説明

コネクタ、ケーブルアッセンブリ、半導体試験装置、及びコネクタのハウジング

【課題】コネクタの大型化を抑えつつ、信号伝送におけるノイズの発生を抑える。
【解決手段】コネクタは複数のケーブル端子3と、複数のケーブル端子3がそれぞれ挿入された互いに独立した複数の挿入孔11aが形成されたハウジングと、を備える。複数の挿入孔11aは前後方向と左右方向とに並ぶよう形成されている。グランド端子は、当該グランド端子の外面から外方に張り出す係合部を有している。挿入孔11aの中心線Chに対して係合部が位置する方向は、前後方向及び左右方向の双方に対して傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、複数の同軸ケーブルとコネクタとによって構成されるケーブルアッセンブリ、ケーブルアッセンブリを備える半導体試験装置、及び、コネクタのハウジングに関し、特に、コネクタの大型化及びノイズの発生を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の同軸ケーブルが接続されるコネクタが利用されている。特許文献1に開示されるコネクタのハウジングには、ケーブル端子が挿入される複数の挿入孔が形成され、それらは左右方向に並んでいる。ケーブル端子は、同軸ケーブルのグランド導体に接続されるグランド端子を含んでいる。グランド端子は同軸ケーブルの半径方向に張り出す板バネ状の係合部を有している。ケーブル端子がハウジングに挿入されると、係合部は、ハウジングの挿入孔の内面に引っ掛かり、これによってケーブル端子がハウジングに対して抜け止めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−226736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
係合部はグランド端子から張り出しているため、信号線に高周波信号が流れたときに係合部から電磁波が放出され易い。上記従来のコネクタでは係合部が上方に張り出しているため、同軸ケーブルを左右方向だけでなく上下方向にも並ぶよう配置した場合、係合部は、その上方に配置されるケーブル端子に向かって張り出すこととなり、係合部と上方のケーブル端子との距離が小さくなる。そのため、係合部から放出された電磁波が、上方のケーブル端子の信号伝送に伝播し、当該ケーブル端子を介した信号伝送にノイズを発生させる可能性がある。この点、ハウジングは通常、樹脂によって形成され、その誘電率は空気に比べて高いため、挿入孔間の距離、すなわちケーブル端子間の距離を大きくすることによって、電磁波の伝播が抑えられる。しかしながら、そのように挿入孔間の距離を大きくすると、コネクタが大型化する。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数のケーブル端子が挿入されるコネクタ、複数の同軸ケーブルとコネクタとによって構成されるケーブルアッセンブリ、ケーブルアッセンブリを備える半導体試験装置、及びコネクタのハウジングにおいて、コネクタの大型化及びノイズの発生を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るコネクタは、同軸ケーブルのグランド導体を覆う形状のグランド端子を有する複数のケーブル端子と、前記複数のケーブル端子がそれぞれ挿入される互いに独立した複数の挿入孔が形成されたハウジングとを備える。前記複数の挿入孔は、前記ケーブル端子の挿入方向に対して直交する2つの方向であって、互いに直交する第1の方向と第2の方向とに並ぶよう形成されている。前記グランド端子は、その外面から外方に張り出すとともに、当該グランド端子の内側に向かって弾性変形可能な係合部を有する。前記ハウジングは、前記複数の挿入孔の内面に、前記係合部が引っ掛かる被係合部を有する。前記挿入孔の中心線に対して前記係合部が位置する方向は、前記第1の方向及び第2の方向の双方に対して傾斜している。
【0007】
本発明に係るケーブルアッセンブリは前記コネクタを有し、前記複数のケーブル端子が端部に取り付けられた複数の同軸ケーブルを備える。また、本発明に係る半導体試験装置は前記ケーブルアッセンブリを有する。
【0008】
本発明では、挿入孔の中心線に対して係合部が位置する方向は、互いに直交する第1の方向(例えば左右方向)及び第2の方向(例えば前後方向)の双方に対して傾斜しているので、係合部が中心線に対して第1の方向又は第2の方向に位置している場合に比べて、係合部と、他のケーブル端子との間に十分な距離を確保し易くなる。そのため、コネクタの大型化を抑えつつ、係合部から放出される電磁波が他のケーブル端子に伝播することを抑えることができ、信号伝送におけるノイズの発生を抑えることができる。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記ケーブル端子は、前記挿入方向に伸びる板状のベースをさらに備え、前記グランド端子は、前記グランド導体を覆うように形成されるとともに前記ベースと組み合わされて筒状をなすカバー部を備えてもよい。そして、前記複数の挿入孔の内面には前記ベースに沿う面が形成されてもよい。この態様よれば、ケーブル端子の挿入過程で、ベースが挿入孔の内面に沿って円滑にスライドするので、ケーブル端子の挿入を円滑化できる。
【0010】
