説明

ゲートウェイ装置およびその情報制御方法

【課題】複数の通信プロトコルに動的に対応可能で、消費者のネットワーク機器代替を容易に実現するゲートウェイ装置およびその情報制御方法を提供。
【解決手段】ホームゲートウェイ装置は、ベース部でIPネットワークが扱う形式の情報とホームゲートウェイ装置で扱う所定の形式の情報それぞれに変換し、家電機器処理部の制御部40でホームゲートウェイ装置が扱う所定の形式の情報を、家電機器それぞれの通信プロトコルに応じた制御情報に変換し、さらに、制御部40は、バインド機能部46で家電機器それぞれの通信プロトコル、ドライバ、制御設定条件および状態に関連付けて、テーブル48に関連付けた情報を格納し、変換機能部50で格納した情報を基に、供給される情報を家電機器それぞれに応じた制御情報およびネットワーク側に出力する応答情報のいずれかに変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートウェイ装置およびその情報制御方法に関し、本発明に係るゲートウェイ装置は、とくに、被制御対象機器として、たとえばホーム家電製品やオーディオ・ビデオ製品それぞれが有する通信プロトコルを用いて、ネットワークを介して製品それぞれに接続し、各製品の情報を得る技術に関するものである。また、情報制御方法は、ネットワークを介してこのネットワークに接続しようとする機器の導入、導入した機器の制御、操作および監視における各通信プロトコルに対応した情報を生成し、生成した情報を用いて制御する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1に記載のように、ネットワークに接続した機器を利用する場合、導入自体が困難である。また、その利用は、あらかじめ定められた機器に制限されている。このような困難性のある機器において、将来的に機器の入れ替えは、個別のネットワーク機器提供者の意思によるもので、消費者にその選択の余地はなかった。
【特許文献1】特開2002−315066号公報
【特許文献2】特開2006−227825号公報
【非特許文献1】“東芝、Bluetooth搭載ネットワーク家電とウェブ対応のホーム端末を発表”[平成19年7月13日検索]インターネット<URL:http://ascii24.com/news/i/hard/article/2002/02/05/print/633371.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、特許文献1や特許文献2に示すような技術では、ネットワークに機器を接続し、接続した機器をユーザが利用しようとする場合、この機器は、機器が持つ通信プロトコルに依存して、接続された機器が動作する。接続された機器では、このような接続や動作環境が優先することから、上述したような機器の入れ替えが困難であった。また、消費者にとっては、機器が用いる通信プロトコルの変更も困難であった。
【0004】
さらに、入れ替える機器が利用する通信プロトコルが同一であったとしても、機器提供者毎に固有の方式、すなわち処理手順を採用している部分が存在する。このため、対象機器には、困難性がより一層高くなってしまう。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑み、複数の通信プロトコルに動的に対応可能で、消費者のネットワーク機器代替を容易に実現するゲートウェイ装置およびその情報制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述の課題を解決するために、ネットワークに接続され、被制御対象機器に接続されているゲートウェイ装置において、この装置は、ネットワークに接続され、このネットワークを介して、供給される情報を入力し、被制御対象機器からの情報を出力する入出力手段と、供給される情報をネットワークで扱う形式の情報とこの装置で扱う所定の形式の情報それぞれに変換する形式変換手段と、この装置で扱う所定の形式の情報を、被制御対象機器それぞれの通信プロトコルに応じた制御情報に変換する制御手段とを含み、この制御手段は、被制御対象機器それぞれの通信プロトコル、ドライバ、制御設定条件および状態に関連付けるバインド機能ブロックと、この関連付けた情報を格納する記憶手段と、格納した情報を基に、供給される情報を被制御対象機器それぞれに応じた制御情報およびネットワーク側に出力する応答情報のいずれかに変換する対応変換機能ブロックとを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は上述の課題を解決するために、ネットワークを介して、供給される情報を基に被制御対象機器を制御する情報制御方法において、この方法は、被制御対象機