コンテンツ転送システムおよびコンテンツ記憶装置
【課題】 ユーザの経時的な嗜好変化を捉えつつ、多くのコンテンツをポータブルデバイスに転送することができるコンテンツ転送システムを提供すること。
【解決手段】 コンテンツの再生履歴を、再生されたコンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴として管理し、各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツを、各所定の期間に対して設定される許容量だけポータブルデバイスにする。また、現在の日付に近い期間ほど許容量を大きく設定することによって、ユーザが直近に頻繁に聴いたコンテンツが多くポータブルデバイスに転送され、昔に聞いたコンテンツは少量に転送される。
【解決手段】 コンテンツの再生履歴を、再生されたコンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴として管理し、各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツを、各所定の期間に対して設定される許容量だけポータブルデバイスにする。また、現在の日付に近い期間ほど許容量を大きく設定することによって、ユーザが直近に頻繁に聴いたコンテンツが多くポータブルデバイスに転送され、昔に聞いたコンテンツは少量に転送される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツ転送システムに関し、さらに詳しくは、比較的小容量の記憶媒体を備えたポータブルデバイス等と、大容量の記憶媒体を備えたパーソナルコンピュータ等とを互いに接続し、パーソナルコンピュータからポータブルデバイスへコンテンツを転送することができるコンテンツ転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ポータブルデバイスの普及により、パーソナルコンピュータなどの電子機器から、コンテンツを選択してポータブルデバイスに転送し、ポータブルデバイスによってコンテンツを視聴することが増加している。パーソナルコンピュータは、大容量の記憶媒体(ハードディスクドライブなど)を有し、その記憶媒体に大量のコンテンツを蓄積している。ポータブルデバイスは、備える記憶媒体がパーソナルコンピュータに比べて容量が小さいので、蓄積できるコンテンツの数に限界がある。
【0003】
従来技術では、「直近の所定期間で再生回数が所定回数以上」、「ビットレートが所定ビットレート以内」などの条件をユーザが設定してプレイリストを作成し、そのプレイリストにリストアップされたコンテンツのみを転送する方法がある。しかし結局のところ、ポータブルデバイスの記憶媒体の使用率を節約して極力多くのコンテンツをポータブルデバイスに転送するためには、ユーザがコンテンツの状況(再生頻度やビットレートなど)を調べたり、複数の条件を組み合わせたりする必要があるなど、手間がかかり非常に煩わしい。
【0004】
また、下記特許文献1では、パーソナルコンピュータおよびポータブルデバイスにおける再生回数やユーザによる再生操作(例えばスキップなど)を基にした嗜好ポイントが大きいコンテンツを優先的にポータブルデバイスに自動的に転送し、嗜好ポイントが小さいコンテンツはポータブルデバイスから自動的に削除する方法が開示されている。しかし、このような手法では、スキップ操作などで嗜好ポイントを加減しているものの、嗜好ポイントが大きいものは常にポータブルデバイスへ転送されることになり、ポータブルデバイスに転送されるコンテンツの変化が少ないという問題がある。さらに、パーソナルコンピュータに新規コンテンツが追加され、それをポータブルデバイスで視聴したい場合であっても、その新規コンテンツはパーソナルコンピュータに追加された時点では他のコンテンツに比べて嗜好ポイントが低いので、ポータブルデバイスに転送されない。
【特許文献1】特開2005−164984号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ユーザの経時的な嗜好変化を捉えつつ、多くのコンテンツをポータブルデバイスに転送することができるコンテンツ転送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムは、コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;該ポータブルデバイスが、該コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段によって再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を作成する第1の再生履歴作成手段と、該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に第1の再生履歴を更新する更新手段とを有し;該コンテンツ記録装置が、コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該ポータブルデバイスから第1の再生履歴を取得する取得手段と、該第1の再生履歴を基に、再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成または更新する第2の再生履歴作成更新手段と、該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する。
【0007】
本発明の別の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムは、コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;該ポータブルデバイスが、該コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、該コンテンツを再生する再生手段とを有し;該コンテンツ記録装置が、コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に、該第2の再生履歴を更新する更新手段と、該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する。
【0008】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムは、コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;該ポータブルデバイスが、該コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段によって再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を作成する第1の再生履歴作成手段と、該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に第1の再生履歴を更新する更新手段とを有し;該コンテンツ記録装置が、コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、該ポータブルデバイスから第1の再生履歴を取得する取得手段と、該第1の再生履歴を基に、第2の再生履歴を更新する第2の再生履歴更新手段と、該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する。
【0009】
好ましい実施例においては、上記コンテンツ記憶装置が、上記所定の期間毎に、上記ポータブルデバイスに転送可能なコンテンツの合計サイズである許容量を設定する許容量設定手段をさらに有し、該許容量設定手段が、現在の日付に近い該所定の期間ほど該許容量を大きく設定する。
【0010】
好ましい実施例においては、上記許容量設定手段が、上記所定の期間における上記許容量のうち、コンテンツ転送に使用しない余りの容量を、当該他の所定の期間の許容量に加算する。
【0011】
好ましい実施例においては、上記コンテンツ記憶装置に新規コンテンツがある場合、もしくは、ユーザが意図的に上記ポータブルデバイスに転送を所望する指定コンテンツがある場合、優先的に該ポータブルデバイスに転送される。
【0012】
好ましい実施例においては、上記コンテンツ記憶装置が、上記コンテンツのフォーマットまたはビットレートを変換する変換手段をさらに有し、該変換手段が、現在の日付に近い上記所定の期間に登録されていた該コンテンツほど、高品質なフォーマットまたはビットレートに変換する。
【0013】
好ましい実施例においては、上記変換手段において上記コンテンツを変換するフォーマットまたはビットレートに対して設定される重要度nが上記第2の再生履歴に対して設定され;該重要度nと、該重要度nである該第2の再生履歴に対して設定される上記許容量Ynと、上記ポータブルデバイスが有する記憶手段の残容量Lと、該重要度nであるフォーマットまたはビットレートに変換した場合のコンテンツ1つあたりの目安容量Vnと、任意の数iとが、
【数1】
の関係にある。
【0014】
好ましい実施例においては、上記コンテンツ記憶装置に新規コンテンツがある場合、もしくは、ユーザが意図的に上記ポータブルデバイスに転送を所望する指定コンテンツがある場合、該新規コンテンツまたは指定コンテンツは上記変換手段によって高品質なフォーマットまたはビットレートに変換され、優先的に該ポータブルデバイスに転送される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記憶装置は、転送されたコンテンツを記憶手段に記録して該コンテンツを再生することができるポータブルデバイスと接続する接続手段と、該コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、該ポータブルデバイスから、該ポータブルデバイスで再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を取得する取得手段と、該第1の再生履歴を基に、第2の再生履歴を更新する第2の再生履歴更新手段と、該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コンテンツの再生履歴を、再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴として管理し、各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツを、各所定の期間に対して設定される許容量だけポータブルデバイスにする。また、現在の日付に近い(以下、直近)の期間ほど許容量を大きく設定することによって、ユーザが直近に頻繁に聴いたコンテンツが多くポータブルデバイスに転送され、昔に聞いたコンテンツは少量に転送される。その結果、ユーザの経時的な嗜好変化を捉えたコンテンツ転送を行うことができ、さらにはポータブルデバイスの記憶装置の容量を有効に利用して、ユーザが所望する可能性の高いコンテンツをポータブルデバイスに転送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムについて、当該コンテンツ転送システムが適用されるパーソナルコンピュータ100およびポータブルデバイス200を例に、図を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を援用する。
