説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及び記録媒体

【課題】 ゲームに対する興趣の減退を抑制するとともに、ゲームに対する臨場感を高めることができるゲームプログラム、ゲーム装置及び記録媒体を提供する。
【解決手段】 ゲーム装置は、操作信号と複数のキャラクタデータとに基づいて、キャラクタの行動態様を選択し、選択されたキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行う。ゲーム装置は、実行されるキャラクタの行動態様の選択と、キャラクタの行動制御との表示制御を行う。特に、ゲーム装置は、バトル中において、キャラクタの行動態様の選択が行われている間に、特定の画像制御を行い、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置及び記録媒体に関するものであり、特に、複数のキャラクタの行動順序を決定し、キャラクタの行動態様を選択し、その行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行うゲームプログラム、ゲーム装置及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータや表示装置の画面上におけるゲーム上の仮想的な世界の中で、プレイヤの操作に応じてコマンド入力等が行われ、所定の行動順序に従って、ゲーム中におけるキャラクタの行動態様が選択され、予め設定された物語を進行することによって、キャラクタなどの役割をプレイヤに演じさせるゲームプログラムが種々提供されている。尚、このようなゲームは、一般的に”RPG”(Role Playing Game)と称される。
【0003】
このようなゲームプログラムにおいては、プレイヤの操作に応じて操られるキャラクタ(以下、「プレイヤキャラクタ」という)とコンピュータによって制御される敵キャラクタとが戦闘する戦闘シーンが盛り込まれ、この戦闘で敵キャラクタを倒すことによって経験値や仮想貨幣などを入手し、キャラクタレベルを上げながら物語を進行していくものが一般的に知られている。
【0004】
このようなゲームプログラムにおいては、例えば、特許文献1に示すように、戦闘シーンでプレイヤキャラクタによる攻撃などの行動が行われる場合には、所定の行動順序に従って、プレイヤキャラクタ毎に、プレイヤの操作に応じてコマンド入力等が行われ、キャラクタに対応するキャラクタデータやその操作に基づいて、キャラクタの行動態様が選択される。尚、このような行動態様の選択が行われる表示制御を、キャラクタ行動選択表示制御と称する。そして、キャラクタの行動態様が選択された後には、そのキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタが戦闘する表示制御が行われる等、キャラクタの行動制御が行われる。尚、このような行動態様の選択に基づく実際のキャラクタの行動が行われる表示制御を、キャラクタ行動表示制御と称する。このように、所定の順序に従い、キャラクタ行動選択表示制御と、キャラクタ行動表示制御とが繰り返し切り替えられることによって、戦闘シーンが実行される。また、キャラクタ行動表示制御が実行されている場合においては、行動が行われているキャラクタをプレイヤに対して明確に認識可能なように、そのキャラクタなどに対して動的な迫力を持たせる表示制御が行われる。
【0005】
また、例えば、特許文献2に示すように、画面に表示すべきキャラクタなどの表示対象についてのフォグ処理等、特定の画像制御が行われないゲームプログラムが開示されており、臨場感の溢れる画像表示が行われ、ゲームに対する興趣の向上が図られている。また、表示対象の容量に基づいて、画面に対して表示対象を表示する表示領域と表示対象を表示しない非表示領域とが設定され、表示対象が非表示領域に含まれると判定された場合には、その表示対象が表示されず、特定の画像制御が行われないゲームプログラムが開示されており、ゲーム中の画像処理において、一つの画面上に多くのキャラクタが表示可能となる。
【特許文献1】特開2004−237071号公報
【特許文献2】特開2001−351123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したゲームプログラムでは、戦闘シーンにおいて、特定の画像制御が、単に行われることにより、制御負荷が高くなり、コマ遅れ、コマ飛びなど、表示させる画像が劣化し、ゲームに対する興趣の減退を招くおそれがあった。一方、このような画像の劣化を防止するために、表示させる表示対象の数に制限が設けられると、キャラクタの位置によっては表示されるはずのキャラクタが、省略されて、表示されないことがあり、プレイヤに対して違和感を与えるおそれがあり、臨場感の高いゲームを提供しているとは言いがたい。
【0007】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、ゲームに対する興趣の減退を抑制するとともに、ゲームに対する臨場感を高めることができるゲームプログラム、ゲーム装置及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0009】
(1) プレイヤによって操作可能な操作手段を備えたコンピュータを、複数のキャラクタに関する複数のキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶手段、前記複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段、前記操作手段からの操作信号と、前記複数のキャラクタデータとに基づいて、キャラクタの行動態様を選択するキャラクタ行動態様選択手段、前記行動態様選択手段によって選択されたキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行うキャラクタ行動制御手段、前記キャラクタ行動順序決定手段によって決定された複数のキャラクタの行動順序に従って、前記キャラクタ行動態様選択手段によるキャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタ行動制御手段によるキャラクタの行動制御とを実行する特別キャラクタ行動制御手段、前記特別キャラクタ行動制御手段によって実行される前記キャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタの行動制御との表示制御を行うキャラクタ行動表示制御手段、前記キャラクタ行動表示制御手段により表示制御される前記キャラクタの行動態様の選択と前記キャラクタの行動制御とに対して、特定の画像制御を実行する特定画像制御実行手段、として機能させるゲームプログラムであって、前記特別キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定画像制御実行手段による特定の画像制御を制限する特定画像制御制限手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【0010】
(2) (1)に記載のゲームプログラムにおいて、前記キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定の画像制御の制限として、当該特定の画像制御を無効化する特定画像制御無効化手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【0011】
(3) プレイヤによって操作可能な操作手段と、複数のキャラクタに関する複数のキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶手段と、前記複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段と、前記操作手段からの操作信号と、前記複数のキャラクタデータとに基づいて、キャラクタの行動態様を選択するキャラクタ行動態様選択手段と、前記行動態様選択手段によって選択されたキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行うキャラクタ行動制御手段と、前記キャラクタ行動順序決定手段によって決定された複数のキャラクタの行動順序に従って、前記キャラクタ行動態様選択手段によるキャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタ行動制御手段によるキャラクタの行動制御とを実行する特別キャラクタ行動制御手段と、前記特別キャラクタ行動制御手段によって実行される前記キャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタの行動制御との表示制御を行うキャラクタ行動表示制御手段と、前記キャラクタ行動表示制御手段により表示制御される前記キャラクタの行動態様の選択と前記キャラクタの行動制御とに対して、特定の画像制御を実行する特定画像制御実行手段と、を備えたゲーム装置であって、前記特別キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定画像制御実行手段による特定の画像制御を制限する特定画像制御制限手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【0012】
(4) (1)又は(2)に記載のゲームプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。
【0013】
