説明

コンテンツ選択装置及びコンテンツ選択システム

【課題】 大量のコンテンツデータの中から、所望のコンテンツを容易に選択することのできるコンテンツ選択装置を提供する。
【解決手段】 記録再生装置10は、所望のコンテンツを選択するための記録媒体11と、コンテンツ記録部102に記録された各コンテンツの属性を示すメタ情報を、メタ情報管理テーブル1040でそれぞれ管理するメタ情報管理制御部104と、コンテンツ記録部102にコンテンツを記録する場合に、当該コンテンツに対応するメタ情報を記録媒体11に書き込むメタ情報書き込み部106と、ユーザによって選ばれた所望のコンテンツに対応する記録媒体11からメタ情報を読み出すメタ情報読み出し部109とを備える。メタ情報管理制御部104は、メタ情報読み出し部109により読み出されたメタ情報とメタ情報管理テーブル1040とに基づいて、コンテンツ記録部102に記録された各コンテンツの中から所望のコンテンツを特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオやビデオ等のコンテンツデータを記録し、再生する記録再生装置等に用いられるコンテンツ選択装置及びコンテンツ選択システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクドライブなどの記録媒体の大容量化に伴い、オーディオやビデオ等のコンテンツを大量に蓄積して再生することが可能となった。しかしながら、ハードディスクドライブに記録された大量のコンテンツから、所望のコンテンツを選択するには、時間がかかり、操作が煩雑になる。
【0003】
そのために、ジャンル、日付等で階層化されたコンテンツリストを表示したり、多数のコンテンツデータを自動的にグループ分けして管理したりして、操作の煩わしさを緩和するための装置(例えば、特許文献1参照。)が、従来からある。
【特許文献1】特開2001−291365号公報(第1−12頁、第9図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、コンテンツデータを階層化して表示したり、グループ分けして管理するなどして、一定の煩わしさを解消するものであるが、コンテンツがさらに増大して、階層数が深くなったり、また同一階層内のコンテンツが増大したときには、やはり煩雑さが伴うものである。逆に、コンテンツ数が極端に少ない場合においても、コンテンツ数が多いときと同様に、一定の手順によって選択する必要があるため、操作性の良いものとは言えない。なお、これらの課題は、車載機器に適応した場合、さら顕著な問題となり、運転中は危険なため、実質的には操作することが不可能である。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、大量に蓄積されているコンテンツデータの中から、所望のコンテンツを容易に選択することのできるコンテンツ選択装置及びコンテンツ選択システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、コンテンツ記録手段に記録された複数のコンテンツの中から所望のコンテンツを選択するためのコンテンツ選択装置であって、所望のコンテンツを選択するための記録媒体と、前記コンテンツ記録手段に記録された各コンテンツの属性を示すメタ情報を、メタ情報管理テーブルでそれぞれ管理するメタ情報管理制御手段と、前記コンテンツ記録手段にコンテンツを記録する場合に、当該コンテンツに対応するメタ情報を前記記録媒体に書き込むメタ情報書き込み手段と、ユーザによって選ばれた所望のコンテンツに対応する記録媒体からメタ情報を読み出すメタ情報読み出し手段とを備え、前記メタ情報管理制御手段は、メタ情報読み出し手段により読み出されたメタ情報と前記メタ情報管理テーブルとに基づいて、前記コンテンツ記録手段に記録された各コンテンツの中から所望のコンテンツを特定することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、コンテンツを記録した際に、記録媒体にメタ情報を記録し、以後、このコンテンツを選択したいときに、記録媒体に記録されたメタ情報をメタ情報読み出し手段により読み出させるだけで、記録されたメタ情報から、元のコンテンツが特定されるため、ユーザによるコンテンツを選択するという操作が一切不要となり、簡単に所望のコンテンツを選択することができる。したがって、機械操作に不慣れなお年寄りや、車載機器に適応した場合に、顕著な効果が発揮される。
