説明

クロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物の製造方法

【解決手段】5−ビニル−2−ノルボルネンに一般式(1)
HSiR1nCl3-n (1)
(R1は炭素数1〜3の1価炭化水素基、nは0〜2の整数。)
で示されるクロロシランを反応させる際に、触媒として白金又は白金化合物と一般式(2)
PR234 (2)
(R2、R3、R4は1価炭化水素基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、又は、アリールオキシ基。)
で示されるリン化合物、又は、上記一般式(2)で示されるリン化合物を配位子としてもつ白金錯体を用いる一般式(3)


(R1は炭素数1〜3の1価炭化水素基、nは0〜2の整数。)
で示されるクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物の製造方法。
【効果】本発明によれば、クロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物を高純度で収率よく製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シランカップリング剤、表面処理剤、各種高分子の改質剤として有用な、また、同様な用途で用いられるアルコキシシリル基含有エチルノルボルネン化合物の原料として有用なクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物を製造する方法としては、5−ビニル−2−ノルボルネンとクロロシランをヒドロシリル化する方法が知られているが、ノルボルネン環の内部二重結合への付加生成物が多く生成するため、目的物の選択性が低く、更に環の内部二重結合への付加生成物は目的物と分子量が同じであるため、沸点が極めて近く、蒸留による分離が困難である。また、両方の二重結合への付加物であるビスシリル体の生成は目的物の収率を低下してしまう。例えば、5−ビニル−2−ノルボルネンとトリクロロシランの塩化白金酸触媒を用いたヒドロシリル化反応では、目的物である5−(2−トリクロロシリルエチル)−2−ノルボルネン(a)の他に、環の内部二重結合への付加物である5−ビニルノルボルニルトリクロロシラン(b)や両方の二重結合への付加物であるビスシリル付加体(c)が多く生成することが知られている。
【0003】
【化1】

【0004】
反応の選択性を向上させる例として、5−ビニル−2−ノルボルネンをクロロシランに対して大過剰量用いることで選択性を上げる方法(特開平2−248430号公報)が報告されている。しかし、5−ビニル−2−ノルボルネンを大量に使うため生産性が悪く、また、効率を上げるために原料を回収する工程が必要であった。
【0005】
【特許文献1】特開平2−248430号公報
【0006】
ここで、選択性よく高純度なクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物を得ることが必要である理由は、重合用モノマーの純度が低いと、ポリマーの物性(機械的、熱的、光学的)が低下、又は、変化したり、ノルボルネン化合物等の開環メタセシス重合を行う際に、予期せぬビニル化合物が存在すると開環メタセシス重合が停止するため、分子量の制御が困難となってしまうためである。そのため、高い選択性で純度の高いクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物を効率よく製造する方法が望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高純度のクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物を収率よく効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、下記の高純度クロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物の製造方法を提供する。
請求項1:
5−ビニル−2−ノルボルネンに下記一般式(1)
HSiR1nCl3-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜3の置換又は非置換の1価炭化水素基であって、各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で示されるクロロシランを反応させる際に、触媒として白金又は白金化合物と下記一般式(2)
PR234 (2)
(式中、R2、R3、R4は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルコキシ基、炭素数7〜10の置換又は非置換のアラルキルオキシ基、又は、炭素数6〜10の置換又は非置換のアリールオキシ基であって、各々同一又は異なっていてもよい。)
で示されるリン化合物、又は、上記一般式(2)で示されるリン化合物を配位子としてもつ白金錯体を用いることを特徴とする下記一般式(3)
【化2】

