説明

ケーブルクランプ構造

【課題】この発明は、多数の電気ケーブルを支持する強度を確保すること、ケーブル群の選択的な着脱を可能とすること、クランプ自体の強度を確保しつつ軽量とすること、ケーブル被覆への損傷を少なくすること、ケーブル群の着脱頻度に対する利便性と耐久性を両立することなどを目的とする。
【解決手段】この発明は、ケーブルクランプ構造において、クランプを車体に固定するブラケットを設け、このブラケットは、敷設される電気ケーブルの延出方向に対して交差するように延出して形成し、かつクランプを固定するための複数の固定部を有し、クランプは、複数の固定部の間に複数の電気ケーブルのケーブル群が収まるようにクランプ部材の合わせ面に沿って窪部を形成し、クランプは、固定部に締結固定する際に、対をなすクランプ部材が一体に重ね合わせられて固定されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はケーブルクランプ構造に係り、特に、燃料電池車両の推進装置や電力源に使用される高電圧を配電するための複数の電気ケーブルを着脱可能に敷設するケーブルクランプ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、使用する燃料によって、ガソリンエンジン車両やディーゼルエンジン車両、ガスエンジン車両、燃料電池車両等がある。燃料電池車両は、燃料タンクに貯留した燃料である水素を燃料電池に供給し、燃料電池において水素と酸素との反応により電力を発電し、この電力により推進装置の走行モータを駆動して走行する。
燃料電池車両においては、燃料電池および走行モータからなる燃料電池モジュールを車両前部のエンジンルームに搭載し、ブレーキ時に走行モータにより発電された回生電力を蓄えるために車両後部の荷室に蓄電池を搭載している。これらの燃料電池モジュールや蓄電池には、高電圧の電気ケーブルで接続している。燃料電池車両は、電気ケーブルを短くするため、また、レイアウト上の制約により、電力分配器を車両中央付近のフロア下側に配置している。電力分配器に接続する高電圧の電気ケーブルは、車体に配設した複数のクランプによって着脱可能に敷設している。
【0003】
従来の電気ケーブルをクランプによって車体に敷設するケーブルクランプ構造には、クランプが対をなすクランプ部材からなるモールド樹脂の合わせ構造を有し、クランプ部材の合わせ面に沿って形成した窪部に電気ケーブルを挟持するものがある。
【特許文献1】実開昭62−119110号公報
【0004】
また、従来のケーブルクランプ構造には、取付部に固定されるベース部と、ベース部に対して立ち上がった中間部と、電気ケーブルの保持する円弧形状の第1の保持部および第2の保持部とを弾性を有する板材によって一体に形成したクランプであって、前記円弧形状の第1の保持部および第2の保持部は各開口部を互いに逆方向に向いて開口するように略S字形状に形成したものがある。
【特許文献2】特開平8−193678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記特許文献1に示すケーブルクランプ構造においては、対をなすクランプ部材からなるモールド樹脂製のクランプを複数並べてクランプ部材間に電気ケーブルを挟み、複数の対をなすクランプ部材を並べた方向に挿通する通しボルトで固定し、かつ複数の対をなすクランプ部材の両側を押さえ金具で挟んで締結ボルトで締結固定している。
このため、特許文献1に示すケーブルクランプ構造においては、複数の電気ケーブルのケーブル群を選択的に取り外す場合に、通しボルトを抜き、さらに両側の押さえ金具を外して複数のクランプ部材全体を分解しなければならず、ケーブル群の取り外し作業に手間がかかる問題がある。
【0006】
一方、前記特許文献2に示すケーブルクランプ構造においては、細幅長四角形状の板材の長手方向の一端側に取付用のベース部を形成し、中間部を介してベース部から離間する長手方向の他端側に電気ケーブルの保持部を形成したクランプにより、電気ケーブルを挟持している。
このため、特許文献2に示すケーブルクランプ構造においては、クランプを車体等の取付部に固定するベース部が一箇所のみで片持ち支持となり、ベース部から離れた保持部で重い電気ケーブルを保持する際に強度不足となる可能性がある。
また、特許文献2に示すケーブルクランプ構造においては、保持する電気ケーブルの本数を増やした場合に、増やした電気ケーブルを保持する箇所(保持部)がクランプを固定する箇所(ベース部)から離れて、保持する電気ケーブルとクランプを固定する箇所との間の距離が長くなる方向となるため、強度上保持する電気ケーブルの本数に限界がある。
さらに、特許文献2に示すケーブルクランプ構造においては、電気ケーブルを保持する2つの保持部の各開口部を互いに逆方向に向いて開口するように形成していることから、電気ケーブルをクランプから取り外す方向が、隣り合う2本の電気ケーブルで180度異なる方向になり、1方向から選択的に電気ケーブルを取り外す場合に支障となる問題がある。また、材質については、強度上金属を使用する必要があると考えられるが、その場合には金属のエッジ部等で電気ケーブルのケーブル被覆を傷つける可能性がある。
【0007】
