説明

ゲーム機、ゲームサーバ及びゲームシステム

【課題】 従来技術にはないエンタテイメント性を備えたゲーム機、ゲームサーバ及びゲームシステムを提供する。
【解決手段】 本発明に係るスロットマシン1においては、メインCPU32により、ペイアウト率(本発明における遊技状況の一種)に応じて、ジャックポット額への累積割合を変更することができる。従って、スロットマシン1のプレイヤはジャックポット額の累積量の予測をしづらくなっている。そのため、このスロットマシン1では、ジャックポット額の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、スロットマシン全体としての興趣の向上が図られている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機、ゲームサーバ及びゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、米国特許4,837,728号公報に示されているようなプログレッシブタイプのゲームシステムが知られている。
【0003】
このようなプログレッシブタイプのゲームシステムは、各ゲーム機でゲームを1回プレイする毎に、遊技に用いられるコイン等の遊技価値の一部が累積されるようになっており、特定の入賞役(いわゆるジャックポット役)に当選したときには、その累積された遊技価値(いわゆるジャックポット額)がプレイヤに払い出される。なお、従来は、上記累積される遊技価値の割合は一定であった。
【特許文献1】米国特許4,837,728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、遊技価値の累積に関しては、エンタテイメント性の点で配慮が不足していた。すなわち、累積される遊技価値の割合が一定であるため、その累積量(いわゆるジャックポット額)の増加が単調となっていた。それにより、ゲーム機のプレイヤは上記累積量の増加具合をある程度予測でき、累積量に対する興味が次第に薄れていってしまう。その結果、プレイヤの興味がゲームの内容だけに向いてしまい、ゲーム機全体としての興趣が低下していた。
【0005】
本発明は、上述した従来技術にはないエンタテイメント性を備えたゲーム機、ゲームサーバ及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るゲーム機は、遊技毎に、遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、遊技状況に応じて累積割合を変更するコントローラを備える。
【0007】
このゲーム機においては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲーム機では、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。
【0008】
本発明に係るゲーム機は、遊技毎に、遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、使用された遊技価値の総額に対する払い出された遊技価値の総額の比率であるペイアウト率に応じて累積割合を変更するコントローラを備える。
【0009】
このゲーム機においては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲーム機では、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。特に、上記累積割合がゲーム機のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。
【0010】
本発明に係るゲーム機は、遊技毎に、遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、使用された遊技価値の総額に対する払い出された遊技価値の総額の比率であるペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに累積割合を上げるコントローラを備える。
【0011】
このゲーム機においては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲーム機では、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。特に、上記累積割合がゲーム機のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。このとき、コントローラが、ゲーム機のペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに上記累積割合を上げて、ゲーム機のペイアウト率が過剰に低下した状態では遊技価値の累積量が増加しやすくすることで、さらなるエンタテイメント性の向上が図られる。
【0012】
本発明に係るゲームサーバは、ゲーム機と通信可能に接続されており、遊技毎に、ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、ゲーム機の遊技状況に応じて累積割合を変更するコントローラを備える。
【0013】
このゲームサーバにおいては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲームサーバでは、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。
【0014】
本発明に係るゲームサーバは、ゲーム機と通信可能に接続されており、遊技毎に、ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、ゲーム機に使用された遊技価値の総額に対する払い出された遊技価値の総額の比率であるゲーム機のペイアウト率に応じて累積割合を変更するコントローラを備える。
【0015】
このゲームサーバにおいては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲームサーバでは、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。特に、上記累積割合がゲーム機のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。
【0016】
本発明に係るゲームサーバは、ゲーム機と通信可能に接続されており、遊技毎に、ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、ゲーム機に使用された遊技価値の総額に対する払い出された遊技価値の総額の比率であるゲーム機のペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに累積割合を上げるコントローラを備える。
【0017】
このゲームサーバにおいては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲームサーバでは、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。特に、上記累積割合がゲーム機のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。このとき、コントローラが、ゲーム機のペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに上記累積割合を上げて、ゲーム機のペイアウト率が過剰に低下した状態では遊技価値の累積量が増加しやすくすることで、さらなるエンタテイメント性の向上が図られる。
