレームのうちのもう1つから延伸し、第2の長いフレクシャによって相互接続されている短いフレクシャの第2の対と、実質的に第1および第2の長いフレクシャの中間点において、第1の長いフレクシャを第2の長いフレクシャに連結する棒と、棒を支持しているアンカーフレクシャとを含んでいる。アンカーフレクシャは、実質的に棒およびアンカーフレクシャの中間点において、棒と交差している。アンカーフレクシャの各端は、基板に固定されている。
【0011】
別の例示的な実施形態において、第1と第2の横方向連結器のそれぞれは、フレームのうちの1つから延伸している第1のフレクシャと、フレームのうちのもう1つから延伸している第2のフレクシャと、第1と第2のフレクシャの間で連結されている棒と、棒を支持している少なくとも1つのアンカーフレクシャとを含んでいる。各アンカーフレクシャは、一端で少なくとも1つの基板に固定され、かつ、棒と接するように180°折れ戻っている構造を含んでいる。
【0012】
特定の実施形態において、第1と第3のフレームは、第1の縦方向連結器によって相互接続されており、該第1の縦方向連結器は、それぞれの軸に沿ってのフレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止し、第2と第4のフレームは、第2の縦方向連結器によって相互接続されており、該第2の縦方向連結器は、それぞれの軸に沿ってのフレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止する。
【0013】
第1と第2の縦方向連結器のそれぞれは、フレームのうちの1つに連結されている相互接続レバーの第1の対であって、該レバーの第1の対は、第1のレバーと第2のレバーとを含んでいる、相互接続レバーの第1の対と、フレームのうちのもう1つに連結されている相互接続レバーの第2の対であって、該レバーの第2の対は、第3のレバーと第4のレバーとを含んでいる、相互接続レバーの第2の対と、フレームが互いに逆位相で動くにつれ、該レバーが回転することを可能にする複数のレバー支持構造と、実質的にそれぞれのピボットポイント間で該第1のレバーと該第3のレバーとを相互接続している第1の連結フレクシャと、実質的にそれぞれのピボットポイント間で該第2のレバーと該第4のレバーとを相互接続している第2の連結フレクシャとを含み得る。連結フレクシャは、フレームの同位相の動きを実質的に防止する。各連結フレクシャの両端は、一般的には、フレームの逆位相の動きの間には、フレームの動きに対して横方向である同じ方向に、実質的に同じ量だけ動くが、フレームの同位相の動きの間には、反対方向に動かされる。
【0014】
複数のレバー支持構造は、一般的には、一端でレバーに連結され、もう1つの端で、前記基板に固定されている構造に連結されている少なくとも1つのピボットフレクシャを含んでいる。その少なくとも1つのピボットフレクシャは、あるポイントにおいて相互接続されている第1のピボットフレクシャと第2のピボットフレクシャとを含み得る。ピボットフレクシャの相互接続ポイントは、レバーの中央付近か、フレームに最も近いレバーの端付近にあり得る。第1の連結フレクシャは、好適には、実質的に第1と第3のレバーの相互接続ポイントと並んでおり、第2の連結フレクシャは、好適には、実質的に第2と第4のレバーの相互接続ポイントと並んでいる。基板に固定されている構造は、一般的には、基板に固定されている棒である。レバーの各対は、一般的には、レバーフレクシャによって相互接続されている。各レバーは、一般的には、サスペンションフレクシャによってそれぞれのフレームに接続されている。
【0015】
フレームの動きを検出するために、各フレームは、指針構造を含み得、該指針構造は、フレームの動きを静電気的に感知するために、少なくとも1つの基板に固定されている固定感知指針と交互嵌合している。質量を動かすために、各質量は指針構造を含み得、該指針構造は、質量を静電気的に動かすために、少なくとも1つの基板に固定されている固定駆動指針と交互嵌合している。
【0016】
特定の実施形態において、第1と第2のフレームは、第1の横方向連結器によって相互接続されており、第3と第4のフレームは、第2の横向連結器によって相互接続されており、第1と第3のフレームは、第1の縦方向連結器によって相互接続されており、第2と該4のフレームは、第2の縦方向連結器によって相互接続されている。
【0017】
発明の別の局面に従って、少なくとも1つの基板と、実質的に該少なくとも1つの基板の上方の面でクロスした4個の構成に配置されている4個のセンサ素子とを有する慣性センサが提供される。該4個のセンサ素子は、第1のフレーム内にサスペンドされている第1の共振器を有する第1のセンサ素子と、第2のフレーム内にサスペンドされている第2の共振器を有する第2のセンサ素子と、第3のフレーム内にサスペンドされている第3の共振器を有する第3のセンサ素子と、第4のフレーム内にサスペンドされている第4の共振器を有する第4のセンサ素子とを含む。第1と第3のフレームは、面の第1の軸に沿って共通直線上を動くように連結されている。第2と第4のフレームは、第1の軸に平行である、面の第2の軸に沿って共通直線上を動くように連結されている。該慣性センサはまた、第1の対の隣接するセンサ素子のフレームを相互接続し、フレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止するための手段を含む。慣性センサはまた、第2の対の隣接するセンサ素子のフレームを相互接続し、該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止するための手段を含む。
【0018】
