説明

コンテンツ再生装置およびコンテンツ再生方法

【課題】コンテンツ再生装置において、電源の遮断が検知されてから電源が完全に遮断されるまでの時間が短くてもレジューム再生を可能とする。
【解決手段】不揮発性メモリに記録された情報に基づいてコンテンツのレジューム再生を行うコンテンツ再生装置は、当該コンテンツ再生装置の電源が遮断されたことを検知する電源遮断検知部(101)と、電源遮断検知部(101)によって電源の遮断が検知されたとき、揮発性メモリに記録されているレジューム再生のために必要な情報の一部である、リアルタイムに変化する全ての情報を含む第1の情報を、不揮発性メモリに退避する第1のデータ制御部(102)と、揮発性メモリに記録されているレジューム再生のために必要な情報のうち、第1の情報に含まれない第2の情報が変化したとき、第2の情報を不揮発性メモリに退避する第2のデータ制御部(103)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置に関し、特に、レジューム再生を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポータブルオーディオプレーヤーやカーナビゲーションなどの電子機器には、レジューム再生機能が搭載されるようになってきている。レジューム再生機能とは、動画や音楽などのコンテンツを再生途中で停止しても、次回再生時に停止位置から再生することができる機能である。再生時間が長いクラシック音楽や映画、あるいは数百ページにわたる電子書籍などをレジューム再生機能がない電子機器で再生する場合、再生するたびに前回の停止位置を検索する必要がある。このような操作は、コンテンツの視聴者にとって煩雑であり、利便性に欠けていることから、レジューム再生機能の重要性が伺える。
【0003】
以下に、レジューム再生機能を有する従来のコンテンツ再生装置について、図8を用いて説明する。図8は従来のコンテンツ再生装置の構成を示すブロック図である。コンテンツ再生装置は、電源の遮断を検知する電源遮断検知部801と、電源遮断検知部801からの通知を受け、揮発性メモリ807に記録された情報を不揮発性メモリ808に退避するデータ制御部802と、アプリケーション805の指示を受けて、TV(Television)チューナやCD/DVD(Compact Disc/Digital Versatile Disc)ドライブなどのデバイス群806の中から1つのデバイスを選択し、選択したデバイスを動作状態に移行制御するとともに、そのデバイスから情報を読み取るデバイス制御部804と、デバイス制御部804を介して取得した情報および不揮発性メモリ808に退避された情報を揮発性メモリ807に書き込むアプリケーション805とから構成される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、従来のコンテンツ再生装置の動作について説明する。アプリケーション805の指示により、デバイス制御部804は、デバイス群806の中から1つのデバイスを選択し、選択されたデバイスにセットされたCD等からコンテンツ情報を取得する。その後、アプリケーション805によって、コンテンツ情報が揮発性メモリ807に書き込まれるとともに、コンテンツが再生される。再生途中で電源が遮断されると、電源遮断検知部801は電源遮断を検知し、データ制御部802に通知する。データ制御部802は、揮発性メモリ807に記録されている全ての情報を不揮発性メモリ808に退避する。不揮発性メモリ808への退避が完了した後、揮発性メモリ807、不揮発性メモリ808、デバイス群806への電源供給が断たれる。
【0005】
その後、電源が再度供給されると、アプリケーション805によって、不揮発性メモリ808に退避された情報が全て揮発性メモリ807に回復されることで、レジューム再生機能が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−140156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の構成では、揮発性メモリ807に記録されている全ての情報が不揮発性メモリ808に退避されるため、電源の遮断が検知されたときに退避される情報量が多い。したがって、全ての情報を退避するために時間がかかるため、電源の遮断が検知されてから電源が完全に遮断されるまでの時間を長くする必要がある。例えば、家庭用コンセントからパーソナルコンピュータや備付オーディオ再生機器などのコンテンツ再生装置に電源が常時供給されている状態であれば、退避する情報量が多くても全ての情報を退避するための時間を十分に確保することができる。ところが、停電などのように電源からの電力供給が突然断たれる場合、コンテンツ再生装置内のコンデンサに蓄えられた電荷が完全に放出されるまでの時間、つまり電源が完全に遮断されるまでの時間は約数十ミリ秒である。この場合、揮発性メモリ807に記録された全ての情報を不揮発性メモリ808に退避することができず、レジューム再生を行うことができなくなってしまう。
