グラフ表示プログラム及びグラフ表示システム
【課題】集合の要素の属性が連続的な数値で表される場合に、その属性における、グラフ表示すべき対象となる数値的範囲を決定する手段を提供する。
【解決手段】集合選択部202が、利用者にグラフデータを選択させる画面を表示装置102に表示させる。集合選択部202は、利用者によりグラフデータが選択されると、グラフデータ記憶部212から選択されたグラフデータを取得する。集合選択部202は、利用者に、選択されたグラフデータのうちグラフ表示に使用されるデータの集合を選択させるための画面を表示装置102に表示させる。属性が選択されると、集合選択部202は、選択画面を表示させ、利用者にグラフ表示させる属性値の範囲を選択させる。属性値の範囲であるα及びβが決定されることにより、集合A、B及びCが決定され、グラフ表示制御部204は決定された集合A、B及びCのグラフをそれぞれ表示する。
【解決手段】集合選択部202が、利用者にグラフデータを選択させる画面を表示装置102に表示させる。集合選択部202は、利用者によりグラフデータが選択されると、グラフデータ記憶部212から選択されたグラフデータを取得する。集合選択部202は、利用者に、選択されたグラフデータのうちグラフ表示に使用されるデータの集合を選択させるための画面を表示装置102に表示させる。属性が選択されると、集合選択部202は、選択画面を表示させ、利用者にグラフ表示させる属性値の範囲を選択させる。属性値の範囲であるα及びβが決定されることにより、集合A、B及びCが決定され、グラフ表示制御部204は決定された集合A、B及びCのグラフをそれぞれ表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフ表示プログラム及びグラフ表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アンケートや苦情文書に含まれる自由形式で記載される文書には、多くの有用な情報が含まれていることから、文書を解析して、製品開発にフィードバックすることが望ましい。しかしながら、その量の多さから、人手によりその解析を行うことは時間的にも費用的にも困難であり、コンピュータによる解析を行うことが試みられている。
【0003】
特許文献1は、同一レコードにテキストデータを有する場合に、最も出現頻度の高いタームが表示されることについて開示している。特許文献2は、複数の文書における単語の出現頻度に基づいてグラフを作成すると共に、部分集合を作成することについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−052000号公報
【特許文献2】特開2009−128949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、集合の要素の属性が連続的な数値で表される場合に、その属性における、グラフ表示すべき対象となる数値的範囲を決定する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、連続的な数値で表される属性を有する要素の、前記属性の分布に基づいた集合を選択する選択手順と、前記選択手順において選択された前記集合について、グラフを表示するグラフ表示手順と、を処理装置に実行させるためのグラフ表示プログラムである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記選択手順では、要素数の合計に関連する値の範囲を指定することにより、前記属性における分布に基づいた集合を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示プログラムである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記選択手順では、表示装置にスライドバーを表示させ、利用者に範囲を選択させることにより選択する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフ表示プログラムである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記複数の文書が入力される文書入力手順と、前記文書入力手順において入力された前記複数の文書に含まれる各語のうち、文書に出現する語の文字列情報、前記語についての出現頻度情報を抽出し、文書の属性情報と共に保存する抽出保存手順と、を更に処理装置に実行させ、前記グラフ表示手順において表示されるグラフは、前記出現頻度情報における出現頻度の高い語が表示されるグラフである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフ表示プログラムである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記抽出保存手順は、前記複数の文書に含まれる各語のうち、出現頻度の高い語である複数の第1語を抽出し、前記第1