説明

グリル

【課題】加熱源としてガスバーナを備えたグリルにおいて、グリル後端壁近傍のグリル庫外に重量センサを配置した時にも、重量センサがガスバーナからの燃焼排気の影響を受けにくく、正確な重量測定が行えて制御性に優れたグリルを提供する。
【解決手段】グリル庫が収納された筐体内部において、グリル庫後壁に穿設した連通口に挿通させた支持体の荷重を測定する重量センサ周辺を経由して連通口に至る領域を吸気流路とし、吸気流路には、筐体の外部から筐体の内部に流入した空気が吸気として吸気流路に流入する吸気部を重量センサの近傍に設け、バーナの燃焼中に、吸気部から吸気流路に流入した吸気が連通口を通ってグリル庫に流入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリルに関し、詳しくはグリルにおけるセンサの配置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、加熱源としてガスバーナを備えたグリルにおいて、調理物が載置される焼き網の前方を支点として支えておき、焼き網の後方に支え棒を設け、さらに、グリル庫後方のグリル庫外に計量アームを具備する重量センサを備えておき、焼き網を所定位置にセットした時に、グリル庫外後方に突出した上記支え棒が重量センサの計量アームの上に乗り上げ、上記焼き網のと調理物の重量に応じたモーメントが上記計量アームに作用するように構成しておき、グリルにおける調理の経過と共に変化する調理物の重量減少率を測定するもの(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−272718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、以下の問題点があった。
【0005】
特許文献1に示されているように、加熱源としてガスバーナを備えたグリルにおいて、グリル庫外後方に突出した上記支え棒が重量センサの計量アームの上に円滑に乗り上げるためには、この支え棒がグリル後方壁を貫通する孔と支え棒との間に間隙(クリアランス)が存在するようにしておく必要があり、グリル庫外後方に備える重量センサに向かってグリル庫内の熱気が拡散すること、および、グリル後方壁からの輻射熱によって重量センサの温度が上昇するおそれがあり、この温度上昇が大きいときには重量センサの十分な測定精度が得られないおそれがあった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、加熱源としてガスバーナを備えたグリルにおいて、グリル後端壁の近傍に重量センサを配置した時にも、重量センサがガスバーナからの燃焼排気の影響を受けにくく、正確な重量測定が行えて制御性に優れたグリルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の第1特徴構成は、筐体に収納されたグリル庫の中に収納される焼き網の上に載置された調理物を加熱するバーナと、前記バーナの燃焼による加熱によって生じた調理排気を上方の排気出口から排出する排気路と、前記調理物から落下する油等の焼き汁を受ける受皿と、前面に前記焼き網および前記調理物を出し入れする出し入れ口と、前記焼き網の荷重を支える支持体と、前記筐体の内部における前記グリル庫の外に配設される重量センサと、を備え、前記グリル庫の後壁に穿設した連通口に前記支持体を挿通させて、前記出し入れ口から収納された前記焼き網が前記グリル庫内の前後方向における所定の収納位置に位置するときに前記支持体に加えられた荷重を前記重量センサで測定するように構成されたグリルにおいて、前記筐体の内部において前記重量センサ周辺を経由して前記連通口に至る領域を吸気流路とし、前記吸気流路には、前記筐体の外部から前記筐体の内部に流入した空気が吸気として前記吸気流路に流入する吸気部を前記重量センサの近傍に設け、前記バーナの燃焼中に、前記吸気部から前記吸気流路に流入した吸気が前記連通口を通って前記グリル庫に流入することを特徴としている。
【0008】
このような構成とすることで、バーナの燃焼による加熱よって生じた調理排気は、そのドラフトによって排気路を上方の排気出口に向かって流れて排気出口から排出されることになる。このとき、グリル庫内の後壁近傍には上記ドラフトによって負圧となっており、この負圧となっている部分に連通口を穿設しておくことで、グリル庫外からこの連通口を経由してグリル庫が収納されている筐体内の空気をグリル庫内に流入させることができる。
【0009】
このとき、筐体内の空気が上記連通口からグリル庫内に流入すると、筐体内の圧力が低下するが、グリルにおける加熱用熱源としてバーナが用いられる場合には、バーナの燃焼用一次空気、二次空気等に供される空気を筐体外部から筐体内に取り入れることが可能なように筐体には上記バーナの燃焼用空気の取り入れ口を備えるように構成されるから、筐体内の圧力が低下すると上記バーナの燃焼用空気の取り入れ口から筐体外の空気が筐体内に流入し、筐体内の空気は逐次筐体外から補給される。
【0010】
そして、筐体の内部において重量センサ周辺を経由して上記連通口に至る領域を吸気流路とし、この吸気流路には、筐体の外部から筐体の内部に流入した空気が吸気としてこの吸気流路に流入する吸気部を重量センサの近傍に設け、バーナの燃焼中に、上記吸気部からこの吸気流路に流入した吸気すなわち筐体に流入した筐体外部の空気が前記連通口を通って前記グリル庫に流入することで、重量センサおよび上記支持体は上記吸気によって冷却されるから、グリル庫外後方に備える重量センサに向かってグリル庫内の熱気が拡散することや、グリル後方壁からの輻射熱や、上記支持体からの熱伝導による重量センサの温度の上昇が抑制されて、重量センサの測定精度は高く維持されるものとなる。
