説明

コネクタユニット及びコネクタ装置

【課題】コネクタ装置全体の低背化を実現するコネクタユニット及びコネクタ装置を提供すること。
【解決手段】第1基板孔330を有した第1基板300に搭載される第1コネクタ100と、第2基板400に搭載される第2コネクタ200とを備え、第1コネクタ100及び第2コネクタ200の間の嵌合方向に直交する平面上に投影した第2コネクタ200の外形は、第1基板孔330の外形内に収まるように形成されているコネクタユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタユニット及びコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図12に示すように、第1の基板T1及び第2の基板(図示しない)を相互に接続するカードコネクタ500であって、カードコネクタ500が第1の基板T1に搭載された状態で、カードコネクタ500の一部が第1の基板T1に形成された装着用開口T1’内に配置されるカードコネクタ500が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
他方、図13に示すように、第1の配線基板T1に搭載されるめすコネクタ610と、第2の配線基板T2に搭載されるおすコネクタ620とから構成され、コネクタ610、620間の嵌合状態で、おすコネクタ620の一部が第1の配線基板T1に形成された取付孔T1’内に挿入されるスタッキングコネクタ600が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−11283号公報
【特許文献2】特開平6−283238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、コネクタ間を嵌合した状態での、コネクタ間の嵌合方向におけるコネクタ装置全体の寸法が大きいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、コネクタ装置全体の低背化を実現するコネクタユニット及びコネクタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコネクタユニットは、第1基板孔を有した第1基板に搭載される第1コネクタと、第2基板に搭載される第2コネクタとを備え、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの間の嵌合方向に直交する平面上に投影した前記第2コネクタの外形は、前記第1基板孔の外形内に収まるように形成されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0008】
本発明のコネクタ装置は、第1基板孔を有した第1基板と、第2基板と、前記第1基板に搭載される第1コネクタと、前記第2基板に搭載される第2コネクタとを備え、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの間の嵌合方向に直交する平面上に投影した前記第2コネクタの外形は、前記第1基板孔の外形内に収まるように形成されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、第2コネクタの外形を第1基板孔の外形内に収まるように形成することにより、第1コネクタと第2コネクタとの間の嵌合方向におけるコネクタ装置全体の低背化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例であるコネクタ装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタ装置を断面視して示す斜視図である。
【図3】第1コネクタを示す斜視図である。
【図4】図3と異なる視点から第1コネクタを見て示す斜視図である。
【図5】第2コネクタを示す斜視図である。
【図6】図5と異なる視点から第2コネクタを見て示す斜視図である。
【図7】第1コネクタ及び第1基板を示す断面図である。
【図8】第2コネクタ及び第2基板を示す断面図である。
【図9】第1コネクタ及び第2コネクタを嵌合させた状態を示すコネクタ装置の断面図である。
【図10】ピン部及びピン受容部の近傍部分を示すコネクタ装置の断面図である。
【図11】本発明の変形例であるコネクタ装置を示す断面図である。
【図12】従来のカードコネクタを示す断面図である。
【図13】従来のスタッキングコネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施例であるコネクタ装置を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0012】
本発明の一実施例であるコネクタ装置は、図1に示すように、第1基板300と、第2基板400と、第1基板300に搭載される第1コネクタ100と、第2基板400に搭載される第2コネクタ200とから構成されている。第1コネクタ100と第2コネクタ200とは、第1基板300及び第2基板400の基板面に対して垂直な方向(以下、嵌合方向X3)に相互に接近して嵌合し第1基板300と第2基板400との間を電気的に接続するコネクタユニットを構成している。
【0013】
以下の説明では、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを相互に接近させる嵌合方向X3に直交する方向を第1方向X1及び第2方向X2と規定する。第1方向X1及び第2方向X2は、相互に直交している。