語のうちのひとつである第1特定語が含まれる文書の部分集合において、出現頻度の高い語である複数の第2語を抽出し、前記部分集合の第1特定語と第2語とを結びつけるリンク情報を更に保存し、前記グラフ表示手順は、前記リンク情報に基づいて、前記出現頻度が高い語を矢印で繋いで前記グラフを表示する、ことを特徴とする請求項4に記載のグラフ表示プログラムである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、連続的な数値で表される要素の、前記属性の分布に基づいた集合を選択する集合選択部と、前記選択手順において選択された前記集合について、グラフを表示させるグラフ表示制御部と、を備えるグラフ表示システムである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記複数の文書が入力される文書入力部と、前記文書入力部において入力された前記複数の文書に含まれる各語のうち、文書に出現する語の文字列情報、前記語についての出現頻度情報を抽出し、文書の属性情報と共に保存する抽出保存部と、前記グラフ表示制御部において表示されるグラフは、前記出現頻度情報における出現頻度の高い語が表示されるグラフである、ことを特徴とする請求項6に記載のグラフ表示システムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び6に記載の発明によれば、集合の要素の属性が連続的な数値で表される場合に、その属性における、グラフ表示すべき対象となる数値的範囲を決定することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、要素数に基づいた集合を定義することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、視覚的に集合を定義させることができる。
【0016】
請求項4及び7に記載の発明によれば、複数の文書の入力から、グラフの表示までを一連の処理により実現することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、出現頻度の高い用語が含まれる文書の部分集合についても視覚的に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るグラフ表示システムを示す図である。
【図2】図1のグラフ表示システムの機能ブロックを示す図である。
【図3】グラフデータ作成処理を示すフローチャートである。
【図4】語出現データのデータ構成を示す図である。
【図5】ノードデータのデータ構成を示す図である。
【図6】リンクデータのデータ構成を示す図である。
【図7】グラフ表示処理を示すフローチャートである。
【図8】グラフデータ選択画面の一部を示す図である。
【図9】集合の属性を選択させる画面の一部を示す図である。
【図10】属性値の範囲を選択させる画面の一部を示す図である。
【図11】属性値である満足度の度数分布グラフである。
【図12】集合Aに含まれる語についてのグラフである。
【図13】集合Bに含まれる語についてのグラフである。
【図14】集合Cに含まれる語についてのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本発明の一実施形態に係るグラフ表示システム100が示されている。グラフ表示システム100は、CPU(中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)、及び磁気ディスク装置等からなるコンピュータ本体200と、コンピュータ本体200の指令により画面表示を行う表示装置102と、コンピュータ本体200へ情報を入力するための入力装置104とを備えている。ここで、表示装置102は、液晶表示装置、CRT(Cathode Ray Tube)その他の表示装置のいずれであってもよく、入力装置104には、キー入力装置、マウス等のポインティングデバイス、及びスキャナ等の画像入力装置が含まれる。
【0020】
図2には、グラフ表示システム100の機能ブロック図が示されている。ここでコンピュータ本体200は、内部の磁気ディスク装置に記憶されたプログラムが実行されることにより機能し、図2の202、204、206及び210の各機能ブロックはプログラムにより実現されている。図2に示されるように、コンピュータ本体200は、入力装置から入力される文書のデータを受けつける文書入力部206と、文書入力部206において入力された文書を解析し、文書に含まれる語とその出現頻度とを共に抽出すると共に、後述するノードデータ254及びリンクデータ256を作成し、グラフデータ記憶部212に保存する抽出保存部210と、グラフデータと、そのグラフデータに含まれる要素のうち表示させる集合とを選択させるための画面を表示装置102に表示させ、入力装置104からの入力により選択されたグラフデータをグラフデータ記憶部212から取得する集合選択部202と、集合選択部202により取得されたグラフデータを用い、選択された集合のグラフを表示装置102に表示させるグラフ表示制御部204とを備えている。
