コネクタ係合体
【課題】信号回路と強電回路とを備えたコネクタ係合体において、信号回路やメイン回路を遮断するときに、アークが発生することを防止する。
【解決手段】信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、強電端子用係止部9と信号端子用係止部11と信号端子13と強電端子15とを備えた第2のコネクタ5と、信号端子用解除操作部17と強電端子用解除操作部19と強電端子用被係止部21と信号端子用被係止部23とを備え、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに係合し、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、第1のコネクタと第2のコネクタ5との間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバー7とを有するコネクタ係合体1である。
【解決手段】信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、強電端子用係止部9と信号端子用係止部11と信号端子13と強電端子15とを備えた第2のコネクタ5と、信号端子用解除操作部17と強電端子用解除操作部19と強電端子用被係止部21と信号端子用被係止部23とを備え、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに係合し、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、第1のコネクタと第2のコネクタ5との間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバー7とを有するコネクタ係合体1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のコネクタと第2のコネクタとを備えたコネクタ係合体に係り、たとえば、第1のコネクタに設置されている第2のコネクタを、レバーを用いて取り外すように構成されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レバーの回動操作によって、雌コネクタに嵌合している雄コネクタを雌コネクタから離脱させる(取り外す)構造のレバー嵌合式コネクタ(コネクタ係合体)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来のレバー嵌合式コネクタでは、レバーに設けられているロックアームのレバー部(操作部)を押圧してロックアームを弾性変形させてロックの解除を行い(ロック孔からロック突起を抜き出し)、操作部を押圧したままレバーの回動操作を行い、雄コネクタを雌コネクタから取り外している。
【0004】
しかし、上記従来のコネクタ係合体では、操作部を押圧したままレバーを回動するので、雄コネクタを雌コネクタから取り外す際、操作部を押圧する方向の力とレバーを回動する方向との力とが必要になる。
【0005】
また、ロックアーム先端の操作部のみに上記2つの方向の力を加えて、操作部の押圧とレバーの回動とをするようになっている。
【0006】
したがって、レバーのロックアームに大きな力(ロックアームを弾性変形させる力+レバーを回動する力)が加わってロックアームが破損するおそれがあるという問題がある。
【0007】
また、ロックアームを弾性変形させたままでレバーを回動させるので、ロックアームの反発力でレバーがスムーズに回動しないおそれがあるという問題がある。
【0008】
そこで、上記問題を解決したコネクタ係合体として、図23〜図25に示すものが提案されている。
【0009】
図23〜図25に示すコネクタ係合体301は、第1のコネクタ(たとえば、サービスプラグ設置体)303と第2のコネクタ(たとえば、サービスプラグ)305とレバー307とを備えて構成されている。また、コネクタ係合体301は、たとえば自動車のバッテリーと負荷(モータ)との間を接続する導線の途中に設置されて使用されるようになっている。
【0010】
第1のコネクタ303は、端子304を備え、図示しないボルト等の締結具によって図示しないベース体(自動車の車体等)に一体的に設置されるようになっている。
【0011】
第2のコネクタ305は、係止部311と端子(第1のコネクタ303の端子304に接続される端子)306とを備え、第1のコネクタ303に着脱自在にしかも一体的に設置されるようになっている。
【0012】
レバー307は、操作部(たとえば回動操作部)313と第2のコネクタ305の係止部311に係合する被係止部315とを備えている。
【0013】
また、レバー307は、第1のコネクタ303と第2のコネクタ305とに係合し、第1のコネクタ303と第2のコネクタ305とに対して相対的に動くことで、第1のコネクタ303と第2のコネクタ305との間に嵌合力と離脱力とを作用させるようになっている。なお、コネクタ係合体301では、レバー307が、第2のコネクタ305に対して回動するようになっている。
【0014】
レバー307は、第2のコネクタ305に回動自在に係合していることに加えて、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303に設置するとき、設置し終えたとき、設置されている状態から取り外すとき(離脱させるとき)に、第1のコネクタ303にも係合するようになっている。そして、詳しくは、後述するが、第1のコネクタ303に対して相対的に移動し、第2のコネクタ305に対して相対的に回動することで、第1のコネクタ303と第2のコネクタ305との間に嵌合力と離脱力とを作用させるようになっている(第2のコネクタ305を第1のコネクタ303に対して着脱するための上下方向の力を発生させるようになっている)。
【0015】
また、コネクタ係合体301では、レバー307の被係止部315が第2のコネクタ305の係止部311に係合している状態で、第2のコネクタ305が第1のコネクタ303に一体的に設置されている(嵌合されている)。この状態から、指を用いて被係止部315を押圧して弾性変形させ被係止部315を係止部311から離し、レバー307を回動して第2のコネクタ305を第1のコネクタ303から離すようになっている。このときに、レバー307を回動するための操作部313に指が当接し、これにより押圧力を操作部313に加えて、前述した離脱力を発生させるべくレバー307を回動することができるように構成されている。
【0016】
ここで、コネクタ係合体301についてさらに説明する。
【0017】
説明の便宜のために、第1のコネクタ303に対して第2のコネクタ305が着脱されるときの第2のコネクタ305の移動方向を上下方向とする。さらに、上下方向のうちの一の方向(第2のコネクタ305側)を上方向とし、上下方向のうちの他の方向(第1のコネクタ303側)を下方向とする。第2のコネクタ305が第1のコネクタ303に対して下方向に移動して第1のコネクタ303に接続され(嵌合され)、第2のコネクタ305が第1のコネクタ303に対して上方向に移動して第1のコネクタ303から離れる(離脱する)ようになっている。また、上下方向に対して直交する一方向を縦方向とし、上下方向と縦方向とに直交する一方向を幅方向(横方向)とする。
【0018】
第1のコネクタ303は、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されている第1のコネクタハウジング(図示せず)を備えている。第1のコネクタハウジングは、たとえば矩形な筒状に形成されている本体を備えており、この本体の内部下方には、たとえば端子(雌端子)304が設けられている。また、本体の内部上方には、コネクタ嵌合室333が設けられている。さらに、本体には、図23で示すように、カムピン334が設けられている。
【0019】
カムピン334は、一対で設けられており、第1のコネクタ303の本体の外壁(横方向の両端に位置する一対の外壁から)から突出している。
【0020】
第2のコネクタ305は、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されている第2のコネクタハウジング335と、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されているカバー(感電防止カバー)337とを備えている。第2のコネクタハウジング335には、端子(雄端子)306が設けられている。そして、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303に設置したときに(嵌合させたときに)、第2のコネクタハウジング335が第1のコネクタ303のコネクタ嵌合室333内に入り込み、端子304に第2のコネクタ305の端子306が接続されるようになっている。
【0021】
また、カバー337は、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されており、筒状部339と上板部341とを備えた矩形な枡状に形成されている本体部343と、係止部311と、回動支軸345とを備えている。
【0022】
そして、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303に設置したときに、カバー337が、第1のコネクタ303の上部を覆うようにして、第1のコネクタ303の上部に蓋をしている。そして、第2のコネクタ305が、コネクタ嵌合室333内に入り込んでいる。
【0023】
また、第1のコネクタ303に第2のコネクタ305を設置した状態では、カバー337の筒状部339が、第1のコネクタハウジングの上端側の部位を囲っている。カムピン334は、図23で示すように、カバー337よりも下方に位置している。
【0024】
回動支軸345は、一対で設けられており、カバー337の外壁(横方向の両端に位置する一対の外壁から)から突出している。また、一対の回動支軸345は、図23で示すように、上下方向と縦方向では、カバー337の中間部に位置している。
【0025】
レバー307は、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されており、一対のアーム部347と連結部349とを備えて「U」字状に形成された本体323と、操作部313と被係止部315とカム溝357と係合孔(回動支軸係合孔)359とを備えている。
【0026】
カム溝357は、アーム部347の長手方向に延びて一対のアーム部347それぞれに設けられている。カム溝357の貫通方向は、レバー307の幅方向(コネクタ係合体301の幅方向)になっている。係合孔(貫通孔)359は、アーム部347の長手方向の中間部で一対のアーム部347のそれぞれに設けられている。係合孔359の貫通方向も、レバー307の幅方向になっている。また、係合孔359は、アーム部347の長手方向と連結部349の長手方向とに直交する方向であるレバー307の厚さ方向で、係合孔359から離れている。なお、レバー307が嵌合位置(図25参照)に位置しているコネクタ係合体301では、係合孔359は、カム溝357よりも上方に位置している。
【0027】
カバー337にレバー307を設置した状態では、係合孔359に回動支軸345が入り込み、レバー307が、回動支軸345を中心にして回動するようになっている。なお、レバー307の回動角度は、図24と図25で示すように、約90°の範囲になっている。
【0028】
さらに、レバー307が設置された第2のコネクタ305(カバー337)が、第1のコネクタ303に設置された状態では、カム溝357に第1のコネクタ303カムピン334が挿入されている。
【0029】
そして、レバー307は、カム溝357内にカムピン334が挿入されている状態で、嵌合位置(図25参照)と離脱位置(図24参照)との間を、回動支軸345を回動中心にして回動するようになっている。
【0030】
この回動によって、カムピン334がカム溝357内を移動し、第2のコネクタ305と第1のコネクタ303との間に嵌合力または離脱力が作用するようになっている。すなわち、図24に示す状態からレバー307が時計回りに(矢印A24の方向に)回動すると、第2のコネクタ305が下降して第1のコネクタ303に嵌合されるようになっている。また、図25に示す状態からレバー307が半時計回りに(矢印A25の方向に)回動すると、第2のコネクタ305が上昇して第1のコネクタ303に離脱するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開平11−307172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
上記従来のコネクタ係合体301では、図25で示す嵌合状態にあるとき、被係止部315を撓ませることで被係止部315を係止部311から外し、レバー307を回動させて、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303から取り外している。これにより、端子306が端子304から離れるようになっている。
【0033】
ところで、上記従来のコネクタ係合体301にメイン回路(強電回路)と信号回路とが設けられている場合がある。すななち、第1のコネクタ303にメイン回路の端子と信号回路の端子とが設けられており、第2のコネクタにも、メイン回路の端子と信号回路の端子とが設けられている場合がある。そして、レバー307の回動によって、第1のコネクタ303のメイン端子と第2のコネクタ305のメイン端子とが接続されまた離れ、第1のコネクタ303の信号端子と第2のコネクタ305の信号端子とが接続されまた離れるようになっている場合がある。
【0034】
強電回路と信号回路とが設けられている場合についてさらに説明する。
【0035】
強電回路は、第1のコネクタ303に設けられている端子(たとえば端子304)と第2のコネクタ305に設けられている端子(たとえば端子306)とを備えている。信号回路も、第1のコネクタ303に設けられている端子(たとえば端子304とは異なる端子)と、第2のコネクタ305に設けられている端子(たとえば端子306とは異なる端子)とを備えている。
【0036】
そして、図25に示す嵌合状態では、第1のコネクタ303に設けられている強電回路の端子と、第2のコネクタ305に設けられている強電回路の端子とがお互いに接続されており、第1のコネクタ303に設けられている信号回路の端子と、第2のコネクタ305に設けられている信号回路の端子とがお互いに接続されている。
【0037】
一方、図24に示す離脱状態では、第2のコネクタ305に設けられている強電回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている強電回路の端子から離れており、第2のコネクタ305に設けられている信号回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている信号回路の端子から離れている。
【0038】
さらに、図25に示す嵌合状態と図24に示す離脱状態との間の所定の中間状態(レバー307が図25で示す嵌合位置と図24で示す離脱位置との間の所定の中間位置に位置している状態)では、第2のコネクタ305に設けられている信号回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている信号回路の端子から離れているが、第1のコネクタ303に設けられている強電回路の端子と、第2のコネクタ305に設けられている強電回路の端子とがお互いに接続されている。
【0039】
つまり、図25に示す嵌合状態と図24に示す離脱状態との間で、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303から次第に離すと、先に、第2のコネクタ305に設けられている信号回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている信号回路の端子から離れ、続いて、第2のコネクタ305に設けられている強電回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている強電回路の端子から離れるようになっている。
【0040】
