説明

コンテンツ配信サーバ及びコンテンツ配信システム

【課題】各種コンテンツを効果的に宣伝する技術を実現する。
【解決手段】各車両に搭載された車両外方向に向けられた表示面を持つ表示装置に表示させるための各種コンテンツを各車両へ配信するコンテンツ配信サーバが、車両環境情報を対象車両から受信する受信手段と、この受信された車両環境情報の送信元である対象車両自体に関する、少なくとも上記表示面の大きさを示す情報を含む車両登録情報を取得する車両情報取得手段と、複数のコンテンツのうちの上記受信手段で受信された車両環境情報及び上記車両情報取得手段により取得された対象車両に関する車両登録情報に適合する少なくとも1つのコンテンツのコンテンツデータを取得するコンテンツ取得手段と、このコンテンツ取得手段により取得されたコンテンツデータを対象車両に配信する配信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビルの壁面や映画館等の施設内等にデジタルサイネージとも呼ばれる電子看板装置が数多く設置されるようになってきている。電子看板装置は、広告等の販促ツールとして利用される他、様々な情報を提供するための電子掲示板としても利用される。このような電子看板装置を利用したシステムとして、電子看板装置とコンテンツを記憶したサーバ装置とを通信回線で結び、定時的且つ任意にコンテンツデータを配信するシステムが提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
また、カーナビゲーション装置のような車載装置に天候情報やタウンガイド情報等のコンテンツを配信する配信システムも提案されている(下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−240205号公報
【特許文献2】特開2009−289275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の電子看板装置は、通常、固定設置されているため、その設置箇所周辺のユーザしかその電子看板装置に表示されるコンテンツ情報を閲覧することができないのが一般的である。また、上記特許文献2で開示されるようなシステムは、車載装置が設置されている車両内の搭乗者をコンテンツ提供対象としているため、多くのユーザに対してコンテンツ提供できるものではない。
【0006】
本発明の一態様に係る課題は、このような問題点に鑑み、各種コンテンツを効果的に宣伝する技術を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様では、上述した課題を解決するために以下の構成を採用する。
【0008】
本態様は、各車両に搭載された車両外方向に向けられた表示面を持つ表示装置に表示させるための各種コンテンツを各車両へ配信するコンテンツ配信サーバに関する。本態様に係るコンテンツ配信サーバは、位置情報を少なくとも含む車両環境情報を対象車両から受信する受信手段と、この受信手段で受信された車両環境情報の送信元である対象車両自体に関する、少なくとも上記表示面の大きさを示す情報を含む車両登録情報を取得する車両情報取得手段と、複数のコンテンツのうちの上記受信手段で受信された車両環境情報及び上記車両情報取得手段により取得された対象車両に関する車両登録情報に適合する少なくとも1つのコンテンツのコンテンツデータを取得するコンテンツ取得手段と、このコンテンツ取得手段により取得されたコンテンツデータを対象車両に配信する配信手段と、を備える。
【0009】
本態様では、各車両の環境や各車両自体に応じたコンテンツが各車両に配信され、各車両において車両外方向に向けられた表示面を持つ表示装置に各コンテンツが表示される。
【0010】
これにより、本態様によれば各車両を広告媒体として利用することができる。今や車両自体はいたる所に存在しているため、コンテンツ提供者にとっては広く宣伝効果を得ることができる。
【0011】
本態様に係るコンテンツ配信サーバは、好ましくは、複数のコンテンツについて少なくとも1つの個別条件を含む配信条件をそれぞれ格納する条件格納手段を更に備え、上記コンテンツ取得手段が、複数のコンテンツの中から車両環境情報及び車両登録情報が配信条件に適合するコンテンツのコンテンツデータを取得する。
【0012】
これにより、位置情報のような車両環境情報や車両自体の情報である車両登録情報に適合するコンテンツが配信されるため、少なくとも適切な場所でかつ適切な車両(媒体)で効果的にコンテンツを宣伝することができる。
【0013】
また、本態様に係るコンテンツ配信サーバは、好ましくは、上記配信条件に含まれる各個別条件についてそれぞれ重み値を格納する重み値格納手段を更に備え、上記コンテンツ取得手段が、配信条件に適合するコンテンツが複数存在する場合には、適合した各個別条件の重み値に基づいて、配信条件に適合する各コンテンツの優先度をそれぞれ決定し、上記配信手段が、上記コンテンツ取得手段で取得された各コンテンツデータを優先度の高いコンテンツが優先的に表示されるように対象車両に配信する。
【0014】
また、本態様に係るコンテンツ配信サーバは、好ましくは、当該各種コンテンツには、広告、ニュース情報及び災害情報が含まれ、上記重み値格納手段で格納される重み値は、災害情報コンテンツの優先度が他のコンテンツよりも高くなるように設定される。
【0015】
これにより、緊急度の高い災害情報を含むコンテンツを他のコンテンツよりも優先的に車両の表示装置に表示させることができるため、車両自体の媒体価値を高めることができる。
【0016】