この発明は、電気ケーブルをクランプによって車体に敷設し、クランプが対をなすクランプ部材からなるモールド樹脂の合わせ構造を有し、クランプ部材の合わせ面に沿って形成した窪部に電気ケーブルを挟持するケーブルクランプ構造であって、多数の電気ケーブルを支持する強度を確保すること、ケーブル群の選択的な着脱を可能とすること、クランプ自体の強度を確保しつつ軽量とすること、ケーブル被覆への損傷を少なくすること、ケーブル群の着脱頻度に対する利便性と耐久性を両立することなどを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、車体に複数のクランプを配設し、このクランプによって複数の電気ケーブルを着脱可能に敷設し、このクランプが対をなすクランプ部材からなるモールド樹脂の合わせ構造を有し、前記クランプ部材の合わせ面に沿って形成した窪部に前記電気ケーブルを挟持するケーブルクランプ構造において、前記クランプを車体に固定するブラケットを設け、このブラケットは、敷設される電気ケーブルの延出方向に対して交差するように延出して形成し、かつ前記クランプを固定するための複数の固定部を有し、前記クランプは、前記複数の固定部の間に前記複数の電気ケーブルのケーブル群が収まるように前記クランプ部材の合わせ面に沿って窪部を形成し、前記クランプは、前記固定部に締結固定する際に、前記対をなすクランプ部材が一体に重ね合わせられて固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明のケーブルクランプ構造は、複雑な車体形状に対してブラケットにより形状変化を吸収してクランプを車体に固定するので、モールド樹脂製のクランプの形状を凹凸の少ない簡素な形状とすることができ、支持剛性を高くできる。また、この発明のケーブルクランプ構造は、クランプをモールド樹脂製としているので、軽量化でき、ケーブル被覆への損傷を回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明のケーブルクランプ構造は、複雑な車体形状に対してブラケットにより形状変化を吸収してクランプを車体に固定することで、モールド樹脂製のクランプの形状を凹凸の少ない簡素な形状とし、支持剛性を高くでき、また、クランプをモールド樹脂製とすることで、軽量化し、ケーブル被覆への損傷を回避できるものである。
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図5は、この発明の実施例を示し、図1は車体後方から見た固定状態のクランプの背面図、図2は車体後上方から見た組立状態を示すクランプの斜視図、図3は車体後下方から見た固定状態のクランプの斜視図、図4は車体後下方から見た第1ケーブル群を取り外し状態のクランプの斜視図、図5は車体の底面図である。
図5において、1は燃料電池車両、2は車体である。燃料電池車両1の車体2は、車両幅方向右側および左側に車両前後方向に延出する右側フロア3および左側フロア4を設け、右側フロア3および左側フロア4間の車両幅方向中央に上方に突出して車両前後方向に延出するトンネルフロア5を設けている。右側フロア3および左側フロア4は、それぞれ中間に下方に突出して車両前後方向に延出する右サイドフレーム6および左サイドフレーム7を設けている。
これにより、右側フロア3は、右サイドフレーム6によりそれぞれ車両幅方向外側の右外側フロア部3Aおよび車両幅方向内側の右内側フロア部3Bに分割される。また、左側フロア4は、左サイドフレーム7によりそれぞれ車両幅方向外側の左外側フロア部4Aおよび車両幅方向内側の左内側フロア部4Bに分割される。
前記トンネルフロア5は、下側に車両前後方向に延出するトンネル部8を設け、トンネル部8の両側に下方に突出して車両前後方向に延出する右内側サイドフレーム9および左内側サイドフレーム10を設けている。
前記右外側フロア部3Aおよび左外側フロア部4Aは、右内側フロア部3Bおよび左内側フロア部4Bおよびトンネルフロア5に対して前側上方に延出され、各前端をアッパクロスメンバ11により連結している。前記右サイドフレーム6および左サイドフレーム7は、右外側フロア部3Aおよび左外側フロア部4Aの前端よりもさらに前側に延出し、各前端をロアクロスメンバ12により連結し、右内側フロア部3B、左内側フロア部4B、トンネルフロア5の各前端部分とにリヤクロスメンバ13により連結している。
【0012】
前記燃料電池車両1の前部には、前記延出された右外側フロア部3Aおよび左外側フロア部4Aと右サイドフレーム6および左サイドフレーム7とアッパクロスメンバ11およびロアクロスメンバ12とリヤクロスメンバ13との間に、エンジンルーム14を画成している。エンジンルーム14には、燃料電池15および走行モータ16からなる燃料電池モジュール17を搭載し、燃料電池モジュール17の前側に補機であるラジエータ18を搭載し、また、他の複数の補機19・20を搭載している。
前記燃料電池車両1の後部の荷室には、ブレーキ時に走行モータ16により発電された回生電力を蓄えるための蓄電池を搭載している。
前記燃料電池車両1の中央のトンネルフロア5下側のトンネル部8には、電力分配器21を搭載している。電力分配器21は、燃料電池モジュール17、ラジエータ18、補機19・20、蓄電池を高電圧の電気ケーブル22で接続している。電力分配器21は、電気ケーブル22の長さを車両全体として短くするため、またレイアウト上の制約より車両中央付近の下側に配設している。
前記高電圧の電気ケーブル22は、燃料電池モジュール17、ラジエータ18、補機19・20に接続される第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6と、蓄電池に接続される第7・第8電気ケーブル22−7・22−8とからなり、車体2のトンネル部8に対して左側に配索している。第7・第8電気ケーブル22−7・22−8は、トンネル部8内に配索している。また、車体2のトンネル部8に対して右側には、低電圧の信号線23を配索している。
