説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ゲームキャラクタの動作に関する音声出力の興趣を向上させることが可能になるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】イベント履歴データ記録部70bは、ゲーム中の少なくとも所与の評価対象期間において、1又は複数のゲームキャラクタの動作の履歴を示す動作履歴データを記録する。評価値算出部76aは、イベント履歴データ記録部70bによって記録された動作履歴データに基づいて、評価対象期間に順次行われた1又は複数のゲームキャラクタの各動作の評価値を算出する。特に、評価値算出部76aは、少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出する。音声出力部78は、評価値算出部76aによる算出結果に基づいて選択される、評価対象期間に順次行われた1又は複数のゲームキャラクタの動作のうちの少なくとも1つに対応する音声を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
1又は複数のゲームキャラクタの動作が順次行われる様子を表示するゲームを実行するゲーム装置が知られている。例えば、サッカー等のスポーツの試合を模したスポーツゲームを実行するゲーム装置が知られている。
【特許文献1】特許第3209988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなゲーム装置では、上記1又は複数のゲームキャラクタの動作に関する音声が出力される場合がある。例えば、上記のようなスポーツゲームを実行するゲーム装置では、現実のスポーツの試合のテレビ中継のように、特定のプレイ(例えばシュート等)が行われた場面のリプレイ映像をモニタに表示するとともに、そのリプレイ映像の場面について解説者等が解説する音声をスピーカから出力することにより、スポーツゲームの興趣を向上させることが行われている。しかしながら、このような音声として、リプレイ映像の場面の種類ごとにあらかじめ定められた音声を出力するのみでは、面白みに欠けてしまう場合がある。例えば、得点の入った場面について「いいシュートでした」等の音声を出力し、シュートが行われたが得点に至らなかった場面では「惜しいシュートでした」等の音声を出力するのみでは、面白みに欠けてしまう場合がある。この点、リプレイ映像の場面におけるキーとなるプレイを解説者等が解説する音声を出力することが可能になると、リプレイ映像に関する音声出力に係る興趣を向上させることが可能になる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゲームキャラクタの動作に関する音声出力の興趣、例えばスポーツゲームにおけるリプレイ映像に関連する音声出力の興趣を向上させることが可能になるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、1又は複数のゲームキャラクタの動作が順次行われる様子を表示するゲームを実行するゲーム装置において、前記ゲーム中の少なくとも所与の評価対象期間において、前記1又は複数のゲームキャラクタの動作の履歴を示す動作履歴データを記録する動作履歴データ記録手段と、前記動作履歴データ記録手段によって記録された動作履歴データに基づいて、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの各動作の評価値を算出する手段であって、少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出する評価値算出手段と、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの動作のうちの少なくとも1つを、前記評価値算出手段による算出結果に基づいて選出する動作選出手段と、前記動作選出手段によって選出された動作に対応する音声を出力する動作対応音声出力手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、1又は複数のゲームキャラクタの動作が順次行われる様子を表示するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記ゲーム中の少なくとも所与の評価対象期間において、前記1又は複数のゲームキャラクタの動作の履歴を示す動作履歴データを記録するための動作履歴データ記録ステップと、前記動作履歴データ記録ステップによって記録された動作履歴データに基づいて、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの各動作の評価値を算出するためのステップであって、少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出する評価値算出ステップと、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの動作のうちの少なくとも1つを、前記評価値算出ステップによる算出結果に基づいて選出するための動作選出ステップと、前記動作選出ステップによって選出された動作に対応する音声を出力するための動作対応音声出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、1又は複数のゲームキャラクタの動作が順次行われる様子を表示するゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機、携帯用ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)やパーソナルコンピュータなどのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記ゲーム中の少なくとも所与の評価対象期間において、前記1又は複数のゲームキャラクタの動作の履歴を示す動作履歴データを記録する動作履歴データ記録手段、前記動作履歴データ記録手段によって記録された動作履歴データに基づいて、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの各動作の評価値を算出する手段であって、少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出する評価値算出手段、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの動作のうちの少なくとも1つを、前記評価値算出手段による算出結果に基づいて選出する動作選出手段、及び、前記動作選出手段によって選出された動作に対応する音声を出力する動作対応音声出力手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。また、本発明に係るプログラム配信装置は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信装置である。また、本発明に係るプログラム配信方法は、上記プログラムを記録した情報記憶媒体を備え、当該情報記憶媒体から上記プログラムを読み出し、配信するプログラム配信方法である。
