説明

コンテンツ同期システム、地上連携サーバ装置および移動体上連携サーバ装置

【課題】未更新のデータや重複したデータの送受信を行わず、さらにデータの優先度や情報種別に応じてデータを送受信することが可能なコンテンツ同期システムを得ることを目的とする。
【解決手段】本発明におけるコンテンツ同期システムは、移動体上システム2と地上システム1との間で互いに情報を共有する。地上システム1は、地上サービスアプリケーション11と、地上連携サーバ10と、無線基地局12と、通信ネットワーク13とを備える。移動体上システム2は、移動体上サービスアプリケーション21と、移動体上連携サーバ20と、無線通信装置22とを備える。地上連携サーバ10および移動体上連携サーバ20は、地上サービスアプリケーション11および移動体上サービスアプリケーション21の要求に応じて、または所定の周期で地上システム1および移動体上システム2の情報を互いに送受信することで当該情報を同期する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車等の移動体上に設けられて情報処理を行う移動体上システムと、当該移動体上システムと通信ネットワークを介して接続された地上システムとの間で互いに情報を共有するコンテンツ同期システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークに接続されたコンピュータやネットワーク装置の監視や制御を行うためのプロトコルであるSNMP(Simple Network Management Protocol)を利用する装置が増加している。これらの装置では、SNMPを用いて、SNMPマネージャがSNMPエージェントの情報を取得し、情報を同期させるシステムが知られている。例えば下記特許文献1に上述した内容に関連する技術が開示されている。特許文献1に記載されているネットワーク管理システムでは、各SNMPエージェントは管理する情報の更新フラグが登録されたテーブルを有しており、SNMPマネージャが、当該更新フラグに基づいて各エージェントに対し情報の送信を要求する。
【0003】
また、下記特許文献2には、鉄道システムとして列車情報伝達システムが開示されている。この列車情報伝達システムでは、運行中の車上システムの制御装置が検知した自列車の編成番号や走行位置などの車上情報と、列車の着発線変更や臨時列車などのダイヤ変更情報や徐行情報などの地上情報を列車無線により伝達する。
【0004】
【特許文献1】特開2007−241518号公報
【特許文献2】特開2004−189043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているネットワーク管理システムでは、SNMPマネージャとSNMPエージェントとの間で、更新のあるMIBオブジェクトを取得するようにするため、SNMPエージェントの情報を同期するのに要する時間は短くすることができる。
【0006】
しかしながら、このネットワーク管理システムでは、SNMPマネージャおよびSNMPエージェントの上位アプリケーションにとって必要な情報を優先的に取得できないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載されている列車情報伝達システムでは、中央管理センターの各コンピュータから送信を要求される毎に、列車無線を用いて情報の送受信を行っているため、各コンピュータが同種の情報を重複して送受信することがあるという問題があった。
【0008】
そこで本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、未更新のデータや重複したデータの送受信を行わず、さらにデータの優先度や情報種別に応じてデータを送受信することが可能なコンテンツ同期システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明におけるコンテンツ同期システムは、移動体上に設けられて情報処理を行う移動体上システムと、前記移動体上システムと通信ネットワークを介して接続され、地上に設けられて情報処理を行う地上システムとの間で互いに情報を共有するコンテンツ同期システムである。前記地上システムは、前記移動体上システムに提供する情報を管理する地上サービスアプリケーションと、当該地上システムおよび前記移動体上システムの情報を備え、当該地上システムと前記移動体上システムとの間で当該情報を同期する地上連携サーバと、前記移動体上システムとの間で当該地上システムおよび前記移動体上システムの情報の送受信を行う無線基地局と、前記地上サービスアプリケーション、前記地上連携サーバ、前記無線基地局とを接続する通信ネットワークと、を備える。前記移動体上システムは、当該移動体上システムの機能を提供する情報を管理する移動体上サービスアプリケーションと、当該移動体上システムおよび前記地上システムの情報を備え、当該移動体上システムと前記地上システムとの間で当該情報を同期する移動体上連携サーバと、前記地上システムとの間で前記地上システムおよび当該移動体上システムの情報の送受信を行う無線通信装置と、を備える。前記地上連携サーバおよび移動体上連携サーバは、前記地上サービスアプリケーションおよび移動体上サービスアプリケーションの要求に応じて、または所定の周期で前記地上システムおよび前記移動体上システムの情報を互いに送受信することで当該情報を同期する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のコンテンツ同期システムによれば、連携サーバ間で更新データ識別子と非同期データ識別子を周期的に交換することで、更新された情報が存在する場合にのみデータを送受信したり、連携サーバが判断するタイミングで優先度や情報種別に応じてデータを取得要求したりすることが可能となる。したがって、優先度の高いデータを必要なタイミングで送受信したり、更新されたデータだけを送受信したりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のコンテンツ同期システムは、地上システムと移動体上システム間のコンテンツ同期システムとしてサービスを提供したり、移動体上システム間のコンテンツ同期システムとしてサービスを提供したりすることができる。本実施の形態では、地上システムと移動体上システム間のコンテンツ同期システムとしてサービスを提供する場合について主に説明する。また、ここでは鉄道システムを例に挙げ、地上システムと車上システム間のコンテンツ同期システムを説明する。
【0012】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムの構成を概略的に示したブロック図である。後述する図において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
【0013】
図1において、地上システム1は、地上連携サーバ10、地上サービスアプリケーション11、無線基地局12、および通信ネットワーク13を備える。地上連携サーバ10、地上サービスアプリケーション11、無線基地局12は通信ネットワーク13を介して接続されている。地上システム1の地上サービスアプリケーション11および無線基地局12は1つであっても良いし、複数であっても良い。
【0014】
図1において、車上システム2は、車上連携サーバ20、車上サービスアプリケーション21、および無線通信装置22を備える。車上サービスアプリケーション21は車上連携サーバ20を介して無線通信装置22と接続されている。車上システム2の車上サービスアプリケーション21および無線通信装置22は1つであっても良いし、複数であっても良い。本発明に記載のコンテンツ同期システムは、地上システム1は1つであるが、車上システム2は複数存在するものとする。
【0015】
次に、地上システム1の各構成について説明する。地上連携サーバ10は、地上サービスアプリケーション11から設定された地上情報、更新データ識別子、および非同期データ識別子を車上連携サーバと同期したり、車上連携サーバ20の有する車上情報、更新データ識別子、および非同期データ識別子を同期したりする。
【0016】
また、地上連携サーバ10は、地上情報および車上情報を情報本体部分(以下、データ)と更新されたか否かを示す更新データ識別子(以下、地上連携サーバの更新データ識別子を地上Update部、車上連携サーバの更新データ識別子を車上Update部)と更新データ識別子の同期は完了したが情報部が同期されたか否かを示す非同期データ識別子(以下、地上連携サーバの非同期データ識別子を地上Async部、車上連携サーバの非同期データ識別子を車上Async部)に分けて管理する。
【0017】
また、地上連携サーバ10は、地上サービスアプリケーション11に対して、前記車上情報にアクセスする機能を提供したり、地上サービスアプリケーション11から更新通知を登録された車上情報が更新された場合に通知したりする。
【0018】
さらに、地上連携サーバ10は、異なる通信メディアで伝送する複数の無線基地局12を管理しており、通信メディアの状態を考慮して送信する無線基地局12を選択し、無線基地局12で送受信可能なデータ形式を生成して、同期するデータを送受信する。
【0019】
ここで、地上情報とは、進行経路を示すダイヤ、進路開通予測、周辺列車位置、および運行情報などである。また、車上情報とは、列車の編成番号、位置、速度、走行予測、乗務員情報、および故障情報などである。
【0020】
地上サービスアプリケーション11は、地上連携サーバ10が車上システム2から取得した情報を利用して、車上システム2に送信するためのダイヤ、道路開通予測情報などを生成し、地上連携サーバ10に設定する。
【0021】
無線基地局12は、地上連携サーバ10から送信要求のあったデータを無線通信装置22に送信したり、車上連携サーバ20から送信要求のあったデータを無線通信装置22から受信したりする。無線基地局12は1つの通信メディアで特定のエリアの通信をサポートしており、複数の無線基地局がある場合には各無線基地局がサポートする通信メディアは異なるものでも良いし、同じものでも良い。ここでの通信メディアとは、無線LANや携帯電話などで採用されるプロトコルでも良いし、既存の列車無線で採用されているプロトコルでも良い。
【0022】
通信ネットワーク13は、地上連携サーバ10、地上サービスアプリケーション11、および無線基地局12を接続するものであり、IP(Internet Protocol)系ネットワークでも良いし、非IP系ネットワークでも良い。
【0023】
次に、車上システム2の各構成について説明する。車上連携サーバ20は、基本的には地上連携サーバ10と同等の機能を有する。車上連携サーバ20は、車上サービスアプリケーション21から設定された車上情報、更新データ識別子、および非同期データ識別子を地上連携サーバと同期したり、地上連携サーバ10の有する地上情報、更新データ識別子、および非同期データ識別子を同期したりする。車上連携サーバ20は、地上情報および車上情報を情報部、Update部、Async部に分けて管理する。
【0024】
また、車上連携サーバ20は、車上サービスアプリケーション21に対して、前記地上情報にアクセスする機能を提供したり、車上サービスアプリケーション21から更新通知を登録された地上情報が更新された場合に通知したりする。
【0025】
さらに、車上連携サーバ20は、異なる通信メディアで伝送する複数の無線通信機器22を管理しており、通信メディアの状態を考慮して、送信する無線通信機器22を選択し、同期するデータを送受信する。
【0026】
車上サービスアプリケーション21は、列車の位置や速度などの車上情報を車上連携サーバ20に設定したり、地上システム1から受信した情報を利用して自列車が設定すべき適切な運行速度を決定したりする。
【0027】
無線通信装置22は、車上連携サーバ20から送信要求のあったデータを無線基地局12に送信したり、地上連携サーバ10から送信要求のあったデータを無線基地局12から受信したりする。無線通信装置22は1つの通信メディアで特定のエリアの通信をサポートしており、1つの車上システム2内において複数の無線通信装置22がある場合には各無線通信装置22がサポートする通信メディアは異なるものである。
