説明

コントローラ、消費電力量制御方法、およびプログラム

【課題】簡易な構成で、家電のデマンド制御を行なうことが可能なホームコントローラを提供する。
【解決手段】ホームコントローラは、複数の家電300の各々の消費電力量を表した電力データCPと、各家電において削減可能な消費電力を表した電力データRPとを記憶している。ホームコントローラは、宅外の電力系統から、宅内の消費電力を第1の割合削減または当該第1の割合以上削減することを指示した削減指示DRαを受信する。ホームコントローラは、削減指示DRαを受信したことに基づき、第1の削減割合と電力データCPと電力データRPとを用いて、宅内の消費電力を第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出する。ホームコントローラは、各家電に対して、消費電力を第2の割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラ、消費電力制御方法、およびプログラムに関する。特に、宅内における複数の家電を制御するためのコントローラ、消費電力制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力のデマンド制御を行なう装置が知られている。
たとえば、特許文献1には、上記の装置として、デマンド制御の優先度を設定するデマンド優先度設定手段および設定された優先度をコントローラに通知する優先度通知手段を、家電機器側にそれぞれ設置し、コントローラが、優先度通知手段からの優先度に従ってデマンド制御対象の家電機器の順番を決定する構成が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ユーザが契約した消費電流値を超えそうな場合、ユーザが、電波リモコンで、エアコンの電波リモコン受信部に対して、運転停止や消費電力を下げる運転に移行するような電文を送信する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−75015号公報
【特許文献2】特開2010−74591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のデマンド制御を行なう装置では、コントローラが制御対象である複数の家電を個別に制御する構成であるため、複雑な構成となってしまう。
【0006】
本願は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、簡易な構成で、家電のデマンド制御を行なうことが可能な、コントローラ、消費電力制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従うと、コントローラは、宅内における複数の家電を制御する。コントローラは、プロセッサと、複数の家電の各々の消費電力量を表した第1の電力データと、各家電において削減可能な消費電力を表した第2の電力データとを格納するためのメモリと、プロセッサに接続された通信インターフェイスとを備える。プロセッサは、通信インターフェイスを用いて、宅外の電力系統から、宅内の消費電力を第1の割合削減または当該第1の割合以上削減することを指示した第1の削減指示を受信する。プロセッサは、第1の削減指示を受信したことに基づき、第1の削減割合と第1の電力データと第2の電力データとを用いて、宅内の消費電力を第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出する。プロセッサは、通信インターフェイスを用いて、各家電に対して、消費電力を第2の割合削減することを指示した第2の削減指示を送信する。
【0008】
好ましくは、プロセッサは、第1の削減割合と第1の電力データとに基づき、宅内において削減すべき消費電力を算出する。プロセッサは、第1の削減割合を各家電に送信した場合に算出した削減すべき消費電力を削減できるか否かを、第1の削減割合と、第1の電力データと、第2の電力データとに基づいて判断する。プロセッサは、算出した削減すべき消費電力を削減できる場合には、通信インターフェイスを用いて、各家電に対して、第1の削減割合と同じ割合の消費電力の削減を指示する第3の削減指示を送信する。プロセッサは、算出した削減すべき電力量を削減できない場合には、通信インターフェイスを用いて、各家電に対して第2の削減指示を送信する。
【0009】
好ましくは、プロセッサは、電力系統から第1の削減指示を受信したことに基づき、通信インターフェイスを用いて、複数の家電の各々から、当該家電の消費電力を示した第1の要素データと、当該家電において削減可能な消費電力を示した第2の要素データとを受信する。プロセッサは、第1の要素データに基づき第1の電力データを生成する。プロセッサは、第2の要素データに基づき第2の電力データを生成する。プロセッサは、生成した第1の電力データと第2の電力データとを、メモリに格納させる。
【0010】
好ましくは、コントローラは、複数の通信制御装置に通信可能に接続されている。通信制御装置の各々は、複数の家電のうち当該通信制御装置に対応する1つの家電に通信可能に接続されている。プロセッサは、通信制御装置を介して、各家電から第1の要素データと第2の要素データとを受信する。プロセッサは、通信制御装置を介して、各家電に第2の削減指示を送信する。
【0011】
好ましくは、プロセッサは、複数の家電が設置された部屋に設置されたセンサからの出力を取得する。第2の電力データは、第1の出力に対応した電力データと、第2の出力に対応した電力データとを含む。プロセッサは、センサの出力が第1の出力の場合、第1の削減指示を受信したことに基づき、第1の削減割合と第1の電力データと第1の出力に対応した電力データとを用いて、宅内の消費電力を第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出する。プロセッサは、センサの出力が第2の出力の場合、第1の削減指示を受信したことに基づき、第1の削減割合と第1の電力データと第2の出力に対応した電力データとを用いて、宅内の消費電力を第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出する。
【0012】
本発明の他の局面に従うと、消費電力制御方法は、宅内における複数の家電を制御するコントローラにおける、各家電の消費電力制御方法である。消費電力制御方法は、コントローラが、宅外の電力系統から、宅内の消費電力を第1の割合削減または当該第1の割合以上削減することを指示した第1の削減指示を受信するステップと、コントローラが、第1の削減指示を受信したことに基づき、第1の削減割合と、複数の家電の各々の消費電力量を表した第1の電力データと、各家電において削減可能な消費電力を表した第2の電力データとを用いて、宅内の消費電力を第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出するステップと、コントローラが、各家電に対して、消費電力を第2の割合削減することを指示した第2の削減指示を送信するステップとを備える。
【0013】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、宅内における複数の家電を制御するコントローラを制御するためのプログラムである。プログラムは、宅外の電力系統から、宅内の消費電力を第1の割合削減または当該第1の割合以上削減することを指示した第1の削減指示を受信するステップと、第1の削減指示を受信したことに基づき、第1の削減割合と、複数の家電の各々の消費電力量を表した第1の電力データと、各家電において削減可能な消費電力を表した第2の電力データとを用いて、宅内の消費電力を第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出するステップと、各家電に対して、消費電力を第2の割合削減することを指示した第2の削減指示を送信するステップとを、コントローラのプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な構成で、家電のデマンド制御を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】通信システムの概略構成を説明するための図である。
【図2】ホームコントローラの処理の概要を説明するための図である。
【図3】スマートメータのハードウェア構成を表した図である。
【図4】ホームコントローラの構成を説明するための図である。
【図5】エアーコンディショナについての消費電力の測定結果を表した図である。
【図6】冷蔵庫についての消費電力の測定結果を表した図である。
【図7】照明装置についての消費電力の測定結果を表した図である。
【図8】テレビについての消費電力の測定結果を表した図である。
【図9】通信システムにおけるシーケンスチャートを示した図である。
【図10】ホームコントローラにおける処理の流れを表したフローチャートである。
【図11】他の通信システムを説明するための図である。
【図12】さらに他の通信システムの概略構成を説明するための図である。
【図13】通信アダプタの構成と家電の構成とを説明するための図である。
【図14】通信アダプタのハードウェア構成を表した図である。
【図15】上記通信システムにおけるシーケンスチャートを示した図である。
【図16】さらに他の通信システムを説明するための図である。
【図17】さらに他の通信システムを説明するための図である。
【図18】さらに他の通信システムの概略構成を説明するための図である。
【図19】センサと家電との対応関係を説明するための図である。
【図20】ホームコントローラが利用するデータテーブルを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る通信システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0017】
<A.システム構成>
図1は、通信システム1の概略構成を説明するための図である。図1を参照して、通信システム1は、スマートメータ10と、ホームコントローラ20と、家電群30とを備える。家電群30は、複数の家電を含む。家電群30は、たとえば、エアーコンディショナ301と、冷蔵庫302と、照明装置303と、テレビ304と、洗濯機305と、電子レンジ306とを含む。スマートメータ10は、建物9の外(宅外)に設置されている。ホームコントローラ20と、家電群30とは、建物9の中(宅内)に設置されている。なお、以下では、説明の便宜上、家電群30に含まれる各家電301〜306を区別することなく表す場合には、「家電300」と表記する。
【0018】
なお、家電群30は、エアーコンディショナ301と、冷蔵庫302と、照明装置303と、テレビ304と、洗濯機305と、電子レンジ306とを含むが、特にこられに限定されるものではない。たとえば、家電群30は、IH(Induction Heating)調理器、炊飯器、電気暖房機、電子ブラインド、床暖房、電気温水器等の電気機器を含んでもよい。
【0019】
スマートメータ10は、通信機能を有する電力量計である。スマートメータ10は、ホームコントローラ20と通信可能に接続されている。スマートメータ10は、各家電300と電力線により各家電300に給電可能に接続されている。スマートメータ10は、電力会社8の発電所80が発電した電力を、電力系統81を介して受電する。
