説明

ゲーム装置及びプログラム

【課題】 家庭用ゲーム機でFPSを行う際に、プレイヤが快適にゲームを楽しむことができるゲーム装置及びプログラムを得る。
【解決手段】 表示装置に標的を表示する標的表示処理部と、表示装置に攻撃用の照準を表示し、操作情報に従って照準を移動する照準表示処理部と、操作情報に従って標的に対する攻撃処理を行う攻撃処理部と、プレイヤの位置と方向に基づいて、表示装置に表示するプレイヤの視野を決定する視野移動処理部と、標的とプレイヤの位置関係に基づいて、照準表示処理部による照準の移動処理を調整する標的処理サポート部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲーム装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
モニタ上に映し出される標的をプレイヤがシューティングする、いわゆるシューティングゲームでは、ゲーム上級者に比べ、不慣れな初心者にとっては標的に弾を命中させることが難しく、ゲームで爽快感を味わうことができないことがある。このため、従来、プレイヤの操作性を高めて初心者でも充分にシューティングゲームが楽しめるようにする技術が提案されている。
例えば、特許文献1に開示されたシューティングゲーム装置は、攻撃方向を敵キャラクターの方向に補正する補正ステップと、敵キャラクターにマーキング表示を行うマーキングステップを具備することにより、どの敵キャラクターに攻撃するのかをプレイヤが認識できるようにしている。
また、特許文献2に開示されたゲーム装置では、ディスプレーに生成される移動中の標的は、プレイヤからのシュート情報に対するヒットチェックを行わず、該標的が静止している場合にのみプレイヤからのシュート情報に対するヒットチェックを行うゲーム演算を行う。また、標的が静止した場合は移動している標的よりも大きなオブジェクトとして画像を生成するゲーム演算を行う。よって、プレイヤは、狙いやすい静止状態の標的のみをシューティングすればよい。さらに、移動中の標的を線で表示したり、効果音を生成することで、プレイヤに対し、狙うべき標的のアピール度を高める。このように、プレイヤの照準にかかる負担を軽減し、より爽快感を伴ったシューティングゲームを実現している。
【0003】
FPS(First Person Shooter)と呼ばれるジャンルのゲームは、シューティングゲームのスタイルの1つである。FPSの特徴は、モニタ上にプレイヤが操作するプレイヤキャラクタが映し出されるのではなく、プレイヤ自身の視界が映し出されることであり、プレイヤは自分自身の視点から標的を攻撃することができる。このため、プレイヤはキャラクタを操作している感覚がなく、自分自身が画面上の世界に入り込んでいるような感覚でゲームを楽しむことができる。FPSは、パソコン上で実現されていることが一般的であり、プレイヤは、マウスやキーボードを用いて照準の移動や攻撃操作を行う。
【0004】
【特許文献1】特開2000−84242号公報
【特許文献2】特開2000−210470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FPSを家庭用ゲーム機で実現する場合、プレイヤはマウスやキーボードの代わりにゲーム機用コントローラを用いて照準の移動や攻撃操作を行う。しかし、コントローラは、マウスに比べて画面の任意のポイントを即座に選択したり、画面の選択箇所を細かく指定したりすることが難しいという問題がある。
また、モニタ上に映し出される視界は、人間本来の視界より狭いという問題がある。このため、プレイヤ本来の視界中には存在していて認識できるはずの標的が、モニタ上で確認できなかったために不意打ちを受けてしまうという現実味のなさがあった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、家庭用ゲーム機でFPSを行う際に、プレイヤが快適にゲームを楽しむことができるゲーム装置及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るゲーム装置は、表示装置に表示された標的を、プレイヤによって操作装置を介して入力される操作情報に基づいて攻撃するゲーム装置であって、表示装置に標的を表示する標的表示処理部と、表示装置に攻撃用の照準を表示し、操作情報に従って照準を移動する照準表示処理部と、操作情報に従って標的に対する攻撃処理を行う攻撃処理部と、プレイヤの位置と方向に基づいて、表示装置に表示するプレイヤの視野を決定する視野移動処理部と、標的とプレイヤの位置関係に基づいて、照準表示処理部による照準の移動処理を調整する標的処理サポート部を備えたものである。
