説明

コンタクトレンズ殺菌消毒方法およびコンタクトレンズ殺菌消毒装置

【課題】簡易な作業で、殺菌消毒効果が高くタンパク質除去も可能なコンタクトレンズ殺菌消毒方法およびコンタクトレンズ殺菌消毒装置を提供する。
【解決手段】コンタクトレンズ殺菌消毒装置100は、容器部1と、レンズ収納部2と、紫外線発生光源部3と、紫外線発生装置部4と、蓋部5を備える。容器部1は、濃度0.1%以上の過酸化水素を含む殺菌消毒用溶液Lを注ぎ入れて、レンズ収納部2と紫外線発生光源部3を殺菌消毒用溶液L中に浸漬させる。レンズ収納部2は、コンタクトレンズを着座させる。紫外線発生光源部3は、紫外線発生装置4により発生した紫外線を、殺菌消毒用溶液Lに向けて照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズ殺菌消毒方法およびコンタクトレンズ殺菌消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本のコンタクトレンズ使用者は1500万人を越え、総人口の約1割がコンタクトレンズを使用しているとされる。一方で、コンタクトレンズ装用に伴う眼障害も増加傾向にある。
【0003】
コンタクトレンズ装用による眼障害の1つに、角膜感染症があり、細菌、真菌、アカントアメーバなどが原因とされている。
【0004】
ソフトコンタクトレンズは、柔らかい状態を保つために水分を含み、その水分中の汚れや雑菌などをソフトコンタクトレンズが吸収するおそれがあり、また、細菌や微生物が繁殖することがある。そのためハードコンタクトレンズよりも充分な消毒が必要であり、ソフトコンタクトレンズのケアには、洗浄・すすぎ・消毒・保存の4つの作業が必要である。
【0005】
ソフトコンタクトレンズのケアの方法は大きく分けると、煮沸消毒と化学消毒(コールド)に分けられる。煮沸消毒は、電源が必要であるが、特別な溶液が不要で比較的殺菌消毒は容易である。しかし、ソフトコンタクトレンズの劣化や変形・変色、またはソフトコンタクトレンズの汚れの固着を招くおそれがある。化学消毒は、電源は不要であるが、消毒にかかる時間が長く、過酸化水素やポビドンヨードを用いた消毒は中和が必要であり、中和不十分による眼への刺激などのおそれがある。
【0006】
化学消毒の1つであるマルチパーパスソリューション(以下、MPSという)を用いた消毒は利便性が高く人気であるが、消毒効果が弱い事に加えて正しい使用方法が周知されにくいこともあり、真菌、アカントアメーバに対する消毒がなされないおそれがある。さらに、ソフトコンタクトレンズ素材と相性があるために、正しい使用方法であっても眼障害を伴う場合がある。また、MPSは、ソフトコンタクトレンズのこすり洗いを行うことが好ましいが、ソフトコンタクトレンズを誤って破るおそれもある。
【0007】
また、ソフトコンタクトレンズおよびハードコンタクトレンズの両方において、コンタクトレンズケースの手入れは必要であるが、ケースへの配慮(洗浄などのケア)は忘れがちであり、煮沸消毒の場合を除いて、ケースが細菌の温床になりかねないおそれもある。
【0008】
特許文献1には、紫外線を用いてコンタクトレンズ容器の消毒を行うコンタクトレンズ容器の消毒装置が記載されている。
【0009】
特許文献2には、消毒液に浸漬したコンタクトレンズにUV光を照射して、優れた消毒効果が簡易且つ容易に実現され得るようにしたコンタクトレンズの殺菌消毒装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−126050号公報
【特許文献2】特開2003−93481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1は容器の消毒を行うものであり、コンタクトレンズそのものの消毒を行うものではない。特許文献2は、直接コンタクトレンズに紫外線(UV光)を照射するため、コンタクトレンズが劣化するおそれがある。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な作業で殺菌消毒効果が高くタンパク質除去も可能なコンタクトレンズ殺菌消毒方法およびコンタクトレンズ殺菌消毒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点に係るコンタクトレンズ殺菌消毒方法は、
コンタクトレンズを容器に入れ、濃度0.1%以上の過酸化水素を含む殺菌消毒用溶液に浸漬する工程と、
前記過酸化水素を含む水溶液に所定時間紫外線を照射する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の観点に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置は、
コンタクトレンズを着座させるレンズ収納部と、
防水加工を施した紫外線発生光源と、
