説明

コネクタおよびそのベース

【課題】ピン間の導通により発生する短絡現象を回避するコネクタとそのベースを提供する。
【解決手段】複数のピン202と、およびその表面に複数の凹溝203が形成された本体とを備え、前記複数のピンの一端が、前記複数の凹溝内にそれぞれ設置されるベース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタとそのベースに関し、特に、短絡状態の発生を回避するコネクタとそのベースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばRJ45コネクタなどの一般のコネクタは、各種のネットワークのインターフェースに用いられ、信号の転送を行う。従来のコネクタ1は、ベース10と、回路板11と、端子ベース12とを備え、回路板11は、ベース10の上に設置される。ベース10は、ベース10に穿通した複数のピン101が設置され、外部回路と電気的接続を行うことができる。端子ベース12もまた、ベース10の上に設置される。端子ベース12は複数の端子121を有し、各端子121は回路板11の接点に全て接続され、回路板11の既定の回路を用いて各端子121にその対応するピン101との電気的接続が形成される。
【0003】
ピン101は、はんだ接続の方式で回路板11に接続されるが、はんだ接続のプロセスで、加熱されて溶けたはんだが流れて互いに導通し、短絡現象を起こす可能性がある。また、電子技術産業の進歩に伴って、電子装置が全て小型で性能がよいことが基本的要求となったため、ダウンサイジングの時勢に応じて、コネクタ1の各ピン101間の距離もそれに対応して縮小され、そのため、はんだにより各ピン101が互いに導通して起こる短絡現象がますます生じる。
【0004】
よって、ピン間の導通により発生する短絡現象を回避するコネクタとそのベースをどう提供できるかが重要な課題の1つである(先行文献はありません)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の課題に鑑みて、本発明の目的は、ピン間の導通により発生する短絡現象を回避するコネクタとそのベースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって、上述の目的を達成するため、本発明に基づいたベースは、複数のピンと本体とを備える。前記本体の表面は、複数の凹溝が形成され、前記複数のピンの一端は、前記複数の凹溝内に設置される。
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明に基づいたコネクタは、ベースと、回路構造体と、端子ベースとを備える。前記ベースは、複数のピンと本体とを備え、前記本体の表面に複数の凹溝が形成され、前記複数のピンの一端が前記複数の凹溝内にそれぞれ設置される。前記回路構造体は、前記ピンと電気的接続され、前記端子ベースの一端に複数の端子が設置され、前記端子が電気回路板と電気的接続される。
【発明の効果】
【0008】
上述のように、本発明に基づいたコネクタとそのべースは、前記ピンを前記ベース表面に設けられた前記凹溝内にそれぞれ設置することから(例えば、前記ピンは、前記凹溝の中の1つにそれぞれ対応して設置することができることから)コネクタなどの電子装置のはんだ作業の時、凹溝が溶融はんだを受けることで、余分なはんだが四方八方へ不規則に流動するのを規制するため、ピン間の導通により発生する短絡現象を効果的に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
図2を参照すると、本発明の好ましい実施例に基づいたベース20は、複数のピン202と本体201とを備える。前記ベース20は、RJ−11、RJ−12、またはRJ45コネクタのベースである。
【0011】
前記本体201は、表面2011を有し、前記表面2011は、複数の凹溝203が設けられる。本実施例では、前記凹溝203は、前記ピン202の位置に対応して前記表面2011に凹状に設けられるが、前記ピン202の位置に対応して前記表面2011に凸状に設けることもできる。前記ピン202は前記凹溝203内にそれぞれ設置され、前記凹溝203の断面は前記ピンの断面より大きい。本実施例では、前記凹溝203の数は、前記ピン202の数に対応する。前記凹溝203の中は、はんだ材料を填入して前記ピン202を前記ベース20の上に固定することができる。本実施例では、前記はんだ材料は例えば無鉛錫などの鉛フリーはんだとしてもよい。
【0012】
前記凹溝203の少なくとも1つの内壁は、図3に示すように斜面204を有し、前記斜面204は、開口部から内側に徐々に縮小され、はんだ付けプロセス中の溶融はんだを受けるように構成され、その流動を制限する。
【0013】
図4に示すように、本発明の好ましい実施例に基づいたコネクタ2は、ベース20と、回路構造体21と、端子ベース22とを備える。前記コネクタ2は、RJ−11、RJ−12、またはRJ45コネクタである。
【0014】
前記ベース20は、複数のピン202と本体201とを備える。前記ベース20と上述の同じ装置が同じ構成と機能を有することからここでは省略する。
【0015】
本実施例では、前記回路構造体21は、前記ベース20の上に設置され、且つ、前記回路構造体21には、前記ピン202の分布に対応した複数のピン孔211が形成され、前記ピン202は、前記ピン孔211にそれぞれ挿通された後、前記回路構造体21と電気的接続される。前記回路構造体21は、前記ピン202によって外部回路との電気的接続を形成する。前記回路構造体21は、回路板からなる。
【0016】
前記端子ベース22は、前記ベース20と接続され、且つ、前記回路構造体21は、前記端子ベース22と前記ベース20との間に設置される。
【0017】
前記端子ベース22は、挿し溝221と複数の端子222とを備え、前記挿し溝221は、前記端子ベース22の一側に設けられ、前記挿し溝221の底部には、複数の係合部223が設けられる。前記端子222は、前記係合部223にそれぞれ対応して設置され、且つ、前記端子222の末端は、例えば、はんだ方式で前記回路構造体21の接点の上に接続され、且つ、その対応する前記ピン202とそれぞれ電気的に接続される。
【0018】
本実施例のコネクタ2は、ハウジング23を更に備えることができ、前記ベース20と、前記回路構造体21と、前記端子ベース22とをその中に備える。
【0019】
上述のように、本発明に基づいたコネクタとそのべースは、前記ピンを前記ベース表面に設けられた前記凹溝内にそれぞれ設置することから(例えば、前記ピンは、前記凹溝の中の1つにそれぞれ対応して設置することができることから)コネクタなどの電子装置のはんだ作業の時、凹溝が溶融はんだを受けることで、余分なはんだが四方八方へ不規則に流動するのを規制するため、ピン間の導通により発生する短絡現象を効果的に回避することができる。また、斜面が開口部から内側に徐々に縮小されているため、はんだ材料が製造プロセス中、流れ出るのを制限することができる。
【0020】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や改良を付加することは可能である。従って、本発明が保護を請求する範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のコネクタの概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施例に基づいたベースの概略図である。
【図3】本発明の好ましい実施例に基づいたベースの局部拡大概略図である。
【図4】本発明の好ましい実施例に基づいたコネクタの概略図である。
【符号の説明】
【0022】
1 コネクタ
10 ベース
101 ピン
11 回路板
12 端子ベース
121 端子
2 コネクタ
20 ベース
201 本体
2011 表面
202 ピン
203 凹溝
204 斜面
21 回路構造体
211 ピン孔
22 端子ベース
221 挿し溝
222 端子
223 係合部
23ハウジング



