コネクタ
【課題】容器側の開口部に圧入して取り付けられているコネクタ本体が容器の開口部に結合部を螺合して固定されるコネクタにおいて、コネクタ本体及びサイフォン管が結合部に連れ回りすることを防止する。
【解決手段】液体を貯蔵する容器51の上部に設けた円筒ノズル61に取り付けられ、下端部が容器51の底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管9の先端開口を容器51の底部近傍まで挿入し、容器51内から液体を引き出すためのコネクタ1において、円筒ノズル61に形成された雌ねじ部63と螺合する雄ねじ部17を有する結合部5と、円筒ノズル61に挿入して取り付けられ、結合部5と中心軸Cを共有して組付可能とされたコネクタ本体3とを具備し、サイフォン管9の上端部を固定したコネクタ本体3が、円筒ノズル61に対して回転することを阻止する回り止め機構31を備えている。
【解決手段】液体を貯蔵する容器51の上部に設けた円筒ノズル61に取り付けられ、下端部が容器51の底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管9の先端開口を容器51の底部近傍まで挿入し、容器51内から液体を引き出すためのコネクタ1において、円筒ノズル61に形成された雌ねじ部63と螺合する雄ねじ部17を有する結合部5と、円筒ノズル61に挿入して取り付けられ、結合部5と中心軸Cを共有して組付可能とされたコネクタ本体3とを具備し、サイフォン管9の上端部を固定したコネクタ本体3が、円筒ノズル61に対して回転することを阻止する回り止め機構31を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体高純度薬品や一般化学薬品等の液体は、生産工場にてタンクなどの容器に充填され、この容器に形成された少なくとも一対の開口部にキャップ(蓋)を嵌め込んだ状態で出荷されている。
この容器に貯留された液体を取り出す場合には、まず、容器の開口部に嵌め込まれていたキャップを取り外し、サイフォン管が接続されたプラグと、サイフォン管が接続されていないプラグがそれぞれ取り付けられる。そして、液送ホースが接続されたソケットをサイフォン管が接続されたプラグに接続し、また、気送ホースが接続されたソケットをサイフォン管が接続されていないプラグに接続する。
【0003】
この状態において、ポンプによって容器内の液体がサイフォン管からプラグへと吸い上げられ、ソケットに接続された液送ホースへと送り出されていた。このとき、容器内が負圧とならないように、他方のソケットに接続された気送ホースから窒素等の気体が取り入れられていた。
このように、ソケットをプラグにワンタッチで接続するための技術としては、コネクタが知られている。従来のコネクタにおいては、容器内から引き出せない液体量(以下「残液量」という)を減らすため、容器の底面に向かって伸びるサイフォン管の開口部が底面近傍に配置されている。なお、従来のコネクタには、液体吸い上げ用の液送ホース及び気体取り入れ用の気送ホースについて、1つのコネクタに両方のホースを接続可能に構成されたものもある。
【0004】
また、コネクタを取り付けて使用する容器には、底面を下方(外側)へ湾曲させて凹部を形成したものがある。この容器に取り付けて使用するコネクタは、サイフォン管の下端部側を水平方向へ向けて略90度の湾曲をさせることにより、サイフォン管先端の開口部を容器内底面に形成された凹部の最も深い領域に配置させて、残液量を低減することができる。
さらに、サイフォン管の下端部を湾曲させたコネクタにおいては、結合部及びコネクタ本体を中心軸回りに相対回転可能に接続する構造が提案されている。このようなコネクタは、コネクタ本体に配置されたプラグ部に固定されたサイフォン管を回転させることなくコネクタを容器に設置できるため、容器内において液体が残存する領域(凹部)にサイフォン管の先端を配置しやすくなり、従って、容器内の残液量を減らすことができる。(たとえば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−182400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、サイフォン管の下端部側を湾曲させて残液量を低減するコネクタの場合、コネクタ本体が容器の開口部に圧入して挿入された後、コネクタ本体に対して中心軸回りに相対回転可能な結合部を容器の開口部に螺合させて固定する。このため、結合部を螺合させる際、コネクタ本体のプラグ部に固定されたサイフォン管を回転させる必要はなく、従って、容器側の底面凹部に開口部を配置して残液量を低減できる。
しかし、容器側の開口部に圧入して取り付けられているコネクタ本体に対し、結合部を回転させて螺合接続する場合には、螺合時の最終的な締付力(回転力)を受けてコネクタ本体も連れ回りすることがあった。このような連れ回りは、コネクタ本体に接続されて湾曲するサイフォン管の向きも変化させるため、サイフォン管の先端開口部が容器内に形成された凹部から位置ずれして残液量を増す原因となる。
【0007】
このような背景から、凹部を有する容器に対し、下端部が湾曲して開口するサイフォン管の位置や向きを正確に定めて容易に取り付けることができ、容器内の残液量を最小限にして液体を吸い出せるコネクタの開発が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容器側の開口部にコネクタ本体が圧入して取り付けられるコネクタにおいて、たとえば結合部を容器の開口部に螺合させて取り付けることによりコネクタ本体を固定する場合等に、コネクタ本体及びサイフォン管が連れ回りすることを防止し、下端部を湾曲させたサイフォン管の回転方向位置が変動しないコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の請求項1に係るコネクタは、液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、前記円筒ノズルに形成された容器側のねじ部と螺合するねじ部を有する結合部と、前記円筒ノズルに挿入して取り付けられ、前記結合部と中心軸を共有して組付可能とされた本体とを具備し、前記サイフォン管の上端部を固定した前記本体が、前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
このような本発明のコネクタによれば、円筒ノズルに形成された容器側のねじ部と螺合するねじ部を有する結合部と、円筒ノズルに挿入して取り付けられ、結合部と中心軸を共有して組付可能とされた本体とを具備し、サイフォン管の上端部を固定した本体が、円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えているので、結合部を容器の円筒ノズルにねじ込んでコネクタを固定する際には、回り止め機構の作用により、本体及びサイフォン管が連れ廻りすることを防止できるようになる。従って、円筒ノズルから容器内に圧入して挿入されたサイフォン管の回転方向位置(湾曲したサイフォン管の向き)が変動することを防止し、容器内の残液量を最小限にする所定の位置及び方向に保持して液体を吸い出すことができる。
【0010】
上記のコネクタにおいて、前記回り止め機構は、前記円筒ノズル及び前記本体に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部であることが好ましく、これにより、本体及びサイフォン管の連れ回りを確実に防止することができる。
この場合、前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を前記サイフォン管の湾曲方向と一致させた1組とすることにより、本体を円筒ノズルに挿入する際には、先端を湾曲させたサイフォン管の挿入方向(湾曲したサイフォン管の向き)を作業者が容易に認識できるようになる。
また、前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を非対称にした複数組とすることにより、本体を円筒ノズルに挿入する際には、本体の回転方向位置(湾曲したサイフォン管の向き)が一義的に決定される。
【0011】
上記のコネクタにおいて、前記本体の外周面に、上方移動時に前記円筒ノズルの下端部と係合する突出部を設けることが好ましく、これにより、円筒ノズルから容器内に挿入されたサイフォン管が容器底面に当接して生じる反力を、円筒ノズルと突出部との係合により受けることができ、従って、結合部に反力が作用しないため、円筒ノズルに結合部を容易にねじ込んでコネクタを固定することができる。
【0012】
上記のコネクタにおいて、前記容器のねじ部と前記結合部のねじ部との螺合位置は、前記円筒ノズルのコネクタシール位置より上方に配置されていることが好ましく、これにより、螺合位置に対して容器内の液体が付着しにくくなる。
【0013】
本発明の請求項7に係るコネクタは、液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに圧入して取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、前記サイフォン管の上端部を固定した本体が圧入量を規定するフランジ部を備え、前記フランジ部が前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
このような本発明のコネクタによれば、前記サイフォン管の上端部を固定した本体が圧入量を規定するフランジ部を備え、前記フランジ部が前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えているので、円筒ノズルから容器内に挿入されたサイフォン管の回転方向位置(湾曲したサイフォン管の向き)が変動することを防止し、容器内の残液量を最小限にする所定の位置及び方向に保持して液体を吸い出すことができる。すなわち、円筒ノズルに対して本体及びサイフォン管が回動することを防止し、サイフォン管の向きを所定の位置及び方向に保持することができる。
