説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ユーザの操作性を向上できるような仮想カメラの制御を実現できるようになるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】仮想3次元空間を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面が表示される。第1仮想カメラ制御手段(74a)は、ユーザが操作する第1選手キャラクタが移動物体を保持しない場合、第1選手キャラクタの位置と、移動物体の位置と、に基づいて、仮想カメラの状態を制御する。第2仮想カメラ制御手段(74b)は、第1選手キャラクタが移動物体を保持している場合、第1選手キャラクタの位置と、基準位置と、に基づいて、仮想カメラの状態を制御する。切替手段(74c)は、第1選手キャラクタが移動物体を保持する状態に変化した場合、第1仮想カメラ制御手段による制御から、第2仮想カメラ制御手段による制御に切り替える。切替制限手段(74d)は、切替手段による切替の実行をユーザの操作に基づいて制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のチームの間で移動物体(例えばボールやパックなど)を用いて行われるスポーツのゲームが知られている。例えば、サッカーゲーム、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、又はアメリカンフットボールゲームが知られている。また、このようなスポーツゲームでは、仮想3次元空間を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面が表示される場合がある。
【特許文献1】特開2007−167141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなスポーツゲームではユーザの操作性を向上することが強く望まれる。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザの操作性を向上できるような仮想カメラの制御を実現できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、複数のチームの間で移動物体を用いて行われるスポーツのゲームを実行するゲーム装置において、仮想3次元空間を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を表示手段に表示する表示制御手段と、ユーザによって操作される第1選手キャラクタが前記移動物体を保持していない場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタの位置と、前記移動物体又は前記移動物体を保持している第2選手キャラクタの位置と、に基づいて制御する第1仮想カメラ制御手段と、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタ又は前記移動物体の位置と、前記仮想3次元空間内に設定される基準位置と、に基づいて制御する第2仮想カメラ制御手段と、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持しない状態から、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持する状態に変化した場合、前記第1仮想カメラ制御手段によって前記仮想カメラが制御される状態から、前記第2仮想カメラ制御手段によって前記仮想カメラが制御される状態に切り替える切替手段と、前記ユーザの操作に基づいて、前記切替手段による切替の実行を制限する切替制限手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、複数のチームの間で移動物体を用いて行われるスポーツのゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、仮想3次元空間を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を表示手段に表示する表示制御ステップと、ユーザによって操作される第1選手キャラクタが前記移動物体を保持していない場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタの位置と、前記移動物体又は前記移動物体を保持している第2選手キャラクタの位置と、に基づいて制御する第1仮想カメラ制御ステップと、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタ又は前記移動物体の位置と、前記仮想3次元空間内に設定される基準位置と、に基づいて制御する第2仮想カメラ制御ステップと、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持しない状態から、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持する状態に変化した場合、前記第1仮想カメラ制御ステップによって前記仮想カメラが制御される状態から、前記第2仮想カメラ制御ステップによって前記仮想カメラが制御される状態に切り替える切替ステップと、前記ユーザの操作に基づいて、前記切替ステップによる切替の実行を制限する切替制限ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、複数のチームの間で移動物体を用いて行われるスポーツのゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、又はサーバコンピュータなどのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、仮想3次元空間を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を表示手段に表示する表示制御手段、ユーザによって操作される第1選手キャラクタが前記移動物体を保持していない場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタの位置と、前記移動物体又は前記移動物体を保持している第2選手キャラクタの位置と、に基づいて制御する第1仮想カメラ制御手段、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタ又は前記移動物体の位置と、前記仮想3次元空間内に設定される基準位置と、に基づいて制御する第2仮想カメラ制御手段、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持しない状態から、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持する状態に変化した場合、前記第1仮想カメラ制御手段によって前記仮想カメラが制御される状態から、前記第2仮想カメラ制御手段によって前記仮想カメラが制御される状態に切り替える切替手段、及び、前記ユーザの操作に基づいて、前記切替手段による切替の実行を制限する切替制限手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0009】
