説明

ケーブル式スイッチおよびその製造方法、ならびにセンサ装置

【課題】部品点数の削減と製造工程の簡素化とを実現し得るケーブル式スイッチおよびその製造方法、ならびにセンサ装置の提供。
【解決手段】弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に内側導電線51aを有する内側電極51と、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に外側導電線52aを有し、内側電極51の周囲に螺旋状に設けられる外側電極52とを備え、内側電極51と外側電極52との間に、障害物の接触時に内側電極51と外側電極52との接触を許容し、障害物の非接触時に内側電極51と外側電極52との接触を規制する絶縁部材53とを設けた。よって、2本の電極51,52でケーブル式スイッチ50を形成するので、部品点数を削減できる。外側電極52を絶縁部材53の周囲に螺旋状に装着するので、製造工程を簡素化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検出物の接触により弾性変形し、互いに接触可能な電極を備えたケーブル式スイッチおよびその製造方法、ならびにセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、当該車両に設けられるスライドドアやサンルーフ等の開閉体を自動的に開閉するようにした自動開閉装置を備えたものがある。自動開閉装置は、車室内等に設けられる操作スイッチにより駆動される電動モータを備えており、操作スイッチにより電動モータを回転駆動することで開閉体を開閉駆動するようになっている。
【0003】
自動開閉装置には、自動で開閉動作する開閉体により障害物(被検出物)が挟み込まれるのを防止するために、挟み込み防止機能が設けられている。自動開閉装置には、障害物の接触を検出する検出スイッチが設けられており、検出スイッチによって圧力を検出、つまり障害物の接触を検出した場合に、電動モータの回転駆動を停止あるいは反転するようにしている。これにより、開閉体により障害物が挟み込まれることを未然に防止することができる。
【0004】
検出スイッチは、ケーブル状に形成されて開閉体の端部や開口部の端部に取り付けられるようになっている。このような検出スイッチ(ケーブル式スイッチ)を備えた技術としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0005】
特許文献1に記載されたケーブル式スイッチは、ケーブル状の弾性絶縁体を有している。弾性絶縁体の内部には4本の電極線が螺旋状に設けられ、弾性絶縁体内の各電極線の内側には空隙が形成されている。各電極線はそれぞれ電気導体の周囲に電気ゴムを被覆して形成され、弾性絶縁体に被検出物が接触する等して当該弾性絶縁体が弾性変形した際に、各電極線が短絡するようになっている。そして、この短絡をコントローラ等により検出することで、被検出物の接触を検出できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−281906号公報(図1,図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたケーブル式スイッチによれば、4つの螺旋状溝を有するスペーサを予め成形しておき、スペーサの螺旋状溝に電極線を装着して撚り線を形成し、次いで弾性絶縁体を撚り線の外周に被覆し、最後にスペーサを引き抜くといった手順で組み立てられる。したがって、ケーブル式スイッチの組み立てにはスペーサが必要となり、コスト上昇を招くという問題があった。また、必要とされるケーブル式スイッチの長さ寸法が長い場合等においては、スペーサの引き抜き加重が大きくなって手間が掛かり、場合によっては引き抜き途中でスペーサが破断する等して歩留まりが悪かった。
【0008】
本発明の目的は、部品点数の削減と製造工程の簡素化とを実現し得るケーブル式スイッチおよびその製造方法、ならびにセンサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のケーブル式スイッチは、被検出物の接触により弾性変形し、互いに接触可能な電極を備えたケーブル式スイッチであって、前記電極は、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する中心電極と、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有し、前記中心電極の周囲に螺旋状に設けられる周囲電極とにより形成され、さらに、前記中心電極と前記周囲電極との間に設けられ、前記被検出物の接触時に前記中心電極と前記周囲電極との接触を許容し、前記被検出物の非接触時に前記中心電極と前記周囲電極との接触を規制する絶縁部材とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のケーブル式スイッチは、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記中心電極の軸方向に螺旋状に延びて前記各電極間を連通する溝部を設け、前記溝部に前記周囲電極を装着することを特徴とする。
【0011】
本発明のケーブル式スイッチは、前記絶縁部材を前記中心電極の軸方向に延びる紐状に形成し、かつ前記中心電極の周方向に沿って所定間隔で複数設けることを特徴とする。
【0012】
本発明のケーブル式スイッチは、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記各電極間を連通する複数の連通孔を設けることを特徴とする。
