説明

コンテンツデータ再生装置、コンテンツデータ再生システム及びコンテンツデータ再生プログラム

【課題】 コンテンツ視聴時におけるユーザの周囲環境を加味しつつコンテンツデータ再生時の音量等のパラメータを設定し、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】 コンテンツデータ再生装置CPは、自装置内において信号処理を行うために必要な各種のパラメータの設定を行うと共に、過去にユーザが設定したパラメータの履歴を当該パラメータの設定時刻の属する時間帯と対応付けて、履歴テーブルTBL1-kに保存し、この履歴テーブルTBL1-kに基づいて、各時間帯においてユーザが設定していた各種パラメータの平均値を算出する。このようにして算出された平均値は、平均値テーブルTBL2-kに格納され、コンテンツデータ再生装置CPは、コンテンツデータを再生する際に当該再生時刻を含む時間帯に対応したパラメータを読み出して、音量やコントラスト等の再生に関する設定を自動的に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画質や音質の設定が可能なコンテンツデータ再生装置に関し、特に、上記設定の状態を変更する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、DVD等の記録メディアやテレビ等の放送媒体を介して提供される各種のコンテンツデータを再生すべく、テレビ受像器やAV(Audio Visual)アンプ等のコンテンツデータ再生装置が各種提供されるに至っている。この種のコンテンツデータ再生装置は、画像のコントラスト(輝度)や音量等の再生に関する設定状態を決定する各種パラメータを変更する機能が設けられており、ユーザは、これらパラメータの設定値を変更することにより自己の所望する音量、コントラスト、或いは、明るさ(ブライト)によりコンテンツデータを再生することが可能となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、コンテンツデータの再生時に設定されるパラメータはユーザの嗜好のみならず、コンテンツ視聴時におけるユーザの周囲環境によっても変更する必要性が生じる場合がある。例えば、コンテンツデータを夜間に再生する場合と昼間に再生する場合とを考えた場合、ユーザ周辺の雑音や明るさといった環境が変化するため、逐次、再生時における音量等のパラメータを変更する必要性が生じてくる。従って、各種パラメータの設定をユーザの指示によることなく、視聴時のユーザの周囲環境に適合するように変更できれば、ユーザの利便性を飛躍的に向上させることができるものと考えられるが、現状、かかる機能を有するコンテンツデータ再生装置は実現されていない状況にある。
【0004】
本願は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであって、その課題の一例としては視聴時におけるユーザの周囲環境を加味しつつコンテンツデータ再生時の音量等のパラメータを設定し、ユーザの利便性を向上させることが可能なコンテンツデータ再生装置、コンテンツデータ再生システム及びコンテンツデータ再生プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため本願の一つの観点において請求項1に記載のコンテンツデータ再生装置は、コンテンツデータを取得し、当該取得されたコンテンツデータを再生する再生手段と、前記コンテンツデータの再生に関する設定状態を示す設定情報であって過去における各再生時に設定されていた設定情報を、当該設定状態にてコンテンツデータが再生された再生時刻を含む時間帯と対応付けて各々保存する履歴管理手段と、前記再生手段における前記コンテンツデータの再生時刻を取得し、当該再生時刻を含む前記時間帯を特定する特定手段と、を備え、前記再生手段は、前記特定手段によって特定された時間帯と対応付けて前記履歴管理手段に保存された前記設定情報を用いてコンテンツデータを再生することを特徴とする。
【0006】
また、本願の他の観点において請求項10に記載のコンテンツデータ再生システムは、コンテンツデータを取得し、当該コンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生装置と、前記コンテンツデータ再生装置と接続された外部機器と、を有するコンテンツデータ再生システムであって、前記コンテンツデータ再生装置は、前記コンテンツデータを再生する再生手段と、前記コンテンツデータの再生に関する設定状態を示す設定情報であって過去における各再生時に設定されていた設定情報を、当該設定状態にてコンテンツデータが再生された再生時刻を含む時間帯と対応付けて各々保存する履歴管理手段と、前記再生手段における前記コンテンツデータの再生時刻を取得し、当該再生時刻を含む前記時間帯を特定する特定手段と、を備え、前記再生手段は、前記特定手段によって特定された時間帯と対応付けて前記履歴管理手段に保存された前記設定情報を用いて前記コンテンツデータを再生すると共に、当該設定情報に基づいて前記外部機器の再生に関する設定を変更することを特徴とする。
【0007】
また更に、本願の他の観点において請求項11に記載のコンテンツデータ再生プログラムは、コンピュータによりコンテンツデータを取得して、再生するためのコンテンツデータ再生プログラムであって、前記コンピュータを、前記コンテンツデータの再生に関する設定状態を示す設定情報であって過去における各再生時に設定されていた設定情報を、当該設定状態にてコンテンツデータが再生された再生時刻を含む時間帯と対応付けて保存する履歴管理手段、前記再生手段における前記コンテンツデータの再生時刻を取得し、当該再生時刻を含む前記時間帯を特定する特定手段、前記再生手段は、前記特定手段によって特定された時間帯と対応付けて前記履歴管理手段に保存された前記設定情報を用いて前記コンテンツデータの再生を制御する再生制御手段、として機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
