説明

コネクタモジュールの積層構造

【課題】設置スペースを削減することが可能な電子部品内蔵型のコネクタモジュールの積層構造を提供する。
【解決手段】第1モジュール11は、ICチップ17から引き出される複数のリードフレーム15を有し、このうちのいくつかのリードフレーム15はモジュール側面から外部に突起する接続用端子13に接続され、それ以外のリードフレーム15は、モジュール上面から外部に突起する接続用突起部21に接続される。また、第2モジュール12は、複数のリードフレーム16を有し、このリードフレーム16の一端側は、モジュール側面から外部に突起する接続用端子14に接続される。そして、第1モジュール11と第2モジュール12を積層し、接続用突起部21を接続用孔22内に挿入して、各接続用突起部21と、第2モジュール12のリードフレーム16とを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が内蔵されたコネクタモジュールを積層化する技術に係り、特に、電子部品から効率良くリードフレームを引き出す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今における車両においては、多くの電装品が搭載されるようになっており、これに伴って動力配線、及び計装配線の配索数が増大しつつある。このような中で、電装品の小型化、省スペース化を図るために、コネクタ内にICチップ等の電子部品を搭載する電子部品内蔵型のコネクタモジュールが採用されている(例えば、特許文献1参照)。コネクタモジュールは、ICチップより多くのリードフレームが平面的に引き出されるので、コネクタモジュールが占める面積が大型することが懸念される。
【0003】
図12は、従来におけるコネクタモジュールを示す説明図であり、(a)は外観図、(b)は内部配線図を示している。図12(b)に示すように、コネクタモジュール101内に設けられるICチップ102は、矩形状をなしており、該ICチップ102の4つの辺に設けられる各端子には、リードフレーム103の一端が接続されている。そして、このリードフレーム103の他端がコネクタモジュール101の一つの側面部まで引き回され、更に外部に突起する外部端子103aとされている。このような構成とした場合には、ICチップ102の端子数が増える程、コネクタモジュール101の側面から突起するリードフレーム103の数が増大するので、図12(a)に示すように、コネクタモジュール101が余儀なく横方向に大きくなるという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−177053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来における電子部品を内蔵したコネクタモジュール101では、ICチップ102等の電子部品に接続する端子数が多くなると、これに伴ってコネクタモジュールが平面的に大きくなり、ひいては、設置スペースが大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、設置スペースを削減することが可能な電子部品内蔵型のコネクタモジュールの積層構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、電子部品を含む平板形状の一のモジュールと、平板形状の他のモジュールを積層するコネクタモジュールの積層構造であって、前記一のモジュールは、前記電子部品から引き出される複数のリードフレームを有し、このうち少なくとも一つのリードフレームはモジュール側面から外部に突起する第1接続用端子に接続され、それ以外の少なくとも一つのリードフレームは、モジュール上面または下面から外部に突起する接続用突起部に接続され、前記他のモジュールは、少なくとも一つのリードフレームを有し、このリードフレームの一端側は、モジュール側面から外部に突起する第2接続用端子に接続され、他端側は、モジュール上面または下面の、前記一のモジュールから突起する接続用突起部に対応する位置に開口部が形成され、前記一のモジュールと前記他のモジュールを積層し、前記接続用突起部を前記開口部に挿入して、各接続用突起部と、前記他のモジュール内の各リードフレームとを連結することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記一のモジュールは、前記接続用突起部を複数個備え、各接続用突起部の突起位置を結ぶ線は、上面視「ハ」字形状とされることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記連結用突起部と、前記他のモジュール内の各リードフレームとを、圧接、溶着、及び半田付けのうち、いずれか1つの方法で連結することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記一のコネクタモジュールに設けられるリードフレームの端部を、モジュール側面から突起させて前記第1接続用端子とし、前記他のコネクタモジュールに設けられるリードフレームの端部を、モジュール側面から突起させて前記第2接続用端子とすることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記一のコネクタモジュールに設けられるリードフレームの端部を略直角に折り曲げて、前記接続用突起部とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコネクタモジュールの積層構造では、一のモジュールに設けられる電子部品から引き出される複数のリードフレームのうちの一部を、このモジュールの側面から突起する接続用突起部に接続し、その他のリードフレームをこのモジュールの上面、または下面に突起する接続用突起部に接続する。