(式中、R1は炭素数1〜3の置換又は非置換の1価炭化水素基であって、各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で示されるクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物の製造方法。
請求項2:
リン化合物がトリフェニルホスフィンであることを特徴とする請求項1記載のクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物の製造方法。
請求項3:
5−ビニル−2−ノルボルネンと式(1)のクロロシランとの配合比が、前者1モルに対して後者0.8〜1.2モルであり、白金又は白金化合物の使用量が、5−ビニル−2−ノルボルネン1モルに対し0.000001〜0.01モルであり、式(2)のリン化合物の使用量が、白金又は白金化合物の白金原子1モルに対し1〜4モルの範囲である請求項1又は2記載の製造方法。
請求項4:
反応温度が20〜120℃である請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
請求項5:
反応雰囲気が不活性ガス雰囲気である請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シランカップリング剤、表面処理剤、各種高分子の改質剤として有用なクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物を製造するために、5−ビニル−2−ノルボルネンとクロロシランを反応させる際に、触媒として白金又は白金化合物とリン化合物、又はリン化合物を配位子としてもつ白金錯体を用いることにより、高純度で収率よく製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明において、5−ビニル−2−ノルボルネンと反応させるクロロシランは、下記一般式(1)
HSiR1nCl3-n (1)
で示されるものである。
ここで、R1は炭素数1〜3の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、アルキル基であることが好ましい。nは0、1又は2である。
【0011】
具体的には、クロロシランとして、メチルジクロロシラン、トリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、エチルジクロロシラン等が挙げられる。
【0012】
本発明において、5−ビニル−2−ノルボルネンと上記一般式(1)で示されるクロロシランとを反応させる場合、その配合比は特に制限されないが、反応性、生産性の点から、5−ビニル−2−ノルボルネン1モルに対し、クロロシラン0.8〜1.2モルの範囲が好ましい。
【0013】
本発明における白金又は白金化合物としては、具体的には塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン又はキシレン溶液、ジクロロビスアセトニトリル白金、ジクロロビスベンゾニトリル白金、ジクロロシクロオクタジエン白金等が例示される。また、白金黒等をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させて使用してもよい。
【0014】
白金又は白金化合物の使用量は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、5−ビニル−2−ノルボルネン1モルに対し、0.000001〜0.01モル、特に0.00001〜0.001モルの範囲が好ましい。白金又は白金化合物の配合比が0.000001モル未満だと触媒の十分な効果が発現しない可能性があり、0.01モルを超えると、触媒の量に見合うだけの反応促進効果が見られない可能性がある。
【0015】
本発明におけるリン化合物は、下記一般式(2)で示される。
PR234 (2)
式中、R2、R3、R4は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルコキシ基、炭素数7〜10の置換又は非置換のアラルキルオキシ基、又は、炭素数6〜10の置換又は非置換のアリールオキシ基であって、各々同一又は異なっていてもよい。
【0016】
ここで、1価炭化水素基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、tert−アミル、n−ヘキシル、エチルヘキシル、n−オクチル等のアルキル基、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ベンジル等のアリール基やアラルキル基、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ基、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシ等、アリールオキシ基としてはフェノキシ、トリルオキシ等、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ等が挙げられ、更にこれらの基の水素原子をハロゲン原子などで置換したものなどが挙げられる。
【0017】
上記式(2)で表されるリン化合物として、具体的にはトリn−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリs−ブチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン等が例示され、工業的に容易に入手可能な点からトリフェニルホスフィンを用いることが好ましい。
【0018】
リン化合物の使用量は特に限定されないが、白金又は白金化合物の白金原子1モルに対し1〜4モルの範囲が好ましい。リン化合物の使用量が白金又は白金化合物の白金原子1モルに対し1モル未満だと、反応の選択性が低下する可能性があり、4モルを超えると、触媒活性が低下する可能性がある。
【0019】
また、上記白金又は白金化合物と上記一般式(2)で示されるリン化合物を用いるに際し、あらかじめ、白金又は白金化合物と上記一般式(2)で示されるリン化合物を混合、反応させて錯体としたもの、また必要ならば単離精製したものを用いてもよい。
【0020】
上記錯体として、具体的にはビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)白金、(η−エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)白金、(η−エチレン)ビス(トリブチルホスフィン)白金、(プロペン)ビス(トリフェニルホスフィン)白金、(ブテン)ビス(トリフェニルホスフィン)白金、クロロヒドリドビス(トリブチルホスフィン)白金、ジクロロビス(フェニルジメチルホスフィン)白金、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金等が例示される。
【0021】
本発明において、トリクロロシランと5−ビニル−2−ノルボルネンとを反応させる場合の反応温度は特に限定されないが、常圧又は加圧下で、0〜200℃、更に20〜120℃が好ましいが、95%以上の高純度を得る点から70℃以下、特に40〜70℃が好ましい。温度が低すぎると反応性が低下して反応時間が長くなる可能性があり、温度が高すぎるとノルボルネン環の内部二重結合への付加物が多くなる可能性がある。
また、反応雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気とすることが副反応(クロロシランと水との反応)の抑制の点から好ましい。
【0022】
なお、反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
【0023】
本発明では、上記反応によって通常純度95%以上、特に97%以上の高純度のクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物を得ることができる。
【0024】
本発明の製造方法によるクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物は、その目的品質に応じて、蒸留、ろ過、洗浄、カラム分離、固体吸着剤等の各種の精製法によって更に精製して使用することもできる。触媒等微量不純物を取り除き、高純度にするためには、蒸留による精製が好ましい。
【実施例】
【0025】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0026】
[実施例1]
