説明

ゲームプログラム、および、当該ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部を備えたゲーム装置

【課題】プレイヤによる選択内容に応じて進行するゲームにおいて、先の選択で選択されなかった選択肢の内容に関連する内容を選択肢とすることで、切り口を変えた内容を選択肢とするゲームプログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータを複数の選択肢を設定する選択肢設定手段として機能させるゲームプログラムにおいて、選択肢設定手段が、プレイヤに選択された選択肢に応じてゲームが進行されて、さらに選択肢を設定する場合、前記選択された選択肢以外の選択肢の内容に関連する内容の選択肢を設定するようにした。例えば、手がかり選択画像で選択された選択肢に基づく詰問選択画像である選択図(b)では、手がかり選択画像で表示されて選択されなかった「捜査は誰か?」の選択肢に関連する内容の選択肢S8が設定される。これにより、切り口が異なり、相手を効果的に問い詰める選択肢を設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、および、当該ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部を備えたゲーム装置に関し、特に、プレイヤが選択肢を選択することで進行するゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが自己の分身として仮想ゲーム空間に登場するキャラクタ(以下、「プレイヤキャラクタ」とする。)を操作し、または、選択肢から選択を行うことによって、プレイヤキャラクタに動作(会話、移動、アイテムの使用など)させ、ゲームを進行させるアドベンチャーゲームが開発されている。アドベンチャーゲームは、一般的に、ゲームの進行により所定条件を満たした場合にステージをクリアしたとして、次のステージに進むように構成されている。
【0003】
また、アドベンチャーゲームにおいて、プレイヤキャラクタが他のキャラクタと会話する場合、プレイヤは、画面に表示された発言内容の選択肢の中からプレイヤキャラクタに発言させようとする内容を選択する。プレイヤによって選択肢が選択されると、選択された発言内容をプレイヤキャラクタが発言する映像が表示され、会話相手のキャラクタがこの発言内容に対する回答を発言したり、反応したりする画像が表示される。さらに会話を続ける場合、プレイヤは、画面に表示された発言内容の選択肢の中からプレイヤキャラクタに発言させようとする内容を選択する。この場合、会話の内容を深めるために、先に選択されたプレイヤキャラクタの発言内容と会話相手のキャラクタの発言内容とに関連した発言内容が選択肢として画面に表示される場合が多い。
【0004】
例えば、発言内容の選択肢として、(1)「映画どうだった。」と(2)「夕食、何食べる?」とがあり、プレイヤが(1)を選択した場合、会話相手が「とても感動した。」という発言をしたとする。この場合、先に選択された発言内容「映画どうだった。」と、会話相手の発言内容「とても感動した。」とに関連した発言内容の選択肢として、例えば(1’)「僕も、最後のシーンで泣きそうになっちゃった。」と(2’)「最後のシーン、ちょっと、わざとらしくなかった?」とが表示される。例えば、(3’)「おいしいラーメン屋があるんだ。」という発言内容は、会話が噛み合わないので、選択肢に含まないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−183047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、推理アドベンチャーゲームなどで証人を問い詰める会話の場合、先に選択された発言内容とは異なる切り口の質問をすることが有効である場合がある。すなわち、急に異なる切り口の質問がされたことで証人が動揺して、つい本当のことをしゃべってしまう場合がある。また、複数の選択肢同士の関連性を考えてこれらをうまく組み合わせて質問し、相手を追い詰めて真実に近づいていくという駆け引きが有効であることもある。したがって、意図的に切り口を変えた発言内容を選択肢とするために、発明者は、最初に選択されなかった選択肢の発言内容に関連する発言内容を選択肢とすることを考え付いた。このようにして選択肢を設定するアドベンチャーゲームは、これまで開発されていなかった。
【0007】
また、アドベンチャーゲームに限らず、他のゲームにおける選択肢の選択の場合でも、先の選択で選択されなかった選択肢の内容に関連する内容を選択肢とするものは、これまで開発されていなかった。
【0008】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、プレイヤによる選択内容に応じて進行するゲームにおいて、先の選択で選択されなかった選択肢の内容に関連する内容を選択肢とすることで、切り口を変えた内容を選択肢とするゲームプログラムを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明の第1の側面によって提供されるゲームプログラムは、コンピュータを、複数の選択肢を設定する選択肢設定手段と、前記選択肢設定手段によって設定された複数の選択肢を表示部に表示させる表示制御手段と、プレイヤによる操作部の操作に基づいて前記操作部から発信される前記選択肢を選択するための選択情報を受信する選択情報受信手段と、前記選択情報受信手段によって受信された選択情報に基づいてゲームの進行を制御するゲーム進行制御手段として機能させ、前記選択肢設定手段は、プレイヤに選択された選択肢に応じてゲームが進行されて、さらに選択肢を設定する場合、前記選択された選択肢以外の選択肢の内容に関連する内容の選択肢を少なくとも1つ設定することを特徴とする。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記コンピュータを、前記選択情報受信手段によって受信された選択情報が所定情報であるか否かを判別する所定情報判別手段としてさらに機能させ、前記選択肢設定手段は、複数の選択肢を設定する第1の選択肢設定手段と、前記第1の選択肢設定手段によって設定されてプレイヤに選択された選択肢に応じてゲームが進行されて、さらに選択肢を設定する場合、前記選択された選択肢以外の選択肢の内容に関連する内容の選択肢を設定する第2の選択肢設定手段とを備え、前記第1の選択肢設定手段は、前記所定情報判別手段によって前記選択情報が前記所定情報であると判別された場合に、設定する選択肢を変更する。
【0012】