また、本態様に係るコンテンツ配信サーバは、好ましくは、上記条件格納手段が、各コンテンツについて更に配信価格をそれぞれ格納し、上記コンテンツ取得手段が、配信条件に適合するコンテンツのうち広告コンテンツデータが複数存在する場合には、配信価格が高い広告コンテンツデータの優先度が配信価格の低い広告コンテンツデータの優先度よりも高くなるように、各広告コンテンツデータの優先度を決定する。
【0017】
これにより、価格が高く設定されているコンテンツほど配信され易くなるため、コンテンツを登録するにあたり価格競争が生じる。従って、本態様に係るコンテンツ配信サーバの運用者がその配信価格で収益を上げることができる。
【0018】
また、本態様に係るコンテンツ配信サーバは、好ましくは、各コンテンツについて上記配信手段により配信された回数をその配信先である各車両についてそれぞれカウントするカウント手段と、各車両についてその車両に配信された各コンテンツの回数に応じた特典情報をそれぞれ割り当てる割り当て手段と、を更に備える。
【0019】
これにより、各車両の所有者は車両を走らせていれば特典を得ることができる。よって、本態様に係るコンテンツ配信サーバからのコンテンツ配信対象となる車両を増やすことができる。
【0020】
なお、本開示の別態様としては、以上の何れかの構成を実現する方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。また、本開示の別態様としては、上述の態様に係るコ
ンテンツ配信サーバと車両とを含むコンテンツ配信システムであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
上記各態様によれば、各種コンテンツを効果的に宣伝する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例におけるコンテンツ配信システムの概略構成を示す図。
【図2】実施例における車両に搭載される車載装置の構成を示すブロック図。
【図3】コンテンツ要求パケットに含まれる情報の例を示す図。
【図4】実施例における配信サーバの構成を示すブロック図。
【図5】車両登録情報テーブルの例を示す図。
【図6】配信データ情報テーブルの例を示す図。
【図7】条件重みテーブルの例を示す図。
【図8】配信回数テーブルの例を示す図。
【図9】特典テーブルの例を示す図。
【図10】本実施例におけるコンテンツ配信システムの動作例を示すフローチャート。
【図11】本実施例におけるコンテンツ配信システムの作用例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、一実施形態としてのコンテンツ配信システムについて具体例を挙げ説明する。以下に挙げた実施例は例示であり、本発明は以下の実施例の構成に限定されない。
【0024】
[システム構成]
実施例におけるコンテンツ配信システムのシステム構成について図1を用いて説明する。図1は、実施例におけるコンテンツ配信システムの概略構成を示す図である。コンテンツ配信システム1は、配信サーバ7、この配信サーバ7から配信されたコンテンツを表示する表示装置5をそれぞれ備える各車両3から構成される。配信サーバ7と各車両3は、インターネット、移動体通信ネットワークのようなネットワーク2でそれぞれ接続される。なお、各車両3は無線通信によりネットワーク2に接続されればよく、本発明は、配信サーバ7と各車両3との通信接続手法を限定するものではない。
【0025】
[装置構成]
以下、配信サーバ7及び車両3の構成についてそれぞれ説明する。
【0026】
〔車両〕
車両3は、自家用車、トラック、バス、タクシー等のような乗用車、列車等である。本発明は、この車両3自体を限定するものではなく、車両外方向に表示面を向けられるように表示装置を設置可能な移動媒体であればよい。本実施例における車両3は、図1に示すような車両外方向に向けられた表示面を持つ表示装置5と車載装置10とを搭載する。
【0027】
表示装置5は、車載装置10から送られるデータに応じた画像を表示する。表示装置5は、例えば、電子ペーパーやそれに準ずる電子データ表示媒体として実現される。本発明は、この表示装置5の機能自体を限定するものではなく、車両外方向に表示面を向けるように車両3に設置できるものであり、配信サーバ7から配信されるコンテンツを表示可能なものであればよい。
【0028】
図2は、実施例における車両3に搭載される車載装置10の構成を示すブロック図である。車載装置10は、電子部品類で構成されており、制御部11、温度測定部12、湿度
測定部13、GPS(Global Positioning System)情報受信部14、車速検知部15、
ナビゲーション装置インタフェース部(以降、ナビIF部と表記する)16、無線通信部17、表示処理部18等を内蔵する。なお、制御部11を除く各処理部は、メモリ(図示せず)に格納されるプログラムが制御部11で実行されることによりソフトウェアの一部品として実現されてもよい。
【0029】
温度測定部12は、車両3に設置され車両3外の温度を検知する温度センサからの信号を受け、この信号に応じて温度データを取得する。取得された温度データは制御部11へ送られる。湿度測定部13は、車両3に設置され車両3外の湿度を検知する湿度センサからの信号を受け、この信号に応じて湿度データを取得する。取得された湿度データは制御部11へ送られる。
【0030】