【0021】
図3には、グラフデータ作成処理のフローチャートが示されている。グラフデータ作成処理では、まず、ステップS101の文書入力処理において、文書の入力を行う。文書の入力は、入力装置104を介して、文書入力部206にテキスト情報が入力されることにより行われるが、入力装置104としてのキー入力装置、スキャナ等以外にネットワークに接続されたコンピュータ装置等から文書が入力されてもよい。入力される文書として、本実施形態では、携帯電話に関するアンケート結果が入力されるものとしている。
【0022】
次に、ステップS102の語抽出保存処理において、抽出保存部210が、入力された文書を解析し語の抽出と保存を行う。この語の抽出では、まず、図4に示されるデータ構成の語出現データ252が作成される。語出現データ252は、図4に示されるように、文書に割り当てられたメッセージ番号と、語の識別子である語IDと、例えばメッセージ作成者の年齢、性別、地域等のメッセージの属性が記録される属性1、属性2及び属性3とから構成される。本実施形態においては、属性1には価格満足度が表された数値、属性2には機能満足度が表された数値が保存されているものとする。
【0023】
次に、抽出保存部210は、対象となる複数の文書の集合(「全体集合」という。)における語出現データ252から、高い出現頻度の語を特定し、更に、特定された高い出現頻度の語を含む文書の集合(「部分集合」という。)を対象として、他の高い出現頻度の語、すなわち高い頻度で共起する語を特定することを繰り返し、その特定されたそれぞれの語について、図5に示されるようなノードデータ254を作成する。ノードデータ254は、図5のデータ構成に示されるように、ノードID、語ID、語及び要素数から構成される。
【0024】
更に、抽出保存部210は、特定された高い出現頻度の語のノードIDをソースノードIDとし、その特定された高い出現頻度の語を含む部分集合における特定された他の高い出現頻度の語、すなわち共起相手の語のノードIDをターゲットノードIDとし、この組合わせにリンクIDを付し、図6に示されるような、リンクデータ256を作成する。作成されたノードデータ254及びリンクデータ256はグラフデータとして、抽出保存部210により、グラフデータ記憶部212に保存される。
【0025】
次に、グラフ表示処理S200について説明する。図7には、グラフ表示処理S200のフローチャートが示されている。まず、ステップS202のグラフ選択処理では、集合選択部202が、利用者にグラフデータを選択させる画面を、表示装置102に表示させる。図8には、グラフデータの選択画面の一部が示されている。集合選択部202は、利用者によりグラフデータが選択されると、グラフデータ記憶部212から選択されたグラフデータを取得する。ここでは、携帯電話のアンケートの文書についてのグラフデータであるグラフデータPが選択されている。
【0026】
引き続き、ステップS204の集合選択処理では、集合選択部202は、利用者に、選択されたグラフデータのうちグラフ表示に使用されるデータの集合を選択させるための画面を表示装置に表示させる。図9には集合の属性を選択させるための画面が表示されている。ここでは、「価格満足度」についての属性が選択されている。属性が選択されると、図10に示されるような画面を表示させ、利用者にグラフ表示させる属性値の範囲を選択させる。ここで、図のα及びβは満足度の値を示し、δ1、δ2及びδ3はその範囲に含まれる数(度数)が示されている。具体的には、図11の価格満足度の度数分布グラフに示されるように、α及びβを決定することにより、集合A、B及びCが決定される。集合A、B及びCの決定の際には、どの程度の要素数が含まれるかを示す度数δ1、δ2及びδ3を定めることにより決定することとしてもよい。
【0027】
集合A、B及びCが決定されると、ステップS206のグラフ表示処理において、グラフ表示制御部204がグラフを表示する。図12には、集合選択部202により選択された携帯電話の価格満足度が低い人の集合Aのグラフが示され、図13には携帯電話の価格満足度が中程度の人の集合Bのグラフ、図14には携帯電話の価格満足度が高い人の集合Cのグラフが示されている。
【0028】
上述の実施形態においては、携帯電話のアンケートに係る文書について、語を抽出してグラフ表示を行うこととしたが、この他の種類の文書についてのグラフであってもよいし、文書から抽出された語に限らず他の種類のグラフにおいても、グラフ表示すべき対象となる数値的範囲を決定する場合に本発明を適用することができる。
【0029】
上述の実施形態においては、一つの装置により構成されるシステムとしたが、各構成部がネットワークを介した装置に保存され、一つのシステムを構成していることとしてもよい。
【0030】
なお、上述の実施形態においては、プログラムは磁気ディスク装置に記憶されていることとしたが、CD−ROM等その他の記憶媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