【0008】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記コンテンツ選択装置は、さらにメタ情報が書き込まれた記録媒体を装置の外部に送出する記録媒体送出手段を備えることを特徴とすることができる。
これにより、ユーザはメタ情報が書き込まれた記録媒体を容易に取り出すことができる。
【0009】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記記録媒体は、磁気記録媒体であることを特徴としてもよい。
【0010】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記記録媒体は、無線ICタグであることを特徴としてもよい。
この発明によれば、コンテンツを記録した際に、無線ICタグにメタ情報が記録され、以後、該当のコンテンツを視聴したいときに、無線ICタグに記録されたメタ情報を装置のメタ情報読み込み手段で読み込ませることにより、元のコンテンツが特定されるため、ユーザによるコンテンツを選択するという操作が一切不要となり、簡単に所望のコンテンツを選択することができる。また無線ICタグを利用するため、ユーザは装置に対して非接触でこの操作を行うことができる。
【0011】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記記録媒体は、半導体メモリであることを特徴とすることもできる。
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記コンテンツ選択装置は、さらに前記記録媒体にメタ情報を可視化して印字する印字手段を備えることを特徴とすることができる。
【0012】
この発明によれば、メタ情報を記録した記録媒体が装置から送出される際に、メタ情報の一部を可視化して印字するため、記録媒体に記録されたメタ情報がどのコンテンツに対応するものかユーザが目視して確認できるようになる。
【0013】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記記録媒体は、磁気記録紙であり、前記印字手段は、メタ情報を紙面に可視化して印字することを特徴とすることもできる。
【0014】
この発明によれば、記録媒体として磁気記録紙を用いるため、装置のランニングコストを安価にすることができる。また磁気記録紙が装置から送出される際に、メタ情報の一部が可視化して印字されるため、磁気記録紙に記録されたメタ情報がどのコンテンツに対応するものかユーザが目視して確認できるようになる。
【0015】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記記録媒体は、紙であり、前記印字手段は、メタ情報をバーコードにして印字することを特徴とすることもできる。
この発明によれば、記録媒体として紙を用いるため、装置のランニングコストをさらに安価にすることができる。
【0016】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記印字手段は、メタ情報をさらに可視化して印字することを特徴とすることができる。
この発明によれば、メタ情報の一部が可視化して印字されるため、バーコードで記録されたメタ情報がどのコンテンツに対応するものかユーザが目視して確認できるようになる。
【0017】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記コンテンツ選択装置は、さらに前記記録媒体を複数搭載するための記録媒体蓄積手段を備え、新規のコンテンツを記録する都度、該当コンテンツに関わるメタ情報を記録媒体に記録し、都度記録媒体を装置の外部に送出することを特徴とすることもできる。
【0018】
本発明によれば、新規のコンテンツを記録する都度、該当コンテンツに関わるメタ情報を記録した記録媒体が送出されるため、後にユーザが所望のコンテンツに対応する記録媒体を装置に挿入するだけで、記録されたメタ情報から、元のコンテンツが特定されるため、ユーザによるコンテンツを選択するという操作が一切不要となり、簡単に所望のコンテンツを選択することができる。
【0019】
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記コンテンツ選択装置は、さらにコンテンツを再生するコンテンツ再生手段を備え、前記メタ情報管理制御手段は、メタ情報読み出し手段により読み出したメタ情報に基づいて、該当する元のコンテンツデータを特定した後に、該当のコンテンツを再生することを特徴とすることもできる。
【0020】
この発明によれば、コンテンツを特定するだけでなく、再生まで開始するため、特定のコンテンツを視聴したいときの操作がさらに簡単になる。