本発明の一態様では、前記グランド端子は、前記グランド導体を覆う半筒状のカバー部を含み、前記係合部は前記カバー部に形成され、隣接する2つの前記ケーブル端子の前記係合部は、それらが挿入される前記挿入孔の中心線に対して同じ方向に位置している。係合部から放出される電磁波は、アンテナ状に突出する部分によって受信され易い。この態様によれば、互いに隣り合う2つのケーブル端子の係合部が近接しないので、係合部から放出された電磁波が隣のカバー部に伝播することをさらに抑えることができる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記ケーブル端子は、前記グランド端子の内面に沿って立つとともに前記係合部の内側に位置する壁部を有する。この態様によれば、係合部の過剰な沈み込みを抑制でき、ケーブル端子の耐久性を向上できる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記複数の挿入孔は、一列に並ぶ複数の第1の挿入孔と、前記複数の第1の挿入孔の隣において一列に並ぶ複数の第2の挿入孔とを含み、前記第1の挿入孔に挿入された前記ケーブル端子の前記係合部と、前記第2の挿入孔に挿入された前記ケーブル端子の前記係合部は、前記第1の挿入孔の中心線と前記第2の挿入孔の中心線とを含む平面を挟んで互いに反対側に位置してもよい。この態様によれば、被係合部に引っ掛かる係合部間の距離を大きくできるので、係合部から放出される電磁波が他のケーブル端子にまで伝播することを、さらに効果的に抑えることができる。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るコネクタのハウジングは、同軸ケーブルのグランド導体を覆う形状のグランド端子であって、当該グランド端子の外面から外方に張り出すとともに、当該グランド端子の内側に向かって弾性変形可能な係合部を有するグランド端子を含む複数のケーブル端子が挿入可能となっている。前記ハウジングには、前記複数のケーブル端子がそれぞれ挿入可能な、互いに独立した複数の挿入孔が形成され、前記複数の挿入孔は、前記ケーブル端子の挿入方向に対して直交する2つの方向であって、互いに直交する第1の方向と第2の方向とに並ぶよう形成されている。前記複数の挿入孔の内面に、前記グランド端子の前記係合部が引っ掛かる被係合部が設けられ、前記挿入孔の中心線に対して前記被係合部が位置する方向は、前記第1の方向及び第2の方向の双方に対して傾斜している。
【0014】
本発明では、挿入孔の中心線に対して被係合部が位置する方向が、互いに直交する第1方向と第2方向の双方に対して傾斜しているため、被係合部が第1方向又は第2方向に位置している場合に比べて、被係合部に引っ掛かる係合部と、他のケーブル端子との間の距離が確保し易くなる。そのため、コネクタの大型化を抑えつつ、係合部から放出される電磁波が他のケーブル端子に伝播することを抑えることができ、ノイズの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るコネクタを備えた半導体試験装置の概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る上記コネクタと当該コネクタが接続される相手方コネクタの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る上記コネクタと上記相手方コネクタの断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る上記コネクタの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る上記コネクタを下方から臨む図である。
【図6】図5に示すVI−VI線での断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る上記コネクタを構成するケーブル端子の斜視図である。
【図8】上記ケーブル端子の分解斜視図である。
【図9】上記ケーブル端子の断面図である。同図(a)は図7に示すa−a線での断面図であり、同図(b)は図7に示すb−b線での断面図である。
【図10】上記ケーブル端子が有する信号端子の斜視図である。
【図11】ケーブル端子の他の形態を示す斜視図である。
【図12】グランド端子の他の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態の例であるコネクタ1を備えた半導体試験装置100の概略図である。図2はコネクタ1と当該コネクタ1が接続される相手方コネクタ6の分解斜視図である。図3はコネクタ1とコネクタ6の断面図である。図4はコネクタ1の分解斜視図である。図5はコネクタ1を下方から臨む図である。図6は図5に示すVI−VI線での断面図である。図7はコネクタ1を構成するケーブル端子3の斜視図である。図8はケーブル端子3の分解斜視図である。図9はケーブル端子3の断面図であり、同図(a)は図7に示すa−a線での断面図であり、同図(b)は図7に示すb−b線での断面図である。図10はケーブル端子3が有する信号端子40の斜視図である。
【0017】
