コネクタ
【課題】異物混入による端子金具間の短絡を防止することが可能なコネクタを提供する。
【解決手段】後方からハウジング10に収容した端子金具を、リテーナ20によって抜け止めするコネクタCであって、ハウジング10には、リテーナ20を装着するためのリテーナ装着部14が外方に開口して設けられ、また端子金具を収容するキャビティ11が、隔壁12により仕切られて複数設けられており、隔壁12のうちリテーナ装着部14にあたる部分は、リテーナ20の装着方向に切り欠かれた切欠部16とされ、リテーナ20には、切欠部16に嵌合して隔壁12の一部分を構成する壁構成部23が設けられ、壁構成部23および隔壁12のうち前後方向に対向する面の一方には、壁構成部23および隔壁12の他方に接触して壁構成部23と隔壁12との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブ30が、突出して設けられている。
【解決手段】後方からハウジング10に収容した端子金具を、リテーナ20によって抜け止めするコネクタCであって、ハウジング10には、リテーナ20を装着するためのリテーナ装着部14が外方に開口して設けられ、また端子金具を収容するキャビティ11が、隔壁12により仕切られて複数設けられており、隔壁12のうちリテーナ装着部14にあたる部分は、リテーナ20の装着方向に切り欠かれた切欠部16とされ、リテーナ20には、切欠部16に嵌合して隔壁12の一部分を構成する壁構成部23が設けられ、壁構成部23および隔壁12のうち前後方向に対向する面の一方には、壁構成部23および隔壁12の他方に接触して壁構成部23と隔壁12との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブ30が、突出して設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具の抜止めを図るリテーナを備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハウジングに収容した端子金具を、リテーナによって抜け止めするコネクタが知られている。例えば特許文献1に記載のコネクタにおいては、ハウジングには、端子金具を収容するキャビティが、隔壁により仕切られて複数設けられ、また、リテーナを装着するためのリテーナ装着部が、外方に開口して設けられている。そして、ハウジングの隔壁には、リテーナ装着部にあたる部分をリテーナの装着方向に切り欠いてなる切欠部が形成され、リテーナには、切欠部に嵌合して隔壁の一部分を構成する壁構成部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−7384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような構成のコネクタが、潤滑油等の油中で使用されると、油中に浮遊する鉄粉等の異物が、ハウジング内に侵入する虞があり、ハウジング内に侵入した異物は、リテーナとハウジングとの間に存在する隙間に蓄積する虞がある。そして、壁構成部の前後(端子金具の挿入方向における前後)の隙間に異物が蓄積すると、本来、隔壁で仕切られるべき端子金具にわたって異物が付着しやすく、端子金具の短絡を招く虞があるので対策が望まれていた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、異物混入による端子金具間の短絡を防止することが可能なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、後方からハウジングに収容した端子金具を、リテーナによって抜け止めするコネクタであって、前記ハウジングには、前記リテーナを装着するためのリテーナ装着部が外方に開口して設けられ、また、前記端子金具を収容するキャビティが、隔壁により仕切られて複数設けられており、前記隔壁のうち前記リテーナ装着部にあたる部分は、前記リテーナの装着方向に切り欠かれた切欠部とされ、前記リテーナには、前記切欠部に嵌合して前記隔壁の一部分を構成する壁構成部が設けられ、前記壁構成部および前記隔壁のうち前後方向に対向する面の一方には、前記壁構成部および前記隔壁の他方に接触して前記壁構成部と前記隔壁との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブが、突出して設けられている。このような構成によれば、リテーナの壁構成部の前後の隙間を介して、異物が端子金具にわたって付着することを防止でき、もって異物混入による端子金具間の短絡を防止することができる。
【0007】
また、前記リテーナは、前記リテーナ装着部の開口に嵌合する開口嵌合部を有し、前記開口嵌合部および前記開口の周縁部のうち前後方向に対向する面の一方には、前記開口嵌合部および前記開口の周縁部の他方に接触して前記開口嵌合部と前記開口の周縁部との間の隙間を埋める開口用リブが、突出して設けられているものとしてもよい。このような構成によれば、開口の周縁部とリテーナの開口嵌合部との間の前後の隙間から、異物がハウジング内に侵入することを防ぐことができる。
【0008】
また、前記壁間用リブおよび前記開口用リブは、ともに前記リテーナに設けられ、前記開口用リブは、前記壁間用リブの前記開口嵌合部側の端部に繋がって設けられているものとしてもよい。このような構成によれば、壁間用リブの外側に異物が蓄積して、端子金具が短絡することを防止することができる。
【0009】
また、前記壁構成部および前記隔壁のうち、前記リテーナの装着方向に対向する面には、互いに嵌合する凹凸嵌合部が設けられているものとしてもよい。このような構成によれば、壁構成部および隔壁のリテーナの装着方向に対向する面を伝って隣り合うキャビティの間を行き来する距離が長くなるから、この面の間において異物が端子金具にわたって付着することを抑制することができる。
【0010】
また、前記リテーナは、前記ハウジングの外面に係止する係止部を有し、前記係止部には、前記ハウジングに対する係止を解除するための係止解除用治具の先端を引っ掛けることが可能な係止解除操作部が設けられているものとしてもよい。
【0011】
また、前記壁間用リブは、前記リテーナに設けられ、前記壁間用リブの幅寸法は、前記壁構成部の壁厚寸法よりも小さくされているものとしてもよい。このような構成によれば、壁間用リブの幅寸法が、例えば壁構成部と同等の幅寸法を有する場合に比べ、リテーナ装着部へのリテーナの挿入抵抗を小さく抑えることができる。
【0012】
また、前記リテーナは、前記リテーナ装着部の開口に嵌合する開口嵌合部を有し、前記開口嵌合部には、前記開口の周縁部の他方に接触して前記開口嵌合部と前記開口の周縁部との間の隙間を埋める開口用リブが突出して設けられ、前記開口用リブのうち前記リテーナの装着方向の先端面は、先方から後方に向かって少しずつ突出する傾斜をなすリブ案内面とされているものとしてもよい。このような構成によれば、リテーナ装着部にリテーナを装着する際に、開口用リブが引っ掛かりにくいから、スムーズにリテーナを組み付けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異物混入による端子金具間の短絡を防止することが可能なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態におけるコネクタの側面図
【図2】コネクタの前面図
【図3】コネクタの下面図
【図4】ハウジングの側面図
【図5】ハウジングの後面図
【図6】ハウジングの下面図
【図7】リテーナの外観斜視図
【図8】リテーナの前面図
【図9】リテーナの後面図
【図10】リテーナの上面図
【図11】リテーナが仮係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図1のA−A位置における断面に相当する断面図