信号回路の各端子は、たとえばリレー(図示せず)の信号スイッチを構成している。そして、信号回路の各端子がお互いに接続されたとき、上記リレーの操作コイルに電流が流れて、リレーの鉄片が操作コイルの鉄芯に吸着され、固定接点と鉄片に設けられている可動接点とが導通するようになっている。一方、信号回路の各端子がお互いに離れたときには、上記リレーの操作コイルに電流が流れなくなり、上記リレーの鉄片がバネの復元力によってコイルの鉄片から離れ、鉄片に設けられている可動接点が固定接点から離れるようになっている。
【0041】
上記構成において、強電回路の各端子(各コネクタの強電端子)と上記リレーの可動接点と固定接点とは直列に接続されている。たとえば、端子304は導線を介して負荷(モータ)に接続されており、端子306は導線を介して上記リレーの固定接点に接続されており、上記リレーの可動接点は導線を介してバッテリーに接続されている。
【0042】
このように強電回路と信号回路とが設けられている上記従来のコネクタ係合体301では、信号回路の遮断からメイン回路の遮断が一段階のロック(係止部311と被係止部315とのロック)によってなされているので、明確な時間差が無く(信号回路の端子同士が離れてからメイン回路の端子同士が離れるまでの時間がとても短く)、信号回路の遮断とメイン回路の遮断の際にスパークが発生するおそれがあるという問題がある。
【0043】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、信号回路と強電回路とを備えたコネクタ係合体であって、信号回路やメイン回路を遮断するときに、アークが発生することを防止することができるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0044】
請求項1に記載の発明は、信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、強電端子用係止部と、信号端子用係止部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、信号端子用解除操作部と、強電端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用係止部に係止される強電端子用被係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用係止部に係止される信号端子用被係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーとを有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されているコネクタ係合体である。
【0045】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタ係合体において、前記レバーには、レバー側ロック干渉部が設けられており、前記レバーが前記嵌合位置に位置している状態で、前記強電端子用解除操作部に力を加えると、前記レバー側ロック干渉部が前記強電端子用係止部に係合し、前記レバーの回動が不可能になるように構成されているコネクタ係合体である。
【0046】
請求項3に記載の発明は、信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、強電端子用解除操作部と、強電端子用被係止部と、信号端子用被係止部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、信号端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用被係止部が係止される強電端子用係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用被係止部が係止される信号端子用係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーとを有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されているコネクタ係合体である。
【0047】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のコネクタ係合体において、前記レバーには、可動ロックストッパーが設けられており、前記レバーが前記嵌合位置に位置している状態で、前記強電端子用解除操作部に力を加えても、前記強電端子用解除操作部が前記可動ロックストッパーに当接して、前記強電端子用被係止部が移動不可能に構成されているコネクタ係合体である。
【0048】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタ係合体において、前記信号端子用被係止部と前記強電端子用被係止部と前記強電端子用解除操作部とは、前記レバーから延出している弾性部の先端部に形成されているコネクタ係合体である。
【0049】
請求項6に記載の発明は、信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、信号端子用係止部と、強電端子用被係止部と、強電端子用解除操作部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、信号端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用被係止部が係止される強電端子用係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用係止部に係止される信号端子用被係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーとを有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されているコネクタ係合体である。
【0050】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のコネクタ係合体において、レバーは、一対のアーム部とこの一対のアーム部をお互いに連結している連結部を備えて「U」字状に形成されており、所定の軸を中心にして、第2のコネクタに対して回動するようになっており、前記強電端子用係止部は、前記アーム部に形成されているコネクタ係合体である。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、信号回路と強電回路とを備えたコネクタ係合体であって、信号回路やメイン回路を遮断するときに、アークが発生することを防止することができるものを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(下方からの斜視図)である。
【図3】(a)は本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるIIIB−IIIB断面を示す図であり、(c)は(a)におけるIIIC−IIIC断面を示す図である。
【図4】(a)は本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるIVB−IVB断面を示す図である。
【図5】(a)は本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるVB−VB断面を示す図である。
【図6】図3(b)におけるVI部の拡大図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図10】(a)は本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXB−XB断面を示す図であり、(c)は(a)におけるXC−XC断面を示す図である。
【図11】(a)は本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXIB−XIB断面を示す図である。
【図12】(a)は本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXIIB−XIIB断面を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(図13とは異なる別の上方から見た斜視図)である。
【図15】(a)は本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXVB−XVB断面を示す図である。
【図16】(a)は本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXVIB−XVIB断面を示す図である。
【図17】(a)は本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXVIIB−XVIIB断面を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(図18とは異なる別の上方から見た斜視図)である。
【図20】(a)は本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXXB−XXB断面を示す図である。
【図21】(a)は本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXXIB−XXIB断面を示す図である。
【図22】(a)は本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXXIIB−XXIIB断面を示す図である。
【図23】従来のコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)を示す斜視図である。
【図24】(a)は、従来のコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)を示す平面図であり、(b)は(a)におけるXXIVB−XXIVB断面を示す図である。
【図25】(a)は、従来のコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)を示す平面図であり、(b)は(a)におけるXXVB−XXVB断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体1は、従来のコネクタ係合体301と同様に、図示しない第1のコネクタ(たとえば、サービスプラグ設置体;基材やベース体であってもよい。)と第2のコネクタ(たとえば、サービスプラグ)5とレバー7とを備えて構成されている。そして、コネクタ係合体1は、たとえば自動車のバッテリーと負荷(モータ)との間を接続する導線の途中に設置されて使用されるようになっている。
【0054】
また、コネクタ係合体1は、従来のコネクタ係合体301と同様にして、レバー7を移動(たとえば、回動)することで、第2のコネクタ5が第1のコネクタに対して接近もしくは離反する方向に移動し、第2のコネクタ5と第1のコネクタとの嵌合と離脱とがなされるように構成されている。
【0055】
第1のコネクタは、図1〜図5で示すように、信号端子(信号回路端子;メス端子)と強電端子(強電回路端子;メイン回路端子;メス端子)とを備えている。
【0056】
第2のコネクタ5は、強電端子用係止部(強電端子用ロック部)9と、信号端子用係止部(信号端子用ロック部)11と、信号端子(信号回路端子;オス端子)13と、強電端子(強電回路端子;メイン回路端子;オス端子)15とを備えている。
【0057】
信号端子13は、第2のコネクタ5を第1のコネクタに嵌合したときに、第1のコネクタの信号端子に接続されるようになっている。また、強電端子15も、第2のコネクタ5を第1のコネクタに嵌合したときに、第1のコネクタの強電端子に接続されるようになっている。
【0058】
そして、第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子に接続されたときに信号回路が通じ、第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れたときに信号回路が遮断されるようになっている。また、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子に接続されたときに強電回路が通じ、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子から離れたときに強電回路が遮断されるようになっている。
【0059】
また、コネクタ係合体1では、従来のコネクタ係合体301と同様にして、上記信号回路の各端子(第1のコネクタの信号端子と第2のコネクタ5の信号端子13)が、たとえばリレー(図示せず)の信号スイッチを構成している。そして、信号回路の各端子がお互いに接続されたとき、上記リレーの操作コイルに電流が流れて、リレーの鉄片が操作コイルの鉄芯に吸着され、固定接点と鉄片に設けられている可動接点とが導通するようになっている。一方、信号回路の各端子がお互いに離れたときには、上記リレーの操作コイルに電流が流れなくなり、上記リレーの鉄片がバネの復元力によってコイルの鉄片から離れ、鉄片に設けられている可動接点が固定接点から離れるようになっている。
【0060】
また、上記強電回路の各端子と上記リレーの可動接点と固定接点とは直列に接続される。たとえば、強電回路の端子(第1のコネクタの強電端子)は導線を介して負荷(モータ)に接続され、第2のコネクタ5の強電端子15は導線を介して上記リレーの固定接点に接続され、上記リレーの可動接点は導線を介してバッテリーに接続される。
【0061】
レバー7は、信号端子用解除操作部(信号端子用解除用指掛け部)17と、強電端子用解除操作部(強電端子用ロック解除操作部)19と、第2のコネクタ5の強電端子用係止部9に係止される強電端子用被係止部(強電端子用被ロック部)21と、第2のコネクタ5の信号端子用係止部11に係止される信号端子用被係止部(信号端子用ランス部)23とを備えている。
【0062】
また、レバー7は、従来のコネクタ係合体301と同様にして、第2のコネクタ5に対して回動するように設けられており、第1のコネクタのカムピンを介して第1のコネクタに係合し、第1のコネクタと第2のコネクタとに対して嵌合位置(図3参照)と離脱位置(図5参照)との間で相対的に動くことで、第1のコネクタと第2のコネクタ5との間に嵌合力と離脱力とを作用させるように構成されている。
【0063】
そして、レバー7が嵌合位置に位置しているときには、第2のコネクタ5が第1のコネクタに最も近づいて、第2のコネクタ5が第1のコネクタに一体的に嵌合しており(嵌合状態になっており)、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11に係止されて、各信号端子同士と各強電端子とがお互いに接続されるように構成されている(第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子に接続され、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子に接続されるように構成されている)。
【0064】
また、レバー7が嵌合位置と離脱位置との間の位置である所定の中間位置(図4参照)に位置しているときには、第2のコネクタ5が第1のコネクタから所定量抜け出て、各強電端子はお互いに接続され、各信号端子がお互いに離れるように構成されている(第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れる一方で、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子に接続されているように構成されている)。
【0065】
また、レバー7が離脱位置に位置しているときには、第2のコネクタ5が第1のコネクタからほぼ離れ(離脱状態になっており)、各強電端子がお互いに離れ、各信号端子がお互いに離れるように構成されている(第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れ、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子から離れるように構成されている)。
【0066】
