説明

コネクタ

【課題】FPCの挿入力が掛からないで、一つの操作で必要な部分の上下の基板との信号のやり取りが可能なコネクタを提供する。
【解決手段】第一コンタクト14は接触部26と他端側に回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と一端側に接触部26と対向する方向に延設された延設部36と他端側に基板と接続する接続部40とを有する第ニ片24と連結する連結支点部30とを備え、ハウジング12は挿入孔48を第一コンタクト14が上下逆に挿入できる形状にし、回動部材18は回動させるための操作部56と長手方向に連設した押圧部54と押受部32が挿入できる別個独立の係止孔58とを備え、押圧部54が第一コンタクト14の接続部40と押受部32との間で回動するようにハウジング12に装着され、要望に応じて所定の位置ごとに第一コンタクト14を上下逆に挿入することで、上下の基板に接続可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型プラズマテレビやノートパソコン等の電気又は電子機器に使用されるフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)を使用したコネクタに関するもので、特に上下に配置された基板に接続できるコネクタの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やCCDカメラ等に使用されるコネクタは、狭ピッチで極薄(所謂軽薄短小)であり、1つのタイプは主にハウジングとコンタクトとを備え、ハウジングにFPCを挿入し、コンタクトの接触部に接触させる構造のもの(所謂、ノンZIFタイプ)やまた違うタイプとしては主にハウジングとコンタクトとスライダーとを備え、ハウジングとスライダーとでFPCを挟持する構造のもの(所謂、ZIFタイプとピアノタッチタイプ)がある。ハウジングとスライダーとでFPCを保持する方法には、色々考えられるが、中でもハウジングにFPCを挿入した後にスライダーを挿入しFPCをコンタクトに押しつける構造のものが多い。また、客先の仕様や狭ピッチを図るためには、前記コンタクトの接続部を前記ハウジングの嵌合口側に配置しなければならないこともある。
ハウジングには、コンタクトが挿入される所要数の挿入孔が設けられるとともにFPCが挿入される嵌合口が設けられている。
コンタクトは主にFPCと接触する接触部と基板等に接続する接続部とハウジングに固定される固定部とを備えている。このコンタクトは、圧入等によってハウジングに固定されている。
下記にZIFタイプの所謂バックロックタイプとしての特許文献1(特開2003−297489)と特許文献2(特開平11−307198号)と本出願人が既に提案した特許文献3(特開2004−71160)を例示する。また、FFCをロックする構造として、特許文献4(実開平6−82783号)及び本出願人が既に提案した特許文献5(特願2003−422258)と防塵性を高めるために本出願人が既に提案した特許文献6(特願2004−307793)と特許文献7(特願2005−178666)を例示する。
【特許文献1】特開2003−297489の要約によると、アクチュエータを小さい操作力で操作でき、また、アクチュエータによるコンタクトの移動量を大きくして接続を確実に行うことができ、更に、低背のコネクタを提供することを目的とし、アクチュエータは、カム部と操作部を有し、前記両部の間に各コンタクトのばね部の先端付近が挿入脱出可能な逃げ溝を形成され、アクチュエータを支点を中心として90°右回転すると、カム部は各コンタクトのばね部と連結ばね部を弾性変形させ、すると、接触部の突起と接触部の突起との間で、FPCは挟圧され、したがって、FPCのパターンは、各コンタクトの端子部を介してプリント基板に接続され、インシュレータの天井部は、各コンタクトの接触部を被覆し、天井部の前面側の下部には、FPCをコネクタに挿入するためのガイド部が形成された構造のコネクタが開示されている。
【特許文献2】特開平11−307198号の要約によると、複数の端子を接続し、FPC等を保持するプリント配線板用コネクターの操作性、保持性能を向上することを目的とし、ハウジングに、FPC等が差し込まれる挿入溝を設け、複数のコンタクトを、接触部を挿入溝に対して突出後退自在に、並列して設け、操作部材を、接続位置と解除位置とに回動自在に設け、操作部材に、複数のカムを設け、操作部材が接続位置のとき、コンタクトが、カムに被操作部を押圧されて接触部を挿入溝に突出させ、FPC等の端子に圧接して、端子を接続すると共にFPC等を保持し、操作部材が解除位置のとき、一部のコンタクトが、カムに被操作部を押圧されて接触部を挿入溝に対して僅かに突出させ、FPC等に当接して、FPC等を仮保持し、残りのコンタクトは、接触部を挿入溝に対して後退させる構造のプリント配線板用コネクターが開示されている。
【特許文献3】特開2004−71160の要約によると、各部位の強度や仕様等を損なうことなく、スライダーでFPC又はFFCを確実にコンタクトの接触部に押圧することができ、作業性がよく、ピッチの狭小化や低背位化が可能なコネクタを提供することを目的とし、コンタクトの接触部と接続部との間に弾性部と支点部とを設けるとともに接触部と弾性部と支点部と接続部とを略クランク形状に配置し、かつ、接続部と対向する位置に弾性部から延設された押受部を設け、スライダーに長手方向に連設した押圧部を設け、押圧部がコンタクトの接続部と押受部との間で回動自在にスライダーをハウジングに装着する構造のコネクタが開示されている。