【0009】
本発明は、1又は複数のゲームキャラクタの動作が順次行われる様子を表示するゲームを実行するゲーム装置に関するものである。本発明では、ゲーム中の少なくとも所与の評価対象期間において、上記1又は複数のゲームキャラクタの動作の履歴を示す動作履歴データが記録される。そして、その動作履歴データに基づいて、評価対象期間に順次行われた上記1又は複数のゲームキャラクタの各動作の評価値を算出される。この場合、少なくとも1つの動作の評価値が、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出される。そして、その算出結果に基づいて、評価対象期間に順次行われた上記1又は複数のゲームキャラクタの動作のうちの少なくとも1つが選出される。そして、選出された動作に対応する音声が出力される。本発明によれば、ゲームキャラクタの動作に関する音声出力の興趣、例えばスポーツゲームにおけるリプレイ映像に関連する音声出力の興趣を向上させることが可能になる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記評価値算出手段は、前記少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作の動作結果が所定の動作結果であるか否かの判定結果に基づいて算出するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記評価値算出手段は、前記少なくとも1つの動作の評価値を、その動作と、その動作が行われた後に行われた1又は複数の動作と、の組み合わせが所定の組み合わせであるか否かの判定結果に基づいて算出するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム中の所与の再現対象期間における前記1又は複数のゲームキャラクタの動作を再現した再現映像を表示する再現映像表示手段を含み、前記評価対象期間は、前記再現対象期間に基づく期間であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。同図に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11に情報記憶媒体たるDVD−ROM25及びメモリカード28が装着され、さらにモニタ18及びスピーカ22が接続されることによって構成される。例えば、モニタ18には家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ22にはその内蔵スピーカが用いられる。
【0015】
家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、画像処理部16、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、主記憶26、入出力処理部30及びコントローラ32を含んで構成される公知のコンピュータゲームシステムである。コントローラ32以外の構成要素は筐体内に収容される。
【0016】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、画像処理部16、主記憶26及び入出力処理部30は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0017】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、DVD−ROM25から読み出されるプログラムや、メモリカード28から読み出されるデータに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶26は、例えばRAMを含んで構成されるものであり、DVD−ROM25から読み出されたプログラムやメモリカード28から読み出されたデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶26はマイクロプロセッサ14の作業用としても用いられる。
【0018】
画像処理部16はVRAMを含んで構成されており、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、その内容をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ18に出力する。
【0019】
入出力処理部30は、マイクロプロセッサ14が音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32にアクセスするためのインタフェースである。入出力処理部30には、音声処理部20、DVD−ROM再生部24、メモリカード28及びコントローラ32が接続される。
【0020】
音声処理部20はサウンドバッファを含んで構成されており、DVD−ROM25から読み出され、該サウンドバッファに記憶されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ22から出力する。
【0021】
DVD−ROM再生部24は、マイクロプロセッサ14からの指示に従ってDVD−ROM25に記録されたプログラムを読み取る。なお、ここではプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するためにDVD−ROM25を用いることとするが、CD−ROMやROMカード等、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して遠隔地からプログラムを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0022】
メモリカード28は、不揮発性メモリ(例えばEEPROM等)を含んで構成される。家庭用ゲーム機11は、メモリカード28を装着するための複数のメモリカードスロットを備えており、複数のメモリカード28を同時に装着可能となっている。メモリカード28は、このメモリカードスロットに対して脱着可能に構成され、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶させるために用いられる。
【0023】
コントローラ32は、プレイヤが各種ゲーム操作の入力をするための汎用操作入力手段である。入出力処理部30は一定周期毎(例えば1/60秒毎)にコントローラ32の各部の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14は、その操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。家庭用ゲーム機11は複数のコントローラ32を接続可能に構成されており、各コントローラ32から入力される操作信号に基づいて、マイクロプロセッサ14がゲーム制御を行うようになっている。
【0024】
