グループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラム
【課題】モダリティにより得られた複数の医用画像を適切にグループに括って表示させるためのグループ情報を自動的に作成することが可能なグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムである。
【解決手段】グループ情報作成システム1は、医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段9、10と、前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段12とを有する。
【解決手段】グループ情報作成システム1は、医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段9、10と、前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段12とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モダリティにより得られた複数の医用画像をグルーピングして表示するためのグループ情報を作成するグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MRI装置やX線CT(computed tomography)装置等の医用画像撮影装置(モダリティ)で撮影された医用画像は、患者、モダリティ、検査日時、検査の種別といったグループごとにグルーピングされる。そして、複数の医用画像を医用画像参照装置に表示させる際には、共通のグループに属する医用画像が並べて表示される。
【0003】
このように、グルーピングされた複数の医用画像は、グループを特定するためのグループ情報に関連付けられて識別管理される。特に、近年のモダリティは、撮影時刻等の情報に基づいて自動的にグループ情報を作成して医用画像に関連付ける機能を備えたものがあり、このようなモダリティにより撮影された医用画像にはグループ情報が付加される。
【0004】
例えば、医用画像データの代表的な規格として知られているDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)により医用画像データが作成される場合には、シリーズと呼ばれるグループに医用画像データをグルーピングするためのシリーズ情報が医用画像データに付加される。
【0005】
そして、シリーズ情報が付加された医用画像は医用画像情報として医用画像参照装置に与えられ、医用画像参照装置においてシリーズ情報に基づいて複数の医用画像がシリーズごとに並べて表示される。このように、シリーズ情報の作成機能を備えたモダリティを用いれば、医用画像を別途グループに分けることなく、より診断に適したグループに括って医用画像参照装置に並べて表示させることができる。
【0006】
また、医用画像をグループに区分けする機能のない旧式のモダリティにより撮影された医用画像については、別途ユーザにより撮影時刻やモダリティ等の情報に基づいてグループに括られ、ユーザにより付加されたグループ情報に基づいてグループごとに医用画像参照装置に並べて表示される場合もある。
【0007】
一方、複数の画像ファイルをグループ分けして整理する技術として、複数の撮影用記録媒体に記録された画像ファイルを撮影用記録媒体間における使用連続性の違いに基づいてグループ分けする画像ファイリング装置が提案される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−333352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の医用画像参照装置により複数の医用画像を表示させる場合、意図されないグループに括られて医用画像が表示される場合や、グループに括るべき医用画像が適切にグループに括られずに表示される場合がある。
【0009】
その主な原因は、医用画像参照装置において医用画像を表示させる際、医用画像情報に含まれるグループ情報のみに基づいて医用画像のグループの括りが決定されるためである。すなわち、モダリティの製造メーカやバージョンごとにグループ情報の生成方法が異なり、医用画像参照装置が認識するグループ情報の形式とモダリティにより作成されたグループ情報の形式とが相異すると、医用画像参照装置はグループ情報を適切に認識できずに、医用画像をグループに括らずに表示させることとなる。
【0010】
特に旧式のモダリティにより作成されたグループ情報は、医用画像参照装置により適切に認識されない場合が多く、例えば、旧式のモダリティにより撮影された複数の医用画像が全て別のグループに括られる場合がある。
【0011】
また、別の例として、造影剤注入前後における被検体の全身の断層画像を撮影する場合に、撮影時間短縮化のため、造影剤注入前は被検体の頭部側から足側に向かってスキャンを実行する一方、造影剤注入後は逆に被検体の足側から頭部側に向かって連続してスキャンを実行するような場合がある。このような場合には、本来、造影剤注入前のスキャンにより得られた被検体の断層画像と造影剤注入後のスキャンにより得られた被検体の断層画像とを別々のグループに分けて表示させることが望ましい。
【0012】
しかし、造影剤注入前後におけるスキャンが連続して実行されるため、造影剤注入前後における被検体の各断層画像が1つのグループに括られるような場合がある。この結果、適切に造影剤注入前後の断層画像がグループに括られずに、全ての断層画像が医用画像参照装置に並べて表示されることとなる。
【0013】
そして、このように適切なグループに分けられずに表示された医用画像を診断に用いると、医用画像の読影に時間と労力を要し、場合によっては医用画像の撮影の流れを把握できずに被検体の立体的な解釈が困難となる恐れがある。
【0014】
そこで、このような問題を回避させるために、モダリティごとにそれぞれ作成されたグループ情報の形式に依らずに、医用画像を適切にグループごとに医用画像参照装置に表示させるためのグループ情報をユーザの労力を要することなく自動的に作成する技術の開発が望まれる。
【0015】
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、モダリティにより得られた複数の医用画像を適切にグループに括って表示させるためのグループ情報を自動的に作成することが可能なグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るグループ情報作成システムは、上述の目的を達成するために、医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段と、前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段とを有することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明に係るグループ情報作成方法は、上述の目的を達成するために、医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するステップと、前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するステップとを有することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係るグループ情報作成プログラムは、上述の目的を達成するために、コンピュータを、医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段並びに前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段として機能させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明に係るグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムにおいては、モダリティにより得られた複数の医用画像を適切にグループに括って表示させるためのグループ情報を医用画像情報に基づいて自動的に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムの実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明に係るグループ情報作成システムの実施の形態を示す機能ブロック図である。
【0022】
グループ情報作成システム1は、CT画像記憶装置2やMR(magnetic resonance)画像記憶装置3等の医用画像記憶装置とネットワーク4を介して接続される。CT画像記憶装置2およびMR画像記憶装置3には、それぞれ図示しないX線CT装置およびMRIといったモダリティにより予め撮影された被検体のCT画像情報やMR画像情報等の医用画像情報が記憶される。CT画像記憶装置2およびMR画像記憶装置3に保存される医用画像情報には、複数の医用画像そのものをそれぞれ表示させるための画素値やカラー情報等の画像表示用情報の他、各医用画像を撮影した際における寝台の位置情報や日時情報等の付帯情報が含まれる。
【0023】
グループ情報作成システム1は、モニタ5、入力装置6、図示しない記憶装置および演算装置を備えたコンピュータにグループ情報作成プログラムを読み込ませることにより、コンピュータを画像情報受信手段7、画像情報登録手段8、グループ境界情報作成手段の一例としてのデータ折返検出手段9、グループ境界情報作成手段の一例としての画素分布ヒストグラム作成手段10、調整用グループ作成手段11、グループ情報作成手段12、グループ情報補正手段13、画像表示手段14、医用画像情報データベース15、グループ情報データベース16として機能させたものである。
【0024】
そして、これらの各構成要素によりグループ情報作成システム1は、CT画像記憶装置2およびMR画像記憶装置3に保存される医用画像情報に基づいて複数の医用画像をモニタ5に表示させる際、各医用画像をグループに括ってグループごとに表示させるためのグループ情報、すなわち各画像表示用情報が属するグループの識別情報を作成し、必要に応じて作成したグループ情報に基づいてグループごとに複数の医用画像を並べてモニタ5に表示させることができるように構成される。
【0025】
尚、医用画像情報の代表的な規格であるDICOMにより医用画像情報が作成される場合には、各医用画像をシリーズに括って表示するためのシリーズ情報がCT画像記憶装置2やMR画像記憶装置3に保存される医用画像情報に既に付加されている。従って、グループ情報作成システム1により作成されるグループは、シリーズを更にユーザの用途に応じて分割するためのシリーズであるローカルシリーズ(Local series)の一種であるということもできる。
【0026】
画像情報受信手段7は、CT画像記憶装置2およびMR画像記憶装置3からCT画像情報やMR画像情報等の医用画像情報を受信して画像情報登録手段8に与える機能を備える。また、画像情報登録手段8は、画像情報受信手段7から受けた医用画像情報を医用画像情報データベース15に書き込むことにより、画像情報受信手段7から受けた医用画像情報をグループに括る対象としてグループ情報作成システム1に登録する機能を有する。
【0027】
データ折返検出手段9は、入力装置6からの指令を受けて医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報に含まれる寝台の位置情報や日時情報等の付帯情報を取得する機能と、取得した付帯情報に基づいて異なるグループの境界部分を表す境界情報を作成して調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与える機能を有する。
【0028】
画素分布ヒストグラム作成手段10は、入力装置6からの指令を受けて医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報から、各医用画像の任意方向において画素値が所定の閾値を超える画素の度数を表す画素分布のヒストグラムを作成し、作成した画素分布のヒストグラムに基づいてグループの境界情報を作成して調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与える機能を有する。
【0029】
調整用グループ作成手段11は、データ折返検出手段9または画素分布ヒストグラム作成手段10から受けたグループの境界情報に基づいて、調整用のグループを作成するために、ある1つのグループの境界情報から複数のグループの境界情報を予め定められた任意の方法で調整用グループ境界情報として作成する機能と、作成した調整用グループ境界情報をグループ情報作成手段12に与える機能を有する。
【0030】
グループ情報作成手段12は、データ折返検出手段9、画素分布ヒストグラム作成手段10または調整用グループ作成手段11から受けたグループ境界情報および調整用グループ境界情報に基づいてグループ情報を作成する機能と、作成したグループ情報をグループ情報データベース16に書き込む機能とを有する。
【0031】
グループ情報補正手段13は、医用画像情報データベース15から読み込んだ医用画像情報に基づいてグループの作成対象となる医用画像に関連するスキャノ画像、3Dアキシャルデータ、3Dコロナルデータ、3Dサジタルデータ等の任意の参照用の画像を表示させる機能、グループ情報データベース16に保存されたグループ情報を読み込んでグループの境界を参照用の画像とともにモニタ5に表示させる機能、入力装置6から受けた情報に基づいてグループ情報データベース16から読み込んだグループ情報を補正して補正後のグループ情報をグループ情報データベース16に書き込む機能を有する。
【0032】
また、画像表示手段14は、医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報のうち画像表示用情報等のグループ情報以外の情報およびグループ情報データベース16に保存されたグループ情報を読み込んで、読み込んだグループ情報に従って、画像表示用情報をモニタ5に与えることにより、複数の医用画像をグループに括って並べて表示させる機能を有する。
