説明

グラフ表示装置及びプログラム

【課題】グラフの表示対象範囲を表示させつつ、見た目の煩雑化を防止するとともに、目盛間隔が変更されるのを防止する
【解決手段】関数電卓1は、表示部15と、ユーザ操作に基づいてグラフ式を入力するとともに座標系の表示対象範囲と、当該座標系における座標軸の目盛間隔とを設定するキー入力部14と、設定された表示対象範囲内の座標軸を表示部15に表示させるとともに、当該座標軸に対し、設定された目盛間隔で目盛と、目盛値とを表示させるCPU11とを備える。CPU11は、設定された座標系の表示範囲内でグラフ式のグラフを表示させるとともに、座標軸に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフ表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関数式のグラフ表示を行うグラフ表示装置においては、ユーザが座標軸の目盛間隔を設定すると、各目盛位置に数値(目盛値)が表示されるようになっている。
【0003】
そのため、例えばユーザがXの値「100」,「200」,…に対応するYの値をグラフから調べる目的で、X軸の目盛間隔を「100」に設定すると、X軸の「100」,「200」,…の位置に目盛と、当該目盛位置での目盛値とが表示される。
【0004】
ところで、グラフの概観を確認するために表示内容を縮小した場合(XYの表示範囲Xmin,Xmax,Ymin,Ymaxを広げてズームアウトした場合)には、表示画面内に多くの目盛が表示されることとなるため、単純に各目盛の目盛値をそれぞれ小さく表示しても、見た目が煩雑になってしまう。また、このような問題は、もともと目盛間隔を小さく設定していた場合にも、同様に生じてしまう。
【0005】
そのため、近年のグラフ表示装置においては、表示内容を縮小した場合等に、目盛を自動的に間引き、残った目盛位置に目盛値を表示させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−65080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、目盛が自動的に間引きされると、ユーザ設定した目盛間隔が変わって表示が紛らわしくなり、誤解を招いてしまう。また、目盛値の表示の煩雑化を防止する観点からは、目盛値を表示させないことも考えられるが、この場合にはグラフの表示対象範囲が分かり難くなってしまう。
【0008】
本発明の課題は、グラフの表示対象範囲を表示させつつ、見た目の煩雑化を防止するとともに、目盛間隔が変更されるのを防止することのできるグラフ表示装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、グラフ表示装置において、
表示手段と、
ユーザ操作に基づいてグラフ式を入力するグラフ式入力手段と、
ユーザ操作に基づいて座標系の表示範囲と、当該座標系における座標軸の目盛間隔とを設定する座標系設定手段と、
前記座標系設定手段により設定された表示範囲内の座標系の座標軸を前記表示手段に表示させるとともに、当該座標軸に対し、前記座標系設定手段により設定された目盛間隔で目盛と、目盛値とを表示させる座標系表示制御手段と、
前記設定された座標系の表示範囲内で前記グラフ式のグラフを前記表示手段に表示させるグラフ表示制御手段と、
を備え、
前記座標系表示制御手段は、
座標軸に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させる目盛値表示制御手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のグラフ表示装置において、
前記座標系設定手段は、
ユーザ操作に基づいて座標系における座標軸毎に目盛間隔を設定し、
前記座標系表示制御手段は、
座標系における座標軸毎に、前記座標系設定手段により設定された目盛間隔で目盛と、目盛値とを表示させ、
前記目盛値表示制御手段は、
座標軸毎に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、何れかの座標軸で目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のグラフ表示装置において、
ユーザによる拡大操作または縮小操作に応じて前記座標系設定手段により設定された座標系の表示範囲を変更する表示範囲拡大縮小手段を備え、
前記目盛値表示制御手段は、
前記表示範囲拡大縮小手段により座標系の表示範囲が変更された場合に、座標軸に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、
目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させ、
目盛値が重ならない場合には、当該座標軸に表示される各目盛について目盛値を表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のグラフ表示装置において、
前記座標系設定手段は、
各座標軸の座標軸名と、原点位置を示す原点記号とを表示させるか否かをユーザ操作に基づいて設定する軸名表示設定手段を有し、
前記座標系表示制御手段は、
前記軸名表示設定手段により座標軸名と、原点記号とを表示させない旨の設定がされた場合には、これら座標軸名及び原点記号を前記表示手段に表示させず、
前記軸名表示設定手段により座標軸名と、原点記号とを表示させる旨の設定がされた場合には、これら座標軸名及び原点記号とを前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のグラフ表示装置において、
前記座標系設定手段は、
座標系にグリッドを表示させるか否かをユーザ操作に基づいて設定するグリッド表示設定手段を有し、
前記座標系表示制御手段は、
前記グリッド表示設定手段によりグリッドを表示させない旨の設定がされた場合には、グリッドを前記表示手段に表示させず、
前記グリッド表示設定手段によりグリッドを表示させる旨の設定がされた場合には、グリッドを前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載のグラフ表示装置において、
少なくとも1つの画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段における何れかの画像データを、ユーザ操作に基づいて選択画像データとして選択する画像データ選択手段と、
前記選択画像データの画像を座標系の背景として前記表示手段に表示させる画像データ表示制御手段と、
を備え、
前記画像データには、
当該画像データの画像に重ねて表示されるべき座標系の表示範囲と、座標軸の目盛間隔と、を示す付加データが付加されており、
