説明

コンテンツ連携アクション制御システム、管理サーバ、端末、方法およびプログラム

【課題】コンテンツを再生する側の視聴装置や伝送媒体とアクションを実行する側の端末や伝送媒体とが異なる場合であっても、コンテンツから端末のアクションを呼び出す技術を実現する。
【解決手段】コンテンツ連携アクション制御システムは、コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを受像機3で視聴するユーザが使用する端末4と、コンテンツと連携した端末4のアクションを制御する管理サーバ5とを備える。管理サーバ5は、端末4に特定のアクションを実行させるトリガー情報を送信し、端末4は、トリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツと端末のアクションとを連携させる技術に係り、特にコンテンツを再生する側の視聴装置や伝送媒体とアクションを実行する側の端末や伝送媒体とが異なる場合であっても適用することができるコンテンツ連携アクション制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、動画コンテンツを視聴中のある時間帯において、他の関連動画に画面を遷移させたり、関連Webサイトを表示させたりするような、動画再生とは異なるアクションを呼び出す技術がある。このような技術を実現する手段としては、ニコニコ動画におけるニコスクリプトがある(非特許文献1参照)。なお、この技術は、フラッシュ(Flash)、フラッシュの動画ファイルフォーマットであるフラッシュビデオ(Flash Video)、フラッシュで使用されるプログラミング言語であるアクションスクリプト(Action Script)等の技術要素を活用して実現されており、同様の技術要素を活用したサービスとして、ユーチューブ(You Tube)等の動画共有サービスが挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ニコニコ動画ヘルプ ニコスクリプトとは」,株式会社ニワンゴ,[平成21年1月20日検索],インターネット<http://www.nicovideo.jp/static/script/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、コンテンツを表示させているブラウザの範囲でしかアクションを制御することができないという問題点があった。そのため、動画を再生する側の端末や伝送媒体と、アクションを実行する側の端末や伝送媒体とが異なると、動画コンテンツからアクションを呼び出す技術を適用することができず、異なる端末や伝送媒体を横断的に活用した新たな動画コンテンツを作成することは不可能であった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、コンテンツを再生する側の視聴装置や伝送媒体とアクションを実行する側の端末や伝送媒体とが異なる場合であっても、コンテンツから端末のアクションを呼び出す技術を実現することができるコンテンツ連携アクション制御システム、管理サーバ、端末、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテンツ連携アクション制御システムは、コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを視聴装置で視聴するユーザが使用する端末と、前記コンテンツと連携した前記端末のアクションを制御する管理サーバとを備え、前記管理サーバは、前記端末に特定のアクションを実行させるトリガー情報を送信するトリガー情報送信手段を有し、前記端末は、前記管理サーバから送信されたトリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行するアクション実行手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明のコンテンツ連携アクション制御システムの1構成例において、前記トリガー情報は、少なくともトリガー情報に対応するコンテンツを指定するコンテンツ情報と、前記端末が実行すべきアクションを定義するアクション情報と、前記端末がアクションを開始する実行時刻を指定する実行時刻情報とを含み、前記端末のアクション実行手段は、前記管理サーバから送信されたトリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、前記実行時刻情報で指定された実行時刻になったときに、前記アクション情報で定義されたアクションを実行することを特徴とするものである。
また、本発明のコンテンツ連携アクション制御システムの1構成例において、前記実行時刻情報は、前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式、または前記アクションの実行時刻を前記端末が前記トリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式のいずれかで記述されることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明のコンテンツ連携アクション制御システムの1構成例において、前記管理サーバのトリガー情報送信手段は、前記トリガー情報の実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式で記述されている場合は、このトリガー情報を対応するコンテンツの放送以前に前記端末に送信し、前記トリガー情報の実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を前記相対時刻によって指定する形式で記述されている場合は、このトリガー情報に対応するコンテンツがユーザの要求に応じてオンデマンドで放送開始されたときに、このトリガー情報を前記端末に送信することを特徴とするものである。
また、本発明のコンテンツ連携アクション制御システムの1構成例において、前記端末のアクション実行手段は、前記視聴装置で視聴中のコンテンツを示す情報をユーザから受け取って、この視聴中のコンテンツに対応するトリガー情報を有効とし、このトリガー情報で定義されたアクションを実行することを特徴とするものである。
また、本発明のコンテンツ連携アクション制御システムの1構成例において、さらに、前記端末は、実行可能なアクションを規定する実行可能情報と前記トリガー情報を受け付けるか否かを規定する実行ポリシーのうち少なくとも一方を含む管理項目情報を前記管理サーバに送信する管理項目情報登録手段を有し、前記管理サーバのトリガー情報送信手段は、前記端末から受信した管理項目情報が前記トリガー情報と合致したときに、この端末に前記トリガー情報を送信することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のコンテンツ連携アクション制御システムの1構成例において、さらに、前記管理サーバは、前記実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を前記相対時刻によって指定する形式で記述されている場合、ユーザがオンデマンドで放送される前記コンテンツの再生時刻に影響を与える操作を行ったときに、このユーザの操作に応じて前記実行時刻情報を補正するトリガー情報補正手段を有し、前記管理サーバのトリガー情報送信手段は、前記トリガー情報補正手段によって補正されたトリガー情報を前記端末に再度送信することを特徴とするものである。