慣性センサはまた、第3の対の隣接するセンサ素子のフレームを相互接続し、フレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止するための第3の手段と、第4の対の隣接するセンサ素子のフレームを相互接続し、フレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止する第4の手段とをさらに包含し得る。
【0019】
本発明の別の局面に従って、少なくとも1つの基板と、実質的に少なくとも1つの基板の上方の面における一組の対のセンサ素子であって、各センサ素子は、フレーム内にサスペンドされている共振器を有ており、該フレームは、面の軸に沿って共通直線上を動く、一組の対のセンサ素子と、フレームを相互連接続する縦方向連結器であって、該縦方向連結器は、共通直線軸に沿う該フレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止する、縦方向転結器とを有する慣性センサが提供される。
前記縦方向連結器は、フレームのうちの1つに連結されている相互接続されたレバーの第1の対であって、第1のレバーと第2のレバーとを含んでいる、レバーの第1の対と、フレームのうちのもう1つに連結されている相互接続レバーの第2の対であって、第3のレバーと第4のレバーとを含んでいる、レバーの第2の対と、フレームが互いに逆位相で動くにつれて、レバーが回転することを可能にする複数のレバー支持構造と、実質的にそれぞれのピボットポイントで第1のレバーと第3のレバーとを相互接続している第1の連結フレクシャと、実質的にそれぞれのピボットポイントで第2のレバーと第4のレバーとを相互接続している第2の連結フレクシャとを含み得る。連結フレクシャは、フレームの同位相の動きを実質的に防止する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも1つの基板と、
該少なくとも1つの基板の上方の面に実質的にクロスした4個の構成で配置されている4個のセンサ素子と
を備えている慣性センサであって、該4個のセンサ素子は、
第1のフレーム内にサスペンドされている第1の共振器を有する第1のセンサ素子と、
第2のフレーム内にサスペンドされている第2の共振器を有する第2のセンサ素子と、
第3のフレーム内にサスペンドされている第3の共振器を有する第3のセンサ素子と、
第4のフレーム内にサスペンドされている第4の共振器を有する第4のセンサ素子と
を含み、該第1および該第3のフレームは、該面内の第1の軸に沿って共通直線上を動くように構成され、該第2および該第4のフレームは、該第1の軸に平行である該面内の第2の軸に沿って共通直線上を動くように構成されており、該少なくとも二組の対の隣接するセンサ素子のフレームは、連結器によって相互接続されており、該連結器は、該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止する、慣性センサ。
(項目2)
前記第1と前記第2の共振器は、前記面内の前記第1および前記第2の軸に対して垂直な第3の軸に沿って、共通直線上を互いに逆位相で動かされ、
前記第3と前記第4の共振器は、該面内の該第3の軸に平行である第4の軸に沿って、共通直線上を互いに逆位相で動かされ、
該第1と該第3の共振器は、互いに逆位相で動かされ、
該第2と該第4の共振器は、互いに逆位相で動かされる、項目1に記載の慣性センサ。
(項目3)
前記面に垂直な軸の周りでの前記少なくとも1つの基板の回転は、前記フレームの動きを引き起こす、項目1に記載の慣性センサ。
(項目4)
第1の方向への前記基板の回転は、前記第1と前記第3のフレームを互いに向けて動かし、前記第2と前記第4のフレームを互いから離れるように動かし、一方、第1と第2の質量が互いに向けて動く、項目3に記載の慣性センサ。
(項目5)
前記第1と前記第2のフレームは、第1の横方向連結器によって相互接続されており、該第1の横方向連結器は、該第1と第2のフレームのそれぞれの軸に沿った該第1と第2のフレームの逆位相の動きを可能にするが、該第1と第2のフレームの同位相の動きを実質的に防止し、
前記第3と前記第4のフレームは、第2の横方向連結器によって相互接続されており、該第2の横方向連結器は、該第3と第4のフレームのそれぞれの軸に沿った該第3と第4のフレームの逆位相の動きを可能にするが、該第3と第4のフレームの同位相の動きを実質的に防止する、項目1に記載の慣性センサ。
(項目6)
前記第1および前記第2の横方向連結器のそれぞれは、
前記第1と前記第2のフレームの間で連結されている少なくとも1つの棒を備えており、該少なくとも1つの棒は、前記少なくとも1つの基板に固定されている構造によって支持されており、該フレームが互いに逆位相で動くが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止するときに、該構造は、該少なくとも1つの棒がピボットポイントにおいて回転することを可能にする、項目5に記載の慣性センサ。
(項目7)
前記第1および前記第2の横方向連結器のそれぞれは、
前記フレームのうちの1つから延伸し、第1の長いフレクシャによって相互接続されている短いフレクシャの第1の対と、
前記フレームのうちのもう1つから延伸し、第2の長いフレクシャによって相互接続されている短いフレクシャの第2の対と、
実質的に該第1と該第2の長いフレクシャの中間点において、該第1の長いフレクシャを該第2の長いフレクシャに連結している棒と、
該棒を支持しているアンカーフレクシャであって、該アンカーフレクシャは、実質的に該棒と該アンカーフレクシャとの中間点において、該棒と交差しており、該アンカーフレクシャの各端は、前記基板に固定されている、アンカーフレクシャと
