説明

ケラチン基質のケアのための顆粒状乾燥洗剤

本明細書は、固体担体粒子上に凝集させた少なくとも1つの非エラストマーポリオルガノシロキサンを含む顆粒状乾燥組成物について記載する。顆粒状乾燥組成物は、向上した感触及びケア剤の放出とともに高速の体液吸収を有するケラチン基質の乾燥洗剤として用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、向上した感触及びケア剤の放出とともに高速の体液吸収を伴う、ケラチン基質に乾燥洗剤として用いられる顆粒状粉末について記載する。「乾燥」により、一般的には使用中に水が必要ないことを意味する。本明細書において、我々は「洗剤」の語を用い、動物及び人間の皮膚又は毛髪を洗浄するように設計された洗浄パーソナルケア製品を含む。乾燥洗剤は皮脂のような体液、汗及び悪臭、汚れ、皮膚粒子、ふけ、環境汚染物質又はケラチン基質上に徐々に蓄積する他の汚染物質粒子を除去するように設計されている。パーソナルケア製品はそれを塗布した体の部位について有効であってもよく;感覚剤、光沢剤、着色剤、芳香剤、保湿剤又は清涼剤のようなケア剤の放出によって、化粧品、治療薬、又はこれらの何らかの組み合わせであり得る。本明細書に記載する洗剤は、皮膚又は毛髪を水なしで洗浄することができる粉末の形態である。
【背景技術】
【0002】
洗剤は通常液体型で販売され、水の使用及びその後のケラチン基質の乾燥を必要とする。一方で、とくに水を得ることができない、若しくは使ってはいけない場合、例えば旅行、病院若しくは勤務時間中、又は何らかの輸送規制がある場合、例えば空港において、乾燥使用、すなわち水なしでの使用の必要性がある。皮脂を十分に吸収するため、乾燥洗剤は長時間ケラチン基質上に放置する必要があり、よってそれらの使用を制限する。従って吸収速度を向上させ、よってケラチン基質との必要な接触時間を低減する必要性がある。
【0003】
非エラストマーポリオルガノシロキサンの固体粒子状担体との凝集はこれらの担体により体液の吸収の速度を上げるが、これらの非エラストマーポリオルガノシロキサンは特定の吸収特性を有さないことが見出された。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、固体担体粒子上に凝集させた、少なくとも1つの非エラストマーポリオルガノシロキサンを含む顆粒状乾燥組成物について記載する。「顆粒」により、我々は凝集粒子、一般的には、スラリー凝集体とは対照的な、自由流動粒子を意味する。顆粒は、液体非エラストマーポリオルガノシロキサン含有組成物を任意のケア剤と組み合わせて沈着させ、高速吸収性を示す、担体粒子を含む。
【0005】
顆粒状乾燥組成物は、液体非エラストマーポリオルガノシロキサン含有組成物(液体組成物)を、固体粒子状担体組成物(担体)と該液体組成物が該担体と凝集するような条件下で接触させることによって調製されるが、凝集生成物は凝集中顆粒形態に保たれるか、又は、その後顆粒に形成される。
【0006】
我々は、顆粒状乾燥組成物が体液をより速く吸収し、毛髪又は皮膚に心地よい感触をもたらすと感じられることを見出した。顆粒状乾燥組成物は、これらに限定されないが、サシェット、フラスコ、エアロゾルのような、各種タイプのパッケージ又はディスペンサーにパッケージングすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に用いることができる固体粒子状担体としては、ゼオライト、例えばZeolite 4A若しくはZeolite X、及び他のアルミノケイ酸塩若しくはケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、マイカ、ベントナイト、珪藻土、海泡石、天然若しくは変性粘土、例えば商標「Laponite XG」で販売されるもの、タルク、ニート若しくは処理シリカ、セルロース、アルギン酸塩、キチン、キトサン、デンプン、例えば顆粒状デンプン若しくは天然デンプン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸塩、例えば粉末状若しくは顆粒状トリポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、木粉及び炭水化物、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体、又は糖類、例えばラクトース、デキストロース、若しくはマルトデキストリン、例えば商標「Glucidex IT」で販売されるものが挙げられる。軟質担体は硬質担体より好ましく、顆粒状洗剤組成物は手触りが柔らかい。一般的には、固体粒子状担体は皮脂のような体液を吸収することができるものである。担体は異なる担体の混合物、例えば向上した吸収性のためケイ酸カルシウム及びデンプンを含むことができる。
【0008】
液体組成物に接触する軟質固体粒子状担体の平均粒径は一般的には1マイクロメートル〜250マイクロメートル、あるいは1〜100マイクロメートル、あるいは2〜15又は30マイクロメートルである。
【0009】
硬質固体粒子状担体の平均粒径は1〜30マイクロメートル、あるいは1〜20マイクロメートル、あるいは1〜10マイクロメートルである。
【0010】
液体組成物は、少なくとも1つの非エラストマーポリオルガノシロキサン、任意で結合剤及び任意で化粧品成分を含む。
【0011】
本発明に用いることができる非エラストマーポリオルガノシロキサンは、場合により有機部分で変性した、油、ワックス、樹脂又はゴムの形態であってもよく、液体組成物に可溶性又は不溶性であってもよい。それらは揮発性又は不揮発性であってもよい。異なる非エラストマーポリオルガノシロキサンのいずれかの組み合わせ又は混合物を用いることもできる。こうした非エラストマーポリオルガノシロキサン及びそれらの製造方法は当業者に知られ、それらの多くは市販されている。エラストマーポリオルガノシロキサンは、本発明に用いることができるポリオルガノシロキサンの一部を形成しない。
【0012】
揮発性非エラストマーポリオルガノシロキサンは一般的には、(i)3〜7個、あるいは5〜6個のケイ素原子を含有する環状ポリオルガノシロキサン;(ii)2〜9個のケイ素原子を有し、25℃で5mm/s以下の粘度を有する線状揮発性ポリオルガノシロキサンのような250℃未満の沸点を有するものである。揮発性非エラストマーポリオルガノシロキサンはまた(i)及び(ii)の混合物であってもよい。揮発性非エラストマーポリオルガノシロキサンのさらなる例としては、揮発性メチルシロキサン又は揮発性エチルシロキサンを挙げることができる。
【0013】
不揮発性非エラストマーポリオルガノシロキサンの例としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリオルガノシロキサンゴム及び樹脂、有機官能基で変性したポリオルガノシロキサン、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0014】
ポリアルキルシロキサンの例としては、トリメチルシリル末端基を含有し、25℃で5mm/s〜2,500,000mm/s、あるいは10〜1,000,000mm/sの粘度を有するポリジメチルシロキサン(CTFA指定ジメチコーン)がある。ジメチルシラノール末端基を含有するポリジメチルシロキサン(CTFA指定ジメチコノール)も適切である。
【0015】
有用なポリアルキルアリールシロキサンは、25℃で10〜50,000mm/sの粘度を有する線状及び分岐ポリジメチルメチルフェニルシロキサン及びポリジメチルジフェニルシロキサンから選択することができる。
【0016】
非エラストマーポリオルガノシロキサンはゴムの形態であってもよい。ゴムは一般的には、単独で又は溶媒と組み合わせて用いられる、200,000〜1,000,000の範囲内の分子量を有するポリジオルガノシロキサンである。この溶媒は揮発性ポリオルガノシロキサン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)油、イソパラフィン、炭化水素溶媒、又はこれらの組み合わせから選択することができる。
【0017】
非エラストマーポリオルガノシロキサンは樹脂であってもよい。本発明に用いることができる非エラストマーポリオルガノシロキサン樹脂は一般的には一般式R”SiO3/2のシロキサン単位で構成することができ、式中、R”は1〜16個の炭素原子を有する炭化水素系基又はフェニル基;あるいはC〜C低アルキル基;あるいはメチル、又はフェニル基を表す。本発明において有用な非エラストマーポリオルガノシロキサン樹脂は、単独で又は溶媒と組み合わせて用いることができる。樹脂の例としては、オルガノポリシロキサン樹脂(CTFA指定トリメチルシロキシシリケート)又はアミノプロピルフェニルトリメチコーン(CTFA指定)のような米国特許第5152984号明細書及び米国特許第5126126号明細書に記載されたものを挙げることができる。
【0018】
有機官能基で変性した非エラストマーポリオルガノシロキサン(有機変性ポリオルガノシロキサン)を本発明に用いることができる。「有機官能基で変性した」により、それらの構造中にSi−C又はSi−O−C結合によって結合した1つ以上の有機官能基を含有するポリオルガノシロキサンを意味する。
【0019】
有機変性ポリオルガノシロキサンの1つのタイプは、ポリエチレノキシ及び/又はポリプロピレノキシ基を含有する、任意でC〜C24アルキル基及びC〜Cアミノアルキル基(アミノ官能性ポリオルガノシロキサン)のような置換又は非置換アミン基を含有するポリオルガノシロキサンである。
【0020】