【0018】
本発明に係るゲームシステムでは、ゲーム機とゲームサーバとが通信可能に接続されており、ゲームサーバが、遊技毎に、ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、ゲーム機の遊技状況に応じて累積割合を変更するコントローラを備える。
【0019】
このゲームシステムにおいては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲームシステムでは、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。
【0020】
本発明に係るゲームシステムでは、ゲーム機とゲームサーバとが通信可能に接続されており、ゲームサーバが、遊技毎に、ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、ゲーム機に使用された遊技価値の総額に対する払い出された遊技価値の総額の比率であるゲーム機のペイアウト率に応じて累積割合を変更するコントローラを備える。
【0021】
このゲームシステムにおいては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲームシステムでは、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。特に、上記累積割合がゲーム機のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。
【0022】
本発明に係るゲームシステムでは、ゲーム機とゲームサーバとが通信可能に接続されており、ゲームサーバが、遊技毎に、ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した遊技価値を払い出し、且つ、ゲーム機に使用された遊技価値の総額に対する払い出された遊技価値の総額の比率であるゲーム機のペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに累積割合を上げるコントローラを備える。
【0023】
このゲームシステムにおいては、コントローラにより、遊技状況に応じて、遊技価値の使用量に対する累積割合が変更されるため、ゲーム機のプレイヤは遊技価値の累積量の予測をしづらくなっている。従って、このゲームシステムでは、遊技価値の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲーム機全体としての興趣の向上が図られている。特に、上記累積割合がゲーム機のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。このとき、コントローラが、ゲーム機のペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに上記累積割合を上げて、ゲーム機のペイアウト率が過剰に低下した状態では累積量が増加しやすくすることで、さらなるエンタテイメント性の向上が図られる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、従来技術にはないエンタテイメント性を備えたゲーム機、ゲームサーバ及びゲームシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
(スロットマシンの全体説明)
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲーム機(スロットマシン)1において、コントローラ(メインCPU)32がジャックポットの累積割合を決定する際に参照するテーブル93である。スロットマシン1のメインCPU32は、このテーブル93を参照し、現在のペイアウト率の初期設定時のペイアウト率(X)に対する乖離具合に応じて、BET数のジャックポット額への累積割合を変更する。つまり、その累積割合は、現在のペイアウト率が(X−8)より低い場合には3.0%、(X−8)〜(X−5)の範囲内にあるときには2.0%、(X−5)〜(X+5)の範囲内にあるときには1.0%、(X+5)より高い場合には0.5%となる。
【0027】
すなわち、スロットマシン1においては、メインCPU32により、ペイアウト率(本発明における遊技状況の一種)に応じて、ジャックポット額への累積割合を変更することができる。従って、スロットマシン1のプレイヤはジャックポット額の累積量の予測をしづらくなっている。そのため、このスロットマシン1では、ジャックポット額の累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、スロットマシン全体としての興趣の向上が図られている。
【0028】
特に、上記累積割合がスロットマシン1のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。このとき、メインCPU32が、スロットマシン1のペイアウト率が所定の閾値(X−8)を下回ったときに上記累積割合を大幅に上げて、スロットマシン1のペイアウト率が過剰に低下した状態ではジャックポットの累積量が増加しやすくすることで、さらなるエンタテイメント性の向上が図られている。
(スロットマシンの構成)
【0029】
図2は、スロットマシン1の全体構成を示す斜視図である。スロットマシン1は、複数のシンボルのスクロール画像を用いたスロットゲームを行えるように構成されている。スロットマシン1は、通常ゲームモードとボーナスゲームモードとを有し、通常ゲームモードでは、遊技者のBET操作を受け付け、コインの使用を条件にスロットゲームを実行し、ボーナスゲームモードでは、遊技者のBET操作を受け付けることなく、自動的にスロットゲーム(以下、「フリーゲーム」という)を実行する。スロットマシン1は、通常ゲームモードでのスロットゲームにおいて一定条件が成立すると、ボーナスゲームモードへ移行してフリーゲームを実行する。
【0030】
スロットマシン1は、スロットゲームを実行するための電気的又は機械的部品を収容するための筐体2を有している。筐体2の正面には、LCD(Liquid Crystal Display)からなるメインディスプレイ3が設けられている。また、メインディスプレイ3の上方にも、LCDからなるサブディスプレイ4が設けられている。
【0031】
図2に示すように、メインディスプレイ3の画面略中央には、3個のシンボル表示エリア3A,3B,3Cが横一列に並んで設けられている。シンボル表示エリア3A,3B,3Cには、通常ゲームモードおよびボーナスゲームモードのいずれにおいても、複数種類のシンボルが上から下に向かって移動するかのようなスクロール画像(機械式のリールがあたかも回転するように表示されるリール画像)が表示される。
【0032】
シンボル表示エリア3A,3B,3Cに表示するシンボルは、図3のシンボル配列テーブルに示すとおりである。
【0033】
すなわち、左側のシンボル表示エリア3Aは、第1リールのシンボル配列に示すシンボル群を、上から順番に繰り返しスクロール表示する。このシンボル表示エリア3Aは、スクロール表示の後に、第1リールのシンボル配列のいずれか一つのシンボルを停止表示する。
【0034】
同様に、中央のシンボル表示エリア3Bは第2リールのシンボル配列に示すシンボル群を、また、右側のシンボル表示エリア3Cは第3リールのシンボル配列に示すシンボル群を、上から順番に繰り返しスクロール表示し、スクロール表示の後にシンボル配列のいずれか一つのシンボルを停止表示する。
