説明

コンタクトレンズ管理システム

【課題】
正確かつ迅速にコンタクトレンズの管理を実行することができるコンタクトレンズ管理システムを提供すること。
【解決手段】
本発明にかかるコンタクトレンズ管理システム100は、バーコードリーダ1と端末2とを備えている。バーコードリーダ1は、コンタクトレンズのパッケージ3に印刷された2次元バーコード31を読み取り、バーコード情報を端末2に対して出力する。端末2は、コンタクトレンズ関連情報の出庫情報を格納する出庫データ記憶部275と、入力されたバーコード情報を予め定められたコンタクトレンズ関連情報に変換するバーコードリゾルバプログラムと、変換されたコンタクトレンズ関連情報をコンタクトレンズの出庫情報として出庫データ記憶部275に格納するプログラムを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズを管理するためのコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトレンズを販売する上で用いられる販売管理システムの一例が特許文献1に開示されている。この販売管理システムは、コンタクトレンズの購入時の認証にてユーザの生体情報を用いている点に特徴を有するものである。
しかしながら、入出庫管理に関しては、具体的な処理手段については開示されておらず、煩雑なものであった。特に、コンタクトレンズは医療品であるから、その管理は正確に行なう必要があるが、その対策については開示されていない。
【特許文献1】特開2004‐287626公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のようにコンタクトレンズの管理を正確にかつ迅速に実行するシステムは、提案されていなかった。
【0004】
本発明は正確かつ迅速にコンタクトレンズの管理を実行することができるコンタクトレンズ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかるコンタクトレンズ管理システムは、バーコードリーダと端末とを備え、コンタクトレンズの入出庫処理を実行するコンタクトレンズ管理システムであって、前記バーコードリーダは、コンタクトレンズのパッケージに印刷された2次元バーコードを読み取り、バーコード情報を前記端末に対して出力し、前記端末は、コンタクトレンズの出庫データを格納する出庫データ記憶部と、入力されたバーコード情報をコンタクトレンズ関連情報に変換するバーコード情報変換部と、前記バーコード情報変換部により変換されたコンタクトレンズ関連情報をコンタクトレンズの出庫データとして前記出庫データ記憶部に格納する出庫処理部とを備えたものである。
【0006】
また、本発明にかかる他のコンタクトレンズ管理システムは、バーコードリーダと端末とを備え、コンタクトレンズの入出庫処理を実行するコンタクトレンズ管理システムであって、前記バーコードリーダは、コンタクトレンズのパッケージに印刷された2次元バーコードを読み取り、バーコード情報を前記端末に対して出力し、前記端末は、コンタクトレンズ関連情報の入庫データを格納する入庫データ記憶部と、入力されたバーコード情報をコンタクトレンズ関連情報に変換するバーコード情報変換部と、前記バーコード情報変換部により変換されたコンタクトレンズ関連情報をコンタクトレンズの入庫データとして前記入庫データ記憶部に格納する入庫処理部とを備えたものである。
【0007】
ここで、コンタクトレンズ関連情報には、識別情報、有効期限、製造番号及び性能情報が含まれることが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、正確かつ迅速にコンタクトレンズの管理を実行することができるコンタクトレンズ管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
まず、本発明にかかるコンタクトレンズ管理システムの概略について図1のシステム構成図を用いて説明する。当該コンタクトレンズ管理システム100は、基本的にバーコードリーダ1と端末2によって構成される。
【0010】
バーコードリーダ1は、バーコードスキャナとも呼ばれ、コンタクトレンズのパッケージ(包装)に印刷されたバーコード情報を読み取り、端末2に対し出力する機能を有する。バーコードリーダ1は、例えば、バーコードイメージを読み取り電気的信号に変換するセンサ、当該センサより出力された電気的信号をキャラクタデータに変換するデコード部、デコード部により変換されたキャラクタデータをバス等を介して端末2に送信するデータ送信部を備えている。
【0011】
端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)であり、後にその構成について詳述する。
【0012】