また、レバー7が嵌合位置に位置し信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11に係止されている状態では、レバー7は容易には回動しないようになっている。レバー7が嵌合位置に位置しているときに、信号端子用解除操作部17に力(図3に矢印A3aで示す押圧力)を加えることで、信号端子用被係止部23を支持している棒状部25が弾性変形して、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れ、レバー7が嵌合位置から所定の中間位置(図4参照)まで回動可能になるように構成されている。
【0067】
また、レバー7が所定の中間位置に位置し強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9に係止されている状態では、レバー7が離脱位置側には回動不可能になっている。レバー7が所定の中間位置に位置しているときに、強電端子用解除操作部19に力(図4に矢印A4aで示す方向の力)を加えることで、強電端子用被係止部21を支持している小アーム部27が弾性変形して、強電端子用被係止部21が図4に矢印A4bで示す方向に移動して強電端子用係止部9から外れるようなっている。そして、レバー7が所定の中間位置から離脱位置まで回動可能になるように構成されている。
【0068】
レバー7は、従来のコネクタ係合体301と同様にして、一対のアーム部29とこの一対のアーム部29をお互いに連結している連結部31を備えて「U」字状に形成されている。そして、レバー7は、一対のアーム部29の長手方向の中間部が第2のコネクタ5に係合しており、所定の軸(第2のコネクタ5の回動支軸33)を中心にして、第2のコネクタ5に対して回動するようになっている。
【0069】
図示しない第1のコネクタは、枡状の第1のコネクタ本体部を備えて構成されており、コネクタ本体部の内側には、コネクタ嵌合室が形成されている。第1のコネクタの信号端子と強電端子とは、コネクタ嵌合室内に配置されている。
【0070】
第2のコネクタ5は、第2のコネクタ本体部35とこの第2のコネクタ本体部35と一体になっている枡状のカバー(感電防止カバー)37とを備えて構成されている。カバー37は、第2のコネクタ本体部35の一方の側(上側)に設けられており、カバー37の側壁部39は、第2のコネクタ本体部35から所定の距離だけ離れて第2のコネクタ本体部35を囲んでいる。第2のコネクタ5の信号端子13と強電端子15とは、第2のコネクタ本体部35に設けられている。
【0071】
そして、レバー7が嵌合位置に位置し第2のコネクタ5を第1のコネクタに一体的に嵌合しているときには(嵌合状態にあるときには)、第2のコネクタ本体部35が第1のコネクタのコネクタ嵌合室内に入り込み、各信号端子がお互いに接続し、各強電端子がお互いに接続している。
【0072】
また、レバー7が嵌合位置に位置し第2のコネクタ5を第1のコネクタに一体的に嵌合しているときには、カバー37の側壁部39と第2のコネクタ本体部35との間の間隙に第1のコネクタ本体部の側壁部が入り込み、パッキン41でシールされることにより、コネクタ嵌合室内(各信号端子や各強電端子のところ)が外部と遮断され防水されている。
【0073】
なお、この防水は、たとえば、レバー7が嵌合位置から離脱側位置の間に位置している状態で維持されているか、もしくは、レバー7が嵌合位置から離脱側位置の近傍位置の間に位置している状態で維持されているものとする。
【0074】
なお、レバー7が嵌合位置に位置しているとき、第2のコネクタ本体部35に対して回動するレバー7は、概ね水平方向に延伸している(図3参照)。また、レバー7が所定の中間位置に位置しているとき、第2のコネクタ本体部35に対して回動するレバー7は、嵌合位置から30°程度回動した状態(レバー7の角度が高い状態)になっており(図4参照)、レバー7が離脱位置に位置しているとき、第2のコネクタ本体部35に対して回動するレバー7は、嵌合位置から90°程度回動した状態(レバー7の角度がさらに高い状態)になっている(図5参照)。
【0075】
また、レバー7には、レバー側ロック干渉部43が設けられている。そして、レバー7が嵌合位置に位置している状態で、強電端子用解除操作部19に力を加えると、レバー側ロック干渉部43が強電端子用係止部9に係合し、レバー7の回動が不可能になるように構成されている。
【0076】
すなわち、レバー7が嵌合位置に位置している状態で、強電端子用解除操作部に力(図6に矢印A6aで示す押圧力;レバー側ロック干渉部43が強電端子用係止部9側に移動する方向の力)を加えると、レバー側ロック干渉部43が設けられている小アーム部45が図6に二点鎖線で示すように弾性変形して、レバー側ロック干渉部43が強電端子用係止部9に係合し、信号端子用解除操作部17に力(図6に矢印A6bで示す押圧力)を加えても、レバー7が回動できす、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れないようになっている。
【0077】
ここで、コネクタ係合体1についてさらに詳しく説明する。
【0078】
第1のコネクタ本体部や第2のコネクタ本体部35やカバー37やレバー7は、従来のものと同様に、たとえば絶縁性の合成樹脂で構成されている。レバー7の一対のアーム部29には、第1のコネクタ係合体のカムピンに係合するカム溝47と回動支軸33に係合する回動支軸係合孔49とが設けられている。
【0079】
ここで、説明の便宜のために、第1のコネクタに対して第2のコネクタ5が着脱されるときの第2のコネクタ5の移動方向を上下方向とする。さらに、上下方向のうちの一の方向(第2のコネクタ5側)を上方向とし、上下方向のうちの他の方向(第1のコネクタ側)を下方向とする。第2のコネクタ5が第1のコネクタに対して下方向に移動して第1のコネクタに接続され(嵌合され)、第2のコネクタ5が第1のコネクタに対して上方向に移動して第1のコネクタから離れる(離脱する)ようになっている。また、上下方向に対して直交する一方向を縦方向とし、上下方向と縦方向とに直交する一方向を幅方向(横方向)とする。
【0080】
レバー7は第2のコネクタ5に対して回動しその姿勢が変化するようになっている。すなわち、図3に示す嵌合位置に位置しているときには、レバー7の一対のアーム部29が縦方向に延伸している。また、図4に示す離脱位置にしているときには、レバー7の一対のアーム部29が上下方向に延伸している。ここで、レバー7における上下方向、縦方向、幅方向とは、原則的に図3に示す嵌合位置のときのものをいうことにする。
【0081】
第2のコネクタ5の強電端子用係止部9は、カバー37の幅方向の中央部でカバー37の縦方向の一端部から突出している。また、強電端子用係止部9は、弾性変形をほとんどしないようになっている。
【0082】
第2のコネクタ5の信号端子用係止部11は、カバー37の幅方向の両端に一対で設けられており、カバー37の縦方向の一端部から突出している。信号端子用係止部11も、弾性変形をほとんどしないようになっている。
【0083】
レバー7の連結部31は、縦方向の一端部(図1や図5では上方)に設けられている。そして、第1のコネクタと第2のコネクタ5とが嵌合状態(レバー7が嵌合位置に位置している状態)にあるときには、図3(a)で示すように、レバー7の一対のアーム部29が幅方向で第2のコネクタ5の両外側に位置し、レバー7の連結部31が縦方向で第2のコネクタ5から僅かに離れている。
【0084】
レバー7の連結部31からは、縦方向の一端部側に小アーム部27、45が突出している。小アーム部27、45は弾性を備えている。小アーム部(基端側小アーム部)27は、連結部31から下方に向かって突出している。小アーム部(先端側小アーム部)45は、小アーム部27の先端から、上方であって縦方向の一端部側に向かって斜めに突出している。これにより、幅方向から見ると、各小アーム部27、45が「V」字状になっている。
【0085】
小アーム部27と小アーム部45の接合部位(小アーム部27の先端;小アーム部45の基端)には、強電端子用被係止部21が設けられて稼動ロックが形成されており、小アーム部45の先端には、強電端子用解除操作部19とレバー側ロック干渉部43とが形成されている。
【0086】
また、レバー7の連結部31には、断面(図3では上下方向に対して直交する平面による断面;図1や図5では縦方向に対して直交する平面による断面)が「コ」字状になっている「コ」字状部位51が設けられている。
【0087】
「コ」字状部位51は、一対の側壁部53と先端側壁部55とを備えて構成されており、各小アーム部27、45を囲うようにして、レバー7の連結部31から縦方向の一端部側(図1や図5では上方、図3では縦方向の一端部側)に突出している。
【0088】
信号端子用解除操作部17は、先端側壁部55に設けられており、信号端子用被係止部23は、一対の側壁部53のそれぞれから上方向(図1では縦方向の他端部側)に突出している一対の棒状部25の先端に設けられている。
【0089】
次に、コネクタ係合体1の動作について説明する。
【0090】
まず、図3に示す嵌合状態において、第1のコネクタから第2のコネクタ5を離脱させる場合について説明する。
【0091】
図3に示す状態(レバー7が嵌合位置に位置している状態)において、信号端子用解除操作部17を矢印A3aで示す力を加えて、レバー7を図3の矢印A3bで示す方向に回動する。
【0092】
この回動に伴う、レバー7の一対のアーム部29のカム溝47とカムピンとの係合位置の変化により、第2のコネクタ5が上方に移動する。また、上記回動により、棒状部25が内側に(幅方向の中央側に)弾性変形して信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11からはずれる。レバー7をさらに回動すると、棒状部25が復元し、第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れる。
【0093】
さらに、レバー7を回動すると、図4で示すように、レバー7が所定の中間位置に位置して所定の中間状態になる。この所定の中間状態では、第2のコネクタ5の強電端子15は第1のコネクタの強電端子に接続されている。また、強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9に当接しており、レバー7は、これ以上、離脱位置側(矢印A4cで示す側)には回動しないようになっている。
【0094】
図4に示す状態において、強電端子用解除操作部19に矢印A4aで示す力を加えると、小アーム部27が弾性変形して、強電端子用被係止部21が図4に矢印A4bで示す方向に移動して強電端子用係止部9から外れ、レバー7が、離脱位置側(矢印A4cで示す側)に回動できるようになる。
【0095】
そこで、強電端子用解除操作部19に矢印A4aで示す力を加たまま、レバー7の信号端子用解除操作部17に力を加えて、レバー7を矢印A4cで示す側に回動させると、レバー7が回動するとともに、第2のコネクタ5が次第の上方に移動して第1のコネクタから次第に離れて、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子から離れる。レバー7をさらに回動させると、図5に離脱状態になる。
【0096】
なお、図5に示す離脱状態から図3に示す嵌合状態にするには、レバー7を、図5の矢印A5で示す側に単に回動させればよく、強電端子用解除操作部19等に別途力を加える必要はない。
【0097】
コネクタ係合体1によれば、レバー7が嵌合位置に位置しているときに信号端子用解除操作部17に力を加えることで信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れレバー7が所定の中間位置まで回動可能になり、この回動をするときに各信号端子同士のみが切断され、レバー7が所定の中間に位置しているときに強電端子用解除操作部19に力を加えることで強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れ、レバー7が離脱位置まで回動可能になり、この回動をするときに各強電端子同士が切断されるように構成されているので、信号回路の遮断時と強電回路(メイン回路)の遮断時との間に明確な時間差が存在することになる。したがって、信号回路やメイン回路を遮断するときに、アークが発生することを防止することができる。
【0098】
また、コネクタ係合体1によれば、各信号端子と各強電端子とが防水されている構造であっても、レバー7の角度が高い位置で強電端子用ロックがかかるようにしてあるので、二段階ロック構造にすることができる。すなわち、レバー7が嵌合位置から離脱側位置の間に位置している状態、もしくは、レバー7が嵌合位置から離脱側位置の近傍位置の間に位置している状態でも(レバー7が回動しレバー7の回動角度が高くなっても)、信号回路の端子と強電回路の端子との防水構造が維持されている。そして、信号端子用被係止部23と信号端子用係止部11とによる一段目のロックと、強電端子用被係止部21と強電端子用係止部9とによる二段目のロックとがなされるようになっている。
【0099】
また、コネクタ係合体1によれば、レバー7が嵌合位置に位置している状態で、強電端子用解除操作部19に力を加えると、レバー側ロック干渉部43が強電端子用係止部9に係合し、レバー7の回動が不可能になるように構成されているので、誤操作によってレバー7が離脱位置側に回動することが防止され各信号端子の接続状態が遮断されてしまう事態が防止される。
【0100】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体1aは、強電端子用解除操作部19と強電端子用被係止部21と信号端子用被係止部23とが、第2のコネクタ5に設けられており、信号端子用解除操作部17と強電端子用係止部9と信号端子用係止部11とがレバー7に設けられており、さらに、レバー7に可動ロックストッパー57が設けられている点が、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1と異なり、その他の点は、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1とほぼ同様に構成されており、コネクタ係合体1とほぼ同様の効果を奏する。
【0101】
すなわち、コネクタ係合体1aは、図7〜図12で示すように、第1のコネクタ(図示せず)と第2のコネクタ5とレバー7とを備えて構成されている。
【0102】
第1のコネクタは、信号端子と強電端子とを備えている。
【0103】
第2のコネクタ5は、強電端子用解除操作部19と、強電端子用被係止部21と、信号端子用被係止部23と、第1のコネクタに嵌合したときに第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子13と、第1のコネクタに嵌合したときに第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子15とを備えて構成されている。
【0104】
レバー7は、信号端子用解除操作部17と、第2のコネクタ5の強電端子用被係止部21が係止される強電端子用係止部9と、第2のコネクタ5の信号端子用被係止部23が係止される信号端子用係止部11とを備えて構成されている。
【0105】
また、レバー7は、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに係合し、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに対して嵌合位置(図10参照)と離脱位置(図12参照)との間で相対的に動くことで、第1のコネクタと第2のコネクタ5との間に嵌合力と離脱力とを作用させるように構成されている。
【0106】
そして、レバー7が嵌合位置に位置しているときには、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11に係止されて、各信号端子同士と各強電端子とがお互いに接続されるよ構成されている。
【0107】
レバー7が嵌合位置と離脱位置との間の位置である所定の中間位置(図11参照)に位置しているときには、各強電端子がお互いに接続され、各信号端子がお互いに離れるように構成されている。
【0108】
レバー7が離脱位置に位置しているときには、各強電端子がお互いに離れ、各信号端子もお互いに離れるように構成されている。
【0109】