【0013】
本発明のケーブル式スイッチの製造方法は、被検出物の接触により弾性変形し、互いに接触可能な電極を備えたケーブル式スイッチの製造方法であって、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する中心電極を準備する第1工程と、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する周囲電極を準備する第2工程と、前記中心電極の周囲に絶縁体よりなる絶縁部材を装着する第3工程と、前記絶縁部材の周囲に前記周囲電極を螺旋状に装着する第4工程と、前記中心電極,前記絶縁部材および前記周囲電極を組み付けて完成したサブ組立体を、取り付け対象物の長さ寸法に応じて切断する第5工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明のケーブル式スイッチの製造方法は、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記中心電極の軸方向に螺旋状に延びて前記各電極間を連通する溝部を設け、前記第4工程において、前記溝部に前記周囲電極を装着することを特徴とする。
【0015】
本発明のケーブル式スイッチの製造方法は、前記絶縁部材を前記中心電極の軸方向に延びる紐状に形成し、前記第3工程において、前記中心電極の周方向に沿って所定間隔となるよう複数装着することを特徴とする。
【0016】
本発明のケーブル式スイッチの製造方法は、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記各電極間を連通する複数の連通孔を設けることを特徴とする。
【0017】
本発明のセンサ装置は、被検出物の接触により弾性変形し、互いに接触可能な電極を備えたケーブル式スイッチを有するセンサ装置であって、前記ケーブル式スイッチを、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する中心電極と、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有し、前記中心電極の周囲に螺旋状に設けられる周囲電極と、前記中心電極と前記周囲電極との間に設けられ、前記被検出物の接触時に前記中心電極と前記周囲電極との接触を許容し、前記被検出物の非接触時に前記中心電極と前記周囲電極との接触を規制する絶縁部材とから形成し、前記中心電極の一端側と前記周囲電極の一端側との間に接続される抵抗素子と、前記中心電極または前記周囲電極のうちのいずれか一方の他端側に接続され、前記中心電極と前記周囲電極との接触による前記抵抗素子の抵抗値の変化を検出する抵抗値検出手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明のセンサ装置は、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記中心電極の軸方向に螺旋状に延びて前記各電極間を連通する溝部を設け、前記溝部に前記周囲電極を装着することを特徴とする。
【0019】
本発明のセンサ装置は、前記絶縁部材を前記中心電極の軸方向に延びる紐状に形成し、かつ前記中心電極の周方向に沿って所定間隔で複数設けることを特徴とする。
【0020】
本発明のセンサ装置は、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記各電極間を連通する複数の連通孔を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する中心電極と、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有し、中心電極の周囲に螺旋状に設けられる周囲電極とを備え、中心電極と周囲電極との間に、被検出物の接触時に中心電極と周囲電極との接触を許容し、被検出物の非接触時に中心電極と周囲電極との接触を規制する絶縁部材とを設ける。
【0022】
したがって、中心電極と周囲電極との2本の電極でケーブル式スイッチを形成することができ、部品点数の削減を図ることができる。周囲電極を絶縁部材の周囲に螺旋状に装着して組み立てるので、従前のようなスペーサを必要とせずその引き抜き作業も不要となる。よって、製造工程を簡素化して歩留まりを良くすることができ、ひいてはコスト低減を図ることができる。さらには、従前のようなスペーサを必要としない分、長尺のケーブル式スイッチを容易に製造することが可能となる。
【0023】
本発明によれば、絶縁部材を筒状に形成し、絶縁部材に中心電極の軸方向に螺旋状に延びて各電極間を連通する溝部を設け、溝部に周囲電極を装着するので、周囲電極を溝部に沿わせて装着することができ、ケーブル式スイッチの組み立て性を向上させることができる。周囲電極の螺旋ピッチを溝部の螺旋ピッチに合わせるので、製品毎の製造精度(センサ検出精度等)のばらつきの発生を抑制することができる。
【0024】
本発明によれば、絶縁部材を中心電極の軸方向に延びる紐状に形成し、かつ中心電極の周方向に沿って所定間隔で複数設けるので、絶縁部材の形状および製造工程を簡素化することができる。
【0025】
本発明によれば、絶縁部材を筒状に形成し、絶縁部材に各電極間を連通する複数の連通孔を設けるので、被検出物の接触時に各連通孔を介して中心電極と周囲電極との接触を許容することができる。
【0026】