図1に示すように、半導体試験装置100は、テストヘッド105と、テストヘッド105上に配置されるマザーボード104と、マザーボード104上に配置されるパフォーマンスボード103と、パフォーマンスボード103上に配置されるデバイスソケット102とを備えている。試験対象となる半導体101はデバイスソケット102に装着され、半導体101はデバイスソケット102を介してパフォーマンスボード103に接続される。パフォーマンスボード103の下面には複数のコネクタ6が取り付けられている。コネクタ6には、複数の端子61,62が設けられており、各端子61,62は、パフォーマンスボード103に形成された伝送線路と、デバイスソケット102に設けられた端子とを介して、半導体101の端子と電気的に繋がっている。
【0018】
マザーボード104には、複数のケーブルアッセンブリ10が設けられている。ケーブルアッセンブリ10はコネクタ1と、コネクタ1に接続される複数の同軸ケーブル2とを備えている。この例では、同軸ケーブル2はマザーボード104において用いられている。複数のコネクタ1は、それぞれパフォーマンスボード103に設けられたコネクタ6に対応する位置に保持されており、パフォーマンスボード103又はマザーボード104を上下方向に動かすことによって、複数のケーブルアッセンブリ10を、対応するコネクタ6に一度に嵌めることができる。なお、図2に示すように、コネクタ1が有するハウジング11の側面には、当該コネクタ1をマザーボード104の上面に固定するための取付部19が設けられている。取付部19は例えば、ボルトやリベットによってマザーボード104に固定される。
【0019】
マザーボード104の下面には複数のコネクタ106が保持されている。各コネクタ106に複数の同軸ケーブル2の下端が接続されている。テストヘッド105の上面には、コネクタ106に接続される複数のコネクタ107が設けられている。各コネクタ107にはテストヘッド105が収容する試験モジュール108が取り付けられている。試験モジュール108は伝送線路110を介して試験装置本体109に接続されている。試験モジュール108は、試験装置本体109からの指示に応じて試験信号を発生し、当該試験信号は同軸ケーブル2、コネクタ6、パフォーマンスボード103等を介して半導体101に入力される。
【0020】
図8に示すように、同軸ケーブル2は、信号線21と、信号線21を囲む管状のグランド導体(例えば管状に形成された網組線)22と、信号線21とグランド導体22の間に介在する誘電体部23と、グランド導体22を囲む外皮部24とを有している。同軸ケーブル2の先端部では、グランド導体22、誘電体部23及び信号線21がこの順に露出している。
【0021】
コネクタ1は、樹脂などの絶縁体によって形成された概略箱状のハウジング11と、ハウジング11に挿入された複数のケーブル端子3とを有している。ハウジング11の下面には上方に伸びる複数の挿入孔11aが形成されている(図6参照)。図7又は図8に示すように、ケーブル端子3は同軸ケーブル2の端部に取り付けられる。ケーブル端子3は信号線21に接続される信号端子40と、グランド導体22に接続されるグランド端子30とを有している。また、ケーブル端子3は同軸ケーブル2の端部を挟むようにグランド端子30と組み合わされるベース50を有している。このベース50は樹脂などの絶縁体によって形成されている。複数のケーブル端子3は、それぞれ挿入孔11aに挿入されてハウジング11によって保持され、ハウジング11とともにコネクタ1を構成している。
【0022】
図8又は図9に示すように、ベース50は、同軸ケーブル2の直径と概ね等しい幅を有する細長い平板状の部材である。ベース50は、同軸ケーブル2から、当該同軸ケーブル2の延伸方向にさらに伸びるように配置されている。ベース50は、その基部の表面に、凹部51を有している。凹部51は、同軸ケーブル2の誘電体部23の外周面に合わせて湾曲し、凹部51上には誘電体部23が配置される。ベース50は、凹部51に隣接する位置に、ベース50から立ち上がる一対の保持壁部52,52を有している。この保持壁部52,52の間に、誘電体部23を越えてさらに伸びる信号線21が配置され、保持壁部52,52は、幅方向(図8及び図9のW方向)における信号線21の動きを規制している。
【0023】
図8又は図10に示すように、信号端子40は細長い板状の部材であり、その基部側に接続プレート部42を有し、その先端側に、接続プレート部42から上方に伸びる接触プレート部41を有している。接触プレート部41の位置と接続プレート部42の位置は、幅方向においてずれている。詳細には、図9に示すように、接続プレート部42は幅方向の中心に位置し、接触プレート部41は、同軸ケーブル2の中心線CLに対して幅方向の一方側(図8及び図9においてW1の示す方向)にずれている。接続プレート部42と接触プレート部41は、同軸ケーブル2の延伸方向に対して斜めに伸びる傾斜部43を介して繋がっている(図10参照)。中心線CL上に位置する信号線21は接続プレート部42上に配置され、半田等によって接続プレート部42に取り付けられている。
【0024】