【0028】
次に、地上システム1の詳細な構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システム1の構成を詳細に示したブロック図である。
【0029】
はじめに、地上連携サーバ10の機能についてより詳細に説明する。地上連携サーバ10は、同期通信制御手段101、地上サービスアプリアクセス手段102、情報格納手段103、通信プロトコル処理手段104、および通信メディア制御手段105を備える。
【0030】
図5は、情報格納手段103の詳細な構成を示した図である。情報格納手段103は、地上マスタINDEX部103a、地上マスタDATA103b、車上ミラーINDEX部103c、および車上ミラーDATA103dで構成される。情報格納手段103は、地上連携サーバ10が管理する車上連携サーバ20の台数分で構成される。
【0031】
地上マスタINDEX部103aは、地上Update部103eおよび車上Async部103fで構成される。地上Update部103eは、地上情報の内、地上サービスアプリケーション11から情報の更新要求があった場合、地上サービスアプリアクセス手段102によりその情報の識別子が格納される。車上Async部103fは、車上連携サーバ20から受信した車上Update部203gの内、車上マスタDATA203dの同期が完了した識別子が格納される。
【0032】
地上マスタINDEX部103aの同期が完了すると、同期通信制御手段101により同期が完了した地上Update部103eは地上Async部103hにコピーし、地上Update部103eは削除される。
【0033】
また、車上連携サーバから車上マスタINDEX部203cの地上Async部203hを受信すると、同期通信制御手段101は地上Async部103hと比較し、地上Async部203hに含まれるデータ識別子が地上Async部103hに含まれている場合は地上Async部103hから該当する識別子を削除する。
【0034】
車上マスタDATA203dと車上ミラーDATA103dの同期が完了すると、同期通信制御手段101により、同期が完了したデータの識別子は、車上Update部103gから車上Async部103fにコピーし、車上Update部103gから削除される。
【0035】
地上マスタDATA103bは、地上サービスアプリケーション11から情報の更新要求があった場合、地上サービスアプリアクセス手段102によりその情報本体が格納される。
【0036】
車上ミラーINDEX部103cは、車上Update部103gおよび地上Async部103hで構成される。車上Update部103gは、車上連携サーバ20の車上マスタDATA203dの内、更新された情報の識別子が格納され、車上連携サーバ20から車上Update部を受信する度に識別子を累積させる。地上Async部103hは、車上連携サーバ20に送信した地上Update部103eの内、地上マスタDATA103bと地上ミラーDATA203bの同期が完了していない識別子が格納される。
【0037】
車上ミラーDATA103dは、車上情報のうち、車上連携サーバ20から受信した情報本体が格納される。
【0038】
ここで、情報格納手段103は、MIB(Management Information Base)で構成してもよい。MIBで構成することにより、ツリー構造のデータベースとなるため、送信するデータの指定が容易に可能になる。また、地上Async部103hおよび車上Update部103gは、同期が取れていないデータの識別子だけで構成しても良いし、同期が取れていないデータの識別子と同期回数で構成してもよい。
【0039】
同期通信制御手段101は、車上連携サーバ20と地上情報および車上情報の同期を行うために、複数の車上システム2に対する同期タイミングを管理する。同期タイミングになった場合には、地上マスタDATA103bが更新されたか否かを示す地上Update部103eと、車上ミラーDATA103dと車上マスタDATA203dとで同期が完了したデータを示す車上Async部103fの送信要求を通信プロトコル処理手段104に渡し、車上システムにデータ送信を要求する。
【0040】
また、同期通信制御手段101は、地上マスタDATA103bを車上連携サーバ20に送信するために、情報種別ごとに更新周期、優先度、および最終同期時間を管理する。そして、更新周期の時間以上同期が行われていない場合は、地上マスタINDEX部103aを送信する際に、地上マスタDATA103bを車上連携サーバ20に同時に送信したり、車上ミラーINDEX部103cから車上システム2に対して車上の更新された情報本体の送信要求を行ったりする。
【0041】
さらに、同期通信制御手段101は、地上サービスアプリケーション11に通知する情報がある場合は、地上サービスアプリアクセス手段102にメッセージ受信を通知する。
【0042】
地上サービスアプリアクセス手段102は、地上サービスアプリケーション11とのインタフェースを提供する。例えば、地上サービスアプリケーション11からの要求に応じて情報格納手段103へのアクセスを行ったり、同期通信制御手段101から受信した車上システム2の編成情報や位置情報などを地上サービスアプリケーション11の要求に関わらず通知したりする。例えば、地上サービスアプリケーション11に対して提供するインタフェースはAPI(Application Program Interface)の関数である。
【0043】
ここで、上述した地上サービスアプリアクセス手段102が地上サービスアプリケーション11に対して提供するインタフェース(APIの関数)について説明する。図4は、このAPIの関数の一例を示した図である。APIの関数は、地上サービスアプリケーション11から地上サービスアプリアクセス手段102に対して引数を渡すと、地上サービスアプリアクセス手段102は地上サービスアプリケーション11に対して戻り値を返す。また、地上サービスアプリアクセス手段102は引数を渡されなくても、地上サービスアプリアクセス手段102から地上サービスアプリケーション11に対して、自発的に戻り値を返すAPIの関数も存在する。図4を参照し、以下に各API関数について説明する。
【0044】
まず、編成通知(Accept)について説明する。Acceptは、地上サービスアプリアクセス手段102が同期通信制御手段101から編成状態の変更(車上システム2の新たな編成、終了、他の編成との併合、分割)を受信した場合に、編成状態を地上サービスアプリケーション11に自発的に通知するために利用する。
【0045】
Acceptの引数は、存在しない。一方、Acceptの戻り値は、車両IDと編成状態が存在する。車両IDは、車上システムを識別するための識別子である。編成状態は、車上システムの編成状態の変更を示す識別子である。例えば、「0:新規編成」、「1:終了」、「2:併合」、「3:分割」などのように識別子を割り当てる。
【0046】
次に、通信メディア接続状態通知(LanConnect)について説明する。LanConnectは、地上サービスアプリアクセス手段102が同期通信制御手段101から通信メディアの接続状態の変更(新規接続、切断)を受信した場合に、通信メディアの接続状態を地上サービスアプリケーション11に自発的に通知するために利用する。
【0047】
LanConnectの引数は、存在しない。一方、LanConnectの戻り値は、車両ID、通信メディアIDおよび通信メディア接続状態が存在する。車両IDは、上述した内容と同様のため、説明を省略する。通信メディアIDは、通信メディアを識別するための識別子である。通信メディア接続状態は、通信メディアの接続状態を示す識別子である。例えば、「0:接続」、「1:切断」などのように識別子を割り当てる。
【0048】
次に、情報設定(Set)について説明する。Setは、地上サービスアプリケーション11が情報格納手段103にデータを設定するために利用する。地上サービスアプリアクセス手段102は引数に指定されたデータ識別子のデータを情報格納手段103に格納し、格納した結果を戻り値に含め、地上サービスアプリケーション11に通知する。
【0049】
Setの引数は、車両ID、データ識別子、データ、データサイズおよび強制送信フラグ(オプション)が存在する。車両IDは、上述した内容と同様のため、説明を省略する。データ識別子は、データを識別するための識別子である。データは、情報格納手段に保存されているデータ本体である。データサイズは、データのサイズを示す。強制送信フラグは、情報格納手段103に格納するデータを即座に車上システムに送信することを要求するフラグである。この強制送信フラグはオプションとして利用する。例えば、「0:無効」、「1:有効」のように割り当てる。一方、Setの戻り値は、車両IDとイベントコードが存在する。車両IDは、上述した内容と同様のため、説明を省略する。イベントコードは、情報格納手段にデータを設定した結果を示す識別子である。例えば、「0:成功」、「1:指定されたデータ識別子は存在しない」などのように割り当てる。
【0050】
次に、情報取得(Get)について説明する。Getは、地上サービスアプリケーション11が地上サービスアプリアクセス手段102に情報格納手段103のデータを取得するために利用する。地上サービスアプリアクセス手段102は引数に指定されたデータ識別子のデータを情報格納手段103から取得し、取得したデータを戻り値に格納し、地上サービスアプリケーション11に通知する。
【0051】
Getの引数は、車両IDとデータ識別子が存在する。車両IDとデータ識別子は、上述した内容と同様のため、説明を省略する。一方、Getの戻り値は、車両ID、データ識別子、データ、データサイズおよび同期状態(オプション)が存在する。車両ID、データ識別子、データおよびデータサイズは、上述した内容と同様のため、説明を省略する。同期状態は、情報格納手段に保存されているデータが最新であるか否かを示すフラグである。例えば、「0:最新データ」、「1:古いデータ」などのように割り当てる。
【0052】
次に、データ更新通知(Notify)について説明する。Notifyは、データ通知設定(SetListener)により設定されたデータが更新された場合に、地上サービスアプリアクセス手段102から地上サービスアプリケーション11へ、自発的に通知する。
【0053】
Notifyの引数は、存在しない。一方、Notifyの戻り値は、車両ID、データ識別子、データおよびデータサイズが存在する。車両ID、データ識別子、データおよびデータサイズは、上述した内容と同様のため、説明を省略する。
【0054】
次に、データ更新通知設定(SetListener)について説明する。SetListenerは、地上サービスアプリケーション11が、データが更新された際に自動的に地上サービスアプリアクセス手段102からデータを受信するために、地上サービスアプリアクセス手段102に、データ更新通知を要求するデータを設定する。
【0055】
SetListenerの引数は、車両ID、データ識別子および有効/無効フラグが存在する。車両IDとデータ識別子は、上述した内容と同様のため、説明を省略する。有効/無効フラグは、データ更新通知を有効にするか無効にするかのフラグである。例えば、「0:無効」、「1:有効」などのように割り当てる。一方、SetListenerの戻り値は、車両IDとイベントコードが存在する。車両IDは、上述した内容と同様のため、説明を省略する。イベントコードは、データ更新通知を設定した結果を示す識別子である。例えば、「0:成功」、「1:設定失敗」などのように割り当てる。
【0056】
最後に、パラメータ設定(SetParameter)について説明する。SetParameterは、地上サービスアプリケーション11が、同期制御手段がデータを同期する優先度や更新周期などを設定するために、地上サービスアプリアクセス手段102に通信パラメータの設定を要求する。