本発明によれば、ケーブル式スイッチを製造する際、中心電極,絶縁部材および周囲電極を組み付けて完成したサブ組立体を、取り付け対象物の長さ寸法に応じて切断するので、従前のようなスペーサの破断等を気にすること無く、任意の長さのケーブル式スイッチを製造することができる。よって、ケーブル式スイッチの多用途化に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ワンボックスタイプの車両を示す側面図である。
【図2】本発明に係るケーブル式スイッチを備えた自動開閉装置を示す平面図である。
【図3】図2の自動開閉装置の制御体系を説明する説明図である。
【図4】(a),(b)は、センサユニットの取り付け状態を説明する説明図である。
【図5】第1実施の形態に係るケーブル式スイッチの軸方向に沿う断面図である。
【図6】(a),(b)は、図5のケーブル式スイッチの動作を説明する径方向に沿う断面図である。
【図7】第2実施の形態に係るケーブル式スイッチの軸方向に沿う断面図である。
【図8】(a),(b)は、図7のケーブル式スイッチの動作を説明する径方向に沿う断面図である。
【図9】第3実施の形態に係るケーブル式スイッチの軸方向に沿う断面図である。
【図10】(a),(b)は、図9のケーブル式スイッチの動作を説明する径方向に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の第1実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0029】
図1はワンボックスタイプの車両を示す側面図を、図2は本発明に係るケーブル式スイッチを備えた自動開閉装置を示す平面図を、図3は図2の自動開閉装置の制御体系を説明する説明図を、図4(a),(b)はセンサユニットの取り付け状態を説明する説明図を、図5は第1実施の形態に係るケーブル式スイッチの軸方向に沿う断面図を、図6(a),(b)は図5のケーブル式スイッチの動作を説明する径方向に沿う断面図をそれぞれ表している。
【0030】
図1に示すように、車両10はワンボックスタイプの乗用車であり、車両10を形成する車体11の側部12には、開口部12aが設けられている。開口部12aは、図中二点鎖線矢印に示すように、車体11の前後方向にスライドする開閉体としてのスライドドア13により開閉されるようになっている。
【0031】
図2に示すように、スライドドア13にはローラアッシー14が設けられており、ローラアッシー14が車体11の側部12に固定されたガイドレール15に案内されることにより、スライドドア13は、図中実線で示す全開位置と二点鎖線で示す全閉位置との間でスライドするようになっている。ガイドレール15の車体前方側には、車室内側(図中上側)に湾曲する曲部15aが設けられており、ローラアッシー14が曲部15aに案内されることにより、スライドドア13は車体11の側部12と同一面に収まるよう、車体11の内側に引き込まれた状態で閉じられるようになっている。
【0032】
ここで、図示はしないが、ローラアッシー14は、図示する部位以外にスライドドア13の前端部の上下部分にもそれぞれ設けられ、これらに対応して車体11の開口部12aの上下部分にもそれぞれガイドレールが設けられている。このように、スライドドア13は計3カ所において車体11に支持されており、よって、スライドドア13は安定したスライド動作が可能となっている。
【0033】
図2に示すように、車体11にはスライドドア13を自動的に開閉する自動開閉装置20が搭載されている。自動開閉装置20は、ガイドレール15の車体前後方向の略中央部に隣接して車体11に固定される駆動ユニット21を備えている。駆動ユニット21からは、車体前方側と後方側とに向けてケーブル22a,22bが引き出されている。駆動ユニット21から車体前方側に引き出されたケーブル22aは、ガイドレール15の前端側に設けられた反転プーリ23aを介して車体前方側からローラアッシー14に接続され、車体後方側に引き出されたケーブル22bは、ガイドレール15の後端側に設けられた反転プーリ23bを介して車体後方側からローラアッシー14に接続されている。
【0034】
駆動ユニット21は、ケーブル22a,22bを駆動するようになっており、駆動ユニット21によりケーブル22a,22bが駆動されると、スライドドア13は車体前方側または後方側のケーブル22a,22bに引っ張られて自動的に開閉動作するようになっている。つまり、自動開閉装置20は、所謂ケーブル式となっている。
【0035】
図3に示すように、駆動ユニット21は、駆動源としての電動モータ24と、電動モータ24に固定される減速機25とを有しており、電動モータ24の回転は、減速機25により所定の回転数にまで減速されて出力軸26から出力されるようになっている。ここで、電動モータ24としては、たとえばブラシ付き直流モータやブラシレス直流モータ等、正逆両方向に回転可能なものが用いられる。
【0036】
出力軸26には、円筒状に形成されたドラム27が固定されており、ドラム27の外周面には、各ケーブル22a,22bが複数回巻き付けられている。これにより、電動モータ24が正転すると、ドラム27が図中時計回り方向に回転して閉側のケーブル22aがドラム27に巻き取られ、スライドドア13はケーブル22aに引っ張られて閉動作する。これとは逆に、電動モータ24が逆転すると、ドラム27が図中反時計回り方向に回転して開側のケーブル22bがドラム27に巻き取られ、スライドドア13はケーブル22bに引っ張られて開動作する。
【0037】