燃料電池車両1は、燃料電池15において水素と酸素との反応により発電した電力を第1〜第3電気ケーブル22−1〜22−3により走行モータ16に供給して走行するとともに、第4〜第6電気ケーブル22−4〜22−6によりラジエータ18、補機19・20に供給して作動させる。また、燃料電池車両1は、ブレーキ時に走行モータ16により発電された回生電力を第7・第8電気ケーブル21−7・21−8により蓄電池に蓄え、走行用や補機作動用に活用する。さらに、燃料電池車両1は、信号線23により燃料電気モジュール17等を制御する。
【0013】
前記電力分配器21から車両前側へ向かう高電圧の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6は、大きく分けて、燃料電池モジュール17に接続される第1〜第3電気ケーブル21−1〜21−3と、ラジエータ18、補機19・20に接続される第4〜第6電気ケーブル22−4〜22−6とに分けられる。
燃料電池モジュール17は、メンテナンス上から車体2に載せ降ろしをする機会が多く、降ろす際に燃料電池モジュール17に接続された第1〜第3電気ケーブル22−1〜22−3も同時に取り外す必要がある。この高電圧の第1〜第3電気ケーブル22−1〜22−3は、安全上、人間が簡単に取り外しできないように、ケーブル途中に取り外し可能なコネクタは設けておらず、取り外す際は電力分配器21内部で取り外す必要がある。
一方、車両側補機であるラジエータ18、補機19・20に接続された第4〜第6電気ケーブル22−4〜22−6は、取り外す必要が無いため、燃料電池モジュール17に接続された第1〜第3電気ケーブル22−1〜22−3のみを選択的に取り外しできた方が好都合である。
高電圧の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6を車体2の左側にまとめて配索する理由は、低電圧の信号線22と高電圧の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6を近づけて配索すると、信号線23にノイズがのる可能性があり、互いを離して配索した方が良いからである。よって、高電圧の電気ケーブル22は車体2の左側に配索し、低電圧の信号線23は車体2の右側に配索している。
また、6本の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6を水平に並べて配索する理由は、車体フロア下は最低地上高の関係により車体上下方向のスペースが限られていることから、水平に並べて配索しており、またメンテナンスの際に、電気ケーブル22を取り外し易くするためである。
【0014】
このようなことから、燃料電池車両1は、燃料電池モジュール17に接続される第1〜第3電気ケーブル22−1〜22−3とラジエータ18、補機19・20に接続される第4〜第6電気ケーブル22−4〜22−6とを、車体2に配設した複数のクランプ24によって着脱可能なケーブルクランプ構造を備えている。
このケーブルクランプ構造においては、図1・図2に示すように、クランプ24を車体2に固定するブラケット25を設けている。ブラケット25は、図2に示すように、金属材料で形成され、敷設される第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6の延出方向に対して交差するように延出した平板状の本体26を設けている。本体26には、一側面に車体2への固定面27を設け、他面側にクランプ24の取付面28を設けている。
本体26の固定面27には、延出方向の両端および中央に車体2への取付用の第1〜第3取付部29−1〜29−3を突出させて形成している。第1〜第3取付部29−1〜29−3は、後述の第1〜第3スタッドボルト30−1〜31−3に対応してそれぞれ一対設けられ、各一対の基端側が幅方向において対向し、かつ先端側が互いに離間するように略L字形状に突出させて形成している。各一対の第1〜第3取付部29−1〜29−3は、図1に示すように、各々が取り付けられる車体2の左内側フロア部4B、左サイドフレーム7、左内側サイドフレーム10までの距離に応じて、本体26からの各々の高さをそれぞれ設定して形成している。
また、本体26の取付面28には、クランプ24を固定するための複数の固定部である第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3を突出させて固定している。第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3は、本体26の延出方向の両端および中央であって、前記第1〜第3取付部29−1〜29−3の各一対間にそれぞれ位置させて、固定している。これら第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3には、ブラケット25を締結固定する第1〜第3締結ナット31−1〜31−3が螺着される。なお、本体26には、第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3の間に、軽量化のための複数の開口32を形成している。
【0015】