を含んでいる、項目6に記載の慣性センサ。
(項目8)
前記第1および前記第2の横方向連結器のそれぞれは、
前記フレームのうちの1つから延伸している第1のフレクシャと、
該フレームのうちのもう1つから延伸している第2のフレクシャと、
該第1および該第2のフレクシャの間で連結されている棒と、
該棒を支持している少なくとも1つのアンカーフレクシャであって、各アンカーフレクシャは、一端で少なくとも1つの基板に固定され、かつ、該棒と接するように180°折れ戻っている構造を含んでいる、少なくとも1つのアンカーフレクシャと
を含んでいる、項目6に記載の慣性センサ。
(項目9)
前記第1と前記第3のフレームは、第1の縦方向連結器によって相互接続されており、該第1の縦方向連結器は、共通直線の軸に沿う該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止し、
前記第2と前記第4のフレームは、第2の縦方向連結器によって相互接続されており、該第2の縦方向連結器は、共通直線の軸に沿う該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止する、項目1に記載の慣性センサ。
(項目10)
前記第1および前記第2の縦方向連結器のそれぞれは、
前記フレームのうちの1つに連結されている相互接続されたレバーの第1の対であって、該レバーの第1の対は、第1のレバーと第2のレバーとを含んでいる、レバーの第1の対と、
該フレームのうちのもう1つに連結されている相互接続されたレバーの第2の対であって、該レバーの第2の対は、第3のレバーと第4のレバーとを含んでいる、レバーの第2の対と、
該フレームが互いに逆位相で動くにつれて、該レバーが回転することを可能にする複数のレバー支持構造と、
実質的にそれぞれのピボットポイント間で該第1のレバーと該第3のレバーとを相互接続している第1の連結フレクシャと、
実質的にそれぞれのピボットポイント間で該第2のレバーと該第4のレバーとを相互接続している第2の連結フレクシャと
を含み、該連結フレクシャは、該フレームの同位相の動きを実質的に防止する、項目9に記載の慣性センサ。
(項目11)
各連結フレクシャの両端は、前記フレームの逆位相の動きの間は、該フレームの動きに対して横方向である同じ方向に、実質的に同じ量だけ動くが、該フレームの同位相の動きの間は、反対方向に動かされる、項目10に記載の慣性センサ。
(項目12)
前記複数のレバー支持構造は、
一端でレバーに連結され、もう1つの端で、前記基板に固定されている構造に連結されている少なくとも1つのピボットフレクシャを含んでいる、項目10に記載の慣性センサ。
(項目13)
前記少なくとも1つのピボットフレクシャは、あるポイントにおいて相互接続されている第1のピボットフレクシャと第2のピボットフレクシャとを含んでいる、項目12に記載の慣性センサ。
(項目14)
前記相互接続ポイントは、前記レバーの中央付近にある、項目13に記載の慣性センサ。
(項目15)
前記相互接続ポイントは、前記フレームに最も近い前記レバーの端付近にある、項目13に記載の慣性センサ。
(項目16)
前記第1の連結フレクシャは、実質的に前記第1および前記第3のレバーの前記相互接続ポイントと並んでおり、
前記第2の連結フレクシャは、実質的に前記第2および前記第4のレバーの前記相互接続ポイントと並んでいる、項目13に記載の慣性センサ。
(項目17)
前記基板に固定されている前記構造は、該基板に固定されている棒である、項目12に記載の慣性センサ。
(項目18)
前記レバーの各対は、レバーフレクシャによって相互接続されている、項目10に記載の慣性センサ。
(項目19)
前記各レバーは、サスペンションフレクシャによってそれぞれのフレームに接続されている、項目10に記載の慣性センサ。
(項目20)
前記各フレームは、指針構造を含んでおり、該指針構造は、該フレームの動きを静電気的に感知するために、前記少なくとも1つの基板に固定されている固定感知指針と交互嵌合している、項目1に記載の慣性センサ。
(項目21)
各質量は、指針構造を含んでおり、該指針構造は、該質量を静電気的に動かすために、前記少なくとも1つの基板に固定されている固定駆動指針と交互嵌合している、項目1に記載の慣性センサ。
(項目22)
前記第1と前記第2のフレームは、第1の横方向連結器によって相互接続されており、該第1の横方向連結器は、それぞれの軸に沿うフレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止し、
前記第3と前記第4のフレームは、第2の横向連結器によって相互接続されており、該第2の横方向連結器は、それぞれの軸に沿うフレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止し、
該第1と該第3のフレームは、第1の縦方向連結器によって相互接続されており、該第1の縦方向連結器は、共通直線上の軸に沿うフレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止し、
該第2と該第4のフレームは、第2の縦方向連結器によって相互接続されており、該第2の縦方向連結器は、共通直線上の軸に沿うフレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止する、項目1に記載の慣性センサ。
(項目23)
少なくとも1つの基板と、
該少なくとも1つの基板の上方の面内でクロスした4個の構成に実質的に配置されている4個のセンサ素子と
を備えている慣性センサであって、該4個のセンサ素子は、
第1のフレーム内にサスペンドされている第1の共振器を有する第1のセンサ素子と、