【0011】
要するに、重量センサがガスバーナによる燃焼排気からの熱の影響を受けにくく、正確な重量測定が行えて制御性に優れたグリルとすることが可能となる。
【0012】
さらに、第2特徴構成として、前記支持体のうち前記連通口から前記筐体内に突出する部分の左右側方および上方を覆い、前記重量センサの左右側方および上方を覆うセンサカバーを設け、前記センサカバーにおける前記重量センサ近傍の下方または後方を前記センサカバーに覆われない開放箇所とし、前記開放箇所を前記吸気部とし、前記センサカバーに覆われた領域を前記吸気流路とすることが好ましい。
【0013】
この場合、重量センサ近傍の下方または後方の上記センサカバーに覆われない開放箇所を吸気部として、この開放箇所(吸気部)から流入して上記センサカバーに覆われた領域つまり吸気流路を通過する空気によって重量センサが冷却されることに加え、上記センサカバーは重量センサおよび上記支持体の上方および左右側方を覆うものであるから、重量センサおよび上記支持体の上方および左右側方から飛散する異物による重量センサおよび上記支持体の汚損を防御する機能も兼ね備えるものとなる。
【0014】
つまり、第2特徴構成によって、重量センサおよび上記支持体の上方および左右側方から飛散する異物による重量センサおよび上記支持体の汚損を防御する機能を兼ね備えて吸気流路を形成することが可能になる。
【0015】
さらに、第3特徴構成として、前記筐体の外部の空気が前記筐体の内部に流入する吸気孔を前記筐体における前記重量センサの直下に穿設し、前記吸気孔の直上を吸気部とし、前記吸気孔の直上から前記連通口に至る前記重量センサ周辺の空間および前記支持体周辺の空間を前記吸気流路とすることが好ましい。
【0016】
この場合、筐体の外部の空気が筐体の内部に流入する吸気孔を、筐体における重量センサの直下に穿設するだけの簡単な構成で上記吸気流路を構成できる。
【0017】
つまり、第2特徴構成を備えない場合であっても、筐体内部に筐体外部から空気が流入するときには、重量センサの直下に穿設した上記吸気孔からも空気が流入し、重量センサの直下に穿設する上記吸気孔は筐体の底面に位置することが合理的であるから、上記吸気孔から流入した空気は筐体の底面から上方に位置する重量センサに向かって流動することになる。その後、上記吸気孔から流入した空気は上記連通口に向かって流動するものであるから、上記吸気孔と重量センサと上記連通口の相対的な位置関係によって必然的に、上記吸気孔から重量センサ周辺の空間、前記支持体周辺の空間を経由して上記連通口からグリル庫内に流入するから、上記吸気孔の穿設によって上記吸気流路が構成されることになる。
【0018】
また、第2特徴構成を備える場合にも、上述のように上記吸気孔から流入した空気は筐体の底面から上方に位置する重量センサに向かって流動するものであるから、重量センサおよび上記支持体は一層効率的に上記吸気によって冷却されることとなり、重量センサの測定精度が一層高く維持されるものとなる。
【0019】
要するに、第3特徴構成によって、上記吸気孔を穿設するだけの簡単な構成で上記吸気流路が構成でき、また、重量センサの測定精度が一層高く維持されるものとすることが可能になる。
【0020】
さらに、第4特徴構成として、前記支持体が前記焼き網の後端から後方に突設されたものであることが好ましい。
【0021】
この場合、上記支持体を、前記焼き網の後端から後方に突設するだけで簡単に構成できるものとなる。
【0022】
さらに、第5特徴構成として、前記焼き網が前記受皿上に載置され、前記支持体が前記受皿の後端から後方に突設されたものであることも好ましい。
【0023】
この場合、つまり、上記焼き網が上記受皿上に載置される場合、上記支持体を、上記記受皿の後端から後方に突設することによっても簡単に構成できるものとなるから、上記支持体を前記焼き網の後端から後方に突設する態様と、上記支持体を、上記記受皿の後端から後方に突設する態様と、から選択できるからグリルを構成する際の設計の自由度が増し、設計を容易に行うことができる。
【0024】
さらに、第6特徴構成として、前記出し入れ口を閉塞するグリル扉を備え、前記グリル扉の開閉と、前記焼き網のグリル庫からの引き出しおよび前記焼き網のグリル庫への収納とが連動しており、前記グリル扉が前記出し入れ口を閉塞する閉じ位置に位置するときには前記焼き網が前記所定の収納位置に位置し、前記グリル扉が前記出し入れ口を開放する開放位置に位置するときには前記焼き網が前記所定の収納位置から引き出された引出し位置に位置し、前記重量センサで測定した荷重が第1の設定値以下の時には、グリル扉が前記開放位置に位置する旨またはグリル扉が前記閉じ位置にない旨の報知を行うことも好ましい。
【0025】
この場合、重量センサで測定した荷重によってグリル扉が閉じ位置にない旨の報知を行うことが可能になり、別のセンサなど部品の追加なしで、グリル調理時におけるグリル扉の不完全な閉じ状態に起因する調理失敗が防止できる使い勝手の良いグリルとすることができる。
【0026】