【0057】
SetParameterの引数は、車両ID、データ識別子、属性および属性のパラメータ値が存在する。車両IDとデータ識別子は、上述した内容と同様のため、説明を省略する。属性は、設定する通信パラメータの識別子である。例えば属性には、データの優先度やデータの更新周期、データ種別などである。属性のパラメータ値は、設定する通信パラメータの値である。一方、SetParameterの戻り値は、車両IDとイベントコードが存在する。車両IDは、上述した内容と同様のため、説明を省略する。イベントコードは、通信パラメータを設定した結果を示す識別子である。例えば、「0:成功」、「1:設定失敗」などのように割り当てる。
【0058】
図2に戻り、地上連携サーバ10が有する残りの機能について説明する。通信プロトコル処理手段104は、車上連携サーバ20とメッセージを送受信するための通信制御を行うものである。例えば、同期通信制御手段101から渡されたデータにメッセージの種類や再送フラグなどのヘッダ情報を付与したり、無線基地局12が送信可能なメッセージ形式に変換したりした後、通信ネットワーク13を介して無線基地局12に送信するメッセージを渡す。また、無線基地局12からメッセージを受信した場合には情報格納手段に受信データを格納した後、受信したメッセージの種類および受信したメッセージに含まれるデータ識別子を同期通信制御手段101に通知する。
【0059】
さらに、通信プロトコル処理手段104は、無線基地局12にメッセージを送信する際、通信メディア制御手段105の管理する情報から適切な通信メディアを選択して送信することもできるし、通信プロトコル処理手段104は分割/組立制御や再送制御などを提供することもできる。例えば、通信プロトコル処理手段104にSNMPを適用することで、車上連携サーバ20の情報格納手段203のデータを取得することが容易に可能になる。
【0060】
また、通信プロトコル処理手段104は、情報格納手段103の情報を周期的に監視し、情報が更新された場合には車上システム2に対して更新された情報の送信を行う。
【0061】
通信メディア制御手段105は、送信する通信メディアを選択するために、無線基地局12の対応している通信メディアを管理したり、通信品質を管理したりするために周期的に無線基地局12と制御メッセージを送受信する。
【0062】
次に、地上サービスアプリケーション11の機能について詳細に説明する。地上サービスアプリケーション11は、受信データ処理手段111、および送信データ生成手段112を有する。
【0063】
受信データ処理手段111は、地上サービスアプリアクセス手段102から渡されたデータを表示したり、保存したりする。送信データ生成手段112は、車上システム2に送信する情報(例えば、走行予測情報や運行情報など)を車上システム2から受信した情報(例えば、位置、速度情報など)に基づいて生成し、地上サービスアプリアクセス手段102に送信するデータを渡す。
【0064】
次に、無線基地局12の機能について詳細に説明する。無線基地局12は、送信手段121、受信手段122、および通信メディア管理手段123を有する。
【0065】
送信手段121は、通信プロトコル処理手段104から通信ネットワーク13を介して渡された情報を通信ネットワーク13を介して、車上システム2に送信する。受信手段122は、車上システム2から送信された情報を受信し、通信ネットワーク13を介して、通信プロトコル処理手段104に渡す。通信メディア管理手段123は、通信メディア制御手段105が通信メディア管理手段123を管理するために、無線基地局12の対応している通信メディアを管理したり、通信品質を管理したりするために周期的に通信メディア制御手段105と制御メッセージを送受信する。
【0066】
次に、通信ネットワーク13の機能について詳細に説明する。通信ネットワーク13は、地上連携サーバ10、地上サービスアプリケーション11、および無線基地局12を接続するネットワークであり、1つの地上連携サーバ10に複数の地上サービスアプリケーション11からアクセスしたり、複数の無線基地局から情報を送信したりするために利用される。
【0067】
次に、車上システム2の詳細な構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける車上システム2の構成を詳細に示したブロック図である。車上システム2は基本的には地上システム1と同様の構成であるが、車上システム2には通信ネットワーク13が含まれない構成となっている。
【0068】
はじめに、車上連携サーバ20の機能についてより詳細に説明する。車上連携サーバ20は、同期通信制御手段201、車上サービスアプリアクセス手段202、情報格納手段203、通信プロトコル処理手段204、および通信メディア制御手段205を備える。
【0069】
図6は、情報格納手段203の詳細な構成を示した図である。情報格納手段203は、地上ミラーINDEX部203a、地上ミラーDATA203b、車上マスタINDEX部203c、および車上マスタDATA203dで構成される。
【0070】
地上ミラーINDEX部203aは、地上Update部203eおよび車上Async部203fで構成される。地上Update部203eは、地上連携サーバ10の地上マスタDATA103bの内、更新された情報の識別子が格納され、地上連携サーバ10から地上Update部を受信する度に累積させる。車上Async部203fは、地上連携サーバ10に送信した車上Update部203gの内、車上マスタDATA203dと車上ミラーDATA103dの同期が完了していない識別子が格納される。
【0071】
地上ミラーDATA203bは、地上情報の内、地上連携サーバ10から受信した情報本体が格納される。
【0072】
車上マスタINDEX部203cは、車上Update部203gおよび地上Async部203hで構成される。車上Update部203gは、車上情報の内、車上サービスアプリケーション21から情報の更新要求があった場合、車上サービスアプリアクセス手段202によりその情報の識別子が格納される。地上Async部203hは、地上連携サーバ10から受信した地上Update部203eの内、地上ミラーDATA203bの同期が完了した識別子が格納される。
【0073】
車上マスタINDEX部203cの同期が完了すると、同期通信制御手段201により更新が完了した車上Update部203gは車上Async部203fにコピーし、車上Update部203gは削除される。
【0074】
また、地上連携サーバから地上マスタINDEX部103cの車上Async部103fを受信すると、同期通信制御手段201は車上Async部203fと比較し、車上Async部103fに含まれるデータ識別子を車上Async部203fから削除する。
【0075】
地上マスタDATA103bと地上ミラーDATA203bの同期が完了すると、同期通信制御手段201により、同期が完了したデータの識別子は、地上Update部203eからなる地上Async部203hにコピーし、地上Update部203eから削除される。
【0076】
また、車上Async部203fおよび地上Upfate部203eは、同期が取れていないデータの識別子だけで構成しても良いし、同期が取れていないデータの識別子と同期回数で構成してもよい。
【0077】
同期通信制御手段201は、地上連携サーバ10と地上情報および車上情報の同期を行う。地上連携サーバ10から地上マスタINDEX部103aの受信通知を受け取った場合に、車上マスタDATA203dが更新されたか否かを示す車上Update部203gと、地上ミラーDATA203bと地上マスタDATA103bで同期が完了したか否かを示す地上Async部203hの送信要求を通信プロトコル処理手段204に渡し、地上システム1にデータ送信を要求する。
【0078】
また、同期通信制御手段201は、地上連携サーバ10から車上情報の送信要求通知を受け取った場合に、車上マスタDATA203dを地上システム1に送信するために通信プロトコル処理手段204に渡し、地上システムに送信を要求したり、地上Update部203eに基づいて、地上システム1に対して地上の更新された情報本体の送信要求を行ったりする。
【0079】
さらに、同期通信制御手段201は、車上サービスアプリケーション21に通知する情報がある場合は、車上サービスアプリアクセス手段202にメッセージ受信を通知する。
【0080】
車上サービスアプリアクセス手段202は、車上サービスアプリケーション21とのインタフェースを提供する。例えば、車上サービスアプリケーション21からの要求に応じて情報格納手段203へのアクセスを行ったり、同期通信制御手段201から受信した地上システム1のダイヤ情報や運行情報などを車上サービスアプリケーション21の要求に関わらず通知したりする。例えば、車上サービスアプリケーション21に対して提供するインタフェースは、地上サービスアプリアクセス手段102と同様に図4に示すようなAPIの関数である。ただし、車上サービスアプリアクセス手段202は、図4に示すAPIのうち、編成通知(Accept)は提供しない。
【0081】
通信プロトコル処理手段204は、地上連携サーバ10とメッセージを送受信するための通信制御を行うものである。例えば、同期通信制御手段201から渡されたデータにメッセージの種類や再送フラグなどのヘッダ情報を付与したり、送信可能なメッセージ形式に変換したりした後、無線通信装置22に送信するメッセージを渡す。また、無線通信装置22からメッセージを受信した場合には情報格納手段203に受信データを格納した後、受信したメッセージの種類および受信したメッセージに含まれるデータ識別子を同期通信制御手段201に通知する。
【0082】
さらに、無線通信装置22にメッセージを送信する際、通信メディア制御手段205の管理する情報から適切な通信メディアを選択して送信することもできるし、通信プロトコル処理手段204は分割/組立制御や再送制御などを提供することもできる。例えば、通信プロトコル処理手段204にSNMPを適用することで、地上連携サーバ10の情報格納手段103のデータを取得することが容易に可能になる。
【0083】
また、通信プロトコル処理手段204は情報格納手段203の情報を周期的に監視し、情報が更新された場合には地上システム1に対して更新された情報の送信を行う。
【0084】
通信メディア制御手段205は、送信する通信メディアを選択するために、無線通信装置22の対応している通信メディアを管理したり、通信品質を管理したりするために周期的に無線通信装置22と制御メッセージを送受信する。
【0085】
次に、車上サービスアプリケーション21の機能について詳細に説明する。車上サービスアプリケーション21は、受信データ処理手段211、および送信データ生成手段212を有する。
【0086】
受信データ処理手段211は、車上サービスアプリアクセス手段202から渡されたデータを表示したり、保存したりする。送信データ生成手段212は、地上システム1に送信する情報(例えば、位置情報、速度情報など)を生成し、車上サービスアプリアクセス手段202に送信するデータを渡す。
【0087】
次に、無線通信装置22の機能について詳細に説明する。無線通信装置22は、送信手段221、受信手段222、および通信メディア管理手段223を有する。
【0088】
送信手段221は、通信プロトコル処理手段204から渡された情報を地上システム1に送信する。受信手段222は、地上システム1から送信された情報を受信し、通信プロトコル処理手段204に渡す。通信メディア管理手段223は、通信メディア制御手段205が通信メディア管理手段223を管理するために、無線通信装置22の対応している通信メディアを管理したり、通信品質を管理したりするために周期的に通信メディア制御手段205と制御メッセージを送受信する。
【0089】
次に、各構成の動作について説明する。図7から図17は、本実施の形態1によるコンテンツ同期システムを構成する地上システム1および車上システム2の各手段の動作を示したフローチャートである。以下に、それぞれの手段での動作を説明する。
