説明

ゲームコントローラを用いたキーボード入力システム

【課題】 ゲームコントローラなどの入力デバイスを用いて、オンスクリーンキーパッドの表示なしに、タッチタイピングが可能な、効率のよいキーボード入力システムを提供すること。
【解決手段】 複数のボタンを有する入力デバイスの各ボタンに、修飾キーと、修飾キーによってボタンの機能が変更された際に対応するキーと、ボタン固有のキーを対応させる。ボタンを押している間は、そのボタンが修飾キーとして機能し、他のボタンの機能を変更して別のキーに対応させ、特定のキーを入力できるようにする。修飾キーとして機能していた時間が、一定の制限時間以内であれば、機能した修飾キーに対応したボタンに対応した固有のキーが入力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームコントローラなどの入力デバイスを用いて、効率的にキーボード入力を可能にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術は、特許文献1記載の背景技術を含める。
【0003】
特許文献1の提案では、どのセルが現在選択されているかを視覚的に判断する必要があり、そのため、オンスクリーンキーパッドを画面上に設ける必要がある。そのため、画面の表示が制約されるだけでなく、タッチタイピングのような、視覚的な判断なしの入力方法を実現することが難しい。
【特許文献1】 特表2006−515477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のことを鑑みて、追加のキーボードに伴う追加コストがかからず、高速にキーボード入力を実現できる方法が必要とされている。この方法は、ユーザが、キーを繰り返し押すことなく、さらにオンスクリーンキーパッドの表示なしにキー入力が可能で、タッチタイピングが可能な、効率のよいキーボード入力ができるものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの目的を達成するために、本発明により、ゲームコントローラなどの入力デバイスを使用したキーボード入力システムが提供される。1つの実施形態において、キーの選択方法が開示される。この方法は、複数のボタンを有する入力デバイスの各ボタンが、キーボードの各キーに対応し、選択するキーによって、入力デバイスの操作方法が2通りに分かれる。
【0006】
上述の操作方法の1つが開示される。この操作方法は、入力デバイスの2つのボタンを組み合わせて使用することで、特定のキーを選択することができる方法である。この方法は、1つのボタンが押されている間、押されているボタンが修飾キーとして機能し、他のボタンの機能を変更して、別のキーに対応させ、特定のキーを選択できる状態にする。そのため、入力デバイスの各ボタンを修飾キーに対応させる。それぞれ各ボタンの修飾キーは、ボタンごとに固有の機能であってもよい。ここで修飾キーとは、一般的なキーボードのシフトキーやコントロールキーなどと同様の動作をするキー機能のことであり、修飾キーに対応するボタンが押されている間、他のボタンの機能を変更させて、別のキーに対応させる機能である。そのため、入力デバイスの各ボタンに、各修飾キーによってボタンの機能が変更された際に対応するキーを、さらに対応させる。このことから、入力デバイスの1つのボタンを押しながら、もう1つ別のボタンを押すことで、特定のキーを選択する形式が採られていることが分かるであろう。
【0007】
上述の操作方法の1つが開示される。この操作方法は、入力デバイスの1つのボタンのみを使用して、特定のキーを選択することができる方法である。そのため、各ボタンに、この操作方法で選択できるキーを、さらに対応させる。特定のキーを選択するには、選択するキーに対応するボタンを、以下のように操作することで選択できる。入力デバイスのボタンが1つも押されていない状態から、選択したいキーに対応するボタン1つを押して、押したボタンが解放されたとき、押されてから解放されるまでにかかった時間が、一定の制限時間以内であれば、押したボタンに対応するキーが選択できる。一般的に言って、この操作方法は、1つもボタンを押していない状態から、1つのボタンを押して、すぐに押したボタンを解放するような形式が採られる。
【0008】
上述した入力デバイスの操作方法が2通りあることで、各ボタンには、それぞれの操作方法で選択できるキーを対応させるが、これら一通り各ボタンに対応させたキー設定を、1つの入力モードとして、さらに別のキーが設定された複数の入力モードを設ける動作を含む。これにより、アルファベットやひらがななど、より多くのキー機能を、1つのボタンに対応させることが可能になる。複数設けられた入力モードは切り替えが可能で、入力デバイスのボタンを用いて行うことができてもよい。
【0009】
本発明のさらなる実施形態において、キーの選択システムが開示される。このシステムは、複数の制御と、複数の制御ボタンを有する入力デバイスを含む。各制御ボタンは、キーボードの各キーに対応し、制御ボタンを用いて特定のキーを選択できる。使用中、入力デバイスは、各制御ボタンに対応した修飾キー、または各ボタン固有に対応しているキーを選択するために、第1のコマンドを送信することができる。さらに、入力デバイスは、修飾キーによってボタンの機能が変更された際に対応するキーの、特定のキーを選択するために、第2のコマンドを送信することができる。
【0010】