信号端子40はベース50上に配置されている。詳細には、図9(b)に示すように、ベース50の表面には、同軸ケーブル2の延伸方向に伸びる溝50aが形成されている。溝50aは信号端子40の形状に対応しており、当該溝50aに信号端子40が収まっている。図9(a)に示すように、溝50aは保持壁部52の下方の位置にまで伸びており、保持壁部52は信号端子40から立つように設けられている。また、ベース50は、幅方向に伸びるブリッジ53を有している(図8参照)。信号端子40はブリッジ53と保持壁部52とによってベース50からの分離が抑えられている。このような信号端子40とベース50は、例えば、金属とともに樹脂を成型するインサート成型によって形成される。また、ベース50のみをモールドし、その後、信号端子40がベース50に取り付けられてもよい。
【0025】
図8に示すように、グランド端子30は、同軸ケーブル2の端部において露出したグランド導体22を覆うように形成され、当該グランド導体22に接続されている。詳細には、グランド端子30は、その基端側に、グランド導体22を覆う形状のカバー部32を有している。この例では、カバー部32は、側面の一部が開いた略円筒状をなしている。すなわち、カバー部32は半円筒状を呈し、円弧状の断面を有するように形成されている。また、カバー部32の径は外皮部24の径と概ね等しくなっている。カバー部32は、グランド導体22と誘電体部23と信号線21の露呈した部分と、接続プレート部42とを外方から覆うように配置され、カバー部32の内面はグランド導体22に接している。カバー部32には開口32cが形成されており、当該開口32cの縁がグランド導体22に半田等によって取り付けられている。
【0026】
カバー部32はベース50と組み合わされて筒状をなしている。この例では、カバー部32はベース50を覆うように配置され、カバー部32の左右の縁がベース50の側面に引っ掛かっている。詳細には、ベース50の側面には、複数の突起54が形成されている。カバー部32は、その左右の縁に、ベース50の側面に沿って配置される側壁部32aを有している。側壁部32aには孔32bが形成され、当該孔32bに突起54が嵌っている。なお、上述した保持壁部52は、図9(a)に示すように、カバー部32の内面に沿って立っている。詳細には、保持壁部52の外面は、カバー部32の内面に合わせて湾曲し、当該カバー部32の内面に接している。
【0027】
グランド端子30は、その先端側に、細長い板状の接触プレート部31を有している。接触プレート部31は、カバー部32から同軸ケーブル2の延伸方向に伸びるように設けられている。この例では、接触プレート部31は側壁部32aに繋がっている。接触プレート部31は、信号端子40の接触プレート部41の隣に配置されている。すなわち、接触プレート部31と接触プレート部41はベース50の幅方向に並んだ状態で、互いに平行に伸び、カバー部32から露呈している。
【0028】
図9(b)に示すように、接触プレート部31も、接触プレート部41と同様に、ベース50上に配置されている。この例では、ベース50の表面には、接触プレート部31に対応する形状の凹部50bが形成され、接触プレート部31は凹部50bに配置されている。なお、グランド端子30は、ベース50の側面に沿って配置される側壁部33を有し、当該側壁部33は接触プレート部31の縁から屈曲している。グランド端子30は、金属板に打ち抜き加工や曲げ加工を施すことによって一体的に形成される。
【0029】
上述したように、ハウジング11には、ケーブル端子3が挿入される挿入孔11aが形成されている。図3又は図6に示すように、挿入孔11aの奥部には、ハウジング11を貫通する、挿入孔11aより小さい貫通孔11bが形成されている。貫通孔11bの形状は、ベース50と接触プレート部31,41の断面形状に対応している。この例では、図5に示すように、貫通孔11bは四角形となっている。図3又は図6に示すように、ケーブル端子3が挿入孔11aに挿入されると、ベース50と接触プレート部31,41は貫通孔11bを通ってハウジング11の上方に突出する。
【0030】
上述したようにベース50は板状の部材であり、その外面(カバー部32とは反対側の面)は平らになっている。図5に示すように、挿入孔11aの内面には、ベース50の外面に沿う平らな面11dが形成されている。すなわち、面11dはベース50の外面と平行になるように形成されている。これによって、ケーブル端子3の挿入過程においては、ケーブル端子3を面11dに沿って滑らかに挿入できる。特にこの例では、ベース50とハウジング11の双方が樹脂によって形成されており、ケーブル端子3の挿入がさらに円滑化されている。
【0031】
図5に示すように、複数の挿入孔11aは格子状に設けられている。すなわち、挿入孔11aは、ケーブル端子3の挿入方向(この例では上方)に直交する方向であって、互いに直交する2方向(ここでは前後方向(Y1−Y2方向)と左右方向(X1−X2方向))とに並んでいる。その結果、挿入孔11aに挿入されたケーブル端子3も、挿入孔11aに挿入されたときには、前後方向及び左右方向に並ぶ。
【0032】
図5に示すように、挿入孔11aは互いに独立した孔である。すなわち、隣接する2つの挿入孔11aは、ハウジング11の壁部12,13,14によって仕切られている。左右方向において並ぶ2つの挿入孔11aは壁部12によって仕切られている。複数の挿入孔11aは、左右方向においては等間隔で設けられている。
【0033】