器を動作させる関連情報の欠如に応じて関連情報を検索する第1の工程と、関連情報を選択し、選択した関連情報をダウンロードする第2の工程と、選択した関連情報を、所定の形式の情報に変換する第3の工程と、所定の形式の情報を、該当する被制御対象機器の通信プロトコル、ドライバ、制御設定条件および状態に関連付けて、関連付けた情報を格納する第4の工程と、被制御対象機器それぞれの通信プロトコルに応じた制御情報に変換する第5の工程と、制御情報を基に駆動信号を生成する第6の工程と、駆動信号に応じて被制御対象機器に制御信号を出力する第7の工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るゲートウェイ装置およびその情報制御方法によれば、入出力手段でネットワークとの間での情報を入出力し、形式変換手段でネットワークが扱う形式の情報とこの装置で扱う所定の形式の情報それぞれに変換し、制御手段でこの装置が扱う所定の形式の情報を、被制御対象機器それぞれの通信プロトコルに応じた制御情報に変換し、さらに、制御手段は、バインド機能ブロックで被制御対象機器それぞれの通信プロトコル、ドライバ、制御設定条件および状態に関連付けて、記憶手段に関連付けた情報を格納し、対応変換機能ブロックで格納した情報を基に、供給される情報を被制御対象機器それぞれに応じた制御情報およびネットワーク側に出力する応答情報のいずれかに変換することにより複数の通信プロトコルに対して再起動することなく、動的に対応して、その通信プロトコルによらず、ネットワーク接続機器を利用することができる。これにより、同一通信プロトコル内に存在する、提供者固有の手続きにも動的に対応して、その手続きによらずネットワーク接続機器を利用でき、ネットワークに対する接続機器の認証・登録、変更・削除の操作を簡易に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に添付図面を参照して本発明によるゲートウェイ装置の実施例を詳細に説明する。図1を参照すると、本発明によるゲートウェイ装置の実施例は、LAN(Local Area Network)インタフェース回路でIP(Internet Protocol)ネットワークとの間での情報を入出力し、ベース部でIPネットワークが扱う形式の情報とホームゲートウェイ装置で扱う所定の形式の情報それぞれに変換し、家電機器処理部の制御部40でホームゲートウェイ装置が扱う所定の形式の情報を、家電機器それぞれの通信プロトコルに応じた制御情報に変換し、さらに、制御部40は、バインド機能部46で家電機器それぞれの通信プロトコル、ドライバ、制御設定条件および状態に関連付けて、テーブル48に関連付けた情報を格納し、変換機能部50で格納した情報を基に、供給される情報を家電機器それぞれに応じた制御情報およびネットワーク側に出力する応答情報のいずれかに変換することにより複数の通信プロトコルに対して再起動することなく、動的に対応して、その通信プロトコルによらず、ネットワーク接続機器を利用することができる。これにより、同一通信プロトコル内に存在する、提供者固有の手続きにも動的に対応して、その手続きによらずネットワーク接続機器を利用でき、ネットワークに対する接続機器の認証・登録、変更・削除の操作を簡易に実現できる。
【0010】
本実施例は、本発明のゲートウェイ装置をホームネットワークシステム10に適用した場合である。本発明と直接関係のない部分について図示および説明を省略する。以下の説明で、信号はその現れる接続線の参照番号で指示する。
【0011】
ホームネットワークシステム10は、図2に示すように、IP(Internet Protocol)ネットワーク12に接続されている。IPネットワーク12には、携帯電話機14および情報サーバ16が接続されている。携帯電話機14は、ホームネットワークシステム10の制御対象機器にコマンドを送信し、制御対象機器からステータスを受信し、受信したステータスを表示する機能を有する。携帯電話機14は、IPネットワーク12を介してホームネットワークシステム10と通信する。
【0012】
情報サーバ16は、ホームネットワークシステム10の制御対象機器がどのような規格に基づく信号かを示すデータを格納するストレージ18を有する。ストレージ18は、制御対象機器である家庭電気製品が扱う信号の規格情報がデータベース化して、格納されている。情報サーバ16は、ホームネットワークシステム10に信号の規格情報を要求に応じて提供する。
【0013】