【0020】
スマートメータ10は、家電300毎の消費電力を算出する。スマートメータ10は、算出した消費電力を、家電300毎の識別子と関連付けて、ホームコントローラ20に送る。
【0021】
スマートメータ10は、電力会社8から、建物9における消費(使用)電力(以下、単に「消費電力」と称する)を削減するための削減指示DRαを受信する。典型的には、スマートメータ10は、電力会社8から、建物9における予め定められた時間当たりの消費(使用)電力(以下、単に「消費電力」と称する)を削減するための削減指示DRαを受信する。より正確には、スマートメータ10は、電力会社8から、建物9における単位時間当たりの消費電力量(電力×時間)を削減するための削減指示DRαを受信する。
【0022】
スマートメータ10は、受信した削減指示DRαをホームコントローラ20に送信する。削減指示DRαとしては、消費電力を或る割合(たとえば2割(20パーセント))削減するための指示、消費電力を或る割合以上削減するための指示が挙げられる。以下では、説明の便宜上、削減指示DRαとして、消費電力を或る割合削減するための指示をスマートメータ10が受信する場合を例に挙げて説明する。
【0023】
ホームコントローラ20は、各家電300を制御するためのコントローラである。ホームコントローラ20は、スマートメータ10および各家電300と通信可能に接続されている。ホームコントローラ20は、スマートメータ10から受信した削減指示DRαに対して予め定められたプロトコル変換を行なうことにより、家電群30が利用可能な削減指示DRβを生成する。詳しくは、ホームコントローラ20は、削減指示DRαと後述する電力データCP,RPとに基づいて、削減指示DRβを生成する。ホームコントローラ20は、削減指示DRβとして、削減指示DRαに示された削減割合と同じ割合(たとえば2割)、あるいは当該削減割合よりも多い割合(たとえば3割)の消費電力を削減するための指示を生成する。削減指示DRβの生成の手法については、後述する(図2等)。ホームコントローラ20は、削減指示DRβを各家電300に送信する。つまり、ホームコントローラ20は、各家電300に対して、各々同じ割合の消費電力を削減することを指示する。
【0024】
ホームコントローラ20は、スマートメータ10を介して各家電300から当該家電の消費電力を表した電力データを受信する。具体的には、ホームコントローラ20は、エアーコンディショナ301から、エアーコンディショナ301の消費電力を表した電力データCP−1を受信する。また、ホームコントローラ20は、冷蔵庫302から、冷蔵庫302の消費電力を表した電力データCP−2を受信する。以下同様に、ホームコントローラ20は、家電303,304,305,306から、それぞれ、当該家電303,304,305,306の消費電力を表した電力データCP−3,CP−4,CP−5,CP−6を受信する。
【0025】
また、ホームコントローラ20は、各家電300から当該家電の削減可能電力を表した電力データを受信する。具体的には、ホームコントローラ20は、エアーコンディショナ301から、エアーコンディショナ301の削減可能電力を表した電力データRP−1を受信する。また、ホームコントローラ20は、冷蔵庫302から、冷蔵庫302の削減可能電力を表した電力データRP−2を受信する。以下同様に、ホームコントローラ20は、家電303,304,305,306から、それぞれ、当該家電303,304,305,306の削減可能電力を表した電力データRP−3,RP−4,RP−5,RP−6を受信する。
【0026】
上述した電力データCPは、複数の家電300の各々の消費電力量を表したデータである。ホームコントローラ20は、電力データCP−1〜CP−6を用いて、電力データCPを生成する。つまり、電力データCP−1〜CP−6の各々は、電力データCPを構成する要素データである。ホームコントローラ20は、電力データCP−1〜CP−6を各家電の識別子と対応付けて記憶する。たとえば、ホームコントローラ20は、電力データCP−1をエアーコンディショナ301の識別子と対応付けて記憶する。
【0027】
また、上述した電力データRPは、各家電300において削減可能な消費電力を表したデータである。ホームコントローラ20は、電力データRP−1〜RP−6を用いて、電力データRPを生成する。つまり、電力データRP−1〜RP−6の各々は、電力データRPを構成する要素データである。ホームコントローラ20は、電力データRP−1〜RP−6を各家電の識別子と対応付けて記憶する。たとえば、ホームコントローラ20は、電力データRP−1をエアーコンディショナ301の識別子と対応付けて記憶する。
【0028】
上述したように、ホームコントローラ20が、削減指示DRβとして、削減指示DRαに示された削減割合よりも多い割合の消費電力を削減するための指示を生成する理由は、以下のとおりである。たとえば、エアーコンディショナ301は、冷房運転時には、送風運転への切り換え、運転停止などにより、指示された割合以上の消費電力の削減が可能である。一方、冷蔵庫302は、庫内の設定温度を上昇させることは可能であるが、上昇幅には限度がある。また、洗濯機305も運転を取り止めることは適切でないため、消費電力の削減には限度がある。このような理由等から、電力会社8から指示された割合だけ消費電力が削減されていない状態が発生してしまう。それゆえ、削減可能な消費電力が多い家電に、より多くの消費電力の削減を実行してもらうため、ホームコントローラ20は、上記のように、削減指示DRαに示された削減割合よりも多い割合の消費電力を削減するための指示を生成する。
【0029】
各家電300は、スマートメータ10を介して受電する。各家電300は、ホームコントローラ20からの削減指示DRβを受信する。各家電300は、削減指示DRβに基づき動作状態を変更する。一例として、エアーコンディショナ301は、冷房運転時には設定温度を上げ、暖房運転時には設定温度を下げる。
【0030】
<B.概要>
図2は、ホームコントローラ20の処理の概要を説明するための図である。ホームコントローラ20は、電力会社8からの削減指示DRαを、スマートメータ10を介して取得する(ブロック281参照)。以下では、一例として、削減指示DRαが宅内の消費電力を20%削減することを指示するものであるとして説明する。
【0031】
ホームコントローラ20は、データテーブル291を記憶している。詳しくは、ホームコントローラ20は、複数の家電301〜306の各々の消費電力量を表した電力データCPと、各家電301〜306において削減可能な消費電力を表した電力データRPとを記憶している。なお、上述したように、電力データCPは、要素データである電力データCP−1〜CP6により構成される。また、電力データRPは、要素データである電力データRP−1〜RP6により構成される。
【0032】
ホームコントローラ20は、各家電301〜306の消費電力の合計(以下、「総消費電力」とも称する)を求める。具体的には、電力データCP−1〜CP−6における電力の合計を求める。データテーブル291の場合には、1800W(=800W+50W+100W+200W+150W+500W)となる(ブロック282参照)。
【0033】
ホームコントローラ20は、総消費電力における削減指示DRαに示された20%の電力を求めることにより、削減すべき電力を求める。具体的には、ホームコントローラ20は、1800Wに0.2を乗ずることによって、削減すべき電力(360W)を求める(ブロック283参照)。
【0034】
次に、データテーブル292について説明する。データテーブル292は、ホームコントローラ20が、電力データCP、RPに基づいて生成するデータを含むテーブルである。
【0035】
(b1.削減割合が20%の場合)
ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して20%の消費電力を仮に指示した場合に各家電で削減される電力を、電力データCPと電力データRPとを用いて計算する。ホームコントローラ20は、エアーコンディショナ301の場合、消費電力が800W(電力データCP−1)であり、かつ削減可能電力が300W(電力データRP−1)であるため、160W(=800W×0.2)の消費電力が削減されると判断する。ホームコントローラ20は、当該数値(160W)をデータテーブル292におけるエアコンと20%とに対応する欄に書き込む。
【0036】
ホームコントローラ20は、冷蔵庫302の場合、消費電力が50Wであり、かつ削減可能電力が5Wであるため、5Wの消費電力しか削減されないと判断する。この場合、ホームコントローラ20が消費電力を20%削減する指示を冷蔵庫302に送信しても、冷蔵庫では10%の消費電力しか削減できないことになる。ホームコントローラ20は、当該数値(5W)をデータテーブル292における冷蔵庫と20%とに対応する欄に書き込む。なお、データテーブル292における括弧書き「()」の数値は、削減可能電力の上限値に達していることを表している。
【0037】
以下同様にして、ホームコントローラ20は、照明装置303に関し、20W(=100W×0.2)をデータテーブル292における照明装置と20%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、テレビ304に関し、40W(=200W×0.2)をデータテーブル292におけるテレビと20%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、洗濯機305に関し、15W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における洗濯機と20%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、洗濯機305に関し、15W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における洗濯機と20%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、電子レンジ306に関し、50W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における電子レンジと20%とに対応する欄に書き込む。
【0038】
また、ホームコントローラ20は、データテーブル292における20%欄における数値の合計を算出する。これにより、ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して20%の消費電力を仮に指示した場合に各家電で削減される電力を、290Wであると算出する。
【0039】
次に、ホームコントローラ20は、算出した電力が、削減すべき電力を上回っているかを判断する。この場合、ホームコントローラ20は、算出した電力が290Wであって、削減すべき電力が360W(ブロック283参照)であるため、上回っていないと判断する。このため、ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して20%の消費電力の削減を指示しても、電力会社8から指示された削減割合を達成できないと判断する。
【0040】
それゆえ、ホームコントローラ20は、20%に一定の割合を加えた上で、再度、上述した演算を実行する。一例として、以下では、20%に5%を加えることにより25%とした場合において、削減すべき消費電力(360W)を達成できるか否かを判断する構成を挙げて説明する。