この場合の廻り止め機構は、円筒ノズル及びフランジ部に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部が好ましい。
【0015】
本発明の請求項8に係る容器は、液体を貯蔵し、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズルに取り付けられた請求項1から7のいずれかに記載のコネクタを備えていることを特徴とするものである。
【0016】
このような本発明の容器によれば、液体を貯蔵し、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズルに取り付けられた請求項1から7のいずれかに記載のコネクタを備えているので、容器内の残液量を最小限にして液体を吸い出すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のコネクタ及び容器によれば、容器側の開口部である円筒ノズルに圧入して取り付けられているコネクタ本体を固定するため、円筒ノズルに対して結合部を回転させて螺合接続するコネクタの構造においては、回り止め機構が結合部の締め付けによる本体及びサイフォン管の連れ回りを防止するので、サイフォン管の湾曲部を所定の位置及び方向に保持することができる。また、円筒ノズルに本体を圧入するコネクタの構造においては、回り止め機構が筒状ノズルに対する本体及びサイフォン管の回動を防止し、サイフォン管を所定の位置及び方向に保持することができる。
この結果、容器内の底部まで挿入されたサイフォン管の開口部は、予め設定された容器内の最も低い位置にあって所定の方向に向けられているので、容器内の液体を最大限に引き出すことができ、従って、容器内の残液量を確実に最小にするという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタ(ねじがシール部の上部)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図2】回り止め構造を示す図1のA−A断面図である。
【図3】本発明のコネクタが容器に取り付けられた状態を示す図である。
【図4】図2に示した回り止め構造について、第1変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図5】図2に示した回り止め構造について、第2変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図6】図2に示した回り止め構造について、第3変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図7】図2に示した回り止め構造について、第4変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図8】図2に示した回り止め構造について、第5変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図9】図1に示す実施形態のコネクタに反力を受ける突出部を設けた第6変形例を示す断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図10】本発明の第7変形例に係るコネクタ(ねじがシール部の下部)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図11】本発明の第8変形例に係るコネクタ(突出部を備えるとともにねじがシール部の下部)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図12】本発明の第9変形例に係るコネクタ(ねじがシール部の上部で、本体に対する結合部のストロークはなし)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図13】本発明の第10変形例に係るコネクタ(ねじがシール部の下部で、本体に対する結合部のストロークはなし)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図14】本発明の第11変形例に係るコネクタ(本体/結合部間の突起なし)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ(外ねじ型)を容器に取り付けた状態を示しており、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図16】図15に示すコネクタを備えた容器にキャップを取り付けた状態を示す断面図である。
【図17】図15に示す第2の実施形態のコネクタにについて、上下方向の凹凸を用いた回り止め構造が採用されている変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の一実施形態に係るコネクタについて、以下に図面を参照して説明する。
図3は、本発明におけるコネクタが容器に取り付けられた状態を説明する図であり、液体吸い上げ用の液送ホース及び気体取り入れ用の気送ホースについて、各々専用のコネクタを使用する場合の構成例である。
図3に示すように、液体が貯蓄された容器51の上面には、二つの開口部53A、53Bが形成され、一方の開口部53Aには液体引き出し用のコネクタ1が配置され、他方の開口部53Bには、気体流通用のコネクタ1′が配置されている。
容器51の底面55には、凹状の曲面に湾曲した形状の凹部55aが形成されている。なお、図中の凹部55aは、容器51の中央が最も深くなる底面形状の例が示されているが、特にこの形状例に限定されることはなく、他の底面形状により最深部を形成する容器であっても構わない。
【0020】
コネクタ1,1′には、図3に示すように、ホース57を有するソケット59,59′が着脱可能に取り付けられる。
コネクタ1に取り付けられたソケット59及びホース57からは、容器51内の液体が引き上げられ、コネクタ1′に取り付けられたソケット59′及びホース57からは、容器51内へ気体が供給される。
なお、気体流通用のコネクタ1′及びソケット59については、上述した構成(図3に示す構成)に限定されることはなく、たとえば液体引き出し用のソケット59に気体流通系統を接続して容器51内へ気体を供給する構成としてもよい。
【0021】
<第1の実施形態>
次に、第1の実施形態に係るコネクタ1の構造について、図1及び図2を参照して説明する。なお、図1はコネクタ1の構成例を示す縦断面図、図2は図1のA−A断面図である。
コネクタ1は、図1から図3に示すように、コネクタ1の本体部分であるコネクタ本体(本体)3と、容器51の円筒ノズル61に形成された雌ねじ部63と螺合することにより容器51に結合される結合部5と、上述したソケット59との連結部であるプラグ部7と、プラグ部7に固定され、容器51の内部に向けて伸びるサイフォン管9と、から概略構成されている。なお、円筒ノズル61は、容器51に形成された液体取出用の開口部である。
【0022】
この場合のサイフォン管9は、下端部側が容器底面に沿うよう略水平方向へ向けて90度程度の湾曲をしており、その先端開口9aが凹部55aの最深部付近で側方に向けて開口している(図3参照)。なお、図示の容器51は、円筒ノズル61の内周面にコネクタ1用の雌ねじ部63が形成され、外周面に容器封止用の容器キャップ(不図示)を取り付けるための雄ねじ部65が形成されたものである。
【0023】
コネクタ本体3は略有底円筒状に形成され、その内部にプラグ部7が一体に形成されている。また、コネクタ本体3の開口端側には、略円筒状に形成された結合部5が設けられており、この結合部5は、コネクタ本体3及び結合部5の中心軸C回りに回転可能となっている。
コネクタ本体3の外周面には、半径方向外側に突出する鍔部11が形成されている。この鍔部11は、サイフォン管9側の面(図中下方の面)に配置されたシール部材のOリング13を備えている。このOリング13は、円筒ノズル61にコネクタ本体3を圧入した際、容器51内の液体が漏出するのを防止するものである。
また、コネクタ本体3の開口端側内周面には、円周方向にわたって半径方向の内側(軸中心側)へ突出する本体側突起15が設けられている。この本体側突起15は、結合部5と係合するように形成されている。
【0024】
結合部5には、外周面に円筒ノズル61の雌ねじ部63と螺合する雄ねじ部(ねじ部)17が形成され、外周面の下端には、円周方向にわたって半径方向外側へ突出し、コネクタ本体3の本体側突起15と係合する結合部側突起19が形成されている。
結合部側突起19の外径は本体側突起15の内径よりも大きく形成され、結合部5をコネクタ本体3に圧入することにより、結合部側突起19を本体側突起部15に係合させている。そのため、結合部5とコネクタ本体3とは、中心軸C回りに回転可能に係合されており、さらに、結合部5は、コネクタ本体3側に形成されて上端部が本体側突起15となる凹部21により制限される範囲を上下方向にスライド可能となっている。
【0025】
プラグ部7は略円筒状に形成され、図1に示すように、コネクタ本体3の底面(図中下方の面)と一体に形成されるとともに、その内部は液体が流通する流通孔23となっている。また、プラグ部7の外周面には、液体流出防止用のプラグキャップ(不図示)と螺合するキャップ用ねじ部25が図中の下方端側に形成され、さらに、ソケット59と係合する環状の係止溝27及び係止突条29が中間部付近に形成されている。