【特許文献4】実開平6−82783号の要約によると、フレキシブルケーブルの裏面にリジットな補強板が取り付けられているフラットケーブルでも容易にスライダーの爪に係止させられることを目的とし、コンタクトピンを内装し、フラットケーブルを差し込む嵌合空間を形成したハウジングの嵌合空間内に、スライダーを挿抜自在に且つ抜き出し時に外側に回動可能に取り付け、前記嵌合空間にフラットケーブルを差し込んでからスライダーを嵌合空間に押し込むと、フラットケーブルがコンタクトピンに電気的に接続されるにおいて、前記スライダーのフラットケーブル当接面に、フレキシブルケーブルの裏面に補強板があてがわれたフラットケーブルのフレキシブルケーブル及び補強板に形成された係止部に挿入係止される係止突子を突設した構造のものが開示されている。
【特許文献5】FPCをロックする構造として、本出願人が提案した特願2003−422258に、少芯数のコネクタでも、要求されたFPCの保持力を確保することができ、接続不良にも繋がらないコネクタを提供することを目的に、FPCと着脱自在に嵌合するコネクタであって、FPCと接触する接触部を有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが保持・固定されるとともにFPCが挿入される嵌合口を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、FPCに係止部を設け、係止部と係合する係合部を有するロック部材をハウジングに装着し、ロック部材の係合部をFPCの係止部に係合させることによりFPCがハウジングから抜けないようにすることにより達成でき、更に前記係合部に対応した位置に溝部を設けることでより確実なロックができる構造のコネクタが開示されている。
【特許文献6】防塵性を高めるために、本出願人が提案した特願2004−307793の要約には、FPCの挿入力が掛からないで、防塵性を高めるコネクタを提供することを目的とし、所要数のコンタクトとハウジングと回動部材とを備えるコネクタにおいて、コンタクトは少なくと接触部と接続部と支点部と連結部と押受部とを備え、略倒H形状に配置し、接続部と押受部との間で回動部材の押圧部を回動させると接触部が接続対象物に接続するような構造にし、ハウジングにはコンタクトの接触部を被覆する天井部と押受部を覆う上壁部とを備え、回動部材には操作部と押圧部と押受部と係止孔とカバー部とを備え、回動部材が回動した後、回動部材のカバー部でコンタクトテール側を覆うようにする構造のものが開示されている。
【特許文献7】防塵性を高めるために、本出願人が提案した特願2005−178666の要約には、FPCの挿入力が掛からないで、防塵性を高めるコネクタを提供することを目的とし、所要数のコンタクトとハウジングと回動部材とを備えるコネクタにおいて、コンタクトは少なくと接触部と接続部と支点部と連結部と押受部とを備え、略倒H形状に配置し、接続部と押受部との間で回動部材の押圧部を回動させると接触部が接続対象物に接続するような構造にし、ハウジングにはコンタクトの接触部を被覆する天井部と押受部を覆う上壁部とを備え、回動部材には操作部と押圧部と押受部と係止孔とカバー部とを備え、回動部材が回動した後、上壁部の先端と操作部との間及び上壁部と回動部材の操作部と反対側の先端との間を、回動時に回動部材がハウジングの上壁部に触れない範囲で狭くする構造のものが開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、電気・電子機器の小型化が進むにつれ、コネクタの小型化の要求も強くなってきており、コネクタはより一層軽薄短小化が進んできている。軽薄短小化が進む中、アクチュエータやスライダー等の回動部材の稼動するスペースを確保するため、コンタクト上面(特にテール側)を露出することが公の事実となっている。また、同じようにアクチュエータやスライダー等の回動部材を回動させることで接続対象物と接続させるコネクタの中にも、コネクタの小型化(低背化)の要求がされることがなく、防塵性を高めるものがある。さらに、FPC等の接続対象物をコネクタに挿入する際には挿入力の掛からない構造のものが要求されている。
最近、上記の要求以外に、上下並行に配置された基板にコネクタを接続し、必要な部分の接続対象物と上下基板との信号のやり取りをしたいという要望がでてきている。(例えば、接続対象物が40パターンある場合に、パターンの1、5、10〜25は上の基板との信号やり取りを、その他のパターンは下の基板との信号やり取りを行いたいという要望である。)一般的には、上下の基板と接続する場合は2つのコネクタを使用することが多い。
上述した特許文献には、上下基板接続できる構造にはなっていないし、接続できない。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、接続対象物の挿入力が掛からないで、一つの操作で必要な部分の上下の基板との信号やり取りが可能な構造のコネクタを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1に記載したように、接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、前記接続対象物と接触する接触部26を有する所要数のコンタクト14と、該コンタクト14が配列・保持されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口20を有するハウジング12と、前記コンタクト14を押圧する回動部材18とを備えるコネクタ10において、前記第一コンタクト14は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に前記接触部26と対向する方向に延設された延設部36と他端側に基板90と接続する接続部40とを有する第ニ片24と、前記第一片22と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略クランク形状に配置し、前記ハウジング12は、前記第一コンタクト14の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記挿入孔48を前記第一コンタクト14が上下逆に挿入できる形状にし、前記回動部材18は、回動させるための操作部56と長手方向に連設した押圧部54と前記押受部32が挿入できる別個独立の係止孔58とを備え、前記押圧部54が前記第一コンタクト14の接続部40と押受部32との間で回動するように前記ハウジング12に装着され、要望に応じて所定の位置ごとに前記第一コンタクト14を上下逆に挿入することで、上下の基板90に接続可能にすることにより達成できる。