減速機25の内部には、電磁クラッチ(図示せず)が設けられている。電磁クラッチは、スライドドア13を手動で開閉操作する際に、電動モータ24と出力軸26との間の動力伝達経路を遮断して、スライドドア13の開閉操作力を低減するようになっている。ドラム27とスライドドア13との間には、各ケーブル22a,22bに所定の張力を付与するテンショナ機構(図示せず)が設けられており、テンショナ機構は、自動開閉装置20の長期使用に起因する各ケーブル22a,22bの伸びを吸収するようになっている。
【0038】
出力軸26には、周方向に多数の磁極が着磁された多極着磁磁石28が固定されており、多極着磁磁石28の近傍には互いに所定の位相差を設けて2つのホールIC29a,29bが配置されている。出力軸26が回転すると、各ホールIC29a,29bからは、出力軸26の回転数に比例した周期のパルス信号が出力されるようになっている。
【0039】
自動開閉装置20は、電動モータ24の回転駆動を制御する制御装置30を備えている。制御装置30は、図示しないマイクロプロセッサ(CPU)やROM,RAMなどのメモリ等を備えた所謂マイクロコンピュータとしての機能を有しており、配線を介して電動モータ24に電気的に接続されている。
【0040】
制御装置30には、各ホールIC29a,29bが接続されており、制御装置30は、各ホールIC29a,29bから入力されるパルス信号の周期に基づいて出力軸26の回転数つまりスライドドア13の移動速度を検出できるようになっている。また、制御装置30は、これらのパルス信号の出現タイミングに基づいて出力軸26の回転方向つまりスライドドア13の移動方向を検出し、さらには、スライドドア13が基準位置(例えば、全閉位置)にあるときを起点としてパルス信号をカウントすることより、スライドドア13の開閉位置を検出できるようになっている。
【0041】
スライドドア13にはドアハンドル31が設けられており、ドアハンドル31は、スライドドア13を開閉させる開閉スイッチとしての機能を備えている。操作者によってドアハンドル31が操作されると、ドアハンドル31から制御装置30に開閉指令信号が入力され、制御装置30は入力された開閉指令信号やスライドドア13の開閉位置,開閉速度等をメモリ内に格納された制御プログラムに従って演算し、この演算結果に基づいて電動モータ24の回転駆動制御を実行する。例えば、ドアハンドル31が閉操作されて制御装置30にスライドドア13を閉じる旨の指令信号が入力されると、制御装置30により電動モータ24が正転されてスライドドア13は閉動作する。これとは逆に、ドアハンドル31が開操作されて制御装置30にスライドドア13を開く旨の指令信号が入力されると、制御装置30により電動モータ24が逆転されてスライドドア13は開動作する。
【0042】
スライドドア13の車体前方側、つまりスライドドア13が閉じる際に進行方向側となる端部には、センサユニット40が取り付けられている。センサユニット40は、スライドドア13と被検出物としての障害物DA(図1参照)との接触や、当該接触に伴うスライドドア13による障害物DAの挟み込みを検出するようになっている。
【0043】
図4(a)に示すように、センサユニット40は、可撓性を有する絶縁体であるゴムにより形成されたセンサホルダ41を備えている。センサホルダ41は、スライドドア13に設けられたブラケット42をセンサホルダ41で挟み込むようにして固定され、その先端部はスライドドア13の端部よりも車体前方側に突出されている。
【0044】
センサホルダ41のスライドドア13の端部よりも車体前方側に突出した部分には、車体上下方向に貫通する装着孔41aが形成されている。装着孔41aには、長尺のケーブル状に形成されたケーブル式スイッチ50が装着されている。ただし、センサユニット40のスライドドア13への取り付け方としては、図4(b)に示すように、センサホルダ41をスライドドア13の先端側に直接固定するようにしても良い。
【0045】
図5に示すように、ケーブル式スイッチ50は、中心電極としての内側電極51と周囲電極としての外側電極52とを有しており、障害物DAの接触によりセンサホルダ41とともに弾性変形するようになっている。各電極51,52は、ケーブル式スイッチ50の弾性変形に伴って互いに接触可能となっており、何れも同一構成のケーブル状電極により形成されている。
【0046】
各電極51,52は、弾性導電体(エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM))等の可撓性を有する導体によりケーブル状に形成されている。各電極51,52の内部には、それぞれ内側導電線(導電線)51aおよび外側導電線(導電線)52aが設けられ、各電極51,52と各導電線51a,52aは互いに電気的に接触している。内側電極51は直線状に設けられ、外側電極52は内側電極51の周囲に所定のピッチで螺旋状に設けられている。
【0047】
内側電極51と外側電極52との間には絶縁部材53が設けられ、絶縁部材53は、例えば、ゴム等の絶縁体により中空の筒状に形成されている。絶縁部材53の筒状内側には内側電極51が配置されている。また、絶縁部材53には、内側電極51の軸方向に延びる螺旋状の溝部53aが設けられ、溝部53aは、内側電極51の径方向に向けて内側電極51と外側電極52との間を連通するようになっている。溝部53aは、その径方向内側から径方向外側に向かうにつれて、溝幅が徐々に大きくなるよう設定されている。溝部53aの径方向内側の溝幅は外側電極52の直径寸法よりも小さい寸法に設定され、溝部53aの径方向外側の溝幅は外側電極52の直径寸法と略同じ寸法に設定されている。
【0048】