なお、プラグキャップは、コネクタ1にソケット59が取り付けられる際にプラグ部7から取り外され、それ以外の場合には、プラグ部7に取り付けられて流体が流出することを防止している。
また、プラグ部7の下端部には上述した管状部材のサイフォン管9が接続され、流通孔23と連通して先端開口9aから液体を取り出す液体流路を形成している。
【0026】
このように、コネクタ1は、液体を貯蔵する容器51の上部に設けた円筒ノズル61に取り付けられ、下端部が容器51の底面55に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管9の先端開口9aを容器底部近傍まで挿入して容器51内から液体の引き出しを行うものであり、円筒ノズル61に形成された容器51側の雌ねじ部(ねじ部)63と螺合する雄ねじ部(ねじ部)17を有する結合部5と、円筒ノズル61に挿入(圧入)して取り付けられ、結合部5と中心軸Cを共有して相対回転可能に連結されているコネクタ本体3とを具備して構成される。
そして、このコネクタ1は、円筒ノズル61からサイフォン管9を挿入するとともに、円筒ノズル61にコネクタ本体3を圧入して取り付けた後、結合部5の雄ねじ部17を円筒ノズル61の雌ねじ部63にねじ込んで固定することにより、容器51の円筒ノズル61に取り付けられる。
【0027】
本発明では、上述したコネクタ1に対して、サイフォン管9の上端部を固定したコネクタ本体3が円筒ノズル61に対して回転することを阻止するため、回り止め機構31を設けている。
この回り止め機構31は、円筒ノズル61及びコネクタ本体3に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部である。すなわち、回り止め機構31が複数組の凹凸係合部や面取係合部により構成される場合には、凹凸係合部のみを複数組み、面取係合部のみを複数組み、あるいは、凹凸係合部と面取係合部との組合せた複数組のいずれでもよい。
【0028】
図2に示す回り止め機構31は、円筒ノズル61の内周面に設けた1個の凸部33と、コネクタ本体3の外周面に設けた1個の凹部35とにより構成された1組の凹凸係合部である。この場合、凸部33及び凹部35は略同じ断面形状を有し、円筒ノズル61にコネクタ本体3を圧入することにより、凹部35に凸部33が入り込んで係合する。
この結果、結合部5を容器51の円筒ノズル61にねじ込んでコネクタ1を固定する際には、凸部33と凹部35とが係合ずる回り止め機構31の作用により、コネクタ本体3及びサイフォン管9が連れ廻りすることを防止できるようになる。
【0029】
従って、円筒ノズル61から容器51内にコネクタ本体3を圧入して挿入されたサイフォン管9は、その回転方向位置(湾曲したサイフォン管9の向き/湾曲方向)が連れ回りにより変動することを防止できる。この結果、サイフォン管9の先端開口9aは、容器51内の所定位置まで確実に挿入され、すなわち、最深部となる凹部55aに位置して液体を取り出すことが可能になる。換言すれば、コネクタ本体3の回り止め機構31を設けたことにより、サイフォン管9を容器51内の残液量を最小限にする所定位置に保持し、容器51内の液体を最大限に吸い出すことができる。
このような回り止め機構31においては、凹凸係合部が1組の場合、凸部33を設ける円筒ノズル61の円周方向位置について、サイフォン管9の湾曲方向と一致させることが望ましい。すなわち、凸部33と凹部35を設ける円周方向位置をサイフォン管9の湾曲方向と一致させておくことにより、コネクタ本体3を円筒ノズル61に圧入して挿入する際には、回り止め機構31の凸部33が先端を湾曲させたサイフォン管9の挿入方向を定める目安となり、容器51内に挿入さするサイフォン管9の向き(湾曲方向)を作業者が容易に認識できるようになる。
【0030】
ところで、上述した回り止め機構31は、図2に示す凸部33と凹部35の組合せに限定されることはなく、種々の変形例が可能である。
図4に示す第1変形例の回り止め機構31Aは、2組の凸部33及び凹部35を設けたものである。なお、凸部33及び凹部35は、3組以上の複数組を設けてもよい。
このような構成の回り止め機構31Aは、螺合時の最終的な締付力を2組の係合部が受けることになるので、連れ回りに対する回り止め機構31Aの強度を増すことができ、この結果、破損しにくい係合部による確実な連れ回りの防止が可能になる。
【0031】
この場合の回り止め機構31Aは、円筒ノズル61の円周方向位置を非対称にした2組または複数組の係合部を設けることにより、コネクタ本体3を円筒ノズル61に圧入して挿入する際、コネクタ本体3の回転方向位置(湾曲したサイフォン管9の向き)が一義的に決定される。このため、容器51に取り付けられたコネクタ本体3及びサイフォン管9は、容器51内の残液量を最小限にする所定位置に容易かつ確実に保持され、容器51内の液体を最大限に吸い出すことができる。
【0032】
また、図5に示す第2変形例の回り止め機構31Bは、図2に示した回り止め機構31を構成する1組の凸部33及び凹部35の形成場所を逆にしたものである。すなわち、凸部33Aがコネクタ本体3側に形成され、凹部35Aがノズル本体61側に形成されているので、このような回り止め機構31Bとしても、上述した回り止め機構31と同様の作用効果を得ることができる。
また、図6に示す第3変形例の回り止め機構31Cは、図4に示した回り止め機構31Aを構成する2組(複数組)の凸部33及び凹部35の形成場所を逆にしたものであり、やはり回り止め機構31Aと同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
また、図7に示す第4変形例の回り止め機構31Dでは、上述した1組の凹凸係合部に代えて、1組の面取係合部が採用されている。すなわち、円形断面を有するコネクタ本体3の外周面に軸方向の全長にわたって1箇所の面取部37を形成し、かつ、面取部37に対応する円筒ノズル61の内周面に平面部39を形成したものであり、図2及び図5に示した回り止め機構31,31Bと同様の作用効果を得ることができる。この場合の面取部37及び平面部39は、その円周方向位置を容器51内に挿入されるサイフォン管9の湾曲方向と一致させ、挿入作業時の目安にすることが望ましい。
【0034】
また、図8に示す第5変形例の回り止め機構31Eは、図7に示した回り止め機構31Dを構成する2組(複数組)の面取部37及び平面部39を2組(複数組)形成したものであり、図4及び図6に示した回り止め機構31A,31Cと同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
また、図1に示すコネクタ1においては、たとえば図9に示す第6変形例のように、コネクタ本体3の外周面に、上方移動時に円筒ノズル61の下端部と係合する突出部41を設けておくことが望ましい。なお、図9に示す第6変形例のコネクタ1Aについて、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この突出部41は、コネクタ本体3の外周面に対し、円周方向に1または複数のリブ状部材や爪状部材を突出させたものであり、円筒ノズル61から容器51内に挿入されたサイフォン管9が容器51の底面に当接して生じる上向きの反力を受けるように配置されている。
【0036】
すなわち、円筒ノズル61に圧入されたコネクタ本体3は、外周面から突出する突出部41が容器51の内壁(円筒ノズル61の下端部付近)と係合することにより、所定の係合位置より上方へ円筒ノズル61から抜け出す方向の移動が制限及び阻止される。
この結果、突出部41は、コネクタ本体3がサイフォン管9から上向きの反力を受けても所定位置より浮き上がることを防止するので、余計な力を受けることなく結合部5を円筒ノズル61にねじ込んで雄ねじ部17と雌ねじ部63とを容易に螺合させ、コネクタ1を容器51の円筒ノズル61に固定することができる。
【0037】
また、図1及び図9に示す実施形態のコネクタ1は、容器51の雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17との螺合位置が、円筒ノズル61のコネクタシール位置より上方に配置されている。すなわち、円筒ノズル61の雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17とが螺合している位置は、容器51内の液体が容器外へ漏出することを防止するコネクタシールとして機能するOリング13の位置より上方に配置されているので、容器51内の液体が螺合位置まで流出してねじ部に付着しにくくなる。
従って、螺合位置の雌ねじ部63や雄ねじ部17に付着した液体が固化し、結合部5のスムーズな螺合を阻害する原因になることを防止できる。
【0038】
また、容器51の雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17との螺合位置については、たとえば図10や図11に示す第7及び第8変形例のコネクタ1B,1Cのように、円筒ノズル61Aのコネクタシール位置より下方に配置されたものでもよい。なお、図中の符号3Aはコネクタ本体、5Aは結合部、15Aは本体側突起、19Aは結合部側突起、21Aは凹部である。
すなわち、上述したOリング13の位置については、円筒ノズル61Aの雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17との螺合位置より上方としてもよく、このように構成されたコネクタ1B,1Cについても、上述した実施形態及び各変形例の回り止め機構31,31A〜31Eのいずれかを設けることにより、同様の作用効果を得ることができる。