【0041】
(b2.削減割合が25%の場合)
ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して25%の消費電力を仮に指示した場合に各家電で削減される電力を、電力データCPと電力データRPとを用いて計算する。
【0042】
ホームコントローラ20は、エアーコンディショナ301に関し、200W(=800W×0.25)をデータテーブル292におけるエアコンと25%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、冷蔵庫302に関し、5W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における冷蔵庫と25%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、照明装置303に関し、25W(=100W×0.25)をデータテーブル292における照明装置と25%とに対応する欄に書き込む。
【0043】
ホームコントローラ20は、テレビ304に関し、50W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292におけるテレビと25%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、洗濯機305に関し、15W(上限値)をデータテーブル292における洗濯機と25%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、洗濯機305に関し、15W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における洗濯機と25%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、電子レンジ306に関し、50W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における電子レンジと25%とに対応する欄に書き込む。
【0044】
また、ホームコントローラ20は、データテーブル292における25%欄における数値の合計を算出する。これにより、ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して25%の消費電力を仮に指示した場合に各家電で削減される電力を、345Wであると算出する。
【0045】
次に、ホームコントローラ20は、算出した電力が、削減すべき電力を上回っているかを判断する。この場合、ホームコントローラ20は、算出した電力が345Wであって、削減すべき電力が360W(ブロック283参照)であるため、上回っていないと判断する。このため、ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して25%の消費電力の削減を指示しても、電力会社8から指示された削減割合を達成できないと判断する。
【0046】
それゆえ、ホームコントローラ20は、25%に上記と同様に5%を加えた上で、再度、上述した演算を実行する。つまり、ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して30%の消費電力を仮に指示した場合に、削減すべき消費電力(360W)を達成できるか否かを判断する。
【0047】
(b3.削減割合が30%の場合)
ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して30%の消費電力を仮に指示した場合に各家電で削減される電力を、電力データCPと電力データRPとを用いて計算する。
【0048】
ホームコントローラ20は、エアーコンディショナ301に関し、240W(=800W×0.3)をデータテーブル292におけるエアコンと30%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、冷蔵庫302に関し、5W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における冷蔵庫と30%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、照明装置303に関し、30W(=100W×0.3)をデータテーブル292における照明装置と30%とに対応する欄に書き込む。
【0049】
ホームコントローラ20は、テレビ304に関し、50W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292におけるテレビと30%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、洗濯機305に関し、15W(上限値)をデータテーブル292における洗濯機と30%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、洗濯機305に関し、15W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における洗濯機と30%とに対応する欄に書き込む。ホームコントローラ20は、電子レンジ306に関し、50W(削減可能電力の上限値)をデータテーブル292における電子レンジと30%とに対応する欄に書き込む。
【0050】
また、ホームコントローラ20は、データテーブル292における30%欄における数値の合計を算出する。これにより、ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して30%の消費電力を仮に指示した場合に各家電で削減される電力を、390Wであると算出する。
【0051】
次に、ホームコントローラ20は、算出した電力が、削減すべき電力を上回っているかを判断する。この場合、ホームコントローラ20は、算出した電力が390Wであって、削減すべき電力が360W(ブロック283参照)であるため、上回っていると判断する。このため、ホームコントローラ20は、各家電301〜306に対して30%の消費電力の削減を指示することにより、電力会社8から指示された削減割合を達成できると判断する。
【0052】
ホームコントローラ20は、消費電力を30%削減することを示した削減指示DRβを生成信する(ブロック284参照)。ホームコントローラ20は、当該生成した削減指示DRβを、各家電301〜306に送信する。これにより、ホームコントローラ20は、電力会社8から指示された割合の消費電力の削減を達成可能となる。
【0053】
以上のように、ホームコントローラ20は、消費電力の削減に関し、一括で制御する構成である。したがって、ホームコントローラ20は、複数の家電を個別に制御(つまり、家電毎に別個のパラメータを用いて異なる削減指示を送信)する構成に比べて、簡易な構成で家電のデマンド制御を行なうことが可能となる。
【0054】
なお、上記においては、削減指示DRβにおいて、5%ずつ削減割合を増加させたが、5%に限定されるものではない。5%よりも小さい値(たとえば、1%)ずつ削減割合を増加させれば、5%の場合に比べて、細やかな制御が可能となる。一方、5%よりも大きな値(たとえば、10%)ずつ増加させれば、5%の場合に比べて、ホームコントローラ20におけるデータ処理量が少なくなる。また、増加させる割合をユーザが適宜設定可能なように、ホームコントローラ20を構成してもよい。
【0055】
以下、上記の処理を実現するための通信システム1の具体的構成について、説明する。
<C.ハードウェア構成>
(c1.スマートメータ)
図3は、スマートメータ10のハードウェア構成を表した図である。図3を参照して、スマートメータ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、系統用通信インターフェイス15と、電力量計16と、宅内用通信インターフェイス17とを備える。
【0056】
メモリ12は、各種のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現される。メモリ12は、CPU201によって実行される、OS(Operation System)、各種の制御プログラム、並びにCPU201によって読み出される各種データを格納する。
【0057】
系統用通信インターフェイス15は、電力会社8との通信に用いるインターフェイスである。スマートメータ10は、系統用通信インターフェイス15を用いて、削減指示DRαを受信する。
【0058】
電力量計16は、電力会社8から受電した電力を、家電群30に送電する。また、電力量計16は、建物9における消費電力を測定する。具体的には、電力量計16は、家電300毎の消費電力を測定する。これにより、スマートメータ10は、電力データCP1〜CP6を得る。
【0059】
宅内用通信インターフェイス17は、ホームコントローラ20に対して、削減指示DRαおよび電力データCP1〜CP6を送信する。
【0060】
(c2.ホームコントローラ)
図4は、ホームコントローラ20の構成を説明するための図である。図4(a)は、ホームコントローラ20の外観を表した図である。図4(b)は、ホームコントローラ20のハードウェア構成の一態様を表わすブロック図である。
【0061】
図4(a)を参照して、ホームコントローラ20は、CPU201と、ボタン204と、通信インターフェイス205と、タッチパネル付きディスプレイ206と、スピーカ207と、時計208と、メモリ209とを含む。タッチパネル付きディスプレイ206は、ディスプレイ202と、タブレット203とで構成され、ディスプレイ202の表面にタブレット203が敷設されている。ただし、ホームコントローラ20は、タブレット203を有していなくともよい。
【0062】
メモリ209は、各種のRAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現される。たとえば、メモリ209は、読取用のインターフェイスを介して利用される、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体などによっても実現される。
【0063】
メモリ209は、CPU201によって実行される、OS、各種の制御プログラム、並びにCPU201によって読み書きされるデータテーブル291,292等の各種データテーブルを格納する。
【0064】
ディスプレイ202は、CPU201によって制御されることによって、各家電300の状態を表示する。より詳しくは、ディスプレイ202は、各家電300の消費電力、家電群30の消費電力の総和、電力会社8からの削減指示の内容等の各種情報を表示する。タブレット203は、ユーザの指によるタッチ操作を検出して、タッチ座標などをCPU201に入力する。CPU201は、タブレット203を介して、ユーザからの命令を受け付ける。
【0065】
ボタン204は、ホームコントローラ20の表面に配置される。決定キー、方向キー、テンキーなどの複数のボタンがホームコントローラ20に配置されても良い。ボタン204は、ユーザからの命令を受け付ける。ボタン204は、ユーザからの命令をCPU201に入力する。
【0066】
