説明

ゲームシステム、プログラム、及び情報記憶媒体

【課題】特定期間しか体験できないイベントを過去に遡って体験することができるゲームシステム、プログラム、及び情報記憶媒体を提供すること。
【解決手段】現実の時刻を計測するタイマーを有するゲーム装置のためのプログラムであって、ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義した第1のイベントテーブルと、前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを所定時間遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、プレーヤによる操作入力に基づき前記第1、第2のイベントテーブルの内参照するイベントテーブルを決定するイベントテーブル決定部と、決定されたイベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させるイベント発生部と、してコンピュータを機能させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、プログラム、及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のイベントのイベント毎の発生時刻を定義したイベントテーブルを参照して、ゲーム装置で現実の時刻に応じたイベントを発生させるゲームシステムが知られている。(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−248816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記ゲームシステムではあるイベントの発生時刻にゲームプレイしていないとその後当該イベントを体験することができないという問題点があった。
【0004】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
特定期間しか体験できないイベントを過去に遡って体験することができるゲームシステム、プログラム、及び情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、現実の時刻を計測するタイマーを有するゲーム装置のためのプログラムであって、
ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義した第1のイベントテーブルと、前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを所定時間遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによる操作入力に基づき前記第1、第2のイベントテーブルの内参照するイベントテーブルを決定するイベントテーブル決定部と、
決定されたイベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させるイベント発生部と、
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0006】
また本発明は上記各部を含むゲームシステムに関係する。また本発明はコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶した情報記憶媒体に関係する。
【0007】
また本発明において、イベントテーブルに定義されるイベントの発生タイミングとはイベントの発生する現実の日時及び時刻をいう。
【0008】
本発明によれば、第1のイベントテーブルとは別に、複数のイベント毎の発生タイミングを所定時間遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶し、このような第2のイベントを参照してタイマーの示す時刻に基づきイベントを発生させることで、プレーヤが発生時刻にゲームプレイしていなかったために体験することができなかったイベントを過去に遡ってプレーヤに体験させることができる。
【0009】
(2)また本発明に係るプログラム及び情報記憶媒体では、
前記イベントテーブル記憶部は、
前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを12時間の奇数倍遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、第1のイベントテーブルにおいて朝に発生すると定義されたイベントが第2のイベントテーブルにおいてはその日の夜又はその日以降の夜に発生すると定義され、同様に第1のイベントテーブルにおいて夜に発生すると定義されたイベントが第2のイベントテーブルにおいてはその日以降の朝に発生すると定義されることになるため、1日の特定の時間帯にしかゲームプレイすることができないプレーヤに当該特定の時間帯以外の時間帯に発生した過去のイベントを当該特定の時間帯に体験させることができる。
【0011】
(3)また本発明に係るプログラム及び情報記憶媒体では、
プレーヤによる操作入力に基づき、前記第1のイベントテーブルを参照してイベントを発生させる第1のゲーム空間と、前記第2のイベントテーブルを参照してイベントを発生させる第2のゲーム空間を切り替えるゲーム空間切替部としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、前記第1のイベントテーブルを参照してイベントを発生させるゲーム空間と前記第2のイベントテーブルを参照してイベントを発生させるゲーム空間を分けることで、発生するイベントが現在のイベントなのか過去のイベントなのかをプレーヤに認識させることができ、また過去に発生したはずのイベントが同じゲーム空間で再び発生するという不自然なゲーム進行を防止することができる。
【0013】
(4)本発明は、現実の時刻を計測するタイマーを有するゲーム装置のためのプログラムであって、
ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義したイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによる操作入力に基づき、前記タイマーの示す時刻に基づきイベントを発生させる第1のモードと、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻に基づきイベントを発生させる第2のモードを切り替えるモード切替部と、
前記第1のモードでは、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させ、