なお、図10に示す第7変形例のコネクタ1Bは突出部41のない構成例であり、さらに、図11に示す第8変形例のコネクタ1Cは突出部41を備えた構成例である。
【0039】
また、図12に示す第9変形例のコネクタ1′は、雄ねじ部17及び雌ねじ部63の螺合部がOリング13の上部に配置され、本体3′に対する結合部5′の連結部に軸方向のストロークがない構成となっている。すなわち、図1に示したコネクタ1の結合部5は、コネクタ本体3側に形成されて上端部が本体側突起15となる凹部21により制限される範囲を上下方向にスライド可能となっているが、この変形例では、凹部21に相当する部分がない分コンパクトで簡易な構造となる。
また、図13に示す第10変形例のコネクタ1B′は、雄ねじ部17及び雌ねじ部63の螺合部がOリング13の下部に配置され、本体3A′に対する結合部5A′の連結部に軸方向のストロークがない構成となっている。すなわち、図10に示したコネクタ1Bの結合部5Aは、コネクタ本体3A側に形成されて上端部が本体側突起15Aとなる凹部21Aにより制限される範囲を上下方向にスライド可能となっているが、この変形例では、凹部21Aに相当する部分がない分コンパクトで簡易な構造となっている。
【0040】
また、図14に示す第11変形例のコネクタ1″は、図12に示した第9変形例から本体側突起15及び結合部側突起19を取り除き、各々分離可能な状態の本体3″及び結合部5″を組み合わせて用いるものである。この場合の結合部5″は、円筒ノズル61の雌ねじ部63に雄ねじ部17をねじ込んで本体3″を上方から固定する。すなわち、円筒ノズル61の雌ねじ部63に螺合して組み付けられる結合部5″は、円筒ノズル61に挿入して取り付けられる本体3″と中心軸を共有して組付可能となっている。
このような構成のコネクタ1″は、凹部21に相当する部分がない分コンパクトで簡易な構造となり、しかも、結合部5″を共用部品として使い廻すことが可能になる。すなわち、本体3″及び結合部5″を別々の部品にしたので、コネクタ1″の効率的な在庫管理が可能になり、また、誤接続防止機能を備えた結合部5″の場合、結合部5″を本体3″との組合せで両方を交換する必要はなく、様々な種類の結合部5″のみを場面や用途に応じて使い分けることが可能である。
【0041】
<第2の実施形態>
続いて、本発明に係るコネクタについて、第2の実施形態を図15から図17に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図15に示すコネクタ1Dは、液体を貯蔵する容器51の上部に設けた円筒ノズル61Bに圧入して取り付けられ、下端部が容器51の底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管9の先端開口9aを容器底部近傍まで挿入し、容器51内から液体の引き出しを行うものである。
【0042】
このコネクタ1Dは、サイフォン管9の上端部を固定したコネクタ本体3Bが圧入量を規定するフランジ部43を備え、このフランジ部43に回り止め機構31Dが設けられている。この回り止め機構31Dは、円筒ノズル61Bに対してコネクタ本体3Bが回転することを阻止するものであり、上述した実施形態及び変形例の凹凸係合や面取係合を採用可能である。図示の構成例(図15(a)を参照)では、1箇所の面取係合を採用した図7に示す回り止め機構31Dが採用されている。
この場合の円筒ノズル61Bは、たとえば図16に示すように、外周面にキャップ45をねじ込んで取り付ける雄ねじ部65が設けられている。このキャップ45は、容器51内の液体が外部へ流出することを防止するものである。
また、本実施形態のコネクタ本体3Bは、単に円筒ノズル61Bの内周面に圧入して取り付けられるものであり、従って、上述した実施形態の結合部5に相当する部材や雌ねじ部63は存在しない。なお、図中の符号47は円筒ノズル61Bとコネクタ本体3Bとの間に配設されたシール部材、45aはキャップ45に設けられてフランジ部43に密着するシール部材である。
【0043】
このように構成されたコネクタ1Dにおいても、サイフォン管9の上端部を固定したコネクタ本体3Bが圧入量を規定するフランジ部43を備え、このフランジ部43に回り止め機構31Dが設けられているので、円筒ノズル61Bの上端部から容器51内に圧入して挿入されたサイフォン管9の回転方向位置が変動することを防止し、容器51内の残液量を最小限にする所定位置に保持して液体を吸い出すことができる。従って、円筒ノズル61Bに対してコネクタ本体3B及びサイフォン管9が回動することを防止でき、サイフォン管9の先端開口9aを所定の位置及び方向に保持して液体を最大限に取り出すことができる。
【0044】
また、このようなコネクタ1Dは、コネクタ本体3Bが圧入量を規定するフランジ部43を備えているので、たとえば図17に示す本実施形態の変形例のように、フランジ部43の下面に設けた凸部43aと、シール部材47を介してフランジ部43の下面が接する円筒ノズル61Bの上端面67に形成した凹部67aとの係合による回り止め機構31Fも可能である。
なお、フランジ部43を利用した回り止め機構31Fは、凹凸の設置位置を反対とすることも可能であり、フランジ部43に凹部を設けておき、シール部材47を介してフランジ部43の下面が接する円筒ノズル61の上端面67に形成した凸部を係合させるようにしてもよい。
【0045】
このように、上述した実施形態及び各変形例のコネクタ、及びこれらのコネクタを備えた容器においては、下記の効果が得られる。
容器51側の開口部である円筒ノズル61,61Aに圧入して取り付けられるコネクタ本体3,3Aに対して結合部5を回転させて螺合接続するコネクタの場合、回り止め機構31,31A〜31Eが結合部5の締め付けによるコネクタ本体3,3A及びサイフォン管9の連れ回りを防止し、サイフォン管9の向きを所定の位置に保持することができる。
また、円筒ノズル61Bにコネクタ本体3Bを圧入するコネクタの場合、回り止め機構31,31A〜31Fが筒状ノズル61Bに対するコネクタ本体3B及びサイフォン管9の回動を防止し、サイフォン管9の向きを所定の位置し保持する。
【0046】
この結果、容器51内の底部まで挿入されたサイフォン管9の先端開口9aは、予め設定された容器51内の最も低い(深い)所定位置(たとえば凹部55a)にあって最大限に液体を引き出すことができ、従って、容器51内の残液量は確実に最小となる。
このため、上述したコネクタ1,1A〜1Dを備えた液体貯蔵用の容器51は、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズル61,61A,61Bに取り付けられたコネクタ1,1A〜1Dのサイフォン管9が回り止めされ、容器51内の残液量を最小限にして液体を吸い出すことができる。
【0047】
ところで、上述したサイフォン管9の先端には、切欠部(不図示)を形成しておくことが望ましい。この切欠部は、容器51の内面がサイフォン管9の先端部を塞ぐように接触あるいは接近している場合でも、切欠部から液体をサイフォン管9の内部に流入させるものであり、この結果、サイフォン管9に流入する液体の流量を確保でき、液体を容器51から確実に引き出すことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば上述したコネクタ本体3及びプラグ部7等について、一体構造あるいは別体部品の結合構造を適宜選択可能であるなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0048】
1,1A〜1D,1′,1″,1B′ コネクタ
3,3′,3A,3A′,3B コネクタ本体(本体)
5,5′,5″,5A′ 結合部
9 サイフォン管
9a 先端開口
17 雄ねじ部(ねじ部)
31,31A〜31F 回り止め機構
33,33A,43a 凸部
35,35A,67a 凹部
37 面取部
39 平面部
51 容器
55 底面
61,61A,61B 円筒ノズル
63 雌ねじ部(容器側のねじ部)
C 中心軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体高純度薬品や一般化学薬品等の液体は、生産工場にてタンクなどの容器に充填され、この容器に形成された少なくとも一対の開口部にキャップ(蓋)を嵌め込んだ状態で出荷されている。
この容器に貯留された液体を取り出す場合には、まず、容器の開口部に嵌め込まれていたキャップを取り外し、サイフォン管が接続されたプラグと、サイフォン管が接続されていないプラグがそれぞれ取り付けられる。そして、液送ホースが接続されたソケットをサイフォン管が接続されたプラグに接続し、また、気送ホースが接続されたソケットをサイフォン管が接続されていないプラグに接続する。
【0003】
この状態において、ポンプによって容器内の液体がサイフォン管からプラグへと吸い上げられ、ソケットに接続された液送ホースへと送り出されていた。このとき、容器内が負圧とならないように、他方のソケットに接続された気送ホースから窒素等の気体が取り入れられていた。
このように、ソケットをプラグにワンタッチで接続するための技術としては、コネクタが知られている。従来のコネクタにおいては、容器内から引き出せない液体量(以下「残液量」という)を減らすため、容器の底面に向かって伸びるサイフォン管の開口部が底面近傍に配置されている。なお、従来のコネクタには、液体吸い上げ用の液送ホース及び気体取り入れ用の気送ホースについて、1つのコネクタに両方のホースを接続可能に構成されたものもある。
【0004】
また、コネクタを取り付けて使用する容器には、底面を下方(外側)へ湾曲させて凹部を形成したものがある。この容器に取り付けて使用するコネクタは、サイフォン管の下端部側を水平方向へ向けて略90度の湾曲をさせることにより、サイフォン管先端の開口部を容器内底面に形成された凹部の最も深い領域に配置させて、残液量を低減することができる。