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記メタ情報管理制御手段は、メタ情報読み出し手段により読み出したメタ情報に基づいて、該当する元のコンテンツデータを特定した後に、該当のコンテンツを消去することを特徴とすることができる。
【0021】
この発明によれば、コンテンツを特定するだけでなく、コンテンツデータの消去を行うため、特定のコンテンツを消去したいときの操作がさらに簡単になる。
また、本発明に係るコンテンツ選択装置においては、前記メタ情報管理制御手段は、コンテンツデータを消去した後に、記録媒体に記録されたメタ情報を消去することを特徴とすることもできる。
【0022】
この発明によれば、コンテンツデータを消去するとともに、記録媒体のメタデータをも消去するため、記録媒体の再利用が可能になる。
なお、本発明は、このようなコンテンツ選択装置として実現することができるだけでなく、上記のコンテンツ選択装置の構成に加え、コンテンツ記録時に当該コンテンツ及び対応するメタ情報を送信するコンテンツ送信手段を備える第1コンテンツ選択装置と、第2コンテンツ選択装置とから構成されるコンテンツ選択システムとして構成したり、このようなコンテンツ選択装置が備える特徴的な手段をステップとするコンテンツ選択方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0023】
本構成によれば、テレビ放送等のコンテンツを記録する際、各コンテンツに対応するメタ情報を記録した磁気記録紙等の記録媒体が装置から送出され、記録したコンテンツを後に視聴する際に、送出された記録媒体を、再度装置に挿入するだけで該当コンテンツが特定されて選択できるため、ユーザによるコンテンツを選択するという操作が一切不要となり、簡単に所望のコンテンツを選択できるという効果を有する。また、従来のように画面を見ながらの選択操作がなくなるため、車載機器に適応した場合に、安全面での効果は大きい。
【0024】
よって、本発明により、メカに弱いお年寄りにとって極めて便利となり、ハードディスクに大量のコンテンツを記録する機器が普及してきた今日における本願発明の実用的価値は極めて高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係るコンテンツ選択装置が適用される記録再生装置の外観構成を示す図である。
【0026】
記録再生装置10は、例えば、家庭内に設置されたハードディスクドライブ(HDD)を搭載したビデオレコーダであり、図1に示されるように、ハードディスクに記録された複数のコンテンツの中からユーザが希望するコンテンツを選択するための記録媒体11と、記録媒体11が着脱される媒体着脱口12と、種々のメッセージ等を表示する表示器13と、記録媒体11に基づいてコンテンツを再生するための再生ボタン14と、コンテンツ再生を停止するための停止ボタン15と、選局するためのチャンネルボタン16a,16bと、ハードディスクドライブにコンテンツを記録するための録画ボタン17と、記録媒体11に基づいて選択されたコンテンツをハードディスクから削除するための削除ボタン18等とを備える。
【0027】
図2は、図1に示される記録再生装置10の機能構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、記録再生装置10は、記録媒体11と、コンテンツ受信部101と、コンテンツ記録部102と、コンテンツ再生部103と、メタ情報管理制御部104と、メタ情報書き込み部106と、印字部107と、記録媒体送出部108と、メタ情報読み出し部109等とから構成される。
【0028】
記録媒体11として、磁気記録紙の他、無線ICタグや、SDカード、ICメモリ等の半導体メモリ、バーコードを記録する紙等、種々の記録媒体を使用できるが、この実施の形態1においては、磁気記録紙を用い、その磁気面にコンテンツの属性を示すメタ情報の内、そのコンテンツを特定する「プログラムID」を記録し、紙の面には可視化した「番組名」、「放送局名」、「放送日時」等のタイトル情報を印字する場合について説明する。
【0029】
コンテンツ受信部101は、チュナー等によって構成され、放送番組などのコンテンツを受信する。
コンテンツ記録部102は、ハードディスクドライブによって構成され、コンテンツ受信部101によって受信されたコンテンツを記録する。
【0030】
コンテンツ再生部103は、コンテンツ受信部101によって受信されたコンテンツや、コンテンツ記録部102に記録されたコンテンツを再生する。
