説明

グループ着信機能を有するSIP電話システム

【課題】新たなINVITEを生成せずに各内線SIP電話端末に内線グループ着信を通知し、当該通知を受信した内線SIP電話端末は直接発信元に対して接続要求を送信することによって、内線SIP管理端末の呼の管理を単純化することができる。
【解決手段】内線SIP管理端末は、内線SIP電話端末からの接続要求を受信すると、受信した接続要求から発信元のID情報を抽出し、抽出した前記ID情報を自内線SIP管理端末が管理する全ての内線SIP電話端末へ通知するID情報通知手段と、を有し、
内線SIP電話端末は、前記内線SIP管理端末から前記ID情報を受信すると自端末を鳴動させる鳴動手段と、前記自内線SIP電話端末が鳴動しユーザの応答操作を検出すると、受信した前記ID情報から発信元を特定し当該発信元に前記内線SIP管理電話端末の代わりに自内線電話端末が通話する旨の接続要求を送信する代理接続要求送信手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はSIP電話システムの呼制御技術に関するものであり、特にSIP電話の内線制御に関する。
【背景技術】
【0002】
内線グループ着信を行うための手法として従来のSIP内線制御では、Proxyサーバが内線グループの各端末に対してINVITEをフォーク(以下、分岐と呼称)して実現している。
【0003】
図8を用いて従来のSIP内線制御を説明する。図8は、従来のSIP内線制御において、発信元の内線SIP電話端末4から内線グループ着信を受付けた場合のシーケンス図である。
【0004】
相手SIP電話端末4からSIP Proxyサーバ1に対してINVITEを送信する(S301)とSIP Proxyサーバ1は SIP Proxyサーバ1配下の内線SIP電話端末3−1,3−2に対してINVITEを分岐して送信する(S302)。
【0005】
INVITE(FORK)を受信した内線SIP電話端末3−1,3−2は、着信鳴動し(S303)、この時、着信側の内線SIP電話端末3−1がPRACKを要求する180Ringing(100rel)を相手SIP電話端末4が受信すると、相手SIP電話端末4は内線呼情報の管理を開始し、PRACKを送信する(S304、S305、S306)。
【0006】
内線呼情報の管理は、PRACKを要求する180Ringing(100rel)を送信する内線SIP電話端末台数分行われる(S307、S308、S309)。
【0007】
ここで例えば内線SIP電話端末3−1で応答操作がなされたとすると(S310、S311)、相手SIP電話端末4との通話となり(S312)、SIP Proxyサーバ1は、内線SIP電話端末3−2に対してCANCELを送信する(S313、S314)。
【0008】
発信元の内線相手SIP電話端末4は、ここで、内線SIP電話端末3−2の内線呼情報の管理を終了する(S315)。
【0009】
このようにしてINVITE(FORK)を利用して複数のSIP電話端末を呼出す場合、発信元の相手SIP電話端末4は、呼出し先のSIP電話端末全ての呼情報を管理しなければならず、処理負荷が大きいという問題がある。
【0010】
上記の問題を解決する方法として特許文献1がある。
【0011】
特許文献1の技術は、相手SIP電話端末4からの着信があると内線SIP電話端末3−1,3−2に対してグループ着信を行うグループ呼び装置という専用装置を設置し呼情報を管理をおこない、このグループ呼び装置でINVITEを終端することで、発信元の相手SIP電話端末4が管理する呼情報は1つで済む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−352543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1の技術は、発信元の相手SIP電話端末4が管理していた内線呼情報をグループ呼び装置が行っただけであり、管理負荷を処理するためある程度の処理能力を持った専用装置設置しなければならない。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、内線グループ発信時のシーケンス処理を見直し、内線グループ発信時に発生する所定端末にかかる呼情報の管理負荷を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために本発明では、複数のSIP電話端末と前記複数のSIP電話端末の内線を管理する内線SIP管理端末とから構成されるSIP内線電話システムであって、前記内線SIP管理端末は、前記SIP電話端末からの自装置への接続要求を受信すると受信した接続要求から発信元のID情報を抽出し抽出した前記ID情報を自内線SIP管理端末が管理する全てのSIP電話端末へ通知するID情報通知手段と