ゲーム装置及びゲーム制御方法
【課題】装置の小型化を可能とするとともに、対戦ゲーム場面を遊技者の操作入力に基づいてシミュレーションにより実行可能としたゲーム装置を提供する。
【解決手段】スポーツ競技のフィールドを模したフィールドパネル9と、フィールドパネル9上の、スポーツ競技における選手のポジションを示す位置に配置され、カード11を立てた状態で保持するカード保持台10と、カード保持台10に保持されているカード11に記録されているカード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、ゲームの実行を制御するゲーム実行制御手段を備えている。さらに、ゲーム実行制御手段は、カード情報読み取り手段が読み取ったカード情報に基づいて、タッチパネル6に表示する対戦ゲーム場面を、遊技者の操作に基づいてシミュレーションによる実行が、予め設定した所定の回数になるように制御する手段を備えている。
【解決手段】スポーツ競技のフィールドを模したフィールドパネル9と、フィールドパネル9上の、スポーツ競技における選手のポジションを示す位置に配置され、カード11を立てた状態で保持するカード保持台10と、カード保持台10に保持されているカード11に記録されているカード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、ゲームの実行を制御するゲーム実行制御手段を備えている。さらに、ゲーム実行制御手段は、カード情報読み取り手段が読み取ったカード情報に基づいて、タッチパネル6に表示する対戦ゲーム場面を、遊技者の操作に基づいてシミュレーションによる実行が、予め設定した所定の回数になるように制御する手段を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード等のプレイ媒体に記録された情報を読み取って、ゲーム内容を表示装置に表示させながらゲームを行なうゲーム装置とゲーム制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からプレイ媒体としてカード、すなわち、トレーディングカードを使用したゲーム装置については、サッカーを対象としたゲーム装置が知られている。このゲーム装置としては、例えば、下記特許文献1に記載のカードゲーム装置が提案されている。
【0003】
このカードゲーム装置を操作してゲームを開始する場合には、まず、ゲームを実施する遊技者は、ゲーム装置を構成する透明なカード配置パネル上に、ゲームで使用する選手カードを、その裏面がカード配置パネルの上面に接するように並べる。続いて、ゲーム装置のゲーム実行制御手段は、カード配置パネルの内部に設置された撮像手段13aを作動させてこの選手カードの裏面に記録されているカード情報を読み取り、この読み取ったカード情報に基づいてチームを構成する選手の能力値等のゲーム制御データを作成してゲームを開始する制御を行なう。
【0004】
そして、ゲームが開始されると、遊技者がカード配置パネル上に配置した選手カードを、カード配置パネル上を擦りながら移動させると、ゲーム実行制御手段は選手カードの移動を検出してゲーム場面における選手のポジションも移動させる制御を行い、遊技者はフォーメーション等の指示を行なうことができるようになっている。
【0005】
また、スポーツ競技を対象としたゲーム装置において、遊技者の入力操作に基づいてゲームに登場するキャラクタの対決(登場)場面を、シミュレーション画像として演出表示する手段を備えたゲーム装置が提案されている。この種のゲーム装置としては、例えば、下記の特許文献2、及び特許文献3に記載の発明が提案されている。
【0006】
特許文献2には、遊技者が投手を操作することができる野球ゲーム装置が提案されている。特許文献2に記載の野球ゲーム装置は、遊技者の入力操作に従って投手の投球モーションを設定する投球モーション設定手段と、この投球モーションを記憶する投球モーション記憶手段と、この投球モーションに基づいて、投手から放たれるボールの球威を演算する球威演算手段と、この球威を含む投球内容で、投手と打者の対戦シミュレーションを行なうシミュレーション手段とを備えることにより、シミュレーションゲームを行なうことを可能にしている。
【0007】
特許文献3には、遊技者が投手の動作を操作することができるゲーム装置が提案されている。特許文献3に記載のゲーム装置は、予め登録されている複数の野球選手の特質に関するデータを記憶する記憶手段と、この野球選手を使って、ランダムにシチュエーションを設定するシチュエーション設定手段と、遊技者の操作と投手の特質とに応じた投球内容を実現する投球手段と、上記の設定されたシチュエーション下で、打者の特質と、上記投球内容とに基づいて投手と打者の対戦をシミュレーションするシミュレーション手段と、所定の区切りが着く毎に、新たなシチュエーションの設定を要求する面クリア手段と、を備えている。
【0008】
【特許文献1】特開2007−665号公報
【特許文献2】特開2001−129250号公報
【特許文献3】特開2001−137549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載の発明は、トレーディングカードとなる選手カードを使用したカードゲーム装置であるが、ゲームを開始するときに、遊技者は1ゲームで使用する選手カードをカード配置パネル上に配置して、この選手カードに記録されているカード情報をゲーム実行制御手段に登録する必要があった。この1ゲームで使用する選手カードをカード配置パネル上に配置する操作は、カード情報が記録されている選手カードの面(例えば裏面)をカード配置パネル上に各選手カードが重ならないように載置する必要があった。このため、サッカーゲームのように、ゲーム開始時に多数枚のスターティングメンバーに対応する選手カードをカード配置パネル上に並べるためには、必然的にカード配置パネルの表面積を大きくする必要性が生じて、カードゲーム装置が大型になり、その結果、カードゲーム装置の製造コストが高くなるという不具合があった。
【0010】
上記特許文献2及び特許文献3に記載の野球ゲーム装置は、遊技者の入力操作に従って投手の投球モーションを設定する。そして、ゲーム実行制御手段は、この設定された投球モーションと遊技者により指定された球種に基づいて、投手と打者との対戦シミュレーションを実行する手段を備えているが、遊技者が好みのチームに属している選手カードを使用して野球ゲームを実施するカードゲーム装置ではない。
【0011】
そこで、本発明は、上記した従来のカードを使用するゲーム装置が抱えている課題を解決したゲーム装置を提供するためになされたものであって、その目的は、トレーディングカード等のカードを使用したゲーム装置において、ゲームを開始する前にゲームで使用するカードに記録されているカード情報の読み取りを、このカードを立てた状態で読み取る手段を設けることにより、ゲーム装置にカード情報の読み取りに要する領域の省スペース化を計ることにある。
【0012】
さらに、読み取ったカード情報等に基づいて、遊技者の操作手段からの入力操作によってキャラクタの操作が可能となるゲームの対決場面が予め設定した回数になるように制御する手段を設けることにより、1ゲーム(1試合)の実施時間を所定の時間内で終了する、あるいは短縮することができるゲーム装置、及びそのゲーム制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るゲーム装置は、カードから読み取ったカード情報と、タッチパネルを含む操作手段から入力された操作入力信号とに応じてゲームの進行を制御するゲーム実行制御手段を備えるゲーム装置であって、
前記タッチパネルの上方に配置され、ゲームフィールドを模したフィールドパネルと、
前記ゲームフィールドにおける複数のキャラクタのポジションを示す前記フィールドパネル上の各位置に配置され、前記カードを立てた状態で保持する複数のカード保持台と、
前記カード保持台に保持されている前記カードに記録されているカード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、を備え、
前記ゲーム実行制御手段は、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に基づいて、前記ゲームの進行を制御することを特徴としている。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のゲーム装置に係り、前記ゲーム実行制御手段は、
前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に基づいて、前記カード情報に対応するキャラクタを参加させてゲームの進行を制御するものであって、前記ゲームの開始から終了までのゲーム展開をシミュレーションするシミュレーション手段と、
シミュレーション結果における前記キャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価手段と、
前記評価情報に基づいて、前記キャラクタの登場場面のうちから、前記操作手段によって前記キャラクタを操作可能とする特定場面を選定する選定手段と、
前記選定手段によって選定された特定場面における前記操作手段からの操作入力信号に基づいて、特定場面におけるゲーム展開をシミュレーションする特定場面シミュレーション手段と、を備え、
前記シミュレーション手段は、前記特定場面シミュレーション手段のシミュレーション結果に基づいて、特定場面からゲームの終了までのゲーム展開を再度シミュレーションすることを特徴としている。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のゲーム装置に係り、前記ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーション手段の実行回数を、予め設定した所定の回数になるように制御する手段を備えていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のゲーム装置に係り、前記ゲーム実行制御手段は、
前記カード情報に対応するキャラクタごとに、記憶手段に記憶した情報であって、ゲーム実行に対する前記キャラクタの能力値を予め登録したキャラクタ別能力データベースと、前記キャラクタの能力値を増加又は減少させるコンディション設定パラメータと、
さらに、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応するキャラクタの当該ゲームにおける前記能力値を、前記コンディション設定パラメータに基づいて増加または減少させるパラメータ値増減処理手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のゲーム装置に係り、前記ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーション手段を実行する前に、前記カード情報読み取り手段が読取った前記カード情報に対応する前記カードが前記カード保持台に保持されているか否かを判定するカード載置再確認手段を備え、
前記パラメータ値増減手段は、前記カード載置再確認手段によって前記カード保持台に保持されていないと判定された前記カードに対応するキャラクタの前記コンディションを減少させることを特徴としている。
【0018】
また、請求項6に記載の発明に係るゲーム制御方法は、記憶手段と、タッチパネルを含む操作手段と、ゲームフィールドを模したフィールドパネルと、前記ゲームフィールドにおける複数のキャラクタのポジションを示す前記フィールドパネル上の各位置に配置され、カードを立てた状態で保持する複数のカード保持台と、前記カード保持台に保持されている前記カードに記録されている前記カード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、ゲームの進行を制御するゲーム実行制御手段とを備えたゲーム装置におけるゲーム制御方法であって、
ゲーム実行制御手段は、前記カード保持台に保持されている前記カードの前記カード情報を読み取って前記記憶手段に記憶するカード情報読み取りステップと、
前記カード情報読み取りステップが前記記憶手段に記憶した前記カード情報と、前記タッチパネルを含む操作手段から入力された操作入力信号とに応じて、ゲームの進行を制御するゲーム実行制御ステップと、を実行することを特徴としている。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のゲーム制御方法に係り、ゲーム実行制御手段は、前記カード情報読み取りステップにより読み取った前記カード情報に基づいて、前記カード情報に対応するキャラクタを参加させるゲームにおける開始から終了までのゲーム展開をシミュレーションするシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップの結果における前記キャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価ステップと、
前記評価ステップが算出した評価情報に基づいて、前記キャラクタの登場場面のうちから、前記操作手段によって前記キャラクタを操作可能とする特定場面を選定する選定ステップと、
前記選定ステップによって選定された特定場面における前記操作手段からの操作入力信号に基づいて、前記特定場面におけるゲーム展開をシミュレーションする特定場面シミュレーションステップと、を備え、
前記シミュレーションステップは、前記特定場面シミュレーションステップのシミュレーション結果に基づいて、特定場面からゲームの終了までのゲーム展開を再度シミュレーションすることを特徴としている。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のゲーム制御方法に係り、前記特定場面シミュレーションステップの実行回数は、予め設定した所定の回数になるように制御されていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれかに記載のゲーム制御方法に係り、ゲーム実行制御手段は、前記カード情報に対応するキャラクタごとに、前記記憶手段に記憶した情報であって、ゲーム実行に対する前記キャラクタの能力値を予め登録したキャラクタ別能力データベースと、前記キャラクタの能力値を増加又は減少させるコンディション設定パラメータと、さらに、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応するキャラクタの当該ゲームにおける前記能力値を、前記コンディション設定パラメータに基づいて増加または減少させるパラメータ値増減処理ステップを実行することを特徴としている。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項6から請求項9のいずれかに記載のゲーム制御方法に係り、ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーションステップを実行する前に、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応する前記カードが前記カード保持台に保持されているか否かを判定するカード載置再確認ステップを実行し、
前記パラメータ値増減ステップは、前記カード載置再確認ステップによって前記カード保持台に保持されていないと判定された前記カードに対応するキャラクタの前記コンディションを減少させることを特徴としている。
【0023】
なお、請求項にある「ゲーム」とは、ゲームフィールドに配置されたキャラクタを遊技者が操作するものであればよく、例えば、スポーツ遊技の試合をシミュレーションするものや、戦争を題材としその戦闘をシミュレーションするものなどであり、「ゲームの開始終了まで」とは、例えば、スポーツ競技の試合の開始から終了のことである。また、スポーツ競技としては、野球、サッカー、アメリカンフットボール、バレーボール等の複数の選手で編成されるチーム同士が対戦するようなスポーツが適当である。また、上記したポジションとは、野球のように選手の守備位置、あるいはサッカーやバレーボールのように選手の攻撃位置と守備位置の一方、または双方を示すものなどである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のゲーム装置は、次の効果を奏することができる。
ゲーム開始時に、ゲームで使用する複数の選手カード等のカードに記憶されているカード情報を読み取るときに、このカードを立てた状態で読み取るカード保持台を備えているので、このカード保持台を設置するフィールドパネルの表面積を小さくすることができる。これにより、従来のカードゲーム装置と比較してゲーム装置の筐体を含む装置の形状を小型化することが可能になる。
【0025】
本発明のゲーム装置が備えているゲーム実行制御手段は、カード情報読み取り手段が読み取ったカード情報に基づいて、1ゲームごとに、遊技者の操作に基づいて実行する特定場面のシミュレーションの実行数が、予め設定した所定の回数になるように制御している。これにより、遊技者の1ゲームの実施時間を所定の時間内で終了させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のゲーム装置の一実施形態を示す図であって、その筐体の前面部の構成を説明するための斜視図である。また、図2は、図1に示すフィールドパネル上に配置されているカード保持台の構成を示す斜視図である。なお、以下の説明において、図1に示すゲーム装置は、野球ゲームを実施するためのゲーム装置として説明する。なお、このゲーム装置で実施する野球ゲームは、例えば、実在する野球のチーム(球団)に所属する選手をトレーディングカードとして、ゲームを行なうようにすると、遊技者は迫力のあるゲームを楽しむことができるようになる。
【0027】
[ゲーム装置の構成]
図1に示すように、ゲーム装置1の外観を示す筐体2の前側部(遊技者が操作する側)は、適度に傾斜させたテーブル部3と、テーブル部3の上方端部3aから垂直方向に立設させたパネル部4を備えている。また、テーブル部3の下方端3bには水平な面を有するテーブル部5を設けている。
【0028】
テーブル部3の下方部には、タッチパネル6の機能を備えた液晶表示装置7が配置されている。タッチパネル6(以下、タッチパネル6と液晶表示装置7とを合せて単に「タッチパネル6」という)は、その表示面はテーブル部3の傾斜角度とほぼ同一になるようにテーブル部3に固定されている。なお、タッチパネル6は、遊技者がゲームを実施しているときに、各種のゲーム実行の指示をその表示画面に直接指で触れて入力するための操作手段になり、タッチパネル6の素子としては圧力方式あるいは静電容量方式などを採用することができる。また、テーブル部5にはアクション(決定)ボタン19を配設している。
【0029】
テーブル部3の上面であって、タッチパネル6の上方部(遊技者から見て奥側)にはカード情報読み取りユニット8が設置されている。カード情報読み取りユニット8の上面には、図1に示すように、テーブル部3の傾斜角度とほぼ同一になされたフィールドパネル9が形成され、このフィールドパネル9はテーブル部3の傾斜面とほぼ同一の面をなすように配置されている。
【0030】
フィールドパネル9は、スポーツ競技のフィールド、本実施形態では野球を模したフィールドを表すための機能を備えており、例えば、図4に示すように、フィールドパネル9の表面には、野球のグラウンドをイメージしたホームベース等のベースや、ライト及びレフト方向のファウル線、等を描いている。
【0031】
また、図1に示すように、野球のフィールドを模したフィールドパネル9上には、複数のカード保持台10a、10b、10c、・・・が配置されて、それぞれフィールドパネル9上に固定されている。カード保持台10a、10b、10c、・・・は、遊技者がゲーム装置1でゲームを実施するときに、遊技者が所有している一つのチームの選手カード11a、11b、11c、・・・から選択した各1枚を立てた状態で載置して保持するとともに、選手カードを立てた状態で、これら選手カードに記録されているカード情報を、後述するカード情報読み取り手段により読み取るために選手カード11を保持するための手段になる。
なお、以下の説明において、カード保持台10a、10b、10c、・・・を代表して説明するときには「カード保持台10」と記載し、さらに、選手カード11a、11b、11c、・・・を代表して説明するときには「選手カード11」と記載する。
【0032】
野球のフィールドを模したフィールドパネル9上に各カード保持台10を設置する位置は、例えば、この野球のフィールドを表す9つの守備位置(ポジション)を示す位置、ホームベース近くに設定されたDH(指名打者)を示す位置、控え選手を示すためにライト方向のファウル線の外側位置等とする。この控え選手用のカード保持台10は、例えば、3名の控え選手用として3台設置する。従って、図1に示すフィールドパネル9上には、13個のカード保持台10a、10b、・・・が設置されていることになる。
【0033】
図2は、カード保持台10の構成例を示す斜視図である。カード保持台10は、選手カード11を挿入してこの挿入された選手カード11を立った状態で載置して保持するためのカード載置部12と、センサ収納部13と、センサ収納部13に収納され、カード載置部12に載置された選手カード11に記録されている情報(以下、「カード情報」という)を読み取るCMOSイメージセンサ、あるいはCCD等の撮像素子から構成される撮像手段13aと、発光ダイオード(LED)13b、レンズ(図示せず)等を備えている。さらに、図2に示すように、カード載置部12の下端部には開口部12aを設け、この開口部12aはセンサ収納部13の内部と連通させている。