メタ情報書き込み部106は、メタ情報(プログラムID)を記録媒体11に書き込む。
【0031】
印字部107は、記録媒体11にメタ情報(タイトル情報)を印字する。
記録媒体送出部108は、メタ情報を書き込んだ記録媒体11を装置の外部に送出する。
【0032】
メタ情報読み出し部109は、記録媒体11が装置に挿入または装着されたときに記録されたメタ情報を読み出す。
メタ情報管理制御部104は、コンテンツ記録部102に記録したコンテンツの属性を示すメタ情報をメタ情報管理テーブル1040で管理するとともに、上記各部101〜109を統括的に制御する。
【0033】
図3は、メタ情報管理テーブル1040の構成例を示す図である。
図3に示されるようにメタ情報管理テーブル1040は、コンテンツ記録部102に記録されたコンテンツのファイル名1041や、コンテンツ記録部102に記録されたコンテンツが格納された場所を示すパス1042等のシステムが管理すべきデータをはじめ、放送映像コンテンツ用タイトル情報1043と、音楽コンテンツ用タイトル情報1044と、その記録時刻等から生成され、コンテンツ記録部102に記録されたコンテンツに固有のプログラムID1045等とから構成される。放送映像コンテンツ用タイトル情報1043には、「番組名」、「放送局名」、「放送時刻」などが含まれ、音楽コンテンツ用タイトル情報1044には、「アーチスト名」、「アルバム名」、「曲名」などが含まれる。なお、これらの放送映像コンテンツ用タイトル情報1043、音楽コンテンツ用タイトル情報1044はコンテンツから取得してもよく、ユーザが設定してもよい。
【0034】
次に、記録再生装置10のメタ情報管理制御部104が実行するコンテンツ記録処理及びコンテンツ選択処理の動作について、順次説明する。
図4は、メタ情報管理制御部104が実行するコンテンツ記録処理の動作を示すフローチャートである。
【0035】
メタ情報管理制御部104は、ユーザによって録画ボタン17が押下されるのを待つ(S11)。録画ボタン17が押下されると(S11でYes)、メタ情報管理制御部104は、コンテンツ再生部103に記録するコンテンツに関するメタ情報をメタ情報管理テーブル1040に登録し(S13)、コンテンツ受信部101によって受信されたテレビ放送等のコンテンツをコンテンツ記録部102に記録する(S13)。
【0036】
コンテンツの記録が終了すると(S14)、メタ情報管理制御部104は、「磁気記録紙をセットしてください。」等のメッセージを表示器13に表示し、記録媒体11が媒体着脱口12にセットされるのを待つ(S16)。記録媒体11がセットされると(S16でYes)、メタ情報管理制御部104は、コンテンツ記録部102に記録したコンテンツに関するメタ情報のプログラムIDを、メタ情報書き込み部106を用いて、記録媒体11の記録面に記録する(S17)。
【0037】
プログラムIDの記録が終わると、メタ情報管理制御部104は、放送映像コンテンツ用タイトル情報の「番組名」、「放送局名」、「放送日時」等を、磁気記録紙の紙面に印字部107を用いて印刷する(S18)。これにより、「番組名」、「放送局名」、「放送日時」が可視化される。
【0038】
磁気記録紙へのデータの記録及び印字が終了すると、メタ情報管理制御部104は、電車の券売機から切符が送出されるのと同様に、記録媒体送出部108によって、磁気記録紙を装置の外部に排出させる(S19)。
【0039】
排出された磁気記録紙のイメージを図5に示す。
図5(a)に示されるように、磁気記録紙の紙面には、放送映像コンテンツ用タイトル情報、例えば「番組:トラえもん、放送日:2004.01.××放送、時間:19:00−20:00、放送局:○○テレビ」が可視化されて印刷される。
【0040】
このように、送出された磁気記録紙に、番組名、放送局名、放送日時等を可視化して印字するため、磁気記録紙に記録されたメタ情報がどのコンテンツに対応するものか、ユーザが目視して確認できるようになる。
【0041】
また、図5(b)に示されるように、磁気記録紙の磁気面にはプログラムID、例えば「○××○○□」が記録される。
次いで、今回記録したコンテンツを後に視聴等する場合について説明する。
【0042】
図6は、メタ情報管理制御部104が実行するコンテンツ選択処理の動作を示すフローチャートである。
メタ情報管理制御部104は、磁気記録紙が挿入されるのを待つ(S21)。ユーザは、所望の磁気記録紙を選択し、媒体着脱口12に挿入する。磁気記録紙が挿入されると、メタ情報管理制御部104は、メタ情報読み出し部109を用いて磁気記録紙に記録されたメタ情報を読み出す。本実施の形態1では、プログラムIDを読み出す(S22)。