第2のフレーム内にサスペンドされている第2の共振器を有する第2のセンサ素子と、
第3のフレーム内にサスペンドされている第3の共振器を有する第3のセンサ素子と、
第4のフレーム内にサスペンドされている第4の共振器を有する第4のセンサ素子と
を含み、該第1と該第3のフレームは、該面内の第1の軸に沿って共通直線上を動くように構成され、該第2と該第4のフレームは、該第1の軸に平行である該面内の第2の軸に沿って共通直線上を動くように構成されており、
隣接するセンサ素子の第1の対のフレームを相互接続する第1の手段は、該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止し、
隣接するセンサ素子の第2の対のフレームを相互接続する第2の手段は、該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止する、慣性センサ。
(項目24)
隣接するセンサ素子の第3の対のフレームを相互接続する第3の手段は、該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止することと、
隣接するセンサ素子の第4の対のフレームを相互接続する第4の手段は、該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止することと
をさらに包含する、項目23に記載の慣性センサ。
(項目25)
少なくとも1つの基板と、
実質的に該少なくとも1つの基板の上方の面内にある一組の対のセンサ素子であって、該各センサ素子は、フレーム内にサスペンドされている共振器を有しており、該フレームは、該面内の軸に沿って共通直線上を動く、一組の対のセンサ素子と、
該フレームを相互接続し、共通直線の軸に沿う該フレームの逆位相の動きを可能にするが、該フレームの同位相の動きを実質的に防止する縦方向連結器と
を備えている、慣性センサ。
(項目26)
前記縦方向連結器は、
前記フレームのうちの1つに連結されている相互接続されたレバーの第1の対であって、第1のレバーと第2のレバーとを含む、レバーの第1の対と、
該フレームのうちのもう1つに連結されている相互接続されたレバーの第2の対であって、第3のレバーと第4のレバーとを含む、レバーの第2の対と、
該フレームが互いに逆位相で動くにつれて、該レバーが回転することを可能にする複数のレバー支持構造と、
実質的にそれぞれのピボットポイントで該第1のレバーと該第3のレバーとを相互接続している第1の連結フレクシャと、
実質的にそれぞれのピボットポイントで該第2のレバーと該第4のレバーとを相互接続している第2の連結フレクシャと
を含み、該連結フレクシャは、該フレームの同位相の動きを実質的に防止する、項目25に記載の慣性センサ
【0020】
本発明の上記内容および利点は、添付の図面を参考にして、以下のさらなる記述からさらに完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1Aは、本発明の例示的な実施形態に従った、横方向に連結されたクロスした4個の構成に配置されている4個のジャイロスコープの描写を示している。図1Bは、本発明の例示的な実施形態に従った、縦方向に連結されたクロスした4個の構成に配置されている4個のジャイロスコープの描写を示している。図1Cは、本発明の例示的な実施形態に従った、縦方向および横方向に連結されたクロスした4個の構成に配置されている4つのジャイロスコープの描写を示している。
【図2】図2は、本発明の例示的な実施形態に従った、2つのジャイロスコープフレームを横方向に連結するための第1の例示的な横方向連結装置を概略的に示している。
【図3】図3は、本発明の例示的な実施形態に従った、2つのジャイロスコープフレームを横方向に連結するための第2の例示的な横方向連結装置を概略的に示している。
【図4】図4は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的なバランサを概略的に示している。
【図5】図5は、本発明の例示的な実施形態に従った、縦方向および横方向に連結された「クロスした4個の」構成に配置されている4つのジャイロスコープを示している。
【図6】図6は、図5に示されている例示的な実施形態に従った、ジャイロスコープ間の様々な連結の位置を示している。
【図7A】図7Aは、図5に示されている例示的な実施形態に従った、共振器の同位相および逆位相の動きの描写を示している。
【図7B】図7Bは、図5に示されている例示的な実施形態に従った、共振器の同位相および逆位相の動きの描写を示している。
【図8A】図8Aは、図5に示されている例示的な実施形態に従った、慣性センサがZ軸の周りで回転されるときの、ジャイロスコープの動きの描写を示している。
【図8B】図8Bは、図5に示されている例示的な実施形態に従った、慣性センサがZ軸の周りで回転されるときの、ジャイロスコープの動きの描写を示している。
【図9A】図9Aは、図5に示されている本発明の第1の例示的な実施形態に従った、2つのジャイロスコープ間の縦方向連結の一部分を示している。
【図9B】図9Bは、関連性のある特徴に番号を付されている、図9Aと同じ部分を示している。
【図10A】図10Aは、図9Aに示されている相互接続部の強調部分を示す。
【図10B】図10Bは、図10Aで強調された部分の拡大図を示している。
【図11】図11は、本発明の第2の例示的な実施形態に従った、「クロスした4個の」構成に配置されている4つのジャイロスコープを示している。
【図12A】図12Aは、図11に示されているクロスした4個の構成の強調部分を示している。
【図12B】図12Bは、図12Aで強調された部分の拡大図を示している。