なお例えば、所定領域に移動物体が移動した場合に、ユーザに対応するチームの得点イベントが発生するスポーツゲームの場合、「基準位置」は上記の所定領域の位置としてもよい。
【0010】
本発明によれば、ユーザの操作性を向上できるような仮想カメラの制御を実現できるようになる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記第1選手キャラクタの向きを変更するための方向指示操作を受け付ける手段を含み、前記切替制限手段は、前記方向指示操作が行われていない場合、前記切替手段による切替の実行を制限するようにしてもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記切替制限手段は、前記第1選手キャラクタの代表方向と、前記方向指示操作によって指示された方向と、の間の角度が基準角度未満である場合、前記切替手段による切替の実行を制限するようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記切替制限手段は、前記方向指示操作によって指示された方向に基づく領域内に、前記第1選手キャラクタと同じチームに所属する第3選手キャラクタが位置している場合、前記切替手段による切替の実行を制限するようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記切替制限手段は、前記方向指示操作によって指示された方向と、前記第1選手キャラクタ又は前記移動物体の位置から前記基準位置への方向と、の間の角度が基準角度未満である場合、前記切替手段による切替の実行を制限しないようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、又はサーバコンピュータなどを用いて実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機用いて実現する場合について説明する。
【0016】
[1.ゲーム装置の構成]
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置10の全体構成を示す図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、モニタ32、スピーカ34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。モニタ32及びスピーカ34は家庭用ゲーム機11に接続される。モニタ32としては例えば家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ34としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカが用いられる。
【0017】
家庭用ゲーム機11はコンピュータゲームシステムであり、バス12、マイクロプロセッサ14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0018】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶16は例えばRAMを含み、光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて主記憶16に書き込まれる。主記憶16はマイクロプロセッサ14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするために用いられる。
【0019】
画像処理部18はVRAMを含み、マイクロプロセッサ14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面はビデオ信号に変換され、所定のタイミングでモニタ32に出力される。
【0020】
入出力処理部20はマイクロプロセッサ14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(例えばゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージなど)をスピーカ34から出力する。通信インタフェース28は、家庭用ゲーム機11を通信ネットワークに有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0021】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネットなどの通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラム及びデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0022】
コントローラ30はユーザが各種ゲーム操作を入力するための汎用操作入力手段である。コントローラ30は、例えば、方向指示操作に用いられる方向ボタン(十字ボタン)又は操作レバー(操作スティック)と、方向指示操作以外の操作に用いられるボタンと、を含む。複数のコントローラ30を家庭用ゲーム機11に接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の操作状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14はその操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。なお、コントローラ30は家庭用ゲーム機11に有線接続されてもよいし、無線接続されてもよい。
【0023】
ゲーム装置10では、例えば、第1チームと第2チームとの間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。以下では、ユーザが第1チームを操作し、コンピュータが第2チームを操作する場合を想定して説明する。第2チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0024】
[2.仮想3次元空間]
ゲーム画面を生成するために仮想3次元空間が主記憶16に構築される。図2は仮想3次元空間の一例を示す。図2に示すように、仮想3次元空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42には例えばゴールライン44、タッチライン46、及びハーフウェイライン48が表される。また、フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール50と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ52と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール54と、が配置される。ゴール50の一方は第1チームに対応づけられ、他方は第2チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール50内にボール54が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。図2では省略されているが、フィールド42上には、第1チームに所属する11名の選手キャラクタ52と、第2チームに所属する11名の選手キャラクタ52と、が配置される。