また、他のモジュールには、複数のリードフレームが設けられ、その一端はこのモジュールの側面から突起する第2接続用端子に接続される。そして、このリードフレームと接続用突起部とを連結することにより、第1モジュールのリードフレームと第2モジュールのリードフレームを接続することができる。従って、電子部品より引き出される複数のリードフレームを多段状にして接続用端子に接続することができ、コネクタモジュールの設置スペースを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造に用いられる第1モジュールの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造に用いられる第2モジュールの構成を示す説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る積層構造により積層されたコネクタモジュールの外観図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造に用いられる第1モジュールの構成を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造に用いられる第2モジュールの構成を示す説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造に用いられる第3モジュールの構成を示す説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る積層構造により積層されたコネクタモジュールの外観図である。
【図8】本発明の第1,第2実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造に用いられるリードフレームと接続用突起部との連結の様子を示す説明図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係り、第1モジュールにリードフレームが連結される様子を示す説明図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造に用いられるリードフレームと接続用突起部との連結の様子を示す説明図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造に用いられるリードフレームと接続用突起部との連結の様子を示す説明図である。
【図12】従来におけるコネクタモジュールの外観図及び内部配線図を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る積層構造が適用されるコネクタモジュールを構成する第1モジュール11を示す説明図、図2は第1モジュール11に積層される第2モジュール12の構成を示す説明図である。図1,図2において(a)は外観図、(b)は内部配線図を示している。なお、本実施形態では、コネクタハウジング(不図示)に内蔵される電子部品内蔵モジュールをコネクタモジュールと称することにする。
【0015】
図1(b)に示すように、第1モジュール(一のモジュール)11は、平板形状を有しており、該第1モジュール11内のほぼ中央部にはICチップ17(電子部品)設けられる。ICチップ17は矩形状をなしており、該ICチップ17の4つの辺に設けられる各端子には導電性を有するリードフレーム15が接続されている。ICチップ17とリードフレーム15は、ワイヤボンディング等の、図示しない方法により電気的に接続されている。
【0016】
そして、各リードフレーム15のうち、ICチップ17の図中下辺部の端子に接続されたもの、及び左辺部、右辺部の各端子に接続されたもののうちの一部が、第1モジュール11の一つの側面p1側に引き回されて外部に突起し、接続用端子(第1接続用端子)13に接続されている。この際、全体のリードフレーム15の本数のうち、半分となる本数のリードフレーム15が側面p1側から突起されるのが望ましい。図1に示す例では、32本のリードフレーム15のうち、その半分である16本のリードフレーム15が側面p1側に引き回されて接続用端子13に接続されている。なお、接続用端子13はリードフレーム15の先端をそのまま外部に突起させる構成としても良いし、専用の端子を設けてリードフレーム15と接続する構成としても良い。
【0017】
また、それ以外のリードフレーム15(先端部が側面p1側に引き回されないもの)については、ICチップ17の端子部から所定の距離だけ離れた位置まで引き回された位置にて上方に略直角に折り曲げられる。そして、折り曲げた部分の先端が第1モジュール11の上面より若干の長さだけ突起する。例えば、図1(b)に示すリードフレーム15aは、符号q1に示す位置まで引き回され、この位置q1にて上方に折り曲げられて、上面より突起する。この際、各リードフレーム15の折り曲げ位置は、全体が上面視「ハ」字形状となるように設定される。従って、図1(a)に示すように、リードフレーム15の先端部は、第1モジュール11の上面から若干の距離だけ突起して接続用突起部21とされる。なお、リードフレーム15と接続用突起部21は別体構成とすることも可能である。
