コンテンツ配信装置、端末装置、およびコンピュータプログラム。
【課題】ピア・トゥ・ピア型の通信システムを介してコンテンツの情報を優先的もしくは強制的に視聴させることのできるコンテンツ配信装置及び端末装置を提供する。
【解決手段】コンテンツ配信装置は、ブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成部と、ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出部と、ブロードキャスト情報に基づいて端末から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信部と、コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツをコンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断部と、コンテンツ判断部が読み出したコンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出部とを具備する。
【解決手段】コンテンツ配信装置は、ブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成部と、ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出部と、ブロードキャスト情報に基づいて端末から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信部と、コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツをコンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断部と、コンテンツ判断部が読み出したコンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出部とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを用いてコンテンツデータを配信するためのコンテンツ配信装置、端末装置、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、通信ネットワークを用いたクライアント−サーバ型による、ダウンロードコンテンツやストリーミングコンテンツの配信サービスが拡大している。しかし、コンテンツ配信事業者が大規模なサービス、大規模なユーザ数を想定すると、大規模なシステム構築やシステムに直結するネットワークのインフラストラクチャ整備などに、莫大なコストが必要となったり、アクセスの集中によるサーバやネットワークの負荷増大の問題が生じたりしてしまう。
【0003】
これらの問題の解決策として、P2P(ピア・トゥ・ピア,peer-to-peer)ネットワークを用いたコンテンツ配信技術が注目されてきている(非特許文献1参照)。例えば、世界では、P2P技術を用いた無料電話サービスや、無料でストリーミング型のコンテンツ配信を行うサービスや、ダウンロード型のコンテンツ配信を行うサービスなどが行われている。また、日本国内でも様々な事業者が、P2P技術を用いて、エンドユーザ向けのコンテンツ配信サービスやB2B(ビジネス・トゥ・ビジネス,business-to-business)向けサービスを行っている。
【0004】
P2P技術は、サーバからの情報トラフィック量を極力減らすとともに端末間でコンテンツのやり取りなどを行うため、システムやネットワークインフラストラクチャの構築の規模を抑えられるだけでなく、輻輳によってかかるサーバ負荷やネットワーク負荷を大幅に軽減することが出来るという特徴をもつ。
【0005】
このように、コンテンツ配信事業者にはメリットのあるP2P技術であるが、ネットワーク全体を流れるP2P配信コンテンツの総量が変化するわけではないので、現状では通信事業者にとってメリットのある仕組みであるとは言えない。また、P2P技術によるコンテンツ配信の普及とともに、ネットワーク全体を流れるコンテンツの総量においてP2Pコンテンツが占める割合が高くなってきている。そのため、通信事業者の中では、P2Pコンテンツを制限したり、ネットワークのコスト負担の公正性を検討したりしようという動きが出ている。
【0006】
総務省は、平成18年度からネットワークの中立性に関する懇談会を開催し、P2Pネットワークの在り方等に関する議論を行い、平成19年9月20日に最終報告をまとめた(非特許文献2参照)。また、P2Pネットワーク実験協議会は、P2Pネットワークによるコンテンツ配信のガイドラインの策定や既存サービスの検証実験を行なったり、シンポジウムなどを開催して将来のP2Pネットワークのあり方に関する議論を行なったりしている(非特許文献3参照)。ここには、大学などを含む研究機関や、コンテンツホルダーや、既存の配信事業者などが参加するとともに、総務省もオブザーバーとして参加している。
【0007】
一方で、インターネットの世界では、webサイトの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するためのデータフォーマットとして、XML(エクステンシブル・マークアップ言語,Extensible Markup Language)をベースとしたRSS(リッチ・サイト・サマリー,Rich Site Summary)が使われている。このRSSは、主に、サイトの更新情報を公開するのに使われている。RSSで記述する文書には、webサイトのタイトルや、アドレスや、更新時刻などを記述することが出来る。RSSを用いることで、多数のサイトの更新情報を統一的に把握することが出来る。このようなRSSによるサイト更新情報を利用するために、指定したサイトの更新情報をまとめたwebページを作成するソフトウェア(RSSブラウザ)や、パーソナルコンピュータのデスクトップ画面に更新情報を表示するティッカーソフトウェア(RSSリーダ)などが開発されている。なお、これらRSSブラウザやRSSリーダのソフトウェアを用いる場合には、ユーザ側の装置が主導的にサーバ装置等にアクセスすることによってサイトの更新情報を取得する。
【非特許文献1】「特集 P2Pアーキテクチャ」,株式会社アスキー,UNIX MAGAZINE,2006年10月号.
【非特許文献2】「ネットワークの中立性に関する懇談会」,[online],総務省,[2008年5月1日検索],インターネット<URL:http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/network_churitsu/index.html>
【非特許文献3】「P2Pネットワーク実験協議会」,[online],財団法人マルチメディア振興センター,[2008年5月1日検索],インターネット<URL:http://www.fmmc.or.jp/P2P/about.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
P2Pネットワークによるコンテンツ配信においては、ユーザが操作する端末からネットワークに接続している他の端末に対して、当該ユーザの所望のコンテンツを所有しているか否かの問い合わせを行なう。問い合わせを受けた端末の中に該当コンテンツを所有する端末がある場合には、その端末は、当該端末のアドレス情報を含む応答結果を問い合わせ元の端末に返す。そして、ユーザが操作する端末はその応答結果に含まれるアドレス情報を用いて該当端末へアクセスして所望のコンテンツを取得し、ユーザはコンテンツを視聴することが出来る。
【0009】
しかしながら、P2Pネットワークの技術では、コンテンツデータの更新情報を例えばコンテンツ配信事業者側から端末に対して送り込む手段がなかった。また、例えばコンテンツ配信事業者側から、全ユーザに対して優先的に若しくは強制的にコンテンツを試聴させる手段がなかった。仮に、前述したRSSリーダやRSSブラウザの技術をP2P型通信に適用したとしてもユーザの端末側が主導的に更新情報を参照する形態となり、コンテンツ配信事業者側が視聴させたいコンテンツを任意のタイミングで主導的に配信し、ユーザに優先的もしくは強制的にそれを受信及び視聴させることはできなかった。
【0010】
本発明は、上記のような事情に鑑みて為されたものであり、P2P型の通信ネットワークに接続される端末装置もしくは接続可能な端末装置に対して、優先的もしくは強制的にコンテンツを視聴させることのできるコンテンツ配信装置及びそのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。また、P2P型の通信ネットワークに接続する端末装置であって上記のコンテンツ配信装置から提供されるコンテンツを優先的もしくは強制的に視聴させることができる端末装置及びそのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による端末装置は、コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積部と、ネットワーク経由で、前記コンテンツを識別する識別情報と前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を受信するブロードキャスト情報受信部と、前記ブロードキャスト情報に基づく情報を優先的に画面に表示するよう制御するブロードキャスト情報制御部と、前記ブロードキャスト情報に基づき前記コンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成するコンテンツ要求生成部と、前記コンテンツ要求情報を送出するコンテンツ要求送出部と、ネットワーク経由で、前記コンテンツ要求情報に対応するコンテンツを受信して前記コンテンツ蓄積部に書き込むコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ蓄積部から読み出した前記コンテンツを画面に表示するよう制御するコンテンツ制御部と、を備える。
【0012】
この構成によれば、外部装置がブロードキャスト情報をブロードキャストし、ブロードキャスト情報制御部はこのブロードキャスト情報を優先的に画面に表示させる。このように端末装置は外部装置からのプッシュ型のコンテンツを表示することができる。また、ブロードキャスト情報受信部が受信したこのブロードキャスト情報に基づき、コンテンツ要求生成部はコンテンツ要求情報を生成し、コンテンツ要求送出部は、このコンテンツ要求情報を送出する。そして、このコンテンツ要求情報に応じて送られてくるコンテンツをコンテンツ受信部が受信し、このコンテンツをコンテンツ制御部が画面に表示するように制御する。また、コンテンツ受信部が受信したコンテンツはコンテンツ蓄積部に書き込まれるため、この端末装置は他の外部装置から要求されたときにこのコンテンツをコンテンツ蓄積部から読み出して要求元に対して送信することができる。
通常、コンテンツのサイズよりもブロードキャスト情報のサイズのほうが圧倒的に小さいため、上記の構成によれば、コンテンツの配信を待たずにブロードキャスト情報をすばやく表示できる。
【0013】
[2]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、前記コンテンツ要求送出部は、前記ネットワークに接続している他の端末装置に対して該当するコンテンツを蓄積しているか否かを問い合わせる処理を行ない、当該他の端末装置が当該コンテンツを蓄積している場合には当該他の端末装置に対して前記コンテンツ要求情報を送信し、前記他の端末装置が当該コンテンツを蓄積していない場合には前記ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報に基づいて当該取得先の装置に対して前記コンテンツ要求情報を送信し、前記コンテンツ受信部は、前記コンテンツ要求情報を送信した先の装置から前記コンテンツを受信することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、コンテンツ要求送出部は、コンテンツ要求情報の送信に先立って、該当するコンテンツを蓄積しているか否かを他の端末装置に問い合わせる。当該他の端末装置が当該コンテンツを蓄積している場合には、コンテンツ要求送出部は、当該他の端末装置に対してコンテンツ要求情報を送信する。当該他の端末装置が当該コンテンツを蓄積していない場合には、コンテンツ要求送出部は、ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報に基づいてコンテンツ要求情報を送信する。そして、これらいずれの場合にも、コンテンツ受信部は、コンテンツ要求情報を送信した先の装置からコンテンツを受信する。従って、端末装置は、状況に応じてコンテンツの取得先を変えることができる。つまり、コンテンツ配信装置に対するコンテンツ要求が集中してしまって、コンテンツ配信装置やその周辺のネットワークなどが過負荷となることを回避できる。つまり、要求先の装置の負荷状況や、ネットワークの負荷状況や、他の端末装置がコンテンツを蓄積しているか否かなどに応じて、適した装置からコンテンツを受信することができ、負荷分散を図ることができる。
【0015】
[3]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、前記ブロードキャスト情報受信部が受信した前記ブロードキャスト情報に含まれる前記取得先情報の内容を更新し、更新済の前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で他の端末装置に対して送信するブロードキャスト情報送信部、をさらに具備することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、端末装置がブロードキャスト情報を他の端末装置に対して転送することができるため、ブロードキャスト情報の配信元である装置およびその周辺のネットワークが過負荷となることを回避できる。また、端末装置が、取得先情報の内容を更新するため、その更新された取得先情報を受信した他の端末装置からのコンテンツ要求情報は、更新前の元の取得先情報が示す装置に対して集中しない。つまり、コンテンツ要求情報の集中を回避するとともに、コンテンツ配信時の配信元装置やその周辺のネットワークの過負荷を回避することができる。つまり、負荷分散が図れる。
【0017】
[4]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、自装置の起動後に他の端末装置に対して前記ブロードキャスト情報を要求するためのブロードキャスト情報要求を送信するブロードキャスト情報要求送出部をさらに具備し、前記ブロードキャスト情報受信部は、前記ブロードキャスト情報要求を送信した先の当該他の端末装置から前記ブロードキャスト情報を受信する、ことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、端末装置は自装置の起動後にブロードキャスト情報要求を送出し、この要求に対応してブロードキャスト情報を受信する。よって、自装置起動前(つまり、電源OFFの状態)にブロードキャストされたブロードキャスト情報を、事後的に取得することができ、そのブロードキャスト情報に基づいてコンテンツを受信することができる。つまり、システム全体から見れば、配信時点(ブロードキャスト情報の配信時点)では電源がOFFとなっている端末装置に対しても、プッシュ型のコンテンツを配信することが可能となる。つまり、プッシュ型のコンテンツを確実に端末装置に配信することが可能となる。
【0019】
[5]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、前記コンテンツ要求送出部は、受信した前記ブロードキャスト情報に含まれる前記取得先情報に基づいて、当該取得先の装置に対して前記コンテンツ要求情報を送出すること、を特徴とする。
【0020】
この構成により、端末装置は、ブロードキャスト情報の配信元からコンテンツを受信するだけでなく、取得先情報によって示される装置(コンテンツ配信装置や、他の端末装置)からコンテンツを受信することができる。なお、ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報は、前記の通り、それを中継する端末装置によって更新されたものである場合がある。これにより、コンテンツ配信時のネットワークの負荷を地理的に分散することが可能となる。
【0021】
[6]また、本発明の一態様によるコンテンツ配信装置は、コンテンツと、前記コンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶するコンテンツ蓄積部と、前記コンテンツを識別する識別情報と、前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成部と、前記ブロードキャスト情報生成部が生成した前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出部と、前記ブロードキャスト情報に基づいて前記端末装置から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信部と、前記コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断部と、前記コンテンツ判断部が読み出した前記コンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出部と、を備える。