前記座標系設定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記付加データに従って表示範囲及び目盛間隔を設定することを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、プログラムにおいて、
表示手段を有するコンピュータに、
ユーザ操作に基づいてグラフ式を入力するグラフ式入力機能と、
ユーザ操作に基づいて座標系の表示範囲と、当該座標系における座標軸の目盛間隔とを設定する座標系設定機能と、
前記座標系設定機能により設定された表示範囲内の座標系の座標軸を前記表示手段に表示させるとともに、当該座標軸に対し、前記座標系設定機能により設定された目盛間隔で目盛と、目盛値とを表示させる座標系表示制御機能と、
前記設定された座標系の表示範囲内で前記グラフ式のグラフを前記表示手段に表示させるグラフ表示制御機能と、
を備え、
前記座標系表示制御機能は、
座標軸に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させる目盛値表示制御機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザ操作に基づいて座標系の表示範囲と、当該座標系における座標軸の目盛間隔とが設定されるとともに、座標軸に表示されるべき目盛値の重なりが検知され、目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値が表示されるので、グラフの表示対象範囲を表示させつつ、見た目の煩雑化を防止するとともに、目盛間隔が変更されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】グラフ関数処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】座標系表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図6】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0019】
[1.1 外観構成]
図1は、本発明に係る電子機器を適用した関数電卓1の概略構成を示す平面図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0020】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、削除キー24、ファンクションキー26等を備えている。
【0021】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の記号や括弧、分数の括線、根号(√)、対数記号、定数(円周率「π」や光速度「c」等)、三角関数記号など、各種演算記号の入力操作を受けるキーである。
【0022】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0023】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後に演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。削除キー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0024】
ファンクションキー26は、所定の処理の実行指示を受ける複数のキーを有しており、本実施の形態においては、「F1」〜「F6」の6つのキー26a〜26fを有している。このうち、「F2」キー26bは、ディスプレイ3における表示レンジを変更する場合に操作されるキーである。また、「F3」キー26cは、ビューウィンドウ情報を設定・確認する場合に操作されるキーである。ここで、ビューウィンドウ情報とは、XY座標系の表示態様を示す情報であり、本実施の形態においては、XY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;すなわちXmin,Xmax,Ymin,Ymax)と、各座標軸の目盛間隔(Xscl,Yscl)と、グラフ表示の際のX軸方向のドット間隔(X dot)となっている。グラフ表示の際は、Xの最小座標値からドット間隔単位で、グラフ式のYの値が計算され、表示範囲内の該当座標の位置にプロットされてグラフ表示される。
【0025】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0026】
[1.2 機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0027】
この図に示すように、関数電卓1は、キー入力部14と、表示部15と、インターフェース16と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0028】
キー入力部14は、上述の入力キー群2を備えており、押下されたキーに対応する操作信号をCPU11に出力するようになっている。
【0029】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。また、この表示部15は、ディスプレイ3と一体的に設けられたタッチパネル30を備えており、表示画面に対する入力ペンの接触位置情報をCPU11に出力するようになっている。
【0030】
インターフェース16は、図示しない外部機器に接続するための接続端子であり、本実施の形態においては、USBケーブルなどを介して外部機器からデータを読み込むことができるようになっている。なお、このインターフェース16は、カード媒体などの記録媒体からデータを読み込むこととしても良い。
【0031】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。例えば、本実施の形態におけるRAM12は、ワークエリアとして数式記憶領域120などを有するようになっている。
【0032】
この数式記憶領域120には、後述のグラフ関数処理(図3参照)において入力されるグラフ式が記憶されるようになっている。
【0033】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしてのグラフ関数プログラム130と、画像ファイル群131とを記憶している。
【0034】
グラフ関数プログラム130は、後述のグラフ関数処理(図3参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0035】
