説明

コロナ騒音モニタ装置、コロナ騒音監視システム及びコロナ騒音監視方法

【課題】 簡単な構造で製造コストを抑制すると共に、遠隔地において容易に送電線の状態を監視することができるコロナ騒音監視システム及び、このコロナ騒音監視システムを使用したコロナ騒音監視方法を提供すること。
【解決手段】 この発明のコロナ騒音監視システム100は、コロナ騒音モニタ装置10とコロナ騒音監視装置40と、それらを結ぶ公衆電話回線Cとから構成されている。コロナ騒音を含む音波の周波数は低周波数に変換されて公衆電話回線Cにより送信され、受信された後標準速度で再生される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送電鉄塔に配設された碍子の汚損状態等を監視するために用いられるコロナ騒音モニタ装置、該コロナ騒音モニタ装置を用いて碍子の汚損状態等を遠隔地で監視するコロナ騒音監視システム及びコロナ騒音監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
送電線の絶縁部位に使用されている碍子は、大気中に浮遊する海塩粒子や塵埃が付着し易い状態に曝されている。これらの汚染物質が付着した状態で、高湿度、霧、小雨などの気象条件によって湿潤すると、コロナ放電が発生して、光と音とを発生する。このような音及び光は、地域住民の騒音苦情の原因となるため、このような騒音苦情の原因となる碍子は、汚損の程度に応じて、定期的又は不定期的に碍子を洗浄する必要がある。
【0003】
ここで、このような碍子の汚損程度を把握するコロナ騒音監視システムとして、送電線の周囲に生じた騒音を集音するマイクと、集音された騒音を記録する記録部とを鉄塔上に設けたものが知られている。
【0004】
このようなコロナ騒音監視システムでは、監視者が所定期間ごとに鉄塔に登って又は鉄塔の近傍での無線LANにより、記録部に記録された騒音の記録をパソコン等に入力している。
【0005】
しかしながら、このようなコロナ騒音監視システムでは、所定期間ごとに監視者が鉄塔に登ったり、鉄塔近傍にまで行かなくてはならず、遠隔地で監視することができずに監視者の作業負担が大きくなって、監視の効率が悪くなるという問題があった。
【0006】
また、遠隔の地から碍子の汚損状態を判別できる碍子汚損判別装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この碍子汚損判別装置では、碍子騒音の波形を測定するセンサと、この波形を非汚損碍子の波形と比較する波形比較回路と、波形が異常のときに送信信号を出力するCPUと、波形を送信する送信機とを有する波形記録器とが送電線鉄塔に取り付けられている。また、監視所には、この送電鉄塔から送信された情報としての波形を受診する受信機と、波形内の特定の周波数の騒音を非汚損碍子の波形と比較する騒音比較回路と、比較差が所定の値以上のときに表示信号を出力するCPUと、比較結果を表示するディスプレイとが設けられている。
【0007】
このような碍子汚損判別装置によれば、波形記録器により、波形が異常のときに波形データが監視所に送信される。監視所では、送信された波形データに基づいて、特定の周波数における騒音が非汚染碍子の波形と比較される。この比較差が所定値以上のときに碍子の汚損が自動通報される。
【特許文献1】特開平10−197326号公報(第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の碍子汚損判別装置では、センサによって集音された騒音は波形データと比較されてから監視所に送信されるので、鉄塔に配備される波形記録器には、異常の有無を判定する装置が必要となる。このような異常の有無を判定する装置を含む波形記録器では、装置の構造が複雑となり、また、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
【0009】
また、本発明者等の検討によれば、送信機として、簡易に入手できる携帯電話やPHS等の携帯端末を用いる場合には、送信の際の通信路における雑音により、全周波の波形に基づく計測では、碍子から発生する騒音と虫の鳴き声や住宅地近傍で発生する様々な暗騒音との区別がつきにくく、正確な判別が困難となる場合が生じるという問題があった。
【0010】
一方、鉄塔近傍まで集音に行く場合には、監視者の作業負担が大きくなって、監視の効率が悪くなるという問題があった。
【0011】
そこで、この発明は、簡単な構造で製造コストを抑制すると共に、遠隔地において容易に送電線の状態を監視することができるコロナ騒音監視システム及び、このコロナ騒音監視システムを使用したコロナ騒音監視方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明者等は、鉄塔に配備される波形記録器の構造を簡略化させる手段として、碍子が取り付けられた送電鉄塔周辺で集音された音(音波)を汎用機器である携帯電話端末やPHS(簡易型形態電話システム)を用いた公衆電話回線網により中央の管理室等に伝送すれば、システム全体としてのコストを抑えられることができるのではないかと考えた。