通信インターフェイス205は、CPU201によって制御されることによって、ネットワークを介して、家電群30の各家電300とデータを送受信する。通信インターフェイス205は、たとえば、無線LAN、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、またはPLCなどを利用することによって、各家電300とデータを送受信する。また、通信インターフェイス205は、スマートメータ10との間で、削減指示DRα、電力データCP−1〜CP−6等のデータについて通信を行う。
【0067】
スピーカ207は、CPU201からの命令に基づいて、音声を出力する。たとえば、CPU201は、音声データに基づいて、スピーカ207に音声を出力させる。
【0068】
時計208は、CPU201からの命令に基づいて、現在の日付や時刻をCPU201に入力する。
【0069】
CPU201は、メモリ209に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、各種の情報処理などを実行する。換言すれば、ホームコントローラ20における処理は、各ハードウェアおよびCPU201により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ209に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0070】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス205を利用することによってダウンロードされて、メモリ209に一旦格納される。CPU201は、ソフトウェアを実行可能なプログラムの形式でメモリ209に格納してから、当該プログラムを実行する。
【0071】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体(一時的ではない媒体)が挙げられる。
【0072】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0073】
<D.データ>
以下、エアーコンディショナ301、冷蔵庫302、照明装置303、およびテレビ304における消費電力の測定結果について説明をする。
【0074】
図5は、エアーコンディショナ301についての消費電力の測定結果を表した図である。具体的には、図5は、外気音が12℃であって、エアーコンディショナ301を暖房運転させたときの消費電力の測定結果である。なお、測定結果は一例であって、これに限定されるものではない。
【0075】
図5を参照して、設定温度を高くすれば、消費電力が上昇する。なお、括弧書きの数値は、設定温度が22℃のときの消費電力を100%とした場合における、各設定温度の消費電力を表している。エアーコンディショナ301の場合、設置された部屋の環境(広さや熱漏洩)および外気温等の条件によって、設定温度がエアーコンディショナ301の制御能力を超えると、連続動作モード(能力オーバ)となる。この場合には、エアーコンディショナ301における消費電力が急激に上昇する(設定温度28℃参照)。
【0076】
図6は、冷蔵庫302についての消費電力の測定結果を表した図である。詳しくは、図6は、冷凍室と冷蔵室とについて、制御動作を変更したときの消費電力の測定結果を表した図である。なお、測定結果は一例であって、これに限定されるものではない。
【0077】
上記制御動作として、最小消費電力、標準消費電力、および最大消費電力との3つを例に挙げている。なお、冷凍室および冷蔵室とも温度制御について、−4〜−1,0,+1〜+4までの9つのレベルがある。レベル“−4”の温度設定が、冷却能力が最も低い。このため、レベル“−4”の温度設定が最小消費電力となる。レベル“0”(標準)の温度設定が、標準消費電力となる。レベル“+4”の温度設定が、冷却能力が最も高い。このため、レベル“+4”の温度設定が最大消費電力となる。
【0078】
冷凍室に関しては、最小消費電力、標準消費電力、および最大消費電力は、それぞれ、29.4W、35W、40.3Wとなる。なお、括弧書きは、標準消費電力の値を100%とした数値である。冷蔵室に関しては、最小消費電力、標準消費電力、および最大消費電力は、それぞれ、27.3W、35W、37.5Wとなる。なお、括弧書きは、標準消費電力の値を100%とした数値である。このように、冷蔵庫302では、レベルに応じた電力が消費される。
【0079】
図7は、照明装置303についての消費電力の測定結果を表した図である。詳しくは、図7は、制御動作を変更したときの消費電力の測定結果を表した図である。さらに詳しくは、図7は、照明装置303の光源として、LED(Light Emitting Diode)を用いた場合の測定結果を表した図である。なお、測定結果および後述する式(1)は一例であって、これに限定されるものではない。
【0080】
上記制御動作として、最小消費電力、標準消費電力、および最大消費電力との3つを例に挙げている。なお、調光制御について、1〜10までの10個のレベルがある。レベル“1”の調光設定が、照度が最も低い。このため、レベル“1”の調光設定が最小消費電力となる。レベル“6”(標準)の調光設定が、標準消費電力となる。レベル“10”の調光設定が、照度が最も高い。このため、レベル“10”の調光設定が最大消費電力となる。この場合、最小消費電力、標準消費電力、および最大消費電力は、それぞれ、15W、40W、86Wとなる。なお、括弧書きは、最大消費電力の値を100%とした数値である。
【0081】
なお、照明装置303における消費電力とレベルとの関係は、消費電力をyとし、レベルをxとすると、以下の式(1)に示す関係を有する。このように、照明装置303においても、レベルに応じた電力が消費される。
【0082】
y = 12.392e0.1941x … (1)
図8は、テレビ304についての消費電力の測定結果を表した図である。詳しくは、図8は、テレビ304として液晶テレビを用いた場合の測定結果を表した図である。より詳しくは、図8は、バックライトの制御動作を変更したときの消費電力の測定結果を表した図である。なお、測定結果は一例であって、これに限定されるものではない。
【0083】
上記制御動作として、最小消費電力、標準消費電力、および最大消費電力との3つを例に挙げている。なお、バックライトの輝度設定について、−16〜−1,0,+1〜+16までの33個のレベルがある。レベル“−16”の輝度設定が、照明能力が最も低い。このため、レベル“−16”の輝度設定が最小消費電力となる。レベル“0”(標準)の輝度設定が、標準消費電力となる。レベル“+16”の温度設定が、照明能力が最も高い。このため、レベル“+16”の温度設定が最大消費電力となる。最小消費電力、標準消費電力、および最大消費電力は、それぞれ、115W、161W、230Wとなる。なお、括弧書きは、最大消費電力の値を100%とした数値である。このように、テレビ304においても、レベルに応じた電力が消費される。
【0084】
<E.データ処理の流れ>
図9は、通信システム1におけるシーケンスチャートを示した図である。図9を参照して、ステップS2において、スマートメータ10は、電力会社8から受信した削減指示DRαをホームコントローラ20に送信する。ステップS4において、スマートメータ10は、各家電300(301〜306)の消費電力をそれぞれ表した電量データCP1〜CP6を、ホームコントローラ20に送信する。ステップS6において、家電群30の各家電300は、各家電300における削減可能電力をそれぞれ表した電力データRP−1〜RP−6をホームコントローラ20に送信する。
【0085】
ステップS8において、ホームコントローラ20は、電力データCP−1〜CP6に基づき電力データCPを生成するとともに、電力データRP−1〜RP−6に基づき電力データRPを生成する。ステップS10において、ホームコントローラ20は、削減指示DRαによって指定された削減割合と、電力データCPと、電力データRPとを用いて、宅内の消費電力を指定された割合だけ削減するための必要となる削減割合を算出する。なお、ステップS10の処理は、図2におけるブロック284に示した値(30%)を求める処理に該当する。
【0086】
ステップS12において、ホームコントローラ20は、算出された削減割合の消費電力を削減することを各家電300に指示する削減指示DRβを生成する。ステップS14において、ホームコントローラ20は、削減指示DRβを家電群30の各家電300に送信する。
【0087】
図10は、ホームコントローラ20における処理の流れを表したフローチャートである。図10を参照して、ステップS102において、ホームコントローラ20は、削減指示DRαをスマートメータ10から受信する。ステップS104において、各家電300の消費電力を表した電力データCP−1〜CP−6を、スマートメータ10を介して、各家電300から受信する。ステップS106において、ホームコントローラ20は、各家電300における削減可能電力を表した電力データRP−1〜RP−6を、各家電300から受信する。
【0088】
ステップS108において、ホームコントローラ20は、受信した電力データCP−1〜CP−6および電力データRP−1〜RP−6から、それぞれ、電力データCPおよび電力データRPを生成し、メモリ209に生成した電力データCPおよび電力データRPを格納する。ステップS110において、ホームコントローラ20は、削減指示DRαによって指定された削減割合と電力データCPとに基づき、宅内において削減すべき消費電力を算出する。当該ステップS110の処理は、図2におけるブロック283に対応する。
【0089】
ステップS112において、ホームコントローラ20は、削減指示DRαで指定された削減割合を各家電300に仮に送信した場合に、算出した削減すべき消費電力を削減可能か否かを判断する。ホームコントローラ20は、削減不可能であると判断した場合(ステップS112においてNO)、ステップS114において、削減指示DRαに示された削減割合と、電力データCPと、電力データRPとを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαに示された割合だけ削減するために必要となる削減割合を算出する。ステップS116において、ホームコントローラ20は、算出された削減割合の消費電力を削減することを各家電300に指示する削減指示DRβを生成する。
【0090】
ホームコントローラ20は、削減可能であると判断した場合(ステップS112においてYES)、ステップS120において、削減指示DRαにおける削減割合と同じ割合の消費電力の削減を指示する削減指示DRβ(第3の削減指示)を生成する。ステップS118において、ホームコントローラ20は、生成した削減指示DRβを、各家電300に送信する。
【0091】
<F.変形例>
(f1.スマートメータ内蔵型のホームコントローラ)
図11は、通信システム1の変形例である通信システム1Aを説明するための図である。図11を参照して、通信システム1Aは、スマートメータを内蔵したホームコントローラ20Aと、家電群30の各家電300(301〜306)とを備える。つまり、ホームコントローラ20は、宅内の消費電力を測定するための測定装置を備える。
【0092】
通信システム1Aは、スマートメータとホームコントローラとが一体となっている点において、スマートメータ10とホームコントローラ20とが分離されている通信システム1とは異なる。ホームコントローラ20Aは、ホームコントローラ20とスマートメータ10との機能を備える。