本発明の第2の側面によって提供されるゲーム装置は、本発明の第1の側面によって提供されるゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたゲームプログラムを実行するコンピュータとを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プレイヤに選択された選択肢に応じてゲームが進行されて、さらに選択肢を設定する場合、前記選択された選択肢以外の選択肢の内容に関連する内容の選択肢が設定される。これにより、意図的に切り口を変えた内容の選択肢を設定することができる。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ゲーム装置の概観図である。
【図2】ゲーム装置の内部構成を説明するためのブロック図である。
【図3】ゲームの1場面のゲーム画像を示す図である。
【図4】詰問ステージ進行処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態として、本発明に係るゲームプログラムをゲームソフトに適用した場合について、添付図面を参照して具体的に説明する。以下の説明では、携帯型ゲーム装置においてアドベンチャーゲームを進行している場合を例として説明する。
【0017】
本実施形態に係るアドベンチャーゲーム(以下では、「本ゲーム」とする。)は、プレイヤキャラクタが事件の捜査を行って手がかりや証拠を集め、推理を行って、証言と矛盾する証拠を突きつけて新たな証言を得ることで事件を解決に導くものである。本ゲームは、複数のステージによって構成されている。ステージには、プレイヤキャラクタを操作して事件の手がかりや証拠を集める捜査ステージや、証人の証言を聞いて矛盾する内容に証拠を突きつける対決ステージ、証言を拒否する相手を証言させるために問い詰める詰問ステージなどがある。
【0018】
詰問ステージでは、限られた猶予時間(例えば1分間)内に質問および詰問を行って、相手から証言を引き出す必要がある。なお、「詰問」とは、質問についての相手の回答に対して、さらに問い詰めるための質問である。的確な詰問によって相手の証言を引き出していき、有用な証言を引き出すことができれば、当該ステージをクリアして次のステージに進むことができる。しかし、猶予時間内に有用な証言を引き出すことができなかった場合、当該ステージをクリアすることができず、再度当該ステージを開始することになる。
【0019】
詰問ステージにおいて、プレイヤは、まず、表示された複数の「手がかり」の選択肢(図1参照)の中から選択を行うことで、選択された手がかりに関する質問を行う。その質問に対する相手の回答について、複数の「詰問候補」の選択肢が表示される(図3(a),(b)参照)。プレイヤは、表示される複数の「詰問候補」の選択肢の中から選択を行うことで、選択された詰問を行う。このとき表示される「詰問候補」の選択肢は、先に表示された複数の「手がかり」の選択肢のうち選択されなかった「手がかり」の選択肢の内容と相手の回答内容とに関連する内容となっている。選択された詰問が的を射た内容であった場合、想定外の詰問が的確になされたことに相手は動揺して新たな証言をしてしまう。これにより、プレイヤはこの証言内容についての手がかりを新たに得ることができる。プレイヤが次の質問をするときには、新たな手がかりに更新された「手がかり」の選択肢が表示される(図3(c)参照)。質問、詰問、および手がかりの更新を繰り返して、猶予時間内に相手から有用な証言を引き出すことができれば、プレイヤは当該ステージをクリアして次のステージに進むことができる。
【0020】
なお、この場合、「「手がかり」の選択肢」が本発明の「第1の選択肢設定手段」によって設定される選択肢に該当し、「「詰問候補」の選択肢」が本発明の「第2の選択肢設定手段」によって設定される選択肢、すなわち、「さらに選択肢を設定する場合」の選択肢に該当する。また、「選択された詰問が的を射た内容であった場合」が本発明の「前記所定情報判別手段によって前記選択情報が前記所定情報であると判別された場合」に該当する。詰問ステージの詳細については後述する。
【0021】
次に、本実施形態に係るゲーム装置について説明する。本実施形態においては、携帯型ゲーム装置でゲームを実行する場合を例にしているので、携帯型ゲーム装置について説明する。なお、本発明に係るゲームプログラムは、携帯型ゲーム装置で実行されるゲームプログラムに限定されない。本発明は、家庭用のビデオゲーム装置、ゲームセンターに設置される業務用のビデオゲーム装置(アーケードゲーム装置)、その他のゲーム装置やパーソナルコンピュータなどのコンピュータで実行されるゲームプログラムにも適用することができる。
【0022】
図1は、携帯型ゲーム装置1(以下、「ゲーム装置1」と略称する。)の概観図である。
【0023】
ゲーム装置1は、ゲームプログラムおよびゲームデータが記憶された専用の可搬型記憶メディア(以下、「ゲームメディア」という。)から当該ゲームプログラムおよびゲームデータを装置内のRAM(Random Access Memory)に読み込み、CPU(Central Processing Unit)によってゲームプログラムを実行させることにより、プレイヤがゲーム内容を楽しむことができるものである。
【0024】
ゲーム装置1は、横長の薄型直方体形状を有する上側本体1aおよび下側本体1b等から構成されている。上側本体1aと下側本体1bとは、図示しない一対のヒンジにより回動可能に連結されており、ゲーム装置1は折り畳み可能となっている。同図は開かれた状態であり、表示画面が配置された側(以下、「正面側」とする。)を示している。また、上側本体1aと下側本体1bとは、図示しない接続部を介して電気的に接続されている。
【0025】
ゲーム装置1は、第1表示装置2、第2表示装置3、タッチパネル4、無線LANアンテナ6、マイク7、スピーカ8、操作ボタン9(後述するように、複数の操作ボタンが設けられているが、すべての操作ボタンをまとめて説明する場合、「操作ボタン9」と称する。)、タッチペン10を備えている。第1表示装置2は上側本体1aの正面側中央に設置され、第2表示装置3は下側本体1bの正面側中央に設置されている。第1表示装置2は第1表示画面2aを有し、第2表示装置3は第2表示画面3aを有している。透明のタッチパネル4は第2表示画面3aの表面を被うように設けられている。無線LANアンテナ6は、第1表示画面2a上方でゲーム装置1の内部に設けられ、マイク7は第1表示画面2aの下方に設けられている。スピーカ8は第1表示画面2aの左右に設けられ、操作ボタン9は第2表示画面3aの左右などに設けられている。タッチペン10は下側本体1bの側面に設けられた図示しない収納スペースに格納されている。なお、図示しないが、ゲームメディアを装着するためのメディア装着部が下側本体1bの背面に設けられている。
【0026】
第1表示装置2および第2表示装置3は、それぞれの表示画面である第1表示画面2a、第2表示画面3aにゲームのタイトル画像、メニュー画像、ゲームの進行画像などの各種画像を表示するための表示装置であり、例えば、半透過型カラー液晶ディスプレイで構成され、略同一の表示画面を有する。
【0027】