【0008】
主電源とは別にバックアップ電源をコンテンツ再生装置に搭載し、主電源の遮断検知時に主電源からバックアップ電源に切り替えるようにすれば、主電源が突然遮断されても全ての情報を退避する時間を確保することができるが、バックアップ電源の追加に伴うコンテンツ再生装置の大型化やコストの増加という別の問題が発生してしまう。
【0009】
かかる点に鑑みて、本発明は、コンテンツ再生装置において、電源の遮断が検知されてから電源が完全に遮断されるまでの時間が短くてもレジューム再生を可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明によって次のような解決手段を講じた。例えば、不揮発性メモリに記録された情報に基づいてコンテンツのレジューム再生を行うコンテンツ再生装置は、当該コンテンツ再生装置の電源が遮断されたことを検知する電源遮断検知部と、電源遮断検知部によって電源の遮断が検知されたとき、揮発性メモリに記録されているレジューム再生のために必要な情報の一部である、リアルタイムに変化する全ての情報を含む第1の情報を、不揮発性メモリに退避する第1のデータ制御部と、揮発性メモリに記録されているレジューム再生のために必要な情報のうち、第1の情報に含まれない第2の情報が変化したとき、第2の情報を不揮発性メモリに退避する第2のデータ制御部とを備えている。
【0011】
これによると、電源遮断検知部によって電源の遮断が検知されたときは、レジューム再生のために必要な情報の全てではなく、その一部である、リアルタイムに変化する全ての情報を含む第1の情報を不揮発性メモリに退避させ、第1の情報に含まれない第2の情報については、それが変化したときに不揮発性メモリに退避させておく。すなわち、レジューム再生のために必要な情報うち、電源の遮断が検知されてから電源が完全に遮断されるまでの間に退避する情報の量が少なくなる。したがって、電源の遮断が検知されてから電源が完全に遮断されるまでの時間が短くても、量の少ない第1の情報を不揮発性メモリに退避することができれば、退避された第1および第2の情報に基づいてレジューム再生を行うことができる。
【0012】
また、第1のデータ制御部は、第1の情報の退避が完了したか否かを示すフラグを第1の情報に付加して第1の情報を不揮発性メモリに退避し、退避が完了したとき、フラグを退避完了状態に設定してもよい。そして、上記コンテンツ再生装置は、フラグが退避完了状態を示す場合には、不揮発性メモリに退避された第1および第2の情報を用いてレジューム再生を行う一方、フラグが退避完了状態を示さない場合には、レジューム再生を行わないようにする。
【0013】
これによると、第1のデータ制御部が第1の情報の一部しか不揮発性メモリに退避できなかった場合、レジューム再生は行われない。したがって、不完全な第1の情報によって意図しないレジューム再生が行われることを防ぐことができる。
【0014】
好ましくは、上記コンテンツ再生装置は、コンテンツが記録された記録媒体を不揮発性メモリとして用いる。
【0015】
これによると、コンテンツおよびレジューム再生に必要な情報を1つの不揮発性メモリに記録することができるため、レジューム再生に必要な情報だけを記録するための不揮発性メモリを別途設ける必要がない。したがって、コンテンツ再生装置の小型化およびコスト低下を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、コンテンツ再生装置において、電源の遮断が検知されてから電源が完全に遮断されるまでの時間が短くてもレジューム再生をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】リアルタイムに変化する情報の構成例を示す図である。
【図3】リアルタイムに変化する情報の別の構成例を示す図である。