さらに、第7特徴構成として、前記グリル庫内に付着した油分等を焼き切るために前記焼き網および前記調理物をグリル庫内に収容しないで前記バーナの燃焼により加熱を行うクリーニングモードが実行可能で、前記重量センサで測定した荷重が第2の設定値以上のときには、前記クリーンモードを実行しないことも望ましい。
【0027】
この場合、上記焼き網の重量以上または上記受皿の重量と焼き網の重量との合計重量以上の重量を重量センサが検出していることが判別できる値に第2の設定値を設定することで、使用者が誤って上記焼き網をグリル庫に収納した状態でクリーンモードを実行した場合の上記焼き網の空焼きに起因する焼き網の損傷が防止でき、グリルの使用性が向上する。
【発明の効果】
【0028】
本発明のうち請求項1記載の発明は、重量センサがガスバーナによる燃焼排気からの熱の影響を受けにくく、正確な重量測定が行えて制御性に優れたグリルとすることが可能となる。
【0029】
請求項2記載の発明は、請求項1の効果に加えて、重量センサおよび上記支持体の上方および左右側方から飛散する異物による重量センサおよび上記支持体の汚損を防御する機能を兼ね備えて吸気流路を形成することが可能になる。
【0030】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2の効果に加えて、筐体の外部の空気が筐体の内部に流入する吸気孔を、筐体における重量センサの直下に穿設するだけの簡単な構成で上記吸気流路を構成でき、また、重量センサを一層効率よく冷却でき、重量センサの測定精度が一層高く維持されるものとすることが可能になる。
【0031】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの効果に加えて、上記支持体を、前記焼き網の後端から後方に突設するだけで簡単に構成できるものとなる。
【0032】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの効果に加えて、上記焼き網が上記受皿上に載置される場合、上記支持体を、上記記受皿の後端から後方に突設することによっても簡単に構成できるものとなるから、上記支持体を前記焼き網の後端から後方に突設する態様と、上記支持体を、上記記受皿の後端から後方に突設する態様と、から選択できるからグリルを構成する際の設計の自由度が増し、設計を容易に行うことができものとなる。
【0033】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの効果に加えて、別のセンサなど部品の追加なしで、グリル調理時におけるグリル扉の不完全な閉じ状態に起因する調理失敗が防止できる使い勝手の良いグリルとすることができる。
【0034】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかの効果に加えて、上記クリーンモードが実行可能なグリルにおいて、使用者が誤って上記焼き網をグリル庫に収納した状態で上記クリーンモードを実行した場合の上記焼き網の空焼きに起因する焼き網の損傷が防止でき、グリルの使用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態のグリル付き加熱調理器の斜視図である。
【図2】同上のグリル庫内部の概略正面図である。
【図3】同上のグリルの概略構成図である。
【図4A】同上のグリル庫の後側に設けられた重量センサ、および、焼き網の後端に突設された支持体を示し、グリル扉が閉じて支持体が重量センサの測定竿上に載置された状態を示す概略側面図である。
【図4B】同上のグリル庫の後側に設けられた重量センサ、および、焼き網の後端に突設された支持体を示し、グリル扉が開いて支持体が重量センサから離間した状態を示す概略側面図である。
【図5A】同上のグリル庫の後側に設けられた重量センサ、および、受皿の後端に突設された支持体を示し、グリル扉が閉じて支持体が重量センサの測定竿上に載置された状態を示す概略側面図である。
【図5B】同上のグリル庫の後側に設けられた重量センサ、および、受皿の後端に突設された支持体を示し、グリル扉が開いて支持体が重量センサから離間した状態を示す概略側面図である。
【図6】同上の操作パネルの説明図である。
【図7】同上のグリル庫後方の筐体内に形成される吸気流路が、センサカバーによって形成される態様を説明する図である。
【図8】同上のグリル庫後方の筐体内に形成される吸気流路が、吸気孔によって形成される態様を説明する図である。
【図9】同上のグリル庫後方の筐体内に形成される吸気流路が、センサカバーおよび吸気孔によって形成される態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
グリルは、以下に示す第1実施形態ではグリル付きのガスこんろに備えられたグリルであるが、こんろを備えずグリル単独でもよく、少なくともグリルを備えた加熱調理器であれば特に限定されない。
【0038】
図1に示すように、ガスこんろ01の天面部を構成するガラス製のトッププレート11にはこんろバーナからなるこんろ部02を複数設けている。図示例では、こんろ部02として、こんろバーナを左右の2箇所に設けてある。
【0039】
トッププレート11の上面には左右の各こんろバーナを中央に配置した五徳05を設けている。
【0040】