【0033】
次にグループ情報作成システム1の作用について説明する。
【0034】
まず、予め図示しないMRIやX線CT装置等の各種モダリティにより被検体の複数の画像を表示させるための医用画像情報が収集される。例えば、図示しない寝台にセットされた被検体に造影剤が投与され、寝台を移動させて造影剤投与前後における被検体の各スライスにおける断層画像についての医用画像情報がモダリティにより収集される。
【0035】
図2は造影剤を被検体に投与して各種モダリティにより被検体の造影画像を撮影する際におけるgoANDreverse型の寝台の移動方法を示す図であり、図3は造影剤を被検体に投与して各種モダリティにより被検体の造影画像を撮影する際におけるgoANDgo型の寝台の移動方法を示す図である。
【0036】
図2に示すように、goANDreverse型の寝台の移動方法により被検体の造影画像を撮影する場合には、被検体に造影剤を投与する前に例えば寝台を体軸の負方向に移動させて被検体の足側から頭部側に向かって全身あるいは一部の撮影が行なわれる。そして、被検体に造影剤が投与された後、寝台を体軸の正方向に移動させて被検体の頭部側から足側に向かって全身あるいは一部について撮影が行なわれる。すなわち、造影剤投与前後における寝台の移動方向が互いに逆方向とされる。
【0037】
これに対し、図3に示すように、goANDgo型の寝台の移動方法により被検体の造影画像を撮影する場合には、被検体に造影剤を投与する前に例えば寝台を体軸の正方向に移動させて被検体の頭部側から足側に向かって全身あるいは一部の撮影が行なわれる。そして、被検体に造影剤が投与された後においても、寝台を体軸の正方向に移動させて被検体の頭部側から足側に向かって全身あるいは一部の撮影が行なわれる。すなわち、造影剤投与前後における寝台の移動方向が互いに同方向とされる。
【0038】
このような寝台の移動方法は、診断の目的に応じてgoANDreverse型およびgoANDgo型のいずれかが選択される。
【0039】
そして、各種モダリティ、例えばモダリティがX線CT装置である場合には、X線造影CT画像についての医用画像情報が、ネットワーク4を介してCT画像記憶装置2に送信されて保存される。また、モダリティがネットワーク4に接続されていない場合には、情報記録媒体を介してCT画像記憶装置2やMR画像記憶装置3に医用画像情報が入力されて保存される。
【0040】
そして、表示させるべき医用画像をグループに括る際に参照される情報が予め選択される。すなわち、グループ情報作成システム1では、データ折返検出手段9によって医用画像情報に含まれる寝台の位置情報や日時情報等の付帯情報に基づいて医用画像をグループに括ることもできるし、画素分布ヒストグラム作成手段10によって医用画像情報に基づいて作成される画素分布のヒストグラムに基づいて医用画像をグループに括ることもできるため、入力装置6にグループ情報の作成方法の選択情報が入力され、グループ情報の作成方法が選択される。そして、例えば、寝台の位置情報に基づいてグループ情報を作成する方法が選択される。
【0041】
図4は、図1に示すグループ情報作成システム1により複数の医用画像を寝台の位置情報に基づいてグループに括ってモニタ5に表示させる際における流れの一例を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
【0042】
まず、ステップS1において、表示させるべき医用画像についての医用画像情報がグループ情報作成システム1に読み込まれて登録される。すなわち、入力装置6から医用画像情報の読み込み指令情報が入力されて画像情報受信手段7に与えられる。そして、画像情報受信手段7は、入力装置6から受けた情報に従ってCT画像記憶装置2またはMR画像記憶装置3からCT画像情報やMR画像情報等の医用画像情報をネットワーク4を介して読み込む。さらに、画像情報受信手段7は、CT画像記憶装置2またはMR画像記憶装置3から読み込んだ医用画像情報を画像情報登録手段8に与え、画像情報登録手段8は、画像情報受信手段7から受けた医用画像情報を医用画像情報データベース15に書き込むことにより、医用画像情報をグループ情報作成システム1に登録する。
【0043】
図5は、造影剤投入前後においてgoANDgo型の寝台の移動方法によりモダリティにより撮影された被検体の断面の一例を示す図であり、図6は、図1に示すグループ情報作成システム1に読み込まれた医用画像情報に基づいて図5に示す被検体の各断面における断層画像を並べて表示させた例を示す図である。
【0044】
図5に示すように医用画像情報が、goANDgo型の寝台の移動方法により撮影された被検体の造影剤投与前後における各スライスにおける断層画像についてのものである場合には、寝台の移動方向が造影剤の投与前後で互いに同じ向きである。このため、医用画像情報に含まれる付帯情報のうち時刻情報に基づいて撮影時刻順に時系列に断層画像をモニタ5に表示させると図6に示すようになる。
【0045】
すなわち、例えば造影剤投与前後における被検体の全身の断層画像の枚数がそれぞれ5枚であり、合計10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)が存在する場合には、時系列に10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)が並べてモニタ5に表示される。つまり、図6に示すように始めに造影剤投与前の5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)が並べて表示され、次に造影剤投与後の5枚の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)が並べて表示される。
【0046】
また、造影剤投与前の5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)は、例えば被検体の胴体部について体軸の正側から負側に向かって撮影され、次第に形状が変化する一方、造影剤投与後の5枚の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)は、被検体の頭部について体軸の正側から負側に向かって撮影され、始めの2枚の断層画像(画像6、画像7)については被検体の外部であり画像がなく、残りの3枚の断層画像(画像8、画像9、画像10)については造影剤により造影された被検体の各断面における画像となる。
【0047】
しかしこのような場合、診断の際には、造影剤投与前における被検体の断層画像と、造影剤投与後における被検体の断層画像とをそれぞれ別のグループで括って、グループごとにモニタ5に表示させる方が望ましい。そこで、グループ情報を作成するために、医用画像情報に含まれる付帯情報が抽出される。
【0048】
すなわち、ステップS2において、データ折返検出手段9は、医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報を読み込んで医用画像情報に含まれる寝台の位置情報や日時情報等の付帯情報を取得する。そして、データ折返検出手段9は、取得した付帯情報に基づいてグループの境界情報を作成する。
【0049】
図7は、医用画像情報に含まれる付帯情報である時系列の寝台の位置情報とグループの境界情報の作成方法の一例を示す図である。
【0050】
医用画像情報を構成する各画像表示のための情報には、それぞれ時刻情報や寝台の位置情報等の付帯情報が付加される。図7は、図6に示す各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)が撮影されたときの寝台の位置をXYZ座標として時系列に並べたものである。図7に示すように、造影剤投入前における始めの5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)のX座標およびY座標が一定であり、被検体の体軸方向であるZ座標は一定の割合で減少している。このため、始めの5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)が撮影されている際、寝台は体軸の正方向、すなわち被検体の足側から頭部側に移動していることが分かる。
【0051】
また、5枚目の断層画像(画像5)のX座標およびY座標と6枚目の断層画像(画像6)のX座標およびY座標とは若干異なり、かつZ座標は著しく増加している。さらに、6枚目以降の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)のX座標およびY座標は一定であり、Z座標は一定の割合で減少している。以上のことから、5枚目の断層画像(画像5)の撮影が完了した後、一旦寝台が折り返して被検体の頭部側から足側に大きく移動し、さらに再び被検体の足側から頭部側に次第に移動していることを各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)を参照することなく寝台の位置情報のみから判別することができる。
【0052】
従って、図7に示す付帯情報を有する10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)の情報の場合には、寝台の位置情報から始めの5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)と6枚目以降の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)との間にグループの境界Aを設定して別々のグループに括って表示させることが望ましいことが分かる。
【0053】
そこで、データ折返検出手段9は、各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)についての付帯情報のうち寝台の位置情報の差分をそれぞれ計算し、得られた差分値が他の各差分値よりも極端に大きい場合には、例えば差分値と差分値との差が予め設定した閾値を超えるような場合には、その前後で寝台が折り返していると判定して断層画像(画像1、画像2、…、画像10)を別々のグループで括るようにグループの境界情報を作成する。作成したグループの境界情報は、調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与えられる。
【0054】
尚、グループの境界情報の作成方法は、上記のように寝台の位置情報等の付帯情報の差分値の差が閾値を超えるか否かを基準とする他、付帯情報そのものが予め設定された範囲内である場合に、その付帯情報に対応する断層画像が共通のグループで括られるようにすることも可能である。例えば、付帯情報(寝台の位置情報等)の値が0〜500の場合には対応する断層画像がグループ1に、500〜1000の場合には対応する断層画像がグループ2に括られるようにグループの境界情報を作成することもできる。
【0055】
すなわち、データ折返検出手段9は、図7に示すように、始めの5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)がグループ1(GR1)に、6枚目以降の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)がグループ2(GR2)に括られるように、5枚目の断層画像(画像5)と6枚目の断層画像(画像6)との間にグループの境界Aを設定し、グループの境界情報として調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与える。
【0056】
ところで、図6に示すように、各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)のうち実際には、被検体の外部における画像のように診断に必要のない画像が含まれる場合がある。例えば、図6において、造影剤投入後における2つの画像(画像6、画像7)については被検体の外部における画像であり被検体の断層画像が撮影されていないため、グループから除外した方が望ましい。しかし、寝台の位置情報のみを参照してグループの境界情報を作成した場合には、被検体の外部であるか否かを判別することが困難なため、別途、グループの境界Aを調整する必要が生じる。
【0057】
そこで、ステップS3において、このようにグループの境界Aを調整する必要がある場合には、グループの境界情報が調整用グループ作成手段11に与えられ、調整用グループ作成手段11により調整用のグループを作成するための境界A’が設定されて調整用グループ境界情報として作成される。調整用グループ作成手段11は予め定められた方法で、単一のグループの境界情報から複数の調整用グループ境界情報を作成する。
【0058】
例えば、調整用グループ作成手段11は、データ折返検出手段9から受けたグループの境界Aを基準として、グループ2(GR2)側の始めの2の断層画像が調整用グループに括られるように調整用グループ境界情報を作成する。すなわち、調整用グループ作成手段11は、図7に示すようにデータ折返検出手段9から受けたグループの境界Aを調整用グループの一方の境界A’とするとともに7枚目の断層画像(画像7)と8枚目の断層画像(画像8)との間に調整用グループの他方の境界A’として設定し、調整用グループ境界情報としてグループ情報作成手段12に与える。
【0059】
尚、調整用グループの境界A’は、データ折返検出手段9から受けたグループの境界Aからグループ1(GR1)側およびグループ2(GR2)側の双方に幅を有するように設定してもよい。また、調整用グループが2つ以上作成されるように調整用グループ境界情報を作成してもよい。さらに、調整用グループの作成方法としては、調整用グループの境界A’をデータ折返検出手段9から受けた基準となるグループの境界Aの位置とデータ数から決定する方法に限らず、寝台の位置情報を参照して予め設定した閾値と比較することにより設定してもよい。
【0060】
次に、ステップS4において、グループ情報作成手段12は、データ折返検出手段9または調整用グループ作成手段11から受けたグループ境界情報および調整用グループ境界情報に基づいてグループ情報を作成する。すなわち、調整用グループを作成する場合には、データ折返検出手段9から受けたグループ境界情報に加えて調整用グループ作成手段11から受けた調整用グループ境界情報がグループ情報の作成に用いられ、調整用グループを作成しない場合には、データ折返検出手段9から受けたグループ境界情報のみからグループ情報が作成される。