【0035】
さらに、メインディスプレイ3の上端には、現在のジャックポット額を示すジャックポット表示エリア3Jが設けられている。このジャックポット表示エリア3Jには、後述するジャックポットカウンタで積算されたジャックポット額が表示される。
【0036】
サブディスプレイ4は、配当表、ゲームの説明等のゲームに関連する画像(例えば、ゲーム内容の説明など)を表示する。
【0037】
そして、スロットマシン1には、メインディスプレイ3の下側に、ほぼ水平の台座部5が設けられている。台座部5には、コイン投入口6と、紙幣挿入口7と、スピンスイッチ8と、1BETスイッチ9と、最大BETスイッチ10およびCASHOUTスイッチ11が設けられている。
【0038】
コイン投入口6は、遊技者がゲームにベットするためのコインを投入するために設けられ、コイン投入を示す信号を出力する投入コインセンサ6aを有している。また、紙幣挿入口7は、遊技者が紙幣を投入するために設けられており、紙幣挿入を示す信号を出力する挿入紙幣センサ7aを有している。スピンスイッチ8は、シンボルのスクロール画像を表示させてスロットゲームを開始するための操作を遊技者が行うために設けられている。1BETスイッチ9は1回のBET操作により、コインを1枚ベットする設定を行うために設けられている。最大BETスイッチ10は1回のBET操作により、1ゲームにベットできる最大枚数のコインをベットする設定を行うために設けられている。CASHOUTスイッチ11はクレジットされているコインをコイン受け部14に払い出すための操作ボタンである。
【0039】
さらに、スロットマシン1には、筐体2の底部に、コインの払出口13と払い出されたコインを収めるコイン受け部14とが設けられている。さらに、コインの払出口13を挟んで左側、右側に、それぞれスピーカ12L,12Rが設けられている。
【0040】
図4は、内部の構成を中心に示すスロットマシン1のブロック図である。スロットマシン1は、ゲーミングボード20およびマザーボード40を中心に複数の構成要素を有している。
【0041】
ゲーミングボード20は、内部バス24によって互いに接続されたCPU23及びブートROM21と、メモリーカード27、GAL28のそれぞれに対応したカードスロット22a、22bとを有する。ゲーミングボード20は、メモリーカード27から後述するゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムをマザーボード40に取込むための装置である。また、ゲーミングボード20は、GAL28から、ペイアウト率設定用データを、マザーボード40に取込むための装置である。
【0042】
内部バス24によって互いに接続されたCPU23及びブートROM21は、PCIバス25によってマザーボード40に接続されている。PCIバス25は、マザーボード40とゲーミングボード20との間の信号伝達を行うと共に、マザーボード40からゲーミングボード20への電力供給を行う。ブートROM21には、後述する認証プログラム、予備認証プログラムおよびCPU23が予備認証プログラムをブート(起動)するための図示しないプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
【0043】
認証プログラムは、認証取込処理の対象となる遊技用情報が改竄されていないことの確認および証明、すなわち、遊技用情報の認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されており、メモリーカード27を用いてスロットマシン1に供給されるゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを後述するメインCPU32が認証するためのプログラムである。この認証プログラムは、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムについて、改竄されていないことのチェックを行うことから、改竄チェックプログラムともいう。
【0044】
予備認証プログラムは、上記認証プログラムが改竄されていないことの確認および証明、すなわち、認証プログラムの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されており、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムの認証を行う上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。予備認証プログラムは、CPU23によって実行される。
【0045】
カードスロット22aは、IDEバス26aによってマザーボード40に接続されている。このカードスロット22aは、記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを読み出し可能な状態でメモリーカード27を接続し得るようになっていて、メモリーカードを差込み可能なスロット(物理的な接続部)である。
【0046】
カードスロット22bは、IDEバス26bによってマザーボード40に接続されている。このカードスロット22bは、記憶されているペイアウト率設定用データを読み出し可能な状態でGAL28を接続し得るようになっていて、GAL28を差込み可能なスロット(物理的な接続部)である。
【0047】
マザーボード40は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント基板)を用いて構成され、少なくともメインCPU(Central Processing Unit)32と、ROM(Read Only Memory)34と、RAM(Random Access Memory)33およびI/Oポート39を有し、さらに乱数発生器35と、サンプリング回路36と、クロックパルス発生回路37と、分周器38とを有している。そして、I/Oポート39に上述したPCIバス25およびIDEバス26a,26bが接続されている。
【0048】
本発明におけるコントローラであるメインCPU32は、取り込まれたゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムにしたがい作動する一方、I/Oポート39を介して、他の構成要素との信号の入出力を行い、スロットマシン1全体の動作制御を行う。
【0049】
RAM33にはメインCPU32が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されており、ゲーミングボード20を介して読み出される認証プログラムと、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムとが少なくとも記憶されている。
【0050】
ROM34には、メインCPU32により実行されるBIOS(Basic Input/Output System、マザーボード40における標準BIOS)などのプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU32によってこのBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われると共に、メモリーカード27に記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムのゲーミングボード20を介した取込処理が開始される。なお、このROM34には、フラッシュメモリ等のメモリデバイスが採用されるが、内容の書き換えが可能なもの及び不可能なもののいずれも利用可能である。