【図4】図2に示す情報を用いたコンテンツ再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図3に示す情報を用いたコンテンツ再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生装置に電源が再度供給されたときの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】コンテンツ再生装置の別の構成を示すブロック図である。
【図8】従来のコンテンツ再生装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生装置の構成を示すブロック図である。図1に示すコンテンツ再生装置は、電源遮断検知部101、第1のデータ制御部102、第2のデータ制御部103、デバイス制御部104、アプリケーション105、デバイス群106、揮発性メモリ107、不揮発性メモリ108で構成することができる。
【0019】
電源遮断検知部101は、コンテンツ再生装置に供給される電源が遮断されたことを検知し、検知したことを第1のデータ制御部102に通知する。
【0020】
第1のデータ制御部102は、電源遮断検知部101からの通知を受けて、揮発性メモリ107に記録されている情報から第1の情報を抽出し、不揮発性メモリ108に退避する。第1の情報は、レジューム再生をするために必要な情報の一部であり、リアルタイムに変化する全ての情報を含む。例えば、第1の情報はコンテンツの現在の再生位置を示す再生位置情報である。なお、第1の情報は、再生位置情報に限られない。例えば、コンテンツの残りの再生時間を示す情報でもよい。
【0021】
第2のデータ制御部103は、アプリケーション105の指示を受けて、揮発性メモリ107に記録されている情報のうち第2の情報が変化したか否かを判断し、第2の情報が変化したとき第2の情報を抽出し、不揮発性メモリ108に退避する。第2の情報は、レジューム再生に必要な情報のうち、第1の情報に含まれない情報であり、後述する、使用デバイス情報、ディスク情報、コンテンツ情報およびコンテンツ再生装置の状態を示す情報などである。
【0022】
デバイス制御部104は、アプリケーション105の指示を受けて、デバイス群106の中から使用するデバイスを選択し、選択したデバイスを動作可能状態に移行させる。また、デバイス制御部104は、選択したデバイスからコンテンツ情報を取得する。
【0023】
アプリケーション105は、デバイス制御部104に対して、コンテンツを再生するために使用するデバイスを指示し、デバイス制御部104を介して取得したコンテンツ情報に基づいてコンテンツの再生を行う。また、アプリケーション105は、デバイス制御部104を介して取得したコンテンツ情報および不揮発性メモリ108に退避された情報を揮発性メモリ107に書き込む。
【0024】
デバイス群106は、少なくとも1つのデバイスで構成される。例えば、MD(MiniDisc)ドライブ、TVチューナ、CD/DVDドライブなどで構成することができる。
【0025】
揮発性メモリ107は、揮発性のデータ保持装置である。不揮発性メモリ108は、フラッシュメモリなどの不揮発性のデータ保持装置である。揮発性メモリ107および不揮発性メモリ108は、コンテンツ再生装置の外部に設けられていてもよい。
【0026】
図2は、本実施形態に係るコンテンツ再生装置に用いられる第1の情報の構成例である。図2に示すように、第1の情報の例である再生位置情報は、時、分、秒からなるデータ配列で構成することができる。また、第1の情報の例として、図3に示すように、図2のデータ配列にデータ退避済フラグが付加されたデータ配列を用いてもよい。データ退避済みフラグは、第1の情報の退避が完了したか否かを示すものであり、オン状態およびオフ状態の2つの状態を持つ。データ退避済みフラグの初期値はオフ状態、すなわち退避未完了状態とする。
【0027】
次に、第1の情報として図2に示すデータ配列を用いた場合のコンテンツ再生装置の動作について、図4を参照して説明する。
【0028】
コンテンツ再生装置は何も処理をしていない停止状態で、デバイス群106のCD/DVDドライブにCDが入っていることとする。この状態から、CDに記録されているコンテンツを再生させる場合を例に挙げる。
【0029】
S401において、アプリケーション105はデバイス群106の中から“CD/DVDドライブ”を選択し、現在の使用デバイスが“CD/DVDドライブ”であるという使用デバイス情報を揮発性メモリ107に記録する。
【0030】
S402において、使用デバイス情報が“使用ドライブなし”から“CD/DVDドライブ”に変化したことによって、第2のデータ制御部103は揮発性メモリ107に記録された使用デバイス情報を不揮発性メモリ108に退避する。
