説明

グラフ表示装置、グラフ表示方法、データ処理システムおよびプログラム

【課題】表示対象とされたグラフの連続性の把握およびグラフのデータ点の追跡が容易なグラフ表示装置を提供する。
【解決手段】グラフG2がグラフ表示領域RE1の外にデータ点を有する場合に、その存在方向を指し示す矢印ARをグラフ表示領域RE1の周囲に設けた矢印表示領域RE2に合わせて表示させる。加えて、係る矢印ARをマウス等で選択入力可能としておき、いずれかの矢印ARがクリック等で選択された場合、その矢印が指し示す直近のデータ点が新たに表示範囲の中心となるようにグラフ座標範囲を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面上に2次元グラフを表示させるグラフ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図19は、従来の一般的なグラフ表示装置(例えば、グラフ表示ソフトウェアをコンピュータにインストールし、実行させた状態のもの)において表示される表示画面W0を例示する図である。図19においては、ある線グラフG0が表示されている場合を例示している。また、表示画面W0においては、左右方向スクロールバーSB1と上下方向スクロールバーSB2とが表示されている。これらは、グラフG0のデータ点が表示画面W0のグラフ表示領域RE0を超えて存在する場合に表示されるものである。例えば、グラフ表示装置に備わる図示しないマウス等でこれら左右方向スクロールバーSB1あるいは上下方向スクロールバーSB2とをドラッグすると、これに応じて表示画面W0内におけるグラフ表示領域RE0が縦軸方向および横軸方向について変化する(グラフ表示領域RE0に含まれる縦軸と横軸の座標範囲が変化する)ことになる。例えば、表示画面W0に示されたあるグラフ表示領域RE0においてその一部のみが表示されているグラフG0が、実はさらに横軸正方向(図面視右手方向)にデータ点を有しており、表示画面W0からはみ出る部分について仮想的にグラフを連続させると図19に破線にて示すグラフG’0のようになる場合、左右方向スクロールバーSB1を図面視右方向にドラッグすれば、グラフ表示領域RE0の横軸方向がこれに応じて図面視右へと移動することになるので、非表示状態であったグラフG’0の部分が表示画面W0上に表示されることになる。
【0003】
また、表示範囲をスクロールで変更する場合のカーソル移動を最小限とすべく、一方向へスクロールさせる矢印が選択された場合に、一対の隣接対向するスクロールアイコンを表示範囲の両端に表示させる技術がすでに公知である(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−182135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示画面W0において表示されるグラフG0が、図19に示すような態様で表示されており、しかも、グラフG’0に示すような態様でグラフが連続するように、グラフデータが記述されてなる場合、上述したように、左右方向スクロールバーSB1あるいは上下方向スクロールバーSB2の動作で、グラフG’0の部分までを表示範囲に含むようにすることは可能である。しかしながら、この場合において、表示画面W0における表示範囲外にある点P0を表示範囲内に含ませようとするには、左右方向スクロールバーSB1の動作と上下方向スクロールバーSB2の動作とを組み合わせることが必要となる。ただし、そもそも表示画面W0における表示範囲が図19に示すようになっている場合に、表示範囲外の点P0が、表示範囲に対してどの位置にあることになるのかは、グラフG’0が表示されていない状況の表示画面W0を見ているだけでは当然ながら不明である。従って、グラフG0が表示領域RE0を超えてどのように連続しているのかを追跡しようとする場合には、左右方向スクロールバーSB1と上下方向スクロールバーSB2との動作を試行錯誤して点Pを見つけ出し、グラフ表示領域RE0に含ませるようにすることが必要となって煩雑である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表示対象とされたグラフの表示範囲外への連続性の把握と、表示範囲外へのグラフのデータ点の追跡とが容易なグラフ表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、入力デバイスを通じて与えられる設定条件に従って表示画面上にグラフを表示させるグラフ表示装置であって、前記表示画面を表示させる表示手段と、グラフデータを格納する格納手段からグラフデータを取得する取得手段と、前記表示画面にグラフを表示する際の第1のグラフ座標範囲を設定する座標範囲設定手段と、前記第1のグラフ座標範囲がグラフ表示領域となるように前記表示画面に前記グラフデータで定まるグラフを表示させるグラフ表示処理手段と、前記グラフデータと前記第1のグラフ座標範囲とに基づいて前記第1のグラフ座標範囲に表示されない前記グラフのデータ点の有無を判定し、表示されないデータ点が存在する場合には前記第1のグラフ座標範囲の外において前記グラフが存在する方向を示すグラフ存在指標を表示させるためのグラフ存在指標データを生成するグラフ存在指標データ生成手段と、を備え、前記グラフ表示手段は、前記グラフの表示に際して前記グラフ存在指標データに基づく前記グラフ存在指標の表示を行う、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のグラフ表示装置であって、前記グラフ存在指標が前記表示画面上において前記入力デバイスにより選択入力可能に表示されるものであり、前記表示画面に少なくとも1つの前記グラフ存在指標が表示されている状態で一の前記グラフ存在指標が選択入力された場合に、前記グラフに基づいて定まる当該選択入力された前記グラフ存在指標に対応した座標位置が中心となり、前記第1のグラフ座標範囲に含まれなかった前記グラフのデータ点が含まれるように前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する更新処理手段、をさらに備え、前記表示処理手段および前記グラフ存在指標データ生成手段は、前記第2のグラフ座標範囲に基づいて、前記グラフの表示および前記グラフ存在指標の表示のための処理を新たに行う、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載のグラフ表示装置であって、前記更新処理手段は、選択入力された前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記グラフ座標範囲外の特定のデータ点を指し示す場合に、前記特定のデータ点の座標位置が中心となるように前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載のグラフ表示装置であって、前記更新処理手段は、選択入力された前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記グラフ座標範囲外の上下方向を指し示す場合に、選択入力された前記グラフ存在指標が指し示す方向の前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲内に存在するグラフに基づいて前記中心となる座標位置を定めて、前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、グラフ存在指標データ生成手段は、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲の内外双方にデータ点を有する場合に、前記グラフ座標範囲内のデータ点のうちの端部データ点と、グラフ座標範囲外のデータ点のうち前記端部データ点に最も近い第1の直近データ点とを特定し、前記端部データ点と前記第1の直近データ点との配置関係に基づいて、前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記第1の直近データ点を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、グラフ存在指標データ生成手段は、