100 グラフ表示システム、102 表示装置、104 入力装置、200 コンピュータ本体、202 集合選択部、204 グラフ表示制御部、206 文書入力部、210 抽出保存部、212 グラフデータ記憶部、252 語出現データ、254 ノードデータ、256 リンクデータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフ表示プログラム及びグラフ表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アンケートや苦情文書に含まれる自由形式で記載される文書には、多くの有用な情報が含まれていることから、文書を解析して、製品開発にフィードバックすることが望ましい。しかしながら、その量の多さから、人手によりその解析を行うことは時間的にも費用的にも困難であり、コンピュータによる解析を行うことが試みられている。
【0003】
特許文献1は、同一レコードにテキストデータを有する場合に、最も出現頻度の高いタームが表示されることについて開示している。特許文献2は、複数の文書における単語の出現頻度に基づいてグラフを作成すると共に、部分集合を作成することについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−052000号公報
【特許文献2】特開2009−128949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、集合の要素の属性が連続的な数値で表される場合に、その属性における、グラフ表示すべき対象となる数値的範囲を決定する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、連続的な数値で表される属性を有する要素の、前記属性の分布に基づいた集合を選択する選択手順と、前記選択手順において選択された前記集合について、グラフを表示するグラフ表示手順と、を処理装置に実行させるためのグラフ表示プログラムである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記選択手順では、要素数の合計に関連する値の範囲を指定することにより、前記属性における分布に基づいた集合を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示プログラムである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記選択手順では、表示装置にスライドバーを表示させ、利用者に範囲を選択させることにより選択する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフ表示プログラムである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記複数の文書が入力される文書入力手順と、前記文書入力手順において入力された前記複数の文書に含まれる各語のうち、文書に出現する語の文字列情報、前記語についての出現頻度情報を抽出し、文書の属性情報と共に保存する抽出保存手順と、を更に処理装置に実行させ、前記グラフ表示手順において表示されるグラフは、前記出現頻度情報における出現頻度の高い語が表示されるグラフである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフ表示プログラムである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記抽出保存手順は、前記複数の文書に含まれる各語のうち、出現頻度の高い語である複数の第1語を抽出し、前記第1語のうちのひとつである第1特定語が含まれる文書の部分集合において、出現頻度の高い語である複数の第2語を抽出し、前記部分集合の第1特定語と第2語とを結びつけるリンク情報を更に保存し、前記グラフ表示手順は、前記リンク情報に基づいて、前記出現頻度が高い語を矢印で繋いで前記グラフを表示する、ことを特徴とする請求項4に記載のグラフ表示プログラムである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、連続的な数値で表される要素の、前記属性の分布に基づいた集合を選択する集合選択部と、前記選択手順において選択された前記集合について、グラフを表示させるグラフ表示制御部と、を備えるグラフ表示システムである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記複数の文書が入力される文書入力部と、前記文書入力部において入力された前記複数の文書に含まれる各語のうち、文書に出現する語の文字列情報、前記語についての出現頻度情報を抽出し、文書の属性情報と共に保存する抽出保存部と、前記グラフ表示制御部において表示されるグラフは、前記出現頻度情報における出現頻度の高い語が表示されるグラフである、ことを特徴とする請求項6に記載のグラフ表示システムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び6に記載の発明によれば、集合の要素の属性が連続的な数値で表される場合に、その属性における、グラフ表示すべき対象となる数値的範囲を決定することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、要素数に基づいた集合を定義することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、視覚的に集合を定義させることができる。
