説明

コネクタ

【課題】部品点数を減らして簡単な構造で管体どうしを確実に接続することができると共に、コネクタの外径を小さくすることができる、コネクタを提供する。
【解決手段】このコネクタ10は、環状突部1aを有する第1管体1と第2管体とを接続するもので、接続部21及び挿入部23を有するボディ20と、Oリング60と、リテーナ40とを備え、該リテーナ40は、Oリング60の移動を規制する本体部41と、本体部41にスリット45を介して連設され、先端部51に係合爪53が形成された係合片47とを有し、ボディ20に開口部31が形成され、この開口部31にリテーナ40の係合片47の先端部51が挿入され、ボディ20の外側から係合片47を外方に撓ませることが可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ホースや配管等の管体どうしを接続するためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のラジエータや、ヒーターユニット、燃料供給系には、複数のホースが用いられている。これらのホースやチューブ、或いは配管等の管体どうしを接続するためのものとして、コネクタが用いられている。
【0003】
従来のこの種のコネクタとして、下記特許文献1(特開平8−233181号公報)には、ホース接続部及び管体挿入部を有するボディと、前記管体挿入部外周のクリップ嵌着部に嵌着し該管体挿入部に挿入した管体を管体挿入部に止着するクリップとよりなり、前記クリップはクリップ嵌着部の外周を被う形状に形成され、内周面にはクリップ嵌着部の止め孔を介して管体挿入部に突出し管体を係止する係止爪が設けられ、かつ係止爪は管体の挿入を許し挿入した管体を抜止めし、かつクリップの拡径操作により管体を外し得る構造にされてなることを特徴としたコネクタが開示されている。また、ボディの管体挿入部内には、管体挿入部と管体との隙間を密閉するためのOリングが配置され、筒状のストッパによって抜け止めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−233181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載のコネクタでは、Oリングを筒状のストッパによって抜け止めしているため、部品点数が多く、コストが増大するという不都合があった。
【0006】
また、ボディの外周に環状のクリップを装着し、クリップの係止爪をクリップ嵌着部の止め孔を通して管体挿入部内に突出させる構造をなすため、コネクタの外径が大きくなってしまう傾向があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、部品点数を減らして簡単な構造で管体どうしを確実に接続することができると共に、コネクタの外径を小さくしてコンパクトな構造とすることができる、コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のコネクタは、外周に環状突部が形成された第1管体と、ホース等からなる第2管体とを接続するためのものであって、一端が前記第2管体を接続するための接続部をなし、他端が前記第1管体の挿入部をなす管状のボディと、前記ボディの前記挿入部内の奥方に配置され、前記第1管体が挿通されて前記第1管体外周と前記ボディ内周とをシールするOリングと、前記ボディの前記挿入部内の前記Oリングよりも開口側に配置され、前記Oリングの開口側への移動を規制すると共に、前記第1管体の環状突部に係合して抜け止めさせるリテーナとを備え、前記リテーナは、前記Oリングの移動を規制する環状の本体部と、該本体部の前記Oリングとは反対側の端面に基端部の側部を連結されると共に、前記本体部との間に形成された周方向のスリットを介して前記基端部から前記本体部の周方向に沿って円弧状に延出され、先端部に前記第1管体の環状突部に係合する係合爪が形成された係合片とを有し、前記ボディには、前記リテーナを前記挿入部内に配置したとき、前記係合片が位置する部分に周方向に沿った開口部が形成されており、この開口部に前記リテーナの前記係合片の先端部が挿入され、前記ボディの外側から前記係合片を外方に撓ませることが可能とされていることを特徴とする。
【0009】