このケーブルクランプ構造においては、図1に示すように、前記複数の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6のうちの、第1・第2電気ケーブル22−1・22−2のケーブル径を、第3〜第6電気ケーブル22−3〜22−6のケーブル径に対して大としている。複数の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6は、燃料電池モジュール17に接続される第1〜第3電気ケーブル22−1〜22−3を第1ケーブル群G1とし、ラジエータ18および補機19・20に接続される第4〜第6電気ケーブル22−4〜22−6を第2ケーブル群G2として、区分している。
前記複数の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6を挟持するクランプ24は、図1・図2に示すように、対をなすクランプ部材としてアッパクランプ部材33とロアクランプ部材34とからなるモールド樹脂の合わせ構造を有している。対をなすアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34は、挟持する第1〜第6電気ケーブル22−4〜22−6の延出方向に対して交差するように延出して形成している。
アッパクランプ部材33は、一側面に前記ブラケット25の取付面28に当接する当接面35を設け、他側面にロアクランプ部材34とのアッパ合わせ面36を設けている。ロアクランプ部材34は、一側面にアッパクランプ部材33とのロア合わせ面37を設け、他側面に前記ブラケット25の第1〜第3締結ナット31−1〜31−3が押圧される押圧面38を設けている。
アッパクランプ部材33のアッパ合わせ面36には、第1〜第6電気ケーブル22−4〜22−6を挟持する窪部である第1〜第6アッパ窪部39−1〜39−3を形成している。ロアクランプ部材34のロア合わせ面37には、第1〜第6アッパ窪部39−1〜39−3と対をなす窪部である第1〜第6ロア窪部40−1〜40−6を形成している。対をなす第1〜第6アッパ窪部39−1〜39−6および第1〜第6ロア窪部40−1〜40−6は、第1・第2アッパ窪部39−1・39−2および第1・第2ロア窪部40−1・40−2により画成される窪部内径を、第3〜第6アッパ窪部39−3〜39−6および第3〜第6ロア窪部40−3〜40−6により画成される窪部内径に対して大に形成している。
クランプ24は、これら対をなす第1〜第6アッパ窪部39−1〜39−6および第1〜第6ロア窪部40−1〜40−6内に、前記第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6を挟持する。
前記アッパクランプ部材33には、延出方向の両端および中央に、第1〜第3アッパ挿通孔41−1〜41−3を形成している。前記ロアクランプ部材34には、延出方向の両端および中央であって、前記第1〜第3アッパ挿通孔41−1〜41−3とそれぞれ連通するように位置させて、第1〜第3ロア挿通孔42−1〜42−3を形成している。第1〜第3アッパ挿通孔41−1〜41−3および第1〜第3ロア挿通孔42−1〜42−3は、前記第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3を挿通してブラケット25に締結固定するための締結固定部である。
第1〜第3アッパ挿通孔41−1〜41−3および第1〜第3ロア挿通孔42−1〜42−3は、第1・第2アッパ挿通孔41−1・41−2および第1・第2ロア挿通孔42−1・42−2の内径に対して、第3アッパ挿通孔41−3および第3ロア挿通孔42−3の内径を大に形成している。
【0016】
前記クランプ24は、アッパクランプ部材33の内径の大きな第3アッパ挿通孔41−3およびロアクランプ部材34の内径の大きな第3ロア挿通孔42−3にピン43を有している。ピン43は、金属材料で円筒形状に形成され、第3アッパ挿通孔41−3および第3ロア挿通孔42−3に嵌合される。ピン43は、重ね合わせられた対をなすアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34と協働して、挿通された第3スタッドボルト30−3に螺着される第3締結ナット31−3によりブラケット25に締結固定される。
このクランプ24は、対をなすアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34のうちのブラケット25から離間する側のロアクランプ部材34を、第1・第2ケーブル群G1・G2に対応させるように、延出方向において右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lに分割している。これにより、ロアクランプ部材34の第2ロア挿通孔42−2は、右側ロアクランプ部材34Rの右側第2ロア挿通孔部42−2Rおよび左側ロアクランプ部材34Lの左側第2ロア挿通孔部42−2Lに分割される。
また、クランプ24は、アッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34と重ね合わせられて固定されるスティフナ44を有している。スティフナ44は、右側ロアクランプ部材24Rを超える長さの平板状の金属材料で、右側ロアクランプ部材34Rに重ね合わせられるように対応させ、かつ左側ロアクランプ部材34Lに一部が重なるように対応させて形成している。スティフナ44の長手方向両端には、ロアクランプ部材34の第1・2ロア挿通孔42−1・42−2と一致する第1・第2スティフナ挿通孔45−1・45−1を形成している。