【0013】
しかしながら、実験によれば、このような公衆電話回線網により伝送された場合には、コロナ放電音(以下、コロナ騒音という。)の特徴音が喪失するために判別が困難となり、実用に供しないことを認めた。
【0014】
そこで、本発明者等は、スピードが切り替えられるテープレコーダを用意し、碍子近傍で発生するコロナ騒音を標準速度で一時的に記録して、記録されたコロナ騒音を低速で再生することによりコロナ騒音の周波数を低減させた状態で公衆電話回線網を利用して伝送すれば、コロナ騒音に基づく特徴量を正確に伝送できることを見出した。そして、その理由は、周辺住民の苦情も予想される住宅地の近辺に配設された鉄塔付近で発生するコロナ騒音をモデルとして、次のとおり説明された。
【0015】
先ず、このような住宅地周辺に配設された送電鉄塔の碍子付近に録音装置を敷設して集音した。その結果、コロナ放電に基づくコロナ騒音を含む音波のスペクトルの典型的な一例を図8にを示す。この図において、コロナ騒音の特徴量は、3KHz〜10KHz付近のピークに分布し、野鳥の声などはこの帯域で重複して観測されるが、他の暗騒音の多くは5KHz未満である。
【0016】
一方、市販のPHS端末により送信してPHS端末により受信した場合の通信路を含む簡易型形態電話システム(PHS)の伝達特性を図9示す。このPHSの伝達特性を表すスペクトルによれば、1KHz〜3.5KHz付近の間では、PHSの伝達特性がフラットであり、かつ、伝達損失が最も軽減されているが、肉声を主体として送信することを前提として開発されたPHSなどの公衆電話回線網では、3.5KHzを超える音波の送信には適応しないように設定されている。
【0017】
それ故、図8に示すようなコロナ騒音を含む波形の音波をPHSで伝送すると、受信側(監視側)で再生される音波は、図10に示すようなる。この図10において、波線(斜線)がPHSの伝送により損失した部分であり、1KHz〜3.5KHz付近の音波はほぼ正確な形で再生されるが、1KHzよりも周波数の低い波形は低減され、3.5KHz以上、特には5KHz以上の波形が切り取られる。したがって、3KHz〜10KHzに特徴量があるコロナ騒音をPHSにより送信したのでは、暗騒音に隠れてコロナ放電に基づく騒音を耳で判別することが実質的に困難となる。
【0018】
そこで、本発明者等は、マイクロフォンで集音された音波の周波数fを1/3に変換させてコロナ騒音の特徴量が1〜3.5KHz近辺になるように低周波数変換を行った(図11参照。)。そして、このような低周波数変換は、簡易にはテープレコーダでの記録速度又は再生速度を調整することにより容易に行える。
【0019】
ここで、テープレコーダでの記録・再生に代えて、例えば、アナログ情報をデジタル情報に変換すれば、コンピュータなどによる制御で、周波数変換することもできる。この場合、必要に応じてA/D変換,D/A変換を組み合わせればよい。
【0020】
これにより、標準速度に対して、1/3の速度で再生された音波をPHSにより伝送すれば、図12に示すような波形が得られる。ついで、同様にテープレコーダの録音・再生の速度を変更させて、3倍の速度で再生することにより、図13に示す波形の音波が得られる。
【0021】
この図13において、波線(斜線)がPHSの伝送により損失した部分であり、この図13から明らかなように、以上のような操作により伝送された音波では、10.5KHzを超えるコロナ騒音を判別するための不要音波は欠落している。また、1KHzよりも低い住宅地近傍で発生する暗騒音に基づく音波は相対的に低減される。これに対して、コロナ騒音の特徴量である3KHz〜10KHzの音波はほぼ正確に送信されている。
【0022】
ここで、3KHz〜10KHzの音波には野鳥の声も含まれるが、監視者は、コロナ騒音と野鳥の声とを容易に聞き分けることができる。
【0023】
これにより、このような波形の音波を監視者が聞くことにより、その音波中にコロナ騒音が含まれるか否かの判断が確実に行え、PHSによる公衆電話回線網を利用してコロナ騒音を含む音波を送信しても、コロナ騒音に基づく特徴量が伝送可能であり、暗騒音や不要音が削除されることにより聞き取りが一層容易となることを認めた。
【0024】
すなわち、本発明は、碍子から発生するコロナ騒音を含む音波の周波数を低周波数に変換して再生する周波数変換再生装置及び公衆電話回線網により前記周波数変換再生装置により再生された音波又は音波に基づく信号情報を遠隔の地に送信する送信機を含み、該送信機は、指令により前記送信を開始し、指令により又は所定時間経過後に前記送信を切断するスイッチ手段を備えていることを特徴とするコロナ騒音モニタ装置である。