さらなる実施形態において、文字選択用にコンピュータ読み取り媒体に含まれたコンピュータプログラムが開示される。コンピュータプログラムは、入力デバイスの各制御ボタンを、キーボードの各キーに対応させ、対応させた特定のキーを選択するために、入力デバイスから第1のコマンドと第2のコマンドを受信できる。第1のコマンドを受信している間は、押されているボタンに対応する修飾キーが機能し、それぞれ各制御ボタンの機能を変更して別のキーに対応させるプログラム命令を含む。第2のコマンドは、第1のコマンドを受信している間だけ、受信が可能であり、修飾キーによって制御ボタンの機能が変更された際に対応するキーの、特定のキーを選択するプログラム命令を含む。第1のコマンドを受信している間の時間が、一定の制限時間以内であれば、各制御ボタン固有のキーを選択できるプログラム命令を、さらに含む。
【発明の効果】
【0011】
上述のように、入力デバイスのボタンの押し方によって、様々なキーを入力できるようにすることで、結果的にオンスクリーンキーパッドは不要となる。また、入力デバイスの操作方法は2通りしかなく、ユーザが覚えるのは、これらの操作方法と、各ボタンに対応するキーの位置だけである。そのため、ユーザは、この操作方法に慣れることで、容易にタッチタイピングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明により、ゲームコントローラなどの入力デバイスを使用した、キーボード入力システムが開示される。上述したように、本発明は、入力デバイスのボタンの押し方によって、様々なキー入力が実現できる。そのため、オンスクリーンキーパッドの表示は不要になり、ユーザ自信が、この操作方法に慣れれば、容易にタッチタイピングを行うことができる。ここでは、例示的なキー入力方法に沿って、本発明の詳細を開示していく。ここで開示するゲームコントローラやキーの設定などは、これに限るものではないことを留意して頂きたい。
【0013】
図1は、例示的なゲームコントローラ100を示した図である。ここでは、ゲームコントローラ100を用いて、キー入力を行う例示的な操作方法について説明する。ゲームコントローラ100は、方向制御ボタン101と、複数の選択ボタン102〜109とを含む。
【0014】
本発明の実施形態では、方向制御ボタン101の上下左右を示すボタンと、選択ボタン102〜109を利用して、キー入力を行う。各ボタンは、修飾キーに対応し、さらに各ボタン固有のキーにも対応する。さらに、修飾キーによって、各ボタンの機能が変更された際に対応するキーにも対応する。
【0015】
以下に例示的なキー入力の操作方法を説明する。方向制御ボタン101の上を示すボタンは、選択ボタン102を「A」キー、選択ボタン103を「B」キー、選択ボタン104を「C」キー、選択ボタン105を「D」キー、選択ボタン106を「E」キーに対応させる修飾キーに対応する。方向制御ボタン101の上を示すボタンが押されている間は、選択ボタン102〜106は、「A」〜「D」のキーに対応する。つまり、方向制御ボタン101の上を示すボタンを押しながら、選択ボタン102を押すことで、「A」キーの入力が行われる。さらに理解を深めるため、もう1つ例示的な説明をする。選択ボタン102は、方向制御ボタン101の上を示すボタンを「0」キー、右を示すボタンを「1」キー、下を示すボタンを「2」キー、左を示すボタンを「3」キー、選択ボタン107を「4」キーに対応させる修飾キーに対応する。選択ボタン102が押しながら、方向制御ボタン101の上を示すをボタンを押すことで、「0」キーの入力を行うことができる。
【0016】
さらに例示的なキー入力の操作方法を説明する。ゲームコントローラ100の方向制御ボタン101と、選択ボタン102〜109は、各ボタン固有のキーにも対応する。各ボタンは、押している間は、修飾キーの機能が有効となるが、以下のようにボタンを押すことで、各ボタン固有に対応するキーの入力を行うことができる。選択ボタン103は、ボタン固有のキー機能として、バックスペースキーに対応する。ゲームコントローラ100のボタンが1つも押されていない状態から、選択ボタン103を押して、選択ボタン103を解放したとき、選択ボタン103が押されていた時間が、一定の制限時間以内であれば、バックスペースキーのキー入力が行われる。選択ボタン103が押されてから解放されるまでの間、他のキーを押したり、一定の制限時間以内にボタンが解放されなかった場合は、バックスペースキーのキー入力は行われない。この一定の制限時間であるが、これは押したボタンをすぐに解放するような操作方法であることを示している。また、正確な制限時間を示さないのは、ユーザによって、ボタンをすぐに解放できる時間に個人差が生じるためである。
【0017】
本発明では、アルファベットやひらがななど、入力する文字に応じて、各ボタンに対応するキー機能を容易に変更できる入力モードがある。この入力モードがあれば、例えば、選択ボタン102が各ボタンを「A」、「B」、「C」、「D」、「E」に対応させる修飾キーに対応していた場合、この選択ボタン102を「0」、「1」、「2」、「3」、「4」に各ボタンを対応させる修飾キーの機能に変更させることができる。この入力モードを切り替えることで、アルファベット、数字、ひらがな、記号など、様々な種類のキーを各ボタンに対応させることが可能となる。入力モードの切り替えは、各ボタンのいずれかに対応させることで、効率の良い切り替えが可能となり、キーボードと同等の機能性を備えれることが分かるであろう。
【0018】
本発明は、上述したように、タッチタイピングのし易い操作性を実現している。しかし、タッチタイピングができるようになるのは、ユーザが本発明の操作に慣れる必要がある。ユーザが、本発明の操作に慣れるまで、容易にキー入力を行えるようにするために、画面上に入力デバイスのボタンと対応するキーを示した図2の201のような図を表示するとよい。この図は、修飾キーが入力されているときや、入力モードが変更されたときなど、各ボタンの機能が変わると同時に、図の説明も変更されるものがよい。