スティフナ44は、右側ロアクランプ部材34Rおよびこの右側ロアクランプ部材34Rと左側ロアクランプ部材34Lとの突き合わせた部分に重ねられ、右側ロアクランプ部材34Rのみの部分において第1スタッドボルト30−1に螺着された第1締結ナット31−1によりブラケット25に締結固定され、突き合わせた部分において第2スタッドボルト30−2に螺着された第2締結ナット31−2によりブラケット25に締結固定される。一方、前記ピン43は、分割された右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lのうちの、左側ロアクランプ部材34Lにおいてピン43に挿通された第3スタッドボルト30−3に螺着される第3締結ナット31−3によりブラケット25に締結固定される。
【0017】
このケーブルクランプ構造は、図1に示すように、ブラケット25の第1〜第3取付部29−1〜29−3を車体2を構成する左サイドフレーム7と左内側フロア部4Bと左内側サイドフレーム10とにそれぞれ溶接等により固着して取り付ける。車体2に取り付けたブラケット25には、第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6を挟持したアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34を、第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3及び第1〜第3締結ナット31−1〜31−3により締結固定する。
ブラケット25は、高さの異なる第1〜第3取付部29−1〜29−3により車体2に固定することにより、平坦でないフロアの微妙な起伏を吸収し、平坦な取付面28を形成しているので、複雑な車体形状に対してもクランプ24の形状をシンプルにすることができ、複数の開口32で軽量化することができる。
第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6を挟持したアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34は、第1・第2アッパ挿通孔41−2・41−2および第1・第2ロア挿通孔42−1・42−2に第1・第2スタッドボルト30−1・30−2を挿通するとともに、アッパクランプ部材33の第3アッパ挿通孔41−3およびロアクランプ部材34の第3ロア挿通孔42−3に嵌合したピン43に第3スタッドボルト30−3を挿通し、さらに第1・第2スタッドボルト30−1・30−2をスティフナ44の第1・第2スティフナ挿通孔45−1・45−1に挿通し、第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3にそれぞれ第1〜第3締結ナット31−1〜31−3を螺着して締結する。これにより、クランプ24は、図3に示すように、ブラケット25に固定される。
クランプ24で挟持された6本の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6は、ロアクランプ部材34を右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lに分割しているので、メンテナンス上から載せ降ろしをする機会の多い第1〜第3ケーブル22−1〜22−3について、第4〜第6ケーブル22−4〜22−6を固定した状態で取り外すことができる。
第1〜第3ケーブル22−1〜22−3を取り外す際には、第1・第2締結ナット31−1・31−2を緩めて取り外した後、スティフナ44及び右側ロアクランプ部材34Rを取り外すことで、自由となった第1〜第3ケーブル22−1〜22−3を取り外すことができる(図4参照)。左側ロアクランプ部材34Lは、ピン43に挿通した第3スタッドボルト30−3に第3締結ナット31−3が螺着され、また、左側ロアクランプ部材34Lの左側第2ロア挿通孔部42−2Lに第2スタッドボルト30−2が係合しているので、ブラケット25に片持ち状態で保持される。
【0018】
このように、このケーブルクランプ構造においては、クランプ24を車体2に固定するブラケット25を設けている。このブラケット25は、金属材料で形成され、敷設される第1〜第6電気ケーブル21−4〜21−6の延出方向に対して交差するように延出して形成し、かつクランプ22を固定するための複数の固定部である第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3を有している。前記クランプ24は、第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3に第1〜第3締結ナット31−1〜31−3を螺着して締結することによりブラケット22に固定される。
前記クランプ24は、対をなすアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34からなるモールド樹脂の合わせ構造を有し、ブラケット25の複数の第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3の間に、第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6の第1・第2ケーブル群G1・G2が収まるように、アッパクランプ部材33のアッパ合わせ面36およびロアクランプ部材34のロア合わせ面37に沿って、対をなす第1〜第6アッパ窪部39−1〜39−6および第1〜第6ロア窪部40−1〜40−6を形成している。クランプ24は、ブラケット25の第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3に第1〜第3締結ナット31−1〜31−3を螺着して締結固定する際に、第1〜第3スタッドボルト30−1〜30−3をアッパクランプ部材33の第1〜第3アッパ挿通孔41−1〜41−3およびロアクランプ部材34の第1〜第3ロア挿通孔42−1〜42−3に挿通することで、対をなすアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34が一体に重ね合わせられて固定される。