【0018】
まず、本発明の実施形態であるコンテンツ転送システムを、図1を参照して詳細に説明する。図1は、コンテンツ転送システムを示す概略ブロック図である。
【0019】
コンテンツ転送システムは、パーソナルコンピュータ100およびポータブルデバイス200を備え、パーソナルコンピュータ100とポータブルデバイス200とが相互に接続されている。
【0020】
パーソナルコンピュータ100は、制御手段110、記憶装置120、操作手段130、再生手段140、通信手段150およびドライブ装置160を備える。
【0021】
制御手段110は、パーソナルコンピュータ100の各部にコマンドを出力して各部を制御するものであり、CPU111、ROM112、およびRAM113を含む。ROM112は、CPU111が使用するパーソナルコンピュータ100の動作プログラム等が記憶されている。RAM113は、CPU111により実行される各処理において、ROM112から読み出されたプログラム、入力または出力データなどを一時的に格納するワークエリアを形成する。CPU111は、ROM112や記憶装置120に格納されている各種プログラムを読み出し、RAM113のワークメモリに展開して当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0022】
記憶装置120は、複数のコンテンツ(デジタル曲データ)を蓄積する。さらに、記憶装置120には、重要度リスト、再生履歴リスト、許容量リスト、転送コンテンツリスト、および目安容量リストが格納される。
【0023】
図2は、重要度リストを示す図である。重要度リストは、重要度nと、当該重要度nに対して設定される変換ビットレートとが登録されている。コンテンツは、当該重要度リストに登録された変換ビットレートのうちのいずれかに変換されてポータブルデバイス200に転送される。変換ビットレートは、図3に示すように、音声処理部141で変換可能な全てのビットレートの中からユーザによって予め指定されるビットレートである。その指定されたビットレートに対し、高ビットレートほど高い重要度が設定される。
【0024】
図4は、再生履歴リストを示す図である。再生履歴リストは、複数の期間の再生履歴H1〜Hnが登録されている。当該期間は所定の期間Tであり、予めユーザによって設定される。言い換えると、再生履歴リストは、再生されたコンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む再生履歴でもある。再生履歴Hnには、所定の期間Tに再生されたコンテンツ名と、当該コンテンツが所定の期間Tにおいてパーソナルコンピュータ100およびポータブルデバイス200におけるコンテンツの再生回数を含む嗜好ポイントとを含む。本実施例では、所定の期間Tを10日とし、現在から10日毎の再生履歴が、上述の重要度リストで設定された重要度nの度数分だけ再生履歴リストに登録されている。また、直近の期間の再生履歴Hnほど高い重要度nが設定される。具体的には、ユーザが図2に示す8つのビットレートを指定した場合は、重要度が1〜8となり、図4に示すように、再生履歴リストに重要度1〜8が設定された8つの再生履歴H1〜H8が登録される。再生履歴Hnには、コンテンツ名の代わりに、コンテンツIDなどのコンテンツを識別することができる情報が登録するようにしても良い。
【0025】
図5は、許容量リストを示す図である。許容量リストは、重要度リストで設定された重要度nと、その重要度nに対して設定される許容量Ynとを含む。許容量Ynは、ポータブルデバイス200の記憶装置220の残容量Lのうち、コンテンツの格納に使用する容量であり、各重要度nに対して設定される。また、重要度nは再生履歴Hnに対して設定されているので、実質的に再生履歴Hn(または各期間)に対して設定される許容量Ynである。
【0026】
図6は、転送コンテンツリストを示す図である。転送コンテンツリストは、コンテンツ名と重要度nとを含む。この転送コンテンツリストに登録されたコンテンツが、パーソナルコンピュータ100からポータブルデバイス200へ転送される。なお、本実施例において、転送コンテンツリストに登録されるコンテンツは、各再生履歴Hnに登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツが登録される。なお、転送コンテンツリストには、コンテンツ名の代わりに、コンテンツIDなどのコンテンツを識別することができる情報が登録するようにしても良い。
【0027】
図7は、目安容量リストを示す図である。目安容量リストは、ビットレートと、目安容量Vとを含む。目安容量Vとは、所定の再生時間を有するコンテンツを、後述の音声処理部141によってビットレートに変換した場合の1曲あたりのデータ容量を示す。本実施例の場合、再生時間4分のコンテンツ(例えば、フォーマットがmp3、でサンプリングビットレートが44.1kHz)を、図7に示す320kbpsから16kbpsまでのビットレートに変換したときのデータ容量を目安容量Vとしている。
【0028】
操作手段130は、再生キー、テンキー、SKIP UP/DOWNキー、停止キー、EJECTキー、ダイヤルキー等の各種機能キーを備え、キー操作による操作信号を制御手段110へ出力する。操作手段130は、リモートコントロールによる操作信号を制御手段110へ出力するようにしてもよい。
【0029】
再生手段140は、記憶装置120に蓄積されているコンテンツを、CPU110の命令に従って再生する。再生手段140は、音声処理部141と、D/Aコンバータ142と、増幅部143とを含む。音声処理部141は、コンテンツを任意のフォーマットの任意のビットレートに圧縮・符号化する。また、記憶装置120から読み取られた圧縮デジタル曲データをデコードして非圧縮デジタル曲データを作成する。D/Aコンバータ142は、音声処理部141で処理されたデジタル曲データをアナログ信号に変換する。そして、増幅手段143は、D/Aコンバータ152から出力されたアナログ信号を増幅し、スピーカーなどに供給する。
【0030】
通信手段150は、ポータブルデバイス200と通信を行う。通信手段150は、USB(Universal
Serial Bus)コントローラなどを含み、USBコードを介してポータブルデバイス100に接続される。
【0031】
ドライブ装置160は、記憶媒体であるCDを格納し、CDに記憶されたデジタル曲データを読み出す。ドライブ装置160に読み出されたデジタル曲データは、音声処理部141によって任意のフォーマットの任意のビットレートに圧縮・符号化され、記憶装置120に格納される。
【0032】
ポータブルデバイス200は、制御手段210、記憶装置220、操作手段230、再生手段240、および通信手段250を備える。
【0033】
制御手段210は、ポータブルデバイス200の各部にコマンドを出力して各部を制御するものであり、CPU211、ROM212、およびRAM213を含む。ROM212は、CPU211が使用するポータブルデバイス200の動作プログラム等が記憶されている。RAM213は、CPU211により実行される各処理において、ROM212から読み出されたプログラム、入力または出力データなどを一時的に格納するワークエリアを形成する。CPU211は、ROM212や記憶装置220に格納されている各種プログラムを読み出し、RAM213のワークメモリに展開して当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0034】
記憶装置220は、パーソナルコンピュータから転送された複数のコンテンツ(デジタル曲データ)を格納する。記憶装置220は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどである。
【0035】
また、記憶装置220には、図8に示すような再生履歴が記録される。再生履歴は、コンテンツ名と、再生された日付と、その日付の嗜好ポイントとが登録される。この再生履歴は、ポータブルデバイス200がパーソナルコンピュータ100に接続された際に、パーソナルコンピュータ100に転送される。
【0036】
操作手段230は、再生キー、SKIP UP/DOWNキー、停止キー、ダイヤルキー等の各種機能キーを備え、キー操作による操作信号を制御手段210へ出力する。
【0037】
再生手段240は、音声処理部241と、D/Aコンバータ242と、増幅部243とを含む。音声処理部241は、記憶装置220から読み取られた圧縮デジタル曲データをデコードして非圧縮デジタル曲データを作成する。D/Aコンバータ242は、音声処理部241で処理されたデジタル曲データをアナログ信号に変換する。そして、増幅手段243は、D/Aコンバータ252から出力されたアナログ信号を増幅し、ヘッドホンなどに供給する。
【0038】
通信手段250は、パーソナルコンピュータ100と通信を行う。通信手段260は、USBコントローラなどを含み、USBコードを介してパーソナルコンピュータ100に接続される。
【0039】
次に、パーソナルコンピュータ100における再生履歴リストの更新処理に関して説明する。
【0040】
図9は、パーソナルコンピュータ100における再生履歴リストの更新処理を示すフロー図である。まず、CPU111は、操作手段130からコンテンツの再生命令があったか否かを判断する(S101)。コンテンツの再生命令があった場合(S101:YES)、所定の期間Tが経過したか否かを判断する(S102)。S101において、コンテンツの再生命令がない場合は(S101:NO)、続けてコンテンツ再生命令を受信したか否かを監視する。次に、所定の期間Tが経過している場合(S102:YES)、再生履歴リストを更新する(S103)。具体的には、所定の期間Tが経過すれば、重要度2〜8の再生履歴H2〜H8が新たな再生履歴H1〜H7となり、再生履歴H8は初期化される。なお、再生履歴リストが記憶装置120に格納されていない場合(例えば、パーソナルコンピュータ100で初めてコンテンツを再生する場合など)は、S103において作成する。次に、再生されたコンテンツの嗜好ポイントを加算する(S104)。具体的には、操作手段130からコンテンツ再生命令を受信すると、重要度が最大の再生履歴(再生履歴H8)、つまり、現在に最も近い期間の再生履歴H8において、再生されたコンテンツの嗜好ポイントを1加算する。S102において、所定の期間Tが経過していない場合(S102:NO)、S104の処理を実行する。なお、嗜好ポイントは、早送り、スキップなどを基に、加減させるようにしても良い。例えば、コンテンツ毎に、そのコンテンツの気に入り度合いを示す「お気に入り度」などを設定し、ユーザによって設定されたお気に入り度の値によって、嗜好ポイントを加減する。さらに、コンテンツをスキップした場合や、早送りによりコンテンツの再生時間のうち所定の割合以上聴かなった場合は、嗜好ポイントを減算する。
【0041】
次に、ポータブルデバイス200における再生履歴の更新処理に関して説明する。
【0042】