【0051】
また、乱数発生器35は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路36は、メインCPU32の指示にしたがい、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU32に入力する。クロックパルス発生回路37は、メインCPU32を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器38はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU32に入力する。
【0052】
さらに、スロットマシン1は、タッチパネル3aと、ランプ駆動回路59と、ランプ60と、LED駆動回路61と、LED62と、ホッパー駆動回路63と、ホッパー64と、払出完了信号回路65と、コイン検出部66とを有している。また、スロットマシン1は、画像制御回路71と音制御回路72とを有している。
【0053】
タッチパネル3aはメインディスプレイ3の画面を覆うように設けられていて遊技者の指等が触れた箇所の位置を検出し、その検出した位置に対応した位置信号をメインCPU32に入力する。このタッチパネル3aにより、遊技者は指等のタッチ操作による入力操作を行うことができる
【0054】
ランプ駆動回路59はランプ60を点灯させるための信号をランプ60に出力し、ランプ60をゲーム実行中に点滅させる。この点滅によって、ゲームの演出が行われる。LED駆動回路61は、LED62の点滅表示を制御する。LED62はクレジットされているコインの枚数表示や獲得枚数表示等を行う。
【0055】
ホッパー駆動回路63はメインCPU32の制御にしたがってホッパー64を駆動させ、ホッパー64はコインの払い出しを行うための動作を行い、払出口13からコイン受け部14へコインを払い出させる。
【0056】
コイン検出部66は、ホッパー64により払い出されたコインの枚数を計測し、その計測した枚数値のデータを払出完了信号回路65に通知する。
【0057】
払出完了信号回路65は、コイン検出部66からコインの枚数値のデータを入力し、その枚数値が、設定された枚数のデータ(例えば、払出し枚数カウンタの数値)に達したときにコインの払出完了を通知する信号をメインCPU32に入力する。
【0058】
画像制御回路71は、メインディスプレイ3、サブディスプレイ4のそれぞれにおける画像表示を制御して、複数のシンボルのスクロール画像や、ゲーム演出のための演出画像、ゲーム状況を遊技者に知らせるステータス画像等の各種の画像をメインディスプレイ3、サブディスプレイ4に表示させる。
【0059】
この画像制御回路71は、図5に示すように、画像制御CPU71a、ワークRAM71b、プログラムROM71c、画像ROM71d、ビデオRAM71eおよびVDP(Video Display Processor)71fを有している。画像制御CPU71aは、メインCPU32で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM71cに予め記憶されている(メインディスプレイ3、サブディスプレイ4での表示に関する)画像制御プログラムに従い、メインディスプレイ3、サブディスプレイ4に表示される画像(スクロール画像、スクロール画像を表示した後に停止表示するシンボルの画像など)を決定する。ワークRAM71bは、画像制御CPU71aが画像制御プログラムを実行するときの一時記憶手段として構成されている。
【0060】
プログラムROM71cは、画像制御プログラムや各種選択テーブルなどを記憶している。画像ROM71dは、画像を形成するためのドットデータを記憶している。このドットデータには、例えば、スロットゲームで使用される各シンボルを示すシンボル画像データが含まれている。ビデオRAM71eは、VDP71fにより画像を形成するときの一時記憶手段として構成されている。VDP71fは制御RAM71gを有し、画像制御CPU71aで決定されたメインディスプレイ3、サブディスプレイ4の表示内容に応じた画像を形成し、その形成された各画像をメインディスプレイ3、サブディスプレイ4に出力する。
【0061】
音制御回路72はスピーカ12L、12Rから音声を出力するための音声信号をスピーカ12L、12Rに入力する。スピーカ12L、12Rからは、例えば、ゲーム開始後、適当な時期にゲームを盛り上げるための音声が出力される。
【0062】
上述したマザーボード40のRAM33には、さらに、入賞役決定テーブル92と累積割合決定テーブル93とが格納されている。
【0063】
入賞役決定テーブル92は、メインディスプレイ3の3個のシンボル表示エリア3A,3B,3Cに停止表示されるシンボルの組合せの入賞判定と、入賞の際の払出し枚数の決定とを、メインCPU32がおこなう際に参照するテーブルである。この入賞役決定テーブル92は、図6に示すように、シンボルデータエリア92aと、払出し枚数エリア92bと、入賞役エリア92cとを有し、各エリア92a,92b,92cは互いに関連づけられて格納されている。このテーブル92には、スロットマシン1において入賞役となるシンボル組合せが規定されており、このテーブル92にあるシンボル組合せになった際に、その組合せに関連づけられて格納された払出し枚数のコインが、スロットマシン1から払い出される。例えば、シンボル組合せが、「ベル」「ベル」「ベル」の場合には、入賞役「ベル」の当選となり、10枚のコインの払い出しがある。
【0064】
ここで、シンボル組合せ「7」「7」「7」は、入賞役「ジャックポット」の当選であり、可変の数値であるジャックポット額に相当するコインが払い出される。このジャックポット額は、ベット額(ゲームに用いられる遊技価値の使用量)の一部を、ゲーム毎に、所定の累積割合で累積した額であり、RAM33に格納されたジャックポットカウンタによって随時カウントされる。そのため、遊技者がゲームをする度に、このジャックポット額が漸次増加していく。そして、上記シンボル組合せ「7」「7」「7」となってジャックポットに当選した際に、それまでに蓄積されたジャックポット額相当のコインが払い出される。
【0065】
累積割合決定テーブル93は、上述したジャックポット額にゲーム毎に蓄積する額の累積割合を決定するためのテーブルである。図1に示すように、累積割合決定テーブル93は、現在のペイアウト率(P/O率)と、そのペイアウト率における累積割合とが、互いに関連づけられて格納されている。ここで、表中のXは、GAL28から取り込んだペイアウト率設定用データに含まれる設定ペイアウト率であり、スロットマシン1のペイアウト率は実際にこの設定ペイアウト率に設定されている。
【0066】
つまり、累積割合決定テーブル93は、実際に設定されているペイアウト率(X)に対する乖離具合に応じて、異なる累積割合となるように設定されている。具体的には、累積割合決定テーブル93は、このテーブル93を参照して累積割合を決定するメインCPU32が、スロットマシン1の現在のペイアウト率が(X−8)より低い場合には3.0%、(X−8)〜(X−5)の範囲内にあるときには2.0%、(X−5)〜(X+5)の範囲内にあるときには1.0%、(X+5)より高い場合には0.5%に、累積割合を決定するように設定されている。
(スロットマシンの動作内容)
【0067】