タッチパネル4は、プレイヤがパネル面を直接指やタッチペン10で触れる(以下、「タッチする」という。)ことで、プレイヤの指示をCPUに入力する入力装置である。タッチパネル4のパネル面には多数の微小コンデンサまたは微小抵抗が格子状に配置されており、微小コンデンサの静電容量または微小抵抗の抵抗値の変化によって接触位置が検出され、接触位置の情報信号がCPUに入力される。CPUは、入力される接触位置の情報信号に基づいて、プレイヤによる操作を判断する。
【0028】
無線LANアンテナ6は、ゲーム装置1の内部の無線LANモジュール(図示しない)が送信データをキャリア周波数に変調した電磁波を送信し、電磁波を受信して無線LANモジュールに送る。マイク7は、音声を入力するための入力装置である。スピーカ8は、効果音や音声案内を出力するための出力装置である。
【0029】
操作ボタン9は、プレイヤの指示をCPUに伝えるものであり、プレイヤに操作(押圧)されることで操作信号をCPUに入力する。CPUは、入力される操作信号に基づいて、プレイヤによる操作を判断する。操作ボタン9には、電源の入/切を行うための電源スイッチ(図示せず)やゲームの開始時に「ゲーム開始」を指令するための「START」ボタン9c、ゲーム開始時にゲームの動作モードなどを選択するための「SELECT」ボタン9d、メニュー画面や選択画面における選択のための十字キー9eや、各種の操作を入力するための6つのボタン(Aボタン9a、Bボタン9b、Xボタン9x、Yボタン9y、Lボタン9l、Rボタン9r)などが含まれる。なお、Lボタン9lおよびRボタン9rは、下側本体1bの上面(図1における上側の面)の両端に配置されているので、図1においては表示されていない。
【0030】
図2は、ゲーム装置1の内部構成を説明するためのブロック図である。
【0031】
ゲーム装置1は、CPU101、描画データ生成プロセッサ102、RAM103、ROM(Read Only Memory)104、描画処理プロセッサ105、VRAM106、D/A(Digital-Analog)コンバータ107、音声処理プロセッサ108、アンプ109、音声入力処理部110、入力信号処理部111、操作部112、ドライバ113、無線LANモジュール114、および、バス115を含んでいる。
【0032】
ゲーム装置1では、ゲームプログラムおよびゲームデータ(背景やキャラクタなどの画像データ、効果音やBGMなどの音声データ、文字や記号によるメッセージデータなど)が記憶されているゲームメディア11がゲーム装置1に設けられたメディア装着部(図示省略)に装着され、ゲームメディア11内のゲームプログラムおよびゲームデータがドライバ113によってRAM103に読み込まれる。ゲームプログラムがCPU101によって実行され、プレイヤは、操作部112に設けられた操作ボタン9を操作したり、タッチパネル4にタッチしたりすることにより、ゲームを進行させることができる。
【0033】
CPU101、描画データ生成プロセッサ102、RAM103、ROM104、描画処理プロセッサ105、音声処理プロセッサ108、音声入力処理部110、入力信号処理部111、操作部112、ドライバ113および無線LANモジュール114はバス115によって相互にデータ伝送可能に接続されている。
【0034】
CPU101は、ゲームメディア11からRAM103に読み込まれたゲームプログラムを実行することにより、ゲーム進行を統括的に制御する。より具体的には、操作部112からプレイヤによる操作ボタン9の操作による操作信号が入力されたり、入力信号処理部111から操作信号(接触位置の情報信号)が入力されたり、音声入力処理部110から操作信号(音声信号)が入力されると、CPU101は、ゲームプログラムに従ってこれらの操作信号に対する所定のゲーム進行処理を行い、その処理結果を各表示装置2、3にゲーム進行を示す画像(以下、「ゲーム画像」という。)として表示するとともに、スピーカ8から音響によって出力する。
【0035】
各表示装置2、3に表示するためのゲーム画像の描画処理は、主として描画処理プロセッサ105によって行われる。CPU101は、操作部112、入力信号処理部111および音声入力処理部110から入力される操作信号に基づき、各表示装置2、3に表示すべきゲーム画像の内容を決定し、その内容に対して必要な描画データを描画データ生成プロセッサ102に生成させ、その描画データを描画処理プロセッサ105に転送して描画処理を行わせる。
【0036】
また、CPU101は、スピーカ8から出力すべき効果音若しくはBGMの音響内容を決定する。音声処理プロセッサ108は、その音響内容に対応した音声データをRAM103から読み出して所定の音声信号処理を施し、スピーカ8から出力させる。
【0037】
描画データ生成プロセッサ102は、描画処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU101は、各表示画面2a、3aに表示すべきゲーム画像を決定し、そのゲーム画像の描画に必要な画像データをRAM103から読み出して描画データ生成プロセッサ102に供給する。また、CPU101は、操作部112、入力信号処理部111および音声入力処理部110から入力される操作信号に基づく情報(以下、「操作情報」とする。)を描画データ生成プロセッサ102に供給する。描画データ生成プロセッサ102は、CPU101から供給される画像データと操作情報に基づいて、描画に必要なデータを演算し、その演算結果を描画処理プロセッサ105に供給する。
【0038】
RAM103は、ドライバ113によってゲームメディア11から読み込まれたゲームプログラムおよびゲームデータを格納するエリアと、CPU101がゲームプログラムを処理するためのワークエリアを提供するものである。RAM103には、ゲームの進行に応じて必要なゲームプログラムとゲームデータとがゲームメディア11から読み込まれて記憶される。ゲームプログラムには、CPU101に実行させるための処理手順や各種命令等が記述されており、その中には、操作部112などから入力される操作信号に応じてゲーム画面や音声等を制御するための内容が含まれている。ゲームデータには、例えば、キャラクタやアイテム、背景を構成する画像データなどが含まれ、各種説明のためのメッセージデータや、BGMや各種の効果音として用いられる音声データも含まれている。
【0039】
ROM104には、ディスクローディング機能などのゲーム装置1の基本的機能やゲームメディア11に記憶されたゲームプログラムおよびゲームデータを読み出す手順などを示す基本プログラムが記憶されている。CPU101は、メディア装着部にゲームメディア11が装着されると、ROM104の基本プログラムに従ってドライバ113を動作させ、ゲームメディア11からゲームプログラムおよびゲームデータをRAM103に読み込み、ゲーム開始状態に設定する。
【0040】
描画処理プロセッサ105は、1/60秒毎にゲーム画像を生成し、各表示画面2a、3aに表示させるものである。描画処理プロセッサ105は、CPU101からの描画指令に基づき、描画データ生成プロセッサ102から供給されるデータを用いて、第1表示画面2aに表示させるゲーム画像と第2表示画面3aに表示させるゲーム画像とを1/60秒ごとに交互に作成する。描画処理プロセッサ105にはゲーム画像の作成作業をするためのVRAM106が接続されている。