前記第2のモードでは、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻を算出し、前記イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させるイベント発生部としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0014】
また本発明は上記各部を含むゲームシステムに関係する。また本発明はコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶した情報記憶媒体に関係する。
【0015】
本発明によれば、第2のモードにおいて、タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻を算出し、イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきイベントを発生させることことで、プレーヤが発生時刻にゲームプレイしていなかったために体験することができなかったイベントを過去に遡ってプレーヤに体験させることができる。
【0016】
また前記所定時間を12時間の奇数倍とし、第2のモードにおいて、タイマーの示す時刻から12時間の奇数倍遡った時刻を算出し、イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきイベントを発生させることで、1日の特定の時間帯にしかゲームプレイすることができないプレーヤに当該特定の時間帯以外の時間帯に発生した過去のイベントを当該特定の時間帯に体験させることができる。
【0017】
(5)また本発明に係るプログラム及び情報記憶媒体では、
前記イベント発生部は、
前記第2のモードにおいて、プレーヤによる操作入力に基づき前記所定時間を決定し、前記タイマーの示す時刻から決定した時間遡った時刻を算出し、前記イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、過去に遡らせる時間をプレーヤに決定させることができる。
【0019】
(6)また本発明に係るゲームシステムでは、
基準時刻を取得し、前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内であるか否かを判断する時刻判断部と、
前記時刻判断部によって前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内でないと判断された場合に、前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内でないことをプレーヤに告知する告知部とを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、プレーヤがタイマーの時刻を意図的にずらして、現実の時刻に沿わないイベントを発生させる行為を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0022】
1.構成
図1に、本実施形態のゲームシステムの構成の一例を示す。
【0023】
本実施形態のゲームシステムはゲーム装置10とサーバ30を含み、ゲーム装置10とサーバ30はインターネット等のネットワーク20を介して接続されている。ゲーム装置10は携帯型ゲーム装置でもよいし、プログラム実行可能な携帯電話でもよい。ネットワーク20は、インターネットや専用回線、移動体通信網でもよいし、有線または無線のLAN回線でもよい。
【0024】
サーバ30は、ネットワーク20に接続されてデータの送受信を行う通信装置40、ワークステーション等のホストコンピュータ50、データベース60を含む。
【0025】
なお通信装置40は、モデム、ターミナルアダプタ、あるいはルーター等によって構成され、ネットワーク20を介して、ゲーム装置10や他のサーバ装置との間でデータの送受信を行う。
【0026】
図2に、本実施形態のゲームシステムのサーバ30の機能ブロック図の一例を示す。
【0027】
サーバ30は、ホストコンピュータ50、データベース60を含んでいる。
【0028】
ホストコンピュータ50は、処理部52と記憶部54と通信処理部56を含んでいる。
【0029】
通信処理部56は、ゲーム装置10やデータベース60とデータのやり取りをするもので送信機能と受信機能の両方を有するが、送信手段と受信手段とに分散して送受信機能を実現してもよい。
【0030】
処理部52は、受信した処理要求に基づき各種処理を行うもので、その機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、あるいはASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与のプログラムにより実現できる。
【0031】
処理部52は、時刻判断部58を含む。時刻判断部58は、ネットワーク20を介して時刻同期サーバ(NTPサーバ等)から基準時刻を取得し、ゲーム装置10から受信したタイマーの計時情報に基づきゲーム装置のタイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内であるか否かを判断し、判断結果をゲーム装置に送信する処理を行う。
【0032】
また処理部52は、ゲーム装置10からの送信要求に応じて、又は所定のタイミングでデータベース60に記憶された第1、第2のイベントテーブルの全部又は一部をゲーム装置10に送信する処理を行う。
【0033】
データベース60は、ホストコンピュータ50とデータの送受信を行う通信処理部62と、第1、第2のイベントテーブル66を利用可能な状態で記憶した情報記憶部64とを含んで構成され、イベントテーブルデータベースとして機能する。
【0034】
情報記憶部64は磁気的、光学的記録媒体や半導体メモリ等のCPUで読み取り可能な記憶媒体であり、例えばRAM、ハードディスク(磁気ディスク)やフレキシブルディスク、CD−ROM等により実現される。
【0035】
ここでイベントデータベースには、ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義した第1のイベントテーブルと、前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを所定時間遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルがプレーヤに関連づけて記憶されている。
【0036】
図3に、本実施形態のゲームシステムのゲーム装置10の機能ブロック図の一例を示す。なお同図において本実施形態は、少なくとも処理部100を含めばよく(或いは処理部100と記憶部170を含めばよく)、それ以外の各部(機能ブロック)については任意の構成要素とすることができる。
