説明

グルコピラノシルオキシ−ピラゾール、これらの化合物を含む医薬組成物、これらの使用及びこれらの調製方法

本発明は式(I)
【化1】


(式中、R1〜R6並びにR7a、R7b及びR7cは請求項1に定義されたとおりである)
のグルコピラノシルオキシ-ピラゾール、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及び塩、特に無機酸又は有機酸と生理学上適合性であり、かつ重要な薬理学的性質、特にナトリウム依存性SGLTグルコースコトランスポーターに対するインヒビター効果を示す塩に関する。疾患、特に代謝性疾患、例えば、糖尿病を治療するための本発明の化合物の使用及びその製造がまた開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般式I
【化1】

(式中、基R1〜R6及びR7a、R7b、R7cは以下に定義される)
のグルコピラノシルオキシ-ピラゾール(これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩を含む)に関する。また、本発明は本発明の式Iの化合物を含む医薬組成物だけでなく、代謝障害の治療のための医薬組成物を調製するための本発明の化合物の使用に関する。本発明の医薬組成物及び化合物の調製方法がまた本発明の主題である。
【背景技術】
【0002】
文献に、ナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLT2に対し抑制効果を有する化合物が疾患、特に糖尿病の治療に提案されている。
グルコピラノシルオキシ-ピラゾール誘導体及びこれらの調製並びにSGLT2インヒビターとしてのそれらの可能な活性が公開された国際特許出願WO 02/36602、WO 02/088157、WO 01/16147、WO 02/053573、WO 02/068439、WO 02/068440及びWO 02/098893から知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は新規グルコピラノシルオキシ-ピラゾール誘導体、特にナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLT、特にSGLT2に対して活性であるものを見出すことである。本発明の更なる目的は既知の、構造の似ているグルコピラノシルオキシ-ピラゾールと較べてin vitro及び/又はin vivoでナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLT2に対する高められた抑制効果を有し、かつ/又は良好な薬理学的性質を有するグルコピラノシルオキシ-ピラゾール誘導体を発見することである。
本発明の更なる目的は代謝障害、特に糖尿病の予防及び/又は治療に適している新規医薬組成物を提供することである。
また、本発明は本発明の化合物の調製方法を提供しようとする。
本発明のその他の目的は以上の記載及び以下の記載から直接に当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一局面において、本発明は一般式
【化2】

のグルコピラノシルオキシ-ピラゾール、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩、特に生理学上許される塩に関する。
【0005】
式中、
R1はC3-6-アルキニル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロフラニル-C1-3-アルキル、テトラヒドロピラニル-C1-3-アルキル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、又は
ピロリジン-3-イル基、ピペリジン-3-イル基もしくはピペリジン-4-イル基(最後の三つの基中で、窒素原子はC1-4-アルキル基、ホルミル基、C1-4-アルキルカルボニル基、C1-4-アルキルスルホニル基、シアノ基、アミノカルボニル基、(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル基、ジ-(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル基又は(C1-4-アルキル)-オキシカルボニル基により置換されていてもよい)を表し、又は
R3
(a)群Aの定義の一つから選ばれ、もしくは
(b)R4と一緒になってジフルオロメチレンジオキシを表し、又は
(c)C3-6-シクロアルキル-オキシもしくはC3-6-シクロアルキリデン-メチルを表し、同時にR4がフッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ又は1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル基もしくはメトキシ基を表す場合には、
R1はまた水素、C1-6-アルキル、1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル基、ヒドロキシ基もしくはC1-3-アルコキシ基により置換されたC2-4-アルキル基、又はC3-6-アルケニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリールもしくはアリール-C1-3-アルキルを表してもよく、かつ
【0006】
R2はC1-4-アルキル、1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル基、又はC3-6-シクロアルキルを表し、かつ
R3は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキリデンメチル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリールオキシ、アリール-C1-3-アルキル-オキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル基もしくはメトキシ基、1〜5個のフッ素原子により置換されたC2-4-アルキル基もしくはC2-4-アルコキシ基、シアノ基により置換されたC1-4-アルキル基、ヒドロキシ基もしくはC1-3-アルキルオキシ基により置換されたC1-4-アルキル基、又はシアノ、カルボキシ、C1-3-アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1-3-アルキルアミノ)カルボニル、ジ-(C1-3-アルキル)アミノカルボニル、ピロリジン-1-イルカルボニル、ピペリジン-1-イルカルボニル、モルホリン-4-イルカルボニル、ピペラジン-1-イル-カルボニル、4-(C1-3-アルキル)-ピペラジン-1-イルカルボニル、ニトロ、アミノ、C1-3-アルキルアミノ、ジ-(C1-3-アルキル)アミノ、(C1-4-アルキル)カルボニルアミノ、C1-4-アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリール-C1-3-アルキルスルホニルアミノ、C1-4-アルキルスルファニル、C1-4-アルキルスルフィニル、C1-4-アルキルスルホニル、アリールスルフェニル、アリールスルフィニルもしくはアリールスルホニルを表し、又は
群Aから選ばれた意味を有し、かつ
R4及びR5(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素、フッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル基又はメトキシ基を表し、又は
R3はR4と一緒になって(それらが隣接炭素原子に結合されている場合には)また直鎖C3-5-アルキレン、メチレンジオキシブリッジ又はジフルオロメチレンジオキシブリッジを表してもよく、かつ
【0007】
R6、R7a、R7b、R7cは互に独立に基:水素、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール-(C1-3-アルキル)-カルボニルから選ばれた意味を有し、
Aはテトラヒドロフラン-3-イルオキシ基、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ基、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ基、テトラヒドロフラニル-C1-3-アルコキシ基、テトラヒドロピラニル-C1-3-アルコキシ基、ピロリジン-3-イルオキシ基、ピペリジン-3-イルオキシ基、ピペリジン-4-イルオキシ基、並びに
ピロリジン-3-イルオキシ、ピペリジン-3-イルオキシ及びピペリジン-4-イルオキシ(最後の三つの基中で、窒素原子はC1-4-アルキル、ホルミル、C1-4-アルキル-カルボニル、C1-4-アルキルスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル、ジ-(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル又は(C1-4-アルキル)-オキシカルボニルにより置換されていてもよい)からなる群から選ばれ、
上記基の定義中に記載されたアリール基はフェニル基又はナフチル基(これらは互に独立にRhにより一置換又は二置換されていてもよく、これらの置換基は同じであってもよく、また異なっていてもよく、かつRhはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-3-アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C1-3-アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ又はシアノを表す)を示すことが意味され、
【0008】
上記基の定義に記載されたヘテロアリール基はピロリル基、フラニル基、チエニル基、ピリジル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリニル基又はイソキノリニル基、又は
ピロリル基、フラニル基、チエニル基もしくはピリジル基(1個又は2個のメチン基が窒素原子により置換されている)、或いは
インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリニル基もしくはイソキノリニル基(1〜3個のメチン基が窒素原子により置換されている)
を示すことが意味され、
上記ヘテロアリール基はRhにより一置換又は二置換されていてもよく、これらの置換基は同じであってもよく、また異なっていてもよく、Rhは先に定義されたとおりであり、
特にことわらない限り、上記アルキル基は直鎖であってもよく、又は分岐していてもよい。
【0009】
一般式Iの本発明の化合物及びこれらの生理学上許される塩は有益な薬理学的性質、特にナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLT、特にSGLT2に対する抑制効果を有する。更に、本発明の化合物はナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLT1に対する抑制効果を有し得る。SGLT1に対する可能な抑制効果と較べて、本発明の化合物はSGLT2を選択的に抑制することが好ましい。
また、本発明は無機酸又は有機酸との本発明の化合物の生理学上許される塩に関する。
更に、本発明はまた医薬組成物としての本発明の化合物(その生理学上許される塩を含む)の使用に関する。
また、本発明は必要により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤と一緒に、本発明の少なくとも一種の化合物又は本発明の生理学上許される塩を含む、医薬組成物に関する。
本発明の更なる主題はナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLT、特にSGLT2を抑制することにより影響し得る疾患又は症状の治療又は予防に適している医薬組成物を調製するための本発明の少なくとも一種の化合物又はこのような化合物の生理学上許される塩の使用である。
【0010】
また、本発明は代謝障害の治療に適している医薬組成物を調製するための本発明の少なくとも一種の化合物の使用に関する。
また、本発明はナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLT、特にSGLT2を抑制するための医薬組成物を調製するための本発明の少なくとも一種の化合物の使用に関する。
更に、本発明は本発明の化合物を非化学的方法により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤に混入することを特徴とする、本発明の医薬組成物の調製方法に関する。
また、本発明は
a) R1が先に定義されたとおりであるが、水素原子を表さない一般式Iの化合物を調製するために、
一般式
【化3】

【0011】
(式中、
R2〜R6及びR7a、R7b、R7cは先に定義されたとおりである)
の化合物を一般式
Z1-R1' (III)
(式中、
R1'は先にR1について示された意味を有するが、水素原子を表さず、かつZ1は脱離基を表す)
の化合物と反応させ、又は
b) R3が必要により置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ又は群A(これは先に定義されたとおりである)から選ばれた意味を表す一般式Iの化合物を調製するために、
一般式
【0012】
【化4】