[1]第1実施形態
[1.1]第1実施形態の構成
(1)コンテンツデータ再生システムCPSの概要
まず、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生システムCPS(以下、単に「システムCPS」という)の構成を示す図1を参照しつつ、システムCPSの概要について説明する。なお、同図においては、システムCPSを構成するコンテンツデータ再生装置CPをAVアンプとした場合の構成例を示している。但し、同システムCPSは、あくまでも、本願の一例にすぎず、例えば、メディア再生装置MPやテレビチューナTTといった外部機器とコンテンツデータ再生装置CPを一体的に構成することも可能である。
【0009】
同図に示すように本実施形態にかかるシステムCPSは、ラジオ波を受信するラジオチューナRTと、テレビ波を受信するテレビチューナTTと、DVDレコーダ等のメディア再生装置MPと、モニタMNと、フロントライトスピーカFRSと、フロントレフトスピーカFLSと、センタスピーカCSと、サラウンドライトスピーカSRS、サラウンドレフトスピーカSLSと、サブウーファSWS(以下、各スピーカSを特定する必要がない場合、単に「スピーカS」という)と、コンテンツデータ再生装置CPを有する。
【0010】
このシステムCPSにおいてはソース、すなわち、ラジオチューナRT、テレビチューナTT或いはメディア再生装置MP(以下、各装置を特に特定する必要のない場合「ソース」という)からコンテンツデータ再生装置CPにコンテンツデータが供給される。そして、当該コンテンツデータに含まれる映像データがコンテンツデータ再生装置CPによってモニタMNに出力される一方、当該コンテンツデータに含まれるオーディオデータについては、コンテンツデータ再生装置CPにより信号処理が施された後、各スピーカSに出力される。
【0011】
また、本システムCPSに含まれるコンテンツデータ再生装置CPは、例えば、音量設定やコントラスト、明るさといった再生に関する各種の設定を行うために必要なパラメータを記録している。そして、ユーザが再生に関する各種の設定を行うとコンテンツデータ再生装置CPは、これらのパラメータの中から当該設定内容に対応するパラメータを読み出し、当該読み出したパラメータを利用して自装置内における再生に関する設定を変更すると共に、自装置に接続されているモニタMNの再生に関する設定を変更する。
【0012】
なお、モニタMN以外の外部機器、すなわち、ソースに関する設定をコンテンツデータ再生装置CPにより変更可能とするか否かは任意であるが、本実施形態においてはモニタMNのみを設定の対象とするものとして説明を行う。
【0013】
ここで、本実施形態において特徴的な事項として、このコンテンツデータ再生装置CPはユーザの設定履歴を以下のような方法にて管理、保存することにより各装置の設定状態にコンテンツ視聴時のユーザの周囲環境を反映させる機能(以下、「自動調節機能」という)を実現している。一般にコンテンツ視聴時におけるユーザの周囲環境は時間帯に依存して変化し、例えば、夜間と昼間ではユーザの周囲の明るさや雑音等の環境が著しく変化する可能性が高い。その一方、ユーザの視聴時における周囲環境というものはユーザ毎に区々ではあるものの、同一のユーザに関しては日々大きく変わるものではないという特色も存在している。
【0014】
そこで、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPは、過去にユーザが設定したパラメータの履歴を当該パラメータの設定時間帯と対応付けて、後述する履歴テーブルTBL1-k(k=1、2、・・・、m)に保存し(図2参照)、この履歴テーブルTBL1-kに基づいて各時間帯における設定パラメータの平均値を算出する。このように履歴に基づいて平均値を算出することによりユーザが日々の生活において周囲環境を加味しつつ設定している設定状態を反映したパラメータ値を算出することが可能となる。
【0015】
そして、コンテンツデータ再生装置CPは、このようにして算出された平均値を後述する平均値テーブルTBL2-kに格納しておき(図3)、コンテンツデータを再生する際に当該再生時刻を含む時間帯に対応したパラメータを読み出して音量やコントラスト等の再生に関する設定を自動的に変更するのである。
【0016】
なお、各時間帯におけるパラメータの履歴は、一つの履歴テーブルTBL1-kにより管理するようにしても良いが、本実施形態においては各ソース毎に履歴テーブルTBL1-kを設ける構成を採用するものとする。そして、各パラメータの平均値を算出するに際しても、各ソースから供給されるコンテンツデータの再生時におけるパラメータの平均値を別個に算出し、各ソース毎に平均値を管理する構成を採用しているものとする。従って、本実施形態においては、履歴テーブルTBL1-kと平均値テーブルTBL2-kは各々同数ずつ設けられていることとなる。
【0017】
また、如何なるタイミングにて各装置の設定状態を変更するかについては任意であるが本実施形態においては説明をより具体的なものとするため以下の基準に従うものとする。
【0018】
原則
原則として本システムCPSに含まれる各装置の電源が投入されたタイミングに対応する時刻を含む時間帯の平均値に基づいて設定を行う。なお、この場合、電源が投入された時点で選択されているソースに対応する履歴テーブルTBL1-k及び平均値テーブルTBL2-kを用いて設定を行うものとする。
【0019】
例外
既に電源が投入されている状態においてソースの切替えが行われた場合、当該切替タイミングに対応した時刻に基づいてパラメータの再設定を行う。
【0020】
(2)コンテンツデータ再生装置CPの具体的構成