そして、撮像手段13aと、開口部12aと、選手カード11に記録されたカード情報とを、図3に示すように配置すると、センサ収納部13に収納されている撮像手段13aは、開口部12aを介して、カード載置部12に挿入された選手カード11の裏面、例えば、裏面の下方部に記録されたカード情報を撮像することが可能になる。このとき、発光ダイオード13bは、選手カード11に記録されたカード情報を照射して撮像手段13aによりこのカード情報を読み取るために用いられる。なお、上記したCMOSイメージセンサ等を備えた撮像手段13aと後述するカード情報読み取りプログラムP6は、カード情報読み取り手段を構成する。
【0034】
なお、図1に示すように、カード保持台10(10a、10b、・・・)を構成するカード載置部12はフィールドパネル9の上面側に配置し、センサ収納部13はフィールドパネル9の下方位置、すなわち、カード情報読み取りユニット8の内部に配置する。そして、遊技者がカード保持台10のカード載置部12に選手カード11を挿入するときには、選手の写真が印刷されている選手カード11の表面が筐体2の前側に面するようにする。
【0035】
図1において、パネル部4の下方部には、スピーカ14及び15と、1試合のゲームが終了すると遊技者に選手カードを払い出すためのカード払出装置40(図6参照)の払出口16と、ICカード18(図6参照)のリード・ライト装置(ICカードR/W装置)17が配置されている。ICカード18は、本ゲーム装置1を使用してゲームを実施する遊技者に販売されるICカードであって、ゲーム開始時にこのICカードR/W装置17に挿入しておくことにより、各種のデータの保存と、この保存したデータの読み込みを行なうことができる。例えば、遊技者が実施するゲームについてチームのラインナップ等、チームの設定データをICカード18に保存しておくことにより、遊技者がゲームを実施する度に各種の設定を行なう必要がなくなる。
【0036】
ICカード18に保存されるデータ項目は、このICカード自体に関する情報としてカード使用回数、カードの更新回数等が記憶され、遊技者のプロフィールとしてユーザID、ユーザ名等が記憶され、さらに、ゲームを実施するチーム情報として遊技者が使用する球団名、ゲームを実施した結果の勝敗数(シーズン/通算別)、プレーオフ進出回数、リーグ優勝回数、ワールドシリーズ優勝回数、作戦実行回数、作戦成功回数、ポイント数等が記憶され、チームの所属選手情報として打順、守備位置、登録選手のID、登録選手についてゲームを実施した結果の各種の成績が記憶される。
なお、ICカード18の使用回数は、例えば100ゲーム(プレイ)までと上限値が設定されている。
【0037】
[カードの構成]
続いて、遊技者がゲームを実施するときに使用するカード(選手カード)11について説明する。図5は、選手カード11の表面及び裏面の構成例を示す図であって、図5(a)は表面、図5(b)は裏面を示している。なお、選手カード11は、従来からトレーディングカードとして使用されているビニールでコーティングされ、所定の厚さを有する紙、等を使用することができる。
【0038】
図5(a)に示すように、選手カード11の表面には、その上端部近傍の領域A1にはこの選手カード11に対応するキャラクタとなる選手の名前、球団(チーム)名が記録(印刷)されている。同じく、中央部の領域A2にはこの選手の写真が印刷されており、さらに、下端の領域A3にはこの選手のトータルスキル(Total Skill)の値、コストの値、この選手の基本となる守備位置であるポジジョンを表すコードが印刷されている。
【0039】
上記したトータルスキル値は、選手の能力値を表すための数値であって、予め選手の能力を表すために設定された能力パラメータ項目のうち、野手の場合には、例えば次の5項目の能力パラメータ項目である「POWER(打球を遠くに飛ばす力)」、「CONTACT(ボールをバットに当てる能力)」、「SPEED(足の速さ)」、「THROW(肩の強さと送球の精度)」、「FIELDING(補球の上手さ)」のパラメータ値の合計値を示す。投手の場合には、予め設定した他の能力パラメータ項目に関するパラメータ値の合計値が表示されている。なお、予め選手ごとに設定した能力パラメータ項目に対するパラメータ値は、後述するキャラクタ別能力データベース(DB1)に登録されている。
【0040】
また、図5(b)に示すように、選手カード11の裏面には、例えば、領域B1にはこの選手の顔写真、この顔写真の右側の領域B2にはこの選手を紹介するための文字情報が印刷されている。また、中央部の領域B3には、表面に表示しているこの選手のトータルスキルの値とその内訳となる上記した5項目の能力パラメータ項目ごとに、そのパラメータ値の大きさをグラフ表示している。
【0041】
選手カード11の裏面の下端部の領域B4には、選手カード11に対応する選手(キャラクタ)を識別するためのカード情報となる固有の選手識別情報(カード情報)を表すバーコード(BC)が記録(印刷)されている。このバーコード(BC)は、所定の桁数からなる数値、あるいは数値と英文字から構成されており、前記したカード保持台10が備えている撮像手段13aにより撮像される。なお、カード11に印刷するバーコード(BC)は、人間の目で見て視認可能なインクを使用して印刷してもよいが、人間の目で見て視認不可能なインクを使用して印刷し、この印刷したバーコードにLED13b等から赤外光を照射してCMOSイメージセンサ等を備えた撮像手段13aで撮像する方式を採用してもよい。
【0042】
また、上記したコストとは、選手ごとに予め設定された選手のランク情報に係る数値であって、人気のある選手、能力の高い選手ほど高い値が設定され、その選手をゲームで使用する際に消費するコストになり、例えば、8段階のコスト値が設定されている。
【0043】
[制御装置の構成]
続いて、本実施形態のゲーム装置1がゲームの進行を制御する制御装置の構成について説明する。図6は、ゲーム装置1が備えている制御装置20のハードウエア構成の一例を示す図である。制御装置20は、CPU、各種のICやインターフェース(I/F)回路等を搭載した制御基板から構成され、筐体2内の所定の位置に設置されている。
【0044】
図6に示すCPU21は、バス線を介してシステムメモリ22とバスアービタ23に接続されている。システムメモリ22は、ゲーム装置1で実施するためのゲームプログラム(ゲーム実行制御プログラム)、このゲーム実行制御プログラムがゲームの実行を制御するために使用するワークエリア、及び各種の基準データ(選手能力データベース、等)を記憶するための記憶手段であって、ゲーム装置1の電源をオフしてもその記憶内容が消えない不揮発性のメモリを使用する。
【0045】
バスアービタ23は、一つのバス線24に接続されているCPUやI/F回路等からのバス線の使用要求に対してバス線の使用権の設定について管理を行なう回路である。図6に示すように共通のバス線24には、ブートロム(BOOT ROM)25、レンダリングプロセッサ26、サウンドプロセッサ27、入出力I/F28a及び28b、通信用I/F29、光ディスク用I/F30、ICカード用I/F31、等が接続されている。
【0046】
上記したブートロム25は、ゲーム装置1の電源を投入(ON)、あるいはリセットボタンを押圧したときに、最初に作動するローダプログラムであるIPL(Initial Program loader)を記憶したROMである。このIPLは、光ディスク用I/F回路30を介して光ディスクドライブ32を起動させて、光ディスク33に記録されているゲームプログラム(ゲーム実行制御プログラム)を読み込んでシステムメモリ22に記憶する処理を行なうためのプログラムである。これにより、例えば、ゲーム装置1を製造してゲームセンタに出荷するときに、ゲーム装置1の電源を投入するとIPLが起動して、光ディスク33に記録されているゲーム実行制御プログラムがシステムメモリ22にロードされる。これにより、ゲーム装置1を操作してゲームを実施することが可能になる。
【0047】
レンダリングプロセッサ26は、画像データを作成するための数値データに基づいて、3次元画像等の画像データを生成する処理を行なうプロセッサである。レンダリングプロセッサ26の処理で作成した画像データはグラフィックメモリ34に一旦記憶され、CPU21の制御に基づいて、画像表示I/F回路35を介してタッチパネル6に2次元のゲーム画像として表示される。
【0048】
サウンドプロセッサ27は、CPU21の制御に基づいて、サウンドメモリ37に記憶されている音声や効果音に関するデータを、ゲームの演出用音声や効果音として音声出力I/F回路36を介してスピーカ14、15に出力する処理を行なうプロセッサである。
【0049】
入出力I/F28aには、フィールドパネル9のカード保持台10に配置されている各CMOSイメージセンサ等の撮像手段13a、タッチパネル6、アクションボタン19が接続されている。また、入出力I/F28bには、カード払出装置40、コイン検出センサ41が接続されている。カード払出装置40は、1ゲームが終了したときに、遊技者に新たな1枚の選手カード11aを払い出すための装置である。コイン検出センサ41は、コイン投入装置に設置され、遊技者がゲームを実施するときに投入したコインを検出するためのセンサである。
【0050】
通信用I/F29は、LANアダプタ42を介してゲームセンタの店舗内LAN42に接続されている。さらに、店舗内LAN42は、インターネット通信網に接続されている。なお、店舗内LAN42には、店舗サーバと複数台のゲーム装置1及び他のゲームを行なうためのゲーム装置を接続してもよい。このような店舗内LANシステムを構築すると、本実施形態に係るゲーム装置1を使用して店舗内、あるいはインターネットを利用して他のゲームセンタの遊技者との対戦ゲームを行なうことが可能になる。また、図6に示すICカード用I/F31には、ICカードR/W装置17が接続されている。
【0051】
本実施形態のゲーム装置1のシステムメモリ22には、図7に示すデータ項目に関するデータを、選手(キャラクタ)の識別情報別に登録したキャラクタ別能力データベース(DB1)が記憶されている。このキャラクタ別能力データベース(DB1)は、ゲーム実行制御プログラムが1ゲームの実行を制御するとき、及び後述するピックアップされた対戦ゲーム場面について、タッチパネル6あるいはアクションボタン19から構成される操作手段を、遊技者が操作したことにより発生する操作入力信号に基づいて、選手の打撃または投球のシミュレーションを実施する処理を行なうときに参照するデータを記憶しているデータベースである。
【0052】
図7に示すように、キャラクタ別能力データベース(DB1)には、選手カード11に記録されてカード情報となる選手識別情報ごとに、この選手の選手名、この選手が所属するチーム(球団)名、等の選手に関する基本情報を識別する項目番号と、選手の能力を示す各種のパラメータ項目を識別する項目番号ごとに設定されたパラメータ値が登録されている。
これらパラメータ項目としては、図7に示すように、コスト、最高球速、・・・、等の投手に係るパラメータ項目と、打球を遠くに飛ばす力、ボールをバットに当てる能力、・・・、等の打者に係るパラメータ項目と、バントの上手さ、盗塁の上手さ、・・・、等の作戦等に係るパラメータ項目が含まれる。なお、パラメータ項目ごとに設定するパラメータ値は、例えば、10点を満点とした1〜10の範囲の何れかの数値、等が設定されている。
【0053】
また、システムメモリ22には、上記したキャラクタ別能力データベース(DB1)の他に、ゲーム実行制御プログラムがゲームの進行を制御するために予め設定された各種の基準データ等がデータテーブルとして記憶されている。これらの基準データとしては、例えば、キャラクタ別能力データベース(DB1)により設定されている選手の能力を示す各種のパラメータ項目についてそのパラメータ値を、遊技者が実施するゲーム(試合)ごとに変更する処理を行なうためのパラメータ(以下、「コンディション設定パラメータ」という)等が記憶されている。
【0054】
このコンディション設定パラメータとしては、例えば、試合ごとの選手のコンディションを設定するために5段階のバイオリズムとして、「Hot」、「Good」、「Normal」、「Bad」、「Slump」のレベルを設定しておく。そして、選手カード11を読み取って当該試合の出場選手として登録したこの選手カード11に対応する選手の能力値、すなわち、選手別能力データベース(DB1)により設定されている特定のパラメータ項目のパラメータ値を、このコンディション設定パラメータに基づいて増加、又は減少させる処理を行なう。
【0055】
このパラメータ値を増加、又は減少させる処理は、遊技者が当該試合に出場選手として選手カード11を読み込ませる操作が終了した時点で、この選手(選手識別情報)ごとに、上記した5段階のバイオリズムのレベルから一つを乱数発生手段により無作為に選定し、この選定されたバイオリズムに基づいて、キャラクタ別能力データベース(DB1)に登録されているパラメータ項目のうち、例えば、「打球を遠くに飛ばす力」のパラメータ値を予め設定した所定の割合(%)ほど、増加あるいは減少させる処理を行なう。また、この選手ごとに選定したバイオリズムのレベルは、遊技者に報知させるためにタッチパネル6に表示する。これにより、遊技者がゲームを実施する試合ごとに、試合に出場する選手の能力値を変化させることができるので、変化に富んだゲームの制御を行なうことが可能になるとともに、遊技者は試合ごとに各選手のバイオリズムのレベルを加味して出場選手の編成を行なうことも必要になるので、遊技者にチーム編成に対する高い興趣を与えることが可能になる。
【0056】
また、コンディション設定パラメータとして、さらに、「モチベーション」に関するパラメータを設定してもよい。「モチベーション」に関するパラメータとは、試合ごとに、「選手が得意な守備位置で登録される」、「慣れた打順で登録」されるとモチベーションを高く設定し、高いモチベーションが設定されると、上記したバイオリズムのレベルを、例えば1レベル上に設定する処理を行なう。
【0057】
上記したゲームの実行を制御するゲーム実行制御プログラムやデータベース等は、前記したように、CD−ROM又はDVD-ROM等の記憶媒体33に記憶しておき、ゲーム装置1の電源をONするとこの記憶媒体に記憶されているゲーム実行制御プログラムやデータベース等をシステムメモリ22に読み込む方式を採用しているが、バス線24に接続されたROMに予め上記したゲーム実行制御プログラム等を記憶させておく方式を採用してもよい。
【0058】
[ゲーム実行制御プログラムの構成と1ゲームのゲーム制御]
図8は、ゲーム装置1がゲームの実行を制御するためにシステムメモリ22に記憶しているゲーム実行制御プログラムの構成を示している。図8に示す各種のプログラムのうち、メイン制御プログラムP1は、ゲーム実行の制御を統括して制御するためのメインプログラムである。カード情報読み取り手段となるカード情報読み取りプログラムP6は、前記した選手カード11に記録されているバーコード(BC)(カード情報)を、イメージセンサ等の撮像手段13aを制御して読み取り、この読み取ったバーコード(BC)のイメージ(画像)データをシステムメモリ22に記憶するとともに、この記憶したイメージデータを解析してデジタル情報で表される選手識別情報に変換する処理を行なうプログラムである。
【0059】
続いて、図8に示すゲーム実行制御プログラムが、1ゲームのゲーム実行を制御するための手順について説明する。図9〜図11は、メイン制御プログラムP1が1ゲームのゲーム実行を制御するときに、その制御の流れの一例を示すフローチャートである。以下、1ゲームの制御の流れを図9〜図11に示す処理ステップごとに説明する。
【0060】
なお、前記したように、ゲーム装置1の電源をONしてブートロム25に記憶されているIPLを起動させると、光ディスク33に記憶されているゲーム実行制御プログラムP1がシステムメモリ22にロードされる。また、光ディスク33には各種の画像データや映像データ、及び音声や効果音データも予め記憶しておくことにより、これらのデータも電源ON時の立上げ処理プログラムP20により、グラフィックメモリ34、あるいはサウンドメモリ37にロードされる。
【0061】
(ステップS1)
メイン制御プログラムP1は、アドバタイズ処理プログラムP2を作動させてアドバタイズ処理を行なう。このアドバタイズ処理とは、遊技者が1ゲームを行なうためのコインの投入、ICカード18のICカードR/W装置17への挿入、あるいはタッチパネル6に触れたことによる入力信号が入力されるまで、タッチパネル6に、例えば、野球の試合の実写映像の表示、ゲームを実施するための操作方法を説明するデモ画像、遊技者が所有しているICカード18をICカードR/W装置17に挿入したときに読み込んだ各種の情報を表示する。この各種の情報とは、遊技者が所有している選手カード11が所属しているチームについて、これまで遊技者がゲームを実施した結果の勝敗、各選手の成績(打率、本塁打、・・)等である。
【0062】
(ステップS2)
遊技者に、これから実施するゲームモードを選択させるためのゲームモード選択画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。この選択画面に基づいて遊技者がタッチパネル6の所定の領域を指で触れる操作(以下、「タッチ操作」という)を行なうと、タッチパネル入力処理プログラムP4はこのタッチ操作に伴う選択入力の情報を取得する処理を行なう。このゲームモードとは、遊技者がゲーム装置1(COMチーム)を相手にしてゲームを行なうCOMモード、店舗内に複数台のゲーム装置1が設置されている場合、この同一の店舗内の他の遊技者を相手にして対戦ゲームを行なう店舗モード、インターネットを介して他の店舗の遊技者を対戦相手にしてゲームを行なうインターネットモードを示す。
【0063】
(ステップS3)
1ゲームが終了したときに、遊技者は新たな選手カード11aの払い出しを希望するか否かを入力させるための選手カード払出し選択画面をタッチパネル6に表示する処理を行ない、この選択画面に基づいて遊技者がタッチパネル6の所定の領域を、タッチ操作したことによる選択情報を取得する処理を行なう。なお、遊技者が新たな選手カード11aの払い出しを希望しない場合には、希望する場合よりも1ゲームに要するゲーム料金(投入コイン枚数)を低く設定する処理を行なう。
【0064】
(ステップS4)
ステップS2の処理で、遊技者が選択したゲームモードを判定する。この判定の結果、遊技者が店舗モードまたはインターネットモードを選択した場合には、ステップS5に進む。一方、COMモードを選択した場合には、ステップS6に進む。
【0065】
(ステップS5)
遊技者が店舗モードを選択した場合には、マッチングプログラムP5により、店舗内LAN42に接続されている店舗サーバをアクセスして、同一店舗内に他の遊技者による対戦相手の登録の有無を確認し、対戦相手が登録されていると他の遊技者との対戦ゲームを実施するための処理を行なう。なお、対戦相手が存在しない場合には、COMモードでゲームを実施する制御を行なう。また、遊技者がインターネットモードを選択した場合には、マッチングプログラムP5により、本ゲーム装置1を使用したインターネット対戦ゲームを管理するWebサーバをアクセスして対戦相手の登録の有無を確認し、対戦相手が登録されていると他の店舗の遊技者との対戦ゲームを実施するための処理を行なう。一方、他の店舗に対戦相手が存在しない場合には、COMモードでゲームを実施するための処理を行なう。
なお、以下のゲームの処理ステップは、COMモードでゲームを実施する場合の制御について説明する。
【0066】
(ステップS6)
遊技者に対して、タッチパネル6に1ゲームを実施するために必要とするコインをコイン投入口(図1には図示せず)に投入することを促す表示を行なう。そして、遊技者が投入したコインをコイン検出センサが検出すると、その枚数を投入メダル処理プログラムP18により判定し、必要とするコインの投入枚数が確認されるとステップS7に進む。
【0067】
(ステップS7)
遊技者は、これからCOMモードでゲームを実施することになるが、その試合情報、例えば、遊技者のチーム名称、相手チームの名称、球場名、等をタッチパネル6に所定時間表示する処理を行なう。
【0068】
(ステップS8)
遊技者に対して、ゲームを実施するための選手カード11をフィールドパネル9に配置されているカード保持台10に載置することを促す画面をタッチパネル6に表示するとともに、さらにその音声をスピーカ14、15から出力する処理を行なう。
【0069】
遊技者はこのチーム編成の指示に基づいて、遊技者が所有している選手カード11から、これから実施するゲームについてチーム編成を行なう。このチーム編成は、遊技者が所有している選手カード11から、例えば、当該ゲームに登場可能な選手数が13名になるように13枚の選手カード11を選択する。なお、この選択された13枚の選手カード11のうち、10枚はDH選手を含めてスターティング選手に相当する選手カード11になり、残り3枚は控え選手に相当する選手カード11になる。
【0070】
そして、遊技者はゲームに登場可能な13枚の選手カード11を選択すると、スターティング選手に相当する9枚の選手カード11を、それぞれ、フィールドパネル9に設定された守備位置(ポジション)を示す位置に配置されている、カード保持台10のカード載置部12に1枚ずつ、図2に示すように立てた状態で挿入する。これにより、図1(図2)に示すように、選手カード11はカード載置部12に載置され、立った状態でカード保持台10に保持されることになる。
