ゲーム装置
【課題】プレーヤが筐体を左右方向に傾ける操作、またはプレーヤが把持部を左右方向に回転させる操作を行うための動機付けをプレーヤに与えることにより、プレーヤがかかる操作を行う機会を増加させることができるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】ゲーム装置10では、筐体18またはハンドル20の操作量に基づいてプレーヤバイク26の移動方向が制御されるとともに、筐体18またはハンドル20の操作量と操作時間とに基づいて特殊パラメータが更新され、特殊パラメータが所与のしきい値に達すると、プレーヤバイク26の走行性能が特殊性能に変化する。
【解決手段】ゲーム装置10では、筐体18またはハンドル20の操作量に基づいてプレーヤバイク26の移動方向が制御されるとともに、筐体18またはハンドル20の操作量と操作時間とに基づいて特殊パラメータが更新され、特殊パラメータが所与のしきい値に達すると、プレーヤバイク26の走行性能が特殊性能に変化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示部に表示される画像において仮想的な移動体を移動させるゲーム装置が知られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとして人気が高い。そしてかかるゲーム装置の中には、現実の移動体の操作部を模した形状を有する操作部を備え、プレーヤにこのような操作部に対して操作を行わせることによって、より仮想現実感を高めたものが存在する。例えば仮想的な移動体として仮想的なバイクを移動させるゲーム装置の中には、現実のバイクのように、プレーヤが跨ることができる筐体とプレーヤが手で把持することができる把持部とを有する操作部を備え、プレーヤが筐体を左右方向に傾けることによりまたはプレーヤが把持部を左右方向に回転させることにより、仮想的な移動体の移動方向を制御するものが存在する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−360935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなゲーム装置では、プレーヤが筐体を左右方向に傾ける操作またはプレーヤが把持部を左右方向に回転させる操作を行っているときに、プレーヤの仮想現実感や楽しさが高まる場合が多い。しかしながら、上述した従来のゲーム装置では、効率よく移動体を移動させるためにコースに沿って移動体の移動方向を操作することが通常であり、プレーヤが上述したような操作を行う場面は、コース上に設けられたカーブを移動体が通過する場面などに限られていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレーヤが筐体を左右方向に傾ける操作、またはプレーヤが把持部を左右方向に回転させる操作を行うための動機付けをプレーヤに与えることにより、プレーヤがかかる操作を行う機会を増加させることができるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、
仮想的な移動体をコース上で移動させるゲーム装置であって、
画像を表示する表示部と、
プレーヤが跨ることができる筐体とプレーヤが手で把持することができる把持部とを有し、プレーヤが前記筐体を前記筐体の基準位置から左右方向に傾ける第1の操作またはプレーヤが前記把持部を前記把持部の基準位置から左右方向に回転させる第2の操作を行うことができる第1の操作部と、
前記第1の操作部に設けられ、プレーヤが第3の操作を行うことができる第2の操作部と、
前記第1の操作または前記第2の操作の量である前記第1の操作部の操作量を検出する第1の検出部と、
前記第3の操作を検出する第2の検出部と、
前記第1の操作部の操作量に基づいて前記移動体の移動方向を制御し、前記第2の検出部の検出結果と前記移動体に設定される走行性能とに基づいて前記移動体の移動量を制御する移動体制御部と、
前記第1の操作部の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、前記移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させる走行性能変更部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置に関係する。
【0006】
ここで「走行性能」とは、移動体の加速度、移動速度、最高速度、タイヤのグリップ力、移動体の耐久力、移動体の耐衝撃力等を意味し、「走行性能を変化させる」とは、加速度、移動速度、最高速度、タイヤのグリップ力、移動体の耐久力、移動体の耐衝撃力等を決定する演算係数を変更することの他に、変化前の加速度、移動速度、最高速度、タイヤのグリップ力、移動体の耐久力、移動体の耐衝撃力等に対して任意の値を加算あるいは減算することなども含まれる。
【0007】
本発明では、第1の操作部の操作量に基づいて移動体の移動方向が制御されるとともに、第1の操作部の操作量と操作時間とに基づいて移動体の走行性能が特殊性能に変化する。従って本発明によれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤが第1の操作部の操作を行う機会を増加させることができる。
【0008】
(2)また本発明は、
前記第1の操作部の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、前記移動体の特殊パラメータを前記特殊パラメータの初期値から遠ざける第1の態様で更新する特殊パラメータ更新部と、
前記移動体の移動状況を示す画像と、前記特殊パラメータの更新状況を示す画像とを、前記表示部に表示させる表示制御部とを更に備え、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが前記第1の態様で更新されることにより所与のしきい値に達した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0009】
ここで「特殊パラメータを初期値から遠ざける第1の態様で更新する」とは、初期値が最小値である場合には「増加させて更新する」ものとすることができ、初期値が最大値である場合には「減少させて更新する」ものとすることができる。
【0010】
このようにすれば、第1の操作部の操作量と操作時間とに基づいて更新される特殊パラメータの更新状況を、プレーヤに認知させることができる。
【0011】
(3)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部の操作量に基づいて、前記第1の操作部が前記基準位置を中心とする第1の範囲にあるか前記第1の範囲以外の第2の範囲にあるかを判別し、前記第1の操作部が前記第2の範囲にある場合に前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新するようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤに第1の操作部を第1の範囲よりも基準位置から遠い第2の範囲まで操作させるようにすることができる。
【0013】
(4)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部が前記第2の範囲にある場合に、前記第1の操作部の前記基準位置からの操作量が多いほど前記特殊パラメータの変化率を高くして、前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新するようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤに第1の操作部を、その操作量がより多くなるように操作させるようにすることができる。
【0015】
(5)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部が前記第1の範囲にある場合に、前記特殊パラメータを前記初期値に近づける第2の態様で更新するようにしてもよい。
【0016】
ここで「初期値に近づける第2の態様で更新する」とは、初期値が最小値である場合には「減少させて更新する」ものとすることができ、初期値が最大値である場合には「増加させて更新する」ものとすることができる。
【0017】
このようにすれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤに第1の操作部を第2の範囲まで操作することを継続させる、あるいは連続的に行わせるようにすることができる。
【0018】
(6)また本発明は、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが第1のしきい値に達し、かつ所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に短い期間が経過するまで前記特殊性能に変化させ、前記特殊パラメータが前記第1のしきい値よりも前記初期値から遠い第2のしきい値に達し、かつ前記所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に長い期間が経過するまで前記特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、特殊パラメータが第1のしきい値に達してから第2のしきい値に達する前に所与の条件が満たされた場合と、特殊パラメータが第2のしきい値に達してから所与の条件が満たされた場合との間で、走行性能が変化する期間に差を設けることができる。
【0020】
(7)また本発明は、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが第1のしきい値に達し、かつ所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に低い変化率で前記特殊性能に変化させ、前記特殊パラメータが前記第1のしきい値よりも前記初期値から遠い第2のしきい値に達し、かつ前記所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に高い変化率で前記特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、特殊パラメータが第1のしきい値に達してから第2のしきい値に達する前に所与の条件が満たされた場合と、特殊パラメータが第2のしきい値に達してから所与の条件が満たされた場合との間で、走行性能の変化率に差を設けることができる。
【0022】
(8)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記特殊パラメータが前記第1のしきい値に達した場合に、前記特殊パラメータを前記第1のしきい値よりも前記初期値に近い値に更新しない処理を行い、前記特殊パラメータが前記第2のしきい値に達した場合に、前記特殊パラメータを前記第2のしきい値よりも前記初期値に近い値に更新しない処理を行うようにしてもよい。
【0023】
このようにすれば、特殊パラメータが第1のしきい値に達すると、プレーヤが第1の操作部を第2の範囲まで操作することを継続しなくても、あるいは連続的に行わなくても、特殊パラメータが第1のしきい値に達したことが維持され、特殊パラメータが第2のしきい値に達すると、プレーヤが第1の操作部を第2の範囲まで操作することを継続しなくても、あるいは連続的に行わなくても、特殊パラメータが第2のしきい値に達したことが維持されるようにすることができる。
【0024】
(9)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記走行性能変更部が前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた場合に、前記特殊パラメータを前記第2の態様で更新してから、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させていない場合よりも前記特殊パラメータの変化率を高くして、前記第1の操作部の操作量と操作時間とに基づいて前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新し、
前記走行性能変更部は、
前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能に復帰させるようにしてもよい。
【0025】
このようにすれば、特殊パラメータの変化率を高くすることにより、移動体の走行性能を特殊性能に変化させている場合においても、プレーヤに第1の操作部を第2の範囲まで操作させるようにすることができるとともに、第2の態様で更新された特殊パラメータを第1の態様で効率的に更新することにより、連続的に移動体の走行性能を特殊性能に変化させるようにすることができる。
【0026】
(10)また本発明は、
前記表示制御部は、
前記走行性能変更部が前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた場合に、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像を前記表示部に表示させ、
前記走行性能変更部は、
前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能に復帰させるようにしてもよい。
【0027】
このようにすれば、移動体の走行性能が通常性能に復帰されるまでの期間を、プレーヤに視覚的に認識させることができる。
【0028】
(11)また本発明は、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが所与のしきい値に達し、かつ前記第1の操作部が前記第1の範囲にある状態で所与の期間が経過した場合に、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0029】
このようにすれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させるための操作部として第1の操作部とは別の操作部を設ける必要がなく、例えば、プレーヤが移動体の走行性能を特殊性能に変化させるための操作方法を知らなかったとしても、ゲームにおける操作の中で移動体の走行性能を特殊性能に変化させるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0031】
1.外観構成
図1は、本実施形態のゲーム装置10の外観を示す斜視図である。図1に示すようにゲーム装置10は、現実のバイク(移動体の一例)の一部を模した形状を有するバイク型操作部12(第1の操作部の一例)と、バイク型操作部12を支持する基台14と、バイク型操作部12に跨ったプレーヤの前方に配置される表示部16とを備えている。そしてゲーム装置10は、複数の仮想的なバイクを仮想的なコース上で移動させて順位やタイムなどを競うレースゲームを行うものである。
【0032】
バイク型操作部12は、プレーヤが跨ることができる筐体18と、筐体18に跨ったプレーヤが手で把持することができるハンドル20(把持部の一例)とを有する。そしてバイク型操作部12は、筐体18に跨ったプレーヤが筐体18を筐体18の基準位置から左右方向に傾ける操作(第1の操作の一例)を行うことができるようになっている。
【0033】
そしてバイク型操作部12のハンドル20の先端には、アクセルグリップ22(第2の操作部の一例)がハンドル20に対して所定の角度範囲で回転可能に取り付けられている。このアクセルグリップ22は、プレーヤが手でアクセルグリップ22をハンドル20に対して回転させる操作(第3の操作の一例)を行うことができるようになっている。
【0034】
図2は、バイク型操作部12の正面図である。図2に示すようにバイク型操作部12は、筐体18の下方に設けられた回転軸24を介して基台14に取り付けられており、筐体18が基台14に対して垂直となる基準位置から、回転軸24を中心に基台14に対して左右方向に回転可能となっている。これによりプレーヤは、筐体18に跨って左右方向に体重移動を行うことにより、筐体18を基準位置から左右方向に傾ける操作を行うことができる。
【0035】
なお本実施形態のバイク型操作部12は、筐体18が基準位置から左右方向に傾けられると筐体18が基準位置に復帰するように、図示しないバネによって付勢されている。従って本実施形態のバイク型操作部12では、プレーヤは傾けられた筐体18を基準位置に力を要さずに復帰させることができ、例えば筐体18を左右方向に連続的に倒すような操作を容易に行うことができる。