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲内にデータ点を有しない場合であって、前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲内に前記グラフが存在する場合に、前記グラフが存在する上下いずれかの方向を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、グラフ存在指標データ生成手段は、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲内にデータ点を有しない場合であって、前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲外に前記グラフが存在する場合に、前記グラフのデータ点のうち前記第1のグラフ表示範囲の中心位置に最も近い第2の直近データ点を特定し、前記中心位置と前記第2の直近データ点との配置関係に基づいて、前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記第2の直近データ点を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、前記グラフ存在指標が、前記表示画面上において前記グラフ表示領域の周囲に設けられたグラフ存在指標表示領域に表示される、ことを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、前記グラフ存在指標の前記表示画面における表示形状が矢印である、ことを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、データ処理システムが、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のグラフ表示装置と、前記格納手段としてのデータベースと、前記グラフデータとなりうるデータを生成し、前記データベースに蓄積するデータ生成装置と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明は、入力デバイスを通じて与えられる設定条件に従って表示手段の表示画面上にグラフを表示させるグラフ表示方法であって、グラフデータを格納する格納手段からグラフデータを取得する取得工程と、前記表示画面にグラフを表示する際の第1のグラフ座標範囲を設定する座標範囲設定工程と、前記第1のグラフ座標範囲がグラフ表示領域となるように前記表示画面に前記グラフデータで定まるグラフを表示させるグラフ表示処理工程と、前記グラフデータと前記第1のグラフ座標範囲とに基づいて前記第1のグラフ座標範囲に表示されない前記グラフのデータ点の有無を判定し、表示されないデータ点が存在する場合には前記第1のグラフ座標範囲の外において前記グラフが存在する方向を示すグラフ存在指標を表示させるためのグラフ存在指標データを生成するグラフ存在指標データ生成工程と、を備え、前記グラフ表示工程においては、前記グラフの表示に際して前記グラフ存在指標データに基づく前記グラフ存在指標の表示を行う、ことを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明は、請求項11に記載のグラフ表示方法であって、前記グラフ存在指標が前記表示画面上において前記入力デバイスにより選択入力可能に表示されるものであり、前記表示画面に少なくとも1つの前記グラフ存在指標が表示されている状態で一の前記グラフ存在指標が選択入力された場合に、前記グラフに基づいて定まる当該選択入力された前記グラフ存在指標に対応した座標位置が中心となり、前記第1のグラフ座標範囲に含まれなかった前記グラフのデータ点が含まれるように前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する更新処理工程、をさらに備え、前記表示処理工程および前記グラフ存在指標データ生成工程においては、前記第2のグラフ座標範囲に基づいて、前記グラフの表示および前記グラフ存在指標の表示のための処理を新たに行う、ことを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明は、請求項12に記載のグラフ表示方法であって、前記更新処理工程においては、選択入力された前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記グラフ座標範囲外の特定のデータ点を指し示す場合に、前記特定のデータ点の座標位置が中心となるように前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する、ことを特徴とする。
【0020】
請求項14の発明は、請求項12または請求項13に記載のグラフ表示方法であって、前記更新処理工程においては、選択入力された前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記グラフ座標範囲外の上下方向を指し示す場合に、選択入力された前記グラフ存在指標が指し示す方向の前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲内に存在するグラフに基づいて前記中心となる座標位置を定めて、前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明は、請求項11ないし請求項14のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、グラフ存在指標データ生成工程においては、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲の内外双方にデータ点を有する場合に、前記グラフ座標範囲内のデータ点のうちの端部データ点と、グラフ座標範囲外のデータ点のうち前記端部データ点に最も近い第1の直近データ点とを特定し、前記端部データ点と前記第1の直近データ点との配置関係に基づいて、前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記第1の直近データ点を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項16の発明は、請求項11ないし請求項15のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、グラフ存在指標データ生成工程においては、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲内にデータ点を有しない場合であって、前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲内に前記グラフが存在する場合に、前記グラフが存在する上下いずれかの方向を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、ことを特徴とする。
【0023】
請求項17の発明は、請求項11ないし請求項16のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、グラフ存在指標データ生成においては、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲内にデータ点を有しない場合であって、前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲外に前記グラフが存在する場合に、前記グラフのデータ点のうち前記第1のグラフ表示範囲の中心位置に最も近い第2の直近データ点を特定し、前記中心位置と前記第2の直近データ点との配置関係に基づいて、前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記第2の直近データ点を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、ことを特徴とする。
【0024】
請求項18の発明は、請求項11ないし請求項17のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、前記グラフ存在指標を、前記表示画面上において前記グラフ表示領域の周囲に設けられたグラフ存在指標表示領域に表示させる、ことを特徴とする。