アミノ官能性ポリオルガノシロキサンの1つの例としては、式RSiO(RSiO)(RRSiO)SiR又はRSiO(RSiO)(RSiO3/2SiRを有するものがあり、式中、Rは一価炭化水素基であり、Rは−RNH及びRNHRNHからなる群から選択されるその式を有するアミノアルキル基である。式中、Rは少なくとも3個の炭素原子を有する二価炭化水素基であり、Rは少なくとも2個の炭素原子を有する二価炭化水素基であり、RはR、R、及びOHからなる群から選択され、一般的には−OH基であり、下付き文字aは0〜2000、あるいは50〜2000の値を有し、下付き文字bは0〜200、あるいは1〜100の値を有する。
【0021】
これらのアミノ官能性ポリオルガノシロキサンにおいて、R基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、及びヘキシルのようなアルキル基、ビニル、アリル、及びへキセニルのようなアルケニル基、シクロブチル及びシクロへキシルのようなシクロアルキル基、フェニル及びナフチルのようなアリール基、ベンジル及び2−フェニルエチルのようなアラルキル基、トリル、及びキシリルのようなアルカリル基、3−クロロプロピル、4−ブロモブチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロシクロへキシル、ブロモフェニル、及びクロロフェニルのようなハロ炭化水素基が挙げられる。一般的にはRは、1〜6個の炭素原子を有する一価炭化水素基、あるいはメチル、フェニル、及びビニルである。
【0022】
上記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンにおいて、Rは一般的には、プロピレン、−CHCHCH−、ブチレン、−CHCH(CH)CH−、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、3−エチル−ヘキサメチレン、オクタメチレン、又はデカメチレンのような3〜20個の炭素原子を有するアルキレン基である。
【0023】
上記アミノ官能性ポリオルガノシロキサンにおいて、Rは一般的には、エチレン、プロピレン、−CHCHCH−、ブチレン、−CHCH(CH)CH−、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、3−エチル−ヘキサメチレン、オクタメチレン、及びデカメチレンのような2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基である。
【0024】
の具体例としては、CHCHCHNHCHCHNH及びCHCH(CH)CHNHCHCHNH又はそれらの塩がある。こうした塩の例としては、アルキルカルボキシレート塩、アリールカルボキシレート塩、塩化物及び臭化物のようなハロゲン化物塩、並びにアミンと有機酸との他の中和生成物がある。
【0025】
アミノ官能性ポリオルガノシロキサンは一般的には0.1〜15mol%、あるいは0.2〜10mol%の上述のアミノ基を有する。本発明において有用なアミノ官能性ポリオルガノシロキサンは当技術分野において周知の方法により調製することができる。これらのポリオルガノシロキサンの多くは市販されている。
【0026】
他の適切なアミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしては、ビス−ヒドロキシ/メトキシアモジメチコーンのような、欧州特許第EP1081272号明細書、米国特許第6171515号明細書及び米国特許第6136215号明細書に記載されるような、アルコキシル化基又はヒドロキシル基を有するものが挙げられる。
【0027】
本発明に用いることができる他のアミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしては、国際公開第2007/141565号にさらに記載される、N−アシルアミノ酸及びN−アロイルアミノ酸の群から選択されるアミノ酸誘導体をアミノ官能性シロキサンと反応させることにより得られるアミノ酸官能性シロキサンがある。
【0028】
本発明に用いることができる他のアミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしては、ポリオルガノシロキサンクアテルニウム−16(CTFA指定)のような、米国特許第6482969号明細書及び米国特許第6607717号明細書に記載される、第4級アンモニウム官能性ポリオルガノシロキサンがある。
【0029】
本発明に用いることができる他のアミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしては、ビス−イソブチルPEG/PPG−20/35/アモジメチコーンコポリマー(CTFA指定)のような、IP.COM 00141525にも記載される、アミノ官能基がABnポリオルガノシロキサンポリエーテルコポリマーに添加されたアミノABnポリオルガノシロキサンポリエーテルブロックコポリマーがある。
【0030】
本発明に用いることができる他の有機変性ポリオルガノシロキサンとしては、水溶性又は水分散性ポリオルガノシロキサンポリエーテル組成物がある。これらはポリアルキレンオキシドポリオルガノシロキサンコポリマー、ポリオルガノシロキサンポリ(オキシアルキレン)コポリマー、ポリオルガノシロキサングリコールコポリマー、又はポリオルガノシロキサン界面活性剤としても知られている。これらは線状レーキ若しくはグラフト型材料、又はBがシロキサンポリマーブロックであり、Aがポリ(オキシアルキレン)基である、ABA及びABn型であってもよい。ポリ(オキシアルキレン)基はポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又は混合ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド基で構成することができる。ブチレンオキシド又はフェニレンオキシドのような他の酸化物も可能である。
【0031】
本発明に用いることができる他の有機変性ポリオルガノシロキサンとしては、式RR’SiO(3−i)/2のシロキシ単位を含むヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンがあり、式中、R’はいずれかの一価炭化水素基であるが、一般的には1〜20個の炭素原子を含有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルカリル、アラルキル、又はアリール基であり、Rは式−ROCHCHOHを有するヒドロカルビル基であり、式中、Rは2〜6個の炭素原子を含有する二価炭化水素基であり、iは0〜2の値を有する。こうしたヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンは、米国特許第US2823218号、米国特許第5486566号明細書、米国特許第6060044号明細書及び米国特許第20020524号明細書にさらに記載される。ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサンの例としては、ビス−ヒドロキシエトキシプロピルジメチコーンとしてCTFAに指定されるものを挙げることができる。
【0032】
本発明に用いることができるまた別の有機変性ポリオルガノシロキサンはシロキサン系ポリアミドであってもよい。米国特許第6051216号明細書は、化粧品製品のためのゲル化剤としてのシロキサン系ポリアミド、こうした作用剤の製造方法、及びこれらの製剤について開示する。こうしたポリアミドは主鎖中にシロキサン基を含有し、揮発性及び/又は不揮発性ポリオルガノシロキサン流体を含有する組成物を増粘するように機能する。米国特許出願第2008/004568号明細書に記載されるポリオルガノシロキサンポリエーテル−アミドブロックコポリマーのようなシロキサン系ポリアミドの変形を本発明に用いることもできる。
【0033】
本発明に用いることができるさらに追加の有機変性ポリオルガノシロキサンは、それらの側分子鎖上にカルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル型ポリマーであってもよい。これらはニートポリマーとして又はポリオルガノシロキサン油、有機油、アルコール、若しくは水のような液体中の溶液若しくは分散液として用いることができる。本発明に用いることができるこうしたポリマーは、欧州特許第0963751号明細書にさらに記載され、所定のCTFA指定アクリレート/ポリメチルシロキシメタクリレートコポリマーである。
【0034】
本発明に用いることができる他の有機変性ポリオルガノシロキサンは、液体又はワックスとして存在することができるアルキルメチルシロキサン材料であってもよい。液体形態では、それらは構造[MeRSiO][MeSiO]を有する環状又は構造RMeSiO(MeRSiO)(MeSiO)SiRMeを有する線状とすることができ、式中、各Rは独立して炭素原子6〜30個の炭化水素であり、Rはメチル又はRであり、pは1〜6であり、qは0〜5であり、wは0〜5であり、xは0〜5であるが、ただしp+qは3〜6であり、Rがメチルである場合qは0でない。これらの液体は揮発性又は不揮発性であってもよく、それらは25℃で0.65〜50,000mm/sのような広範囲の粘度を有することができる。
【0035】
アルキルメチルシロキサンワックスは構造RMeSiO(MeSiO)(MeRSiO)SiMeを有するが、式中、yは1〜100であり、zは1〜100であり、Rは炭素原子6〜30個のアルキル基であり、Rはメチル又はRである。一般的にはアルキルメチルシロキサンは式MeSiO(MeSiO)(MeRSiO)SiMeを有する。これらのアルキルメチルシロキサン材料は当技術分野において知られ、既知の方法により製造することができる。