次いで、上記機能を有する本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPの具体的な構成について説明する。まず、図1に示すように、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPは、通信インターフェイス部1(以下、「インターフェイス」を「I/F」と略称する)と、セレクタ2と、映像処理部3と、音声処理部4と、システム制御部5と、記録部6と、リモコン受光部7と、指示入力部8と、アンプ部9と、各要素間を相互に接続するデータバス10を有する。
【0021】
通信I/F部1は、例えば、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の通信I/Fであり、外部機器を接続するための複数の接続端子を有している。本実施形態において、この接続端子には、外部機器としてメディア再生装置MP、モニタMN、ラジオチューナRT及びテレビチューナTTが接続されており、コンテンツデータ再生装置CPは、この通信I/F部1を介して、これらの装置とデータの授受を行う。
【0022】
リモコン受光部7は、図示せぬリモコン装置から赤外線によって送信された制御信号を受信すると共に、当該受信した制御信号をデータバス10へと出力する。指示入力部8は、セレクタ2において信号を選択するためのキーと共にカーソルキー等の各種キーが設けられており、ユーザの入力コマンドに対応した制御信号をデータバス10を介してシステム制御部5へと出力する。
【0023】
映像処理部3は、(a)セレクタ2から入力された映像データ、すなわち、ソースから供給されるコンテンツデータに含まれる映像データ及び(b)システム制御部5から供給される画像データを通信I/F部1を介してモニタMNへと出力する。なお、この映像処理部3にデコーダを設けるか否かは任意であり、モニタMNにデコーダが搭載されている場合には必ずしも映像処理部3にデコーダを設けることは必要とならない。
【0024】
音声処理部4は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)を有し、システム制御部5の制御の下、セレクタ2から入力されたオーディオデータに対し各種の信号処理を施してアンプ部9へと出力する。この際、音声処理部4は、各chに対応するオーディオデータ毎に別個の信号処理を施すことにより、各chに対応するオーディオデータの音圧レベルや周波数特性、各スピーカSから音声が出力されるタイミング等の特性に変更を加える。
【0025】
なお、音声処理部4にD/A(デジタル/アナログ)変換器を設けるか否かは任意であり、通信I/F部1を介してソースから供給されるオーディオデータがデジタル信号の場合にはD/A変換器を設け、D/A変換した後にアンプ部9に出力するようにすれば良い。
【0026】
アンプ部9は、音声処理部4からから入力される信号を増幅した後、スピーカSへと出力する。このアンプ部9は、出力可能なch数に応じた数の低周波数増幅器及び出力端子を有しており、D/A変換部9から入力された各chに対応する音声信号を出力端子に接続された各スピーカSに出力する。
【0027】
記録部6は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリから構成されておりシステム制御部5が各種処理を実行するための情報と共に、上述した履歴テーブルTBL1-kと平均値テーブルTBL2-kが記録されている。なお、この記録部6に記録されている情報には、システム制御部5が各装置の設定状態を変更する際に用いるパラメータも含まれている。
【0028】
システム制御部5は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)を有し、ROM内に記録されている制御プログラムを実行することにより音響再生装置Aの各部を制御する。例えば、上述した基準に従って設定変更のタイミングが招来した場合、システム制御部5は現在時刻を取得し、当該時刻に対応するパラメータを平均値テーブルTBL2-kから読み出し、当該パラメータに基づいて自装置及びモニタMNの再生に関する設定を変更する。なお、コンテンツデータの再生中に時間帯を跨ぐこともあるが、この場合であってもシステム制御部5は再生開始時のパラメータを維持する構成となっている。
【0029】
また、コンテンツデータの再生中に各種パラメータを変更すべき旨の入力操作が指示入力部8或いは図示せぬリモコン装置になされた場合、システム制御部5は、記録部6に記録されているパラメータを利用して当該入力操作に対応した状態へと各装置の設定を変更する。この際、システム制御部5は、ユーザによって変更されたパラメータに基づいて履歴テーブルTBL1-kを更新する。この結果、平均値テーブルTBL2-kに格納される平均値が変動し、事後の再生時においてユーザによるパラメータの変更がコンテンツデータの再生に反映されることとなる。
【0030】
(3)テーブルTBL1-k及びTBL2-kについて
次に、履歴テーブルTBL1-k及び平均値テーブルTBL2-kの具体的な内容と、更新方法について説明する。なお、図2は履歴テーブルTBL1-kの記録内容の一例を示す図であり、図3は平均値テーブルTBL2-kの記録内容の一例を示す図である。
【0031】
同図に示すように、本実施形態において履歴テーブルTBL1-kにはユーザによって設定されたパラメータの履歴と対応付けて、当該パラメータの設定された時刻に対応する時間帯を示すパラメータが格納されている。なお、時間帯の分割方法については任意であり、例えば、ユーザが時間帯を設定するようにしても良いし、また、一日を(時間帯1)午前7時〜午後0時、(時間帯2)午後12時〜午後7時、(時間帯3)午後7時〜午後11時、(時間帯4)午後11時〜午前7時、という4つの時間帯に分割し時間帯毎に履歴を管理するようにしても良い。