【0016】
請求項4及び7に記載の発明によれば、複数の文書の入力から、グラフの表示までを一連の処理により実現することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、出現頻度の高い用語が含まれる文書の部分集合についても視覚的に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るグラフ表示システムを示す図である。
【図2】図1のグラフ表示システムの機能ブロックを示す図である。
【図3】グラフデータ作成処理を示すフローチャートである。
【図4】語出現データのデータ構成を示す図である。
【図5】ノードデータのデータ構成を示す図である。
【図6】リンクデータのデータ構成を示す図である。
【図7】グラフ表示処理を示すフローチャートである。
【図8】グラフデータ選択画面の一部を示す図である。
【図9】集合の属性を選択させる画面の一部を示す図である。
【図10】属性値の範囲を選択させる画面の一部を示す図である。
【図11】属性値である満足度の度数分布グラフである。
【図12】集合Aに含まれる語についてのグラフである。
【図13】集合Bに含まれる語についてのグラフである。
【図14】集合Cに含まれる語についてのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本発明の一実施形態に係るグラフ表示システム100が示されている。グラフ表示システム100は、CPU(中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)、及び磁気ディスク装置等からなるコンピュータ本体200と、コンピュータ本体200の指令により画面表示を行う表示装置102と、コンピュータ本体200へ情報を入力するための入力装置104とを備えている。ここで、表示装置102は、液晶表示装置、CRT(Cathode Ray Tube)その他の表示装置のいずれであってもよく、入力装置104には、キー入力装置、マウス等のポインティングデバイス、及びスキャナ等の画像入力装置が含まれる。
【0020】
図2には、グラフ表示システム100の機能ブロック図が示されている。ここでコンピュータ本体200は、内部の磁気ディスク装置に記憶されたプログラムが実行されることにより機能し、図2の202、204、206及び210の各機能ブロックはプログラムにより実現されている。図2に示されるように、コンピュータ本体200は、入力装置から入力される文書のデータを受けつける文書入力部206と、文書入力部206において入力された文書を解析し、文書に含まれる語とその出現頻度とを共に抽出すると共に、後述するノードデータ254及びリンクデータ256を作成し、グラフデータ記憶部212に保存する抽出保存部210と、グラフデータと、そのグラフデータに含まれる要素のうち表示させる集合とを選択させるための画面を表示装置102に表示させ、入力装置104からの入力により選択されたグラフデータをグラフデータ記憶部212から取得する集合選択部202と、集合選択部202により取得されたグラフデータを用い、選択された集合のグラフを表示装置102に表示させるグラフ表示制御部204とを備えている。
【0021】
図3には、グラフデータ作成処理のフローチャートが示されている。グラフデータ作成処理では、まず、ステップS101の文書入力処理において、文書の入力を行う。文書の入力は、入力装置104を介して、文書入力部206にテキスト情報が入力されることにより行われるが、入力装置104としてのキー入力装置、スキャナ等以外にネットワークに接続されたコンピュータ装置等から文書が入力されてもよい。入力される文書として、本実施形態では、携帯電話に関するアンケート結果が入力されるものとしている。
【0022】
次に、ステップS102の語抽出保存処理において、抽出保存部210が、入力された文書を解析し語の抽出と保存を行う。この語の抽出では、まず、図4に示されるデータ構成の語出現データ252が作成される。語出現データ252は、図4に示されるように、文書に割り当てられたメッセージ番号と、語の識別子である語IDと、例えばメッセージ作成者の年齢、性別、地域等のメッセージの属性が記録される属性1、属性2及び属性3とから構成される。本実施形態においては、属性1には価格満足度が表された数値、属性2には機能満足度が表された数値が保存されているものとする。