前後方向で並ぶ複数の挿入孔11aは、2つずつで纏まっており、2つの挿入孔11aは1つの対をなしている。この例では、前後方向には4つの挿入孔11aが並んでいる。ハウジング11の一方の縁側に配置される挿入孔11a(図5において矢印Aが指す挿入孔)と、その隣に配置される挿入孔11a(図5において矢印Bが指す挿入孔)とが対をなし、残りの2つの挿入孔11a(図5において矢印Cと矢印Dとが指す挿入孔)が別の対をなしている。前後方向で並ぶ2つの挿入孔11aは壁部13又は壁部14によって仕切られている。すなわち、対をなす2つの挿入孔11aは壁部13によって仕切られ、異なる対に含まれる2つの挿入孔11aの間には、壁部13より厚い壁部14が設けられている。すなわち、異なる対に含まれる2つの挿入孔11a(図5において矢印Bで指す挿入孔と矢印Cで指す挿入孔)の間隔は、対をなす2つの挿入孔11aの間隔より大きくなっている。
【0034】
図3又は図6に示すように、ハウジング11は壁部13から上方に伸びる支持プレート15を有している。対をなす2つの挿入孔11aの奥部に形成された貫通孔11bは、支持プレート15に沿って位置しており、支持プレート15は2つの貫通孔11bの間から上方に伸びている。貫通孔11bに挿通されたケーブル端子3のベース50、接触プレート部31,41はこの支持プレート15に沿って配置される。図4に示すように、支持プレート15は左右方向に長い板状である。複数のベース50、及び接触プレート部31,41は、支持プレート15の両側面に沿って左右方向に並んでいる(図2参照)。また、接触プレート部31と接触プレート部41は左右方向において交互に並んでいる。
【0035】
なお、図4に示すように、支持プレート15の両側面にはケーブル端子3の挿入方向に伸びる壁部15aが形成されている。この壁部15aは、互いに隣接するベース50及び接触プレート部31,41との間に位置している。壁部15aは、ハウジング11に挿入される際の、ベース50及び接触プレート部31,41の進路を規定している。
【0036】
支持プレート15と、ベース50と、接触プレート部31,41は、コネクタ1の上方に配置されるコネクタ6に挿入される。コネクタ6は、図3に示すように、互いに向き合うように配置される信号端子61とグランド端子62とを有している。また、コネクタ6は、ハウジング60を有している。ハウジング60には下方に開いた挿入孔60aが形成されている。信号端子61とグランド端子62はこの挿入孔60aに収容されている。支持プレート15と、当該支持プレート15の両側に配置されたベース50及び接触プレート部31,41は、挿入孔60aに挿入され、信号端子61とグランド端子62とによって挟まれる。信号端子61の位置は接触プレート部31の位置に対応しており、接触プレート部31が挿入孔60a内に配置されたときには、信号端子61の先端が接触プレート部31に接触する。同様に、グランド端子62の位置は接触プレート部41の位置に対応しており、接触プレート部41が挿入孔60a内に配置されたときにはグランド端子62の先端が接触プレート部41に接触する。この例では、図6に示すように、コネクタ6に挿入されるベース50及び接触プレート部31,41の厚さが、同軸ケーブル2の径より小さくなっているため、互いに向き合うグランド端子62と信号端子61の距離を狭めることができ、コネクタ6の小型化が可能となっている。なお、信号端子61とグランド端子62は、パフォーマンスボード103の下面から下方に伸びるように配置されており、それらの上端61a,62aはパフォーマンスボード103の下面に形成された導体(不図示)に接続されている。
【0037】
図6乃至図8に示すように、グランド端子62は、ケーブル端子3が挿入孔11aから抜けるのを防止する係合部32dを有している。この例では、係合部32dはカバー部32に形成されている。係合部32dは、その自由状態(外力が作用していない状態)では、カバー部32の外面から外方(同軸ケーブル2の半径方向)に張り出している。すなわち、係合部32dは、カバー部32に形成された開口32eの縁から、ケーブル端子3のハウジング11への挿入方向とは反対方向に向かって斜めに伸び、係合部32dの先端は、係合部32dの基部(カバー部32に接続された部分)より半径方向の外側に位置している。
【0038】
係合部32dは、板バネ状であり、カバー部32の内側に向かって弾性変改可能となっている。すなわち、係合部32dは、同軸ケーブル2の半径方向の中心(図9(a)において中心線CL)に向かって弾性変形可能となっている。詳細には、係合部32dは、その先端が中心線CLに向かって移動するように、その基部を支点として弾性変形可能となっている。開口32eは、係合部32dをカバー部32から切り起こすことによって形成された開口であり、開口32eの大きさは、係合部32dの形状に対応している。係合部32dが中心線CLに向かって弾性変形したときには、係合部32dは開口32eに収まるように配置される。
【0039】
図5又は図6に示すように、挿入孔11aの内面には、挿入孔11aの中心線(挿入孔11aの中心を通って、その長さ方向に伸びる直線)Chに向かって突出する被係合部16が形成されている。係合部32dがこの被係合部16に引っ掛かることによって、ケーブル端子3の抜けが防止されている。詳細には、挿入孔11aの内面には、ケーブル端子3の挿入方向(ここでは上下方向(Z1−Z2方向))に伸びる溝16aが形成されている。溝16aは係合部32dに対応する位置に形成されており、ケーブル端子3の挿入過程では、係合部32dはこの溝16aを通ってケーブル端子3の挿入方向に進む。被係合部16は、溝16aの途中に形成され、溝16aの底から中心線Chに向かって突出している。溝16aを進む係合部32dは、中心線Ch側に変位することによって被係合部16を越える。係合部32dの先端が被係合部16を越えると、係合部32dは再び半径方向の外方に張り出し、被係合部16に引っ掛かる。