このケーブルクランプ構造においては、軽量化のため、また高電圧の第1〜第3電気ケーブル22−1〜22−6の被覆を傷つけることないよう、クランプ24を樹脂材料で製作し、金属材料で製作されたピン43およびスティフナ44により樹脂材料等に起因して剛性の小さい材料に見られる締結ナット31の締め込み時の座屈を防止している。
このように、このケーブルクランプ構造は、複雑な車体形状に対してブラケット25により形状変化を吸収してクランプ24を車体2に固定するので、モールド樹脂製のクランプ24の形状を凹凸の少ない簡素な形状とすることができ、支持剛性を高くできる。また、このケーブルクランプ構造は、クランプ24をモールド樹脂製としているので、軽量化でき、ケーブル被覆への損傷を回避できる。
【0019】
また、このケーブルクランプ構造は、モールド樹脂製のクランプ24のアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34に金属製のピン43を有している。このピン43は、対をなすアッパクランプ部材33の第3アッパ挿通孔41−3およびロアクランプ部材34の第3ロア挿通孔42−3にそれぞれに嵌合するとともに、重ね合わせられたアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34と協働して挿通された第3スタッドボルト30−3に螺着される第3締結ナット31−3によりブラケット25に締結固定される。
アッパクランプ部材33に嵌合されたピン43は、右側ロアクランプ部材34Rと左側ロアクランプ部材34Lとを突合せる際に、位置決めとして機能するだけでなく、締結時の心金となって、クランプ24の剛性と協働して支持剛性を確保する。また、ピン43は、右側ロアクランプ部材34Rを選択的に取り外した際に、片持ち状態となった左側ロアクランプ部材34Lの支持剛性を確保することができ、局部的に荷重がかかって座屈したり破損したりすることを防止することができる。
ピン43は、アッパクランプ部材33の一端の第3アッパ挿通孔41−3のみに嵌合することにより、モールド樹脂製のアッパクランプ部材33の重心位置を変えることができ、僅かな傾き方向のモーメントにより第3スタッドボルト30−3との摩擦を得て、組付け時の仮組みを外れ難くすることができる。また、分割された右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lどうしを突き当てることで、ピン43の位置決め機能を利用して、ずれたままの固定となることを低減することができる。
このように、このケーブルクランプ構造は、金属製のピン43によって締結固定の荷重を支持するので、モールド樹脂製のクランプ24の座屈を防止することができ、支持剛性を高くできる。特に、このケーブルクランプ構造は、分割された右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lのうちの一つ、例えば右側ロアクランプ部材34Rを取り外して、他の一つ、例えば左側ロアクランプ部材34Lが片持ち状態になった場合おいて、左側ロアクランプ部材34Lの第3ロア挿通孔42−3に嵌合したピン43によって高い支持剛性を確保できる。
【0020】
さらに、このケーブルクランプ構造は、クランプ24のアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34と重ね合わせられて固定される金属製のスティフナ44を有し、対をなすアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34のうちのブラケット25から離間する側のロアクランプ部材34を、ケーブル群G1・G2に対応させるように、かつ長手方向について複数となるよう右側ロアクランプ部材34Rと左側ロアクランプ部材34Lとに分割している。
また、このケーブルクランプ構造は、スティフナ44を、ブラケット25から離間する側の分割された右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lのうちの一つである右側ロアクランプ部材34Rに重ね合わせられるように対応させ、かつこのスティフナ44を、ブラケット25から離間する側の分割されたロアクランプ部材34のうちの他の一つである左側ロアクランプ部材34Lに一部が重なるように対応させ、第1・第2スタッドボルト30−1・30−2に螺着される第1・第2締結ナット31−1・31−2によりブラケット25に締結固定している。