さらに、サイフォン管の下端部を湾曲させたコネクタにおいては、結合部及びコネクタ本体を中心軸回りに相対回転可能に接続する構造が提案されている。このようなコネクタは、コネクタ本体に配置されたプラグ部に固定されたサイフォン管を回転させることなくコネクタを容器に設置できるため、容器内において液体が残存する領域(凹部)にサイフォン管の先端を配置しやすくなり、従って、容器内の残液量を減らすことができる。(たとえば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−182400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、サイフォン管の下端部側を湾曲させて残液量を低減するコネクタの場合、コネクタ本体が容器の開口部に圧入して挿入された後、コネクタ本体に対して中心軸回りに相対回転可能な結合部を容器の開口部に螺合させて固定する。このため、結合部を螺合させる際、コネクタ本体のプラグ部に固定されたサイフォン管を回転させる必要はなく、従って、容器側の底面凹部に開口部を配置して残液量を低減できる。
しかし、容器側の開口部に圧入して取り付けられているコネクタ本体に対し、結合部を回転させて螺合接続する場合には、螺合時の最終的な締付力(回転力)を受けてコネクタ本体も連れ回りすることがあった。このような連れ回りは、コネクタ本体に接続されて湾曲するサイフォン管の向きも変化させるため、サイフォン管の先端開口部が容器内に形成された凹部から位置ずれして残液量を増す原因となる。
【0007】
このような背景から、凹部を有する容器に対し、下端部が湾曲して開口するサイフォン管の位置や向きを正確に定めて容易に取り付けることができ、容器内の残液量を最小限にして液体を吸い出せるコネクタの開発が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容器側の開口部にコネクタ本体が圧入して取り付けられるコネクタにおいて、たとえば結合部を容器の開口部に螺合させて取り付けることによりコネクタ本体を固定する場合等に、コネクタ本体及びサイフォン管が連れ回りすることを防止し、下端部を湾曲させたサイフォン管の回転方向位置が変動しないコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の請求項1に係るコネクタは、液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、前記円筒ノズルに形成された容器側のねじ部と螺合するねじ部を有する結合部と、前記円筒ノズルに挿入して取り付けられ、前記結合部と中心軸を共有して組付可能とされた本体とを具備し、前記サイフォン管の上端部を固定した前記本体が、前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
このような本発明のコネクタによれば、円筒ノズルに形成された容器側のねじ部と螺合するねじ部を有する結合部と、円筒ノズルに挿入して取り付けられ、結合部と中心軸を共有して組付可能とされた本体とを具備し、サイフォン管の上端部を固定した本体が、円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えているので、結合部を容器の円筒ノズルにねじ込んでコネクタを固定する際には、回り止め機構の作用により、本体及びサイフォン管が連れ廻りすることを防止できるようになる。従って、円筒ノズルから容器内に圧入して挿入されたサイフォン管の回転方向位置(湾曲したサイフォン管の向き)が変動することを防止し、容器内の残液量を最小限にする所定の位置及び方向に保持して液体を吸い出すことができる。
【0010】
上記のコネクタにおいて、前記回り止め機構は、前記円筒ノズル及び前記本体に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部であることが好ましく、これにより、本体及びサイフォン管の連れ回りを確実に防止することができる。
この場合、前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を前記サイフォン管の湾曲方向と一致させた1組とすることにより、本体を円筒ノズルに挿入する際には、先端を湾曲させたサイフォン管の挿入方向(湾曲したサイフォン管の向き)を作業者が容易に認識できるようになる。
また、前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を非対称にした複数組とすることにより、本体を円筒ノズルに挿入する際には、本体の回転方向位置(湾曲したサイフォン管の向き)が一義的に決定される。
【0011】
上記のコネクタにおいて、前記本体の外周面に、上方移動時に前記円筒ノズルの下端部と係合する突出部を設けることが好ましく、これにより、円筒ノズルから容器内に挿入されたサイフォン管が容器底面に当接して生じる反力を、円筒ノズルと突出部との係合により受けることができ、従って、結合部に反力が作用しないため、円筒ノズルに結合部を容易にねじ込んでコネクタを固定することができる。
【0012】
上記のコネクタにおいて、前記容器のねじ部と前記結合部のねじ部との螺合位置は、前記円筒ノズルのコネクタシール位置より上方に配置されていることが好ましく、これにより、螺合位置に対して容器内の液体が付着しにくくなる。
【0013】
本発明の請求項7に係るコネクタは、液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに圧入して取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、前記サイフォン管の上端部を固定した本体が圧入量を規定するフランジ部を備え、前記フランジ部が前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
このような本発明のコネクタによれば、前記サイフォン管の上端部を固定した本体が圧入量を規定するフランジ部を備え、前記フランジ部が前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えているので、円筒ノズルから容器内に挿入されたサイフォン管の回転方向位置(湾曲したサイフォン管の向き)が変動することを防止し、容器内の残液量を最小限にする所定の位置及び方向に保持して液体を吸い出すことができる。すなわち、円筒ノズルに対して本体及びサイフォン管が回動することを防止し、サイフォン管の向きを所定の位置及び方向に保持することができる。
この場合の廻り止め機構は、円筒ノズル及びフランジ部に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部が好ましい。
【0015】
本発明の請求項8に係る容器は、液体を貯蔵し、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズルに取り付けられた請求項1から7のいずれかに記載のコネクタを備えていることを特徴とするものである。
【0016】
このような本発明の容器によれば、液体を貯蔵し、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズルに取り付けられた請求項1から7のいずれかに記載のコネクタを備えているので、容器内の残液量を最小限にして液体を吸い出すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のコネクタ及び容器によれば、容器側の開口部である円筒ノズルに圧入して取り付けられているコネクタ本体を固定するため、円筒ノズルに対して結合部を回転させて螺合接続するコネクタの構造においては、回り止め機構が結合部の締め付けによる本体及びサイフォン管の連れ回りを防止するので、サイフォン管の湾曲部を所定の位置及び方向に保持することができる。また、円筒ノズルに本体を圧入するコネクタの構造においては、回り止め機構が筒状ノズルに対する本体及びサイフォン管の回動を防止し、サイフォン管を所定の位置及び方向に保持することができる。
この結果、容器内の底部まで挿入されたサイフォン管の開口部は、予め設定された容器内の最も低い位置にあって所定の方向に向けられているので、容器内の液体を最大限に引き出すことができ、従って、容器内の残液量を確実に最小にするという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタ(ねじがシール部の上部)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図2】回り止め構造を示す図1のA−A断面図である。
【図3】本発明のコネクタが容器に取り付けられた状態を示す図である。
【図4】図2に示した回り止め構造について、第1変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図5】図2に示した回り止め構造について、第2変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図6】図2に示した回り止め構造について、第3変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図7】図2に示した回り止め構造について、第4変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図8】図2に示した回り止め構造について、第5変形例を示す図1のA−A断面図である。