【0061】
グループ情報作成手段12は、調整用グループ境界情報およびグループ境界情報から共通のグループに括るべき医用画像がどのグループに属するものであるのかを示すグループ情報を作成し、作成したグループ情報をグループ情報データベース16に書き込む。この際、必要に応じて、グループ情報作成手段12は、共通のグループに括られる医用画像の表示順位をグループ情報に含めて設定する。図6に示す医用画像の場合には、寝台の移動方向が造影剤投入前後で同一であるため、グループ情報作成手段12は、例えば医用画像の表示順位を時系列順として設定する。
【0062】
図8は、図6に示す被検体の各断層画像に関連付けられたグループ情報の概念を示す図であり、図9は、図6に示す被検体の各断層画像に関連付けられた補正後のグループ情報の概念を示す図である。
【0063】
図8に示すように図6と同様に10枚の断層画像を時系列に並べると、グループの境界A(調整用グループの境界A’)によって分割された造影剤投与前における5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)はグループ1(GR1)と関連付けられる。また、調整用グループの境界A’によって分割された造影剤投与後における2枚の断層画像(画像6、画像7)は調整用グループ2’(GR2’)と関連付けられ、表示対象から除外される。さらに、調整用グループの境界A’によって分割された造影剤投与後における残りの3枚の断層画像(画像8、画像9、画像10)はグループ2(GR2)と関連付けられる。
【0064】
また、各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)の撮影の際における寝台の移動方向は同一であるため、グループ内における表示順位は時系列順とされる。
【0065】
このように、グループ情報データベース16に保存されたグループ情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させることが可能となる。しかし、実際には、ユーザによりグループの境界を任意に変更する必要が生じる場合がある。
【0066】
そこで、ステップS5において、グループ情報補正手段13によりグループ情報データベース16に保存されたグループ情報が必要に応じて適宜補正される。そのためにグループ情報補正手段13は、まず医用画像情報データベース15から医用画像情報に含まれる情報を読み込んでモニタ5に与え、グループ情報に対応する断層画像の位置とともにグループの境界A、A’を確認することができるような画像、例えばスキャノ画像、3Dアキシャルデータ、3Dコロナルデータ、3Dサジタルデータ等の任意の参照用の画像を表示させる。そして、これらの参照用の画像とともにグループの境界A,A’を表示させる。
【0067】
このため、ユーザは、各断層画像の位置およびグループの括りを把握することができる。例えば、図8において、1枚目の画像(画像1)が診断に不要な画像である場合には、グループ1(GR1)から1枚目の画像(画像1)を表示させるための情報を除外した方がデータサイズが低減され、その後のデータ管理上好都合である。そこで、入力装置6からグループの境界A、A’を指定する情報を入力することにより、スキャノ画像等の参照用の画像を参照しつつグループの括りを調整することができる。
【0068】
すなわち、グループ情報補正手段13は入力装置6から受けたグループの境界A、A’の指定情報に従ってグループ情報データベース16に保存されたグループ情報を補正する。この結果、図9に示すように、グループ1(GR1)の境界Aが変更されて画像1がグループ1(GR1)から除外される。また、グループの境界Aの変更に伴って表示順位が更新される。グループ情報データベース16には、このようなユーザが意図するグループに括って表示させるためのグループ情報が保存される。
【0069】
そして、ステップS6において、このようにして作成されたグループ情報がグループ情報データベース16から画像表示手段14に与えられ、画像表示手段14は、グループ情報に従って医用画像情報データベース15から読み込んだ画像表示用情報をモニタ5に与える。この結果、被検体の各断層画像がグループに括られてモニタ5に並べて表示される。
【0070】
図10は、図9に示す各断層画像をグループ情報に従ってモニタ5に表示させた例を示す図である。
【0071】
図10に示すように、グループ情報に従って、断層画像がグループごとに表示される。すなわち、グループ1(GR1)に括られた4枚の断層画像(画像1、画像2、画像3、画像4)は共通のモニタ5aに表示され、グループ2(GR2)に括られた3枚の断層画像(画像8、画像9、画像10)は、別の共通のモニタ5bに表示される。
【0072】
一方、ユーザは、グループ情報の作成方法として、医用画像の画素分布に基づいて作成する方法を選択することもできる。この場合には、ユーザは、予め入力装置6に医用画像の画素分布に基づいてグループ情報の作成を開始する旨の情報を入力する。そして、医用画像の画素分布に基づいてグループ情報を作成する方法が選択される。
【0073】
図11は、図1に示すグループ情報作成システム1により複数の医用画像を医用画像の画素分布に基づいてグループに括ってモニタ5に表示させる際における流れの一例を示すフローチャートである。また、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示し、図4と同等のステップには同符号を付して説明を省略する。
【0074】
まずステップS1において、医用画像情報が画像情報受信手段7により読み込まれて画像情報登録手段8により医用画像情報データベース15に書き込まれる。
【0075】
次に、ステップS10において、画素分布ヒストグラム作成手段10は、医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報から各医用画像の任意方向における画素分布のヒストグラムを作成し、作成した画素分布のヒストグラムに基づいてグループの境界を設定する。
【0076】
図12は、図1に示すグループ情報作成システム1の医用画像情報データベース15に保存される医用画像情報を収集する際における被検体の断面位置の一例を示す図である。
【0077】
図12に示すように、例えば、両腕を上げた状態の被検体の頭部および胴体部分の体軸に垂直な断面A1、A2、A3、A4における断層画像が撮影される。
【0078】
図13は、図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4におけるそれぞれの断層画像を医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報に基づいて並べて表示させた例を示す図である。
【0079】
図13に示すように、頭部側A1の断層画像には両腕の部分があるため3つ断層が表れており、胴体部分A2、A3、A4の各断層画像には1つの断層が表れている。
【0080】
画素分布ヒストグラム作成手段10は、図13に示すような断層画像の各位置における画素値を検出し、画素分布ヒストグラムを作成する。
【0081】
図14は、図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4において、被検体からみて前後方向をX軸としたときのX軸方向の画素分布ヒストグラムであり、図15は、図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4において、被検体からみて左右方向をY軸としたときのY軸方向の画素分布ヒストグラムである。
【0082】
すなわち、図14は、画素値が所定の閾値を超える画素のX軸方向の度数分布(frequency distribution)を表し、図15は、画素値が所定の閾値を超える画素のY軸方向の度数分布を表す。
【0083】
図14に示すようにX軸方向の画素分布ヒストグラムは、単一の領域であるのに対して、図15に示すようにY軸方向の画素分布ヒストグラムは、頭部側A1の断層画像に対応するものは頭部の他に両腕の部分があるため3つの領域が存在する一方、胴体部分A2、A3、A4の各断層画像に対応するものは単一の領域となる。
【0084】
このため、Y軸方向の画素分布ヒストグラムにおいて、例えば領域の個数を検出すれば被検体のどの部位における断層画像であるのかを特定することができる。そこで、画素分布ヒストグラム作成手段10は、Y軸方向の画素分布ヒストグラムに3つの領域が存在する場合には、対応する断層画像を被検体の頭部における断層画像であると判定する。また、Y軸方向の画素分布ヒストグラムに単一つの領域が存在する場合には、対応する断層画像を被検体の胸部における断層画像であると判定する。そして、各断層画像を頭部のグループと胸部のグループとに括ることができるように、Y軸方向の画素分布ヒストグラムの領域が1つから3つに変化する間、すなわち頭部と胸部における断層画像の間にグループの境界Aが画素分布ヒストグラム作成手段10により設定される。
【0085】
図16は、図1に示すグループ情報作成システム1により医用画像のグループの境界Aを医用画像の画素分布ヒストグラムに基づいて設定する別の例を示す図である。
【0086】
図16は、goANDreverse型の寝台の移動方法により撮影された被検体の造影剤投与前後における各スライスにおける断層画像を時系列に並べて表示した例である。すなわち、例えば造影剤投与前後における被検体の全身の断層画像の枚数がそれぞれ10枚であり、時系列に20枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像20)が存在する。
【0087】
また、造影剤投与前の10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)は、例えば被検体の胴体部について体軸の正側から負側に向かって撮影され、次第に形状が大きくなるように変化している一方、造影剤投与後の10枚の断層画像(画像11、画像12、…、画像20)は、被検体の胴体部について体軸の負側から正側に向かって撮影され、次第に形状が小さくなるように変化している。
【0088】
そこで、造影剤投与前における被検体の断層画像と、造影剤投与後における被検体の断層画像とがそれぞれ別のグループで括られるように、任意方向、例えばY軸方向の各断層画像の画素分布ヒストグラムの最大値が画素分布ヒストグラム作成手段10により求められ、さらに各画素分布ヒストグラムの最大値を時系列に並べたときの局大値が検出される。そして、各画素分布ヒストグラムの最大値の極大値の前後における断層画像の間、つまり寝台の移動方向が変化する前後の断層画像の間にグループの境界Aが設定される。
【0089】
このように、グループの境界Aは、画素分布ヒストグラムの領域の数、最大値、範囲、面積等の任意の情報に基づいて被検体の部位を特定して設定することが可能であり、グループの境界Aの設定方法は予め設定される。
【0090】
また、画素分布ヒストグラム作成手段10は、設定したグループの境界Aをグループの境界情報として調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与える。
【0091】
次に、ステップS3において、必要に応じて適宜、調整用グループ作成手段11により調整用のグループを作成するための境界A’が設定されて調整用グループ境界情報として作成される。
【0092】
各断層画像の画素分布ヒストグラムの数値データに基づいて、グループの境界Aを自動的に設定する場合には、画素分布ヒストグラムの誤差等の要因により、正確に意図するグループの境界Aが設定されない恐れがある。また、画素値が閾値となってグループの境界Aに隣接することとなった断層画像に更に幅を持たせて隣接する一定枚数の断層画像を共通のグループに括ることが望ましい場合や一部の断層画像が診断に不要でありグループから除外することが望ましい場合もあり得る。従って、診断の目的やデータの利用方法に応じて、適宜、調整用のグループを作成するための境界A’が予め定められた方法で自動的に設定される。
【0093】
図17は、図16に示す医用画像に調整用のグループを作成するための境界A’を設定した例を示す図である。
【0094】
例えば、図17に示すように画素分布ヒストグラム作成手段10により設定されたグループの境界Aに隣接する2つの断層画像が調整用のグループとなるように、調整用グループ作成手段11により調整用グループの境界A’が自動的に設定される。
【0095】
次に、ステップS4において、グループ情報作成手段12は、グループ境界情報および調整用グループ境界情報に基づいてグループ情報を作成し、グループ情報データベース16に書き込む。この際、必要に応じて、グループ情報作成手段12は、共通のグループに括られる医用画像の表示順位をグループ情報に含めて設定する。図17に示す医用画像の場合には、寝台の移動方向が造影剤投入前後で逆向きであるため、グループ情報作成手段12は、例えば調整用グループの境界A’により分割された造影剤投与前の断層画像をグループ1として表示順位を時系列に、調整用グループの境界A’により分割された造影剤投与後の断層画像をグループ2として表示順位を時刻が遡る方向にそれぞれ設定する。
【0096】
次に、ステップS5において、グループ情報補正手段13によりグループ情報データベース16に保存されたグループ情報が必要に応じて適宜補正される。
【0097】
そして、ステップS6において、画像表示手段14は、グループ情報に従って医用画像情報データベース15から読み込んだ画像表示用情報をモニタ5に与え、被検体の各断層画像がグループに括られてモニタ5に並べて表示される。
【0098】
図18は、図17に示す各断層画像をグループに括ってモニタ5に表示させた例を示す図である。
【0099】