【図12】リテーナが仮係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図2のB−B位置における断面に相当する断面図
【図13】リテーナが仮係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図2のC−C位置における断面に相当する断面図
【図14】リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図1のA−A位置における断面に相当する断面図
【図15】リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図2のB−B位置における断面に相当する断面図
【図16】リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図2のC−C位置における断面に相当する断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図16を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態におけるコネクタCは、端子金具(図示せず)を収容可能なハウジング10と、このハウジング10に組み付けられて端子金具の抜止めを図るリテーナ20とを備えて構成されている。以下、各構成部材において、図1の左側を前方、右側を後方とし、また上側を上方、下側を下方として説明する。
【0016】
ハウジング10は合成樹脂材からなり、その内部には後方から端子金具を挿抜可能な複数(本実施形態では6室)のキャビティ11が、隔壁12に仕切られて横一列に並んで形成されている。各キャビティ11内には、正規位置に挿入された端子金具を一次係止するためのランス13が形成されている。
【0017】
ハウジング10には、リテーナ20を装着するためのリテーナ装着部14が設けられている。リテーナ装着部14は、ハウジング10の下面からキャビティ11に貫通形成され、下方からリテーナ20を挿抜可能とされている。リテーナ装着部14は、ランス13の後側に設けられ、すべてのキャビティ11に連通している。リテーナ装着部14は、ハウジング10の下方および両側方(幅方向の外方)に開放されている(図4参照)。ハウジング10の下面に形成されたリテーナ装着部14の開口は、ハウジング10の幅方向に細長い略長方形をなしている(図6参照)。開口の周縁部15は、開口の前側に延びる前側端面15Aと、後側に延びる後側端面15Bとを有している。前側端面15Aは、上下方向に平坦な面(ハウジング10の下面に垂直な面)であり、後側端面15Bは、ハウジング10の下面に垂直な面と、傾斜する面とからなる。詳しくは、後側端面15Bの上側部分が垂直面、下側部分が傾斜面であって、この傾斜面は下方に向かって開口を広げる向きに傾斜する面である。
【0018】
キャビティ11を仕切る隔壁12のうちリテーナ装着部14にあたる部分は、リテーナ20の装着方向に(下方から上方に向かって)切り欠かれた切欠部16とされている(図12参照)。以後、隔壁12のうち切欠部16より前側の部分を前側隔壁12A、後側の部分を後側隔壁12B、上側の部分を上側隔壁12Cと称する。前側隔壁12Aの後面と後側隔壁12Bの前面(切欠部16に臨む面)とは、互いに略平行をなして対向する平坦な面であり、ハウジング10の下面に垂直をなしている。前側隔壁12A、後側隔壁12Bおよび上側隔壁12Cの壁厚寸法は等しくされている。
【0019】
ハウジング10の両外側面(ハウジング10の幅方向における両端面)には、後述するリテーナ20の係止部22が嵌合する係止嵌合部17が設けられている。係止嵌合部17は、ハウジング10の外側面の一部分を凹ませてなる部分であり、リテーナ装着部14の両端と連なっている(図6参照)。係止嵌合部17は、リテーナ装着部14よりも前側と後側とに突出する幅寸法を有し、前側に突出する部分の方が後側よりも大きくされている。係止嵌合部17の前端面と後端面とは、ハウジング10の外側面に対して傾斜をなす第1前斜端面17Aおよび第1後斜端面17Bとされている。第1前斜端面17Aおよび第1後斜端面17Bは、それぞれ外側から内側へ向かって前方および後方に向かう傾斜をなしている。
【0020】
係止嵌合部17には、仮係止突起18と本係止突起19とが突設されている(図4参照)。仮係止突起18および本係止突起19は、係止嵌合部17のうちリテーナ装着部14よりも前側の部分に設けられ、仮係止突起18より上側に本係止突起19が設けられている。仮係止突起18と本係止突起19とは、同等の幅寸法(前後方向の寸法)を有し、上下に重なる位置に配されている。仮係止突起18および本係止突起19の突出寸法は、ともに係止嵌合部17の凹み寸法の半分程度とされ、また仮係止突起18の突出寸法が本係止突起19の突出寸法より若干大きくされている(図5参照)。
【0021】
リテーナ20は、リテーナ装着部14の開口から上方(下面に対して垂直方向)に差し込まれ、端子金具の挿抜を許容する仮係止位置(図13参照)と、端子金具を抜け止め状態に係止する本係止位置(図16参照)との間を移動可能とされている。
リテーナ20は合成樹脂材により成形され、リテーナ装着部14の開口に嵌合する本体部(開口嵌合部)21と、ハウジング10の外側面に係止する係止部22とを有している(図7参照)。
【0022】
本体部21は、リテーナ装着部14の開口の形状に沿った、横方向に細長い略長方形の板状をなしている。本体部21は、リテーナ20が本係止位置に保持されると、リテーナ装着部14の開口に嵌まって開口を塞ぎ、その下面がハウジング10の下面と面一状になる。
【0023】
本体部21の上面には、隔壁12の切欠部16に嵌合して隔壁12の一部分を構成する壁構成部23が設けられている。壁構成部23は、隔壁12と同ピッチで複数設けられ、それぞれ各隔壁12に対応した位置に形成されている。壁構成部23は、本体部21の前端から後端にわたって設けられ、前後方向の寸法は、切欠部16の前後方向の寸法と同等か若干小さくされている。壁構成部23の幅寸法は、前端部および後端部においては、それぞれ端面に向かって小さくなり、それ以外の部分においては、隔壁12の幅寸法と同等で一定とされている。また壁構成部23の高さ寸法は、全体にわたり一定とされている。なお、本体部21の両端には、ハウジング10の外壁の一部分を構成する外壁構成部24が設けられており(図14参照)、外壁構成部24は、壁構成部23を幅方向に2分割した形態をなしている(図10参照)。
【0024】
本体部21のうち隣り合う壁構成部23の間の部分は、各端子金具に係止してその抜け止めを図る抜止め部25とされている。各抜止め部25は、リテーナ20が仮係止位置にあるときには各キャビティ11から退避し、リテーナ20が本係止位置にあるときには各キャビティ11に進入する。なお、抜止め部25の後端縁部には、後方に向かって下がる傾斜面25Aが形成されている。
【0025】
本体部21の前側面は、図8に示すように、全体として平坦な面とされ、すなわち壁構成部23の前側面、本体部21の前側面、および後述する凸嵌合部33Aの前端面が、その境界に段差のない平坦な面を構成している。壁構成部23の前側面および凸嵌合部33Aの前端面は、前側隔壁12Aの後面に面当たりし、本体部21の前側面は、開口の前側端面15Aに面当たりする。
【0026】
係止部22は、本体部21の幅方向における両端に設けられている(図7参照)。係止部22は、本体部21から上方に立ち上がるとともに本体部21から前後に突出した板状をなしている。係止部22の厚さ寸法は、係止嵌合部17の凹み寸法と同等とされ、係止部22が係止嵌合部17に嵌合した状態では、係止部22の外側面(本体部21とは反対側の板面)が、ハウジング10の外側面と同じ面に位置する(図3参照)。また、リテーナ20が本係止位置に保持されているときには、係止部22の最上端縁が、係止嵌合部17の上端縁に近接して配される(図1参照)。
【0027】