【0023】
次に、抽出保存部210は、対象となる複数の文書の集合(「全体集合」という。)における語出現データ252から、高い出現頻度の語を特定し、更に、特定された高い出現頻度の語を含む文書の集合(「部分集合」という。)を対象として、他の高い出現頻度の語、すなわち高い頻度で共起する語を特定することを繰り返し、その特定されたそれぞれの語について、図5に示されるようなノードデータ254を作成する。ノードデータ254は、図5のデータ構成に示されるように、ノードID、語ID、語及び要素数から構成される。
【0024】
更に、抽出保存部210は、特定された高い出現頻度の語のノードIDをソースノードIDとし、その特定された高い出現頻度の語を含む部分集合における特定された他の高い出現頻度の語、すなわち共起相手の語のノードIDをターゲットノードIDとし、この組合わせにリンクIDを付し、図6に示されるような、リンクデータ256を作成する。作成されたノードデータ254及びリンクデータ256はグラフデータとして、抽出保存部210により、グラフデータ記憶部212に保存される。
【0025】
次に、グラフ表示処理S200について説明する。図7には、グラフ表示処理S200のフローチャートが示されている。まず、ステップS202のグラフ選択処理では、集合選択部202が、利用者にグラフデータを選択させる画面を、表示装置102に表示させる。図8には、グラフデータの選択画面の一部が示されている。集合選択部202は、利用者によりグラフデータが選択されると、グラフデータ記憶部212から選択されたグラフデータを取得する。ここでは、携帯電話のアンケートの文書についてのグラフデータであるグラフデータPが選択されている。
【0026】
引き続き、ステップS204の集合選択処理では、集合選択部202は、利用者に、選択されたグラフデータのうちグラフ表示に使用されるデータの集合を選択させるための画面を表示装置に表示させる。図9には集合の属性を選択させるための画面が表示されている。ここでは、「価格満足度」についての属性が選択されている。属性が選択されると、図10に示されるような画面を表示させ、利用者にグラフ表示させる属性値の範囲を選択させる。ここで、図のα及びβは満足度の値を示し、δ1、δ2及びδ3はその範囲に含まれる数(度数)が示されている。具体的には、図11の価格満足度の度数分布グラフに示されるように、α及びβを決定することにより、集合A、B及びCが決定される。集合A、B及びCの決定の際には、どの程度の要素数が含まれるかを示す度数δ1、δ2及びδ3を定めることにより決定することとしてもよい。
【0027】
集合A、B及びCが決定されると、ステップS206のグラフ表示処理において、グラフ表示制御部204がグラフを表示する。図12には、集合選択部202により選択された携帯電話の価格満足度が低い人の集合Aのグラフが示され、図13には携帯電話の価格満足度が中程度の人の集合Bのグラフ、図14には携帯電話の価格満足度が高い人の集合Cのグラフが示されている。
【0028】
上述の実施形態においては、携帯電話のアンケートに係る文書について、語を抽出してグラフ表示を行うこととしたが、この他の種類の文書についてのグラフであってもよいし、文書から抽出された語に限らず他の種類のグラフにおいても、グラフ表示すべき対象となる数値的範囲を決定する場合に本発明を適用することができる。
【0029】
上述の実施形態においては、一つの装置により構成されるシステムとしたが、各構成部がネットワークを介した装置に保存され、一つのシステムを構成していることとしてもよい。
【0030】
なお、上述の実施形態においては、プログラムは磁気ディスク装置に記憶されていることとしたが、CD−ROM等その他の記憶媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
100 グラフ表示システム、102 表示装置、104 入力装置、200 コンピュータ本体、202 集合選択部、204 グラフ表示制御部、206 文書入力部、210 抽出保存部、212 グラフデータ記憶部、252 語出現データ、254 ノードデータ、256 リンクデータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な数値で表される属性を有する要素の、前記属性の分布に基づいた集合を選択する集合選択手順と、
前記選択手順において選択された前記集合について、グラフを表示するグラフ表示手順と、を処理装置に実行させるためのグラフ表示プログラム。
【請求項2】
前記選択手順では、要素数の合計に関連する値の範囲を指定することにより、前記属性における分布に基づいた集合を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項3】
前記選択手順では、表示装置にスライドバーを表示させ、利用者に範囲を選択させることにより選択する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項4】