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた四つ口フラスコを十分窒素置換した。5−ビニル−2−ノルボルネン60.1g(0.5mol)、塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液(5−ビニル−2−ノルボルネン1モル当たり5.0×10-5モルの白金原子を含む)、トリフェニルホスフィン(白金原子に対し1.5当量)を仕込み、85℃に加熱した。内温を85±5℃に保ちながら、メチルジクロロシラン57.5g(0.50mol)を3.5時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を85±5℃で2時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−メチルジクロロシリルエチル)−2−ノルボルネン:5−ビニルノルボルニルメチルジクロロシラン:ビスシリル付加体の面積%の比は92.3:2.5:5.2であった。反応液を蒸留することで無色透明の液体を97.9g得た。収率は5−ビニル−2−ノルボルネンに対して83.2%であった。留分をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−メチルジクロロシリルエチル)−2−ノルボルネンの純度は97.5%であった。
【0027】
[比較例1]
トリフェニルホスフィンを使用しないこと以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−メチルジクロロシリルエチル)−2−ノルボルネン:5−ビニルノルボルニルメチルジクロロシラン:ビスシリル付加体の面積%の比は54.5:16.4:17.2であった。
【0028】
[実施例2]
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた四つ口フラスコを十分窒素置換した。5−ビニル−2−ノルボルネン60.1g(0.5mol)、塩素を排した白金と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(5−ビニル−2−ノルボルネン1モル当たり5.0×10-5モルの白金原子を含む)、トリフェニルホスフィン(白金原子に対し1.5当量)を仕込み、55℃に加熱した。内温を55±5℃に保ちながら、メチルジクロロシラン57.5g(0.50mol)を5.5時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を50±5℃で2時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−メチルジクロロシリルエチル)−2−ノルボルネン:5−ビニルノルボルニルメチルジクロロシラン:ビスシリル付加体の面積%の比は94.9:0.8:4.3であった。反応液を蒸留することで無色透明の液体を103.6g得た。収率は5−ビニル−2−ノルボルネンに対して88.1%であった。留分をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−メチルジクロロシリルエチル)−2−ノルボルネンの純度は99.2%であった。
【0029】
[比較例2]
トリフェニルホスフィンを使用しないこと以外は、実施例2と同様に反応を行い、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−メチルジクロロシリルエチル)−2−ノルボルネン:5−ビニルノルボルニルメチルジクロロシラン:ビスシリル付加体の面積%の比は75.8:11.6:12.6であった。
【0030】
[実施例3]
ジムロート式冷却凝縮器、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた四つ口フラスコを十分窒素置換した。5−ビニル−2−ノルボルネン180.3g(1.5mol)、塩素を排した白金と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(5−ビニル−2−ノルボルネン1モル当たり2.0×10-4モルの白金原子を含む)、トリフェニルホスフィン(白金原子に対し1.5当量)を仕込み、55℃に加熱した。内温を55±5℃に保ちながら、トリクロロシラン213.4g(1.58mol)を11時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を55±5℃で7時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−トリクロロシリルエチル)−2−ノルボルネン:5−ビニルノルボルニルトリクロロシラン:ビスシリル付加体の面積%の比は94.5:0.1:5.3であった。反応液を蒸留することで無色透明の液体を336.0g得た。収率は5−ビニル−2−ノルボルネンに対して87.6%であった。留分をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−トリクロロシリルエチル)−2−ノルボルネンの純度は99.8%であった。
【0031】
[実施例4]
内温を65±5℃とした以外は、実施例3と同様に反応を行い、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−トリクロロシリルエチル)−2−ノルボルネン:5−ビニルノルボルニルトリクロロシラン:ビスシリル付加体の面積%の比は93.9:1.9:4.2であった。反応液を蒸留することで無色透明の液体を324.5g得た。収率は5−ビニル−2−ノルボルネンに対して84.6%であった。留分をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−トリクロロシリルエチル)−2−ノルボルネンの純度は98.6%であった。
【0032】
[比較例3]
トリフェニルホスフィンを使用しないこと以外は、実施例3と同様に反応を行い、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−(2−トリクロロシリルエチル)−2−ノルボルネン:5−ビニルノルボルニルトリクロロシラン:ビスシリル付加体の面積%の比は83.0:2.9:14.1であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5−ビニル−2−ノルボルネンに下記一般式(1)
HSiR1nCl3-n (1)
(式中、R1は炭素数1〜3の置換又は非置換の1価炭化水素基であって、各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で示されるクロロシランを反応させる際に、触媒として白金又は白金化合物と下記一般式(2)
PR234 (2)
(式中、R2、R3、R4は炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルコキシ基、炭素数7〜10の置換又は非置換のアラルキルオキシ基、又は、炭素数6〜10の置換又は非置換のアリールオキシ基であって、各々同一又は異なっていてもよい。)
で示されるリン化合物、又は、上記一般式(2)で示されるリン化合物を配位子としてもつ白金錯体を用いることを特徴とする下記一般式(3)
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜3の置換又は非置換の1価炭化水素基であって、各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で示されるクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物の製造方法。
【請求項2】
リン化合物がトリフェニルホスフィンであることを特徴とする請求項1記載のクロロシリル基含有エチルノルボルネン化合物の製造方法。
【請求項3】
5−ビニル−2−ノルボルネンと式(1)のクロロシランとの配合比が、前者1モルに対して後者0.8〜1.2モルであり、白金又は白金化合物の使用量が、5−ビニル−2−ノルボルネン1モルに対し0.000001〜0.01モルであり、式(2)のリン化合物の使用量が、白金又は白金化合物の白金原子1モルに対し1〜4モルの範囲である請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
反応温度が20〜120℃である請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項5】
反応雰囲気が不活性ガス雰囲気である請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−263321(P2009−263321A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118366(P2008−118366)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】