本発明にかかるコンタクトレンズ管理システム100においては、コンタクトレンズのパッケージ3に、QRコード等の2次元バーコード31が印刷されている。そして、2次元バーコード31には、コンタクトレンズに関する様々な情報が含まれている。具体的には、バーコードリゾルバプログラムに基づいて、バーコード情報をコンタクトレンズ関連情報に変換することが可能である。
【0013】
コンタクトレンズ関連情報には、コンタクトレンズの識別情報であるJANコード、有効期限、製造番号、性能情報(BC1、SIZE1(DIA)、POWER、CYL、AXIS、ADD、BC2、BC3、SIZE2、SEG−DIA、DEC、DEC−ANGLE、R/L)が含まれる。本発明においては、このように、1次元バーコードでなく2次元バーコードを用いることにより、多くの情報量を表現することが可能である。特に、平成14年7月31日に交付された改正薬事法によって、コンタクトレンズを譲受(仕入れ)及び譲渡(販売・授与)するにあたって、コンタクトレンズの名称や数量、製造番号又は製造記号、仕入れ又は販売・授与の年月日、仕入先又は販売・授与先の氏名・住所を書面に記載し、保存する必要があるが、本発明では、2次元バーコードによってこれらの情報を表わし、2次元バーコードをスキャンさせすれば、入力できるため、入力作業が簡単になり、作業時間を短縮することが可能となる。特に、眼科等において販売され、正確に情報管理する必要があるコンタクトレンズ関連の情報につき、2次元バーコードを用いて情報を入力するようにしているため、より効果が高い。
【0014】
続いて図2を用いて、端末2のハードウェア構成例について説明する。端末2は、バスを介して相互に接続された通信処理部21、入出力装置22、CPU23、RAM24、ROM25、プログラム記憶部26、データ記憶部27を備えている。プログラム記憶部26、データ記憶部27は、例えば大容量のハードディスクやメモリ上に各プログラム、データが格納されることにより構成される。通信処理部21は、外部とのインターフェース処理を行う処理回路である。入出力装置22はキーボード、マウス等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置である。CPU23は中央制御装置である。RAM24は、一時的にプログラムやデータを格納する記憶領域である。ROM25には、データ等が読み出し可能に記憶される。
【0015】
プログラム記憶部26には、メインプログラム261、アプリケーションプログラム262の各種コンピュータソフトウェアプログラムが格納されている。
【0016】
データ記憶部27は、患者データ記憶部271、処方データ記憶部272、コンタクトマスタデータ記憶部273、入庫・予約データ記憶部274、出庫データ記憶部275、在庫データ記憶部276、トラブルデータ記憶部277、システム情報記憶部278を備えている。
【0017】
メインプログラム261には、OSプログラム等の基本的な処理を行うプログラムが含まれる。アプリケーションプログラム262には、本発明にかかるコンタクトレンズ管理システム上の処理を実現するための応用プログラムや端末2の起動に応じて常駐するバーコードリゾルバプログラムが含まれる。
【0018】
患者データ記憶部271には、コンタクトレンズを購入する患者に関する情報が格納される。処方データ記憶部272には、コンタクトレンズの処方データが格納され、例えばレンズ履歴情報も格納される。コンタクトマスタデータ記憶部273には、コンタクトレンズのマスター情報が格納される。入庫・予約データ記憶部274には、コンタクトレンズの入庫及び予約データが格納される。出庫データ記憶部275には、コンタクトレンズの出庫データが格納される。在庫データ記憶部276には、コンタクトレンズの在庫データ及び発注データが格納される。トラブルデータ記憶部277には、コンタクトレンズのトラブル情報が格納される。システム情報記憶部278には、本システムのシステム情報が格納される。
【0019】
続いて、図3に示すフローチャートを用いて、本発明にかかるコンタクトレンズ管理システムにおける処理フローを説明する。本発明にかかるコンタクトレンズ管理システムは、眼科において用いられる処理と、販売店において用いられる処理が含まれるが、ここでは、本発明の特徴を備えた後者の処理のみを説明する。
【0020】
当該コンタクトレンズ管理システムにおいては、出庫処理(S10)、適正在庫処理(S20)、入庫処理(S30)、予約入庫処理(S40)が実行される。
出庫処理(S10)では、まず、処方箋の登録が実行される(S11)。具体的には、ユーザが処方箋に関する情報をキーボード等の入出力装置22を用いて端末2に対して入力すると、CPU23は、アプリケーションプログラム262に従い、処方データ記憶部272に対して処方箋に関する情報を格納する。以下の処理においてもCPU23がアプリケーションプログラム262に従い、各種の処理を実行するが、この点については説明を省略する。さらに、端末2は、処方データ記憶部272に格納された処方箋に関する情報に基づいて出庫処理を行い、予め定められたアルゴリズムに従ってコンタクトレンズの販売金額を算出する(S12)。