画像ファイル群131は、座標系に重ねて表示可能な画像についての画像ファイル132を複数記憶している。各画像ファイル132は、画像データに付加データが付加されて形成されている。この付加データは、重ねて表示されるべき座標系の表示対象範囲(XY軸の数値幅)と、各座標軸の目盛間隔とを示している。
【0036】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0037】
[1.3 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について説明する。
【0038】
図3は、グラフ関数処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、このグラフ関数処理は、ユーザによりタッチパネル30やキー入力部14を介してグラフ関数処理の実行指示が入力されると、記憶部13からグラフ関数プログラム130が読み出されてRAM12に適宜展開される結果、当該グラフ関数プログラム130とCPU11との協働によって実行される。
【0039】
この図に示すように、グラフ関数処理においては、まずCPU11は、画像ファイル132をディスプレイ3の表示画面内に取り込む旨のユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップS1)、行われたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、画像ファイル群131における何れかの画像ファイル132をユーザに選択させる(ステップS2)。
【0040】
次に、CPU11は、選択された画像ファイル132における付加データ(XY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)及び目盛間隔(Xscl,Yscl)をビューウィンドウ情報に設定して(ステップS3)、画像ファイル132の画像を座標系の背景としてディスプレイ3に表示させた後(ステップS4)、後述のステップS5に移行する。
【0041】
また、上述のステップS1において画像ファイル132を表示画面内に取り込む旨のユーザ操作が行われないと判定した場合(ステップS1;No)には、CPU11は、ユーザにグラフ式を入力させる(ステップS5)。なお、グラフ式の入力は入力キー群2を介して行っても良いし、タッチパネル30を介して行っても良い。
【0042】
次に、ユーザがビューウィンドウ情報におけるXY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)及び目盛間隔(Xscl,Yscl)を変更または確認すると、その内容がCPUによりビューウィンドウ情報に設定され(ステップS6)、XY座標系の表示態様に関するセットアップをユーザに行わせる(ステップS7)。ここで、上述のステップS3で画像ファイル132内の付加データをビューウィンドウ情報に設定した場合には、このステップS6においてCPU11は、当該ビューウィンドウ情報の内容を表示させ、ユーザに確認させるようになっている。また、ステップS7においてユーザは、「Axes」(XY軸)の設定を「on」(座標軸を表示させる),「off」(座標軸を非表示にする),「scale」(目盛位置の目盛値付きで座標軸を表示させる)の何れにするかや、「Label」(XY軸の座標軸名及び原点位置の「0」)の設定を「on」(表示させる),「off」(非表示にする)の何れにするか、「Grid」(グリッド)の設定を「on」(グリッド点を表示),「off」(グリッドを非表示),「line」(グリッド線を表示)の何れにするか、等を設定できるようになっている。
【0043】
次に、CPU11は、座標系表示処理を行う(ステップS8)。
具体的には、図4に示すように、この座標系表示処理においてまずCPU11は、「Axes」(XY軸)の設定が「off」になっているか否かを判定し(ステップT1)、「off」になっていると判定した場合(ステップT1;Yes)には、後述のステップT21に移行する。
【0044】
また、ステップT1において「Axes」(XY軸)の設定が「off」になってないと判定した場合、つまり「on」または「scale」になっていると判定した場合(ステップT1;No)には、CPU11は、設定された数値幅でディスプレイ3の表示領域にXY軸を描画させるとともに、設定された目盛間隔で座標軸上に目盛線を描画させる(ステップT2)。
【0045】
次に、CPU11は、「Axes」(XY軸)の設定が「scale」になっているか否かを判定し(ステップT3)、「scale」になっていないと判定した場合(ステップT3;No)には、後述のステップT21に移行する。
【0046】
また、ステップT3において「Axes」(XY軸)の設定が「scale」になっていると判定した場合(ステップT3;Yes)には、CPU11は、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なるか否かを判定する(ステップT4)。なお、このステップT4の判定には、目盛間隔に加え、目盛値のフォントやポイント、表示桁数が用いられるようになっている。
【0047】
このステップT4においてX軸の目盛位置の各目盛値が互いに重なると判定した場合(ステップT4;Yes)には、CPU11は、X軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値(最大値,最小値)を表示させた後(ステップT5)、後述のステップT9に移行する。なお、本実施の形態においては、このステップT5においてCPU11は、X軸に表示される目盛のうち、ディスプレイ3の表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値を表示させるようになっている。具体的には、後述の図5(d)に示すように、X軸の目盛間隔が「50」であり、ディスプレイ3の表示領域内に「−450〜450」の範囲が表示されている場合には、X軸の両端の目盛値「−450」,「450」が表示領域内に表示しきれないため、表示し得る両端の目盛値「−400」,「400」が表示される。但し、ステップT5においてCPU11は、常に表示領域内の両端の目盛についての目盛値を表示させることとしても良い。
【0048】
また、ステップT4においてX軸の目盛位置の各目盛値が互いに重ならないと判定した場合(ステップT4;No)には、CPU11は、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させる(ステップT6)。なお、本実施の形態においては、このステップT6においてCPU11は、X軸の各目盛位置に表示されるべき目盛値のうち、ディスプレイ3の表示領域内に表示し得る目盛値のみを表示させるようになっているが、常に各目盛についての目盛値を表示させることとしても良い。
【0049】