【0025】
選手キャラクタ52とボール54とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ52とボール54とが関連づけられる。この場合、ボール54は選手キャラクタ52に従動する。この様子は選手キャラクタ52のドリブル動作として表される。以下では、ボール54が選手キャラクタ52に関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ52がボール54を保持している」というように記載する。
【0026】
本実施形態では、第1チームに所属する11名の選手キャラクタ52のうちから、あらかじめ選択された一の選手キャラクタ52(以下「操作対象選手キャラクタ」と呼ぶ。)をユーザは操作する。操作対象選手キャラクタはユーザの操作に従って動作する。なお、第1チームに所属する選手キャラクタ52のうちの、操作対象選手キャラクタ52以外の選手キャラクタ52(以下「味方選手キャラクタ」と呼ぶ。)はコンピュータによって操作される。また、第2チームに所属する選手キャラクタ52(以下「敵選手キャラクタ」と呼ぶ。)もコンピュータによって操作される。つまり、味方選手キャラクタや敵選手キャラクタは所定のアルゴリズムに従って動作する。
【0027】
仮想3次元空間40には仮想カメラ56(視点)が設定される。仮想3次元空間40を仮想カメラ56から見た様子を表すゲーム画面がモニタ32に表示される。例えば、操作対象選手キャラクタが常にゲーム画面に表示されるように、仮想カメラ56は操作対象選手キャラクタの移動に基づいて仮想3次元空間40内を移動する。
【0028】
[3.ゲーム画面]
操作対象選手キャラクタがボール54を保持していない場合と、操作対象選手キャラクタがボール54を保持している場合と、のゲーム画面について説明する。
【0029】
まず、操作対象選手キャラクタがボール54を保持していない場合のゲーム画面について説明する。図3は、操作対象選手キャラクタがボール54を保持していない状況の一例を示す。図3において、符号52aは操作対象選手キャラクタを示し、符号52b,52c,52dは味方選手キャラクタを示し、符号52e,52f,52gは敵選手キャラクタを示す。図3に示す状況では、操作対象選手キャラクタ52aはボール54を保持しておらず、味方選手キャラクタ52bがボール54を保持している。なお、符号50aは第2チームに関連づけられたゴール50を示し、符号44aは第2チームに関連づけられたゴール50aに対応するゴールライン44を示す。
【0030】
図4は、図3に示す状況でモニタ32に表示されるゲーム画面60の一例を示す。すなわち、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持していない場合のゲーム画面60を示す。操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持していない場合、図4に示すように、操作対象選手キャラクタ52aとボール54との両方がゲーム画面60に表示される。その結果、ユーザは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、ボール54の位置と、の関係を把握できるようになる。
【0031】
操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持していない場合、下記に説明するようにして仮想カメラ56が制御される。図5は、操作対象選手キャラクタがボール54を保持していない場合の仮想カメラ56の制御について説明するための図である。
【0032】
操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持していない場合の仮想カメラ56の位置は、下記の条件(A)及び(B)の両方を満足する位置に設定される。
(A)ボール54の位置から操作対象選手キャラクタ52aの位置に向けて伸ばした直線の延長線62上にある位置。
(B)操作対象選手キャラクタ52aからの距離が所定距離Rである位置。
【0033】
また、仮想カメラ56の視線方向58は、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52a(又はボール54)の位置への方向(直線62)と略一致するように設定される。
【0034】
次に、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持している場合のゲーム画面について説明する。ここでは、図3に示す状況において、味方選手キャラクタ52bから操作対象選手キャラクタ52aにパスが実行された場合を想定する。図6は、その場合のゲーム画面60の一例を示す。操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持している場合、図6に示すように、操作対象選手キャラクタ52aと、第2チーム(対戦相手チーム)が守るゴール50aと、の両方がゲーム画面60に表示される。その結果、ユーザは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、第2チームのゴール50aの位置と、の関係を把握できるようになる。
【0035】
操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持している場合、下記に説明するようにして仮想カメラ56が制御される。図7は、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持している場合の仮想カメラ56の制御について説明するための図である。
【0036】
操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持している場合の仮想カメラ56の位置は、下記の条件(C)及び(D)の両方を満足する位置に設定される。
(C)第2チームのゴール50aの代表点64から操作対象選手キャラクタ52aの位置に向けて伸ばした直線の延長線68上にある位置。
(D)操作対象選手キャラクタ52aからの距離が所定距離Rである位置。
【0037】
なお図7に示す例では、第2チームのゴール50aの代表点64が、例えば、第2チームのゴール50aに対応するゴールライン44a上の位置であって、かつ、ゴール50aの左右のゴールポスト66からの距離が等しい位置に設定されている。
【0038】
また、仮想カメラ56の視線方向58は、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52aの位置への方向(直線68)と略一致するように設定される。
【0039】
以上のように、本実施形態では、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持していない場合と、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持している場合とで、仮想カメラ56の制御モードが変化する。
【0040】