【0036】
本発明に用いることができる他の有機変性ポリオルガノシロキサンは、米国特許第US5026489号に開示されるような、ポリオルガノシロキサン第4級アンモニウム化合物又はアルカノールアミノポリジメチルシロキサンのモノ第4級アンモニウム官能性誘導体であってもよい。誘導体の例としては、(RSiO)SiR(CHR10NR10113−dが挙げられ、式中、Rはアルキル基であり、R10はH、アルキル、又はアリールであり、R11は(CHR10)OHであり、cは1〜10であり、dは1〜3である。
【0037】
本発明に用いることができる他の有機変性ポリオルガノシロキサンは、国際公開第WO2006/127883号、欧州特許第1885331号明細書及び米国特許出願第2008/0199417号明細書に記載されるような、サッカリド成分及びオルガノシロキサン成分を有し、結合基により結合されたサッカリド−シロキサンコポリマーであってもよい。サッカリド−シロキサンコポリマーは以下の式:R1213(3−e)SiO[(SiR1213O)(SiR12SiR13(3−e)12を有し、式中、各R13は同じ又は異なっていてもよく、水素、C〜C12アルキル、有機基、又はR−Wを含み、Wはエポキシ、シクロエポキシ、第1級又は第2級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物、又はメルカプト官能基を含み、m及びnは0〜10,000の整数であり、同じ又は異なってもよく、各eは独立して0、1、2、又は3であり、vはコポリマーが百万未満の分子量を有するような整数であり、R12は式−Z(G(Gを有し、コポリマー1個当たり少なくとも1個のR12があり、式中、Gは5〜12個の炭素を含むサッカリド成分であり、f+gは1〜10であり、f又はgは0とすることができ、Gは任意で有機又は有機ケイ素基で置換された5〜12個の炭素を含むサッカリド成分であり、Zは結合基であり、独立して:R15NHC(O)R16−;R15NHC(O)OR16−;R15NH−C(O)NHR16−;R15C(O)OR16−;R15OR16−;R15CH(OH)CHOR16−;R15SR16−;R15CH(OH)CHNHR16;及びR15N(R)R16−からなる群から選択され、式中、R15及びR16は(R17(R18(R19を含む二価スペーサー基であり、式中、r、s及びtの少なくとも1つは1でなければならず、R17及びR19はC〜C12アルキル又は((C〜C12)O)であり、式中、kは1〜50のいずれかの整数であり、各(C〜C12)Oは同じ又は異なっていてもよく、R18は−N(R20)−であり、式中、R20はH若しくはC〜C12アルキル、又はZ−Xであり、式中、Zは上で定義したもの又はR15である。Xはカルボン酸、リン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩又は第4級アンモニウム基であり、R15及びR16の少なくとも1つは結合基中に存在しなければならず、同じ又は異なっていてもよく、サッカリド−シロキサンコポリマーは官能性オルガノシロキサンポリマー及び少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドの反応生成物であり、オルガノシロキサン成分は結合基、Zによってサッカリド成分に共有結合している。
【0038】
本発明に用いることができるサッカリド−シロキサンコポリマーは、国際公開第2006/127924号に記載されるような、イオン変性サッカリドシロキサンコポリマーであってもよい。
【0039】
スルホン酸基である置換基を少なくとも1つ有する有機官能性ポリオルガノシロキサンは本発明において有用である。スルホン酸基は一般的には式−R21G(CO)PhSOを有し、式中、R21はオルガノポリシロキサンに結合した二価有機基であり;Yは水素、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムであり;Gは酸素原子、NH、又はNR22基であり、式中、R22は1〜20個の炭素原子、あるいは1〜10個の炭素原子を有するもののような一価有機基であり、Phはフェニル基である。スルホン酸基置換基はR21部分によりオルガノポリシロキサンにSi−C結合によって結合している。
【0040】
21は一般的には、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、又はヘキシレン基のような2〜6個の炭素原子を含有する二価炭化水素基である。あるいは、R21はプロピレン基、−CHCHCH−、又はイソブチレン基、−CHCH(CH)CH−である。
【0041】
一般式中の上記スルホン酸置換基のGは酸素原子、NH、又はNR22基であり、式中、R22は一価有機基である。一般的には、GはNHである。R22の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシルのようなアルキル基;シクロへキシルのようなシクロアルキル;フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、及び2−フェニルエチルのようなアリール;アミノプロピル及びアミノエチルアミノイソブチルのようなアミン官能性有機基;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、又はこれらの混合物のようなポリアルキレンオキシド(ポリエーテル);並びに3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、及びジクロロフェニルのようなハロゲン化炭化水素基を挙げることができる。
【0042】
本発明において有用な非エラストマーポリオルガノシロキサンとしては、トリメチルシリル末端基を含有するポリアルキルシロキサン、ジメチコノールのようなジメチルシラノール末端基を含有するポリアルキルシロキサン、アモジメチコーン又はトリメチルシリルアモジメチコーンのようなアミン基を含有するポリシロキサン、ポリエチレノキシ及び/又はポリプロピレノキシ基を含有するポリシロキサン、ヒドロカルビル官能性オルガノポリシロキサン並びにこれらの2つ以上の混合物の群から選択される不揮発性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。これらのいずれかのエマルジョン及びin situ重合エマルジョンも有用である。
【0043】
ポリオルガノシロキサンは一般的には固体粒子状組成物に添加する前に液化させる。例えば、ポリオルガノシロキサンは、固体粒子状組成物と混合する場合、流体、エマルジョン又は懸濁液の形態であってもよい。エマルジョン又は懸濁液を用いる場合、エマルジョン又は懸濁液中に存在する水は、液体組成物中に存在する他の成分を溶解するのに必要な水のいくらか又はすべてを形成する。適切なポリジオルガノシロキサンエマルジョンについては、例えば欧州特許第432951号明細書、欧州特許第798332号明細書、欧州特許第0874017号明細書、米国特許第6013682号明細書、欧州特許第1263840号明細書及び欧州特許第1054032号明細書に記載されている。
【0044】
顆粒の安定性を向上させるため結合剤を添加することもできる。結合剤の例としては、ポリカルボキシレート、例えばポリアクリル酸若しくはその部分ナトリウム塩、アクリル酸のコポリマー、例えば無水マレイン酸とのコポリマー、溶融状態で又は水溶液として塗布することができるポリエチレングリコールのようなポリオキシアルキレンポリマー、タローアルコール及びエチレンオキシドの反応生成物、セルロースエーテル、とくにナトリウムカルボキシメチルセルロースのような水溶性若しくは水膨潤性セルロースエーテル、又はPolysorb 70/12/12、LYCASIN 80/55 HDSマルチトールシロップ若しくはRoclys C1967 Sマルトデキストリン溶液のような糖シロップ結合剤がある。
【0045】
ポリカルボキシレート結合剤は水溶性ポリマー、コポリマー又はこれらの塩である。それらは少なくとも60重量%の一般式:
【化1】


を有するセグメントを有する。式中、A、Q及びZはそれぞれ水素、メチル、カルボキシ、カルボキシメチル、ヒドロキシ及びヒドロキシメチルからなる群から選択され、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウムであり、vは30〜400である。一般的には、Aは水素又はヒドロキシであり、Qは水素又はカルボキシであり、Zは水素である。適切なポリマーポリカルボキシレートとしては、不飽和モノマー酸、例えばアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸及びメチレンマロン酸の重合生成物が挙げられる。少量のカルボン酸を含まないモノマー材料、例えばビニルメチル、ビニルメチルエーテル、スチレン及びエチレンとの共重合は、本発明のポリカルボキシレートの使用に害を及ぼす。ポリカルボキシレートのタイプに応じて、この濃度を低く保つことができ、又は濃度は総ポリマー又はコポリマーの最大40重量%とすることができる。
【0046】
ポリカルボキシレート結合剤は、25℃で50〜10,000、あるいは2,000〜8,000mPa・sの平均粘度及び1,000〜500,000、あるいは3,000〜100,000、あるいは15,000〜80,000の分子量を有するポリアクリレートである。ポリカルボキシレート結合剤の例としては、30:1〜2:1のアクリレートのマレエート又はフマレートセグメントに対する比を有するアクリレート/マレエート若しくはアクリレート/フマレートコポリマー又はそれらのナトリウム塩がある。