本発明のコネクタは、前記リテーナの前記本体部の前記Oリングとは反対側の端面には、周方向2箇所に基端部を連結されて、前記本体部の周方向に沿って円弧状に延出された2つの係合片が設けられていることが好ましい。
【0010】
本発明のコネクタは、前記ボディの挿入部内には、軸方向に沿ってリブが突設され、前記リテーナの本体部の外周には、前記リブが挿入されるガイド溝が形成されていることが好ましい。
【0011】
本発明のコネクタは、前記係合片の前記先端部に至る途中の部分が、前記ボディの軸方向に見たとき、前記ボディの開口部の内側面とラップするように、該開口部に挿入されていることが好ましい。
【0012】
本発明のコネクタは、前記リテーナの前記係止片の先端部は、その外周面が前記本体部の周面から接線方向に延出すると共に、その先端面が半径方向に沿った面をなしていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記発明によれば、ボディの挿入部の奥方にOリングを配置し、リテーナの係合片を内側に撓ませつつ、リテーナをボディの挿入部に挿入し、係合片の先端部をボディの開口部に挿入させることにより、リテーナの本体部によりOリングを抜け止めしつつ、リテーナ自身も抜け止めして装着することができる。
【0014】
そして、ボディの一端にホース等からなる第2管体を接続し、ボディの挿入部に第1管体を挿入すると、第1管体の先端部がOリングの内周に挿通されて、第1管体の先端部外周とボディ内周とがOリングによってシールされると共に、第1管体の環状突部にリテーナの係合片の係合爪が係合して、第1管体が抜け止めされる。その結果、第1管体と第2管体とをコネクタを介してワンタッチで接続することができる。
【0015】
また、ボディの開口部に挿入された係合片の先端部を、開口部を通して指等で押して係合片を外方に撓ませることにより、第1管体の環状突部と係合爪との係合を解除できるので、その状態で第1管体をボディに対して引き抜くことにより、接続を解除して第1管体と第2管体とを分離することができる。
【0016】
そして、本発明においては、リテーナによってOリングを抜け止めするので、特許文献1のコネクタのように、Oリングを抜け止めするための部材を、別途設ける必要がなくなり、部品点数を減少させることができる。
【0017】
また、リテーナがボディの内部に配置され、その係合片の先端部がボディに設けられた開口部に挿入するように収容されているので、クリップがボディの外周に装着された特許文献1のコネクタよりも、外径を小さくすることができる。
【0018】
更に、リテーナの係合片は、本体部の端面に基端の側部を連結され、本体部の周方向に沿って円弧状に延出された形状をなすので、係合片が軸方向に伸びた構造のものに比べると、リテーナの軸方向長さを短くして、コネクタの全長を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るコネクタの、一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】同コネクタの斜視図である。
【図3】(a)は同コネクタを構成するリテーナの正面図、(b)は同コネクタを構成するボディの正面図である。
【図4】同コネクタにおいて、第1管体の挿入前の状態を示す分解断面図である。
【図5】同コネクタにおいて、第1管体と第2管体とを接続した状態を示す断面図である。
【図6】同コネクタにおいて、ボディにリテーナを装着した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1〜6を参照して、本発明に係るコネクタの一実施形態について説明する。
【0021】
図1及び図5に示すように、本実施形態に係るコネクタ10は、外周に環状突部1aが形成された第1管体1と、第2管体2(図5参照)とを接続するためのものである。管体としては、例えば、自動車のラジエータ、ヒーターユニット、燃料供給系等において用いられるホースや、チューブ、或いは、配管等が挙げられ、それ以外の箇所に配置される管体の接続にも用いることができる。なお、例えば、図5の想像線で示すように、第1管体1の外周に、第1管体とは別体の管体3(ホースやチューブ等)を装着し、第1管体1を介して、前記別体の管体3と第2管体2とを接続させてもよい。
【0022】
