説明

コンセント

【課題】低コストで製作できる回動式ハンドルのスイッチを使用してハンドルが不要にオフ操作されないようにすることができるとともに通常使用時の外観を向上することができるコンセントを提供する。
【解決手段】電源プラグの栓刃を接続するための受刃への給電を電路の異常発生時に遮断するスイッチを備え、スイッチを操作するための回動式のハンドル5をケース2の表面2aに露出して成るコンセントにおいて、ハンドル5はオン時に操作部5cの表示面5dがケース2の表面2aと略面一となり、オフ時に操作部5cがケース2の表面2aから突出するとともに、ハンドル5のオン時に手動によるオフ操作ができないようにハンドル5の操作部5cの外周面とケース2の凹部2bの壁面との隙間を少なくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電路の異常を検出して遮断するスイッチを備えたコンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電源プラグの栓刃を接続するための受刃への給電を電路の異常発生時に遮断するスイッチを備えたコンセントは、スイッチの操作部が回動式ハンドルのものと押しボタンのものがあった。スイッチの操作部が回動式ハンドルの場合は、ハンドルがオン位置でもオフ位置でもケースの表面から突出するように設けられ、いつでもスイッチのオン・オフができるようになっていた(例えば、特許文献1参照。)。また、スイッチの操作部が押しボタンの場合は、押しボタンがオン位置でケースの表面と略面一となり、オフ位置でケースの表面から突出するように設けられ、手動によりオン操作はできるが、オフ操作はできないようになっていた(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−231965号公報(第2図)
【特許文献2】特開平10−144409号公報(第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電路の異常発生時に遮断するスイッチは、遮断動作する際に開閉接点や開閉機構部が消耗するので手動によりオフ操作できない方が良いため、いつでもスイッチのオン・オフができる回動式のハンドルは、ものや人が接触して不要にオフ操作されることもあり、好ましくなかった。而も回動式ハンドルの場合は、ハンドルがオン位置でもオフ位置でもケースの表面から突出するので見栄えが悪いという欠点があった。また、押しボタン式のスイッチはオフ操作ができない上に、オン位置でケースの表面と略面一になるので見栄えも良いが、開閉機構部の構造が複雑になるため、コストがかかるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載の発明によれば、電源プラグの栓刃を接続するための受刃への給電を電路の異常発生時に遮断するスイッチを備え、スイッチを操作するための回動式のハンドルをケースの表面に露出して成るコンセントにおいて、ハンドルはオン時にケースの表面と略面一となり、オフ時にケースの表面から突出するとともに、ハンドルのオン時に手動によるオフ操作ができないようにケースとの隙間を少なくしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載のコンセントにおいて、電路に擬似的に異常を発生させるテスト回路を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載のコンセントにおいて、ハンドルがオン位置で拘束されていても電路の異常発生時にスイッチが遮断動作するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、低コストで製作できる回動式ハンドルのスイッチを使用してハンドルが不要にオフ操作されないようにすることができるとともに通常使用時の外観を向上することができるという効果がある。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、スイッチが正常に動作するかどうかの確認ができるとともに、ハンドルをオフしたい場合に利用することができるという効果がある。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、コンセントのハンドルの前面に障害物が存在する場合でも電路の異常から負荷機器を保護することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
電源プラグの栓刃を接続するための受刃への給電を電路の異常発生時に遮断するスイッチを備え、スイッチを操作するための回動式のハンドルをケースの表面に露出して成るコンセントにおいて、ハンドルはオン時に操作部の表示面がケースの表面と略面一となり、オフ時に操作部がケースの表面から突出するとともに、ハンドルのオン時に手動によるオフ操作ができないようにハンドルの操作部の外周面とケースの凹部の壁面との隙間を少なくする。
【実施例1】
【0012】
本発明に係るコンセントの実施例1を図1及び図2の添付図面に基づいて説明する。
【0013】
コンセント1は、直方体状に形成された樹脂製のケース2の前面に電源プラグの栓刃(図示せず)が挿入される一対の栓刃挿入口3が中央と下部の二箇所に設けられ、栓刃挿入口3の内側には電源プラグの栓刃を接続する受刃(図示せず)が配設されている。二個の受刃はケース2の背面に接続される配線(図示せず)を通して給電されるようになっている。
【0014】
また、ケース2の上部には受刃への給電時にトラッキングや漏電などの異常から電路を保護するためのスイッチが設けられ、スイッチのハンドル5はケース2の前面に露出するようにして上下方向に回動自在に設けられている。ハンドル5は回動自在に軸支される軸部5aを中心に有する円状部5bと、円状部5bの接線上に延設される操作部5cとで構成されている。操作部5cは表面に「ON」の表示がされ、この表示面5dがケース2の表面2aと略面一となるように操作部5cがケース2の凹部2bに嵌まるように設けられ、更にオン位置において操作部5cの外周面とケース2の凹部2bの壁面との隙間を少なくしている。
【0015】
このように形成されたコンセント1はスイッチのハンドル5をオンにして使用し、オン時にはハンドル5の操作部5cがケース表面2aと略面一となるので見栄えが良い。また、ハンドル5の操作部5cとケース2との隙間が少ないので指が入らず、不要なオフ操作ができないようになっている。
【0016】
そして、スイッチは電路の異常を検出すると遮断動作する。遮断動作するとハンドル5が図2の矢印方向に回動して破線で示すように操作部5cがケース表面2aから突出する。このため、視覚的にスイッチのオフを確認することができる。ハンドル5はオン位置で拘束されいても電路の異常発生時にスイッチが遮断動作するようになっているので、ハンドル5の前面に障害物が存在する場合でも電路の異常からコンセント1に接続された負荷機器を保護することができる。また、電路に擬似的に異常を発生させるテスト回路(図示せず)が備えられ、テスト回路のテストボタン6をケース2の表面2aから突出しないように設けている。このテストボタン6を押すことにより電路に擬似的に異常が発生し、スイッチはこれを検出して遮断動作する。これにより、スイッチが正常に動作するかどうかの確認ができるとともに、ハンドル5をオフしたい場合にも利用することができる。
【0017】
尚、ハンドル5がオフした後は、異常の原因を排除した後でハンドル5の操作部5cをケース2の凹部2bに押し込むように回動させてスイッチをオンにして復帰する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るコンセントを示す正面図である。
【図2】本発明に係るコンセントを示す要部を破断した右側面図である。
【符号の説明】
【0019】
2 ケース
2a ケース表面
2b 凹部
5 ハンドル
5a 軸部
5b 円状部
5c 操作部
5d 表示面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源プラグの栓刃を接続するための受刃への給電を電路の異常発生時に遮断するスイッチを備え、該スイッチを操作するための回動式のハンドルをケースの表面に露出して成るコンセントにおいて、前記ハンドルはオン時にケースの表面と略面一となり、オフ時に前記ケースの表面から突出するとともに、前記ハンドルのオン時に手動によるオフ操作ができないように前記ケースとの隙間を少なくしたことを特徴とするコンセント。
【請求項2】
前記電路に擬似的に異常を発生させるテスト回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンセント。
【請求項3】
前記ハンドルがオン位置で拘束されていても電路の異常発生時に前記スイッチが遮断動作するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンセント。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−286374(P2006−286374A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104195(P2005−104195)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】