説明

コンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法

【課題】この発明は、コンテンツを購入した機器以外の機器で同じコンテンツを取得し再生することを可能としてユーザによる取り扱いの自由度を高め、しかも、コンテンツの不正コピー等に対して十分な保護も行なうことができるコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法を提供することを目的としている。
【解決手段】サーバ(14)から暗号化コンテンツ(21)と鍵データ(23)とを購入してコンテンツを再生するPC(19)が、取得した鍵データとそのリストとを異なる暗号鍵で暗号化しライセンス(27)に記録させる。再生機器(30)が、ライセンス(27)から暗号鍵データとそのリストとを読み取って復号化し、その鍵データリスト及び鍵データをサーバ(14)に開示して取得可能なコンテンツのリストを得、コンテンツリストに基づいてサーバ(14)から取得した暗号化コンテンツを、復号化された鍵データに基づいて再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツ配信元から、暗号化されたコンテンツとそのコンテンツの暗号化を解く鍵データとを取得して、コンテンツを再生するためのコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、ユーザがPC(personal computer)等を用いて、コンテンツ配信サービスを行なうサーバにネットワークを介してアクセスすることにより、当該サーバから暗号化されたコンテンツと鍵データとを購入し、その鍵データに基づいてコンテンツに対する暗号化を解き再生を行なうコンテンツ配信システムが構築されている。
【0003】
ところで、このようなコンテンツ配信システムにおいて、PCが購入したコンテンツを他の再生機器に転送して再生したい場合には、PCから暗号化されたコンテンツとその鍵データとを再生機器に転送し、再生機器が、鍵データに基づいてコンテンツに対する暗号化を解き再生を行なうようにしている。
【0004】
すなわち、この種のコンテンツ配信システムでは、コンテンツを購入したPCからでなければ、他の再生機器にコンテンツを転送して再生させることが不可能になっている。つまり、コンテンツを購入したPCを用いることなく、他の再生機器で同じコンテンツを再生したい場合には、サーバから同じコンテンツを再購入する必要が生じることになる。
【0005】
特許文献1には、映像や音声等のデジタルコンテンツを暗号処理した著作権管理コンテンツに対応するライセンス(権利情報)及びコンテンツ鍵を、所定の条件の元にリムーバブル記憶媒体にコピーすることを許可し、別のユーザがリムーバブル記憶媒体を用いてコンテンツを再生することができるようにした構成が開示されている。
【特許文献1】特開2006−085482
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、コンテンツを購入した機器以外の機器で同じコンテンツを取得し再生することを可能としてユーザによる取り扱いの自由度を高め、しかも、コンテンツの不正コピー等に対して十分な保護も行なうことができるコンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るコンテンツ再生装置は、自己に付された第1の識別情報と自己に着脱自在に接続されるライセンスに付された第2の識別情報とをコンテンツ配信元に登録する登録手段と、コンテンツ配信元から暗号化されたコンテンツとその暗号化を解くための鍵データとを購入し、鍵データに基づいて暗号化されたコンテンツの暗号化を解き再生する第1の再生手段と、コンテンツ配信元から取得した鍵データのリストを作成し、その鍵データリストに第1の識別情報を用いて暗号化処理を施し、その暗号鍵データリストをライセンスに記録させる第1の暗号化手段と、コンテンツ配信元から取得した鍵データに第2の識別情報を用いて暗号化処理を施し、その暗号鍵データをライセンスに記録させる第2の暗号化手段とを備えた第1の機器と;接続されたライセンスから暗号鍵データリストを読み取り、第1の識別情報に基づいて暗号鍵データリストの暗号化を解いて鍵データリストを得る第1の復号化手段と、接続されたライセンスから暗号鍵データを読み取り、第2の識別情報に基づいて暗号鍵データの暗号化を解いて鍵データを得る第2の復号化手段と、第1及び第2の復号化手段で得られた鍵データリスト及び鍵データをコンテンツ配信元に開示して、取得可能なコンテンツのリストを取得するリスト取得手段と、リスト取得手段で取得したコンテンツリストに基づいてコンテンツ配信元から暗号化されたコンテンツを取得し、第2の復号化手段で得られた鍵データに基づいて暗号化を解き再生する第2の再生手段とを備えた第2の機器とを備えるようにしたものである。