(1)、(3)又は(4)に記載の発明によれば、複数のキャラクタの行動順序に従って、プレイヤによって操作可能な操作手段からの操作信号と複数のキャラクタデータとに基づくキャラクタの行動態様の選択と、選択されたキャラクタの行動態様に基づくキャラクタの行動制御とを実行し、実行されるキャラクタの行動態様の選択と、キャラクタの行動制御との表示制御を行う。そして、キャラクタの行動態様の選択とキャラクタの行動制御とのうち、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御の実行を制限する。従って、相対的に制御負荷が大きくなるキャラクタの行動制御が行われている間に、制御負荷の高い特定の画像制御の実行以外の画像制御の制御負荷が大きくなった場合であっても、特定の画像制御が制限されているため、画像の劣化を防止し、ゲームに対する興趣の減退を抑制することができる。また、相対的に制御負荷が小さいキャラクタの行動態様の選択が行われている間に、特定の画像制御を実行するとともに、表示させるキャラクタの数に制限が設けられないため、表示されるはずのキャラクタが、省略されずに表示され、更には、特定の画像処理が行われることとなり、ゲームに対する臨場感を高めることができる。
【0014】
(2)に記載の発明によれば、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御の制限として、その特定の画像制御を無効化する。従って、制御負荷の高い特定の画像制御が全く実行されず、それ以外の画像制御のみを実行させることができ、より一層、画像の劣化を防止し、ゲームに対する興趣の減退を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、ゲームに対する興趣の減退を抑制するとともに、ゲームに対する臨場感を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
[ゲーム装置の構成]
図1は、本発明をゲーム装置に適用した場合の全体構成を示す。このゲーム装置200は、装置本体1と、プレイヤの操作に応じて装置本体1に対する制御指令を出力する(プレイヤによって操作可能な)操作手段としてのコントローラ4と、装置本体1からの画像信号に基づき画像を表示する表示装置15とで構成される。このゲーム装置200では、CRTのような表示装置15の表示面(以下「ディスプレイ」という)16に、プレイヤキャラクタ、敵キャラクタを含む複数のキャラクタ等、種々の画像を表示することでゲームが実行される。
【0018】
このゲーム装置200で実行されるゲームは、装置本体1とは別の外部記録媒体に記録されたゲームプログラムを読み込むことで実行される。そのゲームプログラムを記憶した外部記録媒体としては、CD−ROMやDVD−ROMのほか、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。本実施形態ではDVD−ROMを用いた場合について説明する。装置本体1の中央上部には開閉可能なカバー2が設けられ、このカバー2を開放することで、当該装置本体1の内部に設けられた記録媒体駆動装置としてのDVD−ROMドライブ29(図2参照)にDVD−ROM31(図2参照)を装填できる。
【0019】
コントローラ4は、プレイヤの操作によって装置本体1内のCPU21(図2参照)に制御指令を出すための入力部を種々備える。コントローラ4の左側部分には、入力部として、ゲームに登場するキャラクタを移動させるときやメニューの選択項目を移動させるときに主に操作される上方向ボタン7、下方向ボタン8、左方向ボタン9、及び右方向ボタン10が設けられている。コントローラ4の右側部分には、各種項目の決定やキャンセルを行うときに主に操作される△ボタン11、○ボタン12、×ボタン13、及び□ボタン14が設けられている。コントローラ4の中央部には、上下に選択ボタン6及びスタートボタン5が設けられている。
【0020】
表示装置15は、ビデオ信号及び音声信号の入力端子を有するもので、それぞれ装置本体1のビデオ出力端子及び音声出力端子との間で端子ケーブル18及び19により接続される。表示装置15としては、後述の画像出力部25(図2参照)から出力される画像データを表示可能なディスプレイ16と、後述の音声出力部27(図2参照)から出力される音声データを出力可能なスピーカ17L,17R(図2参照)とを一体的に有する既存のTV受像機が用いられる。尚、装置本体1と操作手段としてのコントローラ4とは、図1に示すように信号ケーブル20で接続される。
【0021】
また、装置本体1の側面部には、メモリカード32(図2参照)の差し込み口としてのメモリスロット3が設けられている。メモリカード32は、プレイヤがゲームを中断するときなどにゲームデータを一時的に記録するための記憶媒体である。このメモリカード32に記録されたデータは、カードリーダとしての機能を有する後述の通信インターフェイス30(図2参照)を介して読み取られる。
【0022】
[ゲーム装置の電気的構成]
図2は、上記ゲーム装置200のシステム構成を示す。装置本体1は、制御手段としてのCPU21と、記憶手段としてのROM22及びRAM23と、画像処理部24と、画像出力部25と、音声処理部26と、音声出力部27と、デコーダ28と、DVD−ROMドライブ29と、通信インターフェイス30とを含み構成される。
【0023】
DVD−ROMドライブ29は、DVD−ROM31を着脱自在に構成し、ここに装着されたDVD−ROM31内のゲームプログラムは、CPU21においてROM22に格納されたOS(Operating System)等の基本動作プログラムに従い読み出される。読み出されたゲームプログラムは、デコーダ28により所定の信号に変換されRAM23に格納される。
【0024】
RAM23に格納されたゲームプログラムは、CPU21において基本動作プログラム或いはコントローラ4からの入力信号に従って実行される。実行されるゲームプログラムに応じてDVD−ROM31より画像データ及び音声データが読み出され、画像データは画像処理部24に、音声データは音声処理部26にそれぞれ送られる。
【0025】
画像処理部24は、受信した画像データを画像信号に変換し、当該画像信号を画像出力部25より表示装置15に供給することによりディスプレイ16に画像を表示させる。特に、画像処理部24は、仮想的な3次元座標空間内に配置される表示対象(例えばキャラクタなどの表示オブジェクト)と視点位置との位置関係を所定のタイミング毎に算出し、表示対象を視点位置から見た画像データを生成し、生成した画像データに基づく画像をディスプレイ16に表示させる制御を行う機能を有する。
【0026】
音声処理部26は、受信した音声データを音声信号に変換し、当該音声データを音声出力部27よりスピーカ17L,17Rに供給する。
【0027】
通信インターフェイス30は、コントローラ4及びメモリカード32を着脱自在に接続でき、この通信インターフェイス30を介して、メモリカード32からのデータの読み出し及びメモリカード32へのデータの書込みが行われると共に、コントローラ4からの信号がCPU21等の各部に送られる。
【0028】
[キャラクタ個別能力]
また、上述したRAM23には、DVD−ROM31内のゲームプログラムや、メモリカード32に基づくキャラクタに関するパラメータが記憶されている。このようなキャラクタに関するパラメータの具体的な一例として、キャラクタ個別能力について図3を用いて説明する。図3は、プレイヤキャラクタA及びプレイヤキャラクタBのキャラクタ個別能力を示す説明図である。尚、以下にプレイヤキャラクタA及びプレイヤキャラクタBのキャラクタ個別能力について説明するが、他のプレイヤキャラクタ、敵キャラクタのキャラクタ個別能力もRAM23に記憶されることとなる。
【0029】
図3に示すキャラクタ個別能力は、ゲームに登場する複数のキャラクタ毎に記憶されている。キャラクタ個別能力の種類としては、ヒットポイント(以下「HP」という)、マジックポイント(以下「MP」という)、サニティポイント(以下「SP」という)、物理的攻撃力(以下「STR」という)、物理的防御力(以下「VIT」という)、すばやさ(以下「AGL」という)、魔法攻撃力(以下「INT」という)、魔法防御力(以下「POW」という)及び運(以下「LUC」という)がある。これらは数値によって表され、キャラクタレベルが同一であってもキャラクタの種類によって異なった値が設定されている。
【0030】
また、キャラクタ個別能力は、キャラクタレベル(以下「LV」という)に応じて設定されている。このLVは、ゲーム中における戦闘等の経験に応じて累積的に記憶される経験値に応じて変化する。特に、HP、MP、SPについては、キャラクタ個別能力に対応する最大HP、最大MP、最大SPと、ゲーム中において変化する実際のHP、MP、SPが記憶されることとなる。もちろん、AGL、LUCについても、後述するように、特殊アイテム又は特殊技によって変化する。
【0031】
また、これらのキャラクタ個別能力は上述したようにRAM23にロードされている。そして、これらのキャラクタ個別能力は、キャラクタに装備された武器、防具、アイテム等に応じて変化する。また、これらのキャラクタ個別能力は、キャラクタによってかけられた魔法、使用されたアイテムに応じて変化する。
【0032】
このように、CPU21は、RAM23に記憶されているキャラクタ個別能力等のキャラクタに関するパラメータをRAM23から読み出すこととなる。尚、このようなキャラクタ個別能力テーブルをRAM23にロードするCPU21や、RAM23は、複数のキャラクタに関する複数のキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶手段の一例に相当する。尚、このようなキャラクタ個別能力テーブルが記憶されているDVD−ROM31も、キャラクタデータ記憶手段に相当する。
【0033】
[表示画面]
次に、DVD−ROM31に記録されたゲームプログラムに基づいてCPU21により実行されるゲーム内容に伴いディスプレイ16に表示される表示画面について図4から図7を用いて具体例を説明する。
【0034】
DVD−ROMドライブ29にDVD−ROM31が装着され、装置本体1が電源ONの状態となった場合には、ディスプレイ16には「オープニングデモ」が表示される。「オープニングデモ」は、ゲームの開始を告げる演出表示である。この「オープニングデモ」を所定時間表示した後、図4(1)に示すように、ゲームタイトルが大きく描かれた「タイトル画面」が表示される。