【図9】図1に示す実施形態のコネクタに反力を受ける突出部を設けた第6変形例を示す断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図10】本発明の第7変形例に係るコネクタ(ねじがシール部の下部)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図11】本発明の第8変形例に係るコネクタ(突出部を備えるとともにねじがシール部の下部)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図12】本発明の第9変形例に係るコネクタ(ねじがシール部の上部で、本体に対する結合部のストロークはなし)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図13】本発明の第10変形例に係るコネクタ(ねじがシール部の下部で、本体に対する結合部のストロークはなし)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図14】本発明の第11変形例に係るコネクタ(本体/結合部間の突起なし)を容器に取り付けた状態の断面図であり、上部には円筒ノズルに結合部を接続する前の状態が示され、下部には円筒ノズルに結合部を接続して固定した状態が示されている。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るコネクタ(外ねじ型)を容器に取り付けた状態を示しており、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図16】図15に示すコネクタを備えた容器にキャップを取り付けた状態を示す断面図である。
【図17】図15に示す第2の実施形態のコネクタにについて、上下方向の凹凸を用いた回り止め構造が採用されている変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明の一実施形態に係るコネクタについて、以下に図面を参照して説明する。
図3は、本発明におけるコネクタが容器に取り付けられた状態を説明する図であり、液体吸い上げ用の液送ホース及び気体取り入れ用の気送ホースについて、各々専用のコネクタを使用する場合の構成例である。
図3に示すように、液体が貯蓄された容器51の上面には、二つの開口部53A、53Bが形成され、一方の開口部53Aには液体引き出し用のコネクタ1が配置され、他方の開口部53Bには、気体流通用のコネクタ1′が配置されている。
容器51の底面55には、凹状の曲面に湾曲した形状の凹部55aが形成されている。なお、図中の凹部55aは、容器51の中央が最も深くなる底面形状の例が示されているが、特にこの形状例に限定されることはなく、他の底面形状により最深部を形成する容器であっても構わない。
【0020】
コネクタ1,1′には、図3に示すように、ホース57を有するソケット59,59′が着脱可能に取り付けられる。
コネクタ1に取り付けられたソケット59及びホース57からは、容器51内の液体が引き上げられ、コネクタ1′に取り付けられたソケット59′及びホース57からは、容器51内へ気体が供給される。
なお、気体流通用のコネクタ1′及びソケット59については、上述した構成(図3に示す構成)に限定されることはなく、たとえば液体引き出し用のソケット59に気体流通系統を接続して容器51内へ気体を供給する構成としてもよい。
【0021】
<第1の実施形態>
次に、第1の実施形態に係るコネクタ1の構造について、図1及び図2を参照して説明する。なお、図1はコネクタ1の構成例を示す縦断面図、図2は図1のA−A断面図である。
コネクタ1は、図1から図3に示すように、コネクタ1の本体部分であるコネクタ本体(本体)3と、容器51の円筒ノズル61に形成された雌ねじ部63と螺合することにより容器51に結合される結合部5と、上述したソケット59との連結部であるプラグ部7と、プラグ部7に固定され、容器51の内部に向けて伸びるサイフォン管9と、から概略構成されている。なお、円筒ノズル61は、容器51に形成された液体取出用の開口部である。
【0022】
この場合のサイフォン管9は、下端部側が容器底面に沿うよう略水平方向へ向けて90度程度の湾曲をしており、その先端開口9aが凹部55aの最深部付近で側方に向けて開口している(図3参照)。なお、図示の容器51は、円筒ノズル61の内周面にコネクタ1用の雌ねじ部63が形成され、外周面に容器封止用の容器キャップ(不図示)を取り付けるための雄ねじ部65が形成されたものである。
【0023】
コネクタ本体3は略有底円筒状に形成され、その内部にプラグ部7が一体に形成されている。また、コネクタ本体3の開口端側には、略円筒状に形成された結合部5が設けられており、この結合部5は、コネクタ本体3及び結合部5の中心軸C回りに回転可能となっている。
コネクタ本体3の外周面には、半径方向外側に突出する鍔部11が形成されている。この鍔部11は、サイフォン管9側の面(図中下方の面)に配置されたシール部材のOリング13を備えている。このOリング13は、円筒ノズル61にコネクタ本体3を圧入した際、容器51内の液体が漏出するのを防止するものである。
また、コネクタ本体3の開口端側内周面には、円周方向にわたって半径方向の内側(軸中心側)へ突出する本体側突起15が設けられている。この本体側突起15は、結合部5と係合するように形成されている。
【0024】
結合部5には、外周面に円筒ノズル61の雌ねじ部63と螺合する雄ねじ部(ねじ部)17が形成され、外周面の下端には、円周方向にわたって半径方向外側へ突出し、コネクタ本体3の本体側突起15と係合する結合部側突起19が形成されている。
結合部側突起19の外径は本体側突起15の内径よりも大きく形成され、結合部5をコネクタ本体3に圧入することにより、結合部側突起19を本体側突起部15に係合させている。そのため、結合部5とコネクタ本体3とは、中心軸C回りに回転可能に係合されており、さらに、結合部5は、コネクタ本体3側に形成されて上端部が本体側突起15となる凹部21により制限される範囲を上下方向にスライド可能となっている。
【0025】
プラグ部7は略円筒状に形成され、図1に示すように、コネクタ本体3の底面(図中下方の面)と一体に形成されるとともに、その内部は液体が流通する流通孔23となっている。また、プラグ部7の外周面には、液体流出防止用のプラグキャップ(不図示)と螺合するキャップ用ねじ部25が図中の下方端側に形成され、さらに、ソケット59と係合する環状の係止溝27及び係止突条29が中間部付近に形成されている。
なお、プラグキャップは、コネクタ1にソケット59が取り付けられる際にプラグ部7から取り外され、それ以外の場合には、プラグ部7に取り付けられて流体が流出することを防止している。
また、プラグ部7の下端部には上述した管状部材のサイフォン管9が接続され、流通孔23と連通して先端開口9aから液体を取り出す液体流路を形成している。
【0026】
このように、コネクタ1は、液体を貯蔵する容器51の上部に設けた円筒ノズル61に取り付けられ、下端部が容器51の底面55に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管9の先端開口9aを容器底部近傍まで挿入して容器51内から液体の引き出しを行うものであり、円筒ノズル61に形成された容器51側の雌ねじ部(ねじ部)63と螺合する雄ねじ部(ねじ部)17を有する結合部5と、円筒ノズル61に挿入(圧入)して取り付けられ、結合部5と中心軸Cを共有して相対回転可能に連結されているコネクタ本体3とを具備して構成される。
そして、このコネクタ1は、円筒ノズル61からサイフォン管9を挿入するとともに、円筒ノズル61にコネクタ本体3を圧入して取り付けた後、結合部5の雄ねじ部17を円筒ノズル61の雌ねじ部63にねじ込んで固定することにより、容器51の円筒ノズル61に取り付けられる。
【0027】
本発明では、上述したコネクタ1に対して、サイフォン管9の上端部を固定したコネクタ本体3が円筒ノズル61に対して回転することを阻止するため、回り止め機構31を設けている。
この回り止め機構31は、円筒ノズル61及びコネクタ本体3に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部である。すなわち、回り止め機構31が複数組の凹凸係合部や面取係合部により構成される場合には、凹凸係合部のみを複数組み、面取係合部のみを複数組み、あるいは、凹凸係合部と面取係合部との組合せた複数組のいずれでもよい。
【0028】
図2に示す回り止め機構31は、円筒ノズル61の内周面に設けた1個の凸部33と、コネクタ本体3の外周面に設けた1個の凹部35とにより構成された1組の凹凸係合部である。この場合、凸部33及び凹部35は略同じ断面形状を有し、円筒ノズル61にコネクタ本体3を圧入することにより、凹部35に凸部33が入り込んで係合する。
この結果、結合部5を容器51の円筒ノズル61にねじ込んでコネクタ1を固定する際には、凸部33と凹部35とが係合ずる回り止め機構31の作用により、コネクタ本体3及びサイフォン管9が連れ廻りすることを防止できるようになる。
【0029】
従って、円筒ノズル61から容器51内にコネクタ本体3を圧入して挿入されたサイフォン管9は、その回転方向位置(湾曲したサイフォン管9の向き/湾曲方向)が連れ回りにより変動することを防止できる。この結果、サイフォン管9の先端開口9aは、容器51内の所定位置まで確実に挿入され、すなわち、最深部となる凹部55aに位置して液体を取り出すことが可能になる。換言すれば、コネクタ本体3の回り止め機構31を設けたことにより、サイフォン管9を容器51内の残液量を最小限にする所定位置に保持し、容器51内の液体を最大限に吸い出すことができる。