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピンと、その表面に複数の凹溝が形成された本体とを備え、前記複数のピンの一端が、前記複数の凹溝内にそれぞれ設置されることを特徴とするベース。
【請求項2】
複数のピンと本体とを備え、
前記本体の表面に複数の凹溝が形成され、前記複数のピンの一端が前記複数の凹溝内にそれぞれに設置されるベースと、
前記ピンと電気的接続される回路構造体と、
その一端に複数の端子が設置され、前記端子が前記回路構造体と電気的接続される端子ベースと
を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
前記回路構造体に、前記複数のピンの分布に対応した複数のピン孔が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記回路構造体は、外部回路と電気的接続をすることができ、且つ、前記回路構造体は、回路板からなることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記回路構造体は、前記端子ベースと前記ベースとの間に設置されるものであることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ベースと、前記回路構造体と、前記端子ベースとをその中に備えるハウジングを更に備えることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記凹溝は、前記表面に凹状に設けられる、または凸状に設けられることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記凹溝の断面が、前記ピンの断面より大きく構成されたことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記凹溝の少なくとも1つの内壁は、斜面を有することを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記凹溝の数は、前記ピンの数に対応するものであることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記凹溝の中は、はんだ材料が填入され、且つ、前記はんだ材料は無鉛錫からなることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−149663(P2007−149663A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298751(P2006−298751)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(596039187)台達電子工業股▲ふん▼有限公司 (192)
【Fターム(参考)】