【図12C】図12Cは、関連性のある特徴に番号を付されている、図12Bと同じ部分を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面は例示目的のためであり、サイズを合わせて描かれていないこともあり得る。
【0023】
本発明の特定の実施形態において、慣性センサは、「クロスした4個の」構成に配置されている4個のセンサ素子を含む。好適な実施形態において、センサ素子は、極小電気機械システム(すなわち、「MEMS」)ジャイロスコープである。センサ素子は、単一のジャイロスコープの機能を効果的に実行するように組み合っている。センサ素子は、一般的には、下にある1つ以上の基板(図示せず)の上でサスペンドされており、様々な位置で基板に固定されている。クロスした4個の構成のジャイロスコープを使用することの望ましい状況は米国特許第6,122,961号で述べられており、該特許の開示内容は、その全体が本明細書において参考として援用される。
【0024】
各ジャイロスコープは、フレーム内でサスペンドされている少なくとも1つの共振器(質量)を有する。記述の目的として、慣性センサジャイロスコープの共振器は、2つの平行なX軸に沿って動くように構成されており、慣性センサジャイロスコープのフレームは、X軸に対して垂直な2つの平行なY軸に沿って動くように構成されている。従って、Z軸の周りでの慣性センサの回転は各共振器にコリオリの力を生じさせ、該コリオリの力は対応するジャイロスコープのフレームに伝えられる。このコリオリの力の受け取りの際に、フレームはY軸に沿って動く。フレームおよび基板の上に容量的に連結されている指針は、これらのY軸方向の動きを検出し、該これらのY軸方向の動きは、角速度の大きさを表している信号に変換される。本発明の実施形態において、少なくとも2対の隣接するジャイロスコープのフレームが連結器によって相互連結されており、該連結器は、フレームの逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止する。
【0025】
図1Aは、本発明の例示的な実施形態に従った、横方向に連結されたクロスした4個の構成に配置されている4つのジャイロスコープ16A〜16Dの描写を示している。ここでは、上側の対のジャイロスコープフレームおよび下側の対のジャイロスコープフレームが(以下では「横方向」連結器と呼ばれる)連結器99によって相互連結されており、該連結器99は、別個の平行なY軸に沿って、フレームの逆位相の動きを可能にする。各ジャイロスコープは、好適には、横方向連結器99の反対の側面においてバランサ97によって支持されており、該バランサ97は、横方向連結器の一定の影響を相殺する。例示的な横方向連結器99とバランサ97とは以下で記述される。各ジャイロスコープはまた、好適には、残りの2つの側面のそれぞれでサスペンション93によって支持されている。
【0026】
図1Bは、本発明の例示的な実施形態に従った、縦方向に連結されたクロスした4個の構成に配置されている4つのジャイロスコープ16A〜16Dの描写を示している。ここでは、左側の対のジャイロスコープフレームおよび右側の対のジャイロスコープフレームが(以下では「縦方向」連結器と呼ばれる)連結器95によって相互連結されており、該連結器95は、Y軸に沿った、フレームの共通直線上での逆位相の動きを可能にする。例示的な縦方向連結器95は以下で記述される。各ジャイロスコープは、好適には、縦方向連結器95の反対の側面においてサスペンション93によって支持されている。
【0027】
図1Cは、本発明の例示的な実施形態に従った、縦方向および横方向に連結されたクロスした4個の構成に配置されている4つのジャイロスコープ16A〜16Dの描写を示している。ここでは、上側の対のジャイロスコープフレームおよび下側の対のジャイロスコープフレームが連結器99によって相互連結されており、該連結器99は、別個の平行なY軸に沿った、フレームの逆位相の動きを可能にし、左側の対のジャイロスコープフレームおよび右側の対のジャイロスコープフレームが連結器95によって相互連結されており、該連結器95は、フレームの共通直線上での逆位相の動きを可能にする。各ジャイロスコープは、好適には、縦方向連結器95の反対側でサスペンション93によって支持されている。
【0028】
例示的な実施形態において、ジャイロスコープ16A〜16Dは、米国特許第6,505,511号および米国特許第6,122,961号において開示されたものと同様であり、該特許の開示内容はまた、その全体が本明細書において参考として援用される。ジャイロスコープ16A〜16Dはまた、米国特許第6,877,374号において開示されたものと同様であり得、該特許の開示内容はまた、その全体が本明細書において参考として援用される。
【0029】
ジャイロスコープ16A〜16Dは、好適には、共通の重心を有するように構成および動作される。このために、ジャイロスコープの各対角方向の対の共振器およびフレームは、一般的は、互いに同位相で動作され、隣接するジャイロスコープの任意の対の共振器およびフレームは、互いに逆位相で動作される。従って、以下の方程式が概ね成り立つ:
V1+V4=V2+V3、
ここで、
V1は、回転の位置までの第1のジャイロスコープ16Aのベクトル距離であり、
V2は、回転の位置までの第2のジャイロスコープ16Bのベクトル距離であり、
V3は、回転の位置までの第3のジャイロスコープ16Cのベクトル距離であり、
V4は、回転の位置までの第4のジャイロスコープ16Dのベクトル距離である。
【0030】