また、本発明のコンテンツ連携アクション制御システムの1構成例において、さらに、前記管理サーバは、前記コンテンツとこれに対応する前記トリガー情報とを作成するコンテンツ提供者から前記トリガー情報を受け取るトリガー情報受付手段を有することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、コンテンツ提供者から放送されるコンテンツと連携したユーザの端末のアクションを制御する管理サーバであって、ユーザがコンテンツを視聴装置で視聴中にこのコンテンツに対応する特定のアクションをユーザの端末に実行させるトリガー情報を前記端末に送信するトリガー情報送信手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明の管理サーバの1構成例において、前記トリガー情報は、少なくともトリガー情報に対応するコンテンツを指定するコンテンツ情報と、前記端末が実行すべきアクションを定義するアクション情報と、トリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に前記端末がアクションを開始する実行時刻を指定する実行時刻情報とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の管理サーバの1構成例において、前記実行時刻情報は、前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式、または前記アクションの実行時刻を前記端末が前記トリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式のいずれかで記述されることを特徴とするものである。
また、本発明の管理サーバの1構成例において、前記トリガー情報送信手段は、前記トリガー情報の実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式で記述されている場合は、このトリガー情報を対応するコンテンツの放送以前に前記端末に送信し、前記トリガー情報の実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を前記相対時刻によって指定する形式で記述されている場合は、このトリガー情報に対応するコンテンツがユーザの要求に応じてオンデマンドで放送開始されたときに、このトリガー情報を前記端末に送信することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の管理サーバの1構成例において、前記トリガー情報送信手段は、実行可能なアクションを規定する実行可能情報と前記トリガー情報を受け付けるか否かを規定する実行ポリシーのうち少なくとも一方を含む管理項目情報を前記端末から受信して、前記管理項目情報が前記トリガー情報と合致したときに、この端末に前記トリガー情報を送信することを特徴とするものである。
また、本発明の管理サーバの1構成例は、さらに、前記実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を前記相対時刻によって指定する形式で記述されている場合、ユーザがオンデマンドで放送される前記コンテンツの再生時刻に影響を与える操作を行ったときに、このユーザの操作に応じて前記実行時刻情報を補正するトリガー情報補正手段を有し、前記トリガー情報送信手段は、前記トリガー情報補正手段によって補正されたトリガー情報を前記端末に再度送信することを特徴とするものである。
また、本発明の管理サーバの1構成例は、さらに、前記コンテンツとこれに対応する前記トリガー情報とを作成するコンテンツ提供者から前記トリガー情報を受け取るトリガー情報受付手段を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は、コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを視聴装置で視聴するユーザが使用する端末であって、ユーザがコンテンツを視聴装置で視聴中にこのコンテンツに対応する特定のアクションを自装置に実行させるトリガー情報を管理サーバから受信するトリガー情報受付手段と、前記トリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行するアクション実行手段とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の端末の1構成例において、前記トリガー情報は、少なくともトリガー情報に対応するコンテンツを指定するコンテンツ情報と、端末が実行すべきアクションを定義するアクション情報と、端末がアクションを開始する実行時刻を指定する実行時刻情報とを含み、前記アクション実行手段は、前記管理サーバから送信されたトリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、前記実行時刻情報で指定された実行時刻になったときに、前記アクション情報で定義されたアクションを実行することを特徴とするものである。
また、本発明の端末の1構成例において、前記実行時刻情報は、前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式、または前記アクションの実行時刻を端末が前記トリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式のいずれかで記述されることを特徴とするものである。
また、本発明の端末の1構成例において、前記アクション実行手段は、前記視聴装置で視聴中のコンテンツを示す情報をユーザから受け取って、この視聴中のコンテンツに対応するトリガー情報を有効とし、このトリガー情報で定義されたアクションを実行することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のコンテンツ連携アクション制御方法は、コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを視聴装置で視聴するユーザが使用する端末のアクションを制御する管理サーバが、前記端末に特定のアクションを実行させるトリガー情報を送信するトリガー情報送信手順と、前記端末が、前記管理サーバから送信されたトリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行するアクション実行手順とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明は、コンテンツ提供者から放送されるコンテンツと連携したユーザの端末のアクションを制御する管理サーバとしてコンピュータを動作させる管理サーバプログラムであって、ユーザがコンテンツを視聴装置で視聴中にこのコンテンツに対応する特定のアクションをユーザの端末に実行させるトリガー情報を前記端末に送信するトリガー情報送信手順を、コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