上述したスロットマシン1においては、メインCPU32がスロットゲームの進行を制御している。以下、このスロットマシン1の制御処理について、図7〜図13を参照して説明する。図7はスロットマシン1において、電源を投入したあとにメインCPU32により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。なお、図7〜図10,図12,図13では、ステップをSと略記している。
(メイン制御処理の動作手順)
【0068】
メインCPU32は電源投入に伴いメイン制御処理を開始すると、ステップ1、2を実行した後ステップ3に進み、ステップ3からステップ10までの各ステップを繰り返し順次実行する繰返ルーチンに進む。
【0069】
スロットマシン1では、ステップ1に進むと、メインCPU32がROM34に記憶されているBIOSを実行して、ブートROM21から認証プログラムを読み出してRAM33に記憶させる。更に、メインCPU32は、その認証プログラムにしたがいメモリーカード27に記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムの認証処理を行って、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムをゲーミングボード20を介して読み出す。そして、メインCPU32は、読み出したゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムをRAM33に書き込む取込処理を行う。続いてステップ2に進み、メインCPU32は、GAL28に記憶されているペイアウト率設定用データのゲーミングボード20を介して読み出す取込処理を行い、読み出したペイアウト率設定用データをRAM33に書き込む。
【0070】
続いてステップ3に進むと、メインCPU32は、次のスロットゲームを開始するための初期化処理を行う。この初期化処理は所定のデータ領域に設定されている項目のデータをクリアするなどの処理であり、スロットゲームが1ゲーム終了するたびに行われる。次にメインCPU32は、ステップ4〜ステップ7まで、順にコイン投入・スタートチェック処理、内部抽選処理、リール制御処理および払出し枚数決定処理を実行するが、ここでは、通常ゲームモードでのスロットゲームが行われる。
【0071】
次いで、ステップ8に進み、メインCPU32は、通常ゲームモード中にフリーゲームトリガーが成立すると、ゲームモードを通常ゲームモードからボーナスゲームモードへ移行させてステップ9に進み、フリーゲーム処理を実行する。メインCPU32は、フリーゲーム処理において1回または複数回のフリーゲームを行う処理を実行する。メインCPU32は、フリーゲーム処理を実行した後にステップ10に進むが、通常ゲームモード中にフリーゲームトリガーが成立しなければステップ9を実行することなくステップ10に進む。
【0072】
ステップ10に進むと、メインCPU32は、コインの払出し処理を行い、直接的または間接的なコインの払い出しを行う。メインCPU32は、CASHOUTスイッチ11が“ON”になっているか否かを判断し、“ON”になっていると判断する場合には、ホッパー駆動回路63に指示して、ホッパー64を駆動させ、払出し枚数カウンタの数値とクレジット数カウンタの数値とを合計する。メインCPU32は、合計した枚数のコインをコイン受け部14に払い出す。一方で、メインCPU32は、CASHOUTスイッチ11が“ON”になっていないと判断する場合には、払出し枚数カウンタの数値をクレジット数カウンタに加算して間接的な払出しを行う。
【0073】
なお、メインCPU32は、CASHOUTスイッチ11からON信号が入力されると、RAM33に確保されているCASHOUTフラグにコインの直接的な払出しを示す“1”をセットし、OFF信号が入力されると間接的な払出し示す“0”をセットする。メインCPU32は、CASHOUTフラグにセットされた値によって、CASHOUTスイッチ11が“ON”になっているか否かを判断する。
(コイン投入・スタートチェック処理)
【0074】
ステップ4のコイン投入・スタートチェック処理は、図8に示すフローチャートに沿って行われる。メインCPU32はコイン投入・スタートチェック処理を開始すると、ステップ11に進み、投入コインセンサ6aからの信号が入力されたか否かによってコイン投入を検出したか否かを判定する。メインCPU32は、コイン投入を検出したときはステップ12に進み、ステップ12を実行した後ステップ13に進むが、コイン投入を検出しないときはステップ12を実行せずにステップ13に進む。ステップ12に進むと、メインCPU32は、投入済みのコインまたは払い出し予定のコインによって構成されるクレジットの残高を示すクレジット数カウンタを更新(投入されたコインに応じて加算する)する。続いてステップ13に進むと、クレジット数カウンタが“0”か否かを判定し、“0”のときはステップ20に進むが、そうでなければステップ14に進む。ステップ14では、BETスイッチ(1BETスイッチ9および最大BETスイッチ10)の操作受付を許可する。
【0075】
続いてステップ15に進むと、メインCPU32はBETスイッチの操作(BET操作)を検出したか否かを判定し、いずれかの操作を検出したときはステップ16に進み、いずれの操作も検出しないときはステップ21に進む。ステップ16に進むと、メインCPU32は、操作を検出したBETスイッチに基づいて、コインのBET数を示すBET数カウンタおよびクレジット数カウンタを更新(BET数を加算、クレジット数カウンタを減算)する。続くステップ17においてメインCPU32は、BET数カウンタが最大か否かを判定し、最大ならばステップ18に進んでBET数カウンタの更新を禁止する処理を行い、ステップ19に進むが、そうでなければステップ18を実行することなくステップ19に進む。ステップ19においてメインCPU32は、スピンスイッチ8の操作受付を許可する。続くステップ20に進むと、メインCPU32は、スピンスイッチ8の操作を検出したか否かを判断し、スピンスイッチ8の操作を検出したときは続くステップ21のジャックポット額の累積処理に進んだ後にコイン投入・スタートチェック処理を終了するが、そうでなければステップ11に戻り、上記の処理を繰り返し行う。
(ジャックポット額の累積処理)
【0076】
ステップ21のジャックポット額の累積処理は、図9に示すフローチャートに沿って行われる。メインCPU32は、ジャックポット額の累積処理を開始すると、ステップ31に進み、スロットマシン1の現在のペイアウト率(P/O率と略記される。)を算出する。このペイアウト率は、ゲームに使用されたコインの総額に対する払い出されたコインの総額の比率であり、BET数カウンタの累計と払出し枚数カウンタの累計とに基づき算出することができる。
【0077】
続くステップ32において、メインCPU32は、ジャックポット額への累積割合を決定する。すなわち、スロットゲームに使用されるBET数(賭け額)から、どの程度の額をジャックポット額へ累積するかを決定する。この累積割合を決定する際、メインCPU32は、上述した累積割合決定テーブル93(図1参照)を参照する。つまり、メインCPU32は、ステップ31において算出した現在のペイアウト率を用いて、累積割合決定テーブル93から累積割合を決定する。例えば、現在のペイアウト率がGAL28から取り込まれた設定ペイアウト率(X)のままであれば累積割合を1.0%とし、現在のペイアウト率が(X−8)未満であれば累積割合を3.0%とする。
【0078】