【0008】
また、この発明に係るコンテンツ再生方法は、第1の機器に付された第1の識別情報と、第1の機器に着脱自在に接続されるライセンスに付された第2の識別情報とをコンテンツ配信元に登録する登録工程と;第1の機器が、コンテンツ配信元から暗号化されたコンテンツとその暗号化を解くための鍵データとを購入し、鍵データに基づいて暗号化されたコンテンツの暗号化を解き再生する第1の再生工程と;第1の機器が、コンテンツ配信元から取得した鍵データのリストを作成し、その鍵データリストに第1の識別情報を用いて暗号化処理を施し、その暗号鍵データリストをライセンスに記録させる第1の暗号化工程と;第1の機器が、コンテンツ配信元から取得した鍵データに第2の識別情報を用いて暗号化処理を施し、その暗号鍵データをライセンスに記録させる第2の暗号化工程と;第2の機器が、それに接続されたライセンスから暗号鍵データリストを読み取り、第1の識別情報に基づいて暗号鍵データリストの暗号化を解いて鍵データリストを得る第1の復号化工程と;第2の機器が、それに接続されたライセンスから暗号鍵データを読み取り、第2の識別情報に基づいて暗号鍵データの暗号化を解いて鍵データを得る第2の復号化工程と、第2の機器が、第1及び第2の復号化工程で得られた鍵データリスト及び鍵データをコンテンツ配信元に開示して、取得可能なコンテンツのリストを取得するリスト取得工程と;第2の機器が、リスト取得工程で取得したコンテンツリストに基づいてコンテンツ配信元から暗号化されたコンテンツを取得し、第2の復号化工程で得られた鍵データに基づいて暗号化を解き再生する第2の再生工程とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
上記した発明によれば、ライセンスを第2の機器に接続することにより、第1の機器を使用することなく、第2の機器で、過去に第1の機器が購入したコンテンツを課金なく取得し再生することが可能となる。このため、ユーザによる取り扱いの自由度を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するコンテンツ配信システムの概略を示している。このコンテンツ配信システムは、コンテンツを配信するコンテンツ配信サービス11と、コンテンツ配信サービス11からコンテンツを購入して再生するユーザ12とを、ネットワーク13によって情報伝送可能に接続することにより構築されている。
【0011】
このうち、コンテンツ配信サービス11は、ネットワーク13を介してコンテンツを配信するためのサーバ14を備えている。このサーバ14は、それぞれ著作権保護のために暗号化処理が施された種々のコンテンツを蓄積するコンテンツデータベース15と、このコンテンツデータベース15に蓄積された種々のコンテンツ毎にそれぞれ暗号化を解くために用意された複数の鍵データを蓄積する鍵データベース16とを備えている。
【0012】
また、このサーバ14には、詳細は後述するが、ユーザ12の有する機器(PC)やライセンスとの認証を行なうための各種の識別情報の登録に関する処理を行なう登録処理部17と、ユーザ12の有する再生機器により開示されるコンテンツリストとライセンス情報(鍵データ)とに基づいて、ユーザにダウンロード可能なコンテンツのリスト作成に関する処理を行なうリスト処理部18とを備えている。
【0013】
一方、ユーザ12は、PC19を備えている。このPC19は、ネットワーク13に接続可能である。また、このPC19は、自己に付された固有な識別番号PCID等をサーバ14に登録することに関する処理を行なうための登録処理部20を備えている。この場合、PC19に付される固有な識別番号PCIDは、ユーザ12が指定することもできるし、コンテンツ配信サービス11で指定することもできる。
【0014】
また、このPC19は、サーバ14にアクセスして、そのコンテンツデータベース15から所望の暗号化されたコンテンツを選択して取得することができる。この取得された暗号化コンテンツ21は、再生処理部22に供給される。
【0015】