そして、コネクタ10は、一端が第2管体2を接続するための接続部21をなし、他端が第1管体1の挿入部23をなす管状のボディ20と、このボディ20の挿入部23内の奥方に配置されると共に、その内周に第1管体1が挿通されて、第1管体1の外周とボディ20の内周とをシールするOリング60と、前記ボディ20の挿入部23内の、Oリング60よりも開口23a側に配置され、Oリング60の開口23a側への移動を規制すると共に、第1管体1の環状突部1aに係合して抜け止めさせるリテーナ40とを備えている。
【0023】
図1及び図4に示すように、前記ボディ20は、所定長さで伸びると共に軸方向両端が開口した略円管状に形成され、その一端の接続部21の外周に環状リブ21aが所定間隔で複数突設されて滑り止めをなし、この接続部21の外周に第2管体2(図4及び図5参照)が外挿されて接続されるようになっている。また、ボディ20の他端内部には、開口23aから所定距離で前記挿入部23が形成され、この挿入部23内に第1管体1が挿入されるようになっている(図5参照)。
【0024】
図4及び図5に示すように、ボディ20の内部形状は、挿入部23の開口23a側から段階的に縮径した形状をなしている。すなわち、ボディ20の挿入部23の奥方に、挿入部23の内径よりも縮径し、前記Oリング60が配置されるOリング配置部25が形成され、このOリング配置部25の更に奥方に、Oリング配置部25の内径よりも縮径し、前記第1管体1の先端部が挿入される管体挿入部27が形成されている。
【0025】
また、図1及び図3(b)に示すように、挿入部23の内周の対向した位置に、開口23aから前記Oリング配置部25に至る長さで、軸方向に沿って伸びるリブ29,29が突設されている。図3(b)に示すように、各リブ29の一方の外側面29aは、ボディ20の軸心C1に向けて半径方向に伸び、他方の外側面29bは、ボディ20の内径方向に向けてリブ29を次第に幅狭とするテーパ状をなしている。
【0026】
更に、図1に示すように、ボディ20の他端外周には、ボディ20の周方向に沿って、挿入部23に連通する開口部31が形成されている。この実施形態では、ボディ20の他端開口23aから軸方向に所定間隔離れた位置であって、かつ、前記リブ29,29の間に、一対の開口部31,31が対向して形成されている。各開口部31は、一方のリブ29の外側面29aから、他方のリブ29の外側面29bよりも、やや手前側に至る長さで延設されている(図1参照)。
【0027】
上記ボディ20の挿入部23内に配置されるリテーナ40は、本体部41と係合片47とを有している。前記本体部41は、前記ボディ20の挿入部23の内径にほぼ適合する外径で環状に形成され、図5に示すようにボディ20の挿入部23に配置され、それよりも奥方のOリング配置部25に配置されたOリング60の移動を規制する部分となっている。また、本体部41の外周の対向する部分には、各前記ボディ20の挿入部23内に突設されたリブ29,29が挿入される、ガイド溝43,43がそれぞれ形成されている。各ガイド溝43の内側面は、前記ガイド溝43に適合した形状をなしている。すなわち、図3(a)に示すように、各ガイド溝43の一方の内側面43aは、本体部41の軸心C2に向けて半径方向に伸び、他方の内側面43bは、本体部41の外径方向に向けてガイド溝43を次第に拡開させるテーパ状をなしている。
【0028】
一方、前記係合片47は、その基端部49の側部が前記本体部41のOリング60とは反対側の端面に連結されると共に、本体部41との間に形成された周方向のスリット45(図1及び図4参照)を介して、前記基端部49から環状の本体部41の周方向に沿って円弧状に延出され、リテーナ40の外方及び内方に撓み可能とされている。
【0029】
この実施形態では、本体部41のOリング60とは反対側の端面の周方向2箇所に、一対の係合片47,47の基端部49が連結されて、各係合片47,47が周方向に沿って同方向に円弧状に延出されている。具体的には、図1及び図3(a)に示すように、本体部41のガイド溝43,43に隣接した位置に、係合片47の基端部49,49が連結されると共に、先端部51,51が本体部41の周方向に対向した位置となるように延設されている。なお、前記係合片47の、リテーナ40の軸方向に沿った幅は、前記ボディ20の開口部31の幅にほぼ適合した大きさとされている。
【0030】
そして、各係合片47の先端部51の内周には、前記第1管体1の環状突部1aに係合する係合爪53が形成されている。係合爪53の本体部41とは反対側の側面53aは、本体部41側に向かって次第に内方に突出するテーパ状をなしている。