上記ハードウェア構成を有するゲーム装置10では、プレイヤ(ユーザ)が操作対象のチーム(以下、操作対象チームと記載する。)に属する選手オブジェクト(サッカー選手を表すオブジェクト)を操作し、対戦相手チームよりも多く得点イベントを発生させることを目指すサッカーゲームが提供される。このサッカーゲームは、DVD−ROM25から読み出されたサッカーゲーム用のプログラムが実行されることによって実現される。
【0025】
ゲーム装置10では、上記サッカーゲームを提供するために仮想的な3次元空間(ゲーム空間)が主記憶26に構築される。図2は、主記憶26に構築される仮想3次元空間の一例を示している。同図に示すように、仮想3次元空間40には、サッカー球技場を表すフィールドオブジェクト42及びゴールオブジェクト44が配置され、サッカーの試合の舞台となるフィールドが形成される。フィールドオブジェクト42上には、サッカーの選手を表す選手オブジェクト46(ゲームキャラクタ)と、サッカーボールを表すボールオブジェクト48と、が配置される。同図では、1体の選手オブジェクト46のみが表されているが、フィールドオブジェクト42上には、操作対象チームに属する11体の選手オブジェクト46と、対戦相手チームに属する11体の選手オブジェクト46と、が配置される。
【0026】
上記サッカーゲームでは、操作対象チームに属する選手オブジェクト46のうちのいずれかがプレイヤの操作対象となる。例えば、ボールオブジェクト48の最も近くに位置する選手オブジェクト46がプレイヤの操作対象となり、ボールオブジェクト48の移動に応じて、又は、プレイヤの所定の切り替え指示操作に応じて、プレイヤの操作対象は他の選手オブジェクト46に切り替えられる。
【0027】
プレイヤの操作対象の選手オブジェクト46(以下、操作対象選手オブジェクトと記載する。)の仮想3次元空間40における状態(位置及び姿勢等)は、コントローラ32から入力される操作信号に従って変化する。
【0028】
例えば、プレイヤがコントローラ32を用いて方向指示操作を行うと、操作対象選手オブジェクトはプレイヤによって指示された方向に移動する。なお、選手オブジェクト46がボールオブジェクト48に近づくと、所定条件下、選手オブジェクト46とボールオブジェクト48とが関連づけられ、その選手オブジェクト46がボールオブジェクト48をキープした状態となる。この状態では、ボールオブジェクト48が選手オブジェクト46に従動する。この様子は、選手オブジェクト46のドリブル動作としてモニタ18に表示される。
【0029】
また例えば、操作対象選手オブジェクトがボールオブジェクト48をキープした状態で、プレイヤがパス指示操作を行うと、操作対象選手オブジェクトはパス動作を行う。この場合、ボールオブジェクト48はプレイヤに指示された方向へ移動する。同様に、操作対象選手オブジェクトがボールオブジェクト48をキープした状態で、プレイヤがセンタリング指示操作やシュート指示操作を行うと、操作対象選手オブジェクトはセンタリング動作やシュート動作を行う。この場合も、ボールオブジェクト48はプレイヤに指示された方向へ移動する。
【0030】
操作対象チームに属する選手オブジェクト46のうちの、操作対象選手オブジェクト以外の選手オブジェクト46(以下、味方選手オブジェクトと記載する。)と、対戦相手チームに属する選手オブジェクト46(以下、対戦相手選手オブジェクトと記載する。)とは、コンピュータによって所定のアルゴリズムに従い自動制御される。なお、複数のプレイヤが協力して操作対象チームを操作するようにしてもよく、そのような場合には、少なくとも1つの味方選手オブジェクトが他のプレイヤの操作対象選手オブジェクトとなり、該他のプレイヤに操作に応じて動作することになる。また、他のプレイヤが対戦相手チームを操作するようにしてもよく、そのような場合には、対戦相手選手オブジェクトのいずれかが該他のプレイヤの操作対象選手オブジェクトとなり、該他のプレイヤに操作に応じて動作することになる。
【0031】
仮想3次元空間40には視点が設定される。視点は、例えばボールオブジェクト48又は操作対象選手オブジェクトに従動するように設定される。この視点から仮想3次元空間40を見た様子を表すゲーム画面が生成され、モニタ18に表示される。プレイヤは、モニタ18に表示されるゲーム画面を見ながらコントローラ32を操作し、上記サッカーゲームをプレイする。
【0032】
上記サッカーゲームにはハイライトシーン機能が備えられている。すなわち、現実のサッカーの試合のテレビ中継のように、試合終了後や前半終了後等に、複数の場面のリプレイ映像がハイライトシーンとして順次表示される。本実施の形態の場合、例えば、得点が入った場面(以下、得点場面と記載する。)や、得点には至らなかったが良いシュートが行われた場面(以下、シュート場面と記載する。)等のリプレイ映像がハイライトシーンとして表示される。
【0033】
また、ハイライトシーン機能では、ハイライトシーンを解説者等が解説する音声(以下、解説音声と記載する。)が出力される。特に、本実施の形態におけるハイライトシーン機能にはキープレイ解説機能が備えられており、解説音声として、ハイライトシーンにおいてキーとなったプレイ(注目すべきプレイ)を解説者等が解説する音声が出力される。
【0034】
ここで、ゲーム装置10で出力される解説音声について、図3に示す場面がハイライトシーンとして表示される場合を例として説明する。なお、図3に示す場面は、「A選手が、サイドライン43付近をドリブル動作(MA1)で攻め上がり、対戦相手チームのD選手をかわすために、味方のB選手との間でワンツーパス動作(MA2及びMB1)を行い、B選手からのパスを受け取った後、ゴール前の味方のC選手に対してセンタリング動作(MA3)を行い、C選手が、A選手のセンタリング動作(MA3)に合わせてシュート動作(MC1)を行った場面」を示している。この場面においてC選手のシュート動作(MC1)によって得点が入った場合には、すなわち、図3に示す場面が得点場面である場合には、例えば「C選手のシュートも確かにいいシュートでしたが、B選手のパスが特にすばらしかったです。」等のような解説音声が出力される。また、この場面においてC選手のシュート動作(MC1)によって得点が入らなかった場合には、すなわち、図3に示す場面がシュート場面である場合には、例えば「C選手のシュートは惜しくも決まりませんでしたが、B選手のパスはすばらしかったと思います。」等のような解説音声が出力される。
【0035】
ゲーム装置10では、上記のようなキープレイ解説機能により、ハイライトシーン機能に係る興趣の向上が図られている。以下、キープレイ解説機能を実現するための構成について説明する。
【0036】
図4は、ゲーム装置10において実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置10は、操作部60、ゲーム状況情報更新部62、ゲーム状況情報記憶部64、ゲーム画面表示制御部66、表示部68、ゲームプレイ記録部70、ハイライトシーン表示制御部72、音声データ記憶部74、解説音声出力制御部76、音声出力部78を機能的に含んでいる。これらの機能は、DVD−ROM25から読み出されたプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0037】