【0014】
第1コネクタ100は、所謂プラグコネクタであり、図2乃至図4に示すように、複数の第1コンタクト110と、第1コンタクト110を保持する第1ハウジング120とを備えている。第1コンタクト110と第1ハウジング120とは、インサート成形により一体に成形されている。
【0015】
第1コンタクト110は、導電性の銅合金から成形され、図2乃至図4に示すように、第2方向X2における第1ハウジング120の両側において、第1方向X1に所定ピッチで並列した状態でそれぞれ複数配置されている。第2方向X2における第1ハウジング120の一方側に並列配置された複数の第1コンタクト110と、第2方向X2における第1ハウジング120の他方側に並列配置された複数の第1コンタクト110とは、嵌合方向X3及び第1方向X1により規定される平面を基準に面対称に配置されている。
【0016】
第1コンタクト110は、図7に示すように、第1端子部111と、第1端子部111に連設された第1直線部112と、第1直線部112に連設された第1接触部113と、第1接触部113の端部に形成された巻き端部114とを一体に有している。
【0017】
第1端子部111は、第1基板300の表面310に形成されたパッド311に半田付けされて接続されている(図2参照)。第1端子部111は、第1ハウジング120から第2方向X2に向けて突出し、第1ハウジング120の外部に露出している。第1端子部111は、第1基板300の表面310上に当接する第1当接面111aと、嵌合方向X3及び第2方向X2により規定される平面内で湾曲し第1基板300の表面310から離間する湾曲部111bとを有している。湾曲部111bは、第1端子部111とパッド311との間の半田付け作業時に、湾曲部111bとパッド311との間に形成された間隙内に半田を入り込ませることで、半田フィレットの形成を容易にし、半田付け強度を向上する目的で形成されている。
【0018】
第1直線部112は、第2方向X2に沿って延び、その一部が第1ハウジング120の第1本体部121内に埋設されている。第1直線部112は、前述した湾曲部111bを除いた第1端子部111の直線部分と一直線上に形成されている。
【0019】
第1接触部113は、嵌合方向X3に沿って延び、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合時に、第2コンタクト210の第2接触部215に接触し電気的に接続される(図8参照)。本実施例では、図7に示すように、第1コネクタ100を第1基板300に搭載した状態で、第1接触部113が第1基板孔330を超えて第1基板300の裏面320側に突出し、図9に示すように、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、第1接触部113が第2基板孔430内に入り込むように、嵌合方向X3における第1接触部113の寸法は設定されている。
【0020】
巻き端部114は、その一部が第1ハウジング120の第1突出部123内に埋設され、第1ハウジング120と第1コンタクト110との間の固着強度を向上させている。
【0021】
第1ハウジング120は、絶縁性の樹脂から成形され、図3や図4に示すように、平板状の第1本体部121と、第1本体部121の外縁に形成された第1フランジ部122と、第2方向X2に相互に離間し対向した状態で第1本体部121から嵌合方向X3に向けてそれぞれ突出形成された一対の第1突出部123と、第1方向X1に相互に離間し対向した状態で第1本体部121から嵌合方向X3に向けてそれぞれ突出形成された一対のピン部124と、第1本体部121及び一対の第1突出部123及び一対のピン部124により画定され第2コネクタ200側に開口した受容部125とを有している。
【0022】
第1本体部121は、平面視した場合に矩形状を呈し、図7に示すように、第1コネクタ100を第1基板300に搭載した状態で第1基板孔330の上方で第1基板300の表面310側に位置する第1部分121aと、第1コネクタ100を第1基板300に搭載した状態で第1基板孔330内に位置する第2部分121bとを有している。第2部分121bは、第1基板300に対する第1コネクタ100の取り付け時に、第1基板300に第1コネクタ100を載置した状態(すなわち、第1コンタクト110と第1基板300との間の半田付けが行われていない状態)で、第1基板孔330の内側面により第1方向X1及び第2方向X2に移動を規制される被規制面121b−1を外縁に有している。第1コネクタ100を第1基板300に搭載した状態(すなわち、第1コンタクト110と第1基板300との間の半田付けが行われた状態)で、被規制面121b−1と第1基板孔330の内側面との間には、第1方向X1及び第2方向X2において間隙が形成される。図3に示すように、第1本体部121(第1部分121a)の表面には、後述する孔126が形成されていない平坦面が存在し、この平坦面が、第1基板300に対して第1コネクタ100を載置する際に、第1コネクタ100を持ち上げて運ぶ運搬装置(図示しない)の吸着部(図示しない)により吸着保持される被吸着部127として機能する。
【0023】