続くステップ33では、メインCPU32は、BET数カウンタのBET数と、ステップ32において決定された累積割合との積を求め、ジャックポット額への累積額を算出する。さらに、その累積額をRAM33のジャックポットカウンタに加算し、更新後のジャックポットカウンタの値をメインディスプレイ3のジャックポット表示エリア3Jに表示する。
(内部抽選処理)
【0079】
メインCPU32は、コイン投入・スタートチェック処理が終了すると、図7のステップ5に進み、内部抽選処理を行う。メインCPU32は、図10に示すフローチャートに沿って内部抽選処理を実行する。
【0080】
メインCPU32は内部抽選処理を開始すると、ステップ41に進み、サンプリング回路36に指示して、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出する。続くステップ42では、メインCPU32は、ステップ41で抽出された乱数に基づき、内部抽選テーブル(図示省略)を参照して各シンボル表示エリア3A〜3Cに停止表示されるシンボル(停止予定シンボル)を決定する。この場合、乱数の抽出は各シンボル表示エリア3A〜3Cに対応して3回行なわれ、停止予定シンボルの決定も、各シンボル表示エリア3A〜3Cに対応して3回行なわれる。
【0081】
各シンボル表示エリア3A〜3Cの停止予定シンボルを決定した後、決定された停止予定シンボルのシンボルデータをRAM33に確保されているシンボル格納領域に格納する。このシンボル格納領域には、例えば図11(a)及び(b)に示すようにして停止予定シンボルのシンボルデータが格納される。メインCPU32は、シンボル格納領域に格納されたシンボルデータに基づいて、各シンボル表示エリア3A〜3Cでのシンボルの停止表示を行う。
【0082】
シンボルデータは、例えば、各リールのシンボル配列に基づいたコードナンバーデータ(図3参照)である。
【0083】
図11(a)は入賞役「ジャックポット」に当選した場合の一例であり、左側のシンボル表示エリア3Aに対応したデータ格納領域には、第1リールのシンボル配列に基づくコードナンバーデータ“8”のシンボルデータ(“セブン”シンボル)が格納されている。中央のシンボル表示エリア3Bのデータ格納領域には、第2リールのシンボル配列に基づくコードナンバーデータ“9”のシンボルデータ(“セブン”シンボル)が格納されている。右側のシンボル表示エリア3Cのデータ格納領域には、第3リールのシンボル配列に基づくコードナンバーデータ“10”のシンボルデータ(“セブン”シンボル)が格納されている。
【0084】
図11(b)は入賞役にはずれた場合の一例であり、左側のシンボル表示エリア3Aに対応したデータ格納領域にはコードナンバーデータ“8”のシンボルデータ(“セブン”シンボル)が格納され、中央のシンボル表示エリア3Bのデータ格納領域にはコードナンバーデータ“5”のシンボルデータ(“スイカ”シンボル)が格納され、右側のシンボル表示エリア3Cのデータ格納領域にはコードナンバーデータ“13”のシンボルデータ(“スイカ”シンボル)が格納されている。
【0085】
続くステップ43に進むと、メインCPU32はRAM33のシンボル格納領域に格納されているシンボルデータを用いて入賞役決定テーブル92(図6参照)をサーチして、それぞれから入賞役を決定する。
(リール制御処理)
【0086】
メインCPU32は、内部抽選処理が終了すると、図7のステップ6に進み、リール制御処理を行う。メインCPU32は図12に示すフローチャートに沿ってリール制御処理を実行する。
【0087】
メインCPU32はリール制御処理を開始すると、ステップ51に進み、スクロール制御処理を行う。このとき、メインCPU32は画像制御回路71に指示して、各シンボル表示エリア3A〜3Cにスクロール画像を表示させる。
【0088】
続くステップ52では、予め所定時間に設定されたリール回転停止タイマが“0”になるまで待機して、“0”になったらステップ53に進み、メインCPU32は画像制御回路71に指示して、各シンボル表示エリア3A〜3Cにシンボルが停止表示される画像(シンボル停止表示画像)を表示させる。メインCPU32はステップ53を実行すると、リール制御処理を終了する。
(払出し枚数決定処理)
【0089】
メインCPU32は、リール制御処理を終了すると、図7のステップ7に進み、払出し枚数決定処理を行う。具体的には、メインCPU32は図13に示すフローチャートに沿って払出し枚数決定処理を実行する。
【0090】
図13に示すように、メインCPU32は払出し枚数決定処理を開始すると、ステップ61に進み、払出し枚数を決定する。より具体的には、メインCPU32は、内部抽選処理(図10参照)で決定された入賞役が当選しているか否かを判断し、当選している場合には、その入賞役を入賞役決定テーブル92(図6参照)を参照して払出し枚数を決定してステップ62に進む。
【0091】
すなわち、メインCPU32は、3つのシンボル表示エリア3A〜3Cに停止表示される停止予定シンボルのシンボルデータ(コードナンバーデータ)の組み合わせに基づいて、テーブル92を参照して当選の払出し枚数および入賞役を決定している。3つのシンボル表示エリア3A〜3Cに停止表示される停止予定シンボルのシンボルデータの組み合わせが、シンボルデータエリア92aのいずれかの当選の組み合わせ(例えば“ベル”“ベル”“ベル”の組み合わせ)と一致するときは、その組み合わせに関連付けられている払出し枚数および入賞役をそれぞれ払出し枚数エリア92bと、入賞役エリア92cとから抽出する。更に、メインCPU32は、その抽出したデータによって、当選の払出し枚数および入賞役を決定する。
【0092】
続いて、メインCPU32は、ステップ62に進み、ステップ61で決定されたコインの払出し枚数を払出し枚数カウンタに加算して払出し枚数決定処理を終了する。このとき決定されたコインの払出し枚数がジャックポット額である場合(すなわち、ジャックポットに入賞した場合)、それまでに累積されたジャックポット額に応じたコイン枚数が、上記枚数カウンタに加算される。
【0093】
メインCPU32は、払出し枚数決定処理を終了すると、図7のステップ8に進み、フリーゲームトリガーの成否を判断する。メインCPU32は、フリーゲームトリガーが成立している場合には、ステップ9に進んでフリーゲーム処理を実行したのちにステップ10に進み、フリーゲームトリガーが不成立の場合には、フリーゲーム処理を実行することなくステップ10に進む。メインCPU32は、ステップ10に進むと、コインの払出し処理を行う。
【0094】
以上で詳細に説明したとおり、スロットマシン1のメインCPU32は、図1に示した累積割合決定テーブル93を参照し、現在のペイアウト率の初期設定時のペイアウト率(X)に対する乖離具合に応じて、BET数のジャックポット額への累積割合を変更する。つまり、その累積割合は、現在のペイアウト率が(X−8)より低い場合には3.0%、(X−8)〜(X−5)の範囲内にあるときには2.0%、(X−5)〜(X+5)の範囲内にあるときには1.0%、(X+5)より高い場合には0.5%となる。
【0095】
すなわち、スロットマシン1においては、メインCPU32により、ペイアウト率に応じて、ジャックポット額への累積割合を変更することができる。従って、スロットマシン1のプレイヤはジャックポット額の累積量の予測をしづらくなっている。そのため、このスロットマシン1では、ジャックポットの累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、スロットマシン全体としての興趣の向上が図られている。
【0096】
特に、上記累積割合がスロットマシン1のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。