PC19は、暗号化コンテンツ21を取得すると自動的にサーバ14にアクセスし、その取得した暗号化コンテンツ21の暗号化を解くための鍵データを要求する。この鍵データの要求により、サーバ14は、鍵データベース16から必要な鍵データをPC19に送信するとともに、PC19に対して課金を発生する。これにより、ユーザ12がコンテンツ配信サービス11からコンテンツを購入したことになる。
【0016】
そして、PC19が取得した鍵データ23は、再生処理部22に供給されて暗号化コンテンツ21の暗号解読処理に供され、ここに、購入したコンテンツの再生が行なわれる。また、PC19が取得した鍵データ23は、暗号化処理部24に供給される。この暗号化処理部24は、入力された鍵データを、後述するライセンスに付された固有な識別番号LIIDを暗号化鍵として暗号化する。
【0017】
さらに、PC19が取得した鍵データ23は、リスト作成部25に供給される。このリスト作成部25は、PC19が鍵データ23を取得する毎に、その取得した鍵データ23をリストに登録する。つまり、PC19が取得した各種の鍵データ23は、それぞれ、PC19によって購入したコンテンツに対応しているため、取得した鍵データ23をリスト化することは、購入したコンテンツのリストを作成したことに対応する。
【0018】
そして、リスト作成部25で作成された鍵データ23のリストは、暗号化処理部26に供給される。この暗号化処理部26は、入力された鍵データリストを、PC19に付された固有な識別番号PCIDを暗号化鍵として暗号化する。
【0019】
ここで、上記PC19は、ライセンス27を着脱可能な装着部(図示せず)を備えている。このライセンス27は、例えば携帯が可能なカード状に構成され、内部に半導体メモリ等の情報記録媒体を備えている。そして、PC19は、その登録処理部20を用いて、装着部に接続されたライセンス27をサーバ14に登録する。このとき、コンテンツ配信サービス11からライセンス27に固有な識別番号LIIDが発行され、ライセンス27の使用が可能となる。
【0020】
そして、ライセンス27は、PC19に接続されているとき、暗号化処理部24でライセンス27に固有な識別番号LIIDを暗号鍵として鍵データ23を暗号化した暗号鍵データ28と、暗号化処理部26でPC19に固有な識別番号PCIDを暗号鍵として鍵データリストを暗号化した暗号鍵データリスト29とが書き込まれる。
【0021】
この場合、暗号鍵データ28と暗号鍵データリスト29とは、同じタイミングでライセンス27に書き込まれることが望まれる。しかしながら、例えば、暗号鍵データ28は、鍵データ23が取得されて暗号化される毎に書き込ませ、暗号鍵データリスト29は、PC19の電源がオフされる際、または、ライセンス27がPC19から取り出される際に書き込ませるようにすることも可能である。
【0022】
また、上記ユーザ12は、再生機器30を備えている。この再生機器30は、ネットワーク13に接続可能である。また、この再生機器30は、上記ライセンス27を着脱可能な装着部(図示せず)を備えている。
【0023】
そして、ライセンス27が装着部に接続されたとき、再生機器30は、ライセンス27から暗号鍵データリスト29を読み取り復号化処理部31に供給する。この復号化処理部31は、PC19に固有な識別番号PCIDを用いて、入力された暗号鍵データリスト29の暗号化を解き、鍵データリスト32を作成する。そして、再生機器30は、この鍵データリスト32を、PC19が購入したコンテンツリストとしてサーバ14に開示する。
【0024】
また、再生機器30は、ライセンス27から各暗号鍵データ28をそれぞれ読み取り復号化処理部33に供給する。この復号化処理部33は、ライセンス27に固有な識別番号LIIDを用いて、入力された各暗号鍵データ28の暗号化を解き、各鍵データをサーバ14に開示する。
【0025】
サーバ14では、リスト処理部18が、再生機器30から開示されたコンテンツリスト(鍵データのリスト)と各鍵データとを照合して、再生機器30に無課金でダウンロードさせることが可能なコンテンツのリストを作成し、再生機器30の表示部34に取得させて表示させる。
【0026】
ユーザ12は、再生機器30の表示部34に表示されたコンテンツリストから所望の暗号化されたコンテンツを選択し、サーバ14にアクセスして、そのコンテンツデータベース15から所望の暗号化されたコンテンツを取得することができる。このとき、サーバ14は、再生機器30に対して課金を発生しない。そして、この取得された暗号化コンテンツ21は、再生処理部35に供給される。
【0027】
