説明

コネクタ

【課題】端子金具に負荷をかけることなく相手方のコネクタの端子金具との位置ずれを吸収して、相手方のコネクタと確実に電気的に接続できるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ1は、端子金具2とコネクタハウジング3と支持部材5とを備えている。端子金具2は、電気接触部21と機器接続部22と電気連結部23とを備えている。電気接触部21は、相手方のコネクタと電気的に接続する。機器接続部22は、電気接触部21よりも相手方のコネクタから離れている。電気連結部23は、電気接触部21及び機器接続部22を構成する材料よりも可撓性の大きな材料で構成され、電気接触部21と機器接続部22とを互いに連結している。支持部材5は、電気接触部21を収容し、コネクタハウジング3内に取り付けられる。支持部材5は、電気接触部21をコネクタハウジング3内で変位自在に支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具と、端子金具を収容するコネクタハウジングとを備え、例えば電子機器に取り付けられて当該電子機器に電力等を供給するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されている。この自動車は、前記電子機器に電力や制御信号等を伝えるために、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、複数の電線と、電線に取り付けられるコネクタとを備えている。コネクタは、例えば、雌型の端子金具と、この雌型の端子金具を収容するコネクタハウジングとを備えている。
【0003】
特に、電気自動車やハイブリッド車には、前述した電子機器としてモータやECU(Electronic Control Unit)等が搭載されている。これら電子機器は、絶縁性の合成樹脂で構成されたケースと、ケース内に収容される各種の電気部品等と、板状の接続端子とを備えている。ケースは、電子機器の外殻を形成している。ケースには、コネクタ受け孔が開口している。
【0004】
接続端子は、導電性の板金にプレス加工を施して得られる。接続端子は、例えばインサート成形等によってケースと一体に成形され、ケース内に取り付けられている。接続端子の一端部は前述した電気部品と電気的に接続し、他端部はコネクタ受け孔内に位置付けられている。
【0005】
前述したワイヤハーネスのコネクタと電子機器とを接続するために、従来から種々のコネクタ(例えば、特許文献1参照)が用いられてきた。特許文献1に記載されたコネクタは、コネクタハウジングと、中継端子と、位置決め部材等を備えている。
【0006】
コネクタハウジングは、絶縁性の合成樹脂で構成されている。コネクタハウジングは、筒状に形成され、中継端子を収容している。中継端子は、導電性の板金にプレス加工を施して得られる。中継端子は、筒状の雌型の電気接触部と、板状の雄型の電気接触部と、これら電気接触部同士を互いに連結する板状の連結部とを備えている。位置決め部材は、平板状に形成され、雄型の電気接触部を通す孔を複数備えている。
【0007】
前述したコネクタを組み立てる際には、筒状のコネクタハウジングの電子機器と相対する一方の開口側に雌型の電気接触部を位置付け、他方の開口側に雄型の電気接触部を位置付けて、中継端子をコネクタハウジング内に収容する。そして、他方の開口を通して位置決め部材をコネクタハウジング内に挿入して孔内に中継端子の雄型の電気接触部を通し、位置決め部材の係止部をコネクタハウジングの内面に係止して、雄型の電気接触部をコネクタハウジングに対して位置決めする。
【0008】
こうして組み立てられたコネクタは、一方の開口側からコネクタハウジングがコネクタ受け孔を通して電子機器のケース内に挿入された後に電子機器に取り付けられる。すると、ケース内の接続端子が中継端子の雌型の電気接触部内に進入し、接続端子と中継端子とが電気的に接続する。
【0009】
その後、コネクタは、他方の開口を通してコネクタハウジング内にワイヤハーネスのコネクタが挿入されて当該コネクタと嵌合する。すると、中継端子の雄型の電気接触部がワイヤハーネスのコネクタの雌型の端子金具内に進入して、中継端子と雌型の端子金具とが接続する。こうしてコネクタは、電子機器とワイヤハーネスのコネクタとを電気的に接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−253163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述した特許文献1に記載されたコネクタでは、中継端子の雄型の電気接触部が位置決め部材によってコネクタハウジングに対して位置決めされることによって、ワイヤハーネスのコネクタの雌型の端子金具と接続する際に、雄型の電気接触部が位置ずれすることを防止している。
【0012】
しかしながら、例えば位置決め部材の外形や孔の位置、コネクタハウジングの内面形状等の製造公差等によって、中継端子の雄型の電気接触部がコネクタハウジング内の所定位置から位置ずれする虞がある。そして、このように位置ずれしている状態で強引に中継端子と端子金具とを接続した場合、中継端子と端子金具とが確実に接続できない虞があるばかりか、中継端子や端子金具に負荷がかかって経時的に中継端子や端子金具が破損してしまう虞があった。
【0013】