第1フランジ部122は、第1本体部121の第1部分121aの外縁(第1部分121aの四辺)に形成されている。嵌合方向X3における第1フランジ部122の厚みは、嵌合方向X3における第1本体部121の第1部分121aの厚みと同じ寸法で設定されている。第1コネクタ100を第1基板300に載置した状態で、第1フランジ部122と第1基板300の表面310との間に間隔が形成されるように、第1ハウジング120は構成されている。このように第1ハウジング120を構成することにより、第1ハウジング120や第1コンタクト110に寸法上や形状上の多少の製造誤差が生じた場合であっても、第1基板300に第1コネクタ100を載置した状態で、第1コンタクト110の第1端子部111の第1当接面111aを第1基板300のパッド311に確実に当接させることができる。しかしながら、第1フランジ部122が第1基板300の表面310に対して物理的に接触するように構成してもよい。第1フランジ部122は、第1コネクタ100を第1基板300に搭載した状態で、第1基板孔330を除いた第1基板300の基板部分に対して嵌合方向X3に重なる。すなわち、第1基板300上に投影した第1フランジ部122を含む第1ハウジング120の外形は、嵌合方向X3に直交する平面内における第1基板孔330の外形内に収まらないように形成されている。このように、第1フランジ部122が第1基板孔330を除いた第1基板300の基板部分に対して嵌合方向X3に重なるように構成することにより、第1コネクタ100に対して何かしらの荷重や衝撃が加わった場合であっても、第1コンタクト110に過剰な変形荷重が加わることを回避し、所謂コネクタ煽り強度を向上できる。なお、本実施例では、第1フランジ部122が第1本体部121の第1部分121aの四辺に形成されているが、具体的な構成はこれに限定されず、第1コネクタ100を第1基板300に搭載した状態で、第1ハウジング120の少なくとも一部が、第1基板孔330を除いた第1基板300の基板部分に対して嵌合方向X3に重なるように構成すればよい。
【0024】
第1突出部123は、第1コンタクト110の第1接触部113を支持している。本実施例では、図7に示すように、第1コネクタ100を第1基板300に搭載した状態で、第1突出部123が第1基板300の裏面320側に突出し、図9に示すように、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、第1突出部123が第2基板孔430内に入り込むように、嵌合方向X3における第1突出部123の寸法は設定されている。
【0025】
ピン部124は、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、第2コネクタ200の第2ハウジング220に形成されたピン受容部223内(図5参照)に入り込み、ピン受容部223の内側面により第1方向X1及び第2方向X2に移動を規制されるように形成されている。本実施例では、図7に示すように、第1コネクタ100を第1基板300に搭載した状態で、ピン部124が第1基板300の裏面320側に突出し、図10に示すように、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、ピン部124が第2基板孔430内に入り込むように、嵌合方向X3におけるピン部124の寸法は設定されている。
【0026】
受容部125は、第2コネクタ200側に開口し、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合時に、第2ハウジング220及び第2コンタクト210の一部を受容するように構成されている。
【0027】
図2や図7に示す符号126は、第1ハウジング120に形成された孔であり、第1コンタクト110と第1ハウジング120とのインサート成形時には、金型の突起等で第1コンタクト110の動きを抑える必要があり、その結果として形成された孔である。
【0028】
第2コネクタ200は、所謂レセプタクルコネクタであり、図2、図5、図6に示すように、複数の第2コンタクト210と、第2コンタクト210を保持する第2ハウジング220とを備えている。第2コンタクト210は、第2ハウジング220に嵌め込まれている。
【0029】
第2コンタクト210は、導電性の銅合金から成形され、図2、図5、図6に示すように、第2方向X2における第2ハウジング220の両側において、第1方向X1に所定ピッチで並列した状態でそれぞれ複数配置されている。第2方向X2における第2ハウジング220の一方側に並列配置された複数の第2コンタクト210と、第2方向X2における第2ハウジング220の他方側に並列配置された複数の第2コンタクト210とは、嵌合方向X3及び第1方向X1により規定される平面を基準に面対称に配置されている。
【0030】
第2コンタクト210は、図8に示すように、第2端子部211と、第2端子部211に連設された第2直線部212と、第2直線部212から嵌合方向X3に向けて突出形成された被保持部213と、第2直線部212に連設されたバネ部214と、バネ部214に膨出形成された第2接触部215を一体に有している。
【0031】
第2端子部211は、第2基板400の表面410に形成されたパッド411に半田付けされて接続されている(図2参照)。第2端子部211は、第2ハウジング220から第2方向X2に向けて突出し、第2ハウジング220の外部に露出している。第2端子部211は、第2基板400の表面410上に当接する第2当接面211aを有している。嵌合方向X3に直交する平面上(第1基板300)に投影した第2端子部211を含む第2コネクタ200の外形は、第1基板孔330の外形内に収まるように形成されている。また、本実施例では、図9に示すように、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、第2コンタクト210及び第2ハウジング220の一部に加えて第2端子部211の一部も、第1基板孔330内に入り込むように、嵌合方向X3における第2端子部211の寸法は設定されている。
