説明

ゲーム装置

【課題】 新しい態様の表示処理を適用し、面白さを向上させ、対戦中の優劣を直感的に判断することのできるパズルゲームを提供する。
【解決手段】オブジェクト消去制御部113によって小ブロックが消去されると、消去された小ブロックの数に応じて、フィールド移動制御部114は、表示画面上でゲームフィールドの位置を移動させる。小ブロックが行われた方のゲームフィールドはゲーム終了判定ラインから遠ざかるように移動され、他方のゲームフィールドはゲーム終了判定ラインに近づくように移動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パズルゲームを実行するビデオゲーム装置、ビデオゲームプログラム及びビデオゲーム処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画面上に表示されたゲームフィールドに、複数の種類のブロックを出現させ、プレイヤの操作によりブロックを移動させ、消去条件を満足したブロックを消去するパズルゲームが知られている(特許文献1)。このようなパズルゲームでは、消去条件を満たさずゲームフィールド上に堆積されて表示されたブロック総体の高さが、ゲームフィールドの所定の位置に達すると負け、すなわち、ゲーム終了であると判定される。また、このようなパズルゲームでは、複数のゲームフィールドを表示画面上に表示し、複数のプレイヤがそれぞれのゲームフィールド内でブロックを移動・消去することにより対戦することもできる。このような対戦方式の場合、一方のゲームフィールドで所定の条件を満たすことにより、他方のゲームフィールドに新たなブロックを出現させることができる。プレイヤは、対戦相手のゲームフィールドにより多くのブロックを出現させて、自分より先に多くのブロックを堆積させることにより、ゲームに勝利することができる。
【特許文献1】特開2005−334451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来のパズルゲームは、単にゲームフィールド内にブロックを積み上げていくだけで、プレイヤにとっては単調であった。
【0004】
また、プレイヤは主に自分のゲームフィールドに出現するブロックに注視するため、対戦相手のゲームフィールド内のブロックの状態を把握しきれず、ゲーム途中で自分が相手に対して優勢なのか、または、劣勢なのかを判断することが難しかった。
【0005】
そこで、本発明は、新しい態様の表示処理を適用し、面白さを向上させたパズルゲームを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、対戦中の優劣を直感的に判断することのできるパズルゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるビデオゲーム装置は、少なくとも1つのプレイヤの操作を受け付けるための操作部及び少なくとも2つのゲームフィールドを表示するための表示部を備えるビデオゲーム装置であって、前記各ゲームフィールドの所定の位置からオブジェクトを順次出現させ表示するオブジェクト表示手段と、前記操作部への入力に基づいて、前記表示されたオブジェクトの位置を移動するオブジェクト移動手段と、前記オブジェクトのうち、所定の配置条件を満たしたオブジェクトを消去するオブジェクト消去手段と、前記ゲームフィールドのいずれかのゲームフィールド内において、消去されず残ったオブジェクトが前記表示部の所定の位置に設けられたラインを超えた場合に、ビデオゲームを終了させるゲーム終了制御手段と、前記少なくとも2つのゲームフィールドのうち、いずれかのゲームフィールドにおいて、前記オブジェクト消去手段によるオブジェクトの消去と関連づけられたフィールド移動条件を満たした場合に、少なくとも1つのゲームフィールドを前記ラインが存在する方向とは反対方向に移動するとともに、その他のゲームフィールドを前記ラインの存在する方向に移動するフィールド移動手段とを備える。
【0008】
すなわち、表示部に表示された少なくとも2つ以上のゲームフィールド内でオブジェクトを消去し、一方のゲームフィールドを、ゲーム終了を判定するためのラインの存在する方向に移動させるともに、他方のゲームフィールドをラインの存在する方向とは反対の方向に移動させることのできるオブジェクトゲームを提供することができる。通常、対戦型のパズルゲームでは、他のプレイヤに割り当てられたゲームフィールドの様子を伺っていると、自身のプレイがおろそかになるため、プレイヤは自分に割り当てられたゲームフィールドだけを直視し、他のプレイヤのゲームフィールドを見る余裕がない。そのため、プレイヤはゲームを優勢に進めているのか、又は劣勢なのかを客観的に把握しにくかった。しかし、このような構成とすることで、プレイヤが対戦中の優劣を直感的に判断することができるため、ゲームの面白さを向上させることができ、より白熱したゲーム展開を楽しむことができる。すなわち、より多くのオブジェクトを消去したゲームフィールドが、ゲームの終了を判定するためのラインから遠ざかるため、オブジェクトの消去数の差をもとにプレイヤ間での優性、劣勢の差をつけることができるだけでなく、プレイヤが自分に割り当てられたゲームフィールドを直視していても、ゲームが優勢又は劣勢のいずれで進行しているかについて容易且つ客観的に把握することが可能となり、より白熱したゲーム展開を進めることが可能となる。
【0009】
上記ビデオゲーム装置において、前記オブジェクト表示手段は、前記オブジェクトを複数の種類のオブジェクトに分けて表示し、前記オブジェクト消去手段は、少なくとも、所定数の同一種類のオブジェクトが連続して配置された場合に該連続して配置されたオブジェクトを消去する。
【0010】
すなわち、操作部への入力により、同種類のオブジェクトが連続して配置されるようにオブジェクト移動手段を機能させることで、ゲームフィールド内のオブジェクトを消去することができる。
【0011】
また、前記フィールド移動条件は、前記少なくとも2つのゲームフィールドのいずれかのゲームフィールド内で前記オブジェクト消去手段により前記オブジェクトが消去されることである。
【0012】
すなわち、少なくともいずれか1つのゲームフィールド内で所定の配置条件を満たしたオブジェクトが消去された場合、オブジェクトの消去が行われたゲームフィールドは、ビデオゲームの終了を判定するためのラインの存在する方向とは反対の方向に移動されるので、ビデオゲームの進行において優勢となる。また、同時に、他のゲームフィールドは、前記ラインの存在する方向に移動されるので、ビデオゲームの進行において劣勢となる。オブジェクトが消去されるごとにフィールドが移動されるための、オブジェクトの消去の状況に応じた、変化にとんだゲーム展開を楽しむことができる。