特に、特許文献1に記載されたコネクタと嵌合するコネクタがワイヤハーネスのコネクタでなく電子機器に取り付けられたコネクタの場合、端子金具がコネクタハウジングに対して固定されていることが多く、このような問題が起こりやすいといった問題があった。
【0014】
また、電子機器がモータの場合には回転子の回転による振動、またコネクタが車載された際には自動車の走行時の振動によって、端子金具同士の接続が不安定になったり、前述した中継端子や端子金具の破損がさらに起こりやすくなったりするといった問題があった。このような振動による問題は、中継端子と端子金具とが所定位置に位置付けられた状態で接続していても起こりうるものである。
【0015】
本発明は、このような問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、端子金具に負荷をかけることなく相手方のコネクタの端子金具との位置ずれを吸収して、相手方のコネクタと確実に電気的に接続できるコネクタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、端子金具と、前記端子金具を収容するコネクタハウジングと、を備えたコネクタにおいて、前記端子金具が、相手方のコネクタと接続する一方の電気接触部と、前記一方の電気接触部よりも前記相手方のコネクタから離れた他方の電気接触部と、前記一方の電気接触部及び前記他方の電気接触部を構成する材料よりも可撓性の大きな材料で構成され、かつ、前記一方の電気接触部と前記他方の電気接触部とを互いに連結する電気連結部と、を備えるとともに、前記一方の電気接触部を収容し、かつ、前記コネクタハウジング内に取り付けられて、前記一方の電気接触部を前記コネクタハウジング内で変位自在に支持する支持部材を備えたことを特徴としたコネクタである。
【0017】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載されたコネクタにおいて、前記支持部材が、前記一方の電気接触部を収容しかつ前記コネクタハウジング内に収容される支持部本体と、前記支持部本体の外面から前記コネクタハウジングの内面に向かって延びた第1弾性アームと、を備え、前記コネクタハウジングが、前記第1弾性アームと係合する係合部を備えたことを特徴としたコネクタである。
【0018】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載されたコネクタにおいて、前記係合部が、前記コネクタハウジングの外壁に連なりかつ当該コネクタハウジング外に向かって弾性変形自在なアーム本体と、前記アーム本体から前記コネクタハウジング内に向かって突出した係合突起と、を備えたことを特徴としたコネクタである。
【0019】
請求項4に記載された発明は、請求項2または請求項3に記載されたコネクタにおいて、前記支持部材が、前記支持部本体の内面から前記一方の電気接触部に向かって延びて設けられ、前記一方の電気接触部を前記支持部本体内に係止する第2弾性アームを備えたことを特徴としたコネクタである。
【0020】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載されたコネクタにおいて、前記第2弾性アームの弾性変形する方向が、前記第1弾性アームの弾性変形する方向と交差する方向とされていることを特徴としたコネクタである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載された発明によれば、コネクタの端子金具が相手方のコネクタの端子金具と接続する際にこれら端子金具同士が位置ずれしていても、支持部材に支持された一方の電気接触部がコネクタハウジング内で変位して電気連結部を撓ませ、端子金具同士が電気的に接続する。したがって、端子金具に負荷をかけることなく相手方のコネクタの端子金具との位置ずれを吸収して、相手方のコネクタと確実に電気的に接続できる。また、コネクタや相手方のコネクタが振動しても電気連結部を撓ませて振動を吸収し、端子金具同士の接続を安定化でき、端子金具に負荷がかかることを防止できる。
【0022】
請求項2に記載された発明によれば、第1弾性アームが弾性変形することによって、支持部本体がコネクタハウジング内で変位し、支持部本体内に収容された一方の電気接触部がコネクタハウジング内で変位する。したがって、一方の電気接触部を確実にコネクタハウジング内で変位させることができる。
【0023】
請求項3に記載された発明によれば、第1弾性アームが弾性変形する際に、係合部のアーム本体がコネクタハウジング外に向かって弾性変形する。したがって、弾性変形した第1弾性アームに大きな負荷がかかることなく、第1弾性アームの破損を防止できる。
【0024】
請求項4に記載された発明によれば、第2弾性アームが弾性変形することによって、一方の電気接触部が支持部本体内、即ちコネクタハウジング内で変位する。したがって、一方の電気接触部を確実にコネクタハウジング内で変位させることができる。
【0025】
請求項5に記載された発明によれば、第1弾性アームが弾性変形して一方の電気接触部が変位する方向が、第2弾性アームが弾性変形して一方の電気接触部が変位する方向と交差する方向になる。したがって、一方の電気接触部の変位する方向の自由度が向上し、位置ずれにさらに対応しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコネクタを示す断面斜視図である。