図10は、ポータブルデバイス200における再生履歴の更新処理を示すフロー図である。CPU211は、操作手段230からコンテンツの再生命令があったか否かを判断する(S201)。そして、コンテンツ再生命令を受信した場合(S201:YES)、図8に示す再生履歴を更新する(S202)。具体的には、再生履歴に、操作手段230からコンテンツ再生命令を受信すると、再生されたコンテンツの嗜好ポイントを1加算する。なお、再生履歴が無い場合(例えば、ポータブルデバイス200で初めてコンテンツを再生する場合など)、S202において再生履歴を作成する。また、嗜好ポイントは、図8に示すように、再生日毎に記録される。S201において、コンテンツの再生命令があった場合は(S201:NO)、続けてコンテンツ再生命令を受信したか否かを監視する。
【0043】
次に、コンテンツ転送システムについて、コンテンツ転送処理を、図11〜12を参照して説明する。
【0044】
図11は、コンテンツ転送処理を示すフロー図である。まず、CPU111は、ポータブルデバイス200がパーソナルコンピュータ100に接続されたか否かを判断する(S1)。ポータブルデバイス200が接続された場合(S1:YES)、CPU111は、ポータブルデバイス200から図8のような再生履歴を受信し、その再生履歴の情報を再生履歴リストに登録されている再生履歴H1〜H8に追加する(S2)。具体的には、受信したポータブルデバイス200の再生履歴に登録されている、コンテンツの各再生日に対する嗜好ポイントを、その再生日を含む期間の再生履歴H1〜Hnに加算する。本実施例においては、例えば、図8において1.mp3の2007年7月5日の嗜好ポイント5は、現在の日付が2007年2月23日であれば、11〜20日前の履歴である再生履歴H7に登録されている1.mp3の嗜好ポイントに追加される。
【0045】
次に、CPU111は、ポータブルデバイス200の残容量Lを調べる(S3)。本実施例においては、ポータブルデバイス200の残容量Lを4ギガバイトとして説明する。次に、CPU111は、ポータブルデバイス200の残容量Lを基に、図5に示す許容量リストを作成する(S4)。本実施例においては、重要度nが高いほど、許容量Ynが大きく設定される。具体的には、許容量Ynは、数3に示すように、1曲あたりの目安容量Vnと、重要度nと、所定の数値iとで表される。ここで、数値iと重要度nとの乗算を、重要度nの再生履歴Hnに登録されているコンテンツのうちポータブルデバイス200に転送するコンテンツの曲数Jnと定義する。このように定義することにより、重要度nが高い再生履歴Hnほどポータブルデバイス200に転送するコンテンツ数を多くすることができる。そして、曲数Jnに1曲あたりの目安容量Vnを乗算することにより、重要度nの再生履歴Hnに登録されているコンテンツのうちポータブルデバイス200に転送するコンテンツの合計容量が求まる。この合計容量が許容量Ynである。なお、数値iは、数4に示すように、許容量Ynの合計がポータブルデバイス200の記憶装置220の残容量Lと等しくなるように条件設定される数値である。図12に、本実施例における、重要度n、1曲あたりの容量V、曲数Jn、および許容量Ynの具体的数値を示す。本実施例では、許容量Ynの合計が4ギガバイトであることから、数3および4の式により、数値iが17.29と求まり、数3にi=17.29を代入すると、図5に示すような許容量Ynが求まる。
【数3】
【数4】
【0046】
次に、CPU111は、再生履歴指定変数kを重要度nの最大値で初期化する(S5)。再生履歴指定変数kは、どの再生履歴Hkを参照して転送コンテンツリスト作成処理(後述のS6〜S8)を実行しているかを示す。本実施例では、重要度nの最大値が8であるので、再生履歴指定変数kは8で初期化される。次に、各再生履歴Hkを参照して転送コンテンツリスト作成処理を実行する(S6〜S8)。まず、再生履歴指定変数kが0より大きいか否かを判断する(S6)。再生履歴指定変数kが0よりも大きい場合(S6:YES)、重要度がkの再生履歴Hkを参照し、ポータブルデバイス200に転送するコンテンツを転送コンテンツリストに登録する(S7)。詳細な説明は後述するが、S7では、各再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツと参照している再生履歴Hkの重要度kとが、図6のように、転送コンテンツリストに登録される。次に、再生履歴指定変数kをデクリメントして、S6の処理に戻る。その後、同様の処理を、kが0になるまでS6〜S8を繰り返すことにより、転送コンテンツリストを作成する。
【0047】
S6において、再生履歴指定変数kが0になった場合(S6:NO)、転送コンテンツリストに登録されているコンテンツを、重要度リストで設定されたビットレートに変換する(S9)。具体的には、図2に示す重要度リストで重要度8に対してビットレート320kbpsが設定されているので、図6のように転送コンテンツリストにおいて重要度8が設定されているコンテンツ(1.mp3)は320kbpsにビットレート変換される。次に、ビットレート変換されたコンテンツをポータブルデバイス200に転送する(S10)。そして、ポータブルデバイス200へ転送されたコンテンツを削除し(S11)、コンテンツ転送処理を終了する。
【0048】
次に、S7について、詳細に説明する。図13は、S7の処理を示すフロー図である。まず、転送容量yを0に初期化する(S71)。転送容量yは、再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうちポータブルデバイス200に転送するコンテンツの容量の合計を示す。そして、転送容量yが許容量Ykに達するまで、再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうち嗜好ポイントが高いコンテンツから順に転送コンテンツリストに登録する(S72〜S77)。具体的には、まず、再生履歴Hkに、ポータブルデバイス200へ転送する候補となるコンテンツがあるか否かを判断する(S72)。再生履歴Hkに転送候補となるコンテンツがある場合(S72:YES)、再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうち嗜好ポイントが最も高いコンテンツ(以下、転送候補コンテンツ)を、重要度リストに基づくビットレートに変換したときの予測容量xを計算する(S73)。具体的には、図6に示すように、転送コンテンツリストにおいて重要度8が設定されているコンテンツ(1.mp3)であれば、図2の重要度リストで重要度8に対して320kbpsが設定されているので、320kbpsにビットレート変換した場合のデータ容量を計算する。次に、許容量Ykが、転送容量yと予測容量xとの合計よりも大きいか否かを判断する(S74)。可容量Ykが転送容量yと予測容量xとの合計よりも大きい場合(S74:YES)、転送候補コンテンツを転送コンテンツリストに登録する(S75)。具体的には、転送候補コンテンツのコンテンツ名と、そのコンテンツが登録されていた再生履歴Hkの重要度nとを登録する。そして、転送容量yに予測容量xを加算する(S76)。次に、登録したコンテンツに対し、無効フラグを設定し(S77)、S72の処理へ戻る。ここで、無効フラグとは、一度選択されたコンテンツが重複して転送コンテンツリストに登録されないようにするためのフラグである。その後、転送容量yがコンテンツ転送容量Ykに達するまで、S73〜S77の処理を実行することにより、再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうち嗜好ポイントが高いコンテンツを許容量Ykだけ転送コンテンツリストに登録することができる。
【0049】
S72において、再生履歴Hkに転送候補となるコンテンツがない場合(再生履歴Hkに登録されているコンテンツ全てに無効フラグが設定された場合)(S72:NO)、または、S74において、許容量Ykが転送容量yと予測容量xとの合計よりも小さい場合(S74:NO)、転送残容量(Yk−y)を許容量Yk−1に加算し(S77)、再生履歴Hkにおけるコンテンツ転送処理(S7)を終了する。転送残容量(Yk−y)とは、再生履歴Hkに設定された許容量Ykの一部を余して転送コンテンツリスト作成処理(S7)を完了した場合に生じる残容量である。このように、再生履歴Hkを基にして転送コンテンツリストを作成したときに生じる転送残容量(Yk−y)を、再生履歴Hk−1に割り当てられたコンテンツ許容量Yk−1に加算することによって、ポータブルデバイス200の記憶装置220の容量を無駄なく使用することができる。
【0050】
以上、本発明におけるコンテンツ転送システムでは、複数の期間の再生履歴を有し、それらのうち直近の再生履歴であればあるほど高い重要度が設定され、重要度の高い再生履歴を基にして転送コンテンツリストに登録されたコンテンツは高ビットレートに変換され、重要度の低い再生履歴を基に転送コンテンツリストに登録されたコンテンツは低ビットレートに変換される。その結果、過去に遡るほどコンテンツのデータ容量が小さくなるビットレートに変換され、直近に頻繁に聴いたコンテンツほど高品質(高音質)なフォーマットまたはビットレートに変換されてポータブルデバイスに転送される。さらに、重要度の高い再生履歴ほど許容量を大きく設定し、嗜好ポイントの高いコンテンツを転送コンテンツリストに登録することにより、ユーザが直近に頻繁に聴いたコンテンツがポータブルデバイスに多く転送され、昔に聞いたコンテンツは少量に転送される。従って、ユーザの経時的な嗜好変化を捉えつつ、ポータブルデバイスの記憶装置の容量を有効に利用して、ユーザが転送を所望する可能性の高いコンテンツほど、可能な限り高品質なフォーマットまたはビットレートでポータブルデバイスに転送することができる。
【0051】
次に、本発明の別の好ましい実施形態について説明する。上述の処理と同一の場合、その説明を省略または簡略して説明する。図14は、本発明の別の実施形態における、各再生履歴Hnに基づく転送コンテンツリスト作成処理を示すフロー図である。
【0052】
転送コンテンツリスト作成処理(S7)において、転送容量yを初期化後(S71)、再生履歴指定変数kが最大重要値であるか否かを判断する(S79)。再生履歴指定変数kが最大重要値である場合(S79:YES)、ユーザの意図的によりポータブルデバイス200に転送させるコンテンツ(指定コンテンツ)があるか否かを判断する(S710)。具体的には、コンテンツに対して指定フラグが設定されており、その指定フラグがオンであるコンテンツがあれば、指定コンテンツがあると判断し(S710:YES)、指定コンテンツを転送コンテンツリストに登録する(S711)。指定フラグは、ユーザが新規にパーソナルコンピュータ100にコンテンツを格納した場合に自動的にオンされたり、ユーザが所望するコンテンツを個々に指定してオンされたり、プレイリストを作成した際に自動的またはユーザの選択によりオンされる。次に、登録したコンテンツに対し、無効フラグをオンにする(S712)。そして、指定コンテンツの持出回数をカウントする(S713)。なお、持出回数は、嗜好ポイントに加算される。次に、指定コンテンツの合計容量Sを計算し、上限容量Ykから減算する(S714)。再生履歴指定変数kが最大重要値でない場合(S79:NO)や、指定コンテンツが無いと判断した場合(S710:NO)は、転送コンテンツリストを作成する(S72〜S78)。
【0053】