溝部53aの径方向外側には外側電極52が装着され、内側電極51と外側電極52との間には螺旋状の隙間Sが形成されている。そして、ケーブル式スイッチ50が外力により変形すると、隙間Sを介して内側電極51と外側電極52とが接触するようになっている。溝部53aは、絶縁部材53に対する外側電極52の装着案内として機能し、つまり溝部53aに沿わせて外側電極52を装着することで、容易にケーブル式スイッチ50を組み立てられるようにしている。よって、溝部53aの螺旋ピッチと外側電極52の螺旋ピッチは同じピッチとなるため、製品毎に螺旋ピッチが異なる等の不具合を解消できる。
【0049】
外側電極52は、筒状のセンサカバー54によって覆われており、センサカバー54は、ケーブル式スイッチ50の充分な感度を確保するため、容易に弾性変形し得る薄肉のゴム膜により形成されている。センサカバー54は、外側電極52を径方向外側から支持するとともに、内側電極51,外側電極52および絶縁部材53が、雨水や埃等に曝されて早期に劣化するのを防止する等の役割を果たしている。
【0050】
内側導電線51aの一端側(図中右側)と外側導電線52aの一端側との間には、所定の抵抗値(例えば5Ω)に設定された検出用抵抗(抵抗素子)55が電気的に接続されている。
【0051】
また、内側導電線51aの他端側(図中左側)には、制御装置30の内部に設けられる接触検知部(抵抗値検出手段)30aが電気的に接続されている。一方、外側導電線52aの他端側は、車体11に電気的に接続(接地)されている。ただし、内側導電線51aの他端側を車体11に電気的に接続し、外側導電線52aの他端側を接触検知部30aに電気的に接続することもできる。
【0052】
これにより、ケーブル式スイッチ50に外力が負荷されて各電極51,52が短絡すると抵抗値が変化(低下)し、この抵抗値の変化を接触検知部30aにより検出することで、障害物DA(図1参照)の接触等を検出することができる。ここで、ケーブル式スイッチ50,接触検知部30aおよび検出用抵抗55により本発明におけるセンサ装置を構成している。
【0053】
次に、以上のように形成したケーブル式スイッチ50の製造工程(製造方法)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0054】
[第1工程]
図5に示すように、まず、内側電極51となるケーブル状電極(中心電極)W1を準備する。ここで、ケーブル状電極W1は、別の製造工程において、内側導電線51aの周囲に弾性導電材料(弾性導電体)を射出成形等することにより形成される。
【0055】
[第2工程]
次に、外側電極52となるケーブル状電極(周囲電極)W2を準備する。ここで、ケーブル状電極W2は、ケーブル状電極W1と同じものを用いており、ケーブル状電極W2においても、ケーブル状電極W1と同様に、別の製造工程において、外側導電線52aの周囲に弾性導電材料(弾性導電体)を射出成形等することにより形成される。
【0056】
[第3工程]
次いで、直線状に保持した内側電極51の周囲に絶縁部材53を装着する。ここで、本実施の形態においては、内側電極51への絶縁部材53の装着方法として、内側電極51の周囲に射出成形等により絶縁部材53を被覆する方法を採用している。そして、内側電極51の周囲に射出成形等により筒状の絶縁部材53を形成した後、内側電極51の軸方向に螺旋状に延びる溝部53aを、所定の螺旋ピッチで切り抜いて形成する。これにより、内側電極51の周囲に溝部53aを有する絶縁部材53が装着される。ただし、溝部53aを有する絶縁部材53を予め形成しておき、絶縁部材53に内側電極51を装着(挿入)する方法を採用することもできる。
【0057】
[第4工程]
次に、第2工程で準備したケーブル状電極W2を、絶縁部材53に形成した溝部53aに沿わせて装着していき、これにより、溝部53aの螺旋ピッチと同じ螺旋ピッチの外側電極52を絶縁部材53の周囲に設けることができる。このとき、ケーブル式スイッチ50の感度を良好にするために、溝部53aと外側電極52との間にグリス(図示せず)を塗布しても良い。
【0058】
[第5工程]
次いで、センサカバー54を外側電極52の周囲に装着して、外側電極52を径方向外側から支持するようにし、さらに、内側電極51,絶縁部材53,外側電極52およびセンサカバー54を組み付けて完成したサブ組立体SAを、スライドドア13に設けたブラケット42、つまり取り付け対象物の長さ寸法に応じて切断する。これにより、所定長さのケーブル式スイッチ50が完成する。
【0059】
次に、以上のように形成したケーブル式スイッチ50の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
【0060】
図6(a)に示すように、ケーブル式スイッチ50に外力Fが負荷されていない状態においては、ケーブル式スイッチ50(センサカバー54)は真円の状態となっている。この状態においては、外側電極52は溝部53aの径方向外側に位置しており、内側電極51と外側電極52との間には隙間Sが形成されている。つまり、絶縁部材53は、障害物DAの非接触時において、内側電極51と外側電極52との接触を規制するようになっている。
【0061】
一方、図6(b)に示すように、障害物DAがケーブル式スイッチ50に接触する等して、ケーブル式スイッチ50に外力Fが負荷されると、ケーブル式スイッチ50(センサカバー54)は押し潰されるようにして弾性変形し、外側電極52が溝部53aの径方向内側に移動しようとする。すると、図中矢印M方向に絶縁部材53が弾性変形して、内側電極51と外側電極52とが接触点CPで接触(短絡)するようになる。つまり、絶縁部材53は、障害物DAの接触時において、内側電極51と外側電極52との接触を許容するようになっている。