【0093】
ホームコントローラ20Aは、一体型である点を除けば、スマートメータ10およびホームコントローラ20からなる構成と異なる点はない。したがって、ここでは、ホームコントローラ20Aにおける処理の詳細については、その説明を繰り返さない。なお、通信システム1Aによっても、通信システム1と同様の効果を奏することが可能となる。
【0094】
(f2.通信アダプタの利用)
(f2−1)
図12は、通信システム1Bの概略構成を説明するための図である。図12を参照して、通信システム1Bは、スマートメータ10と、ホームコントローラ20Bと、家電群30と、通信アダプタ群40とを備える。通信アダプタ群40は、複数の通信アダプタ401〜406を含む。ホームコントローラ20と、家電群30と、通信アダプタ群40とは、建物9の中(宅内)に設置されている。なお、以下では、説明の便宜上、通信アダプタ群40に含まれる各通信アダプタ401〜406を区別することなく表す場合には、「通信アダプタ400」と表記する。
【0095】
スマートメータ10は、受信した削減指示DRαと、電力データCP−1〜CP−6とをホームコントローラ20Bに送信する。
【0096】
ホームコントローラ20Bは、スマートメータ10および各通信アダプタ400と通信可能に接続されている。ホームコントローラ20Bは、スマートメータ10から受信した削減指示DRαに対して予め定められたプロトコル変換を行なうことにより、通信アダプタ群40が利用可能な削減指示DRβを生成する。ホームコントローラ20Bは、削減指示DRβを各通信アダプタ400に送信する。
【0097】
各通信アダプタ400は、ホームコントローラ20Bから削減指示DRβを受信する。通信アダプタ群における通信アダプタ401〜406は、それぞれ、1つの家電301〜306に通信可能に接続されている。たとえば、通信アダプタ401は、エアーコンディショナ301と通信可能に接続されている。
【0098】
各通信アダプタ400は、各々に接続された家電の動作を制御する。具体的には、各通信アダプタ400は、家電の動作を制御するための制御信号(コマンド)を家電に送信することにより、各々に接続された家電の動作を制御する。一例として、各通信アダプタ400は、削減指示DRβを受信した場合、当該削減指示DRβに示された削減割合の消費電力を低減するための制御信号を、各々に接続された家電に送信する。
【0099】
各家電300は、スマートメータ10および通信アダプタ400を介して受電する。各家電300は、各通信アダプタ400からの制御信号を受信する。各家電300は、制御信号に基づき動作状態を変更する。一例として、エアーコンディショナ301は、冷房運転時には設定温度を上げ、暖房運転時には設定温度を下げる。
【0100】
各通信アダプタ400は、予め定められたタイミングで、各々に接続された家電300から当該家電の消費電力を取得する。たとえば、通信アダプタ401は、エアーコンディショナ301から、エアーコンディショナ301における消費電力を取得する。
【0101】
図13は、通信アダプタ400の構成と家電300の構成とを説明するための図である。図13を参照して、通信アダプタ400は、家電300と、ホームコントローラ20Bとの間で行なわれる通信を中継する。家電300と通信アダプタ400との間で行なわれる通信の通信形式は、通信アダプタ400とホームコントローラ20Bとの間で行なわれる通信の通信形式と異なる。通信アダプタ400は、家電300およびホームコントローラ20Bのうちのいずれか一方から受信するデータを他方と通信可能な通信形式に変換する。
【0102】
家電300は、機器通信制御部320と、通信インターフェイス部310と、プラグ330とを含む。機器通信制御部320は、通信インターフェイス部310を経由して通信アダプタ400との間で通信を行なうための機器通信プログラムを実行する。
【0103】
機器通信制御部320は、機器情報応答部322を含む。機器情報応答部322は、通信アダプタ400(具体的には、機器情報取得部418)からの要求に応じて機器情報を通信アダプタ400に対して送信する。
【0104】
機器通信制御部320は、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の簡易的な通信機能を用いて通信アダプタ400と通信を行なう。通信インターフェイス部310と通信アダプタ400とは、有線通信によって相互に通信可能に接続されてもよい。あるいは、通信インターフェイス部310と通信アダプタ400とは、無線通信によって相互に通信可能に接続されてもよい。無線通信は、たとえば、RFID(Radio Frequency IDentification)などの短距離無線通信であってもよいし、赤外線通信であってもよい。
【0105】
家電300と通信アダプタ400との間で通信を行なうための機器通信プログラムは、家電300に開発負担が増大しないように各家電機器固有の通信仕様で必要最小限のデータのやりとりを行なう。
【0106】
通信アダプタ400は、家電300と接続するための家電用通信インターフェイス408と、ホームコントローラ20Bと接続するための宅内用通信インターフェイス416と、機器全体の制御を行なうための制御部440と、メモリ446と、電力量計480と、ソケット490とを含む。制御部440は、たとえば、マイクロコンピュータである。制御部440は、家電用通信インターフェイス408を経由して家電300から受信するデータを通信アダプタ400とホームコントローラ20Bとの間の通信に対応する通信形式のデータに変換して宅内用通信インターフェイス416を経由してホームコントローラ20Bに送信する。あるいは、制御部440は、宅内用通信インターフェイス416を経由してホームコントローラ20Bから受信するデータを通信アダプタ400と家電300との間の通信に対応する通信形式のデータに変換して家電用通信インターフェイス408を経由して家電300に送信する。
【0107】
制御部440は、機器通信制御部410と、データ変換部412と、変換データ書換制御部424と、ネットワーク通信制御部414とを含む。
【0108】
家電用通信インターフェイス408は、家電300と通信アダプタ400との間でデータを送受信するためのインターフェイスである。たとえば、通信インターフェイス部310と家電用通信インターフェイス408との間で、有線通信を用いてデータが送受信されてもよいし、あるいは、無線通信を用いてデータが送受信されてもよい。家電300にケーブル等を用いて物理的に接続される場合には、家電用通信インターフェイス408として、USB(Universal Serial Bus)等の所定の規格に適合したコネクタが用いられる。
【0109】
機器通信制御部410は、家電300との通信を制御する。具体的には、機器通信制御部410は、データ変換部412において通信形式が変換されたデータを家電用通信インターフェイス408を経由して家電300に送信する。あるいは、機器通信制御部410は、家電300から家電用通信インターフェイス408を経由して受信したデータをデータ変換部412に送信する。
【0110】
機器通信制御部410は、機器情報取得部418と、機器情報要求部438とを含む。機器情報要求部438は、家電300の機器情報を送信するように家電300に対して要求する。機器情報取得部418は、家電300から機器情報を取得する。具体的には、機器情報取得部418は、家電300から機器情報を受信した場合に機器情報を変換データ書換制御部424に送信したり、あるいは、メモリ等の記憶媒体に記憶させたりする。
【0111】
家電300の機器情報は、家電300のメーカ情報と、機種情報と、機能、型番、製造年度あるいはバージョンなどの型式情報とを含む家電300の固有の情報である。家電300の機器情報は、家電300内のメモリ等の記憶媒体に予め記憶されている。
【0112】
データ変換部412は、家電300およびホームコントローラ20Bのうちのいずれか一方との通信を可能とする通信形式のデータを他方との通信を可能とする通信形式のデータに変換する。
【0113】
具体的には、データ変換部412は、機器通信制御部410から受信したデータをホームコントローラ20Bとの通信を可能とする通信形式のデータに変換してネットワーク通信制御部414に送信する。
【0114】
また、データ変換部412は、ネットワーク通信制御部414から受信したデータを家電300との通信を可能とする通信形式のデータに変換して機器通信制御部410に送信する。
【0115】
データ変換部412は、基本データ変換部442と、付加データ変換部444とを含む。基本データ変換部442は、データのヘッダ等の情報(たとえば、後述するプロパティコード)に基づいて家電300およびホームコントローラ20Bのうちのいずれか一方から受信するデータが基本データである場合に、基本データを他方との通信を可能とする通信形式のデータに変換する。基本データは、家電300の機種が共通する複数の電気機器間で共通する情報を含む。
【0116】
付加データ変換部444は、データのヘッダ等の情報に基づいて家電300およびホームコントローラ20Bのうちのいずれか一方から受信するデータが付加データである場合に、付加データを他方との通信を可能とする通信形式のデータに変換する。付加データは、家電300の機種が共通する複数の電気機器間で共通しない情報であって、家電300の型式に依存した情報を含む。
【0117】
基本データ変換部442および付加データ変換部444は、ソフトウェアによって実現される。すなわち、基本データ変換部442は、制御部440がプログラム(以下、基本データ変換プログラムともいう)を実行することによって基本データのデータ変換を行なう。また、付加データ変換部444は、制御部440がプログラム(以下、付加データ変換プログラムともいう)を実行することによって付加データのデータ変換を行なう。基本データ変換プログラムおよび付加データ変換プログラムの各々は、通信アダプタ400内の書換可能な記憶媒体であるメモリ446に記憶される。なお、メモリ446は、制御部440内に設けられてもよい。メモリ446は、たとえば、不揮発性メモリである。
【0118】
ネットワーク通信制御部414は、ホームコントローラ20Bとの通信を制御する。ネットワーク通信制御部414は、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)等のネットワーク50の規格に応じた通信方式で通信を行なうための通信プログラムを実行する。ネットワーク50は、たとえば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、あるいは、インターネットを利用したものであってもよい。
【0119】
ネットワーク通信制御部414は、データ変換部412において通信形式が変換されたデータを宅内用通信インターフェイス416を経由してホームコントローラ20Bに対して送信する。あるいは、ネットワーク通信制御部414は、宅内用通信インターフェイス416を経由して受信したホームコントローラ20Bからのデータをデータ変換部412に送信する。
【0120】
宅内用通信インターフェイス416は、ホームコントローラ20Bと接続するためのインターフェイスである。たとえば、ホームコントローラ20Bに通信ケーブル、電話線、電力線等の有線を用いて通信が行なわれる場合には、宅内用通信インターフェイス416としてUSB等の所定の規格に適合したコネクタが用いられる。