【0013】
また、前記フィールド移動手段は、前記オブジェクト消去手段により消去された前記オブジェクトの数に比例して、前記ゲームフィールドの移動する距離を増加させる。
【0014】
すなわち、ゲームフィールド内で消去されたオブジェクトの数が多いほど、該ゲームフィールドは、ビデオゲームの終了を判定するためのラインからより遠ざかるように移動される。また、同時に、他のゲームフィールドは、前記ラインの存在する方向により近付くように移動される。消去されるオブジェクトの数に応じてゲームフィールドが移動する距離が変わるため、プレイヤはゲームの状況に応じて、消去するオブジェクトの数やタイミングを図ることができ、より戦略的にゲームを実行することが可能となる。
【0015】
また、前記ビデオゲーム装置は、前記フィールド移動手段により移動された前記ゲームフィールドを、ゲーム開始時に前記ゲームフィールドが位置していた初期位置の方向に移動するフィールド再移動手段をさらに備える。
【0016】
すなわち、ゲームフィールドが前記フィールド移動手段によって前記ラインの存在する方向またはその反対方向に移動された後に、該ゲームフィールドを初期位置に戻るように再移動することができる。ゲームフィールドが初期位置に戻るように再移動されることで、一度劣勢となったプレイヤでも、ゲームが終了とならないように粘り強くプレイすることで、不利な状況を挽回することができ、より白熱したゲームを楽しむことができる。
【0017】
また、前記ビデオゲーム装置は、前記フィールド移動手段により前記ゲームフィールドが移動されてから所定の時間が経過するまでの時間を計時する計時手段を有し、前記フィールド再移動手段は、少なくとも、前記計時手段が前記フィールド移動手段により前記ゲームフィールドが移動されてから所定の時間を計時したときに、前記ゲームフィールドを前記初期位置の方向に所定の距離だけ移動させ、前記オブジェクト消去手段によって消去された前記オブジェクト数に比例して、前記計時手段が計時すべき所定の時間を減少させる。
【0018】
すなわち、前記ゲームフィールド内で消去されるオブジェクトの数が多いほど、前記フィールド移動手段によって移動されるゲームフィールドの移動距離は大きくなるが、前記フィールド再移動手段によって初期位置に方向に戻るまでの時間は短くなる。反対に、前記ゲームフィールド内で消去されるオブジェクトの数が少ないほど、前記フィールド移動手段によって移動されるゲームフィールドの移動距離は少なくなるが、前記フィールド再移動手段によって初期位置方向に戻るまでの時間は長くなる。消去されたオブジェクトの数が多く、ゲームフィールドの移動距離が大きい場合は短時間で初期位置まで戻ることができるため、劣勢となったプレイヤでも、ゲームが終了とならないように粘り強くプレイすることで、不利な状況を挽回することができ、より白熱したゲームを楽しむことができる。
【0019】
また、前記ゲームフィールドはプレイヤ毎に割り当てられ、前記オブジェクト移動手段は、プレイヤによる前記操作部への入力に基づいて、該プレイヤに割り当てられたゲームフィールド内に表示された前記オブジェクトを移動する。
【0020】
すなわち、前記少なくとも2つのゲームフィールドの各ゲームフィールド内に表示されるオブジェクトを各プレイヤが操作部への入力に基づいて移動させることにより、複数のプレイヤ間で対戦を行うことができる。
【0021】
本発明の第2の観点にかかるビデオゲームプログラムは、少なくとも1つのプレイヤの操作を受け付けるための操作部及び少なくとも2つのゲームフィールドを表示するための表示部を備えるビデオゲーム装置にゲームを実行させるビデオゲームプログラムであって、前記ビデオゲーム装置に、前記各ゲームフィールドの所定の位置からオブジェクトを順次出現させ表示するオブジェクト表示ステップと、前記操作部への入力に基づいて、前記表示されたオブジェクトの位置を移動するオブジェクト移動ステップと、前記オブジェクトのうち、所定の配置条件を満たしたオブジェクトを消去するオブジェクト消去ステップと、前記ゲームフィールドのいずれかのゲームフィールド内において、消去されず残ったオブジェクトが前記表示部の所定の位置に設けられたラインを超えた場合に、ビデオゲームを終了させるゲーム終了ステップと、前記少なくとも2つのゲームフィールドのうち、いずれかのゲームフィールドにおいて、前記オブジェクト消去ステップにおけるオブジェクトの消去と関連付けられたフィールド移動条件を満たした場合に、少なくとも1つのゲームフィールドを前記ラインが存在する方向とは反対方向に移動するとともに、その他のゲームフィールドを前記ラインの存在する方向に移動するフィールド移動ステップとを実行させる。
【0022】
本発明の第3の観点にかかるビデオゲーム処理方法は、少なくとも1つのプレイヤの操作を受け付けるための操作部及び少なくとも2つのゲームフィールドを表示するための表示部を備えるビデオゲーム装置におけるビデオゲーム処理方法であって、前記各ゲームフィールドの所定の位置からオブジェクトを順次出現させ表示するオブジェクト表示ステップと、前記操作部への入力に基づいて、前記表示されたオブジェクトの位置を移動するオブジェクト移動ステップと、前記オブジェクトのうち、所定の配置条件を満たしたオブジェクトを消去するオブジェクト消去ステップと、前記ゲームフィールドのいずれかのゲームフィールド内において、消去されず残ったオブジェクトが前記表示部の所定の位置に設けられたラインを超えた場合に、ビデオゲームを終了させるゲーム終了ステップと、前記少なくとも2つのゲームフィールドのうち、いずれかのゲームフィールドにおいて、前記オブジェクト消去ステップにおけるオブジェクトの消去と関連付けられたフィールド移動条件を満たした場合に、少なくとも1つのゲームフィールドを前記ラインが存在する方向とは反対方向に移動するとともに、その他のゲームフィールドを前記ラインの存在する方向に移動するフィールド移動ステップとを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、表示部に表示された複数のゲームフィールドに表示されるオブジェクトを移動させ所定の配置にすることにより該所定の配置となったオブジェクトを消去することができ、さらに、何れか1つのゲームフィールド内でオブジェクトを消去することにより、該ゲームフィールドを表示部の所定の位置に設けられたゲーム終了判定ラインから遠ざかるように移動させるとともに、他のゲームフィールドをゲーム終了判定ラインに近づくように移動させることできる新しい表示形態を有する面白さを向上させたオブジェクトゲームを提供することができる。