【0022】
この構成によれば、ブロードキャスト情報生成部が生成したブロードキャスト情報をブロードキャスト情報送出部が端末装置に対してブロードキャストする。これを受信した端末装置は、ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報(コンテンツの取得先情報)を参照し、この取得先情報に基づいてコンテンツ要求情報を送信する。取得先情報が当該コンテンツ配信装置をコンテンツの取得先として表わしている場合、このコンテンツ要求情報は当該コンテンツ配信装置に向けて送信される。そして、コンテンツ要求情報受信部が、端末装置からのコンテンツ要求情報を受信する。これに基づきコンテンツ判断部がコンテンツをコンテンツ蓄積部から読み出し、コンテンツ送信部がこのコンテンツを要求元の端末装置に対して送信する。コンテンツを受信した端末装置は、そのコンテンツに基づき表示を行なう。また、コンテンツの表示に先立って、ブロードキャスト情報をすばやく表示させるように制御することができる。このように、プッシュ型のコンテンツの配信を実現することができる。コンテンツ配信装置は、コンテンツ自体をブロードキャストするのではなく、コンテンツ要求情報に基づいてコンテンツを送信するようにしているため、ネットワークの負荷を軽減させることもできる。
【0023】
[7]さらに、本発明の一態様は、コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積部、を具備するコンピュータに、ネットワーク経由で、前記コンテンツを識別する識別情報と前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を受信するブロードキャスト情報受信手順と、前記ブロードキャスト情報に基づく情報を優先的に画面に表示するよう制御するブロードキャスト情報制御手順と、前記ブロードキャスト情報に基づき前記コンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成するコンテンツ要求生成手順と、前記コンテンツ要求情報を送出するコンテンツ要求送出手順と、ネットワーク経由で、前記コンテンツ要求情報に対応するコンテンツを受信して前記コンテンツ蓄積部に書き込むコンテンツ受信手順と、前記コンテンツ蓄積部から読み出した前記コンテンツを画面に表示するよう制御するコンテンツ制御手順と、の処理を実行させるためのプログラムである。
【0024】
[8]また、本発明の一態様は、コンテンツと、前記コンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶するコンテンツ蓄積部、を具備するコンピュータに、前記コンテンツを識別する識別情報と、前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成手順と、前記ブロードキャスト情報生成手順で生成した前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出手順と、前記ブロードキャスト情報に基づいて前記端末装置から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信手順と、前記コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断手順と、前記コンテンツ判断手順で読み出した前記コンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出手順と、の処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、P2Pネットワークを用いたコンテンツ配信システムにおいても、プッシュ型のコンテンツ配信が可能となる。また、コンテンツ配信の際の装置の負荷やネットワークの負荷を分散・軽減させることが可能となる。よって、ネットワークの輻輳を防止することが可能となる。
また、本発明によれば、配信時には電源OFFとなっている端末装置に対しても、その端末装置の電源がONとなった後にプッシュ型のコンテンツを配信することが可能となる。
【0026】
また、本発明によれば、コンテンツ配信事業者が提供したいコンテンツに関連するメッセージを、コンテンツ本体を取得するよりも早く優先的かつ強制的に端末に受信させ、ユーザへ提示させることが可能となる。また、メッセージを取得後にコンテンツ本体を取得させるが、輻輳回避して取得することが可能である。さらに、ネットワークに未接続だった端末にもメッセージやコンテンツを取得させ、ユーザへ提示することが可能である。また、メッセージをユーザへ提示せずとも、メッセージを取得後に自動でコンテンツ本体を強制的もしくは優先的に取得し、コンテンツ本体のみをユーザへ提示することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、この発明によるP2Pネットワークにおけるコンテンツ配信の実施形態を説明する。
なお、本実施形態において、コンテンツとは、ユーザに配信する各種の動画、静止画、音声、文字などのデータであり、その形式は任意である。また、コンテンツ配信装置とは、前記コンテンツを保管するコンピュータを備え、インターネット等の通信ネットワークに接続される装置である。また、配信事業者とは、上記のコンテンツ配信装置を介して会員側の端末装置にコンテンツを提供する事業を営む事業主体である。また、ブロードキャストとは、あるピア(装置)から特定または不特定の他の多数のピア(装置)に対してデータを送信することである。
本実施形態はP2Pネットワークでのプッシュ型コンテンツ配信に関するものである。
【0028】
図1は、P2Pネットワークによるコンテンツ配信システムのハードウェアの一構成例を示したブロック図である。同図に示すシステム全体は、コンテンツ配信事業者が保有して運営するコンテンツ配信システム200と、複数の端末装置50と、通信ネットワーク20とを含んで構成される。
【0029】
コンテンツ配信システム200は、コンテンツを配信するコンテンツ配信装置10と、ユーザの端末装置を認証する認証サーバ202と、コンテンツを蓄積し管理するコンテンツ管理サーバ203と、コンテンツ等へのアクセスに必要な鍵を管理する鍵管理サーバ204と、ユーザの情報等を管理するユーザ情報管理サーバ205とを含んで構成される。
通信ネットワーク20は、少なくともインターネット(The Internet)を含み、複数のルータ7を用いて構成されている。また、例えば携帯電話端末が携帯電話網を経由してインターネットにアクセスする場合のように、インターネット以外のネットワークからインターネットに接続する構成を含んでいてもよい。
【0030】
なお、図示するように、端末装置50は、固定受信機とディスプレイ装置とで構成される固定端末であっても良いし、携帯電話端末や携帯情報端末装置(PDA,Personal Digital Assistant)等であってもよい。各ユーザによって操作される端末装置50は、通信ネットワーク20を介してコンテンツ配信システム200に対してコンテンツ要求を発信(コンテンツの要求)したり、このコンテンツ要求に応じてコンテンツ配信システム200側から送信されるコンテンツ(コンテンツの提供)を受信したりする。また、端末装置50は、他の端末装置50との間でも、同様に通信ネットワーク20を介して、コンテンツの要求および提供のやり取りを行なう場合がある。
【0031】
図2は、P2Pネットワークによるコンテンツ配信モデルの一例を示す概略図である。この図は、ピア間の接続関係を表わすものであり、ピアの構成がツリー型の場合に対応している。このツリー型では、ピア間の接続が階層構造となってネットワークを構成している。具体的には、ピアAがツリー全体の根ノードとなっている。ピアAはコンテンツを配信する配信事業者の装置(コンテンツ配信装置)に該当する。ピアAに直接接続されているのは、ピアB,C,D,・・・・,Xである。このとき、ピアAが親であり、ピアB,C,D,・・・・,Xのそれぞれが子であるという関係にある。さらにピアBには、その子として、ピアE,F,Gが直接接続されている。またピアCには、その子として、ピアH,I,Jが直接接続されている。また、ピアD,Xなどについても同様である。このようにツリー型の構成の場合、根ノードは、1つ又は複数の子ノードに接続される。また、根ノード以外のノードは、1つの親ノードに必ず接続されるとともに、1つ又は複数の子ノードに接続されていてよい。
【0032】
図3は、P2Pネットワークによるコンテンツ配信モデルの他の例を示す概略図である。この図は、ピア間の接続関係を表わすものであり、ピアの構成がメッシュ型の場合に対応している。メッシュ型の構成においては、ツリー型の構成におけるような親−子の制約はなく、あるピアが1つ又は複数の他のピアに接続されるという一般的なグラフの構造を有している。言い換えれば、メッシュ型は、全てのピアが同等に接続しているネットワークである。この図の例では、ピア2が、配信事業者の装置(コンテンツ配信装置)に該当する。
【0033】
ツリー型の場合もメッシュ型の場合も、P2Pネットワークを構成するピア(コンテンツ配信装置や端末装置)は、アプリケーション層のP2Pプロトコルを用いて互いに通信を行ないデータのやり取りをする。このP2Pプロトコルとしては既存技術を利用することができ、また様々な形態が考えられるが、いずれの場合も、各ピアの装置がネットワーク構成の定義情報を記憶しており、このネットワーク定義情報に従って適切にデータの配信を行なう。ネットワーク構成の定義情報は、ネットワークトポロジーの情報や、各ピアのアドレス情報などを含んでいる。なお、このP2Pネットワークは、図1に示したハードウェア構成を用いて実現される。
【0034】
[配信装置の構成および動作]
図4は、コンテンツ配信装置の機能構成を示すブロック図である。図示するように、コンテンツ配信装置10は、ブロードキャスト情報登録部11と、ブロードキャスト情報生成部12と、ブロードキャスト情報蓄積部13と、ブロードキャスト情報送出部14と、コンテンツ登録部15と、コンテンツ蓄積部16と、コンテンツ要求受信部17と、コンテンツ判断部18と、コンテンツ送出部19とを含んで構成される。
なお、ブロードキャスト情報蓄積部13とコンテンツ蓄積部16はそれぞれ、半導体メモリやハードディスク装置等によって実現される記憶手段を内部に有している。
【0035】
なお、コンテンツ配信装置10は、いわゆるサーバコンピュータ装置などを用いてコンテンツ配信専用の装置として実現しても良いし、いわゆるパーソナルコンピュータや携帯電話機やPDAなどを用いたコンテンツ受信用の端末装置が配信機能をも兼ね備える形で実現するようにしても良い。
【0036】
ブロードキャスト情報登録部11は、端末装置に対してブロードキャストするメッセージを登録する。このメッセージは、大規模災害発生などの緊急時配信するために配信事業者が規定する所定のメッセージ(テキスト情報の電文)である。
ブロードキャスト情報生成部12は、ユーザへ配信するためのブロードキャスト情報を生成する。このブロードキャスト情報は、コンテンツを識別する識別情報と、このコンテンツの取得先情報とを含んだものである。
ブロードキャスト情報蓄積部13は、過去に生成され配信されたブロードキャスト情報を蓄積する。
ブロードキャスト情報送出部14は、ブロードキャスト情報生成部12が生成したブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストする(送出する)。
【0037】
コンテンツ登録部15は、動画、静止画、音声、文字などのデータを含むコンテンツを登録する。
コンテンツ蓄積部16は、コンテンツと、そのコンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶する。ユーザ(端末装置)からのコンテンツ要求があった際には、このコンテンツ蓄積部16から該当するコンテンツが読み出され要求元の端末装置に対して提供できるようになっている。
【0038】
コンテンツ要求受信部17(コンテンツ要求情報受信部)は、ユーザからのコンテンツ要求を受け付ける。
コンテンツ判断部18は、ユーザから要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか否かを確認し、そのコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されている場合は該当するコンテンツをコンテンツ蓄積部16から取得する(読み出す)。
コンテンツ送出部19は、通信ネットワークを介して、コンテンツ判断部18で取得されたコンテンツを端末装置に対して送出する。
【0039】
図5は、コンテンツが災害情報である場合のブロードキャスト情報の内容の一例を示した概略図である。この図に示すブロードキャスト情報はXML形式で記述されており、その内容には、(1)メッセージタイプ、(2)メッセージ本文、(3)コンテンツのタイムスタンプが含まれている。これらのうち、メッセージタイプは例えば整数値で表わされ、図示する例では「1」は地震情報、「2」は台風情報、「3」は津波情報、「4」は大雨情報(以下、説明省略)にそれぞれ対応している。また、メッセージ本文は、コンテンツに関する情報を表わしており、例えば、コンテンツのタイトル、ジャンル、詳細情報などの情報や、コンテンツのID(識別子,識別情報)、バージョン、タイムスタンプなどの情報や、コンテンツの取得先の情報を含む。また、コンテンツのタイムスタンプは、メッセージの生成時刻を表わす情報である。
【0040】
図6は、コンテンツがニュース、お天気情報、お薦め番組情報等である場合のブロードキャスト情報の内容の一例を示した概略図である。この図に示すブロードキャスト情報もXML形式で記述されており、図5に示したブロードキャスト情報と同様に、その内容には、(1)メッセージタイプ、(2)メッセージ本文、(3)コンテンツのタイムスタンプが含まれている。このうち、メッセージタイプの値としては、「1」はニュース情報に、「2」はお天気情報に、「3」はお薦め番組情報に(以下、説明省略)、それぞれ対応している。また、メッセージ本文およびコンテンツのタイムスタンプは、図5におけるそれらと同様である。
【0041】
図7は、コンテンツ(コンテンツデータ)のデータ構成の一例を示す概略図である。このデータはMP4ファイルのボックス構造を有している。つまり、このデータは、コンテンツ本体(MPEG4形式)と、コンテンツの属性情報を表わすコンテンツ情報と、コンテンツのライセンスに関する情報を表わすライセンス情報と、コンテンツのサムネール画像のデータを保持するサムネール画像の各項目により構成される。
【0042】
図8は、図7に示したコンテンツ情報のさらに詳細なデータ内容を示す概略図である。図示するように、コンテンツ情報は、Box(ボックス)サイズ4バイトのデータである「cinf」によって間接的にアドレシングされたXML形式のデータである。このデータの内容(属性情報)としては、コンテンツID(コンテンツの識別子)、コンテンツのタイトル、コンテンツのバージョン、コンテンツの説明コンテンツのジャンル、コンテンツに関するキーワード、コンテンツのサムネール画像の存在場所を表わすURL(Uniform Resource Locator)、コンテンツの作成日時、コンテンツのサイズ(データサイズ)、コンテンツの分割数など、分割コンテンツの所有状況、等を含む。
【0043】
図9は、図7に示したライセンス情報のさらに詳細なデータ内容を示す概略図である。図示するように、ライセンス情報は、Boxサイズ4バイトのデータである「clic」によって間接的にアドレシングされたXML形式のデータである。このデータの内容(ライセンス情報)としては、コンテンツの有効期間、コンテンツを閲覧することのできる年齢に関する制約情報である年齢制限、コンテンツの再生回数、コンテンツの複製回数、コンテンツの著作権表示、等を含む。
【0044】
図10は、図7に示したサムネール画像データ内容を示す概略図である。図示するように、サムネール画像は、Boxサイズ4バイトのデータである「thum」によって間接的にアドレスシングされたデータであり、その内容は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の静止画像データである。
【0045】
図11は、コンテンツ配信装置10による処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、コンテンツ配信装置10の動作を説明する。
【0046】
まずステップS802において、コンテンツ配信装置10のブロードキャスト情報登録部11が、ブロードキャスト情報の入力を受け、ブロードキャスト情報をブロードキャスト情報蓄積部13に登録する。ここで登録される情報の内容は、ブロードキャスト情報を送出するために必要なメッセージのタイプや、メッセージの本文などの情報である。メッセージのタイプとは、例えば、地震情報、台風情報、津波情報、大雨情報などの種別を表わす情報である。また、メッセージ本文には、コンテンツに関連する情報が含まれる。メッセージ本文に含まれる情報とは、例えば、コンテンツのタイトル、コンテンツのジャンル、コンテンツの詳細情報、コンテンツの識別子(識別情報)、コンテンツのバージョン、コンテンツのタイムスタンプ、有効期間、コンテンツの取得先などである。
【0047】