【0043】
このプログラムID1045とメタ情報管理制御部104で管理された情報を元に、記録された元のコンテンツデータを特定することができる。特定した後に、自動で該当コンテンツをコンテンツ再生部103で再生するようにしてもよい。
【0044】
すなわち、プログラムIDを読み出すと、メタ情報管理制御部104は、読み出したプログラムIDがメタ情報管理テーブル1040に存在するするか否か判断する(S23)。メタ情報管理テーブル1040にそのプログラムIDが存在する場合(S23でYes)、メタ情報管理制御部104は、選択対象のコンテンツを特定し、特定したコンテンツに対する処理に関するメッセージを表示器13に表示する(S24)。
【0045】
これらの構成とその動作により、記録したコンテンツを後に視聴する際に、送出された磁気記録紙を、再度、装置に挿入するだけで該当コンテンツを特定できるため、記録したコンテンツを選択するというユーザの操作が一切不要となる。
【0046】
図7は、ステップS24で表示されるメッセージの構成例を示す図である。
図7に示されるように、表示器13には、「コンテンツ「トラえもん…」が、対象に選ばれました。これを再生する場合は、再生ボタンを押してください。これを削除する場合は、削除ボタンを押してください。」が表示される。
【0047】
そして、メタ情報管理制御部104は、再生ボタン14及び削除ボタン18のいずれかが押下されるのを待つ(S25,S26)。
再生ボタン14が押下されると(S25でYes)、メタ情報管理制御部104は、選択したコンテンツをコンテンツ記録部102から読み出して、読み出したコンテンツをコンテンツ再生部103に再生させる(S27)。
【0048】
これにより、所望の磁気記録紙をセットし、再生ボタン14を押すといった簡単な操作で所望のコンテンツを視聴することができる。
削除ボタン18が押下された場合、選択したコンテンツをコンテンツ記録部102から削除する(S28)。
【0049】
これにより、所望の磁気記録紙をセットし、削除ボタン18を押すといった簡単な操作で所望のコンテンツを削除することもできる。
なお、コンテンツ記録部102からコンテンツを削除した場合、メタ情報管理制御部104は、メタ情報管理テーブル1040からこのコンテンツに関するメタ情報を削除し、磁気記録紙からプログラムIDを削除する。これにより、記録媒体11の再利用が可能となる。
【0050】
一方、メタ情報管理テーブル1040にそのプログラムIDが存在しない場合(S23でNo)、メタ情報管理制御部104は、選択対象のコンテンツがコンテンツ記録部102にない旨のメッセージを表示器13に表示する(S29)。
【0051】
なお、上記実施の形態1では、コンテンツ記録の際に未記録の磁気記録紙を1枚ずつセットするようにしたが、未記録の磁気記録紙を複数搭載するための記録媒体蓄積手段(ストッカー)を設け、新しいコンテンツを記録する都度、該当コンテンツに対応する磁気記録紙を1枚ずつ送出するようにしてもよい。これにより、複数のコンテンツを記録した際に、複数の磁気記録紙が送出され、後にユーザが特定のコンテンツを視聴しようとする際に、対応する磁気記録紙を装置に挿入するだけで該当コンテンツの再生が開始されるため、コンテンツを選択するというユーザの操作が一切不要となる。
【0052】
また、上記実施の形態1では、記録媒体として磁気記録紙を例にしたが、磁気記録紙に限られたものではなく、半導体メモリや紙に印字したバーコードなどでメタ情報を記録し、後にメタ情報を読み込んで元のコンテンツを特定するようにしてもよい。
【0053】
さらに、上記実施の形態1では、コンテンツを特定した際にユーザに再生ボタン14や削除ボタン18を押下させるようにしたが、コンテンツ記録処理の際にユーザに再生ボタン14や削除ボタン18を押下させ、記録媒体11の記録面に再生あるいは削除を示すコードを記録し、紙面に再生あるいは削除の文字を印字するようにしてもよい。この場合には、コンテンツの特定だけでなく、コンテンツの再生や削除まで自動化を図ることができる。
【0054】
また、上記実施の形態1では、記録媒体11の磁気面にプログラムID1045だけを記録したが、このプログラムID1045に放送映像コンテンツ用タイトル情報1043や、音楽コンテンツ用タイトル情報1044を加えて記録するようにしてもよい。
【0055】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る記録再生装置ついて図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明の実施の形態2における記録再生装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0056】