グリル03は、図1、図2、図3、図4A、図4Bに示すように、ガスこんろ01のケーシング本体10とトッププレート11で構成される筐体12内にグリルバーナ32を設けたグリル庫30を備えて構成している。グリル03は、輻射加熱または対流加熱によってグリル庫30に収容された焼き網33上に載置される調理物34を加熱調理するものである。グリル庫30の調理物34の出し入れ用の前開口(出し入れ口)35(図4B参照)は、ガスこんろ01の前面に設けたグリル扉31によって開閉自在に閉塞される。グリル庫30内の下部に受皿37を設けると共に、受皿37上に、調理物34を載置させる載置部としての焼き網33を載置して、その調理物34をグリルバーナ32にて加熱するように構成されている。なお、本実施形態において焼き網33はフッ素樹脂などによりコーティングされており、魚などの調理物34が焼き網33にこびりつくことが抑制されている。
グリル庫30の後方側には、グリルバーナ32の燃焼排ガスを機外に排気させる排気通路40が上方側に延びる状態で連設され、この排気通路40を経由して、グリルバーナ32の燃焼排ガスを、多数の小孔が穿設された排気カバー42によって異物の浸入を阻止するように覆われる排気口41に、導くように構成されている。グリルバーナ32は、グリル庫30の上部に配設され焼き網33に載置される調理物34の上面を加熱する上バーナ32aと、グリル庫30の下部に配設され調理物34の下面を加熱する左右一対の下バーナ32bとからなる。なお、図4A、図4B、図5A、図5B、図7〜図9においては、下バーナ32bの記載を省略している。
【0041】
ガスこんろ01の前面に具備しグリル03による調理設定の入力を行うための、グリル用設定入力用の操作パネル06(図1参照)は、図6に示すように、グリル03による調理時間(焼成時間)を設定するためのタイマ増減スイッチ62、上火、下火の火力を切換るための火力切替スイッチ63、焼成するメニューを選んで該当する焼成物に対応した焼成制御を選択するためのメニュースイッチ64、アラカルトメニュー(後述)を選んで該当するアラカルトメニューに対応した焼成制御を選択するためのアラカルトメニュースイッチ65、タイマ増減スイッチ62、火力切替スイッチ63、メニュースイッチ64、アラカルトメニュースイッチ65等を操作して設定した各入力を取り消すための取消しスイッチ66等を備えている。
【0042】
次に、グリル03を使用する場合につき説明する。ガスこんろ01の前面に具備する操作パネル06の図6に示したメニュースイッチ64やアラカルトメニュースイッチ65やタイマ増減スイッチ62を指で押すことで調理メニューやアラカルトメニューや調理時間等のグリル調理の設定入力を行い、次に、点火・消火操作具61(図1参照)を押し操作して点火入力操作を行ってグリル03に点火するものである。これによって、目的とするグリル調理がなされるように制御部08(図3参照)により火力調整、調理時間等が制御されてグリル自動調理が行われるものである。なお、グリル03における自動調理中に自動調理を中止したい場合には点火・消火操作具61を押し操作することで消火して自動調理を中止できる。
【0043】
メニュースイッチ64により切り替えられるメニューとしては、「姿焼」「切身」「干物」があり、アラカルトメニュースイッチ65としては、「クリーンモード」「ピザ」「焼きおにぎりあたため」の3種類から選択できるようになっている。また、アラカルトメニューの内から、「ピザ」を選択したときは付属品の金属製の調理プレート(図示せず)を焼き網33の上に設置し、この調理プレートの上に食パンやピザ等の調理物34を載置して調理を行う旨、取扱説明書で推奨しており、使用者はこれに従い必要に応じて付属品の調理プレートを用い、アラカルトメニュースイッチ65を操作してアラカルトメニュー調理を行う。なお、クリーンモードについては後に詳述する。
【0044】
そして、このグリル03には、グリルバーナ32による加熱を開始した後の初期において、焼き網33における調理物34の載置状態の違いに応じて変化する温度上昇速度(温度上昇勾配という)を計測するための調理用温度検出手段80(図3参照)が備えられる。この調理用温度検出手段80は燃焼排ガス温度を検知するものである。制御部08は、調理用温度検出手段80の検出情報に基づいて温度上昇勾配を求める判定用情報算出処理、及び、その判定用情報算出処理にて求めた前記温度上昇勾配の情報に基づいて、前記判定用情報算出処理を実行してから調理物34に対する加熱を終了するまでの総加熱時間TTを求める。総加熱時間TTは、調理メニューの種類と、調理物34の載置状態に応じて、予め定められた値を適用したり、予め定められた算出式から値を求めるものである。
【0045】
前記温度上昇勾配が小さい、すなわち、所定時間における温度上昇値が小さい場合は、グリル03の焼き網33に熱容量の大きい、大きな調理物34が載置されていると判断できるから、前記温度上昇勾配に応じ総加熱時間TTは長い目に演算、設定され、前記温度上昇勾配が大きい、すなわち、所定時間における温度上昇値が大きい場合は、グリル03の焼き網33に熱容量の小さい、小さな調理物34が載置されていると判断できるから、前記温度上昇勾配に応じ総加熱時間TTは短い目に演算、設定される。総加熱時間TTは、温度上昇勾配に応じた値が予め定められているか、あるいは予め定められている算出式に温度上昇勾配の値を代入して算出される。
【0046】
また、グリルバーナ32による加熱を開始した時点から、総加熱時間TTが演算、設定された時点までの経過時間T1が計測されている。