また、本発明は、コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを視聴装置で視聴するユーザが使用する端末としてコンピュータを動作させる端末プログラムであって、ユーザがコンテンツを視聴装置で視聴中にこのコンテンツに対応する特定のアクションを自装置に実行させるトリガー情報を管理サーバから受信するトリガー情報受付手順と、前記トリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行するアクション実行手順とを、コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コンテンツから端末のアクションを呼び出す技術を、コンテンツを再生する側の視聴装置や伝送媒体と、アクションを実行する側の端末や伝送媒体とが異なっていても使えるようにすることにより、従来の技術では実現不可能な、異なる伝送媒体を横断的に活用した新たなコンテンツを作成することが可能となる。本発明によれば、コンテンツ提供者は 端末や伝送媒体毎の詳細な仕様を理解しなくてもインタラクティブな要素を持ったコンテンツを制作することができ、ユーザは各端末の技術的に複雑な設定等を行なわずに、異なる伝送媒体を横断的に活用したコンテンツを楽しむことができる。
【0014】
また、本発明では、トリガー情報が、少なくともトリガー情報に対応するコンテンツを指定するコンテンツ情報と、端末が実行すべきアクションを定義するアクション情報と、端末がアクションを開始する実行時刻を指定する実行時刻情報とを含むようにすることにより、トリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、実行時刻情報で指定された実行時刻になったときに、端末にアクション情報で定義されたアクションを実行させることができる。
【0015】
また、本発明では、トリガー情報の実行時刻情報を、アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式、またはアクションの実行時刻を端末がトリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式のいずれかで記述することにより、地上波放送やBS放送などのリニア放送と、IPTVやVoDなどのオンデマンド放送のいずれにも対応することができる。
【0016】
また、本発明では、端末のアクション実行手段が、視聴装置で視聴中のコンテンツを示す情報をユーザから受け取って、この視聴中のコンテンツに対応するトリガー情報を有効とし、このトリガー情報で定義されたアクションを実行することにより、端末に複数のトリガー情報が同時に送信される場合であっても、ユーザが端末プログラムに指定したコンテンツのトリガー情報のみを有効にすることができる。
【0017】
また、本発明では、端末の管理項目情報を管理サーバで管理することにより、異なる端末の通信規格の差異を吸収したり、連携可能な端末のポリシーを一元的に管理したりすることができ、連携方法のパターンを更新・拡張することができる。
【0018】
また、本発明では、トリガー情報の実行時刻情報がアクションの実行時刻を相対時刻によって指定する形式で記述されている場合に、ユーザがオンデマンドで放送されるコンテンツの再生時刻に影響を与える操作を行ったときに、このユーザの操作に応じて実行時刻情報を補正し、補正したトリガー情報を端末に再度送信することにより、トリガー情報で定義された正しいタイミングで、端末にアクションを実行させることができる。
【0019】
また、本発明では、管理サーバが、コンテンツとこれに対応するトリガー情報とを作成するコンテンツ提供者からトリガー情報を受け取るようにすることにより、コンテンツの視聴装置と端末とを連携させたコンテンツの提供モデルをコンテンツ提供者側が柔軟に設計することができ、今までにはなかった新たな表現を伴ったコンテンツを制作・提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムにおける放送事業者装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムにおける配信事業者装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムにおける端末の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムにおける管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムにおける放送事業者装置および配信事業者装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムにおける管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムにおける端末の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態において管理サーバの記憶部に格納された情報の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態において端末の記憶部に格納された情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るコンテンツ連携アクション制御システムの構成を示すブロック図である。
コンテンツ連携アクション制御システムは、地上波放送、BS放送、CS放送などの放送サービスを提供する放送事業者装置1と、IPTV(Internet Protocol Television)、VoD(Video On Demand)などの配信サービスを提供する配信事業者装置2と、ユーザ宅にあって、放送事業者装置1や配信事業者装置2から送られた動画コンテンツを再生する視聴装置である受像機3と、受像機3のユーザが使用するコンピュータ等の端末4と、特定のアクションを実行させる情報が記述されたトリガー情報を端末4に送信することにより、コンテンツと連携した端末4のアクションを制御する管理サーバ5とから構成されている。
【0022】
図1において、6は放送事業者装置1と受像機3とを結ぶ伝送路(空間)、7は配信事業者装置2と受像機3とを結ぶ伝送路(光ファイバやインターネット等)、8は端末4と接続されたIPネットワーク(閉域網やインターネット等)である。
なお、図1では、放送事業者装置1からの電波を受けるアンテナ、選局を行うチューナー、配信事業者装置2から配信された信号を受けるSTB(Set Top Box)などを記載していないが、これらは周知の構成であるので、説明は省略する。
【0023】
図2は放送事業者装置1の構成を示すブロック図である。放送事業者装置1は、地上波放送、BS放送、CS放送などの放送サービスを行う放送設備10と、放送設備10が放送する予定のコンテンツに関してトリガー情報を生成するトリガー情報生成部11と、生成されたトリガー情報を管理サーバ5に送信する送信部12とを有する。