次に、CPU11は、X軸の目盛位置の目盛値の間隔が所定値以下(例えばドットピッチ以下)であるか否かを判定し(ステップT7)、所定値以下ではないと判定した場合(ステップT7;No)には、後述のステップT9に移行する。
【0050】
また、このステップT7において目盛値の間隔が所定値以下であると判定した場合(ステップT7;Yes)には、CPU11は、目盛位置の目盛値を交互に異なる表示色で表示させる(ステップT8)。これにより、目盛値の間隔が少なく、目盛値同士が繋がって見え得る場合であっても、各目盛値をそれぞれ識別可能とすることができる。なお、上記のステップT7の判定では、ドットピッチに限らず、目盛間隔や目盛値のフォント、ポイント、表示桁数などに基づいて算出される値を前記所定値として用いても良い。
【0051】
次に、CPU11は、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なるか否かを判定する(ステップT9)。
【0052】
このステップT9においてY軸の目盛位置の各目盛値が互いに重なると判定した場合(ステップT9;Yes)には、CPU11は、Y軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値(最大値,最小値)を表示させた後(ステップT10)、後述のステップT21に移行する。なお、本実施の形態においては、このステップT10においてCPU11は、Y軸に表示される目盛のうち、ディスプレイ3の表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値を表示させるようになっているが、常に表示領域内の両端の目盛についての目盛値を表示させることとしても良い。
【0053】
また、ステップT9においてY軸の目盛位置の各目盛値が互いに重ならないと判定した場合(ステップT9;No)には、CPU11は、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させる(ステップT11)。なお、本実施の形態においては、このステップT11においてCPU11は、Y軸の各目盛位置に表示されるべき目盛値のうち、ディスプレイ3の表示領域内に表示し得る目盛値のみを表示させるようになっているが、常に各目盛についての目盛値を表示させることとしても良い。
【0054】
次に、CPU11は、「Label」の設定が「on」になっているか否かを判定し(ステップT21)、「on」になっていないと判定した場合(ステップT21;No)には、後述のステップT23に移行する。
【0055】
また、ステップT21において「Label」の設定が「on」になっていると判定した場合(ステップT21;Yes)には、CPU11は、XY軸の座標軸名と、原点位置の「0」とをディスプレイ3の座標系内に表示させる(ステップT22)。
【0056】
次に、CPU11は、「Grid」の設定が「on」になっているか否かを判定し(ステップT23)、「on」になってないと判定した場合(ステップT23;No)には、座標系表示処理を終了する。
【0057】
また、ステップT23において「Grid」の設定が「on」になっていると判定した場合(ステップT23;Yes)には、CPU11は、表示されるべきグリッドの間隔が所定値以下であるか否かを判定する(ステップT31)。ここで、本実施の形態においては、このステップT31においてCPU11は、グリッドの間隔がX軸方向で25ドット以下であり、かつY軸方向で13ドット以下であるか否かを判定するようになっている。この条件を満たす場合には、グリッドの間隔が狭くなり過ぎ、表示内容が煩雑になってしまう。
【0058】
そして、このステップT31においてグリッドの間隔が所定値以下であると判定した場合(ステップT31;Yes)には、CPU11は、グリッドを表示させずに座標系表示処理を終了する。
【0059】
また、ステップT31においてグリッドの間隔が所定値以下でないと判定した場合(ステップT31;No)には、CPU11は、「Grid」の設定が「line」になっているか否かを判定する(ステップT32)。
【0060】
このステップT32において「Grid」の設定が「line」になっていると判定した場合(ステップT32;Yes)には、CPU11は、グリッド線を表示させた後(ステップT33)、座標系表示処理を終了する。
【0061】
また、ステップT32において「Grid」の設定が「line」になっていないと判定した場合(ステップT32;No)には、CPU11は、グリッド点を表示させた後(ステップT34)、座標系表示処理を終了する。
【0062】
以上の座標系表示処理が終了したら、図3に示すように、次にCPU11は、上述のステップS5で入力されたグラフ式のグラフをXY座標系に表示させた後(ステップS9)、ズームインの操作が行われるか否かを判定する(ステップS11)。
【0063】
このステップS11においてズームインの操作が行われたと判定した場合(ステップS11;Yes)には、CPU11は、ズームインの操作に対応して設定される倍率で表示内容を拡大するようにビューウィンドウ情報のXY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)を変更した後(ステップS12)、上述のステップS8に移行する。
【0064】
また、ステップS11においてズームインの操作が行われないと判定した場合(ステップS11;No)には、CPU11は、ズームアウトの操作が行われるか否かを判定する(ステップS13)。
【0065】
このステップS13においてズームアウトの操作が行われたと判定した場合(ステップS13;Yes)には、CPU11は、ズームアウトの操作に対応して設定される倍率で表示内容を縮小するようにビューウィンドウ情報のXY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)を変更した後(ステップS14)、上述のステップS8に移行する。
【0066】
また、ステップS13においてズームアウトの操作が行われないと判定した場合(ステップS13;No)には、CPU11は、セットアップの操作が行われるか否かを判定する(ステップS15)。
【0067】
このステップS15においてセットアップの操作が行われたと判定した場合(ステップS15;Yes)には、CPU11は、上述のステップS7に移行する。
【0068】
また、ステップS15においてセットアップの操作が行われないと判定した場合(ステップS15;No)には、CPU11は、ビューウィンドウ情報の設定操作が行われるか否かを判定する(ステップS16)。
【0069】
このステップS16においてビューウィンドウ情報の設定操作が行われたと判定した場合(ステップS16;Yes)には、CPU11は、上述のステップS6に移行する。