【0090】
図7、図8は、本実施の形態1における地上連携サーバ10の同期通信制御手段101の動作を示したフローチャート図である。はじめに、プログラムを起動後(ステップS101)、地上連携サーバ10の同期通信制御手段101は、地上連携サーバ10の通信プロトコル処理手段104からメッセージの受信を待機する(ステップS102)。
【0091】
当該メッセージを受信していない場合は(ステップS102で「No」)、同期通信制御手段101はメッセージを受信するまでステップS102で受信の待機を継続する。これに対して、当該メッセージを受信した場合には(ステップS102で「Yes」)、ステップS103へと移行する。
【0092】
ステップS103では、同期通信制御手段101は、受信したメッセージの種類が「新規編成情報」または「分割情報」の場合はステップS104へと移行する。これに対して、「新規編成情報」または「分割情報」ではない場合にはステップS113へと移行する。
【0093】
次に、同期通信制御手段101は、地上サービスアプリアクセス手段102に対して、編成/分割情報を受信したことを通知する(ステップS104)。
【0094】
そして、同期通信制御手段101は、編成情報の送信元である車上連携サーバ20を図18に示す編成管理テーブルに登録する。また、当該車上連携サーバ20と情報同期を開始するため、同期通信制御手段101が同期するタイミングを管理するためのINDEX同期タイマをスタートする(ステップS105)。
【0095】
ここで、図18に示す編成管理テーブルとは、同期通信制御手段101がデータ同期を行う車上システムを管理するデータベースである。ステップS105において、当該車上システム2の車両ID、IPアドレス/リンクアドレス、編成優先度、編成時刻を登録する。そして、INDEX同期を行う毎に、最終同期時刻を更新する。
【0096】
車両IDは、車上システムを識別するための識別子である。IPアドレス/リンクアドレスは、車上システムの無線通信機器を識別するためのネットワークアドレスである。IPアドレスはIP系ネットワークで利用し、リンクアドレスは非IP系ネットワークで利用する。IPアドレス/リンクアドレスは無線通信機器にあらかじめ設定されている。編成優先度は、車上システムの優先度を示す。編成時刻は、車上システムが編成した時刻を示す。最終同期時刻は、車上システムとINDEX同期を行った最新の時刻を示す。
【0097】
次に、ステップS105でスタートしたINDEX同期タイマがタイムアウトしたかを判定する(ステップS106)。INDEX同期タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS106で「No」)、同期通信制御手段101はステップS106のタイムアウトを待機する。これに対して、INDEX同期タイマがタイムアウトした場合には(ステップS106で「Yes」)、ステップS107へと移行する。
【0098】
次に、同期通信制御手段101は、情報格納手段103の地上マスタINDEX部103aから更新された地上マスタDATA103bの識別子を取得する(ステップS107)。
【0099】
次に、同期通信制御手段101は、自身が予め保持している同期管理テーブル(図19)とステップS107で取得した地上Update部103eから、地上マスタINDEX部103aと同時に送信する情報があるか否かを判定する(ステップS108)。
【0100】
ここで、図19に示す同期管理テーブルとは、同期通信制御手段101がデータの同期を行う場合に利用するデータベースである。このデータベースを参照し、データ同期のタイミングや優先順位、同期する周期などに基づいて、送受信するデータのタイミングおよび順番を決定する。
【0101】
データ識別子は、データを識別するための識別子であり、図22に示す番号に対応する。データ送受信タイプは、データ同期を行う場合、どのタイミングでデータ送受信を行うかを示す。「Mandatory」はデータを送受信する際に必ず含め、「INDEX部と同時」はINDEX同期を行う際に同時に送信し、「DATA種別ごと」は前回の送受信から、更新周期以上の時間が経過した場合に送信する。さらに、「狭域通信時」は狭域通信メディアと接続が可能になった場合に送信する。データ優先度は、データ同期を行う際に複数のデータがある場合に、データ優先度に応じて同期する順番を決定するために利用する。更新周期は、データを同期する周期の最大許容時間を示し、地上サービスアプリケーション11によりデータが更新されてから更新周期以内に同期を行う。
【0102】
INDEX部と同時に送信する地上マスタDATAがない場合は(ステップS108で「No」)、ステップS107で取得した地上マスタINDEX部103aを保持して、ステップS109へと移行する。これに対して、地上INDEX部と同時に送信する地上マスタDATAが存在する場合には(ステップS108で「Yes」)、ステップS107で取得した地上マスタINDEX部103aと、該当する地上マスタDATAの識別子を保持して、ステップS109へと移行する。
【0103】
そして、ステップS109では、同期通信制御手段101は保持している地上INDEX部および地上DATAの識別子の送信要求を通信プロトコル処理手段104に渡す。
【0104】
次に、ステップS109で送信要求を行った車上システム2からの応答を一定時間待機する(ステップS110)。一定時間内に、応答を受信できなかった場合は(ステップS111で「No」)、ステップS105へと戻り、INDEX同期タイマを再スタートする。これに対して、一定時間内に、応答を受信できた場合は(ステップS111で「Yes」)、ステップS112へと移行する。
【0105】
次に、ステップS112では、同期通信制御手段101はINDEX同期が完了したと判断し、送信を行った地上Update部103eを地上Async部103hに登録し、地上Update部103eおよび車上Async部103fは削除し、DATAの同期が完了した識別子は地上Async部103hから削除する(ステップS112)。ステップS112の処理完了後、ステップS105へと戻り、ステップS105からステップS112の処理を繰り返し実行する。
【0106】
一方、ステップS103でステップS113へと移行した場合、同期通信制御手段101は、受信したメッセージの種類が「車上INDEX部」または「車上DATA」の場合はステップS114へと移行する。これに対して、「車上INDEX部」または「車上DATA」ではない場合にはステップS119へと移行する。
【0107】
次に、同期通信制御手段101は、受信した車上INDEX部の地上Async部203hと地上Async部103hを比較し、地上Async部203hに含まれる識別子を地上Async部103hから削除し、さらに車上INDEX部の車上Update部203gを車上Update部103gに追加登録する。さらに車上DATAを受信した場合は、当該データの識別子を車上Update部103gから車上Async部103fに移動し、車上Update部103gを削除する(ステップS114)。
【0108】
次に、地上サービスアプリアクセス手段102に対して、同期通信制御手段101が保持している更新監視テーブル(図20)から、更新されたことを通知する情報が存在するか否かを判定する(ステップS115)。更新を通知する情報が存在しない場合には(ステップS115で「No」)、ステップS117へと移行する。これに対して、更新を通知する情報が存在する場合には(ステップS115で「Yes」)、ステップS116へと移行する。
【0109】
ここで、図20に示す更新監視テーブルとは、更新通知「Notify」により地上サービスアプリケーション11に対して、データが更新された場合に自発的にデータを通知するか否かを管理するテーブルである。更新管理テーブルは、データ更新通知設定(SetListener)により設定される。
【0110】
車両IDは、車上システムを識別する識別子である。「ALL」は管理する全ての車上システムを示す。データ識別子は、データを識別する識別子である。更新通知は、該当するデータ識別子のデータが更新された場合に、地上サービスアプリケーションに通知するか否かを示すフラグである。「On」の場合は地上サービスアプリアクセス手段102に更新通知を行う情報があることを通知し、「Off」の場合は地上サービスアプリアクセス手段102に更新通知を行う情報があることを通知しない。
【0111】
次に、同期通信制御手段101は地上サービスアプリアクセス手段102に対して、更新通知が必要なデータ識別子を通知する(ステップS116)。
【0112】
そして、同期通信制御手段101は、ステップS113で受信した車上INDEX部から車上DATAの取得要求を行うか否かを判定する(ステップS117)。車上DATAの取得要求を行う必要がない場合は(ステップS117で「No」)、同期通信制御手段の処理を完了して、ステップS101へと戻る。これに対して、車上DATAの取得要求を行う場合は(ステップS117で「Yes」)、図19に示す優先度の高い情報の識別子から順番に送信するように、送信要求を通信プロトコル処理手段104に渡す(ステップS118)。ステップS118の処理完了後、同期通信制御手段の処理を完了して、ステップS101へと戻る。
【0113】
一方、ステップS113でステップS119へと移行した場合、同期通信制御手段101は受信したメッセージの種類が「終了通知」または「併合通知」の場合はステップS120へと移行する。これに対して、「終了通知」または「併合通知」ではない場合には同期通信制御手段の処理を完了してステップS101へと戻る。
【0114】
次に、同期通信制御手段は地上サービスアプリアクセス手段102に対して、車上システムが終了したことを通知し(ステップS120)、該当する車上システムに対するINDEX同期タイマを終了させ、図18の編成管理テーブルを更新(削除)する(ステップS121)。ステップS121の処理完了後、同期通信制御手段の処理を完了して、ステップS101へと戻る。
【0115】
ここで、ステップS109で送信する地上INDEX部は、車上Async部を含めずに、地上Update部だけを送信しても良いし、車上Async部に変更があった場合にだけ車上Async部を同時に送信しても良い。
【0116】
また、ステップS113で車上マスタINDEX部を受信した場合、車上Async部に登録されている識別子の同期回数を1インクリメントし、ステップS117において車上Async部に登録されている識別子の同期回数が一定以上になった場合に車上DATAの取得要求を行っても良い。
【0117】
さらに、ステップS107で地上マスタINDEX部と同時に地上Async部を確認し、同期回数が一定以上の識別子が存在する場合には、該当する地上DATAの送信を行っても良い。
【0118】
ステップS117において、車上DATAの取得要求を行う際、図18に示される編成優先度に基づいて、優先度の高い車上連携サーバ20から順番に行っても良い。例えば、図21に示すように、優先度の高い車上連携サーバ20から順番に優先度の高い情報を送信する。
【0119】
図9、図10は、本実施の形態1による地上連携サーバ10の地上サービスアプリアクセス手段102の動作を示すフローチャート図である。プログラムを起動後(ステップS201)、地上連携サーバ10の地上サービスアプリアクセス手段102は、地上連携サーバ10の同期通信制御手段101から通知の受信を待機する(ステップS202)。
【0120】
通知を受信していない場合は(ステップS202で「No」)、ステップS209へと移行する。これに対して、通知を受信した場合には(ステップS202で「Yes」)、ステップS203へと移行する。
【0121】
地上サービスアプリアクセス手段102は、受信した通知が車上システム2の編成、終了、分割、および併合の通知であるか否かを判定する(ステップS203)。受信した通知が編成、終了、分割、および併合の通知ではない場合は(ステップS203で「No」)、ステップS205へと移行する。これに対して、受信した通知が編成、終了、分割、および併合の通知の場合は(ステップS203で「Yes」)、ステップS204へと移行する。