【0024】
図3は配信事業者装置2の構成を示すブロック図である。配信事業者装置2は、IPTVやVoDなどの配信サービスを行うVoDサーバ20と、VoDサーバ20が配信する予定のコンテンツに関してトリガー情報を生成するトリガー情報生成部21と、生成されたトリガー情報を管理サーバ5に送信する送信部22とを有する。
【0025】
図4は端末4の構成を示すブロック図である。端末4は、IPネットワーク8と接続された送受信部40と、ユーザからの入力を受け付ける入力部41と、画面表示を行う表示部42と、情報を記憶する記憶部43と、端末全体を制御する制御部44とを有する。制御部44は、管理項目情報登録部440と、トリガー情報受付部441と、視聴コンテンツ登録部442と、アクション実行部443とを有する。
【0026】
図5は管理サーバ5の構成を示すブロック図である。管理サーバ5は、IPネットワーク8と接続された送受信部50と、情報を記憶する記憶部51と、管理サーバ全体を制御する制御部52とを有する。制御部52は、トリガー情報受付部520と、管理項目情報受付部521と、トリガー情報送信部522と、トリガー情報補正部523とを有する。
【0027】
以下、本実施の形態のコンテンツ連携アクション制御システムの動作を説明する。図6は放送事業者装置1および配信事業者装置2の動作を示すフローチャート、図7は管理サーバ5の動作を示すフローチャート、図8は端末4の動作を示すフローチャートである。最初に、放送事業者装置1および配信事業者装置2の動作について説明する。
【0028】
放送事業者装置1のトリガー情報生成部11は、放送設備10が放送する予定のコンテンツに関してトリガー情報を予め生成する(図6ステップS100)。
同様に、配信事業者装置2のトリガー情報生成部21は、VoDサーバ20が配信する予定のコンテンツに関してトリガー情報を予め生成する(ステップS100)。
【0029】
トリガー情報は、端末4に特定のアクションを実行させるための情報が記述されたものである。トリガー情報は、例えばXML(Extensible Markup Language)形式で記述される。トリガー情報は、アクション情報と、送信元情報と、動画コンテンツ情報と、実行時刻情報とを含む。
【0030】
アクション情報は、端末4が実行すべきアクションを定義する情報である。アクションとしては、特定のWebサイトへのアクセス、特定のアプリケーションの起動、特定の動画コンテンツの再生などがある。なお、アクションの種類については、管理サーバ5で規定されているアクションのみ実行が可能となる。
【0031】
送信元情報は、トリガー情報の送信元を特定するための情報である。この送信元情報は、コンテンツ提供事業者の名称およびドメインにより構成される。つまり、放送事業者がトリガー情報の送信元であれば、送信元情報は放送事業者の名称およびドメインを表すものとなり、配信事業者がトリガー情報の送信元であれば、送信元情報は配信事業者の名称およびドメインを表すものとなる。
【0032】
動画コンテンツ情報は、本トリガー情報に対応するコンテンツ、すなわちトリガー情報が有効となり端末4にアクションを実行させる契機となるコンテンツを特定する情報である。動画コンテンツ情報の例としては、コンテンツの名称や、コンテンツに割り当てられた固有の識別子等がある。
【0033】
実行時刻情報は、端末4がアクションを開始する実行時刻を指定する情報である。実行時刻については、絶対時刻による指定、または端末4がトリガー情報を受信してからの相対時刻による指定を行うことができる。
【0034】
次に、放送事業者装置1の送信部12は、トリガー情報生成部11が生成したトリガー情報を例えばIPネットワーク8を介して管理サーバ5に送信し、トリガー情報を管理サーバ5に登録する(図6ステップS101)。
管理サーバ5のトリガー情報受付部520は、送受信部50がIPネットワーク8を介して放送事業者装置1からトリガー情報を受信すると(図7ステップS200において判定YES)、このトリガー情報を記憶部51に格納する(ステップS201)。こうして、トリガー情報が管理サーバ5に登録される。
【0035】
放送事業者は、コンテンツを予め定められた放送時刻に放送する。このようなリニア放送については、放送事業者が、放送予定のコンテンツおよび放送時刻に連動したトリガー情報を事前に作成して管理サーバ5に登録することが可能である。したがって、放送事業者装置1から送信されるトリガー情報に記述された実行時刻情報は、通常、アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式となっている。
【0036】
一方、放送事業者装置1と同様に、配信事業者装置2の送信部22は、トリガー情報生成部21が生成したトリガー情報を例えばIPネットワーク8を介して管理サーバ5に送信し、トリガー情報を管理サーバ5に登録する(ステップS101)。
管理サーバ5のトリガー情報受付部520は、送受信部50が配信事業者装置2からトリガー情報を受信すると、このトリガー情報を記憶部51に格納する(ステップS200,S201)。
【0037】
配信事業者は、コンテンツの視聴要求をユーザの受像機3から受けたときにコンテンツの配信を開始する。このようなオンデマンド放送については、アクションの実行時刻を絶対時刻で指定することは不可能である。したがって、配信事業者装置2から送信されるトリガー情報に記述された実行時刻情報は、アクションの実行時刻を、端末4がトリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式となっている。
【0038】
なお、管理サーバ5の記憶部51には、コンテンツ提供者の管理項目情報である送信元情報が予め格納されている。トリガー情報に記述されている送信元情報は、記憶部51に格納されている送信元情報と一致する必要がある。管理サーバ5のトリガー情報受付部520は、受信したトリガー情報に記述された送信元情報と一致する送信元情報が記憶部51に格納されていない場合、トリガー情報の登録を拒否する。こうして、管理サーバ5から事前に許可を受けている放送事業者装置1および配信事業者装置2のみがトリガー情報を登録できるようになっている。
【0039】
次に、放送事業者装置1の放送設備10は、予め定められた放送時刻になると(図6ステップS102において判定YES)、コンテンツを放送する(ステップS103)。
配信事業者装置2のVoDサーバ20は、ユーザの受像機3からコンテンツの視聴要求を受けると(ステップS102において判定YES)、ユーザの受像機3に対して要求されたコンテンツの配信を開始する(ステップS103)。
【0040】
次に、端末4および管理サーバ5の動作について説明する。端末4の記憶部43には、トリガー情報を検知して実行するプラグインソフトウェアが予めインストールされている。このプラグインソフトウェアは、端末4の利用時には常時起動している必要がある。端末4の制御部44は、このプラグインソフトウェアに従って、以下に説明するような処理を実行する。