(式中、
R1、R2及びR4〜R6並びにR7a、R7b、R7cは先に定義されたとおりである)
の化合物を一般式
Z2-R3' (V)
(式中、
R3'は必要により置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ又は群A(これは先に定義されたとおりである)から選ばれた意味を表し、かつZ2は脱離基、好ましくはハロゲン原子、例えば、塩素原子もしくは臭素原子、スルホニルオキシ基、例えば、メタンスルホニルオキシ基もしくはp-トルエンスルホニルオキシ基又はヒドロキシ基を表す)
の化合物と反応させ、そして
工程a)又はb)が行なわれた後に、所望により、こうして得られた一般式I(式中、R6が水素原子を表す)の化合物をアシル化により一般式Iの相当するアシル化合物に変換し、かつ/又は
必要により、上記反応中に使用された保護基を再度開裂し、かつ/又は
所望により、こうして得られた一般式Iの化合物をその立体異性体に分離し、かつ/又は
こうして得られた一般式Iの化合物をその塩、特に医薬上の使用のためにその生理学上許される塩に変換することを特徴とする、一般式Iの本発明の化合物の調製方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
特にことわらない限り、基、残基及び置換基、特にR1〜R6及びR7a、R7b、R7cは、先に、また後に定義されたとおりである。
残基、置換基又は基が化合物中に数回現れる場合、それらは同じ意味を有してもよく、また異なる意味を有してもよい。
先に、また後に、例えば、基R1、R3、R6、R7a、R7b、R7c中に使用されるアリールという用語はフェニルを表すことが好ましい。一般の定義によれば、また特にことわらない限り、アリール基、特にフェニル基は、同じ又は異なる基Rhにより一置換又は二置換されていてもよい。
本発明の化合物は、本発明の第一実施態様において、
R1がC3-6-アルキニル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロフラニル-C1-3-アルキル、テトラヒドロピラニル-C1-3-アルキル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、又は
ピロリジン-3-イル基、ピペリジン-3-イル基もしくはピペリジン-4-イル基(最後の三つの基中で、窒素原子はC1-4-アルキル基、ホルミル基、C1-4-アルキルカルボニル基、C1-4-アルキルスルホニル基、シアノ基、アミノカルボニル基、(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル基、ジ-(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル基又は(C1-4-アルキル)-オキシカルボニル基により置換されていてもよい)を表し、かつ
その他の基R2〜R6及びR7a、R7b、R7cが先に定義されたとおりである、一般式Iにより記載されてもよく、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩を含む。
【0014】
この実施態様の基R1の好ましい意味は2-プロピン-1-イル、2-ブチン-1-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロフラニルメチル及びテトラヒドロピラニルメチルである。最も特に好ましい意味は2-プロピン-1-イル、2-ブチン-1-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル及びテトラヒドロフラン-2-イルメチルである。
この実施態様の基R3の好ましい意味は水素、フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、tert.-ブチル、2-シアノ-2-プロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、テトラヒドロフラニルメチルオキシ、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、メチルスルファニル、2-メチル-1-プロペン-1-イル、シクロプロピリデンメチル、エチニル、フェニル、フルオロフェニル、ピリジル及びメチルチアゾリルである。最も特に好ましい意味はフッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、tert.-ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、特にエチルである。
この第一実施態様の基R4の好ましい意味は水素及びフッ素、特に水素である。
【0015】
本発明の化合物は本発明の第二実施態様において、
R1が水素、C1-6-アルキル、
1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル、
ヒドロキシ基又はC1-3-アルコキシ基により置換されたC2-4-アルキル、
C3-6-アルケニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、かつ
R3がテトラヒドロフラン-3-イルオキシ基、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ基、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ基、テトラヒドロフラニル-C1-3-アルコキシ基、テトラヒドロピラニル-C1-3-アルコキシ基、ピロリジン-3-イルオキシ基、ピペリジン-3-イルオキシ基、ピペリジン-4-イルオキシ基、並びに
ピロリジン-3-イルオキシ、ピペリジン-3-イルオキシ及びピペリジン-4-イルオキシ(最後の三つの基中で、窒素原子はC1-4-アルキル、ホルミル、C1-4-アルキル-カルボニル、C1-4-アルキルスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル、ジ-(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル又は(C1-4-アルキル)-オキシカルボニルにより置換されている)からなる群Aから選ばれ、かつ
その他の基、特にR2及びR4〜R6並びにR7a、R7b、R7cが先に定義されたとおりである、一般式Iにより記載されてもよく、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩を含む。
この実施態様の基R1の好ましい意味はC1-6-アルキル、1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル基、C3-6-シクロアルキル及びC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、特にC1-4-アルキル(これは1〜3個のフッ素原子により置換されていてもよい)、最も好ましくはメチル、エチル、プロピル又はブチル、最も特に好ましくはイソプロピルである。
この実施態様の基R3の好ましい意味はテトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、テトラヒドロフラニルメチルオキシ及びテトラヒドロピラニルメチルオキシである。
この第二実施態様の基R4の好ましい意味は水素及びフッ素、特に水素である。
【0016】
本発明の第三実施態様の本発明の化合物は
R1が水素、C1-6-アルキル、
1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル、
ヒドロキシ基又はC1-3-アルコキシ基により置換されたC2-4-アルキル、
C3-6-アルケニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、かつ
R3がR4と一緒になって(これらは隣接炭素原子に結合されている)、ジフルオロメチレンジオキシブリッジを表し、かつ
その他の基、特にR2、R5及びR6並びにR7a、R7b、R7cが先に定義されたとおりである、一般式Iにより記載されてもよく、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩を含む。
この実施態様の基R1の好ましい意味はC1-6-アルキル、1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル基、C3-6-シクロアルキル及びC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、特にC1-4-アルキル(これは1〜3個のフッ素原子により置換されていてもよい)、特に好ましくはメチル、エチル、プロピル又はブチル、最も特に好ましくはイソプロピルである。
【0017】
本発明の化合物は本発明の第四実施態様において、
R1が水素、C1-6-アルキル、
1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル、
ヒドロキシ基又はC1-3-アルコキシ基により置換されたC2-4-アルキル、
C3-6-アルケニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、かつ
R3がC3-6-シクロアルキル-オキシを表し、かつ
R4がフッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ又は1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル基もしくはメトキシ基を表し、かつ
その他の基、特にR2、R5及びR6並びにR7a、R7b、R7cが先に定義されたとおりである、一般式Iにより記載されてもよく、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩を含む。
この実施態様の基R1の好ましい意味はC1-6-アルキル、1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル基、C3-6-シクロアルキル及びC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、特にC1-4-アルキル(これは1〜3個のフッ素原子により置換されていてもよい)、特に好ましくはメチル、エチル、プロピル又はブチル、最も特に好ましくはイソプロピルである。
この実施態様の基R3の好ましい意味はシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ及びシクロペンチルオキシである。
この実施態様の基R4の好ましい意味はフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ及びトリフルオロメトキシ、特にフッ素である。
【0018】
本発明の化合物は本発明の第五実施態様において、
R1が水素、C1-6-アルキル、
1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル、
ヒドロキシ基又はC1-3-アルコキシ基により置換されたC2-4-アルキル、
C3-6-アルケニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリール又はアリール-C1-3-アルキルを表し、かつ
R3がC3-6-シクロアルキリデン-メチルを表し、かつ
R4がフッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ又は1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル基もしくはメトキシ基を表し、かつ
その他の基、特にR2、R5及びR6並びにR7a、R7b、R7cが先に定義されたとおりである、一般式Iにより記載されてもよく、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩を含む。
この実施態様の基R1の好ましい意味はC1-6-アルキル、1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル基、C3-6-シクロアルキル及びC3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、特にC1-4-アルキル(これは1〜3個のフッ素原子により置換されていてもよい)、特に好ましくはメチル、エチル、プロピル又はブチル、最も特に好ましくはイソプロピルである。
この実施態様の基R3の好ましい意味はシクロプロピリデンメチルである。
この実施態様の基R4の好ましい意味はフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ及びトリフルオロメトキシ、特にフッ素である。
【0019】
下記の備考は式Iの化合物、特に既に上記された第一実施態様、第二実施態様、第三実施態様、第四実施態様及び第五実施態様に言及する。
基R1がピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル又はピペリジン-4-イルを表す場合、その窒素原子は明記されたように置換されていることが好ましい。
上記実施態様の別型によれば、その他の好ましい化合物は置換基R3を有するフェニル基が少なくとも一つのその他の置換基R4及び/又はR5(これは水素ではない)を有する化合物である。この別型によれば、特に好ましい化合物はフッ素である置換基R4を有する化合物である。
基R5の好ましい意味は水素及びフッ素である。
本発明の基R2の好ましい意味はメチル及びトリフルオロメチル、特にメチルである。
【0020】
本発明の基R6は好ましくは水素、(C1-8-アルキル)オキシカルボニル又はC1-8-アルキルカルボニル、特にH又は(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、特に好ましくはH、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルを表す。
置換基R7a、R7b、R7cは互に独立に好ましくは水素又は(C1-18-アルキル)カルボニル、特に水素又は(C1-8-アルキル)カルボニル、特に好ましくは水素、メチルカルボニル又はエチルカルボニルを表す。R7a、R7b及びR7cは水素を表すことが最も好ましい。
R6、R7a、R7b及びR7cがH以外の本発明の意味、例えば、C1-8-アルキルカルボニルを有する式Iの化合物は、R7a、R7b及びR7cが水素を表す式Iの化合物の合成のための中間体生成物として好ましい。
本発明によれば、
R1が2-プロピン-1-イル、2-ブチン-1-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロフラニルメチルもしくはテトラヒドロピラニルメチルを表し、又は
R3
(a)テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、テトラヒドロフラニルメチルオキシ及びテトラヒドロピラニルメチルオキシからなる群から選ばれ、もしくは
(b)R4と一緒になってジフルオロメチレンジオキシブリッジを表し、又は
(c)シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシもしくはシクロプロピリデンメチルを表し、同時にR4がフッ素を表す場合には、
R1がまたイソプロピルを表してもよく、かつ
R2がメチル又はトリフルオロメチルを表し、
【0021】
R3が水素、フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、tert.-ブチル、2-シアノ-2-プロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、テトラヒドロフラニルメチルオキシ、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、メチルスルファニル、2-メチル-1-プロペン-1-イル、シクロプロピリデンメチル、エチニル、フェニル、フルオロフェニル、ピリジル又はメチルチアゾリルを表し、かつ
R4が水素又はフッ素を表し、又は
R3がR4と一緒になって(それらが隣接炭素原子に結合されている場合には)また1,3-プロピレンブリッジ、メチレンジオキシブリッジ又はジフルオロメチレンジオキシブリッジを表してもよく、かつ
R5が水素を表し、かつ
R6が水素、(C1-8-アルキル)オキシカルボニル又はC1-8-アルキルカルボニルを表す、一般式Iの化合物、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩が好ましい。
【0022】
本発明によれば、
R1が2-プロピン-1-イル、2-ブチン-1-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イルもしくはテトラヒドロフラン-2-イルメチルを表し、又は
R3がテトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ及びテトラヒドロフラニルメチルオキシからなる群から選ばれる場合には、
R1がまたイソプロピルを表してもよく、
R2がメチルを表し、
R3がメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ又はテトラヒドロフラニルメチルオキシを表し、
R4が水素又はフッ素を表し、
R5が水素を表し、かつ
R6が水素、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルを表す、一般式Iの化合物、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩が特に好ましい。
本発明によれば、
R1がテトラヒドロフラン-3-イル又はテトラヒドロピラン-4-イルを表し、
R2がメチルを表し、
R3がメチル、エチル、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシを表し、
R4が水素又はフッ素を表し、
R5が水素を表し、
R6が水素、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルを表し、かつ
R7a、R7b及びR7cが水素を表す、一般式Iの化合物、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩が最も特に好ましい。
【0023】
一般式Iの特に好ましい化合物は群:
(a) 1-(2-プロピン-1-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
(b) 1-(2-プロピン-1-イル)-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
(c) 1-((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
(d) 1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
(e) 1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-〔4-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)ベンジル〕-5-メチル-1H-ピラゾール、
(f) 1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-〔4-((R)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)ベンジル〕-5-メチル-1H-ピラゾール、
(g) 1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
及びこれらの誘導体(式中、R6が水素以外の本発明の意味を有し、特にR6がエトキシカルボニル又はメトキシカルボニルを表す)
から選ばれ、これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩を含む。
【0024】
本発明の化合物を記載するのに先に、また後に使用される幾つかの用語が今更に厳密に定義される。
ハロゲンという用語はF、Cl、Br及びI、特にF、Cl及びBrからなる群から選ばれた原子を表す。
C1-n-アルキル(nは2〜8の値を有してもよい)という用語は、1〜n個のC原子を有する飽和、分岐又は非分岐炭化水素基を表す。このような基の例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル等が挙げられる。
C1-n-アルキレン(nは2〜8の値を有してもよい)という用語は、1〜n個のC原子を有する飽和、分岐又は非分岐炭化水素ブリッジを表す。このような基の例として、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2-CH2-)、1-メチル-エチレン(-CH(CH3)-CH2-)、1,1-ジメチル-エチレン(-C(CH3)2-CH2-)、n-プロプ-1,3-イルエン(-CH2-CH2-CH2-)、1-メチルプロプ-1,3-イルエン(-CH(CH3)-CH2-CH2-)、2-メチルプロプ-1,3-イルエン(-CH2-CH(CH3)-CH2-)等だけでなく、相当する鏡像対称形態が挙げられる。
C2-n-アルケニル(nは3〜6の値を有する)という用語は、2〜n個のC原子及びC=C-二重結合を有する分岐又は非分岐炭化水素基を表す。このような基の例として、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソ-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル等が挙げられる。
【0025】
C2-n-アルキニル(nは3〜6の値を有する)という用語は、2〜n個のC原子及びC=C三重結合を有する分岐又は非分岐炭化水素基を表す。このような基の例として、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、イソ-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、2-メチル-1-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、3-メチル-2-ブチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル等が挙げられる。
C1-n-アルコキシ又はC1-n-アルキルオキシという用語はC1-n-アルキル-O基(式中、C1-n-アルキルは先に定義されたとおりである)を表す。このような基の例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、イソ-ペントキシ、ネオ-ペントキシ、tert-ペントキシ、n-ヘキソキシ、イソ-ヘキソキシ等が挙げられる。
C1-n-アルキルカルボニルという用語はC1-n-アルキル-C(=O)基(式中、C1-n-アルキルは先に定義されたとおりである)を表す。このような基の例として、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソ-プロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソ-ブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、イソ-ペンチルカルボニル、ネオ-ペンチルカルボニル、tert-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、イソ-ヘキシルカルボニル等が挙げられる。
C3-n-シクロアルキルという用語は3〜n個のC原子を有する飽和単炭素環式、二炭素環式、三炭素環式又はスピロ炭素環式の基を表す。このような基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロドデシル、ビシクロ〔3.2.1〕オクチル、スピロ〔4.5〕デシル、ノルピニル、ノルボニル、ノルカリル、アダマンチル等が挙げられる。C3-7-シクロアルキルという用語は飽和単環式基を表すことが好ましい。
【0026】
C5-n-シクロアルキレンという用語は5〜n個のC原子を有するモノ不飽和単炭素環式、二炭素環式、三炭素環式又はスピロ炭素環式の基を表す。このような基の例として、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル等が挙げられる。
C3-n-シクロアルキルオキシという用語はC3-n-シクロアルキル-O基(式中、C3-n-シクロアルキルは先に定義されたとおりである)を表す。このような基の例として、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ等が挙げられる。
C3-n-シクロアルキルカルボニルという用語はC3-n-シクロアルキル-C(=O)基(式中、C3-n-シクロアルキルは先に定義されたとおりである)を表す。
先に、また後に使用されるスタイル(フェニル基中の置換基の結合がフェニル環の中央に向かって示される)は、特にことわらない限り、この置換基がH原子を有するフェニル環のあらゆる自由な位置に結合されてもよいことを表す。
本発明の化合物は原則として知られている合成の方法を使用して得られてもよい。化合物は以下に更に詳しく記載される本発明の下記の方法により得られることが好ましい。
a) R1が先に定義されたとおりであるが、水素原子を表さない一般式Iの化合物を調製するために、
一般式