この等式を考えるときに、ベクトル距離の符号が考慮に入れられなければならないことに留意されたい。この関係が保持されているときに、ジャイロスコープは、全体として、フレームの応答が互いに一致するまで、その回転位置の周りの角加速度に対して実質的に無反応となる。連結器は、製造公差によって誘発される不一致を克服することにより、角加速度のノイズ除去を改善する。
【0031】
それでもやはり、この配置は、基礎角速度を検出することにより、基礎角速度を検出するために設計されている慣性センサに逆の影響を及ぼすべきではない。
【0032】
従って、本発明の実施形態は実質的に表面のずれに鈍感であるべきであり、また上記のように、角加速度を相殺させるべきである。
【0033】
図2は、本発明の例示的な実施形態、例えば、図1Aおよび図1Cに示されるような実施形態に従った、2つのジャイロスコープフレーム、例えば、ジャイロスコープ16Aと16Bのフレームまたはジャイロスコープ16Cと16Dのフレームを横方向に相互接続するための第1の例示的な横方向連結装置99の詳細を概略的に示している。便宜的に、ジャイロスコープ16Aおよび16Bのフレームが描かれている。具体的には、第1のフレーム16Aは第1の対の短いフレクシャ20Aを有しており、該第1の対のフレクシャ20Aは、第1の長いフレクシャ22Aと連結されている。対応するように、第2のフレーム16Bは第2の対の短いフレクシャ20Bを有しており、該第2の対のフレクシャ20Bは、第2の長いフレクシャ22Bと連結されている。棒24は第1の長いフレクシャ22Aを第2の長いフレクシャ22Bに固定する。ある程度の安定性を提供するために、一組の対のアンカー26Aおよび6Bが、棒24の両側に延伸し、アンカーフレクシャ28によって棒と連結する。
【0034】
2つのフレーム16Aと16Bが同位相で動かされるときには、この配置は実質的に適合性がない。逆に、2つのフレーム16Aと16Bが逆位相で動かされるときには、この配置は実質的に適合性がある。言い換えると、第1のフレーム16AがY軸に沿って上方に押されるときには、第2のフレーム16BはY軸に沿って下方に押される。しかしながら、両方がY軸に沿って上方に押されるときには、この配置は実質的に適合性がない。一部の実施形態において、フレーム16Aと16BがY軸方向に動くにつれ、この配置はフレーム16Aと16Bがある程度まで回転することを可能にする。
【0035】
図3は、本発明の例示的な実施形態、例えば、図1Aおよび図1Cに示されるような実施形態に従った、2つのジャイロスコープフレーム、例えば、ジャイロスコープ16Aと16Bのフレームまたはジャイロスコープ16Cと16Dのフレームを横方向に相互接続するための第2の例示的な横方向連結装置99の詳細を概略的に示している。具体的には、この例示的な実施形態において、アンカーフレクシャ28は実際に外側に延伸し、それから180°折れ戻ることにより棒24と接する。さらに、連結装置はまた腐食補償を有する。折り曲げられたアンカーフレクシャ28は、ピボットポイントの周りでの棒24の回転を可能にするが、棒24の軸に対して垂直な平行移動を実質的に防止する。また、各フレーム上に一組の対の短いフレクシャ20を有するよりもむしろ、この実施形態は、各フレーム上で単一の短いフレクシャ20を使用する。
【0036】
横方向連結装置99は、フレーム16の動きに対して質量および剛性を効果的に加える。各フレームは、フレームの側面のうちの1つに沿った隣接するフレームに連結されるだけであるので、連結装置99は各フレームの動きを事実上不均衡にする。従って、横方向結合部を有する慣性センサは、好適には、多数のバランサ97を含むことにより、横方向連結装置99の影響を相殺することを助ける。具体的には、バランサ97は、好適には、横方向連結装置99を有する側面とは反対側の各ジャイロスコープフレームの側面に連結される。各バランサ97の構成は、一般的には、半分にした横方向連結装置99と同じものであり、従って、それぞれのジャイロスコープフレームに、等しいが反対の機械的な影響を実質的に及ぼす。
【0037】
図4は、本発明の例示的な実施形態に従った例示的なバランサ97の詳細を概略的に示している。示されているように、各バランサ97の構成は、図3に示されているような連結装置の半分に本質的に等しい。
【0038】
図5は、本発明の第1の例示的な実施形態に従った、縦方向および横方向に連結された「クロスした4個の」構成に配置されている4つのジャイロスコープを示している。具体的には、クロスした4個の構成は、ジャイロスコープ50A、50B、50C、および50Dを含む。各ジャイロスコープは、フレーム(52A、52B、52C、52D)と、フレームの内側周縁内に可動にサスペンドされている共振器(54A、54B、54C、54D)とを含む。ジャイロスコープ50Aおよび50Bのフレーム52Aおよび52Bは、実質的に、図3を参照して上に記述されたように連結され、ジャイロスコープ50Cおよび50Dのフレーム52Cおよび52Cも同様である。さらに、本発明の例示的な実施形態に従って、ジャイロスコープ50Aおよび50Cのフレーム52Aおよび52Cは互いに連結され、ジャイロスコープ50Bおよび50Dのフレーム52Bおよび52Dも同様である。図6は、ジャイロスコープ間の様々な連結部の位置を示している。ジャイロスコープ50A/50Bおよび50C/50D間の連結部は、図2〜図4を参照して上に記述されている。ジャイロスコープ50A/50Cおよび50B/50D間の連結部は、以下で記述される。
【0039】