複数の文書が入力される文書入力手順と、
前記文書入力手順において入力された前記複数の文書に含まれる各語のうち、文書に出現する語の文字列情報、前記語についての出現頻度情報を抽出し、文書の属性情報と共に保存する抽出保存手順と、を更に処理装置に実行させ、
前記グラフ表示手順において表示されるグラフは、前記出現頻度情報における出現頻度の高い語が表示されるグラフである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項5】
前記抽出保存手順は、前記複数の文書に含まれる各語のうち、出現頻度の高い語である複数の第1語を抽出し、前記第1語のうちのひとつである第1特定語が含まれる文書の部分集合において、出現頻度の高い語である複数の第2語を抽出し、前記部分集合の第1特定語と第2語とを結びつけるリンク情報を更に保存し、
前記グラフ表示手順は、前記リンク情報に基づいて、前記出現頻度が高い語を矢印で繋いで前記グラフを表示する、ことを特徴とする請求項4に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項6】
連続的な数値で表される属性を有する要素の、前記属性の分布に基づいた集合を選択する集合選択部と、
前記選択手順において選択された前記集合について、グラフを表示させるグラフ表示制御部と、を備えるグラフ表示システム。
【請求項7】
前記複数の文書が入力される文書入力部と、
前記文書入力部において入力された前記複数の文書に含まれる各語のうち、文書に出現する語の文字列情報、前記語についての出現頻度情報を抽出し、文書の属性情報と共に保存する抽出保存部と、
前記グラフ表示制御部において表示されるグラフは、前記出現頻度情報における出現頻度の高い語が表示されるグラフである、ことを特徴とする請求項6に記載のグラフ表示システム。
【請求項1】
連続的な数値で表される属性を有する要素の、前記属性の分布に基づいた集合を選択する集合選択手順と、
前記選択手順において選択された前記集合について、グラフを表示するグラフ表示手順と、を処理装置に実行させるためのグラフ表示プログラム。
【請求項2】
前記選択手順では、要素数の合計に関連する値の範囲を指定することにより、前記属性における分布に基づいた集合を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項3】
前記選択手順では、表示装置にスライドバーを表示させ、利用者に範囲を選択させることにより選択する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項4】
複数の文書が入力される文書入力手順と、
前記文書入力手順において入力された前記複数の文書に含まれる各語のうち、文書に出現する語の文字列情報、前記語についての出現頻度情報を抽出し、文書の属性情報と共に保存する抽出保存手順と、を更に処理装置に実行させ、
前記グラフ表示手順において表示されるグラフは、前記出現頻度情報における出現頻度の高い語が表示されるグラフである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項5】
前記抽出保存手順は、前記複数の文書に含まれる各語のうち、出現頻度の高い語である複数の第1語を抽出し、前記第1語のうちのひとつである第1特定語が含まれる文書の部分集合において、出現頻度の高い語である複数の第2語を抽出し、前記部分集合の第1特定語と第2語とを結びつけるリンク情報を更に保存し、
前記グラフ表示手順は、前記リンク情報に基づいて、前記出現頻度が高い語を矢印で繋いで前記グラフを表示する、ことを特徴とする請求項4に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項6】
連続的な数値で表される属性を有する要素の、前記属性の分布に基づいた集合を選択する集合選択部と、
前記選択手順において選択された前記集合について、グラフを表示させるグラフ表示制御部と、を備えるグラフ表示システム。
【請求項7】
前記複数の文書が入力される文書入力部と、
前記文書入力部において入力された前記複数の文書に含まれる各語のうち、文書に出現する語の文字列情報、前記語についての出現頻度情報を抽出し、文書の属性情報と共に保存する抽出保存部と、
前記グラフ表示制御部において表示されるグラフは、前記出現頻度情報における出現頻度の高い語が表示されるグラフである、ことを特徴とする請求項6に記載のグラフ表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−39939(P2011−39939A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188650(P2009−188650)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]