まず、サッカーゲームの基本機能(サッカーの試合を模したゲームを提供する機能)を実現するための機能ブロックについて説明する。操作部60、ゲーム状況情報更新部62、ゲーム状況情報記憶部64、ゲーム画面表示制御部66及び表示部68は基本機能を実現するための機能ブロックである。
【0038】
[操作部]
操作部60はコントローラ32を主として実現される。操作部60は、コントローラ32の操作状態を示す操作情報を所定時間(本実施の形態の場合には1/60秒)ごとにゲーム状況情報更新部62を供給する。
【0039】
[ゲーム状況情報記憶部]
ゲーム状況情報記憶部64は主記憶26を主として実現される。ゲーム状況情報記憶部64はゲームの状況を示すゲーム状況情報を記憶する。ゲーム状況情報は、例えば各選手オブジェクト46の仮想3次元空間40における状態(位置、姿勢や動作種類等)や、ボールオブジェクト48の仮想3次元空間40における状態(位置、移動方向や移動速度等)を示す情報である。
【0040】
本実施の形態の場合、ゲーム状況情報記憶部64には、各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の現在の状態だけでなく、所定時間(例えば10秒)前から現在までの期間における、所定時間(例えば1/60秒)ごとの各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の状態を示す情報が記憶される。すなわち、ゲーム状況情報記憶部64には、所定時間前から現在までの間における各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の状態の変化が保持される。
【0041】
[ゲーム状況情報更新部]
ゲーム状況情報更新部62はマイクロプロセッサ14を主として実現される。ゲーム状況情報更新部62は、ゲーム状況情報記憶部64に記憶されるゲーム状況情報を更新する。例えば、ゲーム状況情報更新部62は、ゲーム状況情報記憶部64に保持される、操作対象選手オブジェクトやボールオブジェクト48の現在の状態を、操作部60から供給される操作情報に基づいて更新する。また例えば、ゲーム状況情報更新部62は、ゲーム状況情報記憶部64に保持される、操作対象選手オブジェクト以外の選手オブジェクト46の現在の状態を、所定のアルゴリズムに従って更新する。
【0042】
[ゲーム画面表示制御部及び表示部]
ゲーム画面表示制御部66はマイクロプロセッサ14及び画像処理部16を主として実現される。表示部68はモニタ18を主として実現される。例えば、ゲーム画面表示制御部66は、「ゲーム状況情報記憶部64に保持される、各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48の現在の状態に基づいて、各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48が配置された仮想3次元空間40」を所与の視点から見た様子を表すゲーム画面を生成し、そのゲーム画面を表示部68に表示させる。
【0043】
次に、ハイライトシーン機能を実現するための機能ブロックについて説明する。ゲームプレイ記録部70、ハイライトシーン表示制御部72、音声データ記憶部74、解説音声出力制御部76及び音声出力部78はハイライトシーン機能を実現するための機能ブロックである。
【0044】
[ゲームプレイ記録部]
ゲームプレイ記録部70はマイクロプロセッサ14及び主記憶26を主として実現される。ゲームプレイ記録部70はリプレイデータ記録部70a及びイベント履歴データ記録部70bを含んでいる。
【0045】
[リプレイデータ記録部]
リプレイデータ記録部70aは、各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48の状態の変化を再現するためのリプレイデータを記録する。
【0046】
リプレイデータ記録部70aは、ゲーム中において、ハイライトシーンの対象となり得る特定場面(本実施の形態の場合、得点場面又はシュート場面等)になったか否かを監視する。特定場面になったか否かの判断はゲーム状況情報記憶部64の記憶内容に基づいて行われる。そして、リプレイデータ記録部70aは、特定場面になったと判断した場合、ゲーム状況情報記憶部64に保持される、「所定時間(例えば10秒)前から現在までの期間における、所定時間(例えば1/60秒)ごとの各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の状態を示す情報」を読み出し、リプレイデータとして保存する。
【0047】
図5は、リプレイデータ記録部70aの記憶内容の一例を示している。同図に示すように、リプレイデータ記録部70aには、1又は複数のリプレイデータが記憶されるとともに、各リプレイデータに対応づけて、そのリプレイデータに係る場面の種類と、そのリプレイデータに係る場面になった時間(試合開始からの経過時間)と、が記憶される。なお、同図に示す例は、試合開始からの経過時間が「T1」秒となったタイミングで得点場面になったことを示している。また、同図において、リプレイデータ(T1−10≦t≦T1)とは、試合開始からの経過時間が「T1−10」秒以上であって「T1」秒以下の期間(再現対象期間)の、各選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の状態の変化を示すリプレイデータを示している。
【0048】
[イベント履歴データ記録部]
イベント履歴データ記録部70bは、ゲーム中において発生した特定のイベントの履歴を示すイベント履歴データを記録する。イベント履歴データには、試合開始から試合終了までの間に発生した「得点イベント」、「コーナーキックイベント」、「ゴールキックイベント」、「フリーキックイベント」、「ファウルイベント」や「オフサイドイベント」等のイベントとともに、選手オブジェクト46によって行われたボールオブジェクト48に関わる個々の動作(以下、ボール関連動作と記載する。)がイベント(以下、ボール関連動作イベントと記載する。)として記録される。すなわち、選手オブジェクト46によってボール関連動作が行われたらボール関連動作イベントが発生したこととして、イベント履歴データに記録されるようになっており、イベント履歴データは、試合開始から試合終了までの間に行われた、選手オブジェクト46のボール関連動作の履歴を示す動作履歴データとしての役割を果たしている。なお、ボール関連動作は、例えばドリブル動作、パス動作、センタリング動作、シュート動作、フリーキック動作、ボールキープ動作や、ボールオブジェクト48をキープする選手オブジェクト46へのタックル動作等である。
【0049】