【0019】
本発明は、上述したように、使用する入力デバイスが、ゲームコントローラに限定されないことを留意して頂きたい。入力デバイスは、両手で操作ができ、片方の指と、片方の指が、それぞれ別々のボタンを押すことができれば、ゲームコントローラ以外でも操作可能である。例えば、テレビやコンポなどのリモコン、携帯電話などで使用が可能である。
【0020】
本発明の実施形態は、例示的かつ非制限的なものとして考慮されるべきであり、本発明は、本願明細書に記載する詳細に限定されるものではなく、特許請求の範囲および均等物内において修正されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 例示的なゲームコントローラの図である。
【図2】 視覚的にキー入力の補助を行うときの画面の表示例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のボタンを有する入力デバイスの、それぞれ各ボタンに、ボタン固有のキーと、修飾キーと、各修飾キーによって前記各ボタンの機能が変更された際に対応するキーに対応させる動作を含む、キーの選択方法。
【請求項2】
前記入力デバイスの1つのボタンが押されている間、修飾キーとして機能する動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修飾キーが機能している間、押されているボタン以外の各ボタンの機能を変更させて別のキーに対応させる動作を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記修飾キーによって、ボタンの機能が変更された際に対応するキーに対応したボタンが押されたとき、押されたボタンに対応するキーが選択される動作を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記入力デバイスのボタンが1つも押されていない状態から、1つのボタンが押され、押されたボタンが解放されたとき、押されてから解放されるまでの時間が、一定の制限時間以内であれば、押されたボタンに対応するボタン固有のキーが選択される動作をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
それぞれ各ボタンに、ボタン固有のキーと、修飾キーと、各修飾キーによって前記各ボタンの機能が変更された際に対応するキーの一通りの設定を、1つの入力モードとして、さらに別のキーが設定された複数の入力モードを設ける動作をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記入力モードを、別の入力モードに切り替える動作を、前記入力デバイスのボタンに対応させる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数の制御と、複数の制御ボタンを有する入力デバイスを含み、前記各制御ボタンが、修飾キーと、修飾キーによって前記制御ボタンの機能が変更された際に対応するキーと、前記制御ボタン固有に対応するキーにそれぞれ対応する動作を含む、キーの選択システム。
【請求項9】
前記入力デバイスが、特定の前記修飾キーと、特定の前記ボタン固有に対応するキーを選択するために、第1のコマンドを送信することができる動作をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記入力デバイスが、前記修飾キーによって前記制御ボタンの機能が変更された際に対応するキーの特定のキーを選択するために、第2のコマンドを送信することができる動作をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
複数のボタンを有する入力デバイスの、それぞれ各制御ボタンが複数のキーに対応し、特定のキーを選択するために、前記入力デバイスから第1のコマンドと第2のコマンドを受信できるプログラム命令を含む、キー選択用にコンピュータ読み取り可能媒体に含まれたコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記第1のコマンドを受信している間、各制御ボタンを、機能している修飾キーによって、前記各制御ボタンの機能を変更させて別のキーに対応させるプログラム命令を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記第2のコマンドは、前記第1のコマンドを受信している間のみ、受信可能であり、機能している修飾キーによって、前記各制御ボタンの機能が変更されて対応した別のキーの、特定のキーを選択できるプログラム命令を含む、請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記第1のコマンドを受信している間の時間が、一定の制限時間以内であれば、押されていた制御ボタン固有に対応するキーが選択できるプログラム命令をさらに含む、請求項12記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−282369(P2008−282369A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148601(P2007−148601)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(507183712)
【Fターム(参考)】