【0047】
結合剤は、担体上に沈着させる前に液体組成物と混合してもよく、あるいは液体担体と同時若しくはその後に、又は両方の際に担体粒子上に沈着させる。いずれの場合でも、結合剤は溶解又は溶融された液体でなければならない。結合剤は顆粒状乾燥組成物の0.1〜10重量%で用いることができる。
【0048】
顆粒状乾燥組成物は、他の成分又は添加剤物質、例えば香料、芳香剤、染料のような着色料、精油、ポリ第4級化合物のような、乾燥洗剤からの添加剤物質の毛髪又は皮膚上への沈着を向上させるための沈着剤、緩衝剤、安定剤、タンパク質、防腐剤、ふけ防止剤、殺菌剤、グリコール、グリセリン及びプロピレングリコールのようなポリオール、ビタミン及び/又はそれらの誘導体、スタイリング剤、日焼け止め剤、保湿剤、油成分、皮膚軟化剤、エステル、セラミド、鎮痛成分、制汗剤、悪臭抑制剤、界面活性剤、アミノ酸誘導体、抗酸化剤、植物、抗菌剤並びにシリコーンエラストマーを含有することができる。こうした成分は、造粒前に液体組成物中に混合してもよく、造粒前に固体粒子状担体組成物と混合してもよく、又はそれらは顆粒状乾燥組成物に混合することができる。
【0049】
本発明において有用なふけ防止剤としては、ピリジンチオン塩のような化合物、二硫化セレンのようなセレン化合物、及び可溶性ふけ防止剤が挙げられる。
【0050】
本発明において有用な染毛剤としては、酸化染毛剤、非酸化染毛剤及び半永久染毛剤が挙げられる。酸化染色剤は毛髪に浸透し、毛髪に酸化剤の作用下で酸化重合から得られる色形成により色を化学的に与える。非酸化染色剤は半永久又は非半永久染毛に用いられる。半永久又は非酸化染色剤は直接染料とも称される。半永久染色では人間の毛髪上の色は通常最高6回のその後のシャンプー洗浄まで持続するが、大部分の色は2回又は3回の洗浄後に失われることが多い。半永久染毛組成物は通常単一成分製品として提供され、直接染料に加えてさまざまな添加剤を含有することができる。
【0051】
本発明において有用なコンディショナーは一般的には、より良好なヘアケアを提供する目的の有機カチオン性コンディショニング剤の形態である。こうしたカチオン性コンディショニング剤としては、セルロースエーテルの第4級窒素誘導体;ジメチルジアリルアンモニウム塩化物のホモポリマー;アクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウム塩化物のコポリマー;エステル又はアミド結合によりポリマーに結合したカチオン性窒素官能基を含有するアクリル酸又はメタクリル酸から誘導されるホモポリマー又はコポリマー;N,N’−ビス−(2,3−エポキシプロピル)−ピペラジン又はピペラジン−ビス−アクリルアミド及びピペラジンの共重合生成物;並びにビニルピロリドン及び第4級窒素官能基を有するアクリル酸エステルのコポリマーを挙げることができる。具体的な材料としては、各種ポリクオタニウム、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−8、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、及びポリクオタニウム−23が挙げられる。上記カチオン性有機ポリマーその他は米国特許第US4240450号により詳細に記載されており、これは本明細書に参照により組み込まれ、カチオン性有機ポリマーについてさらに記載する。カチオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウム塩化物、セチルトリメチルアンモニウム臭化物、及びステアリルトリメチルアンモニウム塩化物のような他のカテゴリーのコンディショナーをカチオン性コンディショニング剤のような組成物に用いることもできる。
【0052】
カチオン性沈着助剤を用いることもできる。カチオン性沈着助剤はポリマーであってもよく、2つ以上のタイプのモノマーから形成することができる。ポリマーの分子量は一般的には5,000〜10,000,000、一般的には少なくとも10,000、あるいは100,000〜2,000,000である。ポリマーは第4級アンモニウム若しくはプロトン化アミノ基のような基、又はこれらの混合物を含有するカチオン性窒素を有するだろう。カチオン電荷密度は少なくとも0.1meq/g、あるいは0.8より高い必要があることが見出された。カチオン電荷密度は4meq/gを超えてはならず、あるいはそれは3未満、あるいは2meq/g未満である。電荷密度はケルダール法を用いて測定することができ、所望の使用pHでの上記制限内でなければならず、一般的には3〜9であり、あるいは4〜8である。カチオン性窒素含有基は一般的には、カチオン性沈着ポリマーの総モノマー単位の画分上に置換基として存在するだろう。よって、沈着助剤がポリマーでない場合、スペーサー非カチオン性モノマー単位を含有することができる。適切なカチオン性沈着助剤としては、例えば:BASF Wyandotte Corp.(米国ニュージャージー州パーシッパニー)から商品名LUVIQUATで市販されているもの(例えば、LUVIQUAT FC 370)のような、(当業界では米国化粧品工業会「CTFA」によりポリクオタニウム−16と称される)1−ビニル−2−ピロリジン及び1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩のコポリマー(例えば、塩化物塩);Gar Corporation(米国ニュージャージー州ウェイン)から商品名GAFQUATで市販されているもの(例えば、GAFQUAT 755N)のような、(当業界ではCTFAによりポリクオタニウム−11と称される)1−ビニル−2−ピロリジン及びジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー;例えば、当業界(CTFA)においてそれぞれポリクオタニウム−6及びポリクオタニウム−7と称される、ジメチルジアリル第4級アンモニウム塩化物ホモポリマー並びにアクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウム塩化物のコポリマーを含む、カチオン性ジアリルアンモニウム含有ポリマー;米国特許第4009256号明細書に記載されるような、3〜5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモ及びコポリマーのアミノアルキルエステルの鉱酸塩;並びに国際公開第95/22311号に記載されるような、カチオン性ポリアクリルアミドが挙げられる。用いることができる他のカチオン性沈着助剤としては、カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性デンプン誘導体のような、ポリサッカリドポリマーが挙げられる。本発明の組成物に用いるのに適したカチオン性ポリサッカリドポリマー材料としては、式:A−O(R−N)を有するものが挙げられ、式中:Aはデンプン又はセルロースアンヒドログルコース基のような、アンヒドログルコース残基であり、Rはアルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり、R1、R2及びR3は独立してアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は最大18個の炭素原子を含有し、各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R1、R2及びR3中の炭素原子の総数)はあるいは20以下であり、Xは前述のようにアニオン性対イオンである。カチオン性セルロースは、Amerchol Corp.(米国ニュージャージー州エジソン)からPolymer iR(登録商標)及びポリマーのLR(登録商標)シリーズにおいて、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と称される、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩として市販されている。別のタイプのカチオン性セルロースとしては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と称される、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの材料はAmerchol Corp.(米国ニュージャージー州エジソン)から商品名Polymer LM−200で市販されている。用いることができる他のカチオン性沈着助剤としては、(Celanese Corp.から商標Jaguarシリーズで市販される)グアーヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物のようなカチオン性グアーゴム誘導体が挙げられる。他の材料としては、(例えば、本明細書に参照により組み入れる米国特許第3962418号明細書に記載されるような)第4級窒素含有セルロースエーテル、並びに(例えば、本明細書に参照により組み入れる米国特許第3958581号明細書に記載されるような)エーテル化セルロース及びデンプンのコポリマーが挙げられる。カチオン性沈着助剤は液体組成物に入れる、又は固体形態で粒子状担体組成物に添加することができる。
【0053】
顆粒状乾燥組成物は、小麦、大豆、米、トウモロコシ、ケラチン、エラスチン又は絹から抽出されるもののような、タンパク質を含有することができる。ほとんどは加水分解形態であり、それらはより良好な性能をもたらすために4級化することもできる。
【0054】