GPS情報受信部14は、GPS装置から車両3の位置データを受信し、受信された位置データを制御部11へ送る。GPS装置は、例えば、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星から発信される電波を受信し、これら受信された電波に含まれる軌道情報や時刻情報等を演算することにより、車両3の位置を検出する。このGPS装置の機能自体は周知であるためここでは説明を省略する。なお、GPS情報受信部14は、GPS衛星からの電波を受信できない場合には、ジャイロセンサ(図示せず)及び車速検知部15で検知される車両速度及び車両の進行方向等から取得される車両の位置データを取得するようにしてもよい。
【0031】
車速検知部15は、車速センサから送られる信号に基づいて車両3の車両の速度を検知する。車速検知部15は、検知された車速データを制御部11へ送る。
【0032】
無線通信部17は、所定の移動体通信網(携帯電話網、PHS(Personal Handy-phone
System)網、WiMAX網など)と無線アンテナを介して無線接続し、配信サーバ7等
との間のデータ通信を遂行する。無線通信部17は、制御部11から送られる送信データに対して無線接続する移動体通信網に対応したデジタル信号処理を行い、処理された信号をDA変換後、アップコンバートした高周波信号を無線アンテナに送る。無線通信部17は、無線アンテナで取得された高周波信号に対してダウンコンバート、AD変換を行い、これにより得られるデジタル信号を復調及び復号することにより得られた受信データを制御部11へ送る。
【0033】
無線通信部17は、当該所定の移動体通信網と無線接続する機能を有する携帯電話や通信カード(モジュール)と車載装置10との間のインタフェースとして機能するようにしてもよい。この場合には、携帯電話や通信カード等の無線機との間で送信データ及び受信データをやりとりする。
【0034】
ナビIF部16は、ナビゲーション装置と制御部11との間のインタフェースとして作用する。ナビIF部16は、ナビゲーション装置から目的地情報を取得する。この目的地情報は、例えば、緯度情報及び経度情報から構成される。ナビIF部16は、取得された目的地情報を制御部11へ送る。
【0035】
なお、上述の温度測定部12、湿度測定部13、GPS情報受信部14、車速検知部15に相当する各処理部がそれぞれナビゲーション装置に搭載されており、このナビゲーション装置から温度データ、湿度データ、車両の位置データ、車速データを得られる場合には、ナビIF部16がナビゲーション装置からこれら情報を取得し、制御部11へ送るようにしてもよい。この場合には、車載装置10は、温度測定部12、湿度測定部13、GPS情報受信部14、車速検知部15を備えていなくともよい。また、ナビゲーション装置が所定の移動体通信網と無線接続する機能を有する場合には、無線通信部17に替え、
ナビIF部16を介して送信データ及び受信データが制御部11とナビゲーション装置との間でやりとりされるようにしてもよい。
【0036】
表示処理部18は、制御部11から送られる画像(映像)データを描画処理することにより表示装置5のディスプレイ(表示面)に当該画像データに応じた画面を表示させる。
【0037】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、
RAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース等で構成されている。制御部11は、例えば、車両のアクセサリー電源がオンになると起動される。制御部11は、ROMに記録されたプログラムを実行することにより、上述のような各処理部を制御しつつ、以下のような所定機能を実現する。
【0038】
制御部11は、所定の周期又は任意のタイミングにおいて、温度測定部12、湿度測定部13、GPS情報受信部14、車速検知部15、ナビIF部16から、温度データ、湿度データ、車両位置データ(緯度及び経度)、車速データ、目的地データを取得する。以降、このように取得された温度データ、湿度データ、車両位置データ、車速データ、目的地データを車両環境情報とも表記する。
【0039】
制御部11は、表示更新の任意のタイミングにおいて、上記のように取得された車両環境情報及び車両3を識別するための車両IDを含めた、配信サーバ7宛てのコンテンツ要求パケットを生成する。車両IDは例えばROM等に予め格納される。制御部11は、生成されたコンテンツ要求パケットを無線送信するように無線通信部17へ指示する。これにより、このコンテンツ要求パケットが無線通信部17から移動体通信網等を含むネットワーク2を経由して配信サーバ7へ送られる。このコンテンツ要求パケットには、要求するコンテンツ数を含めるようにしてもよい。
【0040】
図3は、コンテンツ要求パケットに含まれる情報の例を示す図である。図3の例に示すように、車両位置データ及び目的地データは経度情報及び緯度情報から構成される。
【0041】
制御部11は、コンテンツ要求パケットに応じて配信サーバ7から送信されるコンテンツデータを無線通信部17を介して受信する。制御部11は、受信されたコンテンツデータを表示装置5に表示させるように表示処理部18に指示する。要求コンテンツ数が複数の場合には、複数のコンテンツデータが受信される。複数のコンテンツデータが受信された場合には、制御部11は、その複数のコンテンツデータを表示装置5の表示面の所定位置にそれぞれ同時に表示するように表示処理部18に指示してもよいし、各コンテンツが所定の時間毎に順次切替えられながら表示されるように表示処理部18に指示するようにしてもよい。同時に複数のコンテンツデータを表示する場合には、優先度の高いコンテンツデータを大きく、優先度の低いコンテンツデータを小さく表示するようにしてもよい。また、複数のコンテンツデータを切替えながら表示する場合には、優先度の高いコンテンツデータを優先度の低いコンテンツデータよりも長い時間表示するようにしてもよい。
【0042】
〔配信サーバ〕