ところで、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態から、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態へと変化した場合において、仮想カメラ56の制御モードを、図5に示すような制御モードから図7に示すような制御モードに直ちに変更してしまうと、下記に説明するような不都合が生じる。ここでは、図3に示す状況において味方選手キャラクタ52bから操作対象選手キャラクタ52aへのパスが実行された場合を想定する。このような場合において、仮想カメラ56の制御モードを、図5に示すような制御モードから図7に示すような制御モードに直ちに変更してしまうと、モニタ32に表示されるゲーム画面は、図4に示すゲーム画面60から、図6に示すゲーム画面60に変化することになる。このような場合、味方選手キャラクタ52b,52cがゲーム画面60に表示されなくなるため、ユーザは、味方選手キャラクタ52b,52cへのパスを操作対象選手キャラクタ52aに行わせることが困難になってしまう。つまり、ユーザは、いわゆるポストプレイを操作対象選手キャラクタ52aに行わせることが困難になってしまう。以下、このような不都合が生じないように図るための技術について説明する。
【0041】
[4.機能ブロック]
図8は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関する機能を主として示す機能ブロック図である。図8に示すように、ゲーム装置10は、ゲーム状況データ記憶部70、ゲーム状況データ更新部72、及び表示制御部74を含む。ゲーム状況データ記憶部70は例えば主記憶16を主として実現される。ゲーム状況データ更新部72及び表示制御部74は例えばマイクロプロセッサ14を主として実現される。
【0042】
[4−1.ゲーム状況データ記憶部]
ゲーム状況データ記憶部70は、サッカーゲームの現在の状況を示すゲーム状況データを記憶する。例えば、仮想3次元空間40に配置された各選手キャラクタ52及びボール54の現在の状態を示すデータがゲーム状況データ記憶部70に記憶される。具体的には、各選手キャラクタ52の現在の位置、姿勢、向き(代表方向)、移動方向、及び移動速度などが記憶される。「代表方向」は、例えば、選手キャラクタ52の正面方向である。また、ボール54の現在の位置、移動方向、及び移動速度なども記憶される。さらに、現時点でボール54を保持している選手キャラクタ52を示すデータも記憶される。また、両チームの得点を示すデータや経過時間を示すデータも記憶される。
【0043】
[4−2.ゲーム状況データ更新部]
ゲーム状況データ更新部72はゲーム状況データを更新する。例えば、ゲーム状況データ更新部72は選手キャラクタ52及びボール54の状態データを更新する。
【0044】
ゲーム状況データ更新部72は操作対象選手制御部72aを含む。操作対象選手制御部72aは、操作対象選手キャラクタ52aの状態をユーザの操作に基づいて更新する。例えば、操作対象選手キャラクタ52aの位置、向き又は移動方向がユーザの方向指示操作に基づいて更新される。具体的には、操作対象選手キャラクタ52aの位置が、現在位置から、方向指示操作によって指示された方向に、移動速度に基づく距離だけ移動した位置に更新される。また、操作対象選手キャラクタ52aの向きや移動方向が、方向指示操作によって指示された方向に更新される。
【0045】
[4−3.表示制御部]
表示制御部74は、例えば図4又は図6に示すようなゲーム画面60をモニタ32に表示する。表示制御部74は、第1仮想カメラ制御部74a、第2仮想カメラ制御部74b、切替部74c、及び切替制限部74dを含む。
【0046】
[4−3−1.第1仮想制御部]
第1仮想カメラ制御部74aは、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持していない場合の仮想カメラ56の制御を実行する。第1仮想カメラ制御部74aは、操作対象選手キャラクタ52aとボール54との両方がゲーム画面60に表示されるように仮想カメラ56を制御する。例えば図4に示すようなゲーム画面60は、第1仮想カメラ制御部74aによって仮想カメラ56が制御されることによって表示される。
【0047】
第1仮想カメラ制御部74aは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、ボール54の位置と、に基づいて、仮想カメラ56の状態を制御する。なお、ボール54の位置の代わりに、ボール54を保持している選手キャラクタ52の位置が用いられるようにしてもよい。
【0048】
例えば、第1仮想カメラ制御部74aは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、ボール54の位置と、仮想カメラ56の位置と、が所定の関係を有するようにして、仮想カメラ56の位置を制御する。例えば、仮想カメラ56の位置は、上記の条件(A)及び(B)の両方を満足する位置に設定される(図5参照)。
【0049】
また例えば、第1仮想カメラ制御部74aは、操作対象選手キャラクタ52a又はボール54の少なくとも一方の位置に基づいて、仮想カメラ56の視線方向58を制御する。例えば、仮想カメラ56の視線方向58は、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52a(又はボール54)の位置への方向と略一致するようにして設定される(図5参照)。なお、仮想カメラ56の視線方向58は、操作対象選手キャラクタ52aの位置からボール54の位置への方向と略一致するようにして設定されるようにしてもよい。
【0050】
[4−3−2.第2仮想制御部]
第2仮想カメラ制御部74bは、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持している場合の仮想カメラ56の制御を実行する。第2仮想カメラ制御部74bは、操作対象選手キャラクタ52aと、第2チーム(対戦相手チーム)に関連づけられたゴール50aと、の両方がゲーム画面60に表示されるように仮想カメラ56を制御する。例えば図6に示すようなゲーム画面60は、第2仮想カメラ制御部74bによって仮想カメラ56が制御されることによって表示される。
【0051】
第2仮想カメラ制御部74bは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、基準位置と、に基づいて、仮想カメラ56の状態を制御する。「基準位置」としては、例えば、第2チームのゴール50aの代表点64が用いられる。
【0052】
例えば、第2仮想カメラ制御部74bは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、第2チームのゴール50aの代表点64と、仮想カメラ56の位置と、が所定の関係を有するようにして、仮想カメラ56の位置を制御する。例えば、仮想カメラ56の位置は、上記の条件(C)及び(D)の両方を満足する位置に設定される(図7参照)。
【0053】
また例えば、第2仮想カメラ制御部74bは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、第2チームのゴール50aの代表点64と、の少なくとも一方に基づいて、仮想カメラ56の視線方向58を制御する。例えば、仮想カメラ56の視線方向58は、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52a(又はゴール50aの代表点64)の位置への方向と略一致するようにして設定される(図7参照)。なお、仮想カメラ56の視線方向58は、操作対象選手キャラクタ52aの位置からゴール50aの代表点64への方向と略一致するようにして設定されるようにしてもよい。