次に、ステップS803において、ブロードキャスト情報生成部12は、過去に同一のブロードキャスト情報があるか否かの判定を行う。このとき、ブロードキャスト情報生成部12は、ブロードキャスト情報蓄積部13に蓄積されている過去のブロードキャスト情報を参照し、同一のものがあるかないか判断する。その結果、同一のものがあれば(ステップS803:YES)ステップS804に進み、同一のものがなければ(ステップS803:NO)ステップS805に進む。
ステップS804においては、ブロードキャスト情報生成部12は、ブロードキャスト情報蓄積部13から、必要とされるブロードキャスト情報をXMLの形式で取得する。
【0048】
ステップS805においては、ブロードキャスト情報生成部12は、送出するためのブロードキャスト情報を生成する。このとき生成するブロードキャスト情報には、ステップS802において登録したメッセージタイプやメッセージ本体とともに、このブロードキャスト情報を生成した際のタイムスタンプの情報を付与する。
そしてステップS806において、ブロードキャスト情報生成部12は、上で生成したブロードキャスト情報をブロードキャスト情報蓄積部13に保存する。
【0049】
次にステップS807において、ブロードキャスト情報送出部14は、ステップS804において取得されたブロードキャスト情報、或いはステップS805において生成されたブロードキャスト情報を、送出する。送出されたブロードキャスト情報は、ネットワークを介して端末装置によって受信される。ここで、ブロードキャスト情報は、コンテンツ配信装置10と多数の端末装置によって構成されるP2Pネットワークを介して、各端末装置に伝送される。なお、ブロードキャスト情報の伝送については、後で端末装置側の処理としても説明する。
【0050】
次にステップS808において、コンテンツ要求受信部17が、ネットワークを介して、端末装置(ユーザ側)からのコンテンツ要求を受信する。なお、端末装置がコンテンツ要求を送信する処理については、後で端末装置の処理としても説明する。
そしてステップS809において、コンテンツ判断部18は、該当するコンテンツが要求元の端末装置へのライセンス情報とともにコンテンツ蓄積部16に蓄積されているか否かを判断する。当該端末装置へのライセンス情報とともに該当するコンテンツがある場合(ステップS809:YES)はそのままステップS810に進み、該当するコンテンツがない場合或いはそのコンテンツが当該端末装置にライセンスされていない場合(ステップS809:YES)はステップS810とS811の処理をスキップしてこのフローチャート全体の処理を終了する。
【0051】
ステップS810においては、コンテンツ判断部18が、コンテンツ蓄積部16からそのコンテンツを取得する。
そしてステップS811において、コンテンツ送出部19は、コンテンツ判断部18が取得したコンテンツをユーザの端末装置に向けて送出する。
ステップS811の処理が終了すると、コンテンツ配信装置10は、このフローチャート全体の処理を終了する。
【0052】
図12は、上述した一連の処理手順(ステップS802からS811まで)の変形例を示すフローチャートである。この図12に示す処理手順が上の図11に示した処理手順と異なる点は、ステップS803の判断結果がYESとなった場合である。この変形例においては、ステップS803でYESとなった場合、つまり同一のブロードキャスト情報がある場合、そのブロードキャスト情報を取得して送出するのではなく、そのままこのフローチャートの処理を終了する。なお、図11に示した手順を用いるか図12に示した手順を用いるかは、適宜設計により決める。あるいは、装置への設定値に応じていずれかの動作をするようにする。
【0053】
なお、コンテンツ登録部15は、事前にコンテンツのデータ(動画、静止画、音声、文字などのデータ、及びそのライセンス情報)の入力があったときに、このデータを登録する。つまり、コンテンツ登録部15は、コンテンツデータをコンテンツ蓄積部16に書き込む。また、コンテンツ蓄積部16は、コンテンツ登録部15によって登録されたコンテンツを蓄積する。
【0054】
[端末装置の構成および動作]
図13は、端末装置の機能構成を示すブロック図である。図示するように、端末装置は、電源入力部51と、ブロードキャスト情報要求送出部52と、ブロードキャスト情報受信部53と、ブロードキャスト情報制御部54と、ブロードキャスト情報蓄積部55と、コンテンツ要求生成部56と、コンテンツ要求送出部57と、ライセンス受信部58と、ライセンス蓄積部59と、コンテンツ制御部60と、ライセンス要求送出部61と、コンテンツ受信部62と、コンテンツ蓄積部63と、表示部64とを含んで構成される。
なお、ブロードキャスト情報蓄積部55と、ライセンス蓄積部59と、コンテンツ蓄積部63はそれぞれ、半導体メモリやハードディスク装置等によって実現される記憶手段を内部に有している。
【0055】
以下、端末装置50の主要な構成要素の機能を説明する。
電源入力部51は、端末装置50の回路全体に電力を供給する電源に接続されており、この電源の投入(ON状態となる)または切断(OFF状態となる)を行う。また、電源入力部51は、自装置の起動後に(つまり、電源が投入された際に)、その旨を表わす信号をブロードキャスト情報要求送信部52に対して渡す。
【0056】
ブロードキャスト情報要求送出部52は、電源入力部51から自装置の起動の信号を受けたときに、ネットワークを介して、コンテンツ配信装置10及び周囲の端末装置50に対して、最新もしくは有効なブロードキャスト情報の要求を行うためのデータを送信する。
ブロードキャスト情報受信部53は、コンテンツ配信装置10或いは周囲の端末装置50から送信されてくるブロードキャスト情報を受信する。
【0057】
ブロードキャスト情報制御部54は、受信されたブロードキャスト情報を、過去にブロードキャスト情報蓄積部55に蓄積済みのブロードキャスト情報と比較照合する。また、ブロードキャスト情報制御部54は、そのブロードキャスト情報に記述されたメッセージの種別を確認する。さらに、ブロードキャスト情報制御部54は、受信したブロードキャスト情報と比較照合結果とメッセージ種別の確認結果とを表示部64に表示させるように制御するとともに、ブロードキャスト情報の比較照合結果とメッセージ種別の確認結果とに応じて、そのブロードキャスト情報に対応したコンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報をコンテンツ要求生成部56に生成させるように制御する。
ブロードキャスト情報蓄積部55は、ブロードキャスト情報受信部53によって受信されブロードキャスト情報制御部54から渡されたブロードキャスト情報を、蓄積する。
【0058】
コンテンツ要求生成部56は、上記のブロードキャスト情報制御部54による制御に基づいて、ブロードキャスト情報に対応するコンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成し、この生成したコンテンツ要求情報をコンテンツ要求送出部57に渡す。
コンテンツ要求送出部57は、コンテンツ要求生成部56から受け取ったコンテンツ要求情報を、通信ネットワーク20を介して、コンテンツの取得先で示される装置に対して送信する。
【0059】
コンテンツ受信部62は、上記のコンテンツ要求情報に対する応答として、コンテンツ(このコンテンツにはライセンス情報が含まれていることもある)を受信し、コンテンツ蓄積部63に書き込む。
コンテンツ蓄積部63は、コンテンツ受信部62が受信したコンテンツを蓄積する。
【0060】
コンテンツ制御部60は、コンテンツ蓄積部63に蓄積されたコンテンツについて、そのライセンスを所有しているか否か(ライセンスの有無)を判断する。コンテンツ制御部60は、ライセンス蓄積部59に蓄積されているライセンス情報を参照することにより、或いはライセンス情報がコンテンツに含まれている場合にはそのライセンス情報を参照することにより、上記の判断を行なう。当外端末装置50がライセンスを所有し、かつライセンス条件に合致している場合には、コンテンツ制御部60は、そのコンテンツを表示器64に表示させる制御を行なう。また、ライセンスを所有していない場合、或いはライセンスを所有していてもライセンス条件に合致していない場合は、コンテンツ制御部60は、ライセンス要求を作成し、このライセンス要求をライセンス要求送出部61に渡す。
【0061】
ライセンス要求送出部61は、コンテンツ制御部60から受け取ったライセンス要求を、ネットワークを介して送出する。なお、このライセンス要求の送信先は、必ずしもコンテンツの取得先とは限らない。通常は、ライセンス要求の送信先は、コンテンツ配信装置10である。
ライセンス受信部58は、上記のライセンス要求に対する応答としてネットワーク経由で送られてくるライセンス情報を受信する。また、ライセンス受信部58は、ライセンス要求を送信した場合に限らず、随時他の装置から送られてくるライセンス情報を受信する場合もある。
ライセンス蓄積部59は、ライセンス受信部58が受信したライセンス情報を蓄積する。
【0062】
表示部64は、上述したブロードキャスト情報制御部54あるいはコンテンツ制御部60による制御に応じて、ブロードキャスト情報のメッセージ等やコンテンツの表示を行う。これによりユーザは、これらの情報を閲覧することができる。
【0063】
図14は、端末装置50による処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、電源がON状態であったときに端末装置50がプッシュ型コンテンツを受信する一連の処理の手順を説明する。
【0064】
まずステップS902において、端末装置50のブロードキャスト情報受信部53は、配信事業者のコンテンツ配信装置側から送られてくるブロードキャスト情報を受信する。このとき、ブロードキャスト情報受信部53は、コンテンツ配信装置から直接(コンテンツ配信装置からのIPパケット等で)ブロードキャスト情報を受信する場合もあり、またブロードキャスト情報を転送する他の端末装置50からブロードキャスト情報を受信する場合もある。
そしてステップS903において、ブロードキャスト情報制御部54は、ブロードキャスト情報蓄積部55に蓄積されている取得済みのブロードキャスト情報と照合し、受信したブロードキャスト情報が最新のものであるかどうか判断する。最新のものであれば(ステップS903:YES)、次のステップS905に進む。最新のものでなければ(ステップS903:NO)、このフローチャート全体の処理を終了する。
【0065】
ステップS905に進んだ場合、同ステップにおいて、ブロードキャスト情報制御部54は、受信したブロードキャスト情報をブロードキャスト情報蓄積部55に蓄積する。
そしてステップS906において、ブロードキャスト情報制御部54は、そのブロードキャスト情報を表示部64に表示させる。なお、ブロードキャスト情報制御部54は、この情報を優先的に表示部64に表示させる制御を行なう。ここで「優先的に」とは、例えば、そのときに既に表示部64に表示されている情報がある場合においても、ポップアップ等の画面制御により、元々表示されていた情報よりも本手順で受信したブロードキャスト情報を画面上に一時的に上載せして表示させることである。これにより、プッシュ型の情報配信が実現される。また、本手順により、端末装置が複数件のブロードキャスト情報を受信した場合には、その時系列に従って到着順に順次上載せ表示するように制御しても良い。
【0066】
そして次にステップS907において、コンテンツ要求生成部56は、そのブロードキャスト情報に対応するコンテンツの要求を行うためのコンテンツ要求情報を生成する。
【0067】
そしてステップS908において、コンテンツ要求送出部57は、上で生成されたコンテンツ要求を送出する。このとき、コンテンツ要求送出部57は、まず他のユーザの端末装置が該当するコンテンツを所有(蓄積)しているかどうかの確認を行なう。他の端末装置のいずれかが該当するコンテンツを蓄積しているという応答を送ってきた場合には、コンテンツ要求送出部57はその端末装置に対してコンテンツ要求情報を送信する。確認先の端末装置のいずれもが該当するコンテンツを蓄積していない場合には、コンテンツ要求送出部57は、ブロードキャスト情報に含まれていたコンテンツの取得先情報を参照し、その取得先情報が表わす装置(この装置は、コンテンツ配信装置10、または他の端末装置50である)に対してコンテンツ要求情報を送信する。
【0068】
ここで、端末装置が他の端末装置に対して該当コンテンツを所有しているか否かを確認する処理手順の詳細を説明する。
まず、確認を行う対象となる端末装置は、a)自端末装置と直接接続している他の端末装置、b)端末装置のユーザ情報や通信履歴情報などを基にして、P2Pネットワークにおいて自律的にグループ化されたグループの範囲に含まれる端末装置、もしくはc)配信事業者によって決められたグループ(例えば、ユーザの地域、年代、性別、共通の興味など)の範囲に含まれる端末装置など、適宜定められた端末装置である。これらの接続状況或いはグループの構成は、適宜、端末装置内部に記憶されており、その情報を参照することによって確認先の端末装置が定まる。
次に、この確認を行なう方法について説明する。前提として、全ての端末装置は自らが所有しているコンテンツの一覧をXML形式のコンテンツリストとして所有(記憶)している。このコンテンツリストには、コンテンツのID(識別子)、コンテンツ名、ジャンルなどの情報が記述されている。このコンテンツリストは、端末装置においてP2Pアプリケーション(P2Pネットワークの通信を行なうためのソフトウェア)が起動された際に作成され、保持するコンテンツやライセンスなどに変化があった場合には更新される。
そして、確認を求める側の端末装置は、所望のコンテンツについて前記範囲の端末装置に対してメッセージを送信する。確認を求められた側の端末装置は、上記のコンテンツリストを参照することにより、求められたコンテンツを自端末装置が蓄積しているか否かを判断し、確認を求めた側の端末装置に対してその結果を応答する。確認を求めた側の端末装置は、このようにして、他の端末装置が該当のコンテンツを蓄積しているか田舎の情報を得る。
【0069】
ステップS908での確認の結果、そのコンテンツを所有している他の端末装置があれば、コンテンツ受信部62が、その端末装置から該当するコンテンツを受信する。また、その端末装置が該当するコンテンツを所有していない場合には、さらに他の端末装置から或いはコンテンツ配信装置から当該コンテンツを受信する。
コンテンツを受信した後、ステップS910において、コンテンツ受信部62は、そのコンテンツをコンテンツ蓄積部63に蓄積する。
【0070】
そしてステップS911において、コンテンツ制御部60は、ライセンス蓄積部59に蓄積されているライセンス情報を参照することにより、上で受診され蓄積されたコンテンツをユーザが視聴するライセンスがあるか否かを判断する。そして、ライセンスがなければ(ステップS911:NO)、ステップS912に進む。ライセンスがあれば(ステップS911:YES)ステップS915に進む。
【0071】
ステップS912に進んだ場合、同ステップにおいて、ライセンス要求送出部61がそのコンテンツに対するライセンスを要求する情報を生成し、ネットワークを介して、コンテンツ配信事業者のサーバに対してその要求を送信する。
そして、ステップS913において、ライセンス受信部58が、コンテンツ配信事業者のサーバから送信されたライセンス情報を受信する。
ステップS914においては、ライセンス受信部58は、受信したライセンス情報をライセンス蓄積部59に蓄積する。
そして、ステップS914の処理が完了すると、ステップS911に戻る。
【0072】
ステップS911での判断の結果、ステップS915に進んだ場合は、同ステップにおいて、コンテンツ制御部60がコンテンツ蓄積部63から該当するコンテンツを読み出し、表示部64に表示させる。
以上で、端末装置50は、このフローチャートの処理を終了する。
【0073】
図15は、端末装置50による別の処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、端末装置50の電源がOFF状態のときにコンテンツ配信サーバからコンテンツが配信されていた場合において、端末装置50の電源がON状態になった後にそのコンテンツを取得する処理の手順を示している。以下、このフローチャートに沿って、その場合に端末装置50がプッシュ型コンテンツを受信する一連の処理の手順を説明する。
【0074】
まず、ステップS1002において、ユーザによるスイッチ等の操作に基づき、電源入力部51は、端末装置50全体に供給される電源をON状態にする。
電源がON状態となると(つまり端末装置50(自装置)の起動後に)、ステップS1003において、ブロードキャスト情報要求送出部52は、P2Pネットワークに接続している他の端末装置に対して、ブロードキャスト情報要求を送出する。
【0075】
他の端末装置は、最新のブロードキャスト情報を所有している場合には、これに応じてブロードキャスト情報を返送する。
ステップS1004において、ブロードキャスト情報受信部53は、そのブロードキャスト情報を受信する。
以下、ステップS1005からS1017までの各ステップの処理はいずれも、図14に示したフローチャートにおけるステップS903からS915までの処理にそれぞれ対応し、同様の処理である。よって、ここではその詳細な説明を省略する。
【0076】
<ブロードキャスト情報の端末装置間での転送、およびその際の書き換え>
次に、端末装置50が、コンテンツ配信装置からのブロードキャスト情報を他の端末装置50に転送する処理について説明する。