前記レンズ収納部と前記紫外線発生光源を濃度0.1%以上の過酸化水素を含む殺菌消毒用溶液中に浸漬させる容器部と、
前記容器部を覆う蓋部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コンタクトレンズのケアに関して、簡易な作業で殺菌消毒効果が高くタンパク質除去も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の一例を示す概略平面図である。
【図2】実施の形態に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の断面図で、図1のM−M線断面を表したものである。
【図3】実施の形態の変形例1に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の一例を示す断面図である。
【図4】実施の形態の変形例2に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の一例を示す概略平面図である。遮光部材について一部を破断図で示す。
【図5】実施の形態の変形例2に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の断面図で、図4のN−N線断面を表したものである。
【図6】実施の形態の変形例2に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置のレンズ収納部の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0018】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の一例を示す概略平面図である。図1は、蓋部分および容器部分に分けて図示しており、蓋を開けた状態を表す。図2は、実施の形態に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の断面図で、図1のM−M線断面を表したものである。図中の矢印は、光源からの発光方向を表す。
【0019】
コンタクトレンズ殺菌消毒装置100は、容器部1と、レンズ収納部2と、紫外線発生光源部3と、紫外線発生装置部4と、蓋部5を備える。
【0020】
本発明にかかる実施の形態において、コンタクトレンズを殺菌消毒するための溶液として、濃度0.1%以上の過酸化水素を含む水溶液(以下、殺菌消毒用溶液L)を用いる。この殺菌消毒用溶液L中にコンタクトレンズを浸漬させて用いる。この殺菌消毒用溶液Lを用いることで、過酸化水素による殺菌消毒を行うとともに、タンパク質の分解除去が可能となる。
【0021】
殺菌消毒殺菌消毒用溶液Lに含まれる過酸化水素は、濃度0.1%以上3%未満であることが望ましい。3%は、通常の医療用の外用消毒剤として利用される濃度であり、また、過酸化水素を用いてソフトコンタクトレンズを殺菌消毒するタイプの、市販される一部の殺菌消毒溶液で用いられる濃度である。
【0022】
容器部1は、その容器内部に、レンズ収納部2と紫外線発生光源部3を収容する。コンタクトレンズ殺菌消毒装置100を使用するときに、レンズ収納部2と紫外線発生光源部3は、殺菌消毒用溶液Lで浸漬できるように、容器部1の内部へ殺菌消毒用溶液Lを注ぎ入れることが可能である。容器部1の内壁の高さ、殺菌消毒用溶液Lの液面Sの高さ、レンズ収納部2および紫外線発生光源部3の位置(高さ)、の順に低くなるように設置する。このとき、紫外線発生光源部3は、殺菌消毒用溶液L中で使用するため、防水処理を施したものを用いる。
【0023】
レンズ収納部2は、コンタクトレンズの右用と左用を分けて着座できるように、2つの凹み部で形成される。または、中央に仕切りを備えて1つの凹み部で形成される。
【0024】
紫外線発生光源部3は、発光したときに、レンズ収納部2の凹み部の内部へ、すなわちレンズ収納部2へコンタクトレンズを収納したときに、コンタクトレンズへ直接紫外線を照射できない位置に備えられる。例えば、レンズ収納部2を容器部1の高い位置に備え、紫外線発生光源部3を容器部1の低い位置に備える。また、レンズ収納部2の凹み部を深く形成しておき、レンズ収納部2と紫外線発生光源部3を容器部1の底面から同じ高さに備えてもよい。図示していないが、紫外線発生光源部3から発する光の方向を、容器部1の内壁へ向けてもよい。
【0025】
レンズ収納部2と紫外線発生光源部3は、容器部1に殺菌消毒用溶液Lを注いだときに、ともに、液面Sより低い位置となるように備え、レンズ収納部2に着座させたコンタクトレンズと紫外線発生光源部3が殺菌消毒用溶液Lで浸漬する状態にする。レンズ収納部2の凹み部が深く形成されている場合においても、レンズ収納部2内の殺菌消毒用溶液Lはレンズ収納部2内だけでなく容器部1内を自由に行き来できるように、レンズ収納部2が液面Sより低い位置となるようにする。
【0026】