【0027】
【化5】

(式中、
R2〜R6及びR7a、R7b、R7cは先に定義されたとおりである)
の化合物を一般式
Z1-R1' (III)
(式中、
R1'は先にR1について示された意味を有するが、水素原子を表さず、かつZ1は脱離基、好ましくはハロゲン原子、例えば、塩素原子もしくは臭素原子、スルホニルオキシ基、例えば、メタンスルホニルオキシ基もしくはp-トルエンスルホニルオキシ基又はヒドロキシ基を表す)
の化合物と反応させる。
【0028】
その反応は溶媒、例えば、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又はN-メチルピロリジノン中で、必要により塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム又はカリウム-tert.-ブトキシドの存在下で、20℃〜160℃の温度で都合良く行なわれる。
一般式III(式中、Z1がヒドロキシ基を表す)の化合物を用いて、その反応は脱水剤の存在下で、好ましくはホスフィン及びアゾジカルボン酸誘導体、例えば、トリフェニルホスフィン/ジエチルアゾジカルボキシレートの存在下で、都合良くは溶媒、例えば、塩化メチレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエンもしくはエチレングリコールジエチルエーテル又はこれらの混合物中で-50〜150℃の温度、好ましくは-20〜80℃の温度で行なわれる。
b) R3が必要により置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ又は群A(これは先に定義されたとおりである)から選ばれた意味を表す一般式Iの化合物を調製するために、
一般式