このような回り止め機構31においては、凹凸係合部が1組の場合、凸部33を設ける円筒ノズル61の円周方向位置について、サイフォン管9の湾曲方向と一致させることが望ましい。すなわち、凸部33と凹部35を設ける円周方向位置をサイフォン管9の湾曲方向と一致させておくことにより、コネクタ本体3を円筒ノズル61に圧入して挿入する際には、回り止め機構31の凸部33が先端を湾曲させたサイフォン管9の挿入方向を定める目安となり、容器51内に挿入さするサイフォン管9の向き(湾曲方向)を作業者が容易に認識できるようになる。
【0030】
ところで、上述した回り止め機構31は、図2に示す凸部33と凹部35の組合せに限定されることはなく、種々の変形例が可能である。
図4に示す第1変形例の回り止め機構31Aは、2組の凸部33及び凹部35を設けたものである。なお、凸部33及び凹部35は、3組以上の複数組を設けてもよい。
このような構成の回り止め機構31Aは、螺合時の最終的な締付力を2組の係合部が受けることになるので、連れ回りに対する回り止め機構31Aの強度を増すことができ、この結果、破損しにくい係合部による確実な連れ回りの防止が可能になる。
【0031】
この場合の回り止め機構31Aは、円筒ノズル61の円周方向位置を非対称にした2組または複数組の係合部を設けることにより、コネクタ本体3を円筒ノズル61に圧入して挿入する際、コネクタ本体3の回転方向位置(湾曲したサイフォン管9の向き)が一義的に決定される。このため、容器51に取り付けられたコネクタ本体3及びサイフォン管9は、容器51内の残液量を最小限にする所定位置に容易かつ確実に保持され、容器51内の液体を最大限に吸い出すことができる。
【0032】
また、図5に示す第2変形例の回り止め機構31Bは、図2に示した回り止め機構31を構成する1組の凸部33及び凹部35の形成場所を逆にしたものである。すなわち、凸部33Aがコネクタ本体3側に形成され、凹部35Aがノズル本体61側に形成されているので、このような回り止め機構31Bとしても、上述した回り止め機構31と同様の作用効果を得ることができる。
また、図6に示す第3変形例の回り止め機構31Cは、図4に示した回り止め機構31Aを構成する2組(複数組)の凸部33及び凹部35の形成場所を逆にしたものであり、やはり回り止め機構31Aと同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
また、図7に示す第4変形例の回り止め機構31Dでは、上述した1組の凹凸係合部に代えて、1組の面取係合部が採用されている。すなわち、円形断面を有するコネクタ本体3の外周面に軸方向の全長にわたって1箇所の面取部37を形成し、かつ、面取部37に対応する円筒ノズル61の内周面に平面部39を形成したものであり、図2及び図5に示した回り止め機構31,31Bと同様の作用効果を得ることができる。この場合の面取部37及び平面部39は、その円周方向位置を容器51内に挿入されるサイフォン管9の湾曲方向と一致させ、挿入作業時の目安にすることが望ましい。
【0034】
また、図8に示す第5変形例の回り止め機構31Eは、図7に示した回り止め機構31Dを構成する2組(複数組)の面取部37及び平面部39を2組(複数組)形成したものであり、図4及び図6に示した回り止め機構31A,31Cと同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
また、図1に示すコネクタ1においては、たとえば図9に示す第6変形例のように、コネクタ本体3の外周面に、上方移動時に円筒ノズル61の下端部と係合する突出部41を設けておくことが望ましい。なお、図9に示す第6変形例のコネクタ1Aについて、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この突出部41は、コネクタ本体3の外周面に対し、円周方向に1または複数のリブ状部材や爪状部材を突出させたものであり、円筒ノズル61から容器51内に挿入されたサイフォン管9が容器51の底面に当接して生じる上向きの反力を受けるように配置されている。
【0036】
すなわち、円筒ノズル61に圧入されたコネクタ本体3は、外周面から突出する突出部41が容器51の内壁(円筒ノズル61の下端部付近)と係合することにより、所定の係合位置より上方へ円筒ノズル61から抜け出す方向の移動が制限及び阻止される。
この結果、突出部41は、コネクタ本体3がサイフォン管9から上向きの反力を受けても所定位置より浮き上がることを防止するので、余計な力を受けることなく結合部5を円筒ノズル61にねじ込んで雄ねじ部17と雌ねじ部63とを容易に螺合させ、コネクタ1を容器51の円筒ノズル61に固定することができる。
【0037】
また、図1及び図9に示す実施形態のコネクタ1は、容器51の雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17との螺合位置が、円筒ノズル61のコネクタシール位置より上方に配置されている。すなわち、円筒ノズル61の雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17とが螺合している位置は、容器51内の液体が容器外へ漏出することを防止するコネクタシールとして機能するOリング13の位置より上方に配置されているので、容器51内の液体が螺合位置まで流出してねじ部に付着しにくくなる。
従って、螺合位置の雌ねじ部63や雄ねじ部17に付着した液体が固化し、結合部5のスムーズな螺合を阻害する原因になることを防止できる。
【0038】
また、容器51の雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17との螺合位置については、たとえば図10や図11に示す第7及び第8変形例のコネクタ1B,1Cのように、円筒ノズル61Aのコネクタシール位置より下方に配置されたものでもよい。なお、図中の符号3Aはコネクタ本体、5Aは結合部、15Aは本体側突起、19Aは結合部側突起、21Aは凹部である。
すなわち、上述したOリング13の位置については、円筒ノズル61Aの雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17との螺合位置より上方としてもよく、このように構成されたコネクタ1B,1Cについても、上述した実施形態及び各変形例の回り止め機構31,31A〜31Eのいずれかを設けることにより、同様の作用効果を得ることができる。
なお、図10に示す第7変形例のコネクタ1Bは突出部41のない構成例であり、さらに、図11に示す第8変形例のコネクタ1Cは突出部41を備えた構成例である。
【0039】
また、図12に示す第9変形例のコネクタ1′は、雄ねじ部17及び雌ねじ部63の螺合部がOリング13の上部に配置され、本体3′に対する結合部5′の連結部に軸方向のストロークがない構成となっている。すなわち、図1に示したコネクタ1の結合部5は、コネクタ本体3側に形成されて上端部が本体側突起15となる凹部21により制限される範囲を上下方向にスライド可能となっているが、この変形例では、凹部21に相当する部分がない分コンパクトで簡易な構造となる。
また、図13に示す第10変形例のコネクタ1B′は、雄ねじ部17及び雌ねじ部63の螺合部がOリング13の下部に配置され、本体3A′に対する結合部5A′の連結部に軸方向のストロークがない構成となっている。すなわち、図10に示したコネクタ1Bの結合部5Aは、コネクタ本体3A側に形成されて上端部が本体側突起15Aとなる凹部21Aにより制限される範囲を上下方向にスライド可能となっているが、この変形例では、凹部21Aに相当する部分がない分コンパクトで簡易な構造となっている。
【0040】
また、図14に示す第11変形例のコネクタ1″は、図12に示した第9変形例から本体側突起15及び結合部側突起19を取り除き、各々分離可能な状態の本体3″及び結合部5″を組み合わせて用いるものである。この場合の結合部5″は、円筒ノズル61の雌ねじ部63に雄ねじ部17をねじ込んで本体3″を上方から固定する。すなわち、円筒ノズル61の雌ねじ部63に螺合して組み付けられる結合部5″は、円筒ノズル61に挿入して取り付けられる本体3″と中心軸を共有して組付可能となっている。
このような構成のコネクタ1″は、凹部21に相当する部分がない分コンパクトで簡易な構造となり、しかも、結合部5″を共用部品として使い廻すことが可能になる。すなわち、本体3″及び結合部5″を別々の部品にしたので、コネクタ1″の効率的な在庫管理が可能になり、また、誤接続防止機能を備えた結合部5″の場合、結合部5″を本体3″との組合せで両方を交換する必要はなく、様々な種類の結合部5″のみを場面や用途に応じて使い分けることが可能である。
【0041】
<第2の実施形態>
続いて、本発明に係るコネクタについて、第2の実施形態を図15から図17に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図15に示すコネクタ1Dは、液体を貯蔵する容器51の上部に設けた円筒ノズル61Bに圧入して取り付けられ、下端部が容器51の底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管9の先端開口9aを容器底部近傍まで挿入し、容器51内から液体の引き出しを行うものである。
【0042】
このコネクタ1Dは、サイフォン管9の上端部を固定したコネクタ本体3Bが圧入量を規定するフランジ部43を備え、このフランジ部43に回り止め機構31Dが設けられている。この回り止め機構31Dは、円筒ノズル61Bに対してコネクタ本体3Bが回転することを阻止するものであり、上述した実施形態及び変形例の凹凸係合や面取係合を採用可能である。図示の構成例(図15(a)を参照)では、1箇所の面取係合を採用した図7に示す回り止め機構31Dが採用されている。