紫外線発生光源部3で発生する紫外線の波長は、好ましくは180nmないし380nmのものを用いる。例えば、紫外線発生光源部3は、波長200nm以下を透過するガラス管を使用した冷陰極蛍光ランプであり、253.7nmの紫外線を放出する。ガラス管の内壁面に蛍光体が塗布されており、内部空間は希ガスまたは希ガス混合ガスと、水銀が封入されており、ガラス管の両端には電極が設けられる。電極は、紫外線発生装置部4と電気的に接続される。
【0027】
殺菌消毒用溶液Lは、濃度0.1%以上の過酸化水素を含む水溶液を用いており、殺菌消毒を行うとともに、タンパク質の分解除去が可能となる。さらに、紫外線発生光源部3で発生する紫外線を照射することにより、溶液中にオゾンやヒドロキシラジカルを発生させることで殺菌効果があるだけでなく、殺菌消毒用溶液L中の過酸化水素を分解する。
【0028】
その結果、殺菌消毒だけでなくタンパク質の分解除去を可能にし、かつ、コンタクトレンズ殺菌消毒後の中和処理を不要とし、人体への安全性を確保する。また、コンタクトレンズへ紫外線を直接照射しないことで、紫外線によるコンタクトレンズの劣化を防止する。
【0029】
紫外線発生装置部4は、電源およびインバータなどからなり、紫外線発生光源部3と電気的に接続する。そして紫外線発生装置部4は、紫外線発生光源部3へ電源を供給し、紫外線発生光源部3から紫外線を照射させる。紫外線発生装置部4は、容器部1の外側に取付したり、容器部1の底部に内臓させたり、取付位置は任意である。
【0030】
コンタクトレンズ殺菌消毒装置100の容器部1内壁や、レンズ収納部2は、酸化チタン(TiO)などの光触媒活性物質でコーティングしたものを用いることで、紫外線照射による殺菌消毒の際に、光触媒活性物質の酸化作用を利用した殺菌処理効果を得ることができる。また、酸化チタンの場合、酸化作用による有害物質の分解などの他、超親水作用により油性の汚れが定着せずに表面が洗浄され、いわゆるセルフクリーニングの効果もある。
【0031】
本実施の形態に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置100を用いて、コンタクトレンズを殺菌消毒する方法について、説明する。
【0032】
コンタクトレンズ殺菌消毒装置100の容器部1に、レンズ収納部2および紫外線発生光源部3が充分に浸るまで、濃度0.1%以上の過酸化水素を含む水溶、すなわち殺菌消毒用溶液Lを注ぎ入れる。容器部1の内側に、殺菌消毒用溶液Lを注ぐ量を示す目安の線があれば、線の高さまで殺菌消毒用溶液Lを注いでおく。
【0033】
コンタクトレンズを、レンズ収納部2に着座させる。このとき、コンタクトレンズの左右と、レンズ収納部2の左右を確認し、対応させておく。
【0034】
容器部1に蓋部5を嵌合した後に、紫外線発生装置4を作動させ、紫外線発生光源部3から所定時間、殺菌消毒用溶液Lに向けて紫外線を照射する。
【0035】
一連の操作で、コンタクトレンズの殺菌消毒は完了する。コンタクトレンズを保存する場合は、そのまま蓋部5を開けずに静置しておく。コンタクトレンズを使用する場合は、コンタクトレンズ殺菌消毒装置100から取り出し、コンタクトレンズ装用液などですすぎ、コンタクトレンズを装用する。
【0036】
コンタクトレンズ殺菌消毒装置100は、過酸化水素による殺菌消毒だけでなく紫外線照射による消毒を同時に行う。そのため、過酸化水素は、濃度0.1%以上3%未満でよい。通常、用いられる過酸化水素の濃度より低い濃度で充分な殺菌消毒効果を得ることができる。ただし、過酸化水素の濃度を0.1%未満としたとき、タンパク質除去の効果が得られにくいため、少なくとも濃度0.1%以上とする。
【0037】
過酸化水素の濃度を0.1%に近い濃度で使用した場合、紫外線照射の時間は少なくて済むが、充分な殺菌消毒効果を得るために、コンタクトレンズを溶液に浸漬する時間を長めにとる必要がある。また、過酸化水素の濃度を3%に近い濃度で使用した場合、過酸化水素の分解のために紫外線を長時間照射する必要がある。このように過酸化水素の濃度によって、コンタクトレンズを溶液に浸漬する時間と紫外線照射の時間の必要所定時間が異なる。
【0038】
図3は実施の形態の変形例1に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置である。図1のM−M線断面から見た図であり、図1のコンタクトレンズ殺菌消毒装置100と基本的な構造は同じである。レンズ収納部2がドレイン素材であり、紫外線発生光源部3とレンズ収納部2の間に、紫外線を遮るための、遮光部材6が備えられる。
【0039】
レンズ収納部2は、メッシュやざる状などのドレイン素材で形成されている。酸化チタンなどでコーティングしてあることが好ましい。
【0040】
遮光部材6は、レンズ収納部2と紫外線発生光源部3の間に設置され、紫外線発生光源部3からの紫外線が、直接レンズ収納部2に着座されたコンタクトレンズに照射するのを防止する。このとき、遮光部材6は、容器部1内の殺菌消毒用溶液Lを分断することなく設置する。