【0041】
VRAM106には、各表示画面2a、3aに表示される各コマの画像データを格納するためのバッファ領域(以下、「スクリーンバッファ」という。)が2個設けられている。スクリーンバッファ106aは第1表示画面2aに表示されるコマの画像データを、スクリーンバッファ106bは第2表示画面3aに表示されるコマの画像データを格納する。これらのスクリーンバッファ106a,106bは同一のメモリ構造およびメモリ容量を有している。また、図示はしていないが、VRAM106はこれらのスクリーンバッファ106a,106bに表示用の画像を作成するための作業領域を有している。
【0042】
D/Aコンバータ107は、VRAM106から出力される画像データをアナログ信号に変換して各表示装置2、3に出力するものである。D/Aコンバータ107にはスクリーンバッファ106aからの画像データとスクリーンバッファ106bからの画像データを切り換えるスイッチ回路が設けられ、このスイッチ回路の切り換えは描画処理プロセッサ105によって制御される。
【0043】
すなわち、描画処理プロセッサ105は、スクリーンバッファ106aを用いて第1表示画面2aの表示処理を行っている間に、作業領域を用いてスクリーンバッファ106bに次の第2表示画面3aに表示されるコマの画像データを作成し、スクリーンバッファ106bを用いて第2表示画面3aの表示処理を行っている間に、作業領域を用いてスクリーンバッファ106aに次の第1表示画面2aに表示されるコマの画像データを作成するという切り替えを1/60秒ごとに行っている。
【0044】
音声処理プロセッサ108は、CPU101からの指令に基づき、RAM103から効果音またはBGMの音声データを読み出し、所要の加工処理とD/A変換処理をした後、アンプ109に出力する。アンプ109は、音声処理プロセッサ108から入力される音声信号を所定の増幅度で増幅した後、スピーカ8に出力する。
【0045】
音声入力処理部110は、マイク7から入力された音声入力にA/D変換処理をして、音声信号を操作信号としてCPU101に入力する。
【0046】
入力信号処理部111は、タッチパネル4から入力されるタッチ情報(センサである微小コンデンサまたは微小抵抗の変化情報)に基づいてパネル面における接触位置を算出し、その接触位置の情報を操作信号としてCPU101に入力する。
【0047】
タッチパネル4のパネル面には、左上隅を原点0として下方向にy軸、右方向にx軸が設定されており、パネル面に設けられた多数の微小コンデンサまたは微小抵抗などのセンサにはセンサ位置(x,y)が定義されている。プレイヤがタッチパネル4をタッチペン10または指などで触れた場合、接触領域には複数のセンサが含まれ、これらのセンサから接触があったことを示す信号が入力信号処理部111に入力される。入力信号処理部111は、入力信号から接触のあったセンサの各座標(x,y)を算出して、これらの座標から接触領域の中心位置を算出し、その算出結果を接触位置の情報としてCPU101に入力する。例えば、接触のあった領域のx軸方向の範囲がxmin〜xmax、y軸方向の範囲がymin〜ymaxである場合、入力信号処理部111は、((xmin+xmax)/2,(ymin+ymax)/2)を接触位置の座標としてCPU101に入力する。
【0048】
操作部112は、CPU101に操作信号を入力するものである。操作部112には各種操作ボタン9が設けられており、プレイヤが操作した操作ボタン9に基づいて操作信号が入力される。
【0049】
ドライバ113は、メディア装着部に装着されたゲームメディア11から当該ゲームメディア11に記憶されたゲームプログラムやゲームデータなどのデータを読み取るものである。
【0050】
無線LANモジュール114は、無線LANによって他のゲーム装置1とデータ通信を行うための通信モジュールである。無線LANモジュール114は、他のゲーム装置1の無線LANモジュール114との間でデータ通信を行い、他の複数のゲーム装置1との間で操作情報やゲームのステータスデータ等の各種情報を相互に送受する機能を果す。
【0051】
次に、本ゲームにおける詰問ステージでのゲームの進行について、図1、図3、および図4を参照して説明する。
【0052】
上述したように、詰問ステージでは、プレイヤが画面上に表示される複数の選択肢の中から質問および詰問内容を選択する。また、ステージ開始からの経過時間(以下では、「ステージの経過時間」とする。)が計時されており、当該ステージに設定された猶予時間から経過時間を差し引いた残存時間が画面上に表示される。
【0053】
図1の第1表示画面2aおよび第2表示画面3aに表示されている画像は、詰問ステージの1場面のゲーム画像である。なお、同図に示すゲーム画像は、手がかりについての質問選択のための画像の例である。
【0054】
第1表示画面2aには、プレイヤキャラクタなどのキャラクタと、そのキャラクタのセリフが表示される。同図においては、画面中央左側にプレイヤキャラクタPCが表示され、そのセリフW1が画面下方に表示されている。
【0055】
第2表示画面3aには、複数の選択肢アイコン、カーソル、および猶予時間バーが表示される。選択肢アイコンは「手がかり」または「詰問候補」が記載されたアイコンであり、プレイヤが手がかりまたは詰問内容を選択するために使用する。同図においては、「手がかり」の選択肢アイコンS1〜S3が画面中央に表示され、選択肢アイコンを選択するためのカーソルCが選択肢アイコンS3の四隅を囲うように表示されている。カーソルCはプレイヤの操作によって移動する。なお、カーソルCの形状は限定されず、いずれの選択肢アイコンが選択されている状態であるかをプレイヤに認識させることができるものであればよい。たとえば、選択肢アイコン全体を囲うような形状としてもよいし、選択肢アイコンの色を変更したり文字を点滅させたりするようにしてもよい。
【0056】
また、猶予時間バーBが画面上方に表示されている。猶予時間バーBは、全体の長さ(同図における左右方向の長さ)で当該ステージの猶予時間を表し、白色部分Bwでステージの経過時間を表し、黒色部分Bbで残存時間を表している。時間の経過とともに、白色部分Bw(経過時間)の長さが長くなり、黒色部分Bb(残存時間)の長さが短くなっていく。なお、本ゲームでは選択肢が表示されていない間は経過時間の計時を停止するようにしているので、この間は猶予時間バーBが変化しない。また、本ゲームでは、所定の場合に経過時間が増加したり減少したりする。プレイヤは猶予時間バーBを見ることで経過時間の増加や減少を認識することができる。ステージの経過時間が猶予時間に達すると黒色部分Bbがなくなり、猶予時間が経過したことを認識することができる。なお、猶予時間バーBの表示位置や形状は限定されない。例えば、猶予時間バーBを画面の下方に表示したり、猶予時間バーBの形状を縦長にして画面の左側や右側に表示するようにしてもよい。また、アナログ表示のタイマーのような形状として、経過時間に応じて針を回転させるようにしてもよい。また、経過時間や残存時間をデジタル表示してもよい。