【0029】
【化6】

(式中、
R1、R2及びR4〜R6並びにR7a、R7b、R7cは先に定義されたとおりである)
の化合物を一般式
Z2-R3' (V)
(式中、
R3'は必要により置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ又は群A(これは先に定義されたとおりである)から選ばれた意味を表し、かつZ2は脱離基、好ましくはハロゲン原子、例えば、塩素原子もしくは臭素原子、スルホニルオキシ基、例えば、メタンスルホニルオキシ基もしくはp-トルエンスルホニルオキシ基又はヒドロキシ基を表す)
の化合物と反応させる。
【0030】
その反応は溶媒、例えば、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又はN-メチルピロリジノン中で、必要により塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム又はカリウム-tert.-ブトキシドの存在下で、20℃〜160℃の温度で都合良く行なわれる。
一般式V(式中、Z2がヒドロキシ基を表す)の化合物を用いて、その反応は脱水剤の存在下で、好ましくはホスフィン及びアゾジカルボン酸誘導体、例えば、トリフェニルホスフィン/ジエチルアゾジカルボキシレートの存在下で、都合良くは溶媒、例えば、塩化メチレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエンもしくはエチレングリコールジエチルエーテル又はこれらの混合物中で-50〜150℃の温度、好ましくは-20〜80℃の温度で行なわれる。
本発明に従ってR6が水素原子を表す一般式Iの化合物が得られる場合、これはアシル化、例えば、塩基、例えば、ピリジン、コリジン、トリエチルアミン又はN-エチル-ジイソプロピルアミンの存在下のアシル化によりR6が(C1-18-アルキル)カルボニル基、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル基、アリールカルボニル基又はアリール-(C1-3-アルキル)-カルボニル基を表す化合物に変換されてもよい。好適なアシル化剤は、特に、相当する活性化アシル誘導体、例えば、酸クロリド又は酸無水物であってもよい。
【0031】
上記反応において、存在する反応性基、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基又はイミノ基は通常の保護基(これらはその反応後に再度開裂される)により反応中に保護されてもよい。
例えば、ヒドロキシ基の保護基はトリメチルシリル基、アセチル基、ベンジル基又はテトラヒドロピラニル基であってもよく、
アミノ基、アルキルアミノ基又はイミノ基の保護基は、例えば、ホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、エトキシカルボニル基、tert.ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンジル基、メトキシベンジル基又は2,4-ジメトキシベンジル基であってもよい。
使用した保護基は必要によりその後に、例えば、水性溶媒、例えば、水、イソプロパノール/水、酢酸/水、テトラヒドロフラン/水又はジオキサン/水中で、酸、例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸もしくは硫酸の存在下で、又はアルカリ金属塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムの存在下で加水分解により、又は、例えば、ヨードトリメチルシランの存在下で、0〜120℃の温度、好ましくは10〜100℃の温度で非プロトン的に開裂される。
【0032】
しかしながら、ベンジル基、メトキシベンジル基又はベンジルオキシカルボニル基は、例えば、水添分解により、例えば、パラジウム/木炭の如き触媒の存在下で好適な溶媒、例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル又は氷酢酸中で、必要により塩酸の如き酸を添加して、0〜100℃の温度、好ましくは20〜60℃の周囲温度で、1〜7バール、好ましくは3〜5バールの水素圧のもとに水素を使用して開裂される。しかしながら、2,4-ジメトキシベンジル基はトリフルオロ酢酸中でアニソールの存在下で開裂されることが好ましい。
tert.ブチル基又はtert.ブチルオキシカルボニル基は必要により溶媒、例えば、塩化メチレン、ジオキサン、メタノール又はジエチルエーテルを使用して、トリフルオロ酢酸又は塩酸の如き酸による処理により、又はヨードトリメチルシランによる処理により開裂されることが好ましい。
トリフルオロアセチル基は、必要により酢酸の如き溶媒の存在下で50〜120℃の温度で塩酸の如き酸で処理することにより、又は、必要によりテトラヒドロフランもしくはメタノールの如き溶媒の存在下で0〜50℃の温度で水酸化ナトリウム溶液で処理することにより開裂されることが好ましい。
【0033】
更に、得られた一般式Iの化合物は前記のようにそれらの鏡像体及び/又はジアステレオマーに分割されてもよい。こうして、例えば、シス/トランス混合物はそれらのシス異性体及びトランス異性体に分割されてもよく、また少なくとも一つの光学活性炭素原子を有する化合物はそれらの鏡像体に分離されてもよい。
こうして、例えば、シス/トランス混合物はクロマトグラフィーによりそのシス異性体及びトランス異性体に分割されてもよく、ラセミ体として生じる得られた一般式Iの化合物はそれ自体知られている方法(Allinger N. L. 及びEliel E. L. 著“Topics in Stereochemistry”, Vol. 6, Wiley Interscience, 1971を参照のこと)によりそれらの光学鏡像体に分離されてもよく、また少なくとも2個の不斉炭素原子を有する一般式Iの化合物はそれ自体知られている方法を使用して、例えば、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶化によりそれらの物理的−化学的相違に基づいてそれらのジアステレオマーに分割されてもよく、これらの化合物がラセミ形態で得られる場合には、それらが続いて上記のように鏡像体に分割されてもよい。
鏡像体はキラル相によるカラム分離もしくは光学活性溶媒による再結晶により、又は光学活性物質(これはラセミ化合物と塩又は誘導体、例えば、エステル又はアミドを生成する)、特に酸及びその活性化誘導体またはアルコールと反応させ、こうして得られた塩又は誘導体のジアステレオマー混合物を、例えば、それらの溶解性の相違に基づいて分離することにより分離されることが好ましく、一方、遊離鏡像体は好適な薬剤の作用により純粋なジアステレオマー塩又は誘導体から放出し得る。普通使用される光学活性酸は、例えば、酒石酸又はジベンゾイル酒石酸、ジ-o-トリル酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、ショウノウスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸又はキナ酸のD-形態及びL-形態である。光学活性アルコールは、例えば、(+)-メントール又は(-)-メントールであってもよく、またアミド中の光学活性アシル基は、例えば、(+)-又は(-)-メンチルオキシカルボニルであってもよい。
【0034】
更に、式Iの化合物はそれらの塩、特に医薬用のために無機酸又は有機酸とのそれらの生理学上許される塩に変換し得る。この目的に使用し得る酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸が挙げられる。
更に、得られた化合物はアミノ酸、特にアルファ-アミノ酸、例えば、プロリン又はフェニルアラニン(これらは高い結晶性の如き特に有利な性質を有し得る)との混合物、例えば、1:1又は1:2の混合物に変換されてもよい。
出発物質として使用される一般式II〜Vの化合物は文献から一部知られており、又は、必要により保護基の付加的な包含を用いて、文献から知られている方法により得られてもよい(例I〜VIを参照のこと)。
本発明の化合物はまた下記の実施例に記載された方法により有利に得られてもよく、これらはまた文献から当業者に知られている方法、例えば、特にWO 02/36602、WO 02/088157、WO 01/16147、WO 02/053573、WO 02/068439、WO 02/068440及びWO 02/098893に記載された方法と組み合わされてもよい。
既に記載したように、本発明の一般式Iの化合物及びこれらの生理学上許される塩は有益な薬理学的性質、特にナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLT、好ましくはSGLT2に対する抑制効果を有する。
【0035】
新規化合物の生物学的性質は以下のようにして調べられてもよい。
SGLT-2活性を抑制する物質の能力はCHO-K1細胞系(ATCC No. CCL 61)又はHEK293細胞系(ATCC No. CRL-1573)(これは発現ベクターpZeoSV(インビトロゲン、EMBL受理番号L36849)で安定にトランスフェクトされ、これはヒトナトリウムグルコースコトランスポーター2のコーディング配列のためのcDNA(Genbank Acc. No.NM 003041)を含む)(CHO-hSGLT2又はHEK-hSGLT2)が使用される試験セットアップで実証し得る。これらの細胞系は14C標識アルファ-メチル-グルコピラノシド(14C-AMG、アメーシャム)をナトリウム依存様式で細胞の内部に輸送する。
SGLT-2アッセイは以下のように行なわれる。
CHO-hSGLT2細胞を10%のウシ胎児血清及び250μg/mlのゼオシン(インビトロゲン)を含むハムF12培地(バイオウィッテーカー)中で培養し、HEK293-hSGLT2細胞を10%のウシ胎児血清及び250μg/mlのゼオシン(インビトロゲン)を含むDMEM培地中で培養する。
細胞をPBSで2回洗浄し、続いてトリプシン/EDTAで処理することにより培養フラスコから脱着する。細胞培地の添加後に、細胞を遠心分離し、培地中で再懸濁させ、キャシイ細胞カウンター中でカウントする。次いでウェル当り40,000の細胞をポリ-D-リシンで被覆された白色の96ウェルプレートに接種し、37℃、5%のCO2で一夜インキュベートする。細胞をアッセイ緩衝液(ハンクス平衡塩溶液、137 mM NaCl、5.4 mM KCl、2.8 mM CaCl2、1.2 mM MgSO4及び10 mM HEPES (pH7.4)、50μg/mlのゲンタマイシン)250μlで2回洗浄する。次いでアッセイ緩衝液250μl及び試験化合物5μlを夫々のウェルに添加し、プレートを更に15分間にわたってインキュベーター中でインキュベートする。10%のDMSO 5μlを陰性対照として使用する。14C-AMG(0.05μCi)5μlを夫々のウェルに添加することにより反応を開始する。37℃、5%のCO2で2時間のインキュベーション後に、細胞をPBS(20℃)250μlで再度洗浄し、次いで0.1N NaOH 25μlの添加により溶解する(37℃で5分間)。ミクロシント20(パッカード)200μlを夫々のウェルに添加し、インキュベーションを37℃で更に20分間続ける。このインキュベーション後に、14Cシンチレーションプログラムを使用して吸収された14C-AMGの放射能をトップカウント(パッカード)中で測定する。