【0025】
また、本発明は、上述のコロナ騒音モニタ装置及び該コロナ騒音モニタ装置から公衆回線を利用して送信された音波に基づく信号情報を受信する受信機及び、該受信機により受信された音波又は音波に基づく信号情報を電気信号に変換して該電気信号を音波情報の周波数を元の周波数に復元して変換して再生する周波数復元再生装置を含んで構成され、前記コロナ騒音モニタ装置は複数の送電鉄塔又は送電鉄塔周辺にそれぞれ配設されることを特徴とするコロナ騒音監視システムである。
【0026】
ここで、このコロナ騒音監視システムは、受信した音波又は音波に基づく音波情報を記録する記録部と、受信した音波又は音波に基づく音波情報が所定値以上の場合に、その旨報知する報知手段を備えていることが好ましい。
【0027】
また、本発明は、上述のコロナ騒音監視システムを用い、公衆回線を利用して各コロナ騒音モニタ装置に順次アクセスし、送信機に送信開始指令を発信してコロナ騒音モニタ装置を駆動させて低周波に変換されたコロナ騒音を受信機に向けて順次送信させることにより複数の送電鉄塔により発生するコロナ騒音の発生状況を集中して管理することを特徴とするコロナ騒音監視方法である。
【0028】
以上の発明によれば、各送電鉄塔に配設されたコロナ騒音モニタ装置から公衆回線を利用して各送電鉄塔またはその周辺の音波情報が低周波数に変換されて受信機に受信される。この受信された音波又音波に基づく信号情報は周波数復元再生装置により元の周波数に復元されて再生される。これにより、公衆回線を利用して5〜10kHzに特徴量を有する音波信号を送信しても、信頼性のある情報を送信することができるので、送電鉄塔付近でのコロナ騒音の有無を正確に把握することができる。これにより、簡単な構造で製造コストを抑制することができると共に、遠隔の場所で確実に送電線設備の状態や周囲の様子を監視することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、簡単な構造で製造コストを抑制すると共に、遠隔地において容易に送電線の状態を監視することができるコロナ騒音監視システム及び、このコロナ騒音監視システムを使用したコロナ騒音監視方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。
【0031】
まず、図1は、本発明に係るコロナ騒音監視システム100の概要を把握するための概念図であり、図2は、コロナ騒音監視システム100の全体構成図である。
【0032】
このコロナ騒音監視システム100は、図2に示すように、支持碍子Gを介して高圧送電線などの架空線Sが各鉄塔T間を牽引されている。それぞれの鉄塔Tには、コロナ騒音モニタ装置10が取り付けられ、鉄塔Tから離れた場所にある監視所Kには、各鉄塔Tに取り付けられたコロナ騒音モニタ装置10からの情報を集中して収集するためのコロナ騒音監視装置40が設けられている。各コロナ騒音モニタ装置10とコロナ騒音監視装置40とは、PHS(簡易型形態電話システム)などの公衆電話回線網Cを介してそれぞれ接続され、コロナ騒音モニタ装置10は、ソーラーパネルなどの大陽電池システムにより必要な長期間の電源が確保されている。
【0033】
図1に示すように、送信側(モニタ側)であるコロナ騒音モニタ装置10は、コロナ騒音を含む周囲の騒音(音波又は音響)を広く集音して取り込む全天候型のマイクロフォン(例えば、ダイナミック型マイクロフォン)11と、このマイクロフォン11に接続されたマイクアンプリファイア(アンプ)12と、このアンプ12に接続された音声サンプリング周波数可変装置13と、この音声サンプリング可変装置13の出力側に接続された簡易型形態電話システム(通称PHS)の端末(PHS端末)14とから大略構成されている。
【0034】
一方、コロナ騒音監視装置40は、簡易型形態電話システム(通称PHS)の端末(PHS端末)41と、このPHS端末41に接続された音声サンプリング周波数可変装置42と、この音声サンプリング周波数可変装置42の出力側に接続されたマイクアンプリファイア(アンプ)43と、このアンプ43に接続されたスピーカ44とから大略構成されている。
【0035】
また、コロナ騒音モニタ装置10とコロナ騒音監視装置40とは、公衆電話回線網Cを介して接続されている。
【0036】
この公衆電話回線網Cとは、有線又は無線による電話回線網を含む。これにより、この実施例では、コロナ騒音モニタ装置10は、指令により送信機としてのPHS端末14と受信機としてのPHS端末41との間で送信又は送受信を開始することにより、モニタ結果をコロナ騒音監視装置40へ送信することができ、指令により又は所定時間経過後に不図示の切断手段を備えることにより、PHS端末14とPHS端末41との間で送信又は送受信停止することができる。
【0037】