【0054】
[4−3−3.切替部]
切替部74cは、仮想カメラ56の制御モードを第1制御モードと第2制御モードとの間で切り替える。「第1制御モード」とは、第1仮想カメラ制御部74aによって仮想カメラ56が制御されるモードであり、「第2制御モード」とは、第2仮想カメラ制御部74bによって仮想カメラ56が制御されるモードである。
【0055】
例えば、切替部74cは、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態から、操作選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態に変化した場合、仮想カメラ56の制御モードを第1制御モードから第2制御モードに切り替える。また例えば、切替部74cは、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態から、操作選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態に変化した場合、仮想カメラ56の制御モードを第2制御モードから第1制御モードに切り替える。
【0056】
図9は、仮想カメラ56の制御モードが第1制御モードから第2制御モードに切り替えられる場合の仮想カメラ56の制御について説明するための図である。仮想カメラ56の制御モードが第1制御モードから第2制御モードに切り替わる場合、仮想カメラ56は、図9に示すような円80上を時計回りに移動する。円80の中心は操作対象選手キャラクタ52aの位置であり、円80の半径は所定距離Rである。仮想カメラ56が円80上を移動する間、仮想カメラ56の視線方向58は、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52aの位置への方向と略一致するように設定される。この場合、仮想カメラ56は、第2制御モードに対応する位置まで移動する。すなわち、仮想カメラ56は、上記の条件(C)及び(D)の両方を満足するような位置まで移動する。
【0057】
[4−3−4.切替制限部]
切替制限部74dは、仮想カメラ56の制御モードの第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行を、ユーザの操作に基づいて制限する。例えば、操作対象選手キャラクタ52aの向き(移動方向)を変更するための方向指示操作に基づいて、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行が制限される。本実施形態では、上記の方向指示操作が行われていない場合、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行が抑止される。言い換えれば、操作選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態になった後、上記の方向指示操作が行われるまでの間、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行が待機される。
【0058】
[5.ゲーム装置が実行する処理]
ゲーム装置10が実行する処理について説明する。図10は、ゲーム装置10が実行する処理のうち、仮想カメラ56の制御に関する処理について示すフロー図である。マイクロプロセッサ14は光ディスク36に記憶されるプログラムに従って、図10に示す処理を実行する。図10に示す処理が実行されることによって、第1仮想カメラ制御部74a、第2仮想カメラ制御部74b、切替部74c、及び切替制限部74dが実現される。
【0059】
なお、図10には仮想カメラ56の制御に関する処理のみが表されているが、図10に示す処理と並行して、選手キャラクタ52やボール54の状態を更新する処理や、モニタ32に表示されるゲーム画面60を選手キャラクタ52、ボール54、及び仮想カメラ56の状態に基づいて更新する処理が所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。
【0060】
図10に示すように、まず、マイクロプロセッサ14(第1仮想カメラ制御部74a)は仮想カメラ56の状態を第1制御モードで更新する(S101)。例えば、仮想カメラ56の位置が、上記の条件(A)及び(B)の両方を満足するような位置に設定される(図5参照)。また、仮想カメラ56の視線方向58が、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52aの位置への方向(直線62)に設定される(図5参照)。
【0061】
次に、マイクロプロセッサ14(切替部74c)は、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態から、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態に変化したか否かを判定する(S102)。操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態から、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態に変化していない場合、仮想カメラ56の状態が第1制御モードで更新される。操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない間、仮想カメラ56の状態は第1制御モードで所定時間(例えば1/60秒)ごとに更新される。
【0062】
一方、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態から、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態に変化した場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は、操作対象選手キャラクタ52aの向き(又は移動方向)を変更するための方向指示操作が行われたか否かを判定する(S103)。具体的には、上記の方向指示操作に用いられる操作部材が操作されたか否かが判定される。例えば、方向ボタン(十字ボタン)が押下されているか否かが判定される。そして、方向ボタンが押下されている場合には、上記の方向指示操作が行われたと判定され、一方、方向ボタンが押下されていない場合には、上記の方向指示操作が行われていないと判定される。また例えば、操作レバー(操作スティック)がいずれかの方向に傾けられているか否かが判定される。そして、操作レバーがいずれかの方向に傾けられている場合には、上記の方向指示操作が行われたと判定され、一方、操作レバーがいずれの方向にも傾けられていない場合には、上記の方向指示操作が行われていないと判定される。
【0063】