【0041】
端末4の管理項目情報登録部440は、プラグインソフトウェアの初回起動時の初期設定の際に、端末4の管理項目情報をIPネットワーク8を介して管理サーバ5に送信し、管理項目情報を管理サーバ5に登録すると共に、同じ管理項目情報を自端末の記憶部43に格納する(図8ステップS300)。管理項目情報としては、端末4のIPアドレス、実行可能情報、実行ポリシーがある。
【0042】
端末4は、そのハードウェアおよびソフトウエアにより、実行可能なアクションが予め決まる。実行可能情報は、端末4が実行可能なアクションの情報が記述されたトリガー情報を規定するものであり、端末4のハードウェアおよびソフトウエアの機能によって自動的に決まる情報である。
【0043】
一方、実行ポリシーは、トリガー情報を受け付けるか否かをユーザが規定するための情報である。端末4のユーザは、入力部41を操作して実行ポリシーを入力することが可能である。実行ポリシーにより、例えば全てのトリガー情報を受け付ける、特定の放送事業者または配信事業者からのトリガー情報のみを受け付ける、アクション情報として特定のアクション(例えばメールソフト起動)を規定しているトリガー情報のみを受け付ける、といった定義が可能となる。
【0044】
管理サーバ5の管理項目情報受付部521は、送受信部50がIPネットワーク8を介して端末4から管理項目情報を受信すると(図7ステップS202において判定YES)、この管理項目情報を記憶部51に格納する(ステップS203)。こうして、端末4の管理項目情報が管理サーバ5に登録される。
【0045】
図9は管理サーバ5の記憶部51に格納された情報の例を示す図である。記憶部51に格納される管理項目情報には、コンテンツ提供者の管理項目情報510と、端末4の管理項目情報511とがある。コンテンツ提供者の管理項目情報510としては、前述のように、トリガー情報の送信元情報と比較される送信元情報512がある。端末4の管理項目情報511としては、前述のように、端末4のIPアドレス513と、実行可能情報514と、実行ポリシー515とがある。図9において、516はステップS201の処理によって記憶部51に格納されたトリガー情報、517は記憶部51に予め格納されているプログラムである。管理サーバ5の制御部52は、このプログラム517に従って動作する。
【0046】
次に、管理サーバ5のトリガー情報送信部522は、端末4へのトリガー情報の送信タイミングかどうかを判定する(図7ステップS204において判定YES)。ここでは、放送事業者装置1から送られたトリガー情報の場合について説明する。放送事業者装置1から送られたトリガー情報の場合、端末4への送信タイミングは、管理サーバ5がトリガー情報を受信したときである。
【0047】
トリガー情報送信部522は、トリガー情報の送信タイミングである場合、このトリガー情報と記憶部51に格納されている端末4の管理項目情報とが合致するかどうかを判定する(ステップS205)。すなわち、トリガー情報送信部522は、端末4の管理項目情報の実行可能情報を参照した結果、端末4がトリガー情報に記述されたアクションを実行可能と判断でき、かつ端末4の管理項目情報の実行ポリシーを参照した結果、端末4がトリガー情報を受け付け可能と判断できた場合、トリガー情報と端末4の管理項目情報とが合致したと判定する。
【0048】
トリガー情報送信部522は、トリガー情報と合致する管理項目情報が記憶部51に格納されている場合(ステップS205において判定YES)、トリガー情報の補正が必要か否かを判定する(ステップS206)。放送事業者装置1から送られたトリガー情報の場合、補正する必要はない。したがって、ここではトリガー情報を補正せずに、ステップS208に進む。
【0049】
トリガー情報送信部522は、管理項目情報がトリガー情報と合致した端末4にトリガー情報を送信する(ステップS208)。以上の処理から明らかなように、管理項目情報がトリガー情報と合致しない端末4には、トリガー情報を送信しない。
【0050】
端末4のトリガー情報受付部441は、送受信部40がIPネットワーク8を介して管理サーバ5からトリガー情報を受信すると(図8ステップS301において判定YES)、このトリガー情報を記憶部43に格納する(ステップS302)。
【0051】
次に、端末4のユーザは、放送事業者または配信事業者から送信されたコンテンツを受像機3で視聴中に入力部41を操作して、どのコンテンツを視聴しているかを端末4に入力する。端末4の視聴コンテンツ登録部442は、ユーザからの入力に応じて、視聴中のコンテンツの名称や識別子等を視聴コンテンツ情報として記憶部43に格納する(ステップS303)。
【0052】
端末4が管理サーバ5からトリガー情報を受信すると、このトリガー情報から動画コンテンツ情報を取得することが可能である。視聴コンテンツ登録部442は、取得した動画コンテンツ情報を基に、例えばコンテンツの名称を端末4の表示部42に表示させる。端末4のユーザは、表示部42に表示されているコンテンツの名称の中から、現在視聴中のコンテンツを選択すればよい。これにより、視聴コンテンツ登録部442は、選択されたコンテンツの動画コンテンツ情報を、視聴コンテンツ情報として記憶部43に格納する。
【0053】
こうして、管理サーバ5から対応するトリガー情報が送信されたコンテンツのうち、現在視聴中のコンテンツを端末4に対して登録することができる。視聴コンテンツ情報を登録する理由は、複数のトリガー情報が同時に送信される場合を考慮して、ユーザが現在視聴しているコンテンツのトリガー情報のみを有効にする必要があるからである。
【0054】
図10は端末4の記憶部43に格納された情報の例を示す図である。記憶部43に格納される端末4の管理項目情報430は、前述のように、端末4のIPアドレス431と、実行可能情報432と、実行ポリシー433とがある。図10において、434はステップS302の処理によって記憶部43に格納されたトリガー情報、435はステップS303の処理によって記憶部43に格納された視聴コンテンツ情報、436は記憶部43に予め格納されているプログラムとなるプラグインソフトウェアである。端末4の制御部44は、このプラグインソフトウェア436に従って動作する。
【0055】
次に、端末4のアクション実行部443は、ユーザが現在視聴中のコンテンツに対応するトリガー情報が記憶部43に格納されている場合、このトリガー情報で定義されたアクションの実行可否を判定する(図8ステップS304)。アクション実行部443は、記憶部43に格納されている管理項目情報の実行可能情報を参照した結果、端末4がトリガー情報で定義されたアクションを実行可能と判断でき、管理項目情報の実行ポリシーを参照した結果、端末4がトリガー情報を受け付け可能と判断でき、かつ現在時刻がトリガー情報の実行時刻情報で指定されている実行時刻である場合、トリガー情報で定義されたアクションを実行可能と判定する。
【0056】
アクション実行部443は、ステップS304においてアクションを実行可能と判定した場合、トリガー情報のアクション情報で定義されているアクションを実行する(ステップS305)。