【0036】
そして図1に示すように、表示部16は、プレーヤが操作するプレーヤバイク26を後方から見た画像を表示する。そして、プレーヤがアクセルグリップ22をハンドル20に対して回転させる操作を行うと、プレーヤバイク26がコース上を前方に進んでいるような画像(移動体の移動状況を示す画像の一例)を表示する。また、プレーヤが筐体18を基準位置から左右方向に傾ける操作を行うと、筐体18が傾けられた方向と同じ方向にプレーヤバイク26が傾くとともに、筐体18が傾けられた方向にプレーヤバイク26が曲がるような画像(移動体の移動状況を示す画像の一例)を表示する。
【0037】
こうして本実施形態のゲーム装置10は、プレーヤに現実のバイクを運転するときと同じような操作をバイク型操作部12に対して行わせ、バイク型操作部12の操作に応じてプレーヤバイク26の移動状況を示す画像を表示することによって、プレーヤの仮想現実感を高めている。
【0038】
2.機能ブロック
図3は、本実施形態のゲーム装置10の機能を示すブロック図である。なお、図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0039】
第1の検出部30は、プレーヤが筐体18(図1参照)を筐体18の基準位置から左右方向に傾ける操作の量である筐体18の操作量を検出するものであり、その機能は、例えば回転角度に応じた電圧を出力する可変抵抗器などにより実現できる。具体的には第1の検出部30は、筐体18の基台14(図1参照)に対する回転角度(操作量の一例)を検出する。
【0040】
第2の検出部32は、プレーヤが手でアクセルグリップ22(図1参照)をハンドル20(図1参照)に対して回転させる操作の量であるアクセルグリップ22の操作量を検出するものであり、その機能は、例えば可変抵抗器などにより実現できる。具体的には第2の検出部32は、アクセルグリップ22のハンドル20に対する回転角度(操作量の一例)を検出する。
【0041】
表示部16は、画像を表示出力するものであり、その機能は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどにより実現できる。具体的には表示部16は、移動体(バイクなど)の移動状況を示す画像、特殊パラメータの更新状況を示す画像、移動体の走行性能を特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像などを表示する。
【0042】
音出力部34は、音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、ヘッドフォンなどにより実現できる。
【0043】
情報記憶媒体40(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0044】
この情報記憶媒体40には、処理部100において種々の処理を行うためのプログラムやデータが記憶されている。即ち、この情報記憶媒体40には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶されている。
【0045】
また情報記憶媒体40には、移動体やコースなどのオブジェクト(表示物)のモデルデータや、移動体の属性パラメータなどの各種データが格納されている。
【0046】
記憶部50は、処理部100や通信部60などのワーク領域となるもので、その機能はRAMやVRAMなどにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部50は、処理部100のワーク領域として使用される主記憶部51と、表示部16に表示させる画像が描画される描画バッファ52と、オブジェクトのモデルデータが読み込まれるオブジェクトデータ記憶部53と、を含む。
【0047】
通信部60は、外部(例えばサーバや他の携帯端末)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用の集積回路(ASIC)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0048】
なお、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバ)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部60を介して情報記憶媒体40(記憶部50)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバ)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0049】
処理部100(プロセッサ)は、第1の検出部30や第2の検出部32からの検出データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理などの処理を行う。この処理部100は、記憶部50をワーク領域として各種処理を行い、その機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、各種集積回路(IC、ASIC)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0050】
特に、本実施形態の処理部100は、ゲーム処理部102、表示制御部104、移動体制御部106、特殊パラメータ更新部108、走行性能変更部110、描画部120、音生成部130を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0051】
ゲーム処理部102は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、移動体やコースなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などを行う。特に本実施形態では、レースゲームの進行を制御する処理として、移動体がオブジェクト空間(ゲーム空間)に設定されたコースを周回するタイムを複数の移動体について計測しており、各移動体のタイムを比較判定して各移動体の順位を決定する処理を行っている。
【0052】
表示制御部104は、表示部16に表示される画像(オブジェクト画像)の表示制御を行う。具体的には、表示すべきオブジェクト(移動体、コース、建物、樹木、柱、壁、マップ)を発生させたり、オブジェクトの表示や表示位置を指示したり、オブジェクトを消滅させたりするなどの表示制御を行う。即ち発生したオブジェクトをオブジェクトリストに登録したり、オブジェクトリストを描画部120等に転送したり、消滅したオブジェクトをオブジェクトリストから削除したりするなどの表示制御を行う。
【0053】
また表示制御部104は、プレーヤの入力情報等により、プレーヤ移動体(プレーヤの操作対象となる移動体)やオブジェクトの移動や動作が発生した場合に、発生した移動や動作の様子を示す画像を表示部16に表示するための制御を行う。詳細には表示制御部104は、筐体18の操作量に応じてプレーヤバイク26(図1参照)が傾く様子を示す画像を表示するための制御を行う。
【0054】
特に本実施形態のゲームシステムでは、ゲーム空間を3次元のオブジェクト空間によって設定するようになっており、表示制御部104は、オブジェクト空間設定処理、仮想カメラ制御処理なども行う。
【0055】
オブジェクト空間設定処理では、移動体、コース、建物、樹木、柱、壁、マップなどの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0056】
仮想カメラ制御処理では、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置、視線方向あるいは画角を制御する処理)を行う。
【0057】
例えば仮想カメラによりプレーヤ移動体を後方から撮影する場合には、プレーヤ移動体の位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。この場合には、後述する移動体制御部106で求められたプレーヤ移動体の位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
【0058】
移動体制御部106は、移動体の移動・動作演算(移動・動作シミュレーション)を行う。すなわち操作部によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、移動体をオブジェクト空間内で移動させたり、移動体を動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。具体的には、移動体の移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(移動体を構成する各パーツの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、移動体の移動・動作処理(シミュレーション処理)や描画処理を行う時間の単位である。
【0059】
特に本実施形態では、移動体制御部106が、移動体毎に設定される走行性能に基づいてオブジェクト空間(ゲーム空間)において移動体を移動させる制御を行う。具体的には、第1の検出部30や第2の検出部32からの検出データやプログラムに基づいて移動体を移動させる制御を開始し、移動体毎に設定される走行性能である加速係数に基づいてフレーム単位での移動量(移動体の移動速度)を算出するとともにフレーム単位での移動体の回転量(移動体の回転速度)を算出して移動体の座標変換マトリクスMを求める。
【0060】
詳細には移動体制御部106は、筐体18の操作量に基づいてプレーヤ移動体の移動方向を制御し、アクセルグリップ22の操作量(第2の検出部32の検出結果の一例)とプレーヤ移動体に設定される走行性能とに基づいてプレーヤ移動体の移動量を制御する。なお各移動体には、走行性能として移動速度の上限値である最高速度も設定されており、移動体のフレーム単位での移動量は、移動体毎の最高速度によってリミットされる。そして第K−1のフレームでの移動体の頂点座標PK−1に座標変換マトリクスMを乗算して第Kのフレームでの移動体の頂点座標PK(=PK−1×M)を求めている。
【0061】
特殊パラメータ更新部108は、移動体の走行性能を特殊性能に変化させるための特殊パラメータを更新する。具体的には特殊パラメータ更新部108は、筐体18の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、プレーヤ移動体の特殊パラメータを増加させて(第1の態様の一例)更新する。
【0062】
ここで特殊パラメータ更新部108は、筐体18の操作量に基づいて、筐体18がその基準位置を中心とする第1の範囲にあるか、第1の範囲以外の第2の範囲にあるかを判別し、筐体18が第2の範囲にある場合に特殊パラメータを増加させて更新するようにしてもよい。そして特殊パラメータ更新部108は、筐体18が第2の範囲にある場合に、筐体18の基準位置からの操作量が多いほど特殊パラメータの増加率(変化率の一例)を高くして、特殊パラメータを増加させて更新するようにしてもよい。具体的には特殊パラメータ更新部108は、筐体18の基準位置からの操作量が多いほど特殊パラメータの加算値に乗算する所定の係数(1以上の任意の値)を大きくすることにより、特殊パラメータの増加量が大きくなるようにしてもよい。一方で特殊パラメータ更新部108は、筐体18が第1の範囲にある場合に、特殊パラメータを減少させて(第2の態様の一例)更新するようにしてもよい。
【0063】
走行性能変更部110は、特殊パラメータが増加されて更新されることにより所与のしきい値に達した場合に、移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させる。具体的には走行性能変更部110は、移動体の加速係数に所定の係数(1以上の任意の値)を乗算することで、移動体が急加速できる状態に走行性能を変化させる。また走行性能変更部110は、加速係数を変化させるばかりではなく、移動体の移動速度の上限を定める最高速度も上昇させるようにしてもよい。
【0064】
ここで走行性能変更部110は、特殊パラメータが所与のしきい値に達し、かつ筐体18が第1の範囲にある状態で所与の期間が経過した場合に、移動体の走行性能を特殊性能に変化させるようにしてもよい。また走行性能変更部110は、移動体の走行性能を特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、移動体の走行性能を通常性能に復帰させるようにしてもよい。
【0065】
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)に基づいて画像を描画する処理を行い、描画した画像を表示部16に出力するものであり、その機能は、描画プロセッサ(GPU)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。ここで描画部120が描画する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。具体的には描画部120は、表示制御部104により転送されたオブジェクトリストに応じたオブジェクトをオブジェクトデータ記憶部53などから読み出し、ピクセル単位で画像情報を記憶できる描画バッファ52(フレームバッファあるいは中間バッファなどのバッファ。VRAM。)にオブジェクトを描画する。
【0066】
いわゆる3次元ゲーム画像を生成する場合には、まず表示物(オブジェクト、モデル)を定義する各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含む表示物データ(オブジェクトデータ、モデルデータ)が入力され、入力された表示物データに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理が行われる。頂点処理では、頂点の移動処理や、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、あるいは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、表示物を構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(フラグメント処理)が行われる。ピクセル処理では、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を描画バッファ52に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。これにより、オブジェクト空間内に設定された仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。そして描画部120は、1フレーム(例えば1/60秒)ごとに画像情報を更新することにより、表示部16に動画像を表示させる。
【0067】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部34に出力する。
【0068】
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
【0069】
3.本実施形態の手法
本実施形態のゲーム装置10では、筐体18を傾ける操作の操作量に基づいてプレーヤバイク26の移動方向が制御されるとともに、筐体18を傾ける操作の操作量と操作時間とに基づいて特殊パラメータが更新され、特殊パラメータが所与のしきい値に達すると、プレーヤ移動体の走行性能が特殊性能に変化するという手法を採用する。従って本実施形態のゲーム装置10によれば、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤが筐体18を傾ける操作を行う機会を増加させることができる。以下では、本実施形態のゲーム装置10の手法について詳細に説明する。
【0070】
図4(A)、図4(B)は、筐体18の操作量と、表示部16に表示される画像と、記憶部50において更新される特殊パラメータとの関係を示す図である。
【0071】
図4(A)に示すように、本実施形態のゲーム装置10は、筐体18の操作量を検出すると、検出した操作量に応じてプレーヤバイク26が傾くとともにプレーヤバイク26の移動方向が変化する様子を示す画像を表示部16に表示させる。そしてプレーヤによって筐体18が、筐体18の基準位置を中心とする第1の範囲を越えて右方向の第2の範囲、または左方向の第2の範囲まで傾けられると、ゲーム装置10は、筐体18が第2の範囲まで傾けられている間、記憶部50において特殊パラメータの値を増加させて更新する。するとゲーム装置10は、表示部16に特殊パラメータゲージ200を表示させ、記憶部50における特殊パラメータの値の増加に応じて、特殊パラメータゲージ200において赤色に着色された赤色領域202(特殊パラメータの更新状況を示す画像の一例)を増加させる表示制御を行う。