この再生処理部35は、復号化処理部33で復号された対応する鍵データを用いて、入力された暗号化コンテンツ21の暗号化を解き、ここに、再生機器30で取得したコンテンツの再生が行なわれる。
【0028】
すなわち、ユーザ12は、ライセンス27を再生機器30に接続することにより、PC19を使用することなく、再生機器30で、過去にPC19が購入したコンテンツを課金なく取得し再生することが可能となる。このため、ユーザによる取り扱いの自由度を高めることが可能となる。
【0029】
また、ライセンス27には、ライセンス27に固有な識別番号LIIDを暗号鍵として鍵データ23を暗号化した暗号鍵データ28と、PC19に固有な識別番号PCIDを暗号鍵として鍵データリスト32を暗号化した暗号鍵データリスト29とが記録されているので、正規のユーザ以外の者がライセンス27の記録内容を読み取っても、識別番号LIID及びPCIDが分からないため鍵データ23を復号することができない。このため、サーバ14から暗号化コンテンツ21を読み取ったとしても、それを解読することができないので、不正コピー等に対して十分な保護も行なうことができる。
【0030】
さらに、ライセンス27には、暗号鍵データ28と暗号鍵データリスト29とが記録されているだけで、サーバ14から取得した暗号化コンテンツ21の暗号解除処理は再生機器30内で行なう構成となっている。このため、暗号解除後のコンテンツが再生機器30の外部に出ないので、この点でも、コンテンツを十分に保護することができる。
【0031】
また、サーバ14は、再生機器30が開示した鍵データリスト32と鍵データ23とに基づいて、つまり、それぞれ異なる識別番号PCID及びLIIDを用いて暗号化及び復号化された鍵データリスト32と鍵データ23とを照合して、再生機器30にダウンロード可能なコンテンツのリストを作成するようにしたので、信頼性の高いコンテンツリストを作成することが可能となる。
【0032】
図2は、上記PC19がサーバ14からコンテンツを購入して再生する処理動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS2a)されると、PC19は、ステップS2bで、固有の識別番号PCIDを有しているか否かを判別し、有していないと判断された場合(NO)、ステップS2cで、固有の識別番号PCIDをサーバ14に登録する処理を経て、ステップS2bの処理に戻される。
【0033】
また、上記ステップS2bで固有の識別番号PCIDを有していると判断された場合(YES)、PC19は、ステップS2dで、サーバ14に対してコンテンツを選択し取得することを要求する。すると、サーバ14は、ステップS2eで、そのコンテンツデータベース15から要求された暗号化コンテンツ21をPC19に出力し、PC19はその暗号化コンテンツ21を取得する。
【0034】
その後、PC19は、ステップS2fで、サーバ14にアクセスし、取得した暗号化コンテンツ21の暗号化を解くために必要な鍵データを要求する。すると、サーバ14は、ステップS2gで、鍵データベース16から必要な鍵データ23をPC19に送信するとともに、ステップS2hで、PC19に対して課金を発生する。
【0035】
そして、PC19は、ステップS2iで、取得した暗号化コンテンツ21と鍵データ23とが適合しているか否かを判別し、適合していると判断された場合(YES)、ステップS2jで、鍵データ23に基づいて暗号化コンテンツ21の暗号化を解き、コンテンツを再生して、処理を終了(ステップS2l)する。
【0036】
また、上記ステップS2iで暗号化コンテンツ21と鍵データ23とが適合していないと判断された場合(NO)、PC19は、ステップS2kで、コンテンツの再生が不可と判断し、例えばその旨をユーザに報知して、処理を終了(ステップS2l)する。
【0037】
図3は、上記PC19が暗号鍵データ28及び暗号鍵データリスト29を作成して、ライセンス27に記録させる処理動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS3a)されると、PC19は、ステップS3bで、ライセンス27が接続されているか否かを判別する。
【0038】
そして、ライセンス27が接続されていると判断された場合(YES)、PC19は、ステップS3cで、そのライセンス27が固有の識別番号LIIDを有しているか否かを判別し、有していないと判断された場合(NO)、ステップS3dで、ライセンス27をサーバ14に登録し、固有の識別番号LIIDを得る処理を経て、ステップS3cの処理に戻される。
【0039】