【0035】
ここでは、具体的には、”SHADOW HEARTS”というゲームタイトルの文字を表示し、その下に、2つの選択項目(”NEW GAME”及び”CONTINUE”)を表示している。また、”NEW GAME”及び”CONTINUE”のどちらかの選択項目の左位置にカーソル41が表示され、プレイヤによる上方向ボタン7又は下方向ボタン8の操作によりカーソル41の位置が入れ替わる。そして、プレイヤにより○ボタン12が操作されたとき、カーソル41が指し示している選択項目が選択される。
【0036】
そして、上記「タイトル画面」上で”NEW GAME”が選択された場合には、プロローグ及びゲーム内容が表示され、その後、図4(2)に示すように、「ワールドマップ」が表示される。一方、上記「タイトル画面」上で”CONTINUE”が選択された場合には、プロローグ及びゲーム内容を表示せずに前回のゲーム終了時におけるセーブデータに基づいて、上記「ワールドマップ」が表示される。
【0037】
具体的には、この「ワールドマップ」上では、ゲームストーリーの舞台である「A国」の主要都市が表示され、5つの都市名で示される選択項目(”都市A”42a,”都市B”42b,”都市C”42c,”都市D”42d,”都市E”42e)が表示される。これらは、予め用意された「サブマップ」に移行するための選択項目である。プレイヤによる上方向ボタン7又は下方向ボタン8の操作により各選択項目を示すカーソル41が移動し、プレイヤによる○ボタン12の操作により一つの選択項目が選択される。こうして「サブマップ」が選択されると、当該「サブマップ」毎の画面に移行すると共に、当該「サブマップ」に応じて設定された種々のゲームが行えるようになる。具体的には、各都市内部の情景が場面展開にあわせて背景画像としてプリレンダ表示され、その中をプレイヤキャラクタ達が移動しながら各種イベントを攻略し、ストーリーが進んでいく構成となっている。
【0038】
また、この「ワールドマップ」上において、プレイヤによる□ボタン14の操作がされたときは「メニュー画面」が表示され、プレイヤは当該「メニュー画面」において種々の設定等が行える。また、「ワールドマップ」が表示されている状態において、都市が選択された場合には、その都市に対応する「サブマップ」の開始画面が表示される。この「サブマップ」上での行動は、プレイヤキャラクタが歩いたり、通行人に話しかけたり、買物をしたりといった行動が可能である。
【0039】
尚、本実施形態にかかるゲームには、プレイヤの操作に基づいて行動するプレイヤキャラクタとゲームプログラムにのみ基づいて行動する敵キャラクタが登場し、この双方のキャラクタ間の戦闘を中心として展開するゲームがディスプレイ16上で実現される。また、本実施形態では、プレイヤキャラクタとして、プレイヤキャラクタA111、プレイヤキャラクタB112、プレイヤキャラクタC113及びプレイヤキャラクタD114(ともに図5(1)参照)の4人が登場し、ゲームはこの4人のキャラクタで形成されるパーティ単位で行動するものとする。また、キャラクタ毎には、予め各種のステータスが設定されている。このステータスには、ゲーム回数や敵キャラクタを倒した回数等によって加算される経験値、所持金、武器、能力等が定められている。
【0040】
その後、「サブマップ」上で行動を開始したプレイヤキャラクタのパーティが敵キャラクタに遭遇すると、図5(1)に示すように、敵キャラクタとの戦闘が開始される。この場合においては、例えば、敵キャラクタa115、敵キャラクタb116、敵キャラクタc117の3人の敵キャラクタとの戦闘が開始される。
【0041】
このような戦闘画面においては、全てのキャラクタ(プレイヤキャラクタ、敵キャラクタを含む)の行動順序が決定され、その行動順序に従って、行動を選択し、制御することとなる。
【0042】
具体的には、図5(1)に示すように、プレイヤキャラクタA111、プレイヤキャラクタB112、プレイヤキャラクタC113及びプレイヤキャラクタD114と、敵キャラクタa115、敵キャラクタb116、敵キャラクタc117との戦闘が開始される。また、画面の上方には、図5(1)に示すように、予め予測された行動順序画像118が表示されることとなる。また、行動順番となったキャラクタを示す行動キャラクタ画像119が表示される。
【0043】
そして、行動順序に従ってプレイヤキャラクタA111が行動キャラクタとなった場合には、図5(2)に示すように、行動選択画面が表示され、コントローラ4の操作に基づいて、攻撃など、プレイヤキャラクタA111の行動の種別が選択される。そして、図6(1)に示すように、行動対象選択画面が表示され、その行動の種別におけるプレイヤキャラクタA111の行動対象が選択される。そして、図6(2)に示すように、ジャッジメントリング画面が表示され、ジャッジメントリング100、回転バー101が表示され、コントローラ4の操作に基づいて、行動の成否、行動の効果などが決定される。尚、ジャッジメントリングについては、図8から図10を用いて詳しく後述する。
【0044】
そして、コントローラ4の操作に基づいて選択、決定されたプレイヤキャラクタA111の行動の種別、行動の対象、行動の成否、行動の効果などに基づいて、図7(1)及び図7(2)に示すように、プレイヤキャラクタA111の行動演出画面が表示されることとなる。
【0045】
尚、詳しくは後述するが、図5及び図6に示すような行動選択画面、行動対象選択画面、ジャッジメントリングリング画面においては、仮想3次元空間上における奥行きをリアルに表現するためのぼかし処理が実行されることとなるが、図7に示すような行動演出画面においては、ぼかし処理が無効化(制限)されることとなる。
【0046】
[ぼかし処理]
尚、ぼかし処理とは、仮想3次元空間を演出するための処理であり、その効果は、ゲーム画面に遠近感や無限感をもたらすものである。このようなぼかし処理について図17及び図18を用いて説明する。
【0047】
ぼかし処理は、図17に示すように、視点位置214とキャラクタ212との奥行き方向の距離に基づいて実行される。具体的には、視点位置214とキャラクタ212の位置とは、奥行き方向に符号aだけ離れている。また、視点位置214から奥行き方向に所定の距離に、複数の基準位置210a、210bが設定されている。そして、視点位置214とキャラクタ212との距離に基づいて、そのキャラクタを挟む2つの基準位置(例えば、基準位置210a、210b)が決定される。つまり、視点位置とキャラクタとの奥行き方向のキャラクタ距離に基づいて、当該キャラクタ距離よりも短い第一の基準位置210aと、当該キャラクタ距離よりも長い第二の基準位置210bとが検出される。
【0048】
また、基準位置210aにおけるテクスチャの透過度がα1として設定されており、基準位置210bにおけるテクスチャの透過度がα2として設定されている。尚、視点位置214からの奥行き方向に対する距離が短い透過度α1は、視点位置214からの奥行き方向に対する距離が長い透過度α2よりも透過性が低く設定されている。
【0049】
そして、2つの基準位置210a、210bからキャラクタ212の位置までの距離が算出される。具体的には、第一の基準位置210aからキャラクタ212までの距離が符号b1、第二の基準位置210bからキャラクタ212までの距離が符号b2となる。そして、これら第一の基準位置210a、第二の基準位置210bからのキャラクタ212の距離と、第一の基準位置210a、第二の基準位置210bにおける透過度とに基づいて、キャラクタ212における透過度が算出される。これによって、視点位置214に近い基準位置のほうが、透過性が低い、即ち、反射性が高く、はっきりとした画像が表示可能となる。
【0050】
尚、ぼかし処理の他にも、キャラクタ212のポリゴンに対して実際に貼り付けられるテクスチャの色合い自体も、バイリニア補完、トライリニア補完などが実行される。
【0051】
具体的な一例としては、プレイヤキャラクタA111、プレイヤキャラクタB112、プレイヤキャラクタC113、プレイヤキャラクタD114といった順番で、視点位置からの距離が大きくなる場合には、図18に示すように、プレイヤキャラクタA111が一番はっきりとした画像として表示され、プレイヤキャラクタB112、プレイヤキャラクタC113、プレイヤキャラクタD114の順で、はっきりとした画像として表示される。尚、図18においては、表示対象のぼかし度合いを表現するために、プレイヤキャラクタを示す線をプレイヤキャラクタ毎に線種を変更させている。具体的には、プレイヤキャラクタC、プレイヤキャラクタDなどは、破線を用いて示しているが、実際には、破線として表示されるわけではない。
【0052】
このように、視点位置からの奥行き方向への距離に応じて設定された透過度に基づいて、ぼかし制御が行われることで、例えば、視点位置からの焦点(ピントが合っている点として設定される点)から遠くなるほどぼけて見える画像を生成できるようになり、いわゆる被写界深度(焦点深度)の表現が可能になる。これにより、画面内の全ての被写体にピントが合っていた従来の画像とは異なり、現実世界の視界画像のように視点からの距離に応じてフォーカシングされたリアルで自然なゲーム画像を生成できる。この結果、プレイヤの仮想現実感を格段に向上できる。
【0053】
[ジャッジメントリングの説明]
ここで、上述したジャッジメントリングについて図8から図10を用いて説明する。
【0054】
図8に示すようなジャッジメントリング100は、プレイヤキャラクタが対象キャラクタに対し選択コマンドに基づいた行動制御が行われる直前に表示され、これを利用して上記効果を決定する上で必要なパラメータが決定される。尚、図8は、プレイヤキャラクタA111が行動キャラクタとなり、ソフトヒットが選択されたときのコマンド決定時のジャッジメントリング100を示す。
【0055】