【0070】
また、ステップS16においてビューウィンドウ情報の設定操作が行われないと判定した場合(ステップS16;No)には、CPU11は、グラフ式の入力操作が行われるか否かを判定し(ステップS17)、行われないと判定した場合(ステップS17;No)には、他の処理へ移行する一方、行われたと判定した場合(ステップS17;Yes)には、上述のステップS5に移行する。
【0071】
[1.4 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1の動作を具体的に説明する。
【0072】
(動作例1)
まず、図5(a)に示すように、ユーザが画像ファイル132を表示画面内に取り込む旨の操作を行わずに(ステップS1;No)、グラフ式「Y=1/2X」を入力し(ステップS5)、X座標の数値幅を「−450〜450」、目盛間隔を「100」、Y座標の数値幅を「−500〜500」、目盛間隔を「100」としてビューウィンドウ情報を設定した後(ステップS6)、「Axes」の設定を「scale」、「Label」の設定を「on」、「Grid」の設定を「off」としてXY座標系のセットアップを行う(ステップS7)。
【0073】
これにより、図5(b)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、設定された数値幅「X軸:−450〜450」,「Y軸:−500〜500」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:100」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT4;No)、X軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT6)。また、X軸の目盛位置の目盛値の間隔が所定値以下ではないと判定されるとともに(ステップT7;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT9;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT11)。そして、「Label」の設定が「on」になっていると判定され(ステップT21;Yes)、XY軸の座標軸名と、原点位置の「0」とが座標系内に表示された後(ステップT22)、グラフ式「Y=1/2X」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。
【0074】
次に、ユーザがビューウィンドウ情報の設定操作を行った後(ステップS16;Yes)、図5(c)に示すように、X座標の数値幅を「−450〜450」、目盛間隔を「50」、Y座標の数値幅を「−500〜500」、目盛間隔を「50」としてビューウィンドウ情報を再設定して(ステップS6)、上記と同様にXY座標系のセットアップを行うと(ステップS7)、図5(d)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、設定された数値幅「X軸:−450〜450」,「Y軸:−500〜500」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:50」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なると判定され(ステップT4;Yes)、X軸に表示される目盛のうち、表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値(最大値「400」,最小値「−400」)が表示される(ステップT5)。また、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なると判定され(ステップT9;Yes)、Y軸に表示される目盛のうち、表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値(最大値「450」,最小値「−450」)が表示される(ステップT10)。そして、「Label」の設定が「on」になっていると判定され(ステップT21;Yes)、XY軸の座標軸名と、原点位置の「0」とが座標系内に表示された後(ステップT22)、グラフ式「Y=1/2X」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。
【0075】
また、上述の図5(b)の内容が表示されている状態から、図6(a)に示すように、ユーザがX座標の数値幅を「−300〜300」、目盛間隔を「100」、Y座標の数値幅を「−300〜300」、目盛間隔を「100」としてビューウィンドウ情報を再設定して(ステップS6)、上記と同様にXY座標系のセットアップを行うと(ステップS7)、図6(b)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、設定された数値幅「XY軸:−300〜300」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:100」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT4;No)、X軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT6)。また、X軸の目盛位置の目盛値の間隔が所定値以下ではないと判定されるとともに(ステップT7;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT9;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT11)。そして、「Label」の設定が「on」になっていると判定され(ステップT21;Yes)、XY軸の座標軸名と、原点位置の「0」とが座標系内に表示された後(ステップT22)、グラフ式「Y=1/2X」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。
【0076】