図18に示すように造影剤投与前における10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)のうち、グループ1に括られた9枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像9)は、共通のモニタ5aに時系列に並べて表示される。また、造影剤投与後の10枚の断層画像(画像11、画像12、…、画像20)のうち、グループ2に括られた9枚の断層画像(画像12、画像13、…、画像20)は、別の共通のモニタ5bに時刻が遡る順に並べて表示される。
【0100】
このため、ユーザは、適切にグループに括られた各断層画像をモニタ5により参照することにより、より容易かつ短時間で読影することが可能となり、医用画像の撮影の流れの把握や被検体の立体的な解釈が容易となる。
【0101】
以上のようなグループ情報作成システム1によれば、医用画像情報から得られる寝台の位置情報や画素分布等の情報に基づいて医用画像の撮影状況や被検体の撮影部位を想定することができる。そして、複数の異なるモダリティにより得られた複数の医用画像を医用画像の撮影状況や被検体の撮影部位に応じてグループに括って並べて表示させるためのグループ情報を自動的に作成することができる。このため、医用画像の統括的なグループ管理を行なうことができる。
【0102】
また、グループ情報は、モダリティの種類や型式に依らず医用画像情報に含まれる共通の情報から作成されるため、モダリティごとに自動的に作成されるグループの括りの違いを吸収し、任意のモダリティで撮影された医用画像を任意の画像参照装置にグループに括って表示させることができる。
【0103】
さらに、調整用のグループを作成することにより、グループから不要な医用画像を除外し、データサイズを低減させたり、ユーザの判断により調整用グループに括られた医用画像の取捨選択を容易に行なうことができる。このため、寝台の位置情報や画素分布から直接作成されたグループの境界を調整する必要がある場合であっても、調整用グループの作成によってグループ情報の作成自動化に繋げ、ユーザの労力を低減させることができる。逆に、調整用グループの作成によってもなお、グループ情報の調整が必要な場合には、スキャノデータ等の参照用の画像を併用して、医用画像がユーザの意図するグループに括られるようにグループの境界を補正することができる。
【0104】
尚、グループ情報作成システム1の一部の機能を省略してもよく、逆にモニタ5を構成要素として画像参照装置としての機能を設けてもよい。
【0105】
また、グループ境界情報作成手段としてデータ折返検出手段や画素分布ヒストグラム作成手段をグループ情報作成システム1に設ける代わりに、他の機能を備えたグループ境界情報作成手段をグループ情報作成システム1に設けてもよい。
【0106】
例えば、医用画像情報に含まれる付帯情報のうち所定のデータを利用してグループの境界情報を作成するグループ境界情報作成手段をグループ情報作成システム1に設けることができる。
【0107】
図19は、グループの境界情報を作成する際に利用される付帯情報の一例を示す図である。
【0108】
図19に示すように医用画像情報は、ブランク領域、付帯情報領域、画像表示用情報(画像データ)領域を有する。付帯情報領域には付帯情報が記述される。付帯情報は、複数のデータと各データが何のデータであるのかを示すタグとで構成される。従って、所望の内容を示すデータのタグを指定し、指定されたタグに続くデータを参照すれば、目的とするデータが得られる。
【0109】
付帯情報には、通常、患者の氏名、患者の識別情報、患者の成年月日、当該画像を撮影したモダリティの種類、寝台の位置情報、画像の識別情報、検査コメント等のデータが含まれる。また、付帯情報には、造影剤の使用の有無、X線管の管電流または管電圧の値、当該画像データに対して所定のフィルタ処理が施された否かを示す情報等のスキャン条件を含めることもできる。
【0110】
図20は、図19に示す医用画像情報の付帯情報に用いられるCT画像用のタグのうちグループの境界情報の作成のために利用可能な一部とその内容の一例を示す図であり、図21は、図19に示す医用画像情報の付帯情報に用いられるMR画像用のタグのうちグループの境界情報の作成のために利用可能な一部とその内容の一例を示す図である。
【0111】
図20および図21に示すように、タグに対応させた所望の内容のデータを付帯情報として医用画像情報に含めることができる。尚、図20および図21には、DICOMに従って設定されたタグの一例が示されている。
【0112】
すなわち、医用画像がCT画像である場合には、造影剤として使用されたボーラス薬剤、検査される部位、スライス厚、X線管の管電圧、造影剤のボーラス注入開始時刻、X線管の管電流、X線の曝射量、CT画像の再構成方式、CT画像が属するシリーズ番号、患者の画像位置等の情報をタグに関連付けて付帯情報に含めることができる。
【0113】
同様に、医用画像がMR画像である場合には、造影剤として使用されたボーラス薬剤、検査される部位、スライス厚、反復時間、エコー時間、反転回復時間、エコー番号、シリーズインスタンスUID(unique identifier)、データの収集番号、患者の画像位置等の情報をタグに関連付けて付帯情報に含めることができる。
【0114】
また、各タグには、データの性質(VR: Value Representation)をコード化して表したLO(Long String:長列),SH(Short String:短列),CS(Code String:コード列),DS(Decimal String for floating decimal mode:浮動少数点方式の10進法小数),IS(Decimal String for integer mode:10進法の整数),TM(Time:時刻),UI(unique identifier:任意の識別子)等のコードが関連付けられている。
【0115】
そして、このように設定されたタグを指定することにより、医用画像情報に付帯情報として含まれる所望の情報を取得してグループの境界情報の作成に利用することができる。
【0116】
例えば、グループ境界情報作成手段が予め指定されたタグを参照することによって、医用画像情報ごとに造影剤の使用の有無を検出し、造影剤の使用の有無に応じてグループの境界情報を作成するように構成することができる。
【0117】
また、グループ境界情報作成手段が予め指定されたタグを参照することによって、造影剤の使用の有無のみならず、X線管の管電流または管電圧の値、当該画像データに対して所定のフィルタ処理が施された否かを示す情報等の所望の単一または複数のスキャン条件を医用画像情報ごとに取得することができる。そして、取得した単一のスキャン条件または複数のスキャン条件の組合せに応じてグループ境界情報作成手段がグループの境界情報を作成するように構成することもできる。グループ境界情報作成手段がX線管の管電流または管電圧の値をグループの境界情報の作成に用いる場合には、付帯情報から取得した管電流や管電圧の値や変動幅が管電流や管電圧の値や変動幅に対して予め設定された閾値を超えるか否かによってグループの境界情報を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係るグループ情報作成システムの実施の形態を示す機能ブロック図。
【図2】造影剤を被検体に投与して各種モダリティにより被検体の造影画像を撮影する際におけるgoANDreverse型の寝台の移動方法を示す図。
【図3】造影剤を被検体に投与して各種モダリティにより被検体の造影画像を撮影する際におけるgoANDgo型の寝台の移動方法を示す図。
【図4】図1に示すグループ情報作成システムにより複数の医用画像を寝台の位置情報に基づいてグループに括ってモニタに表示させる際における流れの一例を示すフローチャート。
【図5】造影剤投入前後においてgoANDgo型の寝台の移動方法によりモダリティにより撮影された被検体の断面の一例を示す図。
【図6】図1に示すグループ情報作成システム1に読み込まれた医用画像情報に基づいて図5に示す被検体の各断面における断層画像を並べて表示させた例を示す図。
【図7】医用画像情報に含まれる付帯情報である時系列の寝台の位置情報とグループの境界情報の作成方法の一例を示す図。
【図8】図6に示す被検体の各断層画像に関連付けられたグループ情報の概念を示す図。
【図9】図6に示す被検体の各断層画像に関連付けられた補正後のグループ情報の概念を示す図。
【図10】図9に示す各断層画像をグループ情報に従ってモニタに表示させた例を示す図。
【図11】図1に示すグループ情報作成システムにより複数の医用画像を医用画像の画素分布に基づいてグループに括ってモニタに表示させる際における流れの一例を示すフローチャート。
【図12】図1に示すグループ情報作成システムの医用画像情報データベースに保存される医用画像情報を収集する際における被検体の断面位置の一例を示す図。
【図13】図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4におけるそれぞれの断層画像を医用画像情報データベースに保存された医用画像情報に基づいて並べて表示させた例を示す図。
【図14】図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4において、被検体からみて前後方向をX軸としたときのX軸方向の画素分布ヒストグラム。
【図15】図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4において、被検体からみて左右方向をY軸としたときのY軸方向の画素分布ヒストグラム。
【図16】図1に示すグループ情報作成システムにより医用画像のグループの境界Aを医用画像の画素分布ヒストグラムに基づいて設定する別の例を示す図。
【図17】図16に示す医用画像に調整用のグループを作成するための境界A’を設定した例を示す図。
【図18】図17に示す各断層画像をグループに括ってモニタに表示させた例を示す図。
【図19】グループの境界情報を作成する際に利用される付帯情報の一例を示す図。
【図20】図19に示す医用画像情報の付帯情報に用いられるCT画像用のタグのうちグループの境界情報の作成のために利用可能な一部とその内容の一例を示す図。
【図21】図19に示す医用画像情報の付帯情報に用いられるMR画像用のタグのうちグループの境界情報の作成のために利用可能な一部とその内容の一例を示す図。
【符号の説明】
【0119】
1 医用画像自動シリーズ分けシステム
2 CT画像記憶装置
3 MR画像記憶装置
4 ネットワーク
5,5a,5b モニタ
6 入力装置
7 画像情報受信手段
8 画像情報登録手段
9 データ折返検出手段
10 画素分布ヒストグラム作成手段
11 調整用シリーズ作成手段
12 シリーズ情報作成手段
13 シリーズ情報補正手段
14 画像表示手段
15 医用画像情報データベース
16 シリーズ情報データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、モダリティにより得られた複数の医用画像をグルーピングして表示するためのグループ情報を作成するグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MRI装置やX線CT(computed tomography)装置等の医用画像撮影装置(モダリティ)で撮影された医用画像は、患者、モダリティ、検査日時、検査の種別といったグループごとにグルーピングされる。そして、複数の医用画像を医用画像参照装置に表示させる際には、共通のグループに属する医用画像が並べて表示される。
【0003】
このように、グルーピングされた複数の医用画像は、グループを特定するためのグループ情報に関連付けられて識別管理される。特に、近年のモダリティは、撮影時刻等の情報に基づいて自動的にグループ情報を作成して医用画像に関連付ける機能を備えたものがあり、このようなモダリティにより撮影された医用画像にはグループ情報が付加される。
【0004】
例えば、医用画像データの代表的な規格として知られているDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)により医用画像データが作成される場合には、シリーズと呼ばれるグループに医用画像データをグルーピングするためのシリーズ情報が医用画像データに付加される。
【0005】
そして、シリーズ情報が付加された医用画像は医用画像情報として医用画像参照装置に与えられ、医用画像参照装置においてシリーズ情報に基づいて複数の医用画像がシリーズごとに並べて表示される。このように、シリーズ情報の作成機能を備えたモダリティを用いれば、医用画像を別途グループに分けることなく、より診断に適したグループに括って医用画像参照装置に並べて表示させることができる。
【0006】
また、医用画像をグループに区分けする機能のない旧式のモダリティにより撮影された医用画像については、別途ユーザにより撮影時刻やモダリティ等の情報に基づいてグループに括られ、ユーザにより付加されたグループ情報に基づいてグループごとに医用画像参照装置に並べて表示される場合もある。
【0007】
一方、複数の画像ファイルをグループ分けして整理する技術として、複数の撮影用記録媒体に記録された画像ファイルを撮影用記録媒体間における使用連続性の違いに基づいてグループ分けする画像ファイリング装置が提案される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−333352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の医用画像参照装置により複数の医用画像を表示させる場合、意図されないグループに括られて医用画像が表示される場合や、グループに括るべき医用画像が適切にグループに括られずに表示される場合がある。
【0009】
その主な原因は、医用画像参照装置において医用画像を表示させる際、医用画像情報に含まれるグループ情報のみに基づいて医用画像のグループの括りが決定されるためである。すなわち、モダリティの製造メーカやバージョンごとにグループ情報の生成方法が異なり、医用画像参照装置が認識するグループ情報の形式とモダリティにより作成されたグループ情報の形式とが相異すると、医用画像参照装置はグループ情報を適切に認識できずに、医用画像をグループに括らずに表示させることとなる。
【0010】