【0021】
その後に、ユーザがバーコードリーダ1を用いてコンタクトレンズのパッケージ3に印刷された2次元バーコードを読み取る(スキャンする)と、バーコードリーダ1は、2次元バーコードの情報を取得し、端末2に出力する。端末2は、バーコードリゾルバプログラムに従って、入力した情報より、上述のコンタクトレンズ関連情報に変換し、出庫データとして出庫データ記憶部275に格納する。
【0022】
続いて、適正在庫処理(S20)が実行される。適正在庫処理(S20)では、まず、出庫データ記憶部275に格納されたコンタクトレンズ関連情報を読み出し、今回出庫するコンタクトレンズに関するコンタクトレンズ関連情報を在庫データ記憶部276から読み出し、出庫個数分だけ、在庫数量から減算する(S21)。そして、端末2は、減算した数量分だけ、即ち今回出庫する個数分のコンタクトレンズの発注処理を実行する(S22)。また、コンタクトレンズの入庫が実行された場合には、端末2は、入庫された種類のコンタクトレンズについて在庫データ記憶部276に格納された在庫数量に対して入庫個数を加算する(S23)。
【0023】
入庫処理(S30)では、ユーザが入庫を行なう場合に、バーコードリーダ1を用いて入庫するコンタクトレンズのパッケージ3に印刷された2次元バーコードを読み取る(スキャンする)。これに応じて、バーコードリーダ1は、2次元バーコードの情報を取得し、端末2に出力する。端末2は、バーコードリゾルバプログラムに従って、入力した情報より、上述のコンタクトレンズ関連情報に変換し、入庫・予約データ記憶部274に入庫データとして格納する。このとき、上述のように在庫加算処理(S23)が実行される。
【0024】
予約入庫(S40)では、オーダリング(S41)、オーダー入庫(S42)、入庫処理(S43)が実行される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明によるコンタクトレンズ管理システムの全体構成例を示す図である。
【図2】本発明によるコンタクトレンズ管理システムのハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明によるコンタクトレンズ管理システムの処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
1 バーコードリーダ
2 端末
3 パッケージ
21 通信処理部
22 入出力装置
23 CPU
24 RAM
25 ROM
26 プログラム記憶部
27 データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードリーダと端末とを備え、コンタクトレンズの入出庫処理を実行するコンタクトレンズ管理システムであって、
前記バーコードリーダは、コンタクトレンズのパッケージに印刷された2次元バーコードを読み取り、バーコード情報を前記端末に対して出力し、
前記端末は、
コンタクトレンズの出庫データを格納する出庫データ記憶部と、
入力されたバーコード情報をコンタクトレンズ関連情報に変換するバーコード情報変換部と、
前記バーコード情報変換部により変換されたコンタクトレンズ関連情報をコンタクトレンズの出庫データとして前記出庫データ記憶部に格納する出庫処理部とを備えたコンタクトレンズ管理システム。
【請求項2】
バーコードリーダと端末とを備え、コンタクトレンズの入出庫処理を実行するコンタクトレンズ管理システムであって、
前記バーコードリーダは、コンタクトレンズのパッケージに印刷された2次元バーコードを読み取り、バーコード情報を前記端末に対して出力し、
前記端末は、
コンタクトレンズの入庫データを格納する入庫データ記憶部と、
入力されたバーコード情報をコンタクトレンズ関連情報に変換するバーコード情報変換部と、
前記バーコード情報変換部により変換されたコンタクトレンズ関連情報をコンタクトレンズの入庫データとして前記入庫データ記憶部に格納する入庫処理部とを備えたコンタクトレンズ管理システム。
【請求項3】
前記コンタクトレンズ関連情報には、識別情報、有効期限、製造番号及び性能情報が含まれることを特徴とする請求項1又は2記載のコンタクトレンズ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−206252(P2006−206252A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−20295(P2005−20295)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(505035080)株式会社ビーライン (1)
【Fターム(参考)】