【0031】
S403において、アプリケーション105はCDからディスク情報を取得する。ディスク情報とは、例えば、ディスク使用量、コンテンツ総数、各コンテンツの名称、各コンテンツの開始位置と終了位置などCDに格納されているコンテンツに関する情報である。ディスク情報は揮発性メモリ107に記録される。
【0032】
S404において、ディスク情報が揮発性メモリ107に記録されたことによって揮発性メモリ107内のディスク情報が変化したため、第2のデータ制御部103はディスク情報を不揮発性メモリ108に退避する。
【0033】
S405において、アプリケーション105はコンテンツを再生するためのコンテンツ情報を指定する。コンテンツ情報は、例えば、コンテンツ番号、再生モードおよび再生開始時間で構成される。コンテンツ番号とは、何曲目のコンテンツを再生するかという情報である。再生モードとは、全コンテンツを再生するか、1コンテンツのみ再生するかという情報である。再生開始時間とは、再生時間が5分のコンテンツを3分の位置から再生するということを示す情報である。そして、コンテンツ再生装置の状態が停止状態から再生状態に遷移し、コンテンツの再生が開始される。また、コンテンツ情報およびコンテンツ再生装置の状態を示す情報は揮発性メモリ107に記録される。なお、再生位置情報が不揮発性メモリ108に退避されている場合、アプリケーション105は再生位置情報で示される時間を再生開始時間として揮発性メモリ107に記録する。
【0034】
S406において、揮発性メモリ107に記録されている、コンテンツ情報およびコンテンツ再生装置の状態を示す情報が変化したことにより、第2のデータ制御部103は、これらの情報を不揮発性メモリ108に退避する。以後、コンテンツ再生装置は再生状態であり、コンテンツの再生が引き続き行われる。
【0035】
S407において、アプリケーション105は、コンテンツを再生している間、一定の周期でコンテンツの再生位置情報を取得し続けるとともに、取得した再生位置情報を揮発性メモリ107に記録する。
【0036】
S408において、アプリケーション105は、再生位置情報とS403で取得したディスク情報に含まれるコンテンツの終了位置とを比較し、一致するか否かを判断する。これらが一致する場合は、曲終端であると判断され(S408のYes肢)、S409に移行する。一方、一致しない場合、つまり曲終端でない場合(S408のNo肢)は、順次取得される再生位置情報と終了位置とが比較され、曲終端であると判断されるまでS407およびS408が繰り返される。
【0037】
S409において、アプリケーション105はコンテンツの再生を停止する。これにより、コンテンツ再生装置の状態が再生状態から停止状態に遷移する。そして、アプリケーション105は、揮発性メモリ107に記録されているコンテンツ再生装置の状態を示す情報を更新する。
【0038】
S410において、揮発性メモリ107に記録されているコンテンツ再生装置の状態を示す情報が変化したことにより、第2のデータ制御部103は、コンテンツ再生装置の状態を示す情報を不揮発性メモリ108に退避する。
【0039】
S411において、アプリケーション105は、現在使用しているデバイスである“CD/DVDドライブ”を開放する。そして、アプリケーション105は、揮発性メモリ107に記録されている使用デバイス情報を“CD/DVDドライブ”から“使用ドライブなし”に更新する。
【0040】
S412において、揮発性メモリ107に記録されている使用デバイス情報が変化したことにより、第2のデータ制御部は、使用デバイス情報を不揮発性メモリ108に退避する。以後、コンテンツ再生装置は停止状態を保つ。
【0041】
次に、S408において、曲終端が検知される前、すなわちコンテンツの再生途中で電源の遮断が発生した場合の動作について説明する。
【0042】
電源の遮断が発生すると、S413において、電源遮断検知部101によって電源の遮断が検知され、第1のデータ制御部102に通知される。
【0043】
S414において、電源遮断検知部101からの通知を受けた第1のデータ制御部102は、揮発性メモリ107に記録されている情報の中から第1の情報である再生位置情報を抽出し、図2に示すデータ配列を生成する。
【0044】
S415において、第1のデータ制御部102は、図2に示すデータ配列を先頭から順に不揮発性メモリ108に退避する。コンテンツの再生位置情報は、時間経過と共に変化する情報であるため、電源遮断の通知を受けた第1のデータ制御部102により、不揮発性メモリ108に退避される。そして、コンテンツ再生装置は電源が完全に遮断されるまで待機する。