【0062】
これにより、接触検知部30a(図5参照)が検出用抵抗55による抵抗値の変化、つまり内側電極51と外側電極52とが短絡したことによる抵抗値の低下を検出して、障害物DAの接触等が検出される。制御装置30は、接触検知部30aによる障害物DAの接触等の検出に基づいて、電動モータ24(図3参照)の回転駆動を停止あるいは反転し、これによりスライドドア13により障害物DAが挟み込まれることを未然に防止する。なお、ケーブル式スイッチ50の感度は、外側電極52を螺旋状に設けているため、その全周に亘って略同一の感度となっている。
【0063】
以上詳述したように、第1実施の形態に係るケーブル式スイッチ50によれば、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に内側導電線51aを有する内側電極51と、弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に外側導電線52aを有し、内側電極51の周囲に螺旋状に設けられる外側電極52とを備え、内側電極51と外側電極52との間に、障害物DAの接触時に内側電極51と外側電極52との接触を許容し、障害物DAの非接触時に内側電極51と外側電極52との接触を規制する絶縁部材53とを設けた。
【0064】
したがって、内側電極51と外側電極52との2本の電極でケーブル式スイッチ50を形成することができ、部品点数の削減を図ることができる。外側電極52を絶縁部材53の周囲に螺旋状に装着して組み立てるので、従前のようなスペーサを必要とせずその引き抜き作業も不要となる。よって、製造工程を簡素化して歩留まりを良くすることができ、ひいてはコスト低減を図ることができる。さらには、従前のようなスペーサを必要としない分、長尺のケーブル式スイッチ50を容易に製造することが可能となる。
【0065】
また、第1実施の形態に係るケーブル式スイッチ50によれば、絶縁部材53を筒状に形成し、絶縁部材53に内側電極51の軸方向に螺旋状に延びて各電極51,52間を連通する溝部53aを設け、溝部53aに外側電極52を装着するので、外側電極52を溝部53aに沿わせて装着することができ、ケーブル式スイッチ50の組み立て性を向上させることができる。外側電極52の螺旋ピッチを溝部53aの螺旋ピッチに合わせるので、製品毎の製造精度(センサ検出精度等)のばらつきの発生を抑制することができる。
【0066】
さらに、第1実施の形態に係るケーブル式スイッチ50を製造する際、内側電極51,絶縁部材53および外側電極52を組み付けて完成したサブ組立体SAを、ブラケット42の長さ寸法に応じて切断するので、従前のようなスペーサの破断等を気にすること無く、任意の長さのケーブル式スイッチ50を製造することができる。よって、ケーブル式スイッチ50の多用途化に対応することができる。
【0067】
次に、本発明の第2実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分には同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
図7は第2実施の形態に係るケーブル式スイッチの軸方向に沿う断面図を、図8(a),(b)は図7のケーブル式スイッチの動作を説明する径方向に沿う断面図をそれぞれ表している。
【0069】
第2実施の形態に係るケーブル式スイッチ60は、第1実施の形態における筒状の絶縁部材53に代えて3本の紐状の絶縁部材61を設けた点と、外側電極52の螺旋ピッチを狭くした点とが異なっている。
【0070】
図7および図8に示すように、内側電極51と外側電極52との間には、内側電極51の軸方向に沿って延びるように、ゴム等の絶縁体よりなる3本の紐状の絶縁部材61が設けられている。各絶縁部材61の直径寸法は各電極51,52の直径寸法よりも小さい直径寸法に設定されており、内側電極51の周囲に等間隔(120度間隔)で配置されている。ただし、絶縁部材61は3本に限らず、必要とされるケーブル式スイッチ60の感度や外側電極52の剛性等に応じて、2本または4本以上設けることもできる。
【0071】
外側電極52は、各絶縁部材61の周囲に所定の螺旋ピッチ(第1実施の形態に比して略半分(1/2)の螺旋ピッチ)で螺旋状に設けられ、ケーブル式スイッチ60に外力Fが負荷されていない状態(図8(a)参照)においては、各電極51,52間には、各絶縁部材61により隙間Sが形成されている。ここで、ケーブル式スイッチ60においても、外側電極52を螺旋状に設けているため、その全周に亘って略同一の感度となっている。
【0072】
一方、図8(b)に示すように、障害物DAがケーブル式スイッチ60に接触する等して、ケーブル式スイッチ60に外力Fが負荷されると、ケーブル式スイッチ60(センサカバー54)は押し潰されるようにして弾性変形し、外側電極52が径方向内側に移動して、内側電極51と接触点CPで接触(短絡)するようになる。
【0073】
ケーブル式スイッチ60を組み立てるには、上述した[第3工程]において、内側電極51(ケーブル状電極W1)の周囲に各絶縁部材61を周方向に沿って等間隔で配置しつつ、接着剤等により各絶縁部材61を内側電極51に仮固定し、その後、上述した[第4工程]において、各絶縁部材61の周囲に外側電極52(ケーブル状電極W2)を所定の螺旋ピッチで螺旋状に装着する。ここで、各絶縁部材61は、図示しない供給装置により内側電極51の周囲に軸方向に沿って連続的に供給するようにし、これにより内側電極51の周囲に各絶縁部材61を仮固定しても良い。