また、上記ステップS3cでライセンス27が固有の識別番号LIIDを有していると判断された場合(YES)、PC19は、ステップS3eで、その識別番号LIIDを用いて、サーバ14から取得した鍵データ23を暗号化し、ステップS3fで、その暗号鍵データ28をライセンス27に記録させる。
【0040】
その後、PC19は、ステップS3gで、リスト作成部25で作成した鍵データリスト32を、PC19に固有の識別番号PCIDを用いて暗号化し、ステップS3hで、その暗号鍵データリスト29をライセンス27に記録させて、処理を終了(ステップS3i)する。
【0041】
図4及び図5は、上記再生機器30がサーバ14からコンテンツを取得する処理動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS4a)されると、再生機器30は、ステップS3bで、ライセンス27が接続されているか否かを判別する。
【0042】
そして、ライセンス27が接続されている場合(YES)、再生機器30は、ステップS4cで、PC19に固有の識別番号PCIDを用いて、ライセンス27から読み取った暗号鍵データリスト29の暗号化を解き、鍵データリスト32が得られたか否かを判別し、鍵データリスト32が得られたと判断された場合(YES)、ステップS4dで、その鍵データリスト32を過去にPC19が購入したコンテンツのリストとしてサーバ14に開示する。
【0043】
その後、再生機器30は、ステップS4eで、ライセンス27に固有の識別番号LIIDを用いて、ライセンス27から読み取った暗号鍵データ28の暗号化を解き、鍵データ23が得られたか否かを判別し、鍵データ23が得られたと判断された場合(YES)、ステップS4fで、その鍵データ23をサーバ14に開示する。
【0044】
すると、サーバ14は、ステップS4gで、再生機器30から開示された各鍵データ23がそれぞれ正しいか否かを判別し、正しいと判断された場合(YES)、ステップS4hで、その鍵データ23と鍵データリスト32とに基づいて、再生機器30にダウンロード可能なコンテンツのリストを作成し、再生機器30の表示部34に表示させる。
【0045】
これにより、再生機器30は、ステップS4iで、サーバ14に対してコンテンツを選択し取得することを要求する。すると、サーバ14は、ステップS4jで、そのコンテンツデータベース15から要求された暗号化コンテンツ21を再生機器30に出力し、再生機器30はその暗号化コンテンツ21を取得して、処理を終了(ステップ)する
一方、上記ステップS4cで鍵データリスト32が得られなかったと判断された場合(NO)、上記ステップS4eで鍵データ23が得られなかったと判断された場合(NO)、ステップS4gで鍵データ23が正しくないと判断された場合(NO)には、再生機器30は、ステップS4kで、コンテンツの取得が不可と判断し、例えばその旨をユーザに報知して、処理を終了(ステップS4l)する。
【0046】
図6は、上記再生機器30がサーバ14から取得した暗号化コンテンツ21を再生する処理動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS6a)されると、再生機器30は、ステップS6bで、ライセンス27が接続されているか否かを判別する。
【0047】
そして、ライセンス27が接続されている場合(YES)、再生機器30は、ステップS6cで、ライセンス27に固有の識別番号LIIDを用いて、ライセンス27から読み取った暗号鍵データ28の暗号化を解き、鍵データ23が得られたか否かを判別し、鍵データ23が得られたと判断された場合(YES)、ステップS6dで、その鍵データ23と予め取得した暗号化コンテンツ21とが適合しているか否かを判別する。
【0048】
ここで、鍵データ23と暗号化コンテンツ21とが適合していると判断された場合(YES)、再生機器30は、ステップS6eで、鍵データ23に基づいて暗号化コンテンツ21の暗号化を解き、コンテンツを再生して、処理を終了(ステップS6g)する。
【0049】
また、ステップS6cで鍵データ23が得られなかったと判断された場合(NO)、上記ステップS6dで暗号化コンテンツ21と鍵データ23とが適合していないと判断された場合(NO)には、再生機器30は、ステップS6fで、コンテンツの再生が不可と判断し、例えばその旨をユーザに報知して、処理を終了(ステップS6g)する。
【0050】