ここで、指令とは、PHS端末41からの呼び出し音を含む指令信号のみならず、その他の指令を含むことができる。その他の指令とは、後述する濡れセンサなどの各種センサによる指令を含む。これにより、PHS端末41からの呼び出し音に応答してPHS端末14,41間の送受信を開始したり、PHS端末14からPHS端末41へ向けて送受信を開始することができる。
【0038】
例えば、一実施例のコロナ騒音モニタ装置10は、図3に示すように、全天候型のマイク11にマイクアンプ(アンプ12)を介して音声サンプリング周波数可変装置13が接続され、その出力側にはPHS端末14が接続されている。
【0039】
このPHS端末14の受発信ボタンを操作可能に、ソレノイドなどを利用した操作ボタン1が設けられ、この操作ボタン1は、ボタン制御回路2の指示により受発信ボタンを押し込むことにより、PHS端末14の受発信のオンオフ制御が行える。
【0040】
ここで、このボタン制御回路2は、PHS端末14に接続された着信音検出回路3及び濡れセンサ4に接続された濡れ検出回路5に接続されている。
【0041】
これにより、着信音検出回路3が、PHS端末14の着信音を検出したときにボタン制御回路2の指令によりソレノイド(不図示)が作動して、PHS端末14の受発信ボタンが押し込まれてPHS端末41からの呼びかけに応答したPHS端末14,41間の送受信(通話)が可能となる。
【0042】
なお、送受信の開始は、その他の指令信号でボタン制御回路2が作動して、自動ダイヤルボタンなどをソレノイドが押し込むことにより、PHS端末14側からPHS端末41側へ向けてダイヤル通話を開始して送受信を開始する場合もある。
【0043】
例えば、この実施例の図3では、濡れセンサ4が所定の濡れ(湿潤)を感知した場合には、同様にボタン制御回路2の指令によりソレノイド(不図示)が作動する。この場合は、PHS端末14からPHS端末41へ向けての呼び出し操作であり、PHS端末41は、このPHS端末14からの呼び出し操作に応答することによりPHS端末14,41間の送受信(通話)が可能となる。
【0044】
通話の切断は、所定時間(例えば、1〜3分程度)経過後に自動的にソレノイド(不図示)が切断ボタンを押し込むようにしてもよく、また、PHS端末41を通じて特定の信号(例えば、暗号化されたトーン信号)を受信した場合にPHS端末14の通話を解除するように構成してもよい。
【0045】
つぎにこのように構成されたコロナ騒音監視システム100の作用について、ソフトウエアにより管理される音声サンプリングの制御の一例を示す図4を用いつつ説明する。
【0046】
先ず、監視者側からPHS端末41を介して公衆電話回線Cを利用してPHS端末14を呼び出す。この呼び出し音に基づき、着信検出回路3がボタン制御回路2に受信開始の指令を出す。受信指令によりボタン制御回路2は、ソレノイドを作動させてPHS端末14の受発信ボタンを押圧することにより、PHS端末14、41間での通信(通話)が開始される。
【0047】
誤動作を防ぐための適宜な操作を行うこともよい。例えば、一定レベル以上のパルス(呼び出し音に相当)を所定回数検出した場合にボタン制御回路2が作動させるように設定してもよい。また、接続後に、所定のトーン信号を受信した場合のみ操作が継続されるように設定し、他の場合には直ちに切断するように設定してもよい。
【0048】
コロナ騒音を含む鉄塔付近の騒音は、マイクロフォン11により集音され、電気信号に変換された後にアンプ12で増幅されて音声サンプリング周波数可変装置13に入力される。音声サンプリング周辺可変装置13では、騒音は標準速度で録音されて所定のタイミングで低速で再生されて出力される。
【0049】
この動作のタイミングの一実施例は、図4に示されている。この図において、通信開始後、送信側であるモニタ側では、周期T1内の動作を通信終了まで自動的に繰り返す。標準周波数であるfsでマイクロフォン11により集音された音波は、アンプ12で増幅された後、所定時間(実施例では8秒間)、標準速度で録音される。この間、標準周波数であるfsの騒音がPHS端末14を介してリアルタイムで送信され、公衆電話回線網Cを介してPHS端末41により受信される。
【0050】
所定時間の録音が終了後、直ちに所定のトーン信号(例えば、1KHz;1秒間)がPHS端末14に向けて出力され、その後、標準周波数fsで記録された音波は、周波数を1/nに低減(周波数=fs/n)して再生される。ここで、上記式中のnは、2〜4の範囲内であり、3前後が好ましく、この実施例ではnは3である。これにより、この実施例での再生は、各24秒間が2回繰り返して再生されている。
【0051】
ここで、コロナモニタ装置10が所定時間で送受信を切断するように設定されている場合には、周期T1の動作終了後に端末14,41間の送受信を終了させる。そして、この実施例では、周期T1の動作終了後の約1分弱で一回の端末14,41間の送受信を終了させている。