ホームネットワークシステム10は、ホームゲートウェイ装置20および制御対象機器群22を含む。ホームゲートウェイ装置20は、IPネットワーク12を介して、外部の機器と通信する機能と制御対象機器群22内に含まれる、異なる通信規格の制御対象機器と通信する機能を有する。これらの機能を実現するため、ホームゲートウェイ装置20は、図3に示すように、LAN(Local Area Network)インタフェース回路21、ベース部24、家電機器処理部26、駆動信号生成部28および送受信部30を含む。
【0014】
LANインタフェース回路21は、携帯電話機14や情報サーバ16と通信する機能とを有する。LANインタフェース回路21は、一般的にはHTTP(Hyper-Text Transfer Protocol)を使用する。HTTPとは、WebサーバとWebブラウザなどのクライアントがデータを送受信するのに使われるプロトコルである。HTML(Hyper-Text Markup Language)文書や文書に関連付けられている画像、音声および動画などのファイルを、表現形式などの情報を含めてやり取りできる。LANインタフェース回路21は、携帯電話機14や情報サーバ16との間でデータ32を通信する。また、LANインタフェース回路21は、ベース部24との間でデータ34を通信する。
【0015】
ベース部24は、家電信号データベース内の家電製品における信号の情報を検索し、情報を選択する機能を有する。また、ベース部24は、入力された信号を家電機器処理部の形式に変換し、情報を送信する機能を有する。ベース部24は、LANインタフェース回路21に検索要求信号34を出力し、データ34を入力する。ベース部24は、データ36を家電機器処理部26に出力する。
【0016】
家電機器処理部26は、家電信号情報に該当する通信プロトコル変換機能、家電機器における通信プロトコルを示す家電信号情報とその家電機器に対する指示情報とを関係付けるバインド機能、データを格納する機能を制御し、ならびにデータを送受信する機能を有する。家電機器処理部26は、後述するように対応付けた家電信号情報をあらかじめ格納することにより、携帯電話機14から指示された家電機器に対応したデータ38を駆動信号生成部28に送信する。また、家電機器処理部26は、初期段階では家電信号情報を情報サーバ16からダウンロードしたデータ32を基に該当する通信プロトコルでの指示に対応したデータ38を生成し、生成したデータ38を駆動信号生成部28に送信する。このようにデータ38は、該当する通信プロトコル変換された信号送信指示、すなわちコマンドを含むものである。
【0017】
具体的に、家電機器処理部26は、図1に示すように、制御部40およびモニタ42を有する。制御部40は、送受信部44、バインド機能部46、テーブル48および変換機能部50を含む。制御部40は、複数の通信プロトコルに動的に対応することで、ネットワークに対しての接続機器の認証・登録、変更・削除の操作を簡易に実現する。送受信部44は、バインド機能部46、テーブル48、変換機能部50およびモニタ42にも接続されている。送受信部44は、前述した通り、ベース部24や駆動信号生成部28との間でデータ52をやり取りする。送受信部44は、必ずしも設けなくてもよい。バインド機能部46は、家電機器における家電信号情報とその通信プロトコルとを関係付け、家電製品、家電信号情報および指示情報を一組とするテーブル情報を結び付けている。
【0018】
テーブル48は、テーブル情報を複数組格納したメモリである。変換機能部50は、家電信号情報に対応して供給される指示情報を、供給する製品が扱う通信プロトコルに応じた情報に変換する機能を有する。変換機能部50は、通信プロトコルの種類に応じて設けることができる。すなわち、変換機能部50は、通信プロトコルの変更や拡張、新規な通信プロトコルがあっても、変換プログラムをダウンロードし、格納することによって柔軟な対応を可能にしている。変換機能部50は、ベース部24から供給される情報をトリガに、指示情報を生成し、各通信プロトコルから抽出した共通部分をそれぞれの異なる通信プロトコルに変換する。
【0019】
また、変換機能部50は、製品から通信プロトコルに応じて送られたステータスを、HTTPプロトコルに応じた情報に変換する機能も有する。本実施例において変換機能部50には、無線通信対応部54、赤外線通信対応部56およびDLNA(Digital Living Network Alliance)通信対応部58が含まれている。
【0020】
無線通信対応部54は、Bluetooth(商標)通信、ZiggBee(商標)通信、無線LANのIEEE802.11b規格の通信および情報家電用規格のエコーネット(商標)準拠の通信に対応して、指示情報を変換する。無線通信対応部54は、製品から通信プロトコルに応じて送られたステータスを、HTTPプロトコルに応じた情報に変換する。
【0021】