ブロードキャスト情報は、コンテンツ配信装置10から端末装置50に直接送信される場合と、端末装置50が中継してさらに他の端末装置50に転送する場合とがある。そして、端末装置50がブロードキャスト情報を中継して転送する場合には、ブロードキャスト情報に含まれているコンテンツの参照情報(コンテンツの取得先情報)を書き換えることができる。その処理の詳細は次の通りである。
【0077】
端末装置50がブロードキャスト情報を転送する先の他の端末装置の範囲は、次の通りである。即ち、a)自端末装置がP2Pネットワークで直接接続している他の端末装置、b)P2Pプロトコルで定義されているピアグループの範囲内であり、かつ通信ネットワークに接続している全ての他の端末装置、c)P2Pプロトコルよりも上位に位置するグループであって、P2Pプロトコルを利用するアプリケーション層にて定義されるグループ(このグループは、ユーザの興味範囲、視聴履歴、地域、年代、性別などに基づくものである。このグループは時間経過とともに動的に変化しても良い)の範囲内であり、かつ通信ネットワークに接続している全ての他の端末装置、のいずれか。
【0078】
そして、端末装置50が、コンテンツの参照情報を書き換える処理の前提として、ブロードキャスト情報の中には、コンテンツの参照情報の書き換え可否を示すフラグ情報が含まれている。端末装置50は、このフラグ情報を基に、そのブロードキャスト情報の中に記載されたコンテンツの参照情報を書き換えるかどうかの判断を行うことができる。
【0079】
コンテンツ配信装置10は、自装置及びその周辺のネットワークの構成では多数の端末装置50からの直接のコンテンツ要求には応じきれないと判断される場合には、上記のフラグ情報を「ON」(コンテンツの参照情報の書き換え可を意味する)としてブロードキャスト情報を送信する。上記において、コンテンツ配信装置10が端末装置50からのコンテンツ要求に応じきれるか否かの判断は、自装置の処理能力やネットワークの許容トラフィック量等に応じて予め設定された要求数指標と、実際に発生するコンテンツ要求の数の予測値(この予測値は、P2Pネットワークの構成情報や上記のグループ構成情報等に基づいて算出される)とを比較することにより行う。
【0080】
そして、端末装置50側では、上記のフラグ情報が「ON」となっているブロードキャスト情報を受信した際には、コンテンツの参照先を自端末装置や他の端末装置に適宜書き換える。
このため、端末装置50は、ブロードキャスト情報受信部53が受信したブロードキャスト情報に含まれる取得先情報の内容を更新し、更新済のブロードキャスト情報をネットワーク経由で他の端末装置に対して送信するブロードキャスト情報送信部(図13には図示せず)をさらに備えるようにする。
【0081】
なお、端末装置50は、単にブロードキャスト情報の中のコンテンツ参照情報の書き換え可否フラグだけに基づくのではなく、サービスの提供エリアにも基づいてコンテンツ参照情報の書き換えを行なうか否かを判断するようにしても良い。ここで、サービスの提供エリアとは、そのブロードキャスト情報に対応するコンテンツが表示される地域である。このサービス提供エリアは、例えばコンテンツ毎に予め定められ、サービス提供エリアの情報を含んだブロードキャスト情報がコンテンツ配信装置10から配信される。また、各々の端末装置50は、自装置の位置情報を設定情報から取得したり(固定端末装置の場合)、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を基に算出される現在位置情報を取得したり(携帯端末装置等の場合)して、これを上記のサービス提供エリアの情報と照合することにより、自装置がサービス提供エリア内であるか否かを判断する。そして、端末装置50は、自装置がサービス提供エリア内であって且つ書き換え可否フラグが「ON」の場合に限ってコンテンツの参照情報の書き換えを行ない、それ以外の場合にはコンテンツの参照情報の書き換えを行なわない。
【0082】
さらに、端末装置50は、ブロードキャスト情報の中のコンテンツ参照情報を書き換える場合には、そのコンテンツを保持していることが確実な或いは保持している可能性が高い端末装置(自端末装置または他の端末装置)のアドレスを用いて、コンテンツ参照情報を更新するようにしても良い。この場合、端末装置50は、P2Pネットワークの構成情報として予め設定された情報に基づき、当該コンテンツを保持していることが確実な或いは保持している可能性が高い端末装置の情報を得る。
【0083】
<コンテンツ要求を受けた端末装置がコンテンツを送出する処理>
次に、端末装置50が、他の端末装置50からのコンテンツ要求に応じて、該当するコンテンツを送出する処理の手順について説明する。
【0084】
このように、他の端末装置に対してコンテンツを送出する状況が生じるのは次のような場合である。即ち、a)自端末装置がブロードキャスト情報を他の端末装置に転送する際に、コンテンツの参照情報を、自端末装置のアドレスに書き換え、そのブロードキャスト情報を受けた端末装置からコンテンツ要求が届いた場合、b)他の端末装置がブロードキャスト情報をさらに他の端末装置に転送する際に、コンテンツの参照情報を自端末装置のアドレスに書き換え、そのブロードキャスト情報を受けた端末装置からコンテンツ要求が届いた場合、c)前述した方法により、他の端末装置から自端末装置に対して、特定のコンテンツを保有しているか否かの確認の要求を受け、自端末装置が記憶するコンテンツリストに当該コンテンツが含まれており、当該他の端末装置に対して肯定的な応答をした場合、などである。
これらの場合に、コンテンツ要求を受けた端末装置50は、当該コンテンツを自装置のコンテンツ蓄積部63から読み出して、TCP/IP等の通信プロトコルにより、要求元である他の端末装置に対して送信する。
【0085】
<ブロードキャスト情報要求を受けた端末装置による処理>
図15に示した処理手順のステップS1003において、端末装置はブロードキャスト情報要求を他の端末に対して送出する。このとき、そのブロードキャスト情報要求を受けた側の端末装置の処理について、以下に説明する。
【0086】
前述の通り、各々の端末装置は、受信したブロードキャスト情報をブロードキャスト情報蓄積部55に蓄積している。そして、ブロードキャスト情報の中には、当該メッセージの生成時刻の情報や有効期限の情報が含まれている。ブロードキャスト情報要求を受けた端末装置は、自装置のシステムクロックから得られる現在時刻と、自装置に蓄積しているブロードキャスト情報の中のメッセージ生成時刻情報およびメッセージ有効期限情報とを比較することにより、その時点で有効なブロードキャスト情報を抽出し、そのブロードキャスト情報を要求元の端末装置に対して送信する。このとき、もしその時点で有効なブロードキャスト情報がない場合には、その端末装置は、要求元の端末装置に対して、有効なブロードキャスト情報は存在しないことを表わすメッセージを送信する。
【0087】
<画面表示例>
図16および図17は、それぞれ、端末装置がプッシュ型コンテンツを受信して、提示した場合の画面のイメージを示す概略図である。
【0088】
図16は、災害情報(図5に示したブロードキャスト情報に対応するコンテンツ)を表示した例である。災害情報とは、地震や津波や台風などの大規模災害が発生した場合にコンテンツ配信装置10から配信されるコンテンツである。
図16に例示する表示画面100には、端末装置50の表示部64が前述のプッシュ型コンテンツを表示するための領域として、表示領域101と表示領域102とが設けられている。表示領域102は、プッシュ型コンテンツ映像再生表示部分である。さらに、「お薦め番組一覧」を表示する表示領域103が設けられている。端末装置50は、まずブロードキャスト情報を受信すると、表示領域101がポップアップするように画面を制御し、そのブロードキャスト情報に含まれるメッセージ種別の情報に基づいてメッセージの表示を行なう。つまり、この情報は表示領域103の情報よりは優先的かつ強制的に表示されている。そして、端末装置50は、そのブロードキャスト情報に対応する映像コンテンツを受信できた後に、その映像コンテンツを表示領域102に表示させる制御を行なう。
【0089】
図17は、ニュース、お天気情報、お薦め番組情報等(図6に示したブロードキャスト情報に対応するコンテンツ)を表示した例である。ニュース、お天気情報、お薦め番組情報等は、随時、コンテンツ配信装置10から配信されるコンテンツである。図17に例示する表示画面110には、「お薦め番組一覧」を表示する表示領域111と、プッシュ型配信コンテンツの映像を再生表示する表示領域112と、お天気情報を表示する表示領域113と、ニュースを表示する表示領域114とが設けられている。お薦め番組の情報や、お天気の情報や、ニュースの情報などは、プッシュ型コンテンツとして随時コンテンツ配信装置10から配信され、これをコンテンツ配信装置10から直接、或いは他の端末装置を経由して受信した端末装置50は、常に最新のプッシュ型コンテンツの情報が画面に表示されるように、表示を制御する。
【0090】
なお、上述した実施形態におけるコンテンツ配信装置や端末装置の一部または全部の機能をコンピュータプログラムを用いて実現するようにしても良い。その場合、このコンテンツ配信に係る制御等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0091】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0092】
[その他の変形例]
上述した実施形態は、P2Pネットワークを用いて、災害情報など速報性・優先度の高いコンテンツを配信した例を説明したが、その他の情報を提供するためのサービスに、本実施形態を応用することもできる。
また、ネットワークを構成する通信回線は、銅線、光ファイバ、無線など、様々な伝送媒体によって構築されていて良い。
また、端末装置の例として、固定端末装置や携帯電話端末やPDAなどを挙げたが、本発明は端末の種類に依存することはなく、その他の端末装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、インターネット等の通信ネットワークを用いたコンテンツデータの配信に利用できる。特に、P2Pネットワークにおけるプッシュ型のコンテンツ配信の仕組として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施形態によるコンテンツ配信システム、端末装置、およびネットワーク全体のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】同実施形態が用いるP2Pネットワークの構成の一例(ツリー型)を示す概略図である。
【図3】同実施形態が用いるP2Pネットワークの構成の他の一例(メッシュ型)を示す概略図である。
【図4】同実施形態によるコンテンツ配信装置の機能構成を示したブロック図である。
【図5】コンテンツが災害情報である場合の同実施形態によるブロードキャスト情報の構成例を示した概略図である。
【図6】コンテンツがニュース、お天気情報、お薦め番組情報等である場合の同実施形態によるブロードキャスト情報の構成例を示した概略図である。
【図7】同実施形態によるコンテンツデータの構成を示す概略図である。
【図8】同実施形態によるコンテンツ情報のデータ構成を示す概略図である。
【図9】同実施形態によるライセンス情報のデータ構成を示す概略図である。
【図10】同実施形態によるサムネール画像のデータ構成を示す概略図である。
【図11】同実施形態によるコンテンツ配信装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態によるコンテンツ配信装置による処理の手順の変形例を示すフローチャートである。
【図13】同実施形態による端末装置の機能構成を示すブロック図である。
【図14】同実施形態による端末装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】同実施形態による端末装置の別の処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】同実施形態による端末装置がプッシュ型コンテンツを受信して表示した場合の画面イメージを示す概略図である。
【図17】同実施形態による端末装置がプッシュ型コンテンツを受信して表示した場合の別の画面イメージを示す概略図である。
【符号の説明】
【0095】
10・・・コンテンツ配信装置
11・・・ブロードキャスト情報登録部
12・・・ブロードキャスト情報生成部
13・・・コンテンツ登録部
14・・・ブロードキャスト情報送出部
15・・・コンテンツ登録部
16・・・コンテンツ蓄積部
17・・・コンテンツ要求受信部
18・・・コンテンツ判断部
19・・・コンテンツ送出部
50・・・端末装置
51・・・電源入力部
52・・・ブロードキャスト情報要求送出部
53・・・ブロードキャスト情報受信部
54・・・ブロードキャスト情報制御部
55・・・ブロードキャスト情報蓄積部
56・・・コンテンツ要求生成部
57・・・コンテンツ要求送出部
58・・・ライセンス受信部
59・・・ライセンス蓄積部
60・・・コンテンツ制御部
61・・・ライセンス要求送出部
62・・・コンテンツ受信部
63・・・コンテンツ蓄積部
64・・・表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを用いてコンテンツデータを配信するためのコンテンツ配信装置、端末装置、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、通信ネットワークを用いたクライアント−サーバ型による、ダウンロードコンテンツやストリーミングコンテンツの配信サービスが拡大している。しかし、コンテンツ配信事業者が大規模なサービス、大規模なユーザ数を想定すると、大規模なシステム構築やシステムに直結するネットワークのインフラストラクチャ整備などに、莫大なコストが必要となったり、アクセスの集中によるサーバやネットワークの負荷増大の問題が生じたりしてしまう。
【0003】
これらの問題の解決策として、P2P(ピア・トゥ・ピア,peer-to-peer)ネットワークを用いたコンテンツ配信技術が注目されてきている(非特許文献1参照)。例えば、世界では、P2P技術を用いた無料電話サービスや、無料でストリーミング型のコンテンツ配信を行うサービスや、ダウンロード型のコンテンツ配信を行うサービスなどが行われている。また、日本国内でも様々な事業者が、P2P技術を用いて、エンドユーザ向けのコンテンツ配信サービスやB2B(ビジネス・トゥ・ビジネス,business-to-business)向けサービスを行っている。
【0004】
P2P技術は、サーバからの情報トラフィック量を極力減らすとともに端末間でコンテンツのやり取りなどを行うため、システムやネットワークインフラストラクチャの構築の規模を抑えられるだけでなく、輻輳によってかかるサーバ負荷やネットワーク負荷を大幅に軽減することが出来るという特徴をもつ。
【0005】
このように、コンテンツ配信事業者にはメリットのあるP2P技術であるが、ネットワーク全体を流れるP2P配信コンテンツの総量が変化するわけではないので、現状では通信事業者にとってメリットのある仕組みであるとは言えない。また、P2P技術によるコンテンツ配信の普及とともに、ネットワーク全体を流れるコンテンツの総量においてP2Pコンテンツが占める割合が高くなってきている。そのため、通信事業者の中では、P2Pコンテンツを制限したり、ネットワークのコスト負担の公正性を検討したりしようという動きが出ている。
【0006】
総務省は、平成18年度からネットワークの中立性に関する懇談会を開催し、P2Pネットワークの在り方等に関する議論を行い、平成19年9月20日に最終報告をまとめた(非特許文献2参照)。また、P2Pネットワーク実験協議会は、P2Pネットワークによるコンテンツ配信のガイドラインの策定や既存サービスの検証実験を行なったり、シンポジウムなどを開催して将来のP2Pネットワークのあり方に関する議論を行なったりしている(非特許文献3参照)。ここには、大学などを含む研究機関や、コンテンツホルダーや、既存の配信事業者などが参加するとともに、総務省もオブザーバーとして参加している。
【0007】
一方で、インターネットの世界では、webサイトの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するためのデータフォーマットとして、XML(エクステンシブル・マークアップ言語,Extensible Markup Language)をベースとしたRSS(リッチ・サイト・サマリー,Rich Site Summary)が使われている。このRSSは、主に、サイトの更新情報を公開するのに使われている。RSSで記述する文書には、webサイトのタイトルや、アドレスや、更新時刻などを記述することが出来る。RSSを用いることで、多数のサイトの更新情報を統一的に把握することが出来る。このようなRSSによるサイト更新情報を利用するために、指定したサイトの更新情報をまとめたwebページを作成するソフトウェア(RSSブラウザ)や、パーソナルコンピュータのデスクトップ画面に更新情報を表示するティッカーソフトウェア(RSSリーダ)などが開発されている。なお、これらRSSブラウザやRSSリーダのソフトウェアを用いる場合には、ユーザ側の装置が主導的にサーバ装置等にアクセスすることによってサイトの更新情報を取得する。
【非特許文献1】「特集 P2Pアーキテクチャ」,株式会社アスキー,UNIX MAGAZINE,2006年10月号.