顆粒状乾燥組成物に含めることができる別の添加剤としては、香料又は芳香剤がある。香料は、花(flower)、草、葉、根、皮、木、花(blossom)又は植物の抽出により得られる天然物質;異なる天然油又は油成分の混合物を含む人工物質;及び合成生成物質を含む芳香物質又は芳香物質の組み合わせであってもよい。有用な香料成分のいくつかの例としては、ヘキシル桂皮アルデヒド;アミル桂皮アルデヒド;サリチル酸アミル;サリチル酸ヘキシル;テルピネオール;3,7−ジメチル−シス−2,6−オクタジエン−1−オル;2,6−ジメチル−2−オクタノール;2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オル;3,7−ジメチル−3−オクタノール;3,7−ジメチル−トランス−2,6−オクタジエン−1−オル;3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オル;3,7−ジメチル−1−オクタノール;2−メチル−3−(パラ−tert−ブチルフェニル)−プロピオンアルデヒド;4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド;ピロピオン酸トリシクロデセニル;酢酸トリシクロデセニル;アニスアルデヒド;2−メチル−2−(パラ−イソ−プロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド;グリシド酸エチル−3−メチル−3−フェニル;4−(パラ−ヒドロキシフェニル)−ブタン−2−オン;1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン;パラ−メトキシアセトフェノン;パラ−メトキシ−α−フェニルプロペン;カルボン酸メチル−2−n−ヘキシル−3−オキソ−シクロペンタン;及びγ−ウンデカラクトンが挙げられる。
【0055】
香料成分の追加例としては、オレンジ油;レモン油;グレープフルーツ油;ベルガモット油;丁子油;γ−ドデカラクトン;酢酸メチル−2−(2−ペンチル−3−オキソ−シクロペンチル);β−ナフトールメチルエーテル;メチル−β−ナフチルケトン;クマリン;デシルアルデヒド;ベンズアルデヒド;酢酸4−tert−ブチルシクロへキシル;酢酸α,α−ジメチルフェネチル;酢酸メチルフェニルカルビニル;4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド及びアントラニル酸メチルのシッフ塩基;トリデカンジオン酸の環状エチレングリコールジエステル;3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−ニトリル;γ−メチルイオノン;α−イオノン;β−イオノン;プチグレン;メチルセドリロン;7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチル−ナフタレン;メチルイオノン;メチル−1,6,10−トリメチル−2,5,9−シクロドデカトリエン−1−イルケトン;7−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン;4−アセチル−6−tert−ブチル−1,1−ジメチルインダン;ベンゾフェノン;6−アセチル−1,1,2,3,3,5−ヘキサメチルインダン;5−アセチル−3−イソプロピル−1,1,2,6−テトラメチルインダン;1−ドデカナール;7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール;10−ウンデセン−1−アル;イソ−ヘキセニルシクロヘキシルカルボキシアルデヒド;ホルミルトリシクロデカン;シクロペンタデカノリド;16−ヒドロキシ−9−ヘキサデセノン酸ラクトン;1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン;アンブロキサン;ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト−2,1bフラン;セドロール;5−(2,2,3−トリメチルシクロペント−3−エニル)−3−メチルペンタン−2−オル;2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オル;カリオフィレンアルコール;酢酸セドリル;酢酸パラ−tert−ブチルシクロへキシル;パチョリ;オリバナムレジノイド;ラブダナム;ベチベル;コパイババルサム;ファーバルサム;並びにヒドロキシシトロネラル及びアントラニル酸メチル;ヒドロキシシトロネラル及びインドール;フェニルアセトアルデヒド及びインドール;4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド及びアントラニル酸メチルの縮合生成物が挙げられる。
【0056】
香料成分のさらなる例としては、ゲラニオール;酢酸ゲラニル;リナロール;酢酸リナリル;テトラヒドロリナロール;シトロネロール;酢酸シトロネリル;ジヒドロミルセノール;酢酸ジヒドロミルセニル;テトラヒドロミルセノール;酢酸テルピニル;ノポール;酢酸ノピル;2−フェニルエタノール;酢酸2−フェニルエチル;ベンジルアルコール;酢酸ベンジル;サリチル酸ベンジル;安息香酸ベンジル;酢酸スチラリル;ジメチルベンジルカルビノール;酢酸トリクロロメチルフェニルカルビニルメチルフェニルカルビニル;酢酸イソノニル;酢酸ベチベリル;ベチベロール;2−メチル−3−(p−tert−ブチルフェニル)−プロパナール;2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)−プロパナール;3−(p−tert−ブチルフェニル)−プロパナール;4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセンカルボアルデヒド;4−アセトキシ−3−ペンチルテトラヒドロピラン;ジヒドロジャスモン酸メチル;2−n−ヘプチルシクロペンタノン;3−メチル−2−ペンチル−シクロペンタノン;n−デカナール;n−ドデカナール;9−デセノール−1;イソブチル酸フェノキシエチル;フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール;ゲラノニトリル;シトロネロニトリル;セドリルアセタール;3−イソカンフィルシクロヘキサノール;セドリルメチルエーテル;イソロンギフォラノン;オーベピンニトリル;オーベピン;ヘリオトロピン;オイゲノール;バニリン;酸化ジフェニル;ヒドロキシシトロネラルイオノン;メチルイオノン;イソメチルイオノン;鉄;シス−3−へキセノール及びそのエステル;インダンムスク芳香剤;テトラリンムスク芳香剤;イソクロマンムスク芳香剤;大環状ケトン;大環状ラクトンムスク芳香剤;並びにブラシル酸エチレンがある。
【0057】
シラミ発生の制御のため、顆粒状乾燥組成物中に殺シラミ剤が存在していてもよい。適切な殺シラミ剤は当技術分野において周知であり、例えば、米国特許第US4668666号に記載されるもののようなピレトリンが挙げられる。
【0058】
顆粒状乾燥組成物のpHを4〜9の範囲内あるいは5〜7の範囲内に調節するため、pH調節剤を用いることができる。カルボン酸又は鉱酸のような、いずれかの水溶性酸が適切である。適切な酸としては、塩酸、硫酸、及びリン酸のような鉱酸、酢酸及び乳酸のようなモノカルボン酸、並びにコハク酸、アジピン酸、及びクエン酸のようなポリカルボン酸が挙げられる。
【0059】
一般的な顔料としては、乾燥顆粒状組成物中に0.1〜30重量%、あるいは0.5〜20重量%、あるいは0.8〜10重量%の量で存在することができる酸化鉄よび二酸化チタンがある。
【0060】
パラベン、BHT、BHA、等又はいずれかの通常の防腐剤のような各種防腐剤を添加することが望ましくあり得る。
【0061】
日焼け止め材料としては、パラ−アミノ安息香酸誘導体及び桂皮酸エステル、例えばメトキシ桂皮酸オクチルのような290〜320ナノメートル(UV−B領域)の紫外線を吸収する材料、並びにベンゾフェノン及びブチルメトキシジベンゾイルメタンのような320〜400ナノメートル(UV−A領域)の範囲内の紫外線を吸収するものが挙げられる。本発明に用いることができる日焼け止め材料のいくつかの追加例としては、p−メトキシ桂皮酸2−エトキシエチル;アントラニル酸メンチル;サリチル酸ホモメンチル;p−アミノ安息香酸グリセリル;p−アミノ安息香酸イソブチル;p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンスルホン酸;2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;安息香酸エチルの4−モノ及び4−ビス(3−ヒドロキシ−プロピル)アミノイソマー;並びにp−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルがある。
【0062】
ビタミンは、人間(及び他の有機体)にとって健康を維持するために食事の一部として摂取しなければならない有機化合物の一種である。いくつかのビタミンは、局所的に塗布する場合にも有益な効果を有し、この理由のため各種パーソナルケア製剤において一般的な成分であり、ビタミンは製剤を皮膚又は毛髪に塗布した後に放出されることが望ましい。
【0063】