図6は、イベント履歴データ記録部70bの記憶内容の一例を示している。同図に示すように、イベント履歴データ記録部70bには、試合中に発生した特定のイベントのすべてに関し、そのイベントを一意に識別する識別情報であってそのイベントの発生順を示すIDと、そのイベントが発生した時間(試合開始からの経過時間)と、そのイベントの内容(イベントの種類や主体等)と、が対応づけて記憶される。例えば、ボール関連動作イベントに関しては、そのID及び発生時間とともに、ボール関連動作を行った選手オブジェクト46の識別情報と、そのボール関連動作の種類と、が記憶される。また例えば、得点イベントに関しては、そのID及び発生時間とともに、得点を入れた選手オブジェクト46の識別情報が記憶される。
【0050】
[ハイライトシーン表示制御部]
ハイライトシーン表示制御部72はマイクロプロセッサ14及び画像処理部16を主として実現される。ハイライトシーン表示制御部72は、ゲーム中の所与の期間(再現対象期間)における選手オブジェクト46及びボールオブジェクト48の動作を再現したリプレイ映像(再現映像)を表示部68に表示させる。すなわち、ハイライトシーン表示制御部72は、リプレイデータ記録部70aに記録されたリプレイデータを所与の順序に従って順次読み出し、そのリプレイデータによって再現されるリプレイ映像(ハイライトシーン)を表示部68に順次表示させる。リプレイ映像には、リプレイデータによって再現される仮想3次元空間40(各選手オブジェクト46やボールオブジェクト48等)の様子が表される。
【0051】
[音声データ記憶部]
音声データ記憶部74はDVD−ROM25や主記憶26を主として実現される。音声データ記憶部74には、解説音声を出力するための音声データが記憶される。音声データ記憶部74には、各選手オブジェクト46に設定された名称を音声出力するための音声データ(以下、選手名音声データと記載する。)が記憶される。例えば、A選手(「A」という名称が設定された選手オブジェクト46)に対応づけて、「A」を音声出力するための音声データが選手名音声データとして記憶される。また、音声データ記憶部74には、場面種類と、動作種類と、の組み合わせに対応づけて、基礎解説音声データが記憶される。基礎解説音声データは解説音声出力の基礎となる音声データであり、より詳しくは、解説音声のうちの選手名部分を除いた部分を音声出力するための音声データである。図7は、音声データ記憶部74の記憶内容(基礎解説音声データに関するもの)の一例を示している。
【0052】
[解説音声出力制御部及び音声出力部]
解説音声出力制御部76はマイクロプロセッサ14及び音声処理部20を主として実現される。音声出力部78(動作対応音声出力手段)はスピーカ22を主として実現される。解説音声出力制御部76は、ハイライトシーンに対応する解説音声を音声出力部78に出力させる。解説音声出力制御部76は評価値算出部76a及びキープレイ選出部76bを含んでいる。
【0053】
[評価値算出部]
評価値算出部76aは、イベント履歴データ記録部70bによって記録されたイベント履歴データに基づいて、ゲーム中の評価対象期間に順次行われた選手オブジェクト46の各動作(ボール関連動作)の評価値を算出する。ここで、「評価対象期間」とは、ハイライトシーンに係るゲーム中の期間(再現対象期間)に基づく期間である。評価対象期間は、例えば再現対象期間と同一の期間であってもよいし、再現対象期間を含む期間であって再現対象期間よりも長い期間であってもよい。
【0054】
特に、評価値算出部76aは、評価対象期間に順次行われた選手オブジェクト46の動作(ボール関連動作)のうちの少なくとも1つに関し、その動作の評価値をその動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出する。
【0055】
例えば、評価値算出部76aは、少なくとも1つの動作に関し、その評価値を、その動作が行われた後に行われた動作の動作結果が所定の動作結果であるか否かの判定結果に基づいて算出する。例えば、少なくとも1つの動作に関し、その評価値を、その動作が行われた後に行われた動作によって所定のゲームイベント(得点イベント等)が発生したか否かの判定結果に基づいて算出する。
【0056】
より具体的には、例えばハイライトシーンが図3に示す場面である場合、A選手のセンタリング動作(MA3)の評価値が、C選手のシュート動作(MC1)の成否に基づいて算出されるようにしてもよい。すなわち、C選手のシュート動作(MC1)によって得点が入った場合には、A選手のセンタリング動作(MA3)が良かったためと考えられることから、A選手のセンタリング動作(MA3)の評価値が、C選手のシュート動作(MC1)によって得点が入らなかった場合よりも高くなるようにしてもよい。また例えば、B選手のパス動作(MB1)の評価値が、A選手のセンタリング動作(MA3)の成否に基づいて算出されるようにしてもよい。すなわち、A選手のセンタリング動作(MA3)によってC選手のシュート動作(MC1)が行われた場合には、B選手のパス動作(MB1)の評価値が通常のパス動作の場合よりも高くなるようにしてもよい。また例えば、B選手のパス動作(MB1)の評価値が、C選手のシュート動作(MC1)の成否に基づいて算出されるようにしてもよい。すなわち、C選手のシュート動作(MC1)によって得点が入った場合には、B選手のパス動作(MB1)の評価値が、C選手のシュート動作(MC1)によって得点が入らなかった場合よりも高くなるようにしてもよい。
【0057】
また例えば、評価値算出部76aは、少なくとも1つの動作に関し、その評価値を、その動作と、その動作が行われた後に行われた1又は複数の動作と、の組み合わせが特定の組み合わせであるか否かの判定結果に基づいて算出する。
【0058】
より具体的には、例えばハイライトシーンが図3に示す場面である場合、A選手のパス動作(MA2)と、その直後に行われたB選手のパス動作(MB1)とが味方選手同士のワンツーパス動作であるため、A選手のパス動作(MA2)の評価値が単なるパス動作の場合よりも高くなるようにしてもよい。なお、この場合、B選手のパス動作(MB1)の評価値も単なるパス動作の場合よりも高くなるようにしてもよい。
【0059】
図8は、評価値算出部76aによって実行される処理を示すフロー図である。同図に示す処理は、DVD−ROM25から読み出されたプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0060】
図8に示すように、まず、イベント履歴データ記録部70bに記憶されたイベント履歴データのうちの、評価対象期間のイベント履歴データが取得される(S101)。ここで、評価対象期間は、リプレイデータ記録部70aにおいてリプレイデータに対応づけて記憶される時間情報に基づいて特定される(図5参照)。
【0061】
次に、S101で取得されたイベント履歴データに基づいて、動作評価値テーブルが初期化される(S102)。図9は動作評価値テーブルの一例を示している。同図に示すように、動作評価値テーブルは、評価対象期間中に発生したボール関連動作イベントのIDと、そのボール関連動作イベントに係るボール関連動作を行った選手オブジェクト46の識別情報と、そのボール関連動作の種類と、そのボール関連動作の評価値と、を対応づけてなるテーブルである。
【0062】