次に、ユーザがズームアウトの操作を行うと(ステップS13;Yes)、ズームアウトの操作に対応して設定される倍率(ここでは1/2倍)で表示内容を縮小するようにビューウィンドウ情報におけるXY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)が変更された後(ステップS14)、図6(c)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、ズームアウト操作で設定された数値幅「XY軸:−600〜600」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:100」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なると判定され(ステップT4;Yes)、X軸に表示される目盛のうち、表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値(最大値「500」,最小値「−500」)が表示される(ステップT5)。また、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT9;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT11)。そして、「Label」の設定が「on」になっていると判定され(ステップT21;Yes)、XY軸の座標軸名と、原点位置の「0」とが座標系内に表示された後(ステップT22)、グラフ式「Y=1/2X」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。なお、このときのビューウィンドウ情報は、図6(d)のようになっている。
【0077】
次に、上記と同様にしてユーザがズームアウトの操作を行うと(ステップS13;Yes)、ズームアウトの操作に対応して設定される倍率(ここでは1/2倍)で表示内容を縮小するようにビューウィンドウ情報におけるXY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)が変更された後(ステップS14)、図6(e)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、ズームアウト操作で設定された数値幅「XY軸:−1200〜1200」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:100」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なると判定され(ステップT4;Yes)、X軸に表示される目盛のうち、表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値(最大値「1100」,最小値「−1100」)が表示される(ステップT5)。また、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なると判定され(ステップT9;Yes)、Y軸に表示される目盛のうち、表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値(最大値「1200」,最小値「−1200」)が表示される(ステップT10)。そして、「Label」の設定が「on」になっていると判定され(ステップT21;Yes)、XY軸の座標軸名と、原点位置の「0」とが座標系内に表示された後(ステップT22)、グラフ式「Y=1/2X」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。
【0078】
(動作例2)
まず、図7(a)に示すように、ユーザが画像ファイル132をディスプレイ3の表示画面内に取り込む旨の操作を行い(ステップS1;Yes)、画像ファイル群131におけるファイル名「FOUNTAIN.g3p」の画像ファイル132を選択する(ステップS2)。
【0079】
次に、図7(b)に示すように、選択された画像ファイル132における付加データ(XY軸の数値幅及び目盛間隔)がビューウィンドウ情報に設定されて(ステップS3)、画像ファイル132の画像(ここでは噴水を横から撮影した画像)が座標系の背景としてディスプレイ3に表示される(ステップS4)。なお、この画像ファイル132における付加データでは、図7(c)に示すように、X座標の数値幅が「−18.9〜18.9」、目盛間隔が「1」、Y座標の数値幅が「−9.3〜9.3」、目盛間隔が「1」となっている。
【0080】
次に、図7(d),図8(a)に示すように、ユーザがグラフ式「Y=−0.4(X−6)+6」を入力し(ステップS5)、「Axes」の設定を「scale」、「Label」の設定を「on」、「Grid」の設定を「line」としてXY座標系のセットアップを行う(ステップS7)。
【0081】
これにより、図8(b)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、設定された数値幅「X軸:−18.9〜18.9」,「Y軸:−9.3〜9.3」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:1」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なると判定され(ステップT4;Yes)、X軸に表示される目盛のうち、表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値(最大値「18」,最小値「−18」)が表示される(ステップT5)。また、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重なると判定され(ステップT9;Yes)、Y軸に表示される目盛のうち、表示領域内に目盛値を表示し得る両端の目盛についてのみ、目盛値(最大値「9」,最小値「−9」)が表示される(ステップT10)。そして、「Label」の設定が「on」になっていると判定され(ステップT21;Yes)、XY軸の座標軸名と、原点位置の「0」とが座標系内に表示された後(ステップT22)、「Grid」の設定が「on」になっており(ステップT23;Yes)、表示されるべきグリッドの間隔が所定値以下(グリッドの間隔がX軸方向で25ドット以下、かつY軸方向で13ドット以下)であると判定され(ステップT31;Yes)、グリッドが表示されずに、グラフ式「Y=−0.4(X−6)+6」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。
【0082】