この場合の円筒ノズル61Bは、たとえば図16に示すように、外周面にキャップ45をねじ込んで取り付ける雄ねじ部65が設けられている。このキャップ45は、容器51内の液体が外部へ流出することを防止するものである。
また、本実施形態のコネクタ本体3Bは、単に円筒ノズル61Bの内周面に圧入して取り付けられるものであり、従って、上述した実施形態の結合部5に相当する部材や雌ねじ部63は存在しない。なお、図中の符号47は円筒ノズル61Bとコネクタ本体3Bとの間に配設されたシール部材、45aはキャップ45に設けられてフランジ部43に密着するシール部材である。
【0043】
このように構成されたコネクタ1Dにおいても、サイフォン管9の上端部を固定したコネクタ本体3Bが圧入量を規定するフランジ部43を備え、このフランジ部43に回り止め機構31Dが設けられているので、円筒ノズル61Bの上端部から容器51内に圧入して挿入されたサイフォン管9の回転方向位置が変動することを防止し、容器51内の残液量を最小限にする所定位置に保持して液体を吸い出すことができる。従って、円筒ノズル61Bに対してコネクタ本体3B及びサイフォン管9が回動することを防止でき、サイフォン管9の先端開口9aを所定の位置及び方向に保持して液体を最大限に取り出すことができる。
【0044】
また、このようなコネクタ1Dは、コネクタ本体3Bが圧入量を規定するフランジ部43を備えているので、たとえば図17に示す本実施形態の変形例のように、フランジ部43の下面に設けた凸部43aと、シール部材47を介してフランジ部43の下面が接する円筒ノズル61Bの上端面67に形成した凹部67aとの係合による回り止め機構31Fも可能である。
なお、フランジ部43を利用した回り止め機構31Fは、凹凸の設置位置を反対とすることも可能であり、フランジ部43に凹部を設けておき、シール部材47を介してフランジ部43の下面が接する円筒ノズル61の上端面67に形成した凸部を係合させるようにしてもよい。
【0045】
このように、上述した実施形態及び各変形例のコネクタ、及びこれらのコネクタを備えた容器においては、下記の効果が得られる。
容器51側の開口部である円筒ノズル61,61Aに圧入して取り付けられるコネクタ本体3,3Aに対して結合部5を回転させて螺合接続するコネクタの場合、回り止め機構31,31A〜31Eが結合部5の締め付けによるコネクタ本体3,3A及びサイフォン管9の連れ回りを防止し、サイフォン管9の向きを所定の位置に保持することができる。
また、円筒ノズル61Bにコネクタ本体3Bを圧入するコネクタの場合、回り止め機構31,31A〜31Fが筒状ノズル61Bに対するコネクタ本体3B及びサイフォン管9の回動を防止し、サイフォン管9の向きを所定の位置し保持する。
【0046】
この結果、容器51内の底部まで挿入されたサイフォン管9の先端開口9aは、予め設定された容器51内の最も低い(深い)所定位置(たとえば凹部55a)にあって最大限に液体を引き出すことができ、従って、容器51内の残液量は確実に最小となる。
このため、上述したコネクタ1,1A〜1Dを備えた液体貯蔵用の容器51は、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズル61,61A,61Bに取り付けられたコネクタ1,1A〜1Dのサイフォン管9が回り止めされ、容器51内の残液量を最小限にして液体を吸い出すことができる。
【0047】
ところで、上述したサイフォン管9の先端には、切欠部(不図示)を形成しておくことが望ましい。この切欠部は、容器51の内面がサイフォン管9の先端部を塞ぐように接触あるいは接近している場合でも、切欠部から液体をサイフォン管9の内部に流入させるものであり、この結果、サイフォン管9に流入する液体の流量を確保でき、液体を容器51から確実に引き出すことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば上述したコネクタ本体3及びプラグ部7等について、一体構造あるいは別体部品の結合構造を適宜選択可能であるなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0048】
1,1A〜1D,1′,1″,1B′ コネクタ
3,3′,3A,3A′,3B コネクタ本体(本体)
5,5′,5″,5A′ 結合部
9 サイフォン管
9a 先端開口
17 雄ねじ部(ねじ部)
31,31A〜31F 回り止め機構
33,33A,43a 凸部
35,35A,67a 凹部
37 面取部
39 平面部
51 容器
55 底面
61,61A,61B 円筒ノズル
63 雌ねじ部(容器側のねじ部)
C 中心軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、
前記円筒ノズルに形成された容器側のねじ部と螺合するねじ部を有する結合部と、前記円筒ノズルに挿入して取り付けられ、前記結合部と中心軸を共有して組付可能とされた本体とを具備し、
前記サイフォン管の上端部を固定した前記本体が、前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記回り止め機構は、前記円筒ノズル及び前記本体に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を前記サイフォン管の湾曲方向と一致させた1組であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を非対称にした複数組であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体の外周面に、上方移動時に前記円筒ノズルの下端部と係合する突出部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記容器のねじ部と前記結合部のねじ部との螺合位置は、前記円筒ノズルのコネクタシール位置より上方に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項7】
液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに圧入して取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、
前記サイフォン管の上端部を固定した本体が圧入量を規定するフランジ部を備え、前記フランジ部が前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
液体を貯蔵し、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズルに取り付けられた請求項1から7のいずれかに記載のコネクタを備えていることを特徴とする容器。
【請求項1】
液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、
前記円筒ノズルに形成された容器側のねじ部と螺合するねじ部を有する結合部と、前記円筒ノズルに挿入して取り付けられ、前記結合部と中心軸を共有して組付可能とされた本体とを具備し、
前記サイフォン管の上端部を固定した前記本体が、前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記回り止め機構は、前記円筒ノズル及び前記本体に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を前記サイフォン管の湾曲方向と一致させた1組であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を非対称にした複数組であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体の外周面に、上方移動時に前記円筒ノズルの下端部と係合する突出部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記容器のねじ部と前記結合部のねじ部との螺合位置は、前記円筒ノズルのコネクタシール位置より上方に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項7】
液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに圧入して取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、
前記サイフォン管の上端部を固定した本体が圧入量を規定するフランジ部を備え、前記フランジ部が前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
液体を貯蔵し、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズルに取り付けられた請求項1から7のいずれかに記載のコネクタを備えていることを特徴とする容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−57276(P2011−57276A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211599(P2009−211599)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(591257111)サーパス工業株式会社 (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(591257111)サーパス工業株式会社 (60)
【Fターム(参考)】
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