【0121】
また、たとえば、ホームコントローラ20Bに接続されたアクセスポイントに無線通信(たとえば、無線LAN)を用いて通信が行なわれる場合には、宅内用通信インターフェイス416として、アクセスポイントから電波を送受信するための無線ユニットが用いられる。
【0122】
変換データ書換制御部424は、上述の基本データ変換プログラムまたは付加データ変換プログラムの書換動作を制御する。変換データ書換制御部424は、変換データ比較部426を含む。
【0123】
変換データ書換制御部424は、家電用通信インターフェイス408および宅内用通信インターフェイス416のうちの少なくともいずれか一方を経由して取得される家電300に対応した更新情報を用いて基本データ変換部442および付加データ変換部444を個別に更新する。変換データ書換制御部424は、基本データ変換部442において基本データの通信形式の変換が可能である場合であって、かつ、付加データ変換部444において付加データの通信形式の変換が可能でない場合に更新情報を用いて付加データ変換部444を更新する。さらに、変換データ書換制御部424は、基本データ変換部442において第1データの通信形式の変換が可能でない場合に更新情報を用いて第1変換部および第2変換部を更新する。さらに、変換データ書換制御部424は、基本データ変換部442において基本データの通信形式の変換が可能である場合であって、かつ、付加データ変換部444において付加データの通信形式の変換が可能である場合に基本データ変換部442および付加データ変換部444のいずれも更新しない。
【0124】
変換データ比較部426は、機器情報取得部418から受信する家電300の機器情報と基本データ変換部442とが対応するか否かを判定する。すなわち、変換データ比較部426は、家電300から家電用通信インターフェイス408を経由して取得される家電300の機種と、メモリ446に記憶された基本データ変換プログラムによって基本データの通信形式の変換が可能な機種とが一致する場合に基本データの通信形式の変換が可能であると判定し、一致しない場合に基本データの通信形式の変換が可能でないと判定する。
【0125】
さらに、変換データ比較部426は、家電300から家電用通信インターフェイス408を経由して取得される家電300の型式と、メモリ446に記憶された付加データ変換プログラムによって付加データの通信形式の変換が可能な型式とが一致する場合に不可データの通信形式の変換が可能であると判定し、一致しない場合に付加データの通信形式の変換が可能でないと判定する。
【0126】
なお、変換データ比較部426は、家電300の機器情報のうちのメーカ情報および機種情報が、メモリ446に記憶されている基本データ変換プログラムに対応するメーカ情報および機種情報と一致するか否かを判定する。
【0127】
変換データ書換制御部424は、変換データ比較部426において家電300の機器情報と基本データ変換部442とが対応しないと判定された場合に、基本データ変換プログラムおよび付加データ変換プログラムの両方の書換を実行する。
【0128】
変換データ比較部426は、家電300の機器情報と基本データ変換部442とが対応すると判定した場合に、家電300の機器情報と付加データ変換部444とが対応するか否かを判定する。具体的には、変換データ比較部426は、家電300の機器情報のうちの型式情報が、メモリ446に記憶されている付加データ変換プログラムに対応する型式情報と一致するか否かを判定する。
【0129】
変換データ書換制御部424は、変換データ比較部426において家電300の機器情報と付加データ変換部444とが対応しないと判定された場合に、付加データ変換プログラムのみの書換を実行する。
【0130】
なお、変換データ書換制御部424は、たとえば、変換データ比較部426において家電300の機器情報と基本データ変換部442および付加データ変換部444の各々とが対応すると判定された場合にプログラムの書換を実行しない。
【0131】
変換データ書換制御部424は、プログラムの書換を行なう場合に書換用プログラムの取得をネットワーク通信制御部414に対して要求する。ネットワーク通信制御部414は、変換データ取得部428と、制御信号生成部450とを含む。
【0132】
変換データ取得部428は、変換データ書換制御部424からの要求に応じてホームコントローラ20Bに対して書換用プログラムの取得を要求し、ホームコントローラ20Bから書換用のプログラムをダウンロードする。変換データ取得部428は、たとえば、家電300の機器情報をホームコントローラ20Bに対して送信することによって適切な書換用プログラムを取得する。
【0133】
変換データ取得部428は、たとえば、基本データ変換プログラムおよび付加データ変換プログラムの両方の書換を行なう場合には、いずれか一方のプログラムの書換用プログラムを取得する。変換データ取得部428は、取得した書換用プログラムをメモリ446の一時記憶領域に記憶させる。変換データ書換制御部424は、一時記憶領域から書換用プログラムを読み出して、書換対象となる一方のプログラムが記憶された所定の記憶領域を上書きすることによって一方のプログラムの書換を実行する。変換データ取得部428は、一方のプログラムの書換が完了した後に、他方のプログラムの書換用プログラムを取得を要求する。変換データ取得部428は、ホームコントローラ20Bから要求に応じて送信された他方のプログラムの書換用プログラムを取得して、メモリ446の一時記憶領域に上書きする。変換データ書換制御部424は、上書きされた一時記憶領域から書換用プログラムを読み出して、他方のプログラムが記憶された所定の記憶領域を上書きすることによって他方のプログラムの書換を実行する。
【0134】
なお、変換データ取得部428は、データの一時記憶領域の記憶容量が基本データ変換プログラムおよび付加データ変換プログラムのデータサイズよりも十分に大きい場合には、両方の書換用プログラムを取得した後に順次あるいは並行して書換を実行するようにしてもよい。
【0135】
また、変換データ取得部428は、付加データ変換プログラムのみの書換を行なう場合には、付加データ変換プログラムの書換用プログラムのみを取得する。
【0136】
次に、電力量計480と、ソケット490と、プラグ330と、制御信号生成部450とについて説明する。
【0137】
ソケット490は、家電300のプラグ330と接続するためのコンセントである。ソケット490にプラグ330を差し込むことにより、通信アダプタ400を経由して家電300に電力が供給される。
【0138】
電力量計480は、家電300に給電される電力量を計測する機器である。電力量計480は、計測した電力量を制御部440に通知する。
【0139】
制御信号生成部450は、削減指示DRβを、家電300を制御するための制御信号に変換する。
【0140】
図14は、通信アダプタ400のハードウェア構成を表した図である。図14を参照して、通信アダプタ400は、CPU41と、メモリ42と、電力量計480と、ソケット490と、宅内用通信インターフェイス416と、家電用通信インターフェイス408とを備える。
【0141】
メモリ42は、図13に示したメモリ446を含んでいる。メモリ42は、各種のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現される。メモリ42は、CPU41によって実行される、OS(Operation System)、各種の制御プログラム、並びにCPU41によって読み出される各種データを格納する。
【0142】
CPU41は、メモリ42に記憶されている各種のプログラムを実行することによって、各種の情報処理などを実行する。換言すれば、通信アダプタ400における処理は、各ハードウェアおよびCPU41により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ42に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0143】
このようなソフトウェアは、図示しない読取装置を利用することによってその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス416を利用することによってダウンロードされて、メモリ42に一旦格納される。CPU41は、ソフトウェアを実行可能なプログラムの形式でメモリ42に格納してから、当該プログラムを実行する。
【0144】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体(一時的ではない媒体)が挙げられる。
【0145】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0146】
図15は、通信システム1Bにおけるシーケンスチャートを示した図である。図15を参照して、ステップS202において、スマートメータ10は、電力会社8から受信した削減指示DRαをホームコントローラ20Bに送信する。ステップS204において、スマートメータ10は、各家電300(301〜306)の消費電力をそれぞれ表した電量データCP1〜CP6を、ホームコントローラ20Bに送信する。ステップS206において、家電群30の各家電300は、各家電300における削減可能電力をそれぞれ表した電力データRP−1〜RP−6を通信アダプタ群40において対応する通信アダプタ400に送信する。ステップS208において、通信アダプタ群40の各通信アダプタ400は、電力データRP−1〜RP−6をホームコントローラ20Bに送信する。
【0147】
ステップS210において、ホームコントローラ20Bは、電力データCP−1〜CP6に基づき電力データCPを生成するとともに、電力データRP−1〜RP−6に基づき電力データRPを生成する。ステップS212において、ホームコントローラ20Bは、削減指示DRαによって指定された削減割合と、電力データCPと、電力データRPとを用いて、宅内の消費電力を指定された割合だけ削減するための必要となる削減割合を算出する。なお、ステップS10の処理は、図2におけるブロック284に示した値(30%)を求める処理に該当する。
【0148】
ステップS214において、ホームコントローラ20Bは、算出された削減割合の消費電力を削減することを各家電300に指示する削減指示DRβを生成する。ステップS216において、ホームコントローラ20Bは、削減指示DRβを通信アダプタ群40の各通信アダプタ400に送信する。ステップS218において、通信アダプタ群40における各通信アダプタ400は、それぞれに対応する家電群30の各家電300に、削減指示DRβを送信する。
【0149】
(f2−2)
図16は、通信システム1Bの変形例である通信システム1Cを説明するための図である。通信システム1Bでは、図12および図14に示したように、家電300は、通信アダプタ400を介して給電されていた。図16を参照して、通信システム1Cでは、家電301〜306は、それぞれ、通信アダプタ401A、402A,403A,404A,405A,406Aを介さずに、スマートメータ10を介して給電される。なお、図示していないが、通信アダプタ401A〜406Aは、スマートメータ10を介して給電される。
【0150】