【0024】
また、複数のゲームフィールドに表示されたオブジェクトを、それぞれ異なるプレイヤによる操作に基づいて移動させることにより、プレイヤ間で対戦を行うことができる。このような対戦においては、上述のようにゲームフィールドがゲーム終了判定ラインに対して近づいたり遠ざかったりするため、プレイヤは対戦中の優劣を直観的に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のゲーム装置1のブロック図である。本実施形態では、ゲーム装置1の構成として、ゲームプログラムが記憶されたパーソナルコンピュータを例に説明する。なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいう。ゲーム装置1は、記憶部、制御部等を備えた情報処理装置である。また、たとえば業務用ゲーム機、家庭用ゲーム機、携帯電話等も、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0026】
図1に示すように、ゲーム装置1は、操作部10、制御部11と、RAM(Randam Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、通信部14と、ディスプレイ15を備えている。
【0027】
操作部10は、プレイヤの操作を受け付ける入力装置であり、たとえばマウス、ゲームコントローラー、キーボード等から構成される。本実施形態では、説明を簡略化するため、マウスを用いることとする。
【0028】
RAM12は、制御部11による制御処理のためのメインメモリとして用いられる。
【0029】
ROM13には、本実施形態の各部の処理をコンピュータに実行させるためのゲームプログラムが記憶される。
【0030】
制御部11は、RAM12をメインメモリとして、操作部10からの操作データや、ROM13に格納されたプログラム等に基づいて、ゲーム演算処理や画像生成処理等を行う。制御部11は、オブジェクト出現制御部111と、オブジェクト移動制御部112と、オブジェクト消去制御部113と、フィールド位置移動制御部114と、ゲーム終了制御部115と、画像表示制御部116とを備えている。
【0031】
オブジェクト出現制御部111は、ディスプレイに表示されたゲームフィールドにおけるオブジェクトの出現に関する処理を行う。具体的には、ゲームフィールドの所定の位置から、ブロック等のパズルゲーム要素を構成するオブジェクトを発生させる。
【0032】
オブジェクト移動制御部112は、操作部10へ入力された操作データにしたがって、ゲームフィールドに表示されたオブジェクトを移動・回転させる処理を行う。
【0033】
オブジェクト消去制御部113は、ゲーム進行中のオブジェクトの消去に関する処理を行う。
【0034】
フィールド位置移動制御部114は、ゲームフィールドの位置を移動させるための処理を行う。
【0035】
ゲーム終了制御部115は、ゲームの進行状態がゲームを終了するための所定条件を満たしたかどうかを判断し、ゲームを終了させるための制御を行う。
【0036】
画像表示制御部116は、上述の各制御部111乃至115で行われるゲーム処理の結果に基づいて画像を生成し、ディスプレイ15に出力する。生成される画像は、2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。これら各制御部の処理の詳細は後述する。
【0037】
図2は、本実施形態のディスプレイ15上に表示されるゲーム画面の一例である。図2に示すように、表示画面15a上に、任意の4つの頂点からなる矩形の第1のゲームフィールド151及び第2のゲームフィールド152が左右に配置される。また、ゲーム終了判定ライン153が、第1及び第2のゲームフィールド151,152の上側にX軸方向に設けられる。
例えば第一の構成例として、各ゲームフィールドはXY絶対座標上に配置されたスプライト(あるいはレイヤー等)などのオブジェクトで構成されており、更に各ゲームフィールド上には相対座標系がそれぞれ設定されていて、後述する小ブロックの配置制御等は各々の相対座標系において行われるものとする。個々の小ブロックはゲームフィールドとは別個のスプライト等からなるオブジェクトとすることが好ましい。判定用のラインはXY絶対座標に対して設定する。
また第二の構成例として、XY座標平面を三次元ワールド座標上の基準ビルボード(即ち平板状のポリゴン)として形成する。各ゲームフィールドは三次元ワールド座標上で、前記基準ビルボードに平行に配置された平板状ポリゴンとして構成してもよい。この場合も、各ゲームフィールド上には相対座標系がそれぞれ設定されていて、後述する小ブロックの配置制御等は各々の相対座標系において行われる。個々の小ブロックはゲームフィールドとは別個のポリゴン等からなるオブジェクトとする。判定用のラインは基準ビルボード上に設定する。
さらに第三の構成例として、複数のゲームフィールドおよびラインを同一のXY座標上に直接設定するようにしてもよい。この場合、ゲームフィールドを移動させる際には、当該XY座標上でのドット移動等によって処理をする。
【0038】
オブジェクト出現制御部111は、ゲームフィールド151,152のそれぞれの下辺から複数種類のオブジェクトを間欠的に発生させる。本実施形態では、図2に示すように、オブジェクトは複数種類の色(Rは赤色、Gは緑色、Bは青色、Yは黄色を示す)を有する矩形の小ブロックとし、各ゲームフィールド151,152には、X軸方向に10列、Y軸方向に11段の小ブロックを配置可能とする。
【0039】
また、第1及び第2のゲームフィールド151,152の各々の中に、4つの小ブロックを選択可能な第1のカーソル154及び第2のカーソル155が表示される。
【0040】
本実施形態では、第1のゲームフィールド151に表示された小ブロックは、第1のプレイヤによる操作部10−1への入力に基づいて、オブジェクト移動制御部112により移動・回転される。また、第2のゲームフィールド152に表示された小ブロックは、第2のプレイヤによる操作部10−2への入力またはCPUによる制御に基づいて、オブジェクト移動制御部112により移動・回転される。すなわち、第1のプレイヤと第2のプレイヤまたはコンピュータとの間で対戦する仕様となっている。
【0041】