【0008】
また、標的処理サポート部は、表示装置には表示されないが、プレイヤの本来の視界の範囲に存在する標的が現れた場合に、表示装置上のプレイヤの視野を、標的が表示されるように移動する自動危険察知処理部を備えたものである。
【0009】
この発明に係るプログラムは、表示装置に表示された標的を、プレイヤによって操作装置を介して入力される操作情報に基づいて攻撃するゲーム装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、コンピュータに、表示装置に標的を表示する標的表示処理工程と、表示装置に攻撃用の照準を表示し、操作情報に従って照準を移動する照準表示処理工程と、操作情報に従って標的に対する攻撃処理を行う攻撃処理工程と、プレイヤの位置と方向に基づいて、表示装置に表示するプレイヤの視野を決定する視野移動処理工程と、標的とプレイヤの位置関係に基づいて、照準表示処理工程における照準の移動処理を調整する標的処理サポート工程を実行させるものである。
【0010】
また、標的処理サポート工程は、表示装置には表示されないが、プレイヤの本来の視界の範囲に存在する標的が現れた場合に、表示装置上のプレイヤの視野を、標的が表示されるように移動する自動危険察知処理工程を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、表示装置上の標的とプレイヤの位置関係に基づいて、プレイヤの照準移動操作を調整するようにしたので、初心者プレイヤでも快適にゲームを楽しむことができる。
【0012】
また、表示装置には表示されないが、プレイヤの本来の視界中に存在する標的が現れた場合に、プレイヤが表示装置上で標的を確認できるように、表示装置に表示する視野を移動させるようにしたので、プレイヤが本来認識できるはずの標的から不意打ちを受けてしまうという現実味のなさを解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による、家庭用ゲーム機によるゲームシステム10の構成を示すブロック図である。図に示すように、ゲームシステム10は、操作装置100、処理装置200、表示装置500を備えている。処理装置200は家庭用ゲーム機本体であり、操作装置100は家庭用ゲーム機のコントローラ、表示装置500はモニタ等である。ゲームシステム10は、FPSのゲームシステムであり、プレイヤは、操作装置100を操作して、表示装置500に表示される標的を飛び道具(ここでは銃)で攻撃する。
処理装置200は、ゲーム処理部210、画像生成部300、一時記憶装置400を備えている。ゲーム処理部210及び画像生成部300は、処理装置200のプロセッサを動作させるプログラムのモジュールを表している。また、一時記憶装置400は、処理装置200に内蔵されたメモリである。
ゲーム処理部210は、標的処理部220及び標的処理サポート部230を備えている。標的処理部220は、標的表示処理部221、照準表示処理部222、攻撃処理部223及び視野移動処理部224を備えている。標的処理サポート部230は、標的危険度判定処理部231、照準自動移動処理部232及び自動危険察知処理部233を備えている。
【0014】
図2は、操作装置100の上面図(a)及び側面図(b)である。側面図(b)は、上面図(a)の図中矢印Aの方向から操作装置100を見た図である。図中、R1は、射撃用の弾をリロードする操作を行うためのボタン、R2は銃を撃つ操作を行うためのボタン、L1は後述する自動照準モードに切り替える操作を行うためのボタンである。十字キーは、プレイヤの視点を上下左右に移動する操作に用いる。また、右アナログスティックは、標的を狙う照準を移動する操作に用いる。なお、操作装置100は図2に示す形態のものに限らない。
【0015】
次に、動作について説明する。
表示装置500には、画像生成部300によって生成された画像が表示される。表示装置500に表示されるのは、標的を含むプレイヤの視界とプレイヤの操作する銃の照準である。プレイヤは、操作装置100の十字キーを操作して視点を移動させ、右アナログスティックを操作して照準の位置を標的に合わせ、R2ボタンを押下して攻撃を行う。攻撃が成功した場合には標的は画面上から消去される。
ゲーム処理部210は、画像生成部300にプレイヤの視点、標的、照準に関する情報を供給する。
【0016】
標的処理部220は、プレイヤの視界、標的及び照準の表示情報の生成と、プレイヤが操作装置100を用いて入力した情報に基づく攻撃処理を行う。標的処理サポート部230は、標的処理部220の補助処理を行う。