【0071】
このように、選手カード11は立った状態でカード保持台10のカード載置部12に載置されるので、遊技者はカード保持台10に保持された選手カード11に対応する選手名とその守備位置等を確認することが容易になる。また、筐体2に設置されているタッチパネル6の設置位置に対して、フィールドパネル9が上方となる位置にあるため、各カード保持台10は、ゲームを実施する遊技者のタッチパネル6のタッチ操作を妨げない。さらに、上記したようにカード保持台10には選手カードを立てた状態で載置して保持するので、フィールドパネル9の表面積を少なくすることが可能になる。
【0072】
また、カード載置部12の下端部には開口部12aを設け、この開口部12aはカード保持台10のセンサ収納部13の内部と連通している。これにより、カード載置部12に挿入されたカード11の裏面の下方部に記録されたカード情報(選手識別情報)を表すバーコードBCを、センサ収納部13に収納されている撮像手段13aにより撮像することが可能になる。
【0073】
(ステップS9)
遊技者がタッチパネル9にタッチ操作して、カード情報の読み取り指示に関する情報が制御装置20に入力されると、メイン制御プログラムP1はカード情報読み取りプログラムP6を作動させる。これにより、カード情報読み取りプログラムP6は、各カード保持台10が備えている撮像手段13aが撮像した選手カード11の裏面に記録されているバーコード(BC)の画像データを、順次読み取ってシステムメモリ22に記憶する処理を行なう。続いて、カード情報読み取りプログラムP6は、システムメモリ22に記憶したバーコード(BC)の画像データを解析して、バーコード(BC)で表されている選手識別情報をデジタル情報(識別番号)に変換し、この変換した選手識別情報をシステムメモリ22に記憶する処理を行なう。
【0074】
なお、複数のカード保持台10に配置されている各撮像手段13aは、フィールドパネル9上に設定されている守備位置、DH(指名打者)、及び控え選手枠のうちのどのポジションに対応するかを予め設定しおく。すなわち、撮像手段13aからの撮像データを入力するシステムメモリ22のアドレス番地と、ポジションの識別情報とを関連付けしたデータテーブルをシステムメモリ22に登録しておく。
【0075】
これにより、ステップS9によるカード情報(バーコード(BC))の読み取り処理においては、カード保持台10に保持されている選手カード11について、選手カード11に対応するキャラクタの守備位置、DH(指名打者)、及び控え選手枠等のポジションに関連付けされた選手識別情報を取得することが可能になる。すなわち、遊技者がこれからゲームを実施するために編成したチームについて、選手カード11に対応する選手のポジションを示すポジション情報に関連付けした選手識別情報を取得することができる。そして、取得したポジションごとの選手識別情報を、システムメモリ22に設定したチーム編成データ記憶領域に記憶する。
これにより、9つの守備位置と一つDH(指名打者)のポジション情報と関連付けされた選手識別情報は、これから遊技者が実施するチームのスターティングメンバーに対応する選手の選手識別情報として登録されたことになる。
【0076】
(ステップS10)
ステップS9により、システムメモリ22に記憶した選手識別情報について、キャラクタ別能力データベース(DB1)を参照して、選手識別情報ごとに選手能力値を記憶したチーム編成データテーブルを作成してシステムメモリ22に記憶する。続いて、チーム編成データテーブルに記憶されている選手識別情報ごとに、前記したコンディション設定パラメータの値を求め、この求めたパラメータ値に基づいて選手の能力を示すパラメータ項目のうち、特定のパラメータ値をパラメータ値増減処理手段となるパラメータ値増減処理プログラムP8により、増加、又は減少させる処理を行なう。
【0077】
続いて、チーム編成データテーブルに記憶されている選手識別情報ごとに、「コスト」の合計値を算出する処理を行なう。そして、この算出したコストの合計値を遊技者に報知するために、例えば、図12に示すようにタッチパネル6の表示画面G1の領域G1aに表示する処理を行なう。なお、領域G1aには当該ゲームにおけるコストの上限値と、算出したコストの合計値とを表示する。図12に示す例では、当該ゲーム(試合)におけるコストの上限値は「100」、算出したコストの合計値は「95」であることを示している。
【0078】
(ステップS11)(ステップS12)(ステップS13)(ステップS14)
コストの合計値が、当該ゲームの上限値を超えているか否かを判定する。この判定の結果、コストの合計値が上限値を超えていない場合にはステップS12に進んで、選手の登録確認画面(図12に示す画面G1)をタッチパネル6に表示する処理を行なう。
【0079】
一方、コストの合計値が上限値を超えている場合には、ステップS13に進んで、ステップS9の処理で読み込んだ選手(選手カード11)の登録を抹消するか、あるいは選手カードを再登録するか否かを遊技者に選択させる画面を、タッチパネル6に表示する処理を行なう。そして、ステップS14により、遊技者が末梢を選択した場合にはステップS12に進み、新たな選手カード11の再読み込みを行なって選手の再登録を選択した場合にはステップS8に戻って、遊技者は一つまたは複数のカード保持台10に載置した選手カード11を他の選手カードと置き換える操作を行なう。
【0080】
なお、試合ごとのコストの上限値は、その初期値として所定の値(例えば、「40」)を設定し、ICカード18に記憶されるゲーム実施回数に応じてこの初期値を増加させる処理を行なうようにする。このようにして、遊技者は単に能力の高い選手の選手カードを集めてチーム編成を行なうのではなく、コストの上限値内で最強となるようなチーム編成を行なうようにすると、ゲームの戦略性がより向上したゲームを実施することができるようになる。
【0081】
(ステップS15)
ステップS12の処理でタッチパネル6に表示した選手の登録確認画面に基づいて、遊技者のタッチ操作による「登録する」に係る入力信号が取得されると、次のステップS16に進み、「再登録する」に係る入力信号が取得されるとステップS8に戻る処理を行なう。
【0082】
(ステップS16)(ステップS17)
ステップS16では、遊技者が選手カード11をカード保持台10に載置することにより登録された選手カードについて、未登録の選手カード、すなわち、遊技者が選手カード11をカード保持台10に載置しなかった未載置の選手カードの有無を判定する。この判定は、例えば、チーム編成データテーブルに記憶されている選手識別情報について、正常な選手識別情報に関するデータが記憶されているか否かを判定することにより可能になる、
【0083】
この判定の結果、未載置の選手カードが無い場合にはステップS19に進む。一方、未載置の選手カードがある場合にはステップS17に進んで、遊技者に対して、選手カードを載置していないポジションに該当するカード保持台10に選手カード11を載置するか否かを確認する画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。そして、ステップS18によりこの確認画面から「再登録する」に係る入力信号が取得されるとステップS8に戻り、「未載置承諾」に係る入力信号が取得されるとステップS19に進む。
【0084】
(ステップS19)
システムメモリ22のチーム編成データテーブルに記憶されている選手識別情報等の情報を、これから実施するゲームで使用する選手カード11、すなわち、選手識別情報として決定する処理を行なって、これらの選手識別情報等を守備位置(ポジション)に関する情報と関連付けしてシステムメモリ22に設定した出場選手登録データテーブルとして記憶する処理を行なう。
【0085】
(ステップS20)
ステップS19の処理でシステムメモリ22に記憶した出場選手登録データテーブルのなかのポジションに関する情報について、選手識別情報が記憶されていないポジションの有無の判定、すなわち、未登録選手の有無を判定する。この判定の結果、未登録選手が存在すると、ステップS21に進んで架空選手の登録処理を行なう。一方、全てのポジションに選手識別情報が記憶されている場合には、ステップS22に進む。
【0086】
(ステップS21)
ステップS20の処理で、選手識別情報が登録されていないと判定したポジションについて、架空選手追加プログラムP21により架空選手に関する選手識別情報を、システムメモリ22の出場選手登録データテーブルにこのポジションに対応させて記憶する処理を行なう。この処理により、遊技者は選手カードを所持していなくてもゲームを実施することができるようになる。なお、このステップS21の処理を実施するために、システムメモリ22に1チームに相当する人数の架空選手に関する架空選手別能力データベースを、予めシステムメモリ22に登録しておく。この架空選手別能力データベースのデータ構成は、キャラクタ別能力データベース(DB1)と同一の構成にする。
【0087】
(ステップS22)
システムメモリ22の出場選手登録データテーブルに記憶した各ポジション別の選手識別情報(選手名も含む)等に関するチーム編成の一覧情報をタッチパネル6に表示する。チーム編成の一覧情報は、例えば、図12に示すように、表示画面G1として表示する。この表示画面G1は、スターティング選手の打順と、そのポジション(「1B」はポジションが一塁ベースを示す)と、選手名を表示領域G1bに、控え選手に係る選手名を表示領域G1cに表示する。
【0088】
(ステップS23)(ステップS24)
ステップS22の処理で表示した表示画面G1は、遊技者のタッチパネル6のタッチ操作により、打順とポジションを変更することが可能になる。そして、遊技者は変更を希望する場合には、タッチ操作により打順とポジションについて、その一方または双方を変更する操作を行ない、この操作に基づいて打順設定・変更プログラムP10,及び守備位置設定・変更プログラムP11は打順と守備位置を変更する処理を行なう。この操作は、タッチパネル6に表示された「ポジション変更」領域をタッチ操作すると、ステップS22に戻って、表示領域G1bをタッチ操作してポジションを変更できるようにする。打順の変更についても、これと同様なタッチ操作を行なう。
【0089】
(ステップS25)
打順とポジションについて、最終決定を行なう処理を行なう。この処理においては、遊技者が上記ステップS23、ステップS24の処理で打順やポジションの変更操作を行なった場合には、この変更操作により取得した情報を出場選手登録データテーブルに再登録する処理を行なって、これから実施するゲームの出場選手として最終決定する処理を行なう。
【0090】
(ステップS26)
注目選手登録プログラムP12は、出場選手登録データテーブルに登録されている選手から、当該ゲームについて注目選手を選択するための注目選手選択画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。遊技者はこの注目選手選択画面に表示された選手名をタッチすると、注目選手登録プログラムP12は、この選手に対応する選手識別情報を当該ゲームの注目選手としてシステムメモリ22に記憶する処理を行なう。なお、メイン制御プログラムP1は、当該ゲームの注目選手として登録された選手は、後述する投手と打者とが対戦するシミュレーションを実行する対戦ゲーム場面(特定場面)に登場し易くする処理を行なう。
【0091】
(ステップS27)
メイン制御プログラムP1は、演出画像出力プログラムP3を作動させて、ゲーム開始の演出映像をタッチパネル6に、さらにその音声と効果音をスピーカ14、15に所定時間ほど出力した後、試合開始として1ゲームのゲーム実行の制御を行なうステップS28に進む。
【0092】
(ステップS28)
ステップS28においては、上記したように、遊技者が選手カード11をカード保持台10に立てた状態で載置して、この選手カード11に記録されているカード情報を読み取った情報に基づいて遊技者が編成したチームと、制御装置1に予め登録されているCOMチームとの1試合の野球ゲームの実行を制御する。この対戦試合の実行を制御する手順の具体例は図11に示しているが、その処理内容については後述する。
【0093】
(ステップS29)
ステップS28の処理を実行して1試合のゲームが終了すると、ゲーム終了の処理として、試合結果に関する情報をタッチパネル6に、さらに、その音声と効果音をスピーカ14、15に所定時間出力する処理を行なう。また、当該ゲームの実施結果に関する情報を、ICカードR/WプログラムP19により、ICカード18に記録する処理を行なう。
【0094】
(ステップS30)(ステップS31)
ステップS30の処理では、前記したステップS3の処理に基づいて、遊技者が新たな選手カード11aの払い出しを希望した情報がシステムメモリ22に登録(記憶)されているか否かを判定する。そして、新たな選手カード11aの払い出しを希望した情報が記憶されていると、ステップ31に進んで、カード払い出しプログラムP20により1枚の選手カード11aを遊技者に払い出す処理を行なう。なお、この遊技者に払い出された新規な選手カード11aは、遊技者が次のゲームを実施するときに使用できる。
【0095】
(ステップS32)(ステップS33)(ステップS34)
ステップS32においては、遊技者は引き続いて次のゲームを実施するか(コンティニュー)否かを問い合せるためのコンティニュー画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。そして、ステップS33により、遊技者のタッチ操作に基づく入力情報がコンティニューを選択したと判定されると、前記したステップS2の処理に戻る制御を行なって、次の1ゲームについてゲーム実行の制御が行なわれる。一方、遊技者がコンティニューを選択しなかった場合にはステップS34に進んで、ゲームオーバの処理としてゲーム修了に関する情報をタッチパネル6に表示して、前記したステップS1の処理に戻る制御を行なう。
【0096】
上記したステップS1〜S34の処理に基づいて、メイン制御プログラムP1は、1ゲーム(1試合)のゲーム実行の制御を行なう。
【0097】
続いて、1試合のゲーム実行の制御を行なうステップS28の処理内容を、図11に示すフローチャートのステップごとに説明する。
【0098】
(ステップS2801)
シミュレーション手段となる1試合シミュレーションプログラムP13により、1試合の野球ゲームのシミュレーション、すなわち、1回の表の打席から9回の裏の最終打席までの各打席について打者と投手との対戦を、シミュレーションにより実行する。この1試合のシミュレーションの実行は、当該ゲームの登録選手としてシステムメモリ22の出場選手登録データテーブルに記録しているスターティング選手の打順に関する情報と、この選手に係る各種の能力値を示すパラメータ値と、COMチームの各選手の能力パラメータ値とに基づいて実行する。
【0099】
そして、1試合シミュレーションプログラムP13は、1回の表の打席から9回の裏までの各打席のシミュレーションを実行した結果のデータをシステムメモリ22に記憶するとともに、予め設定した評価基準に基づいてこの全打席のシミュレーション結果を評価し、打席ごとにその評価を打席ポイントとして設定(付与)する処理を行なう。この各打席の評価は、打席ポイント設定プログラムP14により行なう。なお、打席ポイント設定プログラムP14の処理内容は、1試合のシミュレーション結果に基づいてキャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価手段になる。
【0100】
なお、打席ポイント設定プログラムP14が上記した打席ポイントを付与する方法は、例えば、各打席について次の第1〜第5の打席ポイントを求め、これら求めた第1〜第5の打席ポイントの合計値をその打席の打席ポイントとして設定する処理を行なう。
(1)第1の打席ポイント
各打者と投手との対戦において、打者と投手のコスト値に応じて第1の打席ポイントを設定する。例えば、打者のコスト値が「8」の場合には、打席ポイントとして「30点」を、投手のコスト値が「8」の場合には、打席ポイントとして「10点」を付与し、これら打者と投手の打席ポイントの合計値を、第1の打席ポイントが発生したとして処理する。
【0101】
(2)第2の打席ポイント
その打席におけるランナーの状況に応じて、第2の打席ポイントを発生させる。例えば、ランナー無しの場合には「30点」、ランナーが1、2塁のときは「8点」を付与する。
【0102】
(3)第3の打席ポイント
その打席における両チームの得点差に応じて、第3の打席ポイントを発生させる。例えば、同点の場合には「30点」、1点差の場合は「25点」、以下、得点差が大きいほど発生させる第3の打席ポイントの点数は少なくする。
【0103】
(4)第4の打席ポイント
その打席のイニング数に応じて、第4の打席ポイントを発生させる。例えば、イニングが1回のときは「1点」、イニングが9回のときは「9点」を付与する。
【0104】
(5)第5の打席ポイント
前記したステップS26において、注目選手として選択された選手が打席のときには、例えば、「5点」を付与する。
【0105】
(ステップS2802)
対戦ゲーム場面ピックアッププログラムP15により、ステップS2801の処理で求めた各打席の打席ポイントに基づいて、最も高い打席ポイント値が付与された打席から順に、後述する所定回数(T)から実施回数(N)を引いた回数だけ、打席を抽出し、その中から、試合開始時点に最も近い時点の打席を選定する処理を行なう。なお、対戦ゲーム場面ピックアッププログラムP15の処理内容は、キャラクタの登場場面のうちから、操作手段によってこのキャラクタを操作可能とする対戦ゲーム場面を選定する選定手段になる。
【0106】
この選定手段により選定された打席のことを、以下、「対戦ゲーム場面(特定画面)」という。この打席ポイント数が高い打席ほど、打者と投手との対戦において一方のチームがチャンスになった場面、すなわち、ゲームにおいて、盛り上がった場面を示すことになる。なお、メイン制御プログラムP1は、選定された場面に至るまでの競技展開については、例えば、早送りでの表示としたり、得点経過のみの表示とするなどして、遊技者を待たせないよう、短い時間で表示する。
【0107】
なお、後述するように、この選定された「対戦ゲーム場面」について、対戦シミュレーションプログラムP16の制御に基づいて、遊技者が操作手段を操作することにより、タッチパネル6に表示された打者または投手となるキャラクタを操作して、この打者と投手との対戦のシミュレーションが実行される。なお、対戦シミュレーションプログラムP16の処理内容は、特定場面シミュレーション手段となる。
【0108】
(ステップS2803)(ステップS2804)(ステップS2805)
ステップS2803においては、カード情報読み取りプログラムP6を作動させて、各カード保持台10に保持されている選手カード11を読み取る処理を行なう。そして、ステップS2804の処理で、この読み取ったカード情報である選手識別情報が、システムメモリ22に記憶している出場選手登録データテーブルに既に登録されているか否かを判定する処理を行なう。このとき、選手カード11がこの時点でカード保持台11に載置されているか否かも同時に判定される。このステップS2803〜S2804の処理は、遊技者がカード保持台10に載置した選手カード11を選手登録のときのみに能力の高い選手カード11を使用したことを見出すための処理であって、カード載置再確認手段となる。すなわち、選手登録時のみ能力の高い選手カード11を使用し、その選手カード11をすぐに他のゲーム装置にて使用することができてしまうと、例えば、友人同士で一枚の選手カード11を流用しながら同時にゲームを行うことができてしまい、選手カード11に対する遊技者の購買意欲が下がってしまうことになるので、これを防ぐ効果がある。
【0109】
ステップS2804の処理において、ステップS2803の処理で読み取った選手カード11に対応する選手識別情報が出場選手登録データテーブルに登録されていない、または選手カード11がカード保持台11に載置されていない、と判定されると、ステップS2805の処理を実行する。
ステップS2805の処理は、ステップS2804の処理で、ステップS2803の処理で読み取った選手カード11に対応する選手識別情報が出場選手登録データテーブルに登録されていない、または選手カード11がカード保持台11に載置されていない、と判定したポジションの選手識別情報に対して、出場選手登録データテーブルに登録されている能力パラメータ値を下げる(減点する)処理を、選手能力値減点処理プログラムP9により行なう。この減点処理は、前記したコンディション設定パラメータの値を、特定の能力パラメータ項目のパラメータ値が最も下がる値に変更する処理を行なう。
【0110】
(ステップS2806)