【0025】
請求項19の発明は、請求項11ないし請求項18のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、前記グラフ存在指標の前記表示画面における表示形状が矢印である、ことを特徴とする。
【0026】
請求項20の発明は、プログラムであって、コンピュータで実行されることにより、前記コンピュータを請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のグラフ表示装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
請求項1ないし請求項20の発明によれば、グラフ存在指標が表示されることで、グラフ表示領域よりも外にグラフのデータ点が存在することをユーザに容易に認識させることができる。特に、グラフ表示領域にグラフの端点が存在する場合においては、従来のグラフ表示装置のようにスクロールバーなどでグラフ表示領域を変更することなく、さらにデータ点が存在するか否かユーザに明確に認識させることができる。
【0028】
特に、請求項2ないし請求項4、および請求項12ないし請求項14の発明によれば、いずれかのグラフ存在指標を選択入力しさえすれば、そのグラフ存在指標に応じて、第1のグラフ座標範囲に含まれなかったデータ点が含まれるようにグラフを更新することができる。すなわち、スクロールバーの操作を試行錯誤するようなことをせずとも、表示範囲外に存在するデータ点の追跡が容易に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
<概要>
図1は、本実施の形態に係るグラフ表示装置1を含むデータ処理システム100の構成を概略的に示す図である。データ処理システム100は、グラフ表示装置1の他に、データベース2と、データ生成装置3とを主として備える。グラフ表示装置1とデータベース2との間、およびデータベース2とデータ生成装置3との間は、信号線で電気的に接続されてなる。
【0030】
本実施の形態に係るデータ処理システム100は、データ生成装置3で生成されるデータを、データベース2にグラフ表示可能なデータ(以下、グラフデータ)として蓄積・格納するとともに、グラフ表示装置1が、オペレータの操作指示に基づいてデータベース2に格納されているグラフデータを取得し、これを表示するものである。なお、本実施の形態においては、2次元のグラフデータ(2種類のデータ値の組によって1つのデータ点を表すデータ)を表示の対象とするが、データ生成装置3に蓄積・格納される3次元以上の多次元データのうちから、2種類のデータ値の組を取り出してグラフデータとする態様であってもよい。
【0031】
データ生成装置3は、グラフデータを生成できるものであれば、その具体的態様が限定されるものではない。例えば、何らかの製品を製造する過程で、その材料、中間生成物、または完成品について所定の検査・測定等を行い、その結果を出力する製造装置がデータ生成装置3とされる態様であってもよい。あるいは、所定の観測あるいは分析対象について連続的あるいは断続的に所定の内容で観測あるいは分析を行い、その結果を連続的あるいは断続的に出力する観測装置あるいは分析装置が、データ生成装置3とされる態様であってもよい。あるいはさらに、人間が操作を行うことによって人為的にグラフデータを生成できる装置、例えば、表計算ソフトウェアなどのソフトウェアがコンピュータにインストールされることで実現される情報処理装置がデータ生成装置3とされる態様であっても良い。
【0032】
係るデータ生成装置3は、生成されたグラフデータを取得して、データベース2に蓄積・格納するデータ取得手段4を備える。データ取得手段4は、データ生成装置3を直接に制御するコンピュータなどの制御手段によって実現される態様であってもよいし、あるいは、データ生成装置3を管理する管理用のコンピュータによって実現される態様であってもよい。なお、データ取得手段4は、必ずしもデータ生成装置3と一体に設けられる必要はなく、外部からデータ生成装置3にアクセスして、グラフデータを取得する態様であってもよい。
【0033】
データベース2は、外部からグラフデータを蓄積・格納でき、さらには蓄積されたデータを外部から選択的に取得できるものであれば、特にその構成が制限されるものではない。
【0034】
グラフ表示装置1は、コンピュータによって実現されるのがその好適な一態様である。すなわち、グラフ表示装置1は、マウス11aやキーボード11bなどの入力デバイスからなる操作部11、グラフを表示させるディスプレイである表示部12、ハードディスクなどからなる記憶部13、外部の装置との間で種々のデータの送受信を担う、例えばLANやUSB接続などが可能なインターフェース部14、さらには、DVD−RAMやRVD−RW、あるいはマイクロドライブなどといった可搬性の記録媒体との間でデータのリード/ライトを行うリード/ライト部15、CPU16a、ROM16b、RAM16cなどからなる制御部16などを主として備える。
【0035】
図2は、グラフ表示装置1において実現される機能的構成について示す図である。図2においては、グラフ表示装置1における種々のデータの流れを併せて示している。グラフ表示装置1においては、記憶部13に記憶されているプログラム(グラフ表示ソフトウェア)13pがCPU16aにより実行されることにより、制御部16およびその他の各部の作用によって、機能的構成要素として、グラフ表示設定部21と、表示処理部22と、矢印表示決定部23と、更新処理部24とが、主として実現される。
【0036】
グラフ表示装置1における種々の操作は、GUIを介して行われる。すなわち、操作部11を介して種々の処理用のメニューが表示部12に呼び出され、その表示内容に基づいて、グラフ表示のための処理条件の設定や処理の実行指示が行えるようになっている。また、グラフ表示装置1は、インターフェース部14やリード/ライト部15を介して、他の装置との間で直接又は間接に、グラフ表示用のデータその他の授受が可能に構成されてなる。
【0037】
グラフ表示設定部21は、ユーザがグラフ表示のために操作部11を通じて与える種々の入力指示信号であるグラフ表示指示C1に応答して、グラフデータに基づいてグラフを表示する際に必要となる種々の条件を設定するための処理を担う。
【0038】
具体的には、グラフ表示設定部21は、データベース2にどのようなグラフデータが格納されているのかを表すデータ格納情報I1を該データベース2から取得して図示しないメニュー画面に表示する。ユーザが、データ格納情報I1に記述されているグラフデータの中から表示させようとする一のグラフデータを選択する(グラフ表示指示C1としての選択指示を与える)と、グラフ表示設定部21は係る選択に応答して、そのグラフを特定するための情報を記述したグラフ選択情報I2を表示処理部22に与える。
【0039】
また、グラフ表示設定部21は、グラフ表示指示C1の一環として、ユーザが図示しないメニュー画面において操作部11を通じてグラフ座標範囲を設定することを可能とし、確定したグラフ座標範囲を表す座標範囲データD1を生成する。ここで、グラフ座標範囲とは、グラフ内に表示する横軸と縦軸との座標範囲のことである。また、ユーザが図示しないメニュー画面において操作部11を通じてグラフ表示色を選択することも可能とされてなり、確定した表示色を表す表示色データD2が生成される。座標範囲データD1および表示色データD2は、RAM16cあるいは記憶部13に記憶・保持される。
【0040】
表示処理部22は、グラフ表示設定部21から与えられたグラフ選択情報I2に基づいて表示対象とされたグラフデータD3を取得し、座標範囲データD1および表示色データD2に基づくグラフ座標範囲および表示色にて、表示画面WにグラフデータD3についてのグラフG1を表示させる処理を担う。グラフデータD3は、RAM16cあるいは記憶部13に記憶・保持される。
【0041】