レバー7が嵌合位置に位置しているときに、信号端子用解除操作部17に力を加えることで信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れ、レバー7が所定の中間位置まで回動可能になるように構成されている。
【0110】
レバー7が所定の中間位置に位置しているときに、強電端子用解除操作部19に力を加えることで強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れレバー7が離脱位置まで回動可能になるように構成されている。
【0111】
また、レバー7には、可動ロックストッパー57(図10参照)が設けられている。そして、レバー7が嵌合位置に位置している状態で、強電端子用解除操作部19に力(図10に示す矢印A10aの力)を加えても、強電端子用解除操作部19が可動ロックストッパーに当接して、強電端子用被係止部21が移動できないように(移動不可能に)構成されている。
【0112】
レバー7の強電端子用係止部9は、連結部31の中央部に設けられている。レバー7の信号端子用係止部11は、連結部31の両端部に一対で設けられている。なお、強電端子用係止部9と信号端子用係止部11は、弾性変形をほとんどしないようになっている。レバー7の信号端子用解除操作部17は、連結部31からアーム部29とは反対側に突出して設けられている。
【0113】
第2のコネクタ5の強電端子用解除操作部19と強電端子用被係止部21とは、弾性を備えた棒状部(アーム部;平板状梁部)59の先端に形成されている。棒状部59は第2のコネクタ5の所定の箇所(上側で縦方向の一端部)から上方に突出している。
【0114】
第2のコネクタ5の信号端子用被係止部23は、弾性を備えた一対の棒状部25それそれぞれの先端に形成されている。棒状部25は、第2のコネクタ5の所定の箇所(下側の縦方向の一端部であって幅方向の両端部)から上方に突出している。
【0115】
次に、コネクタ係合体1aの動作について説明する。
【0116】
まず、図10示す嵌合状態において、第1のコネクタから第2のコネクタ5を離脱させる場合について説明する。
【0117】
図10に示す状態(レバー7が嵌合位置に位置している状態)において、信号端子用解除操作部17に力を加えて、レバー7を図10の矢印A10bで示す方向に回動する。
【0118】
この回動に伴い第2のコネクタ5が上方に移動する。また、上記回動により、棒状部25が幅方向の中央側に弾性変形して信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11からはずれる。レバー7をさらに回動すると、第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れる。
【0119】
さらに、レバー7を回動すると、図11で示すように、レバー7が所定の中間位置に位置して所定の中間状態になる。この所定の中間状態では、第2のコネクタ5の強電端子15は第1のコネクタの強電端子に接続されている。また、強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9に当接しており、レバー7は、これ以上、離脱位置側(矢印A11aで示す側)には回動しないようになっている。
【0120】
図11に示す状態において、強電端子用解除操作部19に矢印A11bで示す力を加えると、棒状部59が弾性変形して、強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れて、レバー7が、離脱位置側(矢印A11aで示す側)に回動できるようになる。
【0121】
そこで、強電端子用解除操作部19に矢印A11bで示す力を加たまま、レバー7に力を加えて、レバー7を矢印A11aで示す側に回動させると、レバー7が回動するとともに、第2のコネクタ5が次第の上方に移動して第1のコネクタから次第に離れて、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子から離れる。レバー7をさらに回動させると、図12離脱状態になる。
【0122】
なお、図12に示す離脱状態から図10に示す嵌合状態にするには、レバー7を、図12の矢印A12で示す側に単に回動させればよい。
【0123】
[第3の実施形態]
本発明の題3の実施形態に係るコネクタ係合体1bは、信号端子用被係止部23と強電端子用被係止部21と強電端子用解除操作部19とが、レバー7から延出している弾性部(小アーム部)13の先端部に形成されている点が、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1と異なり、その他の点は、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1とほぼ同様に構成されており、コネクタ係合体1とほぼ同様の効果を奏する。
【0124】
コネクタ係合体1bでは、図13〜図17で示すように、レバー7が嵌合位置(図15参照)に位置している状態で、信号端子用解除操作部17に力を加えてレバー7を所定の中間位置の側(図15に矢印A15で示す側)に回動させると、弾性部61が弾性変形して信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11からはずれ、弾性部61が復元し、レバー7が所定の中間位置(図16)まで回動するようになっている。
【0125】
レバー7が所定の中間位置まで回動すると、強電端子用係止部9に強電端子用被係止部21が係止され、レバー7が所定の中間位置から離脱位置側(図16に矢印A16aで示す側)には回動できないように(回動不可能に)なっている。
【0126】
また、レバー7が所定の中間位置まで回動し強電端子用係止部9に強電端子用被係止部21が係止されているときに、強電端子用解除操作部19に力(図16に矢印A16bで示す方向の力)を加えて弾性部61を弾性変形させると、強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れ、レバー7が中間位置から離脱位置まで(図16に矢印A16aで示す側に)回動可能になっている。)
なお、コネクタ係合体1bでは、信号端子用係止部11と信号端子用被係止部23とは幅方向の両端部に一対で設けられており、強電端子用被係止部21と強電端子用係止部9とは幅方向の中央部に設けられている。
【0127】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体1cは、信号端子用係止部11と強電端子用被係止部21と強電端子用解除操作部19とが、第2のコネクタ5に設けられており、信号端子用解除操作部17と強電端子用係止部9と信号端子用被係止部23とが、レバー7に設けられている点が、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1と異なり、その他の点は、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1とほぼ同様に構成されており、コネクタ係合体1とほぼ同様の効果を奏する。
【0128】
すなわち、コネクタ係合体1cは、図18〜図22で示すように、信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタ(図示せず)と、第2のコネクタ5とレバー7とを備えて構成されている。
【0129】
第2のコネクタ5は、信号端子用係止部11と、強電端子用被係止部21と、強電端子用解除操作部19と、第1のコネクタに嵌合したときに第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子13と、第1のコネクタに嵌合したときに第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子15とを備えて構成されている。
【0130】
また、レバー7は、信号端子用解除操作部17と、第2のコネクタ5の強電端子用被係止部21が係止される強電端子用係止部9と、第2のコネクタ5の信号端子用係止部11に係止される信号端子用被係止部23とを備えて構成されている。
【0131】
また、レバ−7は、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに係合し、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに対して嵌合位置(図20参照)と離脱位置(図22参照)との間で相対的に動くことで、第1のコネクタと第2のコネクタ5との間に嵌合力と離脱力とを作用させるように構成されている。
【0132】
そして、レバー7が嵌合位置に位置しているときには、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11に係止されて、各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続されるように構成されている。
【0133】
レバー7が嵌合位置と離脱位置との間の位置である所定の中間位置(図21参照)に位置しているときには、各強電端子がお互いに接続され、各信号端子がお互いに離れるように構成されている。
【0134】
レバー7が離脱位置に位置しているときには、各強電端子がお互いに離れ、各信号端子がお互いに離れるように構成されている。
【0135】
レバー7が嵌合位置に位置しているときに、信号端子用解除操作部17に力を加えることで信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れレバー7が所定の中間位置まで回動可能になるように構成されている。
【0136】
また、レバー7が所定の中間位置に位置しているときに、強電端子用解除操作部19に力を加えることで強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れレバー7が離脱位置まで回動可能になるように構成されている。
【0137】
コネクタ係合体1cでは、強電端子用係止部9が、レバー7の一対のアーム部29に形成されている。また、コネクタ係合体1cでは、強電端子用解除操作部19と強電端子用係止部9とが、アーム部63の先端部に形成されている。
【0138】
アーム部63は第2のコネクタ5の所定の箇所(上側縦方向の一端部側の部位であって幅方向の両端)から上方に一対で突出している。
【0139】
そして、第2のコネクタ5を第1のコネクタに嵌合するときや第2のコネクタ5を第1のコネクタから離脱させるとき(第2のコネクタ5を第1のコネクタに着脱するとき)に、アーム部63が、弾性変形するようになっている。
【0140】
なお、一対の強電端子用被係止部21は、レバー7のアーム部29の内側に形成されており、図20に示す嵌合状態や図21で示す所定の中間状態では、一対の強電端子用被係止部21がアーム部29の内側(幅方向の中央側)に位置している。
【0141】
したがって、一対の強電端子用被係止部21がアーム部29の強電端子用係止部9から外れるときや、一対の強電端子用被係止部21をアーム部29の強電端子用係止部9に係合させるときには、一対の強電端子用被係止部21がお互いに接近するように(幅方向の庁側に移動するように)、アーム部63が弾性変形するようになっている。
【符号の説明】
【0142】
1、1a、1b、1c コネクタ係合体
5 第2のコネクタ
7 レバー
9 強電端子用係止部
11 信号端子用係止部
13 信号端子
15 強電端子
17 信号端子用解除操作部
19 強電端子用解除操作部
21 強電端子用被係止部
23 信号端子用被係止部
29 アーム部
31 連結部
43 レバー側ロック干渉部
57 可動ロックストッパー
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のコネクタと第2のコネクタとを備えたコネクタ係合体に係り、たとえば、第1のコネクタに設置されている第2のコネクタを、レバーを用いて取り外すように構成されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レバーの回動操作によって、雌コネクタに嵌合している雄コネクタを雌コネクタから離脱させる(取り外す)構造のレバー嵌合式コネクタ(コネクタ係合体)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来のレバー嵌合式コネクタでは、レバーに設けられているロックアームのレバー部(操作部)を押圧してロックアームを弾性変形させてロックの解除を行い(ロック孔からロック突起を抜き出し)、操作部を押圧したままレバーの回動操作を行い、雄コネクタを雌コネクタから取り外している。
【0004】
しかし、上記従来のコネクタ係合体では、操作部を押圧したままレバーを回動するので、雄コネクタを雌コネクタから取り外す際、操作部を押圧する方向の力とレバーを回動する方向との力とが必要になる。
【0005】
また、ロックアーム先端の操作部のみに上記2つの方向の力を加えて、操作部の押圧とレバーの回動とをするようになっている。
【0006】
したがって、レバーのロックアームに大きな力(ロックアームを弾性変形させる力+レバーを回動する力)が加わってロックアームが破損するおそれがあるという問題がある。
【0007】
また、ロックアームを弾性変形させたままでレバーを回動させるので、ロックアームの反発力でレバーがスムーズに回動しないおそれがあるという問題がある。
【0008】
そこで、上記問題を解決したコネクタ係合体として、図23〜図25に示すものが提案されている。
【0009】
図23〜図25に示すコネクタ係合体301は、第1のコネクタ(たとえば、サービスプラグ設置体)303と第2のコネクタ(たとえば、サービスプラグ)305とレバー307とを備えて構成されている。また、コネクタ係合体301は、たとえば自動車のバッテリーと負荷(モータ)との間を接続する導線の途中に設置されて使用されるようになっている。
【0010】
第1のコネクタ303は、端子304を備え、図示しないボルト等の締結具によって図示しないベース体(自動車の車体等)に一体的に設置されるようになっている。
【0011】
第2のコネクタ305は、係止部311と端子(第1のコネクタ303の端子304に接続される端子)306とを備え、第1のコネクタ303に着脱自在にしかも一体的に設置されるようになっている。
【0012】
レバー307は、操作部(たとえば回動操作部)313と第2のコネクタ305の係止部311に係合する被係止部315とを備えている。
【0013】
また、レバー307は、第1のコネクタ303と第2のコネクタ305とに係合し、第1のコネクタ303と第2のコネクタ305とに対して相対的に動くことで、第1のコネクタ303と第2のコネクタ305との間に嵌合力と離脱力とを作用させるようになっている。なお、コネクタ係合体301では、レバー307が、第2のコネクタ305に対して回動するようになっている。
【0014】
レバー307は、第2のコネクタ305に回動自在に係合していることに加えて、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303に設置するとき、設置し終えたとき、設置されている状態から取り外すとき(離脱させるとき)に、第1のコネクタ303にも係合するようになっている。そして、詳しくは、後述するが、第1のコネクタ303に対して相対的に移動し、第2のコネクタ305に対して相対的に回動することで、第1のコネクタ303と第2のコネクタ305との間に嵌合力と離脱力とを作用させるようになっている(第2のコネクタ305を第1のコネクタ303に対して着脱するための上下方向の力を発生させるようになっている)。
【0015】
また、コネクタ係合体301では、レバー307の被係止部315が第2のコネクタ305の係止部311に係合している状態で、第2のコネクタ305が第1のコネクタ303に一体的に設置されている(嵌合されている)。この状態から、指を用いて被係止部315を押圧して弾性変形させ被係止部315を係止部311から離し、レバー307を回動して第2のコネクタ305を第1のコネクタ303から離すようになっている。このときに、レバー307を回動するための操作部313に指が当接し、これにより押圧力を操作部313に加えて、前述した離脱力を発生させるべくレバー307を回動することができるように構成されている。
【0016】
ここで、コネクタ係合体301についてさらに説明する。
【0017】