【0032】
第2直線部212は、第2方向X2に沿って延びている。
【0033】
被保持部213は、第2直線部212から嵌合方向X3に向けて突出形成され、第2ハウジング220に形成された保持部225に圧入され固定状態で保持されている。
【0034】
バネ部214は、第2直線部212に連設され嵌合方向X3に沿って延びる第1部分214aと、第1部分214aに連設され第2方向X2に沿って延びる第2部分214bと、第2部分214bに連設され嵌合方向X3に向けて延びる第3部分214cとから構成され、全体形状でコ字状を呈している。本実施例では、図8に示すように、第2コネクタ200を第2基板400に搭載した状態で、第3部分214cの一部が第2基板孔430内に位置するとともに、第3部分214cの他の一部が第2基板孔430の上方で第2基板400の表面410側に位置し、図10に示すように、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、第3部分214cの一部が第1基板孔330内に位置するように、嵌合方向X3における第3部分214cの寸法は設定されている(図9参照)。
【0035】
第2接触部215は、第1コネクタ100側に位置する第3部分214cの先端部に膨出形成されている。第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合時には、バネ部214が弾性変形し、第2接触部215が第1コンタクト110の第1接触部113に接触し電気的に接続される。
【0036】
第2ハウジング220は、絶縁性の樹脂から成形され、図5、6、8に示すように、第2本体部221と、第2本体部221の外縁に形成された第2フランジ部222と、第1方向X1に相互に離れた位置で第2本体部221にそれぞれ形成された一対のピン受容部223と、第2方向X2に相互に離れた位置で第2本体部221に凹設された一対の収容凹部224と、第2方向X2における収容凹部224の両外側に形成された一対の保持部225とを有している。
【0037】
第2本体部221は、図8に示すように、第2コネクタ200を第2基板400に搭載した状態で第2基板孔430の上方で第2基板400の表面410側に位置する第1部分221aと、第2コネクタ200を第2基板400に搭載した状態で第2基板孔430内に位置する第2部分221bとを有している。第2部分221bは、第2基板400に対する第2コネクタ200の取り付け時に、第2基板400に対して第2コネクタ200を載置した状態(すなわち、第2コンタクト210と第2基板400との間の半田付けが行われていない状態)で、第2基板孔430の内側面により第1方向X1及び第2方向X2に移動を規制される被規制面221b−1を外縁に有している。第2コネクタ200を第2基板400に搭載した状態(すなわち、第2コンタクト210と第2基板400との間の半田付けが行われた状態)で、被規制面221b−1と第2基板孔430の内側面との間には、第1方向X1及び第2方向X2において間隙が形成される。図5に示すように、一対のピン受容部223及び一対の収容凹部224に囲まれた位置の第2本体部221(第1部分221a)の表面は、第2基板400に対して第2コネクタ200を載置する際に、第2コネクタ200を持ち上げて運ぶ運搬装置(図示しない)の吸着部(図示しない)により吸着保持される平坦状の被吸着部226として機能する。
【0038】
第2フランジ部222は、第2本体部221の第1部分221aの外縁(具体的には、第2方向X2における第1部分221aの二辺)に形成されている。第2コネクタ200を第2基板400に載置した状態で、第2フランジ部222と第2基板400の表面410との間に間隔が形成されるように、第2ハウジング220は構成されている。このように第2ハウジング220を構成することにより、第2フランジ部222や第2コンタクト210に寸法上や形状上の多少の製造誤差が生じた場合であっても、第2基板400に第2コネクタ200を載置した状態で、第2コンタクト210の第2端子部211の第2当接面211aを第2基板400のパッド411に確実に当接させることができる。しかしながら、第2フランジ部222が第2基板400の表面410に対して物理的に接触するように構成してもよい。第2フランジ部222は、第2コネクタ200を第2基板400に搭載した状態で、第2基板孔430を除いた第2基板400の基板部分に対して嵌合方向X3に重なる。すなわち、第2基板400上に投影した第2フランジ部222を含む第2ハウジング220の外形は、嵌合方向X3に直交する平面内における第2基板孔430の外形内に収まらないように形成されている。このように、第2フランジ部222が第2基板孔430を除いた第2基板400の基板部分に対して嵌合方向X3に重なるように構成することにより、第2コネクタ200に対して何かしらの荷重や衝撃が加わった場合であっても、第2コンタクト210に過剰な変形荷重が加わることを回避し、所謂コネクタ煽り強度を向上できる。なお、本実施例では、第2フランジ部222が第2本体部221の第1部分221aのニ辺に形成されているが、具体的な構成はこれに限定されることなく、第2ハウジング220の少なくとも一部が、第2コネクタ200を第2基板400に搭載した状態で、第2基板孔430を除いた第2基板400の基板部分に対して嵌合方向X3に重なるように構成すればよい。