【0040】
なお、図6に示すように、ハウジング11には、溝16aからさらに延伸して、挿入孔11aの奥部に設けられた壁部11cを貫通する貫通孔16bが形成されている。この貫通孔16bからピン状の工具を挿入することによって、係合部32dの被係合部16に対する引っ掛かりを解消し、ケーブル端子3をハウジング11から抜くことができる。
【0041】
図5に示すように、挿入孔11aの中心線Chに対して被係合部16、溝16a及び貫通孔16bが位置する方向(図5のE方向(中心線Chと被係合部16とを結ぶ直線の方向))は、前後方向(Y1−Y2方向)及び左右方向(X1−X2方向)の双方に対して傾斜している。そのため、挿入孔11aにケーブル端子3が挿入された時には、中心線Chに対して係合部32dが位置する方向も、前後方向及び左右方向の双方に対して傾斜する。この例では、左右方向において隣接する2つのケーブル端子3の係合部32dは、それらが挿入される挿入孔11aの中心線Chに対して同じ方向に位置している。
【0042】
また、この例では、左右方向における被係合部16及び係合部32dの位置は、左右方向に並ぶ2つの挿入孔11aを仕切る壁部12と、中心線Chとの間の位置となっている。また、カバー部32には半円筒状に形成されているため、隣接する2つのカバー部32の外周面の間には、隣接する2つの側壁部32aの間の間隔より大きな間隔が設けられている。係合部32dと被係合部16は、隣接する2つのカバー部32の間であって、このように間隔が大きくなっている部分に位置している。これによって、係合部32dを側壁部32aに形成する場合に比べて壁部12を薄くすることができ、コネクタ1の左右方向の幅を抑えることができている。また、前後方向における被係合部16の位置は、挿入孔11aの内面において最も前の位置Pfと中心線Chとの間、又は最も後の位置Prと中心線Chとの間に位置している。これによって、コネクタ1の前後方向の幅を抑えることができている。
【0043】
係合部32dはカバー部32に形成されており、挿入孔11aに挿入されたケーブル端子3の係合部32dは、隣のケーブル端子3のカバー部32側に傾いている。そのため、信号線21を介して高周波の信号が伝送される際に係合部32dから放出される電磁波が、隣のカバー部32に伝播し難くなっている。つまり、アンテナ状の係合部32dから放出される電磁波は、同じくアンテナ状に突出する部分によって受信され易い。しかしながら、本実施形態では、係合部32dには、隣のカバー部32の外周面が隣接しており、当該係合部32dから放出される電磁波が隣のカバー部32において受信され難くなっている。
【0044】
上述したように、ベース50には、カバー部32の内面に沿って立つ保持壁部52が設けられている。この保持壁部52は、係合部32dの内側に位置している。すなわち、保持壁部52は、カバー部32に形成された開口32cの内側に位置し、当該開口32cを内側から閉じるように配置されている。この保持壁部52によって、係合部32dの過剰な傾きを抑えることができる。また、開口32cからの電磁波の漏洩を抑えることができる。
【0045】
なお、保持壁部52は、カバー部32の内側であって係合部32dの基部(係合部32dの立ち上がり部)に位置してもよい。こうすることによって、保持壁部52によって、係合部32dの基部が支持され得る。例えば、係合部32dが被係合部16と係合した後に、ケーブル端子3を引き抜こうとする力が作用したときに、係合部32dの基部が保持壁部52に支持されるため、係合部32dの強度を保つことができる。
【0046】
なお、上述したように、挿入孔11aの内面には、ベース50に沿うように形成された面11dが形成されている。中心線Chと被係合部16とを結ぶ直線と、中心線Chと係合部32dとを結ぶ直線は、ベース50及び面11dに対して垂直な直線に対して傾斜している。
【0047】
上述したように、挿入孔11aは格子状に設けられ、左右方向に伸びる4つの列を構成している。互いに隣り合う2つの列で並ぶ挿入孔11a(図5において矢印Bと矢印Cとが指す挿入孔(請求項における第1の挿入孔と第2の挿入孔))の被係合部16は、交互に設けられている。この例では、2列目で並ぶ複数の挿入孔11a(図5において矢印Bが指す挿入孔)の被係合部16と、3列目で並ぶ複数の挿入孔11a(図5において矢印Cが指す挿入孔)の被係合部16は、それらの挿入孔11aの中心線Chを通る平面Xを挟んで互いに反対側に位置している。
【0048】
また、2列目で並ぶ挿入孔11aと、3列目で並ぶ挿入孔11aとの間には壁部14が設けられ、この壁部14は、対をなす挿入孔11aの間に設けられる壁部13より厚くなっている。そして、2列目で並ぶ挿入孔11aの中心線Chと、3列目で並ぶ挿入孔11aの中心線Chとの間に、それらの挿入孔11aに形成された被係合部16は位置している。また、対をなす挿入孔11a(例えば、矢印Aで示す挿入孔と、矢印Bで示す挿入孔)の被係合部16は、それらの挿入孔11aの間に位置する壁部13を挟んで反対側に位置している。