端末4が実行すべきアクションとして、特定のWebサイトへのアクセスが定義されている場合、アクション実行部443は、アクション情報に記述されているアドレスのサイトにアクセスする。これにより、このサイトのページが表示部42に表示される。
【0057】
また、端末4が実行すべきアクションとして、特定のアプリケーションの起動が定義されている場合、アクション実行部443は、アクション情報で指定されているメールソフトウェアや動画再生ソフトウェアを起動する。
また、端末4が実行すべきアクションとして、特定の動画コンテンツの再生が定義されている場合、アクション実行部443は、アクション情報に記述されているアドレスの動画サーバにアクセスし、アクション情報で定義されているコンテンツの再生を要求する。こうして、動画コンテンツの再生が開始され、動画コンテンツが表示部42に表示される。
【0058】
次に、トリガー情報が配信事業者装置2から送られた場合の管理サーバ5の動作を説明する。管理サーバ5のステップS200〜S203の動作は、前述のとおりである。
管理サーバ5のトリガー情報送信部522は、ステップS204において端末4へのトリガー情報の送信タイミングかどうかを判定する。トリガー情報が配信事業者装置2から送られた場合、このトリガー情報の端末4への送信タイミングは、トリガー情報に対応するコンテンツの視聴要求をユーザの受像機3がVoDサーバ20に送り、VoDサーバ20が受像機3へのコンテンツの配信を開始したとき、あるいはユーザがコンテンツの再生時刻に影響を与える操作(例えば巻き戻しや早送り等)を行ったときである。
【0059】
VoDサーバ20は、受像機3へのコンテンツの配信を開始すると、この配信中のコンテンツを示す情報(例えばコンテンツの名称と識別子)をIPネットワーク8を介して管理サーバ5に送信する。管理サーバ5のトリガー情報送信部522は、VoDサーバ20から配信中のコンテンツを示す情報を受信したとき、このコンテンツに対応するトリガー情報の送信タイミングになったと判定する(ステップS204において判定YES)。
【0060】
また、VoDサーバ20は、受像機3へのコンテンツの配信中に、ユーザが例えば巻き戻しや早送り等の操作を行った場合、この操作に応じてコンテンツを巻き戻したり、早送りしたりするが、同時にコンテンツに対する操作情報と、コンテンツの先頭から巻き戻し先の個所までの再生時間情報あるいはコンテンツの先頭から早送り先の個所までの再生時間情報とを管理サーバ5に送信する。管理サーバ5のトリガー情報送信部522は、VoDサーバ20からコンテンツの操作情報を受信したとき、このコンテンツに対応するトリガー情報の送信タイミングになったと判定する(ステップS204において判定YES)。
【0061】
トリガー情報送信部522は、トリガー情報の送信タイミングである場合、このトリガー情報と記憶部51に格納されている端末4の管理項目情報とが合致するかどうかを判定する(ステップS205)。このステップS205の処理は、前述のとおりである。
トリガー情報送信部522は、トリガー情報と合致する管理項目情報が記憶部51に格納されている場合(ステップS205において判定YES)、トリガー情報の補正が必要か否かを判定する(ステップS206)。
【0062】
トリガー情報が配信事業者装置2から送られた場合、このトリガー情報に記述された実行時刻情報は、アクションの実行時刻を、端末4がトリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式となっている。その理由は、前述のとおり、オンデマンド放送についてはアクションの実行時刻を絶対時刻で指定できないからである。ユーザが受像機3でコンテンツを視聴している最中に、コンテンツの再生時刻に影響を与える操作をしなければ、トリガー情報を補正する必要はない。
【0063】
一方、ユーザが受像機3に対して巻き戻しや早送り等の操作を行った場合、本来想定されている再生時刻と実際の再生時刻との間にずれが生じるので、トリガー情報に記述された実行時刻情報を補正する必要がある。したがって、トリガー情報送信部522は、VoDサーバ20からコンテンツの操作情報を受信した場合、トリガー情報の補正が必要と判定し(ステップS206において判定YES)、トリガー情報補正部523にトリガー情報を補正させる(ステップS207)。
【0064】
トリガー情報補正部523は、ユーザが巻き戻し操作をした場合、トリガー情報の実行時刻情報に記述された相対時刻の値に、コンテンツの先頭から巻き戻し先の個所までの再生時間を加算し、加算後の相対時刻をアクションの実行時刻として、実行時刻情報を補正する。また、トリガー情報補正部523は、ユーザが早送り操作をした場合、トリガー情報の実行時刻情報に記述された相対時刻の値から、コンテンツの先頭から早送り先の個所までの再生時間を減算し、減算後の相対時刻をアクションの実行時刻として、実行時刻情報を補正する。こうして、トリガー情報を補正することができる。
【0065】
トリガー情報送信部522は、トリガー情報を補正しない場合、管理項目情報がトリガー情報と合致した端末4にトリガー情報をそのまま送信し、トリガー情報の送信後にトリガー情報を補正した場合、トリガー情報補正部523によって補正されたトリガー情報を端末4に再送信する(ステップS208)。端末4の動作は、前述のとおりである。
【0066】
こうして、コンテンツの提供と同時にトリガー情報を端末4に送信し、端末4のユーザがコンテンツの再生時刻に影響を与える操作を行ったときには、トリガー情報を補正して端末4に再度送信し直すことにより、ユーザがコンテンツを視聴している絶対時刻に関わらず、そのコンテンツに対応するトリガー情報で定義された正しいタイミングで、端末4にアクションを実行させることができる。
【0067】
以上のように、本実施の形態では、コンテンツから端末のアクションを呼び出す技術を、コンテンツを再生する側の視聴装置や伝送媒体と、アクションを実行する側の端末や伝送媒体とが異なっていても使えるようにすることにより、従来の技術では実現不可能な、異なる伝送媒体を横断的に活用した新たなコンテンツを作成することが可能となる。本実施の形態によれば、コンテンツ提供者は 端末や伝送媒体毎の詳細な仕様を理解しなくてもインタラクティブな要素を持ったコンテンツを制作することができ、ユーザは各端末の技術的に複雑な設定等を行なわずに、異なる伝送媒体を横断的に活用したコンテンツを楽しむことができる。
【0068】
従来より、テレビやコンピュータやSTB等の様々なデジタルデバイスが家庭内に普及し始めているが、端末間の通信規格やインターフェースの整備が行なわれておらず、また端末間の連携が可能であっても、同じメーカーから提供されている端末同士でのみ有効であったりと、非常に制約が多いのが現状である。また、テレビ放送とインターネットを連携させたコンテンツを提供する際にも、予めメーカー側で決定されたフォーマットに基づいてコンテンツを制作・提供する必要があり、コンテンツ提供者側で柔軟にユーザ側のコンテンツ視聴スタイルを定義することはできない。
これに対して、本実施の形態では、コンテンツの視聴装置と端末とを連携させたコンテンツの提供モデルをコンテンツ提供者側が柔軟に設計することができ、今までにはなかった新たな表現を伴ったコンテンツを制作・提供することができるようになる。