【0039】
ピン受容部223は、第1方向X1における第2本体部221の両側において、第2本体部221を嵌合方向X3に貫通した状態で形成され、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、第1ハウジング120に形成されたピン部124を受容し、第1方向X1及び第2方向X2におけるピン部124の移動を規制するように構成されている。本実施例では、図8に示すように、第2コネクタ200を第2基板400に搭載した状態で、図10に示すように、ピン受容部223の一部が第2基板孔430内に位置するとともに、ピン受容部223の他の一部が第2基板孔430の上方で第2基板400の表面410側に位置し、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、ピン受容部223の一部が第1基板孔330内に位置するように、嵌合方向X3におけるピン受容部223の寸法は設定されている。
【0040】
収容凹部224は、第1コネクタ100側に向けて開口し、第2コンタクト210のバネ部214を収容している。本実施例では、図8に示すように、第2コネクタ200を第2基板400に搭載した状態で、収容凹部224の一部が第2基板孔430内に位置するとともに、収容凹部224の他の一部が第2基板孔430の上方で第2基板400の表面410側に位置し、図10に示すように、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、収容凹部224の一部が第1基板孔330内に位置するように、嵌合方向X3における収容凹部224の寸法は設定されている。
【0041】
保持部225は、図8に示すように、嵌合方向X3に貫通した状態で第2本体部221に形成され、第2コンタクト210の被保持部213を固定状態で保持している。
【0042】
図2に示すように、第1基板300は、パッド311が形成された表面310と、裏面320と、表裏を嵌合方向X3に貫通する矩形状の第1基板孔330とを有している。
【0043】
図2に示すように、第2基板400は、パッド411が形成された表面410と、裏面420と、表裏を嵌合方向X3に貫通する矩形状の第2基板孔430とを有している。
【0044】
第1コネクタ100と第2コネクタ200とは、第1基板300の裏面320と第2基板400の表面410とを相互に対向させた状態で、相互に嵌合される。
【0045】
本実施例では、第1基板300及び第2基板400は、硬質プリント基板として構成されている。しかしながら、第1基板300及び第2基板400の具体的態様は硬質プリント基板に限定されず、例えば、FPC等のフレキシブル基板であってもよい。
【0046】
本実施例においては、第1基板300と第2基板400との間には、スペーサ(図示しない)が設けられており、図9に示すように、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合時には、第1基板300と第2基板400との間に所定の間隔Sが形成される。しかしながら、第1基板300と第2基板400との間にスペーサを設けることなく、第1基板300と第2基板400とが相互に物理的に接触するように構成してもよい。
【0047】
このようにして得られた本実施例のコネクタ装置では、嵌合方向X3に直交する平面上に投影した第2端子部211を含む第2コネクタ200の外形が、第1基板孔330の外形内に収まるように形成されていることにより、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合時に、第2コンタクト210及び第2ハウジング220の一部に加えて第2端子部211の一部も第1基板孔330内に入り込むため、嵌合方向X3におけるコネクタ装置全体の低背化を実現できる。
【0048】
また、第1コンタクト110及び第1ハウジング120の一部が第1基板孔330内に配置されているとともに、第2コンタクト210及び第2ハウジング220の一部が第2基板孔430内に配置されていることにより、嵌合方向X3におけるコネクタ装置全体の低背化を実現できる。
【0049】
第1ハウジング120のピン部124と第2ハウジング220のピン受容部223とが、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、第1基板孔330内及び第2基板孔430内の両方に跨って延在するように構成されていることにより、コネクタ装置全体の低背化を阻害することなく、嵌合方向X3におけるピン部124及びピン受容部223の長さを充分に確保することが可能であるため、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の円滑な嵌合、及び、第1方向X1及び第2方向X2における第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の確実な移動規制を実現できる。
【0050】