【0097】
さらに、メインCPU32が、スロットマシン1のペイアウト率が所定の閾値(X−8)を下回ったときに上記累積割合を大幅に上げているため、スロットマシン1のペイアウト率が過剰に低下した状態ではジャックポットの累積量が増加しやすくなっている。そのため、ペイアウト率が低い状態のスロットマシン1の遊技者は、メインディスプレイ3のジャックポット表示エリア3Jに表示されるジャックポット額の急速な増加から、ジャックポット額の高額化を期待することができ、スロットマシン1に対して高いエンタテイメント性を感じることができる。
(第2実施形態)
【0098】
次に、本発明の第2実施形態について、図14及び図15を参照しつつ説明する。第2実施形態に係るゲームシステム220は、複数のスロットマシン210と、スロットマシン210との間でデータを送受信可能に接続されたゲームサーバ200とを備えている。なお、スロットマシン210は、スロットマシン1と同様の構成を備えるため、スロットマシン1との相違点を中心に説明し、同一の構成には同一の符号を記して説明を省略する。また、スロットマシン210において行われる処理のうち、スロットマシン1で行われる処理と同様の処理については説明を省略する。
【0099】
図14に示すように、本実施形態におけるスロットマシン210は、マシンコントローラとしてのメインCPU32、ROM33及びRAM34を備えている。さらに、スロットマシン210は、I/Oポート39を介してメインCPU32に接続された通信処理部211及び通信制御部212を備える。通信処理部211は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、ゲームサーバ200と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部211は通信制御部212の指示にしたがい作動して、データの送受信を実行する。
【0100】
ゲームサーバ200は、本発明におけるコントローラに相当するCPU201と、ROM202及びRAM203とを備える。さらに、ゲームサーバ200は、I/Oポート207を介してCPU201に接続された通信処理部204、通信制御部205及び記憶装置206を備えている。
【0101】
CPU201は、所定のゲームシステムプログラムにしたがい作動する一方、I/Oポート207を介して、他の構成要素との信号の入出力を行い、ゲームサーバ200全体の動作制御を行う。ROM202には、CPU201により実行されるBIOSなどのプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。RAM203にはCPU201が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されており、ゲームシステムプログラムが少なくとも記憶されている。そして、本実施形態においては、このRAM203に、ジャックポットカウンタと、入賞役決定テーブル92及び累積割合決定テーブル93が格納されている。
【0102】
通信処理部204は、CPU201の指示にしたがい作動して、スロットマシン210と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部204は通信制御部205の指示にしたがい作動して、データの送受信を実行する。
【0103】
続いて、図15を参照して、ゲームシステム220の制御処理について説明する。図15は、ゲームシステム220におけるスロットマシン210とゲームサーバ200との間のデータの送受信を示すシーケンス図である。なお、図15では、ステップを“S”として略して記載している。
【0104】
ゲームシステム220においては、スロットマシン1において図7に示したような制御処理が行われて、ステップ101として、ステップ4の処理と同様のコイン投入・スタートチェック処理が行われる。
【0105】
このとき、コイン投入・スタートチェック処理の中のジャックポット額の累積処理(図8のステップ21)を、ゲームサーバ200がステップ102として代行する。換言すると、図9に示したジャックポット額の累積処理を、ゲームサーバ200のCPU201が行う。より具体的には、CPU201は、ジャックポット額の累積処理を開始すると、各スロットマシン210の現在のペイアウト率を算出すると共に、RAM203に格納されている累積割合決定テーブル93(図1参照)を参照して、算出した現在のペイアウト率に対応する累積割合を抽出する。そして、CPU201は、スロットマシン210のBET数カウンタのBET数と、決定された累積割合とから、ジャックポット額への累積額を算出する。その後、その累積額をRAM203のジャックポットカウンタに加算する。
【0106】
続くスロットマシン210の内部抽選処理(ステップ103)において、「ジャックポット」の当選がでた場合には、スロットマシン210からゲームサーバ200に対してジャックポット額の要求指示が送信される。この指示をゲームサーバ200が受け付けると、ゲームサーバ200のCPU201は、ステップ104としてRAM203のジャックポットカウンタから現在のジャックポット額を抽出し、そのジャックポット額を含む情報を、指示のあったスロットマシン210に対して送信する。
【0107】
そして、スロットマシン210の払出し枚数決定処理(ステップ105)の際に、ゲームサーバ200から受け付けたジャックポット額を、払出し枚数カウンタに加算する。
【0108】
以上のような制御処理によれば、スロットマシン210のジャックポット入賞の際に実際にスロットマシン210からジャックポット額を払い出すことができると共に、ジャックポット額の累積処理をゲームサーバ200が代行することができる。
【0109】
そして、第2実施形態に係るゲームシステム220及びゲームサーバ200においても、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様の効果を得ることができる。
【0110】
つまり、ゲームサーバ200のCPU201は、図1に示した累積割合決定テーブル93を参照し、現在のペイアウト率の初期設定時のペイアウト率(X)に対する乖離具合に応じて、BET数のジャックポット額への累積割合を変更する。すなわち、ゲームサーバ200においては、CPU201により、ペイアウト率に応じて、ジャックポット額への累積割合を変更することができる。従って、ゲームシステム220のスロットマシン210のプレイヤはジャックポット額の累積量の予測をしづらくなっている。そのため、このゲームシステム220では、ジャックポットの累積の点において、従来技術にはないエンタテイメント性が備えられており、ゲームシステム220のスロットマシン全体としての興趣の向上が図られている。
【0111】
特に、上記累積割合がスロットマシン210のペイアウト率に応じて変更されるため、常に一定の割合で変更される場合に比べて、よりエンタテイメント性の向上が図られている。
【0112】
さらに、CPU201が、スロットマシン210のペイアウト率が所定の閾値(X−8)を下回ったときに上記累積割合を大幅に上げているため、スロットマシン210のペイアウト率が過剰に低下した状態ではジャックポットの累積量が増加しやすくなっている。そのため、ペイアウト率が低い状態のスロットマシン210の遊技者は、メインディスプレイ3のジャックポット表示エリア3Jに表示されるジャックポット額の急速な増加から、ジャックポット額の高額化を期待することができ、スロットマシン210に対して高いエンタテイメント性を感じることができる。