メイン制御プログラムP1は、対戦ゲーム場面ピックアッププログラムP15により選定された対戦ゲーム場面におけるゲームの制御をプレイアブルモードに設定し、遊技者にこのプレイアブルモードを実行するか否かを、選択させるプレイアブルモード選択画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。このプレイアブルモードとは、ステップS2802の処理で選択した対戦ゲーム場面(特定場面)において、投手または打者を遊技者による操作に基づいて制御する、即ち、投手または打者の動作を遊技者の操作に委ねるモードである。このプレイアブルモードの実行が選択されると、対戦シミュレーションプログラムP16は、遊技者が操作手段となるタッチパネル6及びアクションボタン19を操作したことに基づいて、この投手と打者との対戦場面における選手(キャラクタ)の動作を制御し、そのゲーム場面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。
【0111】
(ステップS2807)(ステップS2808)
ステップS2807の処理で、遊技者がプレイアブルモード選択画面からプレイアブルモードの実行を選択すると、ステップS2808の処理に進む。
ステップS2808では、対戦シミュレーションプログラムP16は、遊技者のタッチパネルの操作に基づいて、「盗塁」あるいは「バント」等の「作戦の実行」についても選択できるようにしている。そして、遊技者が作戦実行のメニューのうち、「盗塁」または「バント」の何れかを選択すると、作戦実行プログラムP17は選択された作戦を、出場選手登録データテーブルに記憶している該当打者または走者の能力パラメータ値と、COMチームの捕手等の選手の能力パラメータ値に基づいて作戦のシーンをシミュレーションし
その作戦実行のシーンとその結果をタッチパネル6に表示する処理を行なう。また。この作戦結果の情報をシステムメモリ22に記憶する。
【0112】
選択された対戦ゲーム場面が遊技者のチームの攻撃イニングであって、遊技者が打者と投手との対戦シミュレーションゲームの実施を選択した場合には、対戦シミュレーションプログラムP16は、例えば、図13に示すような打者が投手と対戦するシミュレーション画面G2を表示する。そして、対戦シミュレーションプログラムP16は、このシミュレーション画面G2に表示した画像と、遊技者が操作手段となるタッチパネル6及びアクションボタン19の操作に基づいて、投手と打者との対戦シミュレーションゲームを実行する。
【0113】
図13に示すシミュレーション画面G2には、その表示領域G2aに相手チームの投手の投球モーションを動画で表示する。また、表示領域G2bに遊技者のチームであってこの対戦ゲーム場面に登場する打者の映像を表示する。そして、対戦シミュレーションプログラムP16は、例えば、次の(1)〜(4)に記載の手順により、遊技者の操作に基づいて、投手と打者との対戦シミュレーションゲームを実行する。
【0114】
(1)最初に、遊技者は、シミュレーション画面G2の領域G2cに表示されている投手の投球ゾーン内において、この打者がスイングで狙う「狙いコース」をタッチパネル6へのタッチ操作で指定する。この操作手段となるタッチパネル6からの操作入力信号に基づいて、対戦シミュレーションプログラムP16は遊技者が指定した「狙いコース」の位置を、図13に示すように黒い丸印K1で表示する制御を行なう。
【0115】
(2)続いて、対戦シミュレーションプログラムP16は、シミュレーション画面G2の表示領域G2aに投手の投球動作の動画映像を表示する処理を行なう。
【0116】
(3)そして、遊技者は、シミュレーション画面G2の表示領域G2aに表示される投手の投球動作及びボールの移動表示に合せて、打者にバットを振らせる瞬間を判断して操作手段となるアクションボタン19を押す操作を行なう。対戦シミュレーションプログラムP16は、アクションボタン19から操作入力信号が入力されると、領域G2bに表示している打者がバットをスイングした映像を表示する。
【0117】
(4)対戦シミュレーションプログラムP16は、ボールの移動位置と、このアクションボタン19から入力された操作入力信号とのタイミングを判定し、その判定したタイミングが合っていると打者は良い結果、例えば、ホームラン又はヒットを打ったと判定する処理を行なう。一方、タイミングが合っていないと判定すると、打者は三振等によりアウトになったと判定する処理を行なう。
【0118】
なお、対戦ゲーム場面として、遊技者のチームが守備のイニングの場面がピックアップされた場合には、対戦シミュレーションプログラムP16は、図14に示すようなシミュレーション画面G3を表示する制御を行なう。なお、シミュレーション画面G3の表示領域G3aには、遊技者のチームに対応する投手の投球動作の映像を、表示領域G3bには相手チームの打者のスイング映像を、また、表示領域G3cにはこの投手が投球で狙う投球コ−スの範囲を表示する。
【0119】
そして、この投球に関するシミュレーションゲームを実施するときには、まず、遊技者は、遊技者のチームの投手が相手チームの打者に対して投球する「投球コース」を、タッチパネル6へのタッチ操作で指定する。図14に示す画面例では、遊技者が指定した「投球コース」を黒い丸印K2で表示した例を示している。このとき、遊技者はシミュレーション画面G3のタッチ操作により、表示領域G3dに表示した球種も指定できるようにする。
【0120】
続いて、投手の投球動作の動画映像を表示領域G3aに表示する。そして、遊技者は投手の投球動作の映像に合わせてアクションボタン19を押圧する。そして、対戦シミュレーションプログラムP16は、投手が投球動作の映像においてボールをリリースするタイミングと、このアクションボタン19から入力された操作入力信号とのタイミングを判定し、その判定したタイミングが合っていると投手は良い結果、例えば、三振を取ったと判定し、タイミングが合っていないとヒット等を打たれたと判定する処理を行なう。
【0121】
(ステップS2809)
メイン制御プログラムP1は、システムメモリ22に設定した対戦シミュレーションの実施回数(N)をカウントする領域に「1」を加算する処理を行なう。なお、実施回数(N)をカウントする領域には、前記したステップS1の処理において、初期値として「0」を記憶する処理を行なう。
【0122】
(ステップS2810)
メイン制御プログラムP1は、実施回数(N)が所定の回数(T)を超えたか否かを判定する。この判定の結果、回数(T)を超えていない場合にはステップS2811に進み、回数(T)を超えている場合にはステップS2812に進む。
【0123】
(ステップS2811)
メイン制御プログラムP1は、上記したステップS2808により、対戦シミュレーションを行なった打者の次の打者から当該ゲームに係る1試合のシミュレーションゲームを継続して行なうための前処理を実施して、ステップS2801に戻る制御を行ない、1試合シミュレーションプログラムP13により、当該ゲームについて次の打席の場面から9回の裏までの各打席の場面のシミュレーションを再度実行する処理を行なう。
【0124】
なお、このステップS2811の処理においては、ステップS2808で対戦シミュレーションを行なったシミュレーション結果に係る情報を、システムメモリ22に記憶しておく。このシミュレーション結果に係る情報としては、ステップS2808で対戦シミュレーションを行なったイニングとその打順、シミュレーションを行なった結果のアウト数、チェンジになっていない場合には出塁の状況、得点、等に関する情報である。
【0125】
(ステップS2812)(ステップS2813)
所定回数(T)の「対戦ゲーム場面」について、遊技者の操作に基づく対戦シミュレーションゲームを実行したので、ステップS2812では次の判定処理を行なう。すなわち、前記したステップS2808の処理で対戦シミュレーションゲームを実行した結果、得点に逆転が生じた場面の有無を判定する。この判定の結果、得点に逆転が生じた場面があったときには、ステップS2813に進んで、逆転が生じた「対戦ゲーム場面」のシーンを所定時間ほどタッチパネル6に表示する演出処理を行なってステップS2814に進む。
【0126】
(ステップS2814)
当該ゲームの最終打者の打撃シーンを、タッチパネル6に所定時間表示する演出処理を行なって、ステップS28の処理である1ゲームのシミュレーションの実行を終了する。
【0127】
上記したように、本発明においては、1ゲーム(試合)ごとに、遊技者の操作に基づく対戦シミュレーションを実施する回数は、予め設定した所定の回数(T)になるようにその回数に限度を設定している。この所定の回数(T)は、例えば6回〜8回程度に設定する。このように、対戦シミュレーションを実施する回数を、予め所定の回数になるように前記したステップS2801〜S2810の処理で制御し、かつ、一つの対戦シミュレーションの実行時間を、例えば1分〜2分程度になるように制御するなどして、遊技者が実施する1試合分のゲーム時間を、所定の時間内に納めることが可能になる。これにより、遊技者によるゲーム時間が極端に長くなることを防止することができるようになる。
【0128】
また、上記した実施形態では、対戦ゲーム場面においてプレイアブルモードとするか否かを選択していたが、これを、常にプレイアブルモードとするようにしてもよい。これにより、ゲームの展開に対する遊技者の関わりを深くすることができ、ゲームに対する遊技者の参加意欲を高めることができる。
【0129】
上記したゲーム装置1の実施形態において、選手カード11にカード情報を示すバーコードを印刷(記録)する位置は、選手カード11の裏面の下端部とした例について説明したが、選手カード11を立てた状態で読み取れるものであれば、適宜の位置とすればよい。例えば、選手カード11の表面の下端部にも記録してもよいし、選手カード11の表面又は裏面、あるいはその双方の面の左右側の端部の一方、又は双方にバーコードを印刷してもよい。さらに、タッチパネル6については、画面タッチにより入力情報を取得することができる操作手段と、ゲーム画像等を表示する表示手段とを一体にしたタッチパネルを例にして説明したが、本発明は入力情報を取得するための専用のタッチパネルと、ゲーム画像等を表示する表示手段とを個別に備えたゲーム装置としてもよい。
【0130】
また、カード情報として記録する情報は、この選手カード11に対応する選手の選手識別情報の他に、図6に示す選手能力のパラメータ項目に関するパラメータ値の全て、あるいはその一部を含めるようにしてもよい。この場合、選手識別情報と選手能力のパラメータデータ値の一部を、バーコードを利用しで選手カード11に記録(印刷)するときには、選手カード11の下端部と左右の端部の一方または双方を利用して記録する。
【0131】
また、選手識別情報と選手能力のパラメータ値の全てを選手カード11に記録(印刷)するときには、その情報量が多くなるので、これらの情報を、例えば、2次元コードで記録し、この2次元コードを選手カード11の裏面の適切な位置に印刷するようにしてもよい。また、ICチップやRFID(Radio Frequency identification)を内蔵したカードを選手カード11として使用し、カード保持台10にICチップの読み取り手段を設置してもよい。さらに、選手カード11として磁気的な記憶手段を備えたカードとし、カード保持台10に磁気情報の読み取り手段を設けてもよい。
【0132】
さらに、カードの下端の端面部にバーコード等の識別情報を印刷した選手カード11を、立てた状態でカード保持台10に載置し、カード保持台10の下側に設置したイメージセンサ等の読み取り手段によりこのバーコード等を読み取る手段を採用してもよい。
【0133】
なお、上記した本発明の実施形態については、野球ゲームを適用したゲーム装置を例にして説明したが、本発明のゲーム装置は、野球ゲームの他に、サッカー、アメリカンフットボール、バレーボール、ホッケー、等のスポーツ競技に対するゲームにも適用することができる。このようなスポーツ競技を対象としたゲームを実施するためには、これらのスポーツ競技のフィールドを模したフィールドパネル上に、選手のポジションとなる位置、すなわち、守備位置あるいは攻撃位置等となる領域にカード保持台を設置し、ゲーム実行制御手段には、それぞれのスポーツ競技特有の見せ場のシーンを選定し、選定した場面において、遊技者の操作に基づいて対戦のシミュレーションゲームを実施するプログラムを備えるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の一実施形態を示すゲーム装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すカード保持台の構成を示す斜視図である。
【図3】カード保持台のカード載置部にカードを立った状態で載置して保持したときに、カード保持台のセンサ収納部に配置されている撮像手段と、カードとの位置関係を説明するための図である。
【図4】図2に示すカード保持台を配置したフィールドパネルにおいて、このカード保持台に選手カードを立てて載置したときの状態を示す図である。
【図5】選手カードの表面の構成例を示す図であって、(a)はカードの表面、(b)は裏面の印刷表示例を示す。
【図6】図1に示すゲーム装置に搭載されている制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す制御装置の記憶装置に記憶されている選手別能力データベースのデータ構成例を説明するための図である。
【図8】図6に示す制御装置が備えているゲーム実行制御プログラムの構成例を示す図である。
【図9】制御装置が備えているゲーム実行制御プログラムが、ゲームの進行を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】同じく、ゲーム実行制御プログラムが、ゲームの進行を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】同じく、ゲーム実行制御プログラムが、ゲームの進行を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図1に示すタッチパネルに表示する画面例を示す図である。
【図13】同じく、図1に示すタッチパネルに表示する画面例を示す図である。
【図14】同じく、図1に示すタッチパネルに表示する画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
1:ゲーム装置
2:筐体
3:テーブル部
4:パネル部
6:タッチパネル
7:液晶表示装置
9:フィールドパネル
10、10a、10b、10c、・・・:カード保持台
11、11a、11b、11c、・・・:カード(選手カード)
13a:撮像手段
20:制御装置
21:CPU
DB1:キャラクタ別能力データベース
BC:バーコード(カード情報)
P4:タッチパネル入力処理プログラム
P6:カード情報読み取りプログラム
P8:パラメータ値増減処理プログラム
P9:選手能力減点処理プログラム
P13:1試合シミュレーションプログラム
P14:打席ポイント設定プログラム
P15:対戦ゲームピックアッププログラム
P16:対戦シミュレーションプログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード等のプレイ媒体に記録された情報を読み取って、ゲーム内容を表示装置に表示させながらゲームを行なうゲーム装置とゲーム制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からプレイ媒体としてカード、すなわち、トレーディングカードを使用したゲーム装置については、サッカーを対象としたゲーム装置が知られている。このゲーム装置としては、例えば、下記特許文献1に記載のカードゲーム装置が提案されている。
【0003】
このカードゲーム装置を操作してゲームを開始する場合には、まず、ゲームを実施する遊技者は、ゲーム装置を構成する透明なカード配置パネル上に、ゲームで使用する選手カードを、その裏面がカード配置パネルの上面に接するように並べる。続いて、ゲーム装置のゲーム実行制御手段は、カード配置パネルの内部に設置された撮像手段13aを作動させてこの選手カードの裏面に記録されているカード情報を読み取り、この読み取ったカード情報に基づいてチームを構成する選手の能力値等のゲーム制御データを作成してゲームを開始する制御を行なう。
【0004】
そして、ゲームが開始されると、遊技者がカード配置パネル上に配置した選手カードを、カード配置パネル上を擦りながら移動させると、ゲーム実行制御手段は選手カードの移動を検出してゲーム場面における選手のポジションも移動させる制御を行い、遊技者はフォーメーション等の指示を行なうことができるようになっている。
【0005】
また、スポーツ競技を対象としたゲーム装置において、遊技者の入力操作に基づいてゲームに登場するキャラクタの対決(登場)場面を、シミュレーション画像として演出表示する手段を備えたゲーム装置が提案されている。この種のゲーム装置としては、例えば、下記の特許文献2、及び特許文献3に記載の発明が提案されている。
【0006】
特許文献2には、遊技者が投手を操作することができる野球ゲーム装置が提案されている。特許文献2に記載の野球ゲーム装置は、遊技者の入力操作に従って投手の投球モーションを設定する投球モーション設定手段と、この投球モーションを記憶する投球モーション記憶手段と、この投球モーションに基づいて、投手から放たれるボールの球威を演算する球威演算手段と、この球威を含む投球内容で、投手と打者の対戦シミュレーションを行なうシミュレーション手段とを備えることにより、シミュレーションゲームを行なうことを可能にしている。
【0007】
特許文献3には、遊技者が投手の動作を操作することができるゲーム装置が提案されている。特許文献3に記載のゲーム装置は、予め登録されている複数の野球選手の特質に関するデータを記憶する記憶手段と、この野球選手を使って、ランダムにシチュエーションを設定するシチュエーション設定手段と、遊技者の操作と投手の特質とに応じた投球内容を実現する投球手段と、上記の設定されたシチュエーション下で、打者の特質と、上記投球内容とに基づいて投手と打者の対戦をシミュレーションするシミュレーション手段と、所定の区切りが着く毎に、新たなシチュエーションの設定を要求する面クリア手段と、を備えている。
【0008】
【特許文献1】特開2007−665号公報
【特許文献2】特開2001−129250号公報
【特許文献3】特開2001−137549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載の発明は、トレーディングカードとなる選手カードを使用したカードゲーム装置であるが、ゲームを開始するときに、遊技者は1ゲームで使用する選手カードをカード配置パネル上に配置して、この選手カードに記録されているカード情報をゲーム実行制御手段に登録する必要があった。この1ゲームで使用する選手カードをカード配置パネル上に配置する操作は、カード情報が記録されている選手カードの面(例えば裏面)をカード配置パネル上に各選手カードが重ならないように載置する必要があった。このため、サッカーゲームのように、ゲーム開始時に多数枚のスターティングメンバーに対応する選手カードをカード配置パネル上に並べるためには、必然的にカード配置パネルの表面積を大きくする必要性が生じて、カードゲーム装置が大型になり、その結果、カードゲーム装置の製造コストが高くなるという不具合があった。
【0010】
上記特許文献2及び特許文献3に記載の野球ゲーム装置は、遊技者の入力操作に従って投手の投球モーションを設定する。そして、ゲーム実行制御手段は、この設定された投球モーションと遊技者により指定された球種に基づいて、投手と打者との対戦シミュレーションを実行する手段を備えているが、遊技者が好みのチームに属している選手カードを使用して野球ゲームを実施するカードゲーム装置ではない。
【0011】
そこで、本発明は、上記した従来のカードを使用するゲーム装置が抱えている課題を解決したゲーム装置を提供するためになされたものであって、その目的は、トレーディングカード等のカードを使用したゲーム装置において、ゲームを開始する前にゲームで使用するカードに記録されているカード情報の読み取りを、このカードを立てた状態で読み取る手段を設けることにより、ゲーム装置にカード情報の読み取りに要する領域の省スペース化を計ることにある。
【0012】
さらに、読み取ったカード情報等に基づいて、遊技者の操作手段からの入力操作によってキャラクタの操作が可能となるゲームの対決場面が予め設定した回数になるように制御する手段を設けることにより、1ゲーム(1試合)の実施時間を所定の時間内で終了する、あるいは短縮することができるゲーム装置、及びそのゲーム制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るゲーム装置は、カードから読み取ったカード情報と、タッチパネルを含む操作手段から入力された操作入力信号とに応じてゲームの進行を制御するゲーム実行制御手段を備えるゲーム装置であって、
前記タッチパネルの上方に配置され、ゲームフィールドを模したフィールドパネルと、
前記ゲームフィールドにおける複数のキャラクタのポジションを示す前記フィールドパネル上の各位置に配置され、前記カードを立てた状態で保持する複数のカード保持台と、
前記カード保持台に保持されている前記カードに記録されているカード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、を備え、
前記ゲーム実行制御手段は、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に基づいて、前記ゲームの進行を制御することを特徴としている。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のゲーム装置に係り、前記ゲーム実行制御手段は、