【0052】
また、コロナモニタ装置10が指令により送受信を切断するように設定されている場合には、この周期T1の動作を繰り返し行う。
【0053】
一方、この送受信の間に、これらの再生された低速再生音波(fs/n)は、PHS端末14から公衆電話回線網Cを介してPHS端末41により受信される。
【0054】
受信側である監視側では、まず、標準周波数fsでリアルタイムで送信されてくる音を聞く(モニタする)ことにより装置が正常に作動していることを確認することができる。
【0055】
ついで、トーン信号(1KHz、1秒間)を受信すると録音を開始する。この録音開始は手動でも、自動でもよい。受信された音波情報は、そのまま音声サンプリング周波数可変装置42に入力されて低速で録音される。この録音時間は、この実施例では24秒間である。
【0056】
ついで、この録音された音は、標準速度で再生される。この再生は、実施例では各8秒間の3回の繰り返しである。アンプ43により増幅されてスピーカ44で再生することにより、コロナ騒音としての特徴音である5KHz〜10KHzを含む音がほぼそのまま、又は強調されて再生される。
【0057】
これにより、監視者は、送電鉄塔とは遠隔の地にいながら、送電鉄塔でコロナ放電が発生した場合にその特徴的な騒音を聞き取ることができる。
【0058】
また、コロナモニタ装置10が指令により送受信を切断するように設定されている場合には、手動又は自動リセットを行うことにより、監視側では、再び周期T2内の動作を行うことができるようにスタンバイの状態となる。コロナモニタ装置10が周期T1の動作を繰り返し実行しているので、コロナ騒音監視装置40は、トーン信号(1KHz、1秒間)を受信すると録音を開始し、以降の動作を上述と同様に繰り返す。その後、PHS端末14,41間の送受信の切断指令を出して、送受信を切断する。
【0059】
これにより、所定時間経過後または指令によりPHS端末14、41間の送受信が切断されて、中央のコロナ騒音監視装置40により鉄塔に装備された一つの端末であるコロナ騒音モニタ装置10のコロナ騒音モニタ作業が終了し、必要に応じて次のコロナ騒音モニタ装置10のモニタ作業を繰り返す。
【0060】
以上説明したように、本発明のコロナ騒音監視システム100によれば、コロナ監視装置40へは、公衆回線を利用して5〜10kHzに特徴量を有する音波信号を送信しても、信頼性のある情報を送信することができるので、送電鉄塔付近でのコロナ騒音の有無を正確に把握することができる。これにより、簡単な構造で製造コストを抑制することができると共に、遠隔の場所で確実に送電線設備の状態や周囲の様子を監視することができる。
【0061】
次に、音声サンプリング周波数可変装置13の変形例について図面に基づき説明する。
【0062】
図5に示す音声サンプリング周波数可変装置13では、10ビットA/D変換器を内蔵した制御部15と、制御部15に接続されたアドレス生成回路16と、アドレス生成回路16及び制御部15に接続されたSRAMなどのメモリ17と、制御部15に接続された10ビットD/A変換部18とから大略構成され、この実施例では、D/A変換部18に接続されてフィルタ19が設けられている。ここで、制御部15としては、例えば、アトメル社製の10ビットA/D変換器内蔵CPUが用いられる。
【0063】
これにより、マイクロフォン11により集音された碍子から発生するコロナ騒音を含む音波はアンプ12により増幅された後に制御部15に入力される。制御部15では電気信号をA/D変換してデジタル音波情報とし、ついでアドレス生成回路16により生成されたアドレスを付してメモリ(記録部)17に記録する。この記録されたデジタル音波情報の一部又は全部はプログラム又は指令により、所定のタイミングで逐次的にD/A変換部18に入力されて低周波数のアナログ音波情報に変換して出力する。この出力情報はフィルタ19によりD/A変換などに伴う不要なノイズがカットされて出力される。
【0064】
このような制御部15によれば、制御部15から32KHz以下の任意のサンプリング周波数で音波情報の取り込みとD/A変換部18への出力が可能であるので、コロナ騒音を確実に処理できる。
【0065】
また、図6では、コロナ騒音モニタ装置10は、マイクロフォン11、アンプ12,A/D変換器20,メモリ21、低速再生回路22及びPHS端末14とから大略構成され、マイクロフォン11はアンプ12を介してA/D変換器20が接続され、このA/D変換器20により出力されたデジタル音波情報はメモリ21に記憶される。また、このメモリ21は低速再生回路22に接続され、この低速再生回路22は、PHS端末14を介して入力される所定の信号(暗号化されたトーン信号など)により、所定のタイミングでメモリ21に記憶された音波情報を低速に再生してPHS端末14へ出力する。