【0113】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、ゲーム機は、スロットマシンに限らず、例えばトランプゲーム等の各種ゲーム機に変更することができる。
【0114】
上述の実施形態では、シンボル表示エリアを3つ設けていたが、シンボル表示エリアの個数は3つに限定されることはなく、5個や7個であってもよい。また、例えば、複数行、且つ、複数列(例えば、3×3)に配置した複数のシンボル表示エリアを設けてもよい。そして、複数のシンボル表示エリアによって有効ラインが設定され、有効ライン上の複数のシンボル表示エリアに停止表示されるシンボルが所定の組み合わせになった場合に入賞役に当選するものとしてもよい。
【0115】
また、上記各実施形態では、LCDからなるメインディスプレイにスクロール画像を表示させてスロットゲームを行うスロットマシンを例に説明したが、機械式のリールを備え、このリールの回転及び停止を制御してスロットゲームを行えるスロットマシンであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシンに格納された累積割合決定テーブルを示した図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの全体構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、第1リール〜第3リールのシンボル配列とコードナンバーデータとを対応付けて示す図である。
【図4】図4は、内部の構成を中心に示すスロットマシンのブロック図である。
【図5】図5は、画像制御回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図6は、入賞役決定テーブルの一例を示す図である。
【図7】図7は、メイン制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、コイン投入・スタートチェック処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、ジャックポット額の累積処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、内部抽選処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、シンボル格納領域の例を示す図であり、(a)は「当選」の場合を示し、(b)は「はずれ」の場合を示す。
【図12】図12は、リール制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、払出し枚数決定処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、第2実施形態に係るゲームシステムを示すブロック図である。
【図15】図15は、スロットマシンとゲームサーバとの動作手順をデータの送受信を中心にして示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0117】
1,210…スロットマシン、3…メインディスプレイ、3A,3B,3C…シンボル表示エリア、3J…ジャックポット表示エリア、32…メインCPU、33…RAM、34…ROM、92…入賞役決定テーブル、93…累積割合決定テーブル、200…ゲームサーバ、201…CPU、203…RAM、220…ゲームシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技毎に、遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、遊技状況に応じて前記累積割合を変更するコントローラを備える、ゲーム機。
【請求項2】
遊技毎に、遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、使用された前記遊技価値の総額に対する払い出された前記遊技価値の総額の比率であるペイアウト率に応じて前記累積割合を変更するコントローラを備える、ゲーム機。
【請求項3】
遊技毎に、遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、使用された前記遊技価値の総額に対する払い出された前記遊技価値の総額の比率であるペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに前記累積割合を上げるコントローラを備える、ゲーム機。
【請求項4】
ゲーム機と通信可能に接続されており、
遊技毎に、前記ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、前記ゲーム機の遊技状況に応じて前記累積割合を変更するコントローラを備える、ゲームサーバ。
【請求項5】
ゲーム機と通信可能に接続されており、
遊技毎に、前記ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、前記ゲーム機に使用された前記遊技価値の総額に対する払い出された前記遊技価値の総額の比率である前記ゲーム機のペイアウト率に応じて前記累積割合を変更するコントローラを備える、ゲームサーバ。
【請求項6】
ゲーム機と通信可能に接続されており、
遊技毎に、前記ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、前記ゲーム機に使用された前記遊技価値の総額に対する払い出された前記遊技価値の総額の比率である前記ゲーム機のペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに前記累積割合を上げるコントローラを備える、ゲームサーバ。
【請求項7】
ゲーム機とゲームサーバとが通信可能に接続されており、
前記ゲームサーバが、遊技毎に、前記ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、前記ゲーム機の遊技状況に応じて前記累積割合を変更するコントローラを備える、ゲームシステム。
【請求項8】
ゲーム機とゲームサーバとが通信可能に接続されており、
前記ゲームサーバが、遊技毎に、前記ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、前記ゲーム機に使用された前記遊技価値の総額に対する払い出された前記遊技価値の総額の比率である前記ゲーム機のペイアウト率に応じて前記累積割合を変更するコントローラを備える、ゲームシステム。
【請求項9】
ゲーム機とゲームサーバとが通信可能に接続されており、
前記ゲームサーバが、遊技毎に、前記ゲーム機の遊技に用いられる遊技価値の使用量の一部を所定の累積割合で累積すると共に、特定の遊技状態になったときに累積した前記遊技価値を払い出し、且つ、前記ゲーム機に使用された前記遊技価値の総額に対する払い出された前記遊技価値の総額の比率である前記ゲーム機のペイアウト率が所定の閾値を下回ったときに前記累積割合を上げるコントローラを備える、ゲームシステム。

【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−136498(P2008−136498A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322448(P2006−322448)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】