、を有し、前記複数のSIP電話端末は、前記内線SIP管理端末から前記ID情報を受信すると自端末を鳴動させる鳴動手段と、自SIP電話端末が鳴動しユーザによって応答操作を検出すると、前記ID情報から発信元を特定し当該発信元に前記SIP内線管理電話端末の代わりに自端末が通話する旨の接続要求を送信する代理接続要求送信手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内線SIP管理端末を設置し、内線グループへのINVITEを受信しても新たなINVITEを生成せずに各内線端末に内線グループ着信を通知し、当該通知を受信した内線端末は直接発信元に対して接続要求を送信することによって、内線SIP管理端末の呼の管理を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるSIP電話システムの概略図である。
【図2】本実施の形態に係るSIP電話システムにおいて、相手SIP電話端末4から内線グループに発信した場合の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図3】内線SIP管理端末の概略機能ブロック図である。
【図4】内線グループ端末記憶部の、登録内容例を模式的に表した図である。
【図5】内線SIP電話端末の概略機能ブロック図である。
【図6】内線SIP管理端末の動作を説明するためフロー図である。
【図7】内線SIP電話端末の内線グループ着信を受ける動作を説明するためのフロー図である。
【図8】従来の内線SIP制御例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態にかかるSIP電話システムの概略図である。
【0019】
図示するように、本実施の形態のSIP電話システム7は、内線SIP管理端末2と、複数の内線SIP電話端末3−1〜3−2(以下、単に内線SIP電話端末3とも呼ぶ)とが、LAN5を介してSIP Proxyサーバ1に接続され、相手SIP電話端末4はWAN6を介してSIP Proxyサーバ1と接続されて構成されている。
【0020】
本実施例では、相手SIP電話端末4からSIP電話システムに対して内線グループ発信を行った場合について説明する。
【0021】
図2は、本実施の形態に係るSIP電話システムにおいて、相手SIP電話端末4から内線グループに発信した場合の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0022】
内線SIP管理端末2は内線グループ番号をUSER名としてREGISTER (登録要求)を送信し、SIP Proxyサーバ1に登録する(S101,S102)。
【0023】
内線SIP電話端末3は自身の内線番号をUSER名としてREGISTER (登録要求)を送信し、SIP Proxyサーバ1に登録し(S103,S104,S107,S108)、さらに、自身が着信を受けることが可能な内線グループ番号を付与した、SUBSCRIBE (内線グループ着信通知要求)を送信し、内線SIP管理端末2に登録する(S105,S106,S109,S110)。
【0024】
内線SIP電話端末3−1と3−2は同一内線グループ着信通知要求を送信したとする。
【0025】
内線SIP管理端末2は内線グループ着信通知要求を受信することにより、内線グループ番号ごとに、内線グループ着信通知を送信する内線SIP電話端末3を把握している。
【0026】
ここで、相手SIP電話端末4が内線SIP電話端末3−1と3−2が要求した内線グループ着信通知に対応した内線グループ番号に対してINVITE (接続要求)を送信したとする。SIP Proxyサーバ1は、この内線グループ番号で登録されている内線SIP管理端末2に対して接続要求(INVITE)を中継し、内線SIP管理端末2は、暫定応答(180Ringing)を返信する(S111,S112)。
内線SIP管理端末2は、INVITE (接続要求)を受信したときに、内線SIP電話端末3−1と3−2に対してNOTIFY (内線グループ着信通知)を送信する(S113) 。内線グループ着信通知(NOTIFY)を受信した内線SIP電話端末3−1と3−2は着信鳴動する (S114,S115)。
【0027】
ここで内線SIP電話端末3−2にて応答操作したとする(S116)。応答時に内線グループ着信通知(NOTIFY)から発信元を特定し、発信元である相手SIP電話端末4に対してINVITE Replace (代理接続要求)を送信し(S117)、200 OK(代理接続成立)を受信すると(S118)、通話となる(S119)。
【0028】
相手SIP電話端末4は、INVITE Replace (代理接続要求)を受信すると、内線SIP管理端末2に対してステップ111で送信したINVITE(接続要求)を解除するためにCANCEL(接続要求解除) を送信する(S120)。