次に、ユーザがズームインの操作を行うと(ステップS11;Yes)、ズームインの操作に対応して設定される倍率(ここでは2倍)で表示内容を拡大するようにビューウィンドウ情報におけるXY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)が変更された後(ステップS12)、図8(c)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、ズームイン操作で設定された数値幅「X軸:−9.45〜9.45」,「Y軸:−4.65〜4.65」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:1」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT4;No)、X軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT6)。また、X軸の目盛位置の目盛値の間隔が所定値以下ではないと判定されるとともに(ステップT7;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT9;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT11)。そして、「Label」の設定が「on」になっていると判定され(ステップT21;Yes)、XY軸の座標軸名と、原点位置の「0」とが座標系内に表示された後(ステップT22)、「Grid」の設定が「on」になっており(ステップT23;Yes)、グリッドの間隔が所定値以下ではなく(ステップT31;No)、「Grid」の設定が「line」になっていると判定され(ステップT32;Yes)、グリッド線が表示された後(ステップT33)、グラフ式「Y=−0.4(X−6)+6」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。
【0083】
(動作例3)
まず、ユーザが画像ファイル132を表示画面内に取り込む旨の操作を行わずに(ステップS1;No)、グラフ式「Y=1/2X」を入力し(ステップS5)、X座標の数値幅を「−0.3〜0.3」、目盛間隔を「0.1」、Y座標の数値幅を「−0.2〜0.2」、目盛間隔を「0.1」としてビューウィンドウ情報を設定した後(ステップS6)、「Axes」の設定を「scale」、「Label」の設定を「off」、「Grid」の設定を「off」としてXY座標系のセットアップを行うと(ステップS7)、図9(a)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、設定された数値幅「X軸:−0.3〜0.3」,「Y軸:−0.2〜0.2」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:0.1」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT4;No)、X軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT6)。また、X軸の目盛位置の目盛値の間隔が所定値以下ではないと判定されるとともに(ステップT7;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT9;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値が表示された後(ステップT11)、グラフ式「Y=1/2X」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。
【0084】
次に、ユーザがズームアウトの操作を行うと(ステップS13;Yes)、ズームアウトの操作に対応して設定される倍率(ここでは1/2倍)で表示内容を縮小するようにビューウィンドウ情報におけるXY座標系の表示範囲(XYの最大最小座標の値;Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)が変更された後(ステップS14)、図9(b)に示すように、「Axes」の設定が「off」になってないと判定され(ステップT1;No)、ズームアウト操作で設定された数値幅「X軸:−0.6〜0.6」,「Y軸:−0.4〜0.4」でディスプレイ3の表示領域にXY軸が描画されるとともに、設定された目盛間隔「XY軸:0.1」で座標軸上に目盛線が描画される(ステップT2)。また、「Axes」の設定が「scale」になっていると判定されるとともに(ステップT3;Yes)、X軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT4;No)、X軸の各目盛位置に目盛値が表示される(ステップT6)。また、X軸の目盛位置の目盛値の間隔が所定値以下(ここではドットピッチ以下)であると判定され(ステップT7;Yes)、目盛位置の目盛値が交互に異なる表示色で表示される(ステップT8)。なお、図中、ディスプレイ3の表示画面において破線で囲まれている領域は、当該領域内の文字が青色で表示されていることを示している。
【0085】
そして、Y軸の各目盛位置に目盛値を表示させた場合に各目盛値が互いに重ならないと判定され(ステップT9;No)、Y軸の各目盛位置に目盛値が表示された後(ステップT11)、グラフ式「Y=1/2X」のグラフがXY座標系に表示される(ステップS9)。
【0086】
以上、本実施の形態によれば、図3のステップS6や図4のステップT4〜T11、図5〜図9等に示したように、ユーザ操作に基づいて座標系の表示対象範囲と、当該座標系における座標軸の目盛間隔とが設定されるとともに、座標軸に表示されるべき目盛値の重なりが検知され、目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値が表示されるので、グラフの表示対象範囲を表示させつつ、見た目の煩雑化を防止するとともに、目盛間隔が変更されるのを防止することができる。
【0087】
また、図3のステップS8,S11〜S14や図6等に示したように、表示内容の拡大及び縮小の一方が行われた場合には、座標軸に表示されるべき目盛値の重なりが検知されるので、拡大縮小操作によって目盛値が重なる場合にも、グラフの表示対象範囲を表示させつつ、見た目の煩雑化を防止するとともに、目盛間隔が変更されるのを防止することができる。
【0088】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0089】
例えば、本発明に係るグラフ表示装置を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係るグラフ関数プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0090】
また、ステップS1の処理においては記憶部13の画像ファイル132を表示画面内に取り込むこととして説明したが、インターフェース16を介して外部機器から画像ファイル132を表示画面内に取り込むこととしても良い。
【0091】