説明の便宜のために、第1のコネクタ303に対して第2のコネクタ305が着脱されるときの第2のコネクタ305の移動方向を上下方向とする。さらに、上下方向のうちの一の方向(第2のコネクタ305側)を上方向とし、上下方向のうちの他の方向(第1のコネクタ303側)を下方向とする。第2のコネクタ305が第1のコネクタ303に対して下方向に移動して第1のコネクタ303に接続され(嵌合され)、第2のコネクタ305が第1のコネクタ303に対して上方向に移動して第1のコネクタ303から離れる(離脱する)ようになっている。また、上下方向に対して直交する一方向を縦方向とし、上下方向と縦方向とに直交する一方向を幅方向(横方向)とする。
【0018】
第1のコネクタ303は、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されている第1のコネクタハウジング(図示せず)を備えている。第1のコネクタハウジングは、たとえば矩形な筒状に形成されている本体を備えており、この本体の内部下方には、たとえば端子(雌端子)304が設けられている。また、本体の内部上方には、コネクタ嵌合室333が設けられている。さらに、本体には、図23で示すように、カムピン334が設けられている。
【0019】
カムピン334は、一対で設けられており、第1のコネクタ303の本体の外壁(横方向の両端に位置する一対の外壁から)から突出している。
【0020】
第2のコネクタ305は、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されている第2のコネクタハウジング335と、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されているカバー(感電防止カバー)337とを備えている。第2のコネクタハウジング335には、端子(雄端子)306が設けられている。そして、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303に設置したときに(嵌合させたときに)、第2のコネクタハウジング335が第1のコネクタ303のコネクタ嵌合室333内に入り込み、端子304に第2のコネクタ305の端子306が接続されるようになっている。
【0021】
また、カバー337は、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されており、筒状部339と上板部341とを備えた矩形な枡状に形成されている本体部343と、係止部311と、回動支軸345とを備えている。
【0022】
そして、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303に設置したときに、カバー337が、第1のコネクタ303の上部を覆うようにして、第1のコネクタ303の上部に蓋をしている。そして、第2のコネクタ305が、コネクタ嵌合室333内に入り込んでいる。
【0023】
また、第1のコネクタ303に第2のコネクタ305を設置した状態では、カバー337の筒状部339が、第1のコネクタハウジングの上端側の部位を囲っている。カムピン334は、図23で示すように、カバー337よりも下方に位置している。
【0024】
回動支軸345は、一対で設けられており、カバー337の外壁(横方向の両端に位置する一対の外壁から)から突出している。また、一対の回動支軸345は、図23で示すように、上下方向と縦方向では、カバー337の中間部に位置している。
【0025】
レバー307は、合成樹脂等の絶縁性の材料で構成されており、一対のアーム部347と連結部349とを備えて「U」字状に形成された本体323と、操作部313と被係止部315とカム溝357と係合孔(回動支軸係合孔)359とを備えている。
【0026】
カム溝357は、アーム部347の長手方向に延びて一対のアーム部347それぞれに設けられている。カム溝357の貫通方向は、レバー307の幅方向(コネクタ係合体301の幅方向)になっている。係合孔(貫通孔)359は、アーム部347の長手方向の中間部で一対のアーム部347のそれぞれに設けられている。係合孔359の貫通方向も、レバー307の幅方向になっている。また、係合孔359は、アーム部347の長手方向と連結部349の長手方向とに直交する方向であるレバー307の厚さ方向で、係合孔359から離れている。なお、レバー307が嵌合位置(図25参照)に位置しているコネクタ係合体301では、係合孔359は、カム溝357よりも上方に位置している。
【0027】
カバー337にレバー307を設置した状態では、係合孔359に回動支軸345が入り込み、レバー307が、回動支軸345を中心にして回動するようになっている。なお、レバー307の回動角度は、図24と図25で示すように、約90°の範囲になっている。
【0028】
さらに、レバー307が設置された第2のコネクタ305(カバー337)が、第1のコネクタ303に設置された状態では、カム溝357に第1のコネクタ303カムピン334が挿入されている。
【0029】
そして、レバー307は、カム溝357内にカムピン334が挿入されている状態で、嵌合位置(図25参照)と離脱位置(図24参照)との間を、回動支軸345を回動中心にして回動するようになっている。
【0030】
この回動によって、カムピン334がカム溝357内を移動し、第2のコネクタ305と第1のコネクタ303との間に嵌合力または離脱力が作用するようになっている。すなわち、図24に示す状態からレバー307が時計回りに(矢印A24の方向に)回動すると、第2のコネクタ305が下降して第1のコネクタ303に嵌合されるようになっている。また、図25に示す状態からレバー307が半時計回りに(矢印A25の方向に)回動すると、第2のコネクタ305が上昇して第1のコネクタ303に離脱するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開平11−307172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
上記従来のコネクタ係合体301では、図25で示す嵌合状態にあるとき、被係止部315を撓ませることで被係止部315を係止部311から外し、レバー307を回動させて、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303から取り外している。これにより、端子306が端子304から離れるようになっている。
【0033】
ところで、上記従来のコネクタ係合体301にメイン回路(強電回路)と信号回路とが設けられている場合がある。すななち、第1のコネクタ303にメイン回路の端子と信号回路の端子とが設けられており、第2のコネクタにも、メイン回路の端子と信号回路の端子とが設けられている場合がある。そして、レバー307の回動によって、第1のコネクタ303のメイン端子と第2のコネクタ305のメイン端子とが接続されまた離れ、第1のコネクタ303の信号端子と第2のコネクタ305の信号端子とが接続されまた離れるようになっている場合がある。
【0034】
強電回路と信号回路とが設けられている場合についてさらに説明する。
【0035】
強電回路は、第1のコネクタ303に設けられている端子(たとえば端子304)と第2のコネクタ305に設けられている端子(たとえば端子306)とを備えている。信号回路も、第1のコネクタ303に設けられている端子(たとえば端子304とは異なる端子)と、第2のコネクタ305に設けられている端子(たとえば端子306とは異なる端子)とを備えている。
【0036】
そして、図25に示す嵌合状態では、第1のコネクタ303に設けられている強電回路の端子と、第2のコネクタ305に設けられている強電回路の端子とがお互いに接続されており、第1のコネクタ303に設けられている信号回路の端子と、第2のコネクタ305に設けられている信号回路の端子とがお互いに接続されている。
【0037】
一方、図24に示す離脱状態では、第2のコネクタ305に設けられている強電回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている強電回路の端子から離れており、第2のコネクタ305に設けられている信号回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている信号回路の端子から離れている。
【0038】
さらに、図25に示す嵌合状態と図24に示す離脱状態との間の所定の中間状態(レバー307が図25で示す嵌合位置と図24で示す離脱位置との間の所定の中間位置に位置している状態)では、第2のコネクタ305に設けられている信号回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている信号回路の端子から離れているが、第1のコネクタ303に設けられている強電回路の端子と、第2のコネクタ305に設けられている強電回路の端子とがお互いに接続されている。
【0039】
つまり、図25に示す嵌合状態と図24に示す離脱状態との間で、第2のコネクタ305を第1のコネクタ303から次第に離すと、先に、第2のコネクタ305に設けられている信号回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている信号回路の端子から離れ、続いて、第2のコネクタ305に設けられている強電回路の端子が第1のコネクタ303に設けられている強電回路の端子から離れるようになっている。
【0040】
信号回路の各端子は、たとえばリレー(図示せず)の信号スイッチを構成している。そして、信号回路の各端子がお互いに接続されたとき、上記リレーの操作コイルに電流が流れて、リレーの鉄片が操作コイルの鉄芯に吸着され、固定接点と鉄片に設けられている可動接点とが導通するようになっている。一方、信号回路の各端子がお互いに離れたときには、上記リレーの操作コイルに電流が流れなくなり、上記リレーの鉄片がバネの復元力によってコイルの鉄片から離れ、鉄片に設けられている可動接点が固定接点から離れるようになっている。
【0041】
上記構成において、強電回路の各端子(各コネクタの強電端子)と上記リレーの可動接点と固定接点とは直列に接続されている。たとえば、端子304は導線を介して負荷(モータ)に接続されており、端子306は導線を介して上記リレーの固定接点に接続されており、上記リレーの可動接点は導線を介してバッテリーに接続されている。
【0042】
このように強電回路と信号回路とが設けられている上記従来のコネクタ係合体301では、信号回路の遮断からメイン回路の遮断が一段階のロック(係止部311と被係止部315とのロック)によってなされているので、明確な時間差が無く(信号回路の端子同士が離れてからメイン回路の端子同士が離れるまでの時間がとても短く)、信号回路の遮断とメイン回路の遮断の際にスパークが発生するおそれがあるという問題がある。
【0043】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、信号回路と強電回路とを備えたコネクタ係合体であって、信号回路やメイン回路を遮断するときに、アークが発生することを防止することができるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0044】
請求項1に記載の発明は、信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、強電端子用係止部と、信号端子用係止部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、信号端子用解除操作部と、強電端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用係止部に係止される強電端子用被係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用係止部に係止される信号端子用被係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーとを有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されているコネクタ係合体である。
【0045】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタ係合体において、前記レバーには、レバー側ロック干渉部が設けられており、前記レバーが前記嵌合位置に位置している状態で、前記強電端子用解除操作部に力を加えると、前記レバー側ロック干渉部が前記強電端子用係止部に係合し、前記レバーの回動が不可能になるように構成されているコネクタ係合体である。
【0046】
請求項3に記載の発明は、信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、強電端子用解除操作部と、強電端子用被係止部と、信号端子用被係止部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、信号端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用被係止部が係止される強電端子用係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用被係止部が係止される信号端子用係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーとを有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されているコネクタ係合体である。
【0047】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のコネクタ係合体において、前記レバーには、可動ロックストッパーが設けられており、前記レバーが前記嵌合位置に位置している状態で、前記強電端子用解除操作部に力を加えても、前記強電端子用解除操作部が前記可動ロックストッパーに当接して、前記強電端子用被係止部が移動不可能に構成されているコネクタ係合体である。
【0048】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタ係合体において、前記信号端子用被係止部と前記強電端子用被係止部と前記強電端子用解除操作部とは、前記レバーから延出している弾性部の先端部に形成されているコネクタ係合体である。
【0049】
請求項6に記載の発明は、信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、信号端子用係止部と、強電端子用被係止部と、強電端子用解除操作部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、信号端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用被係止部が係止される強電端子用係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用係止部に係止される信号端子用被係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーとを有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されているコネクタ係合体である。
【0050】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のコネクタ係合体において、レバーは、一対のアーム部とこの一対のアーム部をお互いに連結している連結部を備えて「U」字状に形成されており、所定の軸を中心にして、第2のコネクタに対して回動するようになっており、前記強電端子用係止部は、前記アーム部に形成されているコネクタ係合体である。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、信号回路と強電回路とを備えたコネクタ係合体であって、信号回路やメイン回路を遮断するときに、アークが発生することを防止することができるものを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(下方からの斜視図)である。
【図3】(a)は本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるIIIB−IIIB断面を示す図であり、(c)は(a)におけるIIIC−IIIC断面を示す図である。