【0069】
また、本実施の形態では、端末の管理項目情報を管理サーバで管理することにより、異なる端末の通信規格の差異を吸収したり、連携可能な端末のポリシーを一元的に管理したりすることができ、連携方法のパターンを更新・拡張することができる。
また、本実施の形態では、コンテンツと端末のアクションとを連携させる場合において、コンテンツを再生する視聴装置に対して、特別な改造や設定変更等を行う必要がない。
【0070】
本実施の形態では、主としてコンテンツを再生する側の視聴装置や伝送媒体と、アクションを実行する側の端末や伝送媒体とが異なる場合を想定しているが、コンテンツを再生する側の視聴装置や伝送媒体と、アクションを実行する側の端末や伝送媒体とが同じ場合であっても適用できることは言うまでもない。このような場合としては、IPTVやVoDなどのオンデマンド放送を端末で視聴する場合が考えられる。
【0071】
なお、本実施の形態の端末4と管理サーバ5とは、それぞれCPU、記憶装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。各々のコンピュータにおいて、本発明のコンテンツ連携アクション制御方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供され、コンピュータの記憶装置に格納される。各々のコンピュータのCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、コンテンツと端末のアクションとを連携させる技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1…放送事業者装置、2…配信事業者装置、3…受像機、4…端末、5…管理サーバ、6,7…伝送路、8…IPネットワーク、10…放送設備、11,21…トリガー情報生成部、12,22…送信部、20…VoDサーバ、40…送受信部、41…入力部、42…表示部、43…記憶部、44…制御部、50…送受信部、51…記憶部、52…制御部、440…管理項目情報登録部、441…トリガー情報受付部、442…視聴コンテンツ登録部、443…アクション実行部、520…トリガー情報受付部、521…管理項目情報受付部、522…トリガー情報送信部、523…トリガー情報補正部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを視聴装置で視聴するユーザが使用する端末と、
前記コンテンツと連携した前記端末のアクションを制御する管理サーバとを備え、
前記管理サーバは、前記端末に特定のアクションを実行させるトリガー情報を送信するトリガー情報送信手段を有し、
前記端末は、前記管理サーバから送信されたトリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行するアクション実行手段を有することを特徴とするコンテンツ連携アクション制御システム。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツ連携アクション制御システムにおいて、
前記トリガー情報は、少なくともトリガー情報に対応するコンテンツを指定するコンテンツ情報と、前記端末が実行すべきアクションを定義するアクション情報と、前記端末がアクションを開始する実行時刻を指定する実行時刻情報とを含み、
前記端末のアクション実行手段は、前記管理サーバから送信されたトリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、前記実行時刻情報で指定された実行時刻になったときに、前記アクション情報で定義されたアクションを実行することを特徴とするコンテンツ連携アクション制御システム。
【請求項3】
請求項2記載のコンテンツ連携アクション制御システムにおいて、
前記実行時刻情報は、前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式、または前記アクションの実行時刻を前記端末が前記トリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式のいずれかで記述されることを特徴とするコンテンツ連携アクション制御システム。
【請求項4】
請求項3記載のコンテンツ連携アクション制御システムにおいて、
前記管理サーバのトリガー情報送信手段は、前記トリガー情報の実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式で記述されている場合は、このトリガー情報を対応するコンテンツの放送以前に前記端末に送信し、前記トリガー情報の実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を前記相対時刻によって指定する形式で記述されている場合は、このトリガー情報に対応するコンテンツがユーザの要求に応じてオンデマンドで放送開始されたときに、このトリガー情報を前記端末に送信することを特徴とするコンテンツ連携アクション制御システム。
【請求項5】
請求項1記載のコンテンツ連携アクション制御システムにおいて、
前記端末のアクション実行手段は、前記視聴装置で視聴中のコンテンツを示す情報をユーザから受け取って、この視聴中のコンテンツに対応するトリガー情報を有効とし、このトリガー情報で定義されたアクションを実行することを特徴とするコンテンツ連携アクション制御システム。
【請求項6】
請求項1記載のコンテンツ連携アクション制御システムにおいて、
さらに、前記端末は、実行可能なアクションを規定する実行可能情報と前記トリガー情報を受け付けるか否かを規定する実行ポリシーのうち少なくとも一方を含む管理項目情報を前記管理サーバに送信する管理項目情報登録手段を有し、
前記管理サーバのトリガー情報送信手段は、前記端末から受信した管理項目情報が前記トリガー情報と合致したときに、この端末に前記トリガー情報を送信することを特徴とするコンテンツ連携アクション制御システム。
【請求項7】
請求項3記載のコンテンツ連携アクション制御システムにおいて、
さらに、前記管理サーバは、前記実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を前記相対時刻によって指定する形式で記述されている場合、ユーザがオンデマンドで放送される前記コンテンツの再生時刻に影響を与える操作を行ったときに、このユーザの操作に応じて前記実行時刻情報を補正するトリガー情報補正手段を有し、
前記管理サーバのトリガー情報送信手段は、前記トリガー情報補正手段によって補正されたトリガー情報を前記端末に再度送信することを特徴とするコンテンツ連携アクション制御システム。
【請求項8】
請求項1記載のコンテンツ連携アクション制御システムにおいて、
さらに、前記管理サーバは、前記コンテンツとこれに対応する前記トリガー情報とを作成するコンテンツ提供者から前記トリガー情報を受け取るトリガー情報受付手段を有することを特徴とするコンテンツ連携アクション制御システム。
【請求項9】
コンテンツ提供者から放送されるコンテンツと連携したユーザの端末のアクションを制御する管理サーバであって、