【0006】
より狭ピッチを図るためには、請求項2に記載したように、接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、前記接続対象物と接触する接触部26を有する所要数のコンタクト14、16と、このコンタクト14、16が配列・保持されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口20を有するハウジング12と、前記コンタクト14、16を押圧する回動部材18とを備えるコネクタ10において、2種類の第一コンタクト14、第二コンタクト16を千鳥に配置し、前記第一コンタクト14は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に前記接触部26と対向する方向に延設された延設部36と他端側に基板90と接続する接続部40とを有する第ニ片24と、前記第一片22と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略クランク形状に配置するとともに前記接続部の上部に半田上がり防止手段を設け、第二コンタクト16は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に基板90と接続する接続部40と他端側に前記押受部32と対向する方向に延設された延設部36とを有する第ニ片24と、前記第一22片と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略倒U字形状に配置し、前記ハウジング12は、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト16の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記挿入孔48を前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16が上下逆に挿入できる形状にし、前記回動部材18は、回動させるための操作部56と長手方向に連設した押圧部54と前記押受部34が挿入できる別個独立の係止孔58とを備え、前記押圧部54が一方の前記第一コンタクト14の接続部40と押受部34との間及び第二コンタクト16の押受部32と前記ハウジング12との間でで回動するように前記ハウジング12に装着され、要望に応じて所定の位置ごとに前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16を上下逆に挿入することで、上下の基板90に接続可能にすることで達成できる。
【0007】
請求項3記載のコネクタ10は、前記第一コンタクト14の前記接続部26の前記押受部32と対向する面に凹部を設け、前記回動部材を前記凹部47を支点にして回動させることで、確実に上下に配置されたそれぞれの第一コンタクト14及び第二コンタクト16の押受部32を押圧し、第一コンタクト14及び第二コンタクト16の接触部26と接続対象物とを接続させることを特徴とする請求項1または2記載のコネクタにある。
また、請求項4記載のコネクタ10は、前記回動部材16を一方方向に回動するだけで、上下逆に配置された全ての前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16の接触部26を前記接続対象物に接触させることを特徴とする請求項1、2または3記載のコネクタ10にある。
さらに、請求項5記載のコネクタ10は、前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16の前記押受部32の先端に内側に突出した突出部42を設け、該突出部42を前記回動部材16の係止孔58に係合させることを特徴とする請求項1、2または3、4記載のコネクタ10にある。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明のコネクタ10によると、次のような優れた顕著な効果が得られる。
(1)請求項1に記載したように、接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、前記接続対象物と接触する接触部26を有する所要数のコンタクト14と、該コンタクト14が配列・保持されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口20を有するハウジング12と、前記コンタクト14を押圧する回動部材18とを備えるコネクタ10において、前記第一コンタクト14は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に前記接触部26と対向する方向に延設された延設部36と他端側に基板90と接続する接続部40とを有する第ニ片24と、前記第一片22と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略クランク形状に配置し、前記ハウジング12は、前記第一コンタクト14の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記挿入孔48を前記第一コンタクト14が上下逆に挿入できる形状にし、前記回動部材18は、回動させるための操作部56と長手方向に連設した押圧部54と前記押受部32が挿入できる別個独立の係止孔58とを備え、前記押圧部54が前記第一コンタクト14の接続部40と押受部32との間で回動するように前記ハウジング12に装着され、要望に応じて所定の位置ごとに前記第一コンタクト14を上下逆に挿入することで、上下の基板90に接続可能にしているので、接続対象物の挿入力が掛かることがなく、回動部材16を回動させる(一つの動作)だけで、必要な部分について上下の基板90と接続できる。