前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に基づいて、前記カード情報に対応するキャラクタを参加させてゲームの進行を制御するものであって、前記ゲームの開始から終了までのゲーム展開をシミュレーションするシミュレーション手段と、
シミュレーション結果における前記キャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価手段と、
前記評価情報に基づいて、前記キャラクタの登場場面のうちから、前記操作手段によって前記キャラクタを操作可能とする特定場面を選定する選定手段と、
前記選定手段によって選定された特定場面における前記操作手段からの操作入力信号に基づいて、特定場面におけるゲーム展開をシミュレーションする特定場面シミュレーション手段と、を備え、
前記シミュレーション手段は、前記特定場面シミュレーション手段のシミュレーション結果に基づいて、特定場面からゲームの終了までのゲーム展開を再度シミュレーションすることを特徴としている。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のゲーム装置に係り、前記ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーション手段の実行回数を、予め設定した所定の回数になるように制御する手段を備えていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のゲーム装置に係り、前記ゲーム実行制御手段は、
前記カード情報に対応するキャラクタごとに、記憶手段に記憶した情報であって、ゲーム実行に対する前記キャラクタの能力値を予め登録したキャラクタ別能力データベースと、前記キャラクタの能力値を増加又は減少させるコンディション設定パラメータと、
さらに、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応するキャラクタの当該ゲームにおける前記能力値を、前記コンディション設定パラメータに基づいて増加または減少させるパラメータ値増減処理手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のゲーム装置に係り、前記ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーション手段を実行する前に、前記カード情報読み取り手段が読取った前記カード情報に対応する前記カードが前記カード保持台に保持されているか否かを判定するカード載置再確認手段を備え、
前記パラメータ値増減手段は、前記カード載置再確認手段によって前記カード保持台に保持されていないと判定された前記カードに対応するキャラクタの前記コンディションを減少させることを特徴としている。
【0018】
また、請求項6に記載の発明に係るゲーム制御方法は、記憶手段と、タッチパネルを含む操作手段と、ゲームフィールドを模したフィールドパネルと、前記ゲームフィールドにおける複数のキャラクタのポジションを示す前記フィールドパネル上の各位置に配置され、カードを立てた状態で保持する複数のカード保持台と、前記カード保持台に保持されている前記カードに記録されている前記カード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、ゲームの進行を制御するゲーム実行制御手段とを備えたゲーム装置におけるゲーム制御方法であって、
ゲーム実行制御手段は、前記カード保持台に保持されている前記カードの前記カード情報を読み取って前記記憶手段に記憶するカード情報読み取りステップと、
前記カード情報読み取りステップが前記記憶手段に記憶した前記カード情報と、前記タッチパネルを含む操作手段から入力された操作入力信号とに応じて、ゲームの進行を制御するゲーム実行制御ステップと、を実行することを特徴としている。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のゲーム制御方法に係り、ゲーム実行制御手段は、前記カード情報読み取りステップにより読み取った前記カード情報に基づいて、前記カード情報に対応するキャラクタを参加させるゲームにおける開始から終了までのゲーム展開をシミュレーションするシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップの結果における前記キャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価ステップと、
前記評価ステップが算出した評価情報に基づいて、前記キャラクタの登場場面のうちから、前記操作手段によって前記キャラクタを操作可能とする特定場面を選定する選定ステップと、
前記選定ステップによって選定された特定場面における前記操作手段からの操作入力信号に基づいて、前記特定場面におけるゲーム展開をシミュレーションする特定場面シミュレーションステップと、を備え、
前記シミュレーションステップは、前記特定場面シミュレーションステップのシミュレーション結果に基づいて、特定場面からゲームの終了までのゲーム展開を再度シミュレーションすることを特徴としている。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のゲーム制御方法に係り、前記特定場面シミュレーションステップの実行回数は、予め設定した所定の回数になるように制御されていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項6から請求項8のいずれかに記載のゲーム制御方法に係り、ゲーム実行制御手段は、前記カード情報に対応するキャラクタごとに、前記記憶手段に記憶した情報であって、ゲーム実行に対する前記キャラクタの能力値を予め登録したキャラクタ別能力データベースと、前記キャラクタの能力値を増加又は減少させるコンディション設定パラメータと、さらに、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応するキャラクタの当該ゲームにおける前記能力値を、前記コンディション設定パラメータに基づいて増加または減少させるパラメータ値増減処理ステップを実行することを特徴としている。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項6から請求項9のいずれかに記載のゲーム制御方法に係り、ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーションステップを実行する前に、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応する前記カードが前記カード保持台に保持されているか否かを判定するカード載置再確認ステップを実行し、
前記パラメータ値増減ステップは、前記カード載置再確認ステップによって前記カード保持台に保持されていないと判定された前記カードに対応するキャラクタの前記コンディションを減少させることを特徴としている。
【0023】
なお、請求項にある「ゲーム」とは、ゲームフィールドに配置されたキャラクタを遊技者が操作するものであればよく、例えば、スポーツ遊技の試合をシミュレーションするものや、戦争を題材としその戦闘をシミュレーションするものなどであり、「ゲームの開始終了まで」とは、例えば、スポーツ競技の試合の開始から終了のことである。また、スポーツ競技としては、野球、サッカー、アメリカンフットボール、バレーボール等の複数の選手で編成されるチーム同士が対戦するようなスポーツが適当である。また、上記したポジションとは、野球のように選手の守備位置、あるいはサッカーやバレーボールのように選手の攻撃位置と守備位置の一方、または双方を示すものなどである。
【発明の効果】
【0024】
本発明のゲーム装置は、次の効果を奏することができる。
ゲーム開始時に、ゲームで使用する複数の選手カード等のカードに記憶されているカード情報を読み取るときに、このカードを立てた状態で読み取るカード保持台を備えているので、このカード保持台を設置するフィールドパネルの表面積を小さくすることができる。これにより、従来のカードゲーム装置と比較してゲーム装置の筐体を含む装置の形状を小型化することが可能になる。
【0025】
本発明のゲーム装置が備えているゲーム実行制御手段は、カード情報読み取り手段が読み取ったカード情報に基づいて、1ゲームごとに、遊技者の操作に基づいて実行する特定場面のシミュレーションの実行数が、予め設定した所定の回数になるように制御している。これにより、遊技者の1ゲームの実施時間を所定の時間内で終了させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のゲーム装置の一実施形態を示す図であって、その筐体の前面部の構成を説明するための斜視図である。また、図2は、図1に示すフィールドパネル上に配置されているカード保持台の構成を示す斜視図である。なお、以下の説明において、図1に示すゲーム装置は、野球ゲームを実施するためのゲーム装置として説明する。なお、このゲーム装置で実施する野球ゲームは、例えば、実在する野球のチーム(球団)に所属する選手をトレーディングカードとして、ゲームを行なうようにすると、遊技者は迫力のあるゲームを楽しむことができるようになる。
【0027】
[ゲーム装置の構成]
図1に示すように、ゲーム装置1の外観を示す筐体2の前側部(遊技者が操作する側)は、適度に傾斜させたテーブル部3と、テーブル部3の上方端部3aから垂直方向に立設させたパネル部4を備えている。また、テーブル部3の下方端3bには水平な面を有するテーブル部5を設けている。
【0028】
テーブル部3の下方部には、タッチパネル6の機能を備えた液晶表示装置7が配置されている。タッチパネル6(以下、タッチパネル6と液晶表示装置7とを合せて単に「タッチパネル6」という)は、その表示面はテーブル部3の傾斜角度とほぼ同一になるようにテーブル部3に固定されている。なお、タッチパネル6は、遊技者がゲームを実施しているときに、各種のゲーム実行の指示をその表示画面に直接指で触れて入力するための操作手段になり、タッチパネル6の素子としては圧力方式あるいは静電容量方式などを採用することができる。また、テーブル部5にはアクション(決定)ボタン19を配設している。
【0029】
テーブル部3の上面であって、タッチパネル6の上方部(遊技者から見て奥側)にはカード情報読み取りユニット8が設置されている。カード情報読み取りユニット8の上面には、図1に示すように、テーブル部3の傾斜角度とほぼ同一になされたフィールドパネル9が形成され、このフィールドパネル9はテーブル部3の傾斜面とほぼ同一の面をなすように配置されている。
【0030】
フィールドパネル9は、スポーツ競技のフィールド、本実施形態では野球を模したフィールドを表すための機能を備えており、例えば、図4に示すように、フィールドパネル9の表面には、野球のグラウンドをイメージしたホームベース等のベースや、ライト及びレフト方向のファウル線、等を描いている。
【0031】
また、図1に示すように、野球のフィールドを模したフィールドパネル9上には、複数のカード保持台10a、10b、10c、・・・が配置されて、それぞれフィールドパネル9上に固定されている。カード保持台10a、10b、10c、・・・は、遊技者がゲーム装置1でゲームを実施するときに、遊技者が所有している一つのチームの選手カード11a、11b、11c、・・・から選択した各1枚を立てた状態で載置して保持するとともに、選手カードを立てた状態で、これら選手カードに記録されているカード情報を、後述するカード情報読み取り手段により読み取るために選手カード11を保持するための手段になる。
なお、以下の説明において、カード保持台10a、10b、10c、・・・を代表して説明するときには「カード保持台10」と記載し、さらに、選手カード11a、11b、11c、・・・を代表して説明するときには「選手カード11」と記載する。
【0032】
野球のフィールドを模したフィールドパネル9上に各カード保持台10を設置する位置は、例えば、この野球のフィールドを表す9つの守備位置(ポジション)を示す位置、ホームベース近くに設定されたDH(指名打者)を示す位置、控え選手を示すためにライト方向のファウル線の外側位置等とする。この控え選手用のカード保持台10は、例えば、3名の控え選手用として3台設置する。従って、図1に示すフィールドパネル9上には、13個のカード保持台10a、10b、・・・が設置されていることになる。
【0033】
図2は、カード保持台10の構成例を示す斜視図である。カード保持台10は、選手カード11を挿入してこの挿入された選手カード11を立った状態で載置して保持するためのカード載置部12と、センサ収納部13と、センサ収納部13に収納され、カード載置部12に載置された選手カード11に記録されている情報(以下、「カード情報」という)を読み取るCMOSイメージセンサ、あるいはCCD等の撮像素子から構成される撮像手段13aと、発光ダイオード(LED)13b、レンズ(図示せず)等を備えている。さらに、図2に示すように、カード載置部12の下端部には開口部12aを設け、この開口部12aはセンサ収納部13の内部と連通させている。
そして、撮像手段13aと、開口部12aと、選手カード11に記録されたカード情報とを、図3に示すように配置すると、センサ収納部13に収納されている撮像手段13aは、開口部12aを介して、カード載置部12に挿入された選手カード11の裏面、例えば、裏面の下方部に記録されたカード情報を撮像することが可能になる。このとき、発光ダイオード13bは、選手カード11に記録されたカード情報を照射して撮像手段13aによりこのカード情報を読み取るために用いられる。なお、上記したCMOSイメージセンサ等を備えた撮像手段13aと後述するカード情報読み取りプログラムP6は、カード情報読み取り手段を構成する。
【0034】
なお、図1に示すように、カード保持台10(10a、10b、・・・)を構成するカード載置部12はフィールドパネル9の上面側に配置し、センサ収納部13はフィールドパネル9の下方位置、すなわち、カード情報読み取りユニット8の内部に配置する。そして、遊技者がカード保持台10のカード載置部12に選手カード11を挿入するときには、選手の写真が印刷されている選手カード11の表面が筐体2の前側に面するようにする。
【0035】
図1において、パネル部4の下方部には、スピーカ14及び15と、1試合のゲームが終了すると遊技者に選手カードを払い出すためのカード払出装置40(図6参照)の払出口16と、ICカード18(図6参照)のリード・ライト装置(ICカードR/W装置)17が配置されている。ICカード18は、本ゲーム装置1を使用してゲームを実施する遊技者に販売されるICカードであって、ゲーム開始時にこのICカードR/W装置17に挿入しておくことにより、各種のデータの保存と、この保存したデータの読み込みを行なうことができる。例えば、遊技者が実施するゲームについてチームのラインナップ等、チームの設定データをICカード18に保存しておくことにより、遊技者がゲームを実施する度に各種の設定を行なう必要がなくなる。
【0036】
ICカード18に保存されるデータ項目は、このICカード自体に関する情報としてカード使用回数、カードの更新回数等が記憶され、遊技者のプロフィールとしてユーザID、ユーザ名等が記憶され、さらに、ゲームを実施するチーム情報として遊技者が使用する球団名、ゲームを実施した結果の勝敗数(シーズン/通算別)、プレーオフ進出回数、リーグ優勝回数、ワールドシリーズ優勝回数、作戦実行回数、作戦成功回数、ポイント数等が記憶され、チームの所属選手情報として打順、守備位置、登録選手のID、登録選手についてゲームを実施した結果の各種の成績が記憶される。
なお、ICカード18の使用回数は、例えば100ゲーム(プレイ)までと上限値が設定されている。
【0037】
[カードの構成]
続いて、遊技者がゲームを実施するときに使用するカード(選手カード)11について説明する。図5は、選手カード11の表面及び裏面の構成例を示す図であって、図5(a)は表面、図5(b)は裏面を示している。なお、選手カード11は、従来からトレーディングカードとして使用されているビニールでコーティングされ、所定の厚さを有する紙、等を使用することができる。
【0038】
図5(a)に示すように、選手カード11の表面には、その上端部近傍の領域A1にはこの選手カード11に対応するキャラクタとなる選手の名前、球団(チーム)名が記録(印刷)されている。同じく、中央部の領域A2にはこの選手の写真が印刷されており、さらに、下端の領域A3にはこの選手のトータルスキル(Total Skill)の値、コストの値、この選手の基本となる守備位置であるポジジョンを表すコードが印刷されている。
【0039】
上記したトータルスキル値は、選手の能力値を表すための数値であって、予め選手の能力を表すために設定された能力パラメータ項目のうち、野手の場合には、例えば次の5項目の能力パラメータ項目である「POWER(打球を遠くに飛ばす力)」、「CONTACT(ボールをバットに当てる能力)」、「SPEED(足の速さ)」、「THROW(肩の強さと送球の精度)」、「FIELDING(補球の上手さ)」のパラメータ値の合計値を示す。投手の場合には、予め設定した他の能力パラメータ項目に関するパラメータ値の合計値が表示されている。なお、予め選手ごとに設定した能力パラメータ項目に対するパラメータ値は、後述するキャラクタ別能力データベース(DB1)に登録されている。
【0040】
また、図5(b)に示すように、選手カード11の裏面には、例えば、領域B1にはこの選手の顔写真、この顔写真の右側の領域B2にはこの選手を紹介するための文字情報が印刷されている。また、中央部の領域B3には、表面に表示しているこの選手のトータルスキルの値とその内訳となる上記した5項目の能力パラメータ項目ごとに、そのパラメータ値の大きさをグラフ表示している。
【0041】
選手カード11の裏面の下端部の領域B4には、選手カード11に対応する選手(キャラクタ)を識別するためのカード情報となる固有の選手識別情報(カード情報)を表すバーコード(BC)が記録(印刷)されている。このバーコード(BC)は、所定の桁数からなる数値、あるいは数値と英文字から構成されており、前記したカード保持台10が備えている撮像手段13aにより撮像される。なお、カード11に印刷するバーコード(BC)は、人間の目で見て視認可能なインクを使用して印刷してもよいが、人間の目で見て視認不可能なインクを使用して印刷し、この印刷したバーコードにLED13b等から赤外光を照射してCMOSイメージセンサ等を備えた撮像手段13aで撮像する方式を採用してもよい。
【0042】
また、上記したコストとは、選手ごとに予め設定された選手のランク情報に係る数値であって、人気のある選手、能力の高い選手ほど高い値が設定され、その選手をゲームで使用する際に消費するコストになり、例えば、8段階のコスト値が設定されている。
【0043】
[制御装置の構成]
続いて、本実施形態のゲーム装置1がゲームの進行を制御する制御装置の構成について説明する。図6は、ゲーム装置1が備えている制御装置20のハードウエア構成の一例を示す図である。制御装置20は、CPU、各種のICやインターフェース(I/F)回路等を搭載した制御基板から構成され、筐体2内の所定の位置に設置されている。
【0044】
図6に示すCPU21は、バス線を介してシステムメモリ22とバスアービタ23に接続されている。システムメモリ22は、ゲーム装置1で実施するためのゲームプログラム(ゲーム実行制御プログラム)、このゲーム実行制御プログラムがゲームの実行を制御するために使用するワークエリア、及び各種の基準データ(選手能力データベース、等)を記憶するための記憶手段であって、ゲーム装置1の電源をオフしてもその記憶内容が消えない不揮発性のメモリを使用する。
【0045】
バスアービタ23は、一つのバス線24に接続されているCPUやI/F回路等からのバス線の使用要求に対してバス線の使用権の設定について管理を行なう回路である。図6に示すように共通のバス線24には、ブートロム(BOOT ROM)25、レンダリングプロセッサ26、サウンドプロセッサ27、入出力I/F28a及び28b、通信用I/F29、光ディスク用I/F30、ICカード用I/F31、等が接続されている。
【0046】
上記したブートロム25は、ゲーム装置1の電源を投入(ON)、あるいはリセットボタンを押圧したときに、最初に作動するローダプログラムであるIPL(Initial Program loader)を記憶したROMである。このIPLは、光ディスク用I/F回路30を介して光ディスクドライブ32を起動させて、光ディスク33に記録されているゲームプログラム(ゲーム実行制御プログラム)を読み込んでシステムメモリ22に記憶する処理を行なうためのプログラムである。これにより、例えば、ゲーム装置1を製造してゲームセンタに出荷するときに、ゲーム装置1の電源を投入するとIPLが起動して、光ディスク33に記録されているゲーム実行制御プログラムがシステムメモリ22にロードされる。これにより、ゲーム装置1を操作してゲームを実施することが可能になる。
【0047】
レンダリングプロセッサ26は、画像データを作成するための数値データに基づいて、3次元画像等の画像データを生成する処理を行なうプロセッサである。レンダリングプロセッサ26の処理で作成した画像データはグラフィックメモリ34に一旦記憶され、CPU21の制御に基づいて、画像表示I/F回路35を介してタッチパネル6に2次元のゲーム画像として表示される。
【0048】