【0072】
ここでゲーム装置10は、筐体18が第2の範囲にある場合に、筐体18の基準位置からの操作量が多いほど特殊パラメータの増加率を高くして、特殊パラメータを増加させて更新する。すなわちプレーヤが筐体18を大きく傾けるほど、特殊パラメータが速く増加する。
【0073】
一方、図4(B)に示すように、ゲーム装置10は、筐体18が第1の範囲にある場合に、記憶部50において特殊パラメータを減少させて更新するとともに、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202を減少させる表示制御を行う。なおゲーム装置10は、特殊パラメータを減少させる際には一定の減少率で減少させる。すなわちプレーヤが筐体18を傾けない、あるいはあまり傾けない場合には、特殊パラメータが一定の速さで減少する。
【0074】
ここで特殊パラメータが減少する速さは、特殊パラメータが増加する速さよりも遅くなるように設定されている。従って、プレーヤが筐体18を右方向の第2の範囲まで傾ける操作と左方向の第2の範囲まで傾ける操作とを交互に連続して行う際に、筐体18が一方の第2の範囲から他方の第2の範囲に移行する間の短い期間に筐体18が第1の範囲にあることとなっても、プレーヤは特殊パラメータを増加させることができる。
【0075】
そしてプレーヤが、筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を継続する、あるいは筐体18を左右方向に傾ける操作を交互に連続して行うと、図5(A)に示すように、記憶部50において特殊パラメータが最大値(所与のしきい値の一例)に達するとともに、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202も最大値に達する。するとゲーム装置10は、特殊パラメータの値を最大値で維持し、筐体18の操作に関わらず特殊パラメータがそれ以上変化しないようにする。そしてこの状態で、プレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間(所与の期間の一例)維持すると、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0076】
すると図5(B)に示すように、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の周囲に演出画像204を表示させ、通常性能では達することができない高い速度でプレーヤバイク26を移動させる。またゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させると、記憶部50において特殊パラメータを初期値である0にリセット(第2の態様で更新することの一例)する。そしてゲーム装置10は、予め設定されている期間で特殊パラメータゲージ200の赤色領域202が0になるように、赤色領域202を減少させる表示制御を行う。そして、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202が0になると、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を通常性能に復帰させる。すなわち特殊パラメータゲージ200の赤色領域202は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた場合には、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像として機能する。
【0077】
こうして本実施形態のゲーム装置10によれば、プレーヤバイクの走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤが筐体を第2の範囲まで傾ける操作を行う機会を増加させることができる。
【0078】
ここで図6に示すように、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている状態で、プレーヤが筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を行うと、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させていない状態よりも特殊パラメータの増加率を高くして、筐体18の操作量と操作時間とに基づいて特殊パラメータを増加させて更新する。すなわち、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている場合には、特殊パラメータが速く増加する。従ってプレーヤは、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている状態で、筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を継続する、あるいは筐体18を左右方向に傾ける操作を交互に連続して行うことにより、特殊パラメータを最大値まで素早く増加させることができ、連続的にプレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させるようにすることができる。
【0079】
なお、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている状態で特殊パラメータを増加させて更新する場合には、ゲーム装置10は、特殊パラメータゲージ200において、走行性能を特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像として機能する赤色領域202とプレーヤが区別できるように、特殊パラメータの更新状況を示す画像として青色に着色された青色領域206を、記憶部50における特殊パラメータの値の増加に応じて増加させる表示制御を行う。すなわち図6に示す状態では、ゲーム装置10は、赤色領域202を期間の経過に従って減少させるとともに、青色領域206を筐体18の操作量と操作時間とに応じて高い増加率で増加させる。
【0080】
また図7(A)に示すように、ゲーム装置10は、特殊パラメータがその最大値の3分の1の値である第1のしきい値に達した場合には、プレーヤが筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を行わなくても、特殊パラメータを第1のしきい値よりも減少させて更新しないようにしている。そしてこの状態で、プレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると(所与の条件が満たされることの一例)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0081】
すると図7(B)に示すように、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の周囲に演出画像204を表示させ、通常性能では達することができない高い速度でプレーヤバイク26を移動させる。そしてゲーム装置10は、特殊パラメータが最大値に達した場合の3分の1の期間で特殊パラメータゲージ200の赤色領域202が0になるように、赤色領域202を減少させる表示制御を行う。そして、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202が0になると、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を通常性能に復帰させる。すなわちゲーム装置10は、特殊パラメータが最大値に達した場合の3分の1の期間(相対的に短い期間の一例)が経過するまで、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0082】
また図8(A)に示すように、ゲーム装置10は、特殊パラメータがその最大値の3分の2の値である第2のしきい値に達した場合には、プレーヤが筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を行わなくても、特殊パラメータを第2のしきい値よりも減少させて更新しないようにしている。そしてこの状態で、プレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると(所与の条件が満たされることの一例)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0083】
すると図8(B)に示すように、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の周囲に演出画像204を表示させ、通常性能では達することができない高い速度でプレーヤバイク26を移動させる。そしてゲーム装置10は、特殊パラメータが最大値に達した場合の3分の2の期間で特殊パラメータゲージ200の赤色領域202が0になるように、赤色領域202を減少させる表示制御を行う。そして、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202が0になると、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を通常性能に復帰させる。すなわちゲーム装置10は、特殊パラメータが最大値に達した場合の3分の2の期間(相対的に長い期間の一例)が経過するまで、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0084】
従って本実施形態のゲーム装置10では、ゲームに不慣れなため特殊パラメータを最大値まで増加させることができないプレーヤであっても、段階的に設けられたしきい値まで特殊パラメータを増加させることにより、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させることができるようにすることができる。また本実施形態のゲーム装置10では、ゲームに慣れたプレーヤは、ストレートかカーブかなどのコース状況や、プレーヤバイク26と対戦相手のバイクとの位置関係などを考慮して、いずれの値まで特殊パラメータを増加させるかを調整することにより、その状況に最適な態様でプレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させるなど、戦略的な操作を行うことができるようにすることができる。
【0085】
4.本実施形態の処理の流れ
次に、本実施形態のゲーム装置10の処理の流れについて説明する。図9は、ゲーム装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すようにゲーム装置10は、まず、ゲームが開始されると、プレーヤバイク26としてプレーヤが選択可能な複数のバイクが並べられた車種選択画像を表示部16に表示させ(ステップS10)、プレーヤからいずれかのバイクをプレーヤバイク26として選択する操作を受け付ける(ステップS12)。するとゲーム装置10は、選択されたバイクの走行性能や特殊パラメータの更新態様などを規定する属性パラメータを、プレーヤバイク26の属性パラメータとして設定し(ステップS14)、設定した属性パラメータを用いてプレーヤバイク26を含む複数のバイクがレースを行うレース処理を実行する(ステップS16)。
【0086】
図10は、図9のステップS16のレース処理の流れの詳細を示すフローチャートである。図10に示すようにゲーム装置10は、まず、レースがスタートしたことをプレーヤに画像と音声で報知するとともに、経過時間の計測を開始するレーススタート処理を行う(ステップS20)。そしてゲーム装置10は、アクセルグリップ22を回転させる操作を検出すると(ステップS22でY)、プレーヤバイク26の走行性能に応じてプレーヤバイク26の加速度を増加させる(ステップS24)。一方、アクセルグリップ22を回転させる操作を検出しないと(ステップS22でN)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の加速度を減少させる(ステップS26)。
【0087】
またゲーム装置10は、筐体18を傾ける操作を検出すると(ステップS28でY)、筐体18を傾ける操作の操作量と操作方向とに応じてプレーヤバイク26の移動方向を制御する(ステップS30)。そして筐体18を傾ける操作の操作量が第2の範囲に達している場合には(ステップS32でY)、ゲーム装置10は、特殊パラメータを増加させて更新する(ステップS34)。一方、筐体18を傾ける操作を検出しない場合(ステップS28でN)、および筐体18を傾ける操作の操作量が第2の範囲に達していない場合には(ステップS32でN)、ゲーム装置10は、特殊パラメータを減少させて更新する(ステップS36)。
【0088】
そして特殊パラメータが第1のしきい値、第2のしきい値、最大値のいずれかに達しており(ステップS38でY)、筐体18が第1の範囲にある状態で2秒経過した場合には(ステップS40でY)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる(ステップS42)。そしてゲーム装置10は、記憶部50における特殊パラメータの値を初期値にリセットし(ステップS44)、特殊パラメータの増加量を決定する係数を増加させることにより特殊パラメータの増加率を上昇させる(ステップS46)。
【0089】
一方、特殊パラメータを減少させて更新した場合(ステップS36)、特殊パラメータが第1のしきい値に達していない場合(ステップS38でN)、筐体18が第1の範囲にある状態で2秒経過しない場合(ステップS40でN)には、ゲーム装置10は、そのまま次のステップに移行する。
【0090】
そして、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている場合であって(ステップS48でY)、特殊性能に変化させてから所定の期間が経過すると(ステップS50でY)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を通常性能に復帰させる(ステップS52)。一方、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させていない場合(ステップS48でN)、または特殊性能に変化させてから所定の期間が経過していない場合には(ステップS50でN)、ゲーム装置10は、そのまま次のステップに移行する。
【0091】
そして、プレーヤバイク26がゴールに到達しない場合であってレースの制限時間が経過していない場合には(ステップS54でN)、ゲーム装置10は、ステップS22からステップS54までの処理を繰り返す。一方、プレーヤバイク26がゴールに到達したか、レースの制限時間が経過した場合には(ステップS54でY)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の順位を決定し、プレーヤの成績を表示部16に表示させ(ステップS56)、ゲームを終了させる。
【0092】
5.ハードウェア構成
図11に本実施形態を実現できるハードウェア構成の例を示す。メインプロセッサ900は、メモリカード982に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介してダウンロードされたプログラム、或いはROM950に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などを実行する。コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えばオブジェクトを移動させたり動作(モーション)させる物理シミュレーションに、マトリクス演算処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
【0093】