係止部22の内側面(本体部21側の板面)には、仮係止突起18または本係止突起19に係止可能な係止凹部26が形成されている。係止凹部26は、本体部21よりも前側の部分に、一定の凹み寸法を有して形成されている。係止凹部26は、内方から見ると上下方向に長い長方形状をなし、その下端は係止部22の下端と一致し、係止部22の下方に開放されている。係止凹部26の幅寸法(前後方向の寸法)は、仮係止突起18および本係止突起19の前後方向の寸法と同等である。リテーナ20が仮係止位置に至ったときには、係止凹部26の上面26Aが仮係止突起18に係止し、リテーナ20が本係止位置に至ったときには、係止凹部26の上面26Aが本係止突起19に係止する。なお、係止部22は、外壁構成部24に連続している。
【0028】
係止部22の上端寄りの位置には、リテーナ20が仮係止位置に保持されているときに、本係止突起19の下面に沿う傾斜をなす係止案内面27が設けられている(図11参照)。
係止部22の前端面と後端面とは、係止部22の板面に対して傾斜をなす第2前斜端面22Aおよび第2後斜端面22Bとされている(図10参照)。第2前斜端面22Aおよび第2後斜端面22Bは、それぞれ外側から内側へ向かって前方および後方に向かう傾斜をなし、その勾配は、第1前斜端面17Aおよび第1後斜端面17Bの勾配と同等とされている(図3参照)。
【0029】
係止部22には、ハウジング10に対する係止を解除するための係止解除用治具(図示せず)の先端を引っ掛けることが可能な係止解除操作部28が設けられている。係止解除操作部28は、係止部22の角部に長方形状の切欠きを形成することで設けられた端面からなり、上下方向に延びる端面(縦端面28Aと称する)と、前後方向に延びる端面(横端面28Bと称する)とが垂直に交差してなる(図1参照)。係止解除操作部28は、係止部22の上端部における後側部分(本体部21の上方部分)に形成され、横端面28Bは、係止案内面27よりも下方に位置し、係止凹部26の上面26Aと略水平位置に並んでいる。縦端面28Aおよび横端面28Bは、ハウジング10の外側面に垂直をなしている。リテーナ20が本係止位置に保持された状態では、図1に示すように、ハウジング10の係止嵌合部17のうち係止解除操作部28に囲われた部分が露出し、係止解除操作部28と係止嵌合部17の上縁との間には、係止解除用治具の先端を差し入れるのに十分なスペースが確保される。
【0030】
リテーナ20の壁構成部23には、後側隔壁12Bに接触して、壁構成部23と隔壁12との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブ30が、突出して設けられている。壁間用リブ30は、全ての壁構成部23の後面(壁構成部23および隔壁12のうち前後方向に対向する面の一方)に突出して設けられ、その突出寸法は一定とされている。壁間用リブ30の突出寸法は、壁構成部23の前後の隙間、すなわち壁構成部23と前側隔壁12A、および壁構成部23と後側隔壁12Bの間の隙間を埋めることが可能な寸法とされている。また、壁間用リブ30の突出端面(後面)は、丸く形成されている。壁間用リブ30の幅寸法は、壁構成部23の壁厚寸法よりも小さくされている。壁間用リブ30は、壁構成部23の幅方向中央位置において上下方向に直線状に延びている(図9参照)。壁間用リブ30の上端は、壁構成部23の上面よりも上方に至り、後述する凸嵌合部33Aの後端に連なっている。また、壁間用リブ30の下端は、本体部21の下面に近い位置(本体部21の上下方向の中央位置)付近に達している。
【0031】
リテーナ20の本体部21には、開口の周縁部15に接触して、本体部21と開口の周縁部15との間の隙間を埋める開口用リブ31が突出して設けられている。開口用リブ31は、本体部21の後面(本体部21および開口の周縁部15のうち前後方向に対向する面の一方)の全幅に延びて設けられ、その両端は係止部22の内面に連なっている。開口用リブ31は、その全長にわたり同じ断面形状をなし、その断面形状は台形状とされている(図13参照)。開口用リブ31は、本体部21の上下方向の中間位置から下面に至る範囲に設けられている。開口用リブ31の上面(リテーナ20の装着方向の先端面)は、上方から下方に向かって少しずつ突出する傾斜をなすリブ案内面32とされ、壁間用リブ30の下端(本体部21側の端部)と繋がっている(図7参照)。開口用リブ31の突出端面(後面)は、本体部21の下面に垂直をなし、開口用リブ31の下面は、本体部21の下面と面一状をなしている。なお、開口用リブ31および壁間用リブ30の突出寸法は同等とされている。
【0032】
リテーナ20の壁構成部23とハウジング10の隔壁12とには、互いに嵌合する凹凸嵌合部33が設けられている。凹凸嵌合部33は、壁構成部23の上面に設けられた凸嵌合部33Aと、上側隔壁12Cの下面に設けられた凹嵌合部33Bとにより構成されている(図14参照)。
【0033】
凸嵌合部33Aは、前後方向に直線状に延びて設けられ、壁構成部23の前端から後端に至る長さ寸法を有している(図10参照)。凸嵌合部33Aは、壁構成部23の幅方向中央に位置し、その幅寸法は、壁構成部23の幅寸法の3分の1またはそれよりも若干小さい程度とされ、壁間用リブ30の幅寸法と同等とされている。凸嵌合部33Aの突出寸法は全長にわたり一定とされ、その突出端面(上面)は丸く形成されている。
【0034】
凹嵌合部33Bは、凸嵌合部33Aの外形に沿うように上方に凹み形成されている。凹嵌合部33Bは、前後方向に直線状に延びて設けられ、上側隔壁12Cの前端から後端に至る長さ寸法を有している(図6参照)。凹嵌合部33Bは、上側隔壁12Cの幅方向の中央に形成され、凹み面は丸く形成されている。
【0035】
次に、リテーナ20の取り付けおよび取り外し作業について説明する。
まず、リテーナ20を仮係止位置に保持する。リテーナ20をリテーナ装着部14の開口に差し入れると、図12に示すように、壁間用リブ30が後側隔壁12Bの前面に当接し、これによりリテーナ20が前方に押されて壁構成部23の前面が前側隔壁12Aの後面に当接する。このとき壁間用リブ30は若干潰れた状態になっている。そして、リテーナ20の係止部22が仮係止突起18に係止した状態になり、リテーナ20が仮係止位置に保持される。
【0036】
その後、各キャビティ11に端子金具を挿入し、すべての端子金具を挿入し終えたら、リテーナ20をさらに上方へ押し込む。すると係止部22の係止案内面27が本係止突起19の下面に当接し、係止部22は、係止案内面27の傾斜に案内されて本係止突起19にスムーズに乗り上げていく。また、開口用リブ31のリブ案内面32が開口の後側端面15Bに接触し、このリブ案内面32の傾斜により本体部21が少しずつ前方に押される。そして、本体部21の前側の隙間が少しずつ詰められ、本体部21の前面が開口の前側端面15Aに突き当たり、やがて開口用リブ31の突出端面が開口の後側端面15Bに接触した状態になる。このとき開口用リブ31は若干潰れた状態になっている。また、上側隔壁12Cと壁構成部23とが接近し、凹凸嵌合部33が嵌合し始める。そして、リテーナ20が本係止位置に至ると、係止部22の上端部が本係止突起19を乗り越えて係止凹部26の上面26Aが本係止突起19に係止し、また、凹凸嵌合部33が完全に嵌合した状態(凸嵌合部33Aの略全体が凹嵌合部33Bに嵌った状態)になる。
【0037】
そして、本係止位置に保持されたリテーナ20を取り外すには、係止解除用治具の先端を縦端面28Aと横端面28Bとが交差する角部に突き当ててこじる。すると、係止部22の上端部がハウジング10の外側に浮き、係止凹部26の上面26Aと本係止突起19との係止が解除される。この解除操作を係止部22毎に行い、リテーナ20をハウジング10から取り外す。