【非特許文献2】「ネットワークの中立性に関する懇談会」,[online],総務省,[2008年5月1日検索],インターネット<URL:http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/network_churitsu/index.html>
【非特許文献3】「P2Pネットワーク実験協議会」,[online],財団法人マルチメディア振興センター,[2008年5月1日検索],インターネット<URL:http://www.fmmc.or.jp/P2P/about.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
P2Pネットワークによるコンテンツ配信においては、ユーザが操作する端末からネットワークに接続している他の端末に対して、当該ユーザの所望のコンテンツを所有しているか否かの問い合わせを行なう。問い合わせを受けた端末の中に該当コンテンツを所有する端末がある場合には、その端末は、当該端末のアドレス情報を含む応答結果を問い合わせ元の端末に返す。そして、ユーザが操作する端末はその応答結果に含まれるアドレス情報を用いて該当端末へアクセスして所望のコンテンツを取得し、ユーザはコンテンツを視聴することが出来る。
【0009】
しかしながら、P2Pネットワークの技術では、コンテンツデータの更新情報を例えばコンテンツ配信事業者側から端末に対して送り込む手段がなかった。また、例えばコンテンツ配信事業者側から、全ユーザに対して優先的に若しくは強制的にコンテンツを試聴させる手段がなかった。仮に、前述したRSSリーダやRSSブラウザの技術をP2P型通信に適用したとしてもユーザの端末側が主導的に更新情報を参照する形態となり、コンテンツ配信事業者側が視聴させたいコンテンツを任意のタイミングで主導的に配信し、ユーザに優先的もしくは強制的にそれを受信及び視聴させることはできなかった。
【0010】
本発明は、上記のような事情に鑑みて為されたものであり、P2P型の通信ネットワークに接続される端末装置もしくは接続可能な端末装置に対して、優先的もしくは強制的にコンテンツを視聴させることのできるコンテンツ配信装置及びそのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。また、P2P型の通信ネットワークに接続する端末装置であって上記のコンテンツ配信装置から提供されるコンテンツを優先的もしくは強制的に視聴させることができる端末装置及びそのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による端末装置は、コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積部と、ネットワーク経由で、前記コンテンツを識別する識別情報と前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を受信するブロードキャスト情報受信部と、前記ブロードキャスト情報に基づく情報を優先的に画面に表示するよう制御するブロードキャスト情報制御部と、前記ブロードキャスト情報に基づき前記コンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成するコンテンツ要求生成部と、前記コンテンツ要求情報を送出するコンテンツ要求送出部と、ネットワーク経由で、前記コンテンツ要求情報に対応するコンテンツを受信して前記コンテンツ蓄積部に書き込むコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ蓄積部から読み出した前記コンテンツを画面に表示するよう制御するコンテンツ制御部と、を備える。
【0012】
この構成によれば、外部装置がブロードキャスト情報をブロードキャストし、ブロードキャスト情報制御部はこのブロードキャスト情報を優先的に画面に表示させる。このように端末装置は外部装置からのプッシュ型のコンテンツを表示することができる。また、ブロードキャスト情報受信部が受信したこのブロードキャスト情報に基づき、コンテンツ要求生成部はコンテンツ要求情報を生成し、コンテンツ要求送出部は、このコンテンツ要求情報を送出する。そして、このコンテンツ要求情報に応じて送られてくるコンテンツをコンテンツ受信部が受信し、このコンテンツをコンテンツ制御部が画面に表示するように制御する。また、コンテンツ受信部が受信したコンテンツはコンテンツ蓄積部に書き込まれるため、この端末装置は他の外部装置から要求されたときにこのコンテンツをコンテンツ蓄積部から読み出して要求元に対して送信することができる。
通常、コンテンツのサイズよりもブロードキャスト情報のサイズのほうが圧倒的に小さいため、上記の構成によれば、コンテンツの配信を待たずにブロードキャスト情報をすばやく表示できる。
【0013】
[2]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、前記コンテンツ要求送出部は、前記ネットワークに接続している他の端末装置に対して該当するコンテンツを蓄積しているか否かを問い合わせる処理を行ない、当該他の端末装置が当該コンテンツを蓄積している場合には当該他の端末装置に対して前記コンテンツ要求情報を送信し、前記他の端末装置が当該コンテンツを蓄積していない場合には前記ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報に基づいて当該取得先の装置に対して前記コンテンツ要求情報を送信し、前記コンテンツ受信部は、前記コンテンツ要求情報を送信した先の装置から前記コンテンツを受信することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、コンテンツ要求送出部は、コンテンツ要求情報の送信に先立って、該当するコンテンツを蓄積しているか否かを他の端末装置に問い合わせる。当該他の端末装置が当該コンテンツを蓄積している場合には、コンテンツ要求送出部は、当該他の端末装置に対してコンテンツ要求情報を送信する。当該他の端末装置が当該コンテンツを蓄積していない場合には、コンテンツ要求送出部は、ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報に基づいてコンテンツ要求情報を送信する。そして、これらいずれの場合にも、コンテンツ受信部は、コンテンツ要求情報を送信した先の装置からコンテンツを受信する。従って、端末装置は、状況に応じてコンテンツの取得先を変えることができる。つまり、コンテンツ配信装置に対するコンテンツ要求が集中してしまって、コンテンツ配信装置やその周辺のネットワークなどが過負荷となることを回避できる。つまり、要求先の装置の負荷状況や、ネットワークの負荷状況や、他の端末装置がコンテンツを蓄積しているか否かなどに応じて、適した装置からコンテンツを受信することができ、負荷分散を図ることができる。
【0015】
[3]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、前記ブロードキャスト情報受信部が受信した前記ブロードキャスト情報に含まれる前記取得先情報の内容を更新し、更新済の前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で他の端末装置に対して送信するブロードキャスト情報送信部、をさらに具備することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、端末装置がブロードキャスト情報を他の端末装置に対して転送することができるため、ブロードキャスト情報の配信元である装置およびその周辺のネットワークが過負荷となることを回避できる。また、端末装置が、取得先情報の内容を更新するため、その更新された取得先情報を受信した他の端末装置からのコンテンツ要求情報は、更新前の元の取得先情報が示す装置に対して集中しない。つまり、コンテンツ要求情報の集中を回避するとともに、コンテンツ配信時の配信元装置やその周辺のネットワークの過負荷を回避することができる。つまり、負荷分散が図れる。
【0017】
[4]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、自装置の起動後に他の端末装置に対して前記ブロードキャスト情報を要求するためのブロードキャスト情報要求を送信するブロードキャスト情報要求送出部をさらに具備し、前記ブロードキャスト情報受信部は、前記ブロードキャスト情報要求を送信した先の当該他の端末装置から前記ブロードキャスト情報を受信する、ことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、端末装置は自装置の起動後にブロードキャスト情報要求を送出し、この要求に対応してブロードキャスト情報を受信する。よって、自装置起動前(つまり、電源OFFの状態)にブロードキャストされたブロードキャスト情報を、事後的に取得することができ、そのブロードキャスト情報に基づいてコンテンツを受信することができる。つまり、システム全体から見れば、配信時点(ブロードキャスト情報の配信時点)では電源がOFFとなっている端末装置に対しても、プッシュ型のコンテンツを配信することが可能となる。つまり、プッシュ型のコンテンツを確実に端末装置に配信することが可能となる。
【0019】
[5]また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、前記コンテンツ要求送出部は、受信した前記ブロードキャスト情報に含まれる前記取得先情報に基づいて、当該取得先の装置に対して前記コンテンツ要求情報を送出すること、を特徴とする。
【0020】
この構成により、端末装置は、ブロードキャスト情報の配信元からコンテンツを受信するだけでなく、取得先情報によって示される装置(コンテンツ配信装置や、他の端末装置)からコンテンツを受信することができる。なお、ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報は、前記の通り、それを中継する端末装置によって更新されたものである場合がある。これにより、コンテンツ配信時のネットワークの負荷を地理的に分散することが可能となる。
【0021】
[6]また、本発明の一態様によるコンテンツ配信装置は、コンテンツと、前記コンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶するコンテンツ蓄積部と、前記コンテンツを識別する識別情報と、前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成部と、前記ブロードキャスト情報生成部が生成した前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出部と、前記ブロードキャスト情報に基づいて前記端末装置から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信部と、前記コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断部と、前記コンテンツ判断部が読み出した前記コンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出部と、を備える。
【0022】
この構成によれば、ブロードキャスト情報生成部が生成したブロードキャスト情報をブロードキャスト情報送出部が端末装置に対してブロードキャストする。これを受信した端末装置は、ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報(コンテンツの取得先情報)を参照し、この取得先情報に基づいてコンテンツ要求情報を送信する。取得先情報が当該コンテンツ配信装置をコンテンツの取得先として表わしている場合、このコンテンツ要求情報は当該コンテンツ配信装置に向けて送信される。そして、コンテンツ要求情報受信部が、端末装置からのコンテンツ要求情報を受信する。これに基づきコンテンツ判断部がコンテンツをコンテンツ蓄積部から読み出し、コンテンツ送信部がこのコンテンツを要求元の端末装置に対して送信する。コンテンツを受信した端末装置は、そのコンテンツに基づき表示を行なう。また、コンテンツの表示に先立って、ブロードキャスト情報をすばやく表示させるように制御することができる。このように、プッシュ型のコンテンツの配信を実現することができる。コンテンツ配信装置は、コンテンツ自体をブロードキャストするのではなく、コンテンツ要求情報に基づいてコンテンツを送信するようにしているため、ネットワークの負荷を軽減させることもできる。
【0023】
[7]さらに、本発明の一態様は、コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積部、を具備するコンピュータに、ネットワーク経由で、前記コンテンツを識別する識別情報と前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を受信するブロードキャスト情報受信手順と、前記ブロードキャスト情報に基づく情報を優先的に画面に表示するよう制御するブロードキャスト情報制御手順と、前記ブロードキャスト情報に基づき前記コンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成するコンテンツ要求生成手順と、前記コンテンツ要求情報を送出するコンテンツ要求送出手順と、ネットワーク経由で、前記コンテンツ要求情報に対応するコンテンツを受信して前記コンテンツ蓄積部に書き込むコンテンツ受信手順と、前記コンテンツ蓄積部から読み出した前記コンテンツを画面に表示するよう制御するコンテンツ制御手順と、の処理を実行させるためのプログラムである。
【0024】
[8]また、本発明の一態様は、コンテンツと、前記コンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶するコンテンツ蓄積部、を具備するコンピュータに、前記コンテンツを識別する識別情報と、前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成手順と、前記ブロードキャスト情報生成手順で生成した前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出手順と、前記ブロードキャスト情報に基づいて前記端末装置から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信手順と、前記コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断手順と、前記コンテンツ判断手順で読み出した前記コンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出手順と、の処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、P2Pネットワークを用いたコンテンツ配信システムにおいても、プッシュ型のコンテンツ配信が可能となる。また、コンテンツ配信の際の装置の負荷やネットワークの負荷を分散・軽減させることが可能となる。よって、ネットワークの輻輳を防止することが可能となる。
また、本発明によれば、配信時には電源OFFとなっている端末装置に対しても、その端末装置の電源がONとなった後にプッシュ型のコンテンツを配信することが可能となる。
【0026】
また、本発明によれば、コンテンツ配信事業者が提供したいコンテンツに関連するメッセージを、コンテンツ本体を取得するよりも早く優先的かつ強制的に端末に受信させ、ユーザへ提示させることが可能となる。また、メッセージを取得後にコンテンツ本体を取得させるが、輻輳回避して取得することが可能である。さらに、ネットワークに未接続だった端末にもメッセージやコンテンツを取得させ、ユーザへ提示することが可能である。また、メッセージをユーザへ提示せずとも、メッセージを取得後に自動でコンテンツ本体を強制的もしくは優先的に取得し、コンテンツ本体のみをユーザへ提示することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、この発明によるP2Pネットワークにおけるコンテンツ配信の実施形態を説明する。
なお、本実施形態において、コンテンツとは、ユーザに配信する各種の動画、静止画、音声、文字などのデータであり、その形式は任意である。また、コンテンツ配信装置とは、前記コンテンツを保管するコンピュータを備え、インターネット等の通信ネットワークに接続される装置である。また、配信事業者とは、上記のコンテンツ配信装置を介して会員側の端末装置にコンテンツを提供する事業を営む事業主体である。また、ブロードキャストとは、あるピア(装置)から特定または不特定の他の多数のピア(装置)に対してデータを送信することである。
本実施形態はP2Pネットワークでのプッシュ型コンテンツ配信に関するものである。
【0028】
図1は、P2Pネットワークによるコンテンツ配信システムのハードウェアの一構成例を示したブロック図である。同図に示すシステム全体は、コンテンツ配信事業者が保有して運営するコンテンツ配信システム200と、複数の端末装置50と、通信ネットワーク20とを含んで構成される。
【0029】
コンテンツ配信システム200は、コンテンツを配信するコンテンツ配信装置10と、ユーザの端末装置を認証する認証サーバ202と、コンテンツを蓄積し管理するコンテンツ管理サーバ203と、コンテンツ等へのアクセスに必要な鍵を管理する鍵管理サーバ204と、ユーザの情報等を管理するユーザ情報管理サーバ205とを含んで構成される。
通信ネットワーク20は、少なくともインターネット(The Internet)を含み、複数のルータ7を用いて構成されている。また、例えば携帯電話端末が携帯電話網を経由してインターネットにアクセスする場合のように、インターネット以外のネットワークからインターネットに接続する構成を含んでいてもよい。
【0030】