赤外線通信対応部56は、リモートコントローラ用通信規格に対応して、指示情報を変換する。赤外線通信対応部56は、リモートコントローラ用通信規格に対応して、指示情報を変換する。赤外線通信対応部56は、指示情報に変換後、ただちに指示情報を送信した旨のステータスをHTTPプロトコルに応じた情報に変換し、変換した情報を送受信部44から出力する。
【0022】
DLNA通信対応部58は、DLNA通信規格に対応して、指示情報を変換する。無線通信対応部54は、無線通信対応部54、赤外線通信対応部56およびDLNA通信対応部58のいずれかで変換された指示情報52を送受信部44に出力する。制御部40は、送受信部44から変換された指示情報38を駆動信号生成部28に出力する。DLNA通信対応部58は、製品から通信プロトコルに応じて送られたステータスを、HTTPプロトコルに応じた情報に変換する。変換機能部50における動作は後段で開示する。制御部20は、同一通信プロトコル内に存在する、提供者固有の手続きにも動的に対応することで、その手続きによらずネットワーク接続機器を利用可能にする。
【0023】
モニタ42は、少なくとも、製品、指示情報および現在の製品状態、すなわちステータスを表示する機能を有する。モニタ42には、製品、指示情報およびステータスを表示する。
【0024】
図3に戻って、駆動信号生成部28は、供給される通信プロトコルに応じて変換されたデータを基に駆動信号を生成するドライバ機能を有する。駆動信号生成部28は、送受信部30で受信した信号を通信プロトコルのデータに変換する機能も有する。駆動信号生成部28は、供給されるデータ38を基に駆動信号を生成し、生成した駆動信号をホームゲートウェイ装置20として送受信部30に出力する。駆動信号生成部28は、無線処理部60、赤外線処理部62およびDLNA処理部64を含む。
【0025】
無線処理部60は、無線送信用の駆動信号を生成し、生成した駆動信号66を送受信部30に送る。無線処理部60は、送受信部30で受信した信号を通信プロトコルのデータに変換し、変換したデータを無線通信対応部54に出力する。赤外線処理部62は、赤外線送信用の駆動信号を生成し、生成した駆動信号68を送受信部30に送る。DLNA処理部64は、該当する製品用の駆動信号を生成し、生成した駆動信号70を送受信部30に送る。DLNA処理部64は、送受信部30で受信した信号を通信プロトコルのデータに変換し、変換したデータをDLNA通信対応部58に出力する。
【0026】
送受信部30は、供給されるデータを少なくとも送信し、受信する機能を有する。送受信部30は、送受信回路72、赤外線送信回路74およびDLNAインタフェース回路76を含む。送受信回路72は、図1に示すように、供給される駆動信号66に応じて所定の周波数の電波78を送信し、対象製品からの電波80を受信する。赤外線送信回路74は、供給される駆動信号66に応じて赤外線82を発信する。DLNAインタフェース回路76は、供給される駆動信号66に応じたDLNA信号84を送信し、対象製品から指示に対する応答のDLNA信号84を受信する。
【0027】
図2に戻って、本実施例においてホームネットワークシステム10の制御対象機器群22は、通信機能を有する家庭電化製品であり、洗濯機86、テレビモニタ88およびビデオレコーダ90を含む。洗濯機86は、図示しない送受信回路を有し、供給される電波78を受信する。洗濯機86は、送受信回路で電波78を受信し、電波78に含まれる指示情報をデコードし、動作させる。洗濯機86は、動作に応じたステータスを、送受信回路を介してホームゲートウェイ装置20に送信する。
【0028】
テレビモニタ88は、図示しない受信回路を有し、供給される赤外線82を受信する。テレビモニタ88は、受信回路で赤外線82を受信し、赤外線82に含まれる指示情報をデコードし、動作させる。
【0029】
ビデオレコーダ90は、図示しないDLNAインタフェース回路を有し、供給されるDLNA信号84を受信する。ビデオレコーダ90は、DLNAインタフェース回路でDLNA信号84を受信し、DLNA信号84に含まれる指示情報をデコードし、動作させる。ビデオレコーダ90は、動作に応じたステータスを、送受信回路を介してホームゲートウェイ装置20に送信する。
【0030】
次にホームネットワークシステム10の動作を開示する。ホームネットワークシステム10のホームゲートウェイ装置20に製品を新規に導入する場合について図4を参照しながら、初期設定処理を記載する。新規に導入する製品は、テレビモニタ88である。
【0031】
ホームゲートウェイ装置20は、たとえば携帯電話機14で操作される。ホームゲートウェイ装置20は、携帯電話機14のIPネットワーク12の接続および操作によりベース24で登録したい家電の識別子を持つ、図5に示すようなHTTPリクエストを情報サーバ16のストレージ18に送る(ステップS10)。ホームゲートウェイ装置20は、複数の通信プロトコルに動的に対応することで、ネットワークに対しての接続機器の認証・登録、変更・削除の操作を簡易に実現する。