【0037】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、シフトレバー、アクセルペダル、ブレーキペダル、マイク、センサー、或いは筺体などのハードウェアにより実現できる。
【0038】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0039】
記憶部170は、イベントテーブル記憶部172を含む。
【0040】
イベントテーブル記憶部172は、サーバ30から取得した、ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義した第1のイベントテーブルと、前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを所定時間遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶する。
【0041】
またイベントテーブル記憶部172は、第2のイベントテーブルとして、前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを12時間の奇数倍遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶するようにしてもよい。
【0042】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD、ブルーレイディスク)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部(各手段)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部をコンピュータに実現させるためのプログラム)が記憶(記録、格納)される。
【0043】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのハードウェアにより実現できる。
【0044】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどのハードウェアにより実現できる。
【0045】
携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードなどを考えることができる。
【0046】
通信部196は、サーバ30との間で通信を行うための各種の制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0047】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバ30が有する情報記憶媒体からネットワーク20及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信するようにしてもよい。このようなサーバ30の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含まれる。
【0048】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの各種の処理を行う。この場合、処理部100は、記憶部170をワーク領域として使用して、各種の処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(メインプロセッサ、描画プロセッサ、DSP等)又はASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
【0049】
処理部100は、イベントテーブル取得部110、イベントテーブル決定部112、ゲーム空間切替部114、イベント発生部116、告知部118、画像生成部130、音生成部140を含む。
【0050】
イベントテーブル取得部110は、サーバ30から第1、第2のイベントテーブルを取得して、取得したイベントテーブルをイベントテーブル記憶部172に書き込む処理を行う。より具体的には、通信部196を介してサーバ30に対してイベントテーブルの送信要求を行うことでイベントテーブルを取得する。イベントテーブルの送信要求は起動時に毎回行ってもよいし、ゲーム装置10が有するタイマーの計時情報に基づき所定の間隔で行ってもよい。
【0051】
イベントテーブル決定部112は、操作部160からの操作データに基づきイベントテーブル記憶部172に記憶された第1、第2のイベントテーブルの内参照するイベントテーブルを決定する。
【0052】
ゲーム空間切替部114は、操作部160からの操作データに基づき第1のイベントテーブルを参照してイベントを発生させる第1のゲーム空間と第2のイベントテーブルを参照してイベントを発生させる第2のゲーム空間を切り替える処理を行う。
【0053】
イベント発生部116は、決定されたイベントテーブルを参照してゲーム装置10の有するタイマーの計時情報(タイマーの示す時刻)に基づきゲーム空間においてイベントを発生させる処理を行う。
【0054】
またイベント発生部116は、第1のイベントテーブルを参照する場合には第1のゲーム空間にイベントを発生させ、第2のイベントテーブルを参照する場合には第2のゲーム空間にイベントを発生させる処理を行ってもよい。
【0055】
告知部118は、前記タイマーの計時情報をサーバ30に送信して、サーバ30の時刻判断部58から前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内でない旨の判断結果を受信した場合に、前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内でないことをプレーヤに告知する処理を行う。ここでプレーヤへに告知する処理は、前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内でないことを文字又は画像として表示させる処理を行う場合と、音声として出力させる処理を行う場合とを含む。
【0056】
画像生成部130は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、表示部190に出力する。この場合、画像生成部130が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。
【0057】
音生成部140は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0058】