基準領域としてのジャッジメントリング100は、図6(2)に示すように、斜め方向に傾いた状態で表示される。そして、このようなジャッジメントリング100上には、図8に示すように、その中心点を支点として時計の針のように時計方向に回転する変動領域としての回転バー101が表示される。つまり、この変動領域としての回転バー101は、基準領域に対し相対的に変動することとなる。時間の経過とともに表示形態が変化する可変表示領域は、基準領域と基準領域に対し相対的に変動する変動領域とにより形成されている。
【0056】
また、ジャッジメントリング100上には、所定の角度範囲で色が塗られた領域(以下、「タイミングエリア」という)が表示される。このタイミングエリアは、プレイヤにとって相対的に有利となる「有効領域」である。また、ジャッジメントリング100において、「有効領域」を除いた領域は、プレイヤにとって相対的に不利となる「非有効領域」となる。また、このようなタイミングエリアには、後述する「特別有効領域」としての120%領域が含まれている。
【0057】
つまり、基準領域は、プレイヤにとって相対的に有利となる有効領域と、プレイヤにとって相対的に不利となる非有効領域とを含んで形成され、前記有効領域には、プレイヤにとって更に有利となる特別有効領域が含まれている。これにより、プレイヤにとって相対的に有利となる第1の効果、プレイヤにとって相対的に不利となる第2の効果、前記第1の効果よりもプレイヤにとって更に相対的に有利となる第3の効果のいずれかとして行動形態の効果を決定することとなるのである。
【0058】
その後、回転バー101の回転が開始され、当該回転バー101が上記タイミングエリア上を通過するときに、プレイヤが○ボタン12を操作できたかどうかによって、上記パラメータの内容が変更される。ここで、上記タイミングエリアは、図8に示すように3つのタイミングエリアで構成され、回転バー101が最初に通過するタイミングエリアを「第1タイミングエリア」102、次に通過するタイミングエリアを「第2タイミングエリア」103、最後に通過するタイミングエリアを「第3タイミングエリア」104とする。
【0059】
例えば、3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたとき、すなわち3つのタイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたとき、その後、プレイヤキャラクタが対象キャラクタに対し行う行動が有効となる。「戦う」コマンドが選択された場合であれば、所定の攻撃力で3回の攻撃を行い敵キャラクタにダメージを与え、「特殊」コマンドが選択され回復魔法を使用する場合であれば、所定の回復力を有する魔法をプレイヤキャラクタに対し3回かけることができ、プレイヤキャラクタに回復力を与えることができる。
【0060】
これに対し、1つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作タイミングを外したときは、そのタイミングエリアに割り振られた効果が無効となる。特に3回とも失敗した場合は、効果はゼロとなる。また、本実施形態では、ジャッジメントリング100の有効領域を視覚で認識する方式を採用しているが、要は、プレイヤの五感に働きかけてプレイヤが操作タイミングを認知できる構成であればよい。例えば、所定時間特定の音声を発生させ、その発生区間内の操作を要求する聴覚的な構成、或いは、コントローラ4や携帯端末自体を振動させ、その振動の発生区間内の操作を要求する触覚的な構成とすることも可能である。
【0061】
このようなジャッジメントリング100は、各タイミングエリアの角度範囲で形成される。具体的には、行動キャラクタがプレイヤキャラクタA111であり、攻撃コマンドが選択された場合は、第1タイミングエリア102の先頭角度が45°で終端角度が135°、第2タイミングエリア103の先頭角度が180°で終端角度が247°、第3タイミングエリア104の先頭角度が292°で終端角度が337°というように決定される。また、この図8に示すように、「120%領域」は、第1タイミングエリア102では終端角度の135°から30°減算した「105°」から終端角度の「135°」までの範囲102aであり、第2タイミングエリア103では、終端角度の247°から23°減算した「224°」から終端角度の「247°」までの範囲103aであり、第3タイミングエリア104では、終端角度の337°から15°減算した「322°」から終端角度の「337°」までの範囲104aである。
【0062】
図9は、コマンド決定後のジャッジメントリング100の表示態様を示す。ここでは、回転バー101が回転を開始し、第1タイミングエリア102上を通過しているときの様子を示している。
【0063】
尚、上記「120%領域」については上記のような場合に限らない。例えば、図10(1)に示すように、「120%領域」を先端角度から所定角度までの範囲に設け、又は図10(2)に示すように、「120%領域」を2箇所設けるようにしてもよい。図10(1)では、先端角度の45°から20°加算した角度の65°までの範囲102aを「120%領域」とした場合を示す。また、図10(2)では、先端角度の45°から20°加算した角度の65°までの範囲102aと、終端角度の135°から30°減算した角度の105°までの範囲とを「120%領域」とした場合を示す。
【0064】
[ゲーム装置の動作]
上述した構成において実行される各種の処理について図11から図15を用いて以下に説明する。
【0065】
[メインゲーム処理]
上述したように、装置本体1が電源ONの状態において、DVD−ROMドライブ29にDVD−ROM31が装着されると、ディスプレイ16には「オープニングデモ」が表示され、図11に示すようなメインゲーム処理が実行されることとなる。
【0066】
最初に、図11に示すように、図4(1)に示すような「タイトル画面」上で2つの選択項目のうち”NEW GAME”が選択されたか判定する(ST1)。この判定が”YES”のときは、プロローグ及びゲーム内容を表示し(ST2)、”NO”のとき、すなわち「タイトル画面」上で”CONTINUE”が選択されたことを判定したときは、プロローグ及びゲーム内容を表示せずに前回のゲーム終了時におけるセーブデータをセットする(ST3)。
【0067】
次に、図4(2)に示す「ワールドマップ」を表示する(ST4)。そして、「ワールドマップ」上に表示される選択項目のいずれかが選択されたか判定し(ST5)、この判定が”YES”のときは、選択に応じた「サブマップ」の開始画面が表示され、プレイヤキャラクタのパーティは当該「サブマップ」上で行動を開始する(ST6)。一方、ST5の判定が”NO”のときは、「ワールドマップ」上で□ボタン14が操作され「メニュー画面」の表示要求があるかどうか判定する(ST20)。この判定が”YES”のときは、「メニュー画面」を表示すると共に、プレイヤの操作に応じた種々の設定処理を行い(ST21)、その後ST5に処理を移す。一方、ST20の判定が”NO”のときは、再度ST5に処理を移す。ここで、「サブマップ」上での行動とは、プレイヤキャラクタが歩いたり、通行人に話しかけたり、買物をしたりといった行動である。また、この「サブマップ」上でも□ボタン14の操作により「メニュー画面」を表示させることができ、各種の操作が可能となる。例えば、「道具」コマンドを選択することで、道具コマンド処理が実行されプレイヤキャラクタの能力を回復させることができ、「売買」コマンドを選択することで、売買処理が実行され、所持しているアイテムの売買が可能となる。
【0068】
次に、「サブマップ」上で行動を開始したプレイヤキャラクタのパーティが敵キャラクタに遭遇したか判定し(ST7)、この判定が”YES”のときは、「バトル処理」を開始する(ST8)。「バトル処理」が開始されると、プレイヤキャラクタのパーティと敵キャラクタとの間で戦いを行う「戦闘シーン」へと移る。この「バトル処理」については図12を用いて後述する。一方、ST7の判定が”NO”のときは、何らかのイベントが発生したか判定する(ST9)。この判定が”YES”のときは、ST16に移り、”NO”のときは、再度ST6に処理を移す。
【0069】
次に、「バトル処理」により実行される「戦闘シーン」において、プレイヤキャラクタのパーティが敵キャラクタから逃げることに成功したか判定する(ST10)。この判定が”YES”のときは、ST16に移り、一方、敵キャラクタから逃げることに失敗した場合、あるいは敵キャラクタとの戦闘を行った場合は、「戦闘シーン」において、プレイヤキャラクタのパーティが敵キャラクタに勝ったかどうか判定する(ST11)。この判定が”YES”のとき、すなわちプレイヤキャラクタのパーティが敵キャラクタに勝ったときは、戦った敵キャラクタの種類やその戦闘内容に応じて当該パーティの各キャラクタに対し、経験値等のポイントを加算し、又はアイテムやお金等を与える(ST12)。そして、各キャラクタの経験値に応じて当該キャラクタのレベルをアップさせる(ST13)。一方、ST11の判定が”NO”のとき、すなわちプレイヤキャラクタのパーティが敵キャラクタに勝つことができなかったときは、プレイヤキャラクタのパーティ全員が死亡したかどうか判定する(ST14)。この判定が”YES”のときは、ゲームオーバーとなり(ST15)、このメインゲーム処理を終了し、”NO”のときは、ST16に処理を移す。
【0070】
ST16では、状況に応じたムービーを表示し、続いて選択サブマップのリクエスト条件をクリアしたか判定する(ST17)。この判定が”NO”のときは、再度ST6に処理を移し、”YES”のときは、エンディングに移るかどうか判定する(ST18)。この判別が”YES”のときは、所定のエンディング表示を行い(ST19)、このメインゲーム処理を終了する。一方、ST18の判定が”NO”のときは、再度ST4に処理を移す。
【0071】
[バトル処理]
上述した「バトル処理」について図12を用いて説明する。
【0072】