【0032】
なお、ホームゲートウェイ装置20には、新規に導入するテレビモニタ88の型式が入力されるようにしてもよい。情報の入力は、携帯電話機14を用いて行なう。
【0033】
ホームゲートウェイ装置20は、IPネットワーク12を介して、接続している情報サーバ16のストレージ18に設けられている家電信号データベースに格納された家電信号情報を検索する(ステップS12)。検索した情報は、携帯電話機14に供給され、携帯電話機14のモニタに表示する。
【0034】
ユーザは、図示しないモニタに表示された情報の中から、テレビモニタ88に該当する型式を操作ボタンの操作により、格納されている型式を選択する。携帯電話機14は、選択した型式の情報をホームゲートウェイ装置20に送る(ステップS14)。
【0035】
情報サーバ16は、ストレージ18の対応した該当情報をホームゲートウェイ装置20の家電機器処理部26に供給する。家電機器処理部26は、該当情報をダウンロードし、該当情報を格納する(ステップS16)。ここで、情報サーバ16は、図6に示すHTTPレスポンス、すなわち該当情報として対応するドライバと状態テーブルのURL(Uniform Resource Location)を送信する。
【0036】
次に実際にテレビモニタ88を制御する際、ベース部24は、LANインタフェース回路21を経由して受け取った情報、テレビモニタ88の情報を基に、制御部40のテーブル48を検索する(ステップS18)。制御部40は、テーブル48の中から送信する信号種を決定する。
【0037】
制御部40は、決定した信号種を変換機能部50で変換し、変換した信号を駆動信号生成部28、送受信部30からテレビモニタ88に送信する(ステップS20)。テレビモニタ88は、供給される信号により制御される。
【0038】
制御部40は、ベース部24の情報と送信信号種情報をバインド機能部46でデータを自動的に生成し、テーブル48に格納する(ステップS22)。これ以降、家電機器処理部26は、検索に時間を要すことなく、テーブル48の検索から所望の信号種を対象の製品に送信する。また、この設定変更や導入において、ホームネットワークシステム10は、制御対象装置や機器をリブート(再起動)することなく、制御対象機器を利用することができる。
【0039】
次にホームネットワークシステム10における外出先で携帯電話機14や手持ちの携帯端末装置から洗濯機86、テレビモニタ88およびビデオレコーダ90の処理手順について図7を参照しながら、開示する。
【0040】
携帯電話機14は、HTTPプロトコルを基にホームゲートウェイ装置20にアクセスし、携帯電話機14のメニューに制御対象機器群22を表示する(ステップS30)。制御対象機器群22には、洗濯機86、テレビモニタ88およびビデオレコーダ90が登録されている。ユーザは、制御対象機器群22から一つを選択する(ステップS32)。
【0041】
携帯電話機14は、選択した制御対象機器が洗濯機86か否かを判断する(ステップS34)。洗濯機86を選択した場合(YES)、動作設定を選定する。動作条件には、たとえば給水量、洗濯時間、すすぎ回数、脱水回数、洗濯モードがある。携帯電話機14は、選んだ一組の動作条件をホームゲートウェイ装置20に送る(ステップS36)。洗濯機86の選択でない場合(NO)、テレビモニタ88の選択判断に進む(ステップS38へ)。
【0042】
携帯電話機14は、選択した制御対象機器がテレビモニタ88か否かを判断する(ステップS38)。ユーザは、たとえば携帯電話機14で動作条件にオンを選ぶ。テレビモニタ88の選択の場合(YES)、携帯電話機14は、選んだ動作条件をホームゲートウェイ装置20に送る(ステップS40)。テレビモニタ88の選択でない場合(NO)、ビデオレコーダ90の選択判断に進む(ステップS42へ)。
【0043】
携帯電話機14は、選択した制御対象機器がビデオレコーダ90か否かを判断する(ステップS42)。ユーザは、携帯電話機14で録画条件を選ぶ。動作条件には、たとえば曜日、録画開始時刻、録画終了時刻、チャネル、録画モードがある。ビデオレコーダ90の選択の場合(YES)、携帯電話機14は、選んだ一組の動作条件をホームゲートウェイ装置20に送る(ステップS44)。これ以外の場合(NO)、接続子Aを介して終了に進む。
【0044】