特に旧式のモダリティにより作成されたグループ情報は、医用画像参照装置により適切に認識されない場合が多く、例えば、旧式のモダリティにより撮影された複数の医用画像が全て別のグループに括られる場合がある。
【0011】
また、別の例として、造影剤注入前後における被検体の全身の断層画像を撮影する場合に、撮影時間短縮化のため、造影剤注入前は被検体の頭部側から足側に向かってスキャンを実行する一方、造影剤注入後は逆に被検体の足側から頭部側に向かって連続してスキャンを実行するような場合がある。このような場合には、本来、造影剤注入前のスキャンにより得られた被検体の断層画像と造影剤注入後のスキャンにより得られた被検体の断層画像とを別々のグループに分けて表示させることが望ましい。
【0012】
しかし、造影剤注入前後におけるスキャンが連続して実行されるため、造影剤注入前後における被検体の各断層画像が1つのグループに括られるような場合がある。この結果、適切に造影剤注入前後の断層画像がグループに括られずに、全ての断層画像が医用画像参照装置に並べて表示されることとなる。
【0013】
そして、このように適切なグループに分けられずに表示された医用画像を診断に用いると、医用画像の読影に時間と労力を要し、場合によっては医用画像の撮影の流れを把握できずに被検体の立体的な解釈が困難となる恐れがある。
【0014】
そこで、このような問題を回避させるために、モダリティごとにそれぞれ作成されたグループ情報の形式に依らずに、医用画像を適切にグループごとに医用画像参照装置に表示させるためのグループ情報をユーザの労力を要することなく自動的に作成する技術の開発が望まれる。
【0015】
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、モダリティにより得られた複数の医用画像を適切にグループに括って表示させるためのグループ情報を自動的に作成することが可能なグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るグループ情報作成システムは、上述の目的を達成するために、医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段と、前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段とを有することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明に係るグループ情報作成方法は、上述の目的を達成するために、医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するステップと、前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するステップとを有することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係るグループ情報作成プログラムは、上述の目的を達成するために、コンピュータを、医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段並びに前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段として機能させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明に係るグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムにおいては、モダリティにより得られた複数の医用画像を適切にグループに括って表示させるためのグループ情報を医用画像情報に基づいて自動的に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るグループ情報作成システム、グループ情報作成方法およびグループ情報作成プログラムの実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明に係るグループ情報作成システムの実施の形態を示す機能ブロック図である。
【0022】
グループ情報作成システム1は、CT画像記憶装置2やMR(magnetic resonance)画像記憶装置3等の医用画像記憶装置とネットワーク4を介して接続される。CT画像記憶装置2およびMR画像記憶装置3には、それぞれ図示しないX線CT装置およびMRIといったモダリティにより予め撮影された被検体のCT画像情報やMR画像情報等の医用画像情報が記憶される。CT画像記憶装置2およびMR画像記憶装置3に保存される医用画像情報には、複数の医用画像そのものをそれぞれ表示させるための画素値やカラー情報等の画像表示用情報の他、各医用画像を撮影した際における寝台の位置情報や日時情報等の付帯情報が含まれる。
【0023】
グループ情報作成システム1は、モニタ5、入力装置6、図示しない記憶装置および演算装置を備えたコンピュータにグループ情報作成プログラムを読み込ませることにより、コンピュータを画像情報受信手段7、画像情報登録手段8、グループ境界情報作成手段の一例としてのデータ折返検出手段9、グループ境界情報作成手段の一例としての画素分布ヒストグラム作成手段10、調整用グループ作成手段11、グループ情報作成手段12、グループ情報補正手段13、画像表示手段14、医用画像情報データベース15、グループ情報データベース16として機能させたものである。
【0024】
そして、これらの各構成要素によりグループ情報作成システム1は、CT画像記憶装置2およびMR画像記憶装置3に保存される医用画像情報に基づいて複数の医用画像をモニタ5に表示させる際、各医用画像をグループに括ってグループごとに表示させるためのグループ情報、すなわち各画像表示用情報が属するグループの識別情報を作成し、必要に応じて作成したグループ情報に基づいてグループごとに複数の医用画像を並べてモニタ5に表示させることができるように構成される。
【0025】
尚、医用画像情報の代表的な規格であるDICOMにより医用画像情報が作成される場合には、各医用画像をシリーズに括って表示するためのシリーズ情報がCT画像記憶装置2やMR画像記憶装置3に保存される医用画像情報に既に付加されている。従って、グループ情報作成システム1により作成されるグループは、シリーズを更にユーザの用途に応じて分割するためのシリーズであるローカルシリーズ(Local series)の一種であるということもできる。
【0026】
画像情報受信手段7は、CT画像記憶装置2およびMR画像記憶装置3からCT画像情報やMR画像情報等の医用画像情報を受信して画像情報登録手段8に与える機能を備える。また、画像情報登録手段8は、画像情報受信手段7から受けた医用画像情報を医用画像情報データベース15に書き込むことにより、画像情報受信手段7から受けた医用画像情報をグループに括る対象としてグループ情報作成システム1に登録する機能を有する。
【0027】
データ折返検出手段9は、入力装置6からの指令を受けて医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報に含まれる寝台の位置情報や日時情報等の付帯情報を取得する機能と、取得した付帯情報に基づいて異なるグループの境界部分を表す境界情報を作成して調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与える機能を有する。
【0028】
画素分布ヒストグラム作成手段10は、入力装置6からの指令を受けて医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報から、各医用画像の任意方向において画素値が所定の閾値を超える画素の度数を表す画素分布のヒストグラムを作成し、作成した画素分布のヒストグラムに基づいてグループの境界情報を作成して調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与える機能を有する。
【0029】
調整用グループ作成手段11は、データ折返検出手段9または画素分布ヒストグラム作成手段10から受けたグループの境界情報に基づいて、調整用のグループを作成するために、ある1つのグループの境界情報から複数のグループの境界情報を予め定められた任意の方法で調整用グループ境界情報として作成する機能と、作成した調整用グループ境界情報をグループ情報作成手段12に与える機能を有する。
【0030】
グループ情報作成手段12は、データ折返検出手段9、画素分布ヒストグラム作成手段10または調整用グループ作成手段11から受けたグループ境界情報および調整用グループ境界情報に基づいてグループ情報を作成する機能と、作成したグループ情報をグループ情報データベース16に書き込む機能とを有する。
【0031】
グループ情報補正手段13は、医用画像情報データベース15から読み込んだ医用画像情報に基づいてグループの作成対象となる医用画像に関連するスキャノ画像、3Dアキシャルデータ、3Dコロナルデータ、3Dサジタルデータ等の任意の参照用の画像を表示させる機能、グループ情報データベース16に保存されたグループ情報を読み込んでグループの境界を参照用の画像とともにモニタ5に表示させる機能、入力装置6から受けた情報に基づいてグループ情報データベース16から読み込んだグループ情報を補正して補正後のグループ情報をグループ情報データベース16に書き込む機能を有する。
【0032】
また、画像表示手段14は、医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報のうち画像表示用情報等のグループ情報以外の情報およびグループ情報データベース16に保存されたグループ情報を読み込んで、読み込んだグループ情報に従って、画像表示用情報をモニタ5に与えることにより、複数の医用画像をグループに括って並べて表示させる機能を有する。
【0033】
次にグループ情報作成システム1の作用について説明する。
【0034】
まず、予め図示しないMRIやX線CT装置等の各種モダリティにより被検体の複数の画像を表示させるための医用画像情報が収集される。例えば、図示しない寝台にセットされた被検体に造影剤が投与され、寝台を移動させて造影剤投与前後における被検体の各スライスにおける断層画像についての医用画像情報がモダリティにより収集される。
【0035】
図2は造影剤を被検体に投与して各種モダリティにより被検体の造影画像を撮影する際におけるgoANDreverse型の寝台の移動方法を示す図であり、図3は造影剤を被検体に投与して各種モダリティにより被検体の造影画像を撮影する際におけるgoANDgo型の寝台の移動方法を示す図である。
【0036】
図2に示すように、goANDreverse型の寝台の移動方法により被検体の造影画像を撮影する場合には、被検体に造影剤を投与する前に例えば寝台を体軸の負方向に移動させて被検体の足側から頭部側に向かって全身あるいは一部の撮影が行なわれる。そして、被検体に造影剤が投与された後、寝台を体軸の正方向に移動させて被検体の頭部側から足側に向かって全身あるいは一部について撮影が行なわれる。すなわち、造影剤投与前後における寝台の移動方向が互いに逆方向とされる。
【0037】
これに対し、図3に示すように、goANDgo型の寝台の移動方法により被検体の造影画像を撮影する場合には、被検体に造影剤を投与する前に例えば寝台を体軸の正方向に移動させて被検体の頭部側から足側に向かって全身あるいは一部の撮影が行なわれる。そして、被検体に造影剤が投与された後においても、寝台を体軸の正方向に移動させて被検体の頭部側から足側に向かって全身あるいは一部の撮影が行なわれる。すなわち、造影剤投与前後における寝台の移動方向が互いに同方向とされる。
【0038】
このような寝台の移動方法は、診断の目的に応じてgoANDreverse型およびgoANDgo型のいずれかが選択される。
【0039】
そして、各種モダリティ、例えばモダリティがX線CT装置である場合には、X線造影CT画像についての医用画像情報が、ネットワーク4を介してCT画像記憶装置2に送信されて保存される。また、モダリティがネットワーク4に接続されていない場合には、情報記録媒体を介してCT画像記憶装置2やMR画像記憶装置3に医用画像情報が入力されて保存される。
【0040】
そして、表示させるべき医用画像をグループに括る際に参照される情報が予め選択される。すなわち、グループ情報作成システム1では、データ折返検出手段9によって医用画像情報に含まれる寝台の位置情報や日時情報等の付帯情報に基づいて医用画像をグループに括ることもできるし、画素分布ヒストグラム作成手段10によって医用画像情報に基づいて作成される画素分布のヒストグラムに基づいて医用画像をグループに括ることもできるため、入力装置6にグループ情報の作成方法の選択情報が入力され、グループ情報の作成方法が選択される。そして、例えば、寝台の位置情報に基づいてグループ情報を作成する方法が選択される。
【0041】
図4は、図1に示すグループ情報作成システム1により複数の医用画像を寝台の位置情報に基づいてグループに括ってモニタ5に表示させる際における流れの一例を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
【0042】
まず、ステップS1において、表示させるべき医用画像についての医用画像情報がグループ情報作成システム1に読み込まれて登録される。すなわち、入力装置6から医用画像情報の読み込み指令情報が入力されて画像情報受信手段7に与えられる。そして、画像情報受信手段7は、入力装置6から受けた情報に従ってCT画像記憶装置2またはMR画像記憶装置3からCT画像情報やMR画像情報等の医用画像情報をネットワーク4を介して読み込む。さらに、画像情報受信手段7は、CT画像記憶装置2またはMR画像記憶装置3から読み込んだ医用画像情報を画像情報登録手段8に与え、画像情報登録手段8は、画像情報受信手段7から受けた医用画像情報を医用画像情報データベース15に書き込むことにより、医用画像情報をグループ情報作成システム1に登録する。
【0043】
図5は、造影剤投入前後においてgoANDgo型の寝台の移動方法によりモダリティにより撮影された被検体の断面の一例を示す図であり、図6は、図1に示すグループ情報作成システム1に読み込まれた医用画像情報に基づいて図5に示す被検体の各断面における断層画像を並べて表示させた例を示す図である。