最初に、図12に示すように、キャラクタに関するパラメータをセットし、ターン間隔値を算出し、セットする処理を実行する(ST30)。この処理においては、CPU21は、RAM23、DVD−ROM31の所定領域から、キャラクタに関するパタメータを読み出し、RAM23の所定領域上にセットする。ここでいうキャラクタとは、「戦闘シーン」において登場させるプレイヤキャラクタ及び敵キャラクタを含む複数のキャラクタに相当する。また、ターン間隔値とは、行動順序を決定するための値であり、複数のキャラクタ(プレイヤキャラクタ、敵キャラクタを含む)毎に算出される。このターン間隔値は、複数のキャラクタ毎に設定されているすばやさ(AGL)、運(LUC)と、実行するコマンド種別に対応する実行コマンド補正値とに応じて決定される。そして、CPU21は、「戦闘シーン」において登場させる複数のキャラクタ毎に算出されたターン間隔値をRAM23の所定領域上にセットする。つまり、このような処理を実行するCPU21は、複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ST31に処理を移す。
【0073】
ST31では、図5(1)に示すような「戦闘シーン」の戦闘シーン開始画面を表示する。この開始画面では、手前にプレイヤキャラクタのパーティ(プレイヤキャラクタA111、プレイヤキャラクタB112、プレイヤキャラクタC113及びプレイヤキャラクタD114)が表示される。また、それらプレイヤキャラクタの向かい側には、各プレイヤキャラクタに対応した位置に敵キャラクタ(例えば、敵キャラクタa115、敵キャラクタb116、敵キャラクタc117)が表示される。また、図5(1)においては表示を省略するが、この開始画面の右下位置には、プレイヤキャラクタのステータスに関する情報が表示される。更には、開始画面の上方位置には、プレイヤキャラクタ、敵キャラクタにおける行動が実行される行動順序画像118や、行動順番となったキャラクタを示す行動キャラクタ画像119が表示される。
【0074】
ST32では、プレイヤキャラクタ及び敵キャラクタをも含めた、攻撃等の行動が行える順番を管理するために、「ターン順序処理」を行う。この処理において、CPU21は、各キャラクタに関する能力等から算出されるターン間隔値に基づいて、コマンド選択を有効とするキャラクタのターン順序が管理される。つまり、このような処理を実行するCPU21は、複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段の一例に相当する。
【0075】
また、CPU21は、このようなターン順序を示す画像をディスプレイ16上に表示する。また、CPU21は、コマンド選択が有効となったプレイヤキャラクタ(ここではプレイヤキャラクタA111)がズームアップされ、図5(2)に示すような「コマンド選択画面」が表示される。この処理が終了した場合には、ST33に処理を移す。
【0076】
ST33では、「ターン順序処理」でコマンド選択が有効となったキャラクタが敵キャラクタかどうか判定し、”YES”のときは、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに対して攻撃を実行するように、ゲームプログラムに従って自動処理を行う(ST34)。尚、このバトル自動処理において、CPU21は、敵キャラクタにおける行動演出画面表示制御処理を実行することとなる。これによって、後述する表示制御処理(図15参照)において、敵キャラクタにおける行動演出画面を表示する処理が実行されることとなる。つまり、このような処理を実行するCPU21は、戦闘シーンにおけるキャラクタの行動制御の表示制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、キャラクタ行動表示制御手段の一例に相当する。また、詳しく後述するが、このような行動演出画面においては、特定の画像制御が制限(無効化)される。この処理が終了した場合には、ST36に処理を移す。
【0077】
一方、ST33の判定で、コマンド選択が有効となったキャラクタがプレイヤキャラクタであると判定したときは、続いて、プレイヤの操作によるコマンド選択を受け付ける「コマンド処理」を行う(ST35)。この処理においては、コントローラ4からの操作入力に応じてコマンドを選択し、選択されたコマンドに基づく行動形態を決定することとなる。つまり、このような処理を実行するCPU21は、ST30、ST32、ST36などにおいて決定された複数のキャラクタの行動順序に従って、後述するキャラクタの行動態様の選択と、キャラクタの行動制御とを実行することとなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、特別キャラクタ行動制御手段の一例に相当する。
【0078】
CPU21は、ディスプレイ16上において、プレイヤキャラクタA111の行動形態を決定するためのコマンドが選択項目として示されたコマンドメニュー44を表示する。そして、CPU21は、コマンドメニュー44(図5及び図6参照)の左側に表示される選択カーソル45(図5及び図6参照)を、コントローラ4の上方向ボタン7又は下方向ボタン8の操作により移動させ、○ボタン12が操作されたときに選択カーソル45が左位置に表示されているコマンドが選択され、プレイヤキャラクタA111の行動形態が決定される。このコマンドメニュー44には、「攻撃」、「魔法」、「アイテム」、「防御」及び「逃げる」などが代表する各種のコマンドが表示されている。
【0079】
そして、決定された行動形態に応じた演出表示を実行する。例えば、攻撃、魔法、特定技、アイテム使用を行うコマンド(後述する「行動」コマンド)が選択された場合には、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタ等の対象となる対象キャラクタに対して行動を行うような表示処理が実行される。また、この「コマンド処理」では、プレイヤの操作タイミングによる技術介入を可能とする「ジャッジメント処理」も行われる。尚、この「コマンド処理」についての詳細は図13を用いて後述する。この処理が終了した場合には、ST36に処理を移す。
【0080】
ST36では、キャラクタが行動を行う毎にターン順序を更新する。この処理において、CPU21は、行動を行ったキャラクタをRAM23の所定領域上に記憶するとともに、行動を行ったキャラクタのターン順序を更新する。これによって、再度「ターン順序処理」を実行する際に、そのターン順序を比較し、行動を実行させるキャラクタのコマンド選択を有効とするキャラクタを決定することとなる。また、全てのキャラクタが行動を実行した場合には、行動を行ったキャラクタを、行動を行っていないものとして記憶することとなる。つまり、このような処理を実行するCPU21は、複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ST37に処理を移す。
【0081】
ST37では、ターン順序の更新表示処理を実行する。この処理において、CPU21は、ST36の処理によって更新されたターン順序に基づいて、次のターンにおける行動を実行するターン順序を更新表示する。この処理が終了した場合には、ST38に処理を移す。
【0082】
ST38では、「バトル処理」の終了条件を満たしているかどうか判定し、”NO”のときは、上記ST32の処理に戻り、”YES”のときは「ソウルポイント加算処理」を実行し(ST39)、「バトル処理」を終了する。ここで、「バトル処理」の終了条件とは、戦闘画面に登場した敵キャラクタが全滅したこと、プレイヤにおいて「逃げる」コマンドが選択され敵キャラクタから逃げることに成功したこと、プレイヤキャラクタのパーティが全滅したこと、戦闘を終了させるようなイベントが発生したこと等のいずれかである。
【0083】
[コマンド処理]
上述した「コマンド処理」について図13を用いて説明する。
【0084】
最初に、図13に示すように、コマンド画面表示制御処理を実行する(ST200)。この処理において、CPU21は、コマンドを選択するための画面を表示させるためのデータをRAM23にセットする。これによって、後述する表示制御処理(図15参照)において、セットされたデータに基づいて、コマンド画面を表示する処理が実行されることとなる。つまり、このような処理を実行するCPU21は、戦闘シーンにおけるキャラクタの行動態様の選択の表示制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、キャラクタ行動表示制御手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ST201に処理を移す。
【0085】
ST201では、「行動選択」コマンドか否かを判定する。この処理において、CPU21は、コントローラ4からの入力信号等に応じて、「行動選択」コマンドか否かを判定することとなる。ここでいう「行動選択」コマンドとは、上述した「攻撃」コマンドと、魔法コマンドを含み、その他にも、「フュージョン」コマンド等の「特定技」コマンド、「アイテム」コマンドなどが含まれる。そして、CPU21は、「行動選択」コマンドであると判定した場合には、物理攻撃、魔法、特定技、アイテム使用等の「ジャッジメント処理」を実行し(ST202)、本サブルーチンを終了する。尚、この「ジャッジメント処理」についての詳細は図14を用いて後述する。一方、CPU21は、「行動選択」コマンドであるとは判定されなかった場合には、ST203に処理を移す。
【0086】
続いて、ST203において、CPU21は、「防御コマンド」であるか否かを判定する。そして、CPU21は、「防御コマンド」であると判定した場合には、防御処理を実行し(ST204)、本サブルーチンを終了する。一方、CPU21は、「防御コマンド」であるとは判定されなかった場合には、逃亡処理を実行する(ST205)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0087】
[ジャッジメント処理]
上述した「ジャッジメント処理」について図14を用いて説明する。
【0088】