次に洗濯機86の動作条件を含む信号をベース部24で家電機器処理部26の形式に変換し、変換した情報を家電機器処理部26に送信する(ステップS46)。家電機器処理部26では、供給された信号から、図示しないが、送信信号種のバインドデータを基に、「洗濯機86の動作」指示であることを認識し、通信プロトコルに応じた無線による動作指示変換したデータを無線処理部60に送信する(ステップS48)。無線による動作指示は、制御部40のDLNA通信対応部58で給水量「18リットル」、洗濯時間「10分」、すすぎ回数「2回」、脱水回数「1回」、洗濯モード「標準」で、DLNA通信対応部58はこれらを変換する。
【0045】
次に無線処理部60では、供給されたデータを基に無線送信用信号を生成し、生成した無線送信用信号を送受信回路72に出力する(ステップS50)。送受信回路72は、洗濯機86に無線78を送信する(ステップS52)。
【0046】
洗濯機86は、受信した無線78に含まれる動作指示に応じて設定し、動作させる。洗濯機86は、たとえば設定完了から順に動作の段階に応じたステータスを含む信号を無線80として送受信回路72に送信する(ステップS54)。すなわち、送受信回路72は、洗濯機86から供給されるステータスを含む無線80を受信する。無線80は、送受信回路72でディジタル信号に変換され、変換したディジタル信号は制御部40の無線通信対応部54に送られる。
【0047】
接続子Bを介して、ホームゲートウェイ装置20は、制御部40の無線通信対応部54で供給された通信プロトコルに対応したデータに変換する(ステップS56)。制御部40は、変換したデータに含まれるステータスとテーブル48を対応させて、供給されるステータスデータをデコードする(ステップS58)。制御部40は、デコードしたデータをベース部24に供給する。
【0048】
ベース部24では、デコードしたデータをHTTPプロトコルに対応して変換して、携帯電話機14に出力する(ステップS60)。携帯電話機14は、変換したデータを受信して、モニタにて最初、設定完了の表示により動作を確認する(ステップS62)。携帯電話機14は、動作の段階に応じて供給されるステータスをその都度、表示するとよい。ユーザは、表示されるステータスの状況を判断する(ステップS64)。携帯電話機14の表示を終了する場合(YES)、終了に進む。まだ、ステータスの状況を受信する場合(NO)、携帯電話機14を待ち受け状態にして待機する(ステップS62へ)。
【0049】
次にテレビモニタ88の動作条件を含む信号をベース部24で家電機器処理部26の形式に変換し、変換した情報を家電機器処理部26に送信する(ステップS66)。家電機器処理部26では、供給された信号から、図9に示す送信信号種のバインドデータを基に、「テレビモニタ88の動作」指示であることを認識し、通信プロトコルに応じた赤外線による動作指示変換したデータを赤外線処理部62に送信する(ステップS68)。赤外線による動作指示変換は、制御部40の赤外線通信対応部56で、電源を「オフ」にしたり、電源オン時の表示チャンネルを「7」にしたり、音量を「15」に設定したりする。赤外線通信対応部56は、設定完了のステータスをただちに生成する。
【0050】
次に赤外線処理部62では、供給されたデータを基に赤外線送信用駆動信号を生成し、生成した赤外線送信用駆動信号を送信回路74に出力する(ステップS70)。送信回路74は、テレビモニタ88に赤外線82を送信する(ステップS72)。
【0051】
テレビモニタ88は、受信した赤外線82に含まれる動作指示に応じて設定し、動作させる。テレビモニタ88は、たとえば設定完了に応じたステータスを返すことができない。このような場合、前述したように赤外線通信対応部56で設定完了のステータスを生成しておく。
【0052】
接続子Cを介して、ホームゲートウェイ装置20は、制御部40の赤外線通信対応部56で生成した設定完了がすでに通信プロトコルに対応したデータであることから、制御部40でデータに含まれるステータスとテーブル48を対応させて、供給されるステータスデータのデコードに進む(ステップS58へ)。
【0053】
制御部40は、ステータスデータをデコードする(ステップS58)。以後の手順は、洗濯機86の場合と同じ手順である。
【0054】
次にビデオレコーダ90の動作条件を含む信号をベース部24で家電機器処理部26の形式に変換し、変換した情報を家電機器処理部26に送信する(ステップS74)。家電機器処理部26では、供給された信号から、図9に示す送信信号種のバインドデータを基に、「ビデオレコーダ90の動作」指示であることを認識し、通信プロトコルに応じたDLNA規格による動作指示変換したデータをDLNA処理部64に送信する(ステップS76)。ビデオレコーダ90がトリガの機能の役割を果たして、バインドにともなう情報対応の関連付けを行なう。ここでの動作指示は、制御部40のDLNA通信対応部58で、録画設定の条件、すなわち電源「オン」、電源オン時の表示チャンネル「8」、録画曜日「木曜」、録画開始時刻「22:00」、録画終了時刻「23:00」および録画対象「ハードディスク」であり、DLNA通信対応部58はこれらの指示を変換する。