ここにおいて、上記再生機器30としては、例えばホテル、車両、待合所等に据え置かれるタイプや、ポータブルオーディオのような携帯タイプが考えられる。ポータブルオーディオでは、ライセンス27が接続され、そのライセンス情報(鍵データ23)を参照することでコンテンツを再生することができる。
【0051】
また、ポータブルオーディオは、PC19とインタフェースを持ち、サーバ14から暗号化コンテンツ21を取得するために、PC19を中継することになる。特に、再生機器30は、サーバ14から暗号化コンテンツ21をダウンロードして再生するため、ポータブルオーディオのように記録容量が少ない機器を再生機器30として使用してもコンテンツを入れ替えることで、十分に実用に適するものとなる。
【0052】
さらに、再生装置30としては、サーバ14からコンテンツを購入したPC19とは別のPCでもよい。この別のPCは、ライセンス27が接続可能であるとともに、ネットワーク13にも接続が可能で、暗号化コンテンツ21を保存することができる装置であり、ライセンス情報(鍵データ23)を参照することでコンテンツを再生することができる。なお、ライセンス情報(鍵データ23)を参照できなくなるとコンテンツの再生ができなくなる。
【0053】
また、サーバ14からコンテンツを購入する機器としては、PC19の他にジュークボックス(ミニコンポ等を含む)でもよい。ジュークボックスは、ライセンス27が接続可能であるとともに、ネットワーク13にも接続が可能で、サーバ14から購入した暗号化コンテンツ21を保存することができる装置であって、ライセンス27に記録するデータを生成することができる。
【0054】
さらに、サーバ14は、PC19にて購入したコンテンツの履歴を保持しておき、その履歴と再生機器30が開示する鍵データリスト32とを照合して、再生機器30にダウンロード可能なコンテンツリストを作成するようにしても良い。
【0055】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、コンテンツ配信システムの概略を説明するために示すブロック構成図。
【図2】同実施の形態におけるコンテンツ配信システムのPCがコンテンツを購入して再生する動作を説明するために示すフローチャート。
【図3】同実施の形態におけるコンテンツ配信システムのPCがライセンスにデータを記録する動作を説明するために示すフローチャート。
【図4】同実施の形態におけるコンテンツ配信システムの再生機器がコンテンツを取得する動作の一部を説明するために示すフローチャート。
【図5】同実施の形態におけるコンテンツ配信システムの再生機器がコンテンツを取得する動作の残部を説明するために示すフローチャート。
【図6】同実施の形態におけるコンテンツ配信システムの再生機器がライセンスのデータに基づいてコンテンツを再生する動作を説明するために示すフローチャート。
【符号の説明】
【0057】
11…コンテンツ配信サービス、12…ユーザ、13…ネットワーク、14…サーバ、15…コンテンツデータベース、16…鍵データベース、17…登録処理部、18…リスト処理部、19…PC、20…登録処理部、21…暗号化コンテンツ、22…再生処理部、23…鍵データ、24…暗号化処理部、25…リスト作成部、26…暗号化処理部、27…ライセンス、28…暗号鍵データ、29…暗号鍵データリスト、30…再生機器、31…復号化処理部、32…鍵データリスト、33…復号化処理部、34…表示部、35…再生処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己に付された第1の識別情報と自己に着脱自在に接続されるライセンスに付された第2の識別情報とをコンテンツ配信元に登録する登録手段と、前記コンテンツ配信元から暗号化されたコンテンツとその暗号化を解くための鍵データとを購入し、前記鍵データに基づいて前記暗号化されたコンテンツの暗号化を解き再生する第1の再生手段と、前記コンテンツ配信元から取得した鍵データのリストを作成し、その鍵データリストに前記第1の識別情報を用いて暗号化処理を施し、その暗号鍵データリストを前記ライセンスに記録させる第1の暗号化手段と、前記コンテンツ配信元から取得した鍵データに前記第2の識別情報を用いて暗号化処理を施し、その暗号鍵データを前記ライセンスに記録させる第2の暗号化手段とを備えた第1の機器と、