これにより、このケーブルクランプ構造は、ロアクランプ部材34を第1・第2ケーブル群G1・G2に対応させるように右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lに分割しているので、複数の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6の第1・第2ケーブル群G1・G2のうち、着脱頻度の高い例えば第1ケーブル群G1のみを取り外すような選択的な着脱を可能としている。また、このケーブルクランプ構造は、クランプ24にスティフナ44を設けているので、モールド樹脂製のクランプ24の体積を小さくコンパクトに形成した際にも、高い剛性を得ることができ、コンパクトなまま剛性低下を防止して、ケーブル径増大に対応することができる。
【0021】
さらにまた、このケーブルクランプ構造は、クランプ24のアッパクランプ部材33の第3アッパ挿通孔41−3およびロアクランプ部材34の第3ロア挿通孔42−3に金属製のピン43を有するとともに、アッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34と重ね合わせられて固定されるスティフナ44を有している。ピン43は、対をなすアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34のそれぞれに嵌合するとともに、重ね合わせられたアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34と協働して、第3スタッドボルト30−3に螺着される第3締結ナット31−3によりブラケット25に締結固定している。
また、このケーブルクランプ構造は、対をなすアッパクランプ部材33およびロアクランプ部材34のうちのブラケット25から離間する側のロアクランプ部材34を、第1・第2ケーブル群G1・G2に対応させるように、かつ長手方向について複数となるよう右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lに分割し、スティフナ44を、ブラケット25から離間する側の分割されたロアクランプ部材34のうちの一つである右側ロアクランプ部材34Rに重ね合わせられるように対応させ、かつこのスティフナ44を、ブラケット25から離間する側の分割されたロアクランプ部材34のうちの他の―つである左側ロアクランプ部材34Lに一部が重なるように対応させ、ピン43を、ブラケット25から離間する側の分割されたロアクランプ部材34のうちの他の一つである左側ロアクランプ部材34Lにおいて第3スタッドボルト30−3に螺着される第3締結ナット31−3により締結固定している。
これにより、このケーブルクランプ構造は、金属製のピン43およびスティフナ44によって締結固定の荷重を支持するので、モールド樹脂製のクランプ24の座屈を防止することができ、支持剛性を高くできる。特に、このケーブルクランプ構造は、分割されたロアクランプ部材34のうちの一つの右側ロアクランプ部材34Rを取り外して、ロアクランプ部材34のうちの他の一つの左側ロアクランプ部材34Lが片持ち状態になった場合おいて、ピン43によって高い支持剛性を確保できる。
また、このケーブルクランプ構造は、ロアクランプ部材34を第1・第2ケーブル群G1・G2に対応させるように分割しているので、複数の第1〜第6電気ケーブル22−1〜22−6の第1・第2ケーブル群G1・G2のうち、着脱頻度の高い例えば第1ケーブル群G1のみを取り外すような選択的な着脱を可能としている。さらに、このケーブルクランプ構造は、クランプ24にスティフナ44を設けているので、モールド樹脂製のクランプ24の体積を小さくコンパクトに形成した際にも、高い剛性を得ることができ、コンパクトなまま剛性低下を防止して、ケーブル径増大に対応できる。
このケーブルクランプ構造においては、座屈の防止策としてピン43とスティフナ44の2種類を使用することにより、省スペース化のために中央の締結固定部分においてピン43を使用するのに十分なスペースを確保できない条件の対策とし、かつスティフナ44を右半分の右側ロアクランプ部材34Rに使用することによりクランプ24の選択的な分離を可能にしている。ここで、ピン43はアッパクランプ部材に圧入することにより、またスティフナ44は右側ロアクランプ部材34Rに接着することにより、組付け性を向上することができる。
さらに、このケーブルクランプ構造は、分割されたロアクランプ部材34の右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lの分割面付近でスティフナ44をそれぞれに重ねて締結固定するので、ブラケット24から離間する側の分割された右側ロアクランプ部材34Rおよび左側ロアクランプ部材34Lの分割面付近の支持剛性を高くできる。
なお、この実施例においては、クランプ24の材質に樹脂材料を使用しているが、クランプ24の材質を金属材料にし、樹脂等のコーティングを施すことにより同様の効果が得ることができる。また、この実施例においては、ピン43およびスティフナ44を使用しているが、スティフナ44の代わりにピン43を2本使用することにより、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明のケーブルクランプ構造は、高電圧の電気ケーブルを固定するものであるが、高電圧の電気ケーブルに限らず、低電圧の電気ケーブル、流体輸送用ホース、パイプ等の固定にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例を示す車体後方から見た固定状態のクランプの背面図である。
【図2】車体後上方から見た組立状態を示すクランプの斜視図である。
【図3】車体後下方から見た固定状態のクランプの斜視図である。