ここで、オブジェクト出現制御部111による小ブロックの発生、オブジェクト移動制御部112による小ブロックの移動・回転、及び、オブジェクト消去制御部113による小ブロックの消去を詳述する。ここでは、第1のゲームフィールド151における処理を説明するが、第2のゲームフィールド152においても同様の処理が行われる。
【0042】
図3(a)に示すように、まず、オブジェクト出現制御部111は、X軸方向に4段に配列された40個の小ブロックを、第1のゲームフィールド151の下辺から出現させ、配置する。その後、オブジェクト出現制御部111は、所定時間毎に、1段に配列された10個の小ブロック列161を新たに下辺から出現させると、すでに配置されていた小ブロックを1段分上に移動させる(図3(b))。
【0043】
次に、図3(b)に示すように、第1のプレイヤが操作部10-1(マウス)を操作し、カーソル154を4つの小ブロック(左上から右回りに、R,R,G,G)を選択した状態で、マウスの左ボタンをクリックすると、オブジェクト移動制御部112は、選択された4つの小ブロックをカーソル154内で右回りに循環するように移動させる。この結果、第1のゲームフィールド151内の小ブロックの配置は図3(c)に示す通りとなる。
【0044】
図3(c)の斜線部に示すように4つ以上の同色の小ブロックが連続して配置されると、オブジェクト消去制御部113は、配置条件が満たされたと判断し、配置条件を満たした小ブロック、すなわち5個の赤色の小ブロックの表示形態を変化させる。たとえば、図3(d)に示すように、5個の赤色の小ブロックから構成される小ブロック群を枠で囲むように表示する。つづいて、プレイヤが操作部10−1の右ボタンをクリックすると、オブジェクト消去制御部113は、配置条件を満たしている小ブロック、すなわち枠内の小ブロックを消去する。プレイヤは、操作部10-1の右ボタンをクリックしてオブジェクト消去制御部113に小ブロックの消去処理を行わせるまでに、カーソルの移動およびマウスの左ボタンをクリックすることにより、オブジェクト移動制御部112に、小ブロックの移動・回転処理を繰り返し行わせることができる。すなわち、配置条件を満たす小ブロックから構成される小ブロック群を複数配置した状態で、操作部10-1の右ボタンをクリックすることにより、これらの複数の小ブロック群を構成する小ブロックを一度に消去することができる。また、オブジェクト消去制御部113により消去された小ブロックの上段に配置されていた小ブロックは、消去された小ブロックの数だけ下側に移動される。この結果、第1のゲームフィールド151内の小ブロックの配置は図3(e)に示す通りとなる。小ブロックが移動されることにより、新たに配置条件が満たされた場合、すなわち、4つ以上の同色の小ブロックが連続して配置されると、オブジェクト消去制御部113は、新たに配置条件を満たした小ブロックを続けて消去する。
【0045】
第2のゲームフィールド152内でも、第2のプレイヤまたはCPUの制御に基づいて、上述したブロック出現、移動および消去処理が行われる。
【0046】
つぎに、第1のゲームフィールド151と第2のゲームフィールド152との間での対戦処理について説明する。フィールド位置移動制御部114は、第1及び第2のゲームフィールドの各々の領域内においてオブジェクト消去制御部113によって消去された小ブロックの数に応じて、各ゲームフィールドを、表示画面15a上、Y軸に沿って上下に移動させる。フィールド位置移動制御部114は、第1及び第2のゲームフィールド内のいずれかで、オブジェクト消去制御部113によって小ブロックが消去されると、小ブロックの消去が行われた方のゲームフィールドをY軸に沿って下方向に移動させ、他方のゲームフィールドをY軸方向に沿って上方向に移動させる。また、図4に示すように、小ブロックの消去数に応じて、移動量を増減させる。すなわち、フィールド位置移動制御部114は、小ブロックの消去数が大きいほど、移動量が大きくなるように、第1のゲームフィールド151及び第2のゲームフィールド152の位置を制御する。移動量は、表示画面15a上のY軸方向における距離の他に、小ブロックの段数を単位としてもよい。
【0047】
また、先に述べたように、オブジェクト消去制御部113によって、4つ以上の連続して配置された同色の小ブロックが消去され、消去された小ブロックの上に配置されていた小ブロックが移動されることによって、新たに配置条件が満たされた場合、すなわち、さらに4つ以上の同色の小ブロックが連続して配置された場合、これら4つ以上の小ブロックが連続して消去されることとなる。このように、オブジェクト消去制御部113によって小ブロックの消去が連続して行われる場合、フィールド位置移動制御部114は、小ブロック消去の連鎖が終了した後に、第1のゲームフィールド151および第2のゲームフィールド152の位置を変更する。すなわち、消去の連鎖の開始から終了までに消去された小ブロックの総数に応じてゲームフィールドの移動量を決定する。具体的には、図4に示すように、連鎖によって消去された小ブロックの総数が多いほど、移動量を大きくするように制御する。
【0048】
ゲーム終了制御部115は、第1のゲームフィールド151及び第2のゲームフィールド152内のいずれかの領域内に消去されずに堆積されたブロックが、ゲーム終了判定ライン153を超えて表示されたか否かを判別し、超えたと判別した場合にはゲームを終了する。
【0049】
上述したように、ゲーム終了判定ライン153は表示画面15a上に固定されて表示されるので、フィールド位置移動制御部114によりY軸に沿って下方向に移動されたゲームフィールド、すなわち、他方のゲームフィールドより多くの小ブロックが消去されたゲームフィールド内で小ブロックの移動を操作するプレイヤ(もしくはCPU)は、ゲーム進行上優勢となる。一方、フィールド位置移動制御部114によりY軸に沿って上方向に移動されたゲームフィールド、すなわち、他方のゲームフィールドよりも少ない小ブロックが消去されたゲームフィールド内で小ブロックの移動を操作するプレイヤ(もしくはCPU)は、ゲーム進行上劣勢となる。
【0050】
また、上述したように、各ゲームフィールド移動量は、一度の消去処理で消去される小ブロックの総数に基づいて決定される。さらに、オブジェクト消去制御部113による小ブロックの消去が連続して行われる場合、連続消去の開始から終了までに消去された小ブロックの総数に基づいて各ゲームフィールドの移動量を決定する。このため、プレイヤは、一度により多くの小ブロックを消去すること、及び/又は、より多くの連鎖を発生させることを目的として、ゲームフィールド内で小ブロックを移動させ配置する。このように小ブロックの大量消去又は大量連鎖を目的として小ブロックの回転及び移動を行うと、消去処理が行われるまでにはゲームフィールドには多くの小ブロックが積み重なって配置されることとなり、ゲーム進行上は劣勢となるが、一旦消去処理および消去処理の連鎖が実行されれば、他方のゲームフィールドをゲーム終了判定ラインにより近付け、またプレイヤ自身のゲームフィールドをゲーム終了判定ラインからより遠ざけることができる。