標的処理部220の各部の処理について説明する。標的表示処理部221は、画像生成部300に標的の表示情報を供給する。
照準表示処理部222は、画像生成部300に、プレイヤの銃の照準の表示情報を供給する。照準表示処理部222は、操作装置100の右アナログスティックを介した入力情報に基づいて、照準位置の移動方向と距離を決定する。なお、後述するように、照準の移動には、通常モードと自動照準モードがある。
攻撃処理部223は、プレイヤが操作装置100のR2ボタンによりある標的に対して攻撃を行った際に、攻撃が成功したか否かを判定し、成功した場合には当該標的を消去するように画像生成部300に通知する。
視野移動処理部224は、画像生成部300に、プレイヤの視野情報を供給する。視野移動処理部224は、操作装置100の十字キーを介した入力情報に基づいて、プレイヤの視野を決定する。
【0017】
次に、標的処理サポート部230の動作について説明する。
まず、標的危険度判定処理部231による標的危険度判定処理について説明する。
標的危険度判定処理は、表示装置500に表示されている標的がプレイヤ(実際にはゲーム上でのプレイヤキャラクタ)にとってどれだけの危険度があるかを算出する処理である。
図3は、実施の形態1による、標的危険度判定処理のフローチャートである。
標的表示処理部221からの命令に基づいて標的が表示されると(ステップST301)、標的危険度判定処理部231において、危険度判定の対象となる標的が選択される(ステップST302)。
判定対象となる標的は、ゲーム上でのプレイヤの視界に表示されている全ての或いは一定数の標的である。
【0018】
次に、標的危険度判定処理部231は、ステップST302で判断対象となった各々の標的の危険度計算を行う(ステップST303)。
危険度計算の基準としては、例えば以下のものが上げられる。
1.標的とプレイヤキャラクタとの距離
距離が近いほど高い危険度となる。
2.標的が所持している武器の攻撃可能範囲
攻撃可能範囲が広いほど高い危険度となる。
3.標的が所持している武器の攻撃力
攻撃力が高いほど高い危険度となる。
4.標的の攻撃意欲
設定されている攻撃意欲が高いほど高い危険度となる。
標的危険度判定処理部231は、上記の危険度計算基準1〜4の1つまたは複数の組み合わせにより各標的の危険度を算出する。なお、危険度の計算基準は上記のものには限られない。
【0019】
次に、標的危険度判定処理部231は、ステップST303で算出した各標的の危険度に基づいて、危険度の高い順に標的の順位付けを行う(ステップST304)。
図4は、標的の危険度による順位付けの例を示す図である。図中、PLはプレイヤキャラクタの位置、標的1〜標的5は標的を表しており、標的の順位付けは、標的1、標的2、標的3、標的4、標的5の順になっている。この例では、標的1より標的2の方がプレイヤキャラクタとの距離が近いが、標的1は既に攻撃態勢に入っており(攻撃意欲が高い)、また、武器の攻撃可能範囲も広いので、一番危険度が高くなっている。このため、標的1が1番に順位付けされている。
ステップST304で決定された順位付け情報は、一時記憶装置400に保持される(ステップST305)。保持された順位付け情報は、後述する照準自動移動処理の際に利用される。
標的表示処理部221の処理により新たな標的が発生した場合、また、プレイヤの攻撃等により標的の消滅があった場合には、ステップST302に戻って危険度算出処理が行われ、一時記憶装置400に保持された順位付け情報が更新される(ステップST306)。
【0020】
次に、通常の照準移動処理と、照準自動移動処理部232による照準自動移動処理について説明する。
照準表示処理部222による照準の移動処理には、通常モードと照準自動移動処理部232の制御を介した自動照準モードがある。
まず、通常モードでの照準移動処理について説明する。
上述したように、プレイヤは、操作装置100の右アナログスティックを操作することにより、照準を任意の方向に移動させることができる。この時、通常モードでは、画面上の照準は一定の速度(通常スピード)で移動する。ただし、照準が標的の近くを通過する際には、照準の移動速度は低下する。この低下の度合いは照準が標的に近いほど大きい。ただし、照準が一定距離以上遠くにいる標的の近くを通った場合には照準のスピード低下は起こらない。
図5は、通常モードでの照準移動の例を示す図である。プレイヤが右アナログスティックを操作することにより、照準位置を位置1から位置2へ移動させる時には、照準は通常スピードで移動する。照準を位置2から位置3へ移動させる時には、照準が標的2の近くを通過するので、移動スピードが低下する。照準を位置3から位置4へ移動させる時には、通常スピードで移動する。