【0047】
そして、総加熱時間TTが演算、設定された時点から調理物34に対する加熱を終了するまでの残加熱時間T2をT2=TT−T1として求め、T2をグリル用タイマ表示部(図6のタイマ増減スイッチ62の上側)に表示する。
【0048】
T2をグリルタイマ表示部に表示した後は、時間の経過に従い、グリルタイマ表示部に表示された残加熱時間T2をカウントダウンしていき、グリルタイマ表示部の表示がゼロになった時点でグリルバーナ32を消火し、グリル自動調理制御を終了するものである。
【0049】
以下、本実施形態の重量センサ18の構成と吸気流路71の構成とについて説明する。
【0050】
グリル扉31は、受皿37とその上に載置された焼き網33を支持する部材を構成する移動用レール38(図2、図4A、図4B、図5A、図5B参照)と接続されている。移動用レール38は固定レール38a(図示せず)に沿って前後移動自在に支持されている。使用者が取手を持ってグリル扉31を引き出したり押し入れたりすることで、移動用レール38上に載置された受皿37とその上に載置された焼き網33とが前後に移動するように構成されている。
【0051】
グリル庫30の後方(奥側)には、図4A、図4B、図5A、図5B、図7〜図9に示すように、測定竿19を具備する重量センサ18が、グリル庫30の後壁30aの後方に取り付けられており、測定竿19の上から印加された荷重を重量センサ18で検出するように構成されている。
【0052】
第1実施形態では、図4A、図4Bに示すように、焼き網33を受皿37上に載置する際の前支持脚33aと後支持脚33bのうち焼き網33の後端に備える後支持脚33bから後方に支持体25を突設してある。また、グリル庫30の後壁30aには、支持体25が挿通する連通口50が穿設してあり、グリル扉31が前開口(出し入れ口)35を閉塞する閉じ位置に位置するときには受皿37と焼き網33とが所定の収納位置に位置し、支持体25が連通口50に挿通して測定竿19の上に載置されて、このとき測定竿19の上から印加される荷重を重量センサ18で検出するように構成されている。
【0053】
なお、図4Aには表されていないが、上述のように支持体25が、連通口50に挿通して測定竿19の上に載置されたときには、受皿37上に載置されている後支持脚33bの下端が受皿37上から少し浮き上がる。したがって、重量センサ18は、焼き網33の前支持脚33aの下端が受皿37上に当接する箇所を支点として焼き網33に作用するモーメントに応じて支持体25の後端が測定竿19上に加える荷重を測定することになる。
【0054】
また、グリル扉31が前開口(出し入れ口)35を閉塞する閉じ位置から少し開いた位置に移動したときには、受皿37と焼き網33とが所定の収納位置から少し引き出された位置に位置するので、支持体25が連通口50に挿通して、後壁30aの後側に突出するものの、支持体25は測定竿19の上に載置されず、このとき測定竿19の上からは荷重が印加されず、重量センサ18が測定する荷重はゼロに近い値となる。もちろん、グリル扉31が前記出し入れ口を開放する開放位置に位置するときにも、支持体25は測定竿19の上に載置されず、このとき測定竿19の上からは荷重が印加されず、重量センサ18が測定する荷重はゼロに近い値となる。
【0055】
したがって、重量センサ18で測定した荷重がゼロより少し大きい値に設定された第1の設定値以下の時に、グリル扉31が開放位置に位置する旨またはグリル扉31が閉じ位置にない旨の報知を行うことによって、使用者が誤ってグリル扉31を半開きや全開にした状態でグリル03による調理を行った場合の調理ミスを未然に防止することが可能なように構成されている。
【0056】
上述のように重量センサ18をグリル庫30の後方に配置して構成することで、重量センサ18によって、調理物34の重量に応じた荷重が測定でき、しかも、グリル扉31が閉じ位置にあるか否かの検出ができるので、グリル扉31が閉じ位置にない状態での調理を実行した場合の調理ミスも未然に防止できるものであるが、グリルバーナ32の燃焼による周囲温度の上昇によって重量センサ18の温度が上昇した場合には、重量センサ18による重量測定が正確にできないおそれがあるため、重量センサ18の温度上昇を抑制するために以下のように構成してある。
【0057】
図4A、図4Bに示すように、支持体25のうち連通口50から筐体12内に突出する部分の左右側方および上方を覆い、重量センサ18の左右側方および上方を覆うセンサカバー51を設けてあり、センサカバー51における重量センサ18近傍の下方はセンサカバー51に覆われない開放箇所52としてある。なお、図4A、図4Bにおいて、支持体25のうち連通口50から筐体12内に突出する部分の左右側方を覆う部分および重量センサ18の左右側方を覆う部分のセンサカバー51の記載は省略してある。
【0058】
また、グリルバーナ32が燃焼した時にグリルバーナ32の燃焼による加熱よって生じた調理排気は、そのドラフトによって排気通路40を上方の排気口41に向かって流れて排気口41から排出されるが、このとき、グリル庫30内の後壁30a近傍の下方は上記ドラフトによって負圧となっており、この負圧となっている部分に連通口50を穿設してあるから、グリル庫30外からこの連通口50を経由してグリル庫30が収納されている筐体12内の空気がグリル庫30内に流入する。
【0059】