ビタミンは、アルコール、酸、ステロール、及びキノンのような、さまざまな異なる有機化合物を含む。それらは2つの溶解性群:脂溶性ビタミン及び水溶性ビタミンに分類することができる。パーソナルケア製剤において有用性を有する脂溶性ビタミンとしては、レチノール(ビタミンA)、エルゴカルシフェロール(ビタミンD)、コレカルシフェロール(ビタミンD)、フィトナジオン(ビタミンK)、及びトコフェロール(ビタミンE)が挙げられる。パーソナルケア製剤において有用性を有する水溶性ビタミンとしては、アスコルビン酸(ビタミンC)、チアミン(ビタミンB)、ナイアシン(ニコチン酸)、ナイアシンアミド(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、パントテン酸(ビタミンB)、ビオチン、葉酸、ピリドキシン(ビタミンB)、及びシアノコバラミン(ビタミンB12)が挙げられる。
【0064】
パーソナルケア組成物に用いられるビタミンの多くは本質的に不安定であり、従って貯蔵安定なパーソナルケア組成物の調製において問題点をもたらす。ビタミンの不安定性は通常それらの酸化に対する脆弱性に関連している。この理由のため、ビタミンはパーソナルケア製剤においてより安定な各種誘導体に変換されることが多い。これらのビタミン誘導体は向上した安定性に加えて他の利点を提供する。ビタミン誘導体は特定の種類のパーソナルケア製剤により適合し得る。例えば、脂溶性ビタミンは誘導体化し、水系製剤中により組み込みやすい水溶性材料を製造することができる。レチノール及びトコフェロールはスキンケア組成物においてとくに有用な2つの脂溶性ビタミンであり、従ってパーソナルケア組成物に用いられるこれらの2つのビタミンの多くの異なる誘導体が存在する。レチノールの誘導体としては、パルミチン酸レチニル(パルミチン酸ビタミンA)、酢酸レチニル(酢酸ビタミンA)、リノール酸レチニル(リノール酸ビタミンA)、及びプロピオン酸レチニル(プロピオン酸ビタミンA)が挙げられる。トコフェロールの誘導体としては、酢酸トコフェリル(酢酸ビタミンE)、リノール酸トコフェリル(リノール酸ビタミンE)、コハク酸トコフェリル(コハク酸ビタミンE)、トコフェレス−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50(エトキシル化ビタミンE誘導体)、PPG−2トコフェレス−5、PPG−5トコフェレス−2、PPG−10トコフェレス−30、PPG−20トコフェレス−50、PPG−30トコフェレス−70、PPG−70トコフェレス−100(プロポキシル化及びエトキシル化ビタミンE誘導体)、及びトコフェリルリン酸ナトリウムが挙げられる。パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、テトライソパルミチン酸アスコルビル、及びアスコルビン酸テトラヘキサデシルのような、アスコルビン酸(ビタミンC)の誘導体を用いることもでき、2つの異なるビタミンを同じ化合物に組み込むビタミン誘導体、例えばトコフェリルマレイン酸アスコルビル、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム又はニコチン酸トコフェリルを用いることもできる。
【0065】
パンテノールのようなプロビタミンを用いることもできる。
【0066】
乾燥顆粒状組成物は、1つ以上の水溶性皮膚軟化剤、例えばプロピレングリコール及びブチレングリコールのような低分子量脂肪族ジオール;グリセリン及びソルビトールのようなポリオール;並びにポリエチレングリコール200のようなポリオキシエチレンポリマーを含有することができる。用いられる水溶性皮膚軟化剤の具体的なタイプ及び量は、組成物の所望の美観特性に応じて異なり、当業者により容易に決定される。
【0067】
マンゴ、ココア、シアバターのような有機バターを乾燥顆粒状組成物に用いることができる。一般的には、これらのバターは液体組成物への添加前に加熱工程を行って溶融させてもよく、又は液体組成物に添加し、液体組成物を加熱してバターを溶融させてもよい。
【0068】
ポリオルガノシロキサンエラストマーを本発明に用いることもできる。ポリオルガノシロキサンエラストマーはポリオルガノシロキサン油と組み合わせ、イソドデカンのような低極性有機溶媒に分散させることができる。ポリオルガノシロキサンエラストマーはポリオルガノシロキサンエラストマー骨格上にグラフトしたアルキル、ポリエーテル、アミン又は他の有機官能基を有することができる。適切なポリオルガノシロキサンエラストマーについては米国特許第5811487号明細書、米国特許第5880210号明細書、米国特許第6200581号明細書、米国特許第5236986号明細書、米国特許第6331604号明細書、米国特許第6262170号明細書、米国特許第6531540号明細書及び米国特許第6365670号明細書に教示されている。
【0069】
ケラチン基質の具体的なケアのために含めることができる一般的な追加成分としては、これらに限定されないが、鎮痛成分、例えばアロエベラ;清涼成分、例えば乳酸メチル;及び芳香剤が挙げられる。
【0070】
顆粒状乾燥組成物を製造するため、液体組成物をミキサーにおいて固体粒子状担体組成物に接触させ、液体組成物の液滴を担体粒子と凝集させる。接触は、例えば造粒ミキサー、押出機、圧縮機又は高せん断若しくは低せん断ミキサーにおいて行うことができる。一般的には、液体組成物を造粒ミキサーにおいて固体粒子状担体組成物と接触させ、凝集生成物を粒子状形態に保つ。造粒ミキサーは一般的には、Eirich(登録商標)パン型造粒機、Schugi(登録商標)ミキサー、Paxeson−Kelly(登録商標)ツインコアブレンダー、Lodigeプラウシェアミキサー、Aeromatic(登録商標)流動床造粒機、Pharma(登録商標)ドラムミキサー又はGlatt(登録商標)流動床システムのような高せん断ミキサーである。ほとんどの造粒ミキサーでは、固体粒子状担体組成物を撹拌又は流動化しながら、液体組成物を固体粒子状担体組成物上に噴霧する。液体組成物はあるいは噴霧する代わりにミキサーに注入することができる。
【0071】
乾燥顆粒状組成物は一般的にはミキサーから回収し、パッケージングする。垂直連続造粒ミキサーからの生成物は流動床に供給し、顆粒を冷却及び/又は乾燥し、パッキングステーションへの移送のためそれらを流動化することができる。顆粒の造粒ミキサーの出口での分布は微粉及び大きすぎる材料を含み得る。微粉は例えば流動床冷却器に結合したフィルターにおいて及び/又は分類ユニットにおいて回収し、ミキサーに供給される新鮮な粒子で再利用することができる。大きすぎる材料は回収し、粉砕し、流動床において顆粒状生成物と混合することができる。
【0072】
液体組成物及び固体粒子状担体組成物を個別の顆粒としての混合物を維持しない装置、例えば押出機又は圧縮機において組み合わせる場合、混合物はフレーキングにより、押出ストランドを粉砕することにより、又は押出後の球形化により顆粒に変換することができる。
【0073】
造粒ミキサーの1つの形態は、管状ハウジング内で回転するブレードを備え、ブレードの上で液体組成物が固体粒子状担体組成物に接触するように固体粒子状担体組成物の入口及び液体組成物の噴霧入口を有する、垂直連続造粒ミキサーである。ブレードは、ハウジングにそろえられ、ハウジング内で回転する実質的に垂直なシャフトに取り付ける。ブレードはハウジングの内壁からの所定の隙間を有する。液体との接触は粒子を凝集させて顆粒にし;液体は衝突粒子の運動エネルギーを吸収することにより結合剤として機能する。ブレードは固体粒子及び顆粒を動いたまま維持し、大きすぎる顆粒への凝集を防止する。こうした垂直連続造粒ミキサーの例は、米国特許第US4767217号、欧州特許第EP744215号及び国際特許第WO03/059520号に記載されている。垂直連続造粒ミキサー技術は、混合室における滞留時間が非常に短い、例えば1秒であり、高スループットの可能性をもたらすという利点を有する。
【0074】
顆粒状乾燥組成物を製造するのに用いられる液体組成物の重量の固体粒子状担体組成物の重量に対する比は、広い範囲内で変動することができる。一般的には、この比は少なくとも1:99であり、最大80:20以上であってもよく、だだし、製造された顆粒は安定であり、さらに移送中にさらされる力の下で凝集しない。あるいは、ミキサーに供給される液体組成物の重量のミキサーに供給される固体粒子状担体組成物の重量に対する比は5:95〜80:20の範囲内である。
【0075】
従って、製造された乾燥顆粒状組成物における非エラストマーポリオルガノシロキサンの重量の固体粒子状担体に対する重量比は、2:98〜80:20、あるいは4:96〜40:60あるいは15:85〜75:25の範囲内である。顆粒の平均粒径は一般的には0.01〜2mm、あるいは0.02〜1.5mmである。一般的には、乾燥顆粒状組成物は少なくとも80重量%、あるいは90重量%、あるいは95重量%の固体粒子状担体及び非エラストマーポリオルガノシロキサンを含む。
【0076】
固体粒子状担体組成物の液体組成物のほとんどの成分での適当な被覆を確保するため、固体粒子状担体組成物は一般的には成分の揮発のリスクを最小化する条件で処理する。これは不揮発性ポリオルガノシロキサンのような低揮発性の成分を選択することにより、又は低温で作業することにより行うことができる。
【0077】
顆粒状乾燥組成物は毛髪又は皮膚のようなケラチン基質の乾燥洗剤として用いることができる。顆粒状乾燥組成物は、散布若しくは噴霧することにより、又はブラシ若しくはスポンジのような塗布器で毛髪上に沈着させることができる。さらに毛髪上に放置し、皮脂を吸収させ、(必要に応じて)添加剤物質を沈着させることができる。次にブラッシング又は送風により毛髪から除去する。その後毛髪は通常どおりセットすることができる。
【0078】
顆粒状乾燥洗剤組成物は、散布若しくは噴霧することにより、又はブラシ若しくはスポンジのような塗布器で皮膚上に沈着させることができる。さらに皮膚上に広げ、擦り込み、ケア剤を放出させることができる。その後送風、ふき取り、又はその他の便利な方法により皮膚から除去することができる。
【0079】