(2)請求項2に記載したように、接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、前記接続対象物と接触する接触部26を有する所要数のコンタクト14、16と、このコンタクト14、16が配列・保持されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口20を有するハウジング12と、前記コンタクト14、16を押圧する回動部材18とを備えるコネクタ10において、2種類の第一コンタクト14、第二コンタクト16を千鳥に配置し、前記第一コンタクト14は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に前記接触部26と対向する方向に延設された延設部36と他端側に基板90と接続する接続部40とを有する第ニ片24と、前記第一片22と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略クランク形状に配置するとともに前記接続部の上部に半田上がり防止手段を設け、第二コンタクト16は、一端側に前記接続対象物と接触する接触部26と他端側に前記回動部材18により押圧される押受部32とを有する第一片22と、一端側に基板90と接続する接続部40と他端側に前記押受部32と対向する方向に延設された延設部36とを有する第ニ片24と、前記第一22片と前記第二片24とを連結する連結支点部30とを備え、前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とを略倒U字形状に配置し、前記ハウジング12は、前記第一コンタクト14及び第二コンタクト16の接触部26を被覆する天井部50を有し、前記挿入孔48を前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16が上下逆に挿入できる形状にし、前記回動部材18は、回動させるための操作部56と長手方向に連設した押圧部54と前記押受部34が挿入できる別個独立の係止孔58とを備え、前記押圧部54が一方の前記第一コンタクト14の接続部40と押受部34との間及び第二コンタクト16の押受部32と前記ハウジング12との間でで回動するように前記ハウジング12に装着され、要望に応じて所定の位置ごとに前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16を上下逆に挿入することで、上下の基板90に接続可能にしているので、狭ピッチ化が可能で、かつ、接続対象物の挿入力が掛かることがなく、回動部材16を回動させる(一つの動作)だけで、必要な部分について上下の基板90と接続できる。
(3)請求項3記載のコネクタ10は、前記第一コンタクト14の前記接続部26の前記押受部32と対向する面に凹部を設け、前記回動部材を前記凹部47を支点にして回動させることで、確実に上下に配置されたそれぞれの第一コンタクト14及び第二コンタクト16の押受部32を押圧し、第一コンタクト14及び第二コンタクト16の接触部26と接続対象物とを接続させることを特徴とする請求項1または2記載のコネクタにしているので、確実に前記回動部材16を回動することができ、上下に配置したそれぞれの前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16の接触部26と接続対象物とを接続させることができる。
(4)請求項3記載のコネクタ10は、前記回動部材16を一方方向に回動するだけで、上下逆に配置された全ての前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16の接触部26を前記接続対象物に接触させることを特徴とする請求項1、2または3記載のコネクタ10にしているので、回動部材16を回動させる(一つの動作)だけで、必要な部分について上下の基板90と接続できる。
(4)請求項4記載のコネクタ10は、前記第一コンタクト14及び前記第二コンタクト16の前記押受部32の先端に内側に突出した突出部42を設け、該突出部42を前記回動部材16の係止孔58に係合させることを特徴とする請求項1、2または3、4記載のコネクタ10にしているので、確実に回動部材16の回動を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の特徴は、回動部材をどちらか一方に回動させるだけで、上下に配置された基板との接続を図れるコネクタである。つまり、ハウジングの挿入孔をコンタクトが上下逆に挿入できるようにし、かつ、コンタクトを同一形状でも、回動部材の回動に支障がなく、回動させることで接続対象物との安定した接続が図れ、上下の基板との接続も可能にしたものである。
【実施例】
【0010】
図1から図9に基づいて、本発明の一実施例について説明する。
図1(A)は嵌合口側(FPC挿入側)よりみた回動部材が開いた状態のコネクタの斜視図であり、(B)は接続部(第一コンタクトの接続部)側からみた回動部材が開いた状態のコネクタの斜視図である。図2はハウジングの斜視図であり、図3は回動部材の斜視図である。図4(A)は第一コンタクトの斜視図であり、(B)は第二コンタクトの斜視図である。図5(A)は回動部材が開いた状態で、接続部が下側の基板と接続する状態の第一コンタクト部分の断面図であり、(B)は回動部材が開いた状態で、接続部が上側の基板と接続する状態の第一コンタクト部分の断面図である。図6(A)は回動部材が開いた状態で、接続部が下側の基板と接続する状態の第二コンタクト部分の断面図であり、(B)は回動部材が開いた状態で、接続部が上側の基板と接続する状態の第二コンタクト部分の断面図である。図7(A)はFPCが挿入され、回動部材が閉じた状態で、接続部が下側の基板と接続する状態の第一コンタクト部分の断面図であり、(B)はFPCが挿入され、回動部材が閉じた状態で、接続部が上側の基板と接続する状態の第一コンタクト部分の断面図である。図8(A)はFPCが挿入され、回動部材が閉じた状態で、接続部が下側の基板と接続する状態の第二コンタクト部分の断面図であり、(B)はFPCが挿入され、回動部材が閉じた状態で、接続部が上側の基板と接続する状態の第二コンタクト部分の断面図である。図9は回動部材の押圧部の移動及び回動の仕方を説明する説明図である。