【図2】図1に示されたコネクタの要部を拡大して示す断面斜視図である。
【図3】図2中のIII−III線に沿ったコネクタ全体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態にかかるコネクタを図1ないし図3を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかるコネクタ1は、図1に示すように、例えば電気自動車やハイブリッド車のモータ6に取り付けられて、このモータ6に直結されるECU(Electronic Control Unit)7に取り付けられた一対の相手方のコネクタ8と嵌合することによって、モータ6に電力等を供給する。
【0028】
モータ6は、図1に示すように、合成樹脂で構成されて各種の電気部品を収容したケース61と、コネクタ1と電気的に接続する板状の接続端子(図示せず)等を備えている。ケース61は、モータ6の外殻を形成している。ケース61には、コネクタ受け孔61aが開口している。
【0029】
コネクタ受け孔61aは、ケース61の外壁を貫通し、コネクタ1の後述する連結体33及び当該連結体33に連結された一対のアウタ本体32の外形に沿って形成されている。コネクタ受け孔61aを通して、ケース61内に連結体33及び一対のアウタ本体32が進入する。また、ケース61のコネクタ受け孔61aの近傍には、ECU位置決め用のボス61b、ECU固定用のボルト孔61cや、ナット91の埋設されたコネクタ固定用のボルト孔61d(図3)等が設けられている。
【0030】
ECU7は、図1に示すように、合成樹脂で構成されて各種の電気部品を収容したケース71と、相手方のコネクタ8と電気的に接続する接続端子(図示せず)等を備えている。ケース71は、ECU7の外殻を形成している。ケース71には、コネクタ受け孔71aが開口している。
【0031】
コネクタ受け孔71aは、ケース71の外壁を貫通し、相手方のコネクタ8の後述するコネクタハウジング81の本体部83の外形に沿って形成され、一対設けられている。各コネクタ受け孔71aを通して、ケース71内に本体部83が進入する。また、ケース71のコネクタ受け孔71aの近傍には、ボス61bが進入する位置決め孔71bや、モータ6のボルト孔61cと連通するボルト孔71cが設けられている。
【0032】
相手方のコネクタ8は、端子金具80と、コネクタハウジング81とを備えている。端子金具80は、所謂雌型の端子金具である。端子金具80は、複数設けられている。端子金具80は、コネクタ1の端子金具2が進入して当該端子金具2と電気的に接続する雌型の電気接触部82と、電気接触部に連なりECU7の接続端子と電気的に接続する機器接続部(図示せず)とを備えている。
【0033】
コネクタハウジング81は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。コネクタハウジング81は、端子金具80を収容する本体部83と、本体部83のコネクタ1と相対する端面からコネクタ1に向かって延びたフード部84とを備えている。本体部83は、箱状に形成され、複数の端子金具80を互いに絶縁された状態で収容している。
【0034】
フード部84は、フード状に形成され、相手方のコネクタ8がコネクタ1と嵌合するとコネクタ1の後述する支持部材5を内側に位置付ける。フード部84内は、複数の隔壁部84aによって仕切られている。また、フード部84の外面には、コネクタ1と係合するロック突部84bが設けられている。
【0035】
前述した相手方のコネクタ8は、本体部83に収容された端子金具80の長手方向に沿ってコネクタ1と嵌合する。コネクタ1と相手方のコネクタ8とが嵌合する際にコネクタ1、8同士が相対的に接離する(近づいたり離れたりする)方向を矢印X(図1等)で示し、嵌合方向Xと呼ぶ。
【0036】
コネクタ1は、図1に示すように、端子金具2と、コネクタハウジング3と、支持部材5とを備えている。端子金具2は、複数設けられている。端子金具2は、図1に示すように、相手方のコネクタ8寄りに配されて相手方のコネクタ8と接続する電気接触部(一方の電気接触部に相当する)21と、電気接触部21よりも相手方のコネクタ8から離れて配されてモータ6と接続する機器接続部(他方の電気接触部に相当する)22と、これら電気接触部21と機器接続部22とを互いに連結する電気連結部23とを備えている。
【0037】
電気接触部21は、導電性の板金にプレス加工を施して得られ、機器接続部22と別体で設けられている。電気接触部21は、図2に示すように、長方形板状の平板部21aと、平板部21aから立設した加締め片21bとを備えている。平板部21aの長手方向一端部は、コネクタハウジング3の後述するインナハウジング31内に突出し、相手方のコネクタ8の端子金具80と電気的に接続する。平板部21aの他端部は、支持部材5に収容されてインナハウジング31内に位置付けられている。この他端部には、支持部材5の後述する第2弾性アーム52と係合する係合孔21c(図3)が貫通している。
【0038】
加締め片21bは、平板部21aの他端部に設けられ、平板部21aの幅方向両端から立設して一対設けられている。加締め片21bは、平板部21aとの間に電気連結部23を挟んで、電気接触部21と電気連結部23とを電気的かつ機械的に接続する。
【0039】