ジオメトリプロセッサ904は、メインプロセッサ900上で動作するプログラムからの指示に基づいて、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、マトリクス演算を高速に実行する。データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データのデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする。これにより、オープニング画面やゲーム画面において、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できる。
【0094】
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を実行する。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970を利用して、描画データを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると描画プロセッサ910は、描画データやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した隠面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に描画する。また描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処理なども行う。1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれるとその画像はディスプレイ912に表示される。
【0095】
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、楽曲音、BGM、効果音、音声などのゲーム音を生成し、スピーカ932を介して出力する。
【0096】
ゲームコントローラ942やメモリカード944からのデータは、シリアルインターフェース940を介して入力される。
【0097】
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。業務用ゲームシステムの場合にはROM950が情報記憶媒体40として機能し、ROM950に各種プログラムが格納される。なおROM950の代わりにハードディスクを利用してもよい。RAM960は各種プロセッサの作業領域となる。DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ間でのDMA転送を制御する。コネクタ980は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるメモリカード982にアクセスする。通信インターフェース990はネットワーク(通信回線、高速シリアルバス)を介して外部との間でデータ転送を行う。
【0098】
なお本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体40に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0099】
そして本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体40には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930は、その指示と渡されたデータとに基づいて本発明の各部の処理を実現する。
【0100】
6.変形例
なお、本発明は、上述した実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0101】
例えば上述した実施形態では、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた場合に、記憶部50において特殊パラメータを初期値にリセットする例を挙げて説明したが、これに限られず、記憶部50において特殊パラメータを初期値にリセットせずに減少させて更新する(第2の態様で更新することの一例)とともに、特殊パラメータの値に応じて特殊パラメータゲージ200において赤色領域202を減少させる表示制御を行うようにしてもよい。
【0102】
また上述した実施形態では、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた際に、特殊パラメータが第1の値に達した状態であった場合と、第2の値に達した状態であった場合とで、走行性能の変化期間が異なる例を挙げて説明したが、これに限られず、ゲーム装置10は、特殊パラメータが第1の値に達した状態でプレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると、プレーヤバイク26の走行性能を相対的に低い変化率で特殊性能に変化させ、特殊パラメータが第2の値に達した状態でプレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると、プレーヤバイク26の走行性能を相対的に高い変化率で特殊性能に変化させるようにしてもよい。この場合には、特殊パラメータが最大値に達した状態でプレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると、プレーヤバイク26の走行性能を最も高い変化率で特殊性能に変化させるようにしてもよい。更に、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた際に、特殊パラメータが第1の値に達した状態であった場合と、第2の値に達した状態であった場合とで、走行性能の変化期間と走行性能の変化率の双方が異なるようにしてもよい。
【0103】
また上述した実施形態では、バイク型操作部12は、筐体18に跨ったプレーヤが筐体18を筐体18の基準位置から左右方向に傾ける操作(第1の操作の一例)を行うことができるようになっている例を挙げて説明したが、これに限られず、バイク型操作部12は、プレーヤがハンドル20(図1参照)をハンドル20の基準位置から左右方向に回転させる操作(第2の操作の一例)を行うことができるようにしてもよい。
【0104】
この場合には第1の検出部30は、プレーヤがハンドル20をハンドル20の基準位置から左右方向に回転させる操作の量であるハンドル20の操作量を検出するものとすることができ、その機能は、例えば回転角度に応じた電圧を出力する可変抵抗器などにより実現できる。具体的には第1の検出部30は、ハンドル20の筐体18に対する回転角度(操作量の一例)を検出する。
【0105】
そしてこの場合には、表示制御部104は、ハンドル20の操作量に応じてプレーヤバイク26が移動方向を変化させる様子を示す画像を表示するための制御を行う。そして移動体制御部106は、ハンドル20の操作量に基づいてプレーヤバイク26の移動方向を制御し、特殊パラメータ更新部108は、ハンドル20の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、プレーヤバイク26の特殊パラメータを増加させて更新する。
【0106】
ここでこの場合には、特殊パラメータ更新部108は、ハンドル20の操作量に基づいて、ハンドル20がその基準位置を中心とする第1の範囲にあるか、第1の範囲以外の第2の範囲にあるかを判別し、ハンドル20が第2の範囲にある場合に特殊パラメータを増加させて更新するようにしてもよい。そして特殊パラメータ更新部108は、ハンドル20が第2の範囲にある場合に、ハンドル20の基準位置からの操作量が多いほど特殊パラメータの増加率を高くして、特殊パラメータを増加させて更新するようにしてもよい。一方で特殊パラメータ更新部108は、ハンドル20が第1の範囲にある場合に、特殊パラメータを減少させて更新するようにしてもよい。
【0107】
そしてこの場合には、走行性能変更部110は、特殊パラメータが所与のしきい値に達し、かつハンドル20が第1の範囲にある状態で所与の期間が経過した場合に、プレーヤ移動体の走行性能を特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、仮想的な移動体としてバイクを操作するレースゲームを例にとり説明したが、これに限られず、船舶、飛行機、宇宙船などの各種の移動体を操作する各種のゲームに適用可能である。
【0109】
また、本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ等の種々の形態のゲームシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施形態のゲーム装置の外観を示す斜視図。
【図2】本実施形態のゲーム装置の操作部を示す正面図。
【図3】本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図。
【図4】本実施形態の手法を説明するための図。
【図5(A)】本実施形態の手法を説明するための図。
【図5(B)】本実施形態の手法を説明するための図。
【図6】本実施形態の手法を説明するための図。
【図7】本実施形態の手法を説明するための図。
【図8】本実施形態の手法を説明するための図。
【図9】本実施形態の具体的な処理例を示すフローチャート。
【図10】本実施形態の具体的な処理例を示すフローチャート。
【図11】本実施形態のゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0111】
10 ゲーム装置、12 バイク型操作部、14 基台、16 表示部、18 筐体、20 ハンドル、
22 アクセルグリップ、24 回転軸、26 プレーヤバイク、30 第1の検出部、
32 第2の検出部、34 音出力部、40 情報記憶媒体、50 記憶部、60 通信部、
102 ゲーム処理部、104 表示制御部、106 移動体制御部、108 特殊パラメータ更新部、
110 走行性能変更部、120 描画部、130 音生成部、200 特殊パラメータゲージ、
202 赤色領域、204 演出画像、206 青色領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示部に表示される画像において仮想的な移動体を移動させるゲーム装置が知られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとして人気が高い。そしてかかるゲーム装置の中には、現実の移動体の操作部を模した形状を有する操作部を備え、プレーヤにこのような操作部に対して操作を行わせることによって、より仮想現実感を高めたものが存在する。例えば仮想的な移動体として仮想的なバイクを移動させるゲーム装置の中には、現実のバイクのように、プレーヤが跨ることができる筐体とプレーヤが手で把持することができる把持部とを有する操作部を備え、プレーヤが筐体を左右方向に傾けることによりまたはプレーヤが把持部を左右方向に回転させることにより、仮想的な移動体の移動方向を制御するものが存在する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−360935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなゲーム装置では、プレーヤが筐体を左右方向に傾ける操作またはプレーヤが把持部を左右方向に回転させる操作を行っているときに、プレーヤの仮想現実感や楽しさが高まる場合が多い。しかしながら、上述した従来のゲーム装置では、効率よく移動体を移動させるためにコースに沿って移動体の移動方向を操作することが通常であり、プレーヤが上述したような操作を行う場面は、コース上に設けられたカーブを移動体が通過する場面などに限られていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレーヤが筐体を左右方向に傾ける操作、またはプレーヤが把持部を左右方向に回転させる操作を行うための動機付けをプレーヤに与えることにより、プレーヤがかかる操作を行う機会を増加させることができるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、
仮想的な移動体をコース上で移動させるゲーム装置であって、
画像を表示する表示部と、
プレーヤが跨ることができる筐体とプレーヤが手で把持することができる把持部とを有し、プレーヤが前記筐体を前記筐体の基準位置から左右方向に傾ける第1の操作またはプレーヤが前記把持部を前記把持部の基準位置から左右方向に回転させる第2の操作を行うことができる第1の操作部と、
前記第1の操作部に設けられ、プレーヤが第3の操作を行うことができる第2の操作部と、
前記第1の操作または前記第2の操作の量である前記第1の操作部の操作量を検出する第1の検出部と、
前記第3の操作を検出する第2の検出部と、
前記第1の操作部の操作量に基づいて前記移動体の移動方向を制御し、前記第2の検出部の検出結果と前記移動体に設定される走行性能とに基づいて前記移動体の移動量を制御する移動体制御部と、
前記第1の操作部の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、前記移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させる走行性能変更部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置に関係する。
【0006】
ここで「走行性能」とは、移動体の加速度、移動速度、最高速度、タイヤのグリップ力、移動体の耐久力、移動体の耐衝撃力等を意味し、「走行性能を変化させる」とは、加速度、移動速度、最高速度、タイヤのグリップ力、移動体の耐久力、移動体の耐衝撃力等を決定する演算係数を変更することの他に、変化前の加速度、移動速度、最高速度、タイヤのグリップ力、移動体の耐久力、移動体の耐衝撃力等に対して任意の値を加算あるいは減算することなども含まれる。
【0007】
本発明では、第1の操作部の操作量に基づいて移動体の移動方向が制御されるとともに、第1の操作部の操作量と操作時間とに基づいて移動体の走行性能が特殊性能に変化する。従って本発明によれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤが第1の操作部の操作を行う機会を増加させることができる。
【0008】
(2)また本発明は、
前記第1の操作部の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、前記移動体の特殊パラメータを前記特殊パラメータの初期値から遠ざける第1の態様で更新する特殊パラメータ更新部と、
前記移動体の移動状況を示す画像と、前記特殊パラメータの更新状況を示す画像とを、前記表示部に表示させる表示制御部とを更に備え、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが前記第1の態様で更新されることにより所与のしきい値に達した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0009】
ここで「特殊パラメータを初期値から遠ざける第1の態様で更新する」とは、初期値が最小値である場合には「増加させて更新する」ものとすることができ、初期値が最大値である場合には「減少させて更新する」ものとすることができる。
【0010】
このようにすれば、第1の操作部の操作量と操作時間とに基づいて更新される特殊パラメータの更新状況を、プレーヤに認知させることができる。
【0011】
(3)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部の操作量に基づいて、前記第1の操作部が前記基準位置を中心とする第1の範囲にあるか前記第1の範囲以外の第2の範囲にあるかを判別し、前記第1の操作部が前記第2の範囲にある場合に前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新するようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤに第1の操作部を第1の範囲よりも基準位置から遠い第2の範囲まで操作させるようにすることができる。
【0013】
(4)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部が前記第2の範囲にある場合に、前記第1の操作部の前記基準位置からの操作量が多いほど前記特殊パラメータの変化率を高くして、前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新するようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤに第1の操作部を、その操作量がより多くなるように操作させるようにすることができる。