ところで、実施の形態1の記録再生装置10では、記録媒体11として磁気記録紙を用いていた。このため、記録媒体11を記録再生装置10にセットしたりする必要があった。これに対して、この記録再生装置20では、記録媒体として無線ICタグ21を使用するように構成されている点が記録再生装置10と大きく異なっている。
【0057】
図8に示されるように、記録再生装置20は、コンテンツ受信部101と、コンテンツ記録部102と、コンテンツ再生部103と、メタ情報管理制御部104との他、上記した無線ICタグ21と、メタ情報書き込み部206と、メタ情報読み出し部209とから構成される。
【0058】
次に、記録再生装置20の動作について説明する。
動作は、実施の形態1とほぼ同様である。
相違点は、メタ情報書き込み部206で、記録媒体である無線ICタグ21にメタ情報を非接触で書き込む点と、メタ情報読み出し部209で前記無線ICタグ21に記録されたメタ情報を非接触で読み込む点である。
【0059】
これらの構成とその動作により、実施の形態1と同等の効果が得られると同時に、実施の形態2では、無線ICタグを利用するため、ユーザは装置に対して非接触でこの操作を行うことができるという顕著な効果を有する。
【0060】
(実施の形態3)
次に実施の形態3について、図9を用いて説明する。
実施の形態9では、発明の対象となる記録再生装置は、自動車内に設置されたハードディスクドライブを搭載したビデオプレーヤであると想定し、実施の形態1で説明した家庭のビデオレコーダと連携して使用されるものとする。
【0061】
具体的には、家庭のビデオレコーダで記録したコンテンツデータを無線通信で自動車内のビデオプレーヤに転送した後に、ユーザが自動車内で該当コンテンツを視聴するシーンを想定して説明する。ここでは、家庭のビデオレコーダを第1記録再生装置、自動車内に設置されたビデオプレーヤを第2記録再生装置と記す。
【0062】
図9に示されるように、コンテンツ選択システム30は、第1記録再生装置31と、第2記録再生装置32とから構成される。
第1記録再生装置31は、記録再生装置10の構成に加えて、さらにコンテンツの記録の際にコンテンツ及びこのコンテンツのメタ情報を送信するコンテンツ送信部301をさらに備える。
【0063】
第2記録再生装置32は、第1記録再生装置31のコンテンツ送信部301から送信されたコンテンツデータ及びメタ情報を受信するコンテンツ受信部302と、受信したコンテンツデータを記録するコンテンツ記録部102と、記録したコンテンツに関するメタ情報を管理するメタ情報管理制御部104と、コンテンツを再生するコンテンツ再生部103と、記録媒体に記録されたメタ情報を読み出すメタ情報読み出し手段109とから構成される。
【0064】
次に、図9に示す記録再生装置の動作について説明する。
まず、実施の形態1で説明した動作と同様に、第1記録再生装置31で、テレビ放送等のコンテンツを記録する。すると、該当コンテンツに関するメタ情報が磁気記録紙に記録されて装置から送出される。
【0065】
一方、第1記録再生装置31から第2記録再生装置32にコンテンツデータを送信して、データの同期が行われる。この通信は無線通信によって行われる。
第2記録再生装置32では、コンテンツ受信部302でコンテンツデータを受信するとともに、対応するメタ情報をメタ情報管理制御部104で管理しておく。
【0066】
データの転送が完了した後に、ユーザが、第1記録再生装置31から送出された磁気記録紙を車室内に持ち込み、第2記録再生装置32に挿入すると、記録されたメタ情報を、メタ情報読み出し部109により読み出して、読み出したメタ情報に基づいて、メタ情報管理制御部104を通して、該当する元のコンテンツデータを特定される。特定した後に、該当コンテンツを自動で再生するようにしてもよい。
【0067】
この発明によれば、第1記録再生装置31で記録したコンテンツを、第2記録再生装置32に転送して視聴するときに、第1記録再生装置31でメタ情報を書き込んだ記録媒体を第2記録再生装置32で読み込ませることで、読み込んだメタ情報から、元のコンテンツが特定されるため、ユーザによるコンテンツを選択するという操作が一切不要となり、簡単に所望のコンテンツを視聴することができる。
【0068】
また実施の形態3では、メタ情報を記録する記録媒体として磁気記録紙を例にしたが、半導体メモリや紙に印字したバーコードなどでメタ情報を記録し、第2記録再生装置でメタ情報を読み込んで元のコンテンツを特定するようにしてもよい。また実施の形態2で説明したように、無線ICタグを用いてもよい。