次に、変数iの値が、評価対象期間中に発生した最初のイベントのIDに初期化される(S103)。そして、ID「i」のイベントがボール関連動作イベントであるか否かが判定される(S104)。ID「i」のイベントがボール関連動作イベントである場合、動作評価値テーブルにおいて、ID「i」のボール関連動作の評価値が、ID「i」のボール関連動作の動作種類の基礎評価値に更新される(S105)。評価値算出部76aには、例えば図10に示すような基礎評価値テーブルが記憶されている。同図に示すように、基礎評価値テーブルは、動作種類ごとの基礎評価値を示すデータである。なお、各動作種類の基礎評価値は一定値としてもよいし、各動作種類の内容に基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、ドリブル動作の基礎評価値は、ドリブル動作の継続時間等に応じて変化するようにしてもよい。また例えば、シュート動作の基礎評価値は、シュート動作の態様(ボレーシュート、ヘディングシュートやオーバーヘッドシュート等)に応じて変化するようにしてもよい。このステップ(S105)では、この基礎評価値テーブルが参照され、ID「i」のボール関連動作の動作種類の基礎評価値が取得される。そして、動作評価値テーブルに保持される、ID「i」のボール関連動作の評価値が、その基礎評価値に更新される。例えば、変数iの値が200である場合、ID「200」のボール関連動作はドリブルであるため、動作評価値テーブルに保持される、ID「200」のボール関連動作の評価値がP1に更新される。
【0063】
次に、ID「i」のボール関連動作が評価値補正条件を満足するか否かが判定される(S106)。評価値算出部76aには、例えば図11に示すような内容の評価値補正データが保持されている。同図に示すように、評価値算出部76aでは、評価値補正条件と評価値補正情報とが対応づけて保持される。ここで、評価値補正条件には、ID「i」のボール関連動作に関する条件が含まれる。評価値補正情報には、ID「i」のボール関連動作やID「i」のボール関連動作が行われる前に行われたボール関連動作(例えばID「i−1」のボール関連動作等)の評価値の補正に関する情報が含まれる。
【0064】
ID「i」のボール関連動作が評価値補正条件を満足する場合、その評価値補正条件に対応づけられた評価値補正情報に従って、動作評価値テーブルに保持される、例えばID「i」やID「i−1」のボール関連動作等の評価値が補正される(S107)。例えば、変数iの値が204である場合、ID「204」のボール関連動作がシュートであり、かつ、ID「204」のボール関連動作の動作結果が得点である(ID「204」のボール関連動作によって得点イベントが発生している)ため、図11に示す評価値補正条件aが満足され、動作評価値テーブルに保持される、ID「204」のボール関連動作の評価値にΔPaが加算される。また例えば、変数iの値が204である場合、ID「204」のボール関連動作がシュートであり、かつ、ID「204」のボール関連動作の動作結果が得点であり、かつ、ID「203」のイベントがボール関連動作イベントであり、かつ、ID「203」のボール関連動作がセンタリングであるため、図11に示す評価値補正条件bが満足され、動作評価値テーブルに保持される、ID「203」のボール関連動作の評価値にΔPbが加算される。また例えば、変数iの値が202である場合、ID「201」のイベントがボール関連動作イベントであり、かつ、ID「201」及び「202」のボール関連動作がパスであり、かつ、ID「202」のボール関連動作の相手がID「201」のボール関連動作を行ったA選手であるため、すなわち、ID「201」及び「202」のボール関連動作がいわゆるワンツーパスであるため、図11に示す評価値補正条件cが満足され、動作評価値テーブルに保持される、ID「202」のボール関連動作の評価値にΔPc1が加算されるとともに、ID「201」のボール関連動作の評価値にΔPc2が加算される。
【0065】
S107の処理が実行された後、又は、S106において、ID「i」のボール関連動作が評価値補正条件を満足しないと判定された場合、又は、S104において、ID「i」のイベントがボール関連動作イベントでないと判定された場合、変数iの値がインクリメントされ(S108)、ID「i」のイベントが評価対象期間中のイベントであるか否かが判定される(S109)。ID「i」のイベントが評価対象期間中に発生したイベントである場合には、S104乃至S109の処理が再び実行される。一方、ID「i」のイベントが評価対象期間中に発生したイベントでない場合には本処理は終了する。
【0066】
[キープレイ選出部]
キープレイ選出部76b(動作選出手段)は、評価対象期間に順次行われた選手オブジェクト46の動作(ボール関連動作)のうちの少なくとも1つを、評価値算出部76aによる算出結果に基づいて選出する。解説音声出力制御部76は、キープレイ選出部76bによって選出された動作に対応する音声を音声出力部78から出力させる。
【0067】
本実施の形態の場合、キープレイ選出部76bは、評価値算出部76aによる算出結果に基づき、いずれかの選手オブジェクト46をハイライトシーンにおけるキー選手として選出する。その後、キープレイ選出部76bは、キー選手として選出された選手オブジェクト46によって評価対象期間に行われた動作(ボール関連動作)のうちの最も評価値の高い動作をキープレイとして選出する。なお、キープレイ選出部76bは、キー選手を選出することなく、評価対象期間に行われた全動作のうちの最も評価値の高い動作をキープレイとして選出するようにしてもよい。
【0068】
図12は、キープレイ選出部76bを主として実行される処理を示すフロー図である。同図に示す処理は、DVD−ROM25から読み出されたプログラムがマイクロプロセッサ14によって実行されることによって実現される。
【0069】
同図に示すように、まず、評価値算出部76aによって生成された動作評価値テーブル(図9参照)に基づいて、各選手オブジェクト46ごとに評価値の合計が算出される(S201)。そして、評価値の合計が最も大きい選手オブジェクト46がキー選手として選出される(S202)。また、キー選手として選出された選手オブジェクト46によって行われた動作(ボール関連動作)のうちの最も評価値の高い動作がキープレイとして選出される(S203)。
【0070】
その後、解説音声出力制御部76は、は、基礎解説音声データ及び選手名音声データを音声データ記憶部74から読み出す(S204)。例えば、ハイライトシーンが得点場面である場合、解説音声出力制御部76は、「得点場面と、S203で選出されたキープレイの動作種類と、の組み合わせに対応づけられた基礎解説音声データ」と、「シュートを行った選手オブジェクト46の選手名音声データ」と、「S202でキー選手として選出された選手オブジェクト46の選手名音声データ」と、を音声データ記憶部74から読み出す。また例えば、ハイライトシーンがシュート場面である場合、解説音声出力制御部76は、「シュート場面と、S203で選出されたキープレイの動作種類と、の組み合わせに対応づけられた基礎解説音声データ」と、「シュートを行った選手オブジェクト46の選手名音声データ」と、「S202でキー選手として選出された選手オブジェクト46の選手名音声データ」と、を音声データ記憶部74から読み出す。