機器接続部22は、導電性の板金にプレス加工を施して得られる。機器接続部22は、長方形板状の平板部22aと、平板部22aから立設した加締め片22bとを備えている。平板部22aの長手方向一端部は、コネクタ1外に露出し、モータ6の接続端子が重ねられる。この一端部には、モータ6の接続端子が重ねられると当該接続端子のボルト孔と連通するボルト孔22cが貫通している。これら連通した接続端子のボルト孔とボルト孔22c内にボルトをねじ込んで、端子金具2がモータ6の接続端子と電気的かつ機械的に接続する。平板部22aの他端部は、コネクタ1の後述する本体部35内に収容されている。この他端部には、本体部35の内面と密着して本体部35と機器接続部22との間を水密に保つパッキン92が取り付けられている。
【0040】
加締め片22bは、平板部22aの他端部に設けられ、平板部22aの幅方向両端から立設している。加締め片22bは、平板部22aとの間に電気連結部23を挟んで、機器接続部22と電気連結部23とを電気的かつ機械的に接続する。
【0041】
電気連結部23は、電気接触部21や機器接続部22を構成する板金よりも可撓性の大きな編組電線で構成されている。電気連結部23は、導電性の編組線23aと、絶縁性の被覆部23bとを備えている。編組線23aは、銅等で構成された素線が網目状に編まれて形成され、帯板状に形成されている。被覆部23bは、絶縁性の合成樹脂で構成され、編組線23aの外周を被覆している。被覆部23bは、屈曲しやすいように肉薄に形成されている。電気連結部23を編組電線とすることによって、複数の素線が撚られて形成された芯線と当該芯線を被覆する被覆部とを備えた電線よりも、可撓性を大きくできる。
【0042】
また、電気連結部23は、コネクタハウジング3内に収容された電気接触部21と機器接続部22との間の距離よりも長尺に形成され、コネクタハウジング3内で撓んだ状態をとっている。電気連結部23は、皮剥きされて露出した編組線23aの両端部がそれぞれ前述のように加締め片21b、22bに加締められて、一端部が電気接触部21と電気的かつ機械的に接続し、他端部が機器接続部22と電気的かつ機械的に接続している。
【0043】
コネクタハウジング3は、図1に示すように、アウタハウジング30と、インナハウジング31と、固定部材40とを備えている。アウタハウジング30は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。アウタハウジング30は、一対のアウタ本体32と、一対のアウタ本体32同士を連結する連結体33と、フランジ部34とを備えている。
【0044】
アウタ本体32は、図2に示すように、本体部35とフード部36とを備えている。本体部35は、箱状に形成されている。本体部35は、端子金具2の機器接続部22を収容する端子収容室35aを備えている。端子収容室35aは、嵌合方向Xに沿って本体部35を貫通し、互いに間隔をあけて複数設けられている。各端子収容室35aは、1つの端子金具2の機器接続部22を収容している。端子収容室35aは、複数の端子金具2の機器接続部22を互いに絶縁された状態で収容している。
【0045】
また、本体部35には、当該本体部35を切り欠いて形成され、端子収容室35a内に収容された機器接続部22の平板部22aの一端部をコネクタ1外に露出する端子露出部35bが設けられている。端子露出部35bは、機器接続部22の前記一端部の一方の表面を露出させる。また、本体部35には、機器接続部22の前記一端部の他方の表面が重なる外表面から凹に設けられ、ナット93が埋設されて前記一端部のボルト孔22cと連通するボルト孔35c(図3)が形成されている。
【0046】
フード部36は、扁平筒状に形成され、本体部35の相手方のコネクタ8寄りの端面から相手方のコネクタ8に向かって延びている。フード部36の内縁部には、インナハウジング31を係止する係止凹部36aが全周に亘って設けられている。フード部36は、端子金具2の電気連結部23と、インナハウジング31とを内側に収容している。
【0047】
連結体33は、箱状に形成されている。連結体33は、図1に示すように、一端部が一方のアウタ本体32の相手方のコネクタ8寄りの外周面に連なり、他端部が他方のアウタ本体32の相手方のコネクタ8寄りの外周面に連なっている。連結体33は、一対のアウタ本体32の中心軸方向が平行になるように、これら一対のアウタ本体32同士を互いに連結している。
【0048】
フランジ部34は、連結体33と当該連結体33に連結された一対のアウタ本体32とに亘って設けられ、これら連結体33及びアウタ本体32の相手方のコネクタ8寄りの端部に設けられている。フランジ部34は、連結体33及びアウタ本体32の外周面から突出し、これら連結体33及びアウタ本体32の全周に亘って設けられている。フランジ部34は、連結体33及びアウタ本体32がコネクタ受け孔61aを通してモータ6のケース61内に位置付けられると、ケース61の外表面に重なる。
【0049】
また、フランジ部34のケース61に重なる下面と、前記下面と反対側のECU7のケース71と重なる上面とには、図2に示すように、それぞれ、フランジ部34の全周に亘って設けられた取付溝34aが設けられている。前記下面の取付溝34aには、ケース61と密着して当該ケース61とコネクタハウジング3との間を水密に保つ環状のパッキン94aが取り付けられている。また、前記上面の取付溝34aには、ケース71と密着して当該ケース71とコネクタハウジング3との間を水密に保つ環状のパッキン94bが取り付けられている。