通信システム1Cのその他の構成は、通信システム1Bと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0151】
(f2−3)
図17は、通信システム1Bの他の変形例である通信システム1Dを説明するための図である。図17を参照して、通信システム1Dは、スマートメータを内蔵したホームコントローラ20Dと、家電群30の各家電300(301〜306)とを備える。つまり、ホームコントローラ20Dは、宅内の消費電力を測定するための測定装置を備える。
【0152】
通信システム1Dは、スマートメータとホームコントローラとが一体となっている点において、スマートメータ10とホームコントローラ20Bとが分離されている通信システム1B(図12参照)とは異なる。ホームコントローラ20Dは、ホームコントローラ20Bとスマートメータ10との機能を備える。
【0153】
ホームコントローラ20Dは、一体型である点を除けば、スマートメータ10およびホームコントローラ20Bからなる構成と異なる点はない。したがって、ここでは、ホームコントローラ20Dにおける処理の詳細については、その説明を繰り返さない。なお、通信システム1Dによっても、通信システム1Bと同様の効果を奏することが可能となる。
【0154】
(f3.センサの利用)
次に、建物9の中にセンサを備え、コントローラが当該センサからの出力に基づき各家電を制御する構成について説明する。
【0155】
図18は、通信システム1Eの概略構成を説明するための図である。図18を参照して、通信システム1Eは、スマートメータ10と、ホームコントローラ20Eと、家電群30と、センサ群60とを備える。センサ群60は、センサ601と、センサ602とを含む。スマートメータ10は、上述したように、建物9の外に設置されている。ホームコントローラ20Eと、家電群30と、センサ群60とは、建物9の中に設置されている。なお、センサ群60に含まれる各センサ601,602を区別することなく表す場合には、「センサ600」と表記する。
【0156】
スマートメータ10は、ホームコントローラ20Eと通信可能に接続されている。
ホームコントローラ20Eは、各家電300を制御するためのコントローラである。ホームコントローラ20Eは、スマートメータ10、各家電300、および各センサ600と通信可能に接続されている。
【0157】
ホームコントローラ20Eは、以下の点において、ホームコントローラ20と異なる。すなわち、ホームコントローラ20Eは、削減指示DRβを生成する場合、センサ600からのセンサ出力を利用する点において、センサ出力を利用しないホームコントローラ20と異なる。削減指示DRβの生成方法が異なる以外は、ホームコントローラ20Eとホームコントローラ20とは同一の構成を有する。それゆえ、削減指示DRβの生成以外のホームコントローラ20Eの詳細についての説明は、ここでは繰り返さない。
【0158】
ホームコントローラ20Eは、たとえば、センサ600から第1の出力を取得した場合と第2の出力を取得した場合とで、削減指示DRβの内容を異ならせる。削減指示DRβの生成の詳細については、後述する。
【0159】
図19は、センサ600と家電300との対応関係を説明するための図である。図19(a)は、建物9の中(宅内)の見取り図である。図19(b)は、図19(a)に示したセンサ600と家電300との対応関係を表した表である。
【0160】
図19(a),(b)を参照して、建物9は、部屋Aと部屋Bとを備えている。部屋Aには、家電300として、エアーコンディショナ301と、照明装置303と、テレビ304とが設置されている。照明装置303は、部屋Aの天井に備え付けられている。また、部屋Aには、センサ601が設置されている。センサ601は、たとえば、照明装置303の近くに設置されている。部屋Bには、家電300として、冷蔵庫302と、洗濯機305と、電子レンジ306とが設置されている。また、部屋Aには、センサ601が設置されている。
【0161】
センサ600は、宅内の状態(環境)を検知する。センサ601は、部屋Aの状態を検知する。センサ602は、部屋Bの状態を検知する。センサ601,602は、たとえば、人感センサである。人感センサとしては、単に、人の在不在を検知するだけではなく、画像認識によって人の人数を検知可能な構成であってもよい。また、センサ601,602は、照度センサであってもよい。
【0162】
図20は、ホームコントローラ20Eが利用するデータテーブルを表した図である。すなわち、図20は、ホームコントローラ20Eが、図2におけるデータテーブル291の代わりに利用するデータテーブルを表した図である。図20(a)は、センサ601,602が人感センサである場合に、ホームコントローラ20Eが利用するデータテーブル291Aを表した図である。図20(b)は、センサ601,602が照度センサである場合ン、ホームコントローラ20Eが利用するデータテーブル291Bを表した図である。
【0163】
図20(a)を参照して、ホームコントローラ20Eは、複数の家電301〜306の各々の消費電力量を表した電力データCPと、各家電301〜306において削減可能な消費電力を表した電力データRPとを記憶している。ここで、電力データRPは、人を検知した場合の電力データRP−1と、人を検知しなかった場合の電力データRP−2とを有している。
【0164】
ホームコントローラ20Eは、センサ600の出力が人を検知したことを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−1とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、各家電に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0165】
詳しくは、ホームコントローラ20Eは、センサ601の出力が人を検知したことを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−1とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、センサ601と同じ部屋に設置されているエアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0166】
また、ホームコントローラ20Eは、センサ602の出力が人を検知したことを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−1とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、センサ602と同じ部屋に設置されている冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0167】
ホームコントローラ20Eは、センサ600の出力が人を検知していないことを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−2とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、各家電に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0168】
詳しくは、ホームコントローラ20Eは、センサ601の出力が人を検知していないことを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−2とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、センサ601と同じ部屋に設置されているエアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0169】
また、ホームコントローラ20Eは、センサ602の出力が人を検知したことを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−2とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、センサ602と同じ部屋に設置されている冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0170】
たとえば、センサ601が人を検知していない場合には、エアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304の各々の動作を停止させても、ユーザの利便性を損ねることはない。したがって、この場合、ホームコントローラ20Eは、センサ601の出力が人を検知していることを示している場合に比べて、消費電力の大幅な削減制御を行なう。
【0171】
また、センサ602が人を検知していない場合には、冷蔵庫302のドアの開閉が行なわれることはない。したがって、この場合、ホームコントローラ20Eは、センサ602の出力が人を検知していることを示している場合に比べて、冷蔵庫302の消費電力の削減量を多くする。
【0172】
なお、ホームコントローラ20Eは、洗濯機305および電子レンジ306については、人の有無に応じて消費電力の削減量を変える制御を行なわない。
【0173】
図20(b)を参照して、ホームコントローラ20は、複数の家電301〜306の各々の消費電力量を表した電力データCPと、各家電301〜306において削減可能な消費電力を表した電力データRPとを記憶している。ここで、電力データRPは、照度が100lx以上の場合の電力データRP−3と、照度が100lx未満の場合の電力データRP−4とを有している。
【0174】
ホームコントローラ20Eは、センサ600の出力が人を検知したことを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−3とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、各家電に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0175】
詳しくは、ホームコントローラ20Eは、センサ601の出力が100lx以上の照度であることを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−3とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、センサ601と同じ部屋に設置されているエアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0176】
また、ホームコントローラ20Eは、センサ602の出力が100lx以上の照度であることを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−3とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、センサ602と同じ部屋に設置されている冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0177】