上記の方向指示操作が行われていない場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は、仮想カメラ56の制御モードの第1制御モードから第2制御モードへの切替を待機する。一方、上記の方向指示操作が行われた場合、マイクロプロセッサ14(切替部74c)は、仮想カメラ56の制御モードを第1制御モードから第2制御モードに切り替える(S104)。この場合、マイクロプロセッサ14は、仮想カメラ56を、図9に示すような円80上を時計回りに移動させる。また、仮想カメラ56が円80上を移動する間、マイクロプロセッサ14は、仮想カメラ56の視線方向58を、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52aの位置への方向と略一致するように設定する。仮想カメラ56は、上記の条件(C)及び(D)の両方を満足するような位置まで移動する。
【0064】
そして、第2制御モードでの仮想カメラ56の状態の更新が開始される(S105)。例えば、仮想カメラ56の位置が、上記の条件(C)及び(D)の両方を満足する位置に設定される(図7参照)。また、仮想カメラ56の視線方向58が、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52aの位置への方向(直線68)に設定される(図7参照)。
【0065】
また、マイクロプロセッサ14は、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態から、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態に変化したか否かを判定する(S106)。操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態から、操作対象選手キャラクタ54aがボール54を保持しない状態に変化していない場合、仮想カメラ56の状態が第2制御モードで更新される。操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する間、仮想カメラ56の状態は第2制御モードで所定時間(例えば1/60秒)ごとに更新される。
【0066】
一方、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態から、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態に変化した場合、マイクロプロセッサ14(切替部74c)は、仮想カメラ56の制御モードを第2制御モードから第1制御モードに切り替える(S107)。この場合、マイクロプロセッサ14は、仮想カメラ56を、図9に示すような円80上を時計回りに移動させる。また、仮想カメラ56が円80上を移動する間、マイクロプロセッサ14は、仮想カメラ56の視線方向58を、仮想カメラ56の位置から操作対象選手キャラクタ52aの位置への方向と略一致するように設定する。仮想カメラ56は、上記の条件(A)及び(B)の両方を満足するような位置まで移動する。そして、第1制御モードでの仮想カメラ56の制御が開始される(S101)。
【0067】
[6.まとめ]
以上に説明したゲーム装置10では、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持しない場合、仮想カメラ56が第1制御モードで制御されることによって、操作対象選手キャラクタ52aとボール54とがゲーム画面60に表示される。このため、ユーザは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、ボール54の位置と、の関係を把握できる。また、操作対象選手キャラクタ52aがボール54を保持する場合、仮想カメラ56が第2制御モードで制御されることによって、操作対象選手キャラクタ52aと、第2チームのゴール50aと、がゲーム画面60に表示される。このため、ユーザは、操作対象選手キャラクタ52aの位置と、第2チームのゴール50aの位置と、の関係を把握できる。特に、ゲーム装置10では、操作選手キャラクタ52aがボール54を保持しない状態から、操作選手キャラクタ52aがボール54を保持する状態に変化した後、操作対象選手キャラクタ52aの向き(又は移動方向)を変更するための方向指示操作が行われるまでの間、仮想カメラ56の制御モードの第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行が待機される。例えば、図3に示す状況において味方選手キャラクタ52bから操作対象選手キャラクタ52aへのパスが実行された場合を想定する。この場合、ユーザが上記の方向指示操作を行わなければ、仮想カメラ56の制御モードは第2制御モードに切り替えられない。このため、例えば図4に示すようなゲーム画面60が表示され続ける。すなわち、味方選手キャラクタ52b,52cはゲーム画面60に表示され続ける。このため、ユーザは、味方選手キャラクタ52b,52cへのパスを操作対象選手キャラクタ52aに比較的容易に行わせることが可能になる。つまり、ユーザは、いわゆるポストプレイを操作対象選手キャラクタ52aに比較的容易に行わせることが可能になる。また、ポストプレイではなく、第2チームのゴール50aに向かうドリブルを操作対象選手キャラクタ52aに行わせたい場合、ユーザは操作対象選手キャラクタ52aの向き(又は移動方向)を第2チームのゴール50aへの方向に変更する方向指示操作を行うだけで、第2チームのゴール50aをゲーム画面60に表示させることができる。つまり、ポストプレイだけでなく、相手チームのゴール50に向かう動きも操作対象選手キャラクタ52aに容易に行わせることが可能になる。そのため、このゲーム装置10によれば、ユーザの操作性を向上することが可能になる。
【0068】
[7.変形例]
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0069】
[7−1.第1変形例]
切替制限部74dは、方向指示操作に用いられる操作部材以外の操作部材の操作に基づいて、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行を制限するようにしてもよい。第1変形例では、図10のS103において、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は所定ボタンが押下されているか否かを判定する。そして、所定ボタンが押下されていない場合、マイクロプロセッサ14(切替部74c)は仮想カメラ56の制御モードを第1制御モードから第2制御モードに切り替える(S104)。一方、所定ボタンが押下されている場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行を待機する。
【0070】
[7−2.第2変形例]
図11は第2変形例について説明するための図である。第2変形例では、図10のS103で方向指示操作が行われたと判定された場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は、操作対象選手キャラクタ52aの代表方向(正面方向)82と、方向指示操作によって指示された方向84と、の間の角度θ1が基準角度θa未満であるか否かを判定する。そして、角度θ1が基準角度θa以上である場合、マイクロプロセッサ14(切替部74c)は仮想カメラ56の制御モードを第1制御モードから第2制御モードに切り替える(S104)。一方、角度θ1が基準角度θa未満である場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行を待機する。
【0071】