【0032】
この履歴テーブルTBL1-kにおいて各時間帯と対応付けて格納されているパラメータには、大別してコンテンツデータ再生装置CP内における設定状態を示す装置内設定パラメータと、モニタMN等の外部機器における設定状態を示す外部機器設定パラメータとが存在する。
【0033】
なお、装置内設定パラメータ及び外部機器設定パラメータとして、如何なるパラメータを設定するかは任意であるが、図2においては装置内設定パラメータとして、(a1)信号処理時のディレイタイムと、(a2)音声バランスと、(a3)信号処理時の周波数特性と、(a4)信号処理時の残響処理の方法と、(a5)アンプ部9における利得と、(a6)音声処理部4においてオーディオデータにコンプレッションをかける際の当該コンプレッションのかけ方と、を定める各パラメータを設けた場合を例示している。また、同図の場合、外部機器設定パラメータとしては(b1)モニタMNにおける映像出力時の画像輪郭の補正値と、(b2)映像出力時の明るさと、(b3)輝度と、を定める各パラメータを設けた場合について例示している。
【0034】
この履歴テーブルTBL1-kの各フィールドは、製品製造時、デフォルトにてブランクに設定されており、その後、ユーザにより設定が変更される度にシステム制御部5により履歴が追記され、更新される構成となっている。
【0035】
また、この履歴テーブルTBL1-kに格納されている各パラメータは予め定められたタイミングにて平均値が算出され、平均値テーブルTBL2-kに格納される。
【0036】
[1.2]第1実施形態の動作
次に、図4を参照しつつ本実施形態にかかるシステムCPSにおいてコンテンツデータを再生する際における具体的な動作について説明することとする。なお、図3に示す処理は、システム制御部5によるメインの制御プログラムの実行中に上記設定変更のタイミングが到来した時点でシステム制御部5が実行するサブルーチンとなっている。
【0037】
まず、ユーザがメディア再生装置MP、モニタMN及びコンテンツデータ再生装置CPの電源を投入すると、システム制御部5は図4にフローチャートを示す処理を開始する。この処理においてシステム制御部5は、まず、セレクタ2の選択状態に基づいてソース種別を判別し(ステップS1)、自動調節機能が「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2)。
【0038】
そして、この判定の結果「no」と判定した場合、システム制御部5は音量等の自動調節を行うことなく、前回のパラメータ値を用いて設定を行い(ステップS6)、ステップS7を実行する。
【0039】
一方、この判定の結果「yes」と判定した場合、システム制御部5は現在時刻を取得した後(ステップS3)、ステップS1において判別されたソースに対応する履歴テーブルTBL1-kを読み出し、当該現在時刻を含む時間帯に対応したパラメータのサンプル数「A」が所定の閾値「n」を越えているか否かを判定する(ステップS4)。この際、システム制御部5は、履歴テーブルTBL1-kをサーチして、現在時刻を含む時間帯を示すパラメータが格納されているフィールド数を算出し、このフィールド数をサンプル数「A」とみなして判定を行う。
【0040】
このステップS4において「yes」と判定した場合、システム制御部5は、ステップS3において取得した時刻に対応するパラメータの平均値を平均値テーブルTBL2-kから読み出し、当該平均値に基づいて各装置の設定を変更して(ステップS5)、ステップS7に処理を移行する。これに対して、ステップS4において「no」と判定した場合、システム制御部5は、上記ステップS6を実行した後、処理をステップS7に移行する。
【0041】
このように、サンプル数「A」の値に応じて平均値テーブルTBL2-kに格納されているパラメータを利用するか否かを決定するのは、次のような理由によるものである。すなわち、平均値を算出する場合、通常、サンプル数が増加すればするほど一定の値に収束することとなる。従って、ユーザの通常生活における周囲環境を考慮したパラメータ値というものも、ある程度の数のサンプルが取得できないと信頼性が確保できない。その一方において、サンプル数「A」が2個か3個しかない場合に平均値を取り、当該平均値を利用して音量等の設定を変更してしまうとユーザが予期しない音量でコンテンツデータが再生されるような事態も生じうる。このため、本実施形態においてはサンプル数「A」が所定の閾値「n」を越えた場合にのみ当該平均値がユーザの周囲環境を加味して決定されたパラメータ値であるものとして扱い、当該パラメータを用いて音量等の設定を行うこととしているのである。
【0042】
なお、閾値「n」として、具体的な数値を設定する場合、「n」の値は大きくなればなるほど信頼性を確保できることとなるが、実用上の関係から「10〜20」程度に設定することが望ましい。
【0043】
次いで、以上説明した処理を経て処理がステップS7に進むとシステム制御部5は、ユーザによる設定変更指示が指示入力部8やリモコン装置に対して行われたか否かを判定する状態となる。そして、この判定において「no」と判定した場合、システム制御部5はステップS8〜S11を実行することなくステップS12を実行し、各装置の設定状態の切替えタイミングが到来したか、或いは、装置の電源オフコマンドが入力されたか否かを判定する状態となり、「no」と判定した場合には再度ステップS7を実行する。なお、設定変更時の操作方法は任意であり、例えば、各パラメータを変更するためのキーを指示入力部8及びリモコン装置に設けるようにしても良い。
【0044】
これに対し、ステップS7において「yes」と判定した場合、システム制御部5は、ユーザによる指示に従い音量等の再生に関する設定を変更し(ステップS8)、当該変更後のパラメータにより履歴テーブルTBL1-kを更新した後(ステップS9)、履歴テーブルTBL1-kに格納されているサンプル数「A」が閾値「n」を越えているか否かを判定する(ステップS10)。