【0074】
以上のように構成した第2実施の形態に係るケーブル式スイッチ60においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第2実施の形態においては、絶縁部材61を内側電極51の軸方向に延びる紐状に形成し、かつ内側電極51の周方向に沿って所定間隔で3本設けたので、各絶縁部材61の形状および製造工程を簡素化することができる。
【0075】
次に、本発明の第3実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分には同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0076】
図9は第3実施の形態に係るケーブル式スイッチの軸方向に沿う断面図を、図10(a),(b)は図9のケーブル式スイッチの動作を説明する径方向に沿う断面図をそれぞれ表している。
【0077】
第3実施の形態に係るケーブル式スイッチ70は、第1実施の形態における溝部53aを有する絶縁部材53に代えて、複数(無数)の連通孔71aを有する絶縁部材71を設けた点と、外側電極52の螺旋ピッチを狭くした点とが異なっている。
【0078】
図9および図10に示すように、内側電極51と外側電極52との間には、ゴム等の絶縁体により筒状に形成された絶縁部材71が設けられている。絶縁部材71には、複数の連通孔71aが形成されており、各連通孔71aは、内側電極51と外側電極52との間を連通するようになっている。ただし、必要とされるケーブル式スイッチ70の感度や外側電極52の剛性等に応じて、連通孔71aの個数や大きさは任意に設定することができる。
【0079】
外側電極52は、絶縁部材71の周囲に所定の螺旋ピッチ(第1実施の形態に比して略半分(1/2)の螺旋ピッチ)で螺旋状に設けられ、ケーブル式スイッチ70に外力Fが負荷されていない状態(図10(a)参照)においては、各電極51,52間には、連通孔71aにより隙間Sが形成されている。ここで、ケーブル式スイッチ70においても、連通孔71aを無数に設けたこと、および外側電極52を螺旋状に設けたことにより、その全周に亘って略同一の感度となっている。
【0080】
一方、図10(b)に示すように、障害物DAがケーブル式スイッチ70に接触する等して、ケーブル式スイッチ70に外力Fが負荷されると、ケーブル式スイッチ70(センサカバー54)は押し潰されるようにして弾性変形し、外側電極52が連通孔71aを介して径方向内側に移動し、内側電極51と接触点CPで接触(短絡)するようになる。
【0081】
ケーブル式スイッチ70を組み立てるには、上述した[第3工程]において、予め各連通孔71aを有する絶縁部材71形成しておき、絶縁部材71に内側電極51(ケーブル状電極W1)を装着(挿入)する。その後、上述した[第4工程]において、絶縁部材71の周囲に外側電極52(ケーブル状電極W2)を所定の螺旋ピッチで螺旋状に装着する。
【0082】
以上のように構成した第3実施の形態に係るケーブル式スイッチ70においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0083】
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、車体11の側部12に設けられたスライドドア13の端部にケーブル式スイッチを取り付けたものを示したが、本発明はこれに限らず、開口部12aの端部(図1に示すピラーPL)にケーブル式スイッチを取り付けることもできる。
【0084】
また、上記各実施の形態においては、ケーブル式スイッチを、自動開閉装置20(図2参照)により開閉されるスライドドア13の挟み込み防止機能に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、自動開閉装置により開閉されるヒンジ式ドア,バックドア,ウインドガラス,サンルーフ,トランクリッド等の挟み込み防止機能にも適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
10 車両
11 車体
12 側部
12a 開口部
13 スライドドア
14 ローラアッシー
15 ガイドレール
15a 曲部
20 自動開閉装置
21 駆動ユニット
22a,22b ケーブル
23a,23b 反転プーリ
24 電動モータ
25 減速機
26 出力軸
27 ドラム
28 多極着磁磁石
29a,29b ホールIC
30 制御装置
30a 接触検知部(抵抗値検出手段,センサ装置)
31 ドアハンドル
40 センサユニット
41 センサホルダ
41a 装着孔
42 ブラケット(取り付け対象物)
50 ケーブル式スイッチ(センサ装置)
51 内側電極(中心電極)
51a 内側導電線(導電線)
52 外側電極(周囲電極)
52a 外側導電線(導電線)
53 絶縁部材
53a 溝部
54 センサカバー
55 検出用抵抗(抵抗素子,センサ装置)
60 ケーブル式スイッチ(センサ装置)
61 絶縁部材
70 ケーブル式スイッチ(センサ装置)
71 絶縁部材
71a 連通孔
F 外力
S 隙間
W1 ケーブル状電極(中心電極)
W2 ケーブル状電極(周囲電極)
CP 接触点
DA 障害物(被検出物)
PL ピラー
SA サブ組立体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出物の接触により弾性変形し、互いに接触可能な電極を備えたケーブル式スイッチであって、