サウンドプロセッサ27は、CPU21の制御に基づいて、サウンドメモリ37に記憶されている音声や効果音に関するデータを、ゲームの演出用音声や効果音として音声出力I/F回路36を介してスピーカ14、15に出力する処理を行なうプロセッサである。
【0049】
入出力I/F28aには、フィールドパネル9のカード保持台10に配置されている各CMOSイメージセンサ等の撮像手段13a、タッチパネル6、アクションボタン19が接続されている。また、入出力I/F28bには、カード払出装置40、コイン検出センサ41が接続されている。カード払出装置40は、1ゲームが終了したときに、遊技者に新たな1枚の選手カード11aを払い出すための装置である。コイン検出センサ41は、コイン投入装置に設置され、遊技者がゲームを実施するときに投入したコインを検出するためのセンサである。
【0050】
通信用I/F29は、LANアダプタ42を介してゲームセンタの店舗内LAN42に接続されている。さらに、店舗内LAN42は、インターネット通信網に接続されている。なお、店舗内LAN42には、店舗サーバと複数台のゲーム装置1及び他のゲームを行なうためのゲーム装置を接続してもよい。このような店舗内LANシステムを構築すると、本実施形態に係るゲーム装置1を使用して店舗内、あるいはインターネットを利用して他のゲームセンタの遊技者との対戦ゲームを行なうことが可能になる。また、図6に示すICカード用I/F31には、ICカードR/W装置17が接続されている。
【0051】
本実施形態のゲーム装置1のシステムメモリ22には、図7に示すデータ項目に関するデータを、選手(キャラクタ)の識別情報別に登録したキャラクタ別能力データベース(DB1)が記憶されている。このキャラクタ別能力データベース(DB1)は、ゲーム実行制御プログラムが1ゲームの実行を制御するとき、及び後述するピックアップされた対戦ゲーム場面について、タッチパネル6あるいはアクションボタン19から構成される操作手段を、遊技者が操作したことにより発生する操作入力信号に基づいて、選手の打撃または投球のシミュレーションを実施する処理を行なうときに参照するデータを記憶しているデータベースである。
【0052】
図7に示すように、キャラクタ別能力データベース(DB1)には、選手カード11に記録されてカード情報となる選手識別情報ごとに、この選手の選手名、この選手が所属するチーム(球団)名、等の選手に関する基本情報を識別する項目番号と、選手の能力を示す各種のパラメータ項目を識別する項目番号ごとに設定されたパラメータ値が登録されている。
これらパラメータ項目としては、図7に示すように、コスト、最高球速、・・・、等の投手に係るパラメータ項目と、打球を遠くに飛ばす力、ボールをバットに当てる能力、・・・、等の打者に係るパラメータ項目と、バントの上手さ、盗塁の上手さ、・・・、等の作戦等に係るパラメータ項目が含まれる。なお、パラメータ項目ごとに設定するパラメータ値は、例えば、10点を満点とした1〜10の範囲の何れかの数値、等が設定されている。
【0053】
また、システムメモリ22には、上記したキャラクタ別能力データベース(DB1)の他に、ゲーム実行制御プログラムがゲームの進行を制御するために予め設定された各種の基準データ等がデータテーブルとして記憶されている。これらの基準データとしては、例えば、キャラクタ別能力データベース(DB1)により設定されている選手の能力を示す各種のパラメータ項目についてそのパラメータ値を、遊技者が実施するゲーム(試合)ごとに変更する処理を行なうためのパラメータ(以下、「コンディション設定パラメータ」という)等が記憶されている。
【0054】
このコンディション設定パラメータとしては、例えば、試合ごとの選手のコンディションを設定するために5段階のバイオリズムとして、「Hot」、「Good」、「Normal」、「Bad」、「Slump」のレベルを設定しておく。そして、選手カード11を読み取って当該試合の出場選手として登録したこの選手カード11に対応する選手の能力値、すなわち、選手別能力データベース(DB1)により設定されている特定のパラメータ項目のパラメータ値を、このコンディション設定パラメータに基づいて増加、又は減少させる処理を行なう。
【0055】
このパラメータ値を増加、又は減少させる処理は、遊技者が当該試合に出場選手として選手カード11を読み込ませる操作が終了した時点で、この選手(選手識別情報)ごとに、上記した5段階のバイオリズムのレベルから一つを乱数発生手段により無作為に選定し、この選定されたバイオリズムに基づいて、キャラクタ別能力データベース(DB1)に登録されているパラメータ項目のうち、例えば、「打球を遠くに飛ばす力」のパラメータ値を予め設定した所定の割合(%)ほど、増加あるいは減少させる処理を行なう。また、この選手ごとに選定したバイオリズムのレベルは、遊技者に報知させるためにタッチパネル6に表示する。これにより、遊技者がゲームを実施する試合ごとに、試合に出場する選手の能力値を変化させることができるので、変化に富んだゲームの制御を行なうことが可能になるとともに、遊技者は試合ごとに各選手のバイオリズムのレベルを加味して出場選手の編成を行なうことも必要になるので、遊技者にチーム編成に対する高い興趣を与えることが可能になる。
【0056】
また、コンディション設定パラメータとして、さらに、「モチベーション」に関するパラメータを設定してもよい。「モチベーション」に関するパラメータとは、試合ごとに、「選手が得意な守備位置で登録される」、「慣れた打順で登録」されるとモチベーションを高く設定し、高いモチベーションが設定されると、上記したバイオリズムのレベルを、例えば1レベル上に設定する処理を行なう。
【0057】
上記したゲームの実行を制御するゲーム実行制御プログラムやデータベース等は、前記したように、CD−ROM又はDVD-ROM等の記憶媒体33に記憶しておき、ゲーム装置1の電源をONするとこの記憶媒体に記憶されているゲーム実行制御プログラムやデータベース等をシステムメモリ22に読み込む方式を採用しているが、バス線24に接続されたROMに予め上記したゲーム実行制御プログラム等を記憶させておく方式を採用してもよい。
【0058】
[ゲーム実行制御プログラムの構成と1ゲームのゲーム制御]
図8は、ゲーム装置1がゲームの実行を制御するためにシステムメモリ22に記憶しているゲーム実行制御プログラムの構成を示している。図8に示す各種のプログラムのうち、メイン制御プログラムP1は、ゲーム実行の制御を統括して制御するためのメインプログラムである。カード情報読み取り手段となるカード情報読み取りプログラムP6は、前記した選手カード11に記録されているバーコード(BC)(カード情報)を、イメージセンサ等の撮像手段13aを制御して読み取り、この読み取ったバーコード(BC)のイメージ(画像)データをシステムメモリ22に記憶するとともに、この記憶したイメージデータを解析してデジタル情報で表される選手識別情報に変換する処理を行なうプログラムである。
【0059】
続いて、図8に示すゲーム実行制御プログラムが、1ゲームのゲーム実行を制御するための手順について説明する。図9〜図11は、メイン制御プログラムP1が1ゲームのゲーム実行を制御するときに、その制御の流れの一例を示すフローチャートである。以下、1ゲームの制御の流れを図9〜図11に示す処理ステップごとに説明する。
【0060】
なお、前記したように、ゲーム装置1の電源をONしてブートロム25に記憶されているIPLを起動させると、光ディスク33に記憶されているゲーム実行制御プログラムP1がシステムメモリ22にロードされる。また、光ディスク33には各種の画像データや映像データ、及び音声や効果音データも予め記憶しておくことにより、これらのデータも電源ON時の立上げ処理プログラムP20により、グラフィックメモリ34、あるいはサウンドメモリ37にロードされる。
【0061】
(ステップS1)
メイン制御プログラムP1は、アドバタイズ処理プログラムP2を作動させてアドバタイズ処理を行なう。このアドバタイズ処理とは、遊技者が1ゲームを行なうためのコインの投入、ICカード18のICカードR/W装置17への挿入、あるいはタッチパネル6に触れたことによる入力信号が入力されるまで、タッチパネル6に、例えば、野球の試合の実写映像の表示、ゲームを実施するための操作方法を説明するデモ画像、遊技者が所有しているICカード18をICカードR/W装置17に挿入したときに読み込んだ各種の情報を表示する。この各種の情報とは、遊技者が所有している選手カード11が所属しているチームについて、これまで遊技者がゲームを実施した結果の勝敗、各選手の成績(打率、本塁打、・・)等である。
【0062】
(ステップS2)
遊技者に、これから実施するゲームモードを選択させるためのゲームモード選択画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。この選択画面に基づいて遊技者がタッチパネル6の所定の領域を指で触れる操作(以下、「タッチ操作」という)を行なうと、タッチパネル入力処理プログラムP4はこのタッチ操作に伴う選択入力の情報を取得する処理を行なう。このゲームモードとは、遊技者がゲーム装置1(COMチーム)を相手にしてゲームを行なうCOMモード、店舗内に複数台のゲーム装置1が設置されている場合、この同一の店舗内の他の遊技者を相手にして対戦ゲームを行なう店舗モード、インターネットを介して他の店舗の遊技者を対戦相手にしてゲームを行なうインターネットモードを示す。
【0063】
(ステップS3)
1ゲームが終了したときに、遊技者は新たな選手カード11aの払い出しを希望するか否かを入力させるための選手カード払出し選択画面をタッチパネル6に表示する処理を行ない、この選択画面に基づいて遊技者がタッチパネル6の所定の領域を、タッチ操作したことによる選択情報を取得する処理を行なう。なお、遊技者が新たな選手カード11aの払い出しを希望しない場合には、希望する場合よりも1ゲームに要するゲーム料金(投入コイン枚数)を低く設定する処理を行なう。
【0064】
(ステップS4)
ステップS2の処理で、遊技者が選択したゲームモードを判定する。この判定の結果、遊技者が店舗モードまたはインターネットモードを選択した場合には、ステップS5に進む。一方、COMモードを選択した場合には、ステップS6に進む。
【0065】
(ステップS5)
遊技者が店舗モードを選択した場合には、マッチングプログラムP5により、店舗内LAN42に接続されている店舗サーバをアクセスして、同一店舗内に他の遊技者による対戦相手の登録の有無を確認し、対戦相手が登録されていると他の遊技者との対戦ゲームを実施するための処理を行なう。なお、対戦相手が存在しない場合には、COMモードでゲームを実施する制御を行なう。また、遊技者がインターネットモードを選択した場合には、マッチングプログラムP5により、本ゲーム装置1を使用したインターネット対戦ゲームを管理するWebサーバをアクセスして対戦相手の登録の有無を確認し、対戦相手が登録されていると他の店舗の遊技者との対戦ゲームを実施するための処理を行なう。一方、他の店舗に対戦相手が存在しない場合には、COMモードでゲームを実施するための処理を行なう。
なお、以下のゲームの処理ステップは、COMモードでゲームを実施する場合の制御について説明する。
【0066】
(ステップS6)
遊技者に対して、タッチパネル6に1ゲームを実施するために必要とするコインをコイン投入口(図1には図示せず)に投入することを促す表示を行なう。そして、遊技者が投入したコインをコイン検出センサが検出すると、その枚数を投入メダル処理プログラムP18により判定し、必要とするコインの投入枚数が確認されるとステップS7に進む。
【0067】
(ステップS7)
遊技者は、これからCOMモードでゲームを実施することになるが、その試合情報、例えば、遊技者のチーム名称、相手チームの名称、球場名、等をタッチパネル6に所定時間表示する処理を行なう。
【0068】
(ステップS8)
遊技者に対して、ゲームを実施するための選手カード11をフィールドパネル9に配置されているカード保持台10に載置することを促す画面をタッチパネル6に表示するとともに、さらにその音声をスピーカ14、15から出力する処理を行なう。
【0069】
遊技者はこのチーム編成の指示に基づいて、遊技者が所有している選手カード11から、これから実施するゲームについてチーム編成を行なう。このチーム編成は、遊技者が所有している選手カード11から、例えば、当該ゲームに登場可能な選手数が13名になるように13枚の選手カード11を選択する。なお、この選択された13枚の選手カード11のうち、10枚はDH選手を含めてスターティング選手に相当する選手カード11になり、残り3枚は控え選手に相当する選手カード11になる。
【0070】
そして、遊技者はゲームに登場可能な13枚の選手カード11を選択すると、スターティング選手に相当する9枚の選手カード11を、それぞれ、フィールドパネル9に設定された守備位置(ポジション)を示す位置に配置されている、カード保持台10のカード載置部12に1枚ずつ、図2に示すように立てた状態で挿入する。これにより、図1(図2)に示すように、選手カード11はカード載置部12に載置され、立った状態でカード保持台10に保持されることになる。
【0071】
このように、選手カード11は立った状態でカード保持台10のカード載置部12に載置されるので、遊技者はカード保持台10に保持された選手カード11に対応する選手名とその守備位置等を確認することが容易になる。また、筐体2に設置されているタッチパネル6の設置位置に対して、フィールドパネル9が上方となる位置にあるため、各カード保持台10は、ゲームを実施する遊技者のタッチパネル6のタッチ操作を妨げない。さらに、上記したようにカード保持台10には選手カードを立てた状態で載置して保持するので、フィールドパネル9の表面積を少なくすることが可能になる。
【0072】
また、カード載置部12の下端部には開口部12aを設け、この開口部12aはカード保持台10のセンサ収納部13の内部と連通している。これにより、カード載置部12に挿入されたカード11の裏面の下方部に記録されたカード情報(選手識別情報)を表すバーコードBCを、センサ収納部13に収納されている撮像手段13aにより撮像することが可能になる。
【0073】
(ステップS9)
遊技者がタッチパネル9にタッチ操作して、カード情報の読み取り指示に関する情報が制御装置20に入力されると、メイン制御プログラムP1はカード情報読み取りプログラムP6を作動させる。これにより、カード情報読み取りプログラムP6は、各カード保持台10が備えている撮像手段13aが撮像した選手カード11の裏面に記録されているバーコード(BC)の画像データを、順次読み取ってシステムメモリ22に記憶する処理を行なう。続いて、カード情報読み取りプログラムP6は、システムメモリ22に記憶したバーコード(BC)の画像データを解析して、バーコード(BC)で表されている選手識別情報をデジタル情報(識別番号)に変換し、この変換した選手識別情報をシステムメモリ22に記憶する処理を行なう。
【0074】
なお、複数のカード保持台10に配置されている各撮像手段13aは、フィールドパネル9上に設定されている守備位置、DH(指名打者)、及び控え選手枠のうちのどのポジションに対応するかを予め設定しおく。すなわち、撮像手段13aからの撮像データを入力するシステムメモリ22のアドレス番地と、ポジションの識別情報とを関連付けしたデータテーブルをシステムメモリ22に登録しておく。
【0075】
これにより、ステップS9によるカード情報(バーコード(BC))の読み取り処理においては、カード保持台10に保持されている選手カード11について、選手カード11に対応するキャラクタの守備位置、DH(指名打者)、及び控え選手枠等のポジションに関連付けされた選手識別情報を取得することが可能になる。すなわち、遊技者がこれからゲームを実施するために編成したチームについて、選手カード11に対応する選手のポジションを示すポジション情報に関連付けした選手識別情報を取得することができる。そして、取得したポジションごとの選手識別情報を、システムメモリ22に設定したチーム編成データ記憶領域に記憶する。
これにより、9つの守備位置と一つDH(指名打者)のポジション情報と関連付けされた選手識別情報は、これから遊技者が実施するチームのスターティングメンバーに対応する選手の選手識別情報として登録されたことになる。
【0076】
(ステップS10)
ステップS9により、システムメモリ22に記憶した選手識別情報について、キャラクタ別能力データベース(DB1)を参照して、選手識別情報ごとに選手能力値を記憶したチーム編成データテーブルを作成してシステムメモリ22に記憶する。続いて、チーム編成データテーブルに記憶されている選手識別情報ごとに、前記したコンディション設定パラメータの値を求め、この求めたパラメータ値に基づいて選手の能力を示すパラメータ項目のうち、特定のパラメータ値をパラメータ値増減処理手段となるパラメータ値増減処理プログラムP8により、増加、又は減少させる処理を行なう。
【0077】
続いて、チーム編成データテーブルに記憶されている選手識別情報ごとに、「コスト」の合計値を算出する処理を行なう。そして、この算出したコストの合計値を遊技者に報知するために、例えば、図12に示すようにタッチパネル6の表示画面G1の領域G1aに表示する処理を行なう。なお、領域G1aには当該ゲームにおけるコストの上限値と、算出したコストの合計値とを表示する。図12に示す例では、当該ゲーム(試合)におけるコストの上限値は「100」、算出したコストの合計値は「95」であることを示している。
【0078】
(ステップS11)(ステップS12)(ステップS13)(ステップS14)
コストの合計値が、当該ゲームの上限値を超えているか否かを判定する。この判定の結果、コストの合計値が上限値を超えていない場合にはステップS12に進んで、選手の登録確認画面(図12に示す画面G1)をタッチパネル6に表示する処理を行なう。
【0079】
一方、コストの合計値が上限値を超えている場合には、ステップS13に進んで、ステップS9の処理で読み込んだ選手(選手カード11)の登録を抹消するか、あるいは選手カードを再登録するか否かを遊技者に選択させる画面を、タッチパネル6に表示する処理を行なう。そして、ステップS14により、遊技者が末梢を選択した場合にはステップS12に進み、新たな選手カード11の再読み込みを行なって選手の再登録を選択した場合にはステップS8に戻って、遊技者は一つまたは複数のカード保持台10に載置した選手カード11を他の選手カードと置き換える操作を行なう。
【0080】
なお、試合ごとのコストの上限値は、その初期値として所定の値(例えば、「40」)を設定し、ICカード18に記憶されるゲーム実施回数に応じてこの初期値を増加させる処理を行なうようにする。このようにして、遊技者は単に能力の高い選手の選手カードを集めてチーム編成を行なうのではなく、コストの上限値内で最強となるようなチーム編成を行なうようにすると、ゲームの戦略性がより向上したゲームを実施することができるようになる。
【0081】
(ステップS15)
ステップS12の処理でタッチパネル6に表示した選手の登録確認画面に基づいて、遊技者のタッチ操作による「登録する」に係る入力信号が取得されると、次のステップS16に進み、「再登録する」に係る入力信号が取得されるとステップS8に戻る処理を行なう。
【0082】
(ステップS16)(ステップS17)
ステップS16では、遊技者が選手カード11をカード保持台10に載置することにより登録された選手カードについて、未登録の選手カード、すなわち、遊技者が選手カード11をカード保持台10に載置しなかった未載置の選手カードの有無を判定する。この判定は、例えば、チーム編成データテーブルに記憶されている選手識別情報について、正常な選手識別情報に関するデータが記憶されているか否かを判定することにより可能になる、
【0083】
この判定の結果、未載置の選手カードが無い場合にはステップS19に進む。一方、未載置の選手カードがある場合にはステップS17に進んで、遊技者に対して、選手カードを載置していないポジションに該当するカード保持台10に選手カード11を載置するか否かを確認する画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。そして、ステップS18によりこの確認画面から「再登録する」に係る入力信号が取得されるとステップS8に戻り、「未載置承諾」に係る入力信号が取得されるとステップS19に進む。
【0084】
(ステップS19)
システムメモリ22のチーム編成データテーブルに記憶されている選手識別情報等の情報を、これから実施するゲームで使用する選手カード11、すなわち、選手識別情報として決定する処理を行なって、これらの選手識別情報等を守備位置(ポジション)に関する情報と関連付けしてシステムメモリ22に設定した出場選手登録データテーブルとして記憶する処理を行なう。
【0085】
(ステップS20)
ステップS19の処理でシステムメモリ22に記憶した出場選手登録データテーブルのなかのポジションに関する情報について、選手識別情報が記憶されていないポジションの有無の判定、すなわち、未登録選手の有無を判定する。この判定の結果、未登録選手が存在すると、ステップS21に進んで架空選手の登録処理を行なう。一方、全てのポジションに選手識別情報が記憶されている場合には、ステップS22に進む。
【0086】
(ステップS21)