第1コンタクト110の第1接触部113と第2コンタクト210のバネ部214の第3部分214cとが、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間の嵌合状態で、第1基板孔330及び第2基板孔430の両方に跨って延在するとともに、第2コンタクト210の第2接触部215が第3部分214cの第1コネクタ100側の先端部に形成されていることにより、コネクタ装置全体の低背化を阻害することなく、第1コンタクト110と第2コンタクト210との間の接触有効長を充分に確保できる。
【0051】
次に、本実施例のコネクタ装置の変形例について、図11に基づいて説明する。ここで、第1コンタクト110の第1端子部111’の構成及び第1基板300の配置状態以外の構成は、前述したコネクタ装置と全く同じであるため、第1コンタクト110の第1端子部111’の構成及び第1基板300の配置状態以外の構成については説明を省略する。
【0052】
まず、本変形例では、図11に示すように、第1基板300の表裏が、図1乃至図10に示した前述の実施例とは逆になっている。すなわち、本変形例では、パッド(図11では図示しない)が形成された表面310を第2基板400に対向させた状態で、第1基板300が配置されている。
【0053】
そして、本変形例では、第1コンタクト110の第1端子部111’が、第2方向X2における第1直線部112の端部から第1基板孔330内を通して第1基板300の表面310側まで延ばされ、第2基板400に対向する第1基板300の表面310に形成されたパッド(図11では図示しない)に半田付けされて接続されている。
【符号の説明】
【0054】
100 ・・・ 第1コネクタ
110 ・・・ 第1コンタクト
111、111’ ・・・ 第1端子部
111a ・・・ 第1当接面
111b ・・・ 湾曲部
112 ・・・ 第1直線部
113 ・・・ 第1接触部
114 ・・・ 巻き端部
120 ・・・ 第1ハウジング
121 ・・・ 第1本体部
121a ・・・ 第1部分
121b ・・・ 第2部分
121b−1 ・・・ 被規制面
122 ・・・ 第1フランジ部
123 ・・・ 第1突出部
124 ・・・ ピン部
125 ・・・ 受容部
126 ・・・ 孔
127 ・・・ 被吸着部
200 ・・・ 第2コネクタ
210 ・・・ 第2コンタクト
211 ・・・ 第2端子部
211a ・・・ 第2当接面
212 ・・・ 第2直線部
213 ・・・ 被保持部
214 ・・・ バネ部
214a ・・・ 第1部分
214b ・・・ 第2部分
214c ・・・ 第3部分
215 ・・・ 第2接触部
220 ・・・ 第2ハウジング
221 ・・・ 第2本体部
221a ・・・ 第1部分
221b ・・・ 第2部分
221b−1 ・・・ 被規制面
222 ・・・ 第2フランジ部
223 ・・・ ピン受容部
224 ・・・ 収容凹部
225 ・・・ 保持部
226 ・・・ 被吸着部
300 ・・・ 第1基板
310 ・・・ 表面
311 ・・・ パッド
320 ・・・ 裏面
330 ・・・ 第1基板孔
400 ・・・ 第2基板
410 ・・・ 表面
411 ・・・ パッド
420 ・・・ 裏面
430 ・・・ 第2基板孔
X1 ・・・ 第1方向
X2 ・・・ 第2方向
X3 ・・・ 嵌合方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板孔を有した第1基板に搭載される第1コネクタと、第2基板に搭載される第2コネクタとを備え、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの間の嵌合方向に直交する平面上に投影した前記第2コネクタの外形は、前記第1基板孔の外形内に収まるように形成されていることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項2】
前記第2コネクタは、第2コンタクトと、前記第2コンタクトを保持する第2ハウジングとを有し、
前記第2コンタクトは、前記嵌合方向に直交する方向に前記第2ハウジングから突出する第2端子部を有し、
前記嵌合方向に直交する平面上に投影した前記第2端子部を含む前記第2コネクタの外形は、前記第1基板孔の外形内に収まるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項3】
第1基板孔を有した第1基板と、第2基板と、前記第1基板に搭載される第1コネクタと、前記第2基板に搭載される第2コネクタとを備え、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの間の嵌合方向に直交する平面上に投影した前記第2コネクタの外形は、前記第1基板孔の外形内に収まるように形成されていることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項4】
前記第2コネクタは、第2コンタクトと、前記第2コンタクトを保持する第2ハウジングとを有し、
前記第2コンタクトは、前記嵌合方向に直交する方向に前記第2ハウジングから突出する第2端子部を有し、
前記嵌合方向に直交する平面上に投影した前記第2端子部を含む前記第2コネクタの外形は、前記第1基板孔の外形内に収まるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−138320(P2012−138320A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291558(P2010−291558)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】