また、ステップT8の処理においてはX軸の目盛位置の目盛値の間隔が所定値以下(ドットピッチ以下)の場合に、目盛位置の目盛値を交互に異なる表示色で表示することとして説明したが、Y軸の目盛位置の目盛値について同様の処理を行うこととしても良い。更に、このステップT8の処理においては、図9(c)に示すように、座標軸の両側に目盛値を交互に配設して表示することとしても良い。
【0092】
また、座標系の縦軸をY軸、横軸をX軸として説明したが、他の座標軸名としても良い。更に、座標系を直交座標系として説明したが、斜交座標系や極座標系など、他の種類の座標系としても良い。
【0093】
また、ステップS5の処理ではユーザが入力キー群2を介してグラフ式を入力することとして説明したが、タッチパネル30を介して入力することとしても良い。
【符号の説明】
【0094】
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 キー入力部
15 表示部
130 グラフ関数プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
ユーザ操作に基づいてグラフ式を入力するグラフ式入力手段と、
ユーザ操作に基づいて座標系の表示範囲と、当該座標系における座標軸の目盛間隔とを設定する座標系設定手段と、
前記座標系設定手段により設定された表示範囲内の座標系の座標軸を前記表示手段に表示させるとともに、当該座標軸に対し、前記座標系設定手段により設定された目盛間隔で目盛と、目盛値とを表示させる座標系表示制御手段と、
前記設定された座標系の表示範囲内で前記グラフ式のグラフを前記表示手段に表示させるグラフ表示制御手段と、
を備え、
前記座標系表示制御手段は、
座標軸に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させる目盛値表示制御手段を有することを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項2】
請求項1記載のグラフ表示装置において、
前記座標系設定手段は、
ユーザ操作に基づいて座標系における座標軸毎に目盛間隔を設定し、
前記座標系表示制御手段は、
座標系における座標軸毎に、前記座標系設定手段により設定された目盛間隔で目盛と、目盛値とを表示させ、
前記目盛値表示制御手段は、
座標軸毎に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、何れかの座標軸で目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させることを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のグラフ表示装置において、
ユーザによる拡大操作または縮小操作に応じて前記座標系設定手段により設定された座標系の表示範囲を変更する表示範囲拡大縮小手段を備え、
前記目盛値表示制御手段は、
前記表示範囲拡大縮小手段により座標系の表示範囲が変更された場合に、座標軸に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、
目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させ、
目盛値が重ならない場合には、当該座標軸に表示される各目盛について目盛値を表示させることを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のグラフ表示装置において、
前記座標系設定手段は、
各座標軸の座標軸名と、原点位置を示す原点記号とを表示させるか否かをユーザ操作に基づいて設定する軸名表示設定手段を有し、
前記座標系表示制御手段は、
前記軸名表示設定手段により座標軸名と、原点記号とを表示させない旨の設定がされた場合には、これら座標軸名及び原点記号を前記表示手段に表示させず、
前記軸名表示設定手段により座標軸名と、原点記号とを表示させる旨の設定がされた場合には、これら座標軸名及び原点記号とを前記表示手段に表示させることを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載のグラフ表示装置において、
前記座標系設定手段は、
座標系にグリッドを表示させるか否かをユーザ操作に基づいて設定するグリッド表示設定手段を有し、
前記座標系表示制御手段は、
前記グリッド表示設定手段によりグリッドを表示させない旨の設定がされた場合には、グリッドを前記表示手段に表示させず、
前記グリッド表示設定手段によりグリッドを表示させる旨の設定がされた場合には、グリッドを前記表示手段に表示させることを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載のグラフ表示装置において、
少なくとも1つの画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段における何れかの画像データを、ユーザ操作に基づいて選択画像データとして選択する画像データ選択手段と、
前記選択画像データの画像を座標系の背景として前記表示手段に表示させる画像データ表示制御手段と、
を備え、
前記画像データには、
当該画像データの画像に重ねて表示されるべき座標系の表示範囲と、座標軸の目盛間隔と、を示す付加データが付加されており、
前記座標系設定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記付加データに従って表示範囲及び目盛間隔を設定することを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項7】
表示手段を有するコンピュータに、
ユーザ操作に基づいてグラフ式を入力するグラフ式入力機能と、
ユーザ操作に基づいて座標系の表示範囲と、当該座標系における座標軸の目盛間隔とを設定する座標系設定機能と、
前記座標系設定機能により設定された表示範囲内の座標系の座標軸を前記表示手段に表示させるとともに、当該座標軸に対し、前記座標系設定機能により設定された目盛間隔で目盛と、目盛値とを表示させる座標系表示制御機能と、
前記設定された座標系の表示範囲内で前記グラフ式のグラフを前記表示手段に表示させるグラフ表示制御機能と、
を備え、
前記座標系表示制御機能は、
座標軸に表示されるべき目盛値の重なりを検知し、目盛値が重なる場合には、当該座標軸に表示される目盛のうち、両端の目盛についてのみ目盛値を表示させる目盛値表示制御機能を有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−197984(P2011−197984A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63527(P2010−63527)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】