ケラチン基質上へのより容易な塗布のため、乾燥顆粒状組成物は推進剤中に懸濁させ、エアロゾルによって塗布することができる。推進剤材料の選択は重要でなく、必要な圧力を生成するいずれかの非毒性物質を用い、揮発性液体及び乾燥顆粒状組成物をエアロゾル容器外に出すという本質的に機械的な機能を行うことができる。エアロゾル缶に一般的に用いられるすべての推進剤はこの用途に用いるのに適している。多くの有機物質又はこれらの混合物は推進剤としての機能を果たすことができる。−30℃〜82℃の範囲内の沸点を有する液体は顆粒状乾燥組成物と併せて揮発性液体として用いることができる。適切な特性を有する化合物としては、酢酸エチル及び酢酸メチルのようなエステル、メチルエチルケトン及びアセトンのようなケトン、直鎖アルカン、ブタン、ペンタン及びヘキサンのような炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、及びシクロヘキサンのような環状炭化水素、2,2−ジメチルプロパン、メチルペンタン、ジメチルペンタン及びジメチルブタンのような分鎖炭化水素、エチルアルコール及びイソプロピルアルコールのようなアルコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチル、イソプロピル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル及びイソブチルアルコールのメチルエーテル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル及び2−ブチルアルコールのエチルエーテルのようなエーテルが挙げられる。窒素、二酸化炭素、空気のような圧縮ガスを用いることができる。
【0080】
顆粒状乾燥組成物の使用は一般的には、ケラチン基質、例えば皮膚及び毛髪のコンディショニング上の利点を提供する。本発明に従って毛髪上に顆粒状乾燥組成物を用いることから得られる利点としては、一般的には、皮脂吸収、ヘアコンディショニング、ボリューム、柔らかさ、もつれた髪のほぐしやすさ、光沢、色保護/保持、スタイリング、強化、添加剤物質の沈着が挙げられる。皮膚上に顆粒状乾燥組成物を用いることから得られる利点としては、体液吸収、湿気管理、添加剤物質の沈着、皮膚の柔らかさ、柔軟性、保湿、皮膚軟化が挙げられる。
【0081】
さらに、粉末形態は便利さ(移送しやすさ)、新しい製品型、及び防腐剤が必須ではないという利点をもたらす。
【実施例】
【0082】
以下の実施例は、本発明の実施形態を実証するために含む。当業者であれば、以下の実施例において開示する技術が、本発明者により本発明の実施において十分に機能することが見出された技術を表すことを理解すべきである。一方で、当業者であれば、本開示を踏まえ、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、開示する具体的な実施例において多くの変更を行うことができ、さらに同じ又は同様の結果が得られることを理解すべきである。すべての割合はとくに指示のない限り重量%である。
【0083】
(実施例を生成するために用いた造粒プロセス)
ポリオルガノシロキサン含有する溶液及び任意で他の添加剤を、固体粒子状担体を入れた高せん断ミキサー中に非常にゆっくり注いだ。混合物を粒子状材料が得られるまで連続的に撹拌した。次に粒子状材料に10分間50℃でAeromatic流動床を通過させた。乾燥組成物については以下の表に記載する。
【0084】
(粉末について行った評価)
オリーブ油を「人工」皮脂として用いた。オリーブ油は天然皮脂の主成分であるトリグリセリド及び脂肪酸を多量に含有する。皮脂吸収の速さを測定するため、0.5グラムの乾燥顆粒状組成物を3グラムのオリーブ油の表面で広げた。粉末を完全に湿潤するのに必要な時間を測定した。結果は秒で示す。
【0085】
顆粒状乾燥組成物の感触:パネリストに指で粉末に触ってもらい、(基準の0と評価される)市販の乾燥洗剤製品又は具体的には固体粒子状担体と比較して評価してもらった。対照と比較してより柔らかい感触は「+」と報告された。反対に、顆粒状乾燥組成物のほうが柔らかくない場合、「−」と報告された。
【0086】
(比較例1)
Laboratoires Kloraneから市販の「Gentle Dry Shampoo」製品を対照として用いた。オリザ・サティバ米デンプン、オクテニルコハク酸アルミニウムデンプン、ヘクトライト、アビーナ・サティバオート麦カーネル小麦粉、カオリン、シリカ、シクロデキストリン及び芳香剤(香料)からなる。結果は表1に示す。
【表1】

【0087】
(比較例2)
市販の天然トウモロコシデンプンをそのまま用いた。結果は表2に示す。
【0088】
(比較例3)
市販の天然トウモロコシデンプンをジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、3μmの平均粒径を有するポリオルガノシロキサン(Dow Corning(登録商標)9506 粉末)と乾燥ブレンドした。結果は表2に示す。
【0089】
(実施例1)
60%ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー(Dow Corning(登録商標)9509 シリコーンエラストマー懸濁液)の水性非イオン性懸濁液を上述の造粒プロセスに従って天然トウモロコシデンプン上で顆粒状にした。
【表2】

【0090】
(比較例4)
市販のケイ酸カルシウム、World MineralsのCalflo Eをそのまま用いた。結果は表3に示す。
【0091】
(比較例5)
市販のケイ酸カルシウムを比較例3のジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー粉末と乾燥ブレンドした。結果は表3に示す。
【0092】
(実施例2)
実施例1の水性ジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー懸濁液をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【表3】

【0093】
(実施例3及び4)
20%アモジメチコーン(3500mm/s)の水性非イオン性マイクロエマルジョン(Dow Corning(登録商標)CE−8170 AF マイクロエマルジョン)をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。結果は表4に示す。
【表4】

【0094】
(比較例6)
実施例3のエマルジョンに用いられる3500mm/sのアモジメチコーン流体をオリーブ油と直接混合し、混和性ではないことが見出され、アモジメチコーン流体の吸収特性が存在しないことを示した。
【0095】
(実施例5)
実施例3のアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0096】
(実施例6及び7)
60%ジビニルジメチコーン/ジメチコーンコポリマー(>120,000,000mm/s))の水性非イオン性エマルジョン(Dow Corning(登録商標)HMW 2220 非イオン性エマルジョンをケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0097】
(実施例8)
1000〜4500mm/sの範囲内の粘度を有するラウリルPEG/PPG−18/18メチコーン(Dow Corning(登録商標)5200 製剤助剤)をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0098】
(実施例9)
45mm/sの粘度を有するセチルジメチコーン(Dow Corning(登録商標)2502 化粧品流体)をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【表5】

【0099】
(実施例10)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをVegetol The Vert LC 412 hydro(Gattefosseによるプロピレングリコール(及び)水(及び)カメリアシネンシス葉抽出物)とブレンドした後、ケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0100】
(実施例11)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをSilkerine HL(Vama Pharmaによるセリシン)とブレンドした後、ケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0101】
(実施例12)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをアロエベラ水性抽出物(Blanova Specialties)とブレンドした後、ケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0102】
(実施例13)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをVegetol Aloes GR 198 hydro(Gattefosseによるプロピレングリコール(及び)水(及び)アロエフェロックス葉抽出物)とブレンドした後、ケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0103】