【0066】
一方、コロナ騒音監視装置40は、PHS端末41、A/D変換器45、メモリ46、標準速度再生回路47、アンプ43及びスピーカ44とから大略構成され、PHS端末41はA/D変換器45を介してメモり46に接続され、このメモリ46は標準速度再生回路47及びアンプ43を介してスピーカ44に接続されている。これにより、PHS端末41により受診された音波は、A/DA変換器45によりデジタル音波情報として出力され、メモリ46に記憶される。標準速度再生回路47は、オペレータの指示又は所定のタイミングでメモり46に記憶された音波情報を標準速度で再生し、アンプ43を介してスピーカ44で再生する。
【0067】
また、図7に示す音声サンプリング周波数可変装置13では、10ビットA/D変換器23、CPUを内蔵した制御部24、メモリ25と、10ビットD/A変換器26、フィルタ27とから大略構成されている。
【0068】
これにより、マイクロフォン11により集音されたコロナ騒音を含む音波はアンプ12に増幅された後にA/D変換器23に入力され、デジタル音波情報として変換された後制御部24に入力される。制御部24では、このデジタル音波情報をソフト的に処理してアドレスを付してメモリ25に記録する。この記録されたデジタル音波情報の一部又は全部はプログラム又は指令により、又は所定のタイミングで逐次的にD/A変換器26に入力されて低周波数のアナログ音波情報に変換して出力する。この出力情報はフィルタ27により不要なノイズがカットされて出力される。
[自動化装置例]
次に、以上説明したコロナ騒音監視システム100を自動通報可能な装置に改良した自動化装置例について説明する。
【0069】
この自動化装置例では、コロナ音監視装置40は、図2の中央装置には、CPUなどを内蔵した制御部と比較的大容量の記録部とを備えている。制御部には、各鉄塔に配設されたPHS端末14…に対して、一定時間毎に電話をかけるプルグラムと、送信された音波情報を解析するための各種のプログラムが入力されている。
【0070】
これにより、所定時間毎に各地に配設されたコロナ騒音モニタ装置10に順次接続して、コロナ騒音に関するデータを収集する。収集されたデータは、記録装置に記録されるとともに、所定の波形分析がなされる。
【0071】
この波形分析は、例えば、5KHz未満の音波情報をフィルタにてカットした後、5KHz以上の騒音データを積算して積算量を算出し、この積算量を予め別個に設定した所定値と比較するプログラムである。これにより、5KHz未満の暗騒音がカットされ、5KHz〜10.5KHzのコロナ騒音の特徴量を含む音波が積算されるので、確度高くコロナ騒音の発生を予想することができる。
【0072】
この積算量が所定の値を超えた場合にその旨報知する報知手段を設けるのがよい。そのような報知手段の一例は、コロナ騒音監視装置40に設けられるモニタ画面48であり、そのモニタ画面48に、その積算量が超えた鉄塔番号を出力して報知することである。この際、画面上にモニタした全ての鉄塔番号を出力する場合などは、報知すべき鉄塔番号のみを赤字又は点滅などの信号情報として表示する。これにより、異常が観察された鉄塔と、異常が観察されない鉄塔とを視覚により判別することが容易となる。また、このような場合に、赤字又は点滅部位をクリックすることにより、この音が記録されているアドレス番号から、音を再現してスピーカで出力させることが好ましい。この結果、異常が報知された鉄塔の原因が野鳥の声など、コロナ放電に依らないことが確認できれば、赤字又は点滅信号を解除すればよい。
【0073】
また、このように構成すれば、報知手段は、一時的なスクリーニングの為に利用できるので、必ずしも騒音原因をコロナ騒音に限定して分析することを要しない。この発明においては、最終的には、監視者が、この出力された音を耳で判別することによりコロナ放電の発生の有無を正確に判断する。例えば、報知手段により報知された積算量が野鳥の声に起因する場合には、監視者が出力音を耳で判別することにより、コロナ放電に基づく騒音であるか、野鳥の声に基づく騒音であるかを一目瞭然に判別できる。
【0074】
また、このような5KHz〜10.5KHzのコロナ騒音の特徴量を含む音波の全域を積算して所定値と比較する方法は、波形内の特定の周波数の騒音を抽出して比較する場合に較べて装置が簡易であり、かつ、処理速度も速いという特徴を有する。コロナ放電に起因する騒音は、状況に応じて変化するなど一般に多岐にわたるので、自動化された波形分析装置のみにより確度の高い信頼できる情報を得るのは困難である。これに対して、このような自動化装置例によれば、一時的なスクリーニングしかできないが、安価な装置により、多数の観測箇所で収集される多量の騒音を集中的に管理することが可能となる。
【0075】