【0021】
次に、自動照準モードでの照準自動移動処理について説明する。
プレイヤが操作装置100のL1ボタンを押下すると、照準の移動が通常モードから自動照準モードに切り替わる。自動照準モードの間は、右アナログスティックを操作しても図5に示したような通常の照準移動は行われず、照準自動移動処理部232によって自動的に照準が移動される。具体的には、プレイヤが右アナログスティックで操作した方向に表示されている標的のうち、標的危険度判定処理部231で決定された順位が最も高い標的に、自動的かつ瞬時に照準が合うように処理される。
図6は、自動照準モードでの照準移動の例を示す図である。ここでは、標的1→標的5の順に、標的危険度判定処理部231によって順位付けがされているものとする。照準が画面上の位置1にある状態でプレイヤが右アナログスティックを左に入れると、照準から近く、かつ危険度が最も高い標的1に自動的に照準が合わせられる。プレイヤが操作装置100のR2ボタンを押下して攻撃を行い、標的1を消滅させると、次に危険度が高く、位置が近い標的2に照準が合わせられる。ここでプレイヤが再び右アナログスティックを左に入れると、標的3に照準が移動し、その状態から右アナログスティックを右に入れると標的4に、更に左に入れると標的5に照準が移動していく。
自動照準モードにてL1ボタンを押下すると、通常モードに切り替わる。
【0022】
図7は、実施の形態1による、照準移動処理のフローチャートである。
標的表示処理部221からの命令に基づいて標的が表示され(ステップST701)、標的危険度判定処理部231において標的危険度判定処理が行われる(ステップST702)。さらに、照準表示処理部222からの命令に基づいてプレイヤが操作する武器の照準が表示される(ステップST703)。
プレイヤによる操作装置100のL1ボタンの操作によって、照準移動モードが決定される(ステップST704)。通常モードの場合には、プレイヤによる右アナログスティックの入力操作に従って、通常モードでの照準移動処理を行う(ステップST705、ステップST706)。
自動照準モードの場合には、プレイヤによる右アナログスティックの入力操作に従って、自動照準モードでの照準移動処理を行う(ステップST707、ステップST708)。プレイヤによるR2ボタンの操作によって攻撃が行われると(ステップST709)、攻撃処理部223によって攻撃処理が行われる(ステップST710)。攻撃処理部223は、攻撃が成功したか否かを判定し、成功した場合には攻撃された標的を消去する。その後、ステップST702へ戻り、標的危険度の順位付けが更新される。攻撃が失敗した場合にはステップST709へ戻り、プレイヤによるR2ボタンの入力を待機する。
【0023】
次に、自動危険察知処理部233による自動危険察知処理について説明する。
自動危険察知処理は、表示装置500上には表示されないが、プレイヤの本来の視界に入っているはずの標的が現れた場合に、自動的に視野を移動させて当該標的を表示装置500に表示させる処理である。
図8は、表示装置500に映し出される視界と、プレイヤの本来の視界の違いを示す図である。FPSでは、プレイヤ自身の視界が表示装置500に映し出されるが、表示装置500のようなモニタに映る映像は、実際の人間の視界範囲よりも狭くなってしまう。このため、図に示すように、画面上では見えないが、本来の視界には入っているはずの標的が発生する。自動危険察知処理は、このような、表示装置500上の視界とプレイヤの本来の視界とのギャップを埋めるための処理である。
【0024】
図9は、実施の形態1による、自動危険察知処理のフローチャートである。
標的表示処理部221からの命令に基づいて標的が表示されると(ステップST901)、自動危険察知処理部233は、視野外危険判定を行う(ステップST902)。視野外危険判定とは、表示装置500に映っていないが、プレイヤの本来の視界に標的が入り、しかもその標的がプレイヤキャラクタから一定の距離以内に入った場合に危険ありと判定する処理である。危険ありと判定されると、自動的にデンジャービュー表示に切り替わる(ステップST903)。デンジャービュー表示とは、プレイヤキャラクタの視点の位置と方向は変わらずに、視野移動処理部224によって表示される視野のみが一時的に移動し、プレイヤの本来の視界に入ってきた標的を画面上で確認できるようにする処理である。
図10は、デンジャービュー表示を説明する図である。図中(a)に示す状態では、表示装置500の視野の外であるがプレイヤの本来の視界に標的が入ってきたため、自動危険察知処理部233は、危険ありと判定してデンジャービュー表示(図中(b)の状態)に切り替える。デンジャービュー表示に切り替わると、図中(b)に示すように、プレイヤキャラクタPLの位置と向きは変わらずに、視野だけが移動し、本来見えていたはずの標的が表示装置500に映されるようになる。