【0050】
また、フランジ部34の外周面には、図3に示すように、ボルト孔34bを有したボルト留め片34cが複数突出している。ボルト留め片34cは、連結体33及びアウタ本体32がコネクタ受け孔61aを通してモータ6のケース61内に位置付けられると、ケース61の外表面に重なり、ボルト孔34bがケース61のボルト孔61dと連通する。これら連通したボルト孔34b、61dにボルト95がねじ込まれて、アウタハウジング30即ちコネクタ1がケース61に取り付けられる。
【0051】
インナハウジング31は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。インナハウジング31は、図1に示すように、2つ設けられ、各アウタハウジング30内に1つずつ収容され、アウタハウジング30に取り付けられている。インナハウジング31は、図2及び図3に示すように、インナ本体37と、係合アーム(係合部に相当する)38と、フランジ部39とを備えている。
【0052】
インナ本体37は、アウタハウジング30のフード部36の内径よりも小さな外径の扁平筒状に形成されている。インナ本体37は、フード部36との間に隙間をあけてフード部36内に収容されている。インナ本体37は、端子金具2の電気接触部21を収容した支持部材5を内側に収容している。インナ本体37は、一方の開口からフード部36内に挿入されてフード部36の先端側に収容され、他方の開口を通して支持部材5が進入する。
【0053】
係合アーム38は、インナ本体37の幅方向(図2中、左右方向)両端に設けられ、一対設けられている。係合アーム38は、支持部材5の後述する第1弾性アーム51と係合して、支持部材5をインナ本体37内に係止する。係合アーム38は、アーム本体38aと係合突起38bとを備えている。
【0054】
アーム本体38aは、長手方向がインナ本体37の中心軸方向即ち嵌合方向Xに沿った棒状に形成され、両端部がインナ本体37の外壁即ちコネクタハウジング3の外壁に連なった両持ちアーム状に形成されている。アーム本体38aは、インナ本体37の内面側に配される表面がインナ本体37の内面と面一に設けられ、インナ本体37の外面側に配される表面がインナ本体37の外面と面一に設けられている。アーム本体38aは、インナ本体37の外方向及び内方向に向かって(即ちコネクタハウジング3外及びコネクタハウジング3内に向かって)弾性変形自在に設けられ、インナ本体37の幅方向に沿って弾性変形自在に設けられている。
【0055】
係合突起38bは、アーム本体38aの長手方向中央に設けられ、アーム本体38aのインナ本体37の内側に配される表面からインナ本体37内(即ちコネクタハウジング3内)に向かって突出している。係合突起38bの一方の開口側の端面は、嵌合方向Xに直交する方向に沿って平坦に形成された平坦面とされている。また、係合突起38bの他方の開口側の端面は、他方の開口に近づくにしたがって徐々にアーム本体38aに近づく方向に傾斜したテーパ面とされている。
【0056】
フランジ部39は、インナ本体37の他方の開口側の外周面から突出し、インナ本体37の全周に亘って設けられている。フランジ部39は、インナ本体37がアウタハウジング30のフード部36内に収容されると、フード部36の係止凹部36a内に位置付けられる。
【0057】
固定部材40は、板金にプレス加工を施して得られる。固定部材40は、略長方形板状に形成され、中央部にねじ孔が貫通している。固定部材40は、中央部が連結体33の相手方のコネクタ8と相対する表面に重ねられ、両端部がそれぞれインナハウジング31のフランジ部39に重ねられた状態で、前記ねじ孔を通ったねじ96によってアウタハウジング30に固定されている。固定部材40は、アウタハウジング30との間にインナハウジング31のフランジ部39を挟んで、アウタハウジング30にインナハウジング31を固定している。
【0058】
前述したコネクタハウジング3は、アウタハウジング30の本体部35内に機器接続部22を収容し、アウタハウジング30のフード部36内に、電気連結部23及びインナハウジング31内に収容された電気接触部21を収容して、端子金具2を内側に収容している。また、コネクタハウジング3は、アウタハウジング30の本体部35側からコネクタ受け孔61aを通してケース61内に挿入されるとともに、アウタハウジング30のフード部36内に収容されたインナハウジング31のインナ本体37内に相手方のコネクタ8のコネクタハウジング81が進入する。
【0059】
支持部材5は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。支持部材5は、図1に示すように、2つ設けられ、2つのインナハウジング31内にそれぞれ1つずつ収容されて、インナハウジング31に取り付けられている。即ち、支持部材5は、コネクタハウジング3に収容されて、コネクタハウジング3に取り付けられている。支持部材5は、図2に示すように、支持部本体50と、第1弾性アーム51と、第2弾性アーム52とを備えている。
【0060】
支持部本体50は、長方形箱状に形成されている。支持部本体50は、インナ本体37との間に隙間をあけてインナ本体37即ちコネクタハウジング3内に収容されている。支持部本体50は、端子金具2の電気接触部21を収容する端子収容室50a(図3)を複数備えている。