【0029】
内線SIP管理端末2は、相手SIP電話端末4が送信するCANCEL(接続要求解除)を受信すると200 OK(接続要求解除完了)を相手SIP電話端末4に送信すると共に(S121)、NOTIFY (内線グループ着信解除通知)を送信する(S122)。NOTIFY (内線グループ着信解除通知)を受信した内線SIP電話端末3−1は鳴動中の着信音を停止し(S123)、となり、内線SIP電話端末3−2はすでに通話中であるため、内線グループ着信終了通知を無視する。
【0030】
図3は、内線SIP管理端末2の概略機能ブロック図である。
【0031】
内線SIP管理端末2は、LANインターフェイス部201と、通信制御部202と、内線グループ着信通知要求受信部203と、内線グループ端末記憶部204と、内線グループ端末登録完了通知部205と、接続要求受信部206と、応答部207と、発信元情報抽出部208と、通知メッセージ生成部209と、通知メッセージ送信部210と、接続要求解除受信部211と、SIP Proxyサーバ登録処理部212とから構成される。
【0032】
LANインターフェイス部201は、LAN4に接続するためのインターフェイスである。
【0033】
通信制御部202は、LANインターフェイス部201を介して、LAN5に接続された機器(SIP Proxyサーバ1、内線SIP電話端末3等)との通信を制御する。
【0034】
内線グループ着信通知要求受信部203は、LANインターフェイス部201および通信制御部202を介して、内線SIP電話端末3が送信する、内線グループ着信通知要求を受信する。受信後、内線グループ端末記憶部204に内線グループ着信通知要求を送信した内線SIP電話端末3の内線番号を記憶する。内線番号の記憶を完了すると、内線グループ端末登録完了通知部205に対して内線グループ端末登録完了通知を通信制御部202及びLANインターフェイス部201を介して内線グループ着信通知要求を送信した内線SIP電話端末3に送信するように指示を出す。
【0035】
内線グループ端末記憶部204は、内線グループ着信通知要求を受信した場合に、内線グループ着信通知要求受信部203の指示により、内線グループ着信通知要求を送信した内線SIP電話端末3の内線番号が記憶される。
【0036】
図4は、内線グループ端末記憶部204の登録内容例を模式的に表した図である。内線グループ端末記憶部204には、SIP Proxyサーバ1に登録したときの内線グループ番号を記憶するためのフィールド2041と、内線グループ着信通知要求を送信した内線SIP電話端末3の内線番号を登録するフィールド2042と、を有するレコード2040が登録される。ここで、フィールド2041に登録されている内線SIP電話端末3が存在しなければフィールド2041はヌル(空欄)となる。
【0037】
図3に戻って説明を続ける。
【0038】
内線グループ端末登録完了通知部205は、内線グループ端末記憶部204に内線グループ着信通知要求を送信した内線SIP電話端末3の内線番号が記憶されると、記憶した内線番号を持つ内線SIP電話端末3に対して、内線グループ端末登録完了を通信制御部202及びLANインターフェイス部201を介して通知する。
【0039】
接続要求受信部206は、LANインターフェイス部201および通信制御部202を介して、SIP Proxyサーバ1に登録したときの内線グループ番号で接続要求を受信する。受信後、内線グループ端末記憶部204を参照し、レコード2040のフィールド2041に内線SIP電話端末3の内線番号が記憶されているかを判断する。レコード2040のフィールド2041に内線SIP電話番号3の内線番号が登録されていれば、応答部207に対して暫定応答の送信を指示し、レコード2040のフィールド2041がヌル(空欄)であれば、応答部207に対してエラーの送信を指示する。
【0040】
接続要求受信部206は、レコード2040のフィールド2041に内線SIP電話番号3の内線番号が登録されている場合にさらに、受信した接続要求を送信元情報抽出部208に渡す。
【0041】
応答部207は、接続要求受信部の指示により暫定応答またはエラーを通信制御部202及びLANインターフィス部201を介してLAN5上に送出し、接続要求解除受信部の指示により、接続要求解除完了を、通信制御部202及びLANインターフィス部201を介してLAN5上に送出する。
【0042】
発信元情報抽出部208は、接続要求受信部206にて受信した内線グループ番号での接続要求の中から、発信元の情報を抽出する。ここで抽出する発信元の情報とは、例えば、接続要求を送信した相手SIP電話端末4のUSER名やCall−IDである。抽出後、抽出した情報を通知メッセージ生成部209に渡す。
【0043】