図4は、実施例における配信サーバ7の構成を示す概念図である。
【0043】
配信サーバ7は、ハードウェア構成として、図4に示されるように、バス42で接続される、制御部45、記憶部43、通信部41等を有する。記憶部43は、例えばハードディスクであり、制御部45で実行される処理で利用される各種情報を記憶する。制御部45は、CPU等の1又は複数のプロセッサ、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM、RAM、インタフェース回路等)を有する。通信部41は、ネットワーク2に接続され、IP(Internet Protocol)パケット等の送受信を行う。配信サーバ7は、P
C(Personal Computer)等のような汎用コンピュータで構築されてもよいし、専用コン
ピュータで構築されるようにしてもよい。本発明は、配信サーバ7のハードウェア構成を限定するものではない。
【0044】
配信サーバ7は、記憶部43に記憶されるアプリケーションプログラムが制御部45により実行されることにより、図4に示す各処理部を実現する。このような処理部として、配信サーバ7は、データ管理部76、車両情報受信部77、配信データ抽出部78、配信部79、特典決定部80等を有する。これら処理部により参照されるデータベースとして、記憶部43には、車両登録情報テーブル71、配信データ情報テーブル72、条件重みテーブル73、コンテンツデータ、配信回数テーブル74、特典テーブル75が格納される。以下、これら配信サーバ7の各処理部についてそれぞれ説明する。
【0045】
データ管理部76は、車両登録情報テーブル71、配信データ情報テーブル72、条件重みテーブル73、コンテンツデータ、配信回数テーブル74、特典テーブル75を管理する。データ管理部76は、要求に応じて、これら各データベース内のデータの更新、各データベースからのデータの抽出等を行う。データ管理部76は、例えば、車両登録情報テーブル71、配信データ情報テーブル72、条件重みテーブル73、配信回数テーブル74、特典テーブル75を更新するためのユーザインタフェースをシステム管理者、車両の所有者等に提供することにより、車両登録情報を入力させる。
【0046】
また、データ管理部76は、コンテンツデータの登録又は削除をするためのユーザインタフェースをシステム管理者、車両の所有者等に提供するようにしてもよい。データ管理部76は、当該コンテンツデータを他のサーバ装置等から自動で受信し、記憶部43に格納するようにしてもよい。
【0047】
図5は、車両登録情報テーブルの例を示す図である。車両登録情報テーブル71には、各車両について、車両ID、メーカー、車種、車色、年式、媒体面積がそれぞれ格納される。このうち、媒体面積フィールドには、その車両3に搭載される表示装置5の表示面の面積を示すデータが格納される。
【0048】
記憶部43に格納され、配信サーバ7から配信されるコンテンツデータとしては、広告、ニュース、天候情報、災害情報等を示すデータがある。このデータは、静止画データ、動画データのような画像データであってもよいし、テキストデータであってもよい。本発明は、このようなコンテンツ配信システムで扱われるコンテンツデータの形式、内容等を限定するものではない。
【0049】
このように記憶部43に格納されるコンテンツデータが車両3の表示装置5に表示されるため、本実施形態によれば車両3の一部を広告媒体として利用することができる。ところが、扱われるコンテンツが広告のみでは、見る者の興味を引き注目度を上げることができなくなる可能性があり、広告媒体としての価値が低下する可能性がある。よって、ニュース、天候情報、災害情報等のような見る者の興味を引く可能性の高い情報を含めることが望ましい。このように、様々な種類のコンテンツを対象とすることにより、車両3の表示装置5自体の媒体価値を上げることができる。
【0050】
図6は、配信データ情報テーブル72の例を示す図である。配信データ情報テーブル72には、記憶部43に格納される各コンテンツデータについて、そのコンテンツを識別するための情報ID、そのコンテンツのデータが格納されるアドレスを示すコンテンツデータアドレス、そのコンテンツを配信対象として選択するための配信条件として利用される各種情報がそれぞれ格納される。
【0051】
コンテンツ種別フィールドには、そのコンテンツの種類を示す広告、天候情報、災害情報等の情報が格納される。価格フィールドには、広告コンテンツを配信対象とする上での価格が格納される。広告コンテンツの提供者は、この価格フィールドに設定される価格を支払うことにより、配信サーバ7にその広告コンテンツを登録することができる。後述するようにこの価格フィールドに高い価格が設定されたコンテンツほど優先的に配信されるため、広告コンテンツの提供者は高い価格を設定するようになる。これにより、本実施形態によれば、広告コンテンツ登録の競売の場を提供することができる。
【0052】
当該各種情報としては、媒体面積、メーカー、車種、車色、年式、時間、場所、速度、温度、湿度、目的地が含まれる。コンテンツ提供者は、これら各種情報にそれぞれ必要な条件を設定することにより、そのコンテンツの配信条件を設定することができる。図6の例によれば、情報IDが29549のコンテンツについては、媒体面積が100×100以上の表示面を持ち、渋谷区の或る交差点に位置し、時速30キロから60キロまでの速度で走っており、外気温度が26度以上で、湿度が40パーセント以上の車両3を対象に、そのコンテンツが配信されるような配信条件が設定されている。なお、図6に示す*は、その情報には条件が設定されていないことを示している。
【0053】