【0038】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態のコネクタCは、後方からハウジング10に収容した端子金具を、リテーナ20によって抜け止めするコネクタCであって、ハウジング10には、リテーナ20を装着するためのリテーナ装着部14が外方に開口して設けられ、また端子金具を収容するキャビティ11が、隔壁12により仕切られて複数設けられており、隔壁12のうちリテーナ装着部14にあたる部分は、リテーナ20の装着方向に切り欠かれた切欠部16とされ、リテーナ20には、切欠部16に嵌合して隔壁12の一部分を構成する壁構成部23が設けられ、壁構成部23の後面には、後側隔壁12Bに接触して壁構成部23と隔壁12との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブ30が、突出して設けられている。これにより、リテーナ20の壁構成部23の前後の隙間を介して、異物が端子金具にわたって付着することを防止でき、もって異物混入による端子金具間の短絡を防止することができる。
【0039】
また、リテーナ20は、リテーナ装着部14の開口に嵌合する本体部21を有し、本体部21の後面には、開口の後側端面15Bに接触して本体部21と開口の周縁部15との間の隙間を埋める開口用リブ31が、突出して設けられている。これにより、開口の周縁部15とリテーナ20の本体部21との間の前後の隙間から、異物がハウジング10内に侵入することを防ぐことができる。
【0040】
また、開口用リブ31は、壁間用リブ30の下側の端部に繋がって設けられているから、壁間用リブ30の外側に異物が蓄積して隣り合うキャビティ11間に跨り、端子金具が短絡することを防止することができる。
【0041】
また、壁構成部23の上面および上側隔壁12Cの下面には、互いに嵌合する凹凸嵌合部33が設けられている。これにより、壁構成部23の上面と上側隔壁12Cの下面とを伝って隣り合うキャビティ11の間を行き来する距離が長くなるから、この面の間において異物が端子金具にわたって付着することを抑制することができる。
【0042】
また、リテーナ20は、ハウジング10の外面に係止する係止部22を有し、係止部22には、ハウジング10に対する係止を解除するための係止解除用治具の先端を引っ掛けることが可能な係止解除操作部28が設けられている。ここで、例えば係止解除操作部を、リテーナの本体部に開口を設けることで形成する場合には、この開口が異物の侵入口になりやすく、特に開口がキャビティに連通している場合には、キャビティ内に異物が容易に入り込みやすい。しかしながら、本実施形態では、係止解除操作部28が、ハウジング10の外側面に係止する係止部22に形成され、すなわちキャビティ11と連通しない位置に設けられているから、前述のような異物の侵入を防ぐことができる。
【0043】
また、壁間用リブ30は、リテーナ20に設けられ、壁間用リブ30の幅寸法は、壁構成部23の壁厚寸法よりも小さくされている。これにより、例えば壁間用リブの幅寸法が、壁構成部と同等の幅寸法を有する場合に比べ、リテーナ装着部14へのリテーナ20の挿入抵抗を小さく抑えることができ、もってスムーズにリテーナ20を取り付けることができる。
【0044】
また、リテーナ20は、リテーナ装着部14の開口に嵌合する本体部21を有し、本体部21には、開口の周縁部15に接触して本体部21と開口の周縁部15との間の隙間を埋める開口用リブ31が突出して設けられ、開口用リブ31のうち上面(リテーナ20の装着方向の先端面)は、先方から後方に向かって少しずつ突出する傾斜のリブ案内面32とされている。これにより、リテーナ装着部14にリテーナ20を装着する際に、開口用リブ31が引っ掛かりにくいから、スムーズにリテーナ20を組み付けることができる。
【0045】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0046】
(1)上記実施形態では、リテーナ20に壁間用リブ30と開口用リブ31とが設けられているが、これに限らず、ハウジング側に壁間用リブと開口用リブとを設けてもよく、また、一方のリブをハウジング側に、他方のリブをリテーナ側に設けるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、ハウジング10にはキャビティ11が1段のみ形成されているが、本発明は、ハウジングに複数段のキャビティが設けられているコネクタにも適用することができる。
【0047】
(3)上記実施形態では、壁間用リブ30および開口用リブ31は、リテーナ20の後側面に設けられているが、これに限らず、壁間用リブおよび開口用リブをリテーナの前側面に設けてもよい。
(4)上記実施形態では、開口用リブ31は、壁間用リブ30の下側の端部に繋がって設けられているが、これに限らず、例えば開口用リブを、壁間用リブの下方に離れた位置に設けてもよく、また壁間用リブの間の位置に間欠的に設けてもよい。
【0048】
(5)上記実施形態では、凹凸嵌合部33は、壁構成部23の上面に設けられた凸嵌合部33Aと、上側隔壁12Cの下面に設けられた凹嵌合部33Bとにより構成されているが、これとは逆に、壁構成部の上面に凹嵌合部を、上側隔壁の下面に凸嵌合部を設けてもよい。
(6)上記実施形態では、係止解除操作部28は、係止部22の角部に長方形状の切欠きを形成することで設けられているが、これに限らず、例えば、係止部の一部分に開口を形成することで設けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
C…コネクタ
10…ハウジング
11…キャビティ
12…隔壁
14…リテーナ装着部
15…開口の周縁部
16…切欠部
20…リテーナ
21…本体部(開口嵌合部)
22…係止部
23…壁構成部
28…係止解除操作部
30…壁間用リブ
31…開口用リブ
32…リブ案内面
33…凹凸嵌合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具の抜止めを図るリテーナを備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハウジングに収容した端子金具を、リテーナによって抜け止めするコネクタが知られている。例えば特許文献1に記載のコネクタにおいては、ハウジングには、端子金具を収容するキャビティが、隔壁により仕切られて複数設けられ、また、リテーナを装着するためのリテーナ装着部が、外方に開口して設けられている。そして、ハウジングの隔壁には、リテーナ装着部にあたる部分をリテーナの装着方向に切り欠いてなる切欠部が形成され、リテーナには、切欠部に嵌合して隔壁の一部分を構成する壁構成部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−7384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような構成のコネクタが、潤滑油等の油中で使用されると、油中に浮遊する鉄粉等の異物が、ハウジング内に侵入する虞があり、ハウジング内に侵入した異物は、リテーナとハウジングとの間に存在する隙間に蓄積する虞がある。そして、壁構成部の前後(端子金具の挿入方向における前後)の隙間に異物が蓄積すると、本来、隔壁で仕切られるべき端子金具にわたって異物が付着しやすく、端子金具の短絡を招く虞があるので対策が望まれていた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、異物混入による端子金具間の短絡を防止することが可能なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、後方からハウジングに収容した端子金具を、リテーナによって抜け止めするコネクタであって、前記ハウジングには、前記リテーナを装着するためのリテーナ装着部が外方に開口して設けられ、また、前記端子金具を収容するキャビティが、隔壁により仕切られて複数設けられており、前記隔壁のうち前記リテーナ装着部にあたる部分は、前記リテーナの装着方向に切り欠かれた切欠部とされ、前記リテーナには、前記切欠部に嵌合して前記隔壁の一部分を構成する壁構成部が設けられ、前記壁構成部および前記隔壁のうち前後方向に対向する面の一方には、前記壁構成部および前記隔壁の他方に接触して前記壁構成部と前記隔壁との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブが、突出して設けられている。このような構成によれば、リテーナの壁構成部の前後の隙間を介して、異物が端子金具にわたって付着することを防止でき、もって異物混入による端子金具間の短絡を防止することができる。