ステップS20の処理で、選手識別情報が登録されていないと判定したポジションについて、架空選手追加プログラムP21により架空選手に関する選手識別情報を、システムメモリ22の出場選手登録データテーブルにこのポジションに対応させて記憶する処理を行なう。この処理により、遊技者は選手カードを所持していなくてもゲームを実施することができるようになる。なお、このステップS21の処理を実施するために、システムメモリ22に1チームに相当する人数の架空選手に関する架空選手別能力データベースを、予めシステムメモリ22に登録しておく。この架空選手別能力データベースのデータ構成は、キャラクタ別能力データベース(DB1)と同一の構成にする。
【0087】
(ステップS22)
システムメモリ22の出場選手登録データテーブルに記憶した各ポジション別の選手識別情報(選手名も含む)等に関するチーム編成の一覧情報をタッチパネル6に表示する。チーム編成の一覧情報は、例えば、図12に示すように、表示画面G1として表示する。この表示画面G1は、スターティング選手の打順と、そのポジション(「1B」はポジションが一塁ベースを示す)と、選手名を表示領域G1bに、控え選手に係る選手名を表示領域G1cに表示する。
【0088】
(ステップS23)(ステップS24)
ステップS22の処理で表示した表示画面G1は、遊技者のタッチパネル6のタッチ操作により、打順とポジションを変更することが可能になる。そして、遊技者は変更を希望する場合には、タッチ操作により打順とポジションについて、その一方または双方を変更する操作を行ない、この操作に基づいて打順設定・変更プログラムP10,及び守備位置設定・変更プログラムP11は打順と守備位置を変更する処理を行なう。この操作は、タッチパネル6に表示された「ポジション変更」領域をタッチ操作すると、ステップS22に戻って、表示領域G1bをタッチ操作してポジションを変更できるようにする。打順の変更についても、これと同様なタッチ操作を行なう。
【0089】
(ステップS25)
打順とポジションについて、最終決定を行なう処理を行なう。この処理においては、遊技者が上記ステップS23、ステップS24の処理で打順やポジションの変更操作を行なった場合には、この変更操作により取得した情報を出場選手登録データテーブルに再登録する処理を行なって、これから実施するゲームの出場選手として最終決定する処理を行なう。
【0090】
(ステップS26)
注目選手登録プログラムP12は、出場選手登録データテーブルに登録されている選手から、当該ゲームについて注目選手を選択するための注目選手選択画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。遊技者はこの注目選手選択画面に表示された選手名をタッチすると、注目選手登録プログラムP12は、この選手に対応する選手識別情報を当該ゲームの注目選手としてシステムメモリ22に記憶する処理を行なう。なお、メイン制御プログラムP1は、当該ゲームの注目選手として登録された選手は、後述する投手と打者とが対戦するシミュレーションを実行する対戦ゲーム場面(特定場面)に登場し易くする処理を行なう。
【0091】
(ステップS27)
メイン制御プログラムP1は、演出画像出力プログラムP3を作動させて、ゲーム開始の演出映像をタッチパネル6に、さらにその音声と効果音をスピーカ14、15に所定時間ほど出力した後、試合開始として1ゲームのゲーム実行の制御を行なうステップS28に進む。
【0092】
(ステップS28)
ステップS28においては、上記したように、遊技者が選手カード11をカード保持台10に立てた状態で載置して、この選手カード11に記録されているカード情報を読み取った情報に基づいて遊技者が編成したチームと、制御装置1に予め登録されているCOMチームとの1試合の野球ゲームの実行を制御する。この対戦試合の実行を制御する手順の具体例は図11に示しているが、その処理内容については後述する。
【0093】
(ステップS29)
ステップS28の処理を実行して1試合のゲームが終了すると、ゲーム終了の処理として、試合結果に関する情報をタッチパネル6に、さらに、その音声と効果音をスピーカ14、15に所定時間出力する処理を行なう。また、当該ゲームの実施結果に関する情報を、ICカードR/WプログラムP19により、ICカード18に記録する処理を行なう。
【0094】
(ステップS30)(ステップS31)
ステップS30の処理では、前記したステップS3の処理に基づいて、遊技者が新たな選手カード11aの払い出しを希望した情報がシステムメモリ22に登録(記憶)されているか否かを判定する。そして、新たな選手カード11aの払い出しを希望した情報が記憶されていると、ステップ31に進んで、カード払い出しプログラムP20により1枚の選手カード11aを遊技者に払い出す処理を行なう。なお、この遊技者に払い出された新規な選手カード11aは、遊技者が次のゲームを実施するときに使用できる。
【0095】
(ステップS32)(ステップS33)(ステップS34)
ステップS32においては、遊技者は引き続いて次のゲームを実施するか(コンティニュー)否かを問い合せるためのコンティニュー画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。そして、ステップS33により、遊技者のタッチ操作に基づく入力情報がコンティニューを選択したと判定されると、前記したステップS2の処理に戻る制御を行なって、次の1ゲームについてゲーム実行の制御が行なわれる。一方、遊技者がコンティニューを選択しなかった場合にはステップS34に進んで、ゲームオーバの処理としてゲーム修了に関する情報をタッチパネル6に表示して、前記したステップS1の処理に戻る制御を行なう。
【0096】
上記したステップS1〜S34の処理に基づいて、メイン制御プログラムP1は、1ゲーム(1試合)のゲーム実行の制御を行なう。
【0097】
続いて、1試合のゲーム実行の制御を行なうステップS28の処理内容を、図11に示すフローチャートのステップごとに説明する。
【0098】
(ステップS2801)
シミュレーション手段となる1試合シミュレーションプログラムP13により、1試合の野球ゲームのシミュレーション、すなわち、1回の表の打席から9回の裏の最終打席までの各打席について打者と投手との対戦を、シミュレーションにより実行する。この1試合のシミュレーションの実行は、当該ゲームの登録選手としてシステムメモリ22の出場選手登録データテーブルに記録しているスターティング選手の打順に関する情報と、この選手に係る各種の能力値を示すパラメータ値と、COMチームの各選手の能力パラメータ値とに基づいて実行する。
【0099】
そして、1試合シミュレーションプログラムP13は、1回の表の打席から9回の裏までの各打席のシミュレーションを実行した結果のデータをシステムメモリ22に記憶するとともに、予め設定した評価基準に基づいてこの全打席のシミュレーション結果を評価し、打席ごとにその評価を打席ポイントとして設定(付与)する処理を行なう。この各打席の評価は、打席ポイント設定プログラムP14により行なう。なお、打席ポイント設定プログラムP14の処理内容は、1試合のシミュレーション結果に基づいてキャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価手段になる。
【0100】
なお、打席ポイント設定プログラムP14が上記した打席ポイントを付与する方法は、例えば、各打席について次の第1〜第5の打席ポイントを求め、これら求めた第1〜第5の打席ポイントの合計値をその打席の打席ポイントとして設定する処理を行なう。
(1)第1の打席ポイント
各打者と投手との対戦において、打者と投手のコスト値に応じて第1の打席ポイントを設定する。例えば、打者のコスト値が「8」の場合には、打席ポイントとして「30点」を、投手のコスト値が「8」の場合には、打席ポイントとして「10点」を付与し、これら打者と投手の打席ポイントの合計値を、第1の打席ポイントが発生したとして処理する。
【0101】
(2)第2の打席ポイント
その打席におけるランナーの状況に応じて、第2の打席ポイントを発生させる。例えば、ランナー無しの場合には「30点」、ランナーが1、2塁のときは「8点」を付与する。
【0102】
(3)第3の打席ポイント
その打席における両チームの得点差に応じて、第3の打席ポイントを発生させる。例えば、同点の場合には「30点」、1点差の場合は「25点」、以下、得点差が大きいほど発生させる第3の打席ポイントの点数は少なくする。
【0103】
(4)第4の打席ポイント
その打席のイニング数に応じて、第4の打席ポイントを発生させる。例えば、イニングが1回のときは「1点」、イニングが9回のときは「9点」を付与する。
【0104】
(5)第5の打席ポイント
前記したステップS26において、注目選手として選択された選手が打席のときには、例えば、「5点」を付与する。
【0105】
(ステップS2802)
対戦ゲーム場面ピックアッププログラムP15により、ステップS2801の処理で求めた各打席の打席ポイントに基づいて、最も高い打席ポイント値が付与された打席から順に、後述する所定回数(T)から実施回数(N)を引いた回数だけ、打席を抽出し、その中から、試合開始時点に最も近い時点の打席を選定する処理を行なう。なお、対戦ゲーム場面ピックアッププログラムP15の処理内容は、キャラクタの登場場面のうちから、操作手段によってこのキャラクタを操作可能とする対戦ゲーム場面を選定する選定手段になる。
【0106】
この選定手段により選定された打席のことを、以下、「対戦ゲーム場面(特定画面)」という。この打席ポイント数が高い打席ほど、打者と投手との対戦において一方のチームがチャンスになった場面、すなわち、ゲームにおいて、盛り上がった場面を示すことになる。なお、メイン制御プログラムP1は、選定された場面に至るまでの競技展開については、例えば、早送りでの表示としたり、得点経過のみの表示とするなどして、遊技者を待たせないよう、短い時間で表示する。
【0107】
なお、後述するように、この選定された「対戦ゲーム場面」について、対戦シミュレーションプログラムP16の制御に基づいて、遊技者が操作手段を操作することにより、タッチパネル6に表示された打者または投手となるキャラクタを操作して、この打者と投手との対戦のシミュレーションが実行される。なお、対戦シミュレーションプログラムP16の処理内容は、特定場面シミュレーション手段となる。
【0108】
(ステップS2803)(ステップS2804)(ステップS2805)
ステップS2803においては、カード情報読み取りプログラムP6を作動させて、各カード保持台10に保持されている選手カード11を読み取る処理を行なう。そして、ステップS2804の処理で、この読み取ったカード情報である選手識別情報が、システムメモリ22に記憶している出場選手登録データテーブルに既に登録されているか否かを判定する処理を行なう。このとき、選手カード11がこの時点でカード保持台11に載置されているか否かも同時に判定される。このステップS2803〜S2804の処理は、遊技者がカード保持台10に載置した選手カード11を選手登録のときのみに能力の高い選手カード11を使用したことを見出すための処理であって、カード載置再確認手段となる。すなわち、選手登録時のみ能力の高い選手カード11を使用し、その選手カード11をすぐに他のゲーム装置にて使用することができてしまうと、例えば、友人同士で一枚の選手カード11を流用しながら同時にゲームを行うことができてしまい、選手カード11に対する遊技者の購買意欲が下がってしまうことになるので、これを防ぐ効果がある。
【0109】
ステップS2804の処理において、ステップS2803の処理で読み取った選手カード11に対応する選手識別情報が出場選手登録データテーブルに登録されていない、または選手カード11がカード保持台11に載置されていない、と判定されると、ステップS2805の処理を実行する。
ステップS2805の処理は、ステップS2804の処理で、ステップS2803の処理で読み取った選手カード11に対応する選手識別情報が出場選手登録データテーブルに登録されていない、または選手カード11がカード保持台11に載置されていない、と判定したポジションの選手識別情報に対して、出場選手登録データテーブルに登録されている能力パラメータ値を下げる(減点する)処理を、選手能力値減点処理プログラムP9により行なう。この減点処理は、前記したコンディション設定パラメータの値を、特定の能力パラメータ項目のパラメータ値が最も下がる値に変更する処理を行なう。
【0110】
(ステップS2806)
メイン制御プログラムP1は、対戦ゲーム場面ピックアッププログラムP15により選定された対戦ゲーム場面におけるゲームの制御をプレイアブルモードに設定し、遊技者にこのプレイアブルモードを実行するか否かを、選択させるプレイアブルモード選択画面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。このプレイアブルモードとは、ステップS2802の処理で選択した対戦ゲーム場面(特定場面)において、投手または打者を遊技者による操作に基づいて制御する、即ち、投手または打者の動作を遊技者の操作に委ねるモードである。このプレイアブルモードの実行が選択されると、対戦シミュレーションプログラムP16は、遊技者が操作手段となるタッチパネル6及びアクションボタン19を操作したことに基づいて、この投手と打者との対戦場面における選手(キャラクタ)の動作を制御し、そのゲーム場面をタッチパネル6に表示する処理を行なう。
【0111】
(ステップS2807)(ステップS2808)
ステップS2807の処理で、遊技者がプレイアブルモード選択画面からプレイアブルモードの実行を選択すると、ステップS2808の処理に進む。
ステップS2808では、対戦シミュレーションプログラムP16は、遊技者のタッチパネルの操作に基づいて、「盗塁」あるいは「バント」等の「作戦の実行」についても選択できるようにしている。そして、遊技者が作戦実行のメニューのうち、「盗塁」または「バント」の何れかを選択すると、作戦実行プログラムP17は選択された作戦を、出場選手登録データテーブルに記憶している該当打者または走者の能力パラメータ値と、COMチームの捕手等の選手の能力パラメータ値に基づいて作戦のシーンをシミュレーションし
その作戦実行のシーンとその結果をタッチパネル6に表示する処理を行なう。また。この作戦結果の情報をシステムメモリ22に記憶する。
【0112】
選択された対戦ゲーム場面が遊技者のチームの攻撃イニングであって、遊技者が打者と投手との対戦シミュレーションゲームの実施を選択した場合には、対戦シミュレーションプログラムP16は、例えば、図13に示すような打者が投手と対戦するシミュレーション画面G2を表示する。そして、対戦シミュレーションプログラムP16は、このシミュレーション画面G2に表示した画像と、遊技者が操作手段となるタッチパネル6及びアクションボタン19の操作に基づいて、投手と打者との対戦シミュレーションゲームを実行する。
【0113】
図13に示すシミュレーション画面G2には、その表示領域G2aに相手チームの投手の投球モーションを動画で表示する。また、表示領域G2bに遊技者のチームであってこの対戦ゲーム場面に登場する打者の映像を表示する。そして、対戦シミュレーションプログラムP16は、例えば、次の(1)〜(4)に記載の手順により、遊技者の操作に基づいて、投手と打者との対戦シミュレーションゲームを実行する。
【0114】
(1)最初に、遊技者は、シミュレーション画面G2の領域G2cに表示されている投手の投球ゾーン内において、この打者がスイングで狙う「狙いコース」をタッチパネル6へのタッチ操作で指定する。この操作手段となるタッチパネル6からの操作入力信号に基づいて、対戦シミュレーションプログラムP16は遊技者が指定した「狙いコース」の位置を、図13に示すように黒い丸印K1で表示する制御を行なう。
【0115】
(2)続いて、対戦シミュレーションプログラムP16は、シミュレーション画面G2の表示領域G2aに投手の投球動作の動画映像を表示する処理を行なう。
【0116】
(3)そして、遊技者は、シミュレーション画面G2の表示領域G2aに表示される投手の投球動作及びボールの移動表示に合せて、打者にバットを振らせる瞬間を判断して操作手段となるアクションボタン19を押す操作を行なう。対戦シミュレーションプログラムP16は、アクションボタン19から操作入力信号が入力されると、領域G2bに表示している打者がバットをスイングした映像を表示する。
【0117】
(4)対戦シミュレーションプログラムP16は、ボールの移動位置と、このアクションボタン19から入力された操作入力信号とのタイミングを判定し、その判定したタイミングが合っていると打者は良い結果、例えば、ホームラン又はヒットを打ったと判定する処理を行なう。一方、タイミングが合っていないと判定すると、打者は三振等によりアウトになったと判定する処理を行なう。
【0118】
なお、対戦ゲーム場面として、遊技者のチームが守備のイニングの場面がピックアップされた場合には、対戦シミュレーションプログラムP16は、図14に示すようなシミュレーション画面G3を表示する制御を行なう。なお、シミュレーション画面G3の表示領域G3aには、遊技者のチームに対応する投手の投球動作の映像を、表示領域G3bには相手チームの打者のスイング映像を、また、表示領域G3cにはこの投手が投球で狙う投球コ−スの範囲を表示する。
【0119】
そして、この投球に関するシミュレーションゲームを実施するときには、まず、遊技者は、遊技者のチームの投手が相手チームの打者に対して投球する「投球コース」を、タッチパネル6へのタッチ操作で指定する。図14に示す画面例では、遊技者が指定した「投球コース」を黒い丸印K2で表示した例を示している。このとき、遊技者はシミュレーション画面G3のタッチ操作により、表示領域G3dに表示した球種も指定できるようにする。
【0120】
続いて、投手の投球動作の動画映像を表示領域G3aに表示する。そして、遊技者は投手の投球動作の映像に合わせてアクションボタン19を押圧する。そして、対戦シミュレーションプログラムP16は、投手が投球動作の映像においてボールをリリースするタイミングと、このアクションボタン19から入力された操作入力信号とのタイミングを判定し、その判定したタイミングが合っていると投手は良い結果、例えば、三振を取ったと判定し、タイミングが合っていないとヒット等を打たれたと判定する処理を行なう。
【0121】
(ステップS2809)
メイン制御プログラムP1は、システムメモリ22に設定した対戦シミュレーションの実施回数(N)をカウントする領域に「1」を加算する処理を行なう。なお、実施回数(N)をカウントする領域には、前記したステップS1の処理において、初期値として「0」を記憶する処理を行なう。
【0122】
(ステップS2810)
メイン制御プログラムP1は、実施回数(N)が所定の回数(T)を超えたか否かを判定する。この判定の結果、回数(T)を超えていない場合にはステップS2811に進み、回数(T)を超えている場合にはステップS2812に進む。
【0123】
(ステップS2811)
メイン制御プログラムP1は、上記したステップS2808により、対戦シミュレーションを行なった打者の次の打者から当該ゲームに係る1試合のシミュレーションゲームを継続して行なうための前処理を実施して、ステップS2801に戻る制御を行ない、1試合シミュレーションプログラムP13により、当該ゲームについて次の打席の場面から9回の裏までの各打席の場面のシミュレーションを再度実行する処理を行なう。
【0124】
なお、このステップS2811の処理においては、ステップS2808で対戦シミュレーションを行なったシミュレーション結果に係る情報を、システムメモリ22に記憶しておく。このシミュレーション結果に係る情報としては、ステップS2808で対戦シミュレーションを行なったイニングとその打順、シミュレーションを行なった結果のアウト数、チェンジになっていない場合には出塁の状況、得点、等に関する情報である。
【0125】
(ステップS2812)(ステップS2813)
所定回数(T)の「対戦ゲーム場面」について、遊技者の操作に基づく対戦シミュレーションゲームを実行したので、ステップS2812では次の判定処理を行なう。すなわち、前記したステップS2808の処理で対戦シミュレーションゲームを実行した結果、得点に逆転が生じた場面の有無を判定する。この判定の結果、得点に逆転が生じた場面があったときには、ステップS2813に進んで、逆転が生じた「対戦ゲーム場面」のシーンを所定時間ほどタッチパネル6に表示する演出処理を行なってステップS2814に進む。
【0126】
(ステップS2814)
当該ゲームの最終打者の打撃シーンを、タッチパネル6に所定時間表示する演出処理を行なって、ステップS28の処理である1ゲームのシミュレーションの実行を終了する。
【0127】
上記したように、本発明においては、1ゲーム(試合)ごとに、遊技者の操作に基づく対戦シミュレーションを実施する回数は、予め設定した所定の回数(T)になるようにその回数に限度を設定している。この所定の回数(T)は、例えば6回〜8回程度に設定する。このように、対戦シミュレーションを実施する回数を、予め所定の回数になるように前記したステップS2801〜S2810の処理で制御し、かつ、一つの対戦シミュレーションの実行時間を、例えば1分〜2分程度になるように制御するなどして、遊技者が実施する1試合分のゲーム時間を、所定の時間内に納めることが可能になる。これにより、遊技者によるゲーム時間が極端に長くなることを防止することができるようになる。
【0128】