図7は、条件重みテーブル73の例を示す図である。条件重みテーブル73には、上記配信データ情報テーブル72の配信条件として利用される各種情報の重み値がそれぞれ格納される。この重み値は、各コンテンツの配信優先度を求めるために用いられる値である。大きい重み値が設定された情報程、配信の優先度を決める上で重要視される情報となる。価格の重み値は、配信データ情報に含まれる価格が最も高い価格に設定されているレコードに適用される。
【0054】
図7の例によれば、コンテンツ種別が災害情報(重み値=1000000)を示すコンテンツ
が最も優先的に配信対象とされ、他の情報としては媒体面積(重み値=10000)が重要視
されている。なお、災害情報の重み値が大きく設定されていたとしても、災害情報を示すコンテンツは、特別なイベントであり、そのコンテンツ情報が登録されている可能性は低いため、常時、災害情報コンテンツのみが表示されるといった問題はない。
【0055】
車両情報受信部77は、通信部41を介して受信された、上記車両3からのコンテンツ要求パケットを受信し、受信されたコンテンツ要求パケットに含まれる車両ID及び車両環境情報を取得する。車両情報受信部77は、このコンテンツ要求パケットの受信時間を当該車両環境情報に含め、当該車両ID及び車両環境情報を配信データ抽出部78に送る。
【0056】
配信データ抽出部78は、車両情報受信部77から送られた車両IDを指定することにより、その車両IDの車両登録情報を車両登録情報テーブル71から抽出する。配信データ抽出部78は、車両登録情報テーブル71から抽出された車両登録情報と、車両情報受信部77から送られる車両環境情報と、を指定することにより、配信データ情報テーブル72から少なくとも1つの配信条件を満たすレコードを抽出する。同様に、配信データ抽出部78は、条件重みテーブル73からデータを抽出する。
【0057】
配信データ抽出部78は、配信データ情報テーブル72から抽出されたレコードを取得し、各レコードについて、当該車両登録情報及び車両環境情報が各配信条件を満たすか否かをそれぞれ検査する。配信データ抽出部78は、各レコードについて、配信条件を満たす情報の重み値をそれぞれ合計する。この重み値の合計がそのコンテンツの配信優先度を示す。配信データ抽出部78は、各レコードの重み値の合計の大きいレコードから所定レコード数分のレコードを選択し、記憶部43に格納される複数のコンテンツデータのうち、選択された各レコードに含まれるコンテンツデータアドレスから各コンテンツデータを
それぞれ抽出する。
【0058】
この所定レコード数が例えば1である場合には、重み値の合計(優先度)が最も大きいコンテンツデータのみが抽出される。例えば、車両3から送られるコンテンツ要求パケットに要求コンテンツ数が含まれている場合には、この要求コンテンツ数を上記所定レコード数とするようにしてもよい。配信データ抽出部78は、車両情報受信部77から送られる車両IDと、このようにして抽出されたコンテンツデータ及びその情報IDを配信部79に送る。
【0059】
配信部79は、配信データ抽出部78から送られたコンテンツデータを通信部41を介してコンテンツ要求パケットの送信元である車両IDで特定される車両3に送る。複数のコンテンツデータが要求される場合には、優先度の高いコンテンツから順に送信されるようにしてもよいし、各コンテンツデータと共に優先度がそれぞれ送信されるようにしてもよい。
【0060】
配信部79は、コンテンツデータを配信し終えると、配信回数テーブル74における、配信先の車両3についてのそのコンテンツデータの配信回数を更新する。図8は、配信回数テーブル74の例を示す図である。配信回数テーブル74には、各コンテンツデータを示す情報IDについて、車両ID毎に、配信回数が格納される。
【0061】
特典決定部80は、所定の周期、所定のタイミングにおいて、コンテンツの配信回数に応じた、車両3への特典を決定する。具体的には、特典決定部80は、上記配信テーブル74に格納される各情報IDについて、各車両IDの配信回数の合計である全配信回数をそれぞれ算出する。特典決定部80は、配信データ情報テーブル72の、各情報IDで特定される配信データレコードの価格のうちの還元可能な価格(例えば、価格の4割)を求め、この還元可能な価格を上記全配信回数で割った額を単位特典価格とし、この単位特典価格と各車両IDの配信回数とに基づいて各車両3に提供する特典価格を決定する。
【0062】
価格100万円(還元可能な割合4割)の広告コンテンツAについて車両Xが5回配信を受け、車両Yが2回配信を受け、車両Zが1回配信を受けている場合には、車両Xの特典価格が25万円(=100万円×0.4÷8×5)に決定され、車両Yの特典価格が10万円(=100万円×0.4÷8×2)に決定され、車両Zの特典価格が5万円(=100万円×0.4÷8×1)に決定される。特典決定部80は、各コンテンツについてそれぞれ上述のように各車両3への特典価格を算出し、その特典価格に応じた特典ポイントを各車両3の特典情報として決定する。なお、このような特典情報の決定手法は例示であり、本発明はこのような手法に限定するものではなく、各コンテンツの配信価格と配信回数とに基づいて各車両3に還元される特典情報がそれぞれ決定されるようにすればよい。
【0063】
特典決定部80は、このように決定された特典情報を特典テーブル75に格納する。図9は、特典テーブル75の例を示す図である。特典テーブル75には、各車両IDについてそれぞれ特典情報としての特典ポイントが格納される。このような特典ポイントは、マイレージ等のような周知の特典情報と同様に各車両3の所有者で利用可能とされればよい。例えば、特典ポイントに応じた料金が当該所有者に還元されるようにしてもよいし、特典ポイントに応じたガソリン割引のクーポン券を提供するようにしてもよい。