【0015】
(5)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部が前記第1の範囲にある場合に、前記特殊パラメータを前記初期値に近づける第2の態様で更新するようにしてもよい。
【0016】
ここで「初期値に近づける第2の態様で更新する」とは、初期値が最小値である場合には「減少させて更新する」ものとすることができ、初期値が最大値である場合には「増加させて更新する」ものとすることができる。
【0017】
このようにすれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤに第1の操作部を第2の範囲まで操作することを継続させる、あるいは連続的に行わせるようにすることができる。
【0018】
(6)また本発明は、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが第1のしきい値に達し、かつ所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に短い期間が経過するまで前記特殊性能に変化させ、前記特殊パラメータが前記第1のしきい値よりも前記初期値から遠い第2のしきい値に達し、かつ前記所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に長い期間が経過するまで前記特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0019】
このようにすれば、特殊パラメータが第1のしきい値に達してから第2のしきい値に達する前に所与の条件が満たされた場合と、特殊パラメータが第2のしきい値に達してから所与の条件が満たされた場合との間で、走行性能が変化する期間に差を設けることができる。
【0020】
(7)また本発明は、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが第1のしきい値に達し、かつ所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に低い変化率で前記特殊性能に変化させ、前記特殊パラメータが前記第1のしきい値よりも前記初期値から遠い第2のしきい値に達し、かつ前記所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に高い変化率で前記特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0021】
このようにすれば、特殊パラメータが第1のしきい値に達してから第2のしきい値に達する前に所与の条件が満たされた場合と、特殊パラメータが第2のしきい値に達してから所与の条件が満たされた場合との間で、走行性能の変化率に差を設けることができる。
【0022】
(8)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記特殊パラメータが前記第1のしきい値に達した場合に、前記特殊パラメータを前記第1のしきい値よりも前記初期値に近い値に更新しない処理を行い、前記特殊パラメータが前記第2のしきい値に達した場合に、前記特殊パラメータを前記第2のしきい値よりも前記初期値に近い値に更新しない処理を行うようにしてもよい。
【0023】
このようにすれば、特殊パラメータが第1のしきい値に達すると、プレーヤが第1の操作部を第2の範囲まで操作することを継続しなくても、あるいは連続的に行わなくても、特殊パラメータが第1のしきい値に達したことが維持され、特殊パラメータが第2のしきい値に達すると、プレーヤが第1の操作部を第2の範囲まで操作することを継続しなくても、あるいは連続的に行わなくても、特殊パラメータが第2のしきい値に達したことが維持されるようにすることができる。
【0024】
(9)また本発明は、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記走行性能変更部が前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた場合に、前記特殊パラメータを前記第2の態様で更新してから、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させていない場合よりも前記特殊パラメータの変化率を高くして、前記第1の操作部の操作量と操作時間とに基づいて前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新し、
前記走行性能変更部は、
前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能に復帰させるようにしてもよい。
【0025】
このようにすれば、特殊パラメータの変化率を高くすることにより、移動体の走行性能を特殊性能に変化させている場合においても、プレーヤに第1の操作部を第2の範囲まで操作させるようにすることができるとともに、第2の態様で更新された特殊パラメータを第1の態様で効率的に更新することにより、連続的に移動体の走行性能を特殊性能に変化させるようにすることができる。
【0026】
(10)また本発明は、
前記表示制御部は、
前記走行性能変更部が前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた場合に、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像を前記表示部に表示させ、
前記走行性能変更部は、
前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能に復帰させるようにしてもよい。
【0027】
このようにすれば、移動体の走行性能が通常性能に復帰されるまでの期間を、プレーヤに視覚的に認識させることができる。
【0028】
(11)また本発明は、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが所与のしきい値に達し、かつ前記第1の操作部が前記第1の範囲にある状態で所与の期間が経過した場合に、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0029】
このようにすれば、移動体の走行性能を特殊性能に変化させるための操作部として第1の操作部とは別の操作部を設ける必要がなく、例えば、プレーヤが移動体の走行性能を特殊性能に変化させるための操作方法を知らなかったとしても、ゲームにおける操作の中で移動体の走行性能を特殊性能に変化させるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0031】
1.外観構成
図1は、本実施形態のゲーム装置10の外観を示す斜視図である。図1に示すようにゲーム装置10は、現実のバイク(移動体の一例)の一部を模した形状を有するバイク型操作部12(第1の操作部の一例)と、バイク型操作部12を支持する基台14と、バイク型操作部12に跨ったプレーヤの前方に配置される表示部16とを備えている。そしてゲーム装置10は、複数の仮想的なバイクを仮想的なコース上で移動させて順位やタイムなどを競うレースゲームを行うものである。
【0032】
バイク型操作部12は、プレーヤが跨ることができる筐体18と、筐体18に跨ったプレーヤが手で把持することができるハンドル20(把持部の一例)とを有する。そしてバイク型操作部12は、筐体18に跨ったプレーヤが筐体18を筐体18の基準位置から左右方向に傾ける操作(第1の操作の一例)を行うことができるようになっている。
【0033】
そしてバイク型操作部12のハンドル20の先端には、アクセルグリップ22(第2の操作部の一例)がハンドル20に対して所定の角度範囲で回転可能に取り付けられている。このアクセルグリップ22は、プレーヤが手でアクセルグリップ22をハンドル20に対して回転させる操作(第3の操作の一例)を行うことができるようになっている。
【0034】
図2は、バイク型操作部12の正面図である。図2に示すようにバイク型操作部12は、筐体18の下方に設けられた回転軸24を介して基台14に取り付けられており、筐体18が基台14に対して垂直となる基準位置から、回転軸24を中心に基台14に対して左右方向に回転可能となっている。これによりプレーヤは、筐体18に跨って左右方向に体重移動を行うことにより、筐体18を基準位置から左右方向に傾ける操作を行うことができる。
【0035】
なお本実施形態のバイク型操作部12は、筐体18が基準位置から左右方向に傾けられると筐体18が基準位置に復帰するように、図示しないバネによって付勢されている。従って本実施形態のバイク型操作部12では、プレーヤは傾けられた筐体18を基準位置に力を要さずに復帰させることができ、例えば筐体18を左右方向に連続的に倒すような操作を容易に行うことができる。
【0036】
そして図1に示すように、表示部16は、プレーヤが操作するプレーヤバイク26を後方から見た画像を表示する。そして、プレーヤがアクセルグリップ22をハンドル20に対して回転させる操作を行うと、プレーヤバイク26がコース上を前方に進んでいるような画像(移動体の移動状況を示す画像の一例)を表示する。また、プレーヤが筐体18を基準位置から左右方向に傾ける操作を行うと、筐体18が傾けられた方向と同じ方向にプレーヤバイク26が傾くとともに、筐体18が傾けられた方向にプレーヤバイク26が曲がるような画像(移動体の移動状況を示す画像の一例)を表示する。
【0037】
こうして本実施形態のゲーム装置10は、プレーヤに現実のバイクを運転するときと同じような操作をバイク型操作部12に対して行わせ、バイク型操作部12の操作に応じてプレーヤバイク26の移動状況を示す画像を表示することによって、プレーヤの仮想現実感を高めている。
【0038】
2.機能ブロック
図3は、本実施形態のゲーム装置10の機能を示すブロック図である。なお、図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0039】
第1の検出部30は、プレーヤが筐体18(図1参照)を筐体18の基準位置から左右方向に傾ける操作の量である筐体18の操作量を検出するものであり、その機能は、例えば回転角度に応じた電圧を出力する可変抵抗器などにより実現できる。具体的には第1の検出部30は、筐体18の基台14(図1参照)に対する回転角度(操作量の一例)を検出する。
【0040】
第2の検出部32は、プレーヤが手でアクセルグリップ22(図1参照)をハンドル20(図1参照)に対して回転させる操作の量であるアクセルグリップ22の操作量を検出するものであり、その機能は、例えば可変抵抗器などにより実現できる。具体的には第2の検出部32は、アクセルグリップ22のハンドル20に対する回転角度(操作量の一例)を検出する。
【0041】
表示部16は、画像を表示出力するものであり、その機能は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどにより実現できる。具体的には表示部16は、移動体(バイクなど)の移動状況を示す画像、特殊パラメータの更新状況を示す画像、移動体の走行性能を特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像などを表示する。
【0042】
音出力部34は、音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、ヘッドフォンなどにより実現できる。
【0043】
情報記憶媒体40(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0044】
この情報記憶媒体40には、処理部100において種々の処理を行うためのプログラムやデータが記憶されている。即ち、この情報記憶媒体40には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶されている。
【0045】
また情報記憶媒体40には、移動体やコースなどのオブジェクト(表示物)のモデルデータや、移動体の属性パラメータなどの各種データが格納されている。
【0046】
記憶部50は、処理部100や通信部60などのワーク領域となるもので、その機能はRAMやVRAMなどにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部50は、処理部100のワーク領域として使用される主記憶部51と、表示部16に表示させる画像が描画される描画バッファ52と、オブジェクトのモデルデータが読み込まれるオブジェクトデータ記憶部53と、を含む。
【0047】
通信部60は、外部(例えばサーバや他の携帯端末)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用の集積回路(ASIC)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0048】
なお、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバ)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部60を介して情報記憶媒体40(記憶部50)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバ)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0049】
処理部100(プロセッサ)は、第1の検出部30や第2の検出部32からの検出データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理などの処理を行う。この処理部100は、記憶部50をワーク領域として各種処理を行い、その機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、各種集積回路(IC、ASIC)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0050】
特に、本実施形態の処理部100は、ゲーム処理部102、表示制御部104、移動体制御部106、特殊パラメータ更新部108、走行性能変更部110、描画部120、音生成部130を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0051】
ゲーム処理部102は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、移動体やコースなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などを行う。特に本実施形態では、レースゲームの進行を制御する処理として、移動体がオブジェクト空間(ゲーム空間)に設定されたコースを周回するタイムを複数の移動体について計測しており、各移動体のタイムを比較判定して各移動体の順位を決定する処理を行っている。
【0052】
表示制御部104は、表示部16に表示される画像(オブジェクト画像)の表示制御を行う。具体的には、表示すべきオブジェクト(移動体、コース、建物、樹木、柱、壁、マップ)を発生させたり、オブジェクトの表示や表示位置を指示したり、オブジェクトを消滅させたりするなどの表示制御を行う。即ち発生したオブジェクトをオブジェクトリストに登録したり、オブジェクトリストを描画部120等に転送したり、消滅したオブジェクトをオブジェクトリストから削除したりするなどの表示制御を行う。
【0053】
また表示制御部104は、プレーヤの入力情報等により、プレーヤ移動体(プレーヤの操作対象となる移動体)やオブジェクトの移動や動作が発生した場合に、発生した移動や動作の様子を示す画像を表示部16に表示するための制御を行う。詳細には表示制御部104は、筐体18の操作量に応じてプレーヤバイク26(図1参照)が傾く様子を示す画像を表示するための制御を行う。
【0054】
特に本実施形態のゲームシステムでは、ゲーム空間を3次元のオブジェクト空間によって設定するようになっており、表示制御部104は、オブジェクト空間設定処理、仮想カメラ制御処理なども行う。
【0055】
オブジェクト空間設定処理では、移動体、コース、建物、樹木、柱、壁、マップなどの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0056】
仮想カメラ制御処理では、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置、視線方向あるいは画角を制御する処理)を行う。
【0057】