【0036】
ヒトSGLT2に関する選択性を測定するために、同様の試験をセットアップし、この場合、hSGLT2 cDNAに代えてhSGLT1に関するcDNA(Genbank Acc. No. NM000343)をCHO-K1細胞又はHEK293細胞中で発現する。
また、hSGLT1及びhSGLT2に関する細胞膜電位の測定がまた物質の生物学的試験に使用されてもよい。前記細胞モデルがこのために使用されてもよい。試験について、ポリ-D-リシンで被覆された透明なベースを有する黒色の384ウェルプレートのウェル当り10,000の細胞を培地に接種し、37℃、5%のCO2で16時間インキュベートする。次いで細胞をグルコースを含まないHBSS緩衝液(12.67モル/lのCaCl2、4.93ミリモル/lのMgCl2、4.07ミリモル/lのMgSO4、4.41ミリモル/lのKH2PO4;pH 7.4)で2回洗浄し、HBSS20μlで覆う。荷電緩衝液(メンブラン・ポテンシャル・アッセイ・キット・エクスプローラーR8126、モレキュラー・デバイシズGmbH、イスマニング)20μl及び好適な濃度の試験すべき物質20μlの添加後に、インキュベーションを37℃、5%のCO2で更に30分間続ける。その測定を485nmの励起波長で蛍光イメージング・プレート・リーダー(モレキュラー・デバイシズGmbH、イスマニング)中で行ない、刺激剤緩衝液(140 mM NaCl及び120 mM グルコース)20μlの添加により開始する。Na+のグルコース誘導内向きフラックスにより生じた細胞の脱分極が蛍光の変化として測定され、定量し得る。
本発明の一般式Iの化合物は、例えば、1000 nM以下、特に200 nM以下、特に好ましくは50 nM以下のEC50値を有し得る。例えば、実施例3の化合物(4)はSGLT-2アッセイで約5 nMのEC50値を有する。
【0037】
SGLT活性を抑制するそれらの能力に鑑みて、本発明の一般式Iの化合物及びその相当する医薬上許される塩はSGLT活性、特にSGLT-2活性の抑制により影響し得る全てのこれらの症状又は疾患の治療及び/又は予防治療に理論的に適している。それ故、本発明の化合物は疾患、特に代謝障害、又は症状、例えば、1型及び2型真性糖尿病、糖尿病の合併症(例えば、網膜症、腎症又は神経障害、糖尿病性の足の疾患、潰瘍、血管の粥状変化)、代謝性アシドーシス又はケトーシス、反応性低血糖、高インスリン症、グルコース代謝障害、インスリン耐性、代謝症候群、異なる起源の脂質異常症、アテローム硬化症及び関連の疾患、肥満、高血圧、慢性心不全、浮腫及び高尿酸血の予防又は治療に特に適している。これらの物質はまたベータ細胞変性、例えば、アポトーシス又は膵臓ベータ細胞の壊死を予防するのに適している。これらの物質はまた膵臓細胞の機能を改善又は回復し、また膵臓ベータ細胞の数及びサイズを増大するのに適している。本発明の化合物はまた利尿薬又は坑高血圧薬として使用されてもよく、急性腎不全の予防及び治療に適している。
【0038】
病気又は症状が本発明に従って治療又は予防される患者は哺乳類、特にヒトである。
特に、本発明の化合物(これらの生理学上許される塩を含む)は糖尿病、特に型1及び型2真性糖尿病、並びに/又は糖尿病の合併症の予防又は治療に適している。
治療又は予防のための相当する活性を得るのに必要とされる用量は投与すべき化合物、患者、病気又は症状の性質及び重度並びに投与の方法及び頻度に通常依存し、患者の医師が決めるべきである。適当に、用量は夫々の場合に1日1〜4回投与されて、静脈内経路により1mgから100mgまで、好ましくは1〜30mg、また経口経路により、1〜1000mg、好ましくは1〜100mgであってもよい。この目的のために、本発明に従って調製された式Iの化合物は一種以上の通常の不活性担体及び/又は希釈剤、例えば、トウモロコシ澱粉、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば、硬質脂肪又はこれらの好適な混合物と一緒に、必要によりその他の活性物質と一緒に製剤化されて、通常のガレン製剤、例えば、単純錠剤もしくは被覆錠剤、カプセル、粉末、懸濁液又は座薬を製造し得る。
【0039】
本発明の化合物はまた、特に上記疾患及び症状の治療及び/又は予防のために、その他の活性物質と連係して使用されてもよい。このような組み合わせに適しているその他の活性物質として、例えば、記載された指示の一つに関して本発明のSGLTアンタゴニストの治療効果を強化し、かつ/又は本発明のSGLTアンタゴニストの用量が減少されることを可能にするものが挙げられる。このような組み合わせに適している治療薬として、例えば、坑糖尿病薬、例えば、メトフォルミン、スルホニル尿素(例えば、グリベンクラミド、トルブタミド、グリメピリド)、ナテグリニド、レパグリニド、チアゾリジンジオン(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン)、PPAR-ガンマ-アゴニスト(例えば、GI262570)及びアンタゴニスト、PPAR-ガンマ/アルファモジュレーター(例えば、KRP297)、アルファ-グルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボース、ボグリボース)、DPPIVインヒビター(例えば、LAF237、MK-431)、アルファ2-アンタゴニスト、インスリン及びインスリン類似体、GLP-1及びGLP-1類似体(例えば、エキセンジン-4)又はアミリンが挙げられる。そのリストはまたタンパク質チロシンホスファターゼ1のインヒビター、肝臓中の脱調節されたグルコース生成に影響する物質、例えば、グルコース-6-ホスファターゼ、又はフラクトース-1,6-ビスホスファターゼのインヒビター、グリコーゲンホスフォリラーゼ、グルカゴン受容体アンタゴニスト及びホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ、グリコーゲンシンターゼキナーゼ又はピルベートデヒドロキナーゼのインヒビター、脂質低下薬、例えば、HMG-CoA-還元酵素インヒビター(例えば、シムバスタチン、アトルバスタチン)、フィブレート(例えば、ベザフィブラート、フェノフィブラート)、ニコチン酸及びその誘導体、PPAR-アルファアゴニスト、PPAR-デルタアゴニスト、ACATインヒビター(例えば、アバシミベ)又はコレステロール吸収インヒビター、例えば、エゼチミベ、胆汁酸結合物質、例えば、コレスチラミン、イレウスの胆汁酸輸送のインヒビター、HDL増大化合物、例えば、CETPインヒビターもしくはABC1レギュレーター又は肥満を治療するための活性物質、例えば、シブトラミン又はテトラヒドロリポスタチン、デクスフェンフルラミン、アキソキン、カンナビノイド1受容体のアンタゴニスト、MCH-1受容体アンタゴニスト、MC4受容体アゴニスト、NPY5もしくはNPY2アンタゴニスト又はβ3-アゴニスト、例えば、SB-418790又はAD-9677及び5HT2c受容体のアゴニストを含む。
【0040】
更に、高血圧、慢性心不全又はアテローム硬化症に影響するための薬物、例えば、A-IIアンタゴニスト又はACEインヒビター、ECEインヒビター、利尿薬、β-ブロッカー、Ca-アンタゴニスト、中枢に作用する坑高血圧薬、アルファ-2-アドレナリン作用性受容体のアンタゴニスト、中性エンドペプチダーゼのインヒビター、血小板凝集インヒビター等との組み合わせ又はこれらの組み合わせが好適である。アンギオテンシンII受容体アンタゴニストの例はカンデサルタン・シレキセチル、カリウムロサルタン、エプロサルタンメシレート、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、EXP-3174、L-158809、EXP-3312、オルメサルタン、メドキソミル、タソサルタン、KT-3-671、GA-0113、RU-64276、EMD-90423、BR-9701等である。アンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、しばしばヒドロクロロチアジドの如き利尿薬と組み合わされて、高血圧及び糖尿病の合併症の治療又は予防に使用されることが好ましい。
尿酸合成インヒビター又は尿酸排泄薬との組み合わせが痛風の治療又は予防に適している。
GABA受容体アンタゴニスト、Naチャンネルブロッカー、トピラマット、タンパク質キナーゼCインヒビター、進行グリケーション最終産物インヒビター又はアルドース還元酵素インヒビターとの組み合わせが糖尿病の合併症の治療又は予防に使用し得る。
上記組み合わせパートナーの用量は通常推奨される最低用量の1/5〜通常推奨される用量の1/1までであることが有益である。
それ故、別の局面において、本発明はナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLTを抑制することにより影響し得る疾患又は症状の治療又は予防に適している医薬組成物を調製するための、組み合わせパートナーとして上記された活性物質の少なくとも一種と組み合わされた本発明の化合物又はこのような化合物の生理学上許される塩の使用に関する。これらは代謝疾患、特に先にリストされた疾患又は症状の一種、最も特別には糖尿病又は糖尿病の合併症であることが好ましい。
【0041】
別の活性物質と組み合わせての、本発明の化合物、又はその生理学上許される塩の使用は同時に、又はずらされた時間に行なわれてもよいが、特に時間の短い間隔内に行なわれてもよい。それらが同時に投与される場合、2種の活性物質が一緒に患者に与えられる。それらがずらされた時間に使用される場合、2種の活性物質は、12時間以下、特に6時間以下の期間内に患者に与えられる。
従って、別の局面において、本発明は、必要により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤と一緒に、本発明の化合物又はこのような化合物の生理学上許される塩及び組み合わせパートナーとしての上記活性物質の少なくとも一種を含む医薬組成物に関する。
こうして、例えば、本発明の医薬組成物は必要により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤と一緒に本発明の式Iの化合物又はこのような化合物の生理学上許される塩及び少なくとも一種のアンギオテンシンII受容体アンタゴニストの組み合わせを含む。
本発明の化合物、又はその生理学上許される塩、及びこれらと組み合わされる付加的な活性物質は一種の製剤、例えば、錠剤又はカプセル中に両方とも一緒に存在してもよく、又は2種の同じもしくは異なる製剤、例えば、所謂パーツのキット中に別々に存在してもよい。
以上及び以下の明細書中、ヒドロキシル基のH原子は夫々の場合に構造式中に明らかに示されない。以下の実施例は本発明を説明することを目的とし、それを限定するものではない。
【実施例】
【0042】
出発化合物の調製:
例I
【化7】