【0049】
以上説明したように、コネクタ1のハウジング11には、複数のケーブル端子3がそれぞれ挿入される互いに独立した複数の挿入孔11aが形成されている。複数の挿入孔11aは、ケーブル端子3の挿入方向に対して直交する2つの方向であって、互いに直交する前後方向と左右方向とに並ぶよう形成されている。グランド端子30は、当該グランド端子30の外面から外方に張り出すとともに、当該グランド端子30の内側に向かって弾性変形可能な係合部32dを有している。ハウジング11は、挿入孔11aの内面に、係合部32dが引っ掛かる被係合部16を有している。そして、中心線Chに対して係合部32dが位置する方向Eは、前後方向及び左右方向の双方に対して傾斜している。
【0050】
このようなコネクタ1によれば、係合部32dが中心線Chに対して前後方向又は左右方向に位置している場合に比べて、係合部32dと、隣のケーブル端子3との間に十分な距離を確保し易くなる。また、アンテナ状に突出する2つの係合部32dは向き合っていないので、係合部32dから放出された電磁波が別の係合部32dで受信されることを抑えることができる。そのため、コネクタの大型化を抑えつつ、係合部32dから放出される電磁波が他のケーブル端子3にまで伝播することを抑えることができ、ノイズの発生を抑えることができる。
【0051】
また、ハウジング11では、挿入孔11aの中心線Chに対して被係合部16が位置する方向Eは、前後方向及び左右方向の双方に対して傾斜している。このようなハウジング11によれば、被係合部16が前後方向又は左右方向に位置している場合に比べて、被係合部16に引っ掛かる係合部32dと、別のケーブル端子3との間に十分な距離を確保し易くなる。そのため、コネクタの大型化を抑えつつ、係合部32dから放出される電磁波が他のケーブル端子3にまで伝播することを抑えることができ、ノイズの発生を抑えることができる。
【0052】
なお、本発明は、以上説明したコネクタ1及びハウジング11に限られず、種々の変更が可能である。例えば、以上の説明では、ケーブル端子3はベース50を有し、グランド端子30はカバー部32を有し、ベース50とカバー部32は、互いに組み合わされることによって、筒状を呈していた。しかしながら、ケーブル端子3にベース50を設けることなく、グランド端子30が筒状に形成されてもよい。また、ケーブル端子3はグランド端子30と信号端子40とを有していた。しかしながら、ケーブル端子3はグランド端子のみによって構成されてもよい。図11はこの形態の例であるケーブル端子3Aを示す斜視図であり、同図ではケーブル端子3Aに同軸ケーブル2Aが取り付けられている。この例では、ケーブル端子3Aには信号端子が設けられることなく、同軸ケーブル2Aの信号線21Aがケーブル端子3Aの先端部まで伸びている。ケーブル端子3Aは同軸ケーブル2Aの端部を収容する円筒状であり、その内周面は同軸ケーブル2Aのグランド導体22に接している。これによって、ケーブル端子3Aはグランド端子として機能する。このようなケーブル端子3Aが用いられる場合、当該ケーブル端子3Aを有するコネクタに接続される相手方コネクタには、ケーブル端子3Aに接触する端子と、信号線21Aに接触する端子とが設けられる。
【0053】
また、以上の説明では、グランド端子30のカバー部32は、円弧状の断面を有する半円筒状に形成されていた。しかしながら、カバー部は多角形の断面を有する筒状に形成されてもよい。図12はこの形態に係るグランド端子30Bが左右方向に並んだ状態を示す断面図である。この例のグランド端子30Bはカバー部32Bを有している。カバー部32Bは、複数(ここでは3つ)の平らな壁部32fと側壁部32aとを有している。複数の壁部32fは全体として断面多角形の半筒状の壁を構成するように周方向に並んでおり、これによってカバー部32は略半円筒状に形成されている。この場合、上述した開口32e及び係合部32dは一つの壁部32fに形成される。これによって、カバー部の断面が完全な円弧を呈する場合に比べて、係合部32dの加工(カバー部からの切り起こし)及び係合部32dの弾性変形が容易になっている。また、この例では、挿入孔11aの中心線Chに対して係合部32dが位置する方向Eは、隣のグランド端子30Bのカバー部32Bを構成する壁部32fに沿った方向となっている。すなわち、方向Eは壁部32fと概ね平行となっている。これによって、係合部32dから放出された電磁波が、隣のグランド端子30Bのカバー部32Bで受信され難くなっている。
【0054】
また、以上の説明では、前後方向に並ぶ複数の挿入孔11aは、2つずつでまとまり、2つの挿入孔11aが一つの対をなしていた。しかしながら、複数の挿入孔11aは、そのような対を構成していなくてもよい。その場合、各挿入孔11aに設けられた被係合部16は、挿入孔11aの中心線Chに対して同じ方向に位置してもよい。
【0055】