コロナ放電音を観測した場合には、図2に示すように、現場等にいる作業者宛にEメールによりその旨報知し、現場作業者は、直ちに該当する鉄塔の碍子を洗浄することにより、逸早くコロナ騒音に基づく、周辺住民からの苦情を回避することができる。
【0076】
これにより、夜間などに発生するコロナ騒音を効率よく把握することができ、碍子が汚損した際に発生する碍子コロナ騒音で付近の住民等に迷惑をかけることを防止できる。
【0077】
また、本発明に従えば、通信手段としてデジタル携帯電話に較べてコストが低減できるPHS(簡易型形態電話システム)を利用できるという特徴を備えている。PHSは電波の届く範囲に制限はあるが、この発明のように、住宅地又は住宅地に近接した地域でのコロナ騒音を把握する場合には、PHSを通信手段として採用しても特段問題点が発生しない。このような通信手段の事業提供者としては、NTTドコモ社、DDIポケット社、ASTEL社を例示することができるが、これらの事業者に限定されず、本発明の原理を利用する他の公衆電話回線を本発明に適用することもできる。
【0078】
以上、この発明に係る実施の形態の一つを図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0079】
例えば、コロナ騒音モニタ装置10は、濡れセンサ4に換えて又はこれとともに他のコロナ騒音発生原因をつきとめることのできる他のセンサを併用してもよい。そのようなセンサとしては、碍子の洩れ電流検知センサがある。コロナ放電が生起する場合には、鉄塔側に電流が洩れ流れることにより、この洩れ電流検知センサを併用することによりコロナ騒音が発生したことを一時的に検知することができ、センサで異常を感じた場合にコロナ騒音を測定するシステムとしてもよい。
【0080】
最終的に低速で伝送された音は標準速度で再生された後に、監視者が直接耳で聞いて判断できるので、これらのセンサ情報は、漏れの無いように、可能性のある情報を抽出できれば、少々のノイズが混入されても実用的には問題は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】この発明に係るコロナ騒音監視システムの概念を説明する説明図である。
【図2】この発明に係るコロナ騒音監視システムの全体を示す模式図である。
【図3】この発明に係るコロナ騒音モニタ装置を説明するブロック図である。
【図4】この発明に係るソフトウエアによる動作タイミングを説明する図である。
【図5】この発明に係るコロナ騒音モニタ装置を説明するブロック図である。
【図6】この発明に係るコロナ騒音監視システムを説明するブロック図である。
【図7】この発明に係るコロナ騒音モニタ装置を説明するブロック図である。
【図8】コロナ騒音を含む音波のスペクトル図である。
【図9】PHSの伝達特性(周波数特性)を説明する図である。
【図10】波長変換しない場合の受信側で出力されたコロナ騒音を含む音波のスペクトル図である。
【図11】コロナ騒音のスペクトル図である。
【図12】波長変換した場合の受信側で出力されたコロナ騒音を含む音波のスペクトル図である。
【図13】標準速度で再生した場合の受信側で出力されたコロナ騒音を含む音波のスペクトル図である。
【符号の説明】
【0082】
100:コロナ騒音監視システム
1:操作ボタン
2:ボタン制御回路
3:着信音検出回路
4:濡れセンサ
5:濡れ検出回路
10:コロナ騒音モニタ装置
11:マイクロフォン
12:アンプ
13:音声サンプリング周波数可変装置(周波数変換再生装置)
14:PHS端末(送信機)
15:制御部
16:アドレス生成回路
17:メモリ
18:D/A変換部
19:フィルタ
20:A/D変換器
21:メモリ
22:低速再生回路
23:A/D変換器
24:制御部
25:メモリ
26:D/A変換器
27:フィルタ
40:コロナ騒音監視装置
41:PHS端末(受信機)
42:音声サンプリング周波数可変装置(周波数復元再生装置)
43:アンプ
44:スピーカ
45:A/D変換器
46:メモリ
47:標準速度再生回路
48:報知手段(モニタ画面)
C:公衆電話回線網
G:支持碍子
T:鉄塔
S:架空線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
碍子から発生するコロナ騒音を含む音波の周波数を低周波数に変換して再生する周波数変換再生装置及び公衆電話回線網により前記周波数変換再生装置により再生された音波又は音波に基づく信号情報を遠隔の地に送信する送信機を含み、
該送信機は、指令により前記送信を開始し、指令により又は所定時間経過後に前記送信を切断するスイッチ手段を備えていることを特徴とするコロナ騒音モニタ装置。
【請求項2】
前記周波数変換再生装置は、マイクロフォンに接続されたA/D変換部を内蔵した制御部、該制御部に接続されたアドレス生成回路、該アドレス生成回路及び前記制御部に接続された記録部及び、制御部に接続されたD/A変換部を含んで構成され、