【0051】
以下に、図5乃至図8を参照して、本実施形態のゲーム進行処理を説明する。図5は、ゲーム装置1によるゲーム進行処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、制御部11は、ROM13に格納されたゲームプログラムを読み出し、このゲームプログラムに基づいて、以下の処理を実行する。
【0052】
次に、ステップS2において、第1のゲームフィールド151及び第2のゲームフィールド152の下辺から小ブロックを出現させる。次に、ステップS3において、プレイヤによる操作部10-1及び操作部10-2への入力にしたがって、第1のゲームフィールド151及び第2のゲームフィールド内で、小ブロックを移動させ、所定の配置条件を満たした小ブロックを消去する。なお、後述するように、ステップS2の処理は、独立した計時タイミングで開始されるため、ステップS2及びステップS3の各ステップの処理は同時に行われてもよく、また、順番が逆になってもよい。ゲーム終了制御部115は、ステップS4において、ステップS2及びステップS3の処理の結果、ゲーム終了フラグが設定されているかを判定し、設定されていると判定した場合は(S4:YES)、ゲーム終了を示す画像を表示画面15a上に表示し、ゲームを終了させる。一方、ゲーム終了フラグが設定されていないと判定した場合は、ステップS2の処理に戻る。
【0053】
図6は、上述のステップS2における小ブロック出現処理の詳細を示すフローチャートである。以下、第1のゲームフィールド151における小ブロック出現処理を例に説明するが、第2のゲームフィールド152においても、CPUによる制御に基づいて同様の処理が行われるものとする。
【0054】
まず、ステップS11において、オブジェクト出現制御部111は、ゲーム装置1が有するタイマ(図示せず)に基づいて、新たな小ブロック列を第1のゲームフィールド151に出現させるタイミングであるかを判定する。たとえば、タイマが所定の時間を計時し、カウンタ値が0になったかを判定する。
【0055】
オブジェクト出現制御部111が小ブロック列を出現させるタイミングであると判定した場合には(S11:YES)、新たな小ブロック列を第1のゲームフィールド151の下辺部に表示する(ステップS12)。このとき、すでにゲームフィールド151内に小ブロックが配置されている場合は、すでに配置されていた小ブロックを1段分上に移動させる。小ブロックを出現させるタイミングではないと判定された場合には(S11:NO)、小ブロック出現処理を終了する。
【0056】
ステップS13において、オブジェクト消去制御部113は、所定の配置条件を満たす小ブロックが存在するかを判定する。本実施形態では、4つ以上の同色のブロックが連続して配置されているかを判定する。配置条件を満たす小ブロックが存在すると判定された場合には(S13:YES)、配置条件を満たす小ブロックを一つの小ブロック群として枠で囲んで表示する(ステップS14)。また、ステップS13において、配置条件を満たす小ブロックが存在しないと判定された場合には、すべての小ブロックの位置および形態を変化させずに表示する(ステップS15)。
【0057】
つぎに、ステップS16において、ゲーム終了制御部115は、第1のゲームフィールド151内又は第2のゲームフィールド内に消去されずに積み重なって配置された小ブロック群がゲーム終了判定ライン153を超えたかを判定する。小ブロック群がゲーム終了判定ライン153を越えたと判定された場合には(S16:YES)、ゲーム終了制御部115は、ゲーム終了フラグを設定する(S17)。ステップS16において、小ブロック群がゲーム終了判定ライン153を超えていないと判定された場合には、ステップS17の処理は実行せず、ステップS11に戻る。この小ブロックの出現処理は、ゲーム終了フラグが設定されるまで、繰り返し行われる。
【0058】
図7は、図5のステップS3における小ブロック移動処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、第1のプレイヤによる操作部10-1への入力に基づく小ブロック移動処理を例に説明するが、第2のゲームフィールド152においても、第2のプレイヤによる操作部10-2への入力、または、CPUによる制御に基づいて同様の処理が行われるものとする。
【0059】
まず、ステップS21において、オブジェクト移動制御部112は、第1のプレイヤによる操作部10−1への入力に基づいて、現在の第1のカーソル154の位置を検出する。つぎに、第1のプレイヤが、検出されたカーソル位置で、操作部10−1による第1の所定の操作を行うと(S22)、カーソル154内で小ブロックが移動する(S23)。本実施形態では、第1のプレイヤが操作部10−1であるマウスの左ボタンをクリックしたときに小ブロックが移動される。移動の態様は、図3を参照して上述した通りである。オブジェクト消去制御部113は、たとえば0.5秒の間に、操作部10−1に第1の所定の操作が行われない場合には、ステップS24において、所定の配置条件を満たす小ブロックが存在するかを判定する。本実施形態では、4つ以上の同色のブロックが連続して配置されているかを判定する。配置条件を満たす小ブロックが存在すると判定された場合には、配置条件を満たす複数の小ブロックを1つの小ブロック群として枠で囲んで表示する(S25)。つぎに、第1のプレイヤが、操作部10−1による第2の所定の操作を行うと(S26)、ステップS25において枠で囲まれて表示された小ブロックが消去される(S27)。本実施形態では、第1のプレイヤが操作部10−1であるマウスの右ボタンをクリックしたときに、小ブロックが消去される。消去された小ブロックの上に1又は複数の小ブロックが配置されていた場合は、該小ブロックを消去された小ブロックの数の段数分下に移動する。このとき、ブロックが下に移動されることにより、新たに配置条件が満たされる場合には、新たに配置条件を満たした小ブロックを連続して消去する。すなわち、ステップS27の処理が繰り返される。また、ステップS24において、配置条件を満たす小ブロックが存在しないと判定された場合には、小ブロックの位置および形態を変化させずに表示する(S29)。