【0064】
[動作例]
以下、本実施例におけるコンテンツ配信システムの動作例について図10及び11を用いて説明する。図10は、本実施例におけるコンテンツ配信システムの動作例を示すフローチャートである。図11は、本実施例におけるコンテンツ配信システムの作用例を示す図である。以下の説明では、車両IDが12943の車両3であって、車両3が図11に
示す太線の経路のうち荻窪交差点を時速55キロで走行中であり、その交差点付近の温度及び湿度が28度及び45%である例を挙げる。
【0065】
車両3では、車載装置10の制御部11が、温度測定部12、湿度測定部13、GPS情報受信部14、車速検知部15、ナビIF部16等の各処理部から温度データ、湿度データ、車両位置データ(緯度及び経度)、車速データ、目的地データを車両環境情報として取得する(S91)。ここでは、車両環境情報に含まれる車両位置データは、荻窪交差点の緯度及び経度を示し、車速データは時速55キロを示し、温度データは28度を示し、湿度データは45%を示している。
【0066】
当該制御部11は、このように取得された車両環境情報及び車両3を識別するための車両IDを含むコンテンツ要求パケットを無線通信部17を介して無線送信する(S92)。この無線送信されたコンテンツ要求パケットは、ネットワーク2を介して配信サーバ7へ送られる。
【0067】
配信サーバ7では、通信部41を介して上記コンテンツ要求パケットが車両情報受信部77により受信されると、各処理部が以下のような処理を実行する。まず、車両情報受信部77がこのパケットから車両ID及び車両環境情報を取得する。取得された車両ID及び車両環境情報は配信データ抽出部78に送られる。
【0068】
配信データ抽出部78は、上記車両IDの車両登録情報を車両登録情報テーブル71から抽出する。この場合、図5の例における車両IDが12943で特定されるレコード(メーカー;メーカーNo.1、車種;ワンボックス、車色;青、年式;2007年、媒体面積;120×100)が抽出される。配信データ抽出部78は、この車両登録情報と上記受信された車両環境情報とに基づいて、配信データ情報テーブル72から少なくとも1つの配信条件を満たすレコード(配信データ情報)を抽出する(S93)。この場合、図6の例における、情報IDが29549で特定されるレコード(以降、第1レコードと表記する)及び情報IDが29552で特定されるレコード(以降、第2レコードと表記する)が抽出される。
【0069】
配信データ抽出部78は、配信データ情報テーブル72から抽出されたレコードを取得し、各レコードについて、当該車両登録情報及び車両環境情報が各配信条件を満たすか否かをそれぞれ検査する(S94)。第1レコードは、配信データ情報テーブル72の媒体面積フィールドに格納される条件(100×100以上)を車両登録情報の媒体面積(120×100)が満たし、場所フィールドに格納される条件(荻窪+交差点)を車両環境情報の車両位置データ(荻窪交差点を示す経度及び緯度)が満たし、速度フィールドに格納される条件(時速30キロから時速60キロ)を車両環境情報の車速データ(時速55キロ)が満たし、温度フィールドに格納される条件(26度以上)を車両環境情報の温度データ(28度)が満たし、湿度フィールドに格納される条件(40%以上)を車両環境情報の湿度データ(45%)が満たしている。第2レコードは、配信データ情報テーブル72の媒体面積フィールドに格納される条件(100×100以上)を車両登録情報の媒体面積(120×100)が満たしている。
【0070】
配信データ抽出部78は、条件重みテーブル73から抽出される重み値を用いることにより、上記のように抽出された各レコードについて優先度を算出する(S95)。具体的には、配信データ抽出部78は、当該車両登録情報及び車両環境情報のうち、上記のように抽出された配信データ情報テーブル72の配信データ情報に含まれる各配信条件を満たす各情報の重み値をそれぞれ合計する。第1レコードの優先度は、10180(=10000
(媒体面積の重み値)+30(場所の重み値)+30(速度の重み値)+10(温度の重み値)+10(湿度の重み値)+100(価格の重み値))に決定される。第2レコードの優先度は
、1010000(=10000(媒体面積の重み値)+1000000(コンテンツ種別が災害情報の場合の重み値))に決定される。この例では、抽出された2件のレコードのうちの最も高い価格の設定されたレコードは第1レコードの広告コンテンツである。これにより、第1レコードの優先度には、この価格の重み値が加算されている。
【0071】
配信データ抽出部78は、各配信データ情報の優先度を決定すると、優先度の高いものから所定レコード数以内の配信データ情報を選択する。所定レコード数として1が設定されていた場合には、最も優先度の高い第2レコードが選択される。配信データ抽出部78は、この選択されたレコードに含まれるコンテンツデータアドレスから、対象のコンテンツデータを取得する。この場合、第2レコードで特定されるコンテンツデータ、即ち、災害情報を示す画像ファイルが取得される。なお、コンテンツ要求パケットに要求レコード数が含まれている場合、又、メモリ等に予め格納される所定レコード数として2以上の値が設定されている場合には、そのレコード数分のコンテンツデータが取得される。
【0072】