【0031】
また、図3(a)に示すように、係合片47の先端部51は、その外周面51aが、本体部41の周面から接線方向に延出して突出する形状をなしていると共に、先端面51bが、リテーナ40の半径方向に沿った面をなしている。なお、図1及び図4に示すように、先端部51の先端面51bには筋状の溝が形成されており、先端部51を介して、係合片47を撓ませるときの滑り止めをなしている。
【0032】
そして、図2及び図6に示すように、リテーナ40の本体部41をボディ20の挿入部23に配置したとき、係合片47の先端部51がボディ20の開口部31に挿入配置されて、リテーナ40を抜け止めすると共に、開口部31に指等を挿入して先端部51を押圧しながら外方に引き寄せることにより、ボディ20の外側から係合片47を外方に撓ませることができるようになっている。なお、係合片47の先端部51は、ボディ20の開口部31の外周から外方に突出する高さで形成されていることが好ましく、この実施形態では開口部31の外周から外方に突出する高さとされている。
【0033】
また、前記係合片47の基端部49から先端部51に至る途中部分55の、リテーナ40の軸心C2に対する外周半径R2(図3(a)参照)は、前記ボディ20の挿入部23の、軸心C1に対する内周半径R1(図3(b)参照)よりも若干大きく形成されている。したがって、リテーナ40の本体部41をボディ20の挿入部23に配置して、係合片47の先端部51がボディ20の開口部31に挿入されたとき、図6に示すように、係合片47の途中部分55が、開口部31の内側面31aに若干ラップする、言い換えると、途中部分55の外周の一部が開口部31に入り込むようになっている。
【0034】
なお、この実施形態では、係合片47の途中部分55の、リテーナ40の軸心C2に対する外周半径R2を、ボディ20の挿入部23の、軸心C1に対する内周半径R1よりも若干大きく形成したが(図3(a),(b)参照)、係合片47の途中部分55の、リテーナ40の軸心C2に対する外周半径R2を、ボディ20の挿入部23の、軸心C1に対する内周半径R1よりも若干小さく形成してもよい。
【0035】
次に上記構成からなるコネクタ10の作用効果について説明する。
【0036】
まず、ボディ20の他端開口23aから挿入部23内にOリング60を挿入していき、挿入部23の奥方のOリング配置部25にOリング60を配置する。その後、ボディ20のリブ29,29に、リテーナ40のガイド溝43,43を整合させ、リテーナ40の本体部41をボディ20の挿入部23内に差し込む。すると、ガイド溝43にリブ29が挿入されて、リテーナ40が回り止される。
【0037】
その状態で、一対の係合片47,47をリテーナ40の内方に撓み変形させて、その先端部51をボディ20の挿入部23内に挿入し、ガイド溝43内に挿入されたリブ29により、リテーナ40をガイドしながら押し込んでいく。
【0038】
このとき、この実施形態では、係合片47の先端部51の外周面51aが、本体部41の周面から接線方向に延出して突出した形状をなしているので、リテーナ40をボディ20の挿入部23内に挿入するときに、係合片47の内方への撓み量を少なくして挿入作業を容易にすることができる。
【0039】
そして、係合片47がボディ20の開口部31に至ると、撓んだ状態の係合片47が弾性復帰し、係合片47の途中部分55が開口部31の内側面31aに若干ラップしつつ、先端部51が開口部31内に挿入され、開口部31の外周から若干突出した状態となる。その結果、リテーナ40自身が抜け止めされると共に、Oリング60もリテーナ40の本体部41によって抜け止めされ、リテーナ40をボディ20の挿入部23内に装着することができる(図2及び図6参照)。
【0040】
上記のように、このコネクタ10においては、リテーナ40の本体部41によって、Oリング60の軸方向移動を規制してボディ20内に抜け止めすることができるので、上記特許文献1のコネクタのように、Oリングを抜け止めするためのストッパ等の部材を別途設ける必要がなくなり、部品点数を減少させて、製造コストを低減することができる。
【0041】