なお、図示するように、端末装置50は、固定受信機とディスプレイ装置とで構成される固定端末であっても良いし、携帯電話端末や携帯情報端末装置(PDA,Personal Digital Assistant)等であってもよい。各ユーザによって操作される端末装置50は、通信ネットワーク20を介してコンテンツ配信システム200に対してコンテンツ要求を発信(コンテンツの要求)したり、このコンテンツ要求に応じてコンテンツ配信システム200側から送信されるコンテンツ(コンテンツの提供)を受信したりする。また、端末装置50は、他の端末装置50との間でも、同様に通信ネットワーク20を介して、コンテンツの要求および提供のやり取りを行なう場合がある。
【0031】
図2は、P2Pネットワークによるコンテンツ配信モデルの一例を示す概略図である。この図は、ピア間の接続関係を表わすものであり、ピアの構成がツリー型の場合に対応している。このツリー型では、ピア間の接続が階層構造となってネットワークを構成している。具体的には、ピアAがツリー全体の根ノードとなっている。ピアAはコンテンツを配信する配信事業者の装置(コンテンツ配信装置)に該当する。ピアAに直接接続されているのは、ピアB,C,D,・・・・,Xである。このとき、ピアAが親であり、ピアB,C,D,・・・・,Xのそれぞれが子であるという関係にある。さらにピアBには、その子として、ピアE,F,Gが直接接続されている。またピアCには、その子として、ピアH,I,Jが直接接続されている。また、ピアD,Xなどについても同様である。このようにツリー型の構成の場合、根ノードは、1つ又は複数の子ノードに接続される。また、根ノード以外のノードは、1つの親ノードに必ず接続されるとともに、1つ又は複数の子ノードに接続されていてよい。
【0032】
図3は、P2Pネットワークによるコンテンツ配信モデルの他の例を示す概略図である。この図は、ピア間の接続関係を表わすものであり、ピアの構成がメッシュ型の場合に対応している。メッシュ型の構成においては、ツリー型の構成におけるような親−子の制約はなく、あるピアが1つ又は複数の他のピアに接続されるという一般的なグラフの構造を有している。言い換えれば、メッシュ型は、全てのピアが同等に接続しているネットワークである。この図の例では、ピア2が、配信事業者の装置(コンテンツ配信装置)に該当する。
【0033】
ツリー型の場合もメッシュ型の場合も、P2Pネットワークを構成するピア(コンテンツ配信装置や端末装置)は、アプリケーション層のP2Pプロトコルを用いて互いに通信を行ないデータのやり取りをする。このP2Pプロトコルとしては既存技術を利用することができ、また様々な形態が考えられるが、いずれの場合も、各ピアの装置がネットワーク構成の定義情報を記憶しており、このネットワーク定義情報に従って適切にデータの配信を行なう。ネットワーク構成の定義情報は、ネットワークトポロジーの情報や、各ピアのアドレス情報などを含んでいる。なお、このP2Pネットワークは、図1に示したハードウェア構成を用いて実現される。
【0034】
[配信装置の構成および動作]
図4は、コンテンツ配信装置の機能構成を示すブロック図である。図示するように、コンテンツ配信装置10は、ブロードキャスト情報登録部11と、ブロードキャスト情報生成部12と、ブロードキャスト情報蓄積部13と、ブロードキャスト情報送出部14と、コンテンツ登録部15と、コンテンツ蓄積部16と、コンテンツ要求受信部17と、コンテンツ判断部18と、コンテンツ送出部19とを含んで構成される。
なお、ブロードキャスト情報蓄積部13とコンテンツ蓄積部16はそれぞれ、半導体メモリやハードディスク装置等によって実現される記憶手段を内部に有している。
【0035】
なお、コンテンツ配信装置10は、いわゆるサーバコンピュータ装置などを用いてコンテンツ配信専用の装置として実現しても良いし、いわゆるパーソナルコンピュータや携帯電話機やPDAなどを用いたコンテンツ受信用の端末装置が配信機能をも兼ね備える形で実現するようにしても良い。
【0036】
ブロードキャスト情報登録部11は、端末装置に対してブロードキャストするメッセージを登録する。このメッセージは、大規模災害発生などの緊急時配信するために配信事業者が規定する所定のメッセージ(テキスト情報の電文)である。
ブロードキャスト情報生成部12は、ユーザへ配信するためのブロードキャスト情報を生成する。このブロードキャスト情報は、コンテンツを識別する識別情報と、このコンテンツの取得先情報とを含んだものである。
ブロードキャスト情報蓄積部13は、過去に生成され配信されたブロードキャスト情報を蓄積する。
ブロードキャスト情報送出部14は、ブロードキャスト情報生成部12が生成したブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストする(送出する)。
【0037】
コンテンツ登録部15は、動画、静止画、音声、文字などのデータを含むコンテンツを登録する。
コンテンツ蓄積部16は、コンテンツと、そのコンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶する。ユーザ(端末装置)からのコンテンツ要求があった際には、このコンテンツ蓄積部16から該当するコンテンツが読み出され要求元の端末装置に対して提供できるようになっている。
【0038】
コンテンツ要求受信部17(コンテンツ要求情報受信部)は、ユーザからのコンテンツ要求を受け付ける。
コンテンツ判断部18は、ユーザから要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか否かを確認し、そのコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されている場合は該当するコンテンツをコンテンツ蓄積部16から取得する(読み出す)。
コンテンツ送出部19は、通信ネットワークを介して、コンテンツ判断部18で取得されたコンテンツを端末装置に対して送出する。
【0039】
図5は、コンテンツが災害情報である場合のブロードキャスト情報の内容の一例を示した概略図である。この図に示すブロードキャスト情報はXML形式で記述されており、その内容には、(1)メッセージタイプ、(2)メッセージ本文、(3)コンテンツのタイムスタンプが含まれている。これらのうち、メッセージタイプは例えば整数値で表わされ、図示する例では「1」は地震情報、「2」は台風情報、「3」は津波情報、「4」は大雨情報(以下、説明省略)にそれぞれ対応している。また、メッセージ本文は、コンテンツに関する情報を表わしており、例えば、コンテンツのタイトル、ジャンル、詳細情報などの情報や、コンテンツのID(識別子,識別情報)、バージョン、タイムスタンプなどの情報や、コンテンツの取得先の情報を含む。また、コンテンツのタイムスタンプは、メッセージの生成時刻を表わす情報である。
【0040】
図6は、コンテンツがニュース、お天気情報、お薦め番組情報等である場合のブロードキャスト情報の内容の一例を示した概略図である。この図に示すブロードキャスト情報もXML形式で記述されており、図5に示したブロードキャスト情報と同様に、その内容には、(1)メッセージタイプ、(2)メッセージ本文、(3)コンテンツのタイムスタンプが含まれている。このうち、メッセージタイプの値としては、「1」はニュース情報に、「2」はお天気情報に、「3」はお薦め番組情報に(以下、説明省略)、それぞれ対応している。また、メッセージ本文およびコンテンツのタイムスタンプは、図5におけるそれらと同様である。
【0041】
図7は、コンテンツ(コンテンツデータ)のデータ構成の一例を示す概略図である。このデータはMP4ファイルのボックス構造を有している。つまり、このデータは、コンテンツ本体(MPEG4形式)と、コンテンツの属性情報を表わすコンテンツ情報と、コンテンツのライセンスに関する情報を表わすライセンス情報と、コンテンツのサムネール画像のデータを保持するサムネール画像の各項目により構成される。
【0042】
図8は、図7に示したコンテンツ情報のさらに詳細なデータ内容を示す概略図である。図示するように、コンテンツ情報は、Box(ボックス)サイズ4バイトのデータである「cinf」によって間接的にアドレシングされたXML形式のデータである。このデータの内容(属性情報)としては、コンテンツID(コンテンツの識別子)、コンテンツのタイトル、コンテンツのバージョン、コンテンツの説明コンテンツのジャンル、コンテンツに関するキーワード、コンテンツのサムネール画像の存在場所を表わすURL(Uniform Resource Locator)、コンテンツの作成日時、コンテンツのサイズ(データサイズ)、コンテンツの分割数など、分割コンテンツの所有状況、等を含む。
【0043】
図9は、図7に示したライセンス情報のさらに詳細なデータ内容を示す概略図である。図示するように、ライセンス情報は、Boxサイズ4バイトのデータである「clic」によって間接的にアドレシングされたXML形式のデータである。このデータの内容(ライセンス情報)としては、コンテンツの有効期間、コンテンツを閲覧することのできる年齢に関する制約情報である年齢制限、コンテンツの再生回数、コンテンツの複製回数、コンテンツの著作権表示、等を含む。
【0044】
図10は、図7に示したサムネール画像データ内容を示す概略図である。図示するように、サムネール画像は、Boxサイズ4バイトのデータである「thum」によって間接的にアドレスシングされたデータであり、その内容は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の静止画像データである。
【0045】
図11は、コンテンツ配信装置10による処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、コンテンツ配信装置10の動作を説明する。
【0046】
まずステップS802において、コンテンツ配信装置10のブロードキャスト情報登録部11が、ブロードキャスト情報の入力を受け、ブロードキャスト情報をブロードキャスト情報蓄積部13に登録する。ここで登録される情報の内容は、ブロードキャスト情報を送出するために必要なメッセージのタイプや、メッセージの本文などの情報である。メッセージのタイプとは、例えば、地震情報、台風情報、津波情報、大雨情報などの種別を表わす情報である。また、メッセージ本文には、コンテンツに関連する情報が含まれる。メッセージ本文に含まれる情報とは、例えば、コンテンツのタイトル、コンテンツのジャンル、コンテンツの詳細情報、コンテンツの識別子(識別情報)、コンテンツのバージョン、コンテンツのタイムスタンプ、有効期間、コンテンツの取得先などである。
【0047】
次に、ステップS803において、ブロードキャスト情報生成部12は、過去に同一のブロードキャスト情報があるか否かの判定を行う。このとき、ブロードキャスト情報生成部12は、ブロードキャスト情報蓄積部13に蓄積されている過去のブロードキャスト情報を参照し、同一のものがあるかないか判断する。その結果、同一のものがあれば(ステップS803:YES)ステップS804に進み、同一のものがなければ(ステップS803:NO)ステップS805に進む。
ステップS804においては、ブロードキャスト情報生成部12は、ブロードキャスト情報蓄積部13から、必要とされるブロードキャスト情報をXMLの形式で取得する。
【0048】
ステップS805においては、ブロードキャスト情報生成部12は、送出するためのブロードキャスト情報を生成する。このとき生成するブロードキャスト情報には、ステップS802において登録したメッセージタイプやメッセージ本体とともに、このブロードキャスト情報を生成した際のタイムスタンプの情報を付与する。
そしてステップS806において、ブロードキャスト情報生成部12は、上で生成したブロードキャスト情報をブロードキャスト情報蓄積部13に保存する。
【0049】
次にステップS807において、ブロードキャスト情報送出部14は、ステップS804において取得されたブロードキャスト情報、或いはステップS805において生成されたブロードキャスト情報を、送出する。送出されたブロードキャスト情報は、ネットワークを介して端末装置によって受信される。ここで、ブロードキャスト情報は、コンテンツ配信装置10と多数の端末装置によって構成されるP2Pネットワークを介して、各端末装置に伝送される。なお、ブロードキャスト情報の伝送については、後で端末装置側の処理としても説明する。
【0050】
次にステップS808において、コンテンツ要求受信部17が、ネットワークを介して、端末装置(ユーザ側)からのコンテンツ要求を受信する。なお、端末装置がコンテンツ要求を送信する処理については、後で端末装置の処理としても説明する。
そしてステップS809において、コンテンツ判断部18は、該当するコンテンツが要求元の端末装置へのライセンス情報とともにコンテンツ蓄積部16に蓄積されているか否かを判断する。当該端末装置へのライセンス情報とともに該当するコンテンツがある場合(ステップS809:YES)はそのままステップS810に進み、該当するコンテンツがない場合或いはそのコンテンツが当該端末装置にライセンスされていない場合(ステップS809:YES)はステップS810とS811の処理をスキップしてこのフローチャート全体の処理を終了する。
【0051】
ステップS810においては、コンテンツ判断部18が、コンテンツ蓄積部16からそのコンテンツを取得する。
そしてステップS811において、コンテンツ送出部19は、コンテンツ判断部18が取得したコンテンツをユーザの端末装置に向けて送出する。
ステップS811の処理が終了すると、コンテンツ配信装置10は、このフローチャート全体の処理を終了する。
【0052】
図12は、上述した一連の処理手順(ステップS802からS811まで)の変形例を示すフローチャートである。この図12に示す処理手順が上の図11に示した処理手順と異なる点は、ステップS803の判断結果がYESとなった場合である。この変形例においては、ステップS803でYESとなった場合、つまり同一のブロードキャスト情報がある場合、そのブロードキャスト情報を取得して送出するのではなく、そのままこのフローチャートの処理を終了する。なお、図11に示した手順を用いるか図12に示した手順を用いるかは、適宜設計により決める。あるいは、装置への設定値に応じていずれかの動作をするようにする。
【0053】
なお、コンテンツ登録部15は、事前にコンテンツのデータ(動画、静止画、音声、文字などのデータ、及びそのライセンス情報)の入力があったときに、このデータを登録する。つまり、コンテンツ登録部15は、コンテンツデータをコンテンツ蓄積部16に書き込む。また、コンテンツ蓄積部16は、コンテンツ登録部15によって登録されたコンテンツを蓄積する。
【0054】
[端末装置の構成および動作]
図13は、端末装置の機能構成を示すブロック図である。図示するように、端末装置は、電源入力部51と、ブロードキャスト情報要求送出部52と、ブロードキャスト情報受信部53と、ブロードキャスト情報制御部54と、ブロードキャスト情報蓄積部55と、コンテンツ要求生成部56と、コンテンツ要求送出部57と、ライセンス受信部58と、ライセンス蓄積部59と、コンテンツ制御部60と、ライセンス要求送出部61と、コンテンツ受信部62と、コンテンツ蓄積部63と、表示部64とを含んで構成される。
なお、ブロードキャスト情報蓄積部55と、ライセンス蓄積部59と、コンテンツ蓄積部63はそれぞれ、半導体メモリやハードディスク装置等によって実現される記憶手段を内部に有している。
【0055】
以下、端末装置50の主要な構成要素の機能を説明する。
電源入力部51は、端末装置50の回路全体に電力を供給する電源に接続されており、この電源の投入(ON状態となる)または切断(OFF状態となる)を行う。また、電源入力部51は、自装置の起動後に(つまり、電源が投入された際に)、その旨を表わす信号をブロードキャスト情報要求送信部52に対して渡す。
【0056】
ブロードキャスト情報要求送出部52は、電源入力部51から自装置の起動の信号を受けたときに、ネットワークを介して、コンテンツ配信装置10及び周囲の端末装置50に対して、最新もしくは有効なブロードキャスト情報の要求を行うためのデータを送信する。
ブロードキャスト情報受信部53は、コンテンツ配信装置10或いは周囲の端末装置50から送信されてくるブロードキャスト情報を受信する。
【0057】
ブロードキャスト情報制御部54は、受信されたブロードキャスト情報を、過去にブロードキャスト情報蓄積部55に蓄積済みのブロードキャスト情報と比較照合する。また、ブロードキャスト情報制御部54は、そのブロードキャスト情報に記述されたメッセージの種別を確認する。さらに、ブロードキャスト情報制御部54は、受信したブロードキャスト情報と比較照合結果とメッセージ種別の確認結果とを表示部64に表示させるように制御するとともに、ブロードキャスト情報の比較照合結果とメッセージ種別の確認結果とに応じて、そのブロードキャスト情報に対応したコンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報をコンテンツ要求生成部56に生成させるように制御する。
ブロードキャスト情報蓄積部55は、ブロードキャスト情報受信部53によって受信されブロードキャスト情報制御部54から渡されたブロードキャスト情報を、蓄積する。
【0058】
コンテンツ要求生成部56は、上記のブロードキャスト情報制御部54による制御に基づいて、ブロードキャスト情報に対応するコンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成し、この生成したコンテンツ要求情報をコンテンツ要求送出部57に渡す。
コンテンツ要求送出部57は、コンテンツ要求生成部56から受け取ったコンテンツ要求情報を、通信ネットワーク20を介して、コンテンツの取得先で示される装置に対して送信する。
【0059】
コンテンツ受信部62は、上記のコンテンツ要求情報に対する応答として、コンテンツ(このコンテンツにはライセンス情報が含まれていることもある)を受信し、コンテンツ蓄積部63に書き込む。
コンテンツ蓄積部63は、コンテンツ受信部62が受信したコンテンツを蓄積する。
【0060】