【0069】
また、本実施の形態3では第2記録再生装置32として自動車内に設置された記録再生装置を用いて説明したが、適用例は自動車に限定されるものではなく、携帯電話やPDAなどの移動体端末や、家庭内の別の端末、パソコン等で用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係るコンテンツ選択装置は、コンテンツを記録した際に、記録媒体にメタ情報を記録し、以後、このコンテンツを選択したいときに、記録媒体に記録されたメタ情報をメタ情報読み出し手段により読み出させるだけで、記録されたメタ情報から、元のコンテンツが特定されるため、ユーザによるコンテンツを選択するという操作が一切不要となり、簡単に所望のコンテンツを選択できるという効果を有する。また、従来のように画面を見ながらの選択操作がなくなるため、車載機器に適応した場合に、安全面での効果は大きい。よって、本発明により、メカに弱いお年寄りにとって極めて便利となり、ハードディスクに大量のコンテンツを記録する機器が普及してきた今日における本願発明の実用的価値は極めて高く、AV機器、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ選択装置が適用される記録再生装置の外観構成を示す図である。
【図2】図1に示される記録再生装置10の機能構成を示すブロック図である。
【図3】メタ情報管理テーブル1040の構成例を示す図である。
【図4】コンテンツ記録処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1における磁気記録紙の例を示す図である。
【図6】コンテンツ選択処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】コンテンツを特定した場合のメッセージ画面を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る記録再生装置の機能構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る記録再生システムの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0072】
10 記録再生装置
11 記録媒体
20 記録再生装置
21 無線ICタグ
30 コンテンツ選択システム
31 第1記録再生装置
32 第2記録再生装置
101,302 コンテンツ受信部
102 コンテンツ記録部
103 コンテンツ再生部
104 メタ情報管理制御部
106,206 メタ情報書き込み部
107 印字部
108 記録媒体送出部
109,209 メタ情報読み出し部
301 コンテンツ送信部
1040 メタ情報管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ記録手段に記録された複数のコンテンツの中から所望のコンテンツを選択するためのコンテンツ選択装置であって、
所望のコンテンツを選択するための記録媒体と、
前記コンテンツ記録手段に記録された各コンテンツの属性を示すメタ情報を、メタ情報管理テーブルでそれぞれ管理するメタ情報管理制御手段と、
前記コンテンツ記録手段にコンテンツを記録する場合に、当該コンテンツに対応するメタ情報を前記記録媒体に書き込むメタ情報書き込み手段と、
ユーザによって選ばれた所望のコンテンツに対応する記録媒体からメタ情報を読み出すメタ情報読み出し手段とを備え、
前記メタ情報管理制御手段は、メタ情報読み出し手段により読み出されたメタ情報と前記メタ情報管理テーブルとに基づいて、前記コンテンツ記録手段に記録された各コンテンツの中から所望のコンテンツを特定する
ことを特徴としたコンテンツ選択装置。
【請求項2】
前記コンテンツ選択装置は、さらにメタ情報が書き込まれた記録媒体を装置の外部に送出する記録媒体送出手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ選択装置。
【請求項3】
前記記録媒体は、磁気記録媒体である
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ選択装置。
【請求項4】
前記記録媒体は、無線ICタグである
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ選択装置。
【請求項5】
前記記録媒体は、半導体メモリである
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ選択装置。