ジャイロスコープ50A/50Bおよび50C/50Dの各対の共振器は、互いに逆位相で動作する。さらに、本発明の例示的な実施形態において、ジャイロスコープ50Aおよび50Bの共振器は、ジャイロスコープ50Cおよび50Dの対応する共振器に対して逆位相で動作する。従って、対角線上の反対側にあるジャイロスコープの共振器は互いに同位相で動作するが、隣接するジャイロスコープの任意の対の共振器は、互いに逆位相で動作する。図7Aおよび図7Bは、本発明のこの例示的な実施形態に従った、共振器の同位相および逆位相の動きの描写を示している。
【0040】
また、ジャイロスコープ50A/50Bおよび50C/50Dの各対のフレームは、反対方向への動きを可能とするが、同じ方向への動きを実質的に防止するように連結されている。さらに、本発明の例示的な実施形態に従って、ジャイロスコープ50Aと50Cのフレームは、反対方向への動きを可能とするが、同じ方向への動きを実質的に防止するように連結され、ジャイロスコープ50Bと50Dのフレームも同様である。ジャイロスコープ50A/50Cのフレームは、ジャイロスコープ50B/50Dのフレームまで逆位相で動く。従って、対角線上の反対側にあるジャイロスコープのフレームは互いに同位相で動作するが、隣接するジャイロスコープの任意の対のフレームは、互いに逆位相で動作する。
【0041】
上記のように、共振器はX軸において前後に共振させられる。Z軸の周りでの慣性センサの回転は、Y軸におけるフレームの移動をもたらす。図8Aは、ジャイロスコープフレームがZ軸の周りを時計方向に回転し、共振器が図7Aに示されるように動いているときの、基板に対するジャイロスコープフレームの動きの描写を示している。この場合に、ジャイロスコープ50Aと50Cのフレーム52Aと52Cは、互いに向けて動き、ジャイロスコープ50Bと50Dのフレーム52Bと52Dは、互いから離れるように動く。図8Bは、ジャイロスコープフレームがZ軸の周りを反時計方向に回転し、共振器が図7Aに示されるように動いているときの、基板に対するジャイロスコープフレームの動きの描写を示している。この場合に、ジャイロスコープ50Aと50Cのフレーム52Aと52Cは互いから離れるように動き、ジャイロスコープ50Bと50Dのフレーム52Bと52Dは互いに向けて動く。共振器が図7Bに示されているように動いているときには、フレームの動きは反対になるということに留意されたい。
【0042】
上記のように、ジャイロスコープ50Aと50Cのフレーム52Aと52Cは縦方向に連結されており、ジャイロスコープ50Bと50Dのフレーム52Bと52D+も同様である。本発明の例示的な実施形態において、一組の対のフレームが様々なレバーとフレクシャとによって縦方向に連結されており、該様々なレバーとフレクシャとは、所望の共通直線上での逆位相のフレームの動き可能にするが、同位相のフレームの動きを実質的に制限する。
【0043】
図9Aは、ジャイロスコープ50Aと50Cの間の相互接続部の一部分を示している。図9Bは、関連性のある特徴に番号を付されている、図9Aと同じ部分を示している。簡略的に、相互接続特徴の約半分のみが示されている(残りの相互接続特徴は、実質的には、レバーフレクシャ66Aと66Cを通る線に沿った、図示された特徴のミラーイメージである)。特に、相互接続部は、レバー56Aおよび56Cと、(実質的には、レバー56Aおよび56Cのミラーイメージである)レバー57Aおよび57Cと、棒58Aおよび58Cとを含む。レバー56Aおよび56Cは、サスペンションフレクシャ60Aおよび60Cによってフレーム52Aおよび52Cにそれぞれ連結され、レバーフレクシャ66Aおよび66Cによってレバー57Aおよび57Cにそれぞれ連結され、ピボットフレクシャ62A、64A、62C、および64Cによってレバー58Aおよび58Cにそれぞれ連結される。レバー56Aと56Cはまた、連結フレクシャ70によって相互接続される。棒58Aおよび58Cは、アンカー68Aおよび68Cによってそれぞれ基板に固定される。この例示的な相互接続部のミラーイメージの性質によって、相互接続部は、相互接続部の反対側に実質的に同一のアンカー、レバー、およびフレクシャを含むということが留意されるべきである。図10Aは、図9Aに示されている相互接続部の強調部分を示す。図10Bは、図10Aで強調された部分の拡大図を示している。
【0044】
サスペンション62Aと62Cは互いに正反対にあり、連結フレクシャ70はピボットポイントの間のレバー56Aおよび56C内にはめ込まれるように、サスペンション62Aおよび62Cのピボットポイントは並べられているということに留意されたい。フレームが互いに逆位相で動くときに、連結フレクシャ70の両端は、フレームの動きに対して横方向に向けて同じ方向に実質的に同じ量だけ動く。従って、連結フレクシャ70は、動きに合わせるために、ごくわずかな量だけフレクシャすることを必要とするのみである。従って、連結フレクシャは、所望の動きに関する剛性に対してほとんど寄与しない。
【0045】
例えば、再び図9Bを参照すると、フレーム52Aとフレーム52Cが、互いに離れるように動いているとき、サスペンションフレクシャ60Aと60Cは、互いに離れるように引っ張られ、サスペンションフレクシャ60Aと60C付近のレバー56Aと56Cの端は互いに離れるように引っ張られ、レバー56Aと56Cのその反対側の端は互いに向けて動くようにされる。ピボットフレクシャ62Aおよび64Aは、レバー56Aが棒58Aに対して回転することを可能にし、ピボットフレクシャ62Cおよび64Cは、レバー56Cが棒58Cに対して回転することを可能にする。連結フレクシャ70は、レバー56Aおよび56Cのピボットポイントに実質的に配置され、レバー56Aと56Cが互いに対して回転することを可能にする。同時に、レバー57Aと57Cは、レバー56Aと56Cに対してミラーイメージで動いていることにより、ピボットフレクシャ66Aと66Cが互いに向けて動いている。レバーフレクシャ66Aは、レバー56Aと57Aが互いに対して回転することを可能にし、レバーフレクシャ66Cは、レバー56Cと57Cが互いに対して回転することを可能にする。