通知メッセージ生成部209は、レコード2040のフィールド2042に記憶されている内線番号を取り出して、送信先とし、受け取った発信元の情報を含めた内線グループ着信通知を生成する。生成後、生成した内線グループ着信通知を通知メッセージ送信部210に渡す。また、通知メッセージ生成部209は接続要求解除受信部211の指示により、レコード2040のフィールド2042に記憶されている内線番号を取り出して、内線グループ着信解除通知を生成する。生成後、生成した内線グループ着信解除通知を通知メッセージ送信部210に渡す。
通知メッセージ送信部210は、通知メッセージ生成部209で生成し渡された通知メッセージを通信制御部202及びLANインターフェイス201を介してLAN4上に送出する。
【0044】
接続要求解除受信部211は、LANインターフェイス部201および通信制御部202を介して、接続要求解除を受信する。受信後、応答部207に対して接続要求解除完了を送信するように指示を出す。また、接続要求解除受信211は通知メッセージ生成部209に対して内線グループ着信解除通知を生成するように指示を出す。
【0045】
SIP Proxyサーバ登録処理部212は、予めSIP Proxyサーバのアドレスと、内線グループ番号が登録されており、SIP Proxyサーバ1に登録要求を送信し、SIP Proxyサーバ1に内線グループ番号をUSER名として登録する。
【0046】
図5は、内線SIP電話端末3の概略機能ブロック図である。
【0047】
図示するように内線SIP電話端末3は、LANインターフェイス部301と、通信制御部302と、SIP Proxyサーバ登録処理部303と、内線グループ着信通知要求処理部304と、内線グループ着信通知受信部305と、発信元情報抽出部306と、音声入力部307と、応答部308と、代理接続要求生成部309と、代理接続要求送信部310と、代理接続成立受信部311と、内線グループ着信解除通知受信部312とから構成される。
【0048】
LANインターフェイス部201は、LAN5に接続するためのインターフェイスである。
【0049】
通信制御部202は、LANインターフェイス部201を介して、LAN5に接続された機器(SIP Proxyサーバ1、内線SIP管理端末2等)との通信を制御する。
【0050】
SIP Proxyサーバ登録処理部303は、予めSIP Proxyサーバのアドレスと、自端末の内線番号が登録されており、SIP Proxyサーバ1に登録要求を通信制御部302及びLANインターフェイス部301を介して送信しSIP Proxyサーバ1に内線番号をUSER名として登録する。登録完了後、内線グループ着信通知要求処理部304に対して内線グループ着信通知要求を行うように指示を出す。
【0051】
内線グループ着信通知要求処理部304は、予め、内線SIP管理端末2のアドレスが登録されており、SIP Proxyサーバ登録処理部303から内線グループ着信通知要求を行うように指示を受けると、内線グループ着信通知要求を通信制御部302及びLANインターフェイス部301を介して内線SIP管理端末2に送信し、LANインターフェイス部301及び通信制御部302を介して、内線グループ端末登録完了通知を受信する。受信後、内線グループ着信通知を受信するのを待つ。
【0052】
内線グループ着信通知受信部305は、LANインターフィエス部301及び通信制御部302を介して内線グループ着信通知を受信する。受信後、音声入出力部307を介して着信鳴動を行う。
【0053】
内線グループ着信通知受信部305はまた、受信した内線グループ着信通知を発信元情報抽出部306に渡す。
【0054】
発信元情報抽出部306は、内線グループ着信通知の中から、接続要求を送信した相手SIP電話端末4のUSER名やCall−IDを抽出する。抽出後、代理接続要求生成部309に渡す。
【0055】
音声入出力部307は、着信音の出力や通話者の音声の入出力を行う。
【0056】
応答部308は、ユーザによって応答操作が行われたことを検出する。検出後、代理接続要求生成部309に対して、代理接続要求を生成するように指示する。
【0057】
代理接続要求生成部309は、代理接続要求の生成指示を受けると、発信元情報抽出部306から受け取ったUSER名を送信先とし、Call−IDを識別子とした、代理接続要求を生成する。生成後、生成した代理接続要求を代理接続要求送信部310に渡す。
【0058】
代理接続要求送信部310は代理接続要求を受け取ると、代理接続要求を通信制御部302を及びLANインターフェイス部301を介して、相手SIP電話端末4に送信する。
【0059】
代理接続成立受信部311は、LANインターフィエス部301及び通信制御部302を介して代理接続成立を受信する。
【0060】