こうすることにより、頻繁に聴いていなかったコンテンツや、新しくパーソナルコンピュータ100に格納したコンテンツ、つまり、嗜好ポイントが低いコンテンツをポータブルデバイス200に転送させることができ、よりユーザが所望するコンテンツをポータブルデバイスに転送することができる。また、持出回数を嗜好ポイントに加算しているので、次回のコンテンツ転送の際に、よりユーザの嗜好に合ったコンテンツ転送をおこなうことができる。
【0054】
以上、本発明に係るコンテンツ情報表示装置の好ましい実施形態の例について説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。例えば、本実施例において、ポータブルデバイスの残容量を全て使用するように説明したが、残容量のうち転送に使用する容量を、ユーザが指定するようにしても良い。その場合は、ユーザが操作手段により所望する容量を入力し、その入力された容量を基に、許容量リストを作成する。
【0055】
また、本実施例においては、重要度の度数と同じ数だけの再生履歴を再生履歴リストに登録するようにしたが、任意の数の再生履歴を再生履歴リストに登録させるようにしても良い。例えば、音声処理部で変換可能な全てのビットレート(またはフォーマット)の数と同じだけの再生履歴を再生履歴リストに登録しても良い。その場合、ユーザによって指定される、ポータブルデバイスに転送する際にコンテンツが変換されるビットレートの数に基づいて、コンテンツ転送処理に利用する再生履歴を選択する。具体的には、図3のように、音声処理部で変換可能な全てのビットレートが16個ある場合、再生履歴リストには16の再生履歴が登録される。そして、ポータブルデバイスに転送する際にコンテンツが変換されるビットレートが、例えば図2に示すように、8つ指定された場合、再生履歴リストに登録されている再生履歴のうち、直近の再生履歴から8つの再生履歴を用いてコンテンツ転送処理を実行する。
【0056】
また、本実施例においては、音声処理部で可能な変換をフォーマットがmp3におけるビットレート変換のみで説明したが、その限りではなく、音声処理部で可能な変換が、任意のフォーマットおよびそのフォーマットにおける任意のビットレートであっても良い。その場合、変換可能なフォーマットおよびそのフォーマットにおけるビットレートも含む、図3と同様なリストを作成すれば良く、ユーザがそのリストの中からポータブルデバイスに転送する際にコンテンツが変換されるビットレートを指定するようにすれば良い。
【0057】
また、本実施例においては、重要度が高いほど(重要度が高い再生履歴ほど)、多くのコンテンツが転送できるように許容量を大きくなるようにしたが、同程度の曲数をポータブルデバイスに転送したい場合は、曲数Jn=iとすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態における重要度リストを示す図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態による音声処理部で変換可能な全てのビットレートを示す図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態における再生履歴リストを示す図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態における許容量リストを示す図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態における転送コンテンツリストを示す図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態における目安容量リストを示す図である。
【図8】本名発明の好ましい実施形態によるポータブルデバイスで記録される再生履歴を示す図である。
【図9】本発明の好ましい実施形態によるパーソナルコンピュータにおける再生履歴更新処理を示すフロー図である。
【図10】本発明の好ましい実施形態によるポータブルデバイスにおける再生履歴更新処理を示すフロー図である。
【図11】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ転送処理を示すフロー図である。
【図12】本実施例に好ましい実施形態おける、重要度n、1曲あたりの容量V、曲数J、および許容量Ynの具体的数値を示す図である。
【図13】図11中のS7の詳細な処理を示すフロー図である。
【図14】別の好ましい実施形態による、S7の詳細な処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0059】
100 パーソナルコンピュータ
200 ポータブルデバイス
110、210 制御手段
111、211 CPU
112、212 ROM
113、213 RAM
120、220 記憶装置
130、230 操作手段
140、240 再生手段
141、241 音声処理部
142、242 D/Aコンバータ
143、243 増幅器
150、250 通信手段
160 ドライブ装置
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツ転送システムに関し、さらに詳しくは、比較的小容量の記憶媒体を備えたポータブルデバイス等と、大容量の記憶媒体を備えたパーソナルコンピュータ等とを互いに接続し、パーソナルコンピュータからポータブルデバイスへコンテンツを転送することができるコンテンツ転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ポータブルデバイスの普及により、パーソナルコンピュータなどの電子機器から、コンテンツを選択してポータブルデバイスに転送し、ポータブルデバイスによってコンテンツを視聴することが増加している。パーソナルコンピュータは、大容量の記憶媒体(ハードディスクドライブなど)を有し、その記憶媒体に大量のコンテンツを蓄積している。ポータブルデバイスは、備える記憶媒体がパーソナルコンピュータに比べて容量が小さいので、蓄積できるコンテンツの数に限界がある。
【0003】
従来技術では、「直近の所定期間で再生回数が所定回数以上」、「ビットレートが所定ビットレート以内」などの条件をユーザが設定してプレイリストを作成し、そのプレイリストにリストアップされたコンテンツのみを転送する方法がある。しかし結局のところ、ポータブルデバイスの記憶媒体の使用率を節約して極力多くのコンテンツをポータブルデバイスに転送するためには、ユーザがコンテンツの状況(再生頻度やビットレートなど)を調べたり、複数の条件を組み合わせたりする必要があるなど、手間がかかり非常に煩わしい。
【0004】
また、下記特許文献1では、パーソナルコンピュータおよびポータブルデバイスにおける再生回数やユーザによる再生操作(例えばスキップなど)を基にした嗜好ポイントが大きいコンテンツを優先的にポータブルデバイスに自動的に転送し、嗜好ポイントが小さいコンテンツはポータブルデバイスから自動的に削除する方法が開示されている。しかし、このような手法では、スキップ操作などで嗜好ポイントを加減しているものの、嗜好ポイントが大きいものは常にポータブルデバイスへ転送されることになり、ポータブルデバイスに転送されるコンテンツの変化が少ないという問題がある。さらに、パーソナルコンピュータに新規コンテンツが追加され、それをポータブルデバイスで視聴したい場合であっても、その新規コンテンツはパーソナルコンピュータに追加された時点では他のコンテンツに比べて嗜好ポイントが低いので、ポータブルデバイスに転送されない。
【特許文献1】特開2005−164984号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ユーザの経時的な嗜好変化を捉えつつ、多くのコンテンツをポータブルデバイスに転送することができるコンテンツ転送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムは、コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;該ポータブルデバイスが、該コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段によって再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を作成する第1の再生履歴作成手段と、該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に第1の再生履歴を更新する更新手段とを有し;該コンテンツ記録装置が、コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該ポータブルデバイスから第1の再生履歴を取得する取得手段と、該第1の再生履歴を基に、再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成または更新する第2の再生履歴作成更新手段と、該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する。
【0007】
本発明の別の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムは、コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;該ポータブルデバイスが、該コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、該コンテンツを再生する再生手段とを有し;該コンテンツ記録装置が、コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に、該第2の再生履歴を更新する更新手段と、該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する。
【0008】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムは、コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;該ポータブルデバイスが、該コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段によって再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を作成する第1の再生履歴作成手段と、該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に第1の再生履歴を更新する更新手段とを有し;該コンテンツ記録装置が、コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、該ポータブルデバイスから第1の再生履歴を取得する取得手段と、該第1の再生履歴を基に、第2の再生履歴を更新する第2の再生履歴更新手段と、該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する。
【0009】
好ましい実施例においては、上記コンテンツ記憶装置が、上記所定の期間毎に、上記ポータブルデバイスに転送可能なコンテンツの合計サイズである許容量を設定する許容量設定手段をさらに有し、該許容量設定手段が、現在の日付に近い該所定の期間ほど該許容量を大きく設定する。
【0010】