図3は、表示部12に表示される表示画面W(表示部12の画面全体もしくは表示部12に表示された所定の表示用のウィンドウを指し示すものとする、以下同様)において、グラフ表示領域RE1の中に所定のグラフ座標範囲でグラフデータD3に対応するグラフG1が表示される場合を例示する図である。グラフG1は、複数のデータ点を線分にて繋いだ折れ線グラフである。なお、本実施の形態においては、表示対象となるグラフは折れ線グラフに限定されるものではない。グラフG1は、隣り合うデータ点が連続的に取得されたものであることを指し示しているに過ぎない。これに代わり、データ点が断続的に記録されたグラフデータが表示対象とされてもよい。例えば、データ生成装置3において所定時間間隔で何らかの特性値が取得され、取得時刻と特性値との関係を示すグラフデータがデータベース2に蓄積・格納されるような場合に、ある時刻について何らかの要因で特性値が記録されていないために、当該時刻のみ対応する特性値が存在しない(No dataである)場合などがこれに該当する。具体的には、図18に示すグラフG6が、このような断続的なデータに該当する。
【0042】
図3においては、グラフ座標範囲がx軸については最小値xa〜最大値xbであり、y軸については最小値ya〜最大値ybであるとする。また、xb−xa=Δx、yb−ya=Δyであるとする。なお、以降の図においても、特段の記載がない限りは同様であるとする。また、表示画面Wにおける表示領域RE1の、x軸に対応する横方向の実サイズ(見た目のサイズ)がu(cm)、y軸に対応する縦方向の実サイズがv(cm)であるとする。これについては以降の各図についても固定されているものとする。
【0043】
表示処理部22によるグラフの表示は、公知技術によって実現可能である。なお、本来であればグラフ表示領域RE1にグラフ目盛りや座標軸などが適宜表示されるが、以降の図も含め、図示の簡単のためにこれらの表示は省略する。また、係るグラフ表示を行う上で必要となる、目盛り等のレイアウト情報などは、あらかじめユーザによりグラフ表示指示C1の一環として設定されて、あるいは既定値が定められて、RAM16cあるいは記憶部13に記憶されており、適宜に表示処理部22によって呼び出されて、使用されるものとする。
【0044】
また、表示処理部22は、係るグラフ表示の際に、表示対象とされるグラフがグラフ座標範囲外となる座標位置にもデータ点を有している場合、そのことを表すグラフ存在指標としての矢印を、表示画面Wに表示させる。
【0045】
図4は、グラフ表示領域RE1に表示されたグラフG2がグラフ表示領域RE1の外にも連続する場合に係る矢印ARが表示される態様を例示する図である。表示画面Wには、表示処理部22の作用によって、グラフ表示領域RE1の外周に係る矢印の表示領域である矢印表示領域RE2が設けられており、矢印ARは、係る矢印表示領域RE2の所定位置に表示される。これを視認したユーザは、係る矢印ARが指し示す方向に、グラフG2のデータ点がさらに存在することを容易に認識することができる。なお、図3に例示するグラフG1のように、グラフデータの全体がグラフ表示領域RE1に表示されている場合には、係る矢印は表示されない。
【0046】
また、図4に示すように表示された矢印ARは、例えばマウス11aによるクリックなどで選択入力することが可能とされてなる。これは、該矢印を特定する信号である矢印選択指示C2を与えることに相当する。係る選択入力が実行されると、選択された矢印ARごとにあらかじめ定められた態様で、表示対象とされるグラフ座標範囲が変更され、グラフ表示の内容が更新される。すなわち、矢印ARの選択入力によって、グラフG2の表示範囲が移動するようにされてなる。原則的には、選択入力された矢印ARが指し示す方向に存在するデータ点がグラフ表示領域REの新たな中心位置となるように、グラフ表示の内容が更新される。
【0047】
これら矢印の表示およびグラフ表示の更新についての詳細は、以降において順次に詳述する。
【0048】
矢印表示決定部23は、上述のような矢印を表示に表示させるために必要な処理を担う。具体的には、グラフの表示対象であるグラフデータD3とグラフ表示設定部21にて生成された座標範囲データD1との記述内容に基づいて矢印の表示の要否を判断し、矢印を表示する場合には、さらにその表示位置および表示姿勢(矢印の向き)を決定する。矢印表示決定部23は、係る処理の結果として、表示すべき矢印の表示位置および表示姿勢を記述した矢印データD4を生成する。矢印データD4は、RAM16cあるいは記憶部13に記憶・保持される。表示処理部22は、係る矢印データD4の記述内容に基づいて、例えば図4に示すような矢印ARを表示する。
【0049】
更新処理部24は、上述したように表示画面Wに表示された矢印ARが選択入力された場合に、これに応答して、グラフの表示範囲を更新するための新たなグラフ座標範囲を設定する処理を担う。更新処理部24は、矢印選択指示C2と、座標範囲データD1、グラフデータD3、および矢印データD4に基づいて、係る設定内容を記述した範囲更新データD5を生成する。範囲更新データD5は、RAM16cあるいは記憶部13に記憶・保持される。グラフ表示設定部21が、係る範囲更新データD5を表示対象とされているグラフデータの新たな座標範囲データD1として、表示処理部22および矢印表示決定部23に与えられる。
【0050】
<グラフ表示および矢印表示の詳細>
次に、表示画面Wへのグラフ表示に際して行われる矢印表示について、より詳細に説明する。図5は、グラフ表示および矢印表示に係る処理の流れを示す図である。
【0051】
まず、矢印表示決定部23は、グラフ表示設定部21から取得した座標範囲データD1と、データベース2から取得したグラフデータD3との記述内容とを照合し、座標範囲データD1にて設定されたグラフ座標範囲(xa≦x≦xb、ya≦y≦yb)の中に、グラフデータD3のデータ点が存在するか否かを判定する(ステップS1)。
【0052】
座標範囲データD1にて設定されたグラフ座標範囲の中に、グラフデータD3のデータ点が存在すると判定される場合(ステップS1でYES)、矢印表示決定部23は、該グラフ座標範囲の外に、グラフデータD3のデータ点が存在しないか否かを判定する(ステップS2)。これは、換言すれば、該グラフ座標範囲の中に、グラフデータD3の全てのデータ点が収まっているか否かを判断していることになる。
【0053】
グラフ座標範囲の外に、グラフデータD3のデータ点が存在しないと判定される場合(ステップS2でYES)、グラフデータD3を構成する全てのデータ点がグラフ表示範囲内に収まることになる。この場合、矢印表示決定部23は矢印データD4を生成せず、表示処理部22は、あらかじめ取得していたグラフデータD3に従って、グラフ表示領域RE1に全てのデータ点からなるグラフを、表示色データD2にて指定された表示色にて表示する処理のみを行う(ステップS3)。上述した図3は、係る場合を例示する図である。図3に示す場合においては、グラフG1の全体がグラフ表示領域RE1に表示され、矢印は表示されていない。
【0054】
一方、グラフ座標範囲の外に、グラフデータD3のデータ点が存在すると判定される場合(ステップS2でNO)、グラフデータD3を構成するデータ点がグラフ表示領域RE1には収まりきらないことになる。この場合、矢印表示決定部23は、グラフ表示領域RE1に属する(グラフ座標範囲内の座標を有する)データ点のうち端部となるデータ点(端部データ点)と、グラフ表示領域RE1に属さない(グラフ座標範囲外の座標を有する)データ点のうち該端部データ点に最も近いデータ点(直近データ点)とを特定し、端部データ点に対して直近データ点がどちらの向きに存在するのかを指し示す矢印を表示させるための矢印データD4を生成する。生成された矢印データD4は、表示処理部22に与えられる。表示処理部22は、ステップS2と同様にグラフデータD3に基づくグラフ表示を行うとともに、矢印データD4に基づく矢印表示を行う(ステップS4)。なお、矢印の表示も、グラフと同様に表示色データD2にて指定された表示色にて行われる。
【0055】
上述した図4は、係る場合を例示する図である。図4に示すような矢印表示を行うことで、表示画面Wを視認したユーザは、グラフG2が矢印ARの指し示す方向に続いていることを知ることが出来る。
【0056】
図6は、図4に示す矢印ARがどのようにして表示されるものであるのかを説明するための図である。図6は、図4に示したのと同じグラフG2がグラフ表示領域RE1に含まれないデータ点を含む様子を、グラフG2が仮想的にグラフ表示領域REの外にまで続いていくものとして、グラフ表示領域RE1外の部分を破線にて示した図である。言うまでもなく、波線部分はあくまで説明の都合上示されるものであって、実際の表示画面Wにおいて表示されるものではない。