【図4】(a)は本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるIVB−IVB断面を示す図である。
【図5】(a)は本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるVB−VB断面を示す図である。
【図6】図3(b)におけるVI部の拡大図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図10】(a)は本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXB−XB断面を示す図であり、(c)は(a)におけるXC−XC断面を示す図である。
【図11】(a)は本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXIB−XIB断面を示す図である。
【図12】(a)は本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXIIB−XIIB断面を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(図13とは異なる別の上方から見た斜視図)である。
【図15】(a)は本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXVB−XVB断面を示す図である。
【図16】(a)は本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXVIB−XVIB断面を示す図である。
【図17】(a)は本発明の第3の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXVIIB−XVIIB断面を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(上方からの斜視図)である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の斜視図(図18とは異なる別の上方から見た斜視図)である。
【図20】(a)は本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXXB−XXB断面を示す図である。
【図21】(a)は本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが所定の中間位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXXIB−XXIB断面を示す図である。
【図22】(a)は本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)の平面図であり、(b)は(a)におけるXXIIB−XXIIB断面を示す図である。
【図23】従来のコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)を示す斜視図である。
【図24】(a)は、従来のコネクタ係合体(レバーが離脱位置に位置しているコネクタ係合体)を示す平面図であり、(b)は(a)におけるXXIVB−XXIVB断面を示す図である。
【図25】(a)は、従来のコネクタ係合体(レバーが嵌合位置に位置しているコネクタ係合体)を示す平面図であり、(b)は(a)におけるXXVB−XXVB断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るコネクタ係合体1は、従来のコネクタ係合体301と同様に、図示しない第1のコネクタ(たとえば、サービスプラグ設置体;基材やベース体であってもよい。)と第2のコネクタ(たとえば、サービスプラグ)5とレバー7とを備えて構成されている。そして、コネクタ係合体1は、たとえば自動車のバッテリーと負荷(モータ)との間を接続する導線の途中に設置されて使用されるようになっている。
【0054】
また、コネクタ係合体1は、従来のコネクタ係合体301と同様にして、レバー7を移動(たとえば、回動)することで、第2のコネクタ5が第1のコネクタに対して接近もしくは離反する方向に移動し、第2のコネクタ5と第1のコネクタとの嵌合と離脱とがなされるように構成されている。
【0055】
第1のコネクタは、図1〜図5で示すように、信号端子(信号回路端子;メス端子)と強電端子(強電回路端子;メイン回路端子;メス端子)とを備えている。
【0056】
第2のコネクタ5は、強電端子用係止部(強電端子用ロック部)9と、信号端子用係止部(信号端子用ロック部)11と、信号端子(信号回路端子;オス端子)13と、強電端子(強電回路端子;メイン回路端子;オス端子)15とを備えている。
【0057】
信号端子13は、第2のコネクタ5を第1のコネクタに嵌合したときに、第1のコネクタの信号端子に接続されるようになっている。また、強電端子15も、第2のコネクタ5を第1のコネクタに嵌合したときに、第1のコネクタの強電端子に接続されるようになっている。
【0058】
そして、第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子に接続されたときに信号回路が通じ、第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れたときに信号回路が遮断されるようになっている。また、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子に接続されたときに強電回路が通じ、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子から離れたときに強電回路が遮断されるようになっている。
【0059】
また、コネクタ係合体1では、従来のコネクタ係合体301と同様にして、上記信号回路の各端子(第1のコネクタの信号端子と第2のコネクタ5の信号端子13)が、たとえばリレー(図示せず)の信号スイッチを構成している。そして、信号回路の各端子がお互いに接続されたとき、上記リレーの操作コイルに電流が流れて、リレーの鉄片が操作コイルの鉄芯に吸着され、固定接点と鉄片に設けられている可動接点とが導通するようになっている。一方、信号回路の各端子がお互いに離れたときには、上記リレーの操作コイルに電流が流れなくなり、上記リレーの鉄片がバネの復元力によってコイルの鉄片から離れ、鉄片に設けられている可動接点が固定接点から離れるようになっている。
【0060】
また、上記強電回路の各端子と上記リレーの可動接点と固定接点とは直列に接続される。たとえば、強電回路の端子(第1のコネクタの強電端子)は導線を介して負荷(モータ)に接続され、第2のコネクタ5の強電端子15は導線を介して上記リレーの固定接点に接続され、上記リレーの可動接点は導線を介してバッテリーに接続される。
【0061】
レバー7は、信号端子用解除操作部(信号端子用解除用指掛け部)17と、強電端子用解除操作部(強電端子用ロック解除操作部)19と、第2のコネクタ5の強電端子用係止部9に係止される強電端子用被係止部(強電端子用被ロック部)21と、第2のコネクタ5の信号端子用係止部11に係止される信号端子用被係止部(信号端子用ランス部)23とを備えている。
【0062】
また、レバー7は、従来のコネクタ係合体301と同様にして、第2のコネクタ5に対して回動するように設けられており、第1のコネクタのカムピンを介して第1のコネクタに係合し、第1のコネクタと第2のコネクタとに対して嵌合位置(図3参照)と離脱位置(図5参照)との間で相対的に動くことで、第1のコネクタと第2のコネクタ5との間に嵌合力と離脱力とを作用させるように構成されている。
【0063】
そして、レバー7が嵌合位置に位置しているときには、第2のコネクタ5が第1のコネクタに最も近づいて、第2のコネクタ5が第1のコネクタに一体的に嵌合しており(嵌合状態になっており)、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11に係止されて、各信号端子同士と各強電端子とがお互いに接続されるように構成されている(第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子に接続され、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子に接続されるように構成されている)。
【0064】
また、レバー7が嵌合位置と離脱位置との間の位置である所定の中間位置(図4参照)に位置しているときには、第2のコネクタ5が第1のコネクタから所定量抜け出て、各強電端子はお互いに接続され、各信号端子がお互いに離れるように構成されている(第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れる一方で、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子に接続されているように構成されている)。
【0065】
また、レバー7が離脱位置に位置しているときには、第2のコネクタ5が第1のコネクタからほぼ離れ(離脱状態になっており)、各強電端子がお互いに離れ、各信号端子がお互いに離れるように構成されている(第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れ、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子から離れるように構成されている)。
【0066】
また、レバー7が嵌合位置に位置し信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11に係止されている状態では、レバー7は容易には回動しないようになっている。レバー7が嵌合位置に位置しているときに、信号端子用解除操作部17に力(図3に矢印A3aで示す押圧力)を加えることで、信号端子用被係止部23を支持している棒状部25が弾性変形して、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れ、レバー7が嵌合位置から所定の中間位置(図4参照)まで回動可能になるように構成されている。
【0067】
また、レバー7が所定の中間位置に位置し強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9に係止されている状態では、レバー7が離脱位置側には回動不可能になっている。レバー7が所定の中間位置に位置しているときに、強電端子用解除操作部19に力(図4に矢印A4aで示す方向の力)を加えることで、強電端子用被係止部21を支持している小アーム部27が弾性変形して、強電端子用被係止部21が図4に矢印A4bで示す方向に移動して強電端子用係止部9から外れるようなっている。そして、レバー7が所定の中間位置から離脱位置まで回動可能になるように構成されている。
【0068】
レバー7は、従来のコネクタ係合体301と同様にして、一対のアーム部29とこの一対のアーム部29をお互いに連結している連結部31を備えて「U」字状に形成されている。そして、レバー7は、一対のアーム部29の長手方向の中間部が第2のコネクタ5に係合しており、所定の軸(第2のコネクタ5の回動支軸33)を中心にして、第2のコネクタ5に対して回動するようになっている。
【0069】
図示しない第1のコネクタは、枡状の第1のコネクタ本体部を備えて構成されており、コネクタ本体部の内側には、コネクタ嵌合室が形成されている。第1のコネクタの信号端子と強電端子とは、コネクタ嵌合室内に配置されている。
【0070】
第2のコネクタ5は、第2のコネクタ本体部35とこの第2のコネクタ本体部35と一体になっている枡状のカバー(感電防止カバー)37とを備えて構成されている。カバー37は、第2のコネクタ本体部35の一方の側(上側)に設けられており、カバー37の側壁部39は、第2のコネクタ本体部35から所定の距離だけ離れて第2のコネクタ本体部35を囲んでいる。第2のコネクタ5の信号端子13と強電端子15とは、第2のコネクタ本体部35に設けられている。
【0071】
そして、レバー7が嵌合位置に位置し第2のコネクタ5を第1のコネクタに一体的に嵌合しているときには(嵌合状態にあるときには)、第2のコネクタ本体部35が第1のコネクタのコネクタ嵌合室内に入り込み、各信号端子がお互いに接続し、各強電端子がお互いに接続している。
【0072】
また、レバー7が嵌合位置に位置し第2のコネクタ5を第1のコネクタに一体的に嵌合しているときには、カバー37の側壁部39と第2のコネクタ本体部35との間の間隙に第1のコネクタ本体部の側壁部が入り込み、パッキン41でシールされることにより、コネクタ嵌合室内(各信号端子や各強電端子のところ)が外部と遮断され防水されている。
【0073】
なお、この防水は、たとえば、レバー7が嵌合位置から離脱側位置の間に位置している状態で維持されているか、もしくは、レバー7が嵌合位置から離脱側位置の近傍位置の間に位置している状態で維持されているものとする。
【0074】
なお、レバー7が嵌合位置に位置しているとき、第2のコネクタ本体部35に対して回動するレバー7は、概ね水平方向に延伸している(図3参照)。また、レバー7が所定の中間位置に位置しているとき、第2のコネクタ本体部35に対して回動するレバー7は、嵌合位置から30°程度回動した状態(レバー7の角度が高い状態)になっており(図4参照)、レバー7が離脱位置に位置しているとき、第2のコネクタ本体部35に対して回動するレバー7は、嵌合位置から90°程度回動した状態(レバー7の角度がさらに高い状態)になっている(図5参照)。
【0075】
また、レバー7には、レバー側ロック干渉部43が設けられている。そして、レバー7が嵌合位置に位置している状態で、強電端子用解除操作部19に力を加えると、レバー側ロック干渉部43が強電端子用係止部9に係合し、レバー7の回動が不可能になるように構成されている。
【0076】
すなわち、レバー7が嵌合位置に位置している状態で、強電端子用解除操作部に力(図6に矢印A6aで示す押圧力;レバー側ロック干渉部43が強電端子用係止部9側に移動する方向の力)を加えると、レバー側ロック干渉部43が設けられている小アーム部45が図6に二点鎖線で示すように弾性変形して、レバー側ロック干渉部43が強電端子用係止部9に係合し、信号端子用解除操作部17に力(図6に矢印A6bで示す押圧力)を加えても、レバー7が回動できす、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れないようになっている。
【0077】
ここで、コネクタ係合体1についてさらに詳しく説明する。
【0078】
第1のコネクタ本体部や第2のコネクタ本体部35やカバー37やレバー7は、従来のものと同様に、たとえば絶縁性の合成樹脂で構成されている。レバー7の一対のアーム部29には、第1のコネクタ係合体のカムピンに係合するカム溝47と回動支軸33に係合する回動支軸係合孔49とが設けられている。
【0079】
ここで、説明の便宜のために、第1のコネクタに対して第2のコネクタ5が着脱されるときの第2のコネクタ5の移動方向を上下方向とする。さらに、上下方向のうちの一の方向(第2のコネクタ5側)を上方向とし、上下方向のうちの他の方向(第1のコネクタ側)を下方向とする。第2のコネクタ5が第1のコネクタに対して下方向に移動して第1のコネクタに接続され(嵌合され)、第2のコネクタ5が第1のコネクタに対して上方向に移動して第1のコネクタから離れる(離脱する)ようになっている。また、上下方向に対して直交する一方向を縦方向とし、上下方向と縦方向とに直交する一方向を幅方向(横方向)とする。
【0080】
レバー7は第2のコネクタ5に対して回動しその姿勢が変化するようになっている。すなわち、図3に示す嵌合位置に位置しているときには、レバー7の一対のアーム部29が縦方向に延伸している。また、図4に示す離脱位置にしているときには、レバー7の一対のアーム部29が上下方向に延伸している。ここで、レバー7における上下方向、縦方向、幅方向とは、原則的に図3に示す嵌合位置のときのものをいうことにする。
【0081】
第2のコネクタ5の強電端子用係止部9は、カバー37の幅方向の中央部でカバー37の縦方向の一端部から突出している。また、強電端子用係止部9は、弾性変形をほとんどしないようになっている。
【0082】