コンテンツ制御部60は、コンテンツ蓄積部63に蓄積されたコンテンツについて、そのライセンスを所有しているか否か(ライセンスの有無)を判断する。コンテンツ制御部60は、ライセンス蓄積部59に蓄積されているライセンス情報を参照することにより、或いはライセンス情報がコンテンツに含まれている場合にはそのライセンス情報を参照することにより、上記の判断を行なう。当外端末装置50がライセンスを所有し、かつライセンス条件に合致している場合には、コンテンツ制御部60は、そのコンテンツを表示器64に表示させる制御を行なう。また、ライセンスを所有していない場合、或いはライセンスを所有していてもライセンス条件に合致していない場合は、コンテンツ制御部60は、ライセンス要求を作成し、このライセンス要求をライセンス要求送出部61に渡す。
【0061】
ライセンス要求送出部61は、コンテンツ制御部60から受け取ったライセンス要求を、ネットワークを介して送出する。なお、このライセンス要求の送信先は、必ずしもコンテンツの取得先とは限らない。通常は、ライセンス要求の送信先は、コンテンツ配信装置10である。
ライセンス受信部58は、上記のライセンス要求に対する応答としてネットワーク経由で送られてくるライセンス情報を受信する。また、ライセンス受信部58は、ライセンス要求を送信した場合に限らず、随時他の装置から送られてくるライセンス情報を受信する場合もある。
ライセンス蓄積部59は、ライセンス受信部58が受信したライセンス情報を蓄積する。
【0062】
表示部64は、上述したブロードキャスト情報制御部54あるいはコンテンツ制御部60による制御に応じて、ブロードキャスト情報のメッセージ等やコンテンツの表示を行う。これによりユーザは、これらの情報を閲覧することができる。
【0063】
図14は、端末装置50による処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、電源がON状態であったときに端末装置50がプッシュ型コンテンツを受信する一連の処理の手順を説明する。
【0064】
まずステップS902において、端末装置50のブロードキャスト情報受信部53は、配信事業者のコンテンツ配信装置側から送られてくるブロードキャスト情報を受信する。このとき、ブロードキャスト情報受信部53は、コンテンツ配信装置から直接(コンテンツ配信装置からのIPパケット等で)ブロードキャスト情報を受信する場合もあり、またブロードキャスト情報を転送する他の端末装置50からブロードキャスト情報を受信する場合もある。
そしてステップS903において、ブロードキャスト情報制御部54は、ブロードキャスト情報蓄積部55に蓄積されている取得済みのブロードキャスト情報と照合し、受信したブロードキャスト情報が最新のものであるかどうか判断する。最新のものであれば(ステップS903:YES)、次のステップS905に進む。最新のものでなければ(ステップS903:NO)、このフローチャート全体の処理を終了する。
【0065】
ステップS905に進んだ場合、同ステップにおいて、ブロードキャスト情報制御部54は、受信したブロードキャスト情報をブロードキャスト情報蓄積部55に蓄積する。
そしてステップS906において、ブロードキャスト情報制御部54は、そのブロードキャスト情報を表示部64に表示させる。なお、ブロードキャスト情報制御部54は、この情報を優先的に表示部64に表示させる制御を行なう。ここで「優先的に」とは、例えば、そのときに既に表示部64に表示されている情報がある場合においても、ポップアップ等の画面制御により、元々表示されていた情報よりも本手順で受信したブロードキャスト情報を画面上に一時的に上載せして表示させることである。これにより、プッシュ型の情報配信が実現される。また、本手順により、端末装置が複数件のブロードキャスト情報を受信した場合には、その時系列に従って到着順に順次上載せ表示するように制御しても良い。
【0066】
そして次にステップS907において、コンテンツ要求生成部56は、そのブロードキャスト情報に対応するコンテンツの要求を行うためのコンテンツ要求情報を生成する。
【0067】
そしてステップS908において、コンテンツ要求送出部57は、上で生成されたコンテンツ要求を送出する。このとき、コンテンツ要求送出部57は、まず他のユーザの端末装置が該当するコンテンツを所有(蓄積)しているかどうかの確認を行なう。他の端末装置のいずれかが該当するコンテンツを蓄積しているという応答を送ってきた場合には、コンテンツ要求送出部57はその端末装置に対してコンテンツ要求情報を送信する。確認先の端末装置のいずれもが該当するコンテンツを蓄積していない場合には、コンテンツ要求送出部57は、ブロードキャスト情報に含まれていたコンテンツの取得先情報を参照し、その取得先情報が表わす装置(この装置は、コンテンツ配信装置10、または他の端末装置50である)に対してコンテンツ要求情報を送信する。
【0068】
ここで、端末装置が他の端末装置に対して該当コンテンツを所有しているか否かを確認する処理手順の詳細を説明する。
まず、確認を行う対象となる端末装置は、a)自端末装置と直接接続している他の端末装置、b)端末装置のユーザ情報や通信履歴情報などを基にして、P2Pネットワークにおいて自律的にグループ化されたグループの範囲に含まれる端末装置、もしくはc)配信事業者によって決められたグループ(例えば、ユーザの地域、年代、性別、共通の興味など)の範囲に含まれる端末装置など、適宜定められた端末装置である。これらの接続状況或いはグループの構成は、適宜、端末装置内部に記憶されており、その情報を参照することによって確認先の端末装置が定まる。
次に、この確認を行なう方法について説明する。前提として、全ての端末装置は自らが所有しているコンテンツの一覧をXML形式のコンテンツリストとして所有(記憶)している。このコンテンツリストには、コンテンツのID(識別子)、コンテンツ名、ジャンルなどの情報が記述されている。このコンテンツリストは、端末装置においてP2Pアプリケーション(P2Pネットワークの通信を行なうためのソフトウェア)が起動された際に作成され、保持するコンテンツやライセンスなどに変化があった場合には更新される。
そして、確認を求める側の端末装置は、所望のコンテンツについて前記範囲の端末装置に対してメッセージを送信する。確認を求められた側の端末装置は、上記のコンテンツリストを参照することにより、求められたコンテンツを自端末装置が蓄積しているか否かを判断し、確認を求めた側の端末装置に対してその結果を応答する。確認を求めた側の端末装置は、このようにして、他の端末装置が該当のコンテンツを蓄積しているか田舎の情報を得る。
【0069】
ステップS908での確認の結果、そのコンテンツを所有している他の端末装置があれば、コンテンツ受信部62が、その端末装置から該当するコンテンツを受信する。また、その端末装置が該当するコンテンツを所有していない場合には、さらに他の端末装置から或いはコンテンツ配信装置から当該コンテンツを受信する。
コンテンツを受信した後、ステップS910において、コンテンツ受信部62は、そのコンテンツをコンテンツ蓄積部63に蓄積する。
【0070】
そしてステップS911において、コンテンツ制御部60は、ライセンス蓄積部59に蓄積されているライセンス情報を参照することにより、上で受診され蓄積されたコンテンツをユーザが視聴するライセンスがあるか否かを判断する。そして、ライセンスがなければ(ステップS911:NO)、ステップS912に進む。ライセンスがあれば(ステップS911:YES)ステップS915に進む。
【0071】
ステップS912に進んだ場合、同ステップにおいて、ライセンス要求送出部61がそのコンテンツに対するライセンスを要求する情報を生成し、ネットワークを介して、コンテンツ配信事業者のサーバに対してその要求を送信する。
そして、ステップS913において、ライセンス受信部58が、コンテンツ配信事業者のサーバから送信されたライセンス情報を受信する。
ステップS914においては、ライセンス受信部58は、受信したライセンス情報をライセンス蓄積部59に蓄積する。
そして、ステップS914の処理が完了すると、ステップS911に戻る。
【0072】
ステップS911での判断の結果、ステップS915に進んだ場合は、同ステップにおいて、コンテンツ制御部60がコンテンツ蓄積部63から該当するコンテンツを読み出し、表示部64に表示させる。
以上で、端末装置50は、このフローチャートの処理を終了する。
【0073】
図15は、端末装置50による別の処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、端末装置50の電源がOFF状態のときにコンテンツ配信サーバからコンテンツが配信されていた場合において、端末装置50の電源がON状態になった後にそのコンテンツを取得する処理の手順を示している。以下、このフローチャートに沿って、その場合に端末装置50がプッシュ型コンテンツを受信する一連の処理の手順を説明する。
【0074】
まず、ステップS1002において、ユーザによるスイッチ等の操作に基づき、電源入力部51は、端末装置50全体に供給される電源をON状態にする。
電源がON状態となると(つまり端末装置50(自装置)の起動後に)、ステップS1003において、ブロードキャスト情報要求送出部52は、P2Pネットワークに接続している他の端末装置に対して、ブロードキャスト情報要求を送出する。
【0075】
他の端末装置は、最新のブロードキャスト情報を所有している場合には、これに応じてブロードキャスト情報を返送する。
ステップS1004において、ブロードキャスト情報受信部53は、そのブロードキャスト情報を受信する。
以下、ステップS1005からS1017までの各ステップの処理はいずれも、図14に示したフローチャートにおけるステップS903からS915までの処理にそれぞれ対応し、同様の処理である。よって、ここではその詳細な説明を省略する。
【0076】
<ブロードキャスト情報の端末装置間での転送、およびその際の書き換え>
次に、端末装置50が、コンテンツ配信装置からのブロードキャスト情報を他の端末装置50に転送する処理について説明する。
ブロードキャスト情報は、コンテンツ配信装置10から端末装置50に直接送信される場合と、端末装置50が中継してさらに他の端末装置50に転送する場合とがある。そして、端末装置50がブロードキャスト情報を中継して転送する場合には、ブロードキャスト情報に含まれているコンテンツの参照情報(コンテンツの取得先情報)を書き換えることができる。その処理の詳細は次の通りである。
【0077】
端末装置50がブロードキャスト情報を転送する先の他の端末装置の範囲は、次の通りである。即ち、a)自端末装置がP2Pネットワークで直接接続している他の端末装置、b)P2Pプロトコルで定義されているピアグループの範囲内であり、かつ通信ネットワークに接続している全ての他の端末装置、c)P2Pプロトコルよりも上位に位置するグループであって、P2Pプロトコルを利用するアプリケーション層にて定義されるグループ(このグループは、ユーザの興味範囲、視聴履歴、地域、年代、性別などに基づくものである。このグループは時間経過とともに動的に変化しても良い)の範囲内であり、かつ通信ネットワークに接続している全ての他の端末装置、のいずれか。
【0078】
そして、端末装置50が、コンテンツの参照情報を書き換える処理の前提として、ブロードキャスト情報の中には、コンテンツの参照情報の書き換え可否を示すフラグ情報が含まれている。端末装置50は、このフラグ情報を基に、そのブロードキャスト情報の中に記載されたコンテンツの参照情報を書き換えるかどうかの判断を行うことができる。
【0079】
コンテンツ配信装置10は、自装置及びその周辺のネットワークの構成では多数の端末装置50からの直接のコンテンツ要求には応じきれないと判断される場合には、上記のフラグ情報を「ON」(コンテンツの参照情報の書き換え可を意味する)としてブロードキャスト情報を送信する。上記において、コンテンツ配信装置10が端末装置50からのコンテンツ要求に応じきれるか否かの判断は、自装置の処理能力やネットワークの許容トラフィック量等に応じて予め設定された要求数指標と、実際に発生するコンテンツ要求の数の予測値(この予測値は、P2Pネットワークの構成情報や上記のグループ構成情報等に基づいて算出される)とを比較することにより行う。
【0080】
そして、端末装置50側では、上記のフラグ情報が「ON」となっているブロードキャスト情報を受信した際には、コンテンツの参照先を自端末装置や他の端末装置に適宜書き換える。
このため、端末装置50は、ブロードキャスト情報受信部53が受信したブロードキャスト情報に含まれる取得先情報の内容を更新し、更新済のブロードキャスト情報をネットワーク経由で他の端末装置に対して送信するブロードキャスト情報送信部(図13には図示せず)をさらに備えるようにする。
【0081】
なお、端末装置50は、単にブロードキャスト情報の中のコンテンツ参照情報の書き換え可否フラグだけに基づくのではなく、サービスの提供エリアにも基づいてコンテンツ参照情報の書き換えを行なうか否かを判断するようにしても良い。ここで、サービスの提供エリアとは、そのブロードキャスト情報に対応するコンテンツが表示される地域である。このサービス提供エリアは、例えばコンテンツ毎に予め定められ、サービス提供エリアの情報を含んだブロードキャスト情報がコンテンツ配信装置10から配信される。また、各々の端末装置50は、自装置の位置情報を設定情報から取得したり(固定端末装置の場合)、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を基に算出される現在位置情報を取得したり(携帯端末装置等の場合)して、これを上記のサービス提供エリアの情報と照合することにより、自装置がサービス提供エリア内であるか否かを判断する。そして、端末装置50は、自装置がサービス提供エリア内であって且つ書き換え可否フラグが「ON」の場合に限ってコンテンツの参照情報の書き換えを行ない、それ以外の場合にはコンテンツの参照情報の書き換えを行なわない。
【0082】
さらに、端末装置50は、ブロードキャスト情報の中のコンテンツ参照情報を書き換える場合には、そのコンテンツを保持していることが確実な或いは保持している可能性が高い端末装置(自端末装置または他の端末装置)のアドレスを用いて、コンテンツ参照情報を更新するようにしても良い。この場合、端末装置50は、P2Pネットワークの構成情報として予め設定された情報に基づき、当該コンテンツを保持していることが確実な或いは保持している可能性が高い端末装置の情報を得る。
【0083】
<コンテンツ要求を受けた端末装置がコンテンツを送出する処理>
次に、端末装置50が、他の端末装置50からのコンテンツ要求に応じて、該当するコンテンツを送出する処理の手順について説明する。
【0084】
このように、他の端末装置に対してコンテンツを送出する状況が生じるのは次のような場合である。即ち、a)自端末装置がブロードキャスト情報を他の端末装置に転送する際に、コンテンツの参照情報を、自端末装置のアドレスに書き換え、そのブロードキャスト情報を受けた端末装置からコンテンツ要求が届いた場合、b)他の端末装置がブロードキャスト情報をさらに他の端末装置に転送する際に、コンテンツの参照情報を自端末装置のアドレスに書き換え、そのブロードキャスト情報を受けた端末装置からコンテンツ要求が届いた場合、c)前述した方法により、他の端末装置から自端末装置に対して、特定のコンテンツを保有しているか否かの確認の要求を受け、自端末装置が記憶するコンテンツリストに当該コンテンツが含まれており、当該他の端末装置に対して肯定的な応答をした場合、などである。
これらの場合に、コンテンツ要求を受けた端末装置50は、当該コンテンツを自装置のコンテンツ蓄積部63から読み出して、TCP/IP等の通信プロトコルにより、要求元である他の端末装置に対して送信する。
【0085】
<ブロードキャスト情報要求を受けた端末装置による処理>
図15に示した処理手順のステップS1003において、端末装置はブロードキャスト情報要求を他の端末に対して送出する。このとき、そのブロードキャスト情報要求を受けた側の端末装置の処理について、以下に説明する。
【0086】
前述の通り、各々の端末装置は、受信したブロードキャスト情報をブロードキャスト情報蓄積部55に蓄積している。そして、ブロードキャスト情報の中には、当該メッセージの生成時刻の情報や有効期限の情報が含まれている。ブロードキャスト情報要求を受けた端末装置は、自装置のシステムクロックから得られる現在時刻と、自装置に蓄積しているブロードキャスト情報の中のメッセージ生成時刻情報およびメッセージ有効期限情報とを比較することにより、その時点で有効なブロードキャスト情報を抽出し、そのブロードキャスト情報を要求元の端末装置に対して送信する。このとき、もしその時点で有効なブロードキャスト情報がない場合には、その端末装置は、要求元の端末装置に対して、有効なブロードキャスト情報は存在しないことを表わすメッセージを送信する。
【0087】
<画面表示例>
図16および図17は、それぞれ、端末装置がプッシュ型コンテンツを受信して、提示した場合の画面のイメージを示す概略図である。
【0088】
図16は、災害情報(図5に示したブロードキャスト情報に対応するコンテンツ)を表示した例である。災害情報とは、地震や津波や台風などの大規模災害が発生した場合にコンテンツ配信装置10から配信されるコンテンツである。
図16に例示する表示画面100には、端末装置50の表示部64が前述のプッシュ型コンテンツを表示するための領域として、表示領域101と表示領域102とが設けられている。表示領域102は、プッシュ型コンテンツ映像再生表示部分である。さらに、「お薦め番組一覧」を表示する表示領域103が設けられている。端末装置50は、まずブロードキャスト情報を受信すると、表示領域101がポップアップするように画面を制御し、そのブロードキャスト情報に含まれるメッセージ種別の情報に基づいてメッセージの表示を行なう。つまり、この情報は表示領域103の情報よりは優先的かつ強制的に表示されている。そして、端末装置50は、そのブロードキャスト情報に対応する映像コンテンツを受信できた後に、その映像コンテンツを表示領域102に表示させる制御を行なう。
【0089】