好ましい実施例においては、上記許容量設定手段が、上記所定の期間における上記許容量のうち、コンテンツ転送に使用しない余りの容量を、当該他の所定の期間の許容量に加算する。
【0011】
好ましい実施例においては、上記コンテンツ記憶装置に新規コンテンツがある場合、もしくは、ユーザが意図的に上記ポータブルデバイスに転送を所望する指定コンテンツがある場合、優先的に該ポータブルデバイスに転送される。
【0012】
好ましい実施例においては、上記コンテンツ記憶装置が、上記コンテンツのフォーマットまたはビットレートを変換する変換手段をさらに有し、該変換手段が、現在の日付に近い上記所定の期間に登録されていた該コンテンツほど、高品質なフォーマットまたはビットレートに変換する。
【0013】
好ましい実施例においては、上記変換手段において上記コンテンツを変換するフォーマットまたはビットレートに対して設定される重要度nが上記第2の再生履歴に対して設定され;該重要度nと、該重要度nである該第2の再生履歴に対して設定される上記許容量Ynと、上記ポータブルデバイスが有する記憶手段の残容量Lと、該重要度nであるフォーマットまたはビットレートに変換した場合のコンテンツ1つあたりの目安容量Vnと、任意の数iとが、
【数1】
の関係にある。
【0014】
好ましい実施例においては、上記コンテンツ記憶装置に新規コンテンツがある場合、もしくは、ユーザが意図的に上記ポータブルデバイスに転送を所望する指定コンテンツがある場合、該新規コンテンツまたは指定コンテンツは上記変換手段によって高品質なフォーマットまたはビットレートに変換され、優先的に該ポータブルデバイスに転送される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記憶装置は、転送されたコンテンツを記憶手段に記録して該コンテンツを再生することができるポータブルデバイスと接続する接続手段と、該コンテンツを記憶するための記憶手段と、該コンテンツを再生する再生手段と、該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、該ポータブルデバイスから、該ポータブルデバイスで再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を取得する取得手段と、該第1の再生履歴を基に、第2の再生履歴を更新する第2の再生履歴更新手段と、該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コンテンツの再生履歴を、再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴として管理し、各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツを、各所定の期間に対して設定される許容量だけポータブルデバイスにする。また、現在の日付に近い(以下、直近)の期間ほど許容量を大きく設定することによって、ユーザが直近に頻繁に聴いたコンテンツが多くポータブルデバイスに転送され、昔に聞いたコンテンツは少量に転送される。その結果、ユーザの経時的な嗜好変化を捉えたコンテンツ転送を行うことができ、さらにはポータブルデバイスの記憶装置の容量を有効に利用して、ユーザが所望する可能性の高いコンテンツをポータブルデバイスに転送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムについて、当該コンテンツ転送システムが適用されるパーソナルコンピュータ100およびポータブルデバイス200を例に、図を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を援用する。
【0018】
まず、本発明の実施形態であるコンテンツ転送システムを、図1を参照して詳細に説明する。図1は、コンテンツ転送システムを示す概略ブロック図である。
【0019】
コンテンツ転送システムは、パーソナルコンピュータ100およびポータブルデバイス200を備え、パーソナルコンピュータ100とポータブルデバイス200とが相互に接続されている。
【0020】
パーソナルコンピュータ100は、制御手段110、記憶装置120、操作手段130、再生手段140、通信手段150およびドライブ装置160を備える。
【0021】
制御手段110は、パーソナルコンピュータ100の各部にコマンドを出力して各部を制御するものであり、CPU111、ROM112、およびRAM113を含む。ROM112は、CPU111が使用するパーソナルコンピュータ100の動作プログラム等が記憶されている。RAM113は、CPU111により実行される各処理において、ROM112から読み出されたプログラム、入力または出力データなどを一時的に格納するワークエリアを形成する。CPU111は、ROM112や記憶装置120に格納されている各種プログラムを読み出し、RAM113のワークメモリに展開して当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0022】
記憶装置120は、複数のコンテンツ(デジタル曲データ)を蓄積する。さらに、記憶装置120には、重要度リスト、再生履歴リスト、許容量リスト、転送コンテンツリスト、および目安容量リストが格納される。
【0023】
図2は、重要度リストを示す図である。重要度リストは、重要度nと、当該重要度nに対して設定される変換ビットレートとが登録されている。コンテンツは、当該重要度リストに登録された変換ビットレートのうちのいずれかに変換されてポータブルデバイス200に転送される。変換ビットレートは、図3に示すように、音声処理部141で変換可能な全てのビットレートの中からユーザによって予め指定されるビットレートである。その指定されたビットレートに対し、高ビットレートほど高い重要度が設定される。
【0024】
図4は、再生履歴リストを示す図である。再生履歴リストは、複数の期間の再生履歴H1〜Hnが登録されている。当該期間は所定の期間Tであり、予めユーザによって設定される。言い換えると、再生履歴リストは、再生されたコンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む再生履歴でもある。再生履歴Hnには、所定の期間Tに再生されたコンテンツ名と、当該コンテンツが所定の期間Tにおいてパーソナルコンピュータ100およびポータブルデバイス200におけるコンテンツの再生回数を含む嗜好ポイントとを含む。本実施例では、所定の期間Tを10日とし、現在から10日毎の再生履歴が、上述の重要度リストで設定された重要度nの度数分だけ再生履歴リストに登録されている。また、直近の期間の再生履歴Hnほど高い重要度nが設定される。具体的には、ユーザが図2に示す8つのビットレートを指定した場合は、重要度が1〜8となり、図4に示すように、再生履歴リストに重要度1〜8が設定された8つの再生履歴H1〜H8が登録される。再生履歴Hnには、コンテンツ名の代わりに、コンテンツIDなどのコンテンツを識別することができる情報が登録するようにしても良い。
【0025】
図5は、許容量リストを示す図である。許容量リストは、重要度リストで設定された重要度nと、その重要度nに対して設定される許容量Ynとを含む。許容量Ynは、ポータブルデバイス200の記憶装置220の残容量Lのうち、コンテンツの格納に使用する容量であり、各重要度nに対して設定される。また、重要度nは再生履歴Hnに対して設定されているので、実質的に再生履歴Hn(または各期間)に対して設定される許容量Ynである。
【0026】
図6は、転送コンテンツリストを示す図である。転送コンテンツリストは、コンテンツ名と重要度nとを含む。この転送コンテンツリストに登録されたコンテンツが、パーソナルコンピュータ100からポータブルデバイス200へ転送される。なお、本実施例において、転送コンテンツリストに登録されるコンテンツは、各再生履歴Hnに登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツが登録される。なお、転送コンテンツリストには、コンテンツ名の代わりに、コンテンツIDなどのコンテンツを識別することができる情報が登録するようにしても良い。
【0027】
図7は、目安容量リストを示す図である。目安容量リストは、ビットレートと、目安容量Vとを含む。目安容量Vとは、所定の再生時間を有するコンテンツを、後述の音声処理部141によってビットレートに変換した場合の1曲あたりのデータ容量を示す。本実施例の場合、再生時間4分のコンテンツ(例えば、フォーマットがmp3、でサンプリングビットレートが44.1kHz)を、図7に示す320kbpsから16kbpsまでのビットレートに変換したときのデータ容量を目安容量Vとしている。
【0028】
操作手段130は、再生キー、テンキー、SKIP UP/DOWNキー、停止キー、EJECTキー、ダイヤルキー等の各種機能キーを備え、キー操作による操作信号を制御手段110へ出力する。操作手段130は、リモートコントロールによる操作信号を制御手段110へ出力するようにしてもよい。
【0029】
再生手段140は、記憶装置120に蓄積されているコンテンツを、CPU110の命令に従って再生する。再生手段140は、音声処理部141と、D/Aコンバータ142と、増幅部143とを含む。音声処理部141は、コンテンツを任意のフォーマットの任意のビットレートに圧縮・符号化する。また、記憶装置120から読み取られた圧縮デジタル曲データをデコードして非圧縮デジタル曲データを作成する。D/Aコンバータ142は、音声処理部141で処理されたデジタル曲データをアナログ信号に変換する。そして、増幅手段143は、D/Aコンバータ152から出力されたアナログ信号を増幅し、スピーカーなどに供給する。
【0030】
通信手段150は、ポータブルデバイス200と通信を行う。通信手段150は、USB(Universal
Serial Bus)コントローラなどを含み、USBコードを介してポータブルデバイス100に接続される。
【0031】
ドライブ装置160は、記憶媒体であるCDを格納し、CDに記憶されたデジタル曲データを読み出す。ドライブ装置160に読み出されたデジタル曲データは、音声処理部141によって任意のフォーマットの任意のビットレートに圧縮・符号化され、記憶装置120に格納される。
【0032】
ポータブルデバイス200は、制御手段210、記憶装置220、操作手段230、再生手段240、および通信手段250を備える。
【0033】
制御手段210は、ポータブルデバイス200の各部にコマンドを出力して各部を制御するものであり、CPU211、ROM212、およびRAM213を含む。ROM212は、CPU211が使用するポータブルデバイス200の動作プログラム等が記憶されている。RAM213は、CPU211により実行される各処理において、ROM212から読み出されたプログラム、入力または出力データなどを一時的に格納するワークエリアを形成する。CPU211は、ROM212や記憶装置220に格納されている各種プログラムを読み出し、RAM213のワークメモリに展開して当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0034】
記憶装置220は、パーソナルコンピュータから転送された複数のコンテンツ(デジタル曲データ)を格納する。記憶装置220は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどである。