またイベントテーブル記憶部172は、ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義したイベントテーブル(第1のイベントテーブル)のみを記憶するようにしてもよい。
【0059】
この場合、イベント発生部116は、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させ、所定条件下で、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻を算出し、前記イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させる処理を行う。また図示しないモード切替部が、プレーヤによる操作入力に基づき、前記タイマーの示す時刻に基づきイベントを発生させる第1のモードと、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻に基づきイベントを発生させる第2のモードを切り替える処理を行い、イベント発生部116が前記第1のモードでは、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させ、前記第2のモード(所定条件下)では、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻を算出し、前記イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させる処理を行ってもよい。
【0060】
またイベント発生部116は、前記第2のモードにおいて、操作部160からの操作データに基づき前記所定時間を決定し、前記タイマーの示す時刻から決定した時間遡った時刻を算出し、前記イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させる処理を行ってもよい。
【0061】
またゲーム空間切替部114は、操作部160からの操作データに基づき、前記タイマーの示す時刻に基づきイベントを発生させる第1のゲーム空間と、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻に基づきイベントを発生させる第2のゲーム空間とを切り替える処理を行い、イベント発生部116は、前記第1のモードでは、前記タイマーの示す時刻に基づき前記第1のゲーム空間にイベントを発生させ、前記第2のモード(所定条件下)では、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻に基づき前記第2のゲーム空間にイベントを発生させる処理を行ってもよい。
【0062】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0063】
図4は本実施形態のゲーム空間について説明するための図である。
【0064】
プレーヤは第1のゲーム空間210内の海に浮かぶ島においてプレーヤキャラクタを操作しプレーヤキャラクタに様々な行動をとらせることができる。そして第1のゲーム空間210にいるプレーヤキャラクタを所定の建物212を通じて第2のゲーム空間220に移動させることができ、同様に第2のゲーム空間220にいるプレーヤキャラクタを所定の建物222を通じて第1のゲーム空間210に移動させることができる。
【0065】
また第1のゲーム空間210と第2のゲーム空間220では現実の世界と同期した間隔で時間が経過し、時間の経過に伴って様々なイベントが発生する。そして第2のゲーム空間220では第1のゲーム空間210で発生するイベントと同じイベントが12時間遅れで発生する。すなわちプレーヤはプレーヤキャラクタを第1のゲーム空間210から第2のゲーム空間220に移動させることで、イベント第1のゲーム空間210において12時間前に発生した過去のイベントを第2のゲーム空間220において体験することができる。また第1のゲーム空間210と第2のゲーム空間220とは別個独立したゲーム空間であり、一方のゲーム空間で発生したイベントが他方のゲーム空間に影響を与えることはない。
【0066】
図5に本実施形態の第1、第2のイベントテーブルの一例を示す。
【0067】
第1のイベントテーブル310には、第1のゲーム空間210において発生させる複数のイベント312と、イベント毎の発生時刻314(発生タイミング)が定義されている。
【0068】
また第2のイベントテーブル320には、第2のゲーム空間220において発生させる複数のイベント322(第1のイベントテーブル310に定義されたイベント312と同様のイベント)と、第1のイベントテーブル310に定義されたイベント毎の発生時刻314を12時間遅延させたイベント毎の発生時刻324が定義されている。
【0069】
ここでイベントテーブル取得部110は、月に1度サーバ30から当該月分の第1、第2のイベントテーブルを取得し、イベントテーブル記憶部172に記憶された第1、第2のイベントテーブルを更新する。例えば8月分のイベントテーブルを取得する場合には、1年分のイベントが定義された第1、第2のイベントテーブル310、320の内、発生タイミング314、324として8月1日〜8月31日を含む範囲のイベントテーブルを取得する。またイベントテーブル取得部110は、1年分のイベントが定義された第1、第2のイベントテーブルを一度に取得してもよい。
【0070】
またイベントテーブル決定部112は、プレーヤの操作入力に基づき演算される第1のゲーム空間210におけるプレーヤキャラクタの位置が所定の建物212付近にあるか否かを判断し、所定の建物212付近にあると判断した場合には、参照するイベントテーブルとして第2のイベントテーブル320を決定する。そしてゲーム空間切替部114は、演算の対象となるゲーム空間を第1のゲーム空間210から第2のゲーム空間220へと切り替える処理を行う。
【0071】
同様にイベントテーブル決定部112は、プレーヤの操作入力に基づき演算される第2のゲーム空間220におけるプレーヤキャラクタの位置が所定の建物222付近にあるか否かを判断し、所定の建物222付近にあると判断した場合には、参照するイベントテーブルとして第1のイベントテーブル310を決定する。そしてゲーム空間切替部114は、演算の対象となるゲーム空間を第2のゲーム空間220から第1のゲーム空間210へと切り替える処理を行う。
【0072】
またイベント発生部116は、参照するイベントテーブルとして第1のイベントテーブルが決定された場合には、第1のイベントテーブル310に定義されたイベント毎の発生時刻314を参照してタイマーの計時情報に基づき発生時刻となったイベントを第1のゲーム空間において発生させる処理を行う。
【0073】