また、上述したボディ20へのリテーナ40の装着に際し、この実施形態では、ボディ20の挿入部23内にリブ29が突設され、リテーナ40の本体部41外周にガイド溝43が形成されているので、リテーナ40のガイド溝43にボディ20のリブ29を整合させて、リテーナ40を挿入部23に押し込むことで、リテーナ40の回転を防止して、ボディ20の開口部31,31に、リテーナ40の係合片47,47を正確に位置決めしつつ、ガイド溝43内をリブ29が摺動して、リテーナ40の押し込み作業をガイドすることができ、リテーナ40をボディ20にスムーズかつ正確に装着することができる。
【0042】
そして、第1管体1と第2管体2との接続に際しては、ボディ20の接続部21の外周に第2管体2の端部を外挿して、第2管体2の内周に環状リブ21aを食い込ませ、接続部21に第2管体2を接続する。なお、第2管体2のボディ20への接続は、ボディ20に第1管体1を係合させた後に行ってもよい。
【0043】
次いで、ボディ20の挿入部23内に、第1管体1を挿入する。すると、第1管体1の環状突部1aが、係合爪53のテーパ状の内側面53aを押圧して、一対の係合片47,47を外方に撓み変形させ、係合爪53が環状突部1aを乗り越えると、各係合片47が弾性復帰して、環状突部1aに係合爪53が係合し、第1管体1が抜け止めされた状態でボディ20に接続される(図5参照)。それと共に、第1管体1の先端部が、Oリング60の内周に挿通されて、ボディ20の管体挿入部27内に挿入されて、第1管体1の先端部外周とボディ20の内周とが、Oリング60によってシールされる。このようにして、ボディ20の挿入部23に第1管体1を挿入するだけの簡単な操作で、第1管体1と第2管体2とを、コネクタ10を介してワンタッチで接続することができる。
【0044】
また、このコネクタ10においては、図2及び図6に示すように、リテーナ40の本体部41をボディ20の挿入部23に配置したとき、係合片47の先端部51がボディ20の開口部31に挿入配置されているので、ボディ20の外側から開口部31を通して、係合片47の先端部51を触ることができるようになっている。
【0045】
そのため、第1管体1と第2管体2とを分離させたい場合には、ボディ20の開口部31に挿入された係合片47の、先端部51の先端面51bを指等で押圧して、図6の想像線で示すように、係合片47を外方に撓ませることにより、第1管体1の環状突部1aと、リテーナ40の係合爪53との係合を解除することができるので、その状態で第1管体1をボディ20の挿入部23から引き抜くことにより、第1管体1と第2管体2との接続を解除して分離することができる。このとき、リテーナ40のガイド溝43にボディ20のリブ29が挿入されて、リテーナ40が回り止めされているので、係合片47を確実に外方に撓ませることができる。
【0046】
そして、このコネクタ10においては、リテーナ40がボディ20の挿入部23内に配置され、その係合片47の先端部51が、ボディ20に設けられた開口部31に挿入されるようになっている。そして、係合片47を外方に撓ませる際には、開口部31に指を挿入してリテーナ40の先端部51を押すことができるので、リテーナ40の先端部51をボディ20の外周から大きく突出させる必要がなく、コネクタ10の外径を小さくすることができ、コンパクトな構造にすることができる。その結果、コネクタ10の設置箇所やレイアウト等の自由度を高めることが可能で、使い勝手のよいコネクタ10を提供することができる。
【0047】
また、リテーナ40の係合片47は、本体部41の端面に、基端部49の側部が連結され、本体部41の周方向に沿って円弧状に延出された形状をなすので、係合片が軸方向に伸びた構造のものに比べると、リテーナ40の軸方向長さを短くして、コネクタ10の全長を短くすることができる。
【0048】
更に、この実施形態では、リテーナ40の周方向に対向した位置に、一対の係合片47,47が設けられているので、第1管体1の環状突部1aに、これらの係合片47,47を係合させて、第1管体1をバランスよく抜け止めすることができると共に、係合片47の先端部51を指等で押して、係合片47を外方に撓ませるとき(図6参照)、個々の係合片47の係合爪53が、環状突部1aから外れる程度に撓ませればよく、各係合片47の撓み量をなるべく少なくして、係合解除を容易に行うことができる。また、各係合片47の撓み量が少なくてすむので、周囲のスペースを広くとる必要がなく、様々な箇所に適用することができる。
【0049】