【0057】
プレイヤは、十字キー9eを操作することでカーソルCを移動させることができる。すなわち、十字キー9eの上側が押圧されるとカーソルCが上側の選択肢アイコンに移動し、十字キー9eの下側が押圧されるとカーソルCが下側の選択肢アイコンに移動する。同図の状態で十字キー9eの上側が押圧されると、カーソルCは選択肢アイコンS2の四隅を囲う位置に移動する。また、プレイヤは、Aボタン9aを押圧することで選択する選択肢アイコンを決定することができる。同図の状態でAボタン9aが押圧されると、選択肢アイコンS3の選択が決定される。また、プレイヤは、タッチパネル4にタッチすることで選択する選択肢アイコンを決定することもできる。すなわち、第2表示画面3a上に表示されている選択肢アイコンの位置のタッチパネル4がタッチされると、選択する選択肢アイコンが直接決定される。例えば、選択肢アイコンS1の位置のタッチパネル4がタッチされると、選択肢アイコンS1の選択が直接決定される。なお、プレイヤがマイク7に声を入力することで操作できるようにしてもよい。例えば、プレイヤが、選択肢アイコンに記載されている文字や、選択肢アイコンに付されている番号(同図においては記載していない)を読み上げることで、選択する選択肢アイコンを決定することができるようにしてもよい。なお、操作の方法はこれに限られない。
【0058】
詰問ステージは、複数のフェーズ(場面)によって構成されている。各フェーズで的確な詰問を選択することができると、手がかりが更新され、次のフェーズに進むことができる。そして、最終のフェーズで的確な詰問を選択することができると、当該詰問ステージをクリアすることができる。本ゲームでは各詰問ステージがそれぞれ3つのフェーズ(第1〜第3フェーズ)で構成されている。なお、詰問ステージを構成するフェーズの数は限定されない。また、詰問ステージを1つのフェーズのみ(すなわち、フェーズという概念を取り入れない)としてもよい。
【0059】
各フェーズは、プレイヤキャラクタPCが複数の「手がかり」の選択肢から選択を行う場面から開始される。図1における画像は、プレイヤキャラクタPCが参考人EC(後述する図3参照)に質問および詰問を行う詰問ステージの第1のフェーズにおける手がかりを選択するための画像(以下では、「手がかり選択画像」とする。)を示している。まず、第1表示画面2aにプレイヤキャラクタPCがセリフW1をしゃべる画像が表示され、その後、第2表示画面3aに「手がかり」の選択肢アイコンS1〜S3が表示される。本ゲームでは、選択肢が表示されていない間は経過時間の計時を停止している。すなわち、第1表示画面2aの演出(プレイヤキャラクタPCがセリフW1をしゃべる演出)を行っている間は選択肢を表示せずに経過時間の計時を停止しておき、当該演出が終了したときに選択肢を表示して経過時間の計時を再開する。したがって、演出が行われている間は猶予時間バーBの変化(黒色部分Bbが短くなり、白色部分Bwが長くなる。)が停止し、演出が終わって選択肢が表示されることで、猶予時間バーBの変化も再開する。なお、これに限られず、ステージ開始から停止することなく経過時間の計時を続けてもよい。この場合、猶予時間バーBは変化し続ける。
【0060】
選択肢アイコンS1〜S3が表示されると、プレイヤは選択肢を選択できる状態(ゲーム装置(CPU)が、プレイヤの操作に基づく選択情報の受信を許可する状態)になり、経過時間の計時が再開される。
【0061】
プレイヤがいずれかの選択肢を選択する(すなわち、操作によりいずれかの選択肢アイコンの選択を決定する)と、第1表示画面2aにプレイヤキャラクタPCが選択された選択肢に対応する質問を行う画像が表示される。例えば、図1の状態において選択肢アイコンS3が選択された場合、プレイヤキャラクタPCがしゃべる画像と、「本当に、彼女が犯人なのか?」というセリフ(質問)が表示される。なお、質問の演出の間もステージの経過時間の計時が停止している。質問の演出が終了すると、その質問に対して参考人ECが回答する演出が行われる(図3(a)参照)。
【0062】
図3(a)および(b)は、選択肢アイコンS3が選択されたときの参考人ECの回答に対する詰問選択のための画像(以下では、「詰問選択画像」とする。)を示している。
【0063】
同図(a)は、プレイヤキャラクタPCからの質問に対して、参考人ECが回答(セリフW2)を行っている画像が第1表示画面2aに表示され、その回答に対する「詰問候補」の選択肢アイコンS5,S6、および、ゲーム画像を次の画像に進めるための送り操作を選択するための選択肢アイコンS4が第2表示画面3aに表示されている状態を示している。このときも、第1表示画面2aの演出を行っている間はステージの経過時間の計時が停止され、選択肢アイコンS4〜S6が第2表示画面3aに表示されてから経過時間の計時が再開される。
【0064】
本実施形態において、「詰問候補」の選択肢は、手がかり選択画像(図1参照)で表示されて選択された「手がかり」の選択肢に対応する質問に対する参考人ECの回答内容と、手がかり選択画像で表示されて選択されなかった「手がかり」の選択肢の内容とに関連する内容となっている。例えば、選択肢アイコンS5が示す「詰問候補」の選択肢は、参考人ECの回答内容であるセリフW2に含まれる「銃撃」の言葉(図3(a)のセリフW2において、太字で示されている。)と、「手がかり」の選択肢アイコンS1が示す内容に含まれる「根拠」の言葉(図1の選択肢アイコンS1において、斜体字で示されている。)とを含んだ内容となっている(図3(a)の選択肢アイコンS5において、「銃撃」の言葉が太字で示され、「根拠」の言葉が斜体字で示されている。)。また、選択肢アイコンS6が示す「詰問候補」の選択肢は、参考人ECの回答内容であるセリフW2に含まれる「銃撃」の言葉と、「手がかり」の選択肢アイコンS2が示す内容に含まれる「捜査」の言葉(図1の選択肢アイコンS2において、斜体字で示されている。)とを含んだ内容となっている(図3(a)の選択肢アイコンS6において、「銃撃」の言葉が太字で示され、「捜査」の言葉が斜体字で示されている。)。
【0065】
同図(b)は、同図(a)において選択肢アイコンS4が選択された場合に表示される詰問選択画像を示している。すなわち、選択肢アイコンS4が選択されたことに対して、参考人ECがしゃべる画像とセリフW3が第1表示画面2aに表示された後、当該セリフW3に対する「詰問候補」の選択肢アイコンS7,S8および、送り操作を選択するための選択肢アイコンS4が第2表示画面3aに表示されている状態を示している。この状態で選択肢アイコンS4が選択されると、図1に示す手がかりを選択する状態(手がかり選択画像の表示)に戻る。
【0066】