【0043】
1-(2-プロピン-1-イル)-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール(その合成について、またWO 01/16147、WO 02/53573、WO 02/68439を参照のこと)600mg、炭酸セシウム390mg及び臭化プロパルギル0.091mlをジメチルホルムアミド5ml中で16時間撹拌する。炭酸セシウム更に195mg及び臭化プロパルギル0.046mlを添加し、その混合物を周囲温度で更に3時間撹拌する。その反応混合物を水25mlと酢酸エチル30mlの間に分配する。有機相を分離し、乾燥させ、蒸発させる。塩化メチレン/メタノール勾配(99:1→95:5)を用いて、残渣をシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーにより精製する。
収量:234mg(理論値の36%)
Rf値:0.65(シリカゲル;塩化メチレン/メタノール=15:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=585〔M+H〕+
例Iと同様にして、下記の化合物を得る。
(1) (2-ブチン-1-イル)-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
【0044】
【化8】

Rf値:0.58(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール/シクロヘキサン=20:1:2)
質量スペクトル(ESI+):m/z=599〔M+H〕+
(2) 1-イソプロピル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-ベンジルオキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール













【0045】
【化9】

例IVの化合物からヨウ化イソプロピルとの反応により調製した。
Rf値:0.72(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル=1:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=667〔M+H〕+
加えて、0.48、0.33及び0.22のRf値を有する標題化合物の部分脱アセチル化誘導体を反応混合物から単離する(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル=1:1)。
例II
【0046】
【化10】

エチル2-(4-ベンジルオキシベンジル)-アセトアセテート
エチルアセトアセテートを水素化ナトリウムで処理し、続いて4-ベンジルオキシベンジルブロミドと反応させることにより調製した。その反応をテトラヒドロフラン中で行なう。
Rf値:0.48(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル=4:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=344〔M+NH4+
例III
【0047】
【化11】

1,2-ジヒドロ-4-(4-ベンジルオキシベンジル)-5-メチル-ピラゾール-3-オン
例IIの化合物からエタノール中でヒドラジン水和物と反応させることにより調製した。
Rf値:0.35(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9:1)
質量スペクトル(ESI-):m/z=293〔M-H〕-
例IV
【0048】
【化12】

3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-ベンジルオキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
1,2-ジヒドロ-4-(4-ベンジルオキシベンジル)-5-メチル-ピラゾール-3-オン5.1g、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-アルファ-グルコピラノシルブロミド7.13g及び炭酸銀4.78gを65℃で3日間にわたって光を除いて撹拌する。反応混合物を吸引フィルターで濾過し、固体残渣を塩化メチレンで洗浄し、濾液を蒸発させる。酢酸エチル/シクロヘキサン勾配(1:1→3:1)を用いて、粗生成物をシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーにより精製する。
収量:4.7g(理論値の43%)
Rf値:0.45(シリカゲル;酢酸エチル/シクロヘキサン=3:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=625〔M+H〕+
例V
【0049】
【化13】

1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-ベンジルオキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
例I(2)の化合物の部分脱アセチル化誘導体からテトラヒドロフラン/メタノール中の水酸化リチウムによる処理により調製する。
Rf値:0.10(シリカゲル;塩化メチレン/メタノール=9:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=499〔M+H〕+
例VI
【0050】
【化14】

1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-ヒドロキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
メタノール中でパラジウム/活性炭(10%のPd)の存在下で周囲温度(約20℃)で1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-ベンジルオキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾールの接触水素化により調製する。
Rf値:0.36(シリカゲル;塩化メチレン/メタノール=6:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=409〔M+H〕+
例VIと同様にして、下記の化合物を得る。
(1) 1-イソプロピル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-ヒドロキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
【0051】
【化15】

Rf値:0.30(シリカゲル;塩化メチレン/メタノール=9:1)
最終化合物の調製:
実施例1
【0052】
【化16】

1-(2-プロピン-1-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
メタノール1ml及びテトラヒドロフラン2mlの混合物中の1-(2-プロピン-1-イル)-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール250mgの溶液を氷浴中で冷却し、1M水酸化リチウム水溶液1.81mlと合わせ、2時間撹拌する。その反応混合物を水5ml及び飽和食塩水溶液5mlと合わせ、酢酸エチルで抽出する。有機相を分離し、飽和食塩水溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。
収量:167mg(理論値の93%)
Rf値:0.17(シリカゲル;塩化メチレン/メタノール=9:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=417〔M+H〕+
実施例1と同様にして、下記の化合物を得る。
(1) 1-(2-ブチン-1-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
【0053】
【化17】

Rf値:0.40(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=431〔M+H〕+
実施例2
【0054】
【化18】

1-(2-プロピン-1-イル)-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
2,4,6-コリジン0.5ml中の1-(2-プロピン-1-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール100mgを氷浴中でメチルクロロホルメート0.023mlと合わせ、6時間撹拌する。0.1N塩酸3.5mlを反応混合物に添加し、次いでこれを酢酸エチル10mlで抽出する。有機相を分離し、飽和食塩水溶液で洗浄し、蒸発させる。残渣を酢酸エチル20mlに吸収させ、0.1N塩酸5ml及び飽和食塩水溶液で再度洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。
収量:85mg(理論値の75%)
Rf値:0.30(シリカゲル;塩化メチレン/メタノール=9:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=475〔M+H〕+
実施例2と同様にして、下記の化合物を得る。
(2) 1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
【0055】
【化19】

Rf値:0.35(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=537〔M+H〕+
実施例3
【0056】
【化20】

1-((S)-テトラヒドロフラン-2-イルメチル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール(その合成について、またWO 01/16147、WO 02/53573、WO 02/68439を参照のこと)300mg、炭酸セシウム1808mg及び(テトラヒドロフラン-2-イルメチル)-(S)-p-トルエンスルホネート666mgをジメチルホルムアミド5ml中で100℃で5時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、残渣を氷浴中で冷却しながらメタノール0.9ml、テトラヒドロフラン1.8ml及び1N水酸化リチウム水溶液1.5mlと合わせる。2時間の撹拌後に、反応混合物を水20mlと酢酸エチル30mlの間に分配する。有機相を飽和食塩水溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。塩化メチレン/メタノール(9:1)を用いて、残渣をシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーにより精製する。
収量:128mg(理論値の50%)
Rf値:0.40(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=7:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=463〔M+H〕+
実施例3と同様にして、下記の化合物を得る。
(3) 1-((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
【0057】
【化21】

(テトラヒドロフラン-3-イル)(R)-p-トルエンスルホネートをアルキル化剤として使用してもよい。
Rf値:0.40(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=7:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=449〔M+H〕+
(4) 1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
【0058】
【化22】

(テトラヒドロピラン-4-イル)p-トルエンスルホネートをアルキル化剤として使用してもよい。
Rf値:0.40(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=7:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=463〔M+H〕+
(5) 1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール
【0059】
【化23】

出発物質は、例えば、WO 01/16147又はWO 02/53573に同様に記載された、3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾールである。(テトラヒドロピラン-4-イル)p-トルエンスルホネートをアルキル化剤として使用してもよい。
Rf値:0.20(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=9:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=465〔M+H〕+
実施例4
【0060】
【化24】