最初に、CPU21は、図14に示すように、行動選択画面をディスプレイ16に表示させるためのデータをRAM23にセットする行動選択画面表示制御処理を実行し(ST221)、「コマンド受付処理」を実行する(ST222)。これによって、後述する表示制御処理(図15参照)において、セットされたデータに基づいて、図5(2)に示すような行動選択画面を表示する処理が実行されることとなる。つまり、このような処理を実行するCPU21は、戦闘シーンにおけるキャラクタの行動態様の選択の表示制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、キャラクタ行動表示制御手段の一例に相当する。そして、CPU21は、コントローラ4から供給される操作入力信号に応じて、RAM23に記憶されたキャラクタに対応するキャラクタデータに基づいて実行する行動を決定する。具体的には、攻撃、魔法、特定技、使用するアイテムの種類を決定する。例えば、「行動選択」コマンドを選択した際、ヒット(命中)の種類を決定する。ヒットの種類は、ソフトヒット、ノーマルヒット、ハードヒット等である。この処理が終了した場合には、ST223に処理を移す。
【0089】
ST223では、CPU21は、行動対象選択画面をディスプレイ16に表示させるためのデータをRAM23にセットする行動対象選択画面表示制御処理を実行し、行動対象選択コマンド受付処理を実行する(ST224)。これによって、後述する表示制御処理(図15参照)において、セットされたデータに基づいて、図6(1)に示すような行動対象選択画面を表示する処理が実行されることとなる。つまり、このような処理を実行するCPU21は、戦闘シーンにおけるキャラクタの行動態様の選択の表示制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、キャラクタ行動表示制御手段の一例に相当する。そして、CPU21は、コントローラ4から供給される操作入力信号に応じて、ST222の処理によって選択されたコマンドに基づき行われる行動(攻撃、攻撃魔法の使用、回復魔法の使用、特定技の使用、アイテムの使用等)の対象となるキャラクタ(以下、「対象キャラクタ」という)を決定し、RAM23の所定領域上に記憶する。この処理が終了した場合には、ST225に処理を移す。
【0090】
ST225では、「ジャッジメントリング決定処理」を実行する。この処理においては、CPU21は、行動を行うキャラクタに関する能力等に応じて、ジャッジメントリング100、回転バー101の表示形態を決定する。つまり、CPU21は、RAM23に記憶されたキャラクタに対応するキャラクタデータに基づいてジャッジメントリング100、回転バー101の表示形態を決定する。この処理が終了した場合には、ST226に処理を移す。
【0091】
ST226では、CPU21は、ジャッジメントリング画面をディスプレイ16に表示させるためのデータをRAM23にセットするジャッジメントリング画面表示制御処理を実行する。これによって、後述する表示制御処理(図15参照)において、セットされたデータに基づいて、図6(2)に示すようなジャッジメントリング画面を表示する処理が実行されることとなる。つまり、このような処理を実行するCPU21は、戦闘シーンにおけるキャラクタの行動態様の選択の表示制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、キャラクタ行動表示制御手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ST227に処理を移す。
【0092】
ST227では、「ジャッジメントリング判定処理」を実行する。この処理においては、CPU21は、コントローラ4からの操作入力に応じて、攻撃等の行動の成否、行動の効果等が決定される。この処理が終了した場合には、ST228に処理を移す。
【0093】
このように、CPU21は、コントローラ4(操作手段)からの操作信号と、RAM23に記憶された複数のキャラクタデータとに基づいて、キャラクタの行動態様を選択することとなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、キャラクタ行動態様選択手段の一例に相当する。
【0094】
ST228では、HP、MP、SP、AGL、LUC等の個別能力パラメータ、ステータスの更新処理を実行する。この処理においては、CPU21は、「ジャッジメントリング判定処理」によって算出されたダメージ量又は回復値に基づきHP、MP及びSPの値を更新する。ここでは、ダメージ量、回復値等に応じたHP及びMPの加減算と、SPの減算が行われる。SPの減算は、このような処理が実行される毎に”1”減算するものとする。すなわち、キャラクタのターン毎に”1”減少するものとする。また、CPU21は、使用された特殊アイテム、又は、実行された特殊技に基づいて、AGL、LUC等の個別能力パラメータの更新記憶を実行する。更に、CPU21は、「ジャッジメントリング判定処理」によって実行された行動に応じてキャラクタのステータスを更新する。この処理でキャラクタのステータスが「異常ステータス」に更新されると、キャラクタが通常状態と異なる異常状態となる。この「異常ステータス」は、攻撃を受けたアイテムや魔法等の種類によって異なる。例えば、「毒」異常ステータスは、敵から魔法を受けたときや所定のアイテムによる攻撃を受けたときに、プレイヤキャラクタが行動を起こすターン毎にキャラクタの体力が自動的に減ってしまう異常ステータスである。また、「石化」異常ステータスは、敵から魔法を受けたときや所定のアイテムによる攻撃を受けたときに、キャラクタが石のように固まってしまい、コマンド入力が不可能となる異常ステータスである。この処理が終了した場合には、ST229に処理を移す。
【0095】
ST229では、行動演出画面表示制御処理を実行する。この処理においては、CPU21は、「コマンド受付処理」によって選択された行動の種別、「行動対象選択コマンド受付処理」によって選択された行動対象、「ジャッジメントリング判定処理」によって実行された行動の成否、行動の効果に基づいて、キャラクタ等における所定の行動(攻撃、魔法をかける、特定技をかける、アイテムを使う等)を行うといった、図7(1)及び図7(2)に示すような行動演出画面をディスプレイ16上に表示させるためのデータをRAM23にセットする行動演出画面表示制御処理を実行する。これによって、後述する表示制御処理(図15参照)において、セットされたデータに基づいて、プレイヤキャラクタにおける行動演出画面を表示する処理が実行されることとなる。尚、詳しく後述するが、このような行動演出画面においては、特定の画像制御が制限(無効化)される。また、CPU21は、更新されたパラメータに基づいて、HP、MP、SP等のパラメータ画像もディスプレイ16上に表示する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0096】
このように、CPU21は、ST221からST227などによって選択されたキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、キャラクタ行動制御手段の一例に相当する。また、このような処理を実行するCPU21は、戦闘シーンにおけるキャラクタの行動制御の表示制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するCPU21は、キャラクタ行動表示制御手段の一例に相当する。
【0097】
[表示制御処理]
上述した処理とは異なり、画像処理部24において、所定のタイミングで呼び出される「表示制御処理」について図15を用いて説明する。尚、この処理においては、上述した各種の表示制御処理においてRAM23にセットされた画面を表示させるためのデータに基づいて、画面を表示することとなる。
【0098】
最初に、画像処理部24は、視点位置や、光源位置などを設定し、表示対象3次元座標算出処理を実行する(ST231)。この処理において、画像処理部24は、表示させるキャラクタなど、CPU21から供給されたデータに基づく表示対象を選択する。そして、画像処理部24は、選択した表示対象に関する全てのポリゴンの3次元座標を読み出し、仮想3次元座標に配置する。この処理が終了した場合には、ST232に処理を移す。
【0099】
ST232では、表示対象3次元変換処理を実行する。この処理において、画像処理部24は、視点位置と、配置した表示対象の3次元座標とに基づいて、視点位置を基準とした表示対象との位置関係を算出する。この処理が終了した場合には、ST233に処理を移す。
【0100】
ST233では、行動制御中であるか否かを判定する。この処理において、画像処理部24は、各種の表示制御処理においてセットされたデータに基づいて、プレイヤキャラクタ、又は、敵キャラクタにおける行動演出画面を表示させるか否かによって、行動制御中であるか否かを判定することとなる。画像処理部24は、行動制御中であると判定した場合には、ST234を実行することなく、ST235に処理を移す。一方、画像処理部24は、行動制御中ではないと判定した場合には、ST234に処理を移す。
【0101】
ST234では、特定の画像制御処理を実行する。この処理において、画像処理部24は、特定の画像制御処理としてのぼかし処理を実行する。画像処理部24は、視点位置と、表示対象の中心との距離を算出する。そして、CPU21は、それら視点位置と表示対象の中心との距離に基づいて、2つの基準位置を検出し、それら2つの基準位置と表示対象の中心との距離や、それら2つの基準位置に設定されている透過度などに基づいて、表示対象の中心における透過度を算出する。これによって、CPU21は、視点位置からの表示対象の距離に基づく焦点深度の画像を表示するためのデータをセットする。この処理が終了した場合には、ST235に処理を移す。
【0102】