操作対象選手キャラクタ52aの向き(又は移動方向)を指示するために用いられる操作部材と、操作対象選手キャラクタ52aにパス方向を指示するために用いられる操作部材と、が同一である場合がある。第2変形例によれば、このような場合でも、ユーザがいわゆるポストプレイを操作対象選手キャラクタ52aに比較的容易に行わせることが可能になる。第2変形例では、ユーザが、操作対象選手キャラクタ52aの代表方向82との間の角度θ1が基準角度θaとなるような方向をパス方向として指示した場合、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行が抑止される。例えば、図3に示す状況において味方選手キャラクタ52bから操作対象選手キャラクタ52aへのパスが実行された場合において、ユーザが、味方選手キャラクタ52b,52cへの方向をパス方向として指示したとき、仮想カメラ56の制御モードの第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行が抑止される。その結果、例えば図4に示すようなゲーム画面60が表示され続ける。すなわち、味方選手キャラクタ52b,52cはゲーム画面60に表示され続ける。このため、ユーザは、味方選手キャラクタ52b,52cへのパスを操作対象選手キャラクタ52aに比較的容易に行わせることが可能になる。
【0072】
[7−3.第3変形例]
図12は第3変形例について説明するための図である。第3変形例では、図10のS103で方向指示操作が行われたと判定された場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は、方向指示操作によって指示された方向84に基づく領域86内に味方選手キャラクタが位置しているか否かを判定する。領域86は下記の条件(E)及び(F)の両方を満足するような領域である。
(E)方向84との間の角度が基準角度θb未満である。
(F)操作対象選手キャラクタ52aの位置からの距離が基準距離D未満である。
【0073】
そして、味方選手キャラクタが領域86内に位置していない場合、マイクロプロセッサ14(切替部74c)は仮想カメラ56の制御モードを第1制御モードから第2制御モードに切り替える(S104)。一方、味方選手キャラクタが領域86内に位置している場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行を制限する。
【0074】
味方選手キャラクタが位置しているような方向をユーザが指示している場合には、ユーザはその味方選手キャラクタへのパスを実行しようとしていると考えられる。この点、第3変形例によれば、味方選手キャラクタが領域86内に位置している場合、すなわち、味方選手キャラクタが位置しているような方向をユーザが指示している場合には、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行が制限される。例えば、図3に示す状況において味方選手キャラクタ52bから操作対象選手キャラクタ52aへのパスが実行された場合において、ユーザが、味方選手キャラクタ52b,52cへの方向をパス方向として指示したときに、仮想カメラ56の制御モードの第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行が抑止される。その結果、例えば図4に示すようなゲーム画面60が表示され続ける。すなわち、味方選手キャラクタ52b,52cはゲーム画面60に表示され続ける。このため、ユーザは、味方選手キャラクタ52b,52cへのパスを操作対象選手キャラクタ52aに比較的容易に行わせることが可能になる。
【0075】
[7−4.第4変形例]
図13は第4変形例について説明するための図である。第4変形例では、図10のS103で方向指示操作が行われたと判定された場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は、方向指示操作によって指示された方向84と、操作対象選手キャラクタ52a(又はボール54)の位置から第2チームのゴール50aの代表点64への方向88と、の間の角度θ2が基準角度θc未満であるか否かを判定する。
【0076】
そして、角度θ2が基準角度θc未満である場合、マイクロプロセッサ14(切替部74c)は仮想カメラ56の制御モードを第1制御モードから第2制御モードに切り替える(S104)。一方、角度θ2が基準角度θc以上である場合、マイクロプロセッサ14(切替制限部74d)は、第1制御モードから第2制御モードへの切替の実行を待機する。
【0077】
角度θ2が基準角度θc未満となるような方向をユーザが指示している場合、ユーザは、第2チームのゴール50aに向けて操作対象選手キャラクタ52aを移動させるために、操作対象選手キャラクタ52aの向き(又は移動方向)を変えようとしていると考えられる。この点、第3変形例によれば、ユーザが操作対象選手キャラクタ52aの向きを変えようとした場合に、仮想カメラ56の制御モードが第1制御モードから第2制御モードに切り替わるようになる。その結果、ユーザは、第2チームのゴール50aに向けて操作対象選手キャラクタ52aを移動させ易くなる。
【0078】
[7−5.その他の変形例]
また、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲーム以外のスポーツゲームであってもよい。例えば、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボールやアメリカンフットボールのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも本発明は適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図3】選手キャラクタ及びボールの配置状況の一例を示す図である。
【図4】操作対象選手キャラクタがボールを保持していない場合のゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】操作対象選手キャラクタがボールを保持していない場合の仮想カメラの制御の一例を示す図である。
【図6】操作対象選手キャラクタがボールを保持している場合のゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】操作対象選手キャラクタがボールを保持している場合の仮想カメラの制御の一例を示す図である。
【図8】ゲーム装置の機能ブロック図である。
【図9】仮想カメラの制御モードが第1制御モードから第2制御モードに切り替わる場合の仮想カメラの制御の一例を示す図である。
【図10】ゲーム装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図11】第2変形例を説明するための図である。
【図12】第3変形例を説明するための図である。