【0057】
端部データ点と直近データ点とは、グラフ座標範囲の境界(x=xa、x=xb、y=ya、y=yb)のいずれかを挟んで隣り合うデータ点のうち、グラフ座標範囲に属するデータ点が端部データ点であり、グラフ座標範囲に属さないデータ点が直近データ点であると特定される。図6に示す場合であれば、例えばx軸方向上端側においてはx1<xb<x2であるので、点P1(x1、y1)が一方の端部データ点となり、点P2(x2、y2)が、点P1に対応する直近データ点となる。
【0058】
このようにして端部データ点と直近データ点とが特定されると、表示画面W上で矢印表示領域RE2に属し、かつ、両者の間を仮想的に結ぶ直線上の任意の点(例えば両者の中点)が、矢印ARの表示位置として定められる。
【0059】
また矢印ARの向きは、表示画面W上における端部データ点と直近データ点との実際の表示位置を結ぶ直線の傾きから定められる。図6に示す場合であれば、x座標、y座標それぞれについての単位目盛あたりの実際の(表示画面上での)距離がu/Δx、v/Δyであるので、表示画面W上で点P1と点P2とを結ぶ直線の傾きαは、
【0060】
【数1】

【0061】
となる。x軸正方向を基準に反時計回りにとった角度θで矢印ARの向きを表すとすると、角度θは、傾きαを用いて、
【0062】
【数2】

【0063】
と表される。
【0064】
矢印表示決定部23は、全ての矢印ARについてこのようにしてその配置位置と向きを表す角度θの値とを算出する。そして、矢印の配置位置と、角度θと、矢印が指し示す直近データ点とを記述した矢印データD4を生成して、これを表示処理部22に与えることになる。
【0065】
図7は、ステップS4に該当する処理が行われた別のグラフG3を示す図である。係るグラフG3の場合は、x軸の両端部に矢印ARが表示されるのに加えて、点P3と点P4との間、および点P4と点P5の間にグラフ座標範囲の境界y=yaが存在するので、端部データ点である点P3、点P5に対して点P4が直近データ点となり、y軸の下端部にも矢印AR2およびAR3が表示されている。
【0066】
図8は、ステップS4に該当する処理が行われたさらに別のグラフG4を示す図である。係るグラフG4の場合は、グラフ表示領域RE1において点P6(x6、y6)でグラフが断続しており、点P6の次にx座標が大きな値のデータ点は、グラフ表示領域RE1外の点P7(x7、y7)となっている。しかしながら、この場合も、両者の間を仮想的に結ぶ直線上の任意の点が、矢印AR4の表示位置として定められる。そして、式1において(x1、y1)、(x2,y2)の代わりに(x6、y6)、(x7、y7)を代入し、さらに式2を用いることで、矢印AR4の向きを表す角度θが求められる。
【0067】
図8に示すグラフG4のように、グラフ表示領域RE1にグラフの端点が存在する場合、従来のグラフ表示装置ではスクロールバーなどでグラフ表示領域を変更しなければ、グラフが当該端点がグラフ全体の端点であるのか、あるいはx軸正方向にさらにデータ点が存在するか否かがわからなかったが、本実施の形態に係るグラフ表示装置1の場合は、矢印AR4を示すことで、グラフG4はこの端点で断続しているだけであり、さらにデータ点を有しているものであることを、ユーザに明確に認識させることができる。
【0068】
図5に戻り、座標範囲データD1にて設定されたグラフ座標範囲の中に、グラフデータD3のデータ点が存在しないと判定される場合(ステップS1でNO)、つまり、グラフ表示領域RE1にグラフが表示されない場合、矢印表示決定部23は、座標範囲データD1にて設定されている横軸範囲内に(縦軸方向についてはデータ点がグラフ座標範囲内にあるかどうか関係なく)、グラフデータD3のデータ点が存在するか否かを判定する(ステップS5)。
【0069】
横軸範囲内にデータ点が存在すると判定される場合(ステップS5でYES)、矢印表示決定部23は、グラフ表示領域RE1よりも上側の矢印表示領域RE2あるいはグラフ表示領域RE1よりも下側の矢印表示領域RE2のうちグラフが存在する側の領域(以下、矢印存在側領域RE2eと称する)であって、x軸方向におけるグラフ表示範囲の中点の位置に、グラフが存在する側(上下方向)を向いた矢印を表示させるように記述した矢印データD4を生成する。表示処理部22は、この矢印データD4に基づいて、矢印を表示させる(ステップS6)。
【0070】
具体的には、y座標(縦軸)の値がグラフ座標範囲の下限よりも小さいか、あるいはグラフ座標範囲の上限よりも大きい領域に非表示状態のグラフが存在することになるので、矢印表示決定部23は、これに対応して、矢印存在側領域RE2eのx軸方向におけるグラフ表示範囲の中点の位置に、グラフが存在する側を向いた矢印を表示させる(θ=90°または270°)ように、矢印データD4が記述される。なお、この場合は、矢印が指し示す特定の直近データ点は存在しないので、矢印データD4には該当データがない旨が記述される。
【0071】
図9は、係る場合を例示する図である。図9に示す場合においては、グラフ座標範囲(xa≦x≦xb、ya≦y≦yb)にはグラフは表示されていないが、y座標の下限よりも小さいy<yaの範囲に非表示状態のグラフG5を構成するデータ点が存在する。その結果として、図9に示す場合においては、グラフ表示領域RE1よりも下側の矢印存在側領域RE2eであって、x軸方向のグラフ表示範囲の中点x=(xa+xb)/2の位置に、下向きの矢印AR5が表示される。
【0072】
図10は、ステップS6に相当する処理が行われた別の場合を例示する図である。図10に示す場合においては、y座標の下限よりも小さいy<yaの範囲に非表示状態であってかつ断続するグラフG6を構成するデータ点が存在する。この場合も、グラフ表示領域RE1よりも下側の矢印存在側領域RE2eであって、x軸方向のグラフ表示範囲の中点x=(xa+xb)/2の位置に、下向きの矢印AR6が表示される。すなわち、横軸範囲内でグラフが連続しているか否かは、ステップS6の処理においては問題ではないことになる。
【0073】
再び図5に戻り、グラフ表示領域RE1にグラフが表示されず、かつ座標範囲データD1にて設定されている横軸範囲内にデータ点が存在しないと判定される場合(ステップS5でNO)、つまりは、座標範囲データD1にて設定されたx軸の座標範囲(xa≦x≦xb)の中にデータ点が存在しない場合、矢印表示決定部23は、±x方向において、グラフ表示領域RE1の境界x=xaおよびx=xbからみて直近のデータ点を指し示す矢印を表示させるように記述した矢印データD4を生成する。表示処理部22は、この矢印データD4に基づいて、矢印を表示させる(ステップS7)。
【0074】
図11は、係る場合を例示する図である。図11に示す場合においては、グラフG7の端点である点P8(x8、y8)が、境界x=xaからみて直近のデータ点として存在する。矢印表示決定部23は、この場合、矢印表示領域RE2であって、グラフ表示領域RE1の中心点Q(q1、q2)と点P8とをの間を仮想的に結ぶ直線上の任意の点が、矢印AR7の表示位置として定められる。そして、式1において(x1、y1)、(x2,y2)の代わりに(x8、y8)、(q1、q2)を代入し、さらに式2を用いることで、矢印AR7の向きを表す角度θが求められる。
【0075】
図12は、複数のグラフデータが表示対象として選択された場合の表示画面Wを示す図である。係る場合、各グラフG8a、G8b、およびG8cの表示に際してはそれぞれに上述のような判定が行われて、グラフ表示および矢印表示が行われる。なお、図12において図示の都合上各グラフはいずれもモノクロで表示されているが、実際には、ユーザによるグラフ表示指示C1の一環として、それぞれのグラフに対しあらかじめ相異なる表示色が設定され、表示色データD2に記述されており、表示処理部22は係る表示色データD2に基づいて、それぞれのグラフおよび対応する矢印を色別に表示する。
【0076】
<表示範囲更新の詳細>