【0045】
この判定の結果、閾値「n」を越えている場合(「yes」)、システム制御部5は、履歴テーブルTBL1-kに格納されているパラメータを読み出し、平均値を算出して平均値テーブルTBL1-kを更新した後に(ステップS11)、処理をステップS12に移行する。この際、システム制御部5は、当該時点における時刻を取得し、当該時刻を含む時間帯と対応付けられているパラメータを履歴テーブルTBL1-kから読み出して、当該パラメータに基づいて平均値を算出する。
【0046】
なお、かかる平均値の算出に際して、如何なる方法を採用するかについては、任意であり、相加平均(単純平均)を算出するようにしても良いし、各履歴に対応したパラメータに対して重み付けを行って平均値を算出するようにしても良い。重み付けを行う場合、履歴中の新しいものに対して強い重み付けを行えば、ユーザの近時における設定状態を反映することが可能である。
【0047】
一方、ステップS10において「no」と判定した場合、システム制御部5は、ステップS11を実行することなく、ステップS12の処理を実行し、上述した設定の切替えタイミングが到来し、或いは、装置の電源オフコマンドが入力されたか否かを判定する状態となる。そして、この判定の結果、「no」と判定した場合、システム制御部5は、ステップS7〜S12の処理を繰り返すのに対し、「yes」と判定された場合、システム制御部5は、本サブルーチンを終了する。なお、ステップS12において切替えタイミングが到来している場合、再度、本サブルーチンが実行され、新たなソースに対応する最適な設定へと切替えが行われることとなる。
【0048】
このようにして、本実施形態にかかるシステムCPSにおいてコンテンツデータ再生装置CPは、通信I/F部1を介してソースから取得されたコンテンツデータがシステム制御部5による制御の下、映像処理部3及び音声処理部4において処理された後、スピーカS及びモニタMNによって出力される。かかる再生に際して、システム制御部5は、コンテンツデータの再生に関する設定状態を示すパラメータであって過去における各再生時に設定されていたパラメータを当該設定状態にてコンテンツデータが再生された再生時刻を含む時間帯と対応付けて各々記録部6の履歴テーブルTBL1-kに保存する。そして、システム制御部5は、コンテンツデータ再生開始時に当該再生時刻を取得し、当該再生時刻を含む時間帯を特定する構成となっている。このようにして、管理される設定履歴のパラメータはコンテンツデータ再生時に利用され、システム制御部5はかかる履歴に対応するパラメータ値を用いてコンテンツデータの再生を行う構成となっている。
【0049】
この構成により、コンテンツデータの再生時刻を含む時間帯において過去に設定されていた音量等の設定状態を示すパラメータを反映してコンテンツデータが再生されることとなる。このため、各時間帯毎に変化する視聴時におけるユーザの周囲環境を加味しつつコンテンツデータ再生時の音量等のパラメータを決定し、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPにおいては、履歴テーブルTBL1-kにパラメータと時間帯とを対応付けて複数格納し、システム制御部5は、履歴テーブルTBL1-kに格納されている複数のパラメータに基づき、各時間帯において設定されるべき状態を示す最適なパラメータを生成し、当該生成したパラメータを利用してコンテンツデータを再生する構成となっている。そして、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPSにおいてシステム制御部5は、各時間帯毎に履歴テーブルTBL1-kに格納されているパラメータの平均値を算出し、当該平均値に基づいて各時間帯において設定されるべき最適なパラメータを決定する構成となっている。この構成により、各時間帯毎にユーザが設定したパラメータの平均値が算出されるため、普段のユーザの生活環境を最も良く反映したパラメータを決定することが可能となる。なお、この場合における、サンプル値「A」との関係に関しては、上述の通りである。
【0051】
また更に、本実施形態においてコンテンツデータ再生装置CPは、システム制御部5が決定したパラメータの平均値を格納するための平均値テーブルTBL2-kを有し、当該パラメータは、このテーブルTBL2-kを用いて管理されるようになっている。このため、設定変更を行う度に平均値を算出する必要性がなくなり、設定決定時における処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0052】
更に、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPにおいてシステム制御部5は、コンテンツデータの再生中にユーザによる指示が指示入力部8等に入力された場合、当該指示に基づいて新たなパラメータを決定し、当該パラメータに基づいて再生に関する設定を変更し、履歴テーブルTBL1-kには当該パラメータが当該設定変更がなされた時刻を含む時間帯と対応付けて格納される構成となっている。この構成により、コンテンツデータの再生中におけるパラメータの変更履歴が随時、履歴テーブルTBL1-kに格納され、後の再生時における設定状態に反映されていくこととなり、パラメータ設定に関するユーザの嗜好の変化やユーザの周囲環境の変化に柔軟に対応することが可能となる。
【0053】
更にまた、システム制御部5は、コンテンツデータの再生中に時間帯が変動した場合であっても、当該再生中は既に設定されている設定状態を維持する構成となっているため、ユーザの意図しないところで突然設定状態が変更されてしまうことを防止することが可能となる。
【0054】