【0007】
また、前記リテーナは、前記リテーナ装着部の開口に嵌合する開口嵌合部を有し、前記開口嵌合部および前記開口の周縁部のうち前後方向に対向する面の一方には、前記開口嵌合部および前記開口の周縁部の他方に接触して前記開口嵌合部と前記開口の周縁部との間の隙間を埋める開口用リブが、突出して設けられているものとしてもよい。このような構成によれば、開口の周縁部とリテーナの開口嵌合部との間の前後の隙間から、異物がハウジング内に侵入することを防ぐことができる。
【0008】
また、前記壁間用リブおよび前記開口用リブは、ともに前記リテーナに設けられ、前記開口用リブは、前記壁間用リブの前記開口嵌合部側の端部に繋がって設けられているものとしてもよい。このような構成によれば、壁間用リブの外側に異物が蓄積して、端子金具が短絡することを防止することができる。
【0009】
また、前記壁構成部および前記隔壁のうち、前記リテーナの装着方向に対向する面には、互いに嵌合する凹凸嵌合部が設けられているものとしてもよい。このような構成によれば、壁構成部および隔壁のリテーナの装着方向に対向する面を伝って隣り合うキャビティの間を行き来する距離が長くなるから、この面の間において異物が端子金具にわたって付着することを抑制することができる。
【0010】
また、前記リテーナは、前記ハウジングの外面に係止する係止部を有し、前記係止部には、前記ハウジングに対する係止を解除するための係止解除用治具の先端を引っ掛けることが可能な係止解除操作部が設けられているものとしてもよい。
【0011】
また、前記壁間用リブは、前記リテーナに設けられ、前記壁間用リブの幅寸法は、前記壁構成部の壁厚寸法よりも小さくされているものとしてもよい。このような構成によれば、壁間用リブの幅寸法が、例えば壁構成部と同等の幅寸法を有する場合に比べ、リテーナ装着部へのリテーナの挿入抵抗を小さく抑えることができる。
【0012】
また、前記リテーナは、前記リテーナ装着部の開口に嵌合する開口嵌合部を有し、前記開口嵌合部には、前記開口の周縁部の他方に接触して前記開口嵌合部と前記開口の周縁部との間の隙間を埋める開口用リブが突出して設けられ、前記開口用リブのうち前記リテーナの装着方向の先端面は、先方から後方に向かって少しずつ突出する傾斜をなすリブ案内面とされているものとしてもよい。このような構成によれば、リテーナ装着部にリテーナを装着する際に、開口用リブが引っ掛かりにくいから、スムーズにリテーナを組み付けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異物混入による端子金具間の短絡を防止することが可能なコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態におけるコネクタの側面図
【図2】コネクタの前面図
【図3】コネクタの下面図
【図4】ハウジングの側面図
【図5】ハウジングの後面図
【図6】ハウジングの下面図
【図7】リテーナの外観斜視図
【図8】リテーナの前面図
【図9】リテーナの後面図
【図10】リテーナの上面図
【図11】リテーナが仮係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図1のA−A位置における断面に相当する断面図
【図12】リテーナが仮係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図2のB−B位置における断面に相当する断面図
【図13】リテーナが仮係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図2のC−C位置における断面に相当する断面図
【図14】リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図1のA−A位置における断面に相当する断面図
【図15】リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図2のB−B位置における断面に相当する断面図
【図16】リテーナが本係止位置に保持された状態のコネクタの断面図であって、図2のC−C位置における断面に相当する断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図16を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態におけるコネクタCは、端子金具(図示せず)を収容可能なハウジング10と、このハウジング10に組み付けられて端子金具の抜止めを図るリテーナ20とを備えて構成されている。以下、各構成部材において、図1の左側を前方、右側を後方とし、また上側を上方、下側を下方として説明する。
【0016】
ハウジング10は合成樹脂材からなり、その内部には後方から端子金具を挿抜可能な複数(本実施形態では6室)のキャビティ11が、隔壁12に仕切られて横一列に並んで形成されている。各キャビティ11内には、正規位置に挿入された端子金具を一次係止するためのランス13が形成されている。
【0017】
ハウジング10には、リテーナ20を装着するためのリテーナ装着部14が設けられている。リテーナ装着部14は、ハウジング10の下面からキャビティ11に貫通形成され、下方からリテーナ20を挿抜可能とされている。リテーナ装着部14は、ランス13の後側に設けられ、すべてのキャビティ11に連通している。リテーナ装着部14は、ハウジング10の下方および両側方(幅方向の外方)に開放されている(図4参照)。ハウジング10の下面に形成されたリテーナ装着部14の開口は、ハウジング10の幅方向に細長い略長方形をなしている(図6参照)。開口の周縁部15は、開口の前側に延びる前側端面15Aと、後側に延びる後側端面15Bとを有している。前側端面15Aは、上下方向に平坦な面(ハウジング10の下面に垂直な面)であり、後側端面15Bは、ハウジング10の下面に垂直な面と、傾斜する面とからなる。詳しくは、後側端面15Bの上側部分が垂直面、下側部分が傾斜面であって、この傾斜面は下方に向かって開口を広げる向きに傾斜する面である。
【0018】
キャビティ11を仕切る隔壁12のうちリテーナ装着部14にあたる部分は、リテーナ20の装着方向に(下方から上方に向かって)切り欠かれた切欠部16とされている(図12参照)。以後、隔壁12のうち切欠部16より前側の部分を前側隔壁12A、後側の部分を後側隔壁12B、上側の部分を上側隔壁12Cと称する。前側隔壁12Aの後面と後側隔壁12Bの前面(切欠部16に臨む面)とは、互いに略平行をなして対向する平坦な面であり、ハウジング10の下面に垂直をなしている。前側隔壁12A、後側隔壁12Bおよび上側隔壁12Cの壁厚寸法は等しくされている。
【0019】
ハウジング10の両外側面(ハウジング10の幅方向における両端面)には、後述するリテーナ20の係止部22が嵌合する係止嵌合部17が設けられている。係止嵌合部17は、ハウジング10の外側面の一部分を凹ませてなる部分であり、リテーナ装着部14の両端と連なっている(図6参照)。係止嵌合部17は、リテーナ装着部14よりも前側と後側とに突出する幅寸法を有し、前側に突出する部分の方が後側よりも大きくされている。係止嵌合部17の前端面と後端面とは、ハウジング10の外側面に対して傾斜をなす第1前斜端面17Aおよび第1後斜端面17Bとされている。第1前斜端面17Aおよび第1後斜端面17Bは、それぞれ外側から内側へ向かって前方および後方に向かう傾斜をなしている。