【0122】
次に、地上サービスアプリアクセス手段102は、受信した通知の状態を設定し、地上サービスアプリケーション11に対して、API「Accept」で車上システム2の状態を通知する。ステップS204の処理完了後は、ステップS201へと戻る。
【0123】
一方、ステップS203でS205へと移行した場合、地上サービスアプリアクセス手段102は、受信した通知が情報の更新通知であるか否かを判定する(ステップS205)。受信した通知が更新通知ではない場合(ステップS205で「No」)、ステップS207へと移行する。これに対して、受信した通知が更新通知の場合(ステップS205で「Yes」)、ステップS206へと移行する。
【0124】
次に、地上サービスアプリアクセス手段102は、受信した更新通知に基づき、該当する情報を情報格納手段103から取得し、地上サービスアプリケーション11に対して、API「Notify」で車上システム2の情報が更新されたことを通知する。ステップS206の処理完了後は、ステップS201へと戻る。
【0125】
一方、ステップS205でS207へと移行した場合、地上サービスアプリアクセス手段102は受信した通知が通信メディアの接続状態通知であるか否かを判定する(ステップS207)。受信した通知が接続状態通知ではない場合(ステップS207で「No」)、ステップS201へと戻る。これに対して、受信した通知が接続状態通知の場合(ステップS207で「Yes」)、ステップS208へと移行する。
【0126】
ステップS208では、地上サービスアプリアクセス手段102は受信した通知から、地上サービスアプリケーション11に対して、API「LanConnect」で車上システム2と通信状態が変更されたことを通知する。ステップS208の処理完了後、ステップS201へと戻る。
【0127】
一方、ステップS202でS209へと移行した場合、地上サービスアプリアクセス手段102は、地上サービスアプリケーション11からAPIの受信を待機する(ステップS209)。地上サービスアプリケーション11からメッセージを受信しなかった場合は(ステップS209で「No」)、ステップS202へ戻る。これに対して、地上サービスアプリケーション11からメッセージを受信した場合は(ステップS209で「Yes」)、ステップS210へと移行する。
【0128】
次に、地上サービスアプリアクセス手段102は、地上サービスアプリケーション11からAPI「Get」を受信したか否かを判定する。API「Get」を受信しなかった場合は(ステップS210で「No」)、ステップS213へ移行する。これに対して、API「Get」を受信した場合は(ステップS210で「Yes」)、ステップS211へ移行する。
【0129】
次に、地上サービスアプリアクセス手段102は、「Get」で要求された情報を情報格納手段103から取得し(ステップS211)、地上サービスアプリケーション11に取得した情報を渡す(ステップS212)。ステップS212の処理完了後、ステップS201へと戻る。
【0130】
一方、ステップS210でS213へと移行した場合、地上サービスアプリアクセス手段102は、地上サービスアプリケーション11からAPI「Set」を受信したか否かを判定する。API「Set」を受信しなかった場合は(ステップS213で「No」)、ステップS201へ戻る。これに対して、API「Set」を受信した場合は(ステップS213で「Yes」)、ステップS214へ移行する。
【0131】
次に、地上サービスアプリアクセス手段102は、「Set」で要求された情報を情報格納手段103に設定し、地上Update部に設定された情報の識別子を登録し(ステップS214)、地上サービスアプリケーション11に設定を行った結果を渡す(ステップS215)。ステップS215の処理完了後、ステップS201に戻る。
【0132】
ここで、ステップS211において、車上Update部を同時に取得し、「Get」で要求されたデータが最新のものであるか否かを判断して、ステップS212で通知してもよい。
【0133】
図11は、本実施の形態1による地上連携サーバ10の通信プロトコル処理手段104の動作を示すフローチャート図である。プログラムを起動後(ステップS301)、地上連携サーバ10の通信プロトコル処理手段104は、地上連携サーバ10の同期通信制御手段101からメッセージの送信要求の受信を待機する(ステップS302)。
【0134】
送信要求を受信していない場合は(ステップS302で「No」)、ステップS308へと移行する。これに対して、送信要求を受信した場合には(ステップS302で「Yes」)、ステップS303へと移行する。
【0135】
次に、通信プロトコル処理手段104は、送信要求のあったINDEX部およびDATAを情報格納手段103から取得し(ステップS303)、送信するメッセージのタイプや分割/再送などのフラグなどを含むヘッダ情報を付与して、送信メッセージを生成する(ステップS304)。
【0136】
そして、通信プロトコル処理手段104は、生成したメッセージを送信する無線基地局12を選択し、送信すると同時に、車上システム2からの応答を待機する(ステップS305)。さらに、再送制御が有効な場合は再送タイマをスタートする(ステップS306)。再送制御が無効な場合は通信プロトコル処理手段の処理を完了し、ステップS301に戻る。
【0137】
次に、再送タイマがタイムアウトするまでに、車上システム2から確認応答を受信するか否かを判定する。タイムアウトまでに確認応答を受信しなかった場合(ステップS307で「No」)、ステップS305に戻って同じメッセージを再送する。これに対して、タイムアウトまでに確認応答を受信した場合(ステップS307で「Yes」)、通信プロトコル処理手段の処理を完了し、ステップS301に戻る。一定回数以上タイムアウトが発生した場合にはメッセージの再送を中止し、ステップS301に戻る。
【0138】
一方、ステップS302でS308へと移行した場合、通信プロトコル処理手段104は無線基地局12からメッセージの受信を待機する。メッセージを受信しなかった場合(ステップS308で「No」)、通信プロトコル処理手段104の処理を完了し、ステップS301へ戻る。これに対して、メッセージを受信した場合(ステップS308で「Yes」)、ステップS309へ移行する。
【0139】
ステップS309では、通信プロトコル処理手段104は受信したメッセージが分割されている場合はデータを組立て、分割されていない場合はそのままステップS310へ移行する。
【0140】
次に、通信プロトコル処理手段104は、受信したメッセージから情報部分を情報格納手段103に保存し(ステップS310)、同期制御処理手段に受信したメッセージのタイプを通知する(ステップS311)。
【0141】
次に、通信プロトコル処理手段104は受信したメッセージのタイプから応答が必要か否かを判定する(ステップS312)。受信したメッセージに応答が必要ではない場合は(ステップS312で「No」)、通信プロトコル処理手段104の処理を完了し、ステップS301へ戻る。これに対して、受信したメッセージに応答が必要な場合は(ステップS312で「Yes」)、ステップS313へと移行する。
【0142】
ステップS313では、通信プロトコル処理手段104は応答メッセージを生成し、送信するために無線基地局12に対して送信する。ステップS313の処理完了後、ステップS301へ戻る。
【0143】
図12、図13は、本実施の形態1による車上連携サーバ20の同期通信制御手段201の動作を示すフローチャート図である。プログラムを起動後(ステップS401)、車上連携サーバ20の同期通信制御手段201は、車上連携サーバ20の通信プロトコル処理手段204からメッセージの受信を待機する(ステップS402)。
【0144】
当該メッセージを受信していない場合は(ステップS402で「No」)、同期通信制御手段201はステップS414へと移行する。これに対して、当該メッセージを受信した場合には(ステップS402で「Yes」)、ステップS403へと移行する。
【0145】
ステップS403では、同期通信制御手段201は、受信したメッセージの種類が「地上INDEX部」の場合はステップS404へと移行する。これに対して、「地上INDEX部」ではない場合にはステップS412へと移行する。
【0146】
次に、同期通信制御手段201は、車上サービスアプリアクセス手段202に対して、地上システムの地上INDEX情報を受信したことを通知し(ステップS404)、同期通信制御手段201は受信した車上Async部103fと車上Async部203fを比較し、車上Async部103fに含まれる識別子を車上Async部203fから削除し、さらに地上Update部103eを地上Update部203eに追加登録する(ステップS405)。
【0147】
そして、同期通信制御手段201は、情報格納手段203の車上マスタINDEX部203cから更新された車上マスタDATA203dの識別子を取得する(ステップS406)。
【0148】
次に、同期通信制御手段201は自身が予め保持している同期管理テーブル(図19)とステップS406で取得した車上Update部203gから車上マスタINDEX部203cと同時に送信する情報があるか否かを判定する(ステップS407)。
【0149】
INDEX部と同時に送信する車上マスタDATAがない場合は(ステップS407で「No」)、ステップS406で取得した車上マスタINDEX部203cを保持して、ステップS408へと移行する。これに対して、車上INDEX部と同時に送信する車上マスタDATAが存在する場合には(ステップS407で「Yes」)、ステップS406で取得した車上マスタINDEX部203cと、該当する車上マスタDATAの識別子を保持して、ステップS408へと移行する。
【0150】
そして、ステップS408では、同期通信制御手段201は保持しているINDEX部およびDATAの識別子の送信要求を通信プロトコル処理手段204に渡す。
【0151】
次に、ステップS409では、ステップS408で送信要求を行った地上システム1からの応答を一定時間待機する(ステップS409)。一定時間内に、応答を受信できなかった場合は(ステップS410で「No」)、処理を完了し、ステップS401へと戻る。これに対して、一定時間内に、応答を受信できた場合は(ステップS410で「Yes」)、ステップS411へと移行する。
【0152】
ステップS410では、同期通信制御手段201はINDEX同期が完了したと判断し、送信を行った車上Update部203gを車上Async部203fに登録し、車上Update部203gおよび地上Async部203hは削除する(ステップS411)。ステップS411の処理完了後、ステップS401へと戻る。
【0153】
一方、ステップS403でステップS412へと移行した場合、同期通信制御手段201は受信したメッセージの種類が「地上DATA」の場合は(ステップS412で「Yes」)、ステップS413へと移行する。これに対して、「地上DATA」ではない場合には(ステップS412で「No」)、処理を完了し、ステップS401へ戻る。
【0154】
次に、同期通信制御手段201は、受信した地上DATAの識別子を地上Update部203eから地上Async部203hへコピーし、地上Update部203eを削除する(ステップS413)。
【0155】
次に、車上サービスアプリアクセス手段202に対して、同期通信制御手段201が保持している更新監視テーブル(図20)から、更新されたことを通知する情報が存在するか否かを判定する(ステップS414)。更新を通知する情報が存在しない場合には(ステップS414で「No」)、ステップS401へと移行する。これに対して、更新を通知する情報が存在する場合には(ステップS414で「Yes」)、ステップS415へと移行する。