【0044】
図5に示すように医用画像情報が、goANDgo型の寝台の移動方法により撮影された被検体の造影剤投与前後における各スライスにおける断層画像についてのものである場合には、寝台の移動方向が造影剤の投与前後で互いに同じ向きである。このため、医用画像情報に含まれる付帯情報のうち時刻情報に基づいて撮影時刻順に時系列に断層画像をモニタ5に表示させると図6に示すようになる。
【0045】
すなわち、例えば造影剤投与前後における被検体の全身の断層画像の枚数がそれぞれ5枚であり、合計10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)が存在する場合には、時系列に10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)が並べてモニタ5に表示される。つまり、図6に示すように始めに造影剤投与前の5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)が並べて表示され、次に造影剤投与後の5枚の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)が並べて表示される。
【0046】
また、造影剤投与前の5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)は、例えば被検体の胴体部について体軸の正側から負側に向かって撮影され、次第に形状が変化する一方、造影剤投与後の5枚の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)は、被検体の頭部について体軸の正側から負側に向かって撮影され、始めの2枚の断層画像(画像6、画像7)については被検体の外部であり画像がなく、残りの3枚の断層画像(画像8、画像9、画像10)については造影剤により造影された被検体の各断面における画像となる。
【0047】
しかしこのような場合、診断の際には、造影剤投与前における被検体の断層画像と、造影剤投与後における被検体の断層画像とをそれぞれ別のグループで括って、グループごとにモニタ5に表示させる方が望ましい。そこで、グループ情報を作成するために、医用画像情報に含まれる付帯情報が抽出される。
【0048】
すなわち、ステップS2において、データ折返検出手段9は、医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報を読み込んで医用画像情報に含まれる寝台の位置情報や日時情報等の付帯情報を取得する。そして、データ折返検出手段9は、取得した付帯情報に基づいてグループの境界情報を作成する。
【0049】
図7は、医用画像情報に含まれる付帯情報である時系列の寝台の位置情報とグループの境界情報の作成方法の一例を示す図である。
【0050】
医用画像情報を構成する各画像表示のための情報には、それぞれ時刻情報や寝台の位置情報等の付帯情報が付加される。図7は、図6に示す各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)が撮影されたときの寝台の位置をXYZ座標として時系列に並べたものである。図7に示すように、造影剤投入前における始めの5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)のX座標およびY座標が一定であり、被検体の体軸方向であるZ座標は一定の割合で減少している。このため、始めの5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)が撮影されている際、寝台は体軸の正方向、すなわち被検体の足側から頭部側に移動していることが分かる。
【0051】
また、5枚目の断層画像(画像5)のX座標およびY座標と6枚目の断層画像(画像6)のX座標およびY座標とは若干異なり、かつZ座標は著しく増加している。さらに、6枚目以降の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)のX座標およびY座標は一定であり、Z座標は一定の割合で減少している。以上のことから、5枚目の断層画像(画像5)の撮影が完了した後、一旦寝台が折り返して被検体の頭部側から足側に大きく移動し、さらに再び被検体の足側から頭部側に次第に移動していることを各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)を参照することなく寝台の位置情報のみから判別することができる。
【0052】
従って、図7に示す付帯情報を有する10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)の情報の場合には、寝台の位置情報から始めの5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)と6枚目以降の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)との間にグループの境界Aを設定して別々のグループに括って表示させることが望ましいことが分かる。
【0053】
そこで、データ折返検出手段9は、各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)についての付帯情報のうち寝台の位置情報の差分をそれぞれ計算し、得られた差分値が他の各差分値よりも極端に大きい場合には、例えば差分値と差分値との差が予め設定した閾値を超えるような場合には、その前後で寝台が折り返していると判定して断層画像(画像1、画像2、…、画像10)を別々のグループで括るようにグループの境界情報を作成する。作成したグループの境界情報は、調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与えられる。
【0054】
尚、グループの境界情報の作成方法は、上記のように寝台の位置情報等の付帯情報の差分値の差が閾値を超えるか否かを基準とする他、付帯情報そのものが予め設定された範囲内である場合に、その付帯情報に対応する断層画像が共通のグループで括られるようにすることも可能である。例えば、付帯情報(寝台の位置情報等)の値が0〜500の場合には対応する断層画像がグループ1に、500〜1000の場合には対応する断層画像がグループ2に括られるようにグループの境界情報を作成することもできる。
【0055】
すなわち、データ折返検出手段9は、図7に示すように、始めの5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)がグループ1(GR1)に、6枚目以降の断層画像(画像6、画像7、…、画像10)がグループ2(GR2)に括られるように、5枚目の断層画像(画像5)と6枚目の断層画像(画像6)との間にグループの境界Aを設定し、グループの境界情報として調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与える。
【0056】
ところで、図6に示すように、各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)のうち実際には、被検体の外部における画像のように診断に必要のない画像が含まれる場合がある。例えば、図6において、造影剤投入後における2つの画像(画像6、画像7)については被検体の外部における画像であり被検体の断層画像が撮影されていないため、グループから除外した方が望ましい。しかし、寝台の位置情報のみを参照してグループの境界情報を作成した場合には、被検体の外部であるか否かを判別することが困難なため、別途、グループの境界Aを調整する必要が生じる。
【0057】
そこで、ステップS3において、このようにグループの境界Aを調整する必要がある場合には、グループの境界情報が調整用グループ作成手段11に与えられ、調整用グループ作成手段11により調整用のグループを作成するための境界A’が設定されて調整用グループ境界情報として作成される。調整用グループ作成手段11は予め定められた方法で、単一のグループの境界情報から複数の調整用グループ境界情報を作成する。
【0058】
例えば、調整用グループ作成手段11は、データ折返検出手段9から受けたグループの境界Aを基準として、グループ2(GR2)側の始めの2の断層画像が調整用グループに括られるように調整用グループ境界情報を作成する。すなわち、調整用グループ作成手段11は、図7に示すようにデータ折返検出手段9から受けたグループの境界Aを調整用グループの一方の境界A’とするとともに7枚目の断層画像(画像7)と8枚目の断層画像(画像8)との間に調整用グループの他方の境界A’として設定し、調整用グループ境界情報としてグループ情報作成手段12に与える。
【0059】
尚、調整用グループの境界A’は、データ折返検出手段9から受けたグループの境界Aからグループ1(GR1)側およびグループ2(GR2)側の双方に幅を有するように設定してもよい。また、調整用グループが2つ以上作成されるように調整用グループ境界情報を作成してもよい。さらに、調整用グループの作成方法としては、調整用グループの境界A’をデータ折返検出手段9から受けた基準となるグループの境界Aの位置とデータ数から決定する方法に限らず、寝台の位置情報を参照して予め設定した閾値と比較することにより設定してもよい。
【0060】
次に、ステップS4において、グループ情報作成手段12は、データ折返検出手段9または調整用グループ作成手段11から受けたグループ境界情報および調整用グループ境界情報に基づいてグループ情報を作成する。すなわち、調整用グループを作成する場合には、データ折返検出手段9から受けたグループ境界情報に加えて調整用グループ作成手段11から受けた調整用グループ境界情報がグループ情報の作成に用いられ、調整用グループを作成しない場合には、データ折返検出手段9から受けたグループ境界情報のみからグループ情報が作成される。
【0061】
グループ情報作成手段12は、調整用グループ境界情報およびグループ境界情報から共通のグループに括るべき医用画像がどのグループに属するものであるのかを示すグループ情報を作成し、作成したグループ情報をグループ情報データベース16に書き込む。この際、必要に応じて、グループ情報作成手段12は、共通のグループに括られる医用画像の表示順位をグループ情報に含めて設定する。図6に示す医用画像の場合には、寝台の移動方向が造影剤投入前後で同一であるため、グループ情報作成手段12は、例えば医用画像の表示順位を時系列順として設定する。
【0062】
図8は、図6に示す被検体の各断層画像に関連付けられたグループ情報の概念を示す図であり、図9は、図6に示す被検体の各断層画像に関連付けられた補正後のグループ情報の概念を示す図である。
【0063】
図8に示すように図6と同様に10枚の断層画像を時系列に並べると、グループの境界A(調整用グループの境界A’)によって分割された造影剤投与前における5枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像5)はグループ1(GR1)と関連付けられる。また、調整用グループの境界A’によって分割された造影剤投与後における2枚の断層画像(画像6、画像7)は調整用グループ2’(GR2’)と関連付けられ、表示対象から除外される。さらに、調整用グループの境界A’によって分割された造影剤投与後における残りの3枚の断層画像(画像8、画像9、画像10)はグループ2(GR2)と関連付けられる。
【0064】
また、各断層画像(画像1、画像2、…、画像10)の撮影の際における寝台の移動方向は同一であるため、グループ内における表示順位は時系列順とされる。
【0065】
このように、グループ情報データベース16に保存されたグループ情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させることが可能となる。しかし、実際には、ユーザによりグループの境界を任意に変更する必要が生じる場合がある。
【0066】
そこで、ステップS5において、グループ情報補正手段13によりグループ情報データベース16に保存されたグループ情報が必要に応じて適宜補正される。そのためにグループ情報補正手段13は、まず医用画像情報データベース15から医用画像情報に含まれる情報を読み込んでモニタ5に与え、グループ情報に対応する断層画像の位置とともにグループの境界A、A’を確認することができるような画像、例えばスキャノ画像、3Dアキシャルデータ、3Dコロナルデータ、3Dサジタルデータ等の任意の参照用の画像を表示させる。そして、これらの参照用の画像とともにグループの境界A,A’を表示させる。
【0067】
このため、ユーザは、各断層画像の位置およびグループの括りを把握することができる。例えば、図8において、1枚目の画像(画像1)が診断に不要な画像である場合には、グループ1(GR1)から1枚目の画像(画像1)を表示させるための情報を除外した方がデータサイズが低減され、その後のデータ管理上好都合である。そこで、入力装置6からグループの境界A、A’を指定する情報を入力することにより、スキャノ画像等の参照用の画像を参照しつつグループの括りを調整することができる。
【0068】
すなわち、グループ情報補正手段13は入力装置6から受けたグループの境界A、A’の指定情報に従ってグループ情報データベース16に保存されたグループ情報を補正する。この結果、図9に示すように、グループ1(GR1)の境界Aが変更されて画像1がグループ1(GR1)から除外される。また、グループの境界Aの変更に伴って表示順位が更新される。グループ情報データベース16には、このようなユーザが意図するグループに括って表示させるためのグループ情報が保存される。
【0069】
そして、ステップS6において、このようにして作成されたグループ情報がグループ情報データベース16から画像表示手段14に与えられ、画像表示手段14は、グループ情報に従って医用画像情報データベース15から読み込んだ画像表示用情報をモニタ5に与える。この結果、被検体の各断層画像がグループに括られてモニタ5に並べて表示される。
【0070】
図10は、図9に示す各断層画像をグループ情報に従ってモニタ5に表示させた例を示す図である。
【0071】