【0020】
係止嵌合部17には、仮係止突起18と本係止突起19とが突設されている(図4参照)。仮係止突起18および本係止突起19は、係止嵌合部17のうちリテーナ装着部14よりも前側の部分に設けられ、仮係止突起18より上側に本係止突起19が設けられている。仮係止突起18と本係止突起19とは、同等の幅寸法(前後方向の寸法)を有し、上下に重なる位置に配されている。仮係止突起18および本係止突起19の突出寸法は、ともに係止嵌合部17の凹み寸法の半分程度とされ、また仮係止突起18の突出寸法が本係止突起19の突出寸法より若干大きくされている(図5参照)。
【0021】
リテーナ20は、リテーナ装着部14の開口から上方(下面に対して垂直方向)に差し込まれ、端子金具の挿抜を許容する仮係止位置(図13参照)と、端子金具を抜け止め状態に係止する本係止位置(図16参照)との間を移動可能とされている。
リテーナ20は合成樹脂材により成形され、リテーナ装着部14の開口に嵌合する本体部(開口嵌合部)21と、ハウジング10の外側面に係止する係止部22とを有している(図7参照)。
【0022】
本体部21は、リテーナ装着部14の開口の形状に沿った、横方向に細長い略長方形の板状をなしている。本体部21は、リテーナ20が本係止位置に保持されると、リテーナ装着部14の開口に嵌まって開口を塞ぎ、その下面がハウジング10の下面と面一状になる。
【0023】
本体部21の上面には、隔壁12の切欠部16に嵌合して隔壁12の一部分を構成する壁構成部23が設けられている。壁構成部23は、隔壁12と同ピッチで複数設けられ、それぞれ各隔壁12に対応した位置に形成されている。壁構成部23は、本体部21の前端から後端にわたって設けられ、前後方向の寸法は、切欠部16の前後方向の寸法と同等か若干小さくされている。壁構成部23の幅寸法は、前端部および後端部においては、それぞれ端面に向かって小さくなり、それ以外の部分においては、隔壁12の幅寸法と同等で一定とされている。また壁構成部23の高さ寸法は、全体にわたり一定とされている。なお、本体部21の両端には、ハウジング10の外壁の一部分を構成する外壁構成部24が設けられており(図14参照)、外壁構成部24は、壁構成部23を幅方向に2分割した形態をなしている(図10参照)。
【0024】
本体部21のうち隣り合う壁構成部23の間の部分は、各端子金具に係止してその抜け止めを図る抜止め部25とされている。各抜止め部25は、リテーナ20が仮係止位置にあるときには各キャビティ11から退避し、リテーナ20が本係止位置にあるときには各キャビティ11に進入する。なお、抜止め部25の後端縁部には、後方に向かって下がる傾斜面25Aが形成されている。
【0025】
本体部21の前側面は、図8に示すように、全体として平坦な面とされ、すなわち壁構成部23の前側面、本体部21の前側面、および後述する凸嵌合部33Aの前端面が、その境界に段差のない平坦な面を構成している。壁構成部23の前側面および凸嵌合部33Aの前端面は、前側隔壁12Aの後面に面当たりし、本体部21の前側面は、開口の前側端面15Aに面当たりする。
【0026】
係止部22は、本体部21の幅方向における両端に設けられている(図7参照)。係止部22は、本体部21から上方に立ち上がるとともに本体部21から前後に突出した板状をなしている。係止部22の厚さ寸法は、係止嵌合部17の凹み寸法と同等とされ、係止部22が係止嵌合部17に嵌合した状態では、係止部22の外側面(本体部21とは反対側の板面)が、ハウジング10の外側面と同じ面に位置する(図3参照)。また、リテーナ20が本係止位置に保持されているときには、係止部22の最上端縁が、係止嵌合部17の上端縁に近接して配される(図1参照)。
【0027】
係止部22の内側面(本体部21側の板面)には、仮係止突起18または本係止突起19に係止可能な係止凹部26が形成されている。係止凹部26は、本体部21よりも前側の部分に、一定の凹み寸法を有して形成されている。係止凹部26は、内方から見ると上下方向に長い長方形状をなし、その下端は係止部22の下端と一致し、係止部22の下方に開放されている。係止凹部26の幅寸法(前後方向の寸法)は、仮係止突起18および本係止突起19の前後方向の寸法と同等である。リテーナ20が仮係止位置に至ったときには、係止凹部26の上面26Aが仮係止突起18に係止し、リテーナ20が本係止位置に至ったときには、係止凹部26の上面26Aが本係止突起19に係止する。なお、係止部22は、外壁構成部24に連続している。
【0028】
係止部22の上端寄りの位置には、リテーナ20が仮係止位置に保持されているときに、本係止突起19の下面に沿う傾斜をなす係止案内面27が設けられている(図11参照)。
係止部22の前端面と後端面とは、係止部22の板面に対して傾斜をなす第2前斜端面22Aおよび第2後斜端面22Bとされている(図10参照)。第2前斜端面22Aおよび第2後斜端面22Bは、それぞれ外側から内側へ向かって前方および後方に向かう傾斜をなし、その勾配は、第1前斜端面17Aおよび第1後斜端面17Bの勾配と同等とされている(図3参照)。
【0029】
係止部22には、ハウジング10に対する係止を解除するための係止解除用治具(図示せず)の先端を引っ掛けることが可能な係止解除操作部28が設けられている。係止解除操作部28は、係止部22の角部に長方形状の切欠きを形成することで設けられた端面からなり、上下方向に延びる端面(縦端面28Aと称する)と、前後方向に延びる端面(横端面28Bと称する)とが垂直に交差してなる(図1参照)。係止解除操作部28は、係止部22の上端部における後側部分(本体部21の上方部分)に形成され、横端面28Bは、係止案内面27よりも下方に位置し、係止凹部26の上面26Aと略水平位置に並んでいる。縦端面28Aおよび横端面28Bは、ハウジング10の外側面に垂直をなしている。リテーナ20が本係止位置に保持された状態では、図1に示すように、ハウジング10の係止嵌合部17のうち係止解除操作部28に囲われた部分が露出し、係止解除操作部28と係止嵌合部17の上縁との間には、係止解除用治具の先端を差し入れるのに十分なスペースが確保される。
【0030】
リテーナ20の壁構成部23には、後側隔壁12Bに接触して、壁構成部23と隔壁12との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブ30が、突出して設けられている。壁間用リブ30は、全ての壁構成部23の後面(壁構成部23および隔壁12のうち前後方向に対向する面の一方)に突出して設けられ、その突出寸法は一定とされている。壁間用リブ30の突出寸法は、壁構成部23の前後の隙間、すなわち壁構成部23と前側隔壁12A、および壁構成部23と後側隔壁12Bの間の隙間を埋めることが可能な寸法とされている。また、壁間用リブ30の突出端面(後面)は、丸く形成されている。壁間用リブ30の幅寸法は、壁構成部23の壁厚寸法よりも小さくされている。壁間用リブ30は、壁構成部23の幅方向中央位置において上下方向に直線状に延びている(図9参照)。壁間用リブ30の上端は、壁構成部23の上面よりも上方に至り、後述する凸嵌合部33Aの後端に連なっている。また、壁間用リブ30の下端は、本体部21の下面に近い位置(本体部21の上下方向の中央位置)付近に達している。
【0031】
リテーナ20の本体部21には、開口の周縁部15に接触して、本体部21と開口の周縁部15との間の隙間を埋める開口用リブ31が突出して設けられている。開口用リブ31は、本体部21の後面(本体部21および開口の周縁部15のうち前後方向に対向する面の一方)の全幅に延びて設けられ、その両端は係止部22の内面に連なっている。開口用リブ31は、その全長にわたり同じ断面形状をなし、その断面形状は台形状とされている(図13参照)。開口用リブ31は、本体部21の上下方向の中間位置から下面に至る範囲に設けられている。開口用リブ31の上面(リテーナ20の装着方向の先端面)は、上方から下方に向かって少しずつ突出する傾斜をなすリブ案内面32とされ、壁間用リブ30の下端(本体部21側の端部)と繋がっている(図7参照)。開口用リブ31の突出端面(後面)は、本体部21の下面に垂直をなし、開口用リブ31の下面は、本体部21の下面と面一状をなしている。なお、開口用リブ31および壁間用リブ30の突出寸法は同等とされている。