【0035】
また、記憶装置220には、図8に示すような再生履歴が記録される。再生履歴は、コンテンツ名と、再生された日付と、その日付の嗜好ポイントとが登録される。この再生履歴は、ポータブルデバイス200がパーソナルコンピュータ100に接続された際に、パーソナルコンピュータ100に転送される。
【0036】
操作手段230は、再生キー、SKIP UP/DOWNキー、停止キー、ダイヤルキー等の各種機能キーを備え、キー操作による操作信号を制御手段210へ出力する。
【0037】
再生手段240は、音声処理部241と、D/Aコンバータ242と、増幅部243とを含む。音声処理部241は、記憶装置220から読み取られた圧縮デジタル曲データをデコードして非圧縮デジタル曲データを作成する。D/Aコンバータ242は、音声処理部241で処理されたデジタル曲データをアナログ信号に変換する。そして、増幅手段243は、D/Aコンバータ252から出力されたアナログ信号を増幅し、ヘッドホンなどに供給する。
【0038】
通信手段250は、パーソナルコンピュータ100と通信を行う。通信手段260は、USBコントローラなどを含み、USBコードを介してパーソナルコンピュータ100に接続される。
【0039】
次に、パーソナルコンピュータ100における再生履歴リストの更新処理に関して説明する。
【0040】
図9は、パーソナルコンピュータ100における再生履歴リストの更新処理を示すフロー図である。まず、CPU111は、操作手段130からコンテンツの再生命令があったか否かを判断する(S101)。コンテンツの再生命令があった場合(S101:YES)、所定の期間Tが経過したか否かを判断する(S102)。S101において、コンテンツの再生命令がない場合は(S101:NO)、続けてコンテンツ再生命令を受信したか否かを監視する。次に、所定の期間Tが経過している場合(S102:YES)、再生履歴リストを更新する(S103)。具体的には、所定の期間Tが経過すれば、重要度2〜8の再生履歴H2〜H8が新たな再生履歴H1〜H7となり、再生履歴H8は初期化される。なお、再生履歴リストが記憶装置120に格納されていない場合(例えば、パーソナルコンピュータ100で初めてコンテンツを再生する場合など)は、S103において作成する。次に、再生されたコンテンツの嗜好ポイントを加算する(S104)。具体的には、操作手段130からコンテンツ再生命令を受信すると、重要度が最大の再生履歴(再生履歴H8)、つまり、現在に最も近い期間の再生履歴H8において、再生されたコンテンツの嗜好ポイントを1加算する。S102において、所定の期間Tが経過していない場合(S102:NO)、S104の処理を実行する。なお、嗜好ポイントは、早送り、スキップなどを基に、加減させるようにしても良い。例えば、コンテンツ毎に、そのコンテンツの気に入り度合いを示す「お気に入り度」などを設定し、ユーザによって設定されたお気に入り度の値によって、嗜好ポイントを加減する。さらに、コンテンツをスキップした場合や、早送りによりコンテンツの再生時間のうち所定の割合以上聴かなった場合は、嗜好ポイントを減算する。
【0041】
次に、ポータブルデバイス200における再生履歴の更新処理に関して説明する。
【0042】
図10は、ポータブルデバイス200における再生履歴の更新処理を示すフロー図である。CPU211は、操作手段230からコンテンツの再生命令があったか否かを判断する(S201)。そして、コンテンツ再生命令を受信した場合(S201:YES)、図8に示す再生履歴を更新する(S202)。具体的には、再生履歴に、操作手段230からコンテンツ再生命令を受信すると、再生されたコンテンツの嗜好ポイントを1加算する。なお、再生履歴が無い場合(例えば、ポータブルデバイス200で初めてコンテンツを再生する場合など)、S202において再生履歴を作成する。また、嗜好ポイントは、図8に示すように、再生日毎に記録される。S201において、コンテンツの再生命令があった場合は(S201:NO)、続けてコンテンツ再生命令を受信したか否かを監視する。
【0043】
次に、コンテンツ転送システムについて、コンテンツ転送処理を、図11〜12を参照して説明する。
【0044】
図11は、コンテンツ転送処理を示すフロー図である。まず、CPU111は、ポータブルデバイス200がパーソナルコンピュータ100に接続されたか否かを判断する(S1)。ポータブルデバイス200が接続された場合(S1:YES)、CPU111は、ポータブルデバイス200から図8のような再生履歴を受信し、その再生履歴の情報を再生履歴リストに登録されている再生履歴H1〜H8に追加する(S2)。具体的には、受信したポータブルデバイス200の再生履歴に登録されている、コンテンツの各再生日に対する嗜好ポイントを、その再生日を含む期間の再生履歴H1〜Hnに加算する。本実施例においては、例えば、図8において1.mp3の2007年7月5日の嗜好ポイント5は、現在の日付が2007年2月23日であれば、11〜20日前の履歴である再生履歴H7に登録されている1.mp3の嗜好ポイントに追加される。
【0045】
次に、CPU111は、ポータブルデバイス200の残容量Lを調べる(S3)。本実施例においては、ポータブルデバイス200の残容量Lを4ギガバイトとして説明する。次に、CPU111は、ポータブルデバイス200の残容量Lを基に、図5に示す許容量リストを作成する(S4)。本実施例においては、重要度nが高いほど、許容量Ynが大きく設定される。具体的には、許容量Ynは、数3に示すように、1曲あたりの目安容量Vnと、重要度nと、所定の数値iとで表される。ここで、数値iと重要度nとの乗算を、重要度nの再生履歴Hnに登録されているコンテンツのうちポータブルデバイス200に転送するコンテンツの曲数Jnと定義する。このように定義することにより、重要度nが高い再生履歴Hnほどポータブルデバイス200に転送するコンテンツ数を多くすることができる。そして、曲数Jnに1曲あたりの目安容量Vnを乗算することにより、重要度nの再生履歴Hnに登録されているコンテンツのうちポータブルデバイス200に転送するコンテンツの合計容量が求まる。この合計容量が許容量Ynである。なお、数値iは、数4に示すように、許容量Ynの合計がポータブルデバイス200の記憶装置220の残容量Lと等しくなるように条件設定される数値である。図12に、本実施例における、重要度n、1曲あたりの容量V、曲数Jn、および許容量Ynの具体的数値を示す。本実施例では、許容量Ynの合計が4ギガバイトであることから、数3および4の式により、数値iが17.29と求まり、数3にi=17.29を代入すると、図5に示すような許容量Ynが求まる。
【数3】
【数4】
【0046】
次に、CPU111は、再生履歴指定変数kを重要度nの最大値で初期化する(S5)。再生履歴指定変数kは、どの再生履歴Hkを参照して転送コンテンツリスト作成処理(後述のS6〜S8)を実行しているかを示す。本実施例では、重要度nの最大値が8であるので、再生履歴指定変数kは8で初期化される。次に、各再生履歴Hkを参照して転送コンテンツリスト作成処理を実行する(S6〜S8)。まず、再生履歴指定変数kが0より大きいか否かを判断する(S6)。再生履歴指定変数kが0よりも大きい場合(S6:YES)、重要度がkの再生履歴Hkを参照し、ポータブルデバイス200に転送するコンテンツを転送コンテンツリストに登録する(S7)。詳細な説明は後述するが、S7では、各再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツと参照している再生履歴Hkの重要度kとが、図6のように、転送コンテンツリストに登録される。次に、再生履歴指定変数kをデクリメントして、S6の処理に戻る。その後、同様の処理を、kが0になるまでS6〜S8を繰り返すことにより、転送コンテンツリストを作成する。
【0047】
S6において、再生履歴指定変数kが0になった場合(S6:NO)、転送コンテンツリストに登録されているコンテンツを、重要度リストで設定されたビットレートに変換する(S9)。具体的には、図2に示す重要度リストで重要度8に対してビットレート320kbpsが設定されているので、図6のように転送コンテンツリストにおいて重要度8が設定されているコンテンツ(1.mp3)は320kbpsにビットレート変換される。次に、ビットレート変換されたコンテンツをポータブルデバイス200に転送する(S10)。そして、ポータブルデバイス200へ転送されたコンテンツを削除し(S11)、コンテンツ転送処理を終了する。
【0048】
次に、S7について、詳細に説明する。図13は、S7の処理を示すフロー図である。まず、転送容量yを0に初期化する(S71)。転送容量yは、再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうちポータブルデバイス200に転送するコンテンツの容量の合計を示す。そして、転送容量yが許容量Ykに達するまで、再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうち嗜好ポイントが高いコンテンツから順に転送コンテンツリストに登録する(S72〜S77)。具体的には、まず、再生履歴Hkに、ポータブルデバイス200へ転送する候補となるコンテンツがあるか否かを判断する(S72)。再生履歴Hkに転送候補となるコンテンツがある場合(S72:YES)、再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうち嗜好ポイントが最も高いコンテンツ(以下、転送候補コンテンツ)を、重要度リストに基づくビットレートに変換したときの予測容量xを計算する(S73)。具体的には、図6に示すように、転送コンテンツリストにおいて重要度8が設定されているコンテンツ(1.mp3)であれば、図2の重要度リストで重要度8に対して320kbpsが設定されているので、320kbpsにビットレート変換した場合のデータ容量を計算する。次に、許容量Ykが、転送容量yと予測容量xとの合計よりも大きいか否かを判断する(S74)。可容量Ykが転送容量yと予測容量xとの合計よりも大きい場合(S74:YES)、転送候補コンテンツを転送コンテンツリストに登録する(S75)。具体的には、転送候補コンテンツのコンテンツ名と、そのコンテンツが登録されていた再生履歴Hkの重要度nとを登録する。そして、転送容量yに予測容量xを加算する(S76)。次に、登録したコンテンツに対し、無効フラグを設定し(S77)、S72の処理へ戻る。ここで、無効フラグとは、一度選択されたコンテンツが重複して転送コンテンツリストに登録されないようにするためのフラグである。その後、転送容量yがコンテンツ転送容量Ykに達するまで、S73〜S77の処理を実行することにより、再生履歴Hkに登録されているコンテンツのうち嗜好ポイントが高いコンテンツを許容量Ykだけ転送コンテンツリストに登録することができる。
【0049】