同様にイベント発生部116は、参照するイベントテーブルとして第2のイベントテーブルが決定された場合には、第2のイベントテーブル320に定義されたイベント毎の発生時刻324を参照してタイマーの計時情報に基づき発生時刻となったイベントを第2のゲーム空間において発生させる処理を行う。
【0074】
このようにすることで、プレーヤは第1のイベントテーブル310に定義されたイベントの発生時刻にゲームプレイしていなかったために体験することができなかったイベントを異なる時間帯に第2のゲーム空間220において体験することができる。
【0075】
例えば夜の時間帯のみゲームプレイするプレーヤは、第1のゲーム空間210において午前中に発生するイベント「ひな祭り」「お花見」「運動会」を、第2のゲーム空間220においてその日の夜の時間帯に体験することができる。また午前中のみゲームプレイするプレーヤは、第1のゲーム空間210において夜の時間帯に発生するイベント「花火大会」「盆踊り大会」「お月見」を、第2のゲーム空間220において翌日の午前中に体験することができる。
【0076】
ここで第2のイベントテーブルに定義するイベント毎の発生時刻は、第1の第1のイベントテーブルに定義されたイベント毎の発生時刻を12時間遅延させた発生時刻に限らず、36時間、60時間等の12時間の奇数倍遅延させた発生時刻でもよい。例えば36時間時間遅延させた発生時刻を定義した場合には、第1のゲーム空間210において午前中に発生するイベントを、第2のゲーム空間220において翌日の夜の時間帯に体験することができるし、また第1のゲーム空間210において夜の時間帯に発生するイベントを、第2のゲーム空間220において翌々日の午前中に体験することができる。
【0077】
3.本実施形態の処理
次に、本実施形態のゲーム装置の処理の一例について図8のフローチャートを用いて説明する。
【0078】
まず、タイマーの計時情報をサーバ30に送信し(ステップS10)、サーバ30からタイマーの時刻と基準時刻との差が所定範囲内でないとの判断結果を受信した場合には(ステップS12)、その旨をプレーヤに告知する(ステップS14)。そしてプレーヤによって直されたタイマーの計時情報を再びサーバ30に送信する。ここでタイマーの時刻と基準時刻との差が所定範囲内であるか否かの判断は、ゲーム装置10が行ってもよい。
この場合、サーバ30、又は時刻同期サーバから基準時刻を取得して、取得した基準時刻とタイマーの計時情報に基づき上記判断を行う。
【0079】
サーバ30から基準時刻との差が所定範囲内であるとの判断結果を受信した場合には、タイマーの計時情報に基づき、データベース60に記憶された第1、第2のイベントテーブルの取得時期であるか否かを判断する(ステップS16)。取得時期であると判断した場合にはサーバ30から第1、第2のイベントテーブルを取得して、イベントテーブル記憶部172に記憶された第1、第2のイベントテーブルを更新する(ステップS18)。
【0080】
次に、プレーヤによる所定の操作入力があったか否かを判断する(ステップS20)。具体的には、プレーヤの操作入力に基づき演算されるゲーム空間におけるプレーヤキャラクタの位置が所定の位置にあるか否かを判断する。
【0081】
プレーヤによる所定の操作入力があったと判断した場合には、参照するイベントテーブルを決定し(ステップS22)、ゲーム空間を切り替える(ステップS24)。具体的には、第1のゲーム空間におけるプレーヤキャラクタの位置が所定の位置にあると判断した場合には、参照するイベントテーブルとして第2のイベントテーブルを設定するとともに演算対象となるゲーム空間を第2のゲーム空間へと切り替える処理を行う。また、第2のゲーム空間におけるプレーヤキャラクタの位置が所定の位置にあると判断した場合には、参照するイベントテーブルとして第1のイベントテーブルを設定するとともに演算対象となるゲーム空間を第1のゲーム空間へと切り替える処理を行う。
【0082】
次に、参照すべきイベントテーブルとして設定されたイベントテーブルを参照してタイマーの計時情報に基づき発生タイミングにあるイベントがあるか否かを判断する(ステップS26)。
【0083】
発生タイミングにあるイベントがあると判断した場合には、当該イベントをゲーム空間において発生させる(ステップS28)。具体的には、第2のイベントテーブルを参照する場合には第2のゲーム空間において当該イベントを発生させる処理を行い、第1のイベントテーブルを参照する場合には第1のゲーム空間において当該イベントを発生させる処理を行う。
【0084】
次に、ゲーム処理を続けるか否か判断し(ステップS30)、続けるのであればステップS16に戻り、ステップS16以下の処理を繰り返す。
【0085】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0086】
また上記実施形態では、第1のイベントテーブルとは別に複数のイベント毎の発生タイミングを所定時間遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶しておき、このような第2のイベントテーブルを参照してイベントを発生させる構成について説明したが、プレーヤによる操作入力に基づき参照するイベントテーブルを第1のイベントテーブルから第2のイベントテーブルに変更する代わりに、第1のイベントテーブル内での参照先を変更するようにしてもよい。具体的にはタイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻を算出し、第1のイベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきイベントを発生させるようにしてもよい。またプレーヤによる操作入力に基づき、タイマーの時刻に基づきイベントを発生させる第1のゲーム空間と、タイマーの時刻から所定時間遡った時刻に基づきイベントを発生さえる第2のゲーム空間を切り替えるようにしてもよい。
【0087】
また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、携帯型ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード等の種々のゲームシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本実施形態のゲームシステムの構成。
【図2】本実施形態のゲームシステムのサーバの機能ブロック図。
【図3】本実施形態のゲームシステムのゲーム装置の機能ブロック図。
【図4】本実施形態の手法の説明図。
【図5】本実施形態の手法の説明図。
【図6】本実施形態のゲーム装置の処理例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0089】
10 ゲーム装置