代理接続成立を受信したところから相手SIP電話端末4との通話が可能となり、以後、LANインターフェイス部301及び通信制御部302、音声入出力部307にて音声パケットの送受信を行う。
【0061】
内線グループ着信解除通知受信部312は、着信鳴動中に他の内線SIP電話端末3が代理接続成立させた時に、LANインターフェイス部301及び通信制御部302を介して内線グループ着信解除通知を受信する。受信後は音声入出力部307から出力中の着信音を停止させる。
【0062】
次に、図6を用いて内線SIP管理端末2の動作について説明する。
【0063】
図6は、内線SIP管理端末2の動作を説明するためフロー図である。尚、本フローは内線SIP管理端末2が電源投入されてから開始する。
【0064】
まず、電源投入後が投入されると、SIP Proxyサーバ登録処理部212はSIP Proxyサーバ1に登録要求を送信し、内線グループ番号をSIP Proxyサーバ1に登録する(S101)。
【0065】
登録後、通信制御部202は、受信したパケットの種別を識別する(S102)。内線グループ着信通知要求を受信したならば(S102で内線グループ着信通知要求)、S103に進み、内線グループ着信を受信したならば(S102で接続要求)、S104に進む。
【0066】
S103において、内線グループ着信通知要求受信部203は、受信した内線グループ着信通知要求を解析し、送信元の内線SIP電話端末3の内線番号を内線グループ着信通知先として、内線グループ端末記憶部204のレコード2040のフィールド2042に記憶する。また、接続要求受信部206は、内線グループ端末記憶部204のレコード2040のフィールド2042に内線番号が記憶されているか否かを判定する。
【0067】
判定後、内線番号が記憶されているならば(S104でYES)、送信元情報抽出部208は、接続要求の中から接続要求を送信した相手SIP電話端末4のUSER名やCall−IDを抽出する(S105)。
【0068】
抽出後、通知メッセージ生成部209は、抽出した相手SIP電話端末4のUSER名やCall−IDを含む、内線グループ着信通知を生成し(S106)、通知メッセージ送信部210に渡す。通知メッセージ送信部210は渡された内線グループ着信通知をレコード2040のフィールド2042に記憶している内線番号に対して送信する(S107)。
【0069】
このとき、応答部207は、接続要求を送信した相手SIP電話端末4に対して、暫定応答を送信する(S108)。暫定応答を送信後、接続要求解除受信部211は、接続要求を送信した相手SIP電話端末4接続要求解除を受信するのを待つ(S109でNO)。
【0070】
接続要求解除を受信すると(S109でYES)、接続要求解除受信部211は、通知メッセージ生成部209に内線グループ着信終了通知生成するよう指示する。指示を受けた通知メッセージ生成部209は内線グループ着信終了通知生成し、通知メッセージ送信部210に渡す。通知メッセージ送信部210は内線SIP電話端末3に対して、内線グループ着信終了通知を送信する(S110)。
【0071】
一方で接続要求受信部206は、内線グループ端末記憶部204のレコード2040のフィールド2042に内線番号が記憶されていない(ヌル(空欄))と判断したならば (S103でNO)、接続要求を送信した相手SIP電話端末4に対してエラーを送信する(S110)。
【0072】
送信後、再びステップ102へ戻る。
【0073】
次に図7を用いて内線SIP電話端末3の動作について説明する。
【0074】
図7は、内線SIP電話端末3の、内線グループ着信を受ける動作を説明するためのフロー図である。尚、本フローは内線SIP電話端末3が電源投入されてから開始する。
【0075】
まず、電源投入後、SIP Proxyサーバ登録処理部303は、自内線番号でSIP Proxyサーバ1に登録の処理を行う (S201)。
【0076】
登録後内線グループ着信通知要求処理部304は、内線SIP管理端末2に対して内線グループ着信通知要求を送信し(S202)、内線SIP管理端末2から内線グループ端末登録完了通知を受信するのを待つ(S203でNO)。
【0077】
登録後内線グループ着信通知要求処理部304にて内線SIP管理端末2から内線グループ端末登録完了通知を受信後(S203でYES)、内線グループ着信通知受信部305は、内線グループ着信通知を受信するのを待つ(S204でNO)。
【0078】
内線グループ着信通知受信部305は、内線グループ着信通知を受信すると(S204でYES)、音声出力部307にて着信鳴動を行う(S205)。
【0079】
そして操作受付部308は、オフフックの応答操作が行われたか否かを判定する(S206)。
【0080】
着信鳴動に対して操作受付部308がオフフック等の応答操作を検出した場合(S206でYES)、操作受付308は代理接続要求生成部309に応答操作がなされたことを通知する。通知を受けた代理接続要求生成部309は内線グループ着信通知の中から接続要求を送信した相手SIP電話端末4のUSER名やCall−IDを抽出し、USER名を送信先とし、Call−IDを識別子とする代理接続要求を生成する(S205)。
【0081】
代理接続要求生成部309は代理接続要求を生成した後、代理接続要求送信部210に生成した代理接続要求渡し、代理接続要求送信部210は、接続要求を送信した相手SIP電話端末4に送信する(S208)。
【0082】
ステップ208で代理接続要求を送信した後、接続要求を送信した相手SIP電話端末4から代理接続成立(200 OK)を受信するのを待つ(S211でNO)。
【0083】
代理接続成立を受信すると(S211でYES)、通話となる(S212)。
【0084】
そして操作受付部308にてオンフック等の終話操作を検出する、または相手SIP電話端末4から終了メッセージ(BYE)を受信すると(S213でYES)、通話終了し (S214)、ステップ204の処理に戻る。
【0085】
一方で、ステップ206で操作受付部308にてオフフック等の応答操作が検出されずに(S206でNO)、内線グループ着信解除通知を受信すると(S209でYES)、 音声出力部307にて着信鳴動中の着信音を停止し(S210)、再びステップ204の処理に戻る。
【0086】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0087】
本実施の形態において、内線SIP管理端末を設置し、内線グループへのINVITEを受信しても新たなINVITEを生成せずに各内線端末に内線グループ着信を通知し、当該通知を受信した内線端末は直接発信元に対して接続要求を送信することによって、SIP内線管理端末の呼の管理を単純化することができる。
【符号の説明】
【0088】
1:SIP Proxyサーバ、2:内線SIP管理端末、3−1〜3−3:内線SIP電話端末、4:相手SIP電話端末、5:LAN、6:WAN:、7:SIP電話システム、201:LANインターフェイス部、202:通信制御部、203:内線グループ着信通知要求受信部、204:内線グループ端末記憶部、205:内線グループ端末登録完了通知部、206:接続要求受信部、207:応答部、208:送信元情報抽出部、209:通知メッセージ生成部、210:通知メッセージ送信部、211:接続要求解除受信部、212:SIP Proxyサーバ登録処理部、301:LANインターフェイス部、302:通信制御部、303:SIP Proxyサーバ登録処理部、304:内線グループ着信通知要求処理部、305:内線グループ着信通知受信部、306:発信元情報抽出部、307:音声出力部、308:操作受付部、309:代理接続要求生成部、310:代理接続要求送信部、311:代理接続成立受信部、312:内線グループ着信解除通知受信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のSIP電話端末と前記複数のSIP電話端末を管理するSIP管理端末とから構成されるSIP電話システムであって、
前記SIP管理端末は、
自SIP管理端末への接続要求を受信すると受信した接続要求から発信元のID情報を抽出するID抽出手段と、
抽出した前記ID情報を自SIP管理端末が管理する全てのSIP電話端末へ通知するID情報通知手段と、を有し、
前記複数のSIP電話端末は、
前記SIP管理端末から前記ID情報を受信すると自SIP電話端末を鳴動する鳴動手段と、
自SIP電話端末が鳴動し、ユーザの応答操作を検出すると前記ID情報から発信元を特定し当該発信元に前記SIP管理端末の代わりに自SIP電話端末が通話する旨の接続要求を送信する代理接続要求送信手段と、を有することを特徴とするグループ着信機能を有するSIP電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載のSIP電話システムであって、
前記SIP管理端末は、
前記SIP電話端末から自SIP管理端末への帰属要求を受信すると、帰属要求を送信したSIP電話端末を前記ID情報通知手段の通知先として記憶する通知先記憶手段と、をさらに有し、
前記複数のSIP電話端末は、
電源が投入されると前記SIP管理端末への帰属を要求する帰属要求を送信する帰属要求送信手段と、をさらに有することを特徴とするグループ着信機能を有するSIP電話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−70138(P2012−70138A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212015(P2010−212015)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】