このときの「詰問候補」の選択肢も、参考人ECの回答内容と手がかり選択画像で表示されて選択されなかった「手がかり」の選択肢の内容とに関連する内容となっている。例えば、選択肢アイコンS7が示す「詰問候補」の選択肢は、参考人ECの回答内容であるセリフW3に含まれる「女」の言葉(図3(b)のセリフW3において、太字で示されている。)と、「手がかり」の選択肢アイコンS1が示す内容に含まれる「根拠」の言葉とを含んだ内容となっている(図3(b)の選択肢アイコンS7において、「女」の言葉が太字で示され、「根拠」の言葉が斜体字で示されている。)。また、選択肢アイコンS8が示す「詰問候補」の選択肢は、参考人ECの回答内容であるセリフW3に含まれる「X国」の言葉(図3(b)のセリフW3において、太字で示されている。)と、「手がかり」の選択肢アイコンS2が示す内容に含まれる「捜査」の言葉とを含んだ内容となっている(図3(b)の選択肢アイコンS8において、「X国」の言葉が太字で示され、「捜査」の言葉が斜体字で示されている。)。
【0067】
上記の例では「詰問候補」の選択肢が選択肢アイコンS5〜S8の4種類のみであるが、より多くの「詰問候補」の選択肢を用意していてもよい。また、上記の例では、1つの画像で2つの「詰問候補」の選択肢と次の画像に進むための選択肢(選択肢アイコンS4)の3つの選択肢のみを表示しているが、より多くの選択肢を表示するようにしてもよい。この場合、手がかり選択画像(図1参照)で表示されて選択されなかった「手がかり」の選択肢の内容に関連しない内容の選択肢を含めていてもよい。
【0068】
各詰問には、「効果抜群」、「効果小」、「効果なし」、「逆効果」の4つの効果の度合いのいずれかが設定されている。
【0069】
的確な詰問であって効果が高い詰問には「効果抜群」が設定されている。プレイヤが「効果抜群」が設定された詰問を選択した場合、プレイヤキャラクタPCが当該詰問を行っている画像が表示される。そして、参考人ECがうろたえる画像とセリフが表示され、次のフェーズへ進むことができる。この場合、ボーナスとして、ステージの経過時間が所定時間(例えば、5秒)だけ減少される(戻る)。また、この場合、参考人ECのセリフから新たな手がかりが得られて、手がかりが更新される。すなわち、次のフェーズの手がかり選択画像では、前のフェーズにおける選択肢アイコンとは異なる選択肢アイコンが表示される。
【0070】
例えば、図3(b)に示す選択肢アイコンS8の詰問「捜査は、X国の元で行われるのだな!」は「効果抜群」が設定された詰問である。これが選択されると、参考人ECによって「そうだ、わがX国の元で捜査を行う。」という新たな証言が提示され、第1のフェーズが終了されて(フェーズがクリアされて)、次の第2のフェーズが開始される。
【0071】
図3(c)は、図3(b)に示す選択肢アイコンS8が選択されたことにより第1のフェーズが終了し、第2のフェーズが開始されたときの手がかり選択画像を示している。同図(c)においては、第1表示画面2aにプレイヤキャラクタPCがセリフW4をしゃべる画像が表示され、その後、第2表示画面3aに「手がかり」の選択肢アイコンS1、S2’、S3が表示される。同図(c)においては手がかりが更新されて、図1において表示されていた選択肢アイコンS2に代えて選択肢アイコンS2’が表示されている。
【0072】
図3(d)は、図3(c)において選択肢アイコンS1が選択されたときの詰問選択画像を示している。同図(d)は、プレイヤキャラクタPCからの質問に対して、参考人ECが回答(セリフW5)を行っている画像が第1表示画面2aに表示され、その回答に対する「詰問候補」の選択肢アイコンS9,S10、および、送り操作を選択するための選択肢アイコンS4が第2表示画面3aに表示されている状態を示している。同図(d)においては、更新された手がかり「なぜ、X国が?」に関連する「詰問候補」の選択肢アイコンS9が表示されている。
【0073】
的確な詰問であるが効果が小さい詰問には「効果小」が設定されている。プレイヤが「効果小」が設定された詰問を選択した場合、プレイヤキャラクタPCが当該詰問を行っている画像が表示され、参考人ECが少しうろたえる画像とセリフが表示される。この場合、ボーナスとして、ステージの経過時間が所定時間(例えば、1秒)だけ減少される。また、効果がない詰問には「効果なし」が設定されている。プレイヤが「効果なし」が設定された詰問を選択した場合、プレイヤキャラクタPCが当該詰問を行っている画像が表示され、参考人ECが平然とした画像とセリフが表示される。これらの場合、参考人ECの演出の後、次の詰問選択画像が表示される。なお、最後の詰問選択画像での選択だった場合は、このフェーズの開始当初に表示された手がかり選択画像の表示に戻る。
【0074】
不的確な詰問であって、参考人ECを怒らせてしまい逆効果となる詰問には「逆効果」が設定されている。プレイヤが「逆効果」が設定された詰問を選択した場合、プレイヤキャラクタPCが当該詰問を行っている画像が表示され、参考人ECが逆上する画像とセリフが表示されて、次の詰問選択画像が表示される(最後の詰問選択画像での選択だった場合は手がかり選択画像の表示に戻る)。この場合、ペナルティとして、ステージの経過時間が所定時間(例えば、5秒)だけ増加される(進む)。例えば、図3(a)に示す選択肢アイコンS5の詰問「では、根拠とは銃撃のことだな?」は「逆効果」が設定された詰問である。これが選択されると、参考人ECが「根拠など必要ない!」と逆上し、参考人ECに対する質問および詰問のための時間(猶予時間)が短縮される。
【0075】
「逆効果」が設定された詰問を選択してステージの経過時間が増加されたことにより経過時間が猶予時間を超えた場合、ステージをクリアできなかったとして、ステージの最初に戻る。また、「逆効果」が設定された詰問を選択した場合でなくても、ステージの経過時間が猶予時間を超えた場合、ステージをクリアできなかったとして、ステージの最初に戻る。したがって、プレイヤは詰問ステージの最初からやり直さなければならない。なお、これらの場合にゲームオーバーとしたり、他のステージ(例えば、罰ゲームとしてのステージなど)に移行するようにしてもよく、少なくともプレイしていたゲームの進行を中断させればよい。
【0076】
なお、本実施形態においては、選択された選択肢に設定されている効果の度合いが「効果抜群」のときにのみ手がかりが更新される場合について説明したが、これに限られない。例えば、選択された選択肢に設定されている効果の度合いが「効果小」のときにも手がかりが更新されるようにしてもよい。
【0077】
図4は、例えばCPU101で実行される詰問ステージを進行する処理(以下では、「詰問ステージ進行処理」とする。)を説明するためのフローチャートである。当該処理は、他のステージから詰問ステージに移行するときに開始される。
【0078】
まず、各変数の初期設定が行われる(S1)。当該詰問ステージの経過時間を計時するための変数(以下では、「ステージ経過時間」とする。)tが「0」にクリアされる。また、現在のフェーズを示すための変数fに第1フェーズを示す「1」が設定される。
【0079】
次に、画像表示処理が実行される(S2)。画像表示処理は、第1表示画面2aにキャラクタとそのセリフを表示し、第2表示画面3aに選択肢アイコンと猶予時間バーBを表示する処理である。ステップS2がステップS1に続く処理の場合、第1フェーズにおける手がかりを選択するための画像(手がかり選択画像)が表示される(図1参照)。後述するステップS9などの他のステップから戻ってきた場合は、そのときの状態に応じた画像が表示されるが、詳細は後述する。