この場合、上述のように、支持体25のうち連通口50から筐体12内に突出する部分の左右側方および上方を覆い、重量センサ18の左右側方および上方を覆うセンサカバー51を設けてあり、センサカバー51における重量センサ18近傍の下方はセンサカバー51に覆われない開放箇所52としてあるから、このセンサカバー51によって、筐体12の内部において開放箇所52から重量センサ18周辺を経由して連通口50に至る領域に吸気流路71を形成することになる。
【0060】
つまり、筐体12の外部から筐体12の内部に流入した空気が吸気として吸気流路71に流入する吸気部60が前記重量センサ18の近傍の開放箇所52によって形成され、図7に示すように、グリルバーナ32の燃焼中に、吸気部60から吸気流路71に流入した吸気が連通口50に向かって流れて、その後、上記吸気は連通口50を通って排気通路40に流入し、この吸気によって重量センサ18および支持体25が冷却されるのである。なお、図7において矢印Aは吸気の流れを表している。
【0061】
また、グリルバーナ32の燃焼中には、連通口50を経由して筐体12内の空気がグリル庫30内に流れ込むように空気の流れが生じるから、グリルバーナ32の燃焼による燃焼ガスなどが連通口50からグリル庫30外に流出ことが抑制されて、重量センサ18が高温にさらされて重量センサ18による測定精度が低下することが抑制される。
【0062】
また、グリル03には便利機能として、グリル庫30内に付着した油分等を焼き切るために焼き網33および調理物34をグリル庫30内に収容しないでグリルバーナ32の燃焼により加熱を行うクリーニングモードが実行できるようにしてある。
【0063】
クリーニングモードを実行するには、移動用レール38上に受皿37のみを載置して、受皿37上に焼き網33を載置せず、もちろん、調理物34も載置しない状態で、グリル扉31を閉じて受皿37を収納して、図6に示す操作パネル06のアラカルトメニュースイッチ65を操作してクリーンモードを選択し、次に、点火・消火操作具61(図1参照)を押し操作して点火入力操作を行ってグリル03に点火する。
【0064】
ただし、上述のクリーンモードを実行しようとした時に、重量センサ18で測定した荷重が第2の設定値以上のときには、アラカルトメニュースイッチ65を操作してクリーンモードを選択した後に点火・消火操作具61(図1参照)を押し操作して点火入力操作を行ってグリル03に点火しようとしても、グリルバーナ32は燃焼開始せずクリーンモードを実行しないようにしてあり、誤って焼き網33をグリル庫30内に収納してクリーンモードを実行してしまって、焼き網33に調理物34を載置せずに空焼きしてしまう焼き網33の過熱による損傷を防止しするように構成されている。
【0065】
なお、図4A、図4Bに示すような、焼き網33の後端部に備える後支持脚33bから後方に支持体25を突設する第1実施形態では、第2の設定値は前述の第1の設定値と同じ値に設定されており、焼き網33が収納位置にあるときにはクリーンモードを実行しないように構成してある。
【0066】
上述の第1実施形態においては、焼き網33が収納位置にないときに限り、クリーンモードを実行するように構成してあるものと等価であるが、クリーンモードを実行するときに、グリル扉31が閉じ位置に位置しないときには、重量センサ18で測定した荷重が第2の設定値未満となって、グリル扉31が不完全な閉じ状態でクリーンモードを実行することが考えられるため、その対応として、以下に説明する第2実施形態も好ましい。
【0067】
第1実施形態では、図4A、図4Bに示すように、支持体25を焼き網33の後端の後支持脚33bから後方に突設するものであるのに対し、第2実施形態では、図5A、図5Bに示すように、受皿37の後端から後方に支持体25を突設してある。そして、第1実施形態と同様に、グリル庫30の後壁30aには、支持体25が挿通する連通口50が穿設してあり、グリル扉31が前開口(出し入れ口)35を閉塞する閉じ位置に位置するときには受皿37が所定の収納位置に位置し、支持体25が連通口50に挿通して、重量センサ18に具備する測定竿19の上に載置されて、このとき測定竿19の上から印加される荷重を重量センサ18で検出するように構成されている。
【0068】
なお、図5Aには表されていないが、上述のように支持体25が連通口50に挿通して測定竿19の上に載置されたときには、受皿37の後端部が移動用レール38上に載置される箇所が、移動用レール38上から少し浮き上がる。したがって、重量センサ18は、受皿37の前端が移動用レール38上に当接する箇所を支点として受皿37に作用するモーメントに応じて支持体25の後端が測定竿19上に加える荷重を測定することになる。
【0069】
また、第2実施形態においても、グリル扉31が前開口(出し入れ口)35を閉塞する閉じ位置から少し開いた位置に移動したときに、受皿37と焼き網33とが所定の収納位置から少し引き出された位置に位置するときには、支持体25が連通口50に挿通して、後壁30aの後側に突出するものの、支持体25は測定竿19の上に載置されず、このとき測定竿19の上からは荷重が印加されず、重量センサ18が測定する荷重はゼロに近い値となる。もちろん、グリル扉31が前開口(出し入れ口)35を開放する開放位置に位置するときにも、支持体25は測定竿19の上に載置されず、このとき測定竿19の上からは荷重が印加されず、重量センサ18が測定する荷重はゼロに近い値となる。