【0071】
そして、解説音声出力制御部76は、それらの音声データに基づく解説音声を音声出力部78から出力させる(S205)。例えば、ハイライトシーンが得点場面であり、かつ、シュートを行った選手オブジェクト46に設定された名称が「C」であり、かつ、S202でキー選手として選手オブジェクト46に設定された名称が「B」であり、かつ、S203で選出されたキープレイの動作種類がパスである場合、「C選手のシュートも確かにいいシュートでしたが、B選手のパスが特にすばらしかったです。」との解説音声が音声出力部78から出力される。また例えば、ハイライトシーンがシュート場面であり、かつ、シュートを行った選手オブジェクト46に設定された名称が「C」であり、かつ、S202でキー選手として選手オブジェクト46に設定された名称が「B」であり、かつ、S203で選出されたキープレイの動作種類がパスである場合、「C選手のシュートは惜しくも決まりませんでしたが、B選手のパスはすばらしかったと思います。」との解説音声が音声出力部78から出力される。
【0072】
以上説明したように、ゲーム装置10では、ハイライトシーンに対応するゲーム中の期間に基づく評価対象期間内に選手オブジェクト46によって行われた各動作(ボール関連動作)の評価値が算出される。そして、その算出結果に基づいて、評価対象期間内に行われた動作のいずれかが選出され、その動作に対応する音声が出力されるようになっている。特に、ゲーム装置10では、動作の評価値の算出がその動作が行われた後の動作に基づいて行われることにより、ハイライトシーンにおけるキーとなった動作(プレイ)が選出され、そのキーとなった動作に対応する音声が出力されるようになっている。このようにして、ゲーム装置10では、ハイライトシーン機能におけるキープレイ解説機能が実現されており、ハイライトシーンを解説者等が解説する音声(解説音声)として、ハイライトシーンにおけるキーとなったプレイを解説者等が解説する音声が出力されるようになっている。その結果として、ハイライトシーン機能に係る興趣の向上が図られている。
【0073】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0074】
例えば、評価値算出部76aは、リプレイデータ記録部70aによって記録されたリプレイデータに基づいて、選手オブジェクト46の動作の評価値を算出するようにしてもよい。すなわち、リプレイデータ記録部70aをイベント履歴データ70bとして機能させ、リプレイデータ記録部70aによって記録されたリプレイデータをイベント履歴データとして用いるようにしてもよい。
【0075】
また例えば、試合中において特定場面(本実施の形態の場合、得点場面やシュート場面等)になった場合、その場面のリプレイ映像を得点場面やシュート場面等の直後に表示するようにしてもよい。そして、このリプレイ映像を表示している最中に、その場面のキーとなったプレイを解説者等が解説する解説音声を出力するようにしてもよい。なお、この場合、リプレイ映像を表示せずに、その場面のキーとなったプレイを解説者等が解説する解説音声のみを出力するようにしてもよい。
【0076】
また例えば、解説音声では、最も評価の高いプレイではなく、最も評価の低いプレイがキープレイとして解説されるようにしてもよい。
【0077】
また例えば、評価値算出部76aは、少なくとも1つの動作に関し、その評価値を、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて減少させるようにしてもよい。例えば、「対戦相手チームのゴール前でボールをキープしている選手(ここでは、E選手とする。)が味方の選手(ここでは、F選手とする。)に対してパスを行い、F選手のシュート動作が対戦相手チームの選手によって妨げられ、ボールが対戦相手チームの支配下となってしまった場面」に関しては、E選手のボールキープ動作及びパス動作の評価値が減算されるようにしてもよい。F選手のシュート動作が対戦相手チームの選手によって妨げられたということは、E選手がボールキープ動作やパス動作を行わず、例えば自らシュート動作を行っていた方が良かったと考えられるからである。また例えば、「一方のチームの選手(ここでは、G選手とする。)のタックルによってファウルイベントが発生し、その直後の他方のチームの選手によるフリーキックによって得点が入った場面」に関しては、G選手のタックル動作の評価値が減算され、単なるタックル動作よりも低い評価となるようにしてもよい。
【0078】
また例えば、本発明が適用されるのはサッカーゲームに限られない。サッカーゲーム以外のスポーツゲームにも適用可能であるし、スポーツゲーム以外のゲームにも適用可能である。例えば、ハイライトシーンをリプレイする機能を備えた、レースゲーム、格闘ゲームやアクションゲーム等のゲームに適用することが可能である。
【0079】
また例えば、以上の説明では、プログラムを情報記憶媒体たるDVD−ROM25から家庭用ゲーム機11に供給するようにしたが、通信ネットワークを介してプログラムを家庭等に配信するようにしてもよい。図13は、通信ネットワークを用いたプログラム配信システムの全体構成を示す図である。同図に基づいて本発明に係るプログラム配信方法を説明する。同図に示すように、このプログラム配信システム100は、ゲームデータベース102、サーバ104、通信ネットワーク106、パソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA(携帯情報端末)112を含んでいる。このうち、ゲームデータベース102とサーバ104とによりプログラム配信装置114が構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネットやケーブルテレビネットワークを含んで構成されている。このシステムでは、ゲームデータベース(情報記憶媒体)102に、DVD−ROM25の記憶内容と同様のプログラムが記憶されている。そして、パソコン108、家庭用ゲーム機110又はPDA112等を用いて需要者がゲーム配信要求をすることにより、それが通信ネットワーク106を介してサーバ104に伝えられる。そして、サーバ104はゲーム配信要求に応じてゲームデータベース102からプログラムを読み出し、それをパソコン108、家庭用ゲーム機110、PDA112等、ゲーム配信要求元に送信する。ここではゲーム配信要求に応じてゲーム配信するようにしたが、サーバ104から一方的に送信するようにしてもよい。また、必ずしも一度にゲームの実現に必要な全てのプログラムを配信(一括配信)する必要はなく、ゲームの局面に応じて必要な部分を配信(分割配信)するようにしてもよい。このように通信ネットワーク106を介してゲーム配信するようにすれば、プログラムを需要者は容易に入手することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図3】ハイライトシーンの対象となる場面の一例を説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図5】リプレイデータ記録部の記憶内容の一例を示す図である。