【0032】
リテーナ20の壁構成部23とハウジング10の隔壁12とには、互いに嵌合する凹凸嵌合部33が設けられている。凹凸嵌合部33は、壁構成部23の上面に設けられた凸嵌合部33Aと、上側隔壁12Cの下面に設けられた凹嵌合部33Bとにより構成されている(図14参照)。
【0033】
凸嵌合部33Aは、前後方向に直線状に延びて設けられ、壁構成部23の前端から後端に至る長さ寸法を有している(図10参照)。凸嵌合部33Aは、壁構成部23の幅方向中央に位置し、その幅寸法は、壁構成部23の幅寸法の3分の1またはそれよりも若干小さい程度とされ、壁間用リブ30の幅寸法と同等とされている。凸嵌合部33Aの突出寸法は全長にわたり一定とされ、その突出端面(上面)は丸く形成されている。
【0034】
凹嵌合部33Bは、凸嵌合部33Aの外形に沿うように上方に凹み形成されている。凹嵌合部33Bは、前後方向に直線状に延びて設けられ、上側隔壁12Cの前端から後端に至る長さ寸法を有している(図6参照)。凹嵌合部33Bは、上側隔壁12Cの幅方向の中央に形成され、凹み面は丸く形成されている。
【0035】
次に、リテーナ20の取り付けおよび取り外し作業について説明する。
まず、リテーナ20を仮係止位置に保持する。リテーナ20をリテーナ装着部14の開口に差し入れると、図12に示すように、壁間用リブ30が後側隔壁12Bの前面に当接し、これによりリテーナ20が前方に押されて壁構成部23の前面が前側隔壁12Aの後面に当接する。このとき壁間用リブ30は若干潰れた状態になっている。そして、リテーナ20の係止部22が仮係止突起18に係止した状態になり、リテーナ20が仮係止位置に保持される。
【0036】
その後、各キャビティ11に端子金具を挿入し、すべての端子金具を挿入し終えたら、リテーナ20をさらに上方へ押し込む。すると係止部22の係止案内面27が本係止突起19の下面に当接し、係止部22は、係止案内面27の傾斜に案内されて本係止突起19にスムーズに乗り上げていく。また、開口用リブ31のリブ案内面32が開口の後側端面15Bに接触し、このリブ案内面32の傾斜により本体部21が少しずつ前方に押される。そして、本体部21の前側の隙間が少しずつ詰められ、本体部21の前面が開口の前側端面15Aに突き当たり、やがて開口用リブ31の突出端面が開口の後側端面15Bに接触した状態になる。このとき開口用リブ31は若干潰れた状態になっている。また、上側隔壁12Cと壁構成部23とが接近し、凹凸嵌合部33が嵌合し始める。そして、リテーナ20が本係止位置に至ると、係止部22の上端部が本係止突起19を乗り越えて係止凹部26の上面26Aが本係止突起19に係止し、また、凹凸嵌合部33が完全に嵌合した状態(凸嵌合部33Aの略全体が凹嵌合部33Bに嵌った状態)になる。
【0037】
そして、本係止位置に保持されたリテーナ20を取り外すには、係止解除用治具の先端を縦端面28Aと横端面28Bとが交差する角部に突き当ててこじる。すると、係止部22の上端部がハウジング10の外側に浮き、係止凹部26の上面26Aと本係止突起19との係止が解除される。この解除操作を係止部22毎に行い、リテーナ20をハウジング10から取り外す。
【0038】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態のコネクタCは、後方からハウジング10に収容した端子金具を、リテーナ20によって抜け止めするコネクタCであって、ハウジング10には、リテーナ20を装着するためのリテーナ装着部14が外方に開口して設けられ、また端子金具を収容するキャビティ11が、隔壁12により仕切られて複数設けられており、隔壁12のうちリテーナ装着部14にあたる部分は、リテーナ20の装着方向に切り欠かれた切欠部16とされ、リテーナ20には、切欠部16に嵌合して隔壁12の一部分を構成する壁構成部23が設けられ、壁構成部23の後面には、後側隔壁12Bに接触して壁構成部23と隔壁12との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブ30が、突出して設けられている。これにより、リテーナ20の壁構成部23の前後の隙間を介して、異物が端子金具にわたって付着することを防止でき、もって異物混入による端子金具間の短絡を防止することができる。
【0039】
また、リテーナ20は、リテーナ装着部14の開口に嵌合する本体部21を有し、本体部21の後面には、開口の後側端面15Bに接触して本体部21と開口の周縁部15との間の隙間を埋める開口用リブ31が、突出して設けられている。これにより、開口の周縁部15とリテーナ20の本体部21との間の前後の隙間から、異物がハウジング10内に侵入することを防ぐことができる。
【0040】
また、開口用リブ31は、壁間用リブ30の下側の端部に繋がって設けられているから、壁間用リブ30の外側に異物が蓄積して隣り合うキャビティ11間に跨り、端子金具が短絡することを防止することができる。
【0041】
また、壁構成部23の上面および上側隔壁12Cの下面には、互いに嵌合する凹凸嵌合部33が設けられている。これにより、壁構成部23の上面と上側隔壁12Cの下面とを伝って隣り合うキャビティ11の間を行き来する距離が長くなるから、この面の間において異物が端子金具にわたって付着することを抑制することができる。
【0042】
また、リテーナ20は、ハウジング10の外面に係止する係止部22を有し、係止部22には、ハウジング10に対する係止を解除するための係止解除用治具の先端を引っ掛けることが可能な係止解除操作部28が設けられている。ここで、例えば係止解除操作部を、リテーナの本体部に開口を設けることで形成する場合には、この開口が異物の侵入口になりやすく、特に開口がキャビティに連通している場合には、キャビティ内に異物が容易に入り込みやすい。しかしながら、本実施形態では、係止解除操作部28が、ハウジング10の外側面に係止する係止部22に形成され、すなわちキャビティ11と連通しない位置に設けられているから、前述のような異物の侵入を防ぐことができる。
【0043】
また、壁間用リブ30は、リテーナ20に設けられ、壁間用リブ30の幅寸法は、壁構成部23の壁厚寸法よりも小さくされている。これにより、例えば壁間用リブの幅寸法が、壁構成部と同等の幅寸法を有する場合に比べ、リテーナ装着部14へのリテーナ20の挿入抵抗を小さく抑えることができ、もってスムーズにリテーナ20を取り付けることができる。
【0044】
また、リテーナ20は、リテーナ装着部14の開口に嵌合する本体部21を有し、本体部21には、開口の周縁部15に接触して本体部21と開口の周縁部15との間の隙間を埋める開口用リブ31が突出して設けられ、開口用リブ31のうち上面(リテーナ20の装着方向の先端面)は、先方から後方に向かって少しずつ突出する傾斜のリブ案内面32とされている。これにより、リテーナ装着部14にリテーナ20を装着する際に、開口用リブ31が引っ掛かりにくいから、スムーズにリテーナ20を組み付けることができる。
【0045】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0046】
(1)上記実施形態では、リテーナ20に壁間用リブ30と開口用リブ31とが設けられているが、これに限らず、ハウジング側に壁間用リブと開口用リブとを設けてもよく、また、一方のリブをハウジング側に、他方のリブをリテーナ側に設けるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、ハウジング10にはキャビティ11が1段のみ形成されているが、本発明は、ハウジングに複数段のキャビティが設けられているコネクタにも適用することができる。