ST235では、レンダリング処理を実行する。この処理において、画像処理部24は、ST232において算出した視点位置を基準とした表示対象との位置関係などに基づいて、画像化するためのデータを生成する。特に、画像処理部24は、ST234を実行している場合においては、特定の画像処理を実行したレンダリング処理を実行し、ST234を実行していない場合においては、特定の画像処理を実行しないレンダリング処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ST236に処理を移す。
【0103】
つまり、このような処理を実行する画像処理部24は、表示制御されるキャラクタの行動態様の選択に対して、特定の画像制御を実行することとなる。一方、画像処理部24は、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御を無効化し、特定の画像制御を制限することとなる。尚、このような処理を実行する画像処理部24は、特定画像制御実行手段、特定画像制御制限手段、特定画像制御無効化手段の一例に相当する。
【0104】
ST236では、全表示対象における処理が終了したか否かを判定する。この処理において、画像処理部24は、各種の表示制御処理においてセットされたデータに基づいて表示させる全ての表示対象(例えば、キャラクタなど)に対して、ST231からST235の処理を実行したか否かによって、全表示対象における処理が終了したか否かを判定することとなる。画像処理部24は、全表示対象における処理が終了したと判定した場合には、ST237に処理を移す。一方、画像処理部24は、全表示対象における処理が終了していないと判定した場合には、再度、ST231に処理を移し、処理が終了していない表示対象に対してST231からからST235の処理を実行することとなる。
【0105】
ST237では、画像表示処理を実行する。この処理において、画像処理部24は、ST235におけるレンダリングの結果、視点位置を基準とした表示対象を描画し、その描画された画像をディスプレイ16上に表示する。つまり、このような処理を実行する画像処理部24は、戦闘シーンにおいて実行されるキャラクタの行動態様の選択と、キャラクタの行動制御との表示制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行する画像処理部24は、キャラクタ行動表示制御手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0106】
このように、複数のキャラクタの行動順序に従って、プレイヤによって操作可能な操作手段からの操作信号と複数のキャラクタデータとに基づくキャラクタの行動態様の選択と、選択されたキャラクタの行動態様に基づくキャラクタの行動制御とを実行し、実行されるキャラクタの行動態様の選択と、キャラクタの行動制御との表示制御を行う。そして、キャラクタの行動態様の選択とキャラクタの行動制御とのうち、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御の実行を制限する。従って、相対的に制御負荷が大きくなるキャラクタの行動制御が行われている間に、制御負荷の高い特定の画像制御の実行以外の画像制御の制御負荷が大きくなった場合であっても、特定の画像制御が制限されているため、画像の劣化を防止し、ゲームに対する興趣の減退を抑制することができる。また、相対的に制御負荷が小さいキャラクタの行動態様の選択が行われている間に、特定の画像制御を実行するとともに、表示させるキャラクタの数に制限が設けられないため、表示されるはずのキャラクタが、省略されずに表示され、更には、特定の画像処理が行われることとなり、ゲームに対する臨場感を高めることができる。また、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御の制限として、その特定の画像制御を無効化する。従って、制御負荷の高い特定の画像制御が全く実行されず、それ以外の画像制御のみを実行させることができ、より一層、画像の劣化を防止し、ゲームに対する興趣の減退を抑制することができる。
【0107】
[プログラム]
また、上述したゲームプログラムについて詳しく説明する。このゲームプログラムは、具体的には以下のような手段として、コンピュータを機能させるためのものである。換言すると、ゲームプログラムは、以下のような手段(処理、ステップ)を、コンピュータに実行させるためのものでもある。また、ゲームプログラムは、以下のような処理を各種の機能として、それら機能をコンピュータに実現させるためのものでもある。また、このようなコンピュータは、プレイヤによって操作可能な操作手段や、ゲームに関する画像を表示する表示手段などを備えている。
【0108】
(A1) 複数のキャラクタに関する複数のキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶手段(処理)。
【0109】
(A2) 前記複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段(処理)。
【0110】
(A3) 前記操作手段からの操作信号と、前記複数のキャラクタデータとに基づいて、キャラクタの行動態様を選択するキャラクタ行動態様選択手段(処理)。
【0111】
(A4) 前記行動態様選択手段によって選択されたキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行うキャラクタ行動制御手段(処理)。
【0112】
(A5) 前記キャラクタ行動順序決定手段によって決定された複数のキャラクタの行動順序に従って、前記キャラクタ行動態様選択手段によるキャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタ行動制御手段によるキャラクタの行動制御とを実行する特別キャラクタ行動制御手段(処理)。
【0113】
(A6) 前記特別キャラクタ行動制御手段によって実行される前記キャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタの行動制御との表示制御を行うキャラクタ行動表示制御手段(処理)。
【0114】
(A7) 前記キャラクタ行動表示制御手段により表示制御される前記キャラクタの行動態様の選択と前記キャラクタの行動制御とに対して、特定の画像制御を実行する特定画像制御実行手段(処理)。
【0115】
(A8) 前記特別キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定画像制御実行手段による特定の画像制御を制限する特定画像制御制限手段(処理)。
【0116】
(A9) 前記キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定の画像制御の制限として、当該特定の画像制御を無効化する特定画像制御無効化手段(処理)。
【0117】
[記憶媒体]
また、このようなゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、上述したゲームプログラム以外にも、複数のキャラクタ毎に能力パラメータ、所持アイテムパラメータが記憶されていてもよい。
【0118】
[その他の実施形態]
以上、実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、プレイヤが操作するコントローラ4は、装置本体1と一体に設けてもよい。
【0119】
尚、本実施形態においては、「戦闘シーン」に登場する全てのキャラクタが行動を実行した後、再度全てのキャラクタの行動を実行するターン順序を決定するように構成したが、これに限らず、別の形態であってもよく、例えば、全てのキャラクタが行動を実行する前に、行動の実行を終了したキャラクタが次の行動を実行するように構成してもよい。
【0120】
また、本実施形態においては、特定の画像制御としてぼかし処理を実行する画像制御を採用したが、これに限らず、例えば、表示画面のカラーをフォグデータと呼ばれる別途設定したカラーデータでマスクして調整することによって行われるフォグ処理を特定の画像制御として行うようにしてもよい。このフォグ処理を利用すると、フォグの色によって、遠くのものを霞んで見せることができる。例えば、フォグの色が白なら霧の効果、青なら遠くがかすんだ効果が得られる。また、本実施形態においては、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御の制限として、その特定の画像制御を無効化するようにしたが、これに限らず、例えば、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御を完全に無効化することなく、画像制御の付加を軽減するように、コマ毎にぼかし処理等の実行を切り替えることなどによって、特定の画像制御を制限してもよい。また、キャラクタの行動制御が行われている間に、特定の画像制御を制限すればよく、例えば、キャラクタの行動制御が行われている時間中、全ての時間において特定の画像制御を制限しなくてもよく、少なくとも一部の時間において特定の画像制御を制限するようにすればよい。
【0121】
更に、本発明は、プレイヤが操作可能な操作部と、画像及び音声を表示する表示部と、ゲームプログラムを格納する記憶部と、上記ゲームプログラムに従って制御処理を実行する制御部とを一体に具備した携帯型ゲーム装置、或いはデスクトップ型のゲーム装置にも同様に適用できる。
【0122】
更に、上記ゲームプログラムをインターネット56(図16参照)等のネットワークに接続されたサーバ装置に格納し、パーソナルコンピュータや携帯電話或いは携帯情報端末(PDA)等から当該サーバ装置に接続してゲームが行える、いわゆるネットワークゲームにも適用できる。
【0123】