ホームコントローラ20Eは、センサ600の出力が100lx未満の照度であることを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−4とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、各家電に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0178】
詳しくは、ホームコントローラ20Eは、センサ601の出力が100lx未満の照度であることを示す人を検知していないことを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−4とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、センサ601と同じ部屋に設置されているエアーコンディショナ301、照明装置303、およびテレビ304に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0179】
また、ホームコントローラ20Eは、センサ602の出力が100lx未満の照度であることを示す出力の場合、削減指示DRαを受信したことに基づき、削減割合DRαと電力データCPと電力データRP−4とを用いて、宅内の消費電力を削減指示DRαで示された割合削減するために必要となる削減割合を算出する。次いで、ホームコントローラ20Eは、通信インターフェイス205を用いて、センサ602と同じ部屋に設置されている冷蔵庫302、洗濯機305、および電子レンジ306に対して、消費電力を算出された割合削減することを指示した削減指示DRβを送信する。
【0180】
たとえば、照度が100lx未満の場合の一例として、日中ではなく夜である場合(たとえばユーザが睡眠中)が挙げられる。このような状況を鑑み、ホームコントローラ20Eは、エアーコンディショナ301に対しては、冷房運転中なら設定温度を上げる制御を行ない、暖房運転中なら設定温度を下げる制御を行なう。
【0181】
また、ユーザが睡眠中の場合には、冷蔵庫302のドアの開閉が行なわれることはない。このため、ホームコントローラ20Eは、照度が低い場合(100lx未満の場合)には、照度が高い場合(100lx以上の場合)に比べて、冷蔵庫302の消費電力の削減量を多くする。つまり、ホームコントローラ20Eは、冷蔵庫302に対して、部屋Bが暗いときには明るいときよりも消費電力の削減量を多くする制御を行なう。
【0182】
また、照明装置303については、周囲が明るいとき(図20の場合には100lx以上)には外光などで部屋Aの明るさが保たれるため、周囲が暗いとき(100lx未満)よりも消費電力を削減しても(調光率を下げても)、ユーザの利便性を損ねることはない。そこで、ホームコントローラ20Eは、照明装置303に対して、部屋Aが明るいときには暗いときよりも消費電力の削減量を多くする制御を行なう。
【0183】
また、周囲が暗いとき(図20の場合には100lx未満)には周囲が明るいとき(100lx以上)に比べて、テレビ304のバックライトを暗くしても、テレビ304に表示される映像の見やすさに与える影響が少ない。このため、ホームコントローラ20Eは、テレビ304に対して、部屋Aが暗いときには明るいときよりも消費電力の削減量を多くする制御を行なう。
【0184】
なお、ホームコントローラ20Eは、洗濯機305および電子レンジ306については、照度に応じて消費電力の削減量を変える制御を行なわない。
【0185】
ホームコントローラ20Eは、以上の構成により、家電300に対して、センサ出力に応じた制御を行なうことが可能となる。また、ホームコントローラ20Eは、部屋毎に異なる制御を行なうこともできる。
【0186】
また、図11に基づいて説明したのと同じように、ホームコントローラ20Eとスマートメータ10とを一体型の構成としてもよい。
【0187】
また、センサ600の出力を利用する構成を、図12に示したように通信アダプタ401〜406を有する通信システム1Bの構成に適用してもよい。つまり、センサ601,602の出力を利用して削減指示DRβを生成するように、通信アダプタ401〜406を構成してもよい。
【0188】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0189】
1,1A,1B,1C,1D,1E 通信システム、301〜306 家電、8 電力会社、9 建物、10 スマートメータ、12,42,209,446 メモリ、15 系統用通信インターフェイス、16,480 電力量計、17,416 宅内用通信インターフェイス、20,20A,20B,20D,20E ホームコントローラ、30 家電群、40 通信アダプタ群、50 ネットワーク、80 発電所、81 電力系統、202 ディスプレイ、203 タブレット、204 ボタン、205,416 通信インターフェイス、206 タッチパネル付きディスプレイ、291,292 データテーブル、301 エアーコンディショナ、302 冷蔵庫、303 照明装置、304 テレビ、305 洗濯機、306 電子レンジ、401〜406,401A〜406A 通信アダプタ、408 家電用通信インターフェイス、CP,RP,CP1〜CP6,RP1〜RP6 電力データ、DRα,DRβ 削減指示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅内における複数の家電を制御するコントローラであって、
プロセッサと、
前記複数の家電の各々の消費電力量を表した第1の電力データと、各前記家電において削減可能な消費電力を表した第2の電力データとを格納するためのメモリと、
前記プロセッサに接続された通信インターフェイスとを備え、
前記プロセッサは、
前記通信インターフェイスを用いて、宅外の電力系統から、前記宅内の消費電力を第1の割合削減または当該第1の割合以上削減することを指示した第1の削減指示を受信し、
前記第1の削減指示を受信したことに基づき、前記第1の削減割合と前記第1の電力データと前記第2の電力データとを用いて、前記宅内の消費電力を前記第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出し、
前記通信インターフェイスを用いて、各前記家電に対して、消費電力を前記第2の割合削減することを指示した第2の削減指示を送信する、コントローラ。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第1の削減割合と前記第1の電力データとに基づき、前記宅内において削減すべき消費電力を算出し、
前記第1の削減割合を各前記家電に送信した場合に前記算出した削減すべき消費電力を削減できるか否かを、前記第1の削減割合と、前記第1の電力データと、前記第2の電力データとに基づいて判断し、
前記算出した削減すべき消費電力を削減できる場合には、前記通信インターフェイスを用いて、各前記家電に対して、前記第1の削減割合と同じ割合の消費電力の削減を指示する第3の削減指示を送信し、
前記算出した削減すべき電力量を削減できない場合には、前記通信インターフェイスを用いて、各前記家電に対して前記第2の削減指示を送信する、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記電力系統から前記第1の削減指示を受信したことに基づき、前記通信インターフェイスを用いて、前記複数の家電の各々から、当該家電の消費電力を示した第1の要素データと、当該家電において削減可能な消費電力を示した第2の要素データとを受信し、
前記第1の要素データに基づき前記第1の電力データを生成し、
前記第2の要素データに基づき前記第2の電力データを生成し、
前記生成した第1の電力データと第2の電力データとを、前記メモリに格納させる、請求項1または2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記コントローラは、複数の通信制御装置に通信可能に接続され、
前記通信制御装置の各々は、前記複数の家電のうち当該通信制御装置に対応する1つの家電に通信可能に接続されており、
前記プロセッサは、
前記通信制御装置を介して、各前記家電から前記第1の要素データと前記第2の要素データとを受信し、
前記通信制御装置を介して、各前記家電に前記第2の削減指示を送信する、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記複数の家電が設置された部屋に設置されたセンサからの出力を取得し、
前記第2の電力データは、前記第1の出力に対応した電力データと、前記第2の出力に対応した電力データとを含み、
前記プロセッサは、
前記センサの出力が前記第1の出力の場合、前記第1の削減指示を受信したことに基づき、前記第1の削減割合と前記第1の電力データと前記第1の出力に対応した電力データとを用いて、前記宅内の消費電力を前記第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出し、
前記センサの出力が前記第2の出力の場合、前記第1の削減指示を受信したことに基づき、前記第1の削減割合と前記第1の電力データと前記第2の出力に対応した電力データとを用いて、前記宅内の消費電力を前記第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出する、請求項1から4のいずれか1項に記載のコントローラ。
【請求項6】
宅内における複数の家電を制御するコントローラにおける、各前記家電の消費電力制御方法であって、
前記コントローラが、宅外の電力系統から、前記宅内の消費電力を第1の割合削減または当該第1の割合以上削減することを指示した第1の削減指示を受信するステップと、
前記コントローラが、前記第1の削減指示を受信したことに基づき、前記第1の削減割合と、前記複数の家電の各々の消費電力量を表した第1の電力データと、各前記家電において削減可能な消費電力を表した第2の電力データとを用いて、前記宅内の消費電力を前記第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出するステップと、
前記コントローラが、各前記家電に対して、消費電力を前記第2の割合削減することを指示した第2の削減指示を送信するステップとを備える、消費電力制御方法。
【請求項7】
宅内における複数の家電を制御するコントローラを制御するためのプログラムであって、
宅外の電力系統から、前記宅内の消費電力を第1の割合削減または当該第1の割合以上削減することを指示した第1の削減指示を受信するステップと、
前記第1の削減指示を受信したことに基づき、前記第1の削減割合と、前記複数の家電の各々の消費電力量を表した第1の電力データと、各前記家電において削減可能な消費電力を表した第2の電力データとを用いて、前記宅内の消費電力を前記第1の割合削減するために必要となる第2の削減割合を算出するステップと、
各前記家電に対して、消費電力を前記第2の割合削減することを指示した第2の削減指示を送信するステップとを、前記コントローラのプロセッサに実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−66366(P2013−66366A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−84859(P2012−84859)
【出願日】平成24年4月3日(2012.4.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】