例えば仮想カメラによりプレーヤ移動体を後方から撮影する場合には、プレーヤ移動体の位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。この場合には、後述する移動体制御部106で求められたプレーヤ移動体の位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
【0058】
移動体制御部106は、移動体の移動・動作演算(移動・動作シミュレーション)を行う。すなわち操作部によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、移動体をオブジェクト空間内で移動させたり、移動体を動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。具体的には、移動体の移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(移動体を構成する各パーツの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、移動体の移動・動作処理(シミュレーション処理)や描画処理を行う時間の単位である。
【0059】
特に本実施形態では、移動体制御部106が、移動体毎に設定される走行性能に基づいてオブジェクト空間(ゲーム空間)において移動体を移動させる制御を行う。具体的には、第1の検出部30や第2の検出部32からの検出データやプログラムに基づいて移動体を移動させる制御を開始し、移動体毎に設定される走行性能である加速係数に基づいてフレーム単位での移動量(移動体の移動速度)を算出するとともにフレーム単位での移動体の回転量(移動体の回転速度)を算出して移動体の座標変換マトリクスMを求める。
【0060】
詳細には移動体制御部106は、筐体18の操作量に基づいてプレーヤ移動体の移動方向を制御し、アクセルグリップ22の操作量(第2の検出部32の検出結果の一例)とプレーヤ移動体に設定される走行性能とに基づいてプレーヤ移動体の移動量を制御する。なお各移動体には、走行性能として移動速度の上限値である最高速度も設定されており、移動体のフレーム単位での移動量は、移動体毎の最高速度によってリミットされる。そして第K−1のフレームでの移動体の頂点座標PK−1に座標変換マトリクスMを乗算して第Kのフレームでの移動体の頂点座標PK(=PK−1×M)を求めている。
【0061】
特殊パラメータ更新部108は、移動体の走行性能を特殊性能に変化させるための特殊パラメータを更新する。具体的には特殊パラメータ更新部108は、筐体18の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、プレーヤ移動体の特殊パラメータを増加させて(第1の態様の一例)更新する。
【0062】
ここで特殊パラメータ更新部108は、筐体18の操作量に基づいて、筐体18がその基準位置を中心とする第1の範囲にあるか、第1の範囲以外の第2の範囲にあるかを判別し、筐体18が第2の範囲にある場合に特殊パラメータを増加させて更新するようにしてもよい。そして特殊パラメータ更新部108は、筐体18が第2の範囲にある場合に、筐体18の基準位置からの操作量が多いほど特殊パラメータの増加率(変化率の一例)を高くして、特殊パラメータを増加させて更新するようにしてもよい。具体的には特殊パラメータ更新部108は、筐体18の基準位置からの操作量が多いほど特殊パラメータの加算値に乗算する所定の係数(1以上の任意の値)を大きくすることにより、特殊パラメータの増加量が大きくなるようにしてもよい。一方で特殊パラメータ更新部108は、筐体18が第1の範囲にある場合に、特殊パラメータを減少させて(第2の態様の一例)更新するようにしてもよい。
【0063】
走行性能変更部110は、特殊パラメータが増加されて更新されることにより所与のしきい値に達した場合に、移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させる。具体的には走行性能変更部110は、移動体の加速係数に所定の係数(1以上の任意の値)を乗算することで、移動体が急加速できる状態に走行性能を変化させる。また走行性能変更部110は、加速係数を変化させるばかりではなく、移動体の移動速度の上限を定める最高速度も上昇させるようにしてもよい。
【0064】
ここで走行性能変更部110は、特殊パラメータが所与のしきい値に達し、かつ筐体18が第1の範囲にある状態で所与の期間が経過した場合に、移動体の走行性能を特殊性能に変化させるようにしてもよい。また走行性能変更部110は、移動体の走行性能を特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、移動体の走行性能を通常性能に復帰させるようにしてもよい。
【0065】
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)に基づいて画像を描画する処理を行い、描画した画像を表示部16に出力するものであり、その機能は、描画プロセッサ(GPU)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。ここで描画部120が描画する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。具体的には描画部120は、表示制御部104により転送されたオブジェクトリストに応じたオブジェクトをオブジェクトデータ記憶部53などから読み出し、ピクセル単位で画像情報を記憶できる描画バッファ52(フレームバッファあるいは中間バッファなどのバッファ。VRAM。)にオブジェクトを描画する。
【0066】
いわゆる3次元ゲーム画像を生成する場合には、まず表示物(オブジェクト、モデル)を定義する各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含む表示物データ(オブジェクトデータ、モデルデータ)が入力され、入力された表示物データに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理が行われる。頂点処理では、頂点の移動処理や、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、あるいは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、表示物を構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(フラグメント処理)が行われる。ピクセル処理では、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を描画バッファ52に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。これにより、オブジェクト空間内に設定された仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。そして描画部120は、1フレーム(例えば1/60秒)ごとに画像情報を更新することにより、表示部16に動画像を表示させる。
【0067】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部34に出力する。
【0068】
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
【0069】
3.本実施形態の手法
本実施形態のゲーム装置10では、筐体18を傾ける操作の操作量に基づいてプレーヤバイク26の移動方向が制御されるとともに、筐体18を傾ける操作の操作量と操作時間とに基づいて特殊パラメータが更新され、特殊パラメータが所与のしきい値に達すると、プレーヤ移動体の走行性能が特殊性能に変化するという手法を採用する。従って本実施形態のゲーム装置10によれば、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤが筐体18を傾ける操作を行う機会を増加させることができる。以下では、本実施形態のゲーム装置10の手法について詳細に説明する。
【0070】
図4(A)、図4(B)は、筐体18の操作量と、表示部16に表示される画像と、記憶部50において更新される特殊パラメータとの関係を示す図である。
【0071】
図4(A)に示すように、本実施形態のゲーム装置10は、筐体18の操作量を検出すると、検出した操作量に応じてプレーヤバイク26が傾くとともにプレーヤバイク26の移動方向が変化する様子を示す画像を表示部16に表示させる。そしてプレーヤによって筐体18が、筐体18の基準位置を中心とする第1の範囲を越えて右方向の第2の範囲、または左方向の第2の範囲まで傾けられると、ゲーム装置10は、筐体18が第2の範囲まで傾けられている間、記憶部50において特殊パラメータの値を増加させて更新する。するとゲーム装置10は、表示部16に特殊パラメータゲージ200を表示させ、記憶部50における特殊パラメータの値の増加に応じて、特殊パラメータゲージ200において赤色に着色された赤色領域202(特殊パラメータの更新状況を示す画像の一例)を増加させる表示制御を行う。
【0072】
ここでゲーム装置10は、筐体18が第2の範囲にある場合に、筐体18の基準位置からの操作量が多いほど特殊パラメータの増加率を高くして、特殊パラメータを増加させて更新する。すなわちプレーヤが筐体18を大きく傾けるほど、特殊パラメータが速く増加する。
【0073】
一方、図4(B)に示すように、ゲーム装置10は、筐体18が第1の範囲にある場合に、記憶部50において特殊パラメータを減少させて更新するとともに、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202を減少させる表示制御を行う。なおゲーム装置10は、特殊パラメータを減少させる際には一定の減少率で減少させる。すなわちプレーヤが筐体18を傾けない、あるいはあまり傾けない場合には、特殊パラメータが一定の速さで減少する。
【0074】
ここで特殊パラメータが減少する速さは、特殊パラメータが増加する速さよりも遅くなるように設定されている。従って、プレーヤが筐体18を右方向の第2の範囲まで傾ける操作と左方向の第2の範囲まで傾ける操作とを交互に連続して行う際に、筐体18が一方の第2の範囲から他方の第2の範囲に移行する間の短い期間に筐体18が第1の範囲にあることとなっても、プレーヤは特殊パラメータを増加させることができる。
【0075】
そしてプレーヤが、筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を継続する、あるいは筐体18を左右方向に傾ける操作を交互に連続して行うと、図5(A)に示すように、記憶部50において特殊パラメータが最大値(所与のしきい値の一例)に達するとともに、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202も最大値に達する。するとゲーム装置10は、特殊パラメータの値を最大値で維持し、筐体18の操作に関わらず特殊パラメータがそれ以上変化しないようにする。そしてこの状態で、プレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間(所与の期間の一例)維持すると、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0076】
すると図5(B)に示すように、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の周囲に演出画像204を表示させ、通常性能では達することができない高い速度でプレーヤバイク26を移動させる。またゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させると、記憶部50において特殊パラメータを初期値である0にリセット(第2の態様で更新することの一例)する。そしてゲーム装置10は、予め設定されている期間で特殊パラメータゲージ200の赤色領域202が0になるように、赤色領域202を減少させる表示制御を行う。そして、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202が0になると、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を通常性能に復帰させる。すなわち特殊パラメータゲージ200の赤色領域202は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた場合には、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像として機能する。
【0077】
こうして本実施形態のゲーム装置10によれば、プレーヤバイクの走行性能を特殊性能に変化させることを動機付けとして、プレーヤが筐体を第2の範囲まで傾ける操作を行う機会を増加させることができる。
【0078】
ここで図6に示すように、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている状態で、プレーヤが筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を行うと、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させていない状態よりも特殊パラメータの増加率を高くして、筐体18の操作量と操作時間とに基づいて特殊パラメータを増加させて更新する。すなわち、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている場合には、特殊パラメータが速く増加する。従ってプレーヤは、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている状態で、筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を継続する、あるいは筐体18を左右方向に傾ける操作を交互に連続して行うことにより、特殊パラメータを最大値まで素早く増加させることができ、連続的にプレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させるようにすることができる。
【0079】
なお、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている状態で特殊パラメータを増加させて更新する場合には、ゲーム装置10は、特殊パラメータゲージ200において、走行性能を特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像として機能する赤色領域202とプレーヤが区別できるように、特殊パラメータの更新状況を示す画像として青色に着色された青色領域206を、記憶部50における特殊パラメータの値の増加に応じて増加させる表示制御を行う。すなわち図6に示す状態では、ゲーム装置10は、赤色領域202を期間の経過に従って減少させるとともに、青色領域206を筐体18の操作量と操作時間とに応じて高い増加率で増加させる。
【0080】
また図7(A)に示すように、ゲーム装置10は、特殊パラメータがその最大値の3分の1の値である第1のしきい値に達した場合には、プレーヤが筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を行わなくても、特殊パラメータを第1のしきい値よりも減少させて更新しないようにしている。そしてこの状態で、プレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると(所与の条件が満たされることの一例)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0081】
すると図7(B)に示すように、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の周囲に演出画像204を表示させ、通常性能では達することができない高い速度でプレーヤバイク26を移動させる。そしてゲーム装置10は、特殊パラメータが最大値に達した場合の3分の1の期間で特殊パラメータゲージ200の赤色領域202が0になるように、赤色領域202を減少させる表示制御を行う。そして、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202が0になると、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を通常性能に復帰させる。すなわちゲーム装置10は、特殊パラメータが最大値に達した場合の3分の1の期間(相対的に短い期間の一例)が経過するまで、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0082】