【図6】イベント履歴データ記録部の記憶内容の一例を示す図である。
【図7】音声データ記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
【図8】ゲーム装置で実行される処理について示すフロー図である。
【図9】動作評価値テーブルの一例を示すである。
【図10】基礎評価値テーブルの一例を示す図である。
【図11】評価値補正データの一例を示す図である。
【図12】ゲーム装置で実行される処理を示すフロー図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るプログラム配信システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
10 ゲーム装置、11,110 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 画像処理部、18 モニタ、20 音声処理部、22 スピーカ、24 DVD−ROM再生部、25 DVD−ROM、26 主記憶、28 メモリカード、30 入出力処理部、32 コントローラ、40 仮想3次元空間、42 フィールドオブジェクト、43 サイドライン、44 ゴールオブジェクト、46 選手オブジェクト、48 ボールオブジェクト、60 操作部、62 ゲーム状況情報更新部、64 ゲーム状況情報記憶部、66 ゲーム画面表示制御部、68 表示部、70 ゲームプレイ記録部、70a リプレイデータ記録部、70b イベント履歴データ記録部、72 ハイライトシーン表示制御部、74 音声データ記憶部、76 解説音声出力制御部、76a 評価値算出部、76b キープレイ選出部、78 音声出力部、100 プログラム配信システム、102 ゲームデータベース、104 サーバ、106 通信ネットワーク、108 パソコン、112 携帯情報端末(PDA)、114 プログラム配信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のゲームキャラクタの動作が順次行われる様子を表示するゲームを実行するゲーム装置において、
前記ゲーム中の少なくとも所与の評価対象期間において、前記1又は複数のゲームキャラクタの動作の履歴を示す動作履歴データを記録する動作履歴データ記録手段と、
前記動作履歴データ記録手段によって記録された動作履歴データに基づいて、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの各動作の評価値を算出する手段であって、少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出する評価値算出手段と、
前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの動作のうちの少なくとも1つを、前記評価値算出手段による算出結果に基づいて選出する動作選出手段と、
前記動作選出手段によって選出された動作に対応する音声を出力する動作対応音声出力手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記評価値算出手段は、前記少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作の動作結果が所定の動作結果であるか否かの判定結果に基づいて算出する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記評価値算出手段は、前記少なくとも1つの動作の評価値を、その動作と、その動作が行われた後に行われた1又は複数の動作と、の組み合わせが所定の組み合わせであるか否かの判定結果に基づいて算出する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲーム中の所与の再現対象期間における前記1又は複数のゲームキャラクタの動作を再現した再現映像を表示する再現映像表示手段を含み、
前記評価対象期間は、前記再現対象期間に基づく期間である、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
1又は複数のゲームキャラクタの動作が順次行われる様子を表示するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記ゲーム中の少なくとも所与の評価対象期間において、前記1又は複数のゲームキャラクタの動作の履歴を示す動作履歴データを記録するための動作履歴データ記録ステップと、
前記動作履歴データ記録ステップによって記録された動作履歴データに基づいて、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの各動作の評価値を算出するためのステップであって、少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出する評価値算出ステップと、
前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの動作のうちの少なくとも1つを、前記評価値算出ステップによる算出結果に基づいて選出するための動作選出ステップと、
前記動作選出ステップによって選出された動作に対応する音声を出力するための動作対応音声出力ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項6】
1又は複数のゲームキャラクタの動作が順次行われる様子を表示するゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ゲーム中の少なくとも所与の評価対象期間において、前記1又は複数のゲームキャラクタの動作の履歴を示す動作履歴データを記録する動作履歴データ記録手段、
前記動作履歴データ記録手段によって記録された動作履歴データに基づいて、前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの各動作の評価値を算出する手段であって、少なくとも1つの動作の評価値を、その動作が行われた後に行われた動作に基づいて算出する評価値算出手段、
前記評価対象期間に順次行われた前記1又は複数のゲームキャラクタの動作のうちの少なくとも1つを、前記評価値算出手段による算出結果に基づいて選出する動作選出手段、及び、
前記動作選出手段によって選出された動作に対応する音声を出力する動作対応音声出力手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−215713(P2007−215713A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38852(P2006−38852)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【特許番号】特許第3962079号(P3962079)
【特許公報発行日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】