【請求項6】
前記コンテンツ選択装置は、さらに前記記録媒体にメタ情報を可視化して印字する印字手段
を備えることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ選択装置。
【請求項7】
前記記録媒体は、磁気記録紙であり、
前記印字手段は、メタ情報を紙面に可視化して印字する
ことを特徴とする請求項6記載のコンテンツ選択装置。
【請求項8】
前記記録媒体は、紙であり、
前記印字手段は、メタ情報をバーコードにして印字する
ことを特徴とする請求項6記載のコンテンツ選択装置。
【請求項9】
前記印字手段は、メタ情報をさらに可視化して印字する
ことを特徴とする請求項8記載のコンテンツ選択装置。
【請求項10】
前記コンテンツ選択装置は、さらに前記記録媒体を複数搭載するための記録媒体蓄積手段を備え、
新規のコンテンツを記録する都度、該当コンテンツに関わるメタ情報を記録媒体に記録し、都度記録媒体を装置の外部に送出する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のコンテンツ選択装置。
【請求項11】
前記コンテンツ選択装置は、さらにコンテンツを再生するコンテンツ再生手段を備え、
前記メタ情報管理制御手段は、メタ情報読み出し手段により読み出したメタ情報に基づいて、該当する元のコンテンツデータを特定した後に、該当のコンテンツを再生する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のコンテンツ選択装置。
【請求項12】
前記メタ情報管理制御手段は、メタ情報読み出し手段により読み出したメタ情報に基づいて、該当する元のコンテンツデータを特定した後に、該当のコンテンツを消去する
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のコンテンツ選択装置。
【請求項13】
前記メタ情報管理制御手段は、コンテンツデータを消去した後に、記録媒体に記録されたメタ情報を消去する
ことを特徴とする請求項12記載のコンテンツ選択装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のコンテンツ選択装置の構成に加え、コンテンツ記録時に当該コンテンツ及び対応するメタ情報を送信するコンテンツ送信手段を備える第1コンテンツ選択装置と、第2コンテンツ選択装置とから構成されるコンテンツ選択システムであって、
前記第2コンテンツ選択装置は、
前記第1コンテンツ選択装置から送信されたコンテンツ及びメタ情報を受信するコンテンツ受信手段と、
受信したコンテンツを記録する第2コンテンツ記録手段と、
記録したコンテンツに関するメタ情報をメタ情報管理テーブルで管理する第2メタ情報管理制御手段と、
記録媒体に記録されたメタ情報を読み出す第2メタ情報読み出し手段とを備え、
前記第2メタ情報管理制御手段は、第2メタ情報読み出し手段により読み出されたメタ情報と前記メタ情報管理テーブルとに基づいて、前記第2コンテンツ記録手段に記録された各コンテンツの中から所望のコンテンツを特定する
ことを特徴としたコンテンツ選択システム。
【請求項15】
コンテンツ記録手段に記録された複数のコンテンツの中から所望のコンテンツを選択するためのコンテンツ選択装置に用いられるコンテンツ選択方法であって、
所望のコンテンツを選択するためのコンテンツ記録手段に記録された各コンテンツの属性を示すメタ情報を、メタ情報管理テーブルでそれぞれ管理するメタ情報管理制御ステップと、
前記コンテンツ記録手段にコンテンツを記録する場合に、当該コンテンツに対応するメタ情報を前記記録媒体に書き込むメタ情報書き込みステップと、
ユーザによって選ばれた所望のコンテンツに対応する記録媒体からメタ情報を読み出すメタ情報読み出しステップとを含み、
前記メタ情報管理制御ステップは、メタ情報読み出し手段により読み出されたメタ情報と前記メタ情報管理テーブルとに基づいて、前記コンテンツ記録手段に記録された各コンテンツの中から所望のコンテンツを特定する
ことを特徴としたコンテンツ選択方法。
【請求項16】
請求項15記載のコンテンツ選択方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−24256(P2006−24256A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199802(P2004−199802)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】