【0156】
次に、ステップS415で、同期通信制御手段201は車上サービスアプリアクセス手段202に対して、更新を通知する情報が存在することおよび通知する情報のデータ識別子を通知する(ステップS415)。
【0157】
一方、ステップS402でS416へ移行した場合、同期通信制御手段201は通信メディア管理手段205から狭域通信接続通知を受信するか否かを判定する(ステップS416)。狭域通信接続通知を受信しなかった場合(ステップS416で「No」)、処理を完了し、ステップS401へ戻る。これに対して、狭域通信接続通知を受信した場合(ステップS416で「Yes」)、ステップS417へと移行する。
【0158】
次に、同期通信制御手段201は、自身が保持している同期管理テーブルから狭域通信時に送信する車上情報を取得し、送信する車上情報の識別子を通信プロトコル処理手段204に渡し(ステップS417)、地上システム1からの応答を待機する(ステップS418)。
【0159】
地上システム1からの応答を受信できなかった場合は(S419で「No」)、同期通信制御手段201の処理を完了し、ステップS401に戻る。これに対して、地上システム1から応答を受信できた場合は(S419で「Yes」)、ステップS420へ移行する。
【0160】
次に、同期通信制御手段201は、情報部の送信が完了したと判断し、送信を行った情報の識別子については車上Async部を削除する(ステップS420)。ステップS420の処理完了後、ステップS401へと戻る。
【0161】
ここで、ステップS408で送信する車上INDEX部は、地上Async部を含めずに、車上Update部だけを送信しても良いし、地上Async部に変更があった場合にだけ地上Async部を車上Update部と同時に送信しても良い。
【0162】
また、ステップS405で地上マスタINDEX部を受信した場合、地上Async部に登録されている識別子の同期回数を1インクリメントし、ステップS408の後で、地上Async部に登録されている識別子の同期回数が一定以上になった場合に地上DATAの取得要求を行っても良い。
【0163】
さらに、ステップS406で車上マスタINDEX部と同時に車上Async部を確認し、同期回数が一定以上の識別子が存在する場合には、該当する車上DATAの送信を行っても良い。
【0164】
図14、図15は、本実施の形態1による車上連携サーバ20の車上サービスアプリアクセス手段202の動作を示すフローチャート図である。プログラムを起動後(ステップS501)、車上連携サーバ20の車上サービスアプリアクセス手段202は、車上連携サーバ20の同期通信制御手段201から通知の受信を待機する(ステップS502)。
【0165】
通知を受信していない場合は(ステップS502で「No」)、ステップS507へと移行する。これに対して、通知を受信した場合には(ステップS502で「Yes」)、ステップS503へと移行する。
【0166】
次に、車上サービスアプリアクセス手段202は、受信した通知が情報の更新通知であるか否かを判定する(ステップS503)。受信した通知が更新通知ではない場合(ステップS503で「No」)、ステップS505へと移行する。これに対して、受信した通知が更新通知の場合(ステップS503で「Yes」)、ステップS504へと移行する。
【0167】
次に、ステップS504では、車上サービスアプリアクセス手段202は受信した更新通知のデータ識別子の情報を情報格納手段203から取得し、車上サービスアプリケーション21に対して、API「Notify」で地上システム1の情報と一緒に更新されたことを通知する。ステップS504の処理完了後は、ステップS501へと戻る。
【0168】
一方、ステップS503でS505へと移行した場合、車上サービスアプリアクセス手段202は受信した通知が通信メディアの接続状態通知であるか否かを判定する(ステップS505)。受信した通知が接続状態通知ではない場合(ステップS505で「No」)、ステップS501へと戻る。これに対して、受信した通知が接続状態通知の場合(ステップS505で「Yes」)、ステップS506へと移行する。
【0169】
ステップS506では、車上サービスアプリアクセス手段202は受信した通知から、車上サービスアプリケーション21に対して、API「LanConnect」で地上システム1と通信状態が変更されたことを通知する。ステップS506の処理完了後、ステップS501へと戻る。
【0170】
一方、ステップS502でS507へと移行した場合、車上サービスアプリアクセス手段202は、車上サービスアプリケーション21からAPIを通じてメッセージの受信を待機する(ステップS507)。車上サービスアプリケーション21からAPIを受信しなかった場合は(ステップS507で「No」)、ステップS501へ戻る。これに対して、車上サービスアプリケーション21からメッセージを受信した場合は(ステップS507で「Yes」)、ステップS508へと移行する。
【0171】
次に、車上サービスアプリアクセス手段202は、車上サービスアプリケーション21からAPI「Get」を受信したか否かを判定する。API「Get」を受信しなかった場合は(ステップS508で「No」)、ステップS511へ移行する。これに対して、API「Get」を受信した場合は(ステップS508で「Yes」)、ステップS509へ移行する。
【0172】
次に、車上サービスアプリアクセス手段202は「Get」で要求された情報を情報格納手段203から取得し(ステップS509)、車上サービスアプリケーション21に取得した情報を渡す(ステップS510)。ステップS510の処理完了後、ステップS501へと戻る。
【0173】
一方、ステップS508でS511へと移行した場合、車上サービスアプリアクセス手段202は車上サービスアプリケーション21からAPI「Set」を受信したか否かを判定する。API「Set」を受信しなかった場合は(ステップS511で「No」)、ステップS501へ戻る。これに対して、API「Set」を受信した場合は(ステップS511で「Yes」)、ステップS512へ移行する。
【0174】
次に、車上サービスアプリアクセス手段202は、「Set」で要求された情報を情報格納手段203に設定すると同時に、更新されたことを車上Update部に設定する(ステップS512)。さらに、車上サービスアプリケーション21に設定を行った結果を渡す(ステップS513)。ステップS513の処理完了後、ステップS501に戻る。
【0175】
図16は、本実施の形態1による車上連携サーバ20の通信プロトコル処理手段204の動作を示すフローチャート図である。プログラムを起動後(ステップS601)、車上連携サーバ20の通信プロトコル処理手段204は、車上連携サーバ20の同期通信制御手段201からメッセージの送信要求の受信を待機する(ステップS602)。
【0176】
送信要求を受信していない場合は(ステップS602で「No」)、ステップS608へと移行する。これに対して、送信要求を受信した場合には(ステップS602で「Yes」)、ステップS603へと移行する。
【0177】
次に、通信プロトコル処理手段204は、送信要求のあったデータ識別子の情報を情報格納手段203から取得し(ステップS603)、送信するメッセージのタイプや分割/再送などのフラグなどを含むヘッダ情報を付与して、送信メッセージを生成する(ステップS604)。
【0178】
そして、通信プロトコル処理手段204は、生成したメッセージを送信する無線通信装置22を選択し、送信すると同時に、地上システム1からの応答を待機する(ステップS605)。さらに、再送制御が有効な場合は再送タイマをスタートする(ステップS606)。再送制御が無効な場合は通信プロトコル処理手段の処理を完了し、ステップS601に戻る。
【0179】
次に、通信プロトコル処理手段204は、再送タイマがタイムアウトするまでに、地上システム1から確認応答を受信するか否かを判定する。タイムアウトまでに確認応答を受信しなかった場合(ステップS607で「No」)、ステップS605に戻って同じメッセージを再送する。これに対して、タイムアウトまでに確認応答を受信した場合(ステップS607で「Yes」)、通信プロトコル処理手段の処理を完了し、ステップS601に戻る。一定回数以上タイムアウトが発生した場合にはメッセージの再送を中止し、ステップS601に戻る。
【0180】
一方、ステップS602でS608へと移行した場合、通信プロトコル処理手段204は無線通信装置22からメッセージの受信を待機する。メッセージを受信しなかった場合(ステップS608で「No」)、通信プロトコル処理手段204の処理を完了し、ステップS601へ戻る。これに対して、メッセージを受信した場合(ステップS608で「Yes」)、ステップS609へ移行する。
【0181】
次に、通信プロトコル処理手段204は、受信したメッセージが分割されている場合はデータを組立て、分割されていない場合はそのままステップS610へ移行する。
【0182】
次に、通信プロトコル処理手段204は、受信したメッセージから情報部分を情報格納手段203に保存し(ステップS610)、同期制御処理手段に受信したメッセージのタイプを通知する(ステップS611)。
【0183】
次に、通信プロトコル処理手段204は受信したメッセージのタイプから応答が必要か否かを判定する(ステップS612)。受信したメッセージに応答が必要ではない場合は(ステップS612で「No」)、通信プロトコル処理手段204の処理を完了し、ステップS601へ戻る。これに対して、受信したメッセージに応答が必要な場合は(ステップS612で「Yes」)、ステップS613へと移行する。
【0184】
ステップS613では、通信プロトコル処理手段204は応答メッセージを生成し、送信するために無線通信装置22に対して送信する。ステップS613の処理完了後、ステップS601へ戻る。
【0185】
図17は、本実施の形態1による地上連携サーバ10の通信プロトコル処理手段104の情報格納手段を監視する動作を示すフローチャート図である。本動作は車上連携サーバ20の通信プロトコル処理手段204も同じ動作を行うため、車上連携サーバの通信プロトコル処理手段204のフローチャートは省略する。また、この情報格納手段を監視する動作は、通信プロトコル処理手段104が行ってもよいし、同期通信制御手段101が行ってもよい。
【0186】
プログラムを起動後(ステップS701)、地上連携サーバ10の通信プロトコル処理手段104は、地上連携サーバ10の情報格納手段103の情報の内、あらかじめ更新監視テーブルで指定された情報を監視する(ステップS702)。
【0187】
通信プロトコル処理手段104は、監視している情報が更新されたか否かを周期的に監視する(ステップS703)。監視している情報が更新されていない場合は(ステップS703で「No」)、ステップS702に戻って監視を続ける。これに対して、監視している情報が更新された場合は(ステップS703で「Yes」)、ステップS704へ移行する。
【0188】
次に、通信プロトコル処理手段104は、更新のあった情報を情報格納手段103から取得し(ステップS704)、送信するメッセージのタイプや分割/再送などのフラグなどを含むヘッダ情報を付与して、送信メッセージを生成する(ステップS705)。
【0189】
そして、通信プロトコル処理手段104は、生成したメッセージを送信する無線基地局12を選択し、送信すると同時に、車上システム2からの応答を待機する(ステップS706)。さらに、再送制御が有効な場合は再送タイマをスタートする(ステップS707)。再送制御が無効な場合は通信プロトコル処理手段の処理を完了し、ステップS701に戻る。
【0190】
ステップS708で、再送タイマがタイムアウトするまでに、車上システム2から確認応答を受信するか否かを判定する。タイムアウトまでに確認応答を受信しなかった場合(ステップS708で「No」)、ステップS706に戻って同じメッセージを再送する。これに対して、タイムアウトまでに確認応答を受信した場合(ステップS708で「Yes」)、通信プロトコル処理手段の処理を完了し、ステップS701に戻る。一定回数以上タイムアウトが発生した場合にはメッセージの再送を中止し、ステップS701に戻る。