【0041】
遮光部材6を備えることで、コンタクトレンズに直接紫外線が照射されるのを防止でき、紫外線によるコンタクトレンズの劣化を防ぐことができる。
【0042】
遮光部材6は取り外し可能に設計してもよい。コンタクトレンズを収納せずに遮光部材6を取り外した状態でコンタクトレンズ殺菌消毒装置100を定期的に作動させることで、容器部1内を充分に殺菌消毒できる。
【0043】
実施の形態の変形例1に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置100は、レンズ収納部2をドレイン素材で形成することで、着座させたコンタクトレンズと殺菌消毒用溶液Lの接触を行いやすくし、より殺菌消毒の確実性を高めたものである。
【0044】
図4は、実施の形態の変形例2に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の一例を示す概略平面図である。図4は、蓋部分および容器部分に分けて図示しており、蓋を開けた状態を表す。蓋部分は、蓋を閉じた状態の容器部分から見た図である。また、遮光部材について一部を破断図で示す。図5は、実施の形態の変形例2に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置の断面図で、図4のN−N線断面を表したものである。図6は、実施の形態の変形例2に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置のレンズ収納部の一例を示す側面図である。
【0045】
レンズ収納部2は、蓋部5に備えられる。実施の形態の変形例1にあるように、レンズ収納部2はドレイン素材とし、コンタクトレンズ殺菌消毒装置100は、コンタクトレンズに紫外線を直接照射しないように、遮光部材6を備える。
【0046】
レンズ収納部2は、蓋部5に支持部7で取り付けられる。レンズ収納部2は、図6に示すように、二枚貝のように合わせた構造であり、合わせるときに、コンタクトレンズが落ちるのを防止するための、コンタクトレンズ押さえ8をそれぞれ備える。レンズ収納部2にコンタクトレンズを収納した後にコンタクトレンズ押さえ8で蓋をし(図6(b)参照)、左右のレンズ収納部2を合わせ(図6(a)参照)、容器部1に嵌合する。
【0047】
実施の形態の変形例2に係るコンタクトレンズ殺菌消毒装置100は、レンズ収納部2を合わせた形状にすることで、小型化を図ったものである。また、小型化することで、殺菌消毒用溶液Lの使用量を少なくすることができる。
【0048】
上述の実施の形態において、殺菌消毒用溶液L中の過酸化水素を分解するために、紫外線発生光源部3および紫外線発生装置4を備えているが、波長180nmないし380nmを発生できる光源であればよく、LEDを用いてもよい。この場合、紫外線発生光源部3の代わりにLED発生光源部を、紫外線発生装置4の代わりにLED発生装置を備える。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態のコンタクトレンズ殺菌消毒方法およびコンタクトレンズ殺菌消毒装置によれば、簡易な作業で、コンタクトレンズの殺菌消毒効果が高くタンパク質除去も可能である。
【0050】
過酸化水素を含む水溶液を用いて、その溶液に紫外線を照射するだけでよく、非常に簡易な作業でよく、高い殺菌消毒効果およびタンパク質除去効果を得ることができる。また、コンタクトレンズの殺菌消毒およびタンパク質除去を可能にするだけでなく、殺菌消毒に用いた過酸化水素を分解するので、コンタクトレンズの中和処理が不要である。そのため、中和のし忘れや中和不十分による眼への刺激がなく、安全にコンタクトを装用できる。また、中和にかかる手間と時間を省くことが可能となる。
【0051】
また、コンタクトレンズ殺菌消毒装置を使用することで、コンタクト収納を行う容器もコンタクトレンズとともに殺菌消毒することができるので、忘れがちな容器のケアを同時にすることができる。
【0052】
コンタクトレンズ殺菌装置の形状や、レンズ収納部の形状、また、紫外線発生光源の種類や紫外線発生装置の位置などは、一例であり、上述した例に限らず、任意に設定可能である。
【0053】
さらに、コンタクトレンズ殺菌消毒装置は、ソフトコンタクトレンズを例に挙げて説明したが、ハードコンタクトにも適用可能である。
【0054】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0055】
(付記1)コンタクトレンズを容器に入れ、濃度0.1%以上の過酸化水素を含む殺菌消毒用溶液に浸漬する工程と、前記過酸化水素を含む水溶液に所定時間紫外線を照射する工程と、を備えることを特徴とするコンタクトレンズ殺菌消毒方法。
【0056】