なお、本実施形態においては、コンテンツデータの再生中に時間帯を跨いだとしても開始時に設定された設定を維持する構成を採用していたが、再生中に時間帯を跨いだ場合にパラメータの再設定を行うようにしても良い。また、この場合、ユーザが何れかの設定状態、すなわち、時間帯を跨いだときに開始時の設定状態を維持するか否かを選択できるようにしても良い。
【0055】
また更に、かかる構成を採用する場合、当該時間帯を跨いだ瞬間に突然、設定を変更するとユーザに違和感を与える可能性がある。特に、設定音量が突然大きくなるとユーザを驚かせることになりかねない。そこで、コンテンツデータの再生中に時間帯を跨いだ場合にパラメータの再設定を行う態様を採用する場合、例えば、パラメータ値を10秒間隔にて一定値ずつシフトさせ目標値に再設定する等、段階的な設定を行うことによりユーザに違和感を与えることなくコンテンツデータの再生中に設定を変更することが可能となる。
【0056】
更に、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPは平均値テーブルTBL2-kを設け、履歴テーブルTBL1-kに基づいて算出された平均値を格納し、設定を行う場合には、この平均値テーブルTBL2-kに格納されている平均値を用いて設定を行う構成となっている。しかし、平均値テーブルTBL2-kを設けず設定を行う度に平均値を算出するようにしても良い。
【0057】
更にまた、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPは、履歴テーブルTBL1-kに履歴を格納するようにしているが平均値テーブルTBL2-kのみを設け平均値のみを管理する構成としても良い。
【0058】
また、履歴テーブルTBL1-kに格納しておくパラメータのサンプル数に関しては幾つでも良く、コンテンツデータ再生装置CPに搭載するメモリの容量に応じて決定するようにしても良い。
【0059】
また更に、本実施形態においては、サンプル数「A」が閾値「n」を越えるまでは、平均値テーブルTBL2-kに格納されているパラメータを利用せずに、前回の設定を優先する構成となっていた。しかし、各時間帯において設定されるべきパラメータをデフォルトにて決定しておき、サンプル数「A」が閾値「n」を越えるまでは、当該デフォルトにて設定されたパラメータを利用して設定を行うようにしても良い。
【0060】
また更に、本実施形態においては、コンテンツデータ再生装置CPにおいてユーザにより設定されたパラメータを管理し、当該パラメータに基づいて各装置の設定を変更する構成を採用していた。しかし、当該処理の動作を規定するプログラムが記録された記録媒体と、それを読み取るコンピュータと、を備え、このコンピュータで当該プログラムを読み込むことによって上述と同様の処理動作を行うようにしてもよい。
【0061】
更に、この構成を採用する場合、当該プログラムをネットワーク上のサーバに保存し、コンテンツデータ再生装置CPからの要求に応じてダウンロードする構成としても良い。この場合、AVアンプ等のバージョンアップを行い、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CPと同様の処理を実現することが可能となる。
【0062】
[2]第2実施形態
図5は、本実施形態にかかるコンテンツデータ再生システムCPS2(以下、「システムCPS2」という)の構成を示すブロック図である。なお、同図において上述した図1に示す要素と同様の要素については、同様の符号を付してある。
【0063】
ここで、上記第1実施形態においてはユーザの履歴に基づいて各時間帯毎のパラメータの平均値を算出することによりユーザの周囲環境を予測し、当該平均値を用いて再生に関する設定を行う構成となっていた。これに対して、本実施形態にかかるシステムCPS2は各装置の設定を行う際にユーザによるパラメータの設定履歴のみならずユーザの周囲における騒音や明るさ等の環境を検出し、騒音等の要因をも加味した設定を実現するためのものである。
【0064】
かかる機能を実現するため本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CP2には上記図1に示した各要素と共にセンサ部11が設けられている。このセンサ部11はフォトダイオードから構成される光センサとマイクを有しておりユーザのコンテンツ視聴時における周辺の明るさ及び騒音のレベルを検出し、当該検出結果に応じた検出信号をシステム制御部5に出力する。
【0065】
一方、システム制御部5は、履歴テーブルTBL1-kの更新時に各パラメータの設定値と対応付けて(A)当該パラメータの設定時間帯及び(B)その際における周囲の騒音及び明るさを示すパラメータを格納する。なお、周囲の騒音レベル及び明るさを示すパラメータをどのように定義付けるかについては任意であるが、本実施形態においては説明の具体化のため騒音及び明るさのレベルを5段階に分け、各々、「1」〜「5」に数値化したパラメータ(以下、「安騒音等パラメータ」という)を用いるものとして説明する。
【0066】
また、本実施形態においてコンテンツデータ再生装置CP2は、パラメータの平均値を平均値テーブルTBL200-kにより、図6に示す態様にて管理、保存している。同図に示すように、本実施形態においてユーザの設定履歴の平均値は、当該平均値に対応した時間帯及び安騒音パラメータと対応付けて管理される。換言するならば、本実施形態においては、各時間帯における騒音等のレベル毎に平均値が算出され、この算出された平均値が時間帯及び安騒音パラメータと共に管理、保存されるのである。
【0067】
かかる構成を有するコンテンツデータ再生装置CPにおいて実際に再生に関する設定を行う場合の具体的な処理について図7を参照しつつ説明する。なお、図7に示す処理は、上記図4と同様に設定変更のタイミングが到来した時点でシステム制御部5が実行するサブルーチンとなっている。
【0068】