接続された前記ライセンスから前記暗号鍵データリストを読み取り、前記第1の識別情報に基づいて前記暗号鍵データリストの暗号化を解いて前記鍵データリストを得る第1の復号化手段と、接続された前記ライセンスから前記暗号鍵データを読み取り、前記第2の識別情報に基づいて前記暗号鍵データの暗号化を解いて前記鍵データを得る第2の復号化手段と、前記第1及び第2の復号化手段で得られた鍵データリスト及び鍵データを前記コンテンツ配信元に開示して、取得可能なコンテンツのリストを取得するリスト取得手段と、前記リスト取得手段で取得したコンテンツリストに基づいて前記コンテンツ配信元から暗号化されたコンテンツを取得し、前記第2の復号化手段で得られた鍵データに基づいて暗号化を解き再生する第2の再生手段とを備えた第2の機器とを具備することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記ライセンスは、携帯可能な形状を有し、前記第1及び第2の機器にそれぞれ設置された装着部に選択的に装着されることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記コンテンツ配信元と前記第1及び第2の機器とは、ネットワークを介して情報伝送可能に接続されることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記リスト取得手段は、前記コンテンツ配信元が、前記第1の復号化手段で得られた鍵データリストと前記第2の復号化手段で得られた鍵データとを照合して作成したコンテンツリストを取得することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記リスト取得手段は、前記コンテンツ配信元が、前記第1の機器が購入したコンテンツの履歴と、前記第1の復号化手段で得られた鍵データリストとを照合して作成したコンテンツリストを取得することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
第1の機器に付された第1の識別情報と、前記第1の機器に着脱自在に接続されるライセンスに付された第2の識別情報とをコンテンツ配信元に登録する登録工程と、
前記第1の機器が、前記コンテンツ配信元から暗号化されたコンテンツとその暗号化を解くための鍵データとを購入し、前記鍵データに基づいて前記暗号化されたコンテンツの暗号化を解き再生する第1の再生工程と、
前記第1の機器が、前記コンテンツ配信元から取得した鍵データのリストを作成し、その鍵データリストに前記第1の識別情報を用いて暗号化処理を施し、その暗号鍵データリストを前記ライセンスに記録させる第1の暗号化工程と、
前記第1の機器が、前記コンテンツ配信元から取得した鍵データに前記第2の識別情報を用いて暗号化処理を施し、その暗号鍵データを前記ライセンスに記録させる第2の暗号化工程と、
第2の機器が、それに接続された前記ライセンスから前記暗号鍵データリストを読み取り、前記第1の識別情報に基づいて前記暗号鍵データリストの暗号化を解いて前記鍵データリストを得る第1の復号化工程と、
前記第2の機器が、それに接続された前記ライセンスから前記暗号鍵データを読み取り、前記第2の識別情報に基づいて前記暗号鍵データの暗号化を解いて前記鍵データを得る第2の復号化工程と、
前記第2の機器が、前記第1及び第2の復号化工程で得られた鍵データリスト及び鍵データを前記コンテンツ配信元に開示して、取得可能なコンテンツのリストを取得するリスト取得工程と、
前記第2の機器が、前記リスト取得工程で取得したコンテンツリストに基づいて前記コンテンツ配信元から暗号化されたコンテンツを取得し、前記第2の復号化工程で得られた鍵データに基づいて暗号化を解き再生する第2の再生工程とを具備することを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項7】
前記リスト取得工程は、前記コンテンツ配信元が、前記第1の復号化工程で得られた鍵データリストと前記第2の復号化工程で得られた鍵データとを照合して作成したコンテンツリストを取得することを特徴とする請求項6記載のコンテンツ再生方法。
【請求項8】
前記リスト取得工程は、前記コンテンツ配信元が、前記第1の機器が購入したコンテンツの履歴と、前記第1の復号化工程で得られた鍵データリストとを照合して作成したコンテンツリストを取得することを特徴とする請求項6記載のコンテンツ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−11399(P2008−11399A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182053(P2006−182053)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】