以下の実施例では、2種類のコンタクト(第一コンタクト14と第二コンタクト16)がハウジングへの挿入方向を変えて千鳥に配置された構造のコネクタ10を例示して説明する。挿入方向を変えて千鳥に配列することによってピッチの狭小化と低背位化に対応させたものである。
本実施例の本発明のコネクタ10は、主にハウジング12と回動部材18と第一コンタクト14と第二コンタクト16とを備えている。
【0011】
まず、図4に基づいて、2種類の第一コンタクト14と第二コンタクト16について説明する。この2種類の第一コンタクト14と第二コンタクト16は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。
【0012】
最初に、図4(A)の第一コンタクト14について説明する。前記第一コンタクト14は図4(A)のように倒略H形状をし、少なくとも前記FPC64と接触する接触部26(図4(A)の図面の上側)と基板90等に接続する接続部40と前記ハウジング12に固定する固定部38と連結支点部30と回動部材18によって押圧される押受部32を備えている。前記接触部26と前記押受部32とは略クランク状の板状片の第一片22の両端に設けられ、前記押受部32の先端には内側に突出した突出部42が設けられている。本実施例では前記回動部材18の押圧部54の回動をコンパクトな回転にするために設けているが、絶対的に設けなければならないものではない。一端側に前記接触部26と対向する方向に延設された延設部36と他端側に基板90と接続する接続部40とを有する第ニ片24を備え、前記第一片22と前記第二片24はほぼ中間付近で連結支点部30によって連結されている。前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40とは略クランク形状に配置されており、前記接続部40には前記押受部32側に突出するような突出台44が設けられ、かつ、前記突出台44の所定の位置には前記回動部材18の支点として回動させるための凹部47が設けられ、前記押受部32と前記突出台44の凹部47との間で前記回動部材18の押圧部54が回動するようなっている。上下に配置された前記第一コンタクト14の凹部47間(押受部32間)で、前記回動部材18の押圧部54が垂直になった際に、それぞれの前記押受部32が均等に押圧されることにより、前記接触部26がFPC64方向に変位することで前記接触部26が前記FPC64に接続するようになる。前記凹部47の大きさ(深さ)はこのようなことを考慮して適宜設計する。前記凹部47が設けられていない場合の上下に配置された前記突出台44の間隔も同様である。本実施例では前記コンタクト14の連結支点部30付近に、前記嵌合口20と反対方向に傾斜する傾斜部28が設けられている。該傾斜部28を設けることで、低背化を図っている。また、前記突出台44または前記凹部47は前記回動部材18の押圧部54が回動する際に安定した回動をするために、押受部32と接続部40との間の間隔を調整するためのものであり、突出量または深さはこのようなことを考慮して適宜設計する。
【0013】
前記接続部40の配置位置としては、上下に配置された基板90のランド位置や基板90のパターン位置や狭スペース等を考慮して適宜設計する。即ち、前記接続部40は要求仕様に応じて、前記接触部26に対向する側や前記押受部32に対向する側に設けられることになり、また、ランドの位置によっては千鳥に設けることもあり、さらにまた、要求仕様によっては上下逆なることもある。前記第一コンタクト14では、前記接続部40を前記押受部32に対向する側に設けており、要求仕様によって前記第一コンタクト14を上下逆に前記ハウジング12へ挿入している。前記接触部26は、FPC64と接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部40は本実施例では図4(A)のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。本実施例では、前記第一コンタクト14では、前記連結支点部30から前記接触部26に対向するように延設部36を設けている。
【0014】
前記連結支点部30と前記押受部32とは、前記FPC64が挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC64が前記ハウジング12の嵌合口20内に挿入された後に、前記回動部材18の押圧部54が前記コンタクト14の接続部40の突出台44(または前記凹部47)と押受部32との間で回動すると、前記押受部32が押圧部54によって押し上げられることで前記コンタクト14の連結支点部30の下端(図4(A)の下側)を支点にし、前記コンタクト14の連結支点部30の上端が前記接触部26側に傾くことによって、前記接触部26が前記FPC64側に押圧される。前記連結支点部30と前記押受部32の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。また、前記コンタクト14の押受部32の先端に突出部42を設け、前記回動部材18の押圧部54を前記コンタクト14の押受部32と接続部40の突出台44との間で回動させるとき、前記回動部材18の係止孔58に係合させることで、前記回動部材18の回動に対する強い反発力に対抗することが望ましい。前記突出部42の大きさは、このような役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、前記回動部材18の係止孔が引っ掛かる程度に適宜設計する。