【0018】
一方、図2(b)に示すように、第2モジュール(他のモジュール)12は、平板形状を有しており、該第2モジュール12内には、複数のリードフレーム16が等間隔で、且つ互いに平行に配置されている。そして、各リードフレーム16の一端は、全体が「ハ」字形状となる位置とされている。このとき「ハ」字形状は、前述した接続用突起部21の「ハ」字形状と一致するように設定されている。また、各リードフレーム16の他端は側面p2側から外部に突起し、接続用端子(第2接続用端子)14に接続されている。なお、接続用端子14はリードフレーム16の先端をそのまま外部に突起させる構成としても良いし、専用の端子を設けてリードフレーム16と接続する構成としても良い。
【0019】
また、図2(a)は、第2モジュール12の下面側が上方となるように示しており、該第2モジュール12の下面側には、各リードフレーム16の先端部に対応する位置にそれぞれ矩形状の接続用孔(開口部)22が穿設されている。
【0020】
そして、本実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造では、第1モジュール11の上面側と第2モジュール12の下面側を向き合わせた状態で積層する。この際、図1(a)に示した接続用突起部21と、図2(a)に示した接続用孔22が一致するので、この位置で双方を連結する。即ち、本実施形態では、図1(a)に示すように、16個の接続用突起部21が設けられ、図2(a)に示すように16個の接続用孔22が設けられるので、対応するものどうしが連結されて電気的に接続される。その結果、図3に示すように、第1モジュール11と第2モジュールが積層され、更に、二段式となった側面からそれぞれ接続用端子13,14が突起することとなる。
【0021】
次に、第1モジュール11に設けられた接続用突起部21と、第2モジュール12に設けられたリードフレーム16との連結の様子を、図8を参照して説明する。これらは、圧接により連結することができる。この連結方法では、接続用突起部21に切欠部21aを形成し、且つ、リードフレーム16の先端部を略直角に折り曲げて折り曲げ部16aとし、折り曲げ部を切欠部21a内に圧接して両者を固定する。これにより、各接続用突起部21と各リードフレーム16とを堅固に固定して連結することができる。
【0022】
このようにして、本実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造では、第1モジュール11の上面から接続用突起部21を突起させ、且つ、第2モジュールの下面に接続用孔22を形成し、接続用突起部21を接続用孔22内に挿入して、該接続用突起部21を第2モジュール12のリードフレーム16に連結する。従って、第1モジュール11のICチップ17に接続される複数のリードフレーム15のうちの略半分を第2モジュール12側に引き回すことができるので、積層後のコネクタモジュールの側面より突起する接続用端子13,14(図3参照)は二段式となり、従来のように平面状に設ける場合と比較して、設置スペースを著しく低減することが可能となる。
【0023】
また、接続用突起部21、及び接続用孔22を共に上面視「ハ」字形状としているので、複数のリードフレーム15,16を引き回す際のリードフレームどうしの干渉を防止でき、効率良くリードフレーム15,16を引き回すことができるようになる。
【0024】
更に、第1モジュール11に設けられるリードフレーム15をそのまま側面p1より突起させて接続用端子13とし、且つ、第2モジュール12に設けられるリードフレーム16をそのまま側面p2より突起させて接続用端子14とすれば、専用の接続端子を用いることなくコネクタを構成することができる。
【0025】
更に、リードフレーム15の先端を略直角に折り曲げて、接続用突起部21とすることにより、構成を簡素化することが可能となる。
【0026】
次に、本発明の第2実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造について、図4〜図7を参照して説明する。第2実施形態では、第1モジュール31、第2モジュール32、及び第3モジュール33の3つのモジュールを積層することにより、より一層平面的なスペースを削減する。
【0027】
図4は、第1モジュール31の構成を示す説明図であり、(a)は外観図、(b)は内部配線図を示している。図4(b)に示すように、第1モジュール(一のモジュール)31は、平板形状を有しており、該第1モジュール31内のほぼ中央部にはICチップ38(電子部品)設けられている。ICチップ38は矩形状をなしており、該ICチップ38の4つの辺に設けられる各端子には導電性を有するリードフレーム37が接続されている。
【0028】
そして、各リードフレーム37のうち、ICチップ38の図中下辺部の端子に接続されたもの、及び左辺部、右辺部の各端子に接続されたもののうちの一部が、第1モジュール31の一つの側面p11側に引き回されて外部に突起し、接続用端子(第1接続用端子)34に接続されている。図4に示す例では、32本のリードフレーム37のうちの12本のリードフレーム37が側面p11側に引き回されて接続用端子34に接続されている。なお、接続用端子34はリードフレーム37の先端をそのまま外部に突起させる構成としても良いし、専用の端子を設けてリードフレーム37と接続する構成としても良い。