ユーザがコンテンツを視聴装置で視聴中にこのコンテンツに対応する特定のアクションをユーザの端末に実行させるトリガー情報を前記端末に送信するトリガー情報送信手段を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項10】
請求項9記載の管理サーバにおいて、
前記トリガー情報は、少なくともトリガー情報に対応するコンテンツを指定するコンテンツ情報と、前記端末が実行すべきアクションを定義するアクション情報と、トリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に前記端末がアクションを開始する実行時刻を指定する実行時刻情報とを含むことを特徴とする管理サーバ。
【請求項11】
請求項10記載の管理サーバにおいて、
前記実行時刻情報は、前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式、または前記アクションの実行時刻を前記端末が前記トリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式のいずれかで記述されることを特徴とする管理サーバ。
【請求項12】
請求項11記載の管理サーバにおいて、
前記トリガー情報送信手段は、前記トリガー情報の実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式で記述されている場合は、このトリガー情報を対応するコンテンツの放送以前に前記端末に送信し、前記トリガー情報の実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を前記相対時刻によって指定する形式で記述されている場合は、このトリガー情報に対応するコンテンツがユーザの要求に応じてオンデマンドで放送開始されたときに、このトリガー情報を前記端末に送信することを特徴とする管理サーバ。
【請求項13】
請求項9記載の管理サーバにおいて、
前記トリガー情報送信手段は、実行可能なアクションを規定する実行可能情報と前記トリガー情報を受け付けるか否かを規定する実行ポリシーのうち少なくとも一方を含む管理項目情報を前記端末から受信して、前記管理項目情報が前記トリガー情報と合致したときに、この端末に前記トリガー情報を送信することを特徴とする管理サーバ。
【請求項14】
請求項11記載の管理サーバにおいて、
さらに、前記実行時刻情報が前記アクションの実行時刻を前記相対時刻によって指定する形式で記述されている場合、ユーザがオンデマンドで放送される前記コンテンツの再生時刻に影響を与える操作を行ったときに、このユーザの操作に応じて前記実行時刻情報を補正するトリガー情報補正手段を有し、
前記トリガー情報送信手段は、前記トリガー情報補正手段によって補正されたトリガー情報を前記端末に再度送信することを特徴とする管理サーバ。
【請求項15】
請求項9記載の管理サーバにおいて、
さらに、前記コンテンツとこれに対応する前記トリガー情報とを作成するコンテンツ提供者から前記トリガー情報を受け取るトリガー情報受付手段を有することを特徴とする管理サーバ。
【請求項16】
コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを視聴装置で視聴するユーザが使用する端末であって、
ユーザがコンテンツを視聴装置で視聴中にこのコンテンツに対応する特定のアクションを自装置に実行させるトリガー情報を管理サーバから受信するトリガー情報受付手段と、
前記トリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行するアクション実行手段とを有することを特徴とする端末。
【請求項17】
請求項16記載の端末において、
前記トリガー情報は、少なくともトリガー情報に対応するコンテンツを指定するコンテンツ情報と、端末が実行すべきアクションを定義するアクション情報と、端末がアクションを開始する実行時刻を指定する実行時刻情報とを含み、
前記アクション実行手段は、前記管理サーバから送信されたトリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、前記実行時刻情報で指定された実行時刻になったときに、前記アクション情報で定義されたアクションを実行することを特徴とする端末。
【請求項18】
請求項17記載の端末において、
前記実行時刻情報は、前記アクションの実行時刻を絶対時刻によって指定する形式、または前記アクションの実行時刻を端末が前記トリガー情報を受信してからの相対時刻によって指定する形式のいずれかで記述されることを特徴とする端末。
【請求項19】
請求項16記載の端末において、
前記アクション実行手段は、前記視聴装置で視聴中のコンテンツを示す情報をユーザから受け取って、この視聴中のコンテンツに対応するトリガー情報を有効とし、このトリガー情報で定義されたアクションを実行することを特徴とする端末。
【請求項20】
コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを視聴装置で視聴するユーザが使用する端末のアクションを制御する管理サーバが、前記端末に特定のアクションを実行させるトリガー情報を送信するトリガー情報送信手順と、
前記端末が、前記管理サーバから送信されたトリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行するアクション実行手順とを備えることを特徴とするコンテンツ連携アクション制御方法。
【請求項21】
コンテンツ提供者から放送されるコンテンツと連携したユーザの端末のアクションを制御する管理サーバとしてコンピュータを動作させる管理サーバプログラムであって、
ユーザがコンテンツを視聴装置で視聴中にこのコンテンツに対応する特定のアクションをユーザの端末に実行させるトリガー情報を前記端末に送信するトリガー情報送信手順を、コンピュータに実行させることを特徴とする管理サーバプログラム。
【請求項22】
コンテンツ提供者から放送されるコンテンツを視聴装置で視聴するユーザが使用する端末としてコンピュータを動作させる端末プログラムであって、
ユーザがコンテンツを視聴装置で視聴中にこのコンテンツに対応する特定のアクションを自装置に実行させるトリガー情報を管理サーバから受信するトリガー情報受付手順と、
前記トリガー情報に対応するコンテンツの視聴中に、このトリガー情報で定義されたアクションを実行するアクション実行手順とを、コンピュータに実行させることを特徴とする端末プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−183446(P2010−183446A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26437(P2009−26437)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(594118316)エヌ・ティ・ティ ラーニングシステムズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】