このように、デンジャービュー表示に切り替わることにより、プレイヤは、本来見えていたはずの標的を画面上で確認することができ、そのような標的からの不意打ちを回避することができる。
【0025】
デンジャービュー表示に切り替わってから一定時間内に、プレイヤが操作装置100の右アナログスティックによる入力操作を行うと、プレイヤキャラクタの向きが図10の(c)に示す状態に移動する。また、一定時間内にプレイヤによる入力操作が行われなければ、プレイヤの視野は図10の(a)に示す状態に戻る(ステップST904、ステップST905)。
プレイヤが操作装置100のR2ボタンを操作して標的に対する攻撃を行うと(ステップST906)、攻撃処理部223によって攻撃処理が行われる(ステップST907)。攻撃処理部223は、攻撃が成功したか否かを判定し、成功した場合には攻撃された標的を消去し、ステップST908へ進む。攻撃が失敗した場合にはステップST906へ戻り、プレイヤによるR2ボタンの入力を待機する。
ステップST908では、攻撃処理から一定時間内に、プレイヤが右アナログスティックによって、照準を元の方向(図10の(a)の方向)に戻す操作を行ったか否かを判定する。操作が行われた場合には、プレイヤキャラクタの向きが図10の(a)に示す状態に戻される。一定時間内にプレイヤによる操作が行われなければ、プレイヤキャラクタの向きは図10の(c)に示す状態のままでステップST902に戻る。
【0026】
以上のように、実施の形態1によれば、照準自動移動処理部232は、標的危険度判定処理部231によって算出された各標的の危険度の順位に基づいて、プレイヤの照準が自動的に危険度の高い敵に合うよう移動させる自動照準モードを実現する。これにより、マウスに比べて画面の任意のポイントを即座に選択したり、画面の選択箇所を細かく指定したりすることが困難なゲーム機用コントローラの操作性を改善することができる。
また、自動危険察知処理部233は、プレイヤ本来の視界中に存在しながら表示装置500上に映し出されない標的が出現すると、デンジャービュー表示に切り替えることにより、その標的を表示装置500上で確認できるようにしたので、実際には見えているはずの標的からの不意打ちを防ぐことができる。
このように、標的処理サポート部230を備えたことにより、家庭用ゲーム機でFPSを行う場合に、プレイヤの操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の実施の形態1による、家庭用ゲーム機によるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による、操作装置の上面図及び側面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による、標的危険度判定処理のフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1による、標的の危険度による順位付けの例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による、通常モードでの照準移動の例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1による、自動照準モードでの照準移動の例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1による、照準移動処理のフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1による、表示装置に映し出される視界と、プレイヤの実際の視界の違いを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1による、自動危険察知処理のフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1による、デンジャービュー表示を説明する図である。
【符号の説明】
【0028】
10 ゲームシステム
100 操作装置
200 処理装置
210 ゲーム処理部
220 標的処理部
221 標的表示処理部
222 照準表示処理部
223 攻撃処理部
224 視野移動処理部
230 標的処理サポート部
231 標的危険度判定処理部
232 照準自動移動処理部
233 自動危険察知処理部
300 画像生成部
400 一時記憶装置