また、上記した実施形態では、対戦ゲーム場面においてプレイアブルモードとするか否かを選択していたが、これを、常にプレイアブルモードとするようにしてもよい。これにより、ゲームの展開に対する遊技者の関わりを深くすることができ、ゲームに対する遊技者の参加意欲を高めることができる。
【0129】
上記したゲーム装置1の実施形態において、選手カード11にカード情報を示すバーコードを印刷(記録)する位置は、選手カード11の裏面の下端部とした例について説明したが、選手カード11を立てた状態で読み取れるものであれば、適宜の位置とすればよい。例えば、選手カード11の表面の下端部にも記録してもよいし、選手カード11の表面又は裏面、あるいはその双方の面の左右側の端部の一方、又は双方にバーコードを印刷してもよい。さらに、タッチパネル6については、画面タッチにより入力情報を取得することができる操作手段と、ゲーム画像等を表示する表示手段とを一体にしたタッチパネルを例にして説明したが、本発明は入力情報を取得するための専用のタッチパネルと、ゲーム画像等を表示する表示手段とを個別に備えたゲーム装置としてもよい。
【0130】
また、カード情報として記録する情報は、この選手カード11に対応する選手の選手識別情報の他に、図6に示す選手能力のパラメータ項目に関するパラメータ値の全て、あるいはその一部を含めるようにしてもよい。この場合、選手識別情報と選手能力のパラメータデータ値の一部を、バーコードを利用しで選手カード11に記録(印刷)するときには、選手カード11の下端部と左右の端部の一方または双方を利用して記録する。
【0131】
また、選手識別情報と選手能力のパラメータ値の全てを選手カード11に記録(印刷)するときには、その情報量が多くなるので、これらの情報を、例えば、2次元コードで記録し、この2次元コードを選手カード11の裏面の適切な位置に印刷するようにしてもよい。また、ICチップやRFID(Radio Frequency identification)を内蔵したカードを選手カード11として使用し、カード保持台10にICチップの読み取り手段を設置してもよい。さらに、選手カード11として磁気的な記憶手段を備えたカードとし、カード保持台10に磁気情報の読み取り手段を設けてもよい。
【0132】
さらに、カードの下端の端面部にバーコード等の識別情報を印刷した選手カード11を、立てた状態でカード保持台10に載置し、カード保持台10の下側に設置したイメージセンサ等の読み取り手段によりこのバーコード等を読み取る手段を採用してもよい。
【0133】
なお、上記した本発明の実施形態については、野球ゲームを適用したゲーム装置を例にして説明したが、本発明のゲーム装置は、野球ゲームの他に、サッカー、アメリカンフットボール、バレーボール、ホッケー、等のスポーツ競技に対するゲームにも適用することができる。このようなスポーツ競技を対象としたゲームを実施するためには、これらのスポーツ競技のフィールドを模したフィールドパネル上に、選手のポジションとなる位置、すなわち、守備位置あるいは攻撃位置等となる領域にカード保持台を設置し、ゲーム実行制御手段には、それぞれのスポーツ競技特有の見せ場のシーンを選定し、選定した場面において、遊技者の操作に基づいて対戦のシミュレーションゲームを実施するプログラムを備えるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の一実施形態を示すゲーム装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すカード保持台の構成を示す斜視図である。
【図3】カード保持台のカード載置部にカードを立った状態で載置して保持したときに、カード保持台のセンサ収納部に配置されている撮像手段と、カードとの位置関係を説明するための図である。
【図4】図2に示すカード保持台を配置したフィールドパネルにおいて、このカード保持台に選手カードを立てて載置したときの状態を示す図である。
【図5】選手カードの表面の構成例を示す図であって、(a)はカードの表面、(b)は裏面の印刷表示例を示す。
【図6】図1に示すゲーム装置に搭載されている制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す制御装置の記憶装置に記憶されている選手別能力データベースのデータ構成例を説明するための図である。
【図8】図6に示す制御装置が備えているゲーム実行制御プログラムの構成例を示す図である。
【図9】制御装置が備えているゲーム実行制御プログラムが、ゲームの進行を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】同じく、ゲーム実行制御プログラムが、ゲームの進行を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】同じく、ゲーム実行制御プログラムが、ゲームの進行を制御する手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図1に示すタッチパネルに表示する画面例を示す図である。
【図13】同じく、図1に示すタッチパネルに表示する画面例を示す図である。
【図14】同じく、図1に示すタッチパネルに表示する画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0135】
1:ゲーム装置
2:筐体
3:テーブル部
4:パネル部
6:タッチパネル
7:液晶表示装置
9:フィールドパネル
10、10a、10b、10c、・・・:カード保持台
11、11a、11b、11c、・・・:カード(選手カード)
13a:撮像手段
20:制御装置
21:CPU
DB1:キャラクタ別能力データベース
BC:バーコード(カード情報)
P4:タッチパネル入力処理プログラム
P6:カード情報読み取りプログラム
P8:パラメータ値増減処理プログラム
P9:選手能力減点処理プログラム
P13:1試合シミュレーションプログラム
P14:打席ポイント設定プログラム
P15:対戦ゲームピックアッププログラム
P16:対戦シミュレーションプログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードから読み取ったカード情報と、タッチパネルを含む操作手段から入力された操作入力信号とに応じてゲームの進行を制御するゲーム実行制御手段を備えるゲーム装置であって、
前記タッチパネルの上方に配置され、ゲームフィールドを模したフィールドパネルと、
前記ゲームフィールドにおける複数のキャラクタのポジションを示す前記フィールドパネル上の各位置に配置され、前記カードを立てた状態で保持する複数のカード保持台と、
前記カード保持台に保持されている前記カードに記録されているカード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、を備え、
前記ゲーム実行制御手段は、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に基づいて、前記ゲームの進行を制御することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム実行制御手段は、
前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に基づいて、前記カード情報に対応するキャラクタを参加させてゲームの進行を制御するものであって、前記ゲームの開始から終了までのゲーム展開をシミュレーションするシミュレーション手段と、
シミュレーション結果における前記キャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価手段と、
前記評価情報に基づいて、前記キャラクタの登場場面のうちから、前記操作手段によって前記キャラクタを操作可能とする特定場面を選定する選定手段と、
前記選定手段によって選定された特定場面における前記操作手段からの操作入力信号に基づいて、特定場面におけるゲーム展開をシミュレーションする特定場面シミュレーション手段と、を備え、
前記シミュレーション手段は、前記特定場面シミュレーション手段のシミュレーション結果に基づいて、特定場面からゲームの終了までのゲーム展開を再度シミュレーションすることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム実行制御手段は、
前記特定場面シミュレーション手段の実行回数を、予め設定した所定の回数になるように制御する手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム実行制御手段は、
前記カード情報に対応するキャラクタごとに、記憶手段に記憶した情報であって、ゲーム実行に対する前記キャラクタの能力値を予め登録したキャラクタ別能力データベースと、前記キャラクタの能力値を増加又は減少させるコンディション設定パラメータと、
さらに、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応するキャラクタの当該ゲームにおける前記能力値を、前記コンディション設定パラメータに基づいて増加または減少させるパラメータ値増減処理手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーション手段を実行する前に、前記カード情報読み取り手段が読取った前記カード情報に対応する前記カードが前記カード保持台に保持されているか否かを判定するカード載置再確認手段を備え、
前記パラメータ値増減手段は、前記カード載置再確認手段によって前記カード保持台に保持されていないと判定された前記カードに対応するキャラクタの前記コンディションを減少させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
記憶手段と、タッチパネルを含む操作手段と、ゲームフィールドを模したフィールドパネルと、前記ゲームフィールドにおける複数のキャラクタのポジションを示す前記フィールドパネル上の各位置に配置され、カードを立てた状態で保持する複数のカード保持台と、前記カード保持台に保持されている前記カードに記録されている前記カード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、ゲームの進行を制御するゲーム実行制御手段とを備えたゲーム装置におけるゲーム制御方法であって、
ゲーム実行制御手段は、前記カード保持台に保持されている前記カードの前記カード情報を読み取って前記記憶手段に記憶するカード情報読み取りステップと、
前記カード情報読み取りステップが前記記憶手段に記憶した前記カード情報と、前記タッチパネルを含む操作手段から入力された操作入力信号とに応じて、ゲームの進行を制御するゲーム実行制御ステップと、
を実行することを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項7】
ゲーム実行制御手段は、前記カード情報読み取りステップにより読み取った前記カード情報に基づいて、前記カード情報に対応するキャラクタを参加させるゲームにおける開始から終了までのゲーム展開をシミュレーションするシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップの結果における前記キャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価ステップと、
前記評価ステップが算出した評価情報に基づいて、前記キャラクタの登場場面のうちから、前記操作手段によって前記キャラクタを操作可能とする特定場面を選定する選定ステップと、
前記選定ステップによって選定された特定場面における前記操作手段からの操作入力信号に基づいて、前記特定場面におけるゲーム展開をシミュレーションする特定場面シミュレーションステップと、を備え、
前記シミュレーションステップは、前記特定場面シミュレーションステップのシミュレーション結果に基づいて、特定場面からゲームの終了までのゲーム展開を再度シミュレーションすることを特徴とする請求項6に記載のゲーム制御方法。
【請求項8】
前記特定場面シミュレーションステップの実行回数は、予め設定した所定の回数になるように制御されていることを特徴とする請求項7に記載のゲーム制御方法。
【請求項9】
ゲーム実行制御手段は、前記カード情報に対応するキャラクタごとに、前記記憶手段に記憶した情報であって、ゲーム実行に対する前記キャラクタの能力値を予め登録したキャラクタ別能力データベースと、前記キャラクタの能力値を増加又は減少させるコンディション設定パラメータと、さらに、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応するキャラクタの当該ゲームにおける前記能力値を、前記コンディション設定パラメータに基づいて増加または減少させるパラメータ値増減処理ステップを実行することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載のゲーム制御方法。
【請求項10】
ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーションステップを実行する前に、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応する前記カードが前記カード保持台に保持されているか否かを判定するカード載置再確認ステップを実行し、
前記パラメータ値増減ステップは、前記カード載置再確認ステップによって前記カード保持台に保持されていないと判定された前記カードに対応するキャラクタの前記コンディションを減少させることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載のゲーム制御方法。
【請求項1】
カードから読み取ったカード情報と、タッチパネルを含む操作手段から入力された操作入力信号とに応じてゲームの進行を制御するゲーム実行制御手段を備えるゲーム装置であって、
前記タッチパネルの上方に配置され、ゲームフィールドを模したフィールドパネルと、
前記ゲームフィールドにおける複数のキャラクタのポジションを示す前記フィールドパネル上の各位置に配置され、前記カードを立てた状態で保持する複数のカード保持台と、
前記カード保持台に保持されている前記カードに記録されているカード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、を備え、
前記ゲーム実行制御手段は、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に基づいて、前記ゲームの進行を制御することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム実行制御手段は、
前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に基づいて、前記カード情報に対応するキャラクタを参加させてゲームの進行を制御するものであって、前記ゲームの開始から終了までのゲーム展開をシミュレーションするシミュレーション手段と、
シミュレーション結果における前記キャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価手段と、
前記評価情報に基づいて、前記キャラクタの登場場面のうちから、前記操作手段によって前記キャラクタを操作可能とする特定場面を選定する選定手段と、
前記選定手段によって選定された特定場面における前記操作手段からの操作入力信号に基づいて、特定場面におけるゲーム展開をシミュレーションする特定場面シミュレーション手段と、を備え、
前記シミュレーション手段は、前記特定場面シミュレーション手段のシミュレーション結果に基づいて、特定場面からゲームの終了までのゲーム展開を再度シミュレーションすることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム実行制御手段は、
前記特定場面シミュレーション手段の実行回数を、予め設定した所定の回数になるように制御する手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム実行制御手段は、
前記カード情報に対応するキャラクタごとに、記憶手段に記憶した情報であって、ゲーム実行に対する前記キャラクタの能力値を予め登録したキャラクタ別能力データベースと、前記キャラクタの能力値を増加又は減少させるコンディション設定パラメータと、
さらに、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応するキャラクタの当該ゲームにおける前記能力値を、前記コンディション設定パラメータに基づいて増加または減少させるパラメータ値増減処理手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーション手段を実行する前に、前記カード情報読み取り手段が読取った前記カード情報に対応する前記カードが前記カード保持台に保持されているか否かを判定するカード載置再確認手段を備え、
前記パラメータ値増減手段は、前記カード載置再確認手段によって前記カード保持台に保持されていないと判定された前記カードに対応するキャラクタの前記コンディションを減少させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
記憶手段と、タッチパネルを含む操作手段と、ゲームフィールドを模したフィールドパネルと、前記ゲームフィールドにおける複数のキャラクタのポジションを示す前記フィールドパネル上の各位置に配置され、カードを立てた状態で保持する複数のカード保持台と、前記カード保持台に保持されている前記カードに記録されている前記カード情報を読み取るカード情報読み取り手段と、ゲームの進行を制御するゲーム実行制御手段とを備えたゲーム装置におけるゲーム制御方法であって、
ゲーム実行制御手段は、前記カード保持台に保持されている前記カードの前記カード情報を読み取って前記記憶手段に記憶するカード情報読み取りステップと、
前記カード情報読み取りステップが前記記憶手段に記憶した前記カード情報と、前記タッチパネルを含む操作手段から入力された操作入力信号とに応じて、ゲームの進行を制御するゲーム実行制御ステップと、
を実行することを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項7】
ゲーム実行制御手段は、前記カード情報読み取りステップにより読み取った前記カード情報に基づいて、前記カード情報に対応するキャラクタを参加させるゲームにおける開始から終了までのゲーム展開をシミュレーションするシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップの結果における前記キャラクタの登場場面ごとの評価情報を算出する評価ステップと、
前記評価ステップが算出した評価情報に基づいて、前記キャラクタの登場場面のうちから、前記操作手段によって前記キャラクタを操作可能とする特定場面を選定する選定ステップと、
前記選定ステップによって選定された特定場面における前記操作手段からの操作入力信号に基づいて、前記特定場面におけるゲーム展開をシミュレーションする特定場面シミュレーションステップと、を備え、
前記シミュレーションステップは、前記特定場面シミュレーションステップのシミュレーション結果に基づいて、特定場面からゲームの終了までのゲーム展開を再度シミュレーションすることを特徴とする請求項6に記載のゲーム制御方法。
【請求項8】
前記特定場面シミュレーションステップの実行回数は、予め設定した所定の回数になるように制御されていることを特徴とする請求項7に記載のゲーム制御方法。
【請求項9】
ゲーム実行制御手段は、前記カード情報に対応するキャラクタごとに、前記記憶手段に記憶した情報であって、ゲーム実行に対する前記キャラクタの能力値を予め登録したキャラクタ別能力データベースと、前記キャラクタの能力値を増加又は減少させるコンディション設定パラメータと、さらに、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応するキャラクタの当該ゲームにおける前記能力値を、前記コンディション設定パラメータに基づいて増加または減少させるパラメータ値増減処理ステップを実行することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載のゲーム制御方法。
【請求項10】
ゲーム実行制御手段は、前記特定場面シミュレーションステップを実行する前に、前記カード情報読み取り手段が読み取った前記カード情報に対応する前記カードが前記カード保持台に保持されているか否かを判定するカード載置再確認ステップを実行し、
前記パラメータ値増減ステップは、前記カード載置再確認ステップによって前記カード保持台に保持されていないと判定された前記カードに対応するキャラクタの前記コンディションを減少させることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載のゲーム制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【公開番号】特開2010−148781(P2010−148781A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332048(P2008−332048)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]