前記電極は、
弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する中心電極と、
弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有し、前記中心電極の周囲に螺旋状に設けられる周囲電極とにより形成され、さらに、
前記中心電極と前記周囲電極との間に設けられ、前記被検出物の接触時に前記中心電極と前記周囲電極との接触を許容し、前記被検出物の非接触時に前記中心電極と前記周囲電極との接触を規制する絶縁部材とを備えることを特徴とするケーブル式スイッチ。
【請求項2】
請求項1記載のケーブル式スイッチにおいて、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記中心電極の軸方向に螺旋状に延びて前記各電極間を連通する溝部を設け、前記溝部に前記周囲電極を装着することを特徴とするケーブル式スイッチ。
【請求項3】
請求項1記載のケーブル式スイッチにおいて、前記絶縁部材を前記中心電極の軸方向に延びる紐状に形成し、かつ前記中心電極の周方向に沿って所定間隔で複数設けることを特徴とするケーブル式スイッチ。
【請求項4】
請求項1記載のケーブル式スイッチにおいて、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記各電極間を連通する複数の連通孔を設けることを特徴とするケーブル式スイッチ。
【請求項5】
被検出物の接触により弾性変形し、互いに接触可能な電極を備えたケーブル式スイッチの製造方法であって、
弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する中心電極を準備する第1工程と、
弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する周囲電極を準備する第2工程と、
前記中心電極の周囲に絶縁体よりなる絶縁部材を装着する第3工程と、
前記絶縁部材の周囲に前記周囲電極を螺旋状に装着する第4工程と、
前記中心電極,前記絶縁部材および前記周囲電極を組み付けて完成したサブ組立体を、取り付け対象物の長さ寸法に応じて切断する第5工程とを備えることを特徴とするケーブル式スイッチの製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のケーブル式スイッチの製造方法において、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記中心電極の軸方向に螺旋状に延びて前記各電極間を連通する溝部を設け、前記第4工程において、前記溝部に前記周囲電極を装着することを特徴とするケーブル式スイッチの製造方法。
【請求項7】
請求項5記載のケーブル式スイッチの製造方法において、前記絶縁部材を前記中心電極の軸方向に延びる紐状に形成し、前記第3工程において、前記中心電極の周方向に沿って所定間隔となるよう複数装着することを特徴とするケーブル式スイッチの製造方法。
【請求項8】
請求項5記載のケーブル式スイッチの製造方法において、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記各電極間を連通する複数の連通孔を設けることを特徴とするケーブル式スイッチの製造方法。
【請求項9】
被検出物の接触により弾性変形し、互いに接触可能な電極を備えたケーブル式スイッチを有するセンサ装置であって、
前記ケーブル式スイッチを、
弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有する中心電極と、
弾性導電体によりケーブル状に形成されて内部に導電線を有し、前記中心電極の周囲に螺旋状に設けられる周囲電極と、
前記中心電極と前記周囲電極との間に設けられ、前記被検出物の接触時に前記中心電極と前記周囲電極との接触を許容し、前記被検出物の非接触時に前記中心電極と前記周囲電極との接触を規制する絶縁部材とから形成し、
前記中心電極の一端側と前記周囲電極の一端側との間に接続される抵抗素子と、
前記中心電極または前記周囲電極のうちのいずれか一方の他端側に接続され、前記中心電極と前記周囲電極との接触による前記抵抗素子の抵抗値の変化を検出する抵抗値検出手段とを備えることを特徴とするセンサ装置。
【請求項10】
請求項9記載のセンサ装置において、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記中心電極の軸方向に螺旋状に延びて前記各電極間を連通する溝部を設け、前記溝部に前記周囲電極を装着することを特徴とするセンサ装置。
【請求項11】
請求項9記載のセンサ装置において、前記絶縁部材を前記中心電極の軸方向に延びる紐状に形成し、かつ前記中心電極の周方向に沿って所定間隔で複数設けることを特徴とするセンサ装置。
【請求項12】
請求項9記載のセンサ装置において、前記絶縁部材を筒状に形成し、前記絶縁部材に前記各電極間を連通する複数の連通孔を設けることを特徴とするセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−124044(P2011−124044A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279711(P2009−279711)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】