【0060】
つぎに、ステップS28において、フィールド位置移動制御部114は、ステップS27において消去された小ブロックの数に基づいて、第1のゲームフィールド151及び第2のゲームフィールド152の表示画面15a上における位置を変更する。図8(a)は、フィールド位置移動制御部114による処理が行われる前の表示画面15aを示す図であり、図8(b)及び図8(c)は、ステップS15の処理が実行された時の表示画面15aを示す図である。なお、図8(b)は、ステップS27において、第1のゲームフィールド151内で10個の小ブロックが消去された場合を例示している。また、図8(c)は、第1のゲームフィールド内で、小ブロックの消去(S27)が連続して行われ、消去の連鎖の開始から終了までに消去された小ブロックの総数が20個であった場合を例示している。各ゲームフィールドの移動量は、図4を参照して上述したように、各ゲームフィールド内で消去された小ブロック数、または、各ゲームフィールド内で消去の連鎖の開始から終了までに消去された小ブロックの総数に応じて求められる。また、フィールド位置移動制御部114は、ステップS27において小ブロックの消去が行われた方のゲームフィールドの下辺がすでに表示画面15aの下辺に達していると判断した場合は、該ゲームフィールドをY軸に沿って下方向に移動させる制御を行わず、他方のゲームフィールドをY軸方向に沿って上方向に移動させる制御のみを行う。
【0061】
ステップS29において、オブジェクト移動制御部112は、配置条件を満たさない小ブロックの位置を決定し表示する。ブロックの移動処理は、繰り返し又は複数の移動処理が併行して行われる。
【0062】
ステップS30において、ゲーム終了制御部115は、第1のゲームフィールド内又は第2のゲームフィールド内に消去されずに積み重なって配置された小ブロックが、ゲーム終了判定ライン153を超えたかを判定する。小ブロック群がゲーム終了判定ライン153を超えたと判断された場合には(S30:YES)、ゲーム終了制御部115は、ゲーム終了フラグを設定する(S31)。ステップS30において、小ブロック群がゲーム終了判定ライン153を超えていないと判定された場合には、ステップS31の処理は実行せず、小ブロック移動処理を終了する。
【0063】
上述したステップS17及びステップS31でゲーム終了フラグが設定された場合には、図5に示すステップS4において、ゲーム終了制御部115は、ゲームを終了させる。
【0064】
以上のように、本実施形態のゲーム装置によれば、ブロックゲームにおける対戦において、小ブロックが消去されると、消去された小ブロックの数に応じて、ゲームフィールドの位置を移動させる。小ブロックが消去された方のゲームフィールドはゲーム終了判定ラインから遠ざかるように移動され、他方のゲームフィールドはゲーム終了判定ラインに近づくように移動される。ゲーム終了判定ラインは、表示画面上に固定されて表示されるので、プレイヤは対戦ゲームにおける優劣を直感的に判断することができる。
【0065】
また、いずれかのゲームフィールド内で小ブロックの消去が連続して行われる場合、連続消去の開始から終了までに消去された小ブロックの総数に基づいて各ゲームフィールドの移動量を決定する。この場合、プレイヤはより多くの連鎖を発生させることを目的として、ゲームフィールド内で小ブロックを移動させ配置する。より多くの連鎖を発生させようとすると、連鎖が開始されるまでには、ゲームフィールドには多くの小ブロックが積み重なって配置されることとなり、ゲーム進行上は劣勢となるが、一旦連鎖が開始され終了されれば、他方のゲームフィールドをゲーム終了判定ラインにより近付け、またプレイヤ自身のゲームフィールドをゲーム終了判定ラインからより遠ざけることができる。これにより、より戦略的な操作をプレイヤに要求するゲームを実現することができる。
【0066】
上述の実施形態では、小ブロックの消去が行われる度に又は消去の連鎖が終了する度にゲームフィールドの移動を制御する構成としたが、タイマが計時した所定の時間内におけるゲームフィールド内における消去ブロック数を計数し、その差に基づいてゲームフィールドの移動を制御してもよい。具体的には、求めた差に基づいて、より多くのブロックが消去された方のゲームフィールドをゲーム終了判定ラインから遠ざけ、小ブロックの消去数が少なかった方のゲームフィールドをゲーム終了判定ラインに近づけるように、移動させてもよい。このとき、小ブロックの消去数の差が大きいほど、各ゲームフィールドの移動量が大きくなるようにしてもよい。
【0067】
タイマの計時とは関係なく、あらかじめ、オブジェクトの消去と関連づけられた所定のフィールド移動条件を定めておき、その条件を満たしたゲームフィールドについてゲーム終了判定ラインから遠ざかるように移動させ、その他のゲームフィールドについてゲーム終了判定ラインに近づくように移動させても良い。この場合のフィールド移動条件としては、例えば小ブロック20個を消去することや、ある種類の小ブロックを10個消去し、且つ別の種類の小ブロックを15個消去するような構成としても良い。フィールド移動条件はゲームフィールドごとに違う設定としても良く、ゲームの進行に従って条件を変更させても良い。また、いずれかのゲームフィールドがゲーム終了判定ラインに近づくにつれ、ゲームフィールドを移動させるために必要な小ブロックの消去数を減少または増加させても良い。ゲーム終了判定ラインに近づくにつれ、ゲーム終了判定ラインに近づいた側のゲームフィールドにおいて、ゲームフィールドを移動させるために必要な小ブロックの消去数を減少させることで、ゲームの勝敗がつきにくくなり、白熱したゲーム展開を楽しむことができる。また、ゲームフィールドを移動させるために必要な小ブロックの消去数を増加させることで、ゲーム開始初期の小ブロックの消去数がゲームの勝敗を大きく分けることになり、スピーディーなゲーム展開を楽しむことができる。
【0068】
上述の実施形態では、第1のプレイヤと第2のプレイヤまたはCPUが対戦する形態を説明したが、表示画面上に3つ以上のゲームフィールドを表示し、3人以上のプレイヤ間またはCPUとの対戦を行ってもよい。この場合、所定の時間毎に、各ゲームフィールド内で消去された小ブロックの数を計数し、小ブロックの消去数が最も多いプレイヤのゲームフィールドについてゲーム終了判定ラインから遠ざかるように移動させ、小ブロックの消去数が最も少ないプレイヤのゲームフィールドについてゲーム終了判定ラインに近づくように移動させても良い。また、すべてのプレイヤの小ブロックの消去数の平均値をとり、小ブロックの消去数が平均値より多いプレイヤのゲームフィールドについてゲーム終了判定ラインから遠ざかるように移動させ、小ブロックの消去数が平均値より少ないプレイヤのゲームフィールドについてゲーム終了判定ラインに近づくように移動させても良い。この際、各ゲームフィールドの移動量は、その各ゲームフィールド内で消去されたブロック数と平均値との差に応じて求められる。