まず、ユーザがメディア再生装置MP、モニタMN及びコンテンツデータ再生装置CPの電源を投入すると、システム制御部5は図4にフローチャートを示す処理を開始し、上記ソース種別の判別後(ステップS1)、自動調節機能が「ON」の設定状態を判定する(ステップS2)。この判定において、「no」と判定した場合、システム制御部5は、ステップS6と同様の処理を行って処理をステップS7に移行するのに対し、「yes」と判定した場合には、ステップS3及びS4と同様の処理を実行する。
【0069】
そして、このステップS4において「no」と判定した場合、システム制御部5はステップS6を実行して処理をステップS7に移行するのに対し、「yes」と判定した場合、システム制御部5はセンサ部11から供給される検出信号に基づいて、ユーザの周囲環境に対応した安騒音等パラメータを決定する(ステップS101)。システム制御部5は、このようにして得られた安騒音等パラメータとステップS3において取得された現在時刻に基づいて平均値テーブルTBL200-kを検索し、当該時刻及び当該安騒音等パラメータに対応付けられたパラメータの平均値を読み出して、当該平均値に基づいて各装置の設定を変更して(ステップS102)、ステップS7へと処理を移行する。
【0070】
次いで、以上の処理が行われた結果、処理がステップS7へと移行するとシステム制御部5は上述したステップS7〜ステップS12の処理を実行し、設定切替えのタイミングが到来し、或いは、電源オフコマンドが入力された時点で本サブルーチンを終了する。但し、本実施形態の場合、上述のように平均値テーブルTBL200-kが時間帯のみならず安騒音等パラメータをも加味して管理されるため、ステップS11においてシステム制御部5が算出した平均値は、ステップS101において決定された安騒音等パラメータと対応する平均値テーブルTBL200-kのフィールドに格納される。これにより、各時間帯において設定されたパラメータの平均値が周囲の明るさや騒音レベル毎に算出され、管理されることとなり事後のコンテンツデータ再生時に騒音レベル等を加味して再生に関する設定を行うことが可能となる。
【0071】
このようにして本実施形態にかかるコンテンツデータ再生装置CP2は、周辺の騒音及び照度の状態を検出し、当該検出結果に対応した検出信号を出力するセンサ部11を更に有し、システム制御部5は、この出力された検出信号により示される安騒音等パラメータを時間帯及び音量等のパラメータとを対応付けて履歴テーブルTBL1-kに保存することにより履歴を管理して、コンテンツデータの再生時には、当該時点においてセンサ部11から出力された検出信号に対応する安騒音等パラメータと対応付けて履歴テーブルTBL1-kに格納されているパラメータを用いてコンテンツデータが再生される。この構成により、時間帯のみならず各履歴に対応したパラメータ設定時の騒音状態までも履歴として管理されることとなり、ユーザの周辺環境が日々変化しているような環境にある場合であっても当該環境の変化に応じた適切な設定変更を実現することが可能となる。
【0072】
なお、本実施形態においては、コンテンツデータの再生中にユーザの周囲における騒音レベル等が変化したとしても設定状態を変更する構成とはしていなかったが、再生中に騒音等のレベルが変化した場合にパラメータの再設定を行うようにしても良い。また、この場合、ユーザが何れかの設定状態、すなわち、再生中に騒音等のレベルが変化した場合にパラメータの再設定を行うか否かを選択できるようにしても良い。
【0073】
また更に、かかる構成を採用する場合、騒音等のレベルが変化した瞬間に突然、設定を変更するとユーザに違和感を与えかねない。そこで、コンテンツデータの再生中に騒音等のレベルが変化したような場合には、例えば、パラメータ値を10秒間隔にて一定値ずつシフトさせ目標値に再設定する等、段階的な設定を行うことにより、ユーザに違和感を与えることなくコンテンツデータの再生中に設定を変更することが可能となる。
【0074】
更に、かかる構成を採用する場合、騒音及び明るさのレベルの変化量に対して、所定のスレッショルドを設け、当該スレッショルドを越えた場合にのみ、再設定を行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1実施形態におけるコンテンツデータ再生システムCPSの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における履歴テーブルTBL1-kの記録内容の一例を示す図である。
【図3】同実施形態における平均値テーブルTBL2-kの記録内容の一例を示す図である。
【図4】同実施形態におけるコンテンツデータ再生装置CPのシステム制御部5が実行する処理を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態におけるコンテンツデータ再生システムCPS2の構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態における平均値テーブルTBL200-kの記録内容の一例を示す図である。
【図7】同実施形態におけるコンテンツデータ再生装置CPのシステム制御部5が実行する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
CPS、CPS2・・・コンテンツデータ再生システム
RT・・・ラジオチューナ
TT・・・テレビチューナ
MP・・・メディア再生装置
MN・・・モニタ
CP、CP2・・・コンテンツデータ再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを取得し、当該取得されたコンテンツデータを再生する再生手段と、
前記コンテンツデータの再生に関する設定状態を示す設定情報であって過去における各再生時に設定されていた設定情報を、当該設定状態にてコンテンツデータが再生された再生時刻を含む時間帯と対応付けて各々保存する履歴管理手段と、