次に、表示画面Wにおいて表示された矢印が選択入力された場合の処理について、より詳細に説明する。図13は、係る処理の流れを示す図である。以降の説明においては、マウス11aによるクリックによって、更新処理部24に対して矢印選択指示C2が与えられたものとして説明する。
【0077】
係るクリックがなされると、まず、更新処理部24が、クリックされた矢印が指し示すデータ点が存在するか否かを確認する(ステップS11)。具体的には矢印選択指示C2として与えられた、クリックされた矢印の位置情報と、表示処理部22から与えられた、その時点におけるグラフ表示に対応する矢印データD4とを照合することにより、該当するデータ点の存否を判定する。具体的には、ある位置の矢印がクリックされると、当該位置に対応する矢印が矢印データD4に基づいて特定されてその角度θが参照され、その値が90°および270°以外であればクリックした矢印が指し示すデータ点があると判定される(ステップS11でYES)。一方、角度θが90°あるいは270°であれば、矢印が指し示すデータ点がないと判断される(ステップS11でNO)。
【0078】
このような基準で判定が可能な理由は、矢印が指し示すデータ点が存在する場合というのは、ステップS4およびステップS7における処理の結果として矢印が表示されている場合であるので、式1、式2に基づく演算によって特定の直近データ点を向くように、矢印の傾き(姿勢)が決定されている一方、矢印が指し示す直近データ点が存在しない場合というのは、ステップS6における処理の結果として矢印が表示されている場合であり、この場合、矢印が単に上下方向を向くようにしているだけであって、特定のデータ点を指し示すように表示をさせていないからである。
【0079】
該当するデータ点が存在する場合(ステップS11でYES)、そのデータ点の座標位置がグラフ表示領域における中心位置となるように、表示画面Wにおける表示内容が更新される(ステップS12)。具体的には、更新処理部24が、クリックされた矢印が指し示すデータ点の座標を矢印データD4から取得し、係る座標値と、座標範囲データD1から特定されるその時点における横軸の長さΔxと縦軸の長さΔyの値とから、新たなグラフ座標範囲を与える境界の座標を算出し、これを記述した範囲更新データD5を生成する。グラフ表示設定部21がこの範囲更新データD5を取得して、これを新たな座標範囲データD1として表示処理部22および矢印表示決定部23に与えると、ステップS1〜ステップS7の処理が新たに行われて、新たなグラフ座標範囲に基づいてグラフ表示および矢印表示が行われることになる。
【0080】
図14は、図4(および図6)に示された矢印AR1がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1aにグラフG2が表示された状態を示す図である。この場合、直近データ点であるP2(x2、y2)が新たにグラフ表示範囲の中心となることから、範囲更新データD5には、x2−Δx/2≦x≦xb=x2+Δx/2、ya=y2−Δy/2≦y≦yb=y2+Δy/2というグラフ座標範囲が記述される。ステップS1〜ステップS7の処理を経ることで、図14に示す、新たなグラフ座標範囲に基づいたグラフ表示が行われることになる。
【0081】
すなわち、本実施の形態においては、スクロールバーの操作を試行錯誤するようなことをせずとも、グラフがどのように表示範囲外に続いていくのかを表す矢印をクリック等で選択しさえすれば、その矢印が指し示す直近のデータ点が新たに表示範囲の中心となるようにグラフを更新することができる。すなわち、表示範囲外に存在するデータ点の追跡が容易に行えるようになる。
【0082】
また、図15は、図8に示された矢印AR4がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1bにグラフG4が表示された状態を示す図である。図8に示すグラフ表示領域RE1においては、グラフG4は点P6と点P7との間で断続しているが、矢印AR4は点P7を指し示しているので、これがクリックされた場合には、やはりステップS12の処理が実行されて、図15に示すように、点P7がグラフ表示領域の中心に位置するように、グラフ表示が更新される。
【0083】
さらに、図16は、図11に示された矢印AR7がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1cにグラフG7が表示された状態を示す図である。図11に示すグラフ表示領域RE1においては、グラフG7は全く表示されてはいないが、矢印AR7は点P8を指し示しているので、これがクリックされた場合にもステップS12の処理が実行されて、図16に示すように、点P8がグラフ表示領域の中心に位置するように、グラフ表示が更新される。
【0084】
一方、上述したように、ある位置の矢印がクリックされた場合に、当該矢印の向きを示す角度θが90°あるいは270°であれば、当該矢印が指し示すデータ点がないと判断される(ステップS11でNO)。この場合、矢印は上下いずれかの方向を指しているが、その方向の横軸範囲内においてグラフが連続しているか否かが判定される(ステップS13)。
【0085】
連続していると判定される場合(ステップS13でYES)、グラフ表示領域RE1の横軸の垂直二等分線とグラフとの交点が中心となるように、表示画面Wにおける表示が更新される(ステップS14)。具体的には、更新処理部24が、クリックされた時点におけるx軸についてのグラフ座標範囲xa≦x≦xbの中点x=(xa+xb)/2におけるグラフ上の点を特定し、この点を中心とする新たなグラフ座標範囲を与える境界の座標を算出し、これを記述した範囲更新データD5を生成する。グラフ表示設定部21がこの範囲更新データD5を取得して、これを新たな座標範囲データD1として表示処理部22および矢印表示決定部23に与えると、ステップS1〜ステップS7の処理が新たに行われて、新たなグラフ座標範囲に基づいてグラフ表示および矢印表示が行われることになる。
【0086】
図17は、図9に示された矢印AR5がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1dにグラフG5が表示された状態を示す図である。図9に示すグラフ表示領域RE1においては、グラフG5がグラフ表示範囲よりも下方に位置しており、矢印AR5が該グラフを指し示しているので、これがクリックされた場合、更新処理部24はまず、x軸についてのグラフ座標範囲xa≦x≦xbの中点(xa+xb)/2におけるグラフ上の点Pm1((xa+xb)/2、ym1)を求める。そして、この点を中心となるように新たなグラフ座標範囲が定められて、図17に示すように、点Pm1がグラフ表示領域の中心に位置するようにグラフ表示が更新される。
【0087】
一方、矢印は上下いずれかの方向を指しているが、その方向の横軸範囲内においてグラフが連続していないと判定される場合(ステップS13でNO)、断続しているグラフを仮想的に連続させたうえで、ステップS14と同様に、グラフ表示領域RE1の横軸の垂直二等分線とグラフとの交点が中心となるように、表示画面Wにおける表示が更新される(ステップS15)。
【0088】
図18は、図10に示された矢印AR6がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1eにグラフG6が表示された状態を示す図である。図10に示すグラフ表示領域RE1においては、グラフG6がグラフ表示範囲よりも下方に位置しており、矢印AR6が該グラフG6を指し示しているが、グラフG6はx軸方向についてのグラフ座標範囲xa≦x≦xbのなかで点Pαと点Pβの間で断続しているので、矢印AR6がクリックされた場合、更新処理部24はまず、点Pαと点Pβとの間を結ぶ直線を特定する。その後は、ステップS14と同様に、x軸についてのグラフ座標範囲xa≦x≦xbの中点(xa+xb)/2におけるグラフ上の点Pm2((xa+xb)/2、ym2)を求める。そして、この点を中心となるように新たなグラフ座標範囲が定められて、図18に示すように、点Pm2がグラフ表示領域の中心に位置するようにグラフ表示が更新される。
【0089】