【0029】
また、それ以外のリードフレーム37(先端部が側面p11側に引き回されないもの)については、ICチップ17の端子部から所定の距離だけ離れた位置まで引き回された位置にて上方、または下方に略直角に折り曲げられて、第1モジュール31の上面、または下面より若干の長さだけ突起する。本実施形態では、図4(b)に示す符号n1,n2に示す合計10本のリードフレーム37の先端を下方に折り曲げ、符号n3,n4に示す合計10本のリードフレーム37の先端を上方に折り曲げる。従って、第1モジュール31の上面には、「ハ」字形状に10個の接続用突起部41が突起することとなる。また、図示を省略するが、第1モジュール31の下面から符号n1,n2に対応する位置に10個の接続用突起部が設けられることとなる。
【0030】
一方、図5(b)に示すように、第2モジュール(他のモジュール)32は、平板形状を有しており、該第2モジュール32内には、複数のリードフレーム39が等間隔で、且つ互いに平行に配置されている。そして、各リードフレーム39の端部位置は、全体が「ハ」字形状となるように配置されている。このときの「ハ」字形状は、図4(a)に示した接続用突起部41の「ハ」字形状と一致するように設定されている。また、各リードフレーム39の他端は側面p12側から外部に突起し、接続用端子(第2接続用端子)35に接続されている。なお、接続用端子35は、リードフレーム39の先端をそのまま外部に突起させる構成としても良いし、専用の端子を設けてリードフレーム39と接続する構成としても良い。
【0031】
また、図5(a)は、第2モジュール32の下面側が上方となるように示しており、該第2モジュール32の下面側には、各リードフレーム39の先端部に対応する位置にそれぞれ矩形状の接続用孔42が穿設されている。
【0032】
そして、第2実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造では、前述した第1実施形態と同様に、第1モジュール31の上面側と第2モジュール32の下面側を向き合わせた状態で積層する。この際、図4(a)に示した接続用突起部41と、図5(a)に示した接続用孔42が一致するので、この位置でリードフレーム39と接続用突起部41を連結することが可能となる。この際、リードフレーム39と接続用突起部41との連結方法は、図8に示した如くの圧接により連結することができる。
【0033】
また、図6(b)に示すように、第3モジュール(他のモジュール)33は、平板形状を有しており、該第3モジュール33内には、複数のリードフレーム40が等間隔に、且つ互いに平行に配置されている。そして、各リードフレーム40のうちの左側の5本は一端側が左方に曲がってモジュールの左辺近傍まで伸びており、右側の5本は一端側が右方に曲がってモジュールの右辺近傍まで伸びている。そして、各リードフレーム40の他端は、側面p13側から外部に突起し、接続用端子(第2接続用端子)36に接続されている。なお、接続用端子36はリードフレーム40の先端をそのまま外部に突起させる構成としても良いし、専用の端子を設けてリードフレーム40と接続する構成としても良い。
【0034】
また、図6(a)に示すように、第3モジュール33の上面側には、各リードフレーム40の先端部に対応する位置にそれぞれ矩形状の接続用孔43が穿設されている。そして、第1モジュール31の下面側と第3モジュール33の上面側を向き合わせた状態で積層する。この際、第1モジュール31の下面側に形成される接続用突起部(図示省略;図4(b)のn1,n2の位置に対応)と、図6(a)に示した接続用孔43が一致するので、この位置で双方を連結する。この際、リードフレーム40と接続用突起部との連結方法は、図8に示した如くの圧接により連結することができる。
【0035】
その結果、図7に示すように、第1モジュール31上面側に第2モジュールが積層され、第1モジュール31の下面側に第3モジュール33が積層されたコネクタモジュールが形成されることとなる。
【0036】
このようにして、第2実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造では、第1モジュール31、第2モジュール32、及び第3モジュール33の三段式に積層するので、前述の第1実施形態で説明した二段式の場合と比較して、より一層平面的なスペースを削減することが可能となり、スペースの有効利用を図ることが可能となる。
【0037】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造を示す説明図である。第3実施形態では、前述した第1実施形態と同様の方式により第1モジュール51の上面から接続用突起部54を突起させ、各接続用突起部54にそれぞれリードフレーム52連結する。その後、第1モジュール51の上面側を樹脂等を用いてモールドし、全体を積層構造とする。そして、第1モジュール51の側面から接続用端子53を突起させ、更に、樹脂でモールドした後の側面からリードフレーム52に接続される接続用端子52aを突起させる。そして、これらの接続用端子53,52aを用いて、電気的な接続を行う。
【0038】