図17は、ニュース、お天気情報、お薦め番組情報等(図6に示したブロードキャスト情報に対応するコンテンツ)を表示した例である。ニュース、お天気情報、お薦め番組情報等は、随時、コンテンツ配信装置10から配信されるコンテンツである。図17に例示する表示画面110には、「お薦め番組一覧」を表示する表示領域111と、プッシュ型配信コンテンツの映像を再生表示する表示領域112と、お天気情報を表示する表示領域113と、ニュースを表示する表示領域114とが設けられている。お薦め番組の情報や、お天気の情報や、ニュースの情報などは、プッシュ型コンテンツとして随時コンテンツ配信装置10から配信され、これをコンテンツ配信装置10から直接、或いは他の端末装置を経由して受信した端末装置50は、常に最新のプッシュ型コンテンツの情報が画面に表示されるように、表示を制御する。
【0090】
なお、上述した実施形態におけるコンテンツ配信装置や端末装置の一部または全部の機能をコンピュータプログラムを用いて実現するようにしても良い。その場合、このコンテンツ配信に係る制御等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0091】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0092】
[その他の変形例]
上述した実施形態は、P2Pネットワークを用いて、災害情報など速報性・優先度の高いコンテンツを配信した例を説明したが、その他の情報を提供するためのサービスに、本実施形態を応用することもできる。
また、ネットワークを構成する通信回線は、銅線、光ファイバ、無線など、様々な伝送媒体によって構築されていて良い。
また、端末装置の例として、固定端末装置や携帯電話端末やPDAなどを挙げたが、本発明は端末の種類に依存することはなく、その他の端末装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、インターネット等の通信ネットワークを用いたコンテンツデータの配信に利用できる。特に、P2Pネットワークにおけるプッシュ型のコンテンツ配信の仕組として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施形態によるコンテンツ配信システム、端末装置、およびネットワーク全体のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】同実施形態が用いるP2Pネットワークの構成の一例(ツリー型)を示す概略図である。
【図3】同実施形態が用いるP2Pネットワークの構成の他の一例(メッシュ型)を示す概略図である。
【図4】同実施形態によるコンテンツ配信装置の機能構成を示したブロック図である。
【図5】コンテンツが災害情報である場合の同実施形態によるブロードキャスト情報の構成例を示した概略図である。
【図6】コンテンツがニュース、お天気情報、お薦め番組情報等である場合の同実施形態によるブロードキャスト情報の構成例を示した概略図である。
【図7】同実施形態によるコンテンツデータの構成を示す概略図である。
【図8】同実施形態によるコンテンツ情報のデータ構成を示す概略図である。
【図9】同実施形態によるライセンス情報のデータ構成を示す概略図である。
【図10】同実施形態によるサムネール画像のデータ構成を示す概略図である。
【図11】同実施形態によるコンテンツ配信装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態によるコンテンツ配信装置による処理の手順の変形例を示すフローチャートである。
【図13】同実施形態による端末装置の機能構成を示すブロック図である。
【図14】同実施形態による端末装置の処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】同実施形態による端末装置の別の処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】同実施形態による端末装置がプッシュ型コンテンツを受信して表示した場合の画面イメージを示す概略図である。
【図17】同実施形態による端末装置がプッシュ型コンテンツを受信して表示した場合の別の画面イメージを示す概略図である。
【符号の説明】
【0095】
10・・・コンテンツ配信装置
11・・・ブロードキャスト情報登録部
12・・・ブロードキャスト情報生成部
13・・・コンテンツ登録部
14・・・ブロードキャスト情報送出部
15・・・コンテンツ登録部
16・・・コンテンツ蓄積部
17・・・コンテンツ要求受信部
18・・・コンテンツ判断部
19・・・コンテンツ送出部
50・・・端末装置
51・・・電源入力部
52・・・ブロードキャスト情報要求送出部
53・・・ブロードキャスト情報受信部
54・・・ブロードキャスト情報制御部
55・・・ブロードキャスト情報蓄積部
56・・・コンテンツ要求生成部
57・・・コンテンツ要求送出部
58・・・ライセンス受信部
59・・・ライセンス蓄積部
60・・・コンテンツ制御部
61・・・ライセンス要求送出部
62・・・コンテンツ受信部
63・・・コンテンツ蓄積部
64・・・表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積部と、
ネットワーク経由で、前記コンテンツを識別する識別情報と前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を受信するブロードキャスト情報受信部と、
前記ブロードキャスト情報に基づく情報を優先的に画面に表示するよう制御するブロードキャスト情報制御部と、
前記ブロードキャスト情報に基づき前記コンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成するコンテンツ要求生成部と、
前記コンテンツ要求情報を送出するコンテンツ要求送出部と、
ネットワーク経由で、前記コンテンツ要求情報に対応するコンテンツを受信して前記コンテンツ蓄積部に書き込むコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ蓄積部から読み出した前記コンテンツを画面に表示するよう制御するコンテンツ制御部と、
を具備することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記コンテンツ要求送出部は、前記ネットワークに接続している他の端末装置に対して該当するコンテンツを蓄積しているか否かを問い合わせる処理を行ない、当該他の端末装置が当該コンテンツを蓄積している場合には当該他の端末装置に対して前記コンテンツ要求情報を送信し、前記他の端末装置が当該コンテンツを蓄積していない場合には前記ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報に基づいて当該取得先の装置に対して前記コンテンツ要求情報を送信し、
前記コンテンツ受信部は、前記コンテンツ要求情報を送信した先の装置から前記コンテンツを受信する、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記ブロードキャスト情報受信部が受信した前記ブロードキャスト情報に含まれる前記取得先情報の内容を更新し、更新済の前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で他の端末装置に対して送信するブロードキャスト情報送信部、をさらに具備することを特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の端末装置であって、
自装置の起動後に他の端末装置に対して前記ブロードキャスト情報を要求するためのブロードキャスト情報要求を送信するブロードキャスト情報要求送出部をさらに具備し、
前記ブロードキャスト情報受信部は、前記ブロードキャスト情報要求を送信した先の当該他の端末装置から前記ブロードキャスト情報を受信する、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の端末装置であって、
前記コンテンツ要求送出部は、受信した前記ブロードキャスト情報に含まれる前記取得先情報に基づいて、当該取得先の装置に対して前記コンテンツ要求情報を送出することを特徴とする端末装置。
【請求項6】
コンテンツと、前記コンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶するコンテンツ蓄積部と、
前記コンテンツを識別する識別情報と、前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成部と、
前記ブロードキャスト情報生成部が生成した前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出部と、
前記ブロードキャスト情報に基づいて前記端末装置から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信部と、
前記コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断部と、
前記コンテンツ判断部が読み出した前記コンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出部と、
を具備することを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項7】
コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積部、を具備するコンピュータに、
ネットワーク経由で、前記コンテンツを識別する識別情報と前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を受信するブロードキャスト情報受信手順と、
前記ブロードキャスト情報に基づく情報を優先的に画面に表示するよう制御するブロードキャスト情報制御手順と、
前記ブロードキャスト情報に基づき前記コンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成するコンテンツ要求生成手順と、
前記コンテンツ要求情報を送出するコンテンツ要求送出手順と、
ネットワーク経由で、前記コンテンツ要求情報に対応するコンテンツを受信して前記コンテンツ蓄積部に書き込むコンテンツ受信手順と、
前記コンテンツ蓄積部から読み出した前記コンテンツを画面に表示するよう制御するコンテンツ制御手順と、
の処理を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
コンテンツと、前記コンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶するコンテンツ蓄積部、を具備するコンピュータに、
前記コンテンツを識別する識別情報と、前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成手順と、
前記ブロードキャスト情報生成手順で生成した前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出手順と、
前記ブロードキャスト情報に基づいて前記端末装置から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信手順と、
前記コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断手順と、
前記コンテンツ判断手順で読み出した前記コンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出手順と、
の処理を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積部と、
ネットワーク経由で、前記コンテンツを識別する識別情報と前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を受信するブロードキャスト情報受信部と、
前記ブロードキャスト情報に基づく情報を優先的に画面に表示するよう制御するブロードキャスト情報制御部と、
前記ブロードキャスト情報に基づき前記コンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成するコンテンツ要求生成部と、
前記コンテンツ要求情報を送出するコンテンツ要求送出部と、
ネットワーク経由で、前記コンテンツ要求情報に対応するコンテンツを受信して前記コンテンツ蓄積部に書き込むコンテンツ受信部と、
前記コンテンツ蓄積部から読み出した前記コンテンツを画面に表示するよう制御するコンテンツ制御部と、
を具備することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記コンテンツ要求送出部は、前記ネットワークに接続している他の端末装置に対して該当するコンテンツを蓄積しているか否かを問い合わせる処理を行ない、当該他の端末装置が当該コンテンツを蓄積している場合には当該他の端末装置に対して前記コンテンツ要求情報を送信し、前記他の端末装置が当該コンテンツを蓄積していない場合には前記ブロードキャスト情報に含まれる取得先情報に基づいて当該取得先の装置に対して前記コンテンツ要求情報を送信し、
前記コンテンツ受信部は、前記コンテンツ要求情報を送信した先の装置から前記コンテンツを受信する、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記ブロードキャスト情報受信部が受信した前記ブロードキャスト情報に含まれる前記取得先情報の内容を更新し、更新済の前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で他の端末装置に対して送信するブロードキャスト情報送信部、をさらに具備することを特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の端末装置であって、
自装置の起動後に他の端末装置に対して前記ブロードキャスト情報を要求するためのブロードキャスト情報要求を送信するブロードキャスト情報要求送出部をさらに具備し、
前記ブロードキャスト情報受信部は、前記ブロードキャスト情報要求を送信した先の当該他の端末装置から前記ブロードキャスト情報を受信する、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の端末装置であって、
前記コンテンツ要求送出部は、受信した前記ブロードキャスト情報に含まれる前記取得先情報に基づいて、当該取得先の装置に対して前記コンテンツ要求情報を送出することを特徴とする端末装置。
【請求項6】
コンテンツと、前記コンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶するコンテンツ蓄積部と、
前記コンテンツを識別する識別情報と、前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成部と、
前記ブロードキャスト情報生成部が生成した前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出部と、
前記ブロードキャスト情報に基づいて前記端末装置から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信部と、
前記コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断部と、
前記コンテンツ判断部が読み出した前記コンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出部と、
を具備することを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項7】
コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積部、を具備するコンピュータに、
ネットワーク経由で、前記コンテンツを識別する識別情報と前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を受信するブロードキャスト情報受信手順と、
前記ブロードキャスト情報に基づく情報を優先的に画面に表示するよう制御するブロードキャスト情報制御手順と、
前記ブロードキャスト情報に基づき前記コンテンツを要求するためのコンテンツ要求情報を生成するコンテンツ要求生成手順と、
前記コンテンツ要求情報を送出するコンテンツ要求送出手順と、
ネットワーク経由で、前記コンテンツ要求情報に対応するコンテンツを受信して前記コンテンツ蓄積部に書き込むコンテンツ受信手順と、
前記コンテンツ蓄積部から読み出した前記コンテンツを画面に表示するよう制御するコンテンツ制御手順と、
の処理を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
コンテンツと、前記コンテンツが端末装置に対してライセンスされているか否かを表わすライセンス情報とを予め記憶するコンテンツ蓄積部、を具備するコンピュータに、
前記コンテンツを識別する識別情報と、前記コンテンツの取得先情報とを含んだブロードキャスト情報を生成するブロードキャスト情報生成手順と、
前記ブロードキャスト情報生成手順で生成した前記ブロードキャスト情報をネットワーク経由で端末装置に対してブロードキャストするブロードキャスト情報送出手順と、
前記ブロードキャスト情報に基づいて前記端末装置から送られてくるコンテンツ要求情報を受信するコンテンツ要求情報受信手順と、
前記コンテンツ蓄積部を参照することにより、要求のあったコンテンツがライセンス条件に合致し蓄積されているか確認し、ライセンス条件に合致し蓄積されていれば該コンテンツを前記コンテンツ蓄積部から読み出すコンテンツ判断手順と、
前記コンテンツ判断手順で読み出した前記コンテンツを要求元の前記端末装置に対して送信するコンテンツ送出手順と、
の処理を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【公開番号】特開2009−302975(P2009−302975A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155992(P2008−155992)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】
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