【0047】
(3)上記実施形態では、壁間用リブ30および開口用リブ31は、リテーナ20の後側面に設けられているが、これに限らず、壁間用リブおよび開口用リブをリテーナの前側面に設けてもよい。
(4)上記実施形態では、開口用リブ31は、壁間用リブ30の下側の端部に繋がって設けられているが、これに限らず、例えば開口用リブを、壁間用リブの下方に離れた位置に設けてもよく、また壁間用リブの間の位置に間欠的に設けてもよい。
【0048】
(5)上記実施形態では、凹凸嵌合部33は、壁構成部23の上面に設けられた凸嵌合部33Aと、上側隔壁12Cの下面に設けられた凹嵌合部33Bとにより構成されているが、これとは逆に、壁構成部の上面に凹嵌合部を、上側隔壁の下面に凸嵌合部を設けてもよい。
(6)上記実施形態では、係止解除操作部28は、係止部22の角部に長方形状の切欠きを形成することで設けられているが、これに限らず、例えば、係止部の一部分に開口を形成することで設けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
C…コネクタ
10…ハウジング
11…キャビティ
12…隔壁
14…リテーナ装着部
15…開口の周縁部
16…切欠部
20…リテーナ
21…本体部(開口嵌合部)
22…係止部
23…壁構成部
28…係止解除操作部
30…壁間用リブ
31…開口用リブ
32…リブ案内面
33…凹凸嵌合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方からハウジングに収容した端子金具を、リテーナによって抜け止めするコネクタであって、
前記ハウジングには、前記リテーナを装着するためのリテーナ装着部が外方に開口して設けられ、また、前記端子金具を収容するキャビティが、隔壁により仕切られて複数設けられており、
前記隔壁のうち前記リテーナ装着部にあたる部分は、前記リテーナの装着方向に切り欠かれた切欠部とされ、
前記リテーナには、前記切欠部に嵌合して前記隔壁の一部分を構成する壁構成部が設けられ、
前記壁構成部および前記隔壁のうち前後方向に対向する面の一方には、前記壁構成部および前記隔壁の他方に接触して前記壁構成部と前記隔壁との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブが、突出して設けられているコネクタ。
【請求項2】
前記リテーナは、前記リテーナ装着部の開口に嵌合する開口嵌合部を有し、
前記開口嵌合部および前記開口の周縁部のうち前後方向に対向する面の一方には、前記開口嵌合部および前記開口の周縁部の他方に接触して前記開口嵌合部と前記開口の周縁部との間の隙間を埋める開口用リブが、突出して設けられている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記壁間用リブおよび前記開口用リブは、ともに前記リテーナに設けられ、
前記開口用リブは、前記壁間用リブの前記開口嵌合部側の端部に繋がって設けられている請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記壁構成部および前記隔壁のうち、前記リテーナの装着方向に対向する面には、互いに嵌合する凹凸嵌合部が設けられている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記リテーナは、前記ハウジングの外面に係止する係止部を有し、
前記係止部には、前記ハウジングに対する係止を解除するための係止解除用治具の先端を引っ掛けることが可能な係止解除操作部が設けられている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記壁間用リブは、前記リテーナに設けられ、
前記壁間用リブの幅寸法は、前記壁構成部の壁厚寸法よりも小さくされている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記リテーナは、前記リテーナ装着部の開口に嵌合する開口嵌合部を有し、
前記開口嵌合部には、前記開口の周縁部の他方に接触して前記開口嵌合部と前記開口の周縁部との間の隙間を埋める開口用リブが突出して設けられ、
前記開口用リブのうち前記リテーナの装着方向の先端面は、先方から後方に向かって少しずつ突出する傾斜をなすリブ案内面とされている請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項1】
後方からハウジングに収容した端子金具を、リテーナによって抜け止めするコネクタであって、
前記ハウジングには、前記リテーナを装着するためのリテーナ装着部が外方に開口して設けられ、また、前記端子金具を収容するキャビティが、隔壁により仕切られて複数設けられており、
前記隔壁のうち前記リテーナ装着部にあたる部分は、前記リテーナの装着方向に切り欠かれた切欠部とされ、
前記リテーナには、前記切欠部に嵌合して前記隔壁の一部分を構成する壁構成部が設けられ、
前記壁構成部および前記隔壁のうち前後方向に対向する面の一方には、前記壁構成部および前記隔壁の他方に接触して前記壁構成部と前記隔壁との間の前後方向の隙間を埋める壁間用リブが、突出して設けられているコネクタ。
【請求項2】
前記リテーナは、前記リテーナ装着部の開口に嵌合する開口嵌合部を有し、
前記開口嵌合部および前記開口の周縁部のうち前後方向に対向する面の一方には、前記開口嵌合部および前記開口の周縁部の他方に接触して前記開口嵌合部と前記開口の周縁部との間の隙間を埋める開口用リブが、突出して設けられている請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記壁間用リブおよび前記開口用リブは、ともに前記リテーナに設けられ、
前記開口用リブは、前記壁間用リブの前記開口嵌合部側の端部に繋がって設けられている請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記壁構成部および前記隔壁のうち、前記リテーナの装着方向に対向する面には、互いに嵌合する凹凸嵌合部が設けられている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記リテーナは、前記ハウジングの外面に係止する係止部を有し、
前記係止部には、前記ハウジングに対する係止を解除するための係止解除用治具の先端を引っ掛けることが可能な係止解除操作部が設けられている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記壁間用リブは、前記リテーナに設けられ、
前記壁間用リブの幅寸法は、前記壁構成部の壁厚寸法よりも小さくされている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記リテーナは、前記リテーナ装着部の開口に嵌合する開口嵌合部を有し、
前記開口嵌合部には、前記開口の周縁部の他方に接触して前記開口嵌合部と前記開口の周縁部との間の隙間を埋める開口用リブが突出して設けられ、
前記開口用リブのうち前記リテーナの装着方向の先端面は、先方から後方に向かって少しずつ突出する傾斜をなすリブ案内面とされている請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−119194(P2012−119194A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268716(P2010−268716)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
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