【0015】
次に、第二コンタクト16について説明する。ここでは、上述した第一コンタクト14との相違部分についてのみ説明する。前記第二コンタクト16も図4(B)のように前記第一コンタクト14と同様に倒略H字形状をしており、主にFPC64と接触する接触部26(図4(B)の図面の上側)と基板90に接続する接続部40とハウジング12に固定する固定部38と連結支点部30と前記回動部材18のよって押圧される押受部32とを備えている。これらの前記接触部26と前記連結支点部30と前記接続部40は、略倒U字形状に配置されている。前記接続部40は、前記第一コンタクト14と同様に表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。
【0016】
前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の相違点は、幾分形状的な違いはあるものの前記接続部40と前記延設部36とが逆にしただけである。即ち、前記第一コンタクト14では、前記接続部40を前記押受部32と対向する側に、前記延設部36を前記接触部26と対向する側に設けているのに対し、前記第二コンタクト16では、前記接続部40を前記接触部26と対向する側に、前記延設部36を前記押受部32と対向する側に設けている。前記第二コンタクト16では、前記接続部40を前記接触部26に対向する側に設けており、要求仕様によって前記第二コンタクト16を上下逆に前記ハウジング12へ挿入している。前記回動部材18の押圧部54は、前記第一コンタクト14の突出台44(または凹部47)と前記第二コンタクト16の押受部32の間で回動すると、前記第二コンタクト16の接触部26が前記FPC64と接続するような構造になっている。上下に配置された前記第一コンタクト14の突出台44(凹部47)と前記第二コンタクト16の押受部32との間で、前記回動部材18の押圧部54が垂直になった際に、それぞれの前記押受部32が均等に押圧されることにより、前記接触部26がFPC64方向に変位することで前記接触部26が前記FPC64に接続するようになる。
【0017】
ここで、前記回動部材18の押圧部54の移動及び回動の仕方について図9に基づいて説明する。
第一に、図9(A)のように前記接続対象物と前記コネクタ10との接続前の状態で、前記押圧部54の下端70側が前記押受部32の突出部42と接続部40の突出台44との間に位置する。
第二に、図9(B)のように前記操作部56を回動(図面の時計回り方向)させると前記押圧部54が嵌合口20と反対方向に移動し、前記押圧部54の下端70側が前記押受部32の突出部42と接続部40の突出台44との間に挟持される。
第三に、図9(C)のように前記操作部56をさらに回動させると第ニの位置で前記押圧部54が押圧部54の中心を回転軸72として回動する。
第四に、図9(D)のように前記操作部56をさらに回動させると第三の位置で前記押圧部54が押圧部54の中心を回転軸72として回動し、前記押圧部54が前記押受部32と前記接続部40の突出台44との間でほぼ垂直になり回転軸72が前記突出部42に接した上端68側に移動する。
第五に、図9(E)のように前記操作部56をさらに回動させると第四の位置で前記押圧部54が前記突出部42に接した上端68側を中心に回動し、前記押圧部54を前記突出部42に引っ掛かった状態に係合させる。
即ち、前記押圧部54は最初は移動し、その後回動し、さらに回動を続けると回転軸72が変化して、省スペース間でコンパクトな回動(回転)を行なうものである。
つまり、本発明のコネクタ10では、前記FPC64等の接続対象物を嵌合口20内に挿入する際に挿入力の掛からない(所謂、ゼロ・インサーション・フォース(ZIF))構造で、前記回動部材18の押圧部54をより前記コンタクト14、16の突出部42側で回動させる(より突出部42側で前記コンタクト14、16の押受部32を押し上げる)ことで小さな力で前記回動部材18をロックできる構造で、かつ、前記回動部材18の押圧部54でより前記コンタクト14,16の突出部42側の押受部32を押し上げることで高い接触力を得られる構造になっている。
【0018】
次に、回動部材18について説明する。前記回動部材18は図3のように略棒状をしており、前記回動部材18は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
前記回動部材18は主に前記ハウジング12に回動可能に装着される軸部分と前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の押受部32を押圧する押圧部54と前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の突出部42が係合する係止孔58と操作部56とを備えている。前記軸は、回動部材18を回動するための支点であり、ハウジング12の長手方向両側に回動部材18が回動可能に適宜装着され、上述したように前記押圧部54が回動する際に回転軸72が変化するように前記軸と前記ハウジング12の軸受け部との関係ではクリアランスを設けている。
【0019】