【0055】
次にDLNA処理部64では、供給されたデータを基にDLNA規格の信号、DLNA信号を生成し、生成したDLNA信号70をDLNAインタフェース回路76に出力する(ステップS78)。DLNAインタフェース回路76は、ビデオレコーダ90に信号84を送信する(ステップS80)。
【0056】
ビデオレコーダ90は、受信した信号84に含まれる動作指示に応じて設定し、動作させる。
【0057】
次に接続子Dを介して、ビデオレコーダ90は、たとえば録画条件の設定完了に応じたステータスを含む信号84をDLNAインタフェース回路76に送信する(ステップS82)。すなわち、DLNAインタフェース回路76は、ビデオレコーダ90から供給されるステータスを含む信号84を受信する。信号84は、DNLA規格のディジタル信号であり、制御部40のDLNA通信対応部58に送られる。
【0058】
接続子Bを介して、ホームゲートウェイ装置20は、制御部40の無線通信対応部54で供給された通信プロトコルに対応したデータに変換する(ステップS56)。次に制御部40は、変換したデータに含まれるステータスとテーブル48を対応させて、供給されるステータスデータをデコードする(ステップS84)。以後の手順は、洗濯機86の場合と同じ手順である。
【0059】
このようにホームネットワークシステム10を動作させることにより、従来テレビに代えてDLNA対応テレビを新たに購入しても、ホームゲートウェイ装置20を設置し、ホームゲートウェイ装置20を、IPネットワーク12を介して情報サーバ16に接続させて、初期設定処理を実行させることでホームネットワークシステム10に新規のホーム家電製品やオーディオ・ビデオ製品を容易に導入でき、制御することが可能になる。
【0060】
また、異なる通信プロトコルを持つ家電機器が制御対象機器群22の中にふくまれていても、供給された信号が含む情報、すなわち送信信号種やバインドデータを基に通信プロトコルや指示情報を認識し、信号を送信して、動作指示することができる。テーブルには、家電製品の各ボタンや各信号処理に対応する信号の情報が格納されている。これにより、ホームネットワークシステム10は、家電機器が持っている各通信プロトコルに依存することなく、ホームネットワークに接続された機器を利用することができる。ホームゲートウェイ装置20を設置することにより、制御対象機器が初めからネットワークに接続されている場合だけでなく、家電機器の導入時、入れ替え時においても同様に機能することから、本発明の課題を解決することができる。とくに、様々な通信プロトコルと機器提供者が存在する可能性が高く、かつ構成も個別に異なる可能性も高い、家庭内のネットワークにおいて、様々な家庭に対応可能で汎用的なネットワーク接続を実現することが可能となる。
【0061】
本実施例では、携帯電話機からの制御を開示したが、これに限定されるものでなく、LANインタフェースを経由して信号送信可能なパソコンやネットワーク対応家電からの制御に本発明を適用することができることは言うまでもない。また、本実施例から明らかなように、本発明のゲートウェイ装置を適用することにより、携帯電話機は、場所を選ばず、ネットワークに接続可能な環境にあれば、操作端末装置として使用して、一台で複数の機器を操作でき、操作した結果も情報として得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るゲートウェイ装置を適用したホームゲートウェイ装置の家電機器処理部における制御部の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るゲートウェイ装置を適用したホームゲートウェイ装置を適用したホームネットワークシステムにおける接続例を示す図である。
【図3】本発明に係るゲートウェイ装置を適用したホームゲートウェイ装置における家電機器処理部の概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】図3のホームゲートウェイ装置に対する初期設定の手順を説明するフローチャートである。
【図5】図3のホームゲートウェイ装置が出力するHTTPリクエストの例を示す図である。
【図6】図3のホームゲートウェイ装置に供給されるHTTPレスポンスの例を示す図である。
【図7】図2のホームネットワークシステムにおける動作手順を説明するフローチャートである。
【図8】図7の動作手順の続きを説明するフローチャートである。
【図9】図1のテーブルに格納されるバインド対応のデータ例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