【0070】
そして、第2実施形態においても、重量センサ18で測定した荷重がゼロより少し大きい値に設定された第1の設定値以下の時に、グリル扉31が開放位置に位置する旨またはグリル扉31が閉じ位置にない旨の報知を行うことによって、使用者が誤ってグリル扉31を半開きや全開にした状態でグリル03による調理を行った場合の調理ミスを未然に防止することが可能なように構成されている。
【0071】
また、第2実施形態においても、センサカバー51によって吸気流路71が形成され、グリルバーナ32の燃焼中に、吸気部60から吸気流路71に流入した吸気が連通口50に向かって流れて、その後、上記吸気は連通口50を通って排気通路40に流入し、この吸気によって重量センサ18および支持体25が冷却される
【0072】
第2実施形態においても第1に実施形態と同様の手順で、グリル庫30内に付着した油分等を焼き切るために焼き網33および調理物34をグリル庫30内に収容しないでグリルバーナ32の燃焼により加熱を行うクリーニングモードが実行できるようにしてある。
【0073】
また、第2の実施形態においても、クリーンモードを実行しようとした時に、重量センサ18で測定した荷重が第2の設定値以上のときには、アラカルトメニュースイッチ65を操作してクリーンモードを選択した後に点火・消火操作具61(図1参照)を押し操作して点火入力操作を行ってグリル03に点火しようとしても、グリルバーナ32は燃焼開始せずクリーンモードを実行しないようにしてあり、誤って焼き網33をグリル庫30内に収納してクリーンモードを実行してしまって、焼き網33に調理物34を載置せずに空焼きしてしまう焼き網33の過熱による損傷を防止しするように構成されている。
【0074】
なお、図5A、図5Bに示す、第2実施形態では、第2の設定値は第1の設定値より大きい値に設定されており、具体的には、第2実施形態における上述の第1の設定値が、ゼロより少し大きい荷重が測定竿19に印加されたことを検出可能に設定されているのに対し、第2実施形態における上述の第2の設定値は、受皿37の前端が移動用レール38上に当接する箇所を支点として、受皿37と焼き網33との両加重の合計に相当する荷重によって受皿37に作用するモーメントによって支持体25に作用する荷重以上の荷重が測定竿19の上から印加されているか否かを重量センサ18で検出可能に設定されており、受皿37と焼き網33との両加重に相当する荷重と、焼き網33が載置されていない受皿37だけの荷重とを識別可能に設定されている。
【0075】
したがって、第2実施形態においては、クリーンモードを実行するときに、受皿37が収納位置にないときには、重量センサ18で測定した荷重が第1の設定値以下となってグリル扉が閉じ位置にないことがグリル扉の実際の閉じ位置に応じて報知可能であり、重量センサ18で測定した荷重が第1の設定値より大きくかつ第2の設定値未満の場合に限り、クリーンモードを実行するように構成してあるもので、グリル扉31が不完全な閉じ状態であったり、焼き網33が受皿37に載置された状態であったりするときに、クリーンモードを実行することが適切に抑制されるように構成されている。
【0076】
なお、第2実施形態は、上述のように第1実施形態と構成が異なるものであるが、その他の構成については第1実施形態と同様に構成してあるため説明は省略する。
〔別実施例〕
【0077】
上述の実施形態では、重量センサ18近傍の下方をセンサカバー51に覆われない開放箇所52としてあるが、重量センサ18近傍の後方をセンサカバー51に覆われない開放箇所52としてもよく、また、重量センサ18近傍の下方および後方の両方をセンサカバー51に覆われない開放箇所52としてもよい。
【0078】
前記実施形態の吸気流路71は、センサカバー51に覆われて構成されるものであったが、図8に示すように、センサカバー51を備えず、筐体12の外部の空気が筐体12の内部に流入する吸気孔70を筐体12における重量センサ18の直下に穿設し、吸気孔70の直上を吸気部60とし、吸気孔70の直上の吸気部60から連通口50に至る重量センサ18周辺の空間および支持体25周辺の空間を吸気流路71としてもよい。このように構成することで、筐体12の外部の空気が筐体12の内部に流入する吸気孔70を筐体12における重量センサ18の直下に穿設するだけの簡単な構成で吸気流路71が構成できる。なお、図8において矢印Aは吸気の流れを表している。
【0079】
また、図9に示すように、吸気孔70とセンサカバー51の両方を備えて吸気流路71を構成しても良い。吸気孔70とセンサカバー51の両方を備えて吸気流路71を構成した場合、重量センサ18に対する吸気の接触が効率よく行われるため、上記吸気による重量センサ18の冷却が一層効率的に行われる。なお、図9において矢印Aは吸気の流れを表している。
【0080】
また、後支持脚33bから後方に支持体25を突設してある構造において、焼き網33と後支持脚33bとを分離自在に構成してもよい。この場合、重量センサ18によって、後支持脚33bのみの荷重と、後支持脚33bの合計荷重とを識別可能に構成することで、後支持脚33bから後方に支持体25を突設してある構造においても、グリル扉31が不完全な閉じ状態であったり、焼き網33が受皿37に載置された状態であったりするときに、クリーンモードを実行することが適切に抑制されるようになる。
【0081】