配信部79は、配信データ抽出部78で取得されたコンテンツデータを車両3宛てに送信する(S96)。これにより、このコンテンツデータは、通信部41を介して送出された後、ネットワーク2を経由して車両3へ送られる。配信部79は、コンテンツデータを配信し終えると、配信回数テーブル74における、配信先の車両3についてのそのコンテンツデータの配信回数を1加算する。ここでは、配信回数テーブル74において、情報IDが29552であり(第2レコード)、車両IDが12943である箇所の配信回数が1加算される。
【0073】
車両3では、制御部11が無線通信部17を介して当該コンテンツデータを受信し、受信されたコンテンツデータを表示装置5に表示させるように表示処理部18に指示する。これにより、車両3の表示装置5の表示面には、当該コンテンツデータの示すコンテンツが表示される(S99)。この例では、災害情報が表示される。また、上述の例で、複数のコンテンツデータ(第2レコードで示される災害情報のコンテンツデータ及び第1レコードで示される広告情報のコンテンツデータ)が配信サーバ7から送信された場合には、その優先度に応じて各コンテンツデータがそれぞれ表示される。第1レコードに示す広告コンテンツデータが表示される場合には、図11の例に示すように、「ナショナルクライアントの広告」が表示される。
【0074】
〔実施例の作用及び効果〕
上述したように、本実施例におけるコンテンツ配信システムでは、各車両3で収集された動的データである、温度、湿度、車両位置、車速、目的地等のような各車両環境情報がそれぞれ配信サーバ7に送られる。配信サーバ7には、各車両3についての静的データである、表示装置5の表示面の面積(媒体面積)、車種、車色等のような各車両登録情報が保持されている。配信サーバ7では、このような各車両3の動的データ及び静的データに基づいて複数のコンテンツの中から適切なコンテンツデータがそれぞれ抽出され、各車両3にそれぞれ各コンテンツデータが配信される。その結果、各車両3では、各車両3に搭載された車両外方向に向けられた表示面を持つ表示装置5にその配信されたコンテンツが表示される。
【0075】
従って、本実施例によれば、配信サーバ7から配信された各コンテンツデータが各車両3の表示装置5にそれぞれ表示されるため、各車両3を広告媒体として利用することができる。車両3自体はいたる所に存在しているため、広告コンテンツデータを提供する広告主にとっては、広く宣伝効果を得ることができる。
【0076】
また、本実施例における配信サーバ7によれば、各コンテンツについて配信データ情報として複数の配信条件を設定することができるため、車両環境情報及び車両登録情報に基
づいて配信条件に合致する車両3に対して所望のコンテンツを表示させることができる。具体的には、コンテンツ提供主は、所望の場所、所望の時間、所望の車種、所望の車色等を配信条件として設定することにより、所望の車両3に自身のコンテンツを表示させることができる。
【0077】
例えば、高級イメージの強い広告主は、高級な車両に自身の広告を表示させたいかもしれない。また、若者を消費者のターゲットする広告主は、若者が多く集る場所に位置する車両に自身の広告を表示させたほうが高い効果を得ることができるかもしれない。ボーリング場、カラオケ店等のような室内遊戯施設の広告主にとっては、雨模様(高い湿度)の地域に位置する車両に自身の広告を表示させたほうが高い効果を得ることができるかもしれない。また、速度が速い車両には見え難いためロゴ広告を表示させ、速度が遅い車両には詳細の広告を表示させたほうが高い効果を得ることができるかもしれない。本実施例によれば、配信データ情報の配信条件を適切に設定することにより、このような要求に応えることができる。
【0078】
本実施例によれば、適切なコンテンツが適応的に表示されるため、車両3自体をラッピング媒体とする場合よりも高い効果を得ることができる。
【0079】
また、本実施例におけるコンテンツ配信システムでは、配信対象として抽出された各コンテンツについてそれぞれ優先度が算出され、この優先度の高いコンテンツが優先的に配信され、表示される。更に、本実施例では、配信対象のコンテンツとして広告のみでなくニュース、災害情報、天候情報が配信され、緊急度の高い災害情報の優先度が高くなるように設定される。
【0080】
扱われるコンテンツが広告のみでは、見る者の興味を引き注目度を上げることができなくなる可能性があるところ、ニュース、天候情報、災害情報等のような見る者の興味を引く可能性の高い情報を含めることにより、車両3の表示装置5自体の媒体価値を引き上げることができる。
【0081】
更に、本実施例では、各コンテンツについての配信データ情報としての配信条件に価格を設定することができ、価格の高いコンテンツについての優先度が価格の低いものよりも高くなるように重み値が設けられている。これにより、価格が高く設定されているコンテンツほど配信され易くなる。これにより、配信条件が複数のコンテンツで共通するような場合には、コンテンツ提供主は価格を高く設定することになる。例えば、人通りの多い場所に位置する車両や人通りの多い時間帯に走行する車両に広告コンテンツを提供したいと望む広告主は多くなるため、これら広告主の間で競売が生じる。
【0082】
これにより、コンテンツ提供者にとって有意義なシステムとなるばかりか、本実施例におけるコンテンツ配信システムの運用者にとっても、その配信価格を収集するようにすれば利益を得ることができるため、有意義なシステムとなる。
【0083】
更に、本実施例では、各コンテンツの配信回数に基づいて各車両に特典が付与される。従って、本実施例によれば、各車両の所有者は本実施例のコンテンツ配信システムに登録し、車両を走らせていれば特典を得ることができる。これにより、本実施例におけるコンテンツ配信システムは、上述のようにコンテンツ提供者、システム運用者のみならず、車両の所有者(運転者)にとっても有意義なシステムとなる。
【符号の説明】