【図13】第4変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0080】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 モニタ、34 スピーカ、36 光ディスク、40 仮想3次元空間、42 フィールド、44,44a ゴールライン、46 タッチライン、48 ハーフウェイライン、50 ゴール、50a 第2チームに関連づけられたゴール、52 選手キャラクタ、52a 操作対象選手キャラクタ、52b,52c,52d 味方選手キャラクタ、52e,52f,52g 敵選手キャラクタ、54 ボール、56 仮想カメラ、58 視線方向、60 ゲーム画面、64 第2チームに関連づけられたゴールの代表点、66 ゴールポスト、70 ゲーム状況データ記憶部、72 ゲーム状況データ更新部、72a 操作対象選手制御部、74 表示制御部、74a 第1仮想カメラ制御部、74b 第2仮想カメラ制御部、74c 切替部、74d 切替制限部、82 操作対象選手キャラクタの代表方向、84 方向指示操作によって指示された方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチームの間で移動物体を用いて行われるスポーツのゲームを実行するゲーム装置において、
仮想3次元空間を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を表示手段に表示する表示制御手段と、
ユーザによって操作される第1選手キャラクタが前記移動物体を保持していない場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタの位置と、前記移動物体又は前記移動物体を保持している第2選手キャラクタの位置と、に基づいて制御する第1仮想カメラ制御手段と、
前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタ又は前記移動物体の位置と、前記仮想3次元空間内に設定される基準位置と、に基づいて制御する第2仮想カメラ制御手段と、
前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持しない状態から、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持する状態に変化した場合、前記第1仮想カメラ制御手段によって前記仮想カメラが制御される状態から、前記第2仮想カメラ制御手段によって前記仮想カメラが制御される状態に切り替える切替手段と、
前記ユーザの操作に基づいて、前記切替手段による切替の実行を制限する切替制限手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記第1選手キャラクタの向きを変更するための方向指示操作を受け付ける手段を含み、
前記切替制限手段は、前記方向指示操作が行われていない場合、前記切替手段による切替の実行を制限する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記切替制限手段は、前記第1選手キャラクタの代表方向と、前記方向指示操作によって指示された方向と、の間の角度が基準角度未満である場合、前記切替手段による切替の実行を制限することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記切替制限手段は、前記方向指示操作によって指示された方向に基づく領域内に、前記第1選手キャラクタと同じチームに所属する第3選手キャラクタが位置している場合、前記切替手段による切替の実行を制限することを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記切替制限手段は、前記方向指示操作によって指示された方向と、前記第1選手キャラクタ又は前記移動物体の位置から前記基準位置への方向と、の間の角度が基準角度未満である場合、前記切替手段による切替の実行を制限しないことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
複数のチームの間で移動物体を用いて行われるスポーツのゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
仮想3次元空間を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を表示手段に表示する表示制御ステップと、
ユーザによって操作される第1選手キャラクタが前記移動物体を保持していない場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタの位置と、前記移動物体又は前記移動物体を保持している第2選手キャラクタの位置と、に基づいて制御する第1仮想カメラ制御ステップと、
前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタ又は前記移動物体の位置と、前記仮想3次元空間内に設定される基準位置と、に基づいて制御する第2仮想カメラ制御ステップと、
前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持しない状態から、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持する状態に変化した場合、前記第1仮想カメラ制御ステップによって前記仮想カメラが制御される状態から、前記第2仮想カメラ制御ステップによって前記仮想カメラが制御される状態に切り替える切替ステップと、
前記ユーザの操作に基づいて、前記切替ステップによる切替の実行を制限する切替制限ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
複数のチームの間で移動物体を用いて行われるスポーツのゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
仮想3次元空間を仮想カメラから見た様子を表すゲーム画面を表示手段に表示する表示制御手段、
ユーザによって操作される第1選手キャラクタが前記移動物体を保持していない場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタの位置と、前記移動物体又は前記移動物体を保持している第2選手キャラクタの位置と、に基づいて制御する第1仮想カメラ制御手段、
前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合、前記仮想カメラの状態を、前記第1選手キャラクタ又は前記移動物体の位置と、前記仮想3次元空間内に設定される基準位置と、に基づいて制御する第2仮想カメラ制御手段、
前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持しない状態から、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持する状態に変化した場合、前記第1仮想カメラ制御手段によって前記仮想カメラが制御される状態から、前記第2仮想カメラ制御手段によって前記仮想カメラが制御される状態に切り替える切替手段、及び、
前記ユーザの操作に基づいて、前記切替手段による切替の実行を制限する切替制限手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−42173(P2010−42173A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209378(P2008−209378)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】