図10に示すように、グループ情報に従って、断層画像がグループごとに表示される。すなわち、グループ1(GR1)に括られた4枚の断層画像(画像1、画像2、画像3、画像4)は共通のモニタ5aに表示され、グループ2(GR2)に括られた3枚の断層画像(画像8、画像9、画像10)は、別の共通のモニタ5bに表示される。
【0072】
一方、ユーザは、グループ情報の作成方法として、医用画像の画素分布に基づいて作成する方法を選択することもできる。この場合には、ユーザは、予め入力装置6に医用画像の画素分布に基づいてグループ情報の作成を開始する旨の情報を入力する。そして、医用画像の画素分布に基づいてグループ情報を作成する方法が選択される。
【0073】
図11は、図1に示すグループ情報作成システム1により複数の医用画像を医用画像の画素分布に基づいてグループに括ってモニタ5に表示させる際における流れの一例を示すフローチャートである。また、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示し、図4と同等のステップには同符号を付して説明を省略する。
【0074】
まずステップS1において、医用画像情報が画像情報受信手段7により読み込まれて画像情報登録手段8により医用画像情報データベース15に書き込まれる。
【0075】
次に、ステップS10において、画素分布ヒストグラム作成手段10は、医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報から各医用画像の任意方向における画素分布のヒストグラムを作成し、作成した画素分布のヒストグラムに基づいてグループの境界を設定する。
【0076】
図12は、図1に示すグループ情報作成システム1の医用画像情報データベース15に保存される医用画像情報を収集する際における被検体の断面位置の一例を示す図である。
【0077】
図12に示すように、例えば、両腕を上げた状態の被検体の頭部および胴体部分の体軸に垂直な断面A1、A2、A3、A4における断層画像が撮影される。
【0078】
図13は、図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4におけるそれぞれの断層画像を医用画像情報データベース15に保存された医用画像情報に基づいて並べて表示させた例を示す図である。
【0079】
図13に示すように、頭部側A1の断層画像には両腕の部分があるため3つ断層が表れており、胴体部分A2、A3、A4の各断層画像には1つの断層が表れている。
【0080】
画素分布ヒストグラム作成手段10は、図13に示すような断層画像の各位置における画素値を検出し、画素分布ヒストグラムを作成する。
【0081】
図14は、図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4において、被検体からみて前後方向をX軸としたときのX軸方向の画素分布ヒストグラムであり、図15は、図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4において、被検体からみて左右方向をY軸としたときのY軸方向の画素分布ヒストグラムである。
【0082】
すなわち、図14は、画素値が所定の閾値を超える画素のX軸方向の度数分布(frequency distribution)を表し、図15は、画素値が所定の閾値を超える画素のY軸方向の度数分布を表す。
【0083】
図14に示すようにX軸方向の画素分布ヒストグラムは、単一の領域であるのに対して、図15に示すようにY軸方向の画素分布ヒストグラムは、頭部側A1の断層画像に対応するものは頭部の他に両腕の部分があるため3つの領域が存在する一方、胴体部分A2、A3、A4の各断層画像に対応するものは単一の領域となる。
【0084】
このため、Y軸方向の画素分布ヒストグラムにおいて、例えば領域の個数を検出すれば被検体のどの部位における断層画像であるのかを特定することができる。そこで、画素分布ヒストグラム作成手段10は、Y軸方向の画素分布ヒストグラムに3つの領域が存在する場合には、対応する断層画像を被検体の頭部における断層画像であると判定する。また、Y軸方向の画素分布ヒストグラムに単一つの領域が存在する場合には、対応する断層画像を被検体の胸部における断層画像であると判定する。そして、各断層画像を頭部のグループと胸部のグループとに括ることができるように、Y軸方向の画素分布ヒストグラムの領域が1つから3つに変化する間、すなわち頭部と胸部における断層画像の間にグループの境界Aが画素分布ヒストグラム作成手段10により設定される。
【0085】
図16は、図1に示すグループ情報作成システム1により医用画像のグループの境界Aを医用画像の画素分布ヒストグラムに基づいて設定する別の例を示す図である。
【0086】
図16は、goANDreverse型の寝台の移動方法により撮影された被検体の造影剤投与前後における各スライスにおける断層画像を時系列に並べて表示した例である。すなわち、例えば造影剤投与前後における被検体の全身の断層画像の枚数がそれぞれ10枚であり、時系列に20枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像20)が存在する。
【0087】
また、造影剤投与前の10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)は、例えば被検体の胴体部について体軸の正側から負側に向かって撮影され、次第に形状が大きくなるように変化している一方、造影剤投与後の10枚の断層画像(画像11、画像12、…、画像20)は、被検体の胴体部について体軸の負側から正側に向かって撮影され、次第に形状が小さくなるように変化している。
【0088】
そこで、造影剤投与前における被検体の断層画像と、造影剤投与後における被検体の断層画像とがそれぞれ別のグループで括られるように、任意方向、例えばY軸方向の各断層画像の画素分布ヒストグラムの最大値が画素分布ヒストグラム作成手段10により求められ、さらに各画素分布ヒストグラムの最大値を時系列に並べたときの局大値が検出される。そして、各画素分布ヒストグラムの最大値の極大値の前後における断層画像の間、つまり寝台の移動方向が変化する前後の断層画像の間にグループの境界Aが設定される。
【0089】
このように、グループの境界Aは、画素分布ヒストグラムの領域の数、最大値、範囲、面積等の任意の情報に基づいて被検体の部位を特定して設定することが可能であり、グループの境界Aの設定方法は予め設定される。
【0090】
また、画素分布ヒストグラム作成手段10は、設定したグループの境界Aをグループの境界情報として調整用グループ作成手段11またはグループ情報作成手段12に与える。
【0091】
次に、ステップS3において、必要に応じて適宜、調整用グループ作成手段11により調整用のグループを作成するための境界A’が設定されて調整用グループ境界情報として作成される。
【0092】
各断層画像の画素分布ヒストグラムの数値データに基づいて、グループの境界Aを自動的に設定する場合には、画素分布ヒストグラムの誤差等の要因により、正確に意図するグループの境界Aが設定されない恐れがある。また、画素値が閾値となってグループの境界Aに隣接することとなった断層画像に更に幅を持たせて隣接する一定枚数の断層画像を共通のグループに括ることが望ましい場合や一部の断層画像が診断に不要でありグループから除外することが望ましい場合もあり得る。従って、診断の目的やデータの利用方法に応じて、適宜、調整用のグループを作成するための境界A’が予め定められた方法で自動的に設定される。
【0093】
図17は、図16に示す医用画像に調整用のグループを作成するための境界A’を設定した例を示す図である。
【0094】
例えば、図17に示すように画素分布ヒストグラム作成手段10により設定されたグループの境界Aに隣接する2つの断層画像が調整用のグループとなるように、調整用グループ作成手段11により調整用グループの境界A’が自動的に設定される。
【0095】
次に、ステップS4において、グループ情報作成手段12は、グループ境界情報および調整用グループ境界情報に基づいてグループ情報を作成し、グループ情報データベース16に書き込む。この際、必要に応じて、グループ情報作成手段12は、共通のグループに括られる医用画像の表示順位をグループ情報に含めて設定する。図17に示す医用画像の場合には、寝台の移動方向が造影剤投入前後で逆向きであるため、グループ情報作成手段12は、例えば調整用グループの境界A’により分割された造影剤投与前の断層画像をグループ1として表示順位を時系列に、調整用グループの境界A’により分割された造影剤投与後の断層画像をグループ2として表示順位を時刻が遡る方向にそれぞれ設定する。
【0096】
次に、ステップS5において、グループ情報補正手段13によりグループ情報データベース16に保存されたグループ情報が必要に応じて適宜補正される。
【0097】
そして、ステップS6において、画像表示手段14は、グループ情報に従って医用画像情報データベース15から読み込んだ画像表示用情報をモニタ5に与え、被検体の各断層画像がグループに括られてモニタ5に並べて表示される。
【0098】
図18は、図17に示す各断層画像をグループに括ってモニタ5に表示させた例を示す図である。
【0099】
図18に示すように造影剤投与前における10枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像10)のうち、グループ1に括られた9枚の断層画像(画像1、画像2、…、画像9)は、共通のモニタ5aに時系列に並べて表示される。また、造影剤投与後の10枚の断層画像(画像11、画像12、…、画像20)のうち、グループ2に括られた9枚の断層画像(画像12、画像13、…、画像20)は、別の共通のモニタ5bに時刻が遡る順に並べて表示される。
【0100】
このため、ユーザは、適切にグループに括られた各断層画像をモニタ5により参照することにより、より容易かつ短時間で読影することが可能となり、医用画像の撮影の流れの把握や被検体の立体的な解釈が容易となる。
【0101】
以上のようなグループ情報作成システム1によれば、医用画像情報から得られる寝台の位置情報や画素分布等の情報に基づいて医用画像の撮影状況や被検体の撮影部位を想定することができる。そして、複数の異なるモダリティにより得られた複数の医用画像を医用画像の撮影状況や被検体の撮影部位に応じてグループに括って並べて表示させるためのグループ情報を自動的に作成することができる。このため、医用画像の統括的なグループ管理を行なうことができる。
【0102】
また、グループ情報は、モダリティの種類や型式に依らず医用画像情報に含まれる共通の情報から作成されるため、モダリティごとに自動的に作成されるグループの括りの違いを吸収し、任意のモダリティで撮影された医用画像を任意の画像参照装置にグループに括って表示させることができる。
【0103】
さらに、調整用のグループを作成することにより、グループから不要な医用画像を除外し、データサイズを低減させたり、ユーザの判断により調整用グループに括られた医用画像の取捨選択を容易に行なうことができる。このため、寝台の位置情報や画素分布から直接作成されたグループの境界を調整する必要がある場合であっても、調整用グループの作成によってグループ情報の作成自動化に繋げ、ユーザの労力を低減させることができる。逆に、調整用グループの作成によってもなお、グループ情報の調整が必要な場合には、スキャノデータ等の参照用の画像を併用して、医用画像がユーザの意図するグループに括られるようにグループの境界を補正することができる。
【0104】
尚、グループ情報作成システム1の一部の機能を省略してもよく、逆にモニタ5を構成要素として画像参照装置としての機能を設けてもよい。
【0105】
また、グループ境界情報作成手段としてデータ折返検出手段や画素分布ヒストグラム作成手段をグループ情報作成システム1に設ける代わりに、他の機能を備えたグループ境界情報作成手段をグループ情報作成システム1に設けてもよい。
【0106】
例えば、医用画像情報に含まれる付帯情報のうち所定のデータを利用してグループの境界情報を作成するグループ境界情報作成手段をグループ情報作成システム1に設けることができる。
【0107】
図19は、グループの境界情報を作成する際に利用される付帯情報の一例を示す図である。
【0108】
図19に示すように医用画像情報は、ブランク領域、付帯情報領域、画像表示用情報(画像データ)領域を有する。付帯情報領域には付帯情報が記述される。付帯情報は、複数のデータと各データが何のデータであるのかを示すタグとで構成される。従って、所望の内容を示すデータのタグを指定し、指定されたタグに続くデータを参照すれば、目的とするデータが得られる。
【0109】
付帯情報には、通常、患者の氏名、患者の識別情報、患者の成年月日、当該画像を撮影したモダリティの種類、寝台の位置情報、画像の識別情報、検査コメント等のデータが含まれる。また、付帯情報には、造影剤の使用の有無、X線管の管電流または管電圧の値、当該画像データに対して所定のフィルタ処理が施された否かを示す情報等のスキャン条件を含めることもできる。
【0110】
図20は、図19に示す医用画像情報の付帯情報に用いられるCT画像用のタグのうちグループの境界情報の作成のために利用可能な一部とその内容の一例を示す図であり、図21は、図19に示す医用画像情報の付帯情報に用いられるMR画像用のタグのうちグループの境界情報の作成のために利用可能な一部とその内容の一例を示す図である。
【0111】
図20および図21に示すように、タグに対応させた所望の内容のデータを付帯情報として医用画像情報に含めることができる。尚、図20および図21には、DICOMに従って設定されたタグの一例が示されている。
【0112】
すなわち、医用画像がCT画像である場合には、造影剤として使用されたボーラス薬剤、検査される部位、スライス厚、X線管の管電圧、造影剤のボーラス注入開始時刻、X線管の管電流、X線の曝射量、CT画像の再構成方式、CT画像が属するシリーズ番号、患者の画像位置等の情報をタグに関連付けて付帯情報に含めることができる。
【0113】
同様に、医用画像がMR画像である場合には、造影剤として使用されたボーラス薬剤、検査される部位、スライス厚、反復時間、エコー時間、反転回復時間、エコー番号、シリーズインスタンスUID(unique identifier)、データの収集番号、患者の画像位置等の情報をタグに関連付けて付帯情報に含めることができる。