【0080】
次に、ステージ経過時間tが1増加される(S3)。詰問ステージ進行処理では、後述するステップS3〜S6からなるループを繰り返している間、1/60秒毎にステップS3が処理されるようにしている。したがって、ステージ経過時間tは1/60秒毎に1ずつ増加される。
【0081】
次に、送り操作の操作入力があったか否かが判別される(S4)。当該判別は、操作部112または入力信号処理部111から送り操作を示す信号の入力があったか否かで判別される。詰問ステージにおける送り操作を示す信号は、詰問選択画像で選択肢アイコンS4(図3参照)を選択する操作をしたときに入力される信号であり、具体的には、カーソルCが選択肢アイコンS4の四隅を囲うように表示されているときに入力されるAボタン9aの操作信号か、選択肢アイコンS4をタッチしたときに入力される操作信号のいずれかである。このいずれかの操作信号が入力された場合、送り操作の操作入力があったと判別される。
【0082】
送り操作の操作入力がなかったと判別された場合(S4:NO)、選択操作の操作入力があったか否かが判別される(S5)。当該判別は、操作部112または入力信号処理部111から選択操作を示す信号の入力があったか否かで判別される。「詰問候補」の選択肢から選択を行う場面(図3(a)、(b)、(d)参照)における選択操作を示す信号は、詰問選択画像で選択肢アイコンS4以外の選択肢アイコン(例えば、図3(a)においては、選択肢アイコンS5およびS6)を選択する操作をしたときに入力される信号であり、具体的には、カーソルCが選択肢アイコンS4以外の選択肢アイコンの四隅を囲うように表示されているときに入力されるAボタン9aの操作信号か、選択肢アイコンS4以外の選択肢アイコンをタッチしたときに入力される操作信号のいずれかである。このいずれかの操作信号が入力された場合、選択操作の操作入力があったと判別される。また、「手がかり」の選択肢から選択を行う場面(図1および図3(c)参照)における選択操作を示す信号は、手がかり選択画像で選択肢アイコン(例えば、図1においては、選択肢アイコンS1〜S3)を選択する操作をしたときに入力される信号であり、具体的には、カーソルCが選択肢アイコンの四隅を囲うように表示されているときに入力されるAボタン9aの操作信号か、選択肢アイコンをタッチしたときに入力される操作信号のいずれかである。このいずれかの操作信号が入力された場合、選択操作の操作入力があったと判別される。
【0083】
選択操作の操作入力がなかったと判別された場合(S5:NO)、ステージ経過時間tが猶予時間T0以上であるか否かが判別される(S6)。なお、本実施形態では、ステージ経過時間tが1/60秒毎に「1」ずつ増加し1秒経過後に60になるので、猶予時間T0を3600(=当該ステージの猶予時間60秒×60)としている。
【0084】
なお、図4のフローチャートでは記載していないが、Aボタン9a以外の操作ボタン9の操作による操作信号が入力された場合、所定の処理が行われる場合がある。例えば、十字キー9eの操作による操作信号が入力された場合はカーソルCを移動させる処理が行われ、スタートキー9cの操作による操作信号が入力された場合はセーブ処理が行われる。カーソルCを移動させる処理ではカーソルC移動後の画像の表示を行うなどの処理をするが、これらの処理は詰問ステージ進行処理と平行して行われるので、これらの処理の間でもステージ経過時間tは増加する。一方、セーブ処理などは詰問ステージ進行処理を中断して行われるので、これらの処理の間、ステージ経過時間tの増加は停止する。
【0085】
ステップS6において、ステージ経過時間tが猶予時間T0未満の場合(S6:NO)、ステップS3に戻る。ステップS4で送り操作の操作入力があったと判別されるか(S4:YES)、ステップS5で選択操作の操作入力があったと判別されるか(S5:YES)、ステップS6でステージ経過時間tが猶予時間T0以上であると判別されるまで(S6:YES)、ステップS3〜S6が繰り返される。ステップS3〜S6からなるループが繰り返されている間、ステージ経過時間tは1/60秒毎に「1」ずつ増加される。一方、ステージ経過時間tが猶予時間T0以上の場合(S6:YES)、タイムオーバー処理が実行されて(S7)、ステップS1(すなわち、当該詰問ステージの最初)に戻る。タイムオーバー処理は、猶予時間をオーバーした時の演出を行う処理であり、猶予時間内に参考人ECから証言を引き出せなかった旨、および、当該詰問ステージの最初に戻る旨が表示される。
【0086】
ステップS4において、送り操作の操作入力があったと判別された場合(S4:YES)、ステップS2に戻る。画像表示処理では、操作信号およびフェーズ情報(変数f)等に基づいて、参考人ECがしゃべる画像とセリフが第1表示画面2aに表示された後、選択肢アイコンが第2表示画面3aに表示される(図3(b)参照)。なお、最後の詰問選択画像で送り操作が行われた場合は、参考人ECがしゃべる画像とセリフが第1表示画面2aに表示された後、現在のフェーズの開始当初に表示される手がかり選択画像が表示される。例えば、プレイヤキャラクタPCがしゃべる画像とセリフが第1表示画面2aに表示され、その後、「手がかり」の選択肢アイコンS1〜S3が第2表示画面3aに表示される(図1参照)。
【0087】
ステップS5において、選択操作の操作入力があったと判別された場合(S5:YES)、当該選択操作によって選択された選択肢に設定されている効果の度合いが「逆効果」であるか否かが判別される(S8)。「逆効果」の場合(S8:YES)、ステージ経過時間tに300が加算され(S9)、ステップS2に戻る。すなわち、ペナルティとして、ステージの経過時間が5秒(=300×1/60秒)だけ増加される。ステップS2の画像表示処理では、操作信号およびフェーズ情報(変数f)等に基づいて、参考人ECが逆上した画像とセリフが第1表示画面2aに表示され、次の詰問選択画像が表示される。
【0088】
ステップS8において、「逆効果」でない場合(S8:NO)、「効果小」であるか否かが判別される(S10)。「効果小」の場合(S10:YES)、ステージ経過時間tから60が減算され(S11)、ステップS2に戻る。すなわち、ボーナスとして、ステージの経過時間が1秒(=60×1/60秒)だけ減少される。ステップS2の画像表示処理では、操作信号およびフェーズ情報(変数f)等に基づいて、参考人ECが少しうろたえる画像とセリフが第1表示画面2aに表示され、次の詰問選択画像が表示される。
【0089】
ステップS10において、「効果小」でない場合(S10:NO)、「効果抜群」であるか否かが判別される(S12)。「効果抜群」の場合(S12:YES)、ステージ経過時間tから300が減算され(S13)、フェーズを示すための変数fが1増加される(S14)。すなわち、ボーナスとして、ステージの経過時間が5秒(=300×1/60秒)だけ減少され、現在のフェーズがクリアとなって次のフェーズに進められる。