(付記2)前記殺菌消毒用溶液の過酸化水素は、濃度3%未満であることを特徴とする付記1に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒方法。
【0057】
(付記3)コンタクトレンズを着座させるレンズ収納部と、防水加工を施した紫外線発生光源と、前記レンズ収納部と前記紫外線発生光源を濃度0.1%以上の過酸化水素を含む殺菌消毒用溶液中に浸漬させる容器部と、前記容器部を覆う蓋部と、を備えることを特徴とするコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【0058】
(付記4)前記紫外線発生光源は180nmないし380nmの波長の光を発生可能な光源であることを特徴とする付記3に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【0059】
(付記5)前記容器部の内壁は光触媒作用を有する材料を塗布されることを特徴とする付記3または4に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【0060】
(付記6)前記紫外線発生光源は、前記容器部の内壁の方向に向けて発光することを特徴とする付記3ないし5のいずれかに記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【0061】
(付記7)前記紫外線発生光源と前記レンズ収納部の間の、前記容器部の殺菌消毒用溶液中に浸漬させる位置に、該紫外線発生光源から該レンズ収納部に着座したコンタクトレンズへの直接光を遮る、遮光部材を備えることを特徴とする付記3ないし5のいずれかに記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【0062】
(付記8)前記レンズ収納部は、網目形状の部材で形成されることを特徴とする付記6または7に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【符号の説明】
【0063】
1 容器部
2 レンズ収納部
3 紫外線発生光源部
4 紫外線発生装置部
5 蓋部
6 遮光部材
7 支持部
8 コンタクトレンズ押さえ
100 コンタクトレンズ殺菌消毒装置
L 殺菌消毒用溶液
S 液面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズを容器に入れ、濃度0.1%以上の過酸化水素を含む殺菌消毒用溶液に浸漬する工程と、
前記過酸化水素を含む水溶液に所定時間紫外線を照射する工程と、
を備えることを特徴とするコンタクトレンズ殺菌消毒方法。
【請求項2】
前記殺菌消毒用溶液の過酸化水素は、濃度3%未満であることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒方法。
【請求項3】
コンタクトレンズを着座させるレンズ収納部と、
防水加工を施した紫外線発生光源と、
前記レンズ収納部と前記紫外線発生光源を濃度0.1%以上の過酸化水素を含む殺菌消毒用溶液中に浸漬させる容器部と、
前記容器部を覆う蓋部と、
を備えることを特徴とするコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【請求項4】
前記紫外線発生光源は180nmないし380nmの波長の光を発生可能な光源であることを特徴とする請求項3に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【請求項5】
前記容器部の内壁は光触媒作用を有する材料を塗布されることを特徴とする請求項3または4に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【請求項6】
前記紫外線発生光源は、前記容器部の内壁の方向に向けて発光することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【請求項7】
前記紫外線発生光源と前記レンズ収納部の間の、前記容器部の殺菌消毒用溶液中に浸漬させる位置に、該紫外線発生光源から該レンズ収納部に着座したコンタクトレンズへの直接光を遮る、遮光部材を備えることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。
【請求項8】
前記レンズ収納部は、網目形状の部材で形成されることを特徴とする請求項6または7に記載のコンタクトレンズ殺菌消毒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−188978(P2011−188978A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57170(P2010−57170)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】