S72において、再生履歴Hkに転送候補となるコンテンツがない場合(再生履歴Hkに登録されているコンテンツ全てに無効フラグが設定された場合)(S72:NO)、または、S74において、許容量Ykが転送容量yと予測容量xとの合計よりも小さい場合(S74:NO)、転送残容量(Yk−y)を許容量Yk−1に加算し(S77)、再生履歴Hkにおけるコンテンツ転送処理(S7)を終了する。転送残容量(Yk−y)とは、再生履歴Hkに設定された許容量Ykの一部を余して転送コンテンツリスト作成処理(S7)を完了した場合に生じる残容量である。このように、再生履歴Hkを基にして転送コンテンツリストを作成したときに生じる転送残容量(Yk−y)を、再生履歴Hk−1に割り当てられたコンテンツ許容量Yk−1に加算することによって、ポータブルデバイス200の記憶装置220の容量を無駄なく使用することができる。
【0050】
以上、本発明におけるコンテンツ転送システムでは、複数の期間の再生履歴を有し、それらのうち直近の再生履歴であればあるほど高い重要度が設定され、重要度の高い再生履歴を基にして転送コンテンツリストに登録されたコンテンツは高ビットレートに変換され、重要度の低い再生履歴を基に転送コンテンツリストに登録されたコンテンツは低ビットレートに変換される。その結果、過去に遡るほどコンテンツのデータ容量が小さくなるビットレートに変換され、直近に頻繁に聴いたコンテンツほど高品質(高音質)なフォーマットまたはビットレートに変換されてポータブルデバイスに転送される。さらに、重要度の高い再生履歴ほど許容量を大きく設定し、嗜好ポイントの高いコンテンツを転送コンテンツリストに登録することにより、ユーザが直近に頻繁に聴いたコンテンツがポータブルデバイスに多く転送され、昔に聞いたコンテンツは少量に転送される。従って、ユーザの経時的な嗜好変化を捉えつつ、ポータブルデバイスの記憶装置の容量を有効に利用して、ユーザが転送を所望する可能性の高いコンテンツほど、可能な限り高品質なフォーマットまたはビットレートでポータブルデバイスに転送することができる。
【0051】
次に、本発明の別の好ましい実施形態について説明する。上述の処理と同一の場合、その説明を省略または簡略して説明する。図14は、本発明の別の実施形態における、各再生履歴Hnに基づく転送コンテンツリスト作成処理を示すフロー図である。
【0052】
転送コンテンツリスト作成処理(S7)において、転送容量yを初期化後(S71)、再生履歴指定変数kが最大重要値であるか否かを判断する(S79)。再生履歴指定変数kが最大重要値である場合(S79:YES)、ユーザの意図的によりポータブルデバイス200に転送させるコンテンツ(指定コンテンツ)があるか否かを判断する(S710)。具体的には、コンテンツに対して指定フラグが設定されており、その指定フラグがオンであるコンテンツがあれば、指定コンテンツがあると判断し(S710:YES)、指定コンテンツを転送コンテンツリストに登録する(S711)。指定フラグは、ユーザが新規にパーソナルコンピュータ100にコンテンツを格納した場合に自動的にオンされたり、ユーザが所望するコンテンツを個々に指定してオンされたり、プレイリストを作成した際に自動的またはユーザの選択によりオンされる。次に、登録したコンテンツに対し、無効フラグをオンにする(S712)。そして、指定コンテンツの持出回数をカウントする(S713)。なお、持出回数は、嗜好ポイントに加算される。次に、指定コンテンツの合計容量Sを計算し、上限容量Ykから減算する(S714)。再生履歴指定変数kが最大重要値でない場合(S79:NO)や、指定コンテンツが無いと判断した場合(S710:NO)は、転送コンテンツリストを作成する(S72〜S78)。
【0053】
こうすることにより、頻繁に聴いていなかったコンテンツや、新しくパーソナルコンピュータ100に格納したコンテンツ、つまり、嗜好ポイントが低いコンテンツをポータブルデバイス200に転送させることができ、よりユーザが所望するコンテンツをポータブルデバイスに転送することができる。また、持出回数を嗜好ポイントに加算しているので、次回のコンテンツ転送の際に、よりユーザの嗜好に合ったコンテンツ転送をおこなうことができる。
【0054】
以上、本発明に係るコンテンツ情報表示装置の好ましい実施形態の例について説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。例えば、本実施例において、ポータブルデバイスの残容量を全て使用するように説明したが、残容量のうち転送に使用する容量を、ユーザが指定するようにしても良い。その場合は、ユーザが操作手段により所望する容量を入力し、その入力された容量を基に、許容量リストを作成する。
【0055】
また、本実施例においては、重要度の度数と同じ数だけの再生履歴を再生履歴リストに登録するようにしたが、任意の数の再生履歴を再生履歴リストに登録させるようにしても良い。例えば、音声処理部で変換可能な全てのビットレート(またはフォーマット)の数と同じだけの再生履歴を再生履歴リストに登録しても良い。その場合、ユーザによって指定される、ポータブルデバイスに転送する際にコンテンツが変換されるビットレートの数に基づいて、コンテンツ転送処理に利用する再生履歴を選択する。具体的には、図3のように、音声処理部で変換可能な全てのビットレートが16個ある場合、再生履歴リストには16の再生履歴が登録される。そして、ポータブルデバイスに転送する際にコンテンツが変換されるビットレートが、例えば図2に示すように、8つ指定された場合、再生履歴リストに登録されている再生履歴のうち、直近の再生履歴から8つの再生履歴を用いてコンテンツ転送処理を実行する。
【0056】
また、本実施例においては、音声処理部で可能な変換をフォーマットがmp3におけるビットレート変換のみで説明したが、その限りではなく、音声処理部で可能な変換が、任意のフォーマットおよびそのフォーマットにおける任意のビットレートであっても良い。その場合、変換可能なフォーマットおよびそのフォーマットにおけるビットレートも含む、図3と同様なリストを作成すれば良く、ユーザがそのリストの中からポータブルデバイスに転送する際にコンテンツが変換されるビットレートを指定するようにすれば良い。
【0057】
また、本実施例においては、重要度が高いほど(重要度が高い再生履歴ほど)、多くのコンテンツが転送できるように許容量を大きくなるようにしたが、同程度の曲数をポータブルデバイスに転送したい場合は、曲数Jn=iとすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ転送システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態における重要度リストを示す図である。
【図3】本発明の好ましい実施形態による音声処理部で変換可能な全てのビットレートを示す図である。
【図4】本発明の好ましい実施形態における再生履歴リストを示す図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態における許容量リストを示す図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態における転送コンテンツリストを示す図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態における目安容量リストを示す図である。
【図8】本名発明の好ましい実施形態によるポータブルデバイスで記録される再生履歴を示す図である。
【図9】本発明の好ましい実施形態によるパーソナルコンピュータにおける再生履歴更新処理を示すフロー図である。
【図10】本発明の好ましい実施形態によるポータブルデバイスにおける再生履歴更新処理を示すフロー図である。
【図11】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ転送処理を示すフロー図である。
【図12】本実施例に好ましい実施形態おける、重要度n、1曲あたりの容量V、曲数J、および許容量Ynの具体的数値を示す図である。
【図13】図11中のS7の詳細な処理を示すフロー図である。
【図14】別の好ましい実施形態による、S7の詳細な処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0059】
100 パーソナルコンピュータ
200 ポータブルデバイス
110、210 制御手段
111、211 CPU
112、212 ROM
113、213 RAM
120、220 記憶装置
130、230 操作手段
140、240 再生手段
141、241 音声処理部
142、242 D/Aコンバータ
143、243 増幅器
150、250 通信手段
160 ドライブ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;
該ポータブルデバイスが、
該コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、
該コンテンツを再生する再生手段と、
該再生手段によって再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を作成する第1の再生履歴作成手段と、
該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に第1の再生履歴を更新する更新手段とを有し;
該コンテンツ記録装置が、
コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツを再生する再生手段と、
該ポータブルデバイスから第1の再生履歴を取得する取得手段と、
該第1の再生履歴を基に、再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成または更新する第2の再生履歴作成更新手段と、
該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する、コンテンツ転送システム。
【請求項2】
コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;
該ポータブルデバイスが、
該コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、
該コンテンツを再生する再生手段とを有し;
該コンテンツ記録装置が、
コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツを再生する再生手段と、
該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、
該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に、該第2の再生履歴を更新する更新手段と、
該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する、コンテンツ転送システム。
【請求項3】
コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;
該ポータブルデバイスが、
該コンテンツを記憶するための第1の記憶手段と、
該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、
該コンテンツを再生する第1の再生手段と、
該再生手段によって再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を作成する第1の再生履歴作成手段と、
該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に第1の再生履歴を更新する更新手段とを有し;