30 サーバ
60 データベース
58 時刻判定部
100 処理部
110 イベントテーブル取得部
112 イベントテーブル決定部
114 ゲーム空間切替部
116 イベント発生部
118 告知部
130 画像生成部
140 音生成部
160 操作部
170 記憶部
172 イベントテーブル記憶部
180 情報記憶媒体
190 表示部
192 音出力部
194 携帯型情報記憶装置
196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実の時刻を計測するタイマーを有するゲーム装置のためのプログラムであって、
ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義した第1のイベントテーブルと、前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを所定時間遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによる操作入力に基づき前記第1、第2のイベントテーブルの内参照するイベントテーブルを決定するイベントテーブル決定部と、
決定されたイベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させるイベント発生部と、
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記イベントテーブル記憶部は、
前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを12時間の奇数倍遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
プレーヤによる操作入力に基づき、前記第1のイベントテーブルを参照してイベントを発生させる第1のゲーム空間と、前記第2のイベントテーブルを参照してイベントを発生させる第2のゲーム空間を切り替えるゲーム空間切替部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
現実の時刻を計測するタイマーを有するゲーム装置のためのプログラムであって、
ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義したイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによる操作入力に基づき、前記タイマーの示す時刻に基づきイベントを発生させる第1のモードと、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻に基づきイベントを発生させる第2のモードを切り替えるモード切替部と、
前記第1のモードでは、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させ、
前記第2のモードでは、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻を算出し、前記イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させるイベント発生部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項4において、
前記イベント発生部は、
前記第2のモードにおいて、プレーヤによる操作入力に基づき前記所定時間を決定し、前記タイマーの示す時刻から決定した時間遡った時刻を算出し、前記イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1乃至5のいずれかのプログラムを記録したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項7】
現実の時刻を計測するタイマーを有するゲーム装置を含むゲームシステムであって、
ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義した第1のイベントテーブルと、前記複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを所定時間遅延させた発生タイミングを定義した第2のイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによる操作入力に基づき前記第1、第2のイベントテーブルの内参照するイベントテーブルを決定するイベントテーブル決定部と、
決定されたイベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させるイベント発生部と、
を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
現実の時刻を計測するタイマーを有するゲーム装置を含むゲームシステムであって、
ゲーム空間において発生させる複数のイベントのイベント毎の発生タイミングを定義したイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによる操作入力に基づき、前記タイマーの示す時刻に基づきイベントを発生させる第1のモードと、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻に基づきイベントを発生させる第2のモードを切り替えるモード切替部と、
前記第1のモードでは、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの示す時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させ、
前記第2のモードでは、前記タイマーの示す時刻から所定時間遡った時刻を算出し、前記イベントテーブルを参照して算出した時刻に基づきゲーム空間においてイベントを発生させるイベント発生部と、
を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項7又は8において、
基準時刻を取得し、前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内であるか否かを判断する時刻判断部と、
前記時刻判断部によって前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内でないと判断された場合に、前記タイマーの示す時刻と取得した基準時刻との差が所定範囲内でないことをプレーヤに告知する告知部とを含むことを特徴とするゲームシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate