説明

ゲーム機

【課題】複数のプレイヤが同時にゲームに参加する際の連帯感をより一層高めることを可能にする。
【解決手段】ガンゲーム機1には、複数のガンコントローラ9(9a,9b,9c,9d,9e)が設けられている。メインCPU20は、ガンコントローラ9aに設けられたアンテナ18から送受信される電波によって、他のガンコントローラ9b,9c,9d,9eに設けられたICタグ19のデータが読み取ることができた場合には、予め決められた範囲内まで近接されていると判別する。メインCPU20は、複数のコントローラが近接されていることが検出されている状態で、ガンコントローラ9からのトリガー操作による入力があった場合に、コントローラ9が近接されていない場合とは異なるゲーム処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤによって操作される少なくとも2つのコントローラを有するゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンタ等の遊技施設に設置されるゲーム機には、銃型のコントローラ(ガンコントローラ)を操作して、ディスプレイに表示された敵キャラクタに対して攻撃を加えることにより得点を獲得するガンゲーム機(シューティングゲーム機)がある。
【0003】
ガンゲーム機では、ディスプレイに敵キャラクタを順次出現させて、プレイヤのガンコントローラの操作による攻撃を入力する。一般のガンゲーム機では、武器の種類を変更することによって、敵キャラクタに与えるダメージの大きさを変えることができる。また、従来のガンゲーム機では、2人のプレイヤが同時にゲームに参加することができる(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたゲーム機は、ケーブルを介して一対の模擬ガンが設けられており、一対の模擬ガンで撃たれた敵キャラクタの種別(第1種敵キャラクタまたは第2種敵キャラクタ)によってタイマで設定された所定時間が経過するまでの間のみ対応する一方の敵キャラクタを倒すことができると共に、対応しない他方の敵キャラクタの動きを止めるように表示させることにより、複数のプレイヤが協力して敵キャラクタを倒すことを可能にしている。
【特許文献1】特開2002−273051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のガンゲーム機では、複数のプレイヤが同時にゲームに参加することができた。しかしながら、特許文献1に記載されたようなガンゲーム機では、ゲーム内の動作が協力プレイ(協調操作)に反映されているため、各プレイヤはディスプレイに表示されるゲーム画面にのみ集中していて、実際に隣でゲームに参加している他のプレイヤの動きに気を配ることがなかった。このため協力プレイをしていてもプレイヤ同士の連帯感が希薄に感じることがあった。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、複数のプレイヤが同時にゲームに参加する際の連帯感をより一層高めることが可能なゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、コントローラからの入力に応じてゲームを実行するゲーム機において、複数のコントローラと、前記複数のコントローラが予め決められた範囲内まで近接されていることを検出する検出手段と、前記検出手段によって前記複数のコントローラが近接されていることが検出されている状態で前記コントローラからの入力があった場合に、前記コントローラが近接されていない場合とは異なるゲーム処理を実行するゲーム制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のプレイヤがそれぞれ操作するコントローラを近接させるという、現実世界での物理的な行為をゲームに反映させることによって、プレイヤ同士で互いにコントローラの操作状況を意識しながらゲームに参加することになるので、複数のプレイヤが同時にゲームに参加する際の連帯感をより一層高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるガンゲーム機1の構成を示すブロック図である。図1に示すガンゲーム機1は、銃型のコントローラ(ガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9e)を操作することによって、ディスプレイ5において表示されたゲーム空間中に存在するターゲット(オブジェクト)を撃ち倒しながら進むゲームである。
【0010】
図1に示すガンゲーム機1は、本体筐体2とサブ筐体3が設けられている。本体筐体2には、表示画面がプレイヤと正対するようにディスプレイ5が設けられ、ディスプレイ5の下部にはスピーカ6が設けられている。
【0011】
サブ筐体3は、本体筐体2と離間して設置されており、上面部にはプレイヤによって操作可能なボタン類などが設けられたコントロールパネル7が設けられている。また、サブ筐体3には、銃型(例えばピストル型)に形成された例えば5つのガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9eが、それぞれコード10a,10b,10c,10d,10eを介して接続されている。なお、ガンコントローラ9の形状はピストル型に限るものではなく、マシンガン型、ショットガン型、特殊銃型など任意の形状とすることが可能である。ガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9eは、それぞれコード10a,10b,10c,10d,10eによって接続されているため、プレイヤによって保持されて任意の移動させて操作することができる。
【0012】
図2は、本実施形態におけるガンコントローラ9(9a,9b,9c,9d,9e)の外観を示す斜視図である。
ガンコントローラ9は、プレイヤによって片手または両手で握持されるグリップ12と、銃身13と、銃身13の下部にプレイヤによって操作されるトリガー14が設けられている。
【0013】
グリップ12の内部には、振動ユニット15が設けられている。振動ユニット15は、ゲームにおいて選択されている武器の種類に応じて、トリガー14が引かれた時に弾丸等が発射された感覚をプレイヤに与えるための振動を発生させる。
【0014】
また、銃身13の内部には、トリガー認証部16、CCDカメラ部17、アンテナ18が設けられている。
トリガー認証部16は、プレイヤによってトリガー14が操作されたことを検出する。
【0015】
CCDカメラ部17は、ガンコントローラ9の銃身が向けられているディスプレイ5の画面上の位置を検出するためのもので、銃身の先端から入力された光に応じた信号を出力する。
【0016】
アンテナ18は、複数のガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9eのうちの1つ(ここではガンコントローラ9a)に実装されるもので、他のガンコントローラ9(ここではガンコントローラ9b,9c,9d,9e)に実装されるICタグ19との間で電波を送受信するために使用される。すなわち、アンテナ18は、RFID(Radio Frequency Identification)方式によって、パッシブタイプのICタグ19に記録されたデータを読み書きするために使用される。アンテナ18は、例えばサブ筐体3に実装されたタグリーダ29と接続されており、タグリーダ29の制御により電波を発信し、この電波に応じてICタグ19から発信される反射電波を受信してタグリーダ29に送出する。
【0017】
ICタグ19は、複数のガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9eのうちのアンテナ18が実装されたガンコントローラ9a以外のガンコントローラ9b,9c,9d,9eに実装されるもので、アンテナ18から発信された電波により電力を発生し、予め記憶されているデータ(固有の識別データを含む)を反射電波に乗せて発信する。なお、ICタグ19は、タグリーダ29によってデータの書込みも可能とする。
【0018】
図3は、本実施形態におけるガンゲーム機1の構成を示すブロック図である。ガンゲーム機1は、各種記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータの機能が実装されて構成される。
【0019】
図3に示すガンゲーム機は、ゲームを実施するための機能が実装された本体装置(本体筐体2、サブ筐体3)とプレイヤによって操作される複数の入力装置(ガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9e)により構成されている。
【0020】
本体装置には、メインCPU20、RAM21、画像処理部22、表示装置23、音響装置24、検出用CPU25、記憶装置26、インタフェース27、振動ユニット制御回路28、及びタグリーダ29がバスによって相互に接続されている。
【0021】
メインCPU20は、記憶装置26に記憶されたゲームプログラム26aに応じたゲーム処理を実行する。メインCPU20は、ゲーム処理において、プレイヤによるガンコントローラ9に対する操作に応じた制御を行い、表示装置23(ディスプレイ5)によって表示すべき記憶装置26に記憶されたゲーム画像データ26dを指示し、また音響装置24から状況に応じて音声を出力させる。また、メインCPU20は、記憶装置26に記憶されたガンコントローラ制御プログラム26b及びガンコントローラ制御テーブル26cに基づいて、ガンコントローラ9に対するプレイヤの操作に応じたゲーム処理、すなわち敵キャラクタに対する攻撃(ダメージ)を与えるための攻撃処理を実行する。本実施形態におけるガンゲーム機1では、複数のプレイヤがそれぞれ操作するガンコントローラ9を近接した状態で操作された場合には、近接させない状態で個々に操作した場合とは異なる特殊な攻撃を与えるための攻撃処理を実行することができる。
【0022】
RAM21(メインメモリ)は、メインCPU20の実行に伴って各種のデータ、例えば表示対象となるゲーム画像データや音声出力の対象とする音声データなどが一時記憶される。また、RAM21には、ガンコントローラ9が近接した状態で操作された場合の攻撃種類や攻撃力を制御するためのガンコントローラ制御テーブル、選択された武器や攻撃の種類に応じてガンコントローラ9の振動ユニット15において発生させる振動を制御するための振動制御データの他、ゲームの制御に用いられる、例えばプレイヤ(キャラクタ)の体力データ、武器に関するデータ、銃口の移動ベクトル(移動軌跡)の座標データ、その他のゲームの進行に従って変更される各種データが一時記憶される。
【0023】
画像処理部22は、メインCPU20からの指示に従って必要なゲーム画像データを生成して、表示装置23(ディスプレイ5)においてゲーム画像を表示させる。
【0024】
表示装置23は、メインCPU20の制御のもとで、ゲーム空間を表す画像をディスプレイ5において表させる。
【0025】
音響装置24は、メインCPU20の制御のもとで、表示装置23とともにゲームの臨場感を高めるための効果音やBGM(back ground music)、あるいは各種メッセージ音声などをスピーカ6から出力させる。
【0026】
検出用CPU25は、記憶装置26に記憶されたガンコントローラ制御プログラム26bに応じて、ガンコントローラ9に実装されたCCDカメラ部17からの信号をもとに、プレイヤが操作するガンコントローラ9の銃口によって指示される表示装置23の表示画面上の位置または移動軌跡を検出する。
【0027】
記憶装置26は、例えばハードディスク装置などにより構成されるもので、ゲームを制御するためのゲームプログラム26a、ゲームプログラム26aの実行に伴い表示されるゲーム画像データ26dなどが記憶される。ゲームプログラム26aには、複数のガンコントローラ9を制御するガンコントローラ制御プログラム26b、ガンコントローラ9が近接した状態で操作された場合の攻撃種類や攻撃力を制御するためのガンコントローラ制御テーブル26c(詳細については後述する)が含まれている。
【0028】
インタフェース27は、複数のガンコントローラ9のそれぞれに設けられた制御ユニット30(トリガー認証部16、CCDカメラ部17)からの信号を入力して、メインCPU20に通知する。
【0029】
振動ユニット制御回路28は、メインCPU20の制御のもとで、所定の振動パターンに応じて、ガンコントローラ9に設けられた振動ユニット15を駆動する。振動ユニット制御回路28は、メインCPU20により出力される振動パターンデータを入力すると、これに合わせて電流制御して振動ユニット15を駆動させる。
【0030】
タグリーダ29は、ガンコントローラ9aに実装されたアンテナ18から電波を発信させることによって、他のガンコントローラ9b,9c,9d,9eに実装さりたICタグ19に記録されたデータの読み取りを実行する。タグリーダ29は、例えばRFID方式によって非接触無線通信によってデータの読み取りを実行するため、ガンコントローラ9aから通信可能な範囲まで近接しているガンコントローラ9に実装されたICタグ19からのみデータの読み取りが可能となる。
【0031】
ガンコントローラ9(9a,9b,9c,9d,9e)は、プレイヤにより手持ちの状態で操作されるもので、表示装置23(ディスプレイ5)において表示される目標物(敵キャラクタなど)に銃口の方向を合わせて、銃弾を発射させる操作(例えばトリガー14を引く操作)により、表示装置23の画面上の銃口が指し示す位置が検出される。メインCPU20は、この検出された位置に応じてゲームを制御するが、ガンコントローラ9a,9bに設定された武器の種類に応じて異なる制御が実行される。例えば、武器の種類の違いによりターゲットを破壊する威力などが異なってくる。
【0032】
図3に示すように、ガンコントローラ9aには、振動ユニット15a、制御ユニット30a、アンテナ18が設けられている。制御ユニット30は、CPUやメモリ等からなる制御機能が設けられ、前述したトリガー認証部16、CCDカメラ部17を制御する。ガンコントローラ9aには、アンテナ18が設けられており、ゲーム機筐体側のタグリーダ29と接続されている。
【0033】
また、ガンコントローラ9bには、ガンコントローラ9aと同様の振動ユニット15b、制御ユニット30bが設けられる他、アンテナ18に代えてICタグ19が設けられている。ICタグ19は、ガンコントローラ9aに設けられたアンテナ18からの電波を受信し、この電波に対して予め記録されているデータを発信する。なお、他のガンコントローラ9c,9d,9eは、ガンコントローラ9bと同様の構成を有しているものとして説明を省略する。ただし、それぞれに実装されるICタグ19には、それぞれ異なる固有の識別データが予め記録されている。
【0034】
なお、図1及び図3には、5つのガンコントローラ9を設けた構成としているが、複数であれば任意の数のガンコントローラ9を設けることが可能である。
【0035】
図4(a)(b)には、ガンコントローラ制御テーブル26cに設定されるデータの一例を示している。
図4(a)は、1つのガンコントローラ9aに他のガンコントローラ9b,9c,9d,9eが近接している場合に、通常とは異なる攻撃を可能とするガンコントローラ制御処理用のガンコントローラ制御テーブル26cを示している。
【0036】
図4(a)に示すガンコントローラ制御テーブル26cには、ガンコントローラ9と近接している他のガンコントローラ9の数毎に、攻撃種類、ヒット数別の攻撃力を示すデータが対応づけて設定されている。
【0037】
例えば、ガンコントローラ9aに2つのガンコントローラ9b,9cが近接している場合には、近接ガンコントローラ数「3」に該当して、敵オブジェクトに対して与えられる攻撃が攻撃種類Bであることを示している。また、3つのガンコントローラ9のうちで敵キャラクタにヒット(命中)した数が3つ(全て命中)の場合には攻撃力を12とし、同様に2つの場合には攻撃力を9、1つの場合には攻撃力を6とすることを示している。
【0038】
以下の説明では、図4(a)に示すガンコントローラ制御テーブル26cを使用したガンコントローラ制御処理を実行するものとする。
【0039】
なお、図4(b)は、複数のガンコントローラ9aが予め決められた所定の配置で近接している場合に、通常とは異なる攻撃を可能とするガンコントローラ制御処理用のガンコントローラ制御テーブル26cを示している。
【0040】
図4(b)に示すガンコントローラ制御テーブル26cでは、近接しているガンコントローラ9の数だけでなく、相互の位置関係を示す近接ガンコントローラ配置パターン毎に、攻撃種類、ヒット数別の攻撃力を示すデータが対応づけて設定されている。配置パターンとしては、例えば下段に2つのガンコントローラ9を配列し、上段に3つのガンコントローラ9を配列した配置パターン(図9参照)や、全てのガンコントローラ9を水平に配列した配置パターンなど、複数の配置パターンが設定されているものとする。
【0041】
なお、図4(b)に示すガンコントローラ制御テーブル26cを用いてガンコントローラ制御処理を実行する場合には、複数のガンコントローラ9の相対的な位置関係を検出する機構が必要となる。
【0042】
図5、図6、図7は、近接するガンコントローラ9の検出について説明するための図である。各図においては、4つのガンコントローラ9a,9b,9c,9dを示しており、「1P」はプレイヤ1が使用するガンコントローラ9a、「2P」はプレイヤ2が使用するガンコントローラ9b、「3P」はプレイヤ3が使用するガンコントローラ9c、「4P」はプレイヤ4が使用するガンコントローラ9dである。
【0043】
本実施形態におけるガンゲーム機1では、ガンコントローラ9aにアンテナ18が実装されており、ガンコントローラ9aを通じて他のガンコントローラ9b,9c,9dのICタグ19からデータを読み取る。従って、ガンコントローラ9a,9b,9c,9dを近接させて複数のプレイヤが連帯して攻撃しようとする場合には、図5に示すように、ガンコントローラ9a(「1P」)を中心とした通信可能距離内にプレイヤ2,3,4は、それぞれガンコントローラ9b,9c,9dを移動させる必要がある。
【0044】
図6は、プレイヤ3が使用するガンコントローラ9cを中心とした通信可能距離(破線の円によって示す)内にガンコントローラ9a,9b,9dが移動された状態を示している。図6に示すように、単に複数のガンコントローラ9a,9b,9c,9dを近接させただけでは、全てのガンコントローラ9a,9b,9c,9dが近接された状態にあるとは検出されない。図6に示す例では、ガンコントローラ9a(「1P」)を中心とした通信可能距離内にガンコントローラ9b,9cのみが含まれているので、3つのガンコントローラ9a,9b,9cが近接された状態にあると検出される。
【0045】
本実施形態におけるガンゲーム機1では、プレイヤに対して、図5に示すようにガンコントローラ9aに対して他のガンコントローラ9を近接させることが必要なことを理解させる必要がある。例えば、ガンコントローラ9aの形状を他のガンコントローラ9と変えて攻撃の中心であることを直感的に把握できるようにしたり、ゲーム演出中でリーダー(ガンコントローラ9aを使用するプレイヤ1)が中心となって攻撃する必要があることを画面表示するなどしても良い。当然ながら、ガンコントローラ9aに他のガンコントローラ9b,9c,9d,9eを近接して使用することによって、通常とは異なる攻撃が可能となることをルールとして明示的にプレイヤに通知することも勿論可能である。
【0046】
また、図7に示すように、ガンコントローラ9a(「1P」)を中心とした通信可能距離を長くすることによって、近接していると判定される範囲を拡張するようにしても良い。ただし、通信可能距離を長くしすぎると、意図してガンコントローラ9aに近接させていない通常使用時にも近接された状態にあると判定されてしまうため、アンテナ18からの電波の到達範囲が適当に調整されるものとする。
【0047】
次に、本実施形態のガンゲーム機1におけるガンコントローラ制御処理について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0048】
本実施形態におけるガンゲーム機1において、ゲームをするプレイヤは、プレイヤの人数を指定してゲームを開始させる。各プレイヤは、それぞれガンコントローラ9を保持してゲームに参加する。以下の説明では、5人のプレイヤがガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9eをそれぞれ使用するものとする。
【0049】
ゲームが開始されると、メインCPU20は、ゲームプログラム26aに従い、ディスプレイ5に、順次、敵キャラクタを表示させていく。各プレイヤは、ガンコントローラ9の操作によって、敵キャラクタに対する攻撃を与える。ガンコントローラ9は、プレイヤによってトリガー14が引かれる操作がされると(トリガー操作)、これをトリガー認証部16によって検知して出力する。メインCPU20は、インタフェース27からのガンコントローラ9の入力によってトリガー操作されたことを検知し、ゲーム処理に反映させる。
【0050】
メインCPU20は、タグリーダ29によって、ガンコントローラ9b,9c,9d,9eに実装されたICタグ19からのデータ読み取りを実行させることにより、ガンコントローラ9aに近接している他のガンコントローラ9b,9c,9d,9eがあるかを判別する(ステップA1)。すなわち、タグリーダ29は、メインCPU20からの指示に応じて、ガンコントローラ9aのアンテナ18からデータ読み取りのための電波を発信する。アンテナ18から発信される電波は、到達範囲(通信可能距離)が制限されているため、ガンコントローラ9aと近接しているガンコントローラ9のICタグ19によってのみ受信される。
【0051】
ガンコントローラ9aと近接していることにより、ガンコントローラ9aからの電波を受信したICタグ19は、予め記憶された識別データを載せた電波を送信する。ガンコントローラ9aアンテナ18は、ICタグ19からの電波を受信してタグリーダ29に送出する。タグリーダ29は、何れのガンコントローラ9に実装されたICタグ19からデータが読み取られたかを検出してメインCPU20に通知する。
【0052】
ここで、ガンコントローラ9aに近接している他のガンコントローラ9がない状態において(ステップA1、No)、メインCPU20は、インタフェース27を通じて、何れかのガンコントローラ9においてトリガー14が操作されたことを検知すると(ステップA2、Yes)、検出用CPU25によって検出されている表示装置23の表示画面上の位置または移動軌跡をもとに、敵キャラクタにヒットしているか否かを判別する。ここで、敵キャラクタにヒットしている場合には(ステップA3、Yes)、メインCPU20は、トリガー操作されたガンコントローラ9に応じた所定の攻撃処理を実行する(ステップA4)。
【0053】
例えば、ガンコントローラ9のそれぞれについて、プレイヤからの指示によって、予め武器の種類を設定することができる場合には、この設定された武器に応じた攻撃が敵キャラクタに対して与えられた処理を実行する。すなわち、敵キャラクタに対するダメージを与え、攻撃されたことを表現するゲーム画面をディスプレイ5において表示させる。
【0054】
ここで、メインCPU20は、敵キャラクタへの攻撃によってゲームが終了されなければ(ステップA5、No)、継続して処理を実行する。
【0055】
一方、ガンコントローラ9aに近接している他のガンコントローラ9がある状態において(ステップA1、Yes)、メインCPU20は、インタフェース27を通じて、何れかのガンコントローラ9においてトリガー14が操作されたことを検知すると(ステップA6、Yes)、この最初に検出されたトリガー操作から一定時間が経過するまでの他のガンコントローラ9におけるトリガー操作を検知する(ステップA7)。すなわち、複数のプレイヤが連携して、攻撃のための操作を同時に実行したか判別する。ここで、予め設定される一定時間は比較的短い時間、例えば0.5秒とすることにより、意図的に複数のプレイヤが入力タイミングを合わせてトリガー操作をしたことを検出できるようにする。
【0056】
メインCPU20は、近接しており、かつ一定時間内にトリガー操作がされたガンコントローラ9のそれぞれについて、検出用CPU25によって検出されている表示装置23の表示画面上の位置または移動軌跡をもとに、敵キャラクタにヒットしているか否かを判別する(ステップA8)。
【0057】
ここで、敵キャラクタにヒットしているガンコントローラ9があった場合には(ステップA9、Yes)、メインCPU20は、ガンコントローラ制御テーブル26cを参照して、近接したガンコントローラ9の数とヒット数とに応じて、攻撃種類と攻撃力を決定する(ステップA10)。
【0058】
例えば、3つのガンコントローラ9a,9b,9cが近接されていた場合には攻撃種類Bに決定される。そして、2つのガンコントローラ9a,9bのみが敵キャラクタにヒットしていた場合には攻撃力9に決定される。
【0059】
なお、単に近接されているだけでなく、同時にトリガー操作がされたと判定されたガンコントローラ9の数に応じて攻撃種類を決定するようにしても良い。
【0060】
メインCPU20は、ガンコントローラ制御テーブル26cを参照して決定された攻撃種類と攻撃力に応じた攻撃処理を実行する(ステップA11)。すなわち、敵キャラクタに対して決定された攻撃力に相当するダメージを与え、攻撃種類に応じた攻撃が敵キャラクタに与えられたことを表現するゲーム画面をディスプレイ5において表示させる。
【0061】
ここで、メインCPU20は、敵キャラクタへの攻撃によってゲームが終了されなければ(ステップA12、No)、継続して処理を実行する。
【0062】
このように、本実施形態におけるガンゲーム機1では、敵キャラクタに対して特別な攻撃をする場合には、プレイヤが互いにガンコントローラ9を近接させる必要があるので、プレイヤ同士が互いの位置関係を意識して最適なフォーメーションを組むようになる。そして、全員が揃って攻撃をする操作をすることにより、最高の攻撃力を発揮することができるので、プレイヤの連帯感を一層向上させることが可能となる。
【0063】
図9には、複数のプレイヤがそれぞれ使用するガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9eを近接させた状態で使用する様子を示している。図9に示すように、複数のガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9eを近接させて使用するためには、互いの立ち位置や姿勢などを工夫する必要がある。このため、プレイヤ同士が連携を図るようになり連帯感が向上される。
【0064】
なお、前述した説明では、1つのガンコントローラ9aにアンテナ18を設け、ガンコントローラ9aを通じて他のガンコントローラ9b,9c,9d,9eのICタグ19からデータが読みとれた場合に、ガンコントローラ9aと他のガンコントローラ9が近接されていると判別しているが、その他の方法によってガンコントローラ9が近接されていることを検出するようにしても良い。
【0065】
例えば、ガンゲーム機1の本体筐体2あるいはサブ筐体3側にタグリーダ29と接続された複数のアンテナ18、例えばアンテナ18a,18b,18cを設ける。複数のアンテナ18a,18b,18cは、それぞれ筐体の異なる端部近傍に設けることで、可能な限り離間させる。メインCPU20は、タグリーダ29を介して複数のアンテナ18a,18b,18cから受信されたデータをもとに、複数のガンコントローラ9が隣接しているかを判別する。例えば、各アンテナ18a,18b,18cからの電波到達範囲を一部共通にすることで、共通する複数のアンテナから同一のガンコントローラ9に設けられたICタグ19のデータが読み取られた場合には、このデータに対応するガンコントローラ9が近接していると判別することができる。
【0066】
また、ICタグ19からのデータを読み取る方式以外によってガンコントローラ9の位置を検出するようにしても良い。例えば、ガンゲーム機1の複数箇所に離間して受信装置を設け、各ガンコントローラ9に設けられた発信装置から発信される電波を受信し、各受信装置により受信された電波強度の差に基づいて、各ガンコントローラ9の位置を検出しても良い。
【0067】
また、ディスプレイ5に対してガンコントローラ9の銃口が向いている方向と、ガンゲーム機1の筐体側からの距離とに基づいて、ガンコントローラ9の位置を検出することもできる。例えば、ガンコントローラ9に傾斜センサなどを設け、検出用CPU25によって検出されるガンコントローラ9によるディスプレイ5上の位置と傾斜センサにより検出される傾斜角度をもとに、ガンコントローラ9の銃口方向を検出することができる。また、ガンゲーム機1の本体側に電波の到達範囲が異なる複数のアンテナを設けて、何れのアンテナによってICタグ19のデータが読み取られたかによってガンコントローラ9のガンゲーム機1の筐体側からの距離を検出することができる(前述した電波の受信強度をもとに距離を検出しても良い)。
【0068】
また、電波だけでなく赤外線を利用してガンコントローラ9の位置を検出するようにしても良い。さらに、ガンゲーム機1の本体側に設けたカメラによって複数のガンコントローラ9を含む画像を撮影し、この撮影された画像からガンコントローラ9の部分を抽出して相互の位置関係を検出するようにしても良い。
【0069】
なお、他の方法によってガンコントローラ9の位置を検出するようにしても良い。
【0070】
このように、複数のガンコントローラ9のそれぞれの位置を検出し、各ガンコントローラ9の相対的な位置関係を検出できるようにすることで、図4(b)に示すガンコントローラ制御テーブル26cを利用して、複数のガンコントローラ9の配置パターンをもとにして、攻撃種類や攻撃力を決定することも可能となる。
【0071】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態におけるガンゲーム機1の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるガンコントローラ9の外観を示す斜視図。
【図3】本実施形態におけるガンゲーム機1の構成を示すブロック図。
【図4】ガンコントローラ制御テーブル26cに設定されるデータの一例を示す図。
【図5】近接するガンコントローラ9の検出について説明するための図。
【図6】近接するガンコントローラ9の検出について説明するための図。
【図7】近接するガンコントローラ9の検出について説明するための図。
【図8】本実施形態のガンゲーム機1におけるガンコントローラ制御処理について説明するためのフローチャート。
【図9】複数のプレイヤがそれぞれ使用するガンコントローラ9a,9b,9c,9d,9eを近接させた状態で使用する様子を示す図。
【符号の説明】
【0073】
1…ガンゲーム機、2…本体筐体、3…サブ筐体、5…ディスプレイ、6…スピーカ、7…コントロールパネル、9(9a,9b,9c,9d,9e)…ガンコントローラ、10(10a,10b,10c,10d,10e)…コード、12…グリップ、13…銃身、14…トリガー、15…振動ユニット、16…トリガー認証部、17…CCDカメラ部、18…アンテナ、19…ICタグ、20…メインCPU、21…RAM、22…画像処理部、23…表示装置、24…音響装置、25…検出用CPU、26…記憶装置、26a…ゲームプログラム、26b…ガンコントローラ制御プログラム、26c…ガンコントローラ制御テーブル、26d…ゲーム画像データ、27…インタフェース、28…振動ユニット制御回路、30…制御ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラからの入力に応じてゲームを実行するゲーム機において、
複数のコントローラと、
前記複数のコントローラが予め決められた範囲内まで近接されていることを検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記複数のコントローラが近接されていることが検出されている状態で前記コントローラからの入力があった場合に、前記コントローラが近接されていない場合とは異なるゲーム処理を実行するゲーム制御手段と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
予め決められた1つのコントローラを通じて、非接触通信によって他のコントローラからデータの読み取りができた場合に近接されていると判定することを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
【請求項3】
前記ゲーム制御手段は、前記検出手段によって近接されていることが検出された前記コントローラの数に応じて、異なるゲーム処理を実行することを特徴とする請求項1または請求項2記載のゲーム機。
【請求項4】
前記検出手段によって近接されていると判定された前記コントローラからの入力のタイミングを検知するタイミング検知手段とをさらに具備し、
前記ゲーム制御手段は、
前記タイミング検知手段によって予め決められた一定時間内に入力があった前記コントローラの数に応じてゲーム処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のゲーム機。
【請求項5】
前記検出手段は、
前記複数のコントローラが、予め決められた複数の配置パターンの何れの状態で近接されているかを検出し、
前記ゲーム制御手段は、
前記検出手段によって検出された配置パターンに応じたゲーム処理を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の何れかに記載のゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−45112(P2009−45112A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211484(P2007−211484)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】