以下、接続用突起部54とリードフレーム52とを連結する様子、即ち、図9の符号Rに示す部分の詳細について説明する。第1の連結方法として、図10に示すように、リードフレーム52に切欠部52bを形成し、接続用突起部54を切欠部52b内に圧接して挿入することにより、両者を堅固に固定することができる。
【0039】
また、第2の連結方法として、図11に示すように、リードフレーム52に矩形状の開口部52cを形成し、接続用突起部54を開口部52c内に挿入し、更に半田55を付けることにより、両者を堅固に固定することができる。なお、前述の図8に示した圧接の方式を用いることも可能である。更に、図示を省略するが、接続用突起部54とリードフレーム52とを溶着により連結することも可能である。
【0040】
このようにして、第3実施形態に係るコネクタモジュールの積層構造では、第1モジュール51に設けられるリードフレームのうちのいくつか(例えば、半数)を第1モジュール51の上面側に折り曲げて突起させて接続用突起部54とし、各接続用突起部54と複数のリードフレーム52の先端部を連結することにより、第1モジュール51内に設けられるリードフレームを二段式とする。その後、第1モジュール51の上面側を樹脂等でモールドすることにより、リードフレーム52を含む上面の領域全体を第1モジュール51と一体化し、積層構造とする。従って、前述した第1実施形態と同様に、リードフレームの本数が増加した場合であっても、多くの平面的なスペースを必要とせずに設置することが可能となる。
【0041】
以上、本発明のコネクタモジュールの積層構造を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、電子部品を内蔵したコネクタモジュールを積層化して、平面的なスペースを削減することに利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
11 第1モジュール
12 第2モジュール
13 接続用端子(第1接続用端子)
14 接続用端子(第2接続用端子)
15 リードフレーム
16 リードフレーム
17 ICチップ(電子部品)
21 接続用突起部
22 接続用孔
31 第1モジュール
32 第2モジュール
33 第3モジュール
34 接続用端子(第1接続用端子)
35 接続用端子
36 接続用端子
37 リードフレーム
38 ICチップ(電子部品)
39 リードフレーム
40 リードフレーム
41 接続用突起部
42 接続用孔
43 接続用孔
51 第1モジュール
52 リードフレーム
52a 接続用端子(第1接続用端子)
53 接続用端子(第2接続用端子)
54 接続用突起部
55 半田
101 コネクタモジュール
102 ICチップ
103 リードフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を含む平板形状の一のモジュールと、平板形状の他のモジュールを積層するコネクタモジュールの積層構造であって、
前記一のモジュールは、前記電子部品から引き出される複数のリードフレームを有し、このうち少なくとも一つのリードフレームはモジュール側面から外部に突起する第1接続用端子に接続され、それ以外の少なくとも一つのリードフレームは、モジュール上面または下面から外部に突起する接続用突起部に接続され、
前記他のモジュールは、少なくとも一つのリードフレームを有し、このリードフレームの一端側は、モジュール側面から外部に突起する第2接続用端子に接続され、他端側は、モジュール上面または下面の、前記一のモジュールから突起する接続用突起部に対応する位置に開口部が形成され、
前記一のモジュールと前記他のモジュールを積層し、前記接続用突起部を前記開口部に挿入して、各接続用突起部と、前記他のモジュール内の各リードフレームとを連結することを特徴とするコネクタモジュールの積層構造。
【請求項2】
前記一のモジュールは、前記接続用突起部を複数個備え、各接続用突起部の突起位置を結ぶ線は、上面視「ハ」字形状とされることを特徴とする請求項1に記載のコネクタモジュールの積層構造。
【請求項3】
前記連結用突起部と、前記他のモジュール内の各リードフレームとを、圧接、溶着、及び半田付けのうち、いずれか1つの方法で連結することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のコネクタモジュールの積層構造。
【請求項4】
前記一のコネクタモジュールに設けられるリードフレームの端部を、モジュール側面から突起させて前記第1接続用端子とし、前記他のコネクタモジュールに設けられるリードフレームの端部を、モジュール側面から突起させて前記第2接続用端子とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコネクタモジュールの積層構造。
【請求項5】
前記一のコネクタモジュールに設けられるリードフレームの端部を略直角に折り曲げて、前記接続用突起部とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコネクタモジュールの積層構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−238530(P2012−238530A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108042(P2011−108042)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】