【0084】
1 コンテンツ配信システム
3 車両
5 表示装置
7 配信サーバ
10 車載装置
11 制御部
17 無線通信部
18 表示処理部
41 通信部
43 記憶部
45 制御部
71 車両登録情報テーブル
72 配信データ情報テーブル
73 条件重みテーブル
74 配信回数テーブル
75 特典テーブル
76 データ管理部
77 車両情報受信部
78 配信データ抽出部
79 配信部
80 特典決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各車両に搭載された車両外方向に向けられた表示面を持つ表示装置に表示させるための各種コンテンツを各車両へ配信するコンテンツ配信サーバにおいて、
位置情報を少なくとも含む車両環境情報を対象車両から受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された車両環境情報の送信元である対象車両自体に関する、少なくとも前記表示面の大きさを示す情報を含む車両登録情報を取得する車両情報取得手段と、
複数のコンテンツのうちの前記受信手段で受信された車両環境情報及び前記車両情報取得手段により取得された対象車両に関する車両登録情報に適合する少なくとも1つのコンテンツのコンテンツデータを取得するコンテンツ取得手段と、
前記コンテンツ取得手段により取得されたコンテンツデータを前記対象車両に配信する配信手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項2】
前記複数のコンテンツについて少なくとも1つの個別条件を含む配信条件をそれぞれ格納する条件格納手段を更に備え、
前記コンテンツ取得手段は、前記複数のコンテンツの中から前記車両環境情報及び前記車両登録情報が前記配信条件に適合するコンテンツのコンテンツデータを取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項3】
前記配信条件に含まれる各個別条件についてそれぞれ重み値を格納する重み値格納手段を更に備え、
前記コンテンツ取得手段は、前記配信条件に適合するコンテンツが複数存在する場合には、適合した各個別条件の重み値に基づいて、前記配信条件に適合する各コンテンツの優先度をそれぞれ決定し、
前記配信手段は、前記コンテンツ取得手段で取得された各コンテンツデータを優先度の高いコンテンツが優先的に表示されるように前記対象車両に配信する、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
前記各種コンテンツには、広告、ニュース情報及び災害情報が含まれ、
前記重み値格納手段で格納される重み値は、災害情報コンテンツの優先度が他のコンテンツよりも高くなるように設定される、
ことを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項5】
前記条件格納手段は、前記各コンテンツについて更に配信価格をそれぞれ格納し、
前記コンテンツ取得手段は、前記配信条件に適合するコンテンツのうち広告コンテンツデータが複数存在する場合には、配信価格が高い広告コンテンツデータの優先度が配信価格の低い広告コンテンツデータの優先度よりも高くなるように、各広告コンテンツデータの優先度を決定する、
ことを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項6】
前記各コンテンツについて前記配信手段により配信された回数をその配信先である各車両についてそれぞれカウントするカウント手段と、
前記各車両についてその車両に配信された各コンテンツの回数に応じた特典情報をそれぞれ割り当てる割り当て手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコンテンツ配信サーバ。
【請求項7】
車両と各種コンテンツをその車両へ配信するコンテンツ配信サーバとを含むコンテンツ配信システムにおいて、
前記車両が、
車両外方向に向けられた表示面を持つ表示装置と、
位置情報を少なくとも含む車両環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記車両環境情報を無線送信する送信手段と、
前記コンテンツ配信サーバから送信されたコンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたコンテンツデータを前記表示装置に表示させる表示処理手段と、を備え、
前記コンテンツ配信サーバが、
前記車両から送信された車両環境情報を受信するサーバ受信手段と、
前記サーバ受信手段で受信された車両環境情報の送信元である前記車両自体に関する、少なくとも前記表示面の大きさを示す情報を含む車両登録情報を取得する車両情報取得手段と、
複数のコンテンツのうちの前記サーバ受信手段で受信された車両環境情報及び前記車両情報取得手段により取得された対象車両に関する車両登録情報に適合する少なくとも1つのコンテンツのコンテンツデータを取得するコンテンツ取得手段と、
前記コンテンツ取得手段により取得されたコンテンツデータを前記車両に配信する配信手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−159037(P2011−159037A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19116(P2010−19116)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(591117192)ニフティ株式会社 (144)
【Fターム(参考)】