【0061】
端子収容室50aは、支持部材5の高さ方向即ち嵌合方向Xに沿って支持部本体50を貫通している。端子収容室50aは、互いに間隔をあけて互いに平行に設けられている。各端子収容室50aは、1つの端子金具2の電気接触部21の平板部21aの他端部と加締め片21bとを収容している。端子収容室50aは、複数の端子金具2の電気接触部21を互いに絶縁された状態で収容している。
【0062】
また、支持部本体50には、スリット50bが設けられている。スリット50bは、支持部本体50の相手方のコネクタ8と相対する表面から端子収容室50aの延在方向に沿って当該支持部本体50を切り欠いて形成されている。スリット50bは、複数の端子収容室50aの間に設けられている。スリット50b内には、相手方のコネクタ8の隔壁部84aが進入する。
【0063】
第1弾性アーム51は、図2に示すように、支持部本体50の幅方向W(図2に矢印Wで示す)両端の外面からインナハウジング31の内面即ちコネクタハウジング3の内面に向かって延設されている。第1弾性アーム51は、基部51aと一対のアーム本体51bと連結片51cとを備えている。
【0064】
基部51aは、箱状に形成され、支持部本体50の前記外面から突出している。アーム本体51bは、長手方向が支持部本体50の高さ方向即ち嵌合方向Xに沿った棒状に形成されている。一対のアーム本体51bは、互いに平行かつ互いに間隔をあけて配されている。アーム本体51bは、長手方向一端部が基部に連なり、他端部が前記一端部よりも相手方のコネクタ8寄りに配されて自由端となっている。アーム本体51bは、他端部が支持部本体50に近づく方向及び支持部本体50から離れる方向に弾性変形自在に設けられ、支持部本体50の幅方向Wに沿って弾性変形自在に設けられている。連結片51cは、一対のアーム本体51bの他端部同士を連結している。
【0065】
前述した第1弾性アーム51は、支持部材5を他方の開口側からインナ本体37に挿入していくと、基部51aが係合アーム38の係合突起38bと当接してアーム本体38aを弾性変形させた後、一対のアーム本体51bと連結片51cとの間に係合突起38bを位置付けて、連結片51c側の先端部が係合アーム38と係合する。支持部材5は、第1弾性アーム51が係合アーム38と係合することによって、インナハウジング31内に収容された状態でインナハウジング31に保持されて、コネクタハウジング3に取り付けられる。
【0066】
第2弾性アーム52は、図3に示すように、支持部本体50の内面に設けられている。第2弾性アーム52は、支持部本体50の内面のうち支持部本体50の厚さ方向T(図3等に矢印Tで示す)に直交する1つの内面から当該端子収容室50aに収容された電気接触部21に向かって延設されている。第2弾性アーム52は、アーム本体52aと係止突起52bとを備えている。
【0067】
アーム本体52aは、長手方向が第1弾性アーム51のアーム本体51bと平行な方向に沿った棒状に形成されている。アーム本体52aは、長手方向一端部が支持部本体50の前記内面の中央に連なり、他端部が前記一端部よりも相手方のコネクタ8寄りに配されて自由端となっている。アーム本体52aは、他端部が支持部本体50の前記内面に近づく方向に弾性変形自在に設けられている。アーム本体52aは、支持部本体50の厚さ方向T、即ち第1弾性アーム51の弾性変形する方向と直交(交差)する方向、に弾性変形自在に設けられている。係止突起52bは、アーム本体52aの前記他端部に設けられ、アーム本体52aの支持部本体50の前記内面から離れた表面から突出している。
【0068】
また、係止突起52bのアーム本体52aの一端部寄りの端面は、当該一端部から離れるにしたがって徐々にアーム本体52aの前記表面から離れる方向に傾斜したテーパ面とされている。また、係止突起52bのアーム本体52aの一端部から離れた端面は、嵌合方向Xに直交する方向に沿って平坦に形成された平坦面とされている。
【0069】
前述した第2弾性アーム52は、端子金具2の電気接触部21をアーム本体52aの一端部側から支持部本体50内に挿入していくと、係止突起52bが電気接触部21と当接してアーム本体52aが弾性変形した後に、係止突起52bが電気接触部21の係合孔21c内に位置付けられて係合孔21cと係合し、電気接触部21を支持部本体50内に係止する。
【0070】
前述した支持部材5は、支持部本体50が内側に電気接触部21を収容し、かつ、第2弾性アーム52が支持部本体50内に収容された電気接触部21と係合して、支持部本体50が電気接触部21に取り付けられる。また、支持部材5は、インナハウジング31内に収容されて第1弾性アーム51が係合アーム38と係合して、インナハウジング31即ちコネクタハウジング3内に取り付けられる。
【0071】
このように、電気接触部21に取り付けられてコネクタハウジング3内に取り付けられた支持部材5は、第1弾性アーム51のアーム本体51b(及び係合アーム38のアーム本体38a)が支持部本体50の幅方向Wに沿って弾性変形することによって、支持部本体50即ち支持部本体50の取り付けられた電気接触部21を、コネクタハウジング3内で支持部本体50の幅方向Wに変位自在に支持する。また、支持部材5は、第2弾性アーム52のアーム本体52aが支持部本体50の厚さ方向Tに沿って弾性変形することによって、電気接触部21をコネクタハウジング3内で支持部本体50の厚さ方向Tに変位自在に支持する。