【0114】
また、各タグには、データの性質(VR: Value Representation)をコード化して表したLO(Long String:長列),SH(Short String:短列),CS(Code String:コード列),DS(Decimal String for floating decimal mode:浮動少数点方式の10進法小数),IS(Decimal String for integer mode:10進法の整数),TM(Time:時刻),UI(unique identifier:任意の識別子)等のコードが関連付けられている。
【0115】
そして、このように設定されたタグを指定することにより、医用画像情報に付帯情報として含まれる所望の情報を取得してグループの境界情報の作成に利用することができる。
【0116】
例えば、グループ境界情報作成手段が予め指定されたタグを参照することによって、医用画像情報ごとに造影剤の使用の有無を検出し、造影剤の使用の有無に応じてグループの境界情報を作成するように構成することができる。
【0117】
また、グループ境界情報作成手段が予め指定されたタグを参照することによって、造影剤の使用の有無のみならず、X線管の管電流または管電圧の値、当該画像データに対して所定のフィルタ処理が施された否かを示す情報等の所望の単一または複数のスキャン条件を医用画像情報ごとに取得することができる。そして、取得した単一のスキャン条件または複数のスキャン条件の組合せに応じてグループ境界情報作成手段がグループの境界情報を作成するように構成することもできる。グループ境界情報作成手段がX線管の管電流または管電圧の値をグループの境界情報の作成に用いる場合には、付帯情報から取得した管電流や管電圧の値や変動幅が管電流や管電圧の値や変動幅に対して予め設定された閾値を超えるか否かによってグループの境界情報を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係るグループ情報作成システムの実施の形態を示す機能ブロック図。
【図2】造影剤を被検体に投与して各種モダリティにより被検体の造影画像を撮影する際におけるgoANDreverse型の寝台の移動方法を示す図。
【図3】造影剤を被検体に投与して各種モダリティにより被検体の造影画像を撮影する際におけるgoANDgo型の寝台の移動方法を示す図。
【図4】図1に示すグループ情報作成システムにより複数の医用画像を寝台の位置情報に基づいてグループに括ってモニタに表示させる際における流れの一例を示すフローチャート。
【図5】造影剤投入前後においてgoANDgo型の寝台の移動方法によりモダリティにより撮影された被検体の断面の一例を示す図。
【図6】図1に示すグループ情報作成システム1に読み込まれた医用画像情報に基づいて図5に示す被検体の各断面における断層画像を並べて表示させた例を示す図。
【図7】医用画像情報に含まれる付帯情報である時系列の寝台の位置情報とグループの境界情報の作成方法の一例を示す図。
【図8】図6に示す被検体の各断層画像に関連付けられたグループ情報の概念を示す図。
【図9】図6に示す被検体の各断層画像に関連付けられた補正後のグループ情報の概念を示す図。
【図10】図9に示す各断層画像をグループ情報に従ってモニタに表示させた例を示す図。
【図11】図1に示すグループ情報作成システムにより複数の医用画像を医用画像の画素分布に基づいてグループに括ってモニタに表示させる際における流れの一例を示すフローチャート。
【図12】図1に示すグループ情報作成システムの医用画像情報データベースに保存される医用画像情報を収集する際における被検体の断面位置の一例を示す図。
【図13】図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4におけるそれぞれの断層画像を医用画像情報データベースに保存された医用画像情報に基づいて並べて表示させた例を示す図。
【図14】図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4において、被検体からみて前後方向をX軸としたときのX軸方向の画素分布ヒストグラム。
【図15】図12に示す被検体の各断面A1、A2、A3、A4において、被検体からみて左右方向をY軸としたときのY軸方向の画素分布ヒストグラム。
【図16】図1に示すグループ情報作成システムにより医用画像のグループの境界Aを医用画像の画素分布ヒストグラムに基づいて設定する別の例を示す図。
【図17】図16に示す医用画像に調整用のグループを作成するための境界A’を設定した例を示す図。
【図18】図17に示す各断層画像をグループに括ってモニタに表示させた例を示す図。
【図19】グループの境界情報を作成する際に利用される付帯情報の一例を示す図。
【図20】図19に示す医用画像情報の付帯情報に用いられるCT画像用のタグのうちグループの境界情報の作成のために利用可能な一部とその内容の一例を示す図。
【図21】図19に示す医用画像情報の付帯情報に用いられるMR画像用のタグのうちグループの境界情報の作成のために利用可能な一部とその内容の一例を示す図。
【符号の説明】
【0119】
1 医用画像自動シリーズ分けシステム
2 CT画像記憶装置
3 MR画像記憶装置
4 ネットワーク
5,5a,5b モニタ
6 入力装置
7 画像情報受信手段
8 画像情報登録手段
9 データ折返検出手段
10 画素分布ヒストグラム作成手段
11 調整用シリーズ作成手段
12 シリーズ情報作成手段
13 シリーズ情報補正手段
14 画像表示手段
15 医用画像情報データベース
16 シリーズ情報データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段と、
前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段と、
を有することを特徴とするグループ情報作成システム。
【請求項2】
前記グループ境界情報作成手段は、前記医用画像情報に含まれる付帯情報に基づいて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項3】
前記グループ境界情報作成手段は、前記医用画像情報に含まれる付帯情報からスキャン条件を取得し、前記スキャン条件に応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項4】
前記グループ境界情報作成手段は、予め指定されたタグ情報を参照することによって前記医用画像情報に含まれる付帯情報から前記タグ情報に対応するスキャン条件を取得し、前記スキャン条件に応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項5】
前記グループ境界情報作成手段は、前記医用画像情報に含まれる付帯情報から造影剤が使用されたか否かを検出し、前記造影剤が使用されたか否かに応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項6】
前記グループ境界情報作成手段は、前記医用画像情報に含まれる付帯情報からX線管の管電流を取得し、前記管電流の値に応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項7】
前記グループ境界情報作成ユニットは、前記医用画像情報に含まれる付帯情報から寝台の位置データの折り返しを検出し、前記折り返しに応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項8】
前記グループ境界情報作成ユニットは、前記医用画像情報から画素分布のヒストグラムを作成し、作成した前記画素分布のヒストグラムに基づいて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項9】
モニタと、
前記グループ情報作成ユニットにより作成されたグループ情報に従って、前記画像表示用情報を前記モニタに与えることにより、複数の医用画像をグループに括って並べて表示させる画像表示ユニットと、
を設けたことを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項10】
前記グループ境界情報作成ユニットにより作成された前記グループの境界情報に基づいて、調整用のグループの境界情報を作成する調整用グループ作成ユニットを設けたことを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項11】
参照用の画像をモニタに与えて表示させ、入力装置から受けた情報に基づいて前記グループ情報を補正するグループ情報補正ユニットを設けたことを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項12】
医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するステップと、
前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するステップと、
を有することを特徴とするグループ情報作成方法。
【請求項13】
コンピュータを、
医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段、並びに
前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段、
として機能させることを特徴とするグループ情報作成プログラム。
【請求項1】
医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段と、
前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段と、
を有することを特徴とするグループ情報作成システム。
【請求項2】
前記グループ境界情報作成手段は、前記医用画像情報に含まれる付帯情報に基づいて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項3】
前記グループ境界情報作成手段は、前記医用画像情報に含まれる付帯情報からスキャン条件を取得し、前記スキャン条件に応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項4】
前記グループ境界情報作成手段は、予め指定されたタグ情報を参照することによって前記医用画像情報に含まれる付帯情報から前記タグ情報に対応するスキャン条件を取得し、前記スキャン条件に応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項5】
前記グループ境界情報作成手段は、前記医用画像情報に含まれる付帯情報から造影剤が使用されたか否かを検出し、前記造影剤が使用されたか否かに応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項6】
前記グループ境界情報作成手段は、前記医用画像情報に含まれる付帯情報からX線管の管電流を取得し、前記管電流の値に応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項7】
前記グループ境界情報作成ユニットは、前記医用画像情報に含まれる付帯情報から寝台の位置データの折り返しを検出し、前記折り返しに応じて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項8】
前記グループ境界情報作成ユニットは、前記医用画像情報から画素分布のヒストグラムを作成し、作成した前記画素分布のヒストグラムに基づいて前記グループの境界情報を作成するように構成されることを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項9】
モニタと、
前記グループ情報作成ユニットにより作成されたグループ情報に従って、前記画像表示用情報を前記モニタに与えることにより、複数の医用画像をグループに括って並べて表示させる画像表示ユニットと、
を設けたことを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項10】
前記グループ境界情報作成ユニットにより作成された前記グループの境界情報に基づいて、調整用のグループの境界情報を作成する調整用グループ作成ユニットを設けたことを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項11】
参照用の画像をモニタに与えて表示させ、入力装置から受けた情報に基づいて前記グループ情報を補正するグループ情報補正ユニットを設けたことを特徴とする請求項1記載のグループ情報作成システム。
【請求項12】
医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するステップと、
前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するステップと、
を有することを特徴とするグループ情報作成方法。
【請求項13】
コンピュータを、
医用画像情報に含まれる情報に基づいて複数の医用画像をグループに括って表示させる際におけるグループの境界部分を表す境界情報を作成するグループ境界情報作成手段、並びに
前記医用画像情報に含まれ、医用画像を表示させるための画像表示用情報が属するグループの識別情報であるグループ情報を前記グループの境界情報に基づいて作成するグループ情報作成手段、
として機能させることを特徴とするグループ情報作成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−15125(P2006−15125A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146764(P2005−146764)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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