1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-〔4-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)ベンジル〕-5-メチル-1H-ピラゾール
1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-ヒドロキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール50mg、(テトラヒドロフラン-3-イル)(R)-p-トルエンスルホネート33.92mg及び炭酸セシウム45.61mgをジメチルホルムアミド0.5ml中で50℃で16時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムによるクロマトグラフィーにより精製する。
収量:35mg(理論値の60%)
Rf値:0.55(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=6:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=479〔M+H〕+
実施例4と同様にして、下記の化合物を得る。
(6) 1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-〔4-((S)-テトラヒドロフラン-2-イル-メチルオキシ)ベンジル〕-5-メチル-1H-ピラゾール
【0061】
【化25】

Rf値:0.55(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=6:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=493〔M+H〕+
(7) 1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-〔4-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)ベンジル〕-5-メチル-1H-ピラゾール
【0062】
【化26】

Rf値:0.54(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール=6:1)
質量スペクトル(ESI+):m/z=493〔M+H〕+
(8) 1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-〔4-((R)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)ベンジル〕-5-メチル-1H-ピラゾール
【0063】
【化27】

例VI(1)の化合物のアルキル化、続いて例Vと同様にしてそのアセチル基の加水分解により調製した。
質量スペクトル(ESI+):m/z=479〔M+H〕+
上記実施例及び文献から知られているその他の方法と同様にして、下記の化合物をまた調製する。


























【0064】
【化28】



【0065】
【化29】



【0066】
【化30】



【0067】
【化31】



【0068】
【化32】



【0069】
【化33】



【0070】
【化34】



【0071】
【化35】



【0072】
【化36】



【0073】
【化37】



【0074】
【化38】



【0075】
【化39】



【0076】
【化40】



【0077】
【化41】

【0078】
以下は製剤の実施例であり、“活性物質”という表現は本発明の一種以上の化合物(これらの塩を含む)を表す。一種以上のその他の活性物質との組み合わせの一つの場合、“活性物質”という用語はまた付加的な活性物質を含む。
実施例A
活性物質100mgを含む錠剤
組成:
1個の錠剤は下記の成分を含む:
活性物質 100.0mg
ラクトース 80.0mg
トウモロコシ澱粉 34.0mg
ポリビニルピロリドン 4.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
220.0mg
調製の方法:
活性物質、ラクトース及び澱粉を一緒に混合し、ポリビニルピロリドンの水溶液で一様に湿らせる。湿った組成物を篩分け(2.0mmのメッシュサイズ)、ラック型乾燥機中で50℃で乾燥させた後、それを再度篩分け(1.5mmのメッシュサイズ)、滑剤を添加する。完成した混合物を圧縮して錠剤を形成する。
錠剤の重量:220mg
直径:10mm(両面で刻まれ、一面でノッチ付けられた、2平面のもの)
【0079】
実施例B
活性物質150mgを含む錠剤
組成:
1個の錠剤は下記の成分を含む:
活性物質 150.0mg
粉末ラクトース 89.0mg
トウモロコシ澱粉 40.0mg
コロイドシリカ 10.0mg
ポリビニルピロリドン 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
300.0mg
調製の方法:
ラクトース、トウモロコシ澱粉及びシリカと混合された活性物質を20%のポリビニルピロリドン水溶液で湿らせ、1.5mmのメッシュサイズを有する篩に通す。45℃で乾燥された顆粒を同篩に再度通し、明記された量のステアリン酸マグネシウムと混合する。錠剤をその混合物からプレスする。
錠剤の重量:300mg
ダイ:10mm、平ら
【0080】
実施例C
活性物質150mgを含む硬質ゼラチンカプセル
1個のカプセルは下記の成分を含む:
活性物質 150.0mg
トウモロコシ澱粉(乾燥) 約180.0mg
ラクトース(粉末) 約 87.0mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
約420.0mg
調製:
活性物質を賦形剤と混合し、0.75mmのメッシュサイズを有する篩に通し、好適な装置を使用して均一に混合する。完成した混合物をサイズ1硬質ゼラチンカプセルに詰める。
カプセル充填:約320mg
カプセルシェル:サイズ1硬質ゼラチンカプセル
実施例D
活性物質150mgを含む座薬
1個の座薬は下記の成分を含む:
活性物質 150.0mg
ポリエチレングリコール1500 550.0mg
ポリエチレングリコール6000 460.0mg
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 840.0mg
2,000.0mg
調製:
座薬物質を融解した後、活性物質をその中に均一に分配し、融解物を冷却した金型に注入する。
【0081】
実施例E
活性物質10mgを含むアンプル
組成:
活性物質 10.0mg
0.01N塩酸 充分な量
2回蒸留水 2.0ml添加
調製:
活性物質を必要な量の0.01N HClに溶解し、食塩で等張にし、無菌濾過し、2mlのアンプルに移す。
実施例F
活性物質50mgを含むアンプル
組成:
活性物質 50.0mg
0.01N塩酸 充分な量
2回蒸留水 10.0ml添加
調製:
活性物質を必要な量の0.01N HClに溶解し、食塩で等張にし、無菌濾過し、10mlのアンプルに移す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式のグルコピラノシルオキシ-ピラゾール、これらの互変異性体、立体異性体、混合物又はこれらの塩。
【化1】