(実施例14)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをCirculatoire 318 HS(Alban Mullerによるプロピレングリコール、イタリアイトスギ球果抽出物、ハマメリス葉抽出物、ナギイカダ根抽出物、ヨーロッパブドウ葉抽出物)とブレンドした後、ケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0104】
(実施例15)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをアルガン油とブレンドした後、ケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0105】
(実施例16)
実施例3において用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをGivaudanの乳酸メチルとブレンドした後、ケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【表6】

【0106】
(実施例17)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンを、光沢剤として知られる、22.5mm/sの粘度を有するフェニルトリメチコーンとブレンドした後、ケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0107】
(実施例18)
フェニルトリメチコーン(Dow Corning(登録商標)556 化粧品等級流体)をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【表7】

【0108】
(実施例19)
72%のジメチコーン100mm/s及びマンゴバターの50/50ブレンドを含有する水性エマルジョン(Dow Corning(登録商標)7−3123 マンゴブレンドエマルジョン)をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0109】
(実施例20)
72%のジメチコーン100mm/s及びシアバターの50/50ブレンドを含有する水性エマルジョン(Dow Corning(登録商標)7−3121 シアブレンドエマルジョン)をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0110】
(実施例21)
ヒマワリ油をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【0111】
(実施例22)
50%のアモジメチコーン(3500mm/s)及びヒマワリ油の50/50ブレンドを含有する水性エマルジョン(Dow Corning(登録商標)2−8566アミノ流体)をケイ酸カルシウム上で顆粒状にした。
【表8】

【0112】
(実施例23)
実施例19に用いたジメチコーン/マンゴバターブレンドの水性エマルジョンを天然トウモロコシデンプン上で顆粒状にした。
【0113】
(実施例24)
実施例20に用いたジメチコーン/シアバターブレンドの水性エマルジョンを天然トウモロコシデンプン上で顆粒状にした。
【0114】
(実施例25)
実施例22に用いたアモジメチコーン/ヒマワリ油ブレンドの水性エマルジョンを天然トウモロコシデンプン上で顆粒状にした。
【表9】

【0115】
(比較例7)
米デンプンをそのまま用いた。
【0116】
(実施例26)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンを米デンプン上で顆粒状にした。
【0117】
(実施例27)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンを天然トウモロコシデンプン上で顆粒状にした。
【0118】
(比較例8)
木粉をそのまま用いた。
【0119】
(実施例28)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンを木粉上で顆粒状にした。
【0120】
(比較例9)
ゼオライトをそのまま用いた。
【0121】
(実施例29)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをゼオライト上で顆粒状にした。
【表10】

【0122】
(実施例30)
実施例3に用いたアモジメチコーンの水性マイクロエマルジョンをケイ酸カルシウム及び酸化鉄顔料(LCW SensientによるUnipure brown LC881)の混合物上で顆粒状にした。
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液を吸収することができる固体粒子状担体、及び、非エラストマーポリオルガノシロキサンを含む、顆粒状乾燥組成物。
【請求項2】
前記組成物が少なくとも80重量%の固体粒子状担体、及び、非エラストマーポリオルガノシロキサンを含む、請求項1に記載の顆粒状乾燥組成物。
【請求項3】
前記組成物が、香料、芳香剤、着色剤、精油、沈着剤、緩衝剤、安定剤、タンパク質、防腐剤、ふけ防止剤、殺菌剤、グリコール、ポリオール、ビタミン及び/又はその誘導体、スタイリング剤、日焼け止め剤、保湿剤、油成分、皮膚軟化剤、エステル、セラミド、鎮痛成分、制汗剤、悪臭抑制剤、界面活性剤、アミノ酸誘導体、抗酸化剤、植物、抗菌剤、コンディショナー、並びに、シリコーンエラストマーから選択される添加剤物質をさらに含有する、前請求項のいずれかに記載の顆粒状乾燥組成物。
【請求項4】
前記組成物が結合剤をさらに含有する、前請求項のいずれかに記載の顆粒状乾燥組成物。
【請求項5】
前記固体粒子状担体がゼオライト、アルミノケイ酸塩、ケイ酸塩、マイカ、ベントナイト、珪藻土、海泡石、天然若しくは変性粘土、タルク、ニート若しくは処理シリカ、セルロース及びその誘導体、アルギン酸塩、キチン、キトサン、デンプン及びその誘導体、硫酸塩、木粉、炭水化物、又はこれらの混合物を含む、前請求項のいずれかに記載の顆粒状乾燥組成物。
【請求項6】
前記顆粒の平均粒径が0.02〜1.5mmである、前請求項のいずれかに記載の顆粒状乾燥組成物である。
【請求項7】
乾燥後に得られた前記乾燥顆粒状組成物におけるポリオルガノシロキサンの、固体粒子状担体に対する重量比が、2:98〜80:20の範囲内である、前請求項のいずれかに記載の顆粒状乾燥組成物。
【請求項8】
前記非エラストマーポリシロキサンが有機変性ポリシロキサンである、前請求項のいずれかに記載の顆粒状乾燥組成物。
【請求項9】
前記非エラストマーポリシロキサンがアミノ官能性ポリオルガノシロキサンである、請求項8に記載の顆粒状乾燥組成物。
【請求項10】
液体非エラストマーポリオルガノシロキサン含有組成物を固体粒子状担体組成物に接触させる工程において、該固体粒子状担体は体液を吸収することができ、該接触は該液体組成物を該担体と凝集させ、凝集生成物を生成するような条件下で行われ、該凝集生成物は凝集中顆粒形態に保たれる工程を含む、請求項1に記載の顆粒状乾燥組成物の調製方法。
【請求項11】
液体非エラストマーポリオルガノシロキサン含有組成物を固体粒子状担体組成物に接触させる工程を具え、
該固体粒子状担体は体液を吸収することができ、該接触は該液体組成物を該担体と凝集させ、凝集生成物を生成するような条件下で行われ、該凝集生成物はその後顆粒に形成される、請求項1に記載の顆粒状乾燥組成物の調製方法。
【請求項12】
ミキサーに供給された前記担体の平均粒径が1マイクロメートル〜250マイクロメートルである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記液体組成物が前記担体上に噴霧される、請求項10、11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記非エラストマーポリオルガノシロキサンが有機変性ポリシロキサンである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項15】
前記非エラストマーポリオルガノシロキサンがアミノ官能性ポリオルガノシロキサンである、請求項10、11又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記液体組成物がエマルジョンの形態である、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に記載の組成物をケラチン基質に塗布し、その後該組成物を該ケラチン基質から除去する工程を含む、ケラチン基質の洗浄方法。
【請求項18】
前記組成物が散布若しくは噴霧することにより、又は塗布器でケラチン基質上に沈着される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が噴霧することにより沈着される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基質が毛髪である、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記添加剤物質が前記組成物から前記ケラチン基質上に沈着される、請求項17に記載の方法。


【公表番号】特表2013−501788(P2013−501788A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524740(P2012−524740)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/044182
【国際公開番号】WO2011/019539
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】