一例として図16のネットワークゲームシステムを用いて説明する。このネットワークゲームシステムでは、上述のゲームを行う端末としての携帯電話53A,53B,53Cは、基地局52A,52Bを介して、例えばパケット通信が可能なPDC網51に接続し、プレイヤの操作やゲーム状態に応じて、このPDC網51を介して情報センタ55にアクセスする。情報センタ55は、携帯電話53A,53B,53Cからの要求に応じて、ゲームプログラムのほかゲームに必要なデータ等が記憶されているサーバ57A,57Bからインターネット56等のネットワークを介して種々の情報を取得し、携帯電話53A,53B,53Cにゲームに必要な情報を送信する。尚、図16のサーバ58のように、ゲームデータ等が記憶されているサーバをインターネット56等のネットワークを介さずに特定もしくは専用の通信回線60で情報センタ55と接続するようにしてもよい。
【0124】
プレイヤがゲームを実行する方法としては、ゲーム開始前に、予めサーバ57A,57Bからゲームプログラムを携帯電話53A,53B,53Cにダウンロードしておき、当該ゲームプログラムの実行を携帯電話53A,53B,53C本体で行う。この他、ゲームプログラムの実行は携帯電話53A,53B,53Cからの命令に従ってサーバ57A,57B上で行い、そのゲーム内容を携帯電話53A,53B,53Cで閲覧するようにした、いわゆるブラウザのような役割を携帯電話53A,53B,53Cに受け持たせるような方式など、様々な方式が考えられる。また、PDC網51を用いて携帯電話を相互接続し、プレイヤ同士で本ゲームシステムを共有し、又は対戦できるようにしてもよい。
【0125】
本実施形態においては、基準領域を含むジャッジメントリング100と、変動領域としての回転バー101と、を備えるように構成したが、本発明はこれに限らず、別の態様であってもよく、例えば、ジャッジメントリングを変動領域とし、回転バーのような領域を基準領域としてもよい。つまり、基準領域又は変動領域は、プレイヤにとって相対的に有利となる複数の有効領域と、相対的に不利となる非有効領域とを含んで形成されることとなる。また、このようなジャッジメントリングを用いなくてもよい。
【0126】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、プレイヤによって操作可能な操作手段を備えたコンピュータを、複数のキャラクタに関する複数のキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶手段、前記複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段、前記操作手段からの操作信号と、前記複数のキャラクタデータとに基づいて、キャラクタの行動態様を選択するキャラクタ行動態様選択手段、前記行動態様選択手段によって選択されたキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行うキャラクタ行動制御手段、前記キャラクタ行動順序決定手段によって決定された複数のキャラクタの行動順序に従って、前記キャラクタ行動態様選択手段によるキャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタ行動制御手段によるキャラクタの行動制御とを実行する特別キャラクタ行動制御手段、前記特別キャラクタ行動制御手段によって実行される前記キャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタの行動制御との表示制御を行うキャラクタ行動表示制御手段、前記キャラクタ行動表示制御手段により表示制御される前記キャラクタの行動態様の選択と前記キャラクタの行動制御とに対して、特定の画像制御を実行する特定画像制御実行手段、として機能させるゲームプログラムであって、前記特別キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定画像制御実行手段による特定の画像制御を制限する特定画像制御制限手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とするものであるが、操作手段、キャラクタデータ記憶手段、キャラクタ行動順序決定手段、キャラクタ行動態様選択手段、キャラクタ行動制御手段、特別キャラクタ行動制御手段、キャラクタ行動表示制御手段、特定画像制御実行手段、特定画像制御制限手段、特定画像制御無効化手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
【0127】
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明をゲーム装置に適用した場合の全体構成を示す図である。
【図2】図1のゲーム装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】プレイヤキャラクタA及びプレイヤキャラクタBのキャラクタ個別能力について示す図。
【図4】タイトル画面及びワールドマップの表示例である。
【図5】戦闘シーンを示す説明図である。
【図6】戦闘シーンを示す説明図である。
【図7】戦闘シーンを示す説明図である。
【図8】コマンド決定時に表示されるジャッジメントリングの表示態様を示す図である。
【図9】コマンド決定後のジャッジメントリングの表示態様を示す図である。
【図10】120%領域の別の例を示す図である。
【図11】メインゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】バトル処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】ジャッジメント処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】ネットワークゲームシステムの構成を示す図である。
【図17】視点位置からの距離に基づいて実行される画像処理を示す説明図である。
【図18】戦闘シーンを示す説明図である。
【符号の説明】
【0129】
1 装置本体
4 コントローラ
15 表示装置
16 表示面(ディスプレイ)
21 CPU
23 RAM
24 画像処理部
51 PDC網
52A,52B 基地局
53A,53B,53C 携帯電話
55 情報センタ
56 インターネット
57A,57B,58 サーバ
60 通信回線
100 ジャッジメントリング
101 回転バー
200 ゲーム装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤによって操作可能な操作手段を備えたコンピュータを、
複数のキャラクタに関する複数のキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶手段、
前記複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段、
前記操作手段からの操作信号と、前記複数のキャラクタデータとに基づいて、キャラクタの行動態様を選択するキャラクタ行動態様選択手段、
前記行動態様選択手段によって選択されたキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行うキャラクタ行動制御手段、
前記キャラクタ行動順序決定手段によって決定された複数のキャラクタの行動順序に従って、前記キャラクタ行動態様選択手段によるキャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタ行動制御手段によるキャラクタの行動制御とを実行する特別キャラクタ行動制御手段、
前記特別キャラクタ行動制御手段によって実行される前記キャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタの行動制御との表示制御を行うキャラクタ行動表示制御手段、
前記キャラクタ行動表示制御手段により表示制御される前記キャラクタの行動態様の選択と前記キャラクタの行動制御とに対して、特定の画像制御を実行する特定画像制御実行手段、として機能させるゲームプログラムであって、
前記特別キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定画像制御実行手段による特定の画像制御を制限する特定画像制御制限手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定の画像制御の制限として、当該特定の画像制御を無効化する特定画像制御無効化手段として、前記コンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
プレイヤによって操作可能な操作手段と、
複数のキャラクタに関する複数のキャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶手段と、
前記複数のキャラクタの行動順序を決定するキャラクタ行動順序決定手段と、
前記操作手段からの操作信号と、前記複数のキャラクタデータとに基づいて、キャラクタの行動態様を選択するキャラクタ行動態様選択手段と、
前記行動態様選択手段によって選択されたキャラクタの行動態様に基づいて、キャラクタの行動制御を行うキャラクタ行動制御手段と、
前記キャラクタ行動順序決定手段によって決定された複数のキャラクタの行動順序に従って、前記キャラクタ行動態様選択手段によるキャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタ行動制御手段によるキャラクタの行動制御とを実行する特別キャラクタ行動制御手段と、
前記特別キャラクタ行動制御手段によって実行される前記キャラクタの行動態様の選択と、前記キャラクタの行動制御との表示制御を行うキャラクタ行動表示制御手段と、
前記キャラクタ行動表示制御手段により表示制御される前記キャラクタの行動態様の選択と前記キャラクタの行動制御とに対して、特定の画像制御を実行する特定画像制御実行手段と、を備えたゲーム装置であって、
前記特別キャラクタ行動制御手段によってキャラクタの行動制御が行われている間に、前記特定画像制御実行手段による特定の画像制御を制限する特定画像制御制限手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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