500 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示された標的を、プレイヤによって操作装置を介して入力される操作情報に基づいて攻撃するゲーム装置であって、
上記表示装置に上記標的を表示する標的表示処理部と、
上記表示装置に攻撃用の照準を表示し、上記操作情報に従って上記照準を移動する照準表示処理部と、
上記操作情報に従って上記標的に対する攻撃処理を行う攻撃処理部と、
上記プレイヤの位置と方向に基づいて、上記表示装置に表示する上記プレイヤの視野を決定する視野移動処理部と、
上記標的と上記プレイヤの位置関係に基づいて、上記照準表示処理部による上記照準の移動処理を調整する標的処理サポート部を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
照準表示処理部は、照準と標的の間の距離がある距離以下になった場合には、上記照準の移動速度を通常の速度よりも低くすることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
標的処理サポート部は、表示装置に表示された各標的に対し、予め設定された上記標的の危険度が高い順に、照準を自動的に合わせる照準自動移動処理部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
標的処理サポート部は、表示装置に表示された各標的の危険度を算出し、上記危険度に基づいて各標的の順位付けを行う標的危険度判定処理部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のゲーム装置。
【請求項5】
標的処理サポート部は、表示装置には表示されないが、プレイヤの本来の視界の範囲に存在する標的が現れた場合に、上記表示装置上の上記プレイヤの視野を、上記標的が表示されるように移動する自動危険察知処理部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のゲーム装置。
【請求項6】
表示装置に表示された標的を、プレイヤによって操作装置を介して入力される操作情報に基づいて攻撃するゲーム装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、
上記コンピュータに、
上記表示装置に上記標的を表示する標的表示処理工程と、
上記表示装置に攻撃用の照準を表示し、上記操作情報に従って上記照準を移動する照準表示処理工程と、
上記操作情報に従って上記標的に対する攻撃処理を行う攻撃処理工程と、
上記プレイヤの位置と方向に基づいて、上記表示装置に表示する上記プレイヤの視野を決定する視野移動処理工程と、
上記標的と上記プレイヤの位置関係に基づいて、上記照準表示処理工程における上記照準の移動処理を調整する標的処理サポート工程を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
照準表示処理工程は、照準と標的の間の距離がある距離以下になった場合には、上記照準の移動速度を通常の速度よりも低くすることを特徴とする請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
標的処理サポート工程は、表示装置に表示された各標的に対し、予め設定された上記標的の危険度が高い順に、照準を自動的に合わせる照準自動移動処理工程を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
標的処理サポート工程は、表示装置に表示された各標的の危険度を算出し、上記危険度に基づいて各標的の順位付けを行う標的危険度判定処理工程を備えたことを特徴とする請求項6から請求項8のうちのいずれか1項記載のプログラム。
【請求項10】
標的処理サポート工程は、表示装置には表示されないが、プレイヤの本来の視界の範囲に存在する標的が現れた場合に、上記表示装置上の上記プレイヤの視野を、上記標的が表示されるように移動する自動危険察知処理工程を備えたことを特徴とする請求項6から請求項9のうちのいずれか1項記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−122123(P2006−122123A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311187(P2004−311187)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(503305633)株式会社ゲームリパブリック (1)
【Fターム(参考)】