また、この実施形態では、図6に示すように、リテーナ40の本体部41をボディ20の挿入部23に配置して、係合片47の先端部51がボディ20の開口部31に挿入されたとき、係合片47の途中部分55が、開口部31の内側面31aにラップするようになっているので、係合片47が、ボディ20の開口部31の内側面31aに広い範囲で係合して、第1管体1の抜け止め力を高めることができると共に、リテーナ40の係合片47とボディ20とを厚さ方向にラップさせて、コネクタ10をよりコンパクトにすることができる。
【0050】
更に、この実施形態では、図3(a)に示すように、係合片47の先端部51は、その外周面51aが、本体部41の周面から接線方向に延出して突出する形状をなし、その先端面51bが、ボディ20の半径方向に沿った面をなしているので、指等で押しやすくなり、係合片47を容易に外方に撓ませることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 第1管体
1a 環状突部
2 第2管体
10 コネクタ
20 ボディ
21 接続部
23 挿入部
23a 開口
31 開口部
31a 内側面
40 リテーナ
41 本体部
43 ガイド溝
45 スリット
47 係合片
49 基端部
51 先端部
51a 外周面
51b 先端面
53 係合爪
55 途中部分
60 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に環状突部が形成された第1管体と、ホース等からなる第2管体とを接続するためのコネクタであって、
一端が前記第2管体を接続するための接続部をなし、他端が前記第1管体の挿入部をなす管状のボディと、
前記ボディの前記挿入部内の奥方に配置され、前記第1管体が挿通されて前記第1管体外周と前記ボディ内周とをシールするOリングと、
前記ボディの前記挿入部内の前記Oリングよりも開口側に配置され、前記Oリングの開口側への移動を規制すると共に、前記第1管体の環状突部に係合して抜け止めさせるリテーナとを備え、
前記リテーナは、前記Oリングの移動を規制する環状の本体部と、該本体部の前記Oリングとは反対側の端面に基端部の側部を連結されると共に、前記本体部との間に形成された周方向のスリットを介して前記基端部から前記本体部の周方向に沿って円弧状に延出され、先端部に前記第1管体の環状突部に係合する係合爪が形成された係合片とを有し、
前記ボディには、前記リテーナを前記挿入部内に配置したとき、前記係合片が位置する部分に周方向に沿った開口部が形成されており、この開口部に前記リテーナの前記係合片の先端部が挿入され、前記ボディの外側から前記係合片を外方に撓ませることが可能とされていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記リテーナの前記本体部の前記Oリングとは反対側の端面には、周方向2箇所に基端部を連結されて、前記本体部の周方向に沿って円弧状に延出された2つの係合片が設けられている請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ボディの挿入部内には、軸方向に沿ってリブが突設され、前記リテーナの本体部の外周には、前記リブが挿入されるガイド溝が形成されている請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記係合片の前記先端部に至る途中の部分が、前記ボディの軸方向に見たとき、前記ボディの開口部の内側面とラップするように、該開口部に挿入されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記リテーナの前記係止片の先端部は、その外周面が前記本体部の周面から接線方向に延出すると共に、その先端面が半径方向に沿った面をなしている請求項1〜4のいずれか1つに記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−225486(P2012−225486A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96159(P2011−96159)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000124096)株式会社パイオラックス (331)
【Fターム(参考)】