【0046】
フレーム52Aと52Cが互いに向けて動いているときに、サスペンションフレクシャ60Aと60Cは互いに向けて押され、サスペンションフレクシャ60Aと60C付近のレバー56Aと56Cの端が互いに向けて押され、レバー56Aと56Cのその反対側の端は互いに離れるように動かされる。ピボットフレクシャ62Aおよび64Aは、レバー56Aが棒58Aに対して回転することを可能にし、ピボットフレクシャ62Cおよび64Cは、レバー56Cが棒58Cに対して回転することを可能にする。連結フレクシャ70は、レバー56Aと56Cのピボットポイントに実質的に配置され、レバー56Aと56Cが互いに対して回転することを可能にする。同時に、ピボットフレクシャ66Aと66Cが互いから離れるように動いているように、レバー57Aと57Cは、レバー56Aと56Cに対してミラーイメージで動いている。ピボットフレクシャ66Aは、レバー56Aと57Aが互いに対して回転することを可能にし、ピボットフレクシャ66Cは、レバー56Cと57Cが互いに対して回転することを可能にする。
【0047】
一方、フレームが同じ方向に動かされる場合に、連結フレクシャ70の端は対応するように反対方向に動かされる。連結フレクシャ70は、そのような反対方向の動きに強固に抵抗し、その代わりに、所望のクロスした4個の動きに合うようにする。このようにして、相互接続部は、フレームの所望の逆位相の動きを可能にするが、フレームの同位相の動きを実質的に防止する。
【0048】
図11に示されているような代替的な実施形態において、ピボットフレクシャの方向が図9および図10に示されている方向と反対であり、連結フレクシャとサスペンションピボットポイントとの間の距離が増加されている。特に、これは所望の動きについての全体的な剛性を下げることを可能にする(このことはより小さい構造を作ることに有益である)。また、連結フレクシャとサスペンションピボットポイントとの間の距離を増加させることによって、相互接続部は、フレームの同位相の動きに対してさらに抵抗する。
【0049】
図11は、本発明の第2の例示的な実施形態に従った、「クロスした4個の」構成に配置されている4つのジャイロスコープを示している。図12Aは、図11に示されているクロスした4個の構成の強調部分を示す。図12Bは、図12Aで強調されている部分の拡大図を示す。図12Cは、関連性のある特徴に番号を付されている、図12Bと同じ部分を示す。図12Cに示されているように、ピボットフレクシャ62Cと64Cの方向は、図9および図10に示されているピボットフレクシャとは反対の方向である。ピボットフレクシャ62Cと64Cの交差部は、図9および図10の場合のようにレバーの中央付近というよりも、フレーム56Cに最も近いレバー56Cの縁に近い。フレーム52C、共振器54C、レバーフレクシャ66C、および連結フレクシャ70が参考のために示されている。この構成において、連結フレクシャとピボットフレクシャの交差部との間の距離が増加されることにより、フレームの同位相の動きをさらに排除する。
【0050】
図9〜図12を参考にして上で記述されてきた例示的な縦方向連結器は、図1で示されたような、縦方向に連結されたクロスした4個の構成において使用され得るということを留意されたい。
【0051】
本発明の特定の特徴および利点は、縦方向に連結された一組の対のジャイロスコープ(例えば、図1Bに示されたように連結されたジャイロスコープの左側または右側の対のみ)を用いて実現され得るということもまた留意されたい。従って、縦方向に連結された一組の対のジャイロスコープを有する慣性センサを有することは本発明の範囲内となる。
【0052】
例示的な実施形態において、ジャイロスコープは約17ボルトで作動される。
【0053】
本発明は、本発明の真の範囲を逸脱することなく、他の特定の形式で実現され得る。記述された実施形態は、あらゆる点において、単なる例示として考えられるべきであり、限定として考えられるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図3】
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【図10B】
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【図12B】
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【図12C】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図11】
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【図12A】
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【公開番号】特開2013−83662(P2013−83662A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−281176(P2012−281176)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2008−506534(P2008−506534)の分割
【原出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(505274818)アナログ デバイシス, インコーポレイテッド (40)
【Fターム(参考)】