【0191】
以上より、上述した内容が本発明の実施の形態におけるコンテンツ同期システムの構成およびその動作についての説明である。なお、本実施の形態では、地上連携サーバ10の通信プロトコル処理手段104および車上連携サーバ20の通信プロトコル処理手段204にSNMPを適用することを想定した動作例を示したが、SNMPの代わりに他の双方向に通信可能なプロトコルを用いても良い。
【0192】
また、本実施の形態では、地上連携サーバ10の情報格納手段103および車上連携サーバ20の情報格納手段203は、複数の情報を有するデータベースとして動作例を示したが、図22に示すようなSNMPで利用されるようなMIB(Management Information Base)のようなツリー構造を利用しても良いし、そのほかのデータベース構造を適用しても良い。
【0193】
ここで、図22に示す情報格納手段103は、地上システム1および車上システム2のそれぞれで生成されるデータの集合を1つにまとめたデータベースである。車上連携サーバ20が1台につき1つの情報格納手段103を持っており、地上連携サーバ10が1台につき管理している列車台数分の情報格納手段103を有する。
【0194】
情報フォルダは、MIB形式で管理される。MIBとはSNMP(Simple Network Management Protocol)によって管理する情報の表現形式であり、ツリー構造で構成されるため、容易に管理が可能である。図22に示す情報格納手段103の各データには識別子が割り振られており、各データ項目の後ろに番号を振っている。例えば、車上情報全体は0.0で表すことができ、ダイヤは0.1.0と表すことが可能である。また、データ識別子1.2のローカル変数は地上連携サーバおよび車上連携サーバ内で管理するデータを格納する。
【0195】
また、上記実施の形態では、地上連携サーバ10の情報格納手段103および車上連携サーバ20の情報格納手段203に、地上情報および車上情報を格納したが、図23に示すように通信のヘッダに含めるような再送や分割に関する情報を含めて構成し、INDEXの送信と同時に同期させても良い。
【0196】
図23に示すデータ識別子0.3は通信のヘッダを示しており、この識別子を送信することにより、新規に通信ヘッダを規定しなくてもデータの一部として通信ヘッダを付与することができるため、再送や分割組立を実現できる。
【0197】
上記実施の形態では、編成管理テーブル、同期管理テーブル、更新監視テーブルを同期通信制御手段の管理するデータとして扱ったが、情報格納手段のデータとして扱い、これらのデータを連携サーバ間で同期を行っても良い。
【0198】
以上より、本発明のコンテンツ同期システムによれば、下記効果を有することがわかる。本発明に記載のコンテンツ同期システムは、地上システムおよび車上システムの情報を集中管理しており、サービスアプリケーションの通信要求とは非同期に地上連携サーバと車上連携サーバ間で情報を同期するメカニズムを提供する。これにより、サービスアプリケーションに対して地車間通信を隠蔽し、サービスアプリケーションは連携サーバが有する最新の情報を即座に通知することが可能となる。この際、最終更新時間を管理することによって、連携サーバの管理する情報が新しいものか古いものかを通知することも可能となる。
【0199】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、複数のサービスアプリケーションが管理したり、要求したりするデータを一括して管理し、連携サーバがまとめて送受信する。これにより、複数のアプリケーションから同種の情報を送受信することを回避できるので、通信帯域上に無駄な通信トラフィックを送信しなくできる。
【0200】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、サービスアプリケーションにより変更された情報の識別子を前記更新データ識別子として管理し、前記更新データ識別子を連携サーバ間で周期的に交換する。したがって、更新された情報が存在する場合にのみ連携サーバが判断するタイミングで情報本体を優先度やデータ種別毎、または優先度の高い車上システムに取得要求したりすることが可能となる。これにより、最小限の情報だけを送受信することができ、必要なタイミングでの送受信できるので、通信帯域上に送信するトラフィック量を抑圧することが可能となる。
【0201】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、連携サーバ間で同期が取れていない情報の識別子を前記未同期データ識別子として管理することにより、更新された情報が存在するか否かを判断することができ、サービスアプリケーションに最新の情報であるか否かを通知することが可能となる。
【0202】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、情報格納手段をツリー構造で構成することにより、地上システムと車上システム間で同期を行うデータと、同期を行わないデータを容易に判別することが可能になる。また、ツリー構造とすることにより、ツリーのあるリーフ以下を一括して送受信することが可能となるため、送信が必要なデータを効率的に送信できる。また、更新データ識別子を送信する際に、個々のデータの識別子を指定せずに済むため、通信帯域上に送信するトラフィック量を抑圧することが可能となる。
【0203】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、車上連携サーバが地上マスタINDEXを受信することを契機に、車上連携サーバの有する車上マスタINDEXの送信を開始するために、通信ネットワーク帯域の状況に応じた送信スケジューリングを行うことが可能になる。これにより、ネットワーク混雑時には地上連携サーバは地上INDEXの送信を抑えて、情報を効率的に送受信することができる。
【0204】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、地上マスタINDEXを送信する際に、データ種別や優先度に応じて、地上マスタDATAを含めて送信するか否かを判断することによって、地上DATAの送信を効率的に行うことが可能になる。
【0205】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、サービスアプリケーションから指定されたデータやあらかじめ定義してあるデータを監視することにより、監視しているデータに変更が生じたことを契機にメッセージの送信を行うことが可能になる。これにより、緊急情報などを短い遅延時間で送信することができる。
【0206】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、情報格納手段に、地上サービスアプリケーションにより設定されたデータや車上サービスアプリケーションにより設定されたデータ、および地上INDEX、車上INDEXに加え、送信するメッセージの種類や再送フラグ、分割フラグなどのヘッダ情報を付与して構成する。これにより、通信プロトコル処理手段において、再送機能や分割機能をサポートしていない場合、地上連携サーバおよび車上連携サーバにおいて、再送機能や分割機能を提供することが可能になる。
【0207】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、Update部により更新状態を把握できるだけでなく、Async部により相手サーバとの同期状態も把握できるため、情報の送信可否を認識することができる。これにより、通信プロトコル処理手段に再送機能がなくても、同期が取れていないデータを再送することが可能になる。
【0208】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、Async部に登録されているデータ識別子とは別に、Update部を受信する毎にインクリメントする同期回数に有するため、同期回数が一定以上になった場合に、相手局にデータの取得要求を送信することが可能になる。これにより、Update部の受信が行われるごとに同期回数を増加させ、一定以上になった際に取得要求を行うことで、更新周期などの時間を管理よりも処理を軽減することができる。
【0209】
また、本発明に記載のコンテンツ同期システムは、同期回数をINDEX部と同時に送信し、同期回数を受信した連携サーバが同期回数が一定以上であるデータが存在した場合に、そのデータの送信を行うことができる。したがって、データ本体部分が更新されているにも関わらず、一定時間以上、地上と車上で同期が取れていない場合、データ管理側の連携サーバから最新データを送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムの構成の概略を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システムの構成の詳細を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける車上システムの構成の詳細を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおけるアプリケーションインタフェースの一例を示した図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システムの情報格納手段の構成の詳細を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける車上システムの情報格納手段の構成の詳細を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システムの同期通信制御手段の動作を示したフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システムの同期通信制御手段の動作を示したフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システムの地上サービスアプリアクセス手段の動作を示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システムの地上サービスアプリアクセス手段の動作を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システムの通信プロトコル処理手段の動作を示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける車上システムの同期通信制御手段の動作を示したフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける車上システムの同期通信制御手段の動作を示したフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける車上システムの車上サービスアプリアクセス手段の動作を示したフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける車上システムの車上サービスアプリアクセス手段の動作を示したフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける車上システムの通信プロトコル処理手段の動作を示したフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける地上システムの通信プロトコル処理手段の更新通知生成動作を示したフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける編成管理テーブルを示した図である。