前記回動部材18の前記押圧部54は、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の押受部32に押し付ける部分であり、その形状としては細長形状にすることが望ましく、本実施例では楕円形状をしている。このように楕円形状にすることによって、回動部材18を回動させ、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の押受部32と接続部40の突出台44(凹部47)との間で回転させることで、押圧部54の大きさの変化により前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の押受部32が持ち上げられ、FPC64を前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の接触部26側に押し付けている。押圧部54の形状としては、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の押受部32と接続部40の突出台44(凹部47)との間で回転でき、長軸と短軸といった大きさの違いにより前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の押受部32を押し上げられれば、如何なるものでもよい。前記押圧部54の形状や大きさは、このようなことを考慮して適宜設計する。また、前記回動部材18には、操作性を考慮して、操作部56が設けられている。特徴的なのは、前記第一コンタクト14の押受部32と突出台44(凹部47)との間で回動することで、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の押受部32を押し上げて、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の接触部26をFPC64に接触させている。
【0020】
前記回動部材18を回動した際に、前記回動部材18の回動に対する反発力が強い為に、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の突出部42が係合する係止孔58が別個独立に設けられている。前記係止孔58を別個独立に設けることで、前記回動部材18の強度アップや回動時の変形を防止している。
上述した前記回動部材18は前記ハウジング12の嵌合口20と反対側(前記第一コンタクト14の接続部側)に回動自在に装着されている。
【0021】
最後に、ハウジング12について説明する。このハウジング12は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
【0022】
前記ハウジング12には、所要数の前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16が装着される挿入孔48が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。前記挿入孔48は、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16が上下逆に挿入できるような構造にしている。つまり、前記第一コンタクト14(前記第二コンタクト16)の接続部40、40が下側でも、上側でも挿入でき、上下に配置された基板90に接続できる構造ということである。また、前記ハウジング12には前記FPC64が挿入される嵌合口20が設けられ、前記嵌合口20の大きさは前記FPC64が挿入でき、前記FPC64が挿入された際に前記回動部材18で前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16に押圧できるように適宜設計されている。前記ハウジング12の長手方向両側には、前記回動部材18の軸が回動可能に装着される軸受部が設けられている。前記軸と前記軸受けとの関係は、上述したような前記回動部材18の押圧部54のコンパクトな回転が可能なようにクリアランスが設けられている。この軸受部の形状や大きさは、回動部材18の軸が回動でき、前記押圧部54のコンパクトな回転が可能なように装着されていれば如何なるものでもよく、この役割やハウジング12の強度や大きさ等を考慮して適宜設計する。
【0023】
前記ハウジング12には、前記第一コンタクト14と前記第二コンタクト16の接触部26、26を被覆する天井部50が設けられており、かつ、前記コンタクト14、16の押受部32を覆うとともに前記天井部50に連設する上壁部52が設けられている。前記天井部50と前記上壁部52は、前記コンタクト14、16の防塵性を高めるためのものであり、その大きさや形状はこの役割や前記ハウジング12の強度や前記回動部材18の回動性や強度等を考慮して適宜設計する。低背化を考慮して、前記ハウジング12の肉厚は出来るかぎり薄くしている。本実施例では前記上壁部52の厚さを0.3mmにし、上壁部52と反対側の壁の厚さを0.4mm程度にしている。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の活用例としては、薄型プラズマテレビやノートパソコン等の電気又は電子機器に使用されるFPC64を使用したコネクタに活用され、特に上下に配置された基板に接続できるコネクタの構造に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(A) 嵌合口側(FPC挿入側)よりみた回動部材が開いた状態のコネクタの斜視図である。(B) 接続部(第一コンタクトの接続部)側からみた回動部材が開いた状態のコネクタの斜視図である。
【図2】ハウジングの斜視図である。
【図3】回動部材の斜視図である。
【図4】(A) 第一コンタクトの斜視図である。(B) 第二コンタクトの斜視図である。
【図5】(A) 回動部材が開いた状態で、接続部が下側の基板と接続する状態の第一コンタクト部分の断面図である。(B) 回動部材が開いた状態で、接続部が上側の基板と接続する状態の第一コンタクト部分の断面図である。
【図6】(A) 回動部材が開いた状態で、接続部が下側の基板と接続する状態の第二コンタクト部分の断面図である。(B) 回動部材が開いた状態で、接続部が上側の基板と接続する状態の第二コンタクト部分の断面図である。