【0045】
そして、電源が遮断されてからコンテンツ再生装置に電源が再度供給されると、アプリケーション105は、不揮発性メモリ108に退避されたコンテンツ再生装置の状態を示す情報を確認する。コンテンツ再生装置の状態が再生状態であればS401からS406が自動的に行われる。このとき、S405において、アプリケーション105は、不揮発性メモリ108から取得した再生位置情報で示される時間を再生開始時間として揮発性メモリ107に記録することで、レジューム再生が可能になる。
【0046】
以上によると、電源の遮断が検知されたとき、レジューム再生に必要な情報として第1の情報のみを不揮発性メモリ108に退避すればよいため、退避に要する時間が短くて済む。また、第2の情報は変化するたびに不揮発性メモリ108に退避されるため、退避された第2の情報は常に最新の状態である。したがって、電源の遮断が検知されてから電源が完全に遮断されるまでの時間が短くても、不揮発性メモリ108に退避された第1および第2の情報に基づいてレジューム再生を行うことができる。
【0047】
次に、第1の情報として図3に示すデータ配列を用いた場合のコンテンツ再生装置の動作について、図5を参照して説明する。なお、図4および図5に示すフローチャートにおいて、同一の符号は同一の処理を示すため、異なる部分について説明する。
【0048】
S416において、電源遮断検知部101からの通知を受けた第1のデータ制御部102は、揮発性メモリ107に記録されている情報の中から再生位置情報を抽出し、図2に示すデータ配列を生成する。
【0049】
S417において、第1のデータ制御部102は、図2に示すデータ配列の最後尾にデータ退避済みフラグを付加する。これにより、第1の情報は、図3に示すデータ配列となる。
【0050】
S418において、第1のデータ制御部102は、図3に示すデータ配列を、先頭から順に不揮発性メモリ108に退避し、退避が完了したときに最後尾のデータ退避済みフラグをオン状態、すなわち退避完了状態に設定する。
【0051】
図6は、第1の情報として図3に示すデータ配列を用いたコンテンツ再生装置に電源が再度供給されたときの動作を説明するためのフローチャートである。
【0052】
コンテンツ再生装置に電源が再度供給されると、S601において、アプリケーション105は第1のデータ制御部102が不揮発性メモリ108に退避したデータ配列からデータ退避済みフラグを取得する。
【0053】
S602において、アプリケーション105はデータ退避済みフラグの状態を確認する。データ退避済みフラグがオン状態の場合(S602のYes肢)、再生位置情報は不揮発性メモリ108に退避されていると判断され、S603に移行する。一方、データ退避済みフラグがオフ状態の場合(S602のNo肢)、再生位置情報は不揮発性メモリ108に退避されていないと判断され、コンテンツ再生装置は停止状態に移行する。
【0054】
S603において、アプリケーション105は不揮発性メモリ108に退避されているデータ退避済みフラグをオフ状態に設定する。
【0055】
S604において、アプリケーション105は不揮発性メモリ108から、第2のデータ制御部103が退避した使用デバイス情報、ディスク情報、コンテンツ情報およびコンテンツ再生装置の状態を示す情報を取得して、揮発性メモリ107に書き込む。
【0056】
S605において、アプリケーション105は不揮発性メモリ108から、第1のデータ制御部102が退避した再生位置情報を取得して、揮発性メモリ107に書き込む。
【0057】
S606において、アプリケーション105はS604,S605で取得した情報に基づいてコンテンツの再生を再開する。
【0058】
以上、第1の情報として図3に示すデータ配列を用いたコンテンツ再生装置によると、再生位置情報の一部が不揮発性メモリ108に退避された場合、データ退避済みフラグはオフ状態であるため、レジューム再生は行われない。つまり、不完全な再生位置情報に基づいて意図しない再生位置からレジューム再生が行われることを防止することができる。
【0059】