10 ホームネットワークシステム
12 IPネットワーク
14 携帯電話機
16 情報サーバ
18 ストレージ
20 ホームゲートウェイ装置
21 LANインタフェース回路
24 ベース部
26 家電機器処理部
28 駆動信号生成部
30 送受信部
40 制御部
46 バインド機能部
48 テーブル
50 変換機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、被制御対象機器に接続されているゲートウェイ装置において、該装置は、
前記ネットワークに接続され、該ネットワークを介して、供給される情報を入力し、前記被制御対象機器からの情報を出力する入出力手段と、
供給される情報を前記ネットワークで扱う形式の情報と該装置で扱う所定の形式の情報それぞれに変換する形式変換手段と、
該装置で扱う所定の形式の情報を、前記被制御対象機器それぞれの通信プロトコルに応じた制御情報に変換する制御手段とを含み、
該制御手段は、前記被制御対象機器それぞれの通信プロトコル、ドライバ、制御設定条件および状態に関連付けるバインド機能ブロックと、
該関連付けた情報を格納する記憶手段と、
格納した情報を基に、供給される情報を前記被制御対象機器それぞれに応じた前記制御情報および前記ネットワーク側に出力する応答情報のいずれかに変換する対応変換機能ブロックとを含むことを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記制御手段は、前記制御情報を基に駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
生成した駆動信号に応じて制御信号を出力する送信手段とを含むことを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、前記送信手段は、前記被制御対象機器から前記制御信号に応じた応答信号を受信する受信手段を含むことを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のゲートウェイ装置において、該ゲートウェイ装置は、前記ネットワークを介して、前記被制御対象機器それぞれの通信プロトコル、ドライバ、制御設定条件および状態の情報をデータベース化して格納されたサーバ装置に接続され、前記被制御対象機器の新規導入において前記サーバ装置から該当する情報をダウンロードすることを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項5】
ネットワークを介して、供給される情報を基に被制御対象機器を制御する情報制御方法において、該方法は、
前記被制御対象機器を動作させる関連情報の欠如に応じて前記関連情報を検索する第1の工程と、
前記関連情報を選択し、選択した関連情報をダウンロードする第2の工程と、
前記選択した関連情報を、所定の形式の情報に変換する第3の工程と、
前記所定の形式の情報を、該当する前記被制御対象機器の通信プロトコル、ドライバ、制御設定条件および状態に関連付けて、関連付けた情報を格納する第4の工程と、
前記被制御対象機器それぞれの通信プロトコルに応じた制御情報に変換する第5の工程と、
前記制御情報を基に駆動信号を生成する第6の工程と、
前記駆動信号に応じて前記被制御対象機器に制御信号を出力する第7の工程とを含むことを特徴とする情報制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、該方法は、前記被制御対象機器に制御信号を出力に応じた設定完了および前記被制御対象機器の状態のいずれかを示す応答情報を受信する第8の工程と、
前記応答情報を、該当する通信プロトコルの形式に変換する第9の工程と、
該当する通信プロトコルの形式に変換した応答情報を、所定の形式の情報に変換する第10の工程と、
該所定の形式に変換した応答情報を、前記ネットワークが扱う形式の応答情報に変換する第11の工程とを含み、
前記ネットワークが扱う形式の応答情報で動作を確認することを特徴とする情報制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−75735(P2009−75735A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242399(P2007−242399)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(504143441)国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 (226)
【Fターム(参考)】