【0072】
前述したコネクタ1を組み立てる際には、まず、各インナハウジング31のインナ本体37を一方の開口側からアウタハウジング30のフード部36内に挿入し、フランジ部39を係止凹部36a内に位置付けた後に、固定部材40をアウタハウジング30にねじ留めして、インナハウジング31をアウタハウジング30に取り付ける。また、支持部本体50内に第2弾性アーム52のアーム本体52aの一端部側から端子金具2の電気接触部21を挿入して、第2弾性アーム52と係合孔21cとを係合させ、支持部材5に電気接触部21を取り付ける。
【0073】
次いで、端子金具2の機器接続部22にパッキン92を取り付けて、この機器接続部22側から端子金具2をコネクタハウジング3内に挿入し、機器接続部22をアウタハウジング30の本体部35内に挿入する。また、支持部材5をインナハウジング31内に挿入して第1弾性アーム51と係合アーム38とを係合させ、支持部材5をインナハウジング31に取り付ける。アウタハウジング30の取付溝34a内にパッキン94a、94bを取り付けておく。こうして、コネクタ1を組み立てる。
【0074】
前述のように組み立てられたコネクタ1は、アウタハウジング30の本体部35側からコネクタ受け孔61aを通してケース61内に挿入される。そして、アウタハウジング30のフランジ部34をケース61の外表面に重ね、ボルト留め片34cのボルト孔34bとケース61のボルト孔61dとを連通させ、連通したボルト孔34b、61dにボルト95をねじ込んでコネクタ1をモータ6に取り付ける。
【0075】
すると、パッキン94aがコネクタハウジング3とケース61との間を水密に保つ。また、アウタハウジング30の端子露出部35bに露出した端子金具2の機器接続部22にモータ6の接続端子を重ねて、接続端子の丸孔、ボルト孔22c、35cにボルトをねじ込んで、端子金具2と接続端子、即ちコネクタ1とモータ6とを電気的に接続する。
【0076】
その後、嵌合方向Xに沿ってモータ6にECU7を近づけていき、ケース61に設けられたボス61bを位置決め孔71bに進入させる。そして、さらにモータ6にECU7を近づけていき、他方の開口を通してインナハウジング31のインナ本体37内に相手方のコネクタ8のコネクタハウジング81のフード部84を進入させていく。
【0077】
すると、支持部材5の支持部本体50がフード部84内に進入しスリット50b内に隔壁部84aが進入していく。このとき、支持部本体50がフード部84及び隔壁部84aに対して位置ずれして電気接触部21、82同士即ち端子金具2、80同士が位置ずれしていても、第1弾性アーム51(及び係合アーム38)が弾性変形し電気連結部23が撓んで、この位置ずれを吸収する。
【0078】
また、このとき、コネクタ1の端子金具2の電気接触部21が相手方のコネクタ8の端子金具80の電気接触部82内に進入していく。このとき、電気接触部21、82同士即ち端子金具2、80同士が位置ずれしていても、第2弾性アーム52が弾性変形し電気連結部23が撓んで、この位置ずれを吸収する。
【0079】
その後、電気接触部21が電気接触部82内に完全に進入して電気接触部21、82同士即ち端子金具2、80同士が電気的に接続する。そして、相手方のコネクタ8のロック突部84bが、支持部材5の第1弾性アーム51の先端部とインナハウジング31の係合アーム38の係合突起38bを乗り越えて前記先端部との間に係合突起38bを位置付けて、前記先端部及び係合突起38bと係合する。こうして、コネクタ1、8同士が嵌合して、モータ6とECU7とが電気的に接続する。
【0080】
最後に、連通したモータ6のケース61のボルト孔61cとECU7のケース71のボルト孔71cとにボルトを通しナットをねじ込んで、モータ6とECU7とを連結する。パッキン94bがコネクタ1のコネクタハウジング3とECU7のケース61との間を水密に保つ。
【0081】
本実施形態によれば、コネクタ1の端子金具2が相手方のコネクタ8の端子金具80と接続する際にこれら端子金具2、80同士が位置ずれしていても、支持部材5に支持された電気接触部21がコネクタハウジング3内で変位して電気連結部23を撓ませて、端子金具2、80同士が電気的に接続する。したがって、端子金具2、80に負荷をかけることなく相手方のコネクタ8の端子金具80との位置ずれを吸収して、相手方のコネクタ8と確実に電気的に接続できる。また、コネクタ1や相手方のコネクタ8が振動しても電気連結部23を撓ませて振動を吸収し、端子金具2、80同士の接続を安定化でき、端子金具2、80に負荷がかかることを防止できる。
【0082】
また、第1弾性アーム51が弾性変形することによって、支持部本体50がコネクタハウジング3内で支持部本体50の幅方向Wに沿って変位し、支持部本体50内に収容された電気接触部21がコネクタハウジング3内で支持部本体50の幅方向Wに沿って変位する。したがって、電気接触部21を確実にコネクタハウジング3内で変位させることができる。
【0083】
また、第1弾性アーム51が弾性変形する際に、係合アーム38のアーム本体38aがコネクタハウジング3外に向かって弾性変形する。したがって、弾性変形した第1弾性アーム51に大きな負荷がかかることなく、第1弾性アーム51の破損を防止できる。
【0084】