また図8(A)に示すように、ゲーム装置10は、特殊パラメータがその最大値の3分の2の値である第2のしきい値に達した場合には、プレーヤが筐体18を第2の範囲まで傾ける操作を行わなくても、特殊パラメータを第2のしきい値よりも減少させて更新しないようにしている。そしてこの状態で、プレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると(所与の条件が満たされることの一例)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0083】
すると図8(B)に示すように、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の周囲に演出画像204を表示させ、通常性能では達することができない高い速度でプレーヤバイク26を移動させる。そしてゲーム装置10は、特殊パラメータが最大値に達した場合の3分の2の期間で特殊パラメータゲージ200の赤色領域202が0になるように、赤色領域202を減少させる表示制御を行う。そして、特殊パラメータゲージ200において赤色領域202が0になると、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を通常性能に復帰させる。すなわちゲーム装置10は、特殊パラメータが最大値に達した場合の3分の2の期間(相対的に長い期間の一例)が経過するまで、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる。
【0084】
従って本実施形態のゲーム装置10では、ゲームに不慣れなため特殊パラメータを最大値まで増加させることができないプレーヤであっても、段階的に設けられたしきい値まで特殊パラメータを増加させることにより、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させることができるようにすることができる。また本実施形態のゲーム装置10では、ゲームに慣れたプレーヤは、ストレートかカーブかなどのコース状況や、プレーヤバイク26と対戦相手のバイクとの位置関係などを考慮して、いずれの値まで特殊パラメータを増加させるかを調整することにより、その状況に最適な態様でプレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させるなど、戦略的な操作を行うことができるようにすることができる。
【0085】
4.本実施形態の処理の流れ
次に、本実施形態のゲーム装置10の処理の流れについて説明する。図9は、ゲーム装置10が行う処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すようにゲーム装置10は、まず、ゲームが開始されると、プレーヤバイク26としてプレーヤが選択可能な複数のバイクが並べられた車種選択画像を表示部16に表示させ(ステップS10)、プレーヤからいずれかのバイクをプレーヤバイク26として選択する操作を受け付ける(ステップS12)。するとゲーム装置10は、選択されたバイクの走行性能や特殊パラメータの更新態様などを規定する属性パラメータを、プレーヤバイク26の属性パラメータとして設定し(ステップS14)、設定した属性パラメータを用いてプレーヤバイク26を含む複数のバイクがレースを行うレース処理を実行する(ステップS16)。
【0086】
図10は、図9のステップS16のレース処理の流れの詳細を示すフローチャートである。図10に示すようにゲーム装置10は、まず、レースがスタートしたことをプレーヤに画像と音声で報知するとともに、経過時間の計測を開始するレーススタート処理を行う(ステップS20)。そしてゲーム装置10は、アクセルグリップ22を回転させる操作を検出すると(ステップS22でY)、プレーヤバイク26の走行性能に応じてプレーヤバイク26の加速度を増加させる(ステップS24)。一方、アクセルグリップ22を回転させる操作を検出しないと(ステップS22でN)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の加速度を減少させる(ステップS26)。
【0087】
またゲーム装置10は、筐体18を傾ける操作を検出すると(ステップS28でY)、筐体18を傾ける操作の操作量と操作方向とに応じてプレーヤバイク26の移動方向を制御する(ステップS30)。そして筐体18を傾ける操作の操作量が第2の範囲に達している場合には(ステップS32でY)、ゲーム装置10は、特殊パラメータを増加させて更新する(ステップS34)。一方、筐体18を傾ける操作を検出しない場合(ステップS28でN)、および筐体18を傾ける操作の操作量が第2の範囲に達していない場合には(ステップS32でN)、ゲーム装置10は、特殊パラメータを減少させて更新する(ステップS36)。
【0088】
そして特殊パラメータが第1のしきい値、第2のしきい値、最大値のいずれかに達しており(ステップS38でY)、筐体18が第1の範囲にある状態で2秒経過した場合には(ステップS40でY)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させる(ステップS42)。そしてゲーム装置10は、記憶部50における特殊パラメータの値を初期値にリセットし(ステップS44)、特殊パラメータの増加量を決定する係数を増加させることにより特殊パラメータの増加率を上昇させる(ステップS46)。
【0089】
一方、特殊パラメータを減少させて更新した場合(ステップS36)、特殊パラメータが第1のしきい値に達していない場合(ステップS38でN)、筐体18が第1の範囲にある状態で2秒経過しない場合(ステップS40でN)には、ゲーム装置10は、そのまま次のステップに移行する。
【0090】
そして、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させている場合であって(ステップS48でY)、特殊性能に変化させてから所定の期間が経過すると(ステップS50でY)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を通常性能に復帰させる(ステップS52)。一方、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させていない場合(ステップS48でN)、または特殊性能に変化させてから所定の期間が経過していない場合には(ステップS50でN)、ゲーム装置10は、そのまま次のステップに移行する。
【0091】
そして、プレーヤバイク26がゴールに到達しない場合であってレースの制限時間が経過していない場合には(ステップS54でN)、ゲーム装置10は、ステップS22からステップS54までの処理を繰り返す。一方、プレーヤバイク26がゴールに到達したか、レースの制限時間が経過した場合には(ステップS54でY)、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の順位を決定し、プレーヤの成績を表示部16に表示させ(ステップS56)、ゲームを終了させる。
【0092】
5.ハードウェア構成
図11に本実施形態を実現できるハードウェア構成の例を示す。メインプロセッサ900は、メモリカード982に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介してダウンロードされたプログラム、或いはROM950に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などを実行する。コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えばオブジェクトを移動させたり動作(モーション)させる物理シミュレーションに、マトリクス演算処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
【0093】
ジオメトリプロセッサ904は、メインプロセッサ900上で動作するプログラムからの指示に基づいて、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、マトリクス演算を高速に実行する。データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データのデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする。これにより、オープニング画面やゲーム画面において、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できる。
【0094】
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を実行する。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970を利用して、描画データを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると描画プロセッサ910は、描画データやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した隠面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に描画する。また描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処理なども行う。1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれるとその画像はディスプレイ912に表示される。
【0095】
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、楽曲音、BGM、効果音、音声などのゲーム音を生成し、スピーカ932を介して出力する。
【0096】
ゲームコントローラ942やメモリカード944からのデータは、シリアルインターフェース940を介して入力される。
【0097】
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。業務用ゲームシステムの場合にはROM950が情報記憶媒体40として機能し、ROM950に各種プログラムが格納される。なおROM950の代わりにハードディスクを利用してもよい。RAM960は各種プロセッサの作業領域となる。DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ間でのDMA転送を制御する。コネクタ980は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるメモリカード982にアクセスする。通信インターフェース990はネットワーク(通信回線、高速シリアルバス)を介して外部との間でデータ転送を行う。
【0098】
なお本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体40に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0099】
そして本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体40には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930は、その指示と渡されたデータとに基づいて本発明の各部の処理を実現する。
【0100】
6.変形例
なお、本発明は、上述した実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0101】
例えば上述した実施形態では、ゲーム装置10は、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた場合に、記憶部50において特殊パラメータを初期値にリセットする例を挙げて説明したが、これに限られず、記憶部50において特殊パラメータを初期値にリセットせずに減少させて更新する(第2の態様で更新することの一例)とともに、特殊パラメータの値に応じて特殊パラメータゲージ200において赤色領域202を減少させる表示制御を行うようにしてもよい。
【0102】
また上述した実施形態では、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた際に、特殊パラメータが第1の値に達した状態であった場合と、第2の値に達した状態であった場合とで、走行性能の変化期間が異なる例を挙げて説明したが、これに限られず、ゲーム装置10は、特殊パラメータが第1の値に達した状態でプレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると、プレーヤバイク26の走行性能を相対的に低い変化率で特殊性能に変化させ、特殊パラメータが第2の値に達した状態でプレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると、プレーヤバイク26の走行性能を相対的に高い変化率で特殊性能に変化させるようにしてもよい。この場合には、特殊パラメータが最大値に達した状態でプレーヤが筐体18を第1の範囲で2秒間維持すると、プレーヤバイク26の走行性能を最も高い変化率で特殊性能に変化させるようにしてもよい。更に、プレーヤバイク26の走行性能を特殊性能に変化させた際に、特殊パラメータが第1の値に達した状態であった場合と、第2の値に達した状態であった場合とで、走行性能の変化期間と走行性能の変化率の双方が異なるようにしてもよい。
【0103】
また上述した実施形態では、バイク型操作部12は、筐体18に跨ったプレーヤが筐体18を筐体18の基準位置から左右方向に傾ける操作(第1の操作の一例)を行うことができるようになっている例を挙げて説明したが、これに限られず、バイク型操作部12は、プレーヤがハンドル20(図1参照)をハンドル20の基準位置から左右方向に回転させる操作(第2の操作の一例)を行うことができるようにしてもよい。
【0104】
この場合には第1の検出部30は、プレーヤがハンドル20をハンドル20の基準位置から左右方向に回転させる操作の量であるハンドル20の操作量を検出するものとすることができ、その機能は、例えば回転角度に応じた電圧を出力する可変抵抗器などにより実現できる。具体的には第1の検出部30は、ハンドル20の筐体18に対する回転角度(操作量の一例)を検出する。
【0105】
そしてこの場合には、表示制御部104は、ハンドル20の操作量に応じてプレーヤバイク26が移動方向を変化させる様子を示す画像を表示するための制御を行う。そして移動体制御部106は、ハンドル20の操作量に基づいてプレーヤバイク26の移動方向を制御し、特殊パラメータ更新部108は、ハンドル20の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、プレーヤバイク26の特殊パラメータを増加させて更新する。
【0106】
ここでこの場合には、特殊パラメータ更新部108は、ハンドル20の操作量に基づいて、ハンドル20がその基準位置を中心とする第1の範囲にあるか、第1の範囲以外の第2の範囲にあるかを判別し、ハンドル20が第2の範囲にある場合に特殊パラメータを増加させて更新するようにしてもよい。そして特殊パラメータ更新部108は、ハンドル20が第2の範囲にある場合に、ハンドル20の基準位置からの操作量が多いほど特殊パラメータの増加率を高くして、特殊パラメータを増加させて更新するようにしてもよい。一方で特殊パラメータ更新部108は、ハンドル20が第1の範囲にある場合に、特殊パラメータを減少させて更新するようにしてもよい。
【0107】
そしてこの場合には、走行性能変更部110は、特殊パラメータが所与のしきい値に達し、かつハンドル20が第1の範囲にある状態で所与の期間が経過した場合に、プレーヤ移動体の走行性能を特殊性能に変化させるようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、仮想的な移動体としてバイクを操作するレースゲームを例にとり説明したが、これに限られず、船舶、飛行機、宇宙船などの各種の移動体を操作する各種のゲームに適用可能である。