第2のコネクタ5の信号端子用係止部11は、カバー37の幅方向の両端に一対で設けられており、カバー37の縦方向の一端部から突出している。信号端子用係止部11も、弾性変形をほとんどしないようになっている。
【0083】
レバー7の連結部31は、縦方向の一端部(図1や図5では上方)に設けられている。そして、第1のコネクタと第2のコネクタ5とが嵌合状態(レバー7が嵌合位置に位置している状態)にあるときには、図3(a)で示すように、レバー7の一対のアーム部29が幅方向で第2のコネクタ5の両外側に位置し、レバー7の連結部31が縦方向で第2のコネクタ5から僅かに離れている。
【0084】
レバー7の連結部31からは、縦方向の一端部側に小アーム部27、45が突出している。小アーム部27、45は弾性を備えている。小アーム部(基端側小アーム部)27は、連結部31から下方に向かって突出している。小アーム部(先端側小アーム部)45は、小アーム部27の先端から、上方であって縦方向の一端部側に向かって斜めに突出している。これにより、幅方向から見ると、各小アーム部27、45が「V」字状になっている。
【0085】
小アーム部27と小アーム部45の接合部位(小アーム部27の先端;小アーム部45の基端)には、強電端子用被係止部21が設けられて稼動ロックが形成されており、小アーム部45の先端には、強電端子用解除操作部19とレバー側ロック干渉部43とが形成されている。
【0086】
また、レバー7の連結部31には、断面(図3では上下方向に対して直交する平面による断面;図1や図5では縦方向に対して直交する平面による断面)が「コ」字状になっている「コ」字状部位51が設けられている。
【0087】
「コ」字状部位51は、一対の側壁部53と先端側壁部55とを備えて構成されており、各小アーム部27、45を囲うようにして、レバー7の連結部31から縦方向の一端部側(図1や図5では上方、図3では縦方向の一端部側)に突出している。
【0088】
信号端子用解除操作部17は、先端側壁部55に設けられており、信号端子用被係止部23は、一対の側壁部53のそれぞれから上方向(図1では縦方向の他端部側)に突出している一対の棒状部25の先端に設けられている。
【0089】
次に、コネクタ係合体1の動作について説明する。
【0090】
まず、図3に示す嵌合状態において、第1のコネクタから第2のコネクタ5を離脱させる場合について説明する。
【0091】
図3に示す状態(レバー7が嵌合位置に位置している状態)において、信号端子用解除操作部17を矢印A3aで示す力を加えて、レバー7を図3の矢印A3bで示す方向に回動する。
【0092】
この回動に伴う、レバー7の一対のアーム部29のカム溝47とカムピンとの係合位置の変化により、第2のコネクタ5が上方に移動する。また、上記回動により、棒状部25が内側に(幅方向の中央側に)弾性変形して信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11からはずれる。レバー7をさらに回動すると、棒状部25が復元し、第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れる。
【0093】
さらに、レバー7を回動すると、図4で示すように、レバー7が所定の中間位置に位置して所定の中間状態になる。この所定の中間状態では、第2のコネクタ5の強電端子15は第1のコネクタの強電端子に接続されている。また、強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9に当接しており、レバー7は、これ以上、離脱位置側(矢印A4cで示す側)には回動しないようになっている。
【0094】
図4に示す状態において、強電端子用解除操作部19に矢印A4aで示す力を加えると、小アーム部27が弾性変形して、強電端子用被係止部21が図4に矢印A4bで示す方向に移動して強電端子用係止部9から外れ、レバー7が、離脱位置側(矢印A4cで示す側)に回動できるようになる。
【0095】
そこで、強電端子用解除操作部19に矢印A4aで示す力を加たまま、レバー7の信号端子用解除操作部17に力を加えて、レバー7を矢印A4cで示す側に回動させると、レバー7が回動するとともに、第2のコネクタ5が次第の上方に移動して第1のコネクタから次第に離れて、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子から離れる。レバー7をさらに回動させると、図5に離脱状態になる。
【0096】
なお、図5に示す離脱状態から図3に示す嵌合状態にするには、レバー7を、図5の矢印A5で示す側に単に回動させればよく、強電端子用解除操作部19等に別途力を加える必要はない。
【0097】
コネクタ係合体1によれば、レバー7が嵌合位置に位置しているときに信号端子用解除操作部17に力を加えることで信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れレバー7が所定の中間位置まで回動可能になり、この回動をするときに各信号端子同士のみが切断され、レバー7が所定の中間に位置しているときに強電端子用解除操作部19に力を加えることで強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れ、レバー7が離脱位置まで回動可能になり、この回動をするときに各強電端子同士が切断されるように構成されているので、信号回路の遮断時と強電回路(メイン回路)の遮断時との間に明確な時間差が存在することになる。したがって、信号回路やメイン回路を遮断するときに、アークが発生することを防止することができる。
【0098】
また、コネクタ係合体1によれば、各信号端子と各強電端子とが防水されている構造であっても、レバー7の角度が高い位置で強電端子用ロックがかかるようにしてあるので、二段階ロック構造にすることができる。すなわち、レバー7が嵌合位置から離脱側位置の間に位置している状態、もしくは、レバー7が嵌合位置から離脱側位置の近傍位置の間に位置している状態でも(レバー7が回動しレバー7の回動角度が高くなっても)、信号回路の端子と強電回路の端子との防水構造が維持されている。そして、信号端子用被係止部23と信号端子用係止部11とによる一段目のロックと、強電端子用被係止部21と強電端子用係止部9とによる二段目のロックとがなされるようになっている。
【0099】
また、コネクタ係合体1によれば、レバー7が嵌合位置に位置している状態で、強電端子用解除操作部19に力を加えると、レバー側ロック干渉部43が強電端子用係止部9に係合し、レバー7の回動が不可能になるように構成されているので、誤操作によってレバー7が離脱位置側に回動することが防止され各信号端子の接続状態が遮断されてしまう事態が防止される。
【0100】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るコネクタ係合体1aは、強電端子用解除操作部19と強電端子用被係止部21と信号端子用被係止部23とが、第2のコネクタ5に設けられており、信号端子用解除操作部17と強電端子用係止部9と信号端子用係止部11とがレバー7に設けられており、さらに、レバー7に可動ロックストッパー57が設けられている点が、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1と異なり、その他の点は、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1とほぼ同様に構成されており、コネクタ係合体1とほぼ同様の効果を奏する。
【0101】
すなわち、コネクタ係合体1aは、図7〜図12で示すように、第1のコネクタ(図示せず)と第2のコネクタ5とレバー7とを備えて構成されている。
【0102】
第1のコネクタは、信号端子と強電端子とを備えている。
【0103】
第2のコネクタ5は、強電端子用解除操作部19と、強電端子用被係止部21と、信号端子用被係止部23と、第1のコネクタに嵌合したときに第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子13と、第1のコネクタに嵌合したときに第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子15とを備えて構成されている。
【0104】
レバー7は、信号端子用解除操作部17と、第2のコネクタ5の強電端子用被係止部21が係止される強電端子用係止部9と、第2のコネクタ5の信号端子用被係止部23が係止される信号端子用係止部11とを備えて構成されている。
【0105】
また、レバー7は、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに係合し、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに対して嵌合位置(図10参照)と離脱位置(図12参照)との間で相対的に動くことで、第1のコネクタと第2のコネクタ5との間に嵌合力と離脱力とを作用させるように構成されている。
【0106】
そして、レバー7が嵌合位置に位置しているときには、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11に係止されて、各信号端子同士と各強電端子とがお互いに接続されるよ構成されている。
【0107】
レバー7が嵌合位置と離脱位置との間の位置である所定の中間位置(図11参照)に位置しているときには、各強電端子がお互いに接続され、各信号端子がお互いに離れるように構成されている。
【0108】
レバー7が離脱位置に位置しているときには、各強電端子がお互いに離れ、各信号端子もお互いに離れるように構成されている。
【0109】
レバー7が嵌合位置に位置しているときに、信号端子用解除操作部17に力を加えることで信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れ、レバー7が所定の中間位置まで回動可能になるように構成されている。
【0110】
レバー7が所定の中間位置に位置しているときに、強電端子用解除操作部19に力を加えることで強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れレバー7が離脱位置まで回動可能になるように構成されている。
【0111】
また、レバー7には、可動ロックストッパー57(図10参照)が設けられている。そして、レバー7が嵌合位置に位置している状態で、強電端子用解除操作部19に力(図10に示す矢印A10aの力)を加えても、強電端子用解除操作部19が可動ロックストッパーに当接して、強電端子用被係止部21が移動できないように(移動不可能に)構成されている。
【0112】
レバー7の強電端子用係止部9は、連結部31の中央部に設けられている。レバー7の信号端子用係止部11は、連結部31の両端部に一対で設けられている。なお、強電端子用係止部9と信号端子用係止部11は、弾性変形をほとんどしないようになっている。レバー7の信号端子用解除操作部17は、連結部31からアーム部29とは反対側に突出して設けられている。
【0113】
第2のコネクタ5の強電端子用解除操作部19と強電端子用被係止部21とは、弾性を備えた棒状部(アーム部;平板状梁部)59の先端に形成されている。棒状部59は第2のコネクタ5の所定の箇所(上側で縦方向の一端部)から上方に突出している。
【0114】
第2のコネクタ5の信号端子用被係止部23は、弾性を備えた一対の棒状部25それそれぞれの先端に形成されている。棒状部25は、第2のコネクタ5の所定の箇所(下側の縦方向の一端部であって幅方向の両端部)から上方に突出している。
【0115】
次に、コネクタ係合体1aの動作について説明する。
【0116】
まず、図10示す嵌合状態において、第1のコネクタから第2のコネクタ5を離脱させる場合について説明する。
【0117】
図10に示す状態(レバー7が嵌合位置に位置している状態)において、信号端子用解除操作部17に力を加えて、レバー7を図10の矢印A10bで示す方向に回動する。
【0118】
この回動に伴い第2のコネクタ5が上方に移動する。また、上記回動により、棒状部25が幅方向の中央側に弾性変形して信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11からはずれる。レバー7をさらに回動すると、第2のコネクタ5の信号端子13が第1のコネクタの信号端子から離れる。
【0119】
さらに、レバー7を回動すると、図11で示すように、レバー7が所定の中間位置に位置して所定の中間状態になる。この所定の中間状態では、第2のコネクタ5の強電端子15は第1のコネクタの強電端子に接続されている。また、強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9に当接しており、レバー7は、これ以上、離脱位置側(矢印A11aで示す側)には回動しないようになっている。
【0120】
図11に示す状態において、強電端子用解除操作部19に矢印A11bで示す力を加えると、棒状部59が弾性変形して、強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れて、レバー7が、離脱位置側(矢印A11aで示す側)に回動できるようになる。
【0121】
そこで、強電端子用解除操作部19に矢印A11bで示す力を加たまま、レバー7に力を加えて、レバー7を矢印A11aで示す側に回動させると、レバー7が回動するとともに、第2のコネクタ5が次第の上方に移動して第1のコネクタから次第に離れて、第2のコネクタ5の強電端子15が第1のコネクタの強電端子から離れる。レバー7をさらに回動させると、図12離脱状態になる。
【0122】
なお、図12に示す離脱状態から図10に示す嵌合状態にするには、レバー7を、図12の矢印A12で示す側に単に回動させればよい。
【0123】
[第3の実施形態]
本発明の題3の実施形態に係るコネクタ係合体1bは、信号端子用被係止部23と強電端子用被係止部21と強電端子用解除操作部19とが、レバー7から延出している弾性部(小アーム部)13の先端部に形成されている点が、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1と異なり、その他の点は、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1とほぼ同様に構成されており、コネクタ係合体1とほぼ同様の効果を奏する。
【0124】
コネクタ係合体1bでは、図13〜図17で示すように、レバー7が嵌合位置(図15参照)に位置している状態で、信号端子用解除操作部17に力を加えてレバー7を所定の中間位置の側(図15に矢印A15で示す側)に回動させると、弾性部61が弾性変形して信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11からはずれ、弾性部61が復元し、レバー7が所定の中間位置(図16)まで回動するようになっている。
【0125】
レバー7が所定の中間位置まで回動すると、強電端子用係止部9に強電端子用被係止部21が係止され、レバー7が所定の中間位置から離脱位置側(図16に矢印A16aで示す側)には回動できないように(回動不可能に)なっている。
【0126】
また、レバー7が所定の中間位置まで回動し強電端子用係止部9に強電端子用被係止部21が係止されているときに、強電端子用解除操作部19に力(図16に矢印A16bで示す方向の力)を加えて弾性部61を弾性変形させると、強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れ、レバー7が中間位置から離脱位置まで(図16に矢印A16aで示す側に)回動可能になっている。)
なお、コネクタ係合体1bでは、信号端子用係止部11と信号端子用被係止部23とは幅方向の両端部に一対で設けられており、強電端子用被係止部21と強電端子用係止部9とは幅方向の中央部に設けられている。
【0127】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係るコネクタ係合体1cは、信号端子用係止部11と強電端子用被係止部21と強電端子用解除操作部19とが、第2のコネクタ5に設けられており、信号端子用解除操作部17と強電端子用係止部9と信号端子用被係止部23とが、レバー7に設けられている点が、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1と異なり、その他の点は、第1の実施形態に係るコネクタ係合体1とほぼ同様に構成されており、コネクタ係合体1とほぼ同様の効果を奏する。