該コンテンツ記録装置が、
コンテンツを記憶するための第2の記憶手段と、
該コンテンツを再生する第2の再生手段と、
該第2の再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、
該ポータブルデバイスから第1の再生履歴を取得する取得手段と、
該第1の再生履歴を基に、第2の再生履歴を更新する第2の再生履歴更新手段と、
該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する、コンテンツ転送システム。
【請求項4】
前記コンテンツ記憶装置が、前記所定の期間毎に、前記ポータブルデバイスに転送可能なコンテンツの合計サイズである許容量を設定する許容量設定手段をさらに有し、
該許容量設定手段が、現在の日付に近い該所定の期間ほど該許容量を大きく設定する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ転送システム。
【請求項5】
前記許容量設定手段が、前記所定の期間における前記許容量のうち、コンテンツ転送に使用しない余りの容量を、当該他の所定の期間の許容量に加算する、請求項4に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項6】
前記コンテンツ記憶装置に新規コンテンツがある場合、もしくは、ユーザが意図的に前記ポータブルデバイスに転送を所望する指定コンテンツがある場合、優先的に該ポータブルデバイスに転送される、請求項1〜5に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項7】
前記コンテンツ記憶装置が、
前記コンテンツのフォーマットまたはビットレートを変換する変換手段をさらに有し、
該変換手段が、現在の日付に近い前記所定の期間に登録されていた該コンテンツほど、高品質なフォーマットまたはビットレートに変換する、請求項1〜6のいずれかに記載のコンテンツ転送システム。
【請求項8】
前記変換手段において前記コンテンツを変換するフォーマットまたはビットレートに対して設定される重要度nが前記第2の再生履歴に対して設定され;
該重要度nと、
該重要度nである該第2の再生履歴に対して設定される前記許容量Ynと、
前記ポータブルデバイスが有する記憶手段の残容量Lと、
該重要度nであるフォーマットまたはビットレートに変換した場合のコンテンツ1つあたりの目安容量Vnと、
任意の数iとが、
【数1】
の関係にある、請求項7に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項9】
前記コンテンツ記憶装置に新規コンテンツがある場合、もしくは、ユーザが意図的に前記ポータブルデバイスに転送を所望する指定コンテンツがある場合、
該新規コンテンツまたは指定コンテンツは前記変換手段によって高品質なフォーマットまたはビットレートに変換され、優先的に該ポータブルデバイスに転送される、請求項7または8に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項10】
転送されたコンテンツを記憶手段に記録して該コンテンツを再生することができるポータブルデバイスと接続する接続手段と、
該コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツを再生する再生手段と、
該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、
該ポータブルデバイスから、該ポータブルデバイスで再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を取得する取得手段と、
該第1の再生履歴を基に、第2の再生履歴を更新する第2の再生履歴更新手段と、
該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する、コンテンツ記憶装置。
【請求項1】
コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;
該ポータブルデバイスが、
該コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、
該コンテンツを再生する再生手段と、
該再生手段によって再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を作成する第1の再生履歴作成手段と、
該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に第1の再生履歴を更新する更新手段とを有し;
該コンテンツ記録装置が、
コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツを再生する再生手段と、
該ポータブルデバイスから第1の再生履歴を取得する取得手段と、
該第1の再生履歴を基に、再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成または更新する第2の再生履歴作成更新手段と、
該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する、コンテンツ転送システム。
【請求項2】
コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;
該ポータブルデバイスが、
該コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、
該コンテンツを再生する再生手段とを有し;
該コンテンツ記録装置が、
コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツを再生する再生手段と、
該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、
該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に、該第2の再生履歴を更新する更新手段と、
該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する、コンテンツ転送システム。
【請求項3】
コンテンツ記録装置と該コンテンツ記録装置に接続可能なポータブルデバイスとを備え;
該ポータブルデバイスが、
該コンテンツを記憶するための第1の記憶手段と、
該コンテンツ記録装置から転送されるコンテンツを該記憶手段に記録する記録手段と、
該コンテンツを再生する第1の再生手段と、
該再生手段によって再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を作成する第1の再生履歴作成手段と、
該再生手段によって該コンテンツが再生される毎に第1の再生履歴を更新する更新手段とを有し;
該コンテンツ記録装置が、
コンテンツを記憶するための第2の記憶手段と、
該コンテンツを再生する第2の再生手段と、
該第2の再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、
該ポータブルデバイスから第1の再生履歴を取得する取得手段と、
該第1の再生履歴を基に、第2の再生履歴を更新する第2の再生履歴更新手段と、
該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する、コンテンツ転送システム。
【請求項4】
前記コンテンツ記憶装置が、前記所定の期間毎に、前記ポータブルデバイスに転送可能なコンテンツの合計サイズである許容量を設定する許容量設定手段をさらに有し、
該許容量設定手段が、現在の日付に近い該所定の期間ほど該許容量を大きく設定する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ転送システム。
【請求項5】
前記許容量設定手段が、前記所定の期間における前記許容量のうち、コンテンツ転送に使用しない余りの容量を、当該他の所定の期間の許容量に加算する、請求項4に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項6】
前記コンテンツ記憶装置に新規コンテンツがある場合、もしくは、ユーザが意図的に前記ポータブルデバイスに転送を所望する指定コンテンツがある場合、優先的に該ポータブルデバイスに転送される、請求項1〜5に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項7】
前記コンテンツ記憶装置が、
前記コンテンツのフォーマットまたはビットレートを変換する変換手段をさらに有し、
該変換手段が、現在の日付に近い前記所定の期間に登録されていた該コンテンツほど、高品質なフォーマットまたはビットレートに変換する、請求項1〜6のいずれかに記載のコンテンツ転送システム。
【請求項8】
前記変換手段において前記コンテンツを変換するフォーマットまたはビットレートに対して設定される重要度nが前記第2の再生履歴に対して設定され;
該重要度nと、
該重要度nである該第2の再生履歴に対して設定される前記許容量Ynと、
前記ポータブルデバイスが有する記憶手段の残容量Lと、
該重要度nであるフォーマットまたはビットレートに変換した場合のコンテンツ1つあたりの目安容量Vnと、
任意の数iとが、
【数1】
の関係にある、請求項7に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項9】
前記コンテンツ記憶装置に新規コンテンツがある場合、もしくは、ユーザが意図的に前記ポータブルデバイスに転送を所望する指定コンテンツがある場合、
該新規コンテンツまたは指定コンテンツは前記変換手段によって高品質なフォーマットまたはビットレートに変換され、優先的に該ポータブルデバイスに転送される、請求項7または8に記載のコンテンツ転送システム。
【請求項10】
転送されたコンテンツを記憶手段に記録して該コンテンツを再生することができるポータブルデバイスと接続する接続手段と、
該コンテンツを記憶するための記憶手段と、
該コンテンツを再生する再生手段と、
該再生手段よって再生された該コンテンツの、複数の所定の期間毎の嗜好ポイントを含む第2の再生履歴を作成する第2の再生履歴作成手段と、
該ポータブルデバイスから、該ポータブルデバイスで再生された該コンテンツの、再生日毎の嗜好ポイントを含む第1の再生履歴を取得する取得手段と、
該第1の再生履歴を基に、第2の再生履歴を更新する第2の再生履歴更新手段と、
該第2の再生履歴の該各所定の期間に登録されているコンテンツのうち、嗜好ポイントが高いコンテンツから順に、所定の数量だけ該ポータブルデバイスに転送する転送手段とを有する、コンテンツ記憶装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−226318(P2008−226318A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61152(P2007−61152)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
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