前記再生手段における前記コンテンツデータの再生時刻を取得し、当該再生時刻を含む前記時間帯を特定する特定手段と、を備え、
前記再生手段は、前記特定手段によって特定された時間帯と対応付けて前記履歴管理手段に保存された前記設定情報を用いてコンテンツデータを再生することを特徴とするコンテンツデータ再生装置。
【請求項2】
前記履歴管理手段は、
前記設定情報と当該設定情報に対応する再生時刻を含む前記時間帯とを対応付けて複数、保存し、
前記再生手段は、
前記履歴管理手段によって保存されている複数の設定情報を用いて前記各時間帯において設定されるべき状態を示す前記再生時設定情報を生成し、当該再生時設定情報を用いて前記コンテンツデータを再生することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項3】
前記再生手段は、前記各時間帯毎に前記履歴管理手段に保存されている設定情報に対応した数値の平均値を算出し、当該平均値に基づいて前記再生時設定情報を生成することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項4】
前記再生手段は、生成された再生時設定情報を管理するテーブルを有し、当該生成した再生時設定情報をテーブルに格納することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項5】
前記再生手段は、
前記コンテンツデータの再生中にユーザの指示に基づいて新たな前記設定情報を生成し、当該設定情報を用いて再生に関する設定を変更する設定変更手段を更に有し、
前記履歴管理手段は、前記設定変更手段によって新たに生成された設定情報を当該設定変更がなされた時刻を含む前記時間帯と対応付けて保存することにより、前記履歴を更新する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項6】
前記再生手段は、前記コンテンツデータの再生中に前記時間帯が変動した場合であっても、当該再生中は既に設定されている前記設定状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項7】
前記再生手段は、前記コンテンツデータの再生中に前記時間帯が変動した場合に当該変化後の時間帯と対応付けて前記履歴管理手段に保存された前記設定情報を用いて前記設定状態を変更し、当該変更後の設定状態にて前記コンテンツデータの再生を継続することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項8】
前記再生手段は、前記コンテンツデータの再生中に前記時間帯が変動した場合に当該変化後の時間帯と対応付けて前記履歴管理手段に保存された前記設定情報を用いて前記設定状態を変更するに際し、当該変更前の設定状態から、当該新たな設定状態に至るまで段階的に設定状態を変更することを特徴とする請求項7に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項9】
自装置周辺の騒音及び照度の状態を検出し、当該検出結果に対応した検出情報を取得する検出手段を更に有し、
前記履歴管理手段は、前記取得された検出情報を前記時間帯及び前記設定情報とを対応付けて保存することにより、当該設定情報の履歴を管理し、
前記再生手段は、前記検出手段によって取得された検出情報と対応付けて前記履歴管理手段に保存されている前記設定情報を用いて前記コンテンツデータを再生する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツデータ再生装置。
【請求項10】
コンテンツデータを取得し、当該コンテンツデータを再生するコンテンツデータ再生装置と、
前記コンテンツデータ再生装置と接続された外部機器と、を有するコンテンツデータ再生システムであって、
前記コンテンツデータ再生装置は、
前記コンテンツデータを再生する再生手段と、
前記コンテンツデータの再生に関する設定状態を示す設定情報であって過去における各再生時に設定されていた設定情報を、当該設定状態にてコンテンツデータが再生された再生時刻を含む時間帯と対応付けて各々保存する履歴管理手段と、
前記再生手段における前記コンテンツデータの再生時刻を取得し、当該再生時刻を含む前記時間帯を特定する特定手段と、を備え、
前記再生手段は、前記特定手段によって特定された時間帯と対応付けて前記履歴管理手段に保存された前記設定情報を用いて前記コンテンツデータを再生すると共に、当該設定情報に基づいて前記外部機器の再生に関する設定を変更することを特徴とするコンテンツデータ再生システム。
【請求項11】
コンピュータによりコンテンツデータを取得して、再生するためのコンテンツデータ再生プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記コンテンツデータの再生に関する設定状態を示す設定情報であって過去における各再生時に設定されていた設定情報を、当該設定状態にてコンテンツデータが再生された再生時刻を含む時間帯と対応付けて保存する履歴管理手段、
前記再生手段における前記コンテンツデータの再生時刻を取得し、当該再生時刻を含む前記時間帯を特定する特定手段、
前記再生手段は、前記特定手段によって特定された時間帯と対応付けて前記履歴管理手段に保存された前記設定情報を用いて前記コンテンツデータの再生を制御する再生制御手段、
として機能させることを特徴とするコンテンツデータ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−5886(P2006−5886A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183024(P2004−183024)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】