以上、説明したように、本実施の形態においては、グラフが表示範囲外に存在する場合に、その存在方向を指し示す矢印表示を合わせて行うことで、表示画面Wを視認したユーザは、グラフが矢印の指し示す方向に存在することを知ることが出来る。しかも、スクロールバーの操作を試行錯誤するようなことをせずとも、いずれかの矢印をクリック等で選択しさえすれば、その矢印が指し示す直近のデータ点が新たに表示範囲の中心となるようにグラフを更新することができる。すなわち、表示範囲外に存在するデータ点の追跡が容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本実施の形態に係るグラフ表示装置1を含むデータ処理システム100の構成を概略的に示す図である。
【図2】グラフ表示装置1において実現される機能的構成について示す図である。
【図3】グラフ表示領域RE1の中に所定のグラフ座標範囲でグラフG1が表示される場合を例示する図である。
【図4】グラフG2がグラフ表示領域RE1の外にも連続する場合に矢印ARが表示される態様を例示する図である。
【図5】グラフ表示および矢印表示に係る処理の流れを示す図である。
【図6】図4に示す矢印ARがどのようにして表示されるものであるのかを説明するための図である。
【図7】図5のステップS4に該当する処理が行われた別のグラフG3を示す図である。
【図8】図5のステップS4に該当する処理が行われたさらに別のグラフG4を示す図である。
【図9】グラフ座標範囲にはグラフは表示されていないが、y座標の下限よりも小さい範囲にグラフG5を構成するデータ点が存在する場合を例示する図である。
【図10】図5のステップS6に相当する処理が行われた別の場合を例示する図である。
【図11】グラフ表示領域RE1にグラフが表示されず、かつ座標範囲データD1にて設定されている横軸範囲内にデータ点が存在しないと判定される場合を例示する図である。
【図12】複数のグラフデータが表示対象として選択された場合の表示画面Wを示す図である。
【図13】表示画面Wにおいて表示された矢印が選択入力された場合の処理の流れを示す図である。
【図14】図4に示された矢印AR1がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1aにグラフG2が表示された状態を示す図である。
【図15】図8に示された矢印AR4がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1bにグラフG4が表示された状態を示す図である。
【図16】図11に示された矢印AR7がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1cにグラフG7が表示された状態を示す図である。
【図17】図9に示された矢印AR5がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1dにグラフG5が表示された状態を示す図である。
【図18】図10に示された矢印AR6がクリックされたことによりグラフ表示範囲が更新されて、グラフ表示領域RE1eにグラフG6が表示された状態を示す図である。
【図19】従来の一般的なグラフ表示装置において表示されるグラフ表示ウィンドウW0を例示する図である。
【符号の説明】
【0091】
1 グラフ表示装置
2 データベース
3 データ生成装置
4 データ取得手段
11 操作部
11a マウス
11b キーボード
12 表示部
13 記憶部
13p プログラム
14 インターフェース部
15 リード/ライト部
16 制御部
16a CPU
16b ROM
16c RAM
21 グラフ表示設定部
22 表示処理部
23 矢印表示決定部
24 更新処理部
100 データ処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デバイスを通じて与えられる設定条件に従って表示画面上にグラフを表示させるグラフ表示装置であって、
前記表示画面を表示させる表示手段と、
グラフデータを格納する格納手段からグラフデータを取得する取得手段と、
前記表示画面にグラフを表示する際の第1のグラフ座標範囲を設定する座標範囲設定手段と、
前記第1のグラフ座標範囲がグラフ表示領域となるように前記表示画面に前記グラフデータで定まるグラフを表示させるグラフ表示処理手段と、
前記グラフデータと前記第1のグラフ座標範囲とに基づいて前記第1のグラフ座標範囲に表示されない前記グラフのデータ点の有無を判定し、表示されないデータ点が存在する場合には前記第1のグラフ座標範囲の外において前記グラフが存在する方向を示すグラフ存在指標を表示させるためのグラフ存在指標データを生成するグラフ存在指標データ生成手段と、
を備え、
前記グラフ表示手段は、前記グラフの表示に際して前記グラフ存在指標データに基づく前記グラフ存在指標の表示を行う、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグラフ表示装置であって、
前記グラフ存在指標が前記表示画面上において前記入力デバイスにより選択入力可能に表示されるものであり、
前記表示画面に少なくとも1つの前記グラフ存在指標が表示されている状態で一の前記グラフ存在指標が選択入力された場合に、前記グラフに基づいて定まる当該選択入力された前記グラフ存在指標に対応した座標位置が中心となり、前記第1のグラフ座標範囲に含まれなかった前記グラフのデータ点が含まれるように前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する更新処理手段、
をさらに備え、
前記表示処理手段および前記グラフ存在指標データ生成手段は、前記第2のグラフ座標範囲に基づいて、前記グラフの表示および前記グラフ存在指標の表示のための処理を新たに行う、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載のグラフ表示装置であって、
前記更新処理手段は、選択入力された前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記グラフ座標範囲外の特定のデータ点を指し示す場合に、前記特定のデータ点の座標位置が中心となるように前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のグラフ表示装置であって、
前記更新処理手段は、選択入力された前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記グラフ座標範囲外の上下方向を指し示す場合に、選択入力された前記グラフ存在指標が指し示す方向の前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲内に存在するグラフに基づいて前記中心となる座標位置を定めて、前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、
グラフ存在指標データ生成手段は、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲の内外双方にデータ点を有する場合に、前記グラフ座標範囲内のデータ点のうちの端部データ点と、グラフ座標範囲外のデータ点のうち前記端部データ点に最も近い第1の直近データ点とを特定し、前記端部データ点と前記第1の直近データ点との配置関係に基づいて、前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記第1の直近データ点を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、
グラフ存在指標データ生成手段は、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲内にデータ点を有しない場合であって、前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲内に前記グラフが存在する場合に、前記グラフが存在する上下いずれかの方向を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、