【0128】
すなわち、コネクタ係合体1cは、図18〜図22で示すように、信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタ(図示せず)と、第2のコネクタ5とレバー7とを備えて構成されている。
【0129】
第2のコネクタ5は、信号端子用係止部11と、強電端子用被係止部21と、強電端子用解除操作部19と、第1のコネクタに嵌合したときに第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子13と、第1のコネクタに嵌合したときに第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子15とを備えて構成されている。
【0130】
また、レバー7は、信号端子用解除操作部17と、第2のコネクタ5の強電端子用被係止部21が係止される強電端子用係止部9と、第2のコネクタ5の信号端子用係止部11に係止される信号端子用被係止部23とを備えて構成されている。
【0131】
また、レバ−7は、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに係合し、第1のコネクタと第2のコネクタ5とに対して嵌合位置(図20参照)と離脱位置(図22参照)との間で相対的に動くことで、第1のコネクタと第2のコネクタ5との間に嵌合力と離脱力とを作用させるように構成されている。
【0132】
そして、レバー7が嵌合位置に位置しているときには、信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11に係止されて、各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続されるように構成されている。
【0133】
レバー7が嵌合位置と離脱位置との間の位置である所定の中間位置(図21参照)に位置しているときには、各強電端子がお互いに接続され、各信号端子がお互いに離れるように構成されている。
【0134】
レバー7が離脱位置に位置しているときには、各強電端子がお互いに離れ、各信号端子がお互いに離れるように構成されている。
【0135】
レバー7が嵌合位置に位置しているときに、信号端子用解除操作部17に力を加えることで信号端子用被係止部23が信号端子用係止部11から外れレバー7が所定の中間位置まで回動可能になるように構成されている。
【0136】
また、レバー7が所定の中間位置に位置しているときに、強電端子用解除操作部19に力を加えることで強電端子用被係止部21が強電端子用係止部9から外れレバー7が離脱位置まで回動可能になるように構成されている。
【0137】
コネクタ係合体1cでは、強電端子用係止部9が、レバー7の一対のアーム部29に形成されている。また、コネクタ係合体1cでは、強電端子用解除操作部19と強電端子用係止部9とが、アーム部63の先端部に形成されている。
【0138】
アーム部63は第2のコネクタ5の所定の箇所(上側縦方向の一端部側の部位であって幅方向の両端)から上方に一対で突出している。
【0139】
そして、第2のコネクタ5を第1のコネクタに嵌合するときや第2のコネクタ5を第1のコネクタから離脱させるとき(第2のコネクタ5を第1のコネクタに着脱するとき)に、アーム部63が、弾性変形するようになっている。
【0140】
なお、一対の強電端子用被係止部21は、レバー7のアーム部29の内側に形成されており、図20に示す嵌合状態や図21で示す所定の中間状態では、一対の強電端子用被係止部21がアーム部29の内側(幅方向の中央側)に位置している。
【0141】
したがって、一対の強電端子用被係止部21がアーム部29の強電端子用係止部9から外れるときや、一対の強電端子用被係止部21をアーム部29の強電端子用係止部9に係合させるときには、一対の強電端子用被係止部21がお互いに接近するように(幅方向の庁側に移動するように)、アーム部63が弾性変形するようになっている。
【符号の説明】
【0142】
1、1a、1b、1c コネクタ係合体
5 第2のコネクタ
7 レバー
9 強電端子用係止部
11 信号端子用係止部
13 信号端子
15 強電端子
17 信号端子用解除操作部
19 強電端子用解除操作部
21 強電端子用被係止部
23 信号端子用被係止部
29 アーム部
31 連結部
43 レバー側ロック干渉部
57 可動ロックストッパー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、
強電端子用係止部と、信号端子用係止部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、
信号端子用解除操作部と、強電端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用係止部に係止される強電端子用被係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用係止部に係止される信号端子用被係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーと、
を有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、
前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、
前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ係合体において、
前記レバーには、レバー側ロック干渉部が設けられており、
前記レバーが前記嵌合位置に位置している状態で、前記強電端子用解除操作部に力を加えると、前記レバー側ロック干渉部が前記強電端子用係止部に係合し、前記レバーの回動が不可能になるように構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項3】
信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、
強電端子用解除操作部と、強電端子用被係止部と、信号端子用被係止部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、
信号端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用被係止部が係止される強電端子用係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用被係止部が係止される信号端子用係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーと、
を有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、
前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、
前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタ係合体において、
前記レバーには、可動ロックストッパーが設けられており、
前記レバーが前記嵌合位置に位置している状態で、前記強電端子用解除操作部に力を加えても、前記強電端子用解除操作部が前記可動ロックストッパーに当接して、前記強電端子用被係止部が移動不可能に構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項5】
請求項1に記載のコネクタ係合体において、
前記信号端子用被係止部と前記強電端子用被係止部と前記強電端子用解除操作部とは、前記レバーから延出している弾性部の先端部に形成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項6】
信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、
信号端子用係止部と、強電端子用被係止部と、強電端子用解除操作部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、
信号端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用被係止部が係止される強電端子用係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用係止部に係止される信号端子用被係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーと、
を有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、
前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、
前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項7】
請求項6に記載のコネクタ係合体において、
レバーは、一対のアーム部とこの一対のアーム部をお互いに連結している連結部を備えて「U」字状に形成されており、所定の軸を中心にして、第2のコネクタに対して回動するようになっており、
前記強電端子用係止部は、前記アーム部に形成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項1】
信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、
強電端子用係止部と、信号端子用係止部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、
信号端子用解除操作部と、強電端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用係止部に係止される強電端子用被係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用係止部に係止される信号端子用被係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーと、
を有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、
前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、
前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ係合体において、
前記レバーには、レバー側ロック干渉部が設けられており、
前記レバーが前記嵌合位置に位置している状態で、前記強電端子用解除操作部に力を加えると、前記レバー側ロック干渉部が前記強電端子用係止部に係合し、前記レバーの回動が不可能になるように構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項3】
信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、
強電端子用解除操作部と、強電端子用被係止部と、信号端子用被係止部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、
信号端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用被係止部が係止される強電端子用係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用被係止部が係止される信号端子用係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーと、
を有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、
前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、
前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタ係合体において、
前記レバーには、可動ロックストッパーが設けられており、
前記レバーが前記嵌合位置に位置している状態で、前記強電端子用解除操作部に力を加えても、前記強電端子用解除操作部が前記可動ロックストッパーに当接して、前記強電端子用被係止部が移動不可能に構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項5】
請求項1に記載のコネクタ係合体において、
前記信号端子用被係止部と前記強電端子用被係止部と前記強電端子用解除操作部とは、前記レバーから延出している弾性部の先端部に形成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項6】
信号端子と強電端子とを備えた第1のコネクタと、
信号端子用係止部と、強電端子用被係止部と、強電端子用解除操作部と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの信号端子に接続される信号端子と、前記第1のコネクタに嵌合したときに前記第1のコネクタの強電端子に接続される強電端子とを備えた第2のコネクタと、
信号端子用解除操作部と、前記第2のコネクタの強電端子用被係止部が係止される強電端子用係止部と、前記第2のコネクタの信号端子用係止部に係止される信号端子用被係止部とを備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに係合し、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとに対して嵌合位置と離脱位置との間で相対的に動くことで、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に嵌合力と離脱力とを作用させるレバーと、
を有し、前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときには、前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部に係止されて、前記各信号端子同士と前記各強電端子とがお互いに接続され、
前記レバーが前記嵌合位置と前記離脱位置との間の位置である所定の中間位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに接続され、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記離脱位置に位置しているときには、前記各強電端子がお互いに離れ、前記各信号端子がお互いに離れ、
前記レバーが前記嵌合位置に位置しているときに、前記信号端子用解除操作部に力を加えることで前記信号端子用被係止部が前記信号端子用係止部から外れ前記レバーが前記所定の中間位置まで回動可能になり、
前記レバーが前記所定の中間位置に位置しているときに、前記強電端子用解除操作部に力を加えることで前記強電端子用被係止部が前記強電端子用係止部から外れ前記レバーが前記離脱位置まで回動可能になるように構成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【請求項7】
請求項6に記載のコネクタ係合体において、
レバーは、一対のアーム部とこの一対のアーム部をお互いに連結している連結部を備えて「U」字状に形成されており、所定の軸を中心にして、第2のコネクタに対して回動するようになっており、
前記強電端子用係止部は、前記アーム部に形成されていることを特徴とするコネクタ係合体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−62043(P2013−62043A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198034(P2011−198034)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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