また、第2弾性アーム52が弾性変形することによって、電気接触部21が支持部本体50内、即ちコネクタハウジング3内で支持部本体50の厚さ方向Tに沿って変位する。したがって、電気接触部21を確実にコネクタハウジング3内で変位させることができる。
【0085】
第1弾性アーム51が弾性変形することによって電気接触部21が支持部本体50の幅方向Wに変位し、第2弾性アーム52が弾性変形することによって電気接触部21が支持部本体50の厚さ方向Tに沿って変位する。したがって、電気接触部21の変位する方向の自由度が向上し、位置ずれにさらに対応しやすくなる。
【0086】
前述した実施形態においては、コネクタ1がモータ6に取り付けられていたが、他の電子機器や電線等に取り付けられていてもよい。また、相手方のコネクタ8も同様、ECU7以外の電子機器や電線等に取り付けられていてもよい。また、前述した実施形態においては、コネクタ1が本発明のコネクタであったが、相手方のコネクタ8が本発明のコネクタであってもよく、コネクタ1、8の双方が本発明のコネクタであってもよい。
【0087】
また、前述した実施形態においては、電気連結部23が編組電線とされていたが、可撓性が小さくなる虞があるものの、複数の素線が撚られて形成された芯線と当該芯線を被覆する被覆部とを備えた電線であってもよい。また、電気連結部23は、編組線23aのみ(被覆部23bがない)で構成されていてもよいし、さらには、電気接触部21や機器接続部22よりも可撓性が大きく導電性を有していればその形状や材質はどんなものであってもよい。
【0088】
また、前述した実施形態においては、第1弾性アーム51が係合アーム38と係合していたが、インナハウジング31の内面から突出した係合突起38bのみを設けてもよい。また、前述した実施形態においては、コネクタハウジング3と別体の支持部材5を備えていたが、特に端子金具2が雌型の端子金具の場合には、コネクタハウジング3に連なりコネクタハウジング3内に端子金具2を係止する係止ランスを支持部材5としてもよい。
【0089】
また、前述した実施形態においては、第2弾性アーム52が支持部本体50内の電気接触部21を係止していたが、第2弾性アーム52を設けずに電気接触部21を支持部本体50内にインサート成形してもよい。また、第2弾性アーム52の弾性変形する方向は、電気接触部21の変位する自由度が低下する虞があるものの、第1弾性アーム51の弾性変形する方向と平行であってもよい。
【0090】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 コネクタ
2 端子金具
3 コネクタハウジング
5 支持部材
8 相手方のコネクタ
21 電気接触部(一方の電気接触部)
22 機器接続部(他方の電気接触部)
23 電気連結部
38 係合アーム(係合部)
38a アーム本体
38b 係合突起
50 支持部本体
51 第1弾性アーム
52 第2弾性アーム
T 第2弾性アームの弾性変形する方向
W 第1弾性アームの弾性変形する方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子金具と、前記端子金具を収容するコネクタハウジングと、を備えたコネクタにおいて、
前記端子金具が、相手方のコネクタと接続する一方の電気接触部と、前記一方の電気接触部よりも前記相手方のコネクタから離れた他方の電気接触部と、前記一方の電気接触部及び前記他方の電気接触部を構成する材料よりも可撓性の大きな材料で構成され、かつ、前記一方の電気接触部と前記他方の電気接触部とを互いに連結する電気連結部と、を備えるとともに、
前記一方の電気接触部を収容し、かつ、前記コネクタハウジング内に取り付けられて、前記一方の電気接触部を前記コネクタハウジング内で変位自在に支持する支持部材を備えたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記支持部材が、前記一方の電気接触部を収容しかつ前記コネクタハウジング内に収容される支持部本体と、前記支持部本体の外面から前記コネクタハウジングの内面に向かって延びた第1弾性アームと、を備え、
前記コネクタハウジングが、前記第1弾性アームと係合する係合部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記係合部が、前記コネクタハウジングの外壁に連なりかつ当該コネクタハウジング外に向かって弾性変形自在なアーム本体と、前記アーム本体から前記コネクタハウジング内に向かって突出した係合突起と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記支持部材が、前記支持部本体の内面から前記一方の電気接触部に向かって延びて設けられ、前記一方の電気接触部を前記支持部本体内に係止する第2弾性アームを備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第2弾性アームの弾性変形する方向が、前記第1弾性アームの弾性変形する方向と交差する方向とされていることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−225488(P2010−225488A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73127(P2009−73127)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】