【0069】
また、フィールド位置移動制御部114は、ゲームフィールドの移動処理を行った後に、該ゲームフィールドの位置をゲーム開始時の位置に戻すように制御してもよい。例えば、フィールド位置移動制御部114により、ステップS28においてゲーム終了判定ライン153から遠ざかるように又は近づくように移動されたゲームフィールドを、ステップS28における移動処理から所定の時間が経過したタイミングで、所定の距離だけ、ゲーム開始時の初期位置の方向に移動させてもよい。このとき、フィールド位置移動制御部114は、ステップS28におけるゲームフィールドの移動量に基づいて、計時すべき所定の時間およびゲーム開始時の位置方向への移動距離を変化させてもよい。具体的には、ステップS28におけるゲームフィールドの移動量が大きいほど、すなわち、一度の消去処理で消去される小ブロックの数が多いほど、または、小ブロックの消去処理が連続して行われることにより、より多くの小ブロックが消去されるほど、計時すべき所定の時間をより短くし、また、ゲーム開始時の位置方向への移動距離を大きくする。反対に、ステップS28におけるゲームフィールドの移動量が小さいほど、すなわち、一度の消去処理で消去される小ブロックの数が少ないほど、または、小ブロックの消去が連続して行われず、小ブロックの消去数が少ないほど、計時すべき所定の時間をより長くし、また、ゲーム開始時の位置方向への移動距離を小さくする。図9に、消去される小ブロックの数、ゲームフィールドの移動量およびゲーム開始時の位置に戻るときの移動量の一例を示す。たとえば、この表によれば、一度の消去処理で消去された小ブロックの数が、5個であった場合、各ゲームフィールドが、表示画面15a上でY軸に沿って上下方向に小ブロック1段分移動され、移動されてから15秒後に、移動前の位置方向に、小ブロック1段分再移動される。また、一度の消去処理で消去された小ブロックの数が10個であった場合は、各ゲームフィールドが、表示画面15a上でY軸に沿って上下方向に小ブロック2段分移動され、移動されてから10秒毎に、移動前の位置方向に、小ブロック1段分再移動される。また、消去の連鎖の開始から終了までに消去された小ブロックの数が、20個であった場合は、各ゲームフィールドが、表示画面15a上でY軸に沿って上下方向に小ブロック5段分移動され、移動されてから5秒毎に、移動前の位置方向に、小ブロック1段分再移動される。このように、小ブロックの消去を連鎖させて一度のゲームフィールドの移動量を大きくするか、または、少量のブロックの消去および小さいゲームフィールドの移動を繰り返し行うかにより、より多様なゲーム進行を実現することができる。
【0070】
また、上述の実施例では、ゲーム開始時には、第1のゲームフィールド151および第2のゲームフィールド152は、表示画面15a上で同じ位置に位置しているものとしたが、プレイヤ間で任意に開始位置を決めてもよい。これにより、プレイヤにハンディキャップをつけることができ、たとえば操作に熟練したプレイヤと初心者との間でも、白熱したゲーム展開を楽しむことができる。また、ゲームフィールドの移動量又は小ブロックの出現タイミングをプレイヤ毎に設定可能とすることにより、ハンディキャップをつけてもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、オブジェクトを小ブロックとしたが、その他のキャラクタ、図柄、数字としてもよい。数字の場合は、隣接する数字と足し合わせた合計値が所定の数になるなどの配置条件を設けてもよい。
【0072】
上述の実施形態では、一つのビデオゲーム装置でゲームをプレイする場合について述べたが、通信回線や無線通信を利用したオンラインゲームに本発明を適用することができる。たとえば、2名以上のプレイヤが、それぞれ異なる所在にあるビデオゲーム装置を用いてゲームを進行させる。この場合、プレイヤごとにゲームフィールドは割り当てられ、一方のプレイヤが、ディスプレイの右側に表示されたゲームフィールドを割り当てられているとすると、他方のプレイヤは、ディスプレイの左側に表示されたゲームフィールドが割り当てられる。プレイヤ同士は異なるビデオゲーム装置を用いているが、それぞれのプレイヤの操作部への入力データがゲームの進行を制御するサーバへ送信される。サーバでは、オブジェクト出現制御、オブジェクト移動制御、オブェクト消去制御、フィールド移動制御、及びゲーム終了制御の各処理が行われ、処理されたデータが各プレイヤのビデオゲーム装置に送信される。各ビデオゲーム装置はサーバから受信したデータをもとにディスプレイに表示を行う。このように、本発明は、オンラインゲームを活用することで、所在の異なるプレイヤ同士であっても対戦を楽しむことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、少なくとも1つのプレイヤの操作を受け付けるための操作部及び少なくとも2つのゲームフィールドを表示するための表示部を備えるビデオゲーム装置に適用するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施の形態におけるゲーム装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】ゲーム装置のディスプレイ上に表示されるゲーム画面の例を示す説明図である。
【図3】ゲーム装置のディスプレイ上に表示されるゲーム画面の例を示す説明図である。
【図4】ゲーム装置のディスプレイ上に表示されるゲーム画面の例を示す説明図である。
【図5】ゲーム装置によるゲーム進行処理の例を示すフローチャートである。
【図6】ゲーム装置による小ブロック出現処理の詳細の例を示すフローチャートである。
【図7】ゲーム装置による小ブロック移動処理の詳細の例を示すフローチャートである。
【図8】ゲーム装置のディスプレイ上に表示されるゲーム画面の例を示す説明図である。
【図9】ゲーム装置による消去される小ブロックの数、ゲームフィールドの移動量およびゲーム開始時の位置に戻るときの移動量の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1 ゲーム装置
10 操作部
11 制御部
12 RAM