グラフ存在指標データ生成手段は、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲内にデータ点を有しない場合であって、前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲外に前記グラフが存在する場合に、前記グラフのデータ点のうち前記第1のグラフ表示範囲の中心位置に最も近い第2の直近データ点を特定し、前記中心位置と前記第2の直近データ点との配置関係に基づいて、前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記第2の直近データ点を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、
前記グラフ存在指標が、前記表示画面上において前記グラフ表示領域の周囲に設けられたグラフ存在指標表示領域に表示される、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のグラフ表示装置であって、
前記グラフ存在指標の前記表示画面における表示形状が矢印である、
ことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のグラフ表示装置と、
前記格納手段としてのデータベースと、
前記グラフデータとなりうるデータを生成し、前記データベースに蓄積するデータ生成装置と、
を備えることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項11】
入力デバイスを通じて与えられる設定条件に従って表示手段の表示画面上にグラフを表示させるグラフ表示方法であって、
グラフデータを格納する格納手段からグラフデータを取得する取得工程と、
前記表示画面にグラフを表示する際の第1のグラフ座標範囲を設定する座標範囲設定工程と、
前記第1のグラフ座標範囲がグラフ表示領域となるように前記表示画面に前記グラフデータで定まるグラフを表示させるグラフ表示処理工程と、
前記グラフデータと前記第1のグラフ座標範囲とに基づいて前記第1のグラフ座標範囲に表示されない前記グラフのデータ点の有無を判定し、表示されないデータ点が存在する場合には前記第1のグラフ座標範囲の外において前記グラフが存在する方向を示すグラフ存在指標を表示させるためのグラフ存在指標データを生成するグラフ存在指標データ生成工程と、
を備え、
前記グラフ表示工程においては、前記グラフの表示に際して前記グラフ存在指標データに基づく前記グラフ存在指標の表示を行う、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項12】
請求項11に記載のグラフ表示方法であって、
前記グラフ存在指標が前記表示画面上において前記入力デバイスにより選択入力可能に表示されるものであり、
前記表示画面に少なくとも1つの前記グラフ存在指標が表示されている状態で一の前記グラフ存在指標が選択入力された場合に、前記グラフに基づいて定まる当該選択入力された前記グラフ存在指標に対応した座標位置が中心となり、前記第1のグラフ座標範囲に含まれなかった前記グラフのデータ点が含まれるように前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する更新処理工程、
をさらに備え、
前記表示処理工程および前記グラフ存在指標データ生成工程においては、前記第2のグラフ座標範囲に基づいて、前記グラフの表示および前記グラフ存在指標の表示のための処理を新たに行う、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項13】
請求項12に記載のグラフ表示方法であって、
前記更新処理工程においては、選択入力された前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記グラフ座標範囲外の特定のデータ点を指し示す場合に、前記特定のデータ点の座標位置が中心となるように前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載のグラフ表示方法であって、
前記更新処理工程においては、選択入力された前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記グラフ座標範囲外の上下方向を指し示す場合に、選択入力された前記グラフ存在指標が指し示す方向の前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲内に存在するグラフに基づいて前記中心となる座標位置を定めて、前記第1のグラフ座標範囲を第2のグラフ座標範囲に更新する、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項15】
請求項11ないし請求項14のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、
グラフ存在指標データ生成工程においては、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲の内外双方にデータ点を有する場合に、前記グラフ座標範囲内のデータ点のうちの端部データ点と、グラフ座標範囲外のデータ点のうち前記端部データ点に最も近い第1の直近データ点とを特定し、前記端部データ点と前記第1の直近データ点との配置関係に基づいて、前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記第1の直近データ点を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項16】
請求項11ないし請求項15のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、
グラフ存在指標データ生成工程においては、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲内にデータ点を有しない場合であって、前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲内に前記グラフが存在する場合に、前記グラフが存在する上下いずれかの方向を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項17】
請求項11ないし請求項16のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、
グラフ存在指標データ生成においては、前記グラフデータで表されるグラフが前記第1のグラフ座標範囲内にデータ点を有しない場合であって、前記第1のグラフ表示範囲が規定する横軸範囲外に前記グラフが存在する場合に、前記グラフのデータ点のうち前記第1のグラフ表示範囲の中心位置に最も近い第2の直近データ点を特定し、前記中心位置と前記第2の直近データ点との配置関係に基づいて、前記グラフ存在指標が前記グラフが存在する方向として前記第2の直近データ点を指し示すように前記グラフ存在指標データを生成する、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項18】
請求項11ないし請求項17のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、
前記グラフ存在指標を、前記表示画面上において前記グラフ表示領域の周囲に設けられたグラフ存在指標表示領域に表示させる、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項19】
請求項11ないし請求項18のいずれかに記載のグラフ表示方法であって、
前記グラフ存在指標の前記表示画面における表示形状が矢印である、
ことを特徴とするグラフ表示方法。
【請求項20】
コンピュータで実行されることにより、前記コンピュータを請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のグラフ表示装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−175950(P2009−175950A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12714(P2008−12714)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】