〔式中、
R1はC3-6-アルキニル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロフラニル-C1-3-アルキル、テトラヒドロピラニル-C1-3-アルキル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、又は
ピロリジン-3-イル基、ピペリジン-3-イル基もしくはピペリジン-4-イル基(最後の三つの基中で、窒素原子はC1-4-アルキル基、ホルミル基、C1-4-アルキルカルボニル基、C1-4-アルキルスルホニル基、シアノ基、アミノカルボニル基、(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル基、ジ-(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル基又は(C1-4-アルキル)-オキシカルボニル基により置換されていてもよい)を表し、又は
R3
(a)群Aの定義の一つから選ばれ、もしくは
(b)R4と一緒になってジフルオロメチレンジオキシを表し、又は
(c)C3-6-シクロアルキル-オキシもしくはC3-6-シクロアルキリデン-メチルを表し、同時にR4がフッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ又は1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル基もしくはメトキシ基を表す場合には、
R1はまた水素、C1-6-アルキル、1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル基、ヒドロキシ基もしくはC1-3-アルコキシ基により置換されたC2-4-アルキル基、又はC3-6-アルケニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル、アリールもしくはアリール-C1-3-アルキルを表してもよく、かつ
R2はC1-4-アルキル、1〜3個のフッ素原子により置換されたC1-4-アルキル基、又はC3-6-シクロアルキルを表し、かつ
R3は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキリデンメチル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルコキシ、アリール、アリール-C1-3-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-3-アルキル、アリールオキシ、アリール-C1-3-アルキル-オキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル基もしくはメトキシ基、1〜5個のフッ素原子により置換されたC2-4-アルキル基もしくはC2-4-アルコキシ基、シアノ基により置換されたC1-4-アルキル基、ヒドロキシ基もしくはC1-3-アルキルオキシ基により置換されたC1-4-アルキル基、又はシアノ、カルボキシ、C1-3-アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1-3-アルキルアミノ)カルボニル、ジ-(C1-3-アルキル)アミノカルボニル、ピロリジン-1-イルカルボニル、ピペリジン-1-イルカルボニル、モルホリン-4-イルカルボニル、ピペラジン-1-イル-カルボニル、4-(C1-3-アルキル)-ピペラジン-1-イルカルボニル、ニトロ、アミノ、C1-3-アルキルアミノ、ジ-(C1-3-アルキル)アミノ、(C1-4-アルキル)カルボニルアミノ、C1-4-アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリール-C1-3-アルキルスルホニルアミノ、C1-4-アルキルスルファニル、C1-4-アルキルスルフィニル、C1-4-アルキルスルホニル、アリールスルフェニル、アリールスルフィニルもしくはアリールスルホニルを表し、又は
群Aから選ばれた意味を有し、かつ
R4及びR5(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)は水素、フッ素、塩素、臭素、C1-3-アルキル、C1-3-アルコキシ、1〜3個のフッ素原子により置換されたメチル基又はメトキシ基を表し、又は
R3はR4と一緒になって(それらが隣接炭素原子に結合されている場合には)また直鎖C3-5-アルキレン、メチレンジオキシブリッジ又はジフルオロメチレンジオキシブリッジを表してもよく、かつ
R6、R7a、R7b、R7cは互に独立に基:水素、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18アルキル)オキシカルボニル、アリールカルボニル及びアリール-(C1-3-アルキル)-カルボニルから選ばれた意味を有し、
Aはテトラヒドロフラン-3-イルオキシ基、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ基、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ基、テトラヒドロフラニル-C1-3-アルコキシ基、テトラヒドロピラニル-C1-3-アルコキシ基、ピロリジン-3-イルオキシ基、ピペリジン-3-イルオキシ基、ピペリジン-4-イルオキシ基、並びに
ピロリジン-3-イルオキシ、ピペリジン-3-イルオキシ及びピペリジン-4-イルオキシ(最後の三つの基中で、窒素原子はC1-4-アルキル、ホルミル、C1-4-アルキル-カルボニル、C1-4-アルキルスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル、ジ-(C1-4-アルキル)-アミノカルボニル又は(C1-4-アルキル)-オキシカルボニルにより置換されていてもよい)からなる群から選ばれ、
上記基の定義中に記載されたアリール基はフェニル基又はナフチル基(これらは互に独立にRhにより一置換又は二置換されていてもよく、これらの置換基は同じであってもよく、また異なっていてもよく、かつRhはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C1-3-アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C1-3-アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ又はシアノを表す)を示すことが意味され、
上記基の定義に記載されたヘテロアリール基はピロリル基、フラニル基、チエニル基、ピリジル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリニル基又はイソキノリニル基、又は
ピロリル基、フラニル基、チエニル基もしくはピリジル基(1個又は2個のメチン基が窒素原子により置換されている)、或いは
インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、キノリニル基もしくはイソキノリニル基(1〜3個のメチン基が窒素原子により置換されている)
を示すことが意味され、
上記ヘテロアリール基はRhにより一置換又は二置換されていてもよく、これらの置換基は同じであってもよく、また異なっていてもよく、Rhは先に定義されたとおりであり、
特にことわらない限り、上記アルキル基は直鎖であってもよく、又は分岐していてもよい〕
【請求項2】
R1が2-プロピン-1-イル、2-ブチン-1-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロフラニルメチルもしくはテトラヒドロピラニルメチルを表し、又は
R3
(a)テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、テトラヒドロフラニルメチルオキシ及びテトラヒドロピラニルメチルオキシからなる群から選ばれ、もしくは
(b)R4と一緒になってジフルオロメチレンジオキシブリッジを表し、又は
(c)シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシもしくはシクロプロピリデンメチルを表し、同時にR4がフッ素を表す場合には、
R1がまたイソプロピルを表してもよく、かつ
R2がメチル又はトリフルオロメチルを表し、
R3が水素、フッ素、塩素、メチル、エチル、イソプロピル、tert.-ブチル、2-シアノ-2-プロピル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、テトラヒドロフラニルメチルオキシ、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、メチルスルファニル、2-メチル-1-プロペン-1-イル、シクロプロピリデンメチル、エチニル、フェニル、フルオロフェニル、ピリジル又はメチルチアゾリルを表し、かつ
R4が水素又はフッ素を表し、又は
R3がR4と一緒になって(それらが隣接炭素原子に結合されている場合には)また1,3-プロピレンブリッジ、メチレンジオキシブリッジ又はジフルオロメチレンジオキシブリッジを表してもよく、かつ
R5が水素を表し、かつ
R6が水素、(C1-8-アルキル)オキシカルボニル又はC1-8-アルキルカルボニルを表す、請求項1記載の一般式Iのグルコピラノシルオキシ-ピラゾール、これらの互変異性体、立体異性体、混合物又はこれらの塩。
【請求項3】
R1が2-プロピン-1-イル、2-ブチン-1-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イルもしくはテトラヒドロフラン-2-イルメチルを表し、又は
R3がテトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ及びテトラヒドロフラニルメチルオキシからなる群から選ばれる場合には、
R1がまたイソプロピルを表してもよく、
R2がメチルを表し、
R3がメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、テトラヒドロフラン-3-イルオキシ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ又はテトラヒドロフラニルメチルオキシを表し、
R4が水素又はフッ素を表し、
R5が水素を表し、かつ
R6が水素、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルを表す、請求項1記載の一般式Iのグルコピラノシルオキシ-ピラゾール、これらの互変異性体、立体異性体、混合物又はこれらの塩。
【請求項4】
R1がテトラヒドロフラン-3-イル又はテトラヒドロピラン-4-イルを表し、
R2がメチルを表し、
R3がメチル、エチル、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシを表し、
R4が水素又はフッ素を表し、
R5が水素を表し、
R6が水素、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルを表し、かつ
R7a、R7b及びR7cが水素を表す、請求項1記載の一般式Iのグルコピラノシルオキシ-ピラゾール、これらの互変異性体、立体異性体、混合物又はこれらの塩。
【請求項5】
(a) 1-(2-プロピン-1-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
(b) 1-(2-プロピン-1-イル)-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
(c) 1-((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
(d) 1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-エチルベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
(e) 1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-〔4-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)ベンジル〕-5-メチル-1H-ピラゾール、
(f) 1-イソプロピル-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-〔4-((R)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)ベンジル〕-5-メチル-1H-ピラゾール、
(g) 1-(テトラヒドロピラン-4-イル)-3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-4-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール、
及びこれらの誘導体(式中、R6が水素以外の本発明の意味を有し、特にR6がエトキシカルボニル又はメトキシカルボニルを表す)
からなる群から選ばれた請求項1記載の一般式Iの化合物(これらの互変異性体、立体異性体、混合物及びこれらの塩を含む)。
【請求項6】
無機酸又は有機酸との請求項1から5の少なくとも一つに記載の化合物の生理学上許される塩。
【請求項7】
医薬組成物としての、請求項1から5の一つ以上に記載の化合物又は請求項6記載の生理学上許される塩の使用。
【請求項8】
必要により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤と一緒に、請求項1から5の一つ以上に記載の化合物又は請求項6記載の生理学上許される塩を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項9】
ナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLTを抑制することにより影響し得る疾患又は症状の治療又は予防に適している医薬組成物を調製するための請求項1から5の一つ以上に記載の少なくとも一種の化合物又は請求項6記載の生理学上許される塩の使用。
【請求項10】
代謝障害の治療又は予防に適している医薬組成物を調製するための請求項1から5の一つ以上に記載の少なくとも一種の化合物又は請求項6記載の生理学上許される塩の使用。
【請求項11】
代謝障害が1型及び2型真性糖尿病、糖尿病の合併症、代謝性アシドーシス又はケトーシス、反応性低血糖、高インスリン症、グルコース代謝障害、インスリン耐性、代謝症候群、異なる起源の脂質異常症、アテローム硬化症及び関連の疾患、肥満、高血圧、慢性心不全、浮腫及び高尿酸血からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項10記載の使用。
【請求項12】
ナトリウム依存性グルコースコトランスポーターSGLTを抑制するための医薬組成物を調製するための請求項1から5の少なくとも一つに記載の少なくとも一種の化合物又は請求項6記載の生理学上許される塩の使用。
【請求項13】
膵臓ベータ細胞の変性を予防し、かつ/又は膵臓ベータ細胞の機能を改善し、かつ/又は回復するための医薬組成物を調製するための請求項1から5の少なくとも一つに記載の少なくとも一種の化合物又は請求項6記載の生理学上許される塩の使用。
【請求項14】
利尿薬及び/又は坑高血圧薬を調製するための請求項1から5の少なくとも一つに記載の少なくとも一種の化合物又は請求項6記載の生理学上許される塩の使用。
【請求項15】
請求項1から5の少なくとも一つに記載の化合物又は請求項6記載の生理学上許される塩を非化学的方法により一種以上の不活性担体及び/又は希釈剤に混入することを特徴とする、請求項8記載の医薬組成物の調製方法。
【請求項16】
a) R1が請求項1から5に記載された基の一つを表すが、水素原子を表さない一般式Iの化合物を調製するために、
一般式
【化2】

(式中、
R2〜R6及びR7a、R7b、R7cは請求項1から5に定義されたとおりである)
の化合物を一般式
Z1-R1' (III)
(式中、
R1'は先にR1について示された意味を有するが、水素原子を表さず、かつZ1は脱離基を表す)
の化合物と反応させ、又は
b) R3が必要により置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルコキシを表し、又は群A(これは請求項1に定義されている)から選ばれた意味を有する一般式Iの化合物を調製するために、
一般式
【化3】

(式中、
R1、R2及びR4〜R6並びにR7a、R7b、R7cは請求項1に定義されたとおりである)
の化合物を一般式
Z2-R3' (V)
(式中、
R3'は必要により置換されていてもよいC1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルキル-オキシ、C3-5-シクロアルキル-C1-3-アルコキシを表し、又は群A(これは先に定義されたとおりである)から選ばれた意味を有し、かつZ2は脱離基、好ましくはハロゲン原子、例えば、塩素原子もしくは臭素原子、スルホニルオキシ基、例えば、メタンスルホニルオキシ基もしくはp-トルエンスルホニルオキシ基又はヒドロキシ基を表す)
の化合物と反応させ、そして
所望により、こうして得られた一般式I(式中、R6が水素原子を表す)の化合物をアシル化により一般式Iの相当するアシル化合物に変換し、かつ/又は
必要により、上記反応中に使用された保護基を再度開裂し、かつ/又は
所望により、こうして得られた一般式Iの化合物をその立体異性体に分割し、かつ/又は
こうして得られた一般式Iの化合物をその塩、特に医薬上の使用のためにその生理学上許される塩に変換することを特徴とする、請求項1から5に記載の一般式Iの化合物の調製方法。

【公表番号】特表2007−503413(P2007−503413A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524303(P2006−524303)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009332
【国際公開番号】WO2005/021566
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】