13 ROM
14 通信部
15 ディスプレイ
111 オブジェクト出現制御部
112 オブジェクト移動制御部
113 オブジェクト消去制御部
114 フィールド位置移動制御部
115 ゲーム終了制御部
116 画像表示制御部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプレイヤの操作を受け付けるための操作部及び少なくとも2つのゲームフィールドを表示するための表示部を備えるビデオゲーム装置であって、
前記各ゲームフィールドの所定の位置からオブジェクトを順次出現させ表示するオブジェクト表示手段と、
前記操作部への入力に基づいて、前記表示されたオブジェクトの位置を移動するオブジェクト移動手段と、
前記オブジェクトのうち、所定の配置条件を満たしたオブジェクトを消去するオブジェクト消去手段と、
前記ゲームフィールドのいずれかのゲームフィールド内において、消去されず残ったオブジェクトが前記表示部の所定の位置に設けられたラインを超えた場合に、ビデオゲームを終了させるゲーム終了制御手段と、
前記少なくとも2つのゲームフィールドのうち、いずれかのゲームフィールドにおいて、前記オブジェクト消去手段によるオブジェクトの消去と関連づけられたフィールド移動条件を満たした場合に、少なくとも1つのゲームフィールドを前記ラインが存在する方向とは反対方向に移動するとともに、その他のゲームフィールドを前記ラインの存在する方向に移動するフィールド移動手段と
を備えるビデオゲーム装置。
【請求項2】
前記オブジェクト表示手段は、前記オブジェクトを複数の種類のオブジェクトに分けて表示し、
前記オブジェクト消去手段は、少なくとも、所定数の同一種類のオブジェクトが連続して配置された場合に該連続して配置されたオブジェクトを消去することを特徴とする請求項1に記載のビデオゲーム装置。
【請求項3】
前記フィールド移動条件は、前記少なくとも2つのゲームフィールドのいずれかのゲームフィールド内で前記オブジェクト消去手段により前記オブジェクトが消去されることであることを特徴とする請求項1又は2に記載のビデオゲーム装置。
【請求項4】
前記フィールド移動手段は、前記オブジェクト消去手段により消去された前記オブジェクトの数に比例して、前記ゲームフィールドの移動する距離を増加させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビデオゲーム装置。
【請求項5】
前記フィールド移動手段により移動された前記ゲームフィールドを、ゲーム開始時に前記ゲームフィールドが位置していた初期位置の方向に移動するフィールド再移動手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のビデオゲーム装置。
【請求項6】
さらに、前記フィールド移動手段により前記ゲームフィールドが移動されてから所定の時間が経過するまでの時間を計時する計時手段を有し、
前記フィールド再移動手段は、少なくとも、前記計時手段が前記フィールド移動手段により前記ゲームフィールドが移動されてから所定の時間を計時したときに、前記ゲームフィールドを所定の距離だけ前記初期位置の方向に移動し、
前記オブジェクト消去手段によって消去された前記オブジェクト数に比例して、前記計時手段が計時すべき所定の時間を減少させることを特徴とする請求項5に記載のビデオゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲームフィールドはプレイヤ毎に割り当てられ、
前記オブジェクト移動手段は、プレイヤによる前記操作部への入力に基づいて、該プレイヤに割り当てられたゲームフィールド内に表示された前記オブジェクトを移動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のビデオゲーム装置。
【請求項8】
少なくとも1つのプレイヤの操作を受け付けるための操作部及び少なくとも2つのゲームフィールドを表示するための表示部を備えるビデオゲーム装置にゲームを実行させるビデオゲームプログラムであって、
前記ビデオゲーム装置に、
前記各ゲームフィールドの所定の位置からオブジェクトを順次出現させ表示するオブジェクト表示ステップと、
前記操作部への入力に基づいて、前記表示されたオブジェクトの位置を移動するオブジェクト移動ステップと、
前記オブジェクトのうち、所定の配置条件を満たしたオブジェクトを消去するオブジェクト消去ステップと、
前記ゲームフィールドのいずれかのゲームフィールド内において、消去されず残ったオブジェクトが前記表示部の所定の位置に設けられたラインを超えた場合に、ビデオゲームを終了させるゲーム終了ステップと、
前記少なくとも2つのゲームフィールドのうち、いずれかのゲームフィールドにおいて、前記オブジェクト消去ステップにおけるオブジェクトの消去と関連付けられたフィールド移動条件を満たした場合に、少なくとも1つのゲームフィールドを前記ラインが存在する方向とは反対方向に移動するとともに、その他のゲームフィールドを前記ラインの存在する方向に移動するフィールド移動ステップと
を実行させるビデオゲームプログラム。
【請求項9】
少なくとも1つのプレイヤの操作を受け付けるための操作部及び少なくとも2つのゲームフィールドを表示するための表示部を備えるビデオゲーム装置におけるビデオゲーム処理方法であって、
前記各ゲームフィールドの所定の位置からオブジェクトを順次出現させ表示するオブジェクト表示ステップと、
前記操作部への入力に基づいて、前記表示されたオブジェクトの位置を移動するオブジェクト移動ステップと、
前記オブジェクトのうち、所定の配置条件を満たしたオブジェクトを消去するオブジェクト消去ステップと、
前記ゲームフィールドのいずれかのゲームフィールド内において、消去されず残ったオブジェクトが前記表示部の所定の位置に設けられたラインを超えた場合に、ビデオゲームを終了させるゲーム終了ステップと、
前記少なくとも2つのゲームフィールドのうち、いずれかのゲームフィールドにおいて、前記オブジェクト消去ステップにおけるオブジェクトの消去と関連付けられたフィールド移動条件を満たした場合に、少なくとも1つのゲームフィールドを前記ラインが存在する方向とは反対方向に移動するとともに、その他のゲームフィールドを前記ラインの存在する方向に移動するフィールド移動ステップと
を備えるビデオゲーム処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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