なお、図7に示すように、デバイス群106には、コンテンツが記録されている、HDD(Hard disk drive)、SD(Secure Digital)カードおよびUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体が含まれていてもよく、再生するコンテンツが記録されているこれらの記録媒体を不揮発性メモリ108として用いてもよい。これにより、レジューム再生に必要な情報だけを退避するための不揮発性メモリを別途設ける必要がないため、コンテンツ再生装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、コンテンツのレジューム再生機能の実装が求められる各種電子機器等に有用である。
【符号の説明】
【0061】
101 電源遮断検知部
102 第1のデータ制御部
103 第2のデータ制御部
107 揮発性メモリ
108 不揮発性メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリに記録された情報に基づいてコンテンツのレジューム再生を行うコンテンツ再生装置であって、
当該コンテンツ再生装置の電源が遮断されたことを検知する電源遮断検知部と、
前記電源遮断検知部によって電源の遮断が検知されたとき、揮発性メモリに記録されているレジューム再生のために必要な情報の一部である、リアルタイムに変化する全ての情報を含む第1の情報を、前記不揮発性メモリに退避する第1のデータ制御部と、
前記揮発性メモリに記録されているレジューム再生のために必要な情報のうち、前記第1の情報に含まれない第2の情報が変化したとき、前記第2の情報を前記不揮発性メモリに退避する第2のデータ制御部とを備えている
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
請求項1のコンテンツ再生装置において、
前記第1のデータ制御部は、前記第1の情報の退避が完了したか否かを示すフラグを前記第1の情報に付加して前記第1の情報を前記不揮発性メモリに退避し、退避が完了したとき、前記フラグを退避完了状態に設定するものであり、
当該コンテンツ再生装置は、前記フラグが退避完了状態を示す場合には、前記不揮発性メモリに退避された第1および第2の情報を用いてレジューム再生を行う一方、前記フラグが退避完了状態を示さない場合には、レジューム再生を行わない
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
請求項1及び2のうちいずれか1つのコンテンツ再生装置において、
前記コンテンツが記録された記録媒体を、前記不揮発性メモリとして用いる
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項1のコンテンツ再生装置において、
前記揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリとを備えている
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項5】
不揮発性メモリに記録された情報に基づいてコンテンツのレジューム再生を行うコンテンツ再生方法であって、
前記コンテンツを再生する再生装置の電源が遮断されたことを検知するステップと、
前記再生装置の電源の遮断が検知されたとき、揮発性メモリに記録されているレジューム再生のために必要な情報の一部である、リアルタイムに変化する全ての情報を含む第1の情報を、前記不揮発性メモリに退避するステップと、
前記揮発性メモリに記録されているレジューム再生のために必要な情報のうち、前記第1の情報に含まれない第2の情報が変化したとき、前記第2の情報を前記不揮発性メモリに退避するステップとを備えている
ことを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項6】
請求項5のコンテンツ再生方法において、
前記第1の情報の退避が完了したか否かを示すフラグを前記第1の情報に付加するステップと、
前記第1の情報の退避が完了したとき、前記フラグを退避完了状態に設定するステップと、
前記フラグが退避完了状態を示すか否かに応じて、前記不揮発性メモリに退避された第1および第2の情報を用いてレジューム再生を行うか否かを判断するステップとを備えている
ことを特徴とするコンテンツ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−174287(P2012−174287A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32154(P2011−32154)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】