【0109】
また、本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ等の種々の形態のゲームシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施形態のゲーム装置の外観を示す斜視図。
【図2】本実施形態のゲーム装置の操作部を示す正面図。
【図3】本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図。
【図4】本実施形態の手法を説明するための図。
【図5(A)】本実施形態の手法を説明するための図。
【図5(B)】本実施形態の手法を説明するための図。
【図6】本実施形態の手法を説明するための図。
【図7】本実施形態の手法を説明するための図。
【図8】本実施形態の手法を説明するための図。
【図9】本実施形態の具体的な処理例を示すフローチャート。
【図10】本実施形態の具体的な処理例を示すフローチャート。
【図11】本実施形態のゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0111】
10 ゲーム装置、12 バイク型操作部、14 基台、16 表示部、18 筐体、20 ハンドル、
22 アクセルグリップ、24 回転軸、26 プレーヤバイク、30 第1の検出部、
32 第2の検出部、34 音出力部、40 情報記憶媒体、50 記憶部、60 通信部、
102 ゲーム処理部、104 表示制御部、106 移動体制御部、108 特殊パラメータ更新部、
110 走行性能変更部、120 描画部、130 音生成部、200 特殊パラメータゲージ、
202 赤色領域、204 演出画像、206 青色領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想的な移動体をコース上で移動させるゲーム装置であって、
画像を表示する表示部と、
プレーヤが跨ることができる筐体とプレーヤが手で把持することができる把持部とを有し、プレーヤが前記筐体を前記筐体の基準位置から左右方向に傾ける第1の操作またはプレーヤが前記把持部を前記把持部の基準位置から左右方向に回転させる第2の操作を行うことができる第1の操作部と、
前記第1の操作部に設けられ、プレーヤが第3の操作を行うことができる第2の操作部と、
前記第1の操作または前記第2の操作の量である前記第1の操作部の操作量を検出する第1の検出部と、
前記第3の操作を検出する第2の検出部と、
前記第1の操作部の操作量に基づいて前記移動体の移動方向を制御し、前記第2の検出部の検出結果と前記移動体に設定される走行性能とに基づいて前記移動体の移動量を制御する移動体制御部と、
前記第1の操作部の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、前記移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させる走行性能変更部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の操作部の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、前記移動体の特殊パラメータを前記特殊パラメータの初期値から遠ざける第1の態様で更新する特殊パラメータ更新部と、
前記移動体の移動状況を示す画像と、前記特殊パラメータの更新状況を示す画像とを、前記表示部に表示させる表示制御部とを更に備え、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが前記第1の態様で更新されることにより所与のしきい値に達した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部の操作量に基づいて、前記第1の操作部が前記基準位置を中心とする第1の範囲にあるか前記第1の範囲以外の第2の範囲にあるかを判別し、前記第1の操作部が前記第2の範囲にある場合に前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部が前記第2の範囲にある場合に、前記第1の操作部の前記基準位置からの操作量が多いほど前記特殊パラメータの変化率を高くして、前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新することを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項3、4のいずれかにおいて、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部が前記第1の範囲にある場合に、前記特殊パラメータを前記初期値に近づける第2の態様で更新することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが第1のしきい値に達し、かつ所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に短い期間が経過するまで前記特殊性能に変化させ、前記特殊パラメータが前記第1のしきい値よりも前記初期値から遠い第2のしきい値に達し、かつ前記所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に長い期間が経過するまで前記特殊性能に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項5、6のいずれかにおいて、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが第1のしきい値に達し、かつ所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に低い変化率で前記特殊性能に変化させ、前記特殊パラメータが前記第1のしきい値よりも前記初期値から遠い第2のしきい値に達し、かつ前記所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に高い変化率で前記特殊性能に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項6、7のいずれかにおいて、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記特殊パラメータが前記第1のしきい値に達した場合に、前記特殊パラメータを前記第1のしきい値よりも前記初期値に近い値に更新しない処理を行い、前記特殊パラメータが前記第2のしきい値に達した場合に、前記特殊パラメータを前記第2のしきい値よりも前記初期値に近い値に更新しない処理を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項2〜7のいずれかにおいて、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記走行性能変更部が前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた場合に、前記特殊パラメータを前記第2の態様で更新してから、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させていない場合よりも前記特殊パラメータの変化率を高くして、前記第1の操作部の操作量と操作時間とに基づいて前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新し、
前記走行性能変更部は、
前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能に復帰させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
請求項2〜8のいずれかにおいて、
前記表示制御部は、
前記走行性能変更部が前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた場合に、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像を前記表示部に表示させ、
前記走行性能変更部は、
前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能に復帰させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項11】
請求項3〜9のいずれかにおいて、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが所与のしきい値に達し、かつ前記第1の操作部が前記第1の範囲にある状態で所与の期間が経過した場合に、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項1】
仮想的な移動体をコース上で移動させるゲーム装置であって、
画像を表示する表示部と、
プレーヤが跨ることができる筐体とプレーヤが手で把持することができる把持部とを有し、プレーヤが前記筐体を前記筐体の基準位置から左右方向に傾ける第1の操作またはプレーヤが前記把持部を前記把持部の基準位置から左右方向に回転させる第2の操作を行うことができる第1の操作部と、
前記第1の操作部に設けられ、プレーヤが第3の操作を行うことができる第2の操作部と、
前記第1の操作または前記第2の操作の量である前記第1の操作部の操作量を検出する第1の検出部と、
前記第3の操作を検出する第2の検出部と、
前記第1の操作部の操作量に基づいて前記移動体の移動方向を制御し、前記第2の検出部の検出結果と前記移動体に設定される走行性能とに基づいて前記移動体の移動量を制御する移動体制御部と、
前記第1の操作部の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、前記移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させる走行性能変更部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の操作部の操作量と当該操作量が検出された時間である操作時間とに基づいて、前記移動体の特殊パラメータを前記特殊パラメータの初期値から遠ざける第1の態様で更新する特殊パラメータ更新部と、
前記移動体の移動状況を示す画像と、前記特殊パラメータの更新状況を示す画像とを、前記表示部に表示させる表示制御部とを更に備え、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが前記第1の態様で更新されることにより所与のしきい値に達した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能よりも性能が高い特殊性能に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部の操作量に基づいて、前記第1の操作部が前記基準位置を中心とする第1の範囲にあるか前記第1の範囲以外の第2の範囲にあるかを判別し、前記第1の操作部が前記第2の範囲にある場合に前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部が前記第2の範囲にある場合に、前記第1の操作部の前記基準位置からの操作量が多いほど前記特殊パラメータの変化率を高くして、前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新することを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項3、4のいずれかにおいて、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記第1の操作部が前記第1の範囲にある場合に、前記特殊パラメータを前記初期値に近づける第2の態様で更新することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが第1のしきい値に達し、かつ所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に短い期間が経過するまで前記特殊性能に変化させ、前記特殊パラメータが前記第1のしきい値よりも前記初期値から遠い第2のしきい値に達し、かつ前記所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に長い期間が経過するまで前記特殊性能に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項5、6のいずれかにおいて、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが第1のしきい値に達し、かつ所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に低い変化率で前記特殊性能に変化させ、前記特殊パラメータが前記第1のしきい値よりも前記初期値から遠い第2のしきい値に達し、かつ前記所与の条件が満たされた場合に、前記移動体の走行性能を相対的に高い変化率で前記特殊性能に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項6、7のいずれかにおいて、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記特殊パラメータが前記第1のしきい値に達した場合に、前記特殊パラメータを前記第1のしきい値よりも前記初期値に近い値に更新しない処理を行い、前記特殊パラメータが前記第2のしきい値に達した場合に、前記特殊パラメータを前記第2のしきい値よりも前記初期値に近い値に更新しない処理を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項2〜7のいずれかにおいて、
前記特殊パラメータ更新部は、
前記走行性能変更部が前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた場合に、前記特殊パラメータを前記第2の態様で更新してから、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させていない場合よりも前記特殊パラメータの変化率を高くして、前記第1の操作部の操作量と操作時間とに基づいて前記特殊パラメータを前記第1の態様で更新し、
前記走行性能変更部は、
前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能に復帰させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
請求項2〜8のいずれかにおいて、
前記表示制御部は、
前記走行性能変更部が前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた場合に、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間を示す画像を前記表示部に表示させ、
前記走行性能変更部は、
前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させた状態が継続される期間が終了した場合に、前記移動体の走行性能を通常性能に復帰させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項11】
請求項3〜9のいずれかにおいて、
前記走行性能変更部は、
前記特殊パラメータが所与のしきい値に達し、かつ前記第1の操作部が前記第1の範囲にある状態で所与の期間が経過した場合に、前記移動体の走行性能を前記特殊性能に変化させることを特徴とするゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(A)】
【図5(B)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(A)】
【図5(B)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−213559(P2009−213559A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58126(P2008−58126)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】
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