また、以上の説明では、ケーブルアッセンブリ10は半導体試験装置100に搭載されていた。しかしながら、ケーブルアッセンブリ10は、半導体試験装置とは異なる電子機器で用いられてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 コネクタ、2,2A 同軸ケーブル、3,3A ケーブル端子、6 コネクタ、10 ケーブルアッセンブリ、11 ハウジング、11a 挿入孔、11b 貫通孔、11c 壁部、12,13,14 壁部、15 支持プレート、15a 壁部、16 被係合部、16a 溝、16b 貫通孔、19 取付部、21 信号線、22 グランド導体、23 誘電体部、24 外皮部、30,30B グランド端子、31 接触プレート部、32,32B カバー部、32a 側壁部、32b 孔、32c 開口、32d 係合部、32e 開口、32f 壁部、33 側壁部、40 信号端子、41 接触プレート部、42 接続プレート部、43 傾斜部、50 ベース、50a 溝、50b 凹部、51 凹部、52 保持壁部、53 ブリッジ、54 突起、60 ハウジング、60a 挿入孔、61 信号端子、61a 上端、62 グランド端子、100 半導体試験装置、101 半導体、102 デバイスソケット、103 パフォーマンスボード、104 マザーボード、105 テストヘッド、106 コネクタ、107 コネクタ、108 試験モジュール、109 試験装置本体、110 伝送線路。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸ケーブルのグランド導体を覆う形状のグランド端子を有する複数のケーブル端子と、
前記複数のケーブル端子がそれぞれ挿入された互いに独立した複数の挿入孔が形成されたハウジングと、を備え、
前記複数の挿入孔は、前記ケーブル端子の挿入方向に対して直交する2つの方向であって、互いに直交する第1の方向と第2の方向とに並ぶよう形成され、
前記グランド端子は、当該グランド端子の外面から外方に張り出すとともに、当該グランド端子の内側に向かって弾性変形可能な係合部を有し、
前記ハウジングは、前記複数の挿入孔の内面に、前記係合部が引っ掛かる被係合部を有し、
前記挿入孔の中心線に対して前記係合部が位置する方向は、前記第1の方向及び第2の方向の双方に対して傾斜している、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記ケーブル端子は、前記挿入方向に伸びる板状のベースをさらに備え、
前記グランド端子は、前記グランド導体を覆うように形成されるとともに前記ベースと組み合わされて筒状をなすカバー部を備え、
前記複数の挿入孔の内面には前記ベースに沿う面が形成されている、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記グランド端子は、前記グランド導体を覆う半筒状のカバー部を含み、
前記係合部は前記カバー部に形成され、
隣接する2つの前記ケーブル端子の前記係合部は、それらが挿入される前記挿入孔の中心線に対して同じ方向に位置している、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記ケーブル端子は、前記グランド端子の内面に沿って立つとともに前記係合部の内側に位置する壁部を有する、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記複数の挿入孔は、一列に並ぶ複数の第1の挿入孔と、前記複数の第1の挿入孔の隣において一列に並ぶ複数の第2の挿入孔とを含み、
前記第1の挿入孔に挿入された前記ケーブル端子の前記係合部と、前記第2の挿入孔に挿入された前記ケーブル端子の前記係合部は、前記第1の挿入孔の中心線と前記第2の挿入孔の中心線とを含む平面を挟んで互いに反対側に位置している、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項1に記載のコネクタを含むケーブルアッセンブリであって、
前記複数のケーブル端子が端部に取り付けられた複数の同軸ケーブルを備える、
ことを特徴とするケーブルアッセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のケーブルアッセンブリを備える半導体試験装置。
【請求項8】
同軸ケーブルのグランド導体を覆う形状のグランド端子であって、当該グランド端子の外面から外方に張り出すとともに、前記グランド端子の内側に向かって弾性変形可能な係合部を有するグランド端子を含む複数のケーブル端子が挿入可能なコネクタのハウジングであって、
前記複数のケーブル端子がそれぞれ挿入可能な、互いに独立した複数の挿入孔が形成され、
前記複数の挿入孔は、前記ケーブル端子の挿入方向に対して直交する2つの方向であって、互いに直交する第1の方向と第2の方向とに並ぶよう形成され、
前記複数の挿入孔の内面に、前記グランド端子の前記係合部が引っ掛かる被係合部が設けられ、
前記挿入孔の中心線に対して前記被係合部が位置する方向は、前記第1の方向及び第2の方向の双方に対して傾斜している、
ことを特徴とするコネクタのハウジング。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−14324(P2011−14324A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156358(P2009−156358)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【出願人】(390015244)日本モレックス株式会社 (37)
【Fターム(参考)】