【図19】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける同期管理テーブルを示した図である。
【図20】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける更新監視テーブルを示した図である。
【図21】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおけるデータ送信例を示したシーケンス図である。
【図22】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける情報格納手段の構成の詳細の一例を示した図である。
【図23】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ同期システムにおける情報格納手段の構成の詳細の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0211】
1 地上システム、10 地上連携サーバ、11 地上サービスアプリケーション、12 無線基地局、13 通信ネットワーク、2 車上システム、20 車上連携サーバ、21 車上サービスアプリケーション、22 無線通信装置、101 同期通信制御手段、102 地上サービスアプリアクセス手段、103 情報格納手段、104 通信プロトコル処理手段、105 通信メディア制御手段、103a 地上マスタINDEX部、103b 地上マスタDATA、103c 車上ミラーINDEX部、103d 車上ミラーDATA、103e 地上Update部、103f 車上Async部、103g 車上Update部、103h 地上Async部、111 受信データ処理手段、112 送信データ生成手段、121 送信手段、122 受信手段、123 通信メディア管理手段、201 同期通信制御手段、202 車上サービスアプリアクセス手段、203 情報格納手段、204 通信プロトコル処理手段、205 通信メディア制御手段、203a 地上ミラーINDEX部、203b 地上ミラーDATA、203c 車上マスタINDEX部、203d 車上マスタDATA、203e 地上Update部、203f 車上Async部、203g 車上Update部、203h 地上Async部、211 受信データ処理手段、212 送信データ生成手段、221 送信手段、222 受信手段、223 通信メディア管理手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体上に設けられる移動体上システムと、前記移動体上システムと通信ネットワークを介して接続され、地上に設けられる地上システムとの間で互いに情報を共有するコンテンツ同期システムにおいて、
前記地上システムは、
前記移動体上システムに提供する情報を管理する地上サービスアプリケーションと、
当該地上システムおよび前記移動体上システムの情報を備え、当該地上システムと前記移動体上システムとの間で当該情報を同期する地上連携サーバと、
前記移動体上システムとの間で当該地上システムおよび前記移動体上システムの情報の送受信を行う無線基地局と、
前記地上サービスアプリケーション、前記地上連携サーバ、前記無線基地局とを接続する通信ネットワークと、を備え、
前記移動体上システムは、
当該移動体上システムの機能を提供する情報を管理する移動体上サービスアプリケーションと、
当該移動体上システムおよび前記地上システムの情報を備え、当該移動体上システムと前記地上システムとの間で当該情報を同期する移動体上連携サーバと、
前記地上システムとの間で前記地上システムおよび当該移動体上システムの情報の送受信を行う無線通信装置と、を備え、
前記地上連携サーバおよび移動体上連携サーバは、前記地上サービスアプリケーションおよび移動体上サービスアプリケーションの要求に応じて、または所定の周期で前記地上システムおよび前記移動体上システムの情報を互いに送受信することで当該情報を同期する、コンテンツ同期システム。
【請求項2】
前記地上システムおよび前記移動体上システムの情報は、
前記地上システムおよび前記移動体上システムの情報本体を示すデータと、
前記データが更新されたか否かを示す更新データ識別子と、を備え、
前記地上連携サーバおよび移動体上連携サーバは、前記地上サービスアプリケーションおよび移動体上サービスアプリケーションの要求に応じて、または所定の周期で前記更新データ識別子を互いに送受信し、当該更新データ識別子に基づいて前記地上システムおよび前記移動体上システムの情報を同期する、請求項1に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項3】
前記地上システムおよび前記移動体上システムの情報は、
前記更新データ識別子の同期は完了したが当該更新データ識別子に対応する前記データの同期が未完了を示す非同期データ識別子をさらに備え、
前記地上連携サーバおよび移動体上連携サーバは、
互いに送受信する前記更新データ識別子に応じて前記非同期データ識別子を登録し、当該非同期データ識別子に対応する前記データの同期が完了した場合に当該非同期データ識別子を削除する、請求項2に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項4】
前記地上連携サーバは、
前記地上システムおよび前記移動体上システムのデータ、前記地上システムの情報の更新データ識別子と前記移動体上システムの情報の非同期データ識別子で構成される第1のインデックス、前記移動体上システムの情報の更新データ識別子と前記地上システムの情報の非同期データ識別子で構成される第2のインデックス、を有する第1の情報格納手段と、
所定の周期で前記第1のインデックスを前記移動体上システムに送信する第1の同期通信制御手段と、
前記地上サービスアプリケーションとのインタフェースを提供する地上サービスアプリアクセス手段と、
前記移動体上システムとの通信制御を行う第1の通信プロトコル処理手段と、
前記無線基地局の対応している通信メディアの管理、および通信品質の管理を行う第1の通信メディア制御手段と、を備え、
前記移動体上連携サーバは、
前記地上システムおよび前記移動体上システムのデータ、前記地上システムの情報の更新データ識別子と前記移動体上システムの情報の非同期データ識別子で構成される第3のインデックス、前記移動体上システムの情報の更新データ識別子と前記地上システムの情報の非同期データ識別子で構成される第4のインデックス、を有する第2の情報格納手段と、
前記第1の同期通信制御手段から送信された第1のインデックスを受信したことを契機に、前記第3および第4のインデックスを更新し、当該第4のインデックスを前記地上システムに送信する第2の同期通信制御手段と、
前記移動体上サービスアプリケーションとのインタフェースを提供する移動体上サービスアプリアクセス手段と、
前記地上システムとの通信制御を行う第2の通信プロトコル処理手段と、
前記無線通信装置の対応している通信メディアの管理、および通信品質の管理を行う第2の通信メディア制御手段と、を備え、
前記第1の同期通信制御手段は、前記第4のインデックスを受信したことを契機に、前記第1および第2のインデックスを更新する、請求項3に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項5】
前記第1および第2の同期通信制御手段は、
前記更新データ識別子を所定の周期で送信する際に、当該データ識別子に対応するデータ種別や優先度に応じて、当該更新データ識別子に対応する前記データを同時に送信する、請求項4に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項6】
前記移動体上システムは複数構成され、
前記第1の同期通信制御手段は、
前記移動体上システムが有する優先度に基づいて前記データの送受信を行う、請求項4に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項7】
前記第1および第2の情報格納手段は、
前記更新データ識別子を当該更新データ識別子に対応する前記データとは別のツリー構造で構成する、請求項4に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項8】
前記第1および第2の同期通信制御手段は、
前記地上サービスアプリケーションおよび前記移動体上サービスアプリケーションから指定された前記データ、またはあらかじめ定義された前記データを周期的に監視し、監視している当該データに変更が生じた場合に、前記第1および第2の通信プロトコル処理手段に当該データの送信を要求する、請求項4に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項9】
前記第1および第2の情報格納手段は、
送信する前記データの種類、再送フラグおよび分割フラグなどのヘッダ情報をさらに備える、請求項4に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項10】
前記第1および第2の情報格納手段は、
更新データ識別子を受信する毎にインクリメントする同期回数情報をさらに備え、
前記第1および第2の同期通信制御手段は、
当該同期回数情報が所定の回数以上になった場合に、前記地上システムおよび前記移動体上システムの前記データの取得を要求する、請求項4に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項11】
前記第1および第2の同期通信制御手段は、
前記同期回数情報を前記更新データ識別子および前記非同期データ識別子と同時に送信し、受信した前記同期回数情報が所定回数以上である場合に、前記地上システムおよび前記移動体上システムの前記データを送信する、請求項10に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項12】
前記第1および第2の通信プロトコル処理手段は、
前記データを前記無線基地局および無線通信装置が送信可能なメッセージ形式に変換し、または前記無線基地局および無線通信装置から受信したメッセージを前記第1および第2の情報格納手段に格納可能な形式に変換する、請求項4に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項13】
前記移動体上システムは、地上を走行する列車、電車および自動車などの編成番号、位置、速度、走行予測、乗務員情報および故障情報などの車上情報を管理する車上システムであり、
前記地上システムは、前記車上情報を管理したり、車上システムに提供する進行経路を示すダイヤ、進路開通予測、周辺列車位置および運行情報などの地上情報を管理する地上システムである、請求項1から12のいずれか1項に記載のコンテンツ同期システム。
【請求項14】
地上に設けられ、移動体上に設けられる移動体上システムと通信ネットワークを介して接続される地上システムに備えられ、
当該地上システムおよび前記移動体上システムの情報を備え、要求に応じてまたは所定の周期で前記地上システムの情報を送信するとともに、前記移動体上システムの情報を受信することで前記移動体上システムとの間で当該情報を同期する地上連携サーバ装置。
【請求項15】
移動体上に設けられ、地上に設けられる地上システムと通信ネットワークを介して接続される移動体上システムに備えられ、
当該移動体上システムおよび前記地上システムの情報を備え、要求に応じてまたは所定の周期で前記移動体上システムの情報を送信するとともに、前記地上システムの情報を受信することで前記地上システムとの間で当該情報を同期する移動体上連携サーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−113505(P2010−113505A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285396(P2008−285396)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】