【図4】車体後下方から見た第1ケーブル群を取り外した状態のクランプの斜視図である。
【図5】車体の底面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 燃料電池車両
2 車体
17 燃料電池モジュール
18 ラジエータ
19・20 補機
21 電力分配器
22−1〜22−6 第1〜第6電気ケーブル
24 クランプ
25 ブラケット
26 本体
29−1〜29−3 第1〜第3取付部
30−1〜30−3 第1〜第3スタッドボルト
31−1〜31−3 第1〜第3締結ナット
33 アッパクランプ部材
34 ロアクランプ部材
34R 右側ロアクランプ部材
34L 左側ロアクランプ部材
36 アッパ合わせ面
37 ロア合わせ面
39−1〜39−3 第1〜第6アッパ窪部
40−1〜40−6 第1〜第6ロア窪部
43 ピン
44 スティフナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に複数のクランプを配設し、このクランプによって複数の電気ケーブルを着脱可能に敷設し、このクランプが対をなすクランプ部材からなるモールド樹脂の合わせ構造を有し、前記クランプ部材の合わせ面に沿って形成した窪部に前記電気ケーブルを挟持するケーブルクランプ構造において、前記クランプを車体に固定するブラケットを設け、このブラケットは、敷設される電気ケーブルの延出方向に対して交差するように延出して形成し、かつ前記クランプを固定するための複数の固定部を有し、前記クランプは、前記複数の固定部の間に前記複数の電気ケーブルのケーブル群が収まるように前記クランプ部材の合わせ面に沿って窪部を形成し、前記クランプは、前記固定部に締結固定する際に、前記対をなすクランプ部材が一体に重ね合わせられて固定されることを特徴とするケーブルクランプ構造。
【請求項2】
クランプを車体に固定するブラケットを設け、このブラケットは、敷設される電気ケーブルの延出方向に対して交差するように延出して形成し、かつ前記クランプを固定するための複数の固定部を有し、前記クランプは、前記複数の固定部の間に前記複数の電気ケーブルのケーブル群が収まるように前記合わせ面に沿って窪部を形成し、前記クランプは、前記固定部に締結固定する際に、前記対をなすクランプ部材がー体に重ね合わせられて固定され、前記クランプは、クランプ部材の締結固定部にピンを有するとともに、クランプ部材と重ね合わせられて固定されるスティフナを有し、前記ピンは、前記対をなすクランプ部材のそれぞれに嵌合するとともに、重ね合わせられたクランプ部材と協働して締結固定され、前記対をなすクランプ部材のうちの前記ブラケットから離間する側のクランプ部材を、ケーブル群に対応させるように、かつ長手方向について複数となるよう分割し、前記スティフナを、前記ブラケットから離間する側の分割されたクランプ部材のうちの―つに重ね合わせられるように対応させ、かつこのスティフナを、前記ブラケットから離間する側の分割されたクランプ部材のうちの他の―つに一部が重なるように対応させ、さらにこのスティフナを、この重なる部分において分割された複数のクランプ部材に重ねて締結固定する一方、前記ピンを、前記ブラケットから離間する側の分割されたクランプ部材のうちの他の―つにおいて締結固定することを特徴とするケーブルクランプ構造。
【請求項3】
前記クランプは、クランプ部材の締結固定部にピンを有し、このピンは、対をなすクランプ部材のそれぞれに嵌合するとともに、重ね合わせられたクランプ部材と協働して締結固定されることを特徴とする請求項1に記載のケーブルクランプ構造。
【請求項4】
前記クランプは、クランプ部材と重ね合わせられて固定されるスティフナを有し、前記対をなすクランプ部材のうちの前記ブラケットから離間する側のクランプ部材を、ケーブル群に対応させるように、かつ長手方向について複数となるよう分割し、前記スティフナを、前記ブラケットから離間する側の分割されたクランプ部材のうちの一つに重ね合わせられるように対応させ、かつこのスティフナを、前記ブラケットから離間する側の分割されたクランプ部材のうちの他の一つに一部が重なるように対応させたことを特徴とする請求項1に記載のケーブルクランプ構造。
【請求項5】
前記クランプは、クランプ部材の締結固定部にピンを有するとともに、クランプ部材と重ね合わせられて固定されるスティフナを有し、前記ピンは、前記対をなすクランプ部材のそれぞれに嵌合するとともに、重ね合わせられたクランプ部材と協働して締結固定され、前記対をなすクランプ部材のうちの前記ブラケットから離間する側のクランプ部材を、ケーブル群に対応させるように、かつ長手方向について複数となるよう分割し、前記スティフナを、前記ブラケットから離間する側の分割されたクランプ部材のうちの一つに重ね合わせられるように対応させ、かつこのスティフナを、前記ブラケットから離間する側の分割されたクランプ部材のうちの他の―つに一部が重なるように対応させ、前記ピンを、前記ブラケットから離間する側の分割されたクランプ部材のうちの他の一つにおいて締結固定することを特徴とする請求項1に記載のケーブルクランプ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−225533(P2009−225533A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−66173(P2008−66173)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】