【0090】
次に、フェーズを示すための変数fが3以下であるか否かが判別される(S15)。詰問ステージは第3フェーズまでとしているので、第3フェーズが終了してf=4になった場合(S15:NO)に、ステージクリア処理が実行されて(S17)、詰問ステージ進行処理は終了される。ステージクリア処理は、ステージをクリアしたときの演出を行う処理であり、参考人ECに証言させることに成功し、次のステージに進む旨が表示される。
【0091】
ステップS15において、変数fが3以下の場合(S15:YES)、手がかり更新処理が行われ(S16)、ステップS2に戻る。手がかり更新処理は、現在のフェーズで設定されていた手がかりの一部を、参考人ECの証言から得られた新しい手がかりに更新する処理である。具体的には、手がかり選択画像に表示される「手がかり」の選択肢アイコンのデータを更新することである。ステップS2の画像表示処理では、操作信号およびフェーズ情報(変数f)等に基づいて、参考人ECがうろたえる画像とセリフが第1表示画面2aに表示され、次のフェーズに進む旨が表示されて、次のフェーズの手がかり選択画像が表示される(図3(c)参照)。このとき、手がかり更新処理で更新された「手がかり」の選択肢アイコンが表示される(図3(c)の場合、選択肢アイコンS2’参照)。
【0092】
ステップS12において、「効果抜群」でない場合(S12:NO)、すなわち、選択された選択肢に設定されている効果の度合いが「効果なし」であるか、効果の度合いが設定されていない場合(手がかり選択画像の選択肢の場合)、ステージの経過時間の増減はなく、ステップS2に戻る。ステップS2の画像表示処理では、選択肢に設定されている効果の度合いが「効果なし」であった場合は、操作信号およびフェーズ情報(変数f)等に基づいて、参考人ECが平然とした画像とセリフが第1表示画面2aに表示され、次の詰問選択画像が表示される。一方、選択肢に効果の度合いが設定されていなかった場合(手がかり選択画像の選択肢の場合)は、操作信号およびフェーズ情報(変数f)等に基づいて、当該選択肢に対応した詰問選択画像が表示される。
【0093】
なお、詰問ステージ進行処理の処理方法は、図4に示すフローチャートの例に限定されない。例えば、詰問ステージの経過時間を計時するための別の処理ルーチン(計時処理ルーチン)を並行して実行するようにしてもよい。
【0094】
上記のように、本実施形態によると、プレイヤが手がかり選択画像(図1参照)で選択した選択肢に基づいて詰問選択画像(図3(a)および(b)参照)が表示される場合、手がかり選択画像で表示されて選択されなかった「手がかり」の選択肢の内容に関連する内容の選択肢が表示される。これにより、意図的に切り口を変えた内容の選択肢を設定することができる。
【0095】
なお、上記実施形態では、2つの表示画面2a,3aを有する携帯型ゲーム装置1を使用した例を説明したが、1つの表示画面のみを有する携帯型ゲーム装置を使用してもよい。また、携帯型ゲーム装置に限られず、家庭用のビデオゲーム装置、業務用のビデオゲーム装置、その他のゲーム装置やパーソナルコンピュータなどのコンピュータを使用してもよい。
【0096】
上記実施形態では、プレイヤが1人でプレイする場合について説明したが、これに限られない。例えば、無線LANやインターネット回線を経由して他のゲーム装置1とデータ通信を行い、2人以上で同時にプレイできるようにしてもよい。また、家庭用のビデオゲーム装置や業務用のビデオゲーム装置においても、データ通信や複数の操作コントローラを用いて、複数人で同時にプレイできるようにしてもよい。
【0097】
上記実施形態では、本発明に係るゲームプログラムを推理を行うアドベンチャーゲームに適用した場合について説明したが、これに限られない。本発明は、複数の選択肢からプレイヤが発言や行動などを選択し、その選択内容に応じて進行するゲームにおいて、適用することができる。例えば、各種のアドベンチャーゲームや、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲームなどにおいても適用することができる。
【0098】
本発明に係るゲームプログラム、およびゲーム装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るゲームプログラム、およびゲーム装置の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0099】
1 ゲーム装置
2 第1表示装置(表示部)
3 第2表示装置(表示部)
4 タッチパネル(操作部)
7 マイク(操作部)
9 操作ボタン(操作部)
11 ゲームメディア(プログラム記憶部)
101 CPU(選択肢設定手段、選択情報受信手段、ゲーム進行制御手段、表示制御手段、所定情報判別手段、第1の選択肢設定手段、第2の選択肢設定手段)
102 描画データ生成プロセッサ
105 描画処理プロセッサ(表示制御手段)
110 音声入力処理部
111 入力信号処理部
112 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
複数の選択肢を設定する選択肢設定手段と、
前記選択肢設定手段によって設定された複数の選択肢を表示部に表示させる表示制御手段と、
プレイヤによる操作部の操作に基づいて前記操作部から発信される前記選択肢を選択するための選択情報を受信する選択情報受信手段と、
前記選択情報受信手段によって受信された選択情報に基づいてゲームの進行を制御するゲーム進行制御手段と、
して機能させ、
前記選択肢設定手段は、プレイヤに選択された選択肢に応じてゲームが進行されて、さらに選択肢を設定する場合、前記選択された選択肢以外の選択肢の内容に関連する内容の選択肢を少なくとも1つ設定する、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記選択情報受信手段によって受信された選択情報が所定情報であるか否かを判別する所定情報判別手段としてさらに機能させ、
前記選択肢設定手段は、
複数の選択肢を設定する第1の選択肢設定手段と、
前記第1の選択肢設定手段によって設定されてプレイヤに選択された選択肢に応じてゲームが進行されて、さらに選択肢を設定する場合、前記選択された選択肢以外の選択肢の内容に関連する内容の選択肢を設定する第2の選択肢設定手段と、
を備え、
前記第1の選択肢設定手段は、前記所定情報判別手段によって前記選択情報が前記所定情報であると判別された場合に、設定する選択肢を変更する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたゲームプログラムを実行するコンピュータと、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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