上記実施形態においては、クリーンモードを備えるグリルについて説明したが、グリルがクリーンモードを備えないものであってもよい。
【0082】
本発明のグリルは、卓上型のガスこんろに備えるグリルに限定されるものではなく、キッチンカウンターの開口部に装着されるドロップインこんろに備えたグリルであってもよく、その設置形態によって限定されるものではない。
【符号の説明】
【0083】
01 ガスこんろ
02 こんろ部
03 グリル
05 五徳
06 操作パネル
08 制御部
10 ケーシング本体
11 トッププレート
12 筐体
18 重量センサ
19 測定竿
25 支持体
30 グリル庫
30a 後壁
31 グリル扉
32 グリルバーナ
32a 上バーナ
32b 下バーナ
33 焼き網
33a 前支持脚
33b 後支持脚
34 調理物
35 前開口(出し入れ口)
37 受皿
38 移動用レール
38a 固定レール
40 排気通路
41 排気口
42 排気カバー
50 連通口
51 センサカバー
52 開放箇所
60 吸気部
61 点火・消火操作具
70 吸気孔
71 吸気流路
A 吸気の流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に収納されたグリル庫の中に収納される焼き網の上に載置された調理物を加熱するバーナと、
前記バーナの燃焼による加熱によって生じた調理排気を上方の排気出口から排出する排気路と、
前記調理物から落下する油等の焼き汁を受ける受皿と、
前面に前記焼き網および前記調理物を出し入れする出し入れ口と、
前記焼き網の荷重を支える支持体と、
前記筐体の内部における前記グリル庫の外に配設される重量センサと、を備え、
前記グリル庫の後壁に穿設した連通口に前記支持体を挿通させて、前記出し入れ口から収納された前記焼き網が前記グリル庫内の前後方向における所定の収納位置に位置するときに前記支持体に加えられた荷重を前記重量センサで測定するように構成されたグリルにおいて、
前記筐体の内部において前記重量センサ周辺を経由して前記連通口に至る領域を吸気流路とし、
前記吸気流路には、前記筐体の外部から前記筐体の内部に流入した空気が吸気として前記吸気流路に流入する吸気部を前記重量センサの近傍に設け、
前記バーナの燃焼中に、前記吸気部から前記吸気流路に流入した吸気が前記連通口を通って前記グリル庫に流入することを特徴とするグリル。
【請求項2】
前記支持体のうち前記連通口から前記筐体内に突出する部分の左右側方および上方を覆い、前記重量センサの左右側方および上方を覆うセンサカバーを設け、
前記センサカバーにおける前記重量センサ近傍の下方または後方を前記センサカバーに覆われない開放箇所とし、
前記開放箇所を前記吸気部とし、前記センサカバーに覆われた領域を前記吸気流路とすることを特徴とする請求項1に記載のグリル。
【請求項3】
前記筐体の外部の空気が前記筐体の内部に流入する吸気孔を前記筐体における前記重量センサの直下に穿設し、前記吸気孔の直上を吸気部とし、前記吸気孔の直上から前記連通口に至る前記重量センサ周辺の空間および前記支持体周辺の空間を前記吸気流路とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のグリル。
【請求項4】
前記支持体が前記焼き網の後端から後方に突設されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のグリル。
【請求項5】
前記焼き網が前記受皿上に載置され、前記支持体が前記受皿の後端から後方に突設されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のグリル。
【請求項6】
前記出し入れ口を閉塞するグリル扉を備え、
前記グリル扉の開閉と、前記焼き網のグリル庫からの引き出しおよび前記焼き網のグリル庫への収納とが連動しており、
前記グリル扉が前記出し入れ口を閉塞する閉じ位置に位置するときには前記焼き網が前記所定の収納位置に位置し、前記グリル扉が前記出し入れ口を開放する開放位置に位置するときには前記焼き網が前記所定の収納位置から引き出された引出し位置に位置し、
前記重量センサで測定した荷重が第1の設定値以下の時には、グリル扉が前記開放位置に位置する旨またはグリル扉が前記閉じ位置にない旨の報知を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のグリル。
【請求項7】
前記グリル庫内に付着した油分等を焼き切るために前記焼き網および前記調理物をグリル庫内に収容しないで前記バーナの燃焼により加熱を行うクリーニングモードが実行可能で、前記重量センサで測定した荷重が第2の設定値以上のときには、前記クリーンモードを実行しないことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のグリル。

【図1】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−94314(P2013−94314A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238176(P2011−238176)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(301071893)株式会社ハーマン (94)
【Fターム(参考)】