前記マイクロフォンにより集音された碍子から発生するコロナ騒音を含む音波はアナログ音波情報として電気信号に変換されて前記制御部に入力され、該制御部では該電気信号をA/D変換してデジタル音波情報として前記アドレス生成回路により生成されたアドレスを付して前記記録部に記録され、該記録されたデジタル音波情報の一部又は全部は指令により逐次的にD/A変換部に入力されて低周波数のアナログ音波情報に変換されて出力されることを特徴とする請求項1記載のコロナ騒音モニタ装置。
【請求項3】
前記周波数変換再生装置は、碍子から発生するコロナ騒音を含む音波を集音するとともにアナログ音波情報として電気信号に変換するマイクロフォン、該電気信号をA/D変換してデジタル音波情報とするA/D変換部、該デジタル音波情報を一時的であってもよく記録する記録部及び、該記録されたデジタル音波情報の一部又は全部を低周波数のデジタル音波情報に変換して音波又は音波に基づくアナログ信号情報として再生する低速再生装置を含んで構成されていることを特徴とする請求項1記載のコロナ騒音モニタ装置。
【請求項4】
前記周波数変換再生装置は、碍子から発生するコロナ騒音を含む音波を集音するとともにアナログ音波情報として電気信号に変換するマイクロフォン、該電気信号をA/D変換してデジタル音波情報とするA/D変換部、該デジタル音波情報を制御する制御部、
該制御部に接続された記録部及び、該制御部に接続され、該制御部から出力されたデジタル音波情報をアナログ音波情報に変換するD/A変換部とを含んで構成され、
前記マイクロフォンにより集音された碍子から発生するコロナ騒音を含む音波はアナログ音波情報として電気信号に変換され、前記A/D変換部でデジタル音波情報として前記制御部に入力され、該制御部では該電気信号をA/D変換してデジタル音波情報として前記記録部に記録され、該記録されたデジタル音波情報の一部又は全部は前記制御部よりの指令によりD/A変換部に入力されて低周波数のアナログ音波情報に変換されて出力されることを特徴とする請求項1記載のコロナ騒音モニタ装置。
【請求項5】
前記送信機は、市販の携帯型端末であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ騒音モニタ装置。
【請求項6】
前記送信機は、PHS(簡易型形態電話システム)端末であることを特徴とする請求項1に記載のコロナ騒音モニタ装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のコロナ騒音モニタ装置及び該コロナ騒音モニタ装置から公衆回線を利用して送信された音波に基づく信号情報を受信する受信機及び、該受信機により受信された音波又は音波に基づく信号情報を電気信号に変換して該電気信号を音波情報の周波数を元の周波数に復元して変換して再生する周波数復元再生装置を含んで構成され、
前記コロナ騒音モニタ装置は複数の送電鉄塔又は送電鉄塔周辺にそれぞれ配設されることを特徴とするコロナ騒音監視システム。
【請求項8】
前記受信機は、PHS(簡易型形態電話システム)端末などの市販の携帯型端末又はコンピュータ端末であることを特徴とする請求項7に記載のコロナ騒音監視システム。
【請求項9】
前記コロナ騒音モニタ装置は、ソーラーパネルで発電した電力により稼動することを特徴とする請求項7に記載のコロナ騒音監視システム。
【請求項10】
前記コロナ騒音監視装置は、受信した音波又は音波に基づく音波情報を記録する記録部と、該受信した音波又は音波に基づく音波情報が所定値以上の場合に、その旨報知する報知手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載のコロナ騒音監視システム。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれかに記載のコロナ騒音監視システムを用い、公衆回線を利用して各コロナ騒音モニタ装置に順次アクセスし、送信機に送信開始指令を発信してコロナ騒音モニタ装置を駆動させて低周波に変換されたコロナ騒音を受信機に向けて順次送信させることにより複数の送電鉄塔により発生するコロナ騒音の発生状況を集中して管理することを特徴とするコロナ騒音監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−23086(P2006−23086A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198902(P2004−198902)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000180368)四国電力株式会社 (95)
【出願人】(592190545)テクノ・サクセス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】