【図7】(A) FPCが挿入され、回動部材が閉じた状態で、接続部が下側の基板と接続する状態の第一コンタクト部分の断面図である。(B) FPCが挿入され、回動部材が閉じた状態で、接続部が上側の基板と接続する状態の第一コンタクト部分の断面図である。
【図8】(A) FPCが挿入され、回動部材が閉じた状態で、接続部が下側の基板と接続する状態の第二コンタクト部分の断面図である。(B) FPCが挿入され、回動部材が閉じた状態で、接続部が上側の基板と接続する状態の第二コンタクト部分の断面図である。
【図9】回動部材の押圧部の移動及び回動の仕方を説明する図面である。
【符号の説明】
【0026】
10 コネクタ
12 ハウジング
14 第一コンタクト
16 第二コンタクト
18 回動部材
20 嵌合口
22 第一片
24 第二片
26 接触部
28 傾斜部
30 連結支点部
32 押受部
36 延設部
38 固定部
40 接続部
42 突出部
44 突出台
47 凹部
48 挿入孔
50 天井部
52 上壁部
54 押圧部
56 操作部
58 係止孔
64 FPC
68 下端
70 上端
72 回転軸
90 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタであって、前記接続対象物と接触する接触部を有する所要数のコンタクトと、該コンタクトが配列・保持される挿入孔と前記接続対象物が挿入される嵌合口を有するハウジングと、前記コンタクトを押圧・変形する回動部材とを備えるコネクタにおいて、
第一コンタクトは、一端側に前記接続対象物と接触する接触部と他端側に前記回動部材により押圧される押受部とを有する第一片と、一端側に前記接触部と対向する方向に延設された延設部と他端側に基板と接続する接続部とを有する第ニ片と、前記第一片と前記第二片とを連結する連結支点部とを備え、前記接触部と前記連結支点部と前記接続部とを略クランク形状に配置し、
前記ハウジングは、前記第一コンタクトの接触部を被覆する天井部を有し、前記挿入孔を前記第一コンタクトが上下逆に挿入できる形状にし、
前記回動部材は、回動させるための操作部と長手方向に連設した押圧部と前記押受部が挿入できる別個独立の係止孔とを備え、前記押圧部が前記第一コンタクトの接続部と押受部との間で回動するように前記ハウジングに装着され、
要望に応じて所定の位置ごとに前記第一コンタクトを上下逆に挿入することで、上下の基板に接続可能にすることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
接続対象物と着脱自在に嵌合するコネクタであって、前記接続対象物と接触する接触部を有する所要数のコンタクトと、このコンタクトが配列・保持されるとともに前記接続対象物が挿入される嵌合口を有するハウジングと、前記コンタクトを押圧する回動部材とを備えるコネクタにおいて、
2種類のコンタクトを千鳥に配置し、
第一コンタクトは、一端側に前記接続対象物と接触する接触部と他端側に前記回動部材により押圧される押受部とを有する第一片と、一端側に前記接触部と対向する方向に延設された延設部と他端側に基板と接続する接続部とを有する第ニ片と、前記第一片と前記第二片とを連結する連結支点部とを備え、前記接触部と前記連結支点部と前記接続部とを略クランク形状に配置し、
第二コンタクトは、一端側に前記接続対象物と接触する接触部と他端側に前記回動部材により押圧される押受部とを有する第一片と、一端側に基板と接続する接続部と他端側に前記押受部と対向する方向に延設された延設部とを有する第ニ片と、前記第一片と前記第二片とを連結する連結支点部とを備え、前記接触部と前記連結支点部と前記接続部とを略倒U字形状に配置し、
前記ハウジングは、第一コンタクト及び第二コンタクトの接触部を被覆する天井部を有し、前記挿入孔を前記第一コンタクト及び前記第二コンタクトが上下逆に挿入できる形状にし、
前記回動部材は、回動させるための操作部と長手方向に連設した押圧部と前記押受部が挿入できる別個独立の係止孔とを備え、前記押圧部が前記第一コンタクトの接続部と押受部との間及び第二コンタクトの押受部と前記ハウジングとの間で回動するように前記ハウジングに装着され、
要望に応じて所定の位置ごとに前記第一コンタクト及び前記第二コンタクトを上下逆に挿入することで、上下の基板に接続可能にすることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
前記第一コンタクトの前記接続部の前記押受部と対向する面に凹部を設け、前記回動部材を前記凹部を支点にして回動させることで、確実に上下に配置されたそれぞれの第一コンタクト及び第二コンタクトの押受部を押圧し、第一コンタクト及び第二コンタクトの接触部と接続対象物とを接続させることを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記回動部材を一方方向に回動するだけで、上下逆に配置された全ての前記第一コンタクト及び前記第二コンタクトの接触部を前記接続対象物に接触させることを特徴とする請求項1、2または3記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第一コンタクト及び前記第二コンタクトの前記押受部の先端に内側に突出した突出部を設け、該突出部を前記回動部材の係止孔と係合させることを特徴